10人分のおっぱいが見れちゃう!kakubutsuイベント『わくわくおっぱい大収穫祭』が開催決定!

 昨年11月に初回が開催され、多くのおっぱい好きを熱狂と感動の渦に包んだ「おっぱい祭」が今年も開催されることが決定した。今年は『見ごろ揉みごろヌキどころ わくわくおっぱい大収穫祭!!』と銘打たれ、11月23日(木)14時より、池袋「LiveHouse Only You」にて催される。

 本イベントでは、首都圏の店舗が威信をかけて選りすぐった巨乳嬢や美乳嬢が10名集結し、自慢の”おっぱい”を活かした夢のステージを展開する。今回はスペシャルMCによしもとクリエイティブエージェンシーのお笑いコンビ「鬼越トマホーク」を迎えており、昨年を上回る盛り上がりが期待できそうだ。

 今回用意されている、エッチで楽しいステージをいくつか紹介しよう。

#1 揺らせ!!いっぱいおっぱい

出演キャストと男性客がペアになり、キャストは胸に、男性客はズボンに万歩計をつけて、制限時間内の万歩計の回数をチーム対抗で競う。つまりは、美女が懸命に乳を揺らしまくる姿を目前に、男性陣は腰を振りまくれ!というゲームである。

#2 喰らえ!!坂井の鬼投げ

DDTプロレスのアイアンマンヘビーメタル級王者の経歴をもつ鬼越トマホーク坂井が、スカート姿の美女たちに容赦なく巴投げをかける!!豪快に投げられ、あられもない姿になった嬢たちを、とくとご覧あれ!

 他にも、とてもここでは紹介できないような過激なステージが目白押し。まさにオトナの”夢のテーマパーク”である。

 当日は、イベント終わりで出勤する出演キャストもいるため、イベント中に気になる女の子を見つけたら、その場で予約を抑えておくことをオススメする。ルックスやスタイル、性格や雰囲気に至るまで、自分の目でじっくりと確かめてから予約できるなんて、贅沢すぎる特権ではないだろうか。

 また今回、来場人数は100名限定のため、チケットの販売は抽選となっている。抽選申し込み期間は11月6日(月)21時までなので、ぜひお早めにお申し込みいただきたい。

抽選申し込みはこちら

 さらに、童貞限定の特別席がステージ間近に3席用意されており、面接に合格すると、なんと“無料”で観覧ができるという。我こそは、という童貞の方々はぜひチャレンジしてみよう!

童貞限定“無料”観覧席 選考お申し込みフォームはこちら

 当日は会場がとても混雑するため、静かにじっくりおっぱいを楽しみたいという方は、11月28日(火)にソフトオンデマンド本社で行われるVTR上映会に参加することをおすすめする。こちらはkakubutsuプレミアム会員限定の上映会となっており、プレミアム会員であれば”無料”で参加することが可能だ。

 さあ貴殿も、ステージ上で乱れ狂う、美しき“おっぱい”を目撃せよ!!!

【イベント概要】
『見ごろ揉みごろヌキどころ わくわくおっぱい大収穫祭!!』
日にち:11月23日(木)
開場:13時半 開演:14時
会場:池袋 LiveHouse Only You
昨年開催時の写真など、イベント詳細はこちら

【急募】覆面調査団員
kaku-butsuは、「覆面調査団員」と呼ばれる面々が通常の風俗客を装い、そしらぬ顔でサービスを受けながら、担当した女性の【ルックス】【スタイル】【テクニック】【接客姿勢】などの項目をチェックし、その満足度とプレイ料金とが見合っているかどうかを評価するという活動をしています。調査団員になればプレイ代がなんと無料に。

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新作『女装千年王国』も大好評! 西田一が語る、ただひとつの“愛の物語”

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『女装千年王国』(の~すとらいく)
 その晩、私はひとりの男と酒を飲んでいた。 「明日上京するので、お会いできませんか?」  ゲームブランド・の~すとらいくを主宰する西田一から、そんな連絡をもらったのは、前日の夕方だった。ヒロインが全員男の娘ということで注目された『女装山脈』を出発点に、ひたむきに男の娘をテーマにしたアダルトゲームをつくり続ける男。  ともすれば「変態」と謗(そし)られるテーマに人生を賭けた男と初めて会ったのは、昨年制作した『女装学園(孕)』が発売された直後のことだった。  共通の知人がいたことがあったからか、それとも、私自身が「男の娘が最高である」とか、「三次元で男の娘になっている人たちは羨ましい」という本音を隠す必要もないと思って話をしたためか、いずれにしても、話は弾んだ。  私の想いに応えるかのように、西田もまた作品への情熱を、とめどもなく語ってくれた。  中でも、彼が熱く語ったのは『女装山脈』から通底する、男の娘の<妊娠>を描くことへの使命感であった。 「妊娠して子どもが生まれるというのは、エロゲーの中では最大のハッピーエンドだと思っています。ゆえに、男の娘でも妊娠することができたら、すべての問題は、その場で解決するんです。ハッピーエンドに持っていくためには、男の娘を妊娠させなくてはいけない……」  愛を育んだ結果としてのセックス。その結果としての妊娠。そこには「エロゲー」を超えた崇高な思いと、幸福に包まれた興奮があるような気がした。  事実、ネットで作品名で検索してみても、批判的な意見はほとんど見られない。購入した無数の人たちが、西田と同じように幸福を感じているように見えた。  西田の作品は、決して大きく宣伝が打たれるものではない。有り体にいえば、熱心に取り上げるメディアも少ない。いわゆる「大手」に比べれば、市井のユーザーに言及されることは多くはない。けれども、そんな市場の片隅にそっと置かれた作品を通じて、西田は新しい常識を創造している。男の娘が妊娠することが、当然であるという常識を……。 「それが、ボクのシナリオとしての仕事だと思ってるんです」  その一点の曇りもないまなざしは、ずっと記憶に残っていた。だからである。年末に「週刊SPA!」(扶桑社)から「今年のエロゲーの十大ニュース」をテーマに取材を受けた時、私の口からは迷うことなく『女装学園(孕)』が最初に飛び出した。  * * *  それから約1年。新作『女装千年王国』の告知が始まったのは、春のことだった。ライトノベルの定番である「異世界転生もの」をモチーフに描かれる、男の娘物語。異世界に召喚された主人公は、勇者として魔王を打ち倒す。  そして、平和が訪れた世界を舞台に、女装姫騎士、女装サキュバス、女装聖女との物語は綴られる。なんでも「女装」と付ければよいのか。そんな取って付けたようなキャラクター設定。その緩さが、逆に、より硬質な芯のある物語世界を構築しているように思えた。
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 当初の予定より、1カ月遅れた発売日。私もすぐにダウンロード版を購入し、インストールを終わらせた。けれども、さまざまな原稿と、それに付随した読書に忙殺されて、なかなか「入国」することはできなかった。  Twitterをみると、次々と「入国」を果たし、愛を育んだ人々が幸せそうなツイートを紡いでいた。  どのヒロインと愛を育めばいいのだろう。メインヒロインである姫騎士か。それとも、翻弄してくれそうなサキュバスか。いやいや、アダルトにおいては定番ながら、禁忌を犯す感じが一段と強い聖女なのか……。そんなことを考えながら、入国を前に足踏みしていたら、西田から連絡が来たのである。  別件の用をどうにか切り上げた私は、どしゃぶりの雨の中を、待ち合わせ場所のバーへと急いだ。狭い路地、傘を差した酔客の間をすり抜けた先に、目当ての店はあった。扉を開けて、狭い階段を昇る。壁がブルー一色に塗られた薄暗いカウンターだけの店内。その一番奥で、すでに少し酔っているのか、西田は壁にもたれかかるように座っていた。  再会の挨拶の後、ザ・フーが流れる中で、あれこれと言葉を交わした。酒の上でのことである。たいした話ではない。作品の売れ行き。最近の注目している男の娘作品。TSFには、何か感じるものはあるか……。  この夜は、そんな他愛もない会話で終わるのかと思っていた。  だが、しばらくしてから、ふと、西田がつぶやくような声でいった。 「ボクの理想とする男の娘は、理想の中にしかいないんです」 「理想の中に?」  私が問いかけると、西田は少し考えてから、言葉を続けた。 「いや、現実にも一人だけ……。大島薫さんが出てきた時だけは違いました……」  そして、西田はグラスの三分の一ほどになった酒を飲み干した。しばらく沈黙が続いた。次にどんな問いかけをすればいいのだろう。少し迷って、私が言葉を口にしようとした。それよりも一瞬早く、近くに座ってた女性がカルーアミルクを注文する声がした。 「ボクもカルーアミルクをください」  私が次に紡ぐ言葉に迷っているのを察したのだろうか。西田は、またつぶやくような声でいった。 「ボクも大島薫さんみたいな女の子になって犯されたい。それが、原点にはあるんです」  それから、また他愛もない話が続いた。けれども、その合間に私は自分の興味の赴くままに質問を投げかけた。こうしたテーマを取材する時に、必ず聞かなくてはいけないこと。その人が情熱を傾けるジャンルに、どのようにして出会い、夢を育んでいったかということである。  * * *  ブランド・脳内彼女で『女装山脈』から始まる3つの作品を世に問うた後、西田は独立し、自らのブランド「の~すとらいく」の看板を掲げた。現在の「の~すとらいく」は商業流通で作品をリリースさせている同人サークル。いわば、個人事業主として、男の娘というジャンルに絞って作品を作り続けている。  普段は神戸の湾岸にある自宅で、一人シナリオを書き、ディレクションを行っている西田。たとえ、男の娘が支持を集めるジャンルとはいえ、そこに人生を捧げるには、どれだけの覚悟がいるのだろうか。昨年取材をしてからも、興味は尽きることがなかった。  そんな西田が、持参した手土産が、また興味を引いた。西田には馴染みであるバーで、ほかの客にも振る舞ったそれは、ケーニヒスクローネのはちみつアルテナの抹茶味だった。決して安くはない。かといって、慇懃無礼なほどに高額でもない。それでいて、一口食べれば、神戸ならではの上品さが感じられる味。上京にあたって、それを選ぶ優れたセンスは、一朝一夕にできるものではないと思った。 「もしかして、実家はお金持ちなのでは?」 「いや、お金持ちの知り合いはいるけど、うちはそうじゃないし」  西田が人生の初動部分を長く過ごしたのは、阪神のある都市。新興住宅地にあるマンションだった。両親は公務員の、ごくごく一般的な中産階級。ただ違うのは、自身の祖父のことだった。  熱心なキリスト教の信仰を持っていた祖父は、多額の寄付を欠かさず、ついには献堂までして先祖代々の財産を使い潰したという。そんな祖父と比べれば、両親の信仰心は、さほど篤くはなかった。ただ、食事の前にお祈りを欠かさない程度であった。それでも、西田はキリスト教に対する「親愛の情」はあるという。でも、その情は極めて複雑なものだ。 「『女装千年王国』のヒロインの一人は女装聖女なのですが、彼女が神様の子どもを孕む<受胎告知プレイ>は、書かずにはいられなかったんです。でも、同時に、とてつもない背徳感がありました。それがどうしようもなくて……声を収録する時には、スタジオの隅で十字を切っていたんです」  幼い頃から育まれてきた道徳観。いかなる信仰に拠ろうとも、それを汚すような行為をする時、人は漠然とした恐怖心を抱くものだ。私も、建物の中に入って人の話を聞くときには帽子を脱ぐ。和室であれば、勧められるまで褥することはない。神社仏閣の前を通るときには一礼するし、茶碗の中にご飯粒を残したりはしない。そんな根源的な道徳観に畏れを抱きながらも、西田の男の娘への情熱は、抑えることができなかった。  西田の記憶の最深部にある、男の娘との出会い。それは、中学生の時に何度も足を運んでいた、エロ本が立ち読みできる書店だった。ある日、いつものようにエロマンガ雑誌を立ち読みしていた西田は、ある作品を見て身体を震わせた。それは、ひんでんブルグの短編であった。タイトルは忘れてしまったのに、自身を興奮させた細部だけは、心に焼き付いて離れることがない。 「あの人、時々ショタ同士のセックスを描くじゃないですか。まさに、それだったのです。『魔神英雄伝ワタル』のワタルと虎王のような少年が、女のコに好き放題にされた挙げ句に、2人でセックスするように命令されるんです」  自分が男同士のセックスで興奮していることには、うしろめたい気持ちも芽生えた。でも「すげえ興奮する」という正直な気持ちが、それを遙かに凌駕していた。人には絶対にいえないかもしれない。けれども、興奮する。もっとこんな作品を読みたい衝動を、抑えることはできなかった。エロマンガ界の最大多数である男女間の営みとは違うジャンルで覚えた興奮……。  現在よりも、そうしたジャンルの市場が小さかった1990年代。その昂ぶりに応えてくれる作品に出会うのは、容易なことではなかった。高校生になった頃、茜新社から発売された男性向けショタアンソロジー『アンダーカバーボーイズ』は、幾度も読み、使った。  西田が幸運だったのは、青春の真っただ中で、そうした昂ぶりを隠さなくてもよい仲間たちに出会えたことだった。  大学に進学した西田は、ギターマンドリンクラブに入部した。どうしたわけか、そこは、音楽と共にアダルトゲームにも青春を捧げる男たちが集う場だった。 「なぜか、サークルのメンバーは男ばかりで……」  ロリ好きもいれば、熟女好きもいて当たり前の空間で、西田も自分の好きなものを隠すことはなくなった。 「その時は、変態キャラと開き直っていたんです。でも、言い始めたら薄れますよね」  2回生になってから、西田は実家を出て一人暮らしを始めた。誰かが、新しいアダルトゲームを買えば、狭いアパートの一室に集まって攻略を繰り広げる濃密な青春の一時が、過ぎていった。  * * *
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「でも……」  西田には聞こえないような小さな声で、私は呟いた。自分の心に刺さるような性的な情景を描いた作品との出会い。世間では、なかなか大っぴらにしにくい性的な志向を隠さなくてもよい仲間たちとの出会い。それだけで、西田が描く魅力的な男の娘が生まれるだろうかと、思った。性別を超えて孕む。それだけにはとどまらない聖母のようであり、ファムファタールのような、あの男の娘たちを描くことが……と。 「女性とも経験しているのでしょう?」 「ええ。でも、それが高校生の時だったら、もっと感動があったかもしれない……」  なぜ、高校生の時なのだろう。それを聞こうとした時、どやどやと新しい客が入ってきた。賑やかな雰囲気の中では、とてもそれを聞くことはできないような気がして、また、とりとめもない話が始まった。  そうした会話の後だったからだろう。酒の上でのとりとめのない話とはいえ、なんら隠したり飾ることなどない会話は楽しかった。何しろ、アルコールを口にしているのは西田だけ。下戸の私が口にしているのは、ずっとウーロン茶であった。つまり、ずっと素面なのだけど、何か気持ちは高揚していた。だから、普段はあまり人にはいわない秘密を、西田に教えた。 「私も、次の輪廻で女のコになれるのなら、こんな女のコになりたいと思って、気に入った画像はDropboxにフォルダをつくって保存しているのです」 「どんな画像があるのか、ぜひ見せてください」  iPhoneの画面に表示されるさまざまな画像を、西田は笑うでもなく、褒めるでもなく、ただ興味深そうに眺めていた。何かが、溶けて混ざり合っていくような感覚があった。  賑やかな時間が過ぎて、時計が午前1時を回った頃。急に客が引けて、再び店は私たち2人だけになった。また、ザ・フーのCDが回り始めた。 「ボク、コーラをください」  西田は酔って熱く昂ぶった身体を少し冷やそうとした。私も続いてコーラを注文した。西田はカバンの中から、眼鏡ケースを取り出し、ふうっと息を吸ってから眼鏡をかけた。  それから煙草を2本。高い天井に吸い込まれていく音楽に身を委ねて、いくばくかの時が流れた。  店と同じだけの時間を過ごしてきたとおぼしき灰皿で、煙草の火を消してから、西田は私に語りかけた。 「高校3年生の時。あれから、ボクは人間に興味を持ててはいないのです……」  * * *  その頃の西田は、まごうことなき中二病だった。  サイケデリックミュージックの話をして盛り上がれるヤツなんて、クラスにはほとんどいなかった。まだ、小室サウンドのムーブメントは続いていて、クラスメイトが話している音楽の話題といえばTRFとか安室奈美恵。そうでなければ、JUDY AND MARYの話ばかりだった。オタク趣味の友達とは、マンガやアニメの話で盛り上がることができた。でも、どこか物足りない気がしていた。  そんなクラスに、その少女はいた。  決して美人ではないけれども、肌から青春の輝きが滲み出ている少女。その輝きが、どこか昏さを持っていた、あの時の西田には眩しすぎた。遠足や文化祭。さまざまな行事の中で、何かと中心になっている少女。裏表のない愛嬌のある姿が、いつも心の片隅に残るようになっていた。でも、彼女の輝きに近づけば、陰のような自分は消滅してしまうような気がしていた。  高校3年生の一学期。席替えで、偶然にも少女が西田の後ろの席になった。太陽のような輝きに、何か落ち着かない気持ちで授業を受ける毎日が続いていた。でも、ある日、落ち着かない気持ちは終わりを迎えた。 「ねえ、なんの音楽を聴いているの?」  どうして、そんな会話になったのかは忘れてしまった。どうせ、お前にはわからないだろう。そんな捨て鉢な気持ちで、西田は自分の聴いている音楽の話をした。しばらく話を聞いていた少女は、うれしそうにこういった。 「わたしジャニスが大好きなの」  今となっては平凡な音楽の話かもしれない。でも、その時の西田には、ようやく訪れた幸運以外の何ものでもなかった。少女の持つ、うっとうしい輝きは、心地よい陽の光へと変わっていた。  気がつけば、毎日のように少女と話をしていた。クラスメイトたちは、大学受験への不安と未来への希望の中で、落ち着かない日々を過ごしていた。でも、自分にとって、これほど登校することが楽しい経験はなかった。  家に帰ってからも、ふっと少女と話をしたい想いが何度もめぐって抑えられなかった。そんな時は、リビングの電話機のところに行って、記憶している彼女の自宅の電話番号をダイヤルした。呼び出し音が鳴っている時、すぐに少女が電話に出てくれることを、心の中で願っていた。愛嬌のある、あの声が受話器の向こうから聞こえてくると、そのたびに、今までの人生では感じたことのなかった感覚が湧き出して止まらなかった。 「デヴィッド・ボウイ好きだな」 「わたしも好き」 「ボウイの『スターマン』は聴いてるよね?」 「大好き」  季節は夏。もう夏休みが始まろうとしていた。告白は西田のほうからした。告白も、電話だった。電話の向こうで、少女のうれしそうな声がしていた。それが、何か気恥ずかしかった。 「結局、2週間で別れたんです……」  私が「なぜ」と問いかけるよりも先に、西田は言葉を続けた。 「ボクには、恋愛……人を愛するためには、どういうことをすればよいのか、わかっていなかったんです。デートした時にも、キスどころか、手もつなげなくて、キスもできなくて、自分から行動することができなかったんです。すでに恋愛経験のあった彼女は、そんなボクを歯がゆそうに見ていたんです。それが、とても苦しくて……やつの高3の夏を、俺でふいにしてしまったんです」  最後に、西田が自らの抱える「原罪」を吐露したように見えた。  * * *
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 同世代の中では、尖った音楽の趣味を語り合っていた男女。それが「中二病特有のシンパシー」だったのだと、西田が思ったのは大学に入学してからだった。その青春の失敗の原因はなんだったのか。こうした時に、たいていの人は、こんな答えを導き出すはずだ。自分の恋愛スキルが低かったのだ、と。  そして、次へ次へと、新たな女性との出会いを求めていく。でも、西田はそうではなかったのだ。その苦い経験の先に「なぜ、自分は女性を愛そうとしたのか」を考え続けた。中学生の頃に、当時はまだ「ショタ」でひとくくりにされていた、男の娘趣味に目覚めた。それなのに、なぜ当たり前のように女性との恋愛や、その先のセックスを求めようとしてしまったのか。 「……そういう経験が、一緒になって、作品の世界観が構築されていると思っているんです」  そういって、西田は眼鏡を外して、煙草に火をつけた。塗り直したばかりのブルーの壁に、波打つ白い煙。その煙を眺めながら、改めて『女装山脈』に始まる、西田の作品のことを思い出した。『女装山脈』が発売されたのは2011年。  すでにジャンルとしては、そこそこメジャーになったとはいえ、まだニッチな雰囲気は拭えなかった。マンガの単行本やアンソロジーは増えていた。けれども、アダルトゲームで男の娘ジャンルの作品を購入して、プレイすることには、まだ多くの人が「俺は、変態になってしまうのではないか」という抵抗を持っているように思えた。  それが、今はどうだろう。男の娘との恋愛を描くことは当たり前になり、妊娠すらするようになった。そうなのだ。もはや、西田の作品において、ヒロインが男の娘であるとか、妊娠するとかは、きっかけに過ぎない。いうなれば、幼なじみとか妹とかと同じ。誰もが当たり前に持っている属性の好みにまでハードルを下げてきた。どうしても、男の娘ではないと興奮できない。男の娘が妊娠する作品でないと射精もできない。そんな人は少数派だろう。  多くは「男の娘なのだから、おちんちんから射精するのは当然のことだ」と考え、愛の結果としての妊娠を自然に受け入れている。西田の志向に基づいて描かれるのは男の娘ということにはなっている。  けれども、実際に描かれているヒロインは、性別を超越した存在。それも、単なるキャラクターでもない、西田の考える理想の愛を、絵を用いて人間のような形に具現化したものではないのか。 「まだ、理想の相手を求めているのですか? 自分が人生を懸けて愛したい人を?」 「……」  西田は、何も答えなかった。  午前2時を回った頃、ホテルに戻るという西田を見送って、私も家路に就いた。夕方から降り始めた雨は、ますます強くなっていた。「ルポライターは傘など欲しがらないものだ」と心に決めている私も、信念を曲げたくなるような、どしゃぶりだった。  帽子から垂れる水滴を拭いながら、路地を抜けて通りへと急いだ。客待ちをしていたタクシーに飛び乗って、自宅近くのいつも目印にしている交差点の名前を告げた。週末の深夜。どしゃぶりの雨。通りは混んでいて。タクシーも思うように進まなかった。 「早く、早く、家に帰ろう」  私は心の中で、何度も呟いた。早く帰って、濡れた服をハンガーにかけてから、ノートパソコンのスイッチを入れよう。そこにはもう『女装千年王国』が、入国を今か今かと待っている。  早く、一刻も早く入国しよう。きっと今なら、作品の中に見えるはずだ。西田が求める、理想的な愛とは何かという答えが。だから、一刻も早く帰らなくてはいけない……。  タクシーは遅々として進まなかった。 (文=昼間たかし)

新作『女装千年王国』も大好評! 西田一が語る、ただひとつの“愛の物語”

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『女装千年王国』(の~すとらいく)
 その晩、私はひとりの男と酒を飲んでいた。 「明日上京するので、お会いできませんか?」  ゲームブランド・の~すとらいくを主宰する西田一から、そんな連絡をもらったのは、前日の夕方だった。ヒロインが全員男の娘ということで注目された『女装山脈』を出発点に、ひたむきに男の娘をテーマにしたアダルトゲームをつくり続ける男。  ともすれば「変態」と謗(そし)られるテーマに人生を賭けた男と初めて会ったのは、昨年制作した『女装学園(孕)』が発売された直後のことだった。  共通の知人がいたことがあったからか、それとも、私自身が「男の娘が最高である」とか、「三次元で男の娘になっている人たちは羨ましい」という本音を隠す必要もないと思って話をしたためか、いずれにしても、話は弾んだ。  私の想いに応えるかのように、西田もまた作品への情熱を、とめどもなく語ってくれた。  中でも、彼が熱く語ったのは『女装山脈』から通底する、男の娘の<妊娠>を描くことへの使命感であった。 「妊娠して子どもが生まれるというのは、エロゲーの中では最大のハッピーエンドだと思っています。ゆえに、男の娘でも妊娠することができたら、すべての問題は、その場で解決するんです。ハッピーエンドに持っていくためには、男の娘を妊娠させなくてはいけない……」  愛を育んだ結果としてのセックス。その結果としての妊娠。そこには「エロゲー」を超えた崇高な思いと、幸福に包まれた興奮があるような気がした。  事実、ネットで作品名で検索してみても、批判的な意見はほとんど見られない。購入した無数の人たちが、西田と同じように幸福を感じているように見えた。  西田の作品は、決して大きく宣伝が打たれるものではない。有り体にいえば、熱心に取り上げるメディアも少ない。いわゆる「大手」に比べれば、市井のユーザーに言及されることは多くはない。けれども、そんな市場の片隅にそっと置かれた作品を通じて、西田は新しい常識を創造している。男の娘が妊娠することが、当然であるという常識を……。 「それが、ボクのシナリオとしての仕事だと思ってるんです」  その一点の曇りもないまなざしは、ずっと記憶に残っていた。だからである。年末に「週刊SPA!」(扶桑社)から「今年のエロゲーの十大ニュース」をテーマに取材を受けた時、私の口からは迷うことなく『女装学園(孕)』が最初に飛び出した。  * * *  それから約1年。新作『女装千年王国』の告知が始まったのは、春のことだった。ライトノベルの定番である「異世界転生もの」をモチーフに描かれる、男の娘物語。異世界に召喚された主人公は、勇者として魔王を打ち倒す。  そして、平和が訪れた世界を舞台に、女装姫騎士、女装サキュバス、女装聖女との物語は綴られる。なんでも「女装」と付ければよいのか。そんな取って付けたようなキャラクター設定。その緩さが、逆に、より硬質な芯のある物語世界を構築しているように思えた。
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 当初の予定より、1カ月遅れた発売日。私もすぐにダウンロード版を購入し、インストールを終わらせた。けれども、さまざまな原稿と、それに付随した読書に忙殺されて、なかなか「入国」することはできなかった。  Twitterをみると、次々と「入国」を果たし、愛を育んだ人々が幸せそうなツイートを紡いでいた。  どのヒロインと愛を育めばいいのだろう。メインヒロインである姫騎士か。それとも、翻弄してくれそうなサキュバスか。いやいや、アダルトにおいては定番ながら、禁忌を犯す感じが一段と強い聖女なのか……。そんなことを考えながら、入国を前に足踏みしていたら、西田から連絡が来たのである。  別件の用をどうにか切り上げた私は、どしゃぶりの雨の中を、待ち合わせ場所のバーへと急いだ。狭い路地、傘を差した酔客の間をすり抜けた先に、目当ての店はあった。扉を開けて、狭い階段を昇る。壁がブルー一色に塗られた薄暗いカウンターだけの店内。その一番奥で、すでに少し酔っているのか、西田は壁にもたれかかるように座っていた。  再会の挨拶の後、ザ・フーが流れる中で、あれこれと言葉を交わした。酒の上でのことである。たいした話ではない。作品の売れ行き。最近の注目している男の娘作品。TSFには、何か感じるものはあるか……。  この夜は、そんな他愛もない会話で終わるのかと思っていた。  だが、しばらくしてから、ふと、西田がつぶやくような声でいった。 「ボクの理想とする男の娘は、理想の中にしかいないんです」 「理想の中に?」  私が問いかけると、西田は少し考えてから、言葉を続けた。 「いや、現実にも一人だけ……。大島薫さんが出てきた時だけは違いました……」  そして、西田はグラスの三分の一ほどになった酒を飲み干した。しばらく沈黙が続いた。次にどんな問いかけをすればいいのだろう。少し迷って、私が言葉を口にしようとした。それよりも一瞬早く、近くに座ってた女性がカルーアミルクを注文する声がした。 「ボクもカルーアミルクをください」  私が次に紡ぐ言葉に迷っているのを察したのだろうか。西田は、またつぶやくような声でいった。 「ボクも大島薫さんみたいな女の子になって犯されたい。それが、原点にはあるんです」  それから、また他愛もない話が続いた。けれども、その合間に私は自分の興味の赴くままに質問を投げかけた。こうしたテーマを取材する時に、必ず聞かなくてはいけないこと。その人が情熱を傾けるジャンルに、どのようにして出会い、夢を育んでいったかということである。  * * *  ブランド・脳内彼女で『女装山脈』から始まる3つの作品を世に問うた後、西田は独立し、自らのブランド「の~すとらいく」の看板を掲げた。現在の「の~すとらいく」は商業流通で作品をリリースさせている同人サークル。いわば、個人事業主として、男の娘というジャンルに絞って作品を作り続けている。  普段は神戸の湾岸にある自宅で、一人シナリオを書き、ディレクションを行っている西田。たとえ、男の娘が支持を集めるジャンルとはいえ、そこに人生を捧げるには、どれだけの覚悟がいるのだろうか。昨年取材をしてからも、興味は尽きることがなかった。  そんな西田が、持参した手土産が、また興味を引いた。西田には馴染みであるバーで、ほかの客にも振る舞ったそれは、ケーニヒスクローネのはちみつアルテナの抹茶味だった。決して安くはない。かといって、慇懃無礼なほどに高額でもない。それでいて、一口食べれば、神戸ならではの上品さが感じられる味。上京にあたって、それを選ぶ優れたセンスは、一朝一夕にできるものではないと思った。 「もしかして、実家はお金持ちなのでは?」 「いや、お金持ちの知り合いはいるけど、うちはそうじゃないし」  西田が人生の初動部分を長く過ごしたのは、阪神のある都市。新興住宅地にあるマンションだった。両親は公務員の、ごくごく一般的な中産階級。ただ違うのは、自身の祖父のことだった。  熱心なキリスト教の信仰を持っていた祖父は、多額の寄付を欠かさず、ついには献堂までして先祖代々の財産を使い潰したという。そんな祖父と比べれば、両親の信仰心は、さほど篤くはなかった。ただ、食事の前にお祈りを欠かさない程度であった。それでも、西田はキリスト教に対する「親愛の情」はあるという。でも、その情は極めて複雑なものだ。 「『女装千年王国』のヒロインの一人は女装聖女なのですが、彼女が神様の子どもを孕む<受胎告知プレイ>は、書かずにはいられなかったんです。でも、同時に、とてつもない背徳感がありました。それがどうしようもなくて……声を収録する時には、スタジオの隅で十字を切っていたんです」  幼い頃から育まれてきた道徳観。いかなる信仰に拠ろうとも、それを汚すような行為をする時、人は漠然とした恐怖心を抱くものだ。私も、建物の中に入って人の話を聞くときには帽子を脱ぐ。和室であれば、勧められるまで褥することはない。神社仏閣の前を通るときには一礼するし、茶碗の中にご飯粒を残したりはしない。そんな根源的な道徳観に畏れを抱きながらも、西田の男の娘への情熱は、抑えることができなかった。  西田の記憶の最深部にある、男の娘との出会い。それは、中学生の時に何度も足を運んでいた、エロ本が立ち読みできる書店だった。ある日、いつものようにエロマンガ雑誌を立ち読みしていた西田は、ある作品を見て身体を震わせた。それは、ひんでんブルグの短編であった。タイトルは忘れてしまったのに、自身を興奮させた細部だけは、心に焼き付いて離れることがない。 「あの人、時々ショタ同士のセックスを描くじゃないですか。まさに、それだったのです。『魔神英雄伝ワタル』のワタルと虎王のような少年が、女のコに好き放題にされた挙げ句に、2人でセックスするように命令されるんです」  自分が男同士のセックスで興奮していることには、うしろめたい気持ちも芽生えた。でも「すげえ興奮する」という正直な気持ちが、それを遙かに凌駕していた。人には絶対にいえないかもしれない。けれども、興奮する。もっとこんな作品を読みたい衝動を、抑えることはできなかった。エロマンガ界の最大多数である男女間の営みとは違うジャンルで覚えた興奮……。  現在よりも、そうしたジャンルの市場が小さかった1990年代。その昂ぶりに応えてくれる作品に出会うのは、容易なことではなかった。高校生になった頃、茜新社から発売された男性向けショタアンソロジー『アンダーカバーボーイズ』は、幾度も読み、使った。  西田が幸運だったのは、青春の真っただ中で、そうした昂ぶりを隠さなくてもよい仲間たちに出会えたことだった。  大学に進学した西田は、ギターマンドリンクラブに入部した。どうしたわけか、そこは、音楽と共にアダルトゲームにも青春を捧げる男たちが集う場だった。 「なぜか、サークルのメンバーは男ばかりで……」  ロリ好きもいれば、熟女好きもいて当たり前の空間で、西田も自分の好きなものを隠すことはなくなった。 「その時は、変態キャラと開き直っていたんです。でも、言い始めたら薄れますよね」  2回生になってから、西田は実家を出て一人暮らしを始めた。誰かが、新しいアダルトゲームを買えば、狭いアパートの一室に集まって攻略を繰り広げる濃密な青春の一時が、過ぎていった。  * * *
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「でも……」  西田には聞こえないような小さな声で、私は呟いた。自分の心に刺さるような性的な情景を描いた作品との出会い。世間では、なかなか大っぴらにしにくい性的な志向を隠さなくてもよい仲間たちとの出会い。それだけで、西田が描く魅力的な男の娘が生まれるだろうかと、思った。性別を超えて孕む。それだけにはとどまらない聖母のようであり、ファムファタールのような、あの男の娘たちを描くことが……と。 「女性とも経験しているのでしょう?」 「ええ。でも、それが高校生の時だったら、もっと感動があったかもしれない……」  なぜ、高校生の時なのだろう。それを聞こうとした時、どやどやと新しい客が入ってきた。賑やかな雰囲気の中では、とてもそれを聞くことはできないような気がして、また、とりとめもない話が始まった。  そうした会話の後だったからだろう。酒の上でのとりとめのない話とはいえ、なんら隠したり飾ることなどない会話は楽しかった。何しろ、アルコールを口にしているのは西田だけ。下戸の私が口にしているのは、ずっとウーロン茶であった。つまり、ずっと素面なのだけど、何か気持ちは高揚していた。だから、普段はあまり人にはいわない秘密を、西田に教えた。 「私も、次の輪廻で女のコになれるのなら、こんな女のコになりたいと思って、気に入った画像はDropboxにフォルダをつくって保存しているのです」 「どんな画像があるのか、ぜひ見せてください」  iPhoneの画面に表示されるさまざまな画像を、西田は笑うでもなく、褒めるでもなく、ただ興味深そうに眺めていた。何かが、溶けて混ざり合っていくような感覚があった。  賑やかな時間が過ぎて、時計が午前1時を回った頃。急に客が引けて、再び店は私たち2人だけになった。また、ザ・フーのCDが回り始めた。 「ボク、コーラをください」  西田は酔って熱く昂ぶった身体を少し冷やそうとした。私も続いてコーラを注文した。西田はカバンの中から、眼鏡ケースを取り出し、ふうっと息を吸ってから眼鏡をかけた。  それから煙草を2本。高い天井に吸い込まれていく音楽に身を委ねて、いくばくかの時が流れた。  店と同じだけの時間を過ごしてきたとおぼしき灰皿で、煙草の火を消してから、西田は私に語りかけた。 「高校3年生の時。あれから、ボクは人間に興味を持ててはいないのです……」  * * *  その頃の西田は、まごうことなき中二病だった。  サイケデリックミュージックの話をして盛り上がれるヤツなんて、クラスにはほとんどいなかった。まだ、小室サウンドのムーブメントは続いていて、クラスメイトが話している音楽の話題といえばTRFとか安室奈美恵。そうでなければ、JUDY AND MARYの話ばかりだった。オタク趣味の友達とは、マンガやアニメの話で盛り上がることができた。でも、どこか物足りない気がしていた。  そんなクラスに、その少女はいた。  決して美人ではないけれども、肌から青春の輝きが滲み出ている少女。その輝きが、どこか昏さを持っていた、あの時の西田には眩しすぎた。遠足や文化祭。さまざまな行事の中で、何かと中心になっている少女。裏表のない愛嬌のある姿が、いつも心の片隅に残るようになっていた。でも、彼女の輝きに近づけば、陰のような自分は消滅してしまうような気がしていた。  高校3年生の一学期。席替えで、偶然にも少女が西田の後ろの席になった。太陽のような輝きに、何か落ち着かない気持ちで授業を受ける毎日が続いていた。でも、ある日、落ち着かない気持ちは終わりを迎えた。 「ねえ、なんの音楽を聴いているの?」  どうして、そんな会話になったのかは忘れてしまった。どうせ、お前にはわからないだろう。そんな捨て鉢な気持ちで、西田は自分の聴いている音楽の話をした。しばらく話を聞いていた少女は、うれしそうにこういった。 「わたしジャニスが大好きなの」  今となっては平凡な音楽の話かもしれない。でも、その時の西田には、ようやく訪れた幸運以外の何ものでもなかった。少女の持つ、うっとうしい輝きは、心地よい陽の光へと変わっていた。  気がつけば、毎日のように少女と話をしていた。クラスメイトたちは、大学受験への不安と未来への希望の中で、落ち着かない日々を過ごしていた。でも、自分にとって、これほど登校することが楽しい経験はなかった。  家に帰ってからも、ふっと少女と話をしたい想いが何度もめぐって抑えられなかった。そんな時は、リビングの電話機のところに行って、記憶している彼女の自宅の電話番号をダイヤルした。呼び出し音が鳴っている時、すぐに少女が電話に出てくれることを、心の中で願っていた。愛嬌のある、あの声が受話器の向こうから聞こえてくると、そのたびに、今までの人生では感じたことのなかった感覚が湧き出して止まらなかった。 「デヴィッド・ボウイ好きだな」 「わたしも好き」 「ボウイの『スターマン』は聴いてるよね?」 「大好き」  季節は夏。もう夏休みが始まろうとしていた。告白は西田のほうからした。告白も、電話だった。電話の向こうで、少女のうれしそうな声がしていた。それが、何か気恥ずかしかった。 「結局、2週間で別れたんです……」  私が「なぜ」と問いかけるよりも先に、西田は言葉を続けた。 「ボクには、恋愛……人を愛するためには、どういうことをすればよいのか、わかっていなかったんです。デートした時にも、キスどころか、手もつなげなくて、キスもできなくて、自分から行動することができなかったんです。すでに恋愛経験のあった彼女は、そんなボクを歯がゆそうに見ていたんです。それが、とても苦しくて……やつの高3の夏を、俺でふいにしてしまったんです」  最後に、西田が自らの抱える「原罪」を吐露したように見えた。  * * *
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 同世代の中では、尖った音楽の趣味を語り合っていた男女。それが「中二病特有のシンパシー」だったのだと、西田が思ったのは大学に入学してからだった。その青春の失敗の原因はなんだったのか。こうした時に、たいていの人は、こんな答えを導き出すはずだ。自分の恋愛スキルが低かったのだ、と。  そして、次へ次へと、新たな女性との出会いを求めていく。でも、西田はそうではなかったのだ。その苦い経験の先に「なぜ、自分は女性を愛そうとしたのか」を考え続けた。中学生の頃に、当時はまだ「ショタ」でひとくくりにされていた、男の娘趣味に目覚めた。それなのに、なぜ当たり前のように女性との恋愛や、その先のセックスを求めようとしてしまったのか。 「……そういう経験が、一緒になって、作品の世界観が構築されていると思っているんです」  そういって、西田は眼鏡を外して、煙草に火をつけた。塗り直したばかりのブルーの壁に、波打つ白い煙。その煙を眺めながら、改めて『女装山脈』に始まる、西田の作品のことを思い出した。『女装山脈』が発売されたのは2011年。  すでにジャンルとしては、そこそこメジャーになったとはいえ、まだニッチな雰囲気は拭えなかった。マンガの単行本やアンソロジーは増えていた。けれども、アダルトゲームで男の娘ジャンルの作品を購入して、プレイすることには、まだ多くの人が「俺は、変態になってしまうのではないか」という抵抗を持っているように思えた。  それが、今はどうだろう。男の娘との恋愛を描くことは当たり前になり、妊娠すらするようになった。そうなのだ。もはや、西田の作品において、ヒロインが男の娘であるとか、妊娠するとかは、きっかけに過ぎない。いうなれば、幼なじみとか妹とかと同じ。誰もが当たり前に持っている属性の好みにまでハードルを下げてきた。どうしても、男の娘ではないと興奮できない。男の娘が妊娠する作品でないと射精もできない。そんな人は少数派だろう。  多くは「男の娘なのだから、おちんちんから射精するのは当然のことだ」と考え、愛の結果としての妊娠を自然に受け入れている。西田の志向に基づいて描かれるのは男の娘ということにはなっている。  けれども、実際に描かれているヒロインは、性別を超越した存在。それも、単なるキャラクターでもない、西田の考える理想の愛を、絵を用いて人間のような形に具現化したものではないのか。 「まだ、理想の相手を求めているのですか? 自分が人生を懸けて愛したい人を?」 「……」  西田は、何も答えなかった。  午前2時を回った頃、ホテルに戻るという西田を見送って、私も家路に就いた。夕方から降り始めた雨は、ますます強くなっていた。「ルポライターは傘など欲しがらないものだ」と心に決めている私も、信念を曲げたくなるような、どしゃぶりだった。  帽子から垂れる水滴を拭いながら、路地を抜けて通りへと急いだ。客待ちをしていたタクシーに飛び乗って、自宅近くのいつも目印にしている交差点の名前を告げた。週末の深夜。どしゃぶりの雨。通りは混んでいて。タクシーも思うように進まなかった。 「早く、早く、家に帰ろう」  私は心の中で、何度も呟いた。早く帰って、濡れた服をハンガーにかけてから、ノートパソコンのスイッチを入れよう。そこにはもう『女装千年王国』が、入国を今か今かと待っている。  早く、一刻も早く入国しよう。きっと今なら、作品の中に見えるはずだ。西田が求める、理想的な愛とは何かという答えが。だから、一刻も早く帰らなくてはいけない……。  タクシーは遅々として進まなかった。 (文=昼間たかし)

「アダルトグッズ+催眠音声」の可能性を追求するトランスイノベーションへの誘い

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トランスイノベーションの公式サイトより
 世に「変態紳士」というスラングがあるが、そんな言葉がピタリとあてはまる人に初めて出会ったと、思った。  それが、このルポルタージュのテーマである催眠音声付きアダルトグッズという新たなジャンルを切り拓く、トランスイノベーションを立ち上げたT氏の第一印象であった。  その日の待ち合わせは、都内某所のターミナル駅。約束の5分程まえに、指定された改札の前で、私は柱にもたれかかった。  どんな人が来るのだろうと思いながら、私はiPhoneを取り出して、今日の取材テーマである品物が掲載されているホームページにアクセスした。  そこには、扇情的というよりも倒錯的な言葉がいくつも綴られていた。 「M男専用 催眠ボールギャグ」 「意地悪過ぎる女の子の射精管理遊び」  これは、商品名。そして、いかにも危なげな感じのする女のコのイラストと共に、こんな煽り文句が記されていた。 「挑戦者求む  あなたを マゾ玩具化させる 限界まで追い込む音声付き」  近年は、インターネット通販の発達もあってか、ごくごく自然に使われるようになったアダルトグッズ。そこは、次々とユーザーが予想だにしない製品が生み出される世界。  その中でも、この2つの製品は「変態さ」が際立っていた。  そして、日々更新されるTwitterのトップに固定されたアオリもまた、自分たちの開発した製品の変態性への自身に満ちあふれていた。 「おら、どM共かかってこいや!! いやかかってきてもいいよ? いやすいませんかかってきて下さい 買って・・・下さいOTL」  わずかな言葉の中には、情熱が満ちていた。  単に、自社の製品を売るためだけに冗談交じりに書いたアオリ文句……とは、とても思えなかった。製品への、揺るぎない自信の表明。そして、その変態じみた内容を、気取ったりするのではなく、本気で大勢の人に楽しんで、ハマってもらいたいという心意気が、溢れているように感じたのだ。  そして、音声。「音声付き」と控えめにしている。あたかも、オマケであるかのように、さりげなく添えられた言葉。でも、その音声の制作者を見て、購入をすることを決めた者も数限りないだろう。それは、尖った嗜好に、完全に合致した人物である。  ボールギャグの音声はキャンドルマン。オナホールは、B-bishop。  いずれも、ある嗜好では極めて知名度の高い人物である。  そう、催眠音声やオナニーサポート音声などアダルト向け音声作品の世界において。 ■第三の快楽に酔う音の世界  催眠音声とは、読んで字の如く、音声だけによって行われる催眠術である。ネットで検索すれば、同人ダウンロードサイトで販売されているものから、無料でダウンロード可能になっているものまで、さまざまな音声を見つけることができる。  極めてニッチな趣味と思われるかも知れないが、このジャンルは多彩だ。ストーリー仕立てにして、さまざまな物語の中で登場人物になっているような気分で楽しむ催眠を目指したもの。あるいは、さまざまな音の変化を用いることで催眠と快感とを目指したものなど。ひとつとして、似たり寄ったりな作品がない、極めて尖ったジャンルである。もし、大きく分類するならば、ウェットとドライであろう。前者は、催眠にかかりつつ、男性が自分のペニスを弄って射精するというもの。これは、催眠+射精によって、通常のマスターベーション以上の快感を目指すものといえる。  そして、もうひとつが、ドライ。すなわち、催眠によってドライオーガズムに達することを目指したものである。男性が女性の絶頂に近い快感。すなわち、メスイキの快感を得る方法としては、エネマグラなどを用いた、アナルを使う方法が知られているところだ。個人差もあるだろうが、催眠音声によって得られるドライオーガズムは、またこれとは違った快感だ。身体にはまったく触れていないのに、身体の芯のほうから、射精ともアナルの快感とも違う、第三の快楽が押し寄せてくるといえばよいだろうか。  そして、催眠音声には、さらに別のベクトルからの快感がある。基本的に催眠音声は受け身である。ストーリー仕立ての作品だと、わかりやすいが、さまざまな音で貶められ、蔑まれ、それが、みじめ気持ちいい快感となっていく。すなわち、現実のプレイでは不可能であろう領域で、究極のマゾヒズムを味わうことができるというわけだ。  実のところ、そんな快楽には個人差がある。私は、数年前に初体験して以来、だいたいの作品で、あっという間に催眠状態になってしまう。一方で、試したことのある友人知人に話を聞くと体験談は様々だ。 「催眠音声で快感に浸って、ぐったりとしたまま眠りにつくのが気持ちいいんですよね」  そういう人がいるかと思えば、 「いくつも買ってみたんですけど……全然、かからないんですよ」  実は、どれだけ催眠音声を聞いても、まったく催眠状態になったことがないという友人の話には驚いた。これは、誰もがすぐに、催眠状態になってしまうものだと思っていたからだ。  私の場合、自分でも危険だと思うほどに、すぐに催眠状態に入ってしまう。通例催眠音声は、導入の催眠~本編~催眠解除の構成になっている。ちゃんと最後は、催眠を解除してくれるようにはなっているのだが、私の場合、なかなか現実に戻ってくることができないのである。ともすれば、何時間も、心と身体が落ち着かない状態になってしまう。  今回、取材するにあたって、当然事前に試しておこうと思った。ところが、ようやく試す時間ができたのが、取材当日の午前中。ボールギャグのほうを試しておこうかと思った。取材の相手が、著書があれば読む。映像があれば視聴する。そうした下準備がインタビューに欠かせないことはわかっている。けれども、イヤホンをして少しだけ音声を再生して、すぐに止めた。いや、正確にいえば聞いている時間は5秒もなかった。 「これは、ヤバすぎる……」  聞いてしまうと、その日はずっと現世に戻って来られないような気がした。一気に、幻想の世界へと引きずりこまれる、甘美な禍々しさが、そこにはあった。実のところ、取材前日の夜に、いつもの人のよさそうなおじさんが「Amazonでーす」と、届けに来た時。すぐに、ほかの原稿の手を止めて試しておけばよかったかもしれない。でも、結果は同じだったと思う。むしろ、目が覚めてから、もう一度聞き直したい衝動に駆られて、大変なことになっていたのではないかと思う。  それは当然のことだった。ボールギャグもオナホールも、どちらの音声も、すでにいくつもの作品を生み出している実力派の作家の手によるものである。  ボールギャグの音声を担当した、キャンドルマンは、音を用いて女のコにレイプされる催眠を味わう『レイプ・サウンド・ガール♪』という作品で知られる人物である。  少し前に、近作の『Best work for Sissy boi ~女々しいボクにピッタリのオシゴト~』を試したのだが、これはこれまで以上にケタ違いの作品であった。  まず、総再生時間は140分という大長編。展開する物語のテーマはSissy。すなわち、男なのにチンポに負けて、女のコのようになり、社会的禁忌も犯していく快楽を描く作品であった。Sissyというジャンルは、欧米発祥のエロ概念で日本では、あまり馴染みがない。どの程度かといえば、コミケの3日目に純粋にSissyの同人誌を頒布しているサークルは、ひとつしかない。それほど尖った快楽を、2時間以上。山あり谷ありの展開で、没入させてくれていたのである。おそらく、ボールギャク音声を一瞬聞いただけで「やばさ」を感じたのは、私の脳内で、まだあの作品の感覚が残っていたからだと思う。  そして、オナホールの音声を担当したB-bishopは数々のオナニーサポート音声で、やはり研ぎ澄まされた作品群で知られる人物だ。この人物はまず驚異的なの制作スピードでも評価が高い。だいたい毎月2本ペースで新作をリリースしているのである。おまけに、中にはシリーズとしているものもあるが、一つとして同じようなネタがない。毎回が、オリジナルなのである。そんな音声の特徴は、とにかくマゾヒスティックな快楽を喚起する言葉の応酬である。昨年、偶然『恐怖のアイアンメイデンはニガサナイ』を試してみて以来、私もいくつもの作品を購入している。女性の声を用いて、時には感情を込めて、時には無機質な感じで、とにかくありとあらゆる言葉を駆使して、責めてくるのである。
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 作品は、あくまでオナニーサポート音声である。けれども音だけの世界は実用のための興奮のさらに先の世界へと意識を誘う。精神をもいたぶり興奮させる効果を与えてくれる、またとないものだと私は思っている。  最初に聞いた『恐怖のアイアンメイデンはニガサナイ』の印象は今でも強烈だ。なにしろ、実用のためのオナニーサポート音声として試したはずが、ぐったりするほど疲労と、何か大きな仕事をやり遂げたような満足感をくれたからだ。 ■「変態紳士」という言葉が、ふっと浮かんだ時  いずれにしても、極めて催眠に没入する体質の私にとっては、おいそれと試すことができないものであることは明らかだった。  とはいえ、どちらがよかったのだろう。  インタビューのために会うというのに、テーマとなるものを試していない申し訳なさを感じていた。それと共に、初めて催眠音声を試した頃に、世界から抜け出すことができなくなり、幾度もループし続けた酷い姿も、頭をよぎった。  待ち合わせ場所でiPhoneでグッズの名前などを確認してから、いつものようにノートを取り出す。質問事項を確認するためである。1から順に番号を記した箇条書きの質問。その文面を復習する間もなく「お待たせしました」と、声をかけてきた男性の姿を見て、私は驚いた。  いったいどんな人がやってくるのか、さまざま想像を巡らしていた。ところが、想像していたどれにも当てはまらない、  身体にフィットした、糊のきいたワイシャツを着た爽やかな紳士。その身に纏った空気と、アダルトグッズとのギャップに驚いたのである。  でも、驚きはまだ続いた。 「喫茶店に席を取っておりますので、そちらに行きましょうか」  駅周辺の喫茶店というものは、いつでも混雑しているのが当たり前だ。この爽やかな紳士は、自分が先に席を確保してから、私を迎えに来たのである。本来なら、インタビューをお願いした私のほうがやることであり、段取りを間違えていたわけである。でも、この紳士は、ごく自然な体で私を喫茶店までエスコートしたのである。  私の頭の中で「変態紳士」という言葉が、ふっと浮かんだのは、この時であった。  でも、単に紳士なのではない。その背後には、催眠音声というディープな世界への情熱が、常に沸いている。その情熱があるからこそ、2つのグッズが誕生したのである。  それというのも、催眠音声というジャンルにおいて、作り手は他所から仕事として依頼を受けても、応じることは少ないのだという。 「音声作家さんは、シナリオ(スクリプト)を書くことができれば、自分で声優さんに依頼して、編集まで一人で完結してしまいます。だから、依頼する時も人にお願いする時は熱意が必要でした」  もともと、催眠術に興味があり、自分でも研究をしていたというT氏の催眠音声との出会いは2009年頃のことだった。当時は、まだ催眠音声も黎明期。今のように、同人ダウンロードサイトで販売されているものはほとんどなく、「2ちゃんねる」のスレで、同好の士たちが語り合い、自作を配布しているような時代であった。  そんな時代から興味を持ち、催眠音声やさまざまなオナニーサポート音声を聞くようになったという。それでも、商業でアダルトグッズと合体した形で催眠音声を展開したいというアイデアに賛同してもらうには、幾多の辛苦もあった。辛苦とは、すなわちグッズと組み合わせた形で、新たな催眠音声の可能性を追求したいという情熱を語ることであった。 「お金ではないメリットと情熱を伝えなければ、賛同してもらうことはできなかったと思います」  だから、もし自社の製品がもっと話題となっても他社が参入するのは難しいのではないかと、T氏は考えている。 ■それは、ビジネスを超えた求道の世界
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 こう書くと、T氏自身が先見の明があった。自分の目に狂いがなかったことを誇っているように思えるかもしれない。けれども、そうではない。このジャンルには、ビジネスとして考えれば無駄としか考えることのできない「求道」の精神がなければ、購入してくれる人々を満足させることなどできないからだ。その「求道」とは、肉体も精神も常識も越え、一歩前に踏み出す勇気にほかならない。  T氏は、それを当たり前のことだと考え、そして、快楽の求道者なのではないか。そう思ったのは、トランスイノベージョン名義でリリースした2作目の催眠音声「催眠アナニー」に話が及んだ時であった。  これは音声単体でリリースされてはいるが、アダルトグッズの使用を前提とした作品である。音声を聞きながら、アネロス(エネマグラ)などの前立腺を刺激するグッズを用いて、ドライオーガズムへと達してもらうことを目的とした作品である。  つまり、作り手側がアナニーや男性におけるドライオーガズムがどういうものであるか理解していなくては、単なるインチキに堕してしまう。ところが、この作品は微に入り際にいたり的確そのもの。ネットで聞きかじったような知識でアナルの知識が乏しい人でも、どうやって挿入するのか。どのように力をこめるのかが、ものすごくわかりやすいのである。 「これは、あなた自身もアナニーの快感を知らないとできないではないですか」  そう尋ねると、T氏は恥ずかしがることもなく真っ直ぐな目で口を開いた。 「そうですね。私自身、好奇心がすべてで、いろんなものに手を出してきました。一応、エネマグラとかの経験もしています。自分の経験から、アナニーでドライするには、イメージ的な部分が重要だと思ったのです。だから、催眠と相性がよいに違いないと思って世に送り出したのが<催眠アナニー>なんです」 「アネロス(エネマグラ)が気持ちいいと、ご自身でもわかってやってるんですね」 「そうですね、理解がないと依頼できないし、よいものが生まれないと思っています」  その控えめな言葉から、T氏が相当の快楽への探求を重ねた上で作品を世に送り出すに至っていることは自ずと理解ができた。誰よりも探求を重ねた経験がなければ「一応」なんて前置きをできるはずがないと思った。その探究心は、決して大っぴらに自慢できるものでもない。世間から広く賞讃を浴びるものではない。  そう、世間の多くの人は、こうした「性情ではない」快楽に興味があっても、表向きは忌避してしまう。「ちょっとそこまでは……」と、躊躇したり。まったく興味のないフリをする。あるいは、興味がある自分を認めたくなくて過剰に変態扱いしたりするものだ。だからこそ、探究心の赴くままにルビコン川を超えるT氏のような人物は、もっと評価されてしかるべきだと、私は思った。  そして、そこで知った快楽を、受け入れ安い形で躊躇している人たちへ勧めようとして、作品を世に送り出す態度。それは尊敬に値するものではないかと。  今回リリースした、ボールギャクとオナホもまた、お仕着せのものではない。優れた催眠音声とセットになっているのだから、少々手を抜いてもよかったかも知れない。けれども、T氏はまったく妥協をしていない。幾つものボールギャグを取り寄せ、作品に相応しい物を選ぼうと努力を重ねたのだ。 「ボールギャクもあそこにたどり着くまでは、十数個を咥えました。実際にくわえて見て、はじめてわかることがあります。大きさは38ミリの物を選んだのですが、もっとも一般的な大きさは42ミリです。ですので、まずさまざまな大きさのボールギャグを探すのが大変でした。咥えてみると素材の違いもわかります。プラスチックではなくシリコン製でなくてはいけないと……。シリコンは少し値段が高くなってしまうのですが、最良のものは、これだと決断したんです」  そのT氏の熱意に応えるべく、キャンドルマンも催眠音声を制作するにあたり、すべてを咥えて、一ずつレビューを書いたのだという。 ■技術力の限界まで気持ち悪いオナホを求めて工場を訪ねる  オナホにも、また知られざる探求がある。  こちらは、商品名の通り「気持ち悪い」デザインを目指して、まったくゼロから生み出したものである。 「まず、原型師さんと一緒に、国内某所にあるオナホ工場を見学させてもらいました。オナホをいうものが、どうやって製造されるのかを学び、できることできないことを確かめたのです」  その結果生み出されたのが、今回のアイテムである。当初、もっと違うものも考えていたが、それでは形が崩れてしまい製造することができなかったという。色も同様である。  ある種の妥協といってしまえばそれまでである。でも、それはさらに未来を感じさせてくれるエピソードなのではないか。マンガやアニメがリリースにあわせて、さまざまなグッズを展開するようになってから長い。そこでは、これまで思いもよらなかった新手のグッズが次々とリリースされている。  例えば、お色気系グッズの定番といえる抱き枕カバーや、おっぱいマウスパッド。実際に見たり触れたりしたことのある人ならわかるだろうが、登場した頃に比べると進化は著しい。  素材は触っているだけで気持ちよいものとなり、着色などさまざまな面で、より満足度の高いものとなっている。これもまた「こういうものをつくることはできないか」というアイデアに応え、さまざまな技術が試行錯誤された結果である。  近年、オナホは当たり前のように使われるものとなり、さまざまなグッズが生まれている。ふわとろの柔らかさを追求したものもあれば、締め付けを追求したものもある、かと思えば、付属するローションなど肌に触れた時の感覚や匂いに工夫を施したものも。  でも、造形自体を「気持ち悪い」レベルまで、尖ったデザインにするなんて、思いも寄らなかったのではなかろうか。この挑戦によって、オナホの外側のデザインを工夫すれば、また新たな快楽の世界が広がっていくことを、世間は初めて知ったのではないか。  まさに情熱のままに、新たな快楽を求めて突っ走る。それを半ば呆れられた目で見られることもあるとT氏はいう。 「そこまでやって、儲かってますか?」 「いや、実はあまり……。ボールギャグも、赤字にならないようには作ってます。でも、今は制作者さんにちゃんとお支払いした上で、面白いものをつくりたいという意識のほうが強いのです。知り合いのアダルトグッズメーカーには<アホだろ>といわれましたけど……それでも、面白いことをやりたい。やりたいだけなのかもしれない」  趣味ならいざ知らず、トランスイノベーションは法人である。T氏のほかにもスタッフは複数名いる。ゆえに、ビジネスとしての成功もなくては危うい。ましてや、同人と違って商業で販売する場合、ネットでも実店舗でも「卸値」というものが存在する。それを見越して、ある程度高めに価格を設定しなければならないはずなのに、T氏は赤字にならないギリギリに価格を抑えている。それが「アホだろ」といわれるのは、当然だろう。それでも、T氏には目指すべき地平があるのではないか。 「やはり、大勢の人に気持ちよくなって欲しいんですよね」 「もちろん。商業ベースでやることによって、これまで知らなかった層に広がっていってるのは有り難いなあとは思っています。儲けが少なくてもやってるのは、情熱だけですよね、完全に」  やはりそうなのだ。そうでなくては、まず今回のようなグッズを思いついても自社の商品として、世に送り出すことはしないだろう。ビジネスとしての面を優先させるなら、もっと妥協したり、さまざまな方法でコストカットを図るだろう。そうした面を無視した二つのグッズは、完成までも時間を要した。  もともと、2つを同時にリリースする計画ではあったが、オナホには半年。ボールギャグには1年半の歳月を要したのだ。オナホの音声を担当したB-bishopは界隈では驚異的な執筆速度だといわれているが、それでも半年を費やしている。  さらに、2つの催眠音声が本当に購入してくれた人を満足させるかを確認するために、T氏は何度も何度も聞いた。自分が納得する音になるまでリテイクを繰り返しながら。 ■「無駄な努力」が作品力を高めるという真理  傍から見れば「無駄な努力」などといわれるかも知れない。なにせ、じっと聞いているのである。しかも、聞きながら考えることは多い。本当にちゃんと催眠状態になることができるのか。音量。さらには、コンマ何秒での音のタイミング……。 「自分がちゃんと聞いていないと、説明もできませんから、何回も聞きますね。ホントに何回も何回も聞いて、よしって納得できる仕上がりになってからプレスに回してます」  そして、そうしたチェックができるのも、これまで無数の催眠音声を聞くことに時間を費やしてきた経験があるからだ。 「催眠音声の知識では負けていませんよ。それだけ試していますし。聞いてないと、合う人を選べない。最初は自分で書けないかなと思ったのですが、お願いしたほうがいいものができます。それも、聞いているからこそお願いができるわけですから。催眠音声についての理解は人に負けない自負はあります」  むしろ、自分が制作の側に回っているからこそ、さまざまな作品が聞きたくなるのだとT氏はいう。 「自分の携わっている作品でかかるのは難しいですよね。あらを探すために聞いてしまうんです。ですから、さまざまな催眠音声を買って楽しんでいるんです」 ■常に求めるのは前とは違う作品をつくること
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 常に「攻めの姿勢」といえばよいだろうか。より新しい快楽を求め、それを多くの人に知ってもらいたい。そんな思いが、優れた催眠音声の作家には通底しているという。ダウンロード販売サイトを見てもらえばわかるだろうが、今回の作品を担当したキャンドルマンも、B-bishopも、1つとして似通った催眠音声をつくってはいない。  ひとつのテーマを繰り返すのではなく、次々とテーマやストーリーに挑戦し続けている。これは、いわゆるアダルトメディア全般の中では、特異な現象だと思う。  エロマンガやアダルトゲームなどに見られるように、作品には、ある程度の「定番」というものが存在している。とりわけ、アダルトゲームは定番の宝庫。ある程度、似たり寄ったりの印象を持たせて間口を広げて、その中で新しい要素を忍ばせて作家性を維持している作品が多いように思えてならない。  けれども、催眠音声は、そのような意図がほとんど見られない。常に、新しいテーマへと挑戦し続けているのだ。 「だから、異端ともいわれるそうです。でも、自分の趣味嗜好よりは、シチュエーションは今までにないものを求めています。最重要は、今までにない新しいものです」  きっと、そのほうが楽しいに違いないと思った。そして、自分もそうしなければならないのだとも。私自身もまた、いつの頃からか安穏とした定番の中で満足していることは否めない。コミックマーケットでも、カタログを隅から隅までチェックして、新たなジャンルを開拓しようとする情熱は、薄れている。もう、自分の性的な嗜好がある程度はっきりとして、その枠の中で満足すればよいと思っている部分がある。  だいたい、男の娘とTSと、いくつかの特殊性癖島を回ればコミケは終了。無駄にお金も使わないし、疲れないからいいじゃないか。そう思う一方で、自分の行動にどこか疑問もある。嗜好が先鋭化したといえば論理的で納得しているように思える。  けれども、まだ見ぬ新たな「これは、興奮する」という嗜好が、コミケに、あるいはネットの広い海にはあるのではないか、と。T氏の言葉から、得たのはそれらを探求することの楽しさであった。  快楽への探求は、あらゆる嗜好を偏見や躊躇などなく、素晴らしいものとして捉え誘うのだと思った。そんな意志が明確に感じられたのは、催眠音声では数多く制作されているTS、すなわち女体化ものに話題が広がった時だった。 「作家さんの多くは、女体化してやられているシチュエーションは、自分が女になって、やられている体で制作しているんだと思います。開発時にはけっこう興奮しているはず。だって、書いている時というのは、音声を聞いているようなものですからね」  作家は、自分がなりたいもの。そして、されると気持ちいいことを描いている。そうした作家と気持ちを通じ合わせて、より多くの人に、新しい世界を届けようというT氏には、なんら臆するところが感じられなかった。 「創作物はなんでもそうだと思うのですが、自分から入ろうとしないと気持ちよくならないものだと思うんです」  長い人生の中で型にはまったような日常を送っていれば、知ることのできる快楽はわずかなものだろう。けれども、ほんの少しだけ躊躇することをやめれば、そこには無限の新しい世界が広がっている。そこで出会う、催眠音声の気持ちよさ。それは、単なる即物的で刹那的な快楽ではない。新たな世界を知る歓びもあれば、何かが満たされた気持ちもある。なぜなら、ほかのメディアと違い催眠音声においては聞いている自分自身が、登場人物であり主役である。いうなれば、催眠という方法で異世界転生をしているようなものである。していることは受け身一辺倒でありながら、極めて能動的なのが催眠音声なのだ。  そんな世界をアダルトグッズと組み合わせることで、さらに充実したものへと展開させようとするT氏の情熱に、共感は止むことがなかった。  帰り道。このインタビューをどうやってまとめていくか、しばし考えた。書き手である私も、どこまで自分をさらけ出して書くべきかと……。 (取材・文=昼間たかし) ■トランスイノベージョン公式サイト http://trance-innovation.com/ Twitter @trance_inn(https://twitter.com/trance_inn

コアマガジンも参入で注目されるエロマンガ定額読み放題サービス「Komiflo」の挑戦

コアマガジンも参入で注目されるエロマンガ定額読み放題サービス「Komiflo」の挑戦の画像1
「Komiflo」より
 今年1月にサービスを開始した、エロマンガ初の定額読み放題サービス「Komiflo」が好調だ。今月には、アダルト系大手のコアマガジンが発行する「コミックホットミルク」が新たなラインナップとして加わった。サービス開始以来、ワニマガジン社の月刊誌を提供していた「Komiflo」への、新規かつ大手の参入である。オープンから9カ月。高い定着率を維持するこのサービスは、さらなる飛躍を迎えようとしているようだ。 「この半年間でユーザー数は25%増。継続的な利用者が多く、顧客維持率は90%以上を維持しています。最初は不安があったのですが、順調な滑り出しと考えています」  そう話すのは、サービスを運営する株式会社Komifloのマーケティング担当者である。  史上初となる定額「エロマンガ読み放題サービス」が開始されたのは今年1月14日。月額980円(税別)で、ワニマガジン社の発行している月刊誌「快楽天」「失楽天」「快楽天BEAST」「X-EROS」が読み放題。それも最新号だけでなく、バックナンバーも読むことができるというサービスは注目を集めた。配信のタイミングは雑誌によって異なるが、紙の発売日と同日。あるいは、3日以内である。  これまで紙の雑誌を購入していた読者にとっては、紙よりも安いという利点がある。けれども、ユーザーは意外な形で伸びているようだ。 「顧客層のデーターを見ると、若い世代の割合が多いのです。80%以上が34歳以下、その40%近くが25歳以下のユーザーです。さらに、10%近くが女性ユーザーになっています。これは、これまで紙媒体を購入していた読者の割合とはまったく異なるものです」(同) ■海賊版対策としても有益なシステム  では「Komiflo」のメリットはどこにあるのか? まず考えるのは実用面。スマホで見るとすれば、紙よりも「実用」の時には利点がある。けれども、それや価格面だけでユーザーに支持されることにはならないはずだ。 「ひとつに、好みの作品をネットサーフィンのようにたどって、新しい作家や好みのシチュエーションを見つけることができます。また、気に入ったジャンルやシチュエーションなどから新しい作品に出会うことも容易な設計になっています。さらに、コメント機能を通じてユーザー同士で交流することもできるんです。そうした<自分の欲求を再認識できる>ことが、ウケているように思えます」(同)  ブラウザで閲覧するシステムを通じ、あたかもネットサーフィンをしているかのように、作家名やシチュエーションから次々と作品に出会える。これは、今までのダウンロード販売サイトでは味わえなかった手軽さといえるだろう。  そして、作家側にもメリットになる点が多い。一つは、pixivなどの外部サービスともリンクしていること。これによって、作家が新たなファンを獲得できることは間違いない。さらに「海賊版対策」としても「Komiflo」があるのだという。 「これまでネットで課金を行ってこなかったユーザーが、利便性や画質の面で<Komiflo>を選択していると見ています。そうしたユーザーを取り込むことは、海賊版対策にも有効だと考えています」(同)  現在でも、悪名高い違法アップロードサイトは幾つも存在している。多くの人々は「手に入らないから」などの理由で、ほとんど罪悪感なく利用しているハズだ。そうした人々に「たったこれだけ支払えば、こんなによい画質で多くの作品を読むことができる」と提示することの効果は高いだろう。 「そのために、価格は相当考えました」(同)  ユーザーだけでなく作家もまた従来のダウンロード販売サイトとは違うメリットを享受できる「Komiflo」。そこに、新たにコアマガジンが加わることで、サービスはどう変化していくのか? 「多くの読者から支持を受けている、コアマガジン様の参加はサービス当初からの念願でした。ファンは、雑誌ごと、作家ごとに存在しているわけですが、それぞれのファンが新しい作品に出会える機会が増えることになると思っています。すぐに劇的な変化は起こらないでしょうが、それが文化にとってプラスとなることは間違いありません」(同)  そのためにも、サービスの継続が重要だともいう。さらに、海外でのサービス開始も既に実現段階に入っているというのだ。海外の読者にとって、アダルトコミックは、それこそ違法にアップロードされ、勝手に翻訳されたものを読むしかないという人が多かった。海外でのサービス開始は、そうした歪んだ文化の受容を変化させるに違いない。  現在、人気の高いオリジナルコンテンツも今後強化していくという「Komiflo」。読者と作家と出版社と「三方よし」のサービスを実現しているように見える。電子出版市場がコミックによって右肩上がりの中、今後、参入社の増加でさらに大きく化けるのではなかろうか。 (取材・文=昼間たかし) ■Komiflo 公式サイト:https://komiflo.com/ 「エロ漫画を、もっと自由に。」をコンセプトに実用性の高い成人向雑誌の配信を行うウェブ・サブスクリプションサービス。

コアマガジンも参入で注目されるエロマンガ定額読み放題サービス「Komiflo」の挑戦

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「Komiflo」より
 今年1月にサービスを開始した、エロマンガ初の定額読み放題サービス「Komiflo」が好調だ。今月には、アダルト系大手のコアマガジンが発行する「コミックホットミルク」が新たなラインナップとして加わった。サービス開始以来、ワニマガジン社の月刊誌を提供していた「Komiflo」への、新規かつ大手の参入である。オープンから9カ月。高い定着率を維持するこのサービスは、さらなる飛躍を迎えようとしているようだ。 「この半年間でユーザー数は25%増。継続的な利用者が多く、顧客維持率は90%以上を維持しています。最初は不安があったのですが、順調な滑り出しと考えています」  そう話すのは、サービスを運営する株式会社Komifloのマーケティング担当者である。  史上初となる定額「エロマンガ読み放題サービス」が開始されたのは今年1月14日。月額980円(税別)で、ワニマガジン社の発行している月刊誌「快楽天」「失楽天」「快楽天BEAST」「X-EROS」が読み放題。それも最新号だけでなく、バックナンバーも読むことができるというサービスは注目を集めた。配信のタイミングは雑誌によって異なるが、紙の発売日と同日。あるいは、3日以内である。  これまで紙の雑誌を購入していた読者にとっては、紙よりも安いという利点がある。けれども、ユーザーは意外な形で伸びているようだ。 「顧客層のデーターを見ると、若い世代の割合が多いのです。80%以上が34歳以下、その40%近くが25歳以下のユーザーです。さらに、10%近くが女性ユーザーになっています。これは、これまで紙媒体を購入していた読者の割合とはまったく異なるものです」(同) ■海賊版対策としても有益なシステム  では「Komiflo」のメリットはどこにあるのか? まず考えるのは実用面。スマホで見るとすれば、紙よりも「実用」の時には利点がある。けれども、それや価格面だけでユーザーに支持されることにはならないはずだ。 「ひとつに、好みの作品をネットサーフィンのようにたどって、新しい作家や好みのシチュエーションを見つけることができます。また、気に入ったジャンルやシチュエーションなどから新しい作品に出会うことも容易な設計になっています。さらに、コメント機能を通じてユーザー同士で交流することもできるんです。そうした<自分の欲求を再認識できる>ことが、ウケているように思えます」(同)  ブラウザで閲覧するシステムを通じ、あたかもネットサーフィンをしているかのように、作家名やシチュエーションから次々と作品に出会える。これは、今までのダウンロード販売サイトでは味わえなかった手軽さといえるだろう。  そして、作家側にもメリットになる点が多い。一つは、pixivなどの外部サービスともリンクしていること。これによって、作家が新たなファンを獲得できることは間違いない。さらに「海賊版対策」としても「Komiflo」があるのだという。 「これまでネットで課金を行ってこなかったユーザーが、利便性や画質の面で<Komiflo>を選択していると見ています。そうしたユーザーを取り込むことは、海賊版対策にも有効だと考えています」(同)  現在でも、悪名高い違法アップロードサイトは幾つも存在している。多くの人々は「手に入らないから」などの理由で、ほとんど罪悪感なく利用しているハズだ。そうした人々に「たったこれだけ支払えば、こんなによい画質で多くの作品を読むことができる」と提示することの効果は高いだろう。 「そのために、価格は相当考えました」(同)  ユーザーだけでなく作家もまた従来のダウンロード販売サイトとは違うメリットを享受できる「Komiflo」。そこに、新たにコアマガジンが加わることで、サービスはどう変化していくのか? 「多くの読者から支持を受けている、コアマガジン様の参加はサービス当初からの念願でした。ファンは、雑誌ごと、作家ごとに存在しているわけですが、それぞれのファンが新しい作品に出会える機会が増えることになると思っています。すぐに劇的な変化は起こらないでしょうが、それが文化にとってプラスとなることは間違いありません」(同)  そのためにも、サービスの継続が重要だともいう。さらに、海外でのサービス開始も既に実現段階に入っているというのだ。海外の読者にとって、アダルトコミックは、それこそ違法にアップロードされ、勝手に翻訳されたものを読むしかないという人が多かった。海外でのサービス開始は、そうした歪んだ文化の受容を変化させるに違いない。  現在、人気の高いオリジナルコンテンツも今後強化していくという「Komiflo」。読者と作家と出版社と「三方よし」のサービスを実現しているように見える。電子出版市場がコミックによって右肩上がりの中、今後、参入社の増加でさらに大きく化けるのではなかろうか。 (取材・文=昼間たかし) ■Komiflo 公式サイト:https://komiflo.com/ 「エロ漫画を、もっと自由に。」をコンセプトに実用性の高い成人向雑誌の配信を行うウェブ・サブスクリプションサービス。

エロトリプルタイトルマッチ!? 3人の「元芸能人熟女」が同日、同メーカーでAV発売へ

エロトリプルタイトルマッチ!? 3人の「元芸能人熟女」が同日、同メーカーでAV発売への画像1
紫艶オフィシャルブログより
 ボクシング界では“トリプルタイトルマッチ”も珍しくない昨今だが、この夏はAV界でもタイトルマッチさながらに、「元芸能人」による3大熟女作品が、同じメーカーからいずれも8月13日に発売されるという。  1人目は、ベッキーをはじめ「ゲス不倫」報道が渦巻いていた昨年2月、ブームに便乗するかのように桂文枝との“20年不倫”を暴露した演歌歌手の紫艶だ。  本人は「(文枝は)師匠であり、父であり、恋人だった」と一方的にコメント。2人の親密な写真も公開されたことから、世間では「関係はあったはず」と半ば認定されるムードとなった。 「しかし、次から次に有名人のゲス不倫が発覚したことで、話題としては大して盛り上がらずじまい。その後、9月にAVデビューするも、セールスは期待ほど伸びなかった。それだけに、2作目となる今作は“痴漢モノ”で、複数の男性に車内で同時に犯されたり、大量の欲望を顔で受け止めるなど、過激さが大幅にパワーアップしています」(AVライター)  2人目は、昨年8月にAVデビューした、もちづきる美。芸能人時代はセクシーグループ「ギリギリガールズ」のメンバーとして活動。人気番組『ギルガメッシュないと』や『平成女学園』(ともにテレビ東京系)などで人気を博していた。 「もちづきは2004年に会社員男性と結婚するも、11年に離婚したことをテレビ番組で告白しています。そんな彼女が挑むのは『逆ソープ』。竿洗いにマットプレイ、初体験の連続に終始驚きっぱなしの彼女が隈なく責められながらイカされまくります」(前出AVライター)  そして3人目は、60歳の誕生日を目前に控えるジャズシンガーの真梨邑ケイだ。 「09年、真梨邑が51歳で処女作を発表した時には、『大物ジャズシンガーがまさかのAV転身』と話題になり、4万枚超えのメガヒットを記録しました。1作目からストーリーの原案は彼女自身が作っていて、10作目となる今作は『媚薬』がテーマ。嗅いだり、飲んだり、塗ることでエロティックな気分になるという“アダルトロマン”だそうです」(同)  果たして、「芸能人」の肩書をイカして高セールスを記録するのは誰か? この夏は、熟女AV界の「女王決定戦」に注目だ。

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 ボクシング界では“トリプルタイトルマッチ”も珍しくない昨今だが、この夏はAV界でもタイトルマッチさながらに、「元芸能人」による3大熟女作品が、同じメーカーからいずれも8月13日に発売されるという。  1人目は、ベッキーをはじめ「ゲス不倫」報道が渦巻いていた昨年2月、ブームに便乗するかのように桂文枝との“20年不倫”を暴露した演歌歌手の紫艶だ。  本人は「(文枝は)師匠であり、父であり、恋人だった」と一方的にコメント。2人の親密な写真も公開されたことから、世間では「関係はあったはず」と半ば認定されるムードとなった。 「しかし、次から次に有名人のゲス不倫が発覚したことで、話題としては大して盛り上がらずじまい。その後、9月にAVデビューするも、セールスは期待ほど伸びなかった。それだけに、2作目となる今作は“痴漢モノ”で、複数の男性に車内で同時に犯されたり、大量の欲望を顔で受け止めるなど、過激さが大幅にパワーアップしています」(AVライター)  2人目は、昨年8月にAVデビューした、もちづきる美。芸能人時代はセクシーグループ「ギリギリガールズ」のメンバーとして活動。人気番組『ギルガメッシュないと』や『平成女学園』(ともにテレビ東京系)などで人気を博していた。 「もちづきは2004年に会社員男性と結婚するも、11年に離婚したことをテレビ番組で告白しています。そんな彼女が挑むのは『逆ソープ』。竿洗いにマットプレイ、初体験の連続に終始驚きっぱなしの彼女が隈なく責められながらイカされまくります」(前出AVライター)  そして3人目は、60歳の誕生日を目前に控えるジャズシンガーの真梨邑ケイだ。 「09年、真梨邑が51歳で処女作を発表した時には、『大物ジャズシンガーがまさかのAV転身』と話題になり、4万枚超えのメガヒットを記録しました。1作目からストーリーの原案は彼女自身が作っていて、10作目となる今作は『媚薬』がテーマ。嗅いだり、飲んだり、塗ることでエロティックな気分になるという“アダルトロマン”だそうです」(同)  果たして、「芸能人」の肩書をイカして高セールスを記録するのは誰か? この夏は、熟女AV界の「女王決定戦」に注目だ。

ハロプロが20周年に向けて新体制発表! 「地方アイドルからハロプロ」という最高の成り上がり人生に注目

ハロプロが20周年に向けて新体制発表!「地方アイドルからハロプロ」という最高の成り上がり人生に注目の画像1
ハロー!プロジェクト公式サイトより
 来年20周年を迎えるハロー!プロジェクトが6月26日、新体制を発表した。“ももち”こと嗣永桃子が卒業するカントリー・ガールズから3人のメンバーが「移籍・兼任」という形で、別グループに加入。ハロプロ研修生からも3人のデビューが決定した。  モーニング娘。'17に加入するのはカントリー・ガールズの森戸知沙希(17)。アンジュルムにはカントリー・ガールズの船木結(15)とハロプロ研修生の川村文乃(17)が、Juice=Juiceにはカントリー・ガールズの梁川奈々美(15)とハロプロ研修生の段原瑠々(16)がそれぞれ加入する。ハロプロ研修生の一岡伶奈(18)は、これから結成される新グループのリーダーに就任する。  今回の新体制について、アイドル業界に詳しい芸能関係者はこう分析する。 「各グループの個性を消すことなく、しっかり補強したというイメージ。研修生からの昇格組は文句なしの実力者だし、カントリー・ガールズからの移籍組は嗣永の教育を受けたアイドルエリート。各グループが面白くなるのは間違いないと思いますよ。ただ、カントリー・ガールズに残った山木梨沙と小関舞の活動がどうなっていくかという点は少々心配ですが」(以下同)  今回加入が発表された新メンバーたちの中で特に注目されているのが、ハロプロ研修生の川村文乃だという。高知県出身の川村は、高知県のご当地アイドル「はちきんガールズ」の元メンバー。2014年からは東京の拠点を移し活動していたが、16年6月にはちきんガールズを卒業し、同8月にハロプロ研修生に加入した。 「川村はもともとハロプロの大ファンで、はちきん時代にはハロプロのオフィシャルショップで行われたハロプロ好きアイドルが出演するトークイベントにも出演していました。ローカルアイドルとしては知名度も高いほうだったので、研修生に加入した時は、アイドル界隈でかなり話題になりました」  川村のようにローカルアイドルからハロプロ研修生を経て、ハロプロのメンバーとしてメジャーデビューを果たすパターンは、過去にもいくつかある。宮城県気仙沼市のローカルアイドル「SCKガールズ」のメンバーだったアンジュルムの佐々木莉佳子、静岡県のローカルアイドル「ぷりんせす♪りぼん」としての活動歴があるつばきファクトリーの小野田紗栞、元カントリー・ガールズの稲場愛香は北海道のローカルアイドル「PEACEFUL」のメンバーだった。また、今回モーニング娘。’17に加入した森戸知沙希は、ハロプロ研修生の経験はないが、群馬県のローカルアイドル「CoCoRo学園」出身だ。 「ローカルアイドルからメジャーアイドルに移籍することはよくあるのですが、なかでもハロプロ研修生への移籍は“最高の成り上がり”といわれています。というのも、ハロプロはほかの事務所に比べて、環境が安定しているんです。厳しいながらもプロとしてのレッスンをしっかり受けることができるし、ライブなどに参加できる頻度も高い。ハロプロ研修生としての発表会も年に数回東名阪で行われる。間近で先輩たちのパフォーマンスを見る機会も多く、アイドル修行としては最高の環境です。メジャーデビューしているローカルアイドルの中にも、できることならハロプロ研修生に移籍したいとチャンスをうかがっている女の子も多いですよ」  とはいえ、誰もがハロプロ研修生に入れるわけではない。 「おそらく全アイドルグループの中で、入りにくい部類ではないでしょうか。モー娘。やアンジュルムのオーディション落選組から選抜されるパターンと定期的に開催されているハロプロ研修生オーディションで合格するパターンがあって、平均すると1年に10人くらいは加入していると思いますね。そこからメジャーデビューするには努力が必要となるんですが、メジャーデビューできれば安定した活動が待っています。さらに言うと、ハロプロを卒業した後でも事務所に残れる可能性が高く、アイドル人生が終わってもそれなりの安定した生活が期待できますね」  まるで企業の終身雇用制のようなハロプロ。成り上がり人生を求めて、ハロプロの門をたたくローカルアイドルは今後も増えていきそうだ。

「誰それ……?」AKB48・中村麻里子のサンテレ契約アナ入社は“AKB凋落”の証拠か

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 AKB48の中村麻里子が3月末でグループを卒業し、4月から独立放送局のサンテレビジョンに契約アナウンサーとして入社することがわかった。中村は報道キャスター志望で、契約期間は1年だという。 「“AKBの中村”と言われても、人気メンバーではないので、ファン以外には『誰それ?』といったところでしょう。コアではないファンにしても『まだいたの?』と、今回の報道であらためてその存在を思い出した人も多いかも(笑)。彼女は総監督の横山由依と同じ9期生なのですが、選抜メンバーに選ばれたこともほとんどありませんからね。本人もそんな状況に危機感を持っていたのでしょう。明治学院大学に通う傍ら、アイドル活動と並行してテレビ局への就職活動を行っていたそうです」(アイドル誌編集者)  アイドルからアナウンサーへの転身は昨今のトレンドのようで、特にAKB関連では、姉妹グループのSKE48から柴田阿弥がフリーアナとしてセント・フォースに移籍し、坂道シリーズの乃木坂46からはOGメンバーの市來玲奈が日本テレビのアナウンサーに内定している。 「中村が入社するサンテレビジョンは兵庫県神戸市の独立放送局で、地元の阪神タイガースの試合を完全中継することで知られています。ですが、地方のテレビ局の中でも在京キー局のネットワークに属さないので、規模も小さい。彼女は10社ほど、テレビ局の入社試験を受けたそうですが、女子アナ志望者は在京キー局、在阪の準キー局、主要都市のテレビ局もしくはフリーアナ専門の大手プロダクション、地方局、独立放送局の順に受験するのが一般的。中村は、そんな女子アナ“ヒエラルキー”の最下層である独立放送局に契約アナとして入社するわけですから、柴田や市來との差は歴然です」(同)  最近は坂道シリーズの人気に押されるように、凋落の一途をたどるAKB48グループだが、こんなところにもその一端を垣間見ることができるといったら、言いすぎだろうか?