『先に生まれただけの僕』櫻井翔・校長、学校改革が順調すぎてリアリティー薄れる!?

 人気アイドルグループ・嵐の櫻井翔が私立高校の校長役を演じるドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)の第6話が18日に放送され、平均視聴率8.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.6ポイントアップとなりました。

 その前回、オープンキャンパスを成功させたことで鳴海涼介(櫻井翔)が率いる京明館高等学校の評価はうなぎ昇り。以前は門前払いも同然だった銀行からの融資もすんなり得られることになり、鳴海は意気揚々と間近に迫った学校説明会の準備を進めます。

 その一方、鳴海の出向元である樫松物産の専務・加賀谷圭介(高嶋政伸)は、以前から目の敵にしている鳴海の活躍が気に入りません。何か妨害の手立てを考えようと、京明館高校の教師の中で鳴海・反対派である郷原達輝(荒川良々)を本社に呼びつけます。そして、鳴海の学校改革によって自分の居場所が失われるのではないかと怯える郷原の様子を見たことである計画を思いつき、学校説明会の参加者リストを送るよう郷原に命じるのです。

 そうとは知らず学校説明会に臨んだ鳴海は、学力の底上げだけでなく部活動にも積極的に取り組んでいくという理念を語り、集まった保護者たちから好感を得ます。しかし、質疑応答の段になると保護者のひとりから、学力アップのために在職教師のリストラを考えているかどうかという質問を突き付けられてしまうのです。

 実はこの質問、加賀谷が指示したもの。京明館高校への出向以前、数々の赤字会社を立て直した実績がある鳴海ですが、リストラは一度もしたことがないのです。しかし、京明館高校の偏差値を今までの44から50に引き上げて進学校にしようというのであれば、教師の質も変わらなければならないハズ。加賀谷は、ビジネスマンとして非情に徹しきれない鳴海の弱点を、他の教師たちも居並ぶ場で攻撃しようという策略を練っていたのでした。

 しかし、鳴海は動じません。生徒だけでなく教師の成長も目標に掲げ、リストラは一切考えていないと断言するのです。鳴海の揺るぎない信念を感じ取った質問者が納得し、今後も居場所があるのだと郷原が安心&感動したところで今回は終了となりました。

 さて感想。前々回から授業にアクティブ・ラーニング(課題を与えて生徒たちの間で相談させ問題を解かせる教育法)を導入したことで学校全体が活性化されましたが、少しトントン拍子にいきすぎなのではないかと思っていました。そして前回のオープンキャンパスの成功を受けての今回は、さらに話がうまく運び過ぎだと感じてしまいました。オープンキャンパスをきっかけに後輩(中学生)たちからの目を気にするようになり、身だしなみをキレイにするなど在校生たちの意識が変わったという描写がありましたが、高校生ってそんなに単純なものでしょうか。あまりにも素直過ぎると思います。

 また、周辺の中学校や予備校での評価が上がるのはまだいいとしても、銀行が手のひらを返したように融資に積極的になるのは違和感がありました。銀行員の対応があまりに一変したため、裏で加賀谷が何か良からぬことを画策したのではないかと訝ったのですが、そんなことはないようです。これまで芳しくなかった評価がたった数ヶ月で劇的に変わったのだとしたら、鳴海はとんでもない敏腕経営者ということになります。

 そんな鳴海の有能さを妬んでいるのか、あるいはまだ明かされていない過去の因縁があるためか執拗に妨害工作を行う加賀谷ですが、今回の嫌がらせはかなり含みをもたせた前フリをしていただけに、リストラについての質問だとわかると拍子抜けしてしまいました。わざわざ加賀谷が根回ししなくても、保護者から発せられて然るべき質問なのではないでしょうか。進学率を上げる、部活動を活発化させるなどといった鳴海の大言壮語に対して、「どうやって?」という質問が出ずに感嘆の声ばかりが上がる様子は、まるでマルチ商法のセミナーか何かのようで、リアリティーが感じられませんでした。

 雇われ校長として充実した日々を送る鳴海ですが、プライベートでは恋人・松原聡子(多部未華子)のことがおろそかになりがちになってきているようです。そして、その聡子は前回のオープンキャンパスで2年3組担任の真柴ちひろ(蒼井優)と鳴海の関係を疑い、そのちひろは鳴海に好意を抱き始めた様子。しかし、2年2組担任の島津智一(瀬戸康史)と食事をしたことにより生徒の間で交際のウワサを立てられ……と、今回はこれまで以上に各々の恋愛模様が描かれるシーンが多く、それだけ散漫になってしまった印象を受けました。

 物語の幅を広げるという意味では恋愛要素も少しは必要かも知れませんが、このドラマに関してはいかにして鳴海が学校改革を推し進めていくかがミソだと思うので、次回以降はあまり脇道に逸れないことを願いたいです。
(文=大羽鴨乃)

『先に生まれただけの僕』櫻井翔・校長、学校改革が順調すぎてリアリティー薄れる!?

 人気アイドルグループ・嵐の櫻井翔が私立高校の校長役を演じるドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)の第6話が18日に放送され、平均視聴率8.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.6ポイントアップとなりました。

 その前回、オープンキャンパスを成功させたことで鳴海涼介(櫻井翔)が率いる京明館高等学校の評価はうなぎ昇り。以前は門前払いも同然だった銀行からの融資もすんなり得られることになり、鳴海は意気揚々と間近に迫った学校説明会の準備を進めます。

 その一方、鳴海の出向元である樫松物産の専務・加賀谷圭介(高嶋政伸)は、以前から目の敵にしている鳴海の活躍が気に入りません。何か妨害の手立てを考えようと、京明館高校の教師の中で鳴海・反対派である郷原達輝(荒川良々)を本社に呼びつけます。そして、鳴海の学校改革によって自分の居場所が失われるのではないかと怯える郷原の様子を見たことである計画を思いつき、学校説明会の参加者リストを送るよう郷原に命じるのです。

 そうとは知らず学校説明会に臨んだ鳴海は、学力の底上げだけでなく部活動にも積極的に取り組んでいくという理念を語り、集まった保護者たちから好感を得ます。しかし、質疑応答の段になると保護者のひとりから、学力アップのために在職教師のリストラを考えているかどうかという質問を突き付けられてしまうのです。

 実はこの質問、加賀谷が指示したもの。京明館高校への出向以前、数々の赤字会社を立て直した実績がある鳴海ですが、リストラは一度もしたことがないのです。しかし、京明館高校の偏差値を今までの44から50に引き上げて進学校にしようというのであれば、教師の質も変わらなければならないハズ。加賀谷は、ビジネスマンとして非情に徹しきれない鳴海の弱点を、他の教師たちも居並ぶ場で攻撃しようという策略を練っていたのでした。

 しかし、鳴海は動じません。生徒だけでなく教師の成長も目標に掲げ、リストラは一切考えていないと断言するのです。鳴海の揺るぎない信念を感じ取った質問者が納得し、今後も居場所があるのだと郷原が安心&感動したところで今回は終了となりました。

 さて感想。前々回から授業にアクティブ・ラーニング(課題を与えて生徒たちの間で相談させ問題を解かせる教育法)を導入したことで学校全体が活性化されましたが、少しトントン拍子にいきすぎなのではないかと思っていました。そして前回のオープンキャンパスの成功を受けての今回は、さらに話がうまく運び過ぎだと感じてしまいました。オープンキャンパスをきっかけに後輩(中学生)たちからの目を気にするようになり、身だしなみをキレイにするなど在校生たちの意識が変わったという描写がありましたが、高校生ってそんなに単純なものでしょうか。あまりにも素直過ぎると思います。

 また、周辺の中学校や予備校での評価が上がるのはまだいいとしても、銀行が手のひらを返したように融資に積極的になるのは違和感がありました。銀行員の対応があまりに一変したため、裏で加賀谷が何か良からぬことを画策したのではないかと訝ったのですが、そんなことはないようです。これまで芳しくなかった評価がたった数ヶ月で劇的に変わったのだとしたら、鳴海はとんでもない敏腕経営者ということになります。

 そんな鳴海の有能さを妬んでいるのか、あるいはまだ明かされていない過去の因縁があるためか執拗に妨害工作を行う加賀谷ですが、今回の嫌がらせはかなり含みをもたせた前フリをしていただけに、リストラについての質問だとわかると拍子抜けしてしまいました。わざわざ加賀谷が根回ししなくても、保護者から発せられて然るべき質問なのではないでしょうか。進学率を上げる、部活動を活発化させるなどといった鳴海の大言壮語に対して、「どうやって?」という質問が出ずに感嘆の声ばかりが上がる様子は、まるでマルチ商法のセミナーか何かのようで、リアリティーが感じられませんでした。

 雇われ校長として充実した日々を送る鳴海ですが、プライベートでは恋人・松原聡子(多部未華子)のことがおろそかになりがちになってきているようです。そして、その聡子は前回のオープンキャンパスで2年3組担任の真柴ちひろ(蒼井優)と鳴海の関係を疑い、そのちひろは鳴海に好意を抱き始めた様子。しかし、2年2組担任の島津智一(瀬戸康史)と食事をしたことにより生徒の間で交際のウワサを立てられ……と、今回はこれまで以上に各々の恋愛模様が描かれるシーンが多く、それだけ散漫になってしまった印象を受けました。

 物語の幅を広げるという意味では恋愛要素も少しは必要かも知れませんが、このドラマに関してはいかにして鳴海が学校改革を推し進めていくかがミソだと思うので、次回以降はあまり脇道に逸れないことを願いたいです。
(文=大羽鴨乃)

女性心理の分厚い描写が映える『刑事ゆがみ』一方、デブでブスの風俗嬢は“笑いもの”にしていいのか問題

 視聴率は超低空飛行にもかかわらず、各方面から絶賛の声しか聞こえない『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)も第7話。今回は、前回より0.8ポイントダウンの5.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。2話目からじりじり上げてきてたんですが、べっこり下がりましたね。裏のNHKで安室奈美恵の特番をやってたので、その影響かもしれません。このドラマはけっこう伏線を丁寧に張るので、録画向きですしね。と、まあ適当に擁護しつつ今回も振り返りましょう。

前回までのレビューはこちらから

 今回は、弓神(浅野忠信)と羽生くん(神木隆之介)の上司である係長・菅能ちゃん(稲森いずみ)の回でした。前回まで、捜査に私情を挟みまくる羽生くんに、捜査中は「事件関係者への恋心と同情」を持ってはいけないと説教していた菅能ちゃんでしたが、今回は大学時代の親友・絵里子さん(りょう)が亡くなってしまったので、その説教が盛大にブーメランしてしまいます。

 何しろ菅能ちゃんと絵里子さんは、お互い定年したら老後を一緒に過ごそうと誓い合っていたほどの仲。しかも、絵里子さんの死亡推定時刻は同窓会で久しぶりに再会した直後だったのですから、心穏やかに捜査できるはずがありません。

 状況としては、青酸カリを飲んでの服毒自殺に見えます。しかし、菅能ちゃんは絵里子さんが自殺するなんて、どうしても思えない。

 絵里子さんはデザイン会社で部下をたくさん抱えてブイブイ仕事をしていたはずだし、10歳下のイケメン実業家との結婚も決まっていると言いました。何より、同窓会の後、2人で飲んだときに再会の約束だってしている。そんな絵里子さんが自殺なんてするわけない! と、周りの刑事がドン引きするほど私情入れまくりで捜査に当たります。

 

■絵里子さん、つらすぎる……。

 

 しかし、実際には絵里子さんに結婚の予定はありませんでした。同窓会で見せられた婚約者とのツーショットインスタも、月に一度は必ず飲み会を開いていると語っていた部下との写真も、すべて「リア充代行サービス」を利用して撮ったものだったのです。

 現実の絵里子さんは、とっくに会社を辞めていました。線維筋痛症が悪化して休職、そのまま復職できなかったそうです。線維筋痛症って、最近レディー・ガガが患者であることを告白して話題になりましたが、むちゃくちゃつらいんだそうです。原因不明なので対症療法しかできないし、血管の中を割れたガラスが通過するような疼痛が続くし……と、ちょっと資料を読んでいるだけでも顔をゆがめたくなるような難病です。

 そんな難病に苦しみながら、せっせとインスタにリア充写真を載せ続けた絵里子さん。貯金を切り崩しながら、偽りの笑顔に囲まれて、現実を盛りまくっていた45歳の独身女性。なぜそこまで“リア充”を着飾るとこに固執するのか、まるで理解できませんし、理解できないからこそ、その苦痛も想像を超えたものなのでしょう。つらいよ、つらすぎるよ……。

 

■代行アイドル・優里ちゃんも、まあまあつらい

 

 そんな絵里子さんが特にお気に入りにして、たびたび指名していたのが、優里ちゃん(早見あかり)という女の子でした。代行業者のリピート率ナンバーワンで、とびきりのカワイコちゃんです。優里ちゃんは「うぜえうぜえ」と思いながら絵里子さんに話を合わせていました。

 優里ちゃん、過去にアイドル活動をしていたんだそうです。一般的には売れませんでしたが、代行サービスではトップアイドルです。こちらもいろいろ苦悩が描かれるわけですが、何しろガチモンのトップアイドルだった早見あかりが演じているだけに、説得力が違います。事件の顛末は、例によってFODとかで見てください。面白いよ。

 

■アラフォー女優2人の美しさたるや

 

『刑事ゆがみ』というドラマは、事件の謎解きについては緩い回も少なくないんですが、描きたいことがハッキリしているので毎回見応えがあります。それと、犯人像・被害者像についてしっかり作り込んでいるので、原作既読でも問題なく楽しめるのも特徴でしょう。

 ドラマ自体に語りたい人物がいて、原作の事件の配置をヒントにしながら、その人物を表現している。主題の軸足はあくまでドラマですよ、という主張を怠らないのも、高評価の要因だと思います。

 以前から、特に事件まわりの女性心理の描き方が個性的で秀逸ですねという話をしてきましたが、今回の絵里子さんの痛みは、特に重みを持って伝わってきました。線維筋痛症というパワーワードの強さよ。そして、りょうと稲森いずみ、2人のアラフォー女優の美しさよ。

 

■神木くんの“童貞イジリ”も健在ですが……

 

 今回も羽生くんの“童貞イジリ”は健在で、筆おろしのためにソープランドに赴くものの、壮絶なパネマジに遭って走って逃げ出したというくだりが、いかにもコミカルに描かれました。

 まあスルーしてもいいんですが、これね、あんまりよろしくないと思ったんです。

 片方で美しい女性の悲劇を切々と描いておきながら、美しくない女性(羽生くんいわく「ジャバ・ザ・ハット」)を笑いものにするというのは、いかがなものかしらと。あの風俗嬢にだって、菅能ちゃんや絵里子さんと同じように人生があるのに、そこは笑い飛ばしていいのかと。

 女性心理の表現に長けた作品だからこそ、「デブでブスの風俗嬢は、神木きゅんに走って逃げられても当然だろギャハハ!」という差別意識が、作品から浮いて見えたんですよねえ。まあ、ジャバ側の人間には、そう感じる向きもあったという些末な話です。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

“死亡フラグ”ビンビンだった『コウノドリ』ジャムパンおじさん星野源は健在!

 周産期周産期医療センター(出産の前後を通し、産科と新生児科で連携した医療体制のとれる病院)を舞台に、医師や妊婦の喜びと悲しみ、生命の誕生の素晴らしさや難しさを描く医療ヒューマンドラマ『コウノドリ』(TBS系)。

 準主役でもあり、最近成長著しい下屋(松岡茉優)に試練が降りかかりる第6話は視聴率11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、またしてもほぼ横ばいで2ケタをキープ。振り返りましょう。

 

■下屋の焦り

 

 ペルソナ医療センターを離れ、他所の病院(こはる産婦人科)にヘルプとして当直に入る産科医・下屋。そこで出会ったのは前回の第5話でも出てきた症状・切迫早産(まだ適正な時期でないのに子宮口が開きかけ、早産「しそう」な状態)で入院中の妊婦・神谷カエ。2人は同い年で同じ名前ということで会話も弾み、仲良くなる。

 後日、ペルソナにて、下屋は自分の能力を過信して胎盤用手剥離(子宮内に手を入れ胎盤を取り出す娩出法)を行い、患者に不必要な痛みを与えてしまう。

 鴻鳥(綾野剛)に勝手な判断を注意され「次はもっとうまくやらないとって思ってます」と意気込むが、「そういうことじゃないだろ? 命を預かってる僕たちに驕りは決して許されない。誰かに頼ることも必要なんだ」と諭されてしまう。

 さらに、今のままでは独り立ちができない、先輩らに頼らずとも失敗を自分でリカバーして乗り越えられるようになりたい! と意気込む下屋に対し、鴻鳥は「それは乗り越えるものじゃない」と一喝、否定する。

 新人研修医だった前シーズンから正式な医師に昇格し、後輩もできて順調に成長してきたように見える下屋だが、実はかなり焦っているようだ。

 その後、こはる産婦人科での当直ヘルプ中、神谷から胸が少し苦しいことがあると聞いた下屋は帰り際、動悸や頻脈などから神谷の甲状腺に問題があるのでは? と担当医に伝えるが、今まで問題があるとは聞いてないが、一応週明けにでも検査するという約束を聞き、安心して帰宅する。

 

■緊急搬送されて来たのは……?

 

 しかし後日、ペルソナで通常業務に励む下屋の目に飛び込んで来たのは、心停止(アレスト)を起こし、蘇生処置をされながら救急車で搬送されてきた神谷カエの姿だった。

 しかもその症状が甲状腺クリーゼ(甲状腺の病気がうまくコントロールできず、さまざまな臓器に障害が起こる難病)だということがわかり、動揺を隠せない下屋。妊娠状態を終わらせ、母体の血流を確保するため、鴻鳥は死戦期帝王切開を決行、心臓マッサージをしながら、子どもをなんとか無事出産させる。

 救命、産科、新生児科、一丸となっての懸命な手術が続くが、母体の心臓は動かぬまま。

「神谷さん! さくらちゃん(赤ちゃん)が呼んでるよ! お母さんって呼んでるよ!」

 私情により取り乱しまくった下屋が叫ぶ。

「助かるかどうかじゃねーだろ! 助けるんだ!」

 救命科の加瀬(平山祐介)も懸命にマッサージを続ける。しかし、神谷が反応することはなかった。

 

■下屋の迷走

 

「なんで私、あの時強く検査を勧めなかったんだろう!」「どうして甲状腺を触診しなかったんだろう!」自分を激しく責める下屋。

 後日、救命科も交えてのカンファレンスにて、動機や頻脈などは妊娠時によくある症状で、子宮収縮抑制剤の副作用ともかぶるため見分けにくいと産科医の四宮(星野源)が説明するが、救命科部長の仙道(古舘寛治)は、嫌味たらたらに産科を責める。

「ぶっちゃけ見落としじゃないの? だって産科ってさ、毎日妊婦さん相手にお世辞言ってる感じでしょ? 君たち、危機感足りないんじゃないの?」その言葉が下屋に突き刺さる。

 その日以来、強迫観念に追われる下屋は、待合室を大渋滞させるほど妊婦全員に甲状腺検査を行い、見かねた鴻鳥から休暇を取るように言われてしまう。

 四宮にも「患者の心配をするふりして、自分が神谷さんの死を乗り越えたいだけじゃないのか?」と図星を突かれ、言い返せない。

「下屋はどんな産科医になりたい? その答えが見つかったら帰ってこい」

 鴻鳥のこの言葉が、後に下屋を大きく動かすことになる。

 休暇中、人気ピアニスト・BABY(鴻鳥のもう一つの秘密の顔)のライブを鑑賞する下屋だが、産科でのいろいろな思い出が甦り「やっぱり産科に帰りたい……」と涙してしまう。

 ピアノの音色だけで産科の思い出を明確に呼び起こさせるBABY(鴻鳥)もすごいが、ちょっとだけ伸びた程度のヅラを被っただけで、直属の後輩に至近距離で一切気づかれない鴻鳥(BABY)のステルス具合もすごい。

 

■下屋の決断

 

 休暇から戻った下屋だが、休暇中に好物の一人焼肉に行っていたという会話から、何気なく白川(坂口健太郎)に言われた「お前このままでいいのかよ(笑)」という冗談に、「やっぱり産科はいいね……けど、だから今のままでいいわけがない」と、何かを決断した様子で答える。

 後日、救命救急センターの加瀬を訪ね、ある決意を伝える。

「やめとけ。患者一人亡くしたくらいでなめんなよ?」と、救命科ゆえに目の前で何人もの命を救えなかった経験を持つ加瀬に突っぱねられるが、「私と加瀬先生の悔しさは違います。私の悔しさは、『もっと自分に力があったら』っていう後悔です」と下屋も譲らない。

 屋上にて、その決意を鴻鳥にはっきり伝える下屋。

「やっぱり私は産科医なんだってよくわかりました。私は産科に戻りたい……だから……私を『救命』に行かせて下さい」

 憑き物の取れたようなさっぱりした顔で、下屋は語る。鴻鳥や四宮に甘えることなく、救命で全身管理を身につけ、母体も子どもも両方救える産科医になりたいと。

「救命、きついぞ」と心配する鴻鳥に「でも、これが私の『乗り越え方』です」と微笑む下屋の決意は堅そうだ。

 鴻鳥は、患者を亡くしてしまったことの後悔を忘れたり乗り越えることはできないとし、「悔しいこともうれしいことも、一つ一つ胸の中に積み重ねて、医者として進んでいくしかない」と下屋に教える。そしてその「自慢の後輩」を「行って来い。そして強くなって帰って来い」と送り出した。

 原作で、下屋が転科することは正直知っていたのだが、ドラマ的に重要な位置にいる松岡だけにどうするのかと思っていたら、原作通りに異動させた。ドラマのレギュラーの制約上、今後もまちがいなく登場するとは思うけど、アウェイにいる下屋をどう絡ませていくのか大変楽しみだ。

 ちなみに、鴻鳥や四宮の後輩でちょくちょく顔を出していた倉橋(松本若菜)も下屋と入れ替わりで産科で勤務することが決まり、原作コミックではいきなり登場した倉橋だったが、ドラマではゲストかと油断させておいて実はレギュラーに加わっていたというニクい演出で、うならされた。

 

■今回の四宮

 

 休憩中、下屋が手にした差し入れのジャムパン(四宮の好物)を「お前にジャムパンは早い」と奪い取る四宮。返す刀で「お前はこれだ」と違うパンを手渡し、「これ何も入ってないやつじゃないですかー」と下屋に嘆かれる四宮。鴻鳥がキープしていた焼きそばパンが小松(吉田羊)に食べられた際、すかさず「ダメだ自分でなんとかしろ」と、自分のジャムパンを保護する四宮。産科にお別れの挨拶に来た下屋に「甘ったれるな」と憎まれ口を叩きながら、ホイップクリーム入りのとっておきのジャムパンを手渡すツンデレ・四宮。今回もいろんな顔を見せてくれた我らがアイドル四宮だが、贅沢を言えば、救命科部長の仙道が産科に喧嘩を売るような嫌味を言った際、「あ?」だけでなく、思いっきりブチ切れて欲しかったところだ。

 

■やたらと神谷が死にそうな「フリ」が……

 

 今回気になってしまったのは、丁寧なドラマ作りだからそこのバランスは難しいのかもしれないけど、序盤にやたらと「神谷死亡フラグ」が立っていたこと。

「神谷さんって、きっとかわいいお母さんになると思う」(その前に死にそう)

「(出産後あげる予定の)結婚式でさくら(赤ちゃん)とお揃いのドレス着るってきめてるんだ!」(着れずに死にそう)

「先生(下屋)、式きてよ?」(式の前に死にそう)

「あーーーやりたいこといっぱいある! がんばんなきゃ」(すぐ死にそう)

 ……などなど、先週も仲良くなった切迫早産の患者が亡くなる回だっただけに「あれ? 今回も?」感が多々あり、せっかくの下屋が跳ねるいい話だったのに少しだけもったいない気がしてしまった。

 しかしながら、松岡は見事にこの「下屋回」を演じきっており、主役を張れる位置にリーチをかけるほど存在感を示したように思う。

 そして短い出番ながら救命科部長の仙道役の古舘寛治も強い印象を残した。

「(救命科でお世話になる期間が)1年ていうのは目安で、必要であれば2年でも、それ以上でも勉強させてもらえれば……」と弁解する下屋を「違う違う、『1年だけかよ』なんて嫌味言ったわけじゃないんだよ(笑)……『1年もたない』って言ってんだよ?」と痛烈に追い込むシーンは、液晶を叩き割りたくなるほど腹が立ったし。

 古舘は、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)でバーのマスター山さんだったり、映画『箱入り息子の恋』(2013)で市役所の上司だったりと、星野源との共演も多いのだが、そんな場外でのゆかりを感じさせることなく、ただひたすらに役でムカつきを感じさせてくれてお見事。

 ちなみに今回、下屋と白川が2人で会話するシーンが多く、同期としての関係以上の白川の想いが見て取れたり、新人研修医の赤西(宮沢氷魚)が下屋に好感を抱いている様子だったりと、ほのかながら恋の芽生えらしきものも垣間見えたり、次回はムードメーカーの助産師・小松が窮地に陥るらしかったりと、折り返しをすぎて、レギュラー陣にも続々とスポットが当たり出し、ますます観逃せない。
(文=柿田太郎)

『ドクターX ~外科医・大門未知子』餃子ひとつでケンカに発展? 無理やり感が否めない展開で面白味欠ける……

 米倉涼子がフリーランスの天才外科医を演じるドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)第5期の第6話が16日に放送され、平均視聴率20.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。相変わらずの好調ぶりをキープしています。

 今回は、東帝大学病院の外科副部長・猪又孝(陣内孝則)の執刀によるVIP患者のオペシーンからスタート。フリーランスの麻酔科医・城之内博美(内田有紀)は大門未知子(米倉涼子)のオペも掛け持ちしているため、さっさとオペを終わらせて欲しいのですが、猪又がイチイチ自分の技術を自慢するため無駄に長引いてしまい、イライラを募らせます。

 オペは無事に終了したものの術後の経過がおもわしくなく、患者からクレームが。この責任をあろうことか猪又は博美に押しつけ、病院への出禁を命じるのです。そのため博美は、懇意にしている中華料理屋の店主・六浦良夫(平泉成)の妻・敦子(松金よね子)のオペを未知子と共に行うという約束を履行できなくなってしまいます。

 猪又への怒りでストレスを貯め込んでいた博美は、ふとしたきっかけで未知子に向かって、「大門先生は自分勝手」といつも無茶なオペに付き合わされることへの不満をぶつけてしまいます。これに対して未知子もカッとなり口ケンカに発展。お互いに顔も見たくない、という険悪なムードになってしまうのでした。

 そんな中、敦子の見舞いに訪れた六浦が倒れ、膵臓に腫瘍があることが発覚。未知子は全摘出を薦めるのですが、オペ自体が困難なうえに術後に糖尿病になってしまう可能性があるため、六浦は難色を示します。そして、製薬会社との癒着で新薬を試したい猪又に言いくるめられ、化学療法を選択するのでした。

 しかし、化学療法では根治しない。どうしても全摘出オペを行いたい未知子は、派遣元である神原名医紹介所の所長・神原晶(岸部一徳)に博美の出禁を解いてもらうよう病院に掛け合って欲しいと頼みます。これに対して博美が、自身もリスクの高い手術を受けた経験があり、六浦の考えを尊重したい意向を示したため、さらに仲がこじれてしまうのです。

 とはいえ、未知子が自分勝手なのは、麻酔科医としての自分の腕を信頼してくれているからだと心の底では理解している博美。そこへタイミングよく現れた東帝大学病院の外科副部長・海老名敬(遠藤憲一)に頼み、出禁を解いてもらいます。

 しかし、敦子のオペに駆けつけた博美に対して未知子は、「あの麻酔科医がいるならオペいたしません」と痛烈なひと言を浴びせ、新人外科医・西山直之(永山絢斗)に執刀を任せてオペ室を後にしてしまうのです。

 その未知子が向かった先は、六浦のオペ室でした。予期せぬ大量出血に動揺する猪又から執刀医の座を強引に奪い取るのですが、猪又を慕う麻酔科医・瓜田慎吾(今野浩喜)が仕事を放棄してしまう事態が発生してしまいます。未知子は麻酔科医のライセンスも持っているものの、ただでさえ困難なオペを1人2役で成功させるのは不可能。と、そこへ敦子のオペを終了させた博美が登場。2人は最初から示し合わせたようにアイコンタクトを交わすと、いつも通りの連携をみせてオペを無事に終了させ一件落着となったのでした。

 さて感想。未知子と博美が仲違いするのは、前シーズンの最終話以来となりますが、その意味合いは大きく異なります。前回は博美が切除の極めて困難な局所進行膵ガンを患い、オペを行いたいという未知子に対して、手術中に命を落とす危険を冒すよりも1人娘・舞(藤井杏奈)のために少しでも多く仕事をしてお金を残したいという博美の意向がぶつかってのケンカだったのです。

 しかし、今回に関しては“ケンカはするけど心は通じ合っている”というラストシーンを描きたいがため逆算して脚本を書いた結果、無理やり感が強まってしまったような気がしてなりません。口ケンカに発展する前のワンクッションとして、中華料理屋で餃子を取り合うやり取りが描かれていましたが、40歳過ぎの女性同士のケンカのタネにしてはあまりに子供じみていませんか?

 また、未知子の自分勝手な性格は今に始まったことではありません。博美が耐え忍ぶ性格ならまだしも、未知子に対しては遠慮なく意見を通すだけに不満が積もり積もったような怒り方は違和感があり、「何を今さら?」と感じてしまいました。この対立を描くとするならば第1シーズンかせめて第2シーズンでやるべきだったと思います。

 そもそもの発端となった博美の出禁騒動についても、腑に落ちませんでした。オペ中にペチャクチャ喋る猪又みたいな外科医っているんですかね。その冒頭シーンから無理やり感が出ちゃっていたので今回はイマイチ楽しめませんでした。捲土重来、次回に期待したいところです。
(文=大羽鴨乃)

“勇介ロス”に襲われ……『監獄のお姫さま』帰る場所を失ったおばさんたちが、月に代わってお仕置き宣言!

 人気脚本家・宮藤官九郎による復讐コメディードラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の第6話が21日に放送され、平均視聴率7.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.1ポイント減となりました。

 まずは、これまでのあらすじを少し。2017年のクリスマス・イブ、元囚人の馬場カヨ(小泉今日子)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)、勝田千夏(菅野美穂)と元刑務官の若井ふたば(満島ひかり)の5人は、EDOミルク社・社長の板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐。その背景には、6年前に起こった横田ユキ(雛形あきこ)殺害事件の罪を、当時婚約者だった“爆笑ヨーグルト姫”こと江戸川しのぶ(夏帆)に吾郎が押しつけたことを証言させ、再審請求しようという目的があったのです。

 その吾郎・監禁シーンと、カヨたちが女子刑務所で出会い親密になっていく6年前のシーンが行き交うカタチでドラマは展開。前回、しのぶが勇介と名付けた息子を出産し、カヨたちと共に育てたものの、規則により1年半で別れることに。そして、実の母の裏切りにあい、勇介を吾郎に奪われてしまったところまでが描かれました。

 さて今回は、勇介がいなくなってしまったことでしのぶだけでなくカヨたちも元気を失ってしまったところからスタート。美容師免許の取得に励むカヨは勇介の姿ばかりを思い出してしまい集中できず、カットの練習ではマネキンの髪型をすべて角刈りに。“姉御”こと明美や“財テク”こと千夏も重度の勇介ロスに陥ってしまい、それぞれの作業に集中できないでいるのです。

 そんな中、吾郎が西川晴海(乙葉)と再婚したことが報じられ、勇介を我が子のように抱く晴海の姿が週刊誌に掲載されたことで、カヨたちは吾郎への怒りを沸々と燃え上がらせます。

 一方、前回の放送で出所した“小しゃぶ”こと小島悠里(猫背椿)が、シャバの空気に耐えきれず再び薬物に手を出し出戻りしたため、カヨたちはショックを受けます。また、世間ではしのぶ犯人説が揺るぎないものになっていることや、カリスマ経済アナリストとして獄中にいても人気を保っていると思い込んでいた“財テク”のメルマガが半年前に休止になっていること、“姉御”の旦那で暴力団組長の鉄也(高田純次)が若い女と再婚したことなど、外の情報がもたらされ衝撃を受けるのです。

 カヨもまた、旦那の武彦(赤堀雅秋)との離婚が成立し、出所しても帰る場所を失ってしまいます。その寂しさと勇介ロスで落ち込むのですが、母の日の慰問コンサートで子どもたちが童話『おかあさん』を合唱する姿を見て感動。喪失感を吾郎への怒りに転換させて復讐することを決心し、翌朝の朝食時に雑居房のメンバーと共に「月に代わってお仕置き!」と、某セーラー戦士の決め台詞を拝借して決意表明したところで今回は終了となりました。

 さて感想。回を増すごとに面白さがアップしている同ドラマですが、今回も前回以上にクスっとさせられるシーンが多かったです。特に面白かったのが、吾郎・監禁シーンでの“先生”ことふたばのひとり芝居。ふたばは吾郎の秘書を務めているため、姿が見えないことを不審に思った刑事が晴海に電話をかけさせてきたんですね。

 そこでふたばは、共犯者だとバレないように犯人たちに襲われたフリをしたのですが、吾郎にビンタし、ベルトを鞭のように床に叩きつけながら、「ババアの群れが! ババアの群れが(襲ってきた)!」などと絶叫。通話が切れるとカヨたちが冷めた目をしながら「先生、ババアはなしです」と咎めるのですが、前回の放送で、吾郎が「おばさん」と言った際にふたばだけが怒らない、というくだりがあったことも相まって笑ってしまいました。

 また、刑事に疑われることを恐れて一旦、ふたばは吾郎の家に向かうことになるのですが、「コンビニ寄るけど何かいる人?」という問いかけに対して、財テクが「わたしあれよ、まん、まん……」と何やら思い出せない様子を見せ、他のメンバーから「肉まん?」「チャッカマン?」ときたところでカヨが「ハッピーターン?」と言うくだりもおばさん特有の天然ボケな感じが伝わり面白かったです。

 初回から第3話あたりまでは、こういったストーリーに関係のない小ネタが滑りまくっていたためテンポが悪く感じられたのですが、前々回あたりから主要キャスト陣の呼吸が噛み合い、笑わせるシーンがありつつも吾郎への復讐に至った経緯が淀みなく展開されたため、今回の復讐決意シーンもすんなりと受け入れることができました。また、細かい伏線が数多く散りばめられ、それが今後どのように回収されていくのかも楽しみ。次回の放送が待ちきれません。
(文=大羽鴨乃)

“勇介ロス”に襲われ……『監獄のお姫さま』帰る場所を失ったおばさんたちが、月に代わってお仕置き宣言!

 人気脚本家・宮藤官九郎による復讐コメディードラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の第6話が21日に放送され、平均視聴率7.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.1ポイント減となりました。

 まずは、これまでのあらすじを少し。2017年のクリスマス・イブ、元囚人の馬場カヨ(小泉今日子)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)、勝田千夏(菅野美穂)と元刑務官の若井ふたば(満島ひかり)の5人は、EDOミルク社・社長の板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐。その背景には、6年前に起こった横田ユキ(雛形あきこ)殺害事件の罪を、当時婚約者だった“爆笑ヨーグルト姫”こと江戸川しのぶ(夏帆)に吾郎が押しつけたことを証言させ、再審請求しようという目的があったのです。

 その吾郎・監禁シーンと、カヨたちが女子刑務所で出会い親密になっていく6年前のシーンが行き交うカタチでドラマは展開。前回、しのぶが勇介と名付けた息子を出産し、カヨたちと共に育てたものの、規則により1年半で別れることに。そして、実の母の裏切りにあい、勇介を吾郎に奪われてしまったところまでが描かれました。

 さて今回は、勇介がいなくなってしまったことでしのぶだけでなくカヨたちも元気を失ってしまったところからスタート。美容師免許の取得に励むカヨは勇介の姿ばかりを思い出してしまい集中できず、カットの練習ではマネキンの髪型をすべて角刈りに。“姉御”こと明美や“財テク”こと千夏も重度の勇介ロスに陥ってしまい、それぞれの作業に集中できないでいるのです。

 そんな中、吾郎が西川晴海(乙葉)と再婚したことが報じられ、勇介を我が子のように抱く晴海の姿が週刊誌に掲載されたことで、カヨたちは吾郎への怒りを沸々と燃え上がらせます。

 一方、前回の放送で出所した“小しゃぶ”こと小島悠里(猫背椿)が、シャバの空気に耐えきれず再び薬物に手を出し出戻りしたため、カヨたちはショックを受けます。また、世間ではしのぶ犯人説が揺るぎないものになっていることや、カリスマ経済アナリストとして獄中にいても人気を保っていると思い込んでいた“財テク”のメルマガが半年前に休止になっていること、“姉御”の旦那で暴力団組長の鉄也(高田純次)が若い女と再婚したことなど、外の情報がもたらされ衝撃を受けるのです。

 カヨもまた、旦那の武彦(赤堀雅秋)との離婚が成立し、出所しても帰る場所を失ってしまいます。その寂しさと勇介ロスで落ち込むのですが、母の日の慰問コンサートで子どもたちが童話『おかあさん』を合唱する姿を見て感動。喪失感を吾郎への怒りに転換させて復讐することを決心し、翌朝の朝食時に雑居房のメンバーと共に「月に代わってお仕置き!」と、某セーラー戦士の決め台詞を拝借して決意表明したところで今回は終了となりました。

 さて感想。回を増すごとに面白さがアップしている同ドラマですが、今回も前回以上にクスっとさせられるシーンが多かったです。特に面白かったのが、吾郎・監禁シーンでの“先生”ことふたばのひとり芝居。ふたばは吾郎の秘書を務めているため、姿が見えないことを不審に思った刑事が晴海に電話をかけさせてきたんですね。

 そこでふたばは、共犯者だとバレないように犯人たちに襲われたフリをしたのですが、吾郎にビンタし、ベルトを鞭のように床に叩きつけながら、「ババアの群れが! ババアの群れが(襲ってきた)!」などと絶叫。通話が切れるとカヨたちが冷めた目をしながら「先生、ババアはなしです」と咎めるのですが、前回の放送で、吾郎が「おばさん」と言った際にふたばだけが怒らない、というくだりがあったことも相まって笑ってしまいました。

 また、刑事に疑われることを恐れて一旦、ふたばは吾郎の家に向かうことになるのですが、「コンビニ寄るけど何かいる人?」という問いかけに対して、財テクが「わたしあれよ、まん、まん……」と何やら思い出せない様子を見せ、他のメンバーから「肉まん?」「チャッカマン?」ときたところでカヨが「ハッピーターン?」と言うくだりもおばさん特有の天然ボケな感じが伝わり面白かったです。

 初回から第3話あたりまでは、こういったストーリーに関係のない小ネタが滑りまくっていたためテンポが悪く感じられたのですが、前々回あたりから主要キャスト陣の呼吸が噛み合い、笑わせるシーンがありつつも吾郎への復讐に至った経緯が淀みなく展開されたため、今回の復讐決意シーンもすんなりと受け入れることができました。また、細かい伏線が数多く散りばめられ、それが今後どのように回収されていくのかも楽しみ。次回の放送が待ちきれません。
(文=大羽鴨乃)

高橋一生の“エロシーン完全消滅”で6.9%自己最低更新! フジ月9『民衆の敵』がテコ入れか

 女優・篠原涼子主演の市政ドラマ『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ系)。20日放送の第5話の平均視聴率は、前回から0.7ポイントダウンの6.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、残念ながら自己最低でした。

 前回、唯一の見どころとも言うべき高橋一生のエロシーンがなく、首を垂れた視聴者も多いことでしょう。今回こそは、第3話の“生クリームぺろんちょシーン”ばりの激エロシーンがあることを願いつつ、あらすじを振り返ります。

※前回までのレビューはこちら
http://www.cyzo.com/tag/民衆の敵

■数字が見えない……

 仕事で子どもの芋掘り遠足に同行することがかなわなかったおバカ市議会議員の智子(篠原)。市議の藤堂(高橋)から「ワーク・ライフ・バランス」という言葉を教えられると、早速、自身のTwitterに「長期休暇を取ろうと思います」とツイート。すると、普段、目立った活動報告をしていない智子のTwitterは、たちまち炎上してしまいます。

 そんな中、智子宛てに封書が届き、中には「汚職まみれの人がいます」とのタレコミが。これを受け、今度は「汚職まみれの人がいるとの情報が届きました」とツイート。

 そうこうしていると、告発者の男から智子に「資料、今夜、ご自宅に届けます」との電話が。その夜、藤堂や未亜(前田敦子)、岡本(千葉雄大)と共に自宅で手巻き寿司パーティーを開いていると、ピンポーンと例の書類が。その内容は、児童会館建設計画の建設業者選定に関する資料が2枚。一見、同じ資料に見えますが、請負業者・牧村建設の入札額が、それぞれ「250,000,000」と「200,000,000」で異なっています。

 ところで、この数字が読み取れた視聴者って、どのくらいいたのでしょうか? セリフによる金額の読み上げもなく、カメラの切り替えも早い上、ほかにもいろいろな数字が並びすぎていて、筆者は1回では読み取れませんでした。これ以外にも、今回は全体的に説明が少なく、集中していないと置いていかれる印象。もう、月9的な“わかりやすさ”は捨てたのでしょうか?

■笑えない展開に

 牧村建設の社長が河原田市長(余貴美子)の後援会長であることから、市長の汚職を疑う智子たち。この資料だけでは証拠にならないものの、軽率な智子は「汚職というのは、児童会館建設みたいです」とツイート。市長派の岡本に注意され、すぐに削除するも、時すでに遅し。市長の疑惑が公となり、マスコミが殺到します。

 この後、市長を目の敵にしている“市議会のドン”こと犬崎(古田新太)が、市長の汚職の証拠を入手したと記者にコメント。しかし、市長はなぜか余裕の表情です。

 一方、そんな市長に忠誠を尽くす私設秘書の望月(細田善彦)は、慌てた様子で「ゆっくん! ちゃんと話そうよ!」と、旅支度をする福祉課職員の小野(猪塚健太)の自宅のドアをドンドン! 小野がドアの隙間から5,000万円の振込用紙のコピーを差し出すと、望月は「どうしてこんなもん、残しといたの。まさか、まさか……」と泣き出します。

 どうやら望月と小野はゲイカップルだったようで、2人で市長の政治資金を作るために共謀。2億円で入札していた牧村建設に2億5,000万円で入札し直させ、そのうち5,000万円を望月がプールしていたようです……多分(今後、別の真実が出てくるかも?)。

 この後、市長を追及するため百条委員会が開かれるも、望月が飛び降り自殺したことが発覚。犬崎が証拠を提示する前にお開きとなってしまいます。

 また、望月は死ぬ前、動画投稿サイトに「このたびの件は、全て私が独断でしたことです」と語る自身の動画を投稿。記者会見を開いた市長も「全ては望月の一存」と秘書を切り捨て、身の潔白を主張。さらに、市民の信任を問う形で市長を辞任し、市長選に再出馬すると声明を出します。

 これに、「会派から市長を出すぞ!」と大盛り上がりの犬崎派。それを見て、智子は「望月さん死んじゃったんですよ! もう選挙の話ですか!」「政治ってそんなんでいいんですか!?」と吠えますが、最後は犬崎から「市長になってくれないか」と出馬を要請され、第5話は終了です。

■真面目路線へシフトか

 これまで、主人公が初報酬で焼き肉パーティーを開いたり、刑事ばりに誘拐犯の冤罪を証明したり、さびれた商店街に子ども食堂を作ったりと、コメディドラマらしいほのぼのとした展開が続いていた同作ですが、今回から突然、笑えない展開に。そりゃあ、こんな展開じゃあ、これまで放送後、毎週のように解説ツイートをしていた千葉市の熊谷俊人市長も、今週はダンマリしちゃいますよ。

 筆者個人的には、女政治家版『GTO』(同)的な路線で、市政をどこまでもポップに描き続けてほしかったので、非常に残念。だって、組織の汚職系どろどろドラマって、面白いのいくらでもあるし。やっぱり、第2話で子どものおもちゃをまき散らしながら演説していたときのような、“かっこかわいい”智子の姿が見たいんですよ。

 でも、もしかしたら、これってテコ入れ? この視聴率のままだったら、1話削られそうですしね。そうなると今後、ますます真面目路線が続きそうな予感も……。

 そんなことより、一生のエロシーン、どこ行った!! 以前は無駄に裸になったり、無駄にデリヘル嬢役の女の子とイチャイチャしてたのに、今や鎖骨のひとつも見せやしないじゃないか! 前回、一生のお色気がなかったから、視聴率下がったんじゃないの? やーい。

 というわけで、ゲイの秘書が自殺するという全く笑えない展開がぶっ込まれた『民衆の敵』。この路線変更が今後の視聴率にどう影響するのか、ある意味、楽しみです!
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

 

高橋一生の“エロシーン完全消滅”で6.9%自己最低更新! フジ月9『民衆の敵』がテコ入れか

 女優・篠原涼子主演の市政ドラマ『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ系)。20日放送の第5話の平均視聴率は、前回から0.7ポイントダウンの6.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、残念ながら自己最低でした。

 前回、唯一の見どころとも言うべき高橋一生のエロシーンがなく、首を垂れた視聴者も多いことでしょう。今回こそは、第3話の“生クリームぺろんちょシーン”ばりの激エロシーンがあることを願いつつ、あらすじを振り返ります。

※前回までのレビューはこちら
http://www.cyzo.com/tag/民衆の敵

■数字が見えない……

 仕事で子どもの芋掘り遠足に同行することがかなわなかったおバカ市議会議員の智子(篠原)。市議の藤堂(高橋)から「ワーク・ライフ・バランス」という言葉を教えられると、早速、自身のTwitterに「長期休暇を取ろうと思います」とツイート。すると、普段、目立った活動報告をしていない智子のTwitterは、たちまち炎上してしまいます。

 そんな中、智子宛てに封書が届き、中には「汚職まみれの人がいます」とのタレコミが。これを受け、今度は「汚職まみれの人がいるとの情報が届きました」とツイート。

 そうこうしていると、告発者の男から智子に「資料、今夜、ご自宅に届けます」との電話が。その夜、藤堂や未亜(前田敦子)、岡本(千葉雄大)と共に自宅で手巻き寿司パーティーを開いていると、ピンポーンと例の書類が。その内容は、児童会館建設計画の建設業者選定に関する資料が2枚。一見、同じ資料に見えますが、請負業者・牧村建設の入札額が、それぞれ「250,000,000」と「200,000,000」で異なっています。

 ところで、この数字が読み取れた視聴者って、どのくらいいたのでしょうか? セリフによる金額の読み上げもなく、カメラの切り替えも早い上、ほかにもいろいろな数字が並びすぎていて、筆者は1回では読み取れませんでした。これ以外にも、今回は全体的に説明が少なく、集中していないと置いていかれる印象。もう、月9的な“わかりやすさ”は捨てたのでしょうか?

■笑えない展開に

 牧村建設の社長が河原田市長(余貴美子)の後援会長であることから、市長の汚職を疑う智子たち。この資料だけでは証拠にならないものの、軽率な智子は「汚職というのは、児童会館建設みたいです」とツイート。市長派の岡本に注意され、すぐに削除するも、時すでに遅し。市長の疑惑が公となり、マスコミが殺到します。

 この後、市長を目の敵にしている“市議会のドン”こと犬崎(古田新太)が、市長の汚職の証拠を入手したと記者にコメント。しかし、市長はなぜか余裕の表情です。

 一方、そんな市長に忠誠を尽くす私設秘書の望月(細田善彦)は、慌てた様子で「ゆっくん! ちゃんと話そうよ!」と、旅支度をする福祉課職員の小野(猪塚健太)の自宅のドアをドンドン! 小野がドアの隙間から5,000万円の振込用紙のコピーを差し出すと、望月は「どうしてこんなもん、残しといたの。まさか、まさか……」と泣き出します。

 どうやら望月と小野はゲイカップルだったようで、2人で市長の政治資金を作るために共謀。2億円で入札していた牧村建設に2億5,000万円で入札し直させ、そのうち5,000万円を望月がプールしていたようです……多分(今後、別の真実が出てくるかも?)。

 この後、市長を追及するため百条委員会が開かれるも、望月が飛び降り自殺したことが発覚。犬崎が証拠を提示する前にお開きとなってしまいます。

 また、望月は死ぬ前、動画投稿サイトに「このたびの件は、全て私が独断でしたことです」と語る自身の動画を投稿。記者会見を開いた市長も「全ては望月の一存」と秘書を切り捨て、身の潔白を主張。さらに、市民の信任を問う形で市長を辞任し、市長選に再出馬すると声明を出します。

 これに、「会派から市長を出すぞ!」と大盛り上がりの犬崎派。それを見て、智子は「望月さん死んじゃったんですよ! もう選挙の話ですか!」「政治ってそんなんでいいんですか!?」と吠えますが、最後は犬崎から「市長になってくれないか」と出馬を要請され、第5話は終了です。

■真面目路線へシフトか

 これまで、主人公が初報酬で焼き肉パーティーを開いたり、刑事ばりに誘拐犯の冤罪を証明したり、さびれた商店街に子ども食堂を作ったりと、コメディドラマらしいほのぼのとした展開が続いていた同作ですが、今回から突然、笑えない展開に。そりゃあ、こんな展開じゃあ、これまで放送後、毎週のように解説ツイートをしていた千葉市の熊谷俊人市長も、今週はダンマリしちゃいますよ。

 筆者個人的には、女政治家版『GTO』(同)的な路線で、市政をどこまでもポップに描き続けてほしかったので、非常に残念。だって、組織の汚職系どろどろドラマって、面白いのいくらでもあるし。やっぱり、第2話で子どものおもちゃをまき散らしながら演説していたときのような、“かっこかわいい”智子の姿が見たいんですよ。

 でも、もしかしたら、これってテコ入れ? この視聴率のままだったら、1話削られそうですしね。そうなると今後、ますます真面目路線が続きそうな予感も……。

 そんなことより、一生のエロシーン、どこ行った!! 以前は無駄に裸になったり、無駄にデリヘル嬢役の女の子とイチャイチャしてたのに、今や鎖骨のひとつも見せやしないじゃないか! 前回、一生のお色気がなかったから、視聴率下がったんじゃないの? やーい。

 というわけで、ゲイの秘書が自殺するという全く笑えない展開がぶっ込まれた『民衆の敵』。この路線変更が今後の視聴率にどう影響するのか、ある意味、楽しみです!
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

 

嘘だといってよ、ミッチー! 衝撃的すぎる展開に視聴者が引いてしまった『明日の約束』第5話

「僕と結婚してほしい。僕は日向(ひなた)の味方だから。今はそんなタイミングじゃないと分かっているけど。いや、やっぱり今のはなしにしよう。どこか夜景の見えるレストランを予約して、指輪も用意して……」

 井上真央主演の社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)の第5話。スクールカウンセラーである日向先生(井上真央)が、息子を自殺で失ったセレブ主婦・真紀子(仲間由紀恵)と実の母親である尚子(手塚理美)からW“毒親”攻撃をくらっているのを見かねた恋人の本庄(工藤阿須加)はついにプロポーズの言葉を。いきなり求婚の言葉を口にしながら、「プロポーズはシャレたシチュエーションで婚約指輪をさりげなく渡し、一生の甘い思い出に」という理想像にこだわってすぐに撤回しようとする本庄の慌てんぼうぶりは、日向先生にはちょっと頼りないけど愛らしい存在として映ります。尚子が文鳥のピッピちゃんを飼っているように、日向先生にとっては年下の本庄は図体のでかいペットみたいなものなのかもしれません。

「いいよ、結婚しよう。でも、学校のことが落ち着いてからね」

 大学時代からの先輩でもある日向は、常に本庄に対して上から目線で接しています。尚子が少女時代の日向をずっとコントロールし続けたように、日向もまた邪気のない本庄をコントロールする立場に立とうとしているようです、しかも無意識のうちに。プロポーズの返事にドキドキしていた本庄ですが、とりあえず日向の合意をもらえ、ひと安心。その直後の日向とのラブシーンですが、今回もキスはお預けでハグ止まりでした。最高にハッピーなはずのプロポーズシーンながら、結婚後の日向の将来像を感じさせる一抹の怖さがありました。日向は自分が母親になったとき、自分も毒親になるのではないかとかなり苦しむのではないでしょうか。

 みなさんお待ちかね、今週の尚子の時間です。前回は“大魔神”に瞬間変身してみせるなど張り切りすぎたため、今回は省エネモードの尚子でした。生徒たちへの聞き取り調査を行った晩、日向が自宅に帰ってくると、尚子は風邪を引いているらしくリビングのソファーで静かに横になっていました。そんな尚子のために、日向はリンゴを擦り下します。日向と尚子との初めての母娘らしい心温まるシーンでした。

 毎週楽しみにしていた恐怖の洗脳ノート「明日の約束」は読み上げられませんでしたが、「病気のときだけ、母は優しくしてくれた」と数少ない尚子との幸せだった記憶を日向は懐かしみます。毒親の体調が悪いときだけの束の間の幸せですが、人生とはこんな小さな幸せを噛み締めながら生きていくことなのかもしれませんね。

 

■盗聴、偽装メールは当たり前!? 毒親という名の家庭内独裁者

 

 第5話はこのまま日向先生の幸せモード全開で逃げ切れるかと思いきや、最凶毒親・真紀子がそれを許してはくれません。「鎌倉からイジメを根絶する会」の顧問弁護士と子どもがイジメの被害にあった不幸そうな母親たちを従え、記者会見を堂々と開きます。「息子・圭吾が自殺したのはバスケ部内のイジメとそれを知りながら不適切な対応しかしなかった高校側の責任」と公的に攻撃を開始したのです。仲間由紀恵の真紀子用メークは真っ白い顔に目のフチだけ赤くなっていて、泣きはらした悲劇の母親にも、目だけ赤く濡れ光っているモンスターのようにも映り、妙に怖いんですよ。

 記者会見の場で真紀子は、「圭吾がバスケ部の先輩からタバコを吸うことを強要されていた証拠があります」と圭吾(渡辺健慎)の部屋でバスケ部のキャプテン・長谷部(金子大地)がタバコを吸っていた際の音声データを流します。どよめく記者たち。視聴者もどよめきました。やっぱり真紀子は、息子・圭吾の部屋を盗聴&録音していたのです。しかも、週刊誌記者の小嶋(青柳翔)の情報によれば、圭吾が自殺したのは夜中の2時から朝方の5時の間。つまり、長谷部が登校中に受け取った圭吾からのラストメール「僕は、先輩のせいで死にます」は圭吾本人が送ったものではないことが判明します。真紀子は圭吾の部屋を盗聴していただけでなく、圭吾に成り済まして偽メールも送っていたようです。息子の自殺した責任を、バスケ部や学校側に全部押しつけようという真紀子の恐るべき陰謀が明るみになったのでした。

 第5話の衝撃はまだ終わりません。長谷部が校内で暴れていた様子を動画に撮ったのは圭吾と同じクラスだった1年B組の渡辺(堀家一希)だったことが発覚します。バスケ部員たちに取り囲まれた渡辺は「動画は撮ったけど、ネットにはアップしていない。データが盗まれたんだ。多分、翌日の体育の時間に」と素直にゲロします。

 体育の授業中に、誰もいない教室に入っても不自然ではないのは、担任教師である霧島先生(及川光博)だけです。なんと、ミッチーが影で騒ぎを操っていた!? 確かに、ただの善意の塊のような教師役に、トリックスターであるミッチーをキャスティングするのは不自然です。映画『僕だけがいない街』(16)でも二面性のある教師役を嬉々として演じていた過去があります。ミステリーとしては意外性のある展開は評価されるものですが、常にトラブルの最前線に立つ霧島先生のことをすっかり信用していただけに、これは日向先生ならずとも視聴者も大ショックです。『相棒13』(テレビ朝日系)の最終回でダークナイトの正体が成宮寛貴だった級の衝撃です。お願いだから、嘘だといってよ、ミッチー!

 さらにラスト近く、圭吾が自殺したのは自分のせいではないことが分かってうれし泣きしていた長谷部ですが、いつものように個人練習に励んでいた夜の公園で黒づくめの人物からスタンガンで襲われます。ハロウィンの夜にバスケ部顧問の辻先生(神尾佑)が襲われたのと同じ手口です。この襲撃犯はてっきり圭吾の自殺事件を知った愉快犯、しかも屈強な男性と思っていたのですが、ここに来て視聴者の頭の中の容疑者リストの筆頭に、圭吾の幼なじみだった香澄(佐久間由衣)が急浮上。たしかに佐久間由衣は身長170cmあるので、夜間にもったりした衣服を着ていれば男性にも見えるでしょう。香澄は毒親・真紀子と直接繋がっているとは思えませんが、動画のマスコミへの流失事件も含め、真紀子の思惑どおりにすべての物事が進んでいるではありませんか。

 もはや、誰が日向先生の味方で、誰が敵なのか、まるで分からなくなってきた『明日の約束』第5話。視聴率は先週微増した5.8%から再び下降して5.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)に。テーマ性のはっきりしたドラマなので途中打ち切りはないと信じたいところですが、5%を切ってしまうと打ち切り説も噴き出しかねない超危険水域となってしまいます。また、今後このような意欲的な社会派ドラマは製作されにくくなるでしょう。視聴率にも見放された感のある『明日の約束』。日向先生の明日はいったいどっちでしょうか?
(文=長野辰次)