『ラジエーションハウス』窪田正孝がコナンくんに!? 突如推理ドラマ化し、視聴者あ然!

(これまでのレビューはこちらから)

 窪田正孝主演ドラマ『ラジエーションハウス』(フジテレビ系)の第5話が5月6日に放送され、平均視聴率10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)を記録しました。

 4話で9.1%と一旦は下がったものの、再び2ケタ視聴率を記録。やはり医療系ドラマは強いですね。ではでは、今週もあらすじから振り返っていきましょう。

虐待なのか、それとも……

 甘春病院に公園で発見された少年・藤本直樹(南出凌嘉)の遺体が運ばれた。彼は河原の土手で心臓が止まった状態で倒れており、体には目立った外傷はなし。見た目では詳しい死因がわからないため、杏(本田翼)や小野寺(遠藤憲一)らは、遺族にCTやMRIを使って遺体の死因を究明するオートプシー・イメージング(通称『Ai』)を勧めるも拒否。その態度から、杏らは虐待を疑い始める。

 そんな中、唯織(窪田)は救急通報をした直樹の友達・山村肇(小林喜日)から、直樹の両親は最近再婚し、父親の勝彦(三浦誠己)から殴られていたことを知らされ、事件ではないかと疑い始める。

 一方、直樹の母親である歩美(森脇英理子)はAiを承諾。すると、意外な事実が判明し、事故から事件へと発展していく……というのが今回のストーリーでした。

 あまり知られていないAiという技術を取り上げた今回。ネットではAiを初めて知ったという人が多く、「解剖しなくてもいいんだ」「こういう技術って知っていた方がいいよね」など、参考になったという声が見受けられました。しかし、取り上げることを賞賛する声がある一方で、「ストーリーが酷すぎる」との声も多かったんです。

 特に声が多かったのは、“直樹の死因”。友人であった肇は自分と同じく親とうまくいっていない直樹と親友だったのですが、父親との関係を良くしたいと直樹が言い出し、肇は裏切られた気持ちに。そのことから直樹の腹を一発殴り、肝臓破裂で直樹は死亡したという内容だったんですが、これが「無理やりすぎる」「ボクサーならわかるけど、アマの少年でもできるのか?」などツッコミの嵐。

 確かに取り上げるのは大変いいことなんですけど、もっといい取り上げ方があったはずですよね〜。事件もいろいろとあるし。今回のようなお涙頂戴的な話じゃなくてもよかったかなと思います。

「おい、どうした?」唯織が急にコナン化!

 ストーリーの酷さに加え、さらに今回ツッコミが多かったのが、医療ドラマだったのに、急に推理ドラマになり始めたという点です。

 最後の最後に、なんと唯織が遺族や肇、医療スタッフを集め、推理を披露。さらに、肇が真犯人だと断定するのです。慣れた口調で(笑)。ですが、この場に警察関係者は一人もおらず……。

 解剖ではないAiで殺人事件とわかった時点で警察に連絡して刑事のいる場所で話すべきなはず……。もっと言えば、唯織、お前は探偵でもあるのか……。

 やっぱりというべきなのか、この点にもツッコミの嵐が。「技師の話がいつの間にか、探偵もの(笑)。なに? この展開」「唯織、急にコナンくん」「技師で医師免許持ってて、実は公安の潜入捜査官なのか?」などといった声が続々と上がっており、この展開はあまり好まれていなかった様子でした。

 まあ、急に探偵モノになってAiでわかった死因以上のものを洞察力で当てるって、これは技師の仕事じゃないですもんね(笑)。“Aiを使って犯人探し”と予告していましたが、いつもの医療ものを期待していた視聴者は受け入れられなかったようですね。

 以上、5話のレビューでした。

 ブーイングが多いながらも視聴率はいいので、このまま好調で進んでいきそうな予感。まだまだ目が離せません。次回も期待して放送を待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

“カマキリ先生”香川照之に福山雅治が喰われた!? 『集団左遷!!』第3話は視聴率二ケタを守れたか

 福山雅治が主演する初のサラリーマンもの『集団左遷!!』(TBS系)。元号が平成から令和に変わり、キャッチコピーも「平成最後の下克上だ」から「令和最初の下克上だ」に変わりました。さて、どれだけの人が気づいたでしょうか。第3話を振り返りたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

 第1話からそこはかとなく漂う“コレジャナイ感”。第3話では廃店が決まっている三友銀行蒲田支店の片岡支店長(福山雅治)たちの前に、廃店計画を進める本部の横山常務(三上博史)が現われます。両者の間で激しい視殺戦が繰り広げられるかと思いきや、横山常務は「業績アップ、おめでとうございます」と蒲田支店の奮闘ぶりを讃え、あっさりと引き揚げていきます。あまり意味のないシーンでした。第2話のラストで盛り上げておいて、すっごい肩すかしです。

 片岡支店長は相変わらず「さらにがんばろ~!」としか言わないのですが、半期で100億円のノルマを達成しないと自分たちの居場所がなくなる蒲田支店の行員たちは尻に火が点いた状態となり、懸命に営業成績を上げていきます。

 

目の前の上司をスパイ呼ばわりする不自然さ

 ところが横山常務の指図で、またしても本部の横やりが入ります。廃店候補となっている支店が扱っている大口の取引先は、本部へと移管されることになったのです。さらに、廃店した支店の残務処理に10人回すように蒲田支店に命令が下ります。これでは、いくらがんばってもノルマを達成することは不可能です。

 せっかく団結しかかっていた蒲田支店ですが、亀裂が生じます。若手行員の滝川(神木隆之介)が「ここの情報がダダ漏れしている。おかしい。本部の肩を持つ真山さんがスパイじゃないか」とみんなの前で言い出します。滝川にとって、副支店長の真山(香川照之)は上司です。いくらドラマとはいえ、目の前にいる上司に向かってこれはないんじゃないでしょうか。若手演技派の神木くんから出てきた台詞だけに、余計に違和感がありました。

 もしかするとTBSのディレクターは、ダメダメ人間たちの中で起きる魔女狩りの恐ろしさを描きたかったのでしょうか。それにしても中途半端です。大手銀行を舞台にした企業ドラマにもかかわらず、“コレジャナイ感”がますます濃厚に漂ってきます。

 

カマキリ先生の意外な一面

 そんな第3話でも、見どころはありました。みんな残業してヤル気を見せているのに、副支店長の真山だけは定時でさっさと退社していきます。『下町ロケット』(TBS系)第2シーズンの変人・軽部(徳重聡)もそうでしたが、残業しないで帰る社員は「日曜劇場」の世界では白眼視されるのでした。でも、真山には定時に退社する理由がありました。愛妻・有里(西田尚美)が長年にわたって入院しており、元気づけるために病院へ足繁く通っていたのです。

 花束を手に病室を訪ねてきた真山に対し、ベッドに伏している妻・有里は「あなたがいっぱい仕事できるよう、私も退院したら張り切ってご飯つくるわ」と囁くのでした。小さく微笑んで妻を見守る真山。企業ドラマブームを巻き起こした『半沢直樹』(TBS系)での顔面演技が大きな話題を呼んだ香川照之ですが、抑えた演技もなかなかです。昆虫に大人げなく大興奮してみせる“カマキリ先生”香川の意外な一面を知り、視聴者もホロリとさせられるのでした。

 ちなみに“カマキリ先生”は5月3日に放送された『香川照之の昆虫すごいぜ! 6時間目』(NHK Eテレ)ではアリを取り上げ、働きアリたちの社会と人間社会を重ね合わせ「あなたにはあなたにしかできないことがある。それをアリの世界が証明している」と熱い言葉を残しています。味方に付ければ心強いけれど、敵に回すと恐ろしい男、それが香川照之です。

 カマキリ先生、いや違った真山副支店長の見せ場が続きます。第3話では主に真山を尾行していた片岡支店長は、病院のロビーでようやく真山を見つけます。真山が定時で退社していた理由が分かり、スパイの疑いも晴れました。

真山「妻が退院したとき、私の今の仕事をなくすわけにはいきません。例え、どんなゴールが待っているかは分からなくても、何もしないわけにはいきません」

 がんばらない代表だった真山が、ついに片岡と手を組み、がんばることを決意したのでした。片岡と真山、スーツ姿のおっさん2人で多摩川の土手を競い合うように走ります。まるでスポ根ドラマのような展開ですが、脚本家のいずみ吉紘って、映画『ROOKIES 卒業』(09年)を書いた人だったんですね。片岡支店長がやたらと土手を走りたがることに、妙に納得しました。

 片岡と真山の共闘作戦の第1弾は、「田口るみビューティーサロン」の杜撰な経営を立て直すことでした。るみ社長(浅野ゆう子)と夫である専務(高木渉)に再建計画書を渡し、お客の信頼を取り戻すよう進言します。それまでホスト遊びで散財していたるみ社長ですが、2人の熱意に打たれてすっかり改心。もう少しでるみ社長にうっかり30億円を融資するところだった片岡は、真山の慎重さのお陰で九死に一生を得たのでした。真山さまさまです。

 

大幅ダウンしていた第2話の数字

 いつもと違った抑えた演技で、第3話の美味しいところをさらっていった香川照之。福山雅治は主役の座を喰われたかっこうとなりましたが、視聴率はどうだったのでしょうか?

 初回13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と思いのほか好発進した『集団左遷!!』でしたが、第2話は8.9%、第3話は10.1%という結果でした。第2話で4.9%も大幅ダウンしていたとは……。救いは福山と香川ががっちりスクラムを組んだ第3話で、二ケタに持ち直したことでしょうか。

 この数字をキープできるかどうかは、やはり福山主演ドラマとしてではなく、企業ドラマとしてアンサンブルの面白さを発揮できるか次第ではないでしょうか。第4話は元男呼闘組の高橋和也にスポットライトが当たるようです。おっさんたちが底力を発揮して、採算効率しか考えない体制側や世間の常識にひと泡吹かせる展開に期待したいと思います。

(文=長野辰次)

“カマキリ先生”香川照之に福山雅治が喰われた!? 『集団左遷!!』第3話は視聴率二ケタを守れたか

 福山雅治が主演する初のサラリーマンもの『集団左遷!!』(TBS系)。元号が平成から令和に変わり、キャッチコピーも「平成最後の下克上だ」から「令和最初の下克上だ」に変わりました。さて、どれだけの人が気づいたでしょうか。第3話を振り返りたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

 第1話からそこはかとなく漂う“コレジャナイ感”。第3話では廃店が決まっている三友銀行蒲田支店の片岡支店長(福山雅治)たちの前に、廃店計画を進める本部の横山常務(三上博史)が現われます。両者の間で激しい視殺戦が繰り広げられるかと思いきや、横山常務は「業績アップ、おめでとうございます」と蒲田支店の奮闘ぶりを讃え、あっさりと引き揚げていきます。あまり意味のないシーンでした。第2話のラストで盛り上げておいて、すっごい肩すかしです。

 片岡支店長は相変わらず「さらにがんばろ~!」としか言わないのですが、半期で100億円のノルマを達成しないと自分たちの居場所がなくなる蒲田支店の行員たちは尻に火が点いた状態となり、懸命に営業成績を上げていきます。

 

目の前の上司をスパイ呼ばわりする不自然さ

 ところが横山常務の指図で、またしても本部の横やりが入ります。廃店候補となっている支店が扱っている大口の取引先は、本部へと移管されることになったのです。さらに、廃店した支店の残務処理に10人回すように蒲田支店に命令が下ります。これでは、いくらがんばってもノルマを達成することは不可能です。

 せっかく団結しかかっていた蒲田支店ですが、亀裂が生じます。若手行員の滝川(神木隆之介)が「ここの情報がダダ漏れしている。おかしい。本部の肩を持つ真山さんがスパイじゃないか」とみんなの前で言い出します。滝川にとって、副支店長の真山(香川照之)は上司です。いくらドラマとはいえ、目の前にいる上司に向かってこれはないんじゃないでしょうか。若手演技派の神木くんから出てきた台詞だけに、余計に違和感がありました。

 もしかするとTBSのディレクターは、ダメダメ人間たちの中で起きる魔女狩りの恐ろしさを描きたかったのでしょうか。それにしても中途半端です。大手銀行を舞台にした企業ドラマにもかかわらず、“コレジャナイ感”がますます濃厚に漂ってきます。

 

カマキリ先生の意外な一面

 そんな第3話でも、見どころはありました。みんな残業してヤル気を見せているのに、副支店長の真山だけは定時でさっさと退社していきます。『下町ロケット』(TBS系)第2シーズンの変人・軽部(徳重聡)もそうでしたが、残業しないで帰る社員は「日曜劇場」の世界では白眼視されるのでした。でも、真山には定時に退社する理由がありました。愛妻・有里(西田尚美)が長年にわたって入院しており、元気づけるために病院へ足繁く通っていたのです。

 花束を手に病室を訪ねてきた真山に対し、ベッドに伏している妻・有里は「あなたがいっぱい仕事できるよう、私も退院したら張り切ってご飯つくるわ」と囁くのでした。小さく微笑んで妻を見守る真山。企業ドラマブームを巻き起こした『半沢直樹』(TBS系)での顔面演技が大きな話題を呼んだ香川照之ですが、抑えた演技もなかなかです。昆虫に大人げなく大興奮してみせる“カマキリ先生”香川の意外な一面を知り、視聴者もホロリとさせられるのでした。

 ちなみに“カマキリ先生”は5月3日に放送された『香川照之の昆虫すごいぜ! 6時間目』(NHK Eテレ)ではアリを取り上げ、働きアリたちの社会と人間社会を重ね合わせ「あなたにはあなたにしかできないことがある。それをアリの世界が証明している」と熱い言葉を残しています。味方に付ければ心強いけれど、敵に回すと恐ろしい男、それが香川照之です。

 カマキリ先生、いや違った真山副支店長の見せ場が続きます。第3話では主に真山を尾行していた片岡支店長は、病院のロビーでようやく真山を見つけます。真山が定時で退社していた理由が分かり、スパイの疑いも晴れました。

真山「妻が退院したとき、私の今の仕事をなくすわけにはいきません。例え、どんなゴールが待っているかは分からなくても、何もしないわけにはいきません」

 がんばらない代表だった真山が、ついに片岡と手を組み、がんばることを決意したのでした。片岡と真山、スーツ姿のおっさん2人で多摩川の土手を競い合うように走ります。まるでスポ根ドラマのような展開ですが、脚本家のいずみ吉紘って、映画『ROOKIES 卒業』(09年)を書いた人だったんですね。片岡支店長がやたらと土手を走りたがることに、妙に納得しました。

 片岡と真山の共闘作戦の第1弾は、「田口るみビューティーサロン」の杜撰な経営を立て直すことでした。るみ社長(浅野ゆう子)と夫である専務(高木渉)に再建計画書を渡し、お客の信頼を取り戻すよう進言します。それまでホスト遊びで散財していたるみ社長ですが、2人の熱意に打たれてすっかり改心。もう少しでるみ社長にうっかり30億円を融資するところだった片岡は、真山の慎重さのお陰で九死に一生を得たのでした。真山さまさまです。

 

大幅ダウンしていた第2話の数字

 いつもと違った抑えた演技で、第3話の美味しいところをさらっていった香川照之。福山雅治は主役の座を喰われたかっこうとなりましたが、視聴率はどうだったのでしょうか?

 初回13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と思いのほか好発進した『集団左遷!!』でしたが、第2話は8.9%、第3話は10.1%という結果でした。第2話で4.9%も大幅ダウンしていたとは……。救いは福山と香川ががっちりスクラムを組んだ第3話で、二ケタに持ち直したことでしょうか。

 この数字をキープできるかどうかは、やはり福山主演ドラマとしてではなく、企業ドラマとしてアンサンブルの面白さを発揮できるか次第ではないでしょうか。第4話は元男呼闘組の高橋和也にスポットライトが当たるようです。おっさんたちが底力を発揮して、採算効率しか考えない体制側や世間の常識にひと泡吹かせる展開に期待したいと思います。

(文=長野辰次)

『インハンド』山下智久、ドSキャラのハズが菜々緒の尻に敷かれる? 観月ありさが“不老不死の秘密”に説得力をもたらす

 山下智久が寄生虫専門のドSな医学者を演じるドラマ『インハンド』(TBS系)の第3話が先月26日に放送。今回は観月ありさがゲスト出演し、“不老不死”がテーマに描かれました。

 寄生虫学者の紐倉哲(山下)はある日、助手の高家春馬(濱田岳)を引き連れ、大学時代の恩師で、現在はパナシアンビューティーという美容会社のCEOを務める瀬見まき子(観月)の講演を聞きに行くことに。まき子には早老症を患う妹のみき子(松本若菜)がいたことをふと思い出し、すでに死んでいるに違いないと、紐倉は少しセンチメンタルな気分になったりします。

 その一方、この会社では、“不老不死の生物”といわれるベニクラゲからテロメテーゼという酵素を抽出し、アンチエイジング治療に活用しているものの、その会員らが次々とアルツハイマー症にかかっていることに疑問を抱くのでした。

 この件に関しては、サイエンス・メディカル対策室の牧野巴(菜々緒)も調査に乗り出していて、紐倉は協力を求められるものの拒否。しかし、老いていくみき子の姿を思い出したことで、現在のまき子の研究が気になり、結局は協力することになります。

 そこで、パナシアンビューティーが論文を募集していることに目をつけ、高家とともに一夜漬けで論文を作成。それが評価されたことで会社から呼び出され、まき子との面会の約束をとりつけます。

 そして、“博士”を装った高家とまき子が面会する間、紐倉はまき子の部屋へ潜入し、データを盗み出すことに成功。その結果、“若返り”の秘密は、違法に入手した若者の血を輸血することにあるのだと判明します。

 一方、高家は正体がバレてしまい、拉致されてしまいます。紐倉は牧野から助けに向かうよう依頼されて一度は断るものの、助手として愛着が湧き始めているため、まき子の家へ単身で突入。みき子の死によって老いていくことが怖くなったというまき子に対し、人類は死があるからこそ進化し続けてきたことや、不老不死になったら成長が止まり、逆に滅亡するのだと説き伏せ、一件落着となります。

 さて感想。今回は、人類が永遠に追い求めるであろう“不老不死”がテーマでした。若者の血を輸血することで血漿の若返りを図る、という医学的に正しいのかどうかはわかりませんが、ここはキャスティングの妙。観月ありさがまき子役を演じたことによって、絶妙な説得力とリアリティーが生まれました。これは山下にもいえますが、実際に法に触れるようなアンチエイジングでもしてるんじゃないかと疑うほど、2人とも若々しさを保っていますからね。

 その山下は、変人・紐倉役がすっかり板についてきました。相変わらずボソボソとした喋り方ですが、キャラが馴染んだのか、あるいはこちらが見慣れたのか、違和感が無くなりました。クールを装いつつも実は情に厚い。毎回のように牧野からの依頼を断りつつも、結局、最後には従うあたり、尻に敷かれているようにも思えます。山下が菜々緒のお株を奪うドSキャラという設定ですが、実際には牧野が紐倉と高家にリードをつなぎ、徐々に上手く操り始めているような気がしないでもありません。

 その牧野からぞんざいな扱いを受ける高家に関しては、前回同様に文句なし。天才的な探偵が主人公の作品ではステレオタイプに陥りがちな、いわゆるワトソン的な役回りを、濱田がコミカルに演じることで個性を発揮。回を追うごとに紐倉とのコンビネーションが冴え渡ってきている印象ですね。

 その紐倉の過去が毎回、少しずつ紐解かれているのですが、今回は大学時代の回想シーンが流れたことで、当時はまだ右手が義手ではなかったことが明らかになりました。さらに、以前はアメリカ疫病予防管理センター(CDC)で働いていたものの、アメリカ陸軍と揉めたことによって解雇されたことも判明。時折、戦場らしきシーンがフラッシュバックされ、その度に右手が痛む様子も気になるところではあります。

 恐らくそこには悲しい秘密が隠されているのでしょう。郊外の巨大な動植物園でひとり寂しく研究を続けてきた謎が明らかになることで、紐倉のキャラクターはさらに深掘りされて魅力が増すハズ。視聴率的には、常時15%前後を推移した『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズ(フジテレビ系)にはまだまだ及びませんが、山下の新たな代表作になる可能性を秘めているのではないでしょうか。次回は“人を自殺させる病原体”がテーマとのことで、放送を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

「日曜劇場」が軽いコメディになった理由とは? 福山雅治がバカボンのパパに『集団左遷!!』第2話

“平成最後の下克上”というキャッチコピーを謳った福山雅治主演ドラマ『集団左遷!!』(TBS系)。平成時代が終わっても、下克上宣言を続けるつもりでしょうか。序盤からすでに泥舟感が漂うことが気がかりです。泥舟に乗った気分で、第2話を振り返ってみましょう。

 大手の三友銀行に勤める片岡(福山雅治)は、廃店が内定している蒲田支店の支店長として着任しました。本部の横山常務(三上博史)からは「がんばらなくていい」と釘を刺されていた片岡ですが、蒲田支店の若手行員たちのがんばっている姿に感化され、ついつい「がんばらせてください、廃店にはしないでください」と横山常務に反逆してしまいました。

 副支店長の真山(香川照之)が廃店の話をみんなの前でバラし、行員たちは動揺しまくりです。新支店長である片岡が「半期で100億円のノルマを達成すれば、廃店はありません」と明るい笑顔で説明するも、「どーやって100億円のノルマを達成するんですか!?」とまるで相手にされません。「とにかく、がんばるんです」と連呼する片岡支店長の空回り感は否めません。

 さらに横山常務の指示による本部からの圧力が、蒲田支店全体を揺さぶります。かなり前に本部の審査部に提出していた融資の申請書が「不備がある」と突き返されてしまったのです。片岡支店長が横山常務に逆らったことへの露骨な嫌がらせです。

■部下に舐められまくる上司

 本部からの支店いじめは、まだまだ続きます。営業課長の横溝(迫田孝也)は町田社長(市川猿之助)から5000万円の融資の相談を受けてきたのですが、この情報は本部に筒抜けで、何と羽田支店が蒲田支店よりも安い金利でさらってしまいます。同じ支店同士での醜い足の引っ張り合いとなるのでした。

「とにかく、がんばろ~!」としか言わない片岡支店長に、若手行員のエース格である滝川(神木隆之介)がブチ切れます。

滝川「また出たよ、『がんばれ』。……と僕に口答えされたらムカつきますよね。本部に対して同じことをしたんじゃないですか」

 20代の部下に正論を吐かれ、ぐうの音も出ない片岡支店長でした。これでは、どちらが上司か分かりません。

 自宅に帰った片岡は、高校受験を控えた息子の裕太(絃瀬聡一)に「勉強か? がんばれよ」と声を掛けたところ、またまたやりこめられてしまいます。「はぁ。がんばっているのに、さらにがんばれと言われるのはキツいんだよ。会社でも言わないほうがいいよ」と息子に説教されてしまう片岡パパ。せっかく奥さまのかおり(八木亜希子)が作ってくれたすき焼きも、これでは美味しさ半減です。トホホホホ……。

■片岡支店長はバカ田大学出身?

 がんばれと部下を励ますのは、パワハラになってしまうのでしょうか? それなら、自分がまずがんばって見せるしかありません。町田社長がメガソーラーシステムをやりたがっていることを聞き出した片岡支店長は、大量のソーラーパネルを並べられる東京ドーム半分の広さがある土地を探し始めます。今回の融資話はダメでも、夢を持っている人を銀行員として純粋に励ましたいと考えたのです。他の支店への異動願いが受理されないことを知った横溝も一緒になって土地探しに奔走します。でも、このシーンを見ながら、多くの視聴者は「ちょっと待てよ」と感じたのではないでしょうか。

 太陽光パネルビジネスは、クリーンなエコイメージで以前はもてはやされましたが、ご近所とのトラブルや積雪・台風などでパネルがすぐダメになってしまうなど、多くの人が失敗に終わっている案件です。そんなリスクの高すぎるビジネスのために、後先考えずに走り続ける片岡支店長。泥舟感がハンパない蒲田支店です。

 視聴者の不安をよそに、片岡支店長は三浦半島で格安物件を見つけてしまうのでした。「仕事って、お金だけじゃないですもんね。私たち銀行員ががんばるのは、そこにがんばるお客さまがいらっしゃるからなんです」という言葉を残し、町田社長のもとをドヤ顔で去っていく片岡支店長。横溝課長と「これでいいのだ~、これでいいのだ~♪」と『天才バカボン』の主題歌をハモりながら蒲田支店への帰路に着きます。どうやら、片岡支店長はバカ田大学出身のようです。ますます、蒲田支店が心配になってきます。

 蒲田支店に戻った片岡支店長はびっくりです。さっき別れたはずの町田社長が先に来て、待っているではありませんか。片岡支店長は『天才バカボン』を歌いながら、どこまで練り歩いたのでしょうか。それはさておき、町田社長です。金利の安い羽田支店ではなく、蒲田支店から融資を受けたいと頼みにきたのでした。片岡支店長のバカ正直さに、すっかりほだされてしまったようです。福山雅治と市川猿之助、歌舞伎の世界では市川中車を名乗っている香川照之が同じ画面の中に並ぶという、なかなかレアな光景が第2話のハイライトシーンとなりました。まぁ、歌舞伎好きな人でないと、スルーされてしまいそうですけど。

 5000万円の融資話を羽田支店から奪い戻し、女性行員の木田恵美子(中村アン)をはじめとする蒲田支店の行員たちは、片岡支店長のことをすっかり信頼するようになります。蒲田支店が一丸となってがんばることで、100億円のノルマは1か月後には93億円まで減らすことに成功します。盛り上がる蒲田支店、でも本部に内部情報を漏らしているスパイはいったい誰? というところで第2話は終わりました。

 原作小説の『集団左遷』『銀行支店長』(講談社)が重々しい内容なのに比べ、福山の「日曜劇場」初主演作となった『集団左遷!!』はコメディタッチの展開です。第2話では『天才バカボン』の主題歌を歌ってみせた福山ですが、この調子なら植木等が軽快に歌った昭和のヒット曲「スーダラ節」あたりもダンスを交えて披露してくれるのではないでしょうか。

 それにしても、『集団左遷!!』に漂うこの超ライト感覚、言い換えればチャランポランさはどこから来ているのでしょうか。その答えはとても簡単です。

 今年9月からは日本で「ラグビーワールドカップ2019」が始まります。国際的なスポーツイベントを盛り上げるため、TBSでは7月期の「日曜劇場」は“切り札”池井戸潤が書き下ろすラグビードラマを放送することが決まっています。演出を務めるのは、もちろん『半沢直樹』『下町ロケット』など一連のTBS「日曜劇場」の池井戸ドラマを大ヒットさせてきた福澤克雄ディレクターです。

 福澤ディレクターは、慶應大学時代にラグビー部の主力選手としてチームを日本一に導いています。同じく慶應大学出身の池井戸潤は、国立競技場でその試合を応援していたという縁があります。なので、7月期のラグビードラマはかつてないほど熱いものになることが予測されます。つまり、逆算的に福山主演の『集団左遷!!』はライトなコメディタッチの作品になったと思われます。福山の魅力を最大限に引き出すというよりも、TBSの看板枠である「日曜劇場」の編成にメリハリをつけるための演出方針ではないでしょうか。与えられた条件の中で、結果を出すことが求められている―。という点では、片岡支店長と福山雅治の置かれている立場はすごく似通っていると思います。

 初回視聴率13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という高視聴率でスタートした『集団左遷!!』。泥舟のように沈んでいくのでしょうか。それともライト感覚のサラリーマンものとして、すいすいと進んでいけるでしょうか。

 第2話では片岡が真山たちと深刻な話をしている最中に、奥さまのかおりが「今日はすき焼きよ♪」と場違いな電話を掛けてくるシーンがありましたが、うまくギャグにすることができずにいました。お笑いの演出が今後うまくハマれば、泥舟化をまぬがれる可能性もあるかもしれません。気になる第2話の視聴率は、次回まとめてお伝えしたいと思います。
(文=長野辰次)

『執事 西園寺の名推理2』予想通りの八千草薫ロス発生! トリックよりもプリンセス天功の方がミステリアス?

 上川隆也が完全無欠な執事役で主演を務めるドラマ『執事 西園寺の名推理2』(テレビ東京系)の第1話が19日に放送され、平均視聴率8.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。前作の最高記録7.9%をいきなり更新する結果となりました。

 伊集院百合子(吉行和子)の執事・西園寺一(上川)は、ある日、百合子が25年来の付き合いだという天才イリュージョニスト・薫子(プリンセス天功)のショーを観覧することに。すると、天女をモチーフにした瞬間移動の演目中、薫子が脇腹を刺され死んでしまう事件が発生します。

 この演目は、小部屋の中に閉じ込められた薫子が、離れた場所にある台の上に登場するというもので、客席から見えない通路を小部屋と台の間につくり移動する、という瞬間移動のトリックを西園寺はすぐに見抜きます。そして、その通路内に薫子の血痕があることから、何者かに刺されたことが判明するのでした。

 ところが、舞台袖で見守っていた絹代(秋元才加)や夏美(日南響子)、オペレーション・ルームにいた演出家の吉崎ら劇団員たちは、怪しい人物を目撃していないと証言。西園寺は、ショーの途中で客席から立ち去って行った久美子(浅野ゆう子)が事件に関わっているのではないかと睨みます。

 すると、久美子が薫子の先輩だったことや、25年前のショーの直前、演目で使う羽衣が消失したショックで久美子がショーに出られなくなり、その代役として薫子が舞台デビューを果たしたことが判明。その後、薫子が羽衣を盗んだ疑惑が生じ、2人の仲がこじれたというのです。

 また、久美子と絹代が母娘だということもわかり、丸山昭雄・刑事(佐藤二朗)ら警察は、復讐のための殺人だと決めつけます。

 しかし、他に真犯人がいるのではないかと疑う西園寺は、独自に調査を開始。その結果、事件発生時、オペレーション・ルームにいたハズの吉崎が、実際には防音用のガラスに自身の顔の映像を反射させてアリバイを確保していたことを突き止めるのです。

 殺人の動機は、吉崎が考えたトリックを薫子が演目に採用してくれないためであり、25年前の羽衣消失事件も吉崎が関わっていたことが発覚。吉崎は逆上し、絹代を人質にして逃亡を図りますが、西園寺が機敏な身のこなしで制したところで一件落着となりました。

 昨年4月に第1シリーズが放送され、すぐさま続編制作ということで人気の高さが窺える同ドラマですが、凝ったトリックよりも、西園寺のスタイリッシュな佇まいや、百合子への美しき忠誠心が見どころなのだと思います。

 そのため、前作からの視聴者にとって1番の注目ポイントは、がん治療で休業中の八千草薫に代わり、今作から百合子役に抜擢された吉行のキャラづくりだったと思います。

 吉行も八千草と同様、輝かしいキャリアを築く大女優であり、演技力は申し分ありません。上川とのやりとりも自然でした。ただ、達者すぎるんですよね。パーフェクトな執事の西園寺がいなくても、十分に生活していけそうな感じなんです。

 その一方で八千草には、今にも消え入りそうな儚げな雰囲気が漂っていました。それを見守る西園寺は、主というより老齢の祖母に接するようであり、残されたわずかな時間を1秒でも惜しむまい、百合子を守るために完璧であらねばならないんだ、という愛情からくる強さみたいなものが感じられました。

 案の定、ネット上でも八千草ロスを訴える声が少なくないようですが、現在闘病中の身ですから、これはもう仕方ありませんよね。受け入れるしかありません。メイドの前田美佳(岡本玲)がイギリス留学中で不在、というのも前作ファンからすれば寂しいところだと思います。ただ、岡本は19日の放送後、「いつ戻ってくるのかしら?」と含みをもたせたツイートをしているので、この先の大事な局面で登場するのかもしれません。

 トリックに関しては、前述したように特に目新しいものはありませんでした。防音ガラスにパソコン画面の顔を反射させてアリバイ確保というのは、かなり無理があるのでは? とも思いましたが、その辺りの微妙な設定は前作同様です。現場にしゃしゃり出てくる名探偵に対して、無能な刑事がイライラする手垢がつきまくった関係性も相変わらず。謎解きの面白さをメインで楽しむドラマではないのだと思いますし、今回に限っていえば、プリンセス天功の存在そのものの方がよっぽどミステリアスだったと思います。

 気になったのは、その天功が演じた薫子が殺された場面。瞬間移動中に吉崎に刺されたものの助けを求めず、最後までショーを続けたのはなぜか、という小さな謎が提示された点です。

 これを西園寺は、薫子が新人時代に久美子から受けた、「一度お客様の前に出たら、何があっても魔法(ショー)を止めちゃいけない」という教えを守ったためだと解き、そのことを知った久美子が涙を流すという感動仕立ての展開になりました。けれど、久美子は羽衣が無くなって動揺した結果、舞台を降板した過去があるんですね。それが頭にあったため、このシーンはどうにも心を動かされませんでしたし、感動の押し売り感がありました。

 次回は爆破事件が描かれるとのことですが、『令和』が発表直後にはしっくりこなかったように、吉行の百合子役も次第に違和感がなくなっていくことでしょう。上川との新たな名コンビぶりが発揮されることを期待したいと思います。

(文=大羽鴨乃)

『インハンド』山下智久、1番かっこいいパターンのギャップでキャラ確立に一歩前進 濱田岳の卓越したコミカル演技が冴える

 山下智久が寄生虫専門のドSな医学者を演じるドラマ『インハンド』(TBS系)の第2話が19日に放送され、平均視聴率9.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.8ポイントダウンとなってしまいました。

 寄生虫学者・紐倉哲(山下)の助手として働くことになった高家春馬(濱田岳)は、その人使いの荒さに辟易。マダニの研究をするも実用的なものとは思えず、モチベーションも上がりません。

 そんな折、ハートランドウィルスに感染したとみられる女性が入院したとの情報が紐倉のもとへ。このウィルスは本来、日本にはいないシカダニを媒介に感染するため、紐倉はその感染ルートに興味を示します。

 感染した女性のマンションを訪ねると、出てきたのは9歳の息子・渉(込江大牙)。母親と2人暮らしのため、今は上階に住む柔道のコーチに面倒を見てもらっているとのこと。部屋の中を物色した紐倉は、渉が犬と一緒に映る写真を発見します。

 その犬は、別居する渉の父・相原光一の飼い犬で、相原は仕事でアメリカと日本を何度も行き来しているため、感染元はここにあるのではないかと紐倉は睨みます。

 そんな中、渉の母親が死亡し、さらに7人のハートランドウィルス感染者が発生。サイエンス・メディカル対策室の牧野巴(菜々緒)の協力を得て共通点を探ったところ、全員が御殿場で開催されたアジリティ(犬の障害物競走)に参加し、その中には相原も含まれることがわかります。

 また、感染者のカラダにシカダニに噛まれた痕がないため、自身は発症せずに周囲の人間に接触感染させてしまう、スーパースプレッダーと呼ばれる特異体質の持ち主がいるのではないかと、紐倉は推測します。

 その最も疑わしい人物である相原のマンションを訪ねたところ、リビングの床に倒れて死体となった状態で発見。手にはアジリティの参加券が握られ、御殿場に行く前に死んだことや、渉が以前から母親には内緒でこっそり会いに来ていたことが発覚します。

 さらに、渉の面倒を見ている柔道のコーチも感染したことで、渉がスーパースプレッダーであることが確定。すぐさま隔離されるのですが、その理由を伝えるべきかどうか、牧野は判断に迷います。

 その姿を見かねた紐倉は、絶対に伝えるべきだと主張。しかしそれは、両親の死を招いた細菌の感染主であることを伝えることにもなるため、あまりにも無慈悲だと高家は激昂し、2人は仲違いしてしまうのでした。

 しかし結局、渉はテレビのニュースを通じて事実を知ってしまい、罪の意識に苛まれて病院から逃走。捜索にあたった牧野と高家は、渉が紐倉の研究所にいることを突き止めます。

 2人が研究所に到着すると、マスコミから“生物兵器”呼ばわりされたことを嘆き悲しむ渉は、再び逃げ出そうとしてしまいます。そんな渉に対し、紐倉が訥々と語り始めたのは、右手を失った経緯。飼い犬が傷口を舐めたことで細菌が感染し、切断するハメになってしまったものの、悪いのは病原体であると話し、ハートランドウィルスの抗体をつくる手掛かりが秘められた渉は今後、人類の救世主になりうるのだから、「生きてくれ」と説得するのでした。

 実は右手を失った経緯は渉のためについたウソだったのですが、紐倉にも優しい心があることを知った高家は、再び助手として働くことを決意。研究所を訪れたところ、義手を外して汗まみれになりながら苦しむ紐倉の姿を発見し呆然……というところで今回は終了となりました。

 前回同様、山下のセリフは聴き取りづらい部分があったのですが、冷淡かと思いきや実は誰よりも相手のことを深く考えている、“悪者、実は良い人”という1番かっこいいパターンのギャップを見せ、キャラ確立に一歩前進した印象でした。美しい顔立ち、渉を説得した時の優しい眼差しで、多くの女性視聴者のハートを撃ち抜いたことでしょう。渉がはしゃいでいたように、ロボット風の義手がヒーロー的な見方をされれば、子どもからの人気もゲットとなるかもしれません。

 その山下に代名詞のドSキャラを奪われ、前回はなんとも中途半端な立ち位置に感じられた菜々緒ですが、今回は保守的な上司のケツを叩き、正義のために奔走して存在感を発揮。見た目はクールながら中身は熱血、という新たなキャラを徐々に作り上げている感じがしました。

 ただ、この2人が活きるのは、卓越した演技力をもつ濱田の存在があってこそ。コミカルな演技はもちろんのこと、渉に対して隔離の説明をするかしないかで紐倉と揉めた時の感情的な演技は秀逸でした。この場面では、紐倉の冷たい発言の裏に何か意図するところがあるのだろうと予想しつつも、視聴者の感情は高家の方へと揺れたことでしょう。渉に真実を教えないことが優しさなのだと。そんな高家の存在によって、紐倉のギャップの振れ幅が何倍にも大きくなる効果が生まれたのだと思います。

 3人が絡むシーンが多くなったことで、前回よりも確実に見応えがアップしました。今後、隠蔽体質の厚労省にどす黒いキャラが登場することで、牧野との敵対関係が生まれ、さらに紐倉と高家が巻き込まれてと、面白い展開になっていくのではないかという予感も。人気シリーズになることを期待しつつ、次回を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『ストロベリーナイト・サーガ』亀梨和也の存在感ゼロ、姫川の闇を描かない……2話も残念すぎて非難轟々!

(これまでのレビューはこちらから)

 二階堂ふみ、KAT-TUN亀梨和也主演ドラマ『ストロベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)の第2話が4月18日放送され、平均視聴率6.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 今回は手首を切り落とすという衝撃な内容で有名な「ソウルケイジ」の前編ということで、またまた竹内結子作品のリメイク版が放送されましたが……。視聴率は初回に続き悪いままですが、評判はどうだったのでしょうか? ではでは振り返りましょう!

手首だけが見つかる事件が発生!

 多摩川土手に停められていたスクーターの荷台から手首だけ見つかる事件が発生した。スクーターには高岡工務店と書かれており、従業員の三島耕介(堀井新太)の証言や工務店の床は血の海になっていたことから、手首は高岡賢一(寺脇康文)のものだと判明。しかし、高岡は姿を消していた。

 すぐに捜査本部か開かれ、捜査がスタート。すると、高岡が過去に勤めていた会社で次々と人が事故死していることがわかり、三島の父もその一人だったことが判明。高岡が何か秘密を握っていると思った玲子(二階堂)は姫川班の仲間とともに、事件の真相を追っていく、というのが今回のストーリーでした。

 今回、視聴率がさらに下がり、壊滅的な数字を叩き出しましたが、まず最初に言いたいことは「ソウルケイジ」は2話でやる話じゃないってことです。だいたい竹内結子版では最終回に3話連続で放送。親子のつながりや愛をテーマにしているだけに涙なしで見られないストーリーなので最終回にぴったりじゃないですか! それをね、なんで2話でやったんだろうかと。

 それに、竹内版は事件とシンクロするかのように、玲子と玲子の母親との関係も深く描かれていたんです。ですが、今回その部分が一切ないんです! この部分この作品で一番重要なことなのに。1話ではガンテツがさらっと玲子の過去を匂わせ、最後に玲子が告白するってシーンはありましたが、それで十分だとでも思ったのでしょうか? ネットでも、コアなファンからブーイングの嵐。「これじゃ、ただのグロい刑事ものじゃん」「重みも深みも原作・前作に遠く及ばない出来」「闇を描かないから精神的に逃げ場がない影がないじゃん、ふみちゃんが可愛いだけになってる」など。

 で、演出も前作をまるっとパクっているので、新鮮味もありません。原作が面白いだけに、話は安心して観れるんですが、やっぱり今回も不満だらけでした。

亀梨はお飾りなの?

 W主演のはずの亀梨が演じる菊田の描写が前回よりもなんとなく少なく感じました。竹内版だと、西島秀俊が演じ、結構しつこく玲子に口出しするシーンがあったんですけどね。それも皆無と言っていいほどなし。玲子がホテル住まいをしていて、ホテル前まで送ってっていうシーンとかも……。ネットでは、「餃子買ってくるまで亀梨の存在忘れてた」「亀梨はジャニオタ引き込むためのお飾りなのか?」という厳しめな声も結構聞こえていました。

 この調子だと、最終回あたりにやりそうな菊田がメインの話「ブルーマーダー」は大丈夫なんでしょうか? あれ、結構玲子と菊田の関係が深まってないと描けないような……。せっかくW主演なんだし、亀梨の出番をもっと多くしてあげて欲しいです。

國奥先生の存在は?

 今回の二階堂&亀梨版には監察医の國奥先生の存在感が一切ないんです。國奥先生といえば、玲子の所轄時代からの知り合いで、國奥先生の勤務先に行くたびにダベる友達という関係。玲子に良いアドバイスをする人。竹内版では津川雅彦が演じ、良い味を出していたんですが……これがまるっとなし。

 玲子の闇にも触れたりする重要な人なのに、なぜまるっと消したんでしょうか? 先にも言ったように、玲子の闇の部分を描くことが、この作品の一番重要なことだと思うんです(そうしないとただの刑事ドラマになっちゃいますからね)。

 前作がよかった分、やっぱり物足りなく感じちゃいました。

 以上、2話のレビューでした。

 文句ばかり書きましたが(放送見るたびに本当に残念すぎるんですよ〜)、日下警部補や井岡巡査、ガンテツに関しては結構良いので救いだなと。ではでは、今日放送の後編もそれなりの期待を持って放送を待ちたいなと思います。

(どらまっ子KOROちゃん)

『白衣の戦士!』中条あやみが変顔連発もだだスベり 一部シーンに「不潔」の声もリアルナースは「日常茶飯事」

 中条あやみと水川あさみがW主演を務めるナースコメディ『白衣の戦士!』(日本テレビ系)。17日放送の第2話の視聴率は9.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回より1.0ポイントダウンしてしまいました。1話を見たところでは、“日テレ版『ナースのお仕事』”という前評判通りでしたので、正直もう少し落ちるかと思いましたが、意外にも頑張っているなぁという印象です。

 肝心の内容はというと、ありきたりすぎる展開で退屈な印象も……。ということで、まずはあらすじから振り返ります。

(前回までのレビューはこちらから)

 

どこかで見たような“読めすぎる”展開

 四季総合病院の外科病棟で働き始めて1週間。教育係の先輩ナース・三原夏美(水川)に叱られっぱなしの立花はるか(中条)とは違って、仕事のできる同期の斎藤光(小瀧望/ジャニーズWEST)は先輩からの評価も上々。

 ますます敵意をむき出しにするはるかですが、仕事帰りにスーパーで斎藤に遭遇。2人は同じ寮に住んでいることから、料理が苦手なはるかは斎藤の部屋に強引に転がり込み、料理上手らしい斎藤のお手製鍋をご馳走になることに。お酒も進み、そのまま朝チュン。

 そんな中、病院に斎藤の元カノ・真理子(堀田真由)が胃潰瘍で入院してきて、はるかと夏美が担当することに。大手銀行に就職した真理子は仕事へのプレッシャーから、治って仕事に戻りたくないからと薬だけでなく行員証までゴミ箱へポイ。

 お泊まり以来、斎藤のことを意識してしまい、真理子との関係も気になって仕方がないはるかでしたが、そんな真理子のことを知って、山のように積まれたゴミの中からやっとのことで行員証を発見。はるかと一緒になってゴミを漁った夏美は、真理子と同じように看護師証を捨てた過去を明かし、2人に励まされた真理子は治療に前向きになるのでした。

 また、結婚相談所の紹介で出会った男性と順調だった夏美は、相手の希望通り、結婚したらナースをやめるつもりだったものの、「事故に遭った親友と自分を励ましてくれた看護師さんのように、誰かの力になりたい」とナースを目指したはるかの、患者さんに真っ直ぐ向き合う姿に感化され、初心を取り戻し、せっかくの縁談を断ることに。これまで通り、はるかの教育係としてビシビシやりながら、婚活を続けるのでした。

 1話では、個人情報の保護が叫ばれているこのご時世に、勝手に入院患者の家族に会いに行くというあり得ない行動をとったはるかに疑問の声が上がっていましたが、今話では、真理子のためにナース服のままゴミ山を漁るはるかと夏美に対して、視聴者から疑問の声が続出。

「白衣でゴミ(しかも病院の)漁るのどうなん!?」「白衣着てごみあさりって衛生的にダメでしょ?」「そのまま患者と触れるの衛生的にやば」「不潔だし汚い」と、嫌悪感を抱く人が多かったもようです。

 一方で、リアルナースからは「ナースのゴミ漁りって日常茶飯事よね」「使用済みの輸血パック(終了認証し忘れ)と入れ歯を探してやったことあります」「体温計や鑷子の数が足りない!!!っていうときには、こんな風にゴミ箱まで大捜索することがあります」「患者さんの義歯(入れ歯)はよく探すなー」との声も。着替えをするのか・しないのかはさておき、ゴミをあさることは“あるある”なようです。

 あくまでもコメディドラマなので、誰もこのドラマで描かれることがすべてだとは思わないでしょうが、非現実的な物語の中にも毎話、リアルな “あるあるネタ”を織り交ぜていけば、少しは医療従事者からの支持を得られるかもしれません。

 

中条あやみ、変顔連発もだだスベり

 元ヤンのはるかがキレるシーンでは、風がブワっと吹いて中条あやみちゃんのしかめっ面がアップになったりと、前回同様、今回もお寒い演出は健在でした。それも、面白かったらいいんですが、やればやるほど彼女が損をするだけなんじゃ……と心配になるくらいスベっています。もちろん、「かわいい」との声もあるのですが、ネット上では「変顔のオンパレードで疲れる」といった否定的な声のほうが目立つ状態です。

 アニメやマンガの実写化作品によく見られるような大げさな演出に徹するという意味では、力が入れられているし、凝っているな~とも思うので、原作がないオリジナル作品ではありますが、何かの“実写版ドラマ”として見れば、多少スベっていても少しくらいは許せそうな気がします。はい。

 

早々、キャラが薄まる水川あさみ

 ストーリーとしては、真理子の登場により、はるかと斎藤の関係の変化もありつつ、結婚したらナースを辞めてもいいと思っていた夏美が仕事への情熱を取り戻すといった、どこかで見たようなありふれたもので、何の真新しさも感じませんし、「話の展開がベタすぎ」「先が読めすぎてつまらない」「デジャヴ感が否めない」という声が上がるのも無理はないかと。

 それに、はるかはまだあの病院で働き始めて1週間のペーペーだし、当然夏美ともそこまでの関係性を築けていないはずなのですが、そんな新人のがむしゃらな姿に感化された夏美が「あなたが何かやらかしたら指導係の私の責任になるの」なんて言ってはるかを手伝うなど、早くも“厳しい先輩”の仮面が剥がれはじめるという展開の早さ。

 そして、それがきっかけで結婚したら辞めてもいいと思っていたナースという仕事への情熱をサクッと取り戻したり……、なんか薄っぺらいと思うんですよね。ストーリーとしても、キャラクターとしても。

 そもそも、水川あさみ演じる夏美は「結婚退職を目標に婚活中」という役柄。なのに2話目にしてその設定を剥ぎ取ってしまったわけです。沢村一樹演じる看護師長・本城は夏美に気があるようなので、今回縁談を断ったのにはそのフラグを回収するためなんだと思いますが、すでにブレはじめている夏美のキャラがさらに薄くならないか心配です。水川さんがお芝居でカバーしてくれるといいんですけど。

 以上、2話のレビューでした。

 今夜放送の3話では、夏美に本城がアプローチを開始!? さらに、財前直見が余命わずかの元ナースとしてゲスト出演するとか。コメディの雰囲気から一変して“感動回”となるか、期待半分で放送を楽しみたいと思います。

(文=どらまっ子TAROちゃん)

「無力」であることを知って人はまた少し強くなる――ドラマ『パーフェクトワールド』第2話

(これまでのレビューはこちらから)

 山本美月は不思議な女優だ。

 元々モデル出身だけあって、実に美しい整った顔立ちをしている。ともすれば、冷たくも感じられるその崇高さは、演じている時の表情の豊かさで、ぐっと親近感に変わっていく。この“振り幅”こそが、彼女の一番の魅力だと思っている。

 私が彼女の存在を強く認識したのは、2016年、本田翼とともに主演した映画『少女』だった。

 当時彼女は25歳、演じていたのは17歳の女子高生役。それでも、全く違和感なく女子高生になりきっていた。そして、作品のテーマである「生と死」を、その演技と表情で見事に描き出していた。彼女は、女優として、作品に込められたメッセージを余すところなく表現できる存在なのだ。

 車いすの障害者を描いたドラマ『パーフェクトワールド』(フジテレビ系)第2話。今回も、そんな山本の存在感が際立っていた。

 樹(松坂桃李)を見舞った病室で、つぐみ(山本美月)は、樹のヘルパーをしている長沢(中村ゆり)の存在を知る。長沢と樹の親密な様子に、居づらくなったつぐみは、病室を後にする。

 病院のロビーで、樹の会社の後輩・渡辺晴人(松村北斗/ジャニーズJr.・SixTONES)と会い、彼もまた左足が義足であることを知る。前回同様、“障害”を目の当たりにした時の、戸惑いの様子を山本はうまく演じている。

 一方、長沢とともに自宅に帰った樹は、家の前に捨てられていた子犬を拾う。長沢の許可を得て飼うことにした子犬に、樹とつぐみは「チャコ」という名前をつける。

 そんなある日、つぐみは、樹をある場所へ連れて行く。「美術展」と偽って連れて行ったのは、車椅子バスケの練習場だった。高校時代、バスケ部のキャプテンであった樹は、事故の後、頑なにバスケから距離を置いていたのだ。そこで車椅子バスケをやっていた晴人に説得され、気後れしながらもボールを持った樹。コートの中で、彼は昔の感覚を思い出す。

 好きだったものが、何かの理由でできなくなった時、それを見るのも嫌にやる感覚は私にもわかる。レベルは違うかもしれないが、受験で志望校に落ちた後、合格してそこに通いだした友人が妬ましくてたまらなかった。「もしかしたら自分がそうなっていたかもしれない」そんな悔しさが、湧き上がってくるのだ。

 実際にコートに出た樹は、そのこだわりを乗り越え、楽しさを見出す。

 バスケを楽しんで、家に帰った樹を待っていたのは母・文乃(麻生祐未)だった。つぐみと会った文乃は、「感じのいい子」と喜びを隠せない。しかし、そんな文乃に樹は、「恋愛は一生しない。そのことは諦めてほしい」と告げるのだった。

 昨年、『黄昏流星群』(フジテレビ系)で、息子を溺愛する母親を演じたのが印象強い麻生だが、今回は明るく、理解のある母親役だ。樹とつぐみの関係にも味方になってくれることだろう。

 一方、つぐみの自宅には、父親の元久(松重豊)が突然訪ねてきていた。対応した妹のしおり(岡崎紗絵)と幼馴染みの是枝(瀬戸康史)だったが、つぐみを心配する元久に気圧されっぱなしであった。

 そんなある日、車椅子バスケの後、食事をしていたメンバーに、「邪魔だ」と言いがかりをつけてきた人たちがいた。怒った晴人と小競り合いとなり、止めに入ったつぐみを、樹は守ることができなかった。

 無力感に苛まれる樹。「自分には何もできない」――そんな無力感は、誰しも感じたことがあるだろう。

 つぐみにしても、樹が受け入れてくれなければ、自分が力になることができないことに、無力感を感じていると思う。この「無力感との戦い」こそが、この物語の一つのテーマであるように思う。

 実際、今の世の中には「無力感」が溢れている。

 逆境に置かれた女性アイドルが運営と戦っていても、ファンは直接何かをすることはできない。選挙の投票率が過去最低と言われても、自分の一票で何かを動かせる気持ちになれない。「政治」とか「組織」とか「運命」に対して、確かに人は無力だ。それは、「障害」に対しても同じだろう。「一人でも声を上げれば何かが変わる」などと綺麗事を言うつもりはない。でも、「自分が無力である」と感じることは決して無駄ではないはずだ。

 無力だからどうするのか、力をつけるために努力することもできるだろう。その分人に優しくしようという気持ちにだってなれる。いずれにせよ、無力さを認識することで、人は少し強くなれるような気がする。

 何もできなかったことにもどかしさを感じ、つぐみの気持ちには応えられないと告げる樹。ショックを受けたつぐみに、樹の母・文乃から「会えないか」との連絡がくる。

 文乃から、事故に遭ってからの樹の苦労、そして母としての思いを聞いたつぐみは自分の思いを伝える決心をする。

 気持ちを伝えるために、樹のマンションを訪ねたつぐみ。そこで、チャコがいなくなったことを知らされ、一緒に探す。そこで自分の気持ちを告白するのだった。

 結局、チャコは逃げておらず、樹の部屋にいた。ほっとした二人は、気持ちを確かめあうかのように、そっとキスをする。

 ラストシーン、二人の傍らで丸くなって眠る子犬が可愛らしい。チャコの存在は、「弱い者」「誰かの助けを必要とするもの」を暗喩しているように思う。他人の世話にならなければ生活できない樹も、捨てられた子犬の世話をして、力になることができているのである。世話や迷惑はどちらか一方がかけるものではない。お互いが相互に影響し合って生きるのが、あるべき姿なのだ。

 世話をされているだけのように見えるチャコだって、樹とつぐみに多くの癒やしを与えていることだろう。

 さて、来週は「平成の大晦日」の特別番組のため放送はお休み。次回は2週間後となる。次の時代が過ぎていって、障害者の暮らしやすい社会になった頃、時代が変わる節目に、こんなドラマがあったことを、思い出すことがあればいいと思う。

(文=プレヤード)