元アイドルネッサンス・原田珠々華が語る、グループの解散とアーティストとしての未来

 2018年2月24日、8人組アイドルグループ「アイドルネッサンス」が解散した。クオリティの高い音楽を数々生み出し、たくさんのファンを獲得してきた彼女たちだけに、グループの解散を惜しむ声は多かった。

 解散から4ヶ月後、メンバーであった原田珠々華は、自ら曲を作り、ギターを持って歌うという、「ソロ活動」の道を選んだ。アイドルネッサンスとしての時間は、彼女の中でどんな存在になっているのか? 新たな道で彼女が目指す未来とは――? 1stワンマンライブを直前に控えた、彼女の等身大の気持ちを伺った。

* * *

――アイドルになろうと思ったキッカケは?

原田珠々華(以下、原田) 元々アイドルを見るのは好きだったんですけど、自分がアイドルになることは考えていなかったんです。でも、アイドルネッサンスのライブを見た時に、一番前に出ていたのが「自分たち」ではなく「歌」で、それがすごいなと感じて。それで候補生のオーディションを受けようと思いました。

――6人で活動していた中、2016年に、原田さんと野本ゆめかさんが新メンバーとして加入したわけですよね。心細さなどはありましたか?

原田 もう本当に心細くて。同期のゆめかがいたから、救われていた部分があります。彼女がいなかったら、絶対、すぐにくじけちゃってた。ゆめかとは、仲が良すぎるっていうくらいに仲良しで。性格は自分とは正反対で、それがすごい羨ましかったし、憧れてました。今でも、お互いが頑張れたらいいなって思います。

■一番の思い出は「ファンから求められていたこと」

――アイドルネッサンスに入って、一番思い出に残っていることは?

原田 ファンの方の存在ですね。初めて自分のことを「推し」と言ってもらえて、“誰かから求められている”と感じられたのが一番嬉しかったし、印象に残ってます。

――記憶に残っているライブは?

原田 去年、地元・神奈川の「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」でやったライブです。その時に、「前髪」という曲を初披露したんです。出だしを私が歌うんですが、それまで練習で一回も決まったことがなかったんですよ。でも、本番で初めて、「これだ!」って思えて、達成感がすごくありました。

――解散が決まった時のお気持ちは?

原田 「やりきったな」と。ただ、解散が近づいてくるにつれて、卒業式が近づいてくるみたいな感覚で。「つらい思い出とかも、全部本当は楽しかったんだな」って思い返したりしましたね。

――今振り返ってみて、アイドルネッサンスはどんなグループでしたか?

原田 改めてすごいグループだったなと思います。まるで、水のように、何にも染まっていなくて、それでいて全員がいろんなことに迷って、いろんなことを考えて……。同じものを目指していたということ、メンバーであったことを誇りに思ってます。

――2月の解散から6月のソロ活動始動までの間は、どのように過ごしていましたか?

原田 やりたいことを決めるまでに結構時間がかかりました。ギターと歌でやっていくなら、まだまだ技術が足りなすぎるなと、たくさん練習をしていましたね。

――その間、石野理子さんが「赤い公園」に加入したり、比嘉奈菜子さんが舞台の主演を務めるなど、他のメンバーもソロ活動を始めていましたよね。

原田 正直焦りはありました。いつか、「この子もアイドルネッサンスだったんだ」と思われたいから、“みんなに頑張ってほしいし、全員が何かで成功すればいい”って応援する気持ちもあるんです。その反面、自分のことに精一杯で、他の人のニュース見ると、どんどん追い込まれていって……。

■背中を押してくれた母の言葉

――ソロ活動に挑戦しようと決意したのはなぜですか?

原田 一番大きかったのは、母からの助言です。シンガーソングライターという方向にしても、私よりずっと前から路上で歌ったり、ライブ活動をしている方もいるわけで。その中にいきなり混じって通用するのかと、怖かったんです。でも、それまで私がTwitterにアップした弾き語り動画に反響があったことを、母が「見てくれている人がいるってことは、あなたには何か伝える力があるんじゃない?」と言ってくれたんです。それで勇気が出ました。アイドルネッサンスで一回終わった物語の続きが描けるんじゃないかなと思ってます。

――グループ時代と比べて、一人でステージに立つ感覚は違いますか?

原田 違いますね。グループの時は周りのメンバーに頼っていた部分があって、まずは「このライブをやりきる」という感覚でやってしました。でも今は、「この会場にいらっしゃるお客様を楽しませる」っていう気持ちと、「もっと上に行くからその姿を見てて!」っていう思いも届けなきゃいけないと思うようになって。自分で見せたものが全部自分に返ってくるので、意識が変わりました。

――今は、アイドルのライブイベントで歌う機会が多いかと思います、そのあたりはどう受け止めていますか?

原田 「好きな音楽を届けたい」っていう気持ちは、どういう風に見てもらえたとしても変わらないと思っています。

――以前、「キャラが定まらない」と仰っていましたが、ソロになって、キャラは見えてきましたか?

原田 「キャラが定まらない」って言い出したのも、そういうキャラにするためなんですよ! 「キャラが定まらないキャラ」にしちゃえば、自分がこれから何になっても許されるんじゃないかと思って(笑)。実際そう言い出してから、ブログの書き方とかも自由になった気がしたし、結構受け入れてもらえている気がしたので、今でもそのキャラは続いてると思ってます。

――原田さんのファンの方は、どんな人が多いですか?

原田 文学的な人が多いなっていうイメージです。私は結構ブログが長い方なんですが、それにつられてなのか、ファンの方のコメントもすごい長いんですよ(笑)。あとは、すごく賑やかな人もいらっしゃって、私とは正反対だなと、逆に励まされたりします。

――先ほどの話にもあったTwitterの弾き語り動画を含め、SNSを積極的に活用している原田さんにとって、SNSはどんなツールですか?

原田 自分の中で、一番の武器かなと思ってます。結構ちっちゃい頃から趣味程度にやってたんですよ。やっぱり自分が「こうしたい」って思ったことをすぐに発信できるから、SNSは大切だなって。

■「Fifteen」に込められた思い

――11月3日にデジタルリリースされた「Fifteen」は、まさに15歳の時に作られたとか。

原田 16歳になる前日に作りました。誕生日を迎える前に「一曲作りたい」って思って、その翌日に作ってできたのがこの曲です。結構悩んで曲作りするタイプで、それまでは時間をかけて作っていたんですけど、「Fifteen」は今の思いを全部書いたので、すぐにできたのかなって思ってます。

――曲の背景には、アイドルネッサンス時代を含め、15歳の原田さんが反映されているのかなとも思います。

原田 それはありますね。15歳って、私にとってすごい大きくて。今までの人生で一番なんじゃないかってくらい楽しかったんです。学校も、アイドルネッサンスとしての活動も充実してたなって思うし。そういう思い出を、16歳を過ぎてつらくなった時にも思い出せるように、という気持ちが込められているんです。

――曲を作るときは、詞と曲、どちらが先ですか?

原田 「この歌詞のサビだったら、このメロディーをつけたい」って思って、当てはめていくことが多いですね。

――曲作りの上で、影響を受けたアーティストはいますか?

原田 曲によって、影響受ける人は違うんですが、一貫してこの人っていうのは、やっぱり星野源さんです。ずっとファンなんですけど、歌詞の世界観がすごい好きで、詞の感じとかはすごく影響を受けています。

――今好きなアイドルグループは?

原田 「tipToe.」さんが好きです。アイドルネッサンスファンの方が結構ライブに行ってるっていう噂を聞いて、この前初めてライブ見させていただいたんですけど、アイドルネッサンスと少し近い匂いを感じることもあったりして。ファンの方が、tipToe.さんを好きな理由もわかるし、すごい素敵なグループだなって思います。

■初のワンマンライブに向けて

――12月に1stワンマンライブがありますが、準備のほうはいかがですか?

原田 いろんな方がほんとに私のために動いてくださっています。私も、もうちょっとレベルアップした姿を見せたいと思っているので、「いろいろと準備中」という感じです(笑)。曲も作って、もう完成に近づいてきています!

――バンドセットと、アコースティックと2回ありますが、それぞれ「ここに注目して!」というところは?

原田 バンドセットの時は、自分の明るい面を打ち出したようなパフォーマンスを見せようと思ってるんですけど、アコースティックの時は、ちょっと自分の深い部分や暗い面も見せつつ、“暗いけど励みになる”ような感じにできたらいいなと。

――来年以降の展望などがあれば聞かせてください。

原田 自分の中で、「絶対成功したい!」って思っている理由のひとつに、「どうせダメだろ」って思っている人たちへの悔しさがあるんです。その気持ちが一番バネになってる気がして。もちろんそれだけではありませんが、私の音楽を純粋に聴いてくださる方や、それ以外の方にも、もっと音楽を共有してもらえたらいいなと思っています。あとは、自分を救うためにやってる部分もあるんですよね。夢はワンマンで横浜アリーナに立つことです!

――では、そのファンの方に向けてメッセージがあればお願いします。

原田 いつも応援してくださって本当にありがとうございます。今も変わらずに思っているのは、「ファンの方がいなければ、私は何もできてないし、成り立ってない」ということです。私は絶対にもっと大きい舞台に行くので、それを見守って下されば嬉しいです!

* * *

 新たな道を見つけ、突き進む彼女からは、アイドル活動を経てきたからこその「表現者」としての顔が見えてきた。

 選んだ道が正しいかどうか、答えはすぐには出てこない。しかし、確固たる信念を持っていれば、何かしらを掴むことはできるはずだ。結果がどうであったかは、必ず歴史が証明してくれる。その未来は、きっと輝かしいものであるだろう。

(取材・文=プレヤ-ド)

●原田珠々華(はらだ・すずか)
2002年神奈川県生まれ、16歳。2016年より「アイドルネッサンス」のメンバーとして活動。2018年2月のグループ解散後、6月よりシンガーソングライターとしてソロ活動をスタート。数々のライブイベントに参加している他、12月には、初となるワンマンライブも控えている。

公式サイト:https://www.haradasuzuka.com/
Twitter:@harada_suzuka
Instagram:harada_suzuka_official
LINEブログ:https://lineblog.me/haradasuzuka/

◆デビュー曲「Fifteen」配信中!
https://linkco.re/0EsF61Pn

◆「Fifteen」ミュージックビデオ公開中!

■原田珠々華 ワンマンライブ~BAND SET~ 「ハジマリのオト」
日時:2018年12月13日(木)開場18:15/開演19:00
会場:渋谷WWW
チケット:¥4,800(税込)別途ドリンク代
Band Member : 山本幹宗(G)、おかもとえみ(B)、戸高亮太(D)、野崎泰弘(Key)、
Asuka Mochizuki(Vl)、井上陽介(S.G&A.G&Banj)

■原田珠々華 ワンマンライブ~Acoustic Set~ 「title」
日時:2018年12月23日(日)開場16:15/開演17:00
会場:下北沢GARDEN
チケット:¥3,800(税込)別途ドリンク代

主催・企画・制作タワーレコード株式会社
協力・問合せオデッセー03-5444-6966(平日11:00~18:00)

「赤い公園」新ボーカルに、元アイドルネッサンス・石野理子! 彼女の魅力の根源にあるもの

 5月4日、さいたまスーパーアリーナで開催された音楽フェス『VIVA LA ROCK 2018』において、ガールズバンド「赤い公園」の新ボーカルが発表された。会場に集まったファン、そして「GYAO!」による生配信を視聴していた全国のファンが、かたずをのんで見守る中登場したのは「アイドルネッサンス」でセンターを務めていた石野理子だった。

 そのニュースは、驚きを持って拡散され、「石野理子」はTwitterのトレンドワードに躍り出た。それは、赤い公園、アイドルネッサンス、双方のファンが待ち望んだ、とてつもないビッグニュースだったのだ。

「アイドルネッサンスがいない世界が始まるんだ」

 今年の2月24日、アイドルネッサンスの解散ライブを終えて、私はそんなことを思っていた。それくらい、圧倒的な存在感のあるアイドルグループだった。解散ライブでも、メンバーの今後について語られることはなく、彼女たちも、私たちファンにとっても、これから一体どんな世界が始まるのか、考えあぐねていた。

 もしかしたら、昨年8月にボーカルの佐藤千明が脱退し、今後の展開が見えていなかった赤い公園のファンも、似たような気持ちだったのかもしれない。

 赤い公園は、2012年にメジャーデビューしたガールズバンドで、ギターの津野米咲が作る個性的な楽曲と、パワフルなライブパフォーマンスで人気を集めている。津野はSMAPやモーニング娘。’16、ベイビーレイズJAPANなどのアイドルにも楽曲提供するほか、自身も「アイドル好き」を公言しており、今回の石野の加入は、ある意味自然な流れだったのかもしれない。

 一方、石野の所属していたアイドルネッサンスは、14年にデビュー。大江千里や村下孝蔵といったアーティストの過去の名曲をカバーする「名曲ルネッサンス」を掲げ、そのクオリティの高い歌とダンスでアイドルファン以外にも支持と注目を集めていた。

 各々のメンバーカラーを配した派手な衣装や、振り付け、前にグイグイ出ていく個性的なキャラクターなどが多かった当時のアイドル界で、アイドルネッサンスのメンバーはある意味異色だった。

 全員が同じ真っ白な衣装、身にまとったどこか純朴な雰囲気、控えめな性格。しかし、ひとたびステージに上がれば、圧倒的な存在感で見る者を魅了する、そんなところが多くのファンを惹きつけた。彼女たちからは、いわゆる“現代の若者”が失いつつある純粋さと、神聖さが感じられたものだった。

 そんな中、当時から、石野理子の歌唱力は群を抜いており、グループ内のみならず、アイドル界全体で見ても、貴重な存在だった。ある意味「カリスマ」と言っていいかもしれない。

 石野は、広島県出身・在住で、アイドルネッサンス時代も、毎週末東京まで通って活動していた。中学・高校という多感な時期、東京へと向かう新幹線の中で、彼女は何を思ったのだろう。いろいろな事情があってのことであろうが、地元に住み、東京へ通っていたという活動スタイルは、彼女の感性に大きな影響を与えていたと思う。

 では一体、ここまで私たちを惹きつける、石野理子の魅力とはいったい何なのだろうか?

 アイドルに限ったことではないが、「歌が上手い/下手」というのは、単に「楽譜通りに歌える」とか「声量がある」というのとはまた違った側面があると思う。大げさな言い方をすれば、その人が背負っているものを吐き出し、聴く人がそれに共鳴するかどうかではないか。だから、「上手い/下手」というよりは、「自分に合う/合わない」もしくは「好き/嫌い」で判断すべきことなのだろう。

 その意味で、私は石野理子の歌がとても好きだった。ただ、「アイドルネッサンス」というグループを知り、ライブに行くようになってからも、その理由を正確に把握することができず、「一体彼女のどこが魅力なのだろう?」と問い続けていた。

 そんな思いを抱いていた昨年の夏、彼女が期間限定のTwitterを始め、ちょっと世の中を斜に見たようなつぶやきをした時、その正体が少し見えた気がした。

 いわゆる“こじらせている”感じや、若さゆえの迷い、そんなものを感じさせるツイートはネット上でも反響を呼んだ。しかし、私はこれを見て、何か「ふに落ちた」ような感覚になったものだ。

 そうか、彼女の歌声の根底には、このような感情があったのか。

 彼女にとって「歌うこと」は、自身の中に生じた、この世界への疑念や疑いを他者に伝えるための、感情の発露ではないだろうか。愛を伝えるでもない、ただ楽しむだけの手段でもない。彼女の歌は、押しつぶされそうになる心の内側からの咆哮なのだろう。

「アイドル」というイメージを身にまといながら、 その制約の中でこそ生まれた奇跡といっていいかもしれない。

 私は、この心の底から絞り出すような歌声が好きだ。声に混じる、何かを渇望するような感情に、自分の心が共鳴する感覚が好きなのだ。

 歌がうまいアイドルとして、よく、「こけぴよ」の二木蒼生や、「大阪☆春夏秋冬」のMAINAなどと比較されたが、彼女たちに比べ、石野からは圧倒的な“何かを抱えている感”が出ていた。それが、石野理子というボーカリストの魅力のひとつであることは間違いない。

 当然それは、新ボーカルを受け入れる側の赤い公園メンバーも感じていたことだろう。おそらく、たくさんの候補がいた中で、石野理子を選んだのには、そのバンドの持っているカラーや方向性、「思い」などが共通しているとの認識はあったと思う。

 もちろん、彼女の魅力はそれだけではない、主演映画で見せた影のある表情も、時々突拍子もないことを言ったりする発言も、まだまだあまり知られていない側面であろう。

 そして、今回のバンド加入には、なにかしらの運命も感じる。

 きっかけは、双方と関わりのあった、Base Ball Bear の小出祐介が引き合わせたことらしいが、例えば、初お披露目となった5月4日は、14年にアイドルネッサンスが結成された日であったことや、ともに「白い衣装」をイメージにしていたこと、なにより、アイドルネッサンス解散により新たな表現の場を探していた石野と、新しいボーカルを探していた赤い公園のタイミングが合ったことなどは、まさに運命的なものと言えるだろう。

 運命を引き寄せる力、それもまたカリスマには必要な要素なのだ。

 音楽的に幅広く、ちょっとクセのある赤い公園と、独特の感性を持った石野理子の出会い。それは、ある種の化学反応を起こし、音楽シーンに大きな影響を与えることになるかもしれない。そして、彼女の中に内包された魅力が、今後もっともっと引き出されてくるものと期待している。

 石野理子の第二章が始まったのだ。歌にかけた彼女の人生、しっかりと見届けようではないか。
(文=プレヤード)

相次ぐ中堅アイドルグループの解散 ブーム終わりDDが消えた……超大手と地下アイドルの二極化へ

 ちょっと前に女性アイドルブームは完全に落ち着き、最近では中堅グループの解散の知らせが多くなっている。

 エイベックスのアイドルプロジェクト「iDOL Street」では、今年の3月で「GEM」が解散、さらに7月をもって「Cheeky Parade」が解散することも発表された。ほかにも、ソニー・ミュージックアーティスツの「アイドルネッサンス」も2月に、ビーイングの「La PomPom」も3月にそれぞれ解散している。また、4月24日には、4人組アイドルグループ「チャオ ベッラ チンクエッティ」が8月に解散することを発表した。

 これらのグループに共通しているのは、大手芸能事務所の所属であるということだ。女性アイドル事情に詳しい音楽業界関係者はこう話す。

「現在のアイドル界はライブハウスを中心に活動するインディペンデントなアイドルから坂道シリーズやAKB、ハロー!プロジェクト、スターダスト勢といった超大手まで、かなり幅広くなっています。そんな中、今一番厳しいといわれているのが、超大手でもなく、インディペンデントでもない中堅グループで、そこが今バタバタと解散していっている。具体的にいうと、大手事務所が運営するアイドルの中で、ワンマンライブでギリギリ2000人集められるかどうかのレベルのグループが、今最も苦境にあるといえます」

 どうしてその中堅グループが厳しい状況に追いやられているのだろうか。

「完全にインディペンデントでやっている地下アイドルは、ノリとしてはインディーズバンドみたいなもの。アイドル活動だけでお金を稼ぐというのはそもそも無理だということがわかった上で、基本的に自分たちのできる範囲内で活動している。儲からなくてもいいし、お金もかけないので、本人たちがやりたいと思う限りは続くんです。一方、超大手のアイドルは固定ファンもいるし、活動の基盤がしっかりしているので、そう簡単に揺らがない。ビジネスモデルがある程度固定されているのです」(同)

 その一方で中堅グループは、お金がかかる割に、ほとんど儲けが出ないというのだ。

「大手事務所が運営しているので、マネジメントはしっかりしていますが、その分人件費が掛かる。CDを出したら、そこそこ宣伝もするし、リリースイベントなんかも行うので相当な経費が掛かるわけです。でも、1万枚も売れないことが当たり前で、まったく回収できないんですよ。それに、坂道とかハロプロみたいな超大手がずっと上にいるから、ブレークするのも簡単ではない。ブームの頃は、新規のアイドルファンもたくさんいたから良かったけど、ブームが収まったらライブの動員も一気に減りましたしね。活動するだけでお金が掛かる中堅グループは、もう生き残れないんですよ」(同)

 解散を発表したチャオ ベッラ チンクエッティはハロー!プロジェクトが所属するアップフロントプロモーションのグループ会社の所属だが、ハロプロ外のユニットであり、完全に別個のもの。立場的には“中堅グループ”そのものだ。

「いろんな現場に顔を出す“DD(誰でも大好き)”と呼ばれるアイドルファンも減ってしまって、チャオベラがハロプロと近いグループであっても、だからと言ってハロプロファンがライブに足を運んでくれるわけでもないんですよ。アイドル界全体にそういった流れがあって、アイドルファンたちもいろいろなグループをつまみ食いするのではなく“終の棲家”を見つけて、そこだけに行くファンが多くなったような気がします。ライトなDDがもっといてくれたら、中堅グループも解散しないで済むんですが、ブームが終わるということはこういうことなんですよね……」(同)

 超大手と地下アイドルだけが生き残り、中堅グループが消えるという、いびつな二極化が進む女性アイドル業界。既得権益を持つ超大手と、夢を持つ地下アイドル以外には、魅力が見いだせない業界となりつつあるのかもしれない。

相次ぐ中堅アイドルグループの解散 ブーム終わりDDが消えた……超大手と地下アイドルの二極化へ

 ちょっと前に女性アイドルブームは完全に落ち着き、最近では中堅グループの解散の知らせが多くなっている。

 エイベックスのアイドルプロジェクト「iDOL Street」では、今年の3月で「GEM」が解散、さらに7月をもって「Cheeky Parade」が解散することも発表された。ほかにも、ソニー・ミュージックアーティスツの「アイドルネッサンス」も2月に、ビーイングの「La PomPom」も3月にそれぞれ解散している。また、4月24日には、4人組アイドルグループ「チャオ ベッラ チンクエッティ」が8月に解散することを発表した。

 これらのグループに共通しているのは、大手芸能事務所の所属であるということだ。女性アイドル事情に詳しい音楽業界関係者はこう話す。

「現在のアイドル界はライブハウスを中心に活動するインディペンデントなアイドルから坂道シリーズやAKB、ハロー!プロジェクト、スターダスト勢といった超大手まで、かなり幅広くなっています。そんな中、今一番厳しいといわれているのが、超大手でもなく、インディペンデントでもない中堅グループで、そこが今バタバタと解散していっている。具体的にいうと、大手事務所が運営するアイドルの中で、ワンマンライブでギリギリ2000人集められるかどうかのレベルのグループが、今最も苦境にあるといえます」

 どうしてその中堅グループが厳しい状況に追いやられているのだろうか。

「完全にインディペンデントでやっている地下アイドルは、ノリとしてはインディーズバンドみたいなもの。アイドル活動だけでお金を稼ぐというのはそもそも無理だということがわかった上で、基本的に自分たちのできる範囲内で活動している。儲からなくてもいいし、お金もかけないので、本人たちがやりたいと思う限りは続くんです。一方、超大手のアイドルは固定ファンもいるし、活動の基盤がしっかりしているので、そう簡単に揺らがない。ビジネスモデルがある程度固定されているのです」(同)

 その一方で中堅グループは、お金がかかる割に、ほとんど儲けが出ないというのだ。

「大手事務所が運営しているので、マネジメントはしっかりしていますが、その分人件費が掛かる。CDを出したら、そこそこ宣伝もするし、リリースイベントなんかも行うので相当な経費が掛かるわけです。でも、1万枚も売れないことが当たり前で、まったく回収できないんですよ。それに、坂道とかハロプロみたいな超大手がずっと上にいるから、ブレークするのも簡単ではない。ブームの頃は、新規のアイドルファンもたくさんいたから良かったけど、ブームが収まったらライブの動員も一気に減りましたしね。活動するだけでお金が掛かる中堅グループは、もう生き残れないんですよ」(同)

 解散を発表したチャオ ベッラ チンクエッティはハロー!プロジェクトが所属するアップフロントプロモーションのグループ会社の所属だが、ハロプロ外のユニットであり、完全に別個のもの。立場的には“中堅グループ”そのものだ。

「いろんな現場に顔を出す“DD(誰でも大好き)”と呼ばれるアイドルファンも減ってしまって、チャオベラがハロプロと近いグループであっても、だからと言ってハロプロファンがライブに足を運んでくれるわけでもないんですよ。アイドル界全体にそういった流れがあって、アイドルファンたちもいろいろなグループをつまみ食いするのではなく“終の棲家”を見つけて、そこだけに行くファンが多くなったような気がします。ライトなDDがもっといてくれたら、中堅グループも解散しないで済むんですが、ブームが終わるということはこういうことなんですよね……」(同)

 超大手と地下アイドルだけが生き残り、中堅グループが消えるという、いびつな二極化が進む女性アイドル業界。既得権益を持つ超大手と、夢を持つ地下アイドル以外には、魅力が見いだせない業界となりつつあるのかもしれない。