櫻井翔・校長、初授業で玉砕も“鳴海イズム”が徐々に浸透? 『先に生まれただけの僕』第3話

 人気アイドルグループ・嵐の櫻井翔が私立高校の校長役を演じるドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)の第3話が28日に放送され、平均視聴率10.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から3.0ポイント戻し、これまでで最高の数字をマークしました。

 その前回、教育方針の違いから数学教師・及川祐二(木下ほうか)を辞職に追いやり、その代わりに教壇に立つと宣言した鳴海涼介(櫻井翔)。しかし、教育免許は持っているものの実際に授業を行ったのは教育実習の時のみということで、どのように授業を進めるか頭を悩ませます。

 そんな折、京命館高等学校の生徒・門倉陸(平田敦士)がコンビニで漫画のデジタル万引き(スマホで撮影すること)をした疑いが浮上するのですが、担任教師・真柴ちひろ(蒼井優)はそれが犯罪であることを門倉にやんわりと伝えるだけで、罪を問いただすことはしません。犯罪と認識させることで2度と過ちは犯さないだろうというのが真柴の考えなのですが、鳴海はこれに違和感を抱きます。

 そうこうしているうちにいよいよ教壇に立つことになった鳴海は、いろいろと考えた末にアクティブ・ラーニング(課題を与えて生徒たちの間で相談させ問題を解かせる教育法)を実施。教室内を自由に移動して相談OKというスタイルで行い、最初は盛り上がりをみせます。しかし、途中から口ゲンカする生徒が現れるなど、尻すぼみのカタチで終了することに。また、授業終了間際に生徒から数学を学ぶ意味、社会に出てから使うことがあるのかと訊かれた鳴海は何も答えられず、見学に来ていた他の教師たちから嘲笑されてしまうのです。

 初めての授業が失敗に終わっただけでなく、他の教師たちからの信頼もますます失ってしまったことに落胆する鳴海ですが、その挑戦は無駄ではありませんでした。実は以前からアクティブ・ラーニングを実践してみたかったものの前校長には提案できなかったという英語教師・島津智一(瀬戸康史)が、ぜひ自分にもやらせてほしいと懇願してきたのです。もちろん鳴海はこれを承諾。真柴と一緒に島津の授業を見学することにします。

 鳴海よりもアクティブ・ラーニングについて詳しい島津は、生徒たちに隣同士でペアを組ませて授業を実施。すると鳴海の時とは違い、生徒たちは最後まで生き生きと授業に参加するのです。また、英語を学ぶ意味について生徒から質問された島津は、今後ますますグローバル化が進む日本社会で、英語ができれば幸せな生活を送れる可能性が広がると説明。鳴海が理想とする“生徒たちにリアルな社会を教える”という授業を実践してみせたのです。 

 島津の授業に感銘を受けた鳴海は、生徒たちを体育館に緊急招集。数学を学ぶ意味について、例えば怪しげな投資話を持ち掛けられた場合に正しい判断をする能力が身につくことや、論理的な思考力が培われることなどを熱弁するのです。これを詭弁だと受け取る教師はいるものの島津が小さく頷いていたり、納得する表情を浮かべる生徒がチラホラいるなど少しずつ“鳴海イズム”が浸透し始めるのです。また、鳴海はデジタル万引きについても言及。軽はずみな行動がコンビニや漫画の原作者たちに多大な損失を与えることをきっちりと話し、真柴のようにウヤムヤにしない態度を見せたところで今回は終了となりました。

 さて、感想。前回、鳴海が教壇に立つと宣言した際には、金八先生のような熱血教師路線に変更するのではないかと危惧してしまいました。決して演技上手とはいえない櫻井に武田鉄矢のような説得力のある教師が演じられるわけないと思ったからです。

 しかし、それは杞憂にすぎず、教壇に立った鳴海は見事に玉砕。そしてこれにより、今まで目立たない存在だった島津にスポットライトが当たる展開になったのは良かったと思います。少なくともこれまでで一番見応えがありました。鳴海にコミカルな役回りを演じさせることで、他の教師や生徒たちのキャラを引き立たせる。そんな演出にすれば今後も盛り上がっていくのではないかという予感を抱かせてくれる回となりました。

 また、教育方法によって生徒たちの意欲が変わり学力が向上していく過程を描くことで、現役世代に対しては“こんな学校があればいいのに”という思いを、すでに社会に出ている世代には“こんな学校があれば良かった”という思いを喚起させ、物語の世界に強く引き込む力になり得るかもしれません。前回まではおぼつかない展開が続いているように思えましたが、ようやくドラマの道筋が見えてきた気がしました。

 個人的には、新米教師・矢部日菜子役の森川葵が可愛らしいキャラを演じているので、メインになる回を望むのですが……。何はともあれ、次回も鳴海校長の奮闘に期待したいです。
(文=大羽鴨乃)

綾野剛×星野源が、まさかのBL的展開に……『コウノドリ』損をするのはナオト・インティライミだけ!?

 周産期医療センターを舞台に、出産にまつわるこもごもを、優しく厳しく描く医療ヒューマンドラマ『コウノドリ』(TBS系)。今回も、視聴率は11.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と横ばいで安定。第3話を振り返ります。

 

■さて、今回のゲストは……

 

 出だしから山崎麗子(川栄李奈)と山崎友和(喜矢武豊/ゴールデンボンバー)の派手な茶髪夫妻が登場。診察室でも2人してツバのまっすぐなピカピカのキャップを被り、きゃっきゃとしている、いわゆる「今どきの若者ってこうでしょ?」的なカップルだ。

 そんな麗子は、肺動脈狭窄症という心臓の弁が狭くなっている持病のため、産科の主治医・鴻鳥サクラ(綾野剛)に無痛分娩で出産するよう進言される。今は治療により日常生活には影響なく暮らしているが、自然分娩での力みや陣痛は、心臓に過剰な負荷がかかるため、麻酔で痛みを逃す無痛分娩が必要とのこと。鴻鳥のそれなりに噛み砕いた説明を聞いても、全く理解できなかった麗子だが、友和の「心臓がグアーーーってなるのを、ぱぁ~って少なくしてお産」という通訳を聞き「無痛分娩、超ちょー神!」と歓喜、純粋に幸せそうだ。

 川栄は、ドラマ『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)での元ヤンの大工役や、auのCMでの乙姫役など、「ちょっと抜けてるけど根はいい真っ直ぐな今どきの娘」を演じるのがハマり役で、今回もその路線と言える。

『フランケン~』では主演が同じ綾野剛だが、川栄が同じタイプの役なのに対し、綾野は人間になりたい心優しき人造人間の役だったので、どちらも優しさが強調されてはいるものの、怪物→産婦人科医というギャップがすごい。

 一方、第1話からずっと出演している、佐野彩加(高橋メアリージュン)。かねてより不安視されていた生まれて間もない子どもの持病(心臓に小さな穴があく=心室中隔欠損)が、さほど問題ないということがわかったばかりなのに「すぐに子どもを保育園に預けても平気か?」「仕事に復帰したいのに、だいぶ遅れてしまっている……!」と、我が子の健康状態には目もくれず、職場復帰への焦りが以前にも増して高まっている模様。今回診察を受け持った新生児科医・白川(坂口健太郎)も、子どもの顔をまるで見ようとしない佐野に動揺を隠せない。

 助産師・小松(吉田羊)は、かねてから佐野の精神状態を心配しており、ロビーで偶然遭遇した際も「産科に顔出してかない?」「何か困ったことない?」と声をかけるが、当の佐野は「もう産科の検診の時期は終わりましたよね……?」「なんか私、心配されてるんですね(笑)」と、心配されている自分にピンと来ていない。

 心ここにあらずといった様子で立ち去る佐野の後ろ姿に、鴻鳥はかつての患者・三浦芽美(松本穂香)の姿をオーバーラップさせる。初回から何度も回想で短く登場しているこの女性のことはまだよくわからないが、佐野の状態と関連があるようだ。

 

■最強の無神経コンビ

 

 良かれと思って突如来宅した佐野彩加の実母。連絡もなく来ておいて、部屋が汚いとか髪がボサボサだとか、精神的に参ってる実の娘を、冗談まじりながら無神経に責め立てる。母乳をあげていないことや、保育園に預けて仕事復帰しようとしてることを知ると、さらに実母の無神経攻撃はヒートアップ。

「(会社に)あんたがおらんでも大丈夫なんじゃないん?」

「仕事はあんたの代わりはおる。だけど母親の代わりはおらんで?」

「お産のギリギリまで働いておったけー、こげーなこと(子どもの心臓疾患)のになったんじゃないの?」

 まったく自分の現状を理解しようとしてくれない身内からの責め立て。方言のフランクさが、逆に神経を逆なでするように使われ、この地域(どこかはわからないようにしてる気もする)ごと嫌われてしまわないか不安になるほどの傍若無人ぶり。しかしこれは、実は“子育てあるある”なのであろう。実母に言われてこれだから、義理の母にでも言われたらと思うとゾッとする。

 後日、なかなか決まらない保育園探しにイラつく佐野に、帰宅した夫(ナオト・インティライミ)が「(仕事)復帰は、もっとゆっくりしてからでもいいんじゃない? そんな焦らなくてもー?」と、軽い気持ちで言ってしまう。悪気はないのだが、この夫は初回から基本ずっと佐野(妻)の地雷を踏み続けている。演じるナオトの好感度が下がらないか心配なほどだ。

「焦るに決まってるじゃない! 早くしないと今のポジションがなくなっちゃう、もうデッドラインだって言ってるでしょ!?」

 仕事を持つ女性が感じる、職場から離れていく焦りが沸騰する。

 佐野(夫)はブチ切れた妻に一瞬面食らいながらも、さすがの無神経さで立て直そうとする。

「何でそんなイライラしてんのぉー?」

「出産してから性格変わったよー?」

「このままじゃ俺しんどいよ」

 このイライラが限界のところに子どもが気管支炎を起こし、母である佐野は、診察中に「なんで私の邪魔するの……」とつぶやいてしまうほど、危険な精神状態に。

 佐野(夫)は、義母が来た際も多少は妻を気遣うそぶりを見せたが、義母が娘の彩加を下げる言い方をした際、「大丈夫です、僕会社では『イクメン』って呼ばれてますから(笑)」という冗談を発し、悪気はないのに例によって逆鱗に触れてしまう。嗚呼……。

■対照的な患者

 

 いくら心配しても、医師や助産師たちに甘えずに塞ぎ込む佐野に対し「家の近所で火事を見たためアザのある赤ちゃんが生まれるのではないか?」と、祖母に聞いた丸出しの迷信に怯えながら予約外でも平気で産科を尋ねてくる妊婦・山崎麗子。どちらも両極端だ。

 彼女は他にも、妊婦が体を冷やすのは厳禁だからと上着4枚(ダウンまで!)にレッグウォーマー2枚を着用して来たり、飲み物は白湯しか飲まないと言っているわりに熱くてこぼしたり、とにかく素直すぎるくらいに素直で、情報に左右されすぎているよう。

 あげく、出産当日に友人に何か吹き込まれ、無痛分娩をやめて自然分娩で産みたいと言い出し、周囲を困らせる。友人に言われたのは、

・赤ちゃんより自分のことが大切なの?

・楽して産むんだから母乳も出ない

・自然出産で産んだ母親の愛情には敵わないからかわいそう

 という、世にはびこる誤解を基にしたもの。

 主治医の鴻鳥は、妊娠・出産は一人ひとり違う、考え方も人それぞれだから、個人的にはどちらを選んでもいいと説いた上で、今回は心臓疾患があるので、母体に負担がかかると赤ちゃんにも負担がかかると諭す。

「僕は産科医なので、お友達のデタラメ話のせいで、2つの命を危険にさらすことは絶対にできません」

 さらに「出産は終わりではなく、始まりですから」とも。精神的に追い込まれている佐野のケースと照らして見ていると、出産がいかに「ゴール」でないかがよくわかる。

「自然分娩も帝王切開も無痛分娩も、立派な出産です。育む気持ちや愛情は、僕らではなく赤ちゃんが教えてくれますよ」

 テレビやネットでも、こと出産や育児に関しては、やたらと口を挟みたがったり、勝手な「モラル」らしきものを振りかざす人が多いのは事実だ。子どもを産む母親は、今や初産が多いわけだから、多すぎるくらいあふれる「情報」に振り回される人が増えているのだろう。現代ならではのエピソードだ。

 

■今回も医師、助産婦内での意見が対立

 

 どうやら佐野の症状は産後鬱(うつ)である可能性が高いらしく、もっと親身になってあげたいとする小松と、産後鬱は立派な鬱病で、それは精神科の領分だから、きちんと専門の医師に診てもらうように誘導すべきだ(キリがないから首を突っ込みすぎないでいい)とする四宮(星野源)が激しく対立する。

 小松は佐野を心配するあまり、個人的にラインのIDを渡してしまい、それは病院として絶対にまずいらしく、さらに四宮と対立する。

「1日に何人も診察する中で、さらに心療内科のようなことをできるのか?」と言う四宮と「話を聞くだけ楽になってくれる人もいるのだから、手遅れになる前に何かしてあげてもいいのでは?」と小松を擁護する鴻鳥。

 どちらの言い分も正しい、だからこそ産後鬱の問題は難しい、と今橋(大森南朋)が語るように、ドラマでは答えは出さず問題提起にとどめている。

■いよいよ佐野がビルの屋上に!

 

 子どもを夜の病院の受付に置き、屋上から下を見下ろす佐野彩加。簡単に屋上まで行けるこの病院(周産期医療センター)のセキュリティはどうなっているのかという防犯上の問題は置いといて、そこに間一髪現れたのは、鴻鳥でも小松でもなく、なんと四宮だった。

 どうしてここに現れたのかはわからないが、にくい演出だ。

 誰にも必要とされず、戻る職場も失った(同僚にポジションを奪われていた)ので、死にたいと言い切る佐野。

「俺にあなたの気持ちはわからない。だから今、あなたを引き留めてるのは、俺のワガママです。まだ治療の道がある患者を放っておくことはできない」

 クールな四宮の中の優しさが見える。意見が対立していた四宮の気持ちを知り、遠くから見つめる鴻鳥。

「少しだけ話を聞いてください、お願いします」と手を佐野に差し伸べる四宮は、まるで往年の『ねるとん紅鯨団』(フジテレビ系)で告白する素人のようだったが、しっかりと手をつなぎ返した佐野の心は溶けだしたかのように見える。

 駆けつけた佐野(夫)が「夫婦は2人でひとつって……」と語るやいなや「何だそりゃ? 人間は2人でひとつになんかなれない。死ぬまで1人だよ」「別々の人間だからお互いを尊重し合う、それで初めて助け合えるんだろ!」と一喝する四宮。ああ、第1話でもこんなシーンがあったのに……。ナオト……。

 この後、今橋に、仕事ばかりで育児をしていないことを「自分も同じだ」と慰められ、挽回を誓ういいシーンもあったのだが、それでもなんでナオトはあまり得しなそうなこの出演を受けたのか、イマイチ謎だ。

 周囲の声にようやく耳を傾けられるようになった佐野(妻)に対し、今度こそ改心した感じの夫が「俺イクメンじゃなくて、父親になるから」と微笑む姿でハッピーエンドでしたが、正直「こいつゼッテーわかってない! またきっとやらかすハズ!」って思ってしまいました。

 

■鴻鳥と四宮の関係がさらに濃く

 

 実は鴻鳥は、かつて自分が忙しさにかまけ、産後鬱の患者(三浦)の出す信号をキャッチしてあげられずに亡くしてしまった(飛び降り自殺)こと、声はかけていたつもりだが、三浦の言う「大丈夫、大丈夫」という言葉の裏を見抜けなかったこと、踏み込む勇気が出なかったことをひどく悔いていたのだった。

 その告白を聞いた四宮は、「いい加減にしろ。前を向けよ。お前が『大丈夫』じゃないんだよ?」と肩をさすり励ます。

 い、いつの間に?? もう我々が思ってる以上に、距離があったはずの2人の信頼関係は、かなりの高みに達してるいるようだ。

 ドラマのラストでは、「ああいうの(人に優しくすること)は、お前のほうが得意だろ」と手柄を鴻鳥に譲るような会話も見られ、「ありがとう」と微笑む鴻鳥に、四宮は「なんのことだ」ととぼけながら、見つめあっていた。

 朝日の差し込む部屋の効果もあってか、もうこのまま抱きしめ合ってしまうんじゃないかというくらいの空気。原作にはない、あざとさすら感じるBL的空気に、この同人誌があるなら読みたいと思いました。鴻鳥はいつもの通りの優しい口調なのが、四宮と2人の時はなぜかオネエに見えて来てしまうほどでした。こんなに近づいてしまって、この先大丈夫なのだろうか……。

■名言もたくさん

 

 今回は、無痛分娩の話に加え、3話に渡って描かれてきた佐野の産後鬱の話がひと段落することもあり、かなり盛りだくさんな内容ながら、各人物も丁寧に描かれ、よくまとまったいい回でした。ドラマ満足度ランキングで高評価なのも納得する内容で、次回以降、視聴率を上げそうな予感もひしひし感じます。

 また育児をまったくわかっていない筆者でも、いつかタメになるようなリアルな名言がいっぱいで、思わずメモしながら見たくなるほど。

・他の人の力を頼るのはダメなことじゃないよ?

・みんな子育て美化しすぎです。髪振り乱して必死にやってるんです。少しくらい誰かに頼っていいんですよ?

・赤ちゃんが0歳ならお母さんもお父さんも0歳です。

・子どもと四六時中一緒にいるのは妻ですからね。子どもにばかり目が行きがちですけど、お母さんは誰にも頑張ってるって褒めてもらえない。

 今回、新米研修医の赤西(宮沢氷魚)がミスを連発して四宮に怒られたり、下屋(松岡茉優)にビンタされたり、後半に向かって大きなトラブルを招きそうな空気を振りまいており、次回以降も楽しみです。
(文=柿田太郎)

女性脚本家ならではの“女系ハードボイルド”が光る『刑事ゆがみ』もっとみんな、見ればいいのに!

 各方面から「面白いのに! 面白いのに!」との声が相次いでいる低視聴率ドラマ『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)。今日は祝日なので視聴率は出ませんが、2日に放送された第4話も、きっと振るわないことでしょう。面白いのに!

 というわけで、今回も振り返りです。

前回までのレビューはこちらから

 今回も謎解きに見どころがあるので、スジは書かないでおきます。FODで見てください。“女系ハードボイルド”とでも呼ぶべき、強くて悲しい女殺人者のお話です。高梨臨に泣かされます。3話までは回を重ねるごとに下がっているようにも感じられた事件そのもののテンションも、今回は取り戻しました。

 今回の脚本クレジットは、メーンの倉光泰子さんと藤井清美さんの連名。藤井さんといえば、このドラマのライバルともいえる『相棒』(テレビ朝日系)シリーズにも参加しているベテラン脚本家です。フジテレビが、これまで『ラヴソング』『突然ですが、明日結婚します』で辛酸を舐めさせた、連ドラデビュー2年目の倉光さんを本気で育てようとしているのがよくわかる布陣です。『めちゃイケ』も『みなおか』も終わるし、ここ20年くらい何も考えずに過去の遺産を食いつぶしてきたように見えるフジが、ようやく変わろうとしているのかもしれません。

■緻密で品がある、優しい人物描写

 ここまで、『刑事ゆがみ』の脚本はすべて女性の脚本家の手によるものです。これ、刑事ドラマでは比較的珍しいことだと思うんです。今後はどうなるかわかりませんが、おそらく女性だけで作っていく方針なのではないかと思います。なぜなら、それこそが成功しているように思えるからです。

 まず特徴的なのが、女性を描く目線です。

 第2話のアラフォー喪女・水野美紀にしても、今回の高梨臨にしても、彼女たちの「個人の意思」というものを明確に提示しています。悲しい環境の中にあり、女性の中でもマイノリティである彼女たちを、決して“被害者”や“弱者”として一面的に扱うことをしない。彼女たちが守るべきものをドラマの中でしっかりと定め、それを彼女たちが能動的に守ろうとしたがために、事件が起こる。「私たちは同情されるために登場したわけではない」という、悲劇を抱えた女性キャラクターたちの強い主張が感じられます。一方で、今回でいえば飯豊まりえが演じた軽薄な口軽OLのように、いかにもステレオタイプな女性像も登場させる。この対比によって、より描きたいキャラの造形が明確になる。

 これは明らかに原作にはなかった視点ですし、倉光さんが『ラヴソング』(最終話レビュー)でやろうとして完遂できなかった、『明日婚』(最終話レビュー)では手を付けることもできなかった作業だと思います。作り手がキャラクターを愛し、キャラクターに寄り添っていることがよくわかるので、ウソツキだったり人殺しだったりする彼女たちに共感を抱くことができる。

 もうひとつ、女性脚本家ならではだなぁと思うのが、男の性欲についての描き方です。

 童貞なのに風俗に興味津々な羽生くん(神木隆之介)や、妙な美学を持っていた第2話の下着泥棒(斎藤工)など、男たちが性欲を丸出しにするシーンでも「ここまでならイヤな感じがしないな」という抑制が効いているように見えるのです。男の側からすると、風俗に行っても下着を盗んでも、なんだかドラマから許されている感じがする。こうした感覚的な「嫌味のなさ」のラインは、なかなか頭で考えて設定できるものではないと思いますし、ドラマの品の良さを担保している部分ではないでしょうか。一方で、今回でいえば姜暢雄が演じた建築士のように、一線を越えた醜い性欲に対しては、容赦なく糾弾する。これによって、おっぱいパブを覗きこんでいる神木さんが、よりかわいらしく見えています。

 まずもって刑事ドラマの面白さは事件のバリエーションと設計によって測られるものだとは思いますが、謎解きがそれなりに緻密に組まれた上に、前述したようなキャラ付けの心地よさがある。エンドクレジットのオチまで、しっかり計算して楽しませてくれる。そんなの、面白くなるに決まってるのにね。もっとみんな、見ればいいのに。

■躍動する“バディ”は、神の子どもたち

 前回のレビュー(記事参照)で、このドラマの主人公は羽生くんだという話をしました。羽生くんはそもそも第1話で「刑事なんだから法に照らして犯人を挙げるのだけが仕事です」と主張しながら登場しましたが、ここまでの事件の捜査に対して「刑事なんだから」以上の動機を持って臨んでいます。前回は、お世話になった上司に対する疑念を晴らすため、今回は自らの失点を取り戻すため。先輩の弓神(浅野忠信)に反発しながら、時には頼りながら、事件を解決していくことになります。

 この2人が、実に楽しそうなんです。弓神と羽生の捜査上の関係が、そのまま浅野さんと神木さんの芝居上の関係に見えてくる。神木さんが真剣に食ってかかって、浅野さんがどーんと構えて受け止める。脚本家がドラマ世界の創造主だとすれば、2人はそこで思いっきり遊び回っている神の子どもたちのよう。特に、これまでにない振り幅を持った羽生という人物を与えられた神木さんは、役者として本当に楽しいんじゃないかなと想像します。

 そういう現場の雰囲気の良さまで伝わってくるくらい、うーん、このドラマ面白いのにね。みんな見ればいいのに!

 それにしても、ネタバレしたくなくて文句も特にないドラマに対しては、あんまり書くことがないですな。ドラマレビューって。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

ガングロおやじサーファー風の陣内孝則が邪魔するも、安定の高視聴率マーク! 『ドクターX ~外科医・大門未知子』第3話

 米倉涼子が一匹オオカミの天才外科医を演じるドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)第5期の第3話が26日に放送され、平均視聴率19.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.6ポイント下がったものの依然として高い数値をキープしています。

 今回は大門未知子(米倉涼子)ら東帝大学病院の外科チームが、大学の付属幼稚園に健診に訪れたところからスタート。子供嫌いの未知子は生意気な園児たちに手を焼くのですが、そんな中で園長の三鴨寿(平田満)が倒れ、すぐさま病院へと搬送します。

 実は三鴨は肺がんを患い、外科副部長・猪又孝(陣内孝則)の指示で半年前から化学療法を受けているのです。しかし、腫瘍は一向に小さくなる気配がないため、セカンドオピニオン(別の医者に診察してもらうこと)を希望。プライドが高くメンツを気にする猪又はこれを了承するものの、他の病院に三鴨の検診をしないよう根回しをします。

 困り果てた三鴨は、未知子が所属する神原名医紹介所の所長・神原晶(岸部一徳)に相談。神原は病院長・蛭間重勝(西田敏行)のもとへ出向き、園児たちに人気の三鴨を救えばマスコミに取り上げられて絶好のPRになると進言します。そして、持ち込み患者扱いということで未知子にオペをさせる約束を取り付けるのです。

 しかし、もともと三鴨の主治医であった猪又がこれに猛反発。困った蛭間は、猪又を執刀医、未知子を第一助手にしてオペを行うよう提案するのですが、今度は未知子が納得いかないと拒否したため話が進まなくなってしまうのです。

 猪又をステーキ屋に呼び寄せた蛭間は、オペが失敗した時に責任をなすりつけるための保険として未知子を助手に置いておくべきだと主張。さらに、次期・外科部長の座をチラつかせて未知子と一緒にオペをするよう丸め込みます。

 その一方、三鴨の声がかすれていることに気づいた未知子は、原発巣(がんの元)は甲状腺にあり、肺の腫瘍はそこから転移したものだと見抜きます。だからいくら化学療法を続けても腫瘍は小さくならなかったのです。そのことに気づいた未知子は、早急に処置をしなくてはまずいと思い、助手としてオペに立ち会うことを了承するのです。

 そうとは知らない猪又は、オペ中に血管を損傷してしまい大量出血を引き起こすなど醜態をさらします。未知子は強引に猪又を押しのけ、甲状腺にある腫瘍の摘出を開始。見事にオペを成功させ、三鴨の命を救ったところで今回は終了となりました。

 初回のレビューにも書いたように同ドラマは、これまでのシーズンも含めて病院内で孤立する未知子が教授の誰かと対立し、オペ中に教授がミスを犯して未知子がその尻拭いをして終了というのがお決まりのパターンになっています。今回で5期目ということで、定番化した展開は旧来のファンにとって『水戸黄門』(TBS系)のような長寿ドラマに似た安心感をもたらしているかもしれません。ただ、今シーズンはあまりにも露骨に脚本が定型化されてしまっているようにも思えます。今回、猪又がオペ中に血管を損傷して大量出血を引き起こしてしまう展開は、前回の伊東亮治(野村周平)が執刀した時とまるで同じでした。

 ストーリーに変動がないのは、未知子のキャラクターの生みの親であり第1~4シーズンまでメインで脚本を担当していた中園ミホが、今回初めてチームから外れてしまっていることが少なからず影響しているのかもしれません。これまでのシーズンやスペシャル版を通じて平均視聴率20%前後を常に叩き出してきただけに、中園なしにして展開をガラリと変えてしまうのは困難なのでしょう。

 第3シーズンのラスト、神原が未知子の高額なギャラをネコババして資金を貯め、未知子のための外科病院建設プラジェクトを画策していることが明らかになり、そろそろその計画が実行に移されてもいいのではないかとも思っていたのですが、今シーズンでは望めそうにありませんね。主演を務める米倉の魅力が損なわれない限りは安定した視聴率を獲得できると思いますが、少し物足りない気もします。

 また、脚本をいじれない代わりにキャラづくりで目新しさを出そうとしたのかもしれませんが、白髪にガングロのおやじサーファーみたいな陣内孝則のルックスはいかがなものでしょうか。今回の役柄に限らず陣内の演技には強引に笑いを取ろうというあざとさが見える気がするのですが、オペ中にもふざけた演技をしたのはドラマの緩急をつける意味でも邪魔だったと思います。

 脇役たちの新鮮さで勝負という意味では、次回ゲスト出演する仲里依紗は同枠の前クールに放送された『黒革の手帖』で、地味な女から夜の蝶へと変身する過程を見事に演じ絶賛されただけに期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

綾瀬はるかの脱ぎっぷり!『奥様は、取り扱い注意』14.5%自己最高も、西島秀俊のキャラ変に幻滅!?

 綾瀬はるかが元特殊工作員を演じる『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)。1日放送の第5話の平均視聴率は、自己最高の14.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。日曜劇場『陸王』(TBS系)最新話の14.0%を超える好調ぶりです。

 綾瀬と西島秀俊の“パナソニック夫婦”によるイチャラブシーンも話題の同作ですが、発売中の「週刊女性」(主婦と生活社)によれば、当初は夫役に長谷川博巳がキャスティングされていたとか。しかし、なんかしらの理由で長谷川サイドが断ったんだそうです。へ~。

 なお、綾瀬の本格アクションシーンは、“和製ドラゴン”こと倉田保昭率いる倉田プロモーションが指導を担当。前回の階段の手すりを使ったアクロバティックな回し蹴りには、大興奮しちゃいました。

 というわけで、今回も見応えのあるアクションを期待しつつ、あらすじを振り返ります。

■ありがちな展開……

 仕事のない日曜日、靴下を床に脱ぎっぱなしにしたまま家でダラダラと過ごす夫の勇輝(西島)に、イライラが募る菜美(綾瀬)。一方、隣人の京子(本田翼)も、嫌味ったらしい義母から子どもができないことをいびられ、夫の渉(中尾明慶)をラブホテルに誘うも逃げられ、イライラ……。

 また、優里(広末涼子)も、高圧的な態度で自分を家に縛り付ける夫・啓輔(石黒賢)への不満が爆発。「家出するから付き合って。これ以上、家の中にいたら窒息する」と菜美と京子を誘い、3人で家出しちゃいます。

 妻の家出に気付いた夫たちは、玄関先でかち合い、とりあえず菜美の家に集合して帰りを待つことに。勇輝と渉は、「妻に甘えすぎていた」「もっと大切にしなきゃいけないと思った」と反省しますが、啓輔だけは「帰ってきたら、きつく叱る」と顔をしかめます。

 その頃、ラーメンを食べてはしゃいだ後、優里が昔通っていたというクラブへ繰り出す菜美たち。優里と京子が「イエーイ!」と踊っていると、若い男性グループ(落合モトキ、ほか)がやってきて、「あれ? 君たちすんごいイケてんじゃん。俺たちと一緒に、VIPで飲まない?」とナンパ。これに対し、優里は「あたしたち、人妻なの」と軽くあしらいます。

■おっぱいサービスは忘れない!

 その後、泥酔した京子を強引にVIPルームに連れ込む男たち。そこへ菜美が突入し、「友だちを返してもらうわ。でもその前に、あんたたちにちょっと、お仕置きをしておこうかしら」と、男たちをあっさり倒してしまいます。

 かなり一瞬のアクションシーンでしたが、菜美が上に着ていたセーターをガバッと脱ぎ、綾瀬のおっぱいが強調される場面が! しかも下半身は、アンナミラーズの制服的な状況になる、ハイウエストのパンツを着ておられる! 厚手の衣装が多いこの季節、サービスカットも忘れない番組サイドの気づかいが嬉しいですね。そして、“おっぱいバレー”こと綾瀬の潔さに、心が温まります。

 クラブを出た3人は、ビルの屋上で朝日を見ながら、それぞれ秘密を1つ打ち明けることに。菜美が「私、孤児なんです」と告白すると、優里は「あたし、乳がんかも」と涙目で告白。しかし数時間後、検査結果を聞きに3人で病院に行くと、乳がんじゃありませんでした。なにそれ。

 朝、菜美たちがそれぞれの家に戻ると、妻を見る目が優しくなる勇輝と渉。しかし啓輔は、「働きに出たい」と頼む優里に猛反対。妻が家出しても、何も変わっていませんでした。

 ラストシーンでは、優里をよからぬことに巻き込もうとする健(玉山鉄二)が初登場。怪しげな笑みを浮かべ、第5話が終了です。

■あれれ……?

 家で不満が溜まった主婦が家出し、夫が夫婦のあり方を見つめ直すというありがちストーリーで、正直、物足りない……。そして、クラブの展開が陳腐で、アクションも取ってつけたような印象。さらに、今回は登場人物のセリフが安っぽくて、ちょっと冷めてしまいました。なんか、今までとちょっと違う……?

 あと、勇輝って、靴下を脱ぎっぱなしにしたり、休日は野球中継を見ながらゴロゴロしたり、妻の買い物中に退屈そうにしたり、こんな人間臭いキャラだったんですね……。これまで、理想的な夫の側面しか描かれていなかったので、ちょっとショックでした。

 また、優里の乳がんうんぬんのくだりですが、今後のストーリーに関わってくると信じたいのですが、なかったらどうしよう……。まあ、1話完結ドラマですから、こういう回もあるでしょう、ええ。このドラマは、きっとこんなもんじゃありませんから、気を取り直して次回に期待したいと思います!
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

イケメンの乳首に興奮するおばさんたちに辟易も“爆笑ヨーグルト姫”の登場で面白みが増す『監獄のお姫さま』第3話

 人気脚本家・宮藤官九郎が監獄コメディー&復讐劇に挑んだドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の第3話が先月31日に放送され、平均視聴率6.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から3.1ポイントの大幅下げとなったのですが、これについては記事の最後に触れたいと思います。

 さて、まずはこれまでのあらすじを少し。2017年のクリスマス・イヴ、元囚人の馬場カヨ(小泉今日子)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)、勝田千夏(菅野美穂)と元刑務官の若井ふたば(満島ひかり)の5人は、EDOミルク社・社長の板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐。その背景には、6年前に吾郎の婚約者だった江戸川しのぶ(夏帆)が、吾郎の浮気相手・横田ユキ(雛形あきこ)の殺人教唆罪で逮捕されたのが冤罪だったことを吾郎に証言させようという目的があったのです。

 そして前回からは、カヨたちがしのぶと出会った6年前の女子刑務所での話と現在とをクロスさせるカタチで展開。今回は、刑務所にしのぶが入所してきたところからスタートしました。

 殺人事件そのものが大々的に報じられたことや、爆笑する姿がネット上で出回ったことにより“爆笑ヨーグルト姫”と名付けられるなど顔が広く知れ渡っていたしのぶ。同居することになったカヨたちは興味津々で近づくのですが、心を閉ざされ距離を置かれてしまいます。

 しかし、時間がたつにつれてしのぶは次第に心を開きはじめ、殺人事件についても語るようになります。すると、ニュースで聞いた情報とは食い違いがあることにカヨたちは気がつくのです。報道によれば、しのぶがユキを呼び寄せて依頼者に殺害させたということになっていたのですが、しのぶがポロリと口にしたのは「(ユキが)押しかけてきた」という言葉だったのです。

 また、吾郎と晴海(乙葉)が交際しているというニュースがテレビで流れた際、しのぶが「裏切られた」と呟きながら泣き出したため、カヨたちはしのぶが何か隠しているのではないかと疑います。しかし、いくら問い詰めてもしのぶは何も答えようとしないのです。そんな折、しのぶが突然吐き気をもよおしたことで、もしや妊娠しているのでは? とカヨが感づいたところで今回は終了となりました。

 さて、感想。“クドカン”の愛称でお馴染みの人気脚本家・宮藤が、今1番書きたいものは何かと自問した結果、“おばちゃんのお喋りを書いている時が一番楽しい”という結論に至ったことがきっかけになり制作が決定したという今回のドラマ。実際におばちゃん女優たちがわちゃわちゃと会話するシーンが多く、クドカンの夢は叶ったようです。ただ、アラフィフの小泉今日子や森下愛子、坂井真紀がナチュラルメイクで登場する刑務所でのシーンはビジュアル的に結構キツイものがあるように感じます。 

 また、吾郎の乳首が立ってることに気づいたカヨたちが大興奮するシーンが今回ありましたが、まるで下ネタに食いつく男子中学生のようなノリは見ていて辟易するものがありました。それと、終始怒鳴りっぱなしというキャラ設定のふたばが、回を重ねるごとに鬱陶しさが増して仕方ありません。

 その一方で、今回から登場した新人刑務官・高山沙也香役を演じる大幡しえりのやる気はあるけど空回りしてしまう感じは、演技なのか素のキャラクターなのか定かではありませんが独特の存在感を発揮していて面白かったと思います。また、今回からしのぶが本格的に登場したことでミステリー要素が加わりドラマとしては面白みが増してきた印象を受けました。

 それだけに今回、プロ野球・日本シリーズの中継延長のためスタート時間が1時間半以上も遅れてしまい、視聴率がガタ落ちしてしまったのは残念でした。同ドラマは、現在と吾郎による6年前の殺人事件の回想、6年前の女子刑務所など、年月や場所を行き来してのシーン転換が複雑に入り組んでストーリーが展開されるため、1話でも見逃すと話の流れについていけなくなる可能性が高いのです。

 一応、TBSオンデマンドで次回放送日まで無料配信しているのですが、そこまでして視聴する人がいるかどうか……。不運としか言いようがありませんが、次回からはしのぶだけでなくカヨや他の女囚たちのキャラも掘り下げられていく展開になるということで、楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

篠原涼子『民衆の敵』は、政治版『ドクターX』!? 7.1%に下落した原因は……

 篠原涼子主演の市政ドラマ『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ系)第2話。初回では、主人公と選挙戦でデッドヒートを繰り広げた安倍晋三、もとい、磯部真蔵が当選直後に病気でぶっ倒れてしまうという衝撃展開が……。これが、視聴者の間で「安倍批判だ」などと物議を醸しているようです。

 そのせいか否か、平均視聴率は初回の9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)から、第2話では7.1%まで下落。ツカミは微妙だったということでしょうか? というわけで、早速、第2話のあらすじを振り返ります。

■政治家がこんなにポップに!

 磯部が倒れた結果、あおば市議会議員に繰り上げ当選した智子(篠原)は、「きゃー! こんな私が先生だよー!」と浮かれ気分。しかし、初めて本会議に出席した際、後ろの席で居眠りしていたベテラン議員の前田(大澄賢也)を派手に叩き起こしたことで、大ごとに。この様子がネットの動画サイトにアップされ、再生数は100万回を超える勢いです。

 市議会のドン・犬崎(古田新太)派の幹部である前田は、智子を呼び出し「こんな大恥かかしやがって!」と激怒。犬崎も、次の本会議で「前田議員は寝てなかった」と訂正・謝罪しろ、さらに犬崎派に入れ、と智子に圧力をかけます。

 この一件で、初めて自分がどこかの委員会に入らないといけないことを知った智子は、ママ友・和美(石田ゆり子)の助言もあって“教育こども委員会”を希望することに。しかし、犬崎が議会を牛耳っているため、犬崎派に入らないと希望の委員会には入れなさそう。

 また、智子にパンプスをプレゼントし、買収をしかける犬崎。結局、教育こども委員会に入るために、犬崎派に入ることを決意します。

 後日、智子は新人議員の未亜(前田敦子)と共に、料亭で開かれる犬崎派の会合へ。智子が、本会議で前田の騒動を謝罪することを約束すると、同席していた新人議員の藤堂(高橋一生)の表情が曇り、席を立ってしまいます。

 その晩、智子が犬崎の秘書(若旦那)から受け取った本会議の資料を確認すると、ある一般市民の陳情書が。小さな公園を取り壊し、迂回路を建設する計画に対し、「なくさないでほしい」という内容です。ただ、その決議案の資料には「可」のマークが赤ペンで記されており、犬崎派に入った以上、智子も賛成するしかありません。

 陳情書の件がどうしても気になる智子は、問題の公園へ。すると、そこには「やっぱり来ましたねえ」と不適な笑みを浮かべる藤堂が待ち構えています。どうやら、政治家一家に生まれた藤堂は、智子に何かしらの期待を寄せているようです。

 公園には、すでに陳情書を書いた主婦・山下(水川あさみ)が。山下は、イジメを受けていた中学校時代、学校に行かずにこの公園で過ごしていたことを明かし、「イジメから逃げられる場所をなくさないでほしい」と智子に懇願します。

 しかし、山下以外に反対の声を上げている市民をおらず、現在、この公園をイジメの逃げ場所にしている学生もいない様子。山下の“思い出”に過ぎない状況ながら、藤堂は「政治家として、あなたならどうします?」と智子に投げかけ、去っていきます。

 いよいよ本会議当日、迂回路建設の多数決で、犬崎派が「賛成」の声を上げる中、智子も賛同。この後、智子に前田への謝罪の時間が設けられるも、謝罪はせずに、山下のエピソードを挙げて「イジメに遭っている子を守る。そのためにも、私は教育こども委員会に入りたいんです!」と主張。

 さらに、国語辞典を取り出し、「『(1)政治を職業とし、専門的に関わる人』、これにはなりたいんです。『(2)揉め事の調整やかけ引きのうまい人』、これにはなりたくないんですよ」と「政治」の言葉の意味を朗読。「だって、おかしくないですか? お前が入りたい委員会に入れてやるから、前田議員は居眠りしてなかったって嘘つけよ、って」と畳み掛け、これに、市長(余貴美子)が満足げな笑みを浮かべて第2話は終了です。

■政治版『ドクターX』?

 放送開始前は、篠原演じる普通の主婦が、選挙に出馬することばかりをアピールしていた同作。そのせいで、真木よう子演じる主婦が人気読者モデルを目指す『セシルのもくろみ』(同)の「二番煎じ」などと散々揶揄され、視聴者の期待値も下がったのではないでしょうか?

 しかし、同作の見どころは、権力闘争が渦巻く市議会で、自分の正義を貫く1人の“おバカ議員”の姿なんだと。ただ、おバカといっても、主人公はマイクの前ではスイッチが入り、人が変わったように主張を繰り広げる。それはまさに、『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)の大門未知子を見ているかのようなかっこよさがありました。確かに、智子は大門と違ってヘタレキャラですが、要所要所で『ドクターX』に重なる部分が多いと思うんですよ、このドラマ。

 とは言っても、いかんせんフジの宣伝が失敗している……。篠原がスーパーの袋から長ネギを出して、拡声器で何かを吠えているメインビジュアルなんか、「つまらなさそうなドラマ」に見えるし、「世の中、おかしくないですか!?」というウザいサブタイトルも、損しているような気がしてなりません。

 というわけで、初回では「これ、どうなんだろう……」と不安になりながらも、第2話では一気にワクワクに変わった『民衆の敵』。次回も、ポップでかっこかわいい主人公に期待します。
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

篠原涼子『民衆の敵』は、政治版『ドクターX』!? 7.1%に下落した原因は……

 篠原涼子主演の市政ドラマ『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ系)第2話。初回では、主人公と選挙戦でデッドヒートを繰り広げた安倍晋三、もとい、磯部真蔵が当選直後に病気でぶっ倒れてしまうという衝撃展開が……。これが、視聴者の間で「安倍批判だ」などと物議を醸しているようです。

 そのせいか否か、平均視聴率は初回の9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)から、第2話では7.1%まで下落。ツカミは微妙だったということでしょうか? というわけで、早速、第2話のあらすじを振り返ります。

■政治家がこんなにポップに!

 磯部が倒れた結果、あおば市議会議員に繰り上げ当選した智子(篠原)は、「きゃー! こんな私が先生だよー!」と浮かれ気分。しかし、初めて本会議に出席した際、後ろの席で居眠りしていたベテラン議員の前田(大澄賢也)を派手に叩き起こしたことで、大ごとに。この様子がネットの動画サイトにアップされ、再生数は100万回を超える勢いです。

 市議会のドン・犬崎(古田新太)派の幹部である前田は、智子を呼び出し「こんな大恥かかしやがって!」と激怒。犬崎も、次の本会議で「前田議員は寝てなかった」と訂正・謝罪しろ、さらに犬崎派に入れ、と智子に圧力をかけます。

 この一件で、初めて自分がどこかの委員会に入らないといけないことを知った智子は、ママ友・和美(石田ゆり子)の助言もあって“教育こども委員会”を希望することに。しかし、犬崎が議会を牛耳っているため、犬崎派に入らないと希望の委員会には入れなさそう。

 また、智子にパンプスをプレゼントし、買収をしかける犬崎。結局、教育こども委員会に入るために、犬崎派に入ることを決意します。

 後日、智子は新人議員の未亜(前田敦子)と共に、料亭で開かれる犬崎派の会合へ。智子が、本会議で前田の騒動を謝罪することを約束すると、同席していた新人議員の藤堂(高橋一生)の表情が曇り、席を立ってしまいます。

 その晩、智子が犬崎の秘書(若旦那)から受け取った本会議の資料を確認すると、ある一般市民の陳情書が。小さな公園を取り壊し、迂回路を建設する計画に対し、「なくさないでほしい」という内容です。ただ、その決議案の資料には「可」のマークが赤ペンで記されており、犬崎派に入った以上、智子も賛成するしかありません。

 陳情書の件がどうしても気になる智子は、問題の公園へ。すると、そこには「やっぱり来ましたねえ」と不適な笑みを浮かべる藤堂が待ち構えています。どうやら、政治家一家に生まれた藤堂は、智子に何かしらの期待を寄せているようです。

 公園には、すでに陳情書を書いた主婦・山下(水川あさみ)が。山下は、イジメを受けていた中学校時代、学校に行かずにこの公園で過ごしていたことを明かし、「イジメから逃げられる場所をなくさないでほしい」と智子に懇願します。

 しかし、山下以外に反対の声を上げている市民をおらず、現在、この公園をイジメの逃げ場所にしている学生もいない様子。山下の“思い出”に過ぎない状況ながら、藤堂は「政治家として、あなたならどうします?」と智子に投げかけ、去っていきます。

 いよいよ本会議当日、迂回路建設の多数決で、犬崎派が「賛成」の声を上げる中、智子も賛同。この後、智子に前田への謝罪の時間が設けられるも、謝罪はせずに、山下のエピソードを挙げて「イジメに遭っている子を守る。そのためにも、私は教育こども委員会に入りたいんです!」と主張。

 さらに、国語辞典を取り出し、「『(1)政治を職業とし、専門的に関わる人』、これにはなりたいんです。『(2)揉め事の調整やかけ引きのうまい人』、これにはなりたくないんですよ」と「政治」の言葉の意味を朗読。「だって、おかしくないですか? お前が入りたい委員会に入れてやるから、前田議員は居眠りしてなかったって嘘つけよ、って」と畳み掛け、これに、市長(余貴美子)が満足げな笑みを浮かべて第2話は終了です。

■政治版『ドクターX』?

 放送開始前は、篠原演じる普通の主婦が、選挙に出馬することばかりをアピールしていた同作。そのせいで、真木よう子演じる主婦が人気読者モデルを目指す『セシルのもくろみ』(同)の「二番煎じ」などと散々揶揄され、視聴者の期待値も下がったのではないでしょうか?

 しかし、同作の見どころは、権力闘争が渦巻く市議会で、自分の正義を貫く1人の“おバカ議員”の姿なんだと。ただ、おバカといっても、主人公はマイクの前ではスイッチが入り、人が変わったように主張を繰り広げる。それはまさに、『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)の大門未知子を見ているかのようなかっこよさがありました。確かに、智子は大門と違ってヘタレキャラですが、要所要所で『ドクターX』に重なる部分が多いと思うんですよ、このドラマ。

 とは言っても、いかんせんフジの宣伝が失敗している……。篠原がスーパーの袋から長ネギを出して、拡声器で何かを吠えているメインビジュアルなんか、「つまらなさそうなドラマ」に見えるし、「世の中、おかしくないですか!?」というウザいサブタイトルも、損しているような気がしてなりません。

 というわけで、初回では「これ、どうなんだろう……」と不安になりながらも、第2話では一気にワクワクに変わった『民衆の敵』。次回も、ポップでかっこかわいい主人公に期待します。
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

毒親の呪詛攻撃にピッピちゃんは耐えられるか? 喪服ウォーズも勃発した『明日の約束』第2話

「ランドセルの中にしまってあったラブレターは破って、捨てておきました。日向(ひなた)がこんなにいやらしい子だったなんて、ママはショックです」

 井上真央主演の社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)。なんか古臭くて野暮ったいタイトルだなぁと思っていたら、日向が小学生の頃に母親の尚子(手塚理美)から強制的に書かされていた交換日記の名前だったんですね。第1話に増して、第2話のエンディングで明かされる交換日記の内容がキョーレツ。尚子の毒親ぶりに、視聴者もショックです。どうやら、その回のテーマとリンクする形で日向と尚子の過去の因果関係が明かされていく模様です。

 かなり綿密に練られた脚本ですが、残念なことに第2話の視聴率は初回の8.2%からさらに下がって、6.2%に(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。自殺した高校生の心の闇を探るという重たいストーリーに付いていけない人は、早々に去っていったようです。毒親バトルがこれから本格的に始まり、ドラマとしてはぐんぐん盛り上がりそうな気配なんですけどね。一度去った視聴者とゴミ回収車は待ってはくれません。

 前回、不登校が続いていた高校1年生の吉岡圭吾(遠藤健慎)から「先生のことが好きになりました」と告白されたスクールカウンセラーの日向先生(井上真央)ですが、自宅に帰った圭吾はなんと首吊り自殺! 日向先生は圭吾の担任・霧島先生(及川光博)と校長(羽場裕一)と3人で吉岡家へ向かいます。ここで圭吾の父親(近江谷太朗)が初登場。「妻が取り乱すので、お引き取りを」と門前払いを喰らわせます。圭吾に過干渉していた母・真紀子(仲間由紀恵)とは対照的に、長男が自宅で死んだにもかかわらず、感情を乱すことなく冷たい対応に終始する父親。圭吾はクラスメイトたちからは無視され、家庭にも居場所がなく、日向先生に懸命にSOSを発信していたことが分かり、日向先生はどんよりと落ち込みます。

 綾瀬はるかの弾むおっぱいで視聴率も弾き出している『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)のようなエロ要素はまるでなさげな『明日の約束』ですが、第2話は井上真央、仲間由紀恵、さらにNHK朝ドラ『ひよっこ』で注目された佐久間由衣が、喪服ウォーズを繰り広げます。森田芳光監督の葬儀に喪服姿の北川景子がノーメイクで現われ、すっぴんでの美形ぶりが大変な話題になりました。普段と違ったナチュラルメイクと泣き崩れた表情にセクシーさを感じるマニアは少なくありません。

 いつにも増して地味に、ブラックフォーマルでまとめてきた日向先生は、校長と霧島先生の後ろに隠れるようにして圭吾のお通夜会場を訪ねますが、ここでも圭吾の母・真紀子から「圭吾の棺の前で土下座してくれますか」と凄まれ、焼香できないまますごすごと退却します。泣きはらした表情ながら、しっかりとパールのネックレスとイヤリングで飾り立てている真紀子の存在感ったら。井上真央主演ドラマですが、お通夜シーンの主役は完全に仲間由紀恵です。後からひょこひょこ現われた、圭吾の幼なじみ・香澄役の佐久間由衣はそれこそ、ひよっこレベルです。喪服の着こなしに、女優陣の視殺線が交叉する怖い怖いシーンでした。
 喪服姿のまま疲れきって自宅に帰ってきた日向先生は、玄関を開けてさらにドッと疲れるはめに。驚いたことに恋人の本庄(工藤阿須加)がリビングで母親の尚子と楽しげに談笑しているではありませんか。自殺騒ぎを聞きつけ、日向のことを心配して本庄は駆け付けてきたようですが、本庄と交際していることを尚子に伝えていなかった日向は、どちらに対しても気まずくて仕方ありません。本庄にはまったく悪気はないのですが、純粋な善意が日向を追い詰めてしまいます。

 子犬のようにキラキラした眼差しで「連絡しても、日向は『心配ない』と言うでしょ?」と訴える本庄を怒るわけにはいきません。圭吾の自殺で動揺している生徒や霧島先生には「感情を抑えるのはよくない」と説いていた日向先生ですが、日向先生自身がどんどんストレスを溜め込んでいく結果に。本庄を最寄り駅まで送っていく日向先生ですが、駅名が「極楽寺」とはあまりにも皮肉です。日向先生の心はすでに地獄の一丁目に差し掛かっています。

 そして第2話最大の見せ場へ。本庄を駅まで見送った日向が自宅に戻ると、本庄の前ではニコニコしていた尚子が毒親モードで待っていました。文鳥のピッピちゃんを相手に「ひどいわよねぇ、ピッピ。3年も付き合っていたのにママに内緒にしてたなんて。あぁ、イヤらしい! ママに隠れてコソコソと付き合って」。

 さらには尚子の口から耳を疑うような暴言が……。

「えらそうにスクールカウンセラーなんて言ってるけど、そんなことやってるから生徒を自殺させちゃうのよ!」

 成人して働いている娘の職業から恋愛まで、日向の人生を全否定です。実の母親の容赦ない仕打ちに、日向はひと言も返せません。ただ二階の自室に逃げ込み、「母は人の心を傷つける天才です」と心の声でつぶやくことしかできません。

 自殺した圭吾は「明日が来るのが怖い」という言葉を残していたそうですが、日向先生も同じ心境でしょう。日向先生の明日が心配です。そして、もっと心配なのが、尚子が飼っている文鳥のピッピちゃんです。日向先生が家にいない間もずっと尚子のポイズントークを浴び続けて、体調に悪影響を与えないか気になります。植物だったら枯れてしまいそうなくらい、尚子のポイズン度は高いです。最終回までピッピちゃんが元気なことを祈ります。

 エンディングに流れる次回予告を見ると、第3話では真紀子はジャーナリスト(青柳翔)を味方に取り込み、日向先生のいる高校に宣戦布告する模様。ついにモンスターマザーとしてフル稼働です。仲間由紀恵vs井上真央vs手塚理美の三つ巴女優バトルの行方に大注目です。
(文=長野辰次)

武井咲&D・フジオカ『今からあなたを~』5.7%大惨事! 「おサムすぎる」戦犯は誰だ!?

 ディーン・フジオカによる、良くも悪くも耳元でささやくような優しいセリフ回しが特徴的な『今からあなたを脅迫します』(日本テレビ系)。もともと小出恵介が脅迫屋を演じる予定だったものの、例のおイタのせいで、同じ事務所のおディーン様がしぶしぶ出ることになったとのウワサも。小出だったら、もう少し脅迫シーンに見応えがあったような気も……。

 なお、初回平均視聴率8.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と微妙なスタートを切った同作ですが、29日放送の第2話は5.7%まで急落! あらすじとともに、その要因を探っていきましょう。

■わかりにくいストーリー

 女子大生・澪(武井咲)は、完二(ディーン)の脅迫屋の仕事をしぶしぶ手伝うはめに。依頼人は、1年前に自殺したシンガーソングライターERu(高月彩良)の親友で、ワゴン車でカフェを営む沙和子(大後寿々花)。

 ERuは1年前、ラジオで過激発言をしたことで世間からバッシングを受けていたとか。さらに、週刊誌「週刊見聞」に「ERuにはゴーストラーターがいる」というガセ記事を書かれたために、耐えきれなくなり自殺に追い込まれたそう。沙和子は、同誌編集長の茂木(小木茂光)にERuの名誉を取り戻す記事を書かせてほしいといいます。

 早速、完二は、人気イケメン俳優の柿宮優人に澪を抱きつかせ、車の中から写真を撮り、熱愛疑惑写真を捏造。これを持って、茂木に「(この写真を譲るから)ERuの記事を書いてほしい」と交換条件を持ちかけます。って、いきなり脅迫でもなんでもないんかい。

 しかし、「週刊見聞」も同じ日に柿宮を張っており、一部始終を見ていたため、「いけませんね、こういうヤラセは」と交換条件を拒否。完二の計画はあっさり撃沈します。

 初回から、しきりに初老男性がドヤ顔で口走りそうなダジャレのような何かをぶっこんでいる完二ですが、今回もヤラセを見抜かれたことを「うかつに目撃されたうっかり八兵衛。キミのせいだ」と澪のせいにするくだりが。すると、天然ボケキャラの澪が、すかさず「うっかり八兵衛? 元は町人で、風車の弥七の弟子だったんです。人懐こくてお調子者、食いしん坊でお団子が好きなんです……」とうっかり八兵衛の説明を長々と始めるという……。

 今回はほかにも、「はったりですよね」(澪)、「そう、はったり半蔵」(完二)、「あっ、はったりと服部をかけて、はったり半蔵なんですね」というくだりや、「おととい来やがれ!」(完二)、「おとといは来れません!」(澪)といったやり取りも。これって、一体、どの辺りの層にウケてるんでしょうか? 原作小説の完二はこういうキャラではないため、ドラマオリジナル要素だと思うのですが、このノリについていけない私がいます……。確かに、澪の天然ぶりを際立たせる演出としては効果的なのかもしれませんが、おディーン様が無理しているようにも。このサムいやり取り、最終回まで続くんだろうなあ……。

 それはいいとして、澪に次の作戦を持ちかける完二。謎の大金を持っている澪ですが、そこから300万円を茂木に渡し、ERuのゴーストライター疑惑の再取材をお願いするよう指示します。

 沙和子のためになるならと、澪は茂木に300万円を渡しますが、茂木は受け取りを拒否。すると、その現場をカメラに収めた完二が登場。完二は、“ゴーストライターの記事のネタ元に接触したところ、「ERuには悪いことをした」と300万円を渡してきたが、偽善者ぶった澪がネコババして茂木に渡そうとした”という嘘のシナリオを茂木に説明……って、正直、このシーンは、完二の思惑がわかりにくく、話を複雑にしているので、スルーしてもいいかと。澪の金持ち要素を、どうしてもねじ込みたかったのかしら……。

 その後、完二の仲間でハッカーの栃乙女(島崎遥香)が、ERuの芸能事務所の女社長が茂木に怪しいメールを送っていたことを発見。これを受け、盗み屋の目黒(三宅弘城)が、ピッキングで女社長の車に進入。運転席の後ろで丸まって隠れていると、ヤクザと女社長のシャブの取り引き現場に遭遇します。ちなみに、目黒が全然、隠れきれてなかったのですが、これもギャグなのでしょうか? このドラマ、ギャグなのか、ガチなのかがわからない!

 また、女社長が茂木に送った証拠の譜面から、それが沙和子の筆跡であることを確認。完二が沙和子を問い詰めると、沙和子は今回、死んだERuへの罪滅ぼしをしたかったのだと告白。ゴーストライターのことは2人だけの秘密だったものの、女社長が気付いてしまい、茂木にリーク。これにより、茂木が掴んでいた自身のシャブ売人疑惑を揉み消したんだそうです。

 この後、完二は柿宮に抱きついている澪の写真と、茂木に300万円を渡そうとしている澪の写真を持って、茂木に接触。2枚の写真を並べると、「編集長が自ら女に金を渡し、特ダネを捏造しようとした」ように見えると脅し、茂木はあっさりERuのアゲ記事を書くと約束。「ERuは正義の歌姫」というタイトルの記事が世に出て、一件落着です。

■お経でも聞いているような1時間

 う~む……。これは視聴率5%台に下がってもおかしくないでしょうね……。おディーン様の一本調子の演技同様に、ドラマにも盛り上がり箇所がなく、1時間にわたって、坊さんのお経でも聞いているような気持ちに……いや、般若心経にだって「掲諦 掲諦 波羅掲諦」という盛り上がり箇所があるから、お経じゃないか……とにかく、次回はもっと心踊るシーンを!!

 で、脚本もさることながら、完二のキャラがフワフワしてるのも敗因でしょうね。初回で、脅迫相手を間違えてしまった完二ですが、第2話でも計画が失敗。結局、栃乙女のハッキングと、目黒の潜入捜査のおかげで、事件が解決したわけです。

 そんな、“肝心なところが抜けてる脅迫屋”という役どころの完二ですが、おディーン様の“男前演技”のせいか、はたまた脚本のせいか、初回で中途半端にかっこいいアクションシーンがあったせいか……そこらへんが視聴者にイマイチ伝わってない気がするんですよ。“かっこいい脅迫屋”と見るべきか、“愛らしい脅迫屋”と見るべきか、迷っているうちに事件が解決してしまうんです。これは、おディーン様的にも損な状況だと思うので、早くなんとかしてほしいです。

 完全に崖っぷちの『今からあなたを脅迫します』。主人公2人に魅力が感じられないため、その反動でキャラがはっきりしている栃乙女と目黒が好きになってきました。そんな状況も含め、いろいろとなんとかしてほしいです!
(文=どらまっ子TAMOちゃん)