ふるさと納税の増加が止まらない。総務省が8月1日に発表した「ふるさと納税に関する現況調査」の結果によると、22年度のふるさと納税額は初めて9000億円を突破、件数も初めて…
居住地に関わらず、出身地や思い出の地など、応援したい自治体へ寄付ができる、ふるさと納税。確定申告をすることで税金の還付・控除が受けられ…
これが最後の節税のチャンスになりそうだ。
ふるさと納税をめぐり総務省が、さらなる規制の強化を検討する中で、近年注目を集めてきた大阪府泉佐野市が、最後の大盤振る舞いを始めている。
ふるさと納税をめぐっては、数年前から換金性の高い商品や金券類を返礼品とする自治体が急増。そのため、一部の自治体が膨大な収益を上げる一方で、都市部を中心に予定していた税収が得られないという問題が起こっていた。そのため、総務省は全国自治体に対して、指導を行っていたが、さまざまな手段で高額な返礼品を準備する自治体は、後を絶たなかった。
しかし、昨年12月に公表された2019年度の税制改正大綱では、返礼品の返礼割合を3割以下とすること、返礼品は地場産品に限ることなどが記され、基準に適合しないと認められた場合には総務大臣が指定を取り消すことができるようになる。この制度が実施される6月を前に各地の自治体では駆け込みで、ふるさと納税の確保に動いているのである。
そうした中で、泉佐野市では2・3月限定で「100億円還元閉店キャンペーン」を打ち出し、ふるさと納税をアピール。これまで、市内にある関西国際空港に本社を置いているという理屈で格安航空会社・Peachのポイントを返礼品に加えていたが、今回はさらに大盤振る舞い。返礼品と共に、Amazonギフト券を最大で20%配布するというのである。
このために開設された特設サイトの説明によれば、例えば寄付額1万円でビール1ケースを選ぶと、それに加えてAmazonギフト券1,000円分がプレゼント(順次配送の場合)されるという。
このキャンペーン、Amazonギフト券の還元額予算の100億円に達し次第終了するということもあってか、平日日中でもサイトにアクセスが集中して、つながりにくいこともあるほど。あまりにつながらないので、どうなっているのかプレスリリースにあった「報道関係者お問合せ先」に電話してみたのだが、こちらもつながらない状態なので相当な人がアクセスしているのだろう。
まず、サイトにアクセスできるかどうかがハードルとなってしまっているが、この閉店セールには参加するだけの価値はありそうだ。
(文=大居候)
ふるさと納税は、常にチェックしておいたほうがよさそうだ。
昨年、静岡県小山町のふるさと納税の返礼品に総務省が激怒。石田真敏総務大臣が「非常に良識ある行動とは思えないと、はっきり申し上げたいと思います」と、非難の言葉を述べるまでになっている。
そんな小山町のふるさと納税返礼品とは、QUOカード。そして、Amazonギフト券だったのだ。これによって小山町は、昨年4月から12月までに、全国から249億円もの寄付を集めるに至ったのである。
すでに広く知られているように、ふるさと納税とは、納税者が任意の自治体に寄付(納税)をすることで税金が軽減する仕組み。寄付額に応じて住民税などが控除されるので、返礼品が高額であるほど、実際に支払う税金が節約できるというわけだ。
財政難にあえぐ自治体にとっては、寄付が多く集まれば返礼品が高額でも収支はプラス。
そのため、換金率の高い商品や金券など、その地域に関係のない返礼品を扱う自治体が増えたことから、総務省は「地場産のみ」「返礼品は寄付額の3割以下」とするように通達を出している。
それでも自治体によっては、総務省の指示を無視するかのような、さまざまな高率の返礼品を繰り出している。この小山町の場合も、Amazonギフト券などの取り扱いは土日祝に限定。告知するサイトも限っていたというから巧妙だ。
それでも、寄付額の4割相当のAmazonギフト券がもらえるとして申込みが殺到したのだから、目ざとい人は多いものだ。
総務省としては、返礼品が高額な自治体に寄付が殺到し、そうではない自治体の住民税が減ることには、頭を悩まし続けている。とはいえ、納税者としては少しでもオトクになる方法があるのはうれしいこと。
今後も全国の自治体の中に、こうした金券……ほぼ、現金を配っているのと同じようなゲリラ的な方法を実施するところは、必ず出てくると思われる。少しでも、税金を節約するために、チェックは欠かせない。
以前、石川県加賀市の実施した返礼品がDMMポイント(2015年3月終了)なんてのは、本当に国民の役に立つと思うんだけど……。
(文=大居候)
税金を納めたら、お礼にライザップが体験できる。長野県伊那市の打ち出した新たな施策が、さまざまな意味で注目を集めている。
今月8日の同市の発表によれば、これは「ふるさと納税」で寄付金額100万円以上の人が対象。市保健センターを会場に実施する、1回90分、全8回の健康増進プログラムが受けられるという。
各地で特色ある品物が競い合う「ふるさと納税」の返礼品だが、ライザップ体験というのは、全国でも初めてのケースだ。同市の白鳥孝市長は、記者会見で「納税者自らが、健康長寿になってもらえれば」と語っているが、ネット上では「意味不明」「ふるさとは関係あるのか」「そもそも伊那市にライザップの店舗がない」などと、呆れた声が寄せられている。
昨年まで伊那市では、返礼品として市内に関連工場があるという理由で4Kテレビや外付けハードディスクなどを扱っていた。これには、税金分で高額商品がもらえるとあって全国から寄付が殺到。2016年度の寄付額は全国2位の72億0,469万円となった。
ところが、加熱する返礼品競争に対して、総務省が「返礼品は寄付額の3割以下に抑える」ように各自治体に通達。これを受けて、伊那市でも市役所職員からアイデアを募集することになった。
「そのアイデアから選ばれたのが、ライザップなんです。伊那市と関係ないかと思われるでしょうが、ライザップの本社がある新宿区と伊那市は姉妹都市。なので、交流もないわけではないということで……」
そう語るのは、事情を知る市の関係者。昨年までの4Kテレビなどは、市内にメーカーの事業所がある。調達も市内の電気店であり、何かしらの関連性を持たせていた。今回も、まったく無関係のものを返礼品として打ち出すことはできないということありきで、強引な理屈を練った感じが、どうしても残る。
「市役所職員の間では批判こそないにせよ『恥ずかしい』『誰に言ってもからかわれる』なんて話になっていますよ……」(同)
もちろん、この施策が永続するとは誰も考えていないようだ。
「4Kテレビなんかも、いつまでも続かない。必ずどこかからストップがかけられるという話でした。今年は寄付金が減少することが予想される中で、ひとまずは目立つことを重視した形でしょう」(同)
いずれにしても、100万円の寄付は庶民には遠い話。それを見越してか、2万5,000円の寄付でもらえる返礼品には、腹筋マシーンが入っていたりする。
来年、伊那市では市長選も予定されているそうだが、「目立てばいいんだ!!」の奇策が、どう評価されることになるのか。
(文=昼間たかし)
Ad Plugin made by Free Wordpress Themes