『隣の家族は青く見える』主役・深田恭子が「損してる」!? ミスチルかけて「はい感動」では……

 ある集合住宅(コーポラティブハウス)を舞台に、そこに住む4組それぞれの「家族」の価値観の違いを軽やかに描く『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)の第2話が放送された。視聴率は第1話の7.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)から6.2%と、ややダウン。評判は悪くないようなのだが、厳しい数字に。

 深田恭子・松山ケンイチが主演ではあるが、群像劇の面が強く、第1話では一見うまくいってそうな4組の「家族」にある、それぞれの不満や悩みの種が紹介された。早くも大きく衝突してしまった第2話を振り返ります。

(前回のレビューはこちらから)

 

■メインの4組をおさらい

 

・五十嵐大器(松山ケンイチ)と五十嵐奈々(深田恭子)の新婚夫妻。不妊症が発覚、不妊治療を開始しだす。

・川村亮司(平山浩行)と杉崎ちひろ(高橋メアリージュン)の結婚を控えたおしゃれカップル。子どもは絶対いらないと断言するちひろに対し、前妻が急死し、妻の元にいる実子を案じだす川村。

・小宮山真一郎(野間口徹)と小宮山深雪(真飛聖)と子ども2人からなる、一番わかりやすい家族。深雪は、ちひろのブランド品を妬んだり、自分の価値観(女は子どもを持つのが幸せ)を押し付けがち。求職中の真一郎を恥じてひた隠しにし、真一郎もその扱いに抗えないでいる。

・広瀬渉(眞島秀和)青木朔(さく・北村匠海)の男性同士のカップル。広瀬のもとに奔放な朔が押しかけてきて同棲開始。その関係は周囲に公言していない。

 

■広がる火種

 

 生活が進むにつれ、集合住宅内ではいろいろ火種が広がりつつある。

 今回も先陣を切ってかき混ぜだすのは、詮索好きの専業主婦・小宮山深雪。おすそ分けをしつつ各家庭を覗き込もうとしたり、ゴミの出し方や花壇の水やりを仕切り、中庭バーベキューを定期開催したがるなど、周囲の家庭にぐいぐい踏み込もうとしてくる。

 深雪に、職が見つかるまで仕事に行ってるフリをしろと言われている夫の真一郎は、ネットカフェで時間を潰す毎日。家では深雪に罵られてばかりで居場所がない。

 天敵といっていいほど深雪と価値観の合わないネイリストの杉崎ちひろは、前回に続き深雪に対する嫌悪感が増してる様子。そんなちひろに隠れて、パートナー川村は亡くなった前妻が育てていた10才になる実子・亮太(和田庵)と接触を繰り返すが、5年ぶりということもありなかなか打ち解けられない。

 一方、広瀬たちカップルもギクシャクしだす。

 中庭で奈々と何気ない会話をしていた(青木)朔を慌てて呼び寄せ「他の住人とは関わるなって言ったよね?」と、とがめる広瀬。

「じゃあ俺は一生誰にも会わないように、この家に隠れていればいいわけね?」

 関係を隠すことなく自由に振る舞いたくてイラつく朔と、関係をまだ隠ししておきたくて朔の振る舞いに慌てる毎日の広瀬。異性同士でもよくあることなのかもしれないが、秘め事の意識が強い広瀬の狼狽ぶりは激しい。

 

■奈々と朔が急接近

 

 みなが遠回しに敬遠しだす深雪を、唯一、家に上げて普通に接したり、まだ距離感のあり得体の知れない人物であるはずの朔に分け隔てなく接するなど、このコーポの良心とも呼びたくなる「いい人」の奈々。だが、自分の不安や悩みを表に出すのは苦手なようだ。

 前回、いきなり妊娠していることが発覚した第5の「家族」ともいうべき大器の妹・五十嵐琴音(伊藤沙莉)と両親が営む焼き鳥屋の従業員・糸川啓太(前原滉)の「出来ちゃった」カップルがいるのだが、母親(高畑淳子)の口うるささに「あーあ、妊娠なんかするんじゃなかった」と嘆く琴音の言葉に、奈々は敏感に反応してしまう。誰にも言えないが、焦っているようだ。

 その夫・大器は毎晩振る舞われる「妊娠に効きそう料理」や医者に言われた「タイミング」での子作り行為の波状攻撃に「子作り意識しだしてから、全然楽しくなくなったんだよなあ」と後輩・矢野朋也(須賀健太)を前にボヤく。

 しかも約束してた「タイミング」の日に、自身の開発した玩具のクレームで深夜に帰宅するなど、いろいろうまくいかない。

 そんな中、子宮卵管造影検査を控え、中庭で不安そうな奈々に気づいた朔が声をかけることで2人は打ち解け出す(ちなみに、この検査でも大器の精子の検査でも、異常はなかった)。

 雪が積もっても、そんなに寒くても花を咲かすという庭の植物(クリスマスローズ)を指し「たぶん、咲きたいって気持ちが大っきいんだろうね」「人間も同じだよね。辛いことや苦しいことの先に喜びや幸せがあるってわかっていたら、前に進める」「奈々ちゃんはあるの? 今くじけそうになってることの先に希望、ある?」と問いかける。戸惑いながらも「うん、ある」と答える奈々に「じゃあ、頑張れるんじゃない」と微笑む朔。「朔ちゃん」と呼びはじめた奈々が心を許したのがわかる。

 朔はこの後、広瀬が同僚の長谷部留美(橋本マナミ)と仲良さげに帰っている職場近くの夜道に突然現れ、「いつも『叔父』が! お世話になってます」とプレッシャーをかけたりと攻撃的な一面を見せるのだが、それも奈々に対して言った「希望」に裏打ちされた行動なのだろう。

 まだ広瀬の意向で押さえつけられているが、何かしでかしそうな朔は、おそらくこの物語を動かすキーマンになってきそうだし、北村自身も強い印象を残しそうな役だ。

 

■幸せなそうな側面も

 

 例えばちひろは、深雪のいきなりのおすそ分け訪問(玄関で阻止)にイライラしながらも深雪の手作り菓子を頬張り、川村と美味しいと笑い合ったり、深雪は深雪で自分が勧めた「マクロビ」や「グルフル(グルテンフリー)」の話を奈々がちゃんと聞いてくれているときに実にうれしそうだったり、その奈々も子作りがうまくいかず落ち込んでる時、「一人全自動(歯磨き)」という芸を披露して和ませる大器に優しさを感じたり、広瀬も、言うことを聞かない朔にイラつきながらも「朔~仕事終わったよ~」と笑顔で帰宅する様子に気持ちが溢れていたり、つわりで苦しむ琴音のために高額なスイカを買ってきてくれたり頼りなさそうな夫・糸川啓太だったり、それぞれが不満や問題を抱える反面、幸せを感じている部分があることもちゃんと見せている。

 それぞれの価値観の中で、各々が見落としがちな幸せを描いているのだが、これらが、ややもすれば重めになりすぎる内容を見やすくしており、力の抜けたテイストを生み出している。一方で、これをヌルさと取る人は物足りないドラマだと感じるだろうし、難しいところだ。

■ついに引火する火種

 

 妻の待つ家に帰るのを恐れ、中庭でこそこそしていた真一郎を自宅に招く大器。最初は、大器だけだと思っていたのに、奈々がエロいカッコで出迎えてしまったりと微笑ましい空気だったが、前職の愚痴を語る真一郎の口が止まらなくなる。

「家族のために働いてるのに、家族と少しも一緒にいられないなんて虚しいじゃないですか?」

「だから思い切って辞めたのに、妻には非難され邪魔にされてるっていう……」

 絶対に公言しないようにと深雪に言われているのだが、もう限界なのだろう。

「結局は男なんてただの金ヅルなのかもしれないですね……」と自嘲気味に笑う真一郎を2人は慰めるが、自宅に帰るなり、深雪は「帰宅が遅い」「再就職はまだか?」と非難轟々。限界を超えてしまいそうなほど重すぎる足取りでリビングから消えていく。

 真一郎が帰った後、子作りのプレッシャーに対し「本当は嫌になってるんじゃないの?」と奈々に図星を突かれて慌てる大器。この辺の双方の都合の裏表がリアルだ。

 名古屋の前妻の実家では「亮太はいずれ僕が引き取ります」と義母に宣言する川村の姿が。自分のことを想う父の気持ちを知った諒太は、一緒にゲームをしながら「行ってもいいよ、東京……」と徐々に心を開きだす。かなり昔のドラマのような、少し懐かしいテイストのシーン。

 しかし、実子とこっそり会っている幸せそうなその姿を、驚かそうと名古屋までやってきたちひろに目撃されてしまう。

 一方、コーポでは川村たち以外の全員でバーベキューの真っ最中。ショックを受けて先に帰宅したちひろを、何も知らない深雪がいつものように囃し立てる。

「お2人とも、そろそろ真剣に子作りした方がいいと思うのよね……」

「どんなに見た目年齢が若くても、子宮や卵巣は若作りできないじゃなーい?」

 我慢できないタイミングだけに、ちひろはついにキレる。

「子ども作んないとなんかまずいんですか?」

「子どもを作って少子化に歯止めをかけることだけが女性にできる社会貢献じゃないですよね? 例えば会社の同僚が妊娠して産休を取る。その抜けた穴は男性社員や独身者、子どものいない既婚者が埋めてるんです。働いてるってだけで十分社会貢献してるのに、他人の尻拭いまでしてるんだから文句言われる筋合いないと思いますけど!」

 深雪ももちろん言い返す。

「あなただっていずれ子持ちになるんだから、お互い様なんじゃないですか?」

 だが名古屋で何かがフル充電されているちひろは止まらない。

「わたしは子どもなんが嫌いだし、母親になんか絶対なりたくない!」

「自分の物差しだけで他人を測るなって言ってんのよ!」

 血色ばむそのマイクパフォーマンスはプロレスラーのように勇ましいし、見た目もちょっとそう見えた。

 ここで主役の奈々の出番。

「もうやめましょうよ! 子どもがいる人もいない人も、働いてる人も働いていない人も、いろんな人がいていいじゃないですか? どうしてみんな同じじゃないといけないんですか? みんな違っててもいいじゃないですか?」

 いきなりこのドラマの主題をつらつらと説明する奈々。というか深キョン。正直、2人のケンカが迫真だっただけに、少し演技的に損をしたかもしれない。このキャラ自体、深キョンが演じやすいように当て書きされてるのか、ここまでさほど違和感は感じなかったんですが、少々「ん?」ってなってしまいました。

 そしてこれは芝居の問題ではないが、奈々のセリフがあまりに正論というか、いきなり正解のサンプルみたいな言葉を、主役だからって理由で奈々に言わせてる感じが響かないというか……盛り上げた場面を突然トンビが油揚げ持ってくような唐突さを感じました。いい題材なだけに、全部言葉で言わせて、ミスチルかけて「はい感動」って感じが少し残念。

 なんとなく最終回みたいな空気すら感じる煽り方な気もしたが、このドラマは主題がぶちあげられたここからが本当のスタートなのだろう。

「今日のところはお開きにしておいた方がよさそうですね」「小宮山さんが謝ることじゃないですから」と、大人な対応をする大器だが、別れ際に奈々に手を振る朔をかなり強めに睨みつけ、別の火種がくすぶりだす。

 誰もいなくなった中庭で「やめろよ、こんなところで」と言いながら、そこそこゆったりめのキスをして、まんまと奈々に見られてしまうわたるん(広瀬)&朔。あれだけ必死に隠していながら中庭の真ん中でしたら、そりゃそうなるだろというガバガバな演出に謎は残りましたが、広瀬は酒に酔っていたのでしょう。

 印象に残ったのは、五十嵐家で真一郎が愚痴を漏らしつつ、大器や奈々をうらやむシーン。

「うちなんて子ども向けの料理ばっかりですよ……こんなスタミナ料理なんて並んだことないもんなあ、うらやましいなあ」

 そうやって真一郎が羨ましがる大器と奈々は、その「子ども」を授かれなくて苦労している。円満に子どもを育てているからこその「子ども向けの料理」なのだが、真一郎にも、もちろん深雪にも、よそは「青く」見えているのだろうし、奈々にも、親の干渉を鬱陶しがる琴音の姿や、いろいろ言われながらも当たり前のように子育てをしている深雪の姿は「青く」見えているのかもしれない。奈々がもう正解を言ってしまったこの後、ドラマがどう展開するのか来週も楽しみです。
(文=柿田太郎)

木村拓哉、強い! 15.1%好調キープの『BG』キムタクファン以外を完全に切り捨てた作劇に見どころはあるのか

 木村拓哉が民間会社に勤めるボディガードを演じているドラマ『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)の第2話。視聴率は15.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調キープ。鉄板だった『ドクターX』の後枠だけに、テレ朝としてはもう少し数字が欲しいところでしょうが、前回「くっそつまらんから視聴率ダダ下がりするだろ!(要約)」と書いてしまったことについては、ひとまず謝罪いたします。ごめんなさい。

 というわけで、第2話を振り返ります。前回はキムタクに大した見せ場がなかったと書きましたが、今回は一転してキムタク礼讃、キムタク神輿でございました。

(前回のレビューはこちらから)

 

■導入から雑だなぁ……

 

 その前に、普段このレビューは基本的に役名で書いてるんですが、このドラマ、どうにも人物たちの名前が頭に入ってこないんです。キムタクは「島崎章(しまざき・あきら)」なんですが、島崎感ゼロ。まったくもってキムタクですし、ほかの面々も、なんだか“このドラマなりの人物像”が見えてこない。なので、役名ではなくそれぞれの芸名で話を進めたいと思います。

 さて、今回キムタクがガードするクライアントは、裁判官の奥さんです。冒頭、この裁判官についてワイドショーの報道という形で紹介されました。

 いわく、老人ホームで働いていた介護士が入所中の高齢者2人を殺害。一審では死刑判決が下されたものの、二審の高裁では弁護側が新証拠を提出し、逆転無罪の予測もあるのだそうです。これに対し、ワイドショーのコメンテーターが「無罪になったら(裁判長に)批判が出る」「被告が2人の命を奪ったのは事実だ」「裁判長は“人権派”で通っていて、これまでも“疑わしきは罰せず”だった」などと好き勝手にしゃべっているわけですが、いかにも雑だなぁと思うんですよ。なんで新しく提出された証拠を調べて無罪判決を下したら批判が出るのか。なんで公判中で「無罪の予測もある」被告に対して、コメンテーター風情が軽々しく「命を奪ったのは事実だ」なんて断言できるのか。百歩譲って、一審の死刑から二審で刑が軽減されたら“死刑推進派”から批判の声が出るのも理解できるんですが、逆転無罪判決に批判が出て当然というのは、これは通らないですよ。脚本家は、三審制をなんだと思ってるのか。

 こういう適当なことをドラマが軽々しく言っちゃう理由は「そう断言しないとドラマが始まらないから」に決まってるわけですが、このような雑な設定の提示は、ドラマへの没入感を大きく妨げます。

 というわけで、没入できなかったので内容はサクサク紹介しましょう。

 なんかキムタクがゲストの大塚寧々にバカにされながら伏線らしい要素を次々に提示して、菜々緒と間宮くんが圧倒的なポカをやって、寧々姉さんがキムタクにお姫様抱っこされたり、キムタクと2人でエレベーターに閉じ込められたり、前回よりさらにヌルい格闘でキムタクが犯人を押さえ込んだり、「武器なんか、ないほうが強くなれるって、そう言っただけです!」と武器によって負傷した脚を引きずりながらキメキメで叫んだりして、一件落着でした。

■キムタクも脚本も、実はそんなに悪くない

 

 とはいえ、お話だけ振り返ってみると、そんなに悪いものじゃないと思うんです。特別よくできたストーリーじゃないし、ところどころ強引なご都合主義もあるけど、仕掛けに致命的な破綻があるわけでもない。キムタクはキムタクで、別にいつも通りだし、実年齢に似合わない“若い役”であることも、さすがに2話まるまる見れば慣れてくる。

 でも、なんだかすごく、面白くないんですよねえ。『BG』って。

 冒頭で「役名が頭に入ってこない」と書きましたが、要するにキムタク以外の人物が、みんなカキワリなのが原因なのだと思います。今回のゲストの大塚寧々にしろ、おそらく全話を通じてのヒロインになると思われる石田ゆり子にしても、江口洋介も菜々緒もですが、血が通ってる感じがしない。セットの一部みたいに思えてくる。

 それはなぜかといえば、このドラマの目指す到達点が「面白い!」ではなく「キムタクのお姫様抱っこ!」だったり「キムタクのキメ台詞!」だったりするからです。出演者たちの人物像や心の動く瞬間を、実にわかりやすく既視感バリバリのステレオタイプで見せているのも、見慣れない要素を提示して変に面白くしちゃうと、キムタクそのものの素材としての魅力が霞んでしまうからなのでしょう。おそらくはキムタクと共に育ってきたファンの年齢層を狙い撃ちにしたヒロイン・石田ゆり子、ゲスト・大塚寧々でしょうし、特に第2話は、そうした“キムタク全肯定”な視聴者以外を豪快に切り捨てた作劇だったので、そうじゃない私に刺さるわけもない。一向に冴えないアクションシーンに、例えば截拳道やシラットやKFMを取り入れることなんて、誰も期待してない。これはもう、私が楽しめなかったのも致し方ないと、あきらめるしかなさそうです。

 今回は、石田ゆり子がキムタクにプライベートなボディガードを依頼して幕を閉じました。彼女がホイットニー・ヒューストンになっていくわけです。このような「キムタクに全振り」ドラマが悪いと言いたいわけでは、決してありません。次回以降のレビューでは、そういう作品であることを理解した上で、ちゃんと「全振り」できているかどうかを楽しみたいと思います。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

『アンナチュラル』地獄を味わったミコトの複雑なキャラクターと、自殺事件を見事に覆す展開が魅力的!

 石原さとみが、暗い過去をもつ法医解剖医役を演じるドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の第2話が19日に放送され、平均視聴率13.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.4ポイントアップとなりました。

 さて今回、三澄ミコト(石原さとみ)率いる不自然死究明研究所(Unnatural Death Investigation Laboratory)、通称UDIラボの面々は、警察の依頼により、4人の男女が練炭自殺した現場へと赴くことになりました。

 4人の遺体の肌はすべて、一酸化炭素中毒死の症状であるサーモンピンク色に変色。また、死者は自殺サイトを通じて知り合ったこともわかったため、刑事の毛利忠治(大倉孝二)は自殺に間違いなしと断定します。

 しかし、解剖の結果、若い女性だけが“凍死”だったことが判明。さらに、手首には縛られたような痣、髪の毛には塩粒が付着し、胃の中からは豚や牛とは異なる性質の肉と、「ユキオトコノイ…タスケテ花…」とダイイングメッセージらしきものが書かれたメモ紙が検出されます。

 凍死の場合も一酸化炭素中毒死と同じく、肌がピンク色に変色する。ミコトは、何者かが女性の遺体を自殺現場に紛れ込ませたのだと推測し、真犯人の手がかりを掴むための独自調査を開始します。

 一方、ダイイングメッセージから“花”と思われた女性の名前は、本名はわからないものの通称“ミケ”であることが判明。普段から自殺願望をほのめかしていたこともわかり、毛利は自殺の線で事件を片付けようとします。

 そんな警察のやる気のなさを尻目に、ミコトは部下の久部六郎(窪田正孝)を伴い温泉地へ。その土地の湧き水の塩分濃度が海水よりも2倍も濃く、鹿の肉が名産ということで、ミケが殺されたのはその場所だったのではないかと推測したのです。

 調査の結果、やはりミケはその温泉地で殺されたらしいことがわかるものの、凍死の謎は解けません。調査が行き詰まるかと思えたその時、ミコトはある民家の庭先に冷凍トラックを発見。さらに、車内からは結束バンドと、ダイイングメッセージの途切れた箇所が書かれたメモ紙が見つかり、ミケが本当は、「ユキオトコノイエ タスケテ花イル」というメッセージを残そうとしていたことが発覚します。

 一方、毛利の調査により、ミケの殺害には自殺サイトで“ユキ”と名乗るネットオカマ・大沼悟(栄信)が関わったことが判明。つまりミケは、ユキが男であること、さらに松倉花(松村沙友理)という女性と一緒に監禁されていることを、自らが死んだ後も警察に伝わるようメッセージを残したのでした。

 事件解決かと思いきや、ミコトと久部は大沼によって冷凍庫内に閉じ込められてしまい、さらにトラックごと貯水池に落とされ、絶体絶命のピンチを迎えます。窮地から脱するべく、ミコトはUDIラボの先輩・中堂系(井浦新)に電話。水質簡易キットによって調べた池水の成分を伝え、場所の特定を任せます。そして、中堂が貯水池の場所を正確に特定したことで、ミコトと久部は九死に一生を得ることに。大沼は逮捕され、監禁されていた花は無事に保護。一件落着となりました。

 さて、感想。前回のラスト、ミコトが一家心中でただ1人生き残った過去があることを久部が突き止めました。そして今回の序盤では、その心中事件発生時、ミコトだけが家族とは別室で寝ていたことが判明しました。これに対して久部は、母親がミコトだけ生き長らえさせようとしたのではないかと推測。筆者はその謎をシーズン終盤まで引っ張るのではないかと予想したのですが、今回あっさりミコトの口から明かされました。

 ミコトは母親から睡眠薬を渡されたものの苦くて口に合わず、こっそり吐き出していたんですね。そして、家族が眠るリビングではなく自室に移動して寝た。そのため助かった。しかし、救助があと30分ほども遅れていたら死んでいた。しかもどうやら、室内に一酸化炭素が充満する途中で目覚めたものの、体の自由が利かず自力では逃げ出せない“地獄”を味わったらしい。

 死の縁を覗くような経験をしたからこそ、生の尊さを知り、人間の生命力の強さを信じる。ミコトのそんな死生観は、冷凍庫に閉じ込められ、池水が浸水するという絶体絶命の状況下での「人間は意外とシブとい」という言葉や、弱気になる久部を励ましつつ、脱出を絶対に諦めない姿勢にあらわれていました。それが、同僚の東海林夕子(市川実日子)との普段のコミカルなやり取りとはギャップになり、前回よりもさらに複雑かつ魅力的なキャラになったように思います。

 また、事件の真相究明の部分に関しても、ともすれば自殺事件で片づけられてしまった状況を見事に覆した流れは、前回以上に見応えがありました。多少のツッコミどころ(中堂はどうやって貯水池を特定できたのか? など)はありますが、会話のテンポの良さや主要キャスト陣が皆、キャラ立ちしていることなどを含め、これからますます面白い展開が期待できそうです。
(文=大羽鴨乃)

『アンナチュラル』地獄を味わったミコトの複雑なキャラクターと、自殺事件を見事に覆す展開が魅力的!

 石原さとみが、暗い過去をもつ法医解剖医役を演じるドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の第2話が19日に放送され、平均視聴率13.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.4ポイントアップとなりました。

 さて今回、三澄ミコト(石原さとみ)率いる不自然死究明研究所(Unnatural Death Investigation Laboratory)、通称UDIラボの面々は、警察の依頼により、4人の男女が練炭自殺した現場へと赴くことになりました。

 4人の遺体の肌はすべて、一酸化炭素中毒死の症状であるサーモンピンク色に変色。また、死者は自殺サイトを通じて知り合ったこともわかったため、刑事の毛利忠治(大倉孝二)は自殺に間違いなしと断定します。

 しかし、解剖の結果、若い女性だけが“凍死”だったことが判明。さらに、手首には縛られたような痣、髪の毛には塩粒が付着し、胃の中からは豚や牛とは異なる性質の肉と、「ユキオトコノイ…タスケテ花…」とダイイングメッセージらしきものが書かれたメモ紙が検出されます。

 凍死の場合も一酸化炭素中毒死と同じく、肌がピンク色に変色する。ミコトは、何者かが女性の遺体を自殺現場に紛れ込ませたのだと推測し、真犯人の手がかりを掴むための独自調査を開始します。

 一方、ダイイングメッセージから“花”と思われた女性の名前は、本名はわからないものの通称“ミケ”であることが判明。普段から自殺願望をほのめかしていたこともわかり、毛利は自殺の線で事件を片付けようとします。

 そんな警察のやる気のなさを尻目に、ミコトは部下の久部六郎(窪田正孝)を伴い温泉地へ。その土地の湧き水の塩分濃度が海水よりも2倍も濃く、鹿の肉が名産ということで、ミケが殺されたのはその場所だったのではないかと推測したのです。

 調査の結果、やはりミケはその温泉地で殺されたらしいことがわかるものの、凍死の謎は解けません。調査が行き詰まるかと思えたその時、ミコトはある民家の庭先に冷凍トラックを発見。さらに、車内からは結束バンドと、ダイイングメッセージの途切れた箇所が書かれたメモ紙が見つかり、ミケが本当は、「ユキオトコノイエ タスケテ花イル」というメッセージを残そうとしていたことが発覚します。

 一方、毛利の調査により、ミケの殺害には自殺サイトで“ユキ”と名乗るネットオカマ・大沼悟(栄信)が関わったことが判明。つまりミケは、ユキが男であること、さらに松倉花(松村沙友理)という女性と一緒に監禁されていることを、自らが死んだ後も警察に伝わるようメッセージを残したのでした。

 事件解決かと思いきや、ミコトと久部は大沼によって冷凍庫内に閉じ込められてしまい、さらにトラックごと貯水池に落とされ、絶体絶命のピンチを迎えます。窮地から脱するべく、ミコトはUDIラボの先輩・中堂系(井浦新)に電話。水質簡易キットによって調べた池水の成分を伝え、場所の特定を任せます。そして、中堂が貯水池の場所を正確に特定したことで、ミコトと久部は九死に一生を得ることに。大沼は逮捕され、監禁されていた花は無事に保護。一件落着となりました。

 さて、感想。前回のラスト、ミコトが一家心中でただ1人生き残った過去があることを久部が突き止めました。そして今回の序盤では、その心中事件発生時、ミコトだけが家族とは別室で寝ていたことが判明しました。これに対して久部は、母親がミコトだけ生き長らえさせようとしたのではないかと推測。筆者はその謎をシーズン終盤まで引っ張るのではないかと予想したのですが、今回あっさりミコトの口から明かされました。

 ミコトは母親から睡眠薬を渡されたものの苦くて口に合わず、こっそり吐き出していたんですね。そして、家族が眠るリビングではなく自室に移動して寝た。そのため助かった。しかし、救助があと30分ほども遅れていたら死んでいた。しかもどうやら、室内に一酸化炭素が充満する途中で目覚めたものの、体の自由が利かず自力では逃げ出せない“地獄”を味わったらしい。

 死の縁を覗くような経験をしたからこそ、生の尊さを知り、人間の生命力の強さを信じる。ミコトのそんな死生観は、冷凍庫に閉じ込められ、池水が浸水するという絶体絶命の状況下での「人間は意外とシブとい」という言葉や、弱気になる久部を励ましつつ、脱出を絶対に諦めない姿勢にあらわれていました。それが、同僚の東海林夕子(市川実日子)との普段のコミカルなやり取りとはギャップになり、前回よりもさらに複雑かつ魅力的なキャラになったように思います。

 また、事件の真相究明の部分に関しても、ともすれば自殺事件で片づけられてしまった状況を見事に覆した流れは、前回以上に見応えがありました。多少のツッコミどころ(中堂はどうやって貯水池を特定できたのか? など)はありますが、会話のテンポの良さや主要キャスト陣が皆、キャラ立ちしていることなどを含め、これからますます面白い展開が期待できそうです。
(文=大羽鴨乃)

瑛太を本格投入した日テレ『anone』6.6%、衝撃のとっ散らかりぶり!

 広瀬すずが親に捨てられた孤独な少女を演じる『anone(あのね)』(日本テレビ系)。24日放送の第3話の平均視聴率は、前回から0.6ポイントダウンの6.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。全話2ケタだった綾瀬はるか主演『奥様は、取り扱い注意』の後番組としては、なかなか厳しい状況です。

 偽札を印刷したり、燃やしたりするシーンが登場する同作。「お金って、印刷したりコピーした時点で犯罪じゃなかったっけ……」とモヤモヤしていましたが、番組の最後に「番組で使用されているお札は 本物またはCGで加工されたものです」との補足が表示されていました。

 というわけで、CG処理されたお札にも注目しつつ、第3話のあらすじを振り返ります。

※これまでのレビューはこちら
http://www.cyzo.com/tag/anone

■頭悪そうな瑛太が登場!

 これまでチラチラ出演していた謎の男・理市(瑛太)が、今回からがっつり登場。弁当屋で働いている理市は、店長から「スタイリッシュな弁当のサービス券を作ってくれ」と頼まれ、その晩、怪しいアパートの一室で制作を開始。怪しいメカを使い、ホログラムや透かしといった加工を施して完成。次の日、自信満々で提出しますが、店長から制作コストの高さを指摘され、却下されてしまいます。300円のサービス券を、1枚50円のコストをかけて作ってしまうあたり、要領がいいキャラではなさそうです。

 一方、なんだかんだあって誘拐されたハリカ(広瀬)は、持本(阿部サダヲ)の同級生・西海(川瀬陽太)に拳銃で脅され、持本、るい子(小林聡美)と共に、カレーショップに監禁されてしまいます。さらに、るい子が、ハリカの親が「裏金を隠してる」と発言したため、西海はハリカの親から身代金を奪うことに。しかし、るい子が親だと勘違いしている亜乃音(田中裕子)は、ハリカとは赤の他人。亜乃音に裏金なんてものはありませんが、ハリカは口にガムテープを貼られているため、伝えることができません。

 西海に命令されたるい子は、身代金を要求するため亜乃音の元へ。ハリカの危機を知らされた亜乃音は、銀行へ行き、死んだ夫の保険金1,000万円を引き出し、現金を用意。それでも、るい子に「あのお金は?」と裏金も出すよう要求されたため、仕方なく夫が偽札を作っていた印刷機を見せることに。そうこうしていると、西海に金の受け渡し場所を指定されたため、1,000万円を持ってそこへ向かいます。

 1,000万円が入った袋を受け取った西海は、ハリカを解放し、逃走。しかし、るい子が1,000万円と偽札をすり替えていたため、西海は偽札をつかまされてしまいます。

 すでに上司を撃って警察に追われている西海は、偽札を前に「生きてる意味がわからない」と絶望し、その場で自殺。たまたま(?)通りがかった理市が、その偽札を回収し、第3話は終了です。

■こりゃあ、数字取れないよ……

 前回までは、持本とるい子のコミカルなやり取りに「ウッゼー!」とうんざりしていたものの、第3話でやっとバラバラだった登場人物たちが一体となり、今回は理屈抜きに楽しいドタバタ誘拐劇が見られました。よかった!

 また、悪党のはずの西海のキャラが愛おしく思え、自殺シーンでは「ああ、来週から出ないなんて!」と、本気で悲しい気持ちに。持本やるい子なんかより、よっぽどナイスキャラだったため、非常に残念です……。

 それにしても、同作はいったい、どこへ向かっているドラマなのでしょう? 初回はハリカの虐待の過去、第2話は亜乃音の悲しい身の上、第3話はドタバタ誘拐劇と、もはや1話ずつ別々のドラマと言ってもいいようなとっ散らかりぶり。しかし、そんなとっ散らかった中で、とっ散らかっていない部分を視聴者が探し出す作業こそが、同作の楽しい見方なのだと、第3話でやっと気づきました。ありがとう。

 わかりやすいドラマが視聴率を取る傾向がある中、これを放送する日テレの挑戦的な姿勢は、「なんかすごい……」としか言いようがありません。

 てなわけで、間違いなく数字は取れないでしょうが、「ギャラクシー賞」なんかの類いを取りそうな『anone』。筆者もこのグラグラとした展開に振り落とされないよう、しっかりしがみついていきたいと思います。
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

フジ・亀梨和也『FINAL CUT』が退屈すぎ……マンネリ復讐劇に「睡魔襲う」の声

 KAT-TUN・亀梨和也演じる主人公が、ワイドショーのヤラセ取材を断罪する『FINAL CUT』(関西テレビ制作、フジテレビ系)。23日放送の第3話の平均視聴率は、前回から横ばいの6.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。今期の数あるプライム帯のジャニーズドラマの中で、唯一大コケしています。

 ただ、24日付の各スポーツ紙が、やたらと「関西地区では10.8%だったよ!」という記事を掲載しています。何やら、23日に亀梨が『よ~いドン!』(関西テレビ)を皮切りに、関西ローカル生番組で電波ジャックを行った効果だとか。当然、関東の6.5%は、記事にどこにも書かれていません。実に微笑ましいですね!

 さて、毎回、憎き報道番組『ザ・プレミアワイド』のスタッフを1人ずつ盗撮し、“ネットにアップすっぞ!”“もう、晒すためのドメインも取得してんぞ!”と脅迫している主人公ですが、初回、第2話と、こらしめ方が全く同じパターン……。今回こそは別のパターンが見られることを期待しつつ、第3話のあらすじを振り返ります。

※これまでのレビューはこちら
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■なんと、また同じパターン!

 12年前に母・恭子(裕木奈江)を自殺に追い込んだ『ザ・プレミアワイド』に復讐心を燃やす慶介(亀梨)ですが、今回のターゲットは、“人面魚”や“ラーメン特集”といった“暇ネタ”ばかりを取材している若手ディレクターの小池(林遣都)。12年前、恭子の葬式に訪れ、棺桶の中をカメラで撮影しようとした人物です。

 番組スタッフの間で「ミスター暇ネタ」と揶揄されている小池ですが、ネット上では裏の顔が。「ゴッドアイ」というハンドルネームで、迷惑老人や半グレ集団など一般人の個人情報をネット掲示板で晒しては、神と崇められ調子に乗っています。

 そんな小池ですが、スクープを取りたいという気持ちもある模様。ある中学校の合唱部顧問・沢渡(関めぐみ)が、生徒に「今度そんな口聞いたら、ぶっ殺すよ!」などと怒鳴っている音声データをSNS上で偶然見つけ、暴言女教師による“部活ハラスメント”だとして番組で報道。すると、ほかの番組も次々と後追いし、大騒ぎになります。

 しかし、慶介が沢渡から真実を聞き出すと、生徒が仕組んだ計画であったことが判明。沢渡が部活内でイジメをしていた女生徒たちを叱ったところ、「教育委員会に、先生からぶたれたとか言っちゃおうか?」などと逆に脅されたため、「ぶっ殺すよ!」と口走ってしまったんだそうです。

 その頃、テレビ局では、イジメグループの1人が小池の元へ。生徒から「全部、計画的に仕掛けたこと」と告白され、オロオロする小池。しかし、この直後、番組ではイジメっこがでっち上げた沢渡の金銭授受疑惑を番組で報じる段取りになっています。

 そうこうしていると、生放送がスタート。小池は誤報の可能性があることを誰にも伝えず、「ヤッベー」という表情を浮かべたまま。そんな小池の異変を察した司会の百々瀬(藤木直人)は、咄嗟に金銭授受疑惑の話題をスルーします。

 その後、カラオケ店に小池を呼び出す慶介。例のごとく、画面に小池の素顔を盗撮した映像を流し、「http://finalcut.koike/movie.jp」と書かれた紙を手渡し、「これがあなたのファイナルカットです」と敬語でかまします。

 最後は、12年前の事件の鍵を握る学芸員・雪子(栗山千明)とのデート中、慶介がいきなりキスをかまし、第3話は終了です。

■睡魔が襲う復讐劇

 はい、前回、前々回と全く同じパターンでした。しかも、今回は小池が勝手に自滅しただけという……。林の演技が最高なのが救いでしたが。

 それにしても、もう第3話を迎えるのに、いまだ主人公から「事件の真相に迫りたい」という執念や、クールな中に押し殺している熱い思いが全く伝わってこないんですよね。盗撮方法も「復讐相手のバッグにそんなわかりやすいカメラ仕掛けたら、絶対バレるだろ」と突っ込みたくなる雑さながら、毎回うまくいきすぎて、ヒヤリ感も皆無……。そういえば、初回で「てえへんだ、てえへんだ!」と面白キャラを炸裂させていた百々瀬の見せ場もないなあ……。

 いや、主人公は前回、涙を流して12年前を回想したり、今回も「ここまで調べて、なんで番組では何もー!」と怒鳴ったりしてたんですよ。わかりやすく。なのに、なぜこんなにも心に押し迫るものが何もないのでしょうか……。こんなんなら、主人公を「これがお前のFINAL CUTだー(ドーン!)」と、喪黒福造ばりのキャラにでもしちゃったほうが……。

 早くも、昨年10月期の木村多江主演復讐劇『ブラックリベンジ』(日本テレビ系)に完全に負けている感のある同作。次回もこのパターンだったら、私、グウグウと寝てしまいそうです。
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

フジ月9『海月姫』6.9%急落で早くも危険水域!「脱落者続出は必然」そのワケとは……?

 オタク女子だけが住む共同アパート・天水館を舞台に、主人公のクラゲオタク・月海(芳根京子)の恋模様などを描く今期の月9ラブコメディ『海月姫』(フジテレビ系)。

 先週の第1話では、男子禁制の天水館に、ふいに現れた女装美男子・蔵之介(瀬戸康史)がシャイすぎる月海をメイクで変身させたり、蔵之介の弟(原作では兄)の政治家秘書・修(工藤阿須加)が変身後の月海に一目惚れしたり、主に人物や設定の紹介といった感じで、視聴率8.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったのだが、今週の第2話は6.9%とダウン。早くも危険水域にきてしまった。さっそく振り返ります。

(前回までのレビューはこちらから)

■あらすじ

 まず第1話でさして説明のなかった月海以外の天水館の住人(尼~ず)を整理しておきたい。

・千絵子(富山えり子):和装・和裁・和人形オタク。大家の娘で、この中で比較的常識ある方。

・まやや(内田理央):三国志オタク。万年ジャージで前髪長く、表情一切わからず。もっともテンション高く、変な動きで情緒不安定。

・ばんば(松井玲奈):鉄道オタク。昔の鶴瓶ヘア(天パらしい)のため、こちらも表情一切わからず。ドラマでは、まややに寄せたのか、原作に比べテンション高め。

・ジジ(木南晴夏):いわゆる枯れ専と呼ばれる地味中年男性好き。当人も地味でおとなしめ。

・目白先生(?):売れっ子のBL漫画家だが部屋から一切出てこず、声も出さない(ドアの隙間から紙で筆談はあり)。他の住民に「ご託宣」を与えたり、アシスタント仕事を与えたりして、神のごとく崇められている。

 こんな天水館に勝手に出入りし出す女装姿の蔵之介。月海以外の住人には男性だと知られていない。

 そんな蔵之介は、老朽化のため破裂した天水館の水道管の修繕費(20万円)を稼ぐため、フリーマーケットに参加することを尼~ずに提案し、実行に移す。香川の琴平電鉄のつり輪が200万円(ばんば)など売れそうにないものしかない中、なぜか月海の手作りクラゲ人形が若い女子に大好評。急遽、尼~ず総出で人形を増産し、なんとか費用を捻出する。

 千絵子が人形を15万円で売ったのが実はデカいのだが、初めて住人同士で力を合わせたということで、なんとなく蔵之介の存在がみなに認められ出すという展開。死ぬほど金持ちなんだから、20万円くらいポンと蔵之介が親の金から出しそうなのに……。

 そんな中、天水館のある場所が高層ホテル建設の再開発地域に含まれており、大家である千絵子の親も土地を売ることを決断していたことが発覚。蔵之介に尻を叩かれ、地域センターでの再開発の説明会に抗議に向かう尼~ずたち。

 しかし、そこで月海の隣に座ったのは蔵之介の弟で、政治家の父親の秘書を務める修。先日水族館で、母親のことを思い出し取り乱す月海(蔵之介によりメイクとかされてる)を抱きしめていたくせに、「今日は月海さんはいらっしゃらないんですか?」と月海の存在に気づかない。コミックなら受け入れられる展開なのだが、さほど変化が見えない今回の実写化では、やはり違和感を感じてしまう。

 ここで登壇したデベロッパー・稲荷翔子(泉里香)に追いやられ、逃げるように会場を後にする尼~ず。壇上から雑談を注意され、「オタクなので注目を浴びることに耐えられず逃げ出す」という心理なのだが、「人の視線が苦手」と、はっきり活字で表記された原作部分を読まずに、これが伝わっているのか少し謎だ。

 開発・土地買収を進めたい稲荷は、修の父親で議員の鯉淵慶一郎(北大路欣也)を味方につけるため、あからさまな色仕掛けで修に接近。その稲荷が相合傘状態で修と歩く姿を目撃した月海は、ショックを受ける。

 仕事のために、なりふり構わぬ稲荷は、修のドリンクに薬を盛り、昏睡状態にして共にベッドインしている写真を撮影する……のが、原作含め今までの作品だったのだが、コンプライアンス地獄の今のテレビでは、ドラマですらその表現が無理なのか、紐で吊るした5円玉で催眠術をかけて眠らせるという苦肉の策。

「いざってときのために、通信講座受講してたのよ」という説明も苦しいが、このご時世そこは仕方ないのだろう。犯罪誘発だとか騒ぎになって、サイゾーとかに揚げ足を取られるのもあれですし。とにかく、記憶のない修の弱みを握るのに稲荷は成功する。

 一方、天水館では、蔵之介の手で尼~ずメンバー全員をメイクやウイッグやおしゃれな服で「ビフォアアフター」化。「悲しいけど、世の中には人を見た目で判断する人間がいっぱいいる」「だから鎧を身に纏え」ということらしい。この意味のないファッションショーに月海は、「お母さん、不思議です。あげに苦しかった胸のあたりが、いつの間にか軽くなりました(鹿児島弁)」と満足げ。

 修が女性を苦手とする原因を、運転手の花森(要潤)から聞き出す蔵之介。それは昔ミュージカルを観に行った時に、「慶一郎様と、リナ様のあの現場(性交)」を見てしまったことが原因らしい。果たしてリナ様とは?

 そんな中、稲荷が挨拶がてら天水館に乗り込んでくるが、尼~ずたちは気押されたり、手土産のマカロンに浮かれたりと防戦一方。契約は、大家である千絵子の母親と話を進めていると強気な稲荷だが、居合わせた蔵之介は「うちらがここのオーナーになればいいわけだ」「1億だろうと5億だろうと10億だろうと、買う!」と啖呵を切り、追い払う。

 にわかに活気付く尼~ずだが、稲荷の手土産に混じっていた修のメガネ(先日の忘れ物)に気づいた月海だけは元気がない。修と稲荷が付き合ってると思いこみ、号泣しだす月海を、今度は蔵之介が抱きしめる。

 蔵之介は、父親に天水館を買い取る資金として3億円無心し、さすがに断られる流れなのだが、いつまでもプラプラしてることを説教された腹いせなのか、修が男嫌いになった原因の話を半笑いで父にぶつける蔵之介。

「俺の母さんの舞台を観に行くたびに、楽屋でエロいことしてたんでしょ?」

「トラウマになっちゃうよね? 父親と愛人が抱き合ってる現場を目の当たりにするなんてさ」

 つまり、蔵之介と修は異母兄弟で、修の女嫌いの原因は蔵之介の母親(愛人・リナ)だったのだ。兄・弟の年齢上下は逆だが、これは原作通り。

 稲荷のせいで失恋気分の月海だが、自室でこっそりクラゲっぽいウエディンドレスを着ているところを蔵之介に見つかり、恥ずかしすぎてテンパる。母が大きくなったらクラゲのようなドレスを作ってくれると言っていたから……とか、いろいろ言い訳する月海だが、亡き母がドレスを集めていたことを思い出した蔵之介は、クラゲドレスを売って天水館を買い取ろうとひらめく。

 

■それでも頑張っている芳根京子

 

 前回、結構悪く書いてしまったので、よかったなというところをまず意識してみました。

 月海のビフォアアフターの差があまり見えないところは相変わらずだが、それでも芳根京子の芝居は安定しており、前回不満を感じたオタク特有の早口口調がやや力みすぎなところも、今回はいい力の抜け方で、かつ全体に思い切りもありいいと思います。

 尼~ずの面々は漫画に寄せすぎて、特にまややとばんばは、もはや誰でもいいのでは? という意見も上がってますが、木南晴夏演ずる枯れ専のジジの薄いキャラは、映画版を凌ぐハマり具合だと思います。

 あと細かいところですが、第1回の放送で、初めて蔵之介が尼~ずの面々に遭遇した際、自分らがオタクだと指摘され「いいえ、まだまだ私たちはオタクとは呼べませんよ」と千絵子がうれしそうに謙遜する感じもリアルでよかったです。

 原作コミックでは「石化」といって、尼~ずが人見知りを発動したり動揺すると石のように固まってしまうくだりがあり、アニメはもちろん映画でもCGでそこを再現していたのだが、おそらく時間的な問題なのか予算的なものか、ドラマでそれができないための苦肉の索としての「いいえ、まだまだ~」なのかもしれない。

■修に月海を「気色悪い」と言い切らせた問題

 

 そして、ここからは気になるところなのだが、まず、第1話、第2話と見て感じたのは、やはり脚本なり演出なりの雑さ。

 今頃になって蔵之介が大学生であることが明かされたり(早くに秘書だと紹介される弟・修に比べ、なぜここまで蔵之介の立場が明かさなかったのかが謎)意図のわからない部分が多い。

 月海が自らクラゲっぽいドレスを着ているのを蔵之介に目撃されるシーンでも、原作ではフリマで古着を調達し、それを材料として「クラゲ人形」を作るシーンがあっての、その残り物の服があったから月見が自室で羽織ることにつながるのだが、今回いきなりそのクラゲドレスが現れた背景がよくわからない。

 そしてここまでの話において、修と稲荷が歩く姿を見てショックを受けるほど月海は修を想っているのだが、なぜそこまで好きになれているのかが、いまだにピンとこない。アマクサクラゲに似てクールだかららしいのだが、第1話でメイク前の普段の月海を前に、修は引き気味に「気色悪い」と言っている。

 確かに、原作でも「あーきもかった」と独り言のように言ってはいる。しかし、それは月海のいない場所で独り言としてだし、しかもその時の月海は、おデコにキョンシーのお札を貼り、暴れて取り乱していた。

 しかし、ドラマではそこまで言われるほど暴れてもいないのに、目の前でハッキリ「気色悪い」と修に言わせている。ただオタクとして男性が苦手で挙動不審なだけで、だ。これは本人を目の前にして言わせてはダメではないだろうか? これがずっと引っかかってしまう。

 確かにフリとしては好きな人間に嫌われていた方が落差が生じていいのかもしれない。だが、いくらコメディパートだからといって、あえて本人の前で「気色悪い」と言わせてしまうのは迂闊すぎないだろうか?

「気色悪い」と言われた月海の姿は、少々パニクっていたとはいえ、飾り気ない月海そのものの姿だったはずだ。飾り気ない自らの姿を「気色悪い」と重めに全否定。恋に落ちるどころか人間不信になりかねない出来事だと思うのだが、異性が苦手な「オタク」には神経がないとでも思ってるのだろうか。

 さらに、この2人は次の日、普通に水族館デート(蔵之介もいたが)をしたりもしている。その時、修はメイクで変身した月海にデレデレたり、あげく抱きしめたりしてるし、月海もその「気色悪い」事変などなかったように接している。

 たとえ自分ではない「他人」に言っていることになってるとはいえ、目の前で女性に「気色悪い」と言い切るような人に、メイクしたらすぐ抱きしめられて、果たして月海はうれしいのだろうか? そんな安易な性格なのだろうか?

 そこをクリアしない限り、このドラマを楽しく観ることができないというのが素直なところだ。

 人気原作があるからと、話の運びや「使えそうな」エピソード素材を散りばめ、尺を稼ぎ、切り貼りするだけで、人物の心理のや気持ちのつながりをおろそかにしていては、コメディ部分はおろか、うわべの恋愛模様すら描けないのではないか。

 ネットを見る限りでは、このドラマを観ている人は原作や過去の映像作と見た上で比較しながら鑑賞している人が多いようだ。だから確認をしただけでドラマ自体に魅力を感じない人は、どんどん脱落していくだろう。原作の「付録」のような意識で製作が映像化してるのだとしたら、この先ますます不安である。

 現場が頑張っているのは、もちろんわかる。まだ始まったばかり、なんとか盛り返していただきたい。
(文=柿田太郎)

連ドラ初主演の吉岡里帆がドMヒロインに挑戦!! 視聴者のS心が沸き立つ『きみが心に棲みついた』

 吉岡里帆、1993年京都市出身。清純そうなルックスながら、大胆な水着グラビアで注目を浴び、『カルテット』『ごめん、愛してる』(ともにTBS系)などの人気ドラマやCMに出演。2017年もっともブレイクした女優に選ばれ、まさに順風満帆。京都で過ごした大学時代は小劇場系の舞台に立っていたというプロフィールも、はんなりとしたサブカル臭を漂わせ、いい感じです。でも、まだ女優としての決定打は放っていません。そんな吉岡里帆が連ドラ初主演作に選んだのが、火曜ドラマ『きみが心に棲みついた』(TBS系)です。

 天堂きりん原作コミックのドラマ化『きみ棲み』で吉岡里帆が演じるのは、下着メーカーに勤めるOL・小川今日子。ルックスは充分にかわいく、仕事に対する情熱もあるけれど、どうしても自分に自信が持てずにいつもオドオドしてしまう。そのため挙動不審な言動が多く、「キョドコ」というあだ名で呼ばれ続けてきました。自分のことが好きになれないキョドコが、まったく異なる価値観を持つ2人の男性(桐谷健太、向井理)の狭間で揺れ動くという恋愛トライアングルが紡がれていくことになります。

 マンガ原作ということもあり、主人公のキョドコこと小川今日子はかなりの変わり者です。ストールはいつもねじねじと巻き上げ、中尾彬風にしています。この癖、実は大学時代に憧れていたサークルの先輩の影響。いまだに大学時代に惚れた男のことが忘れられずにいるキョドコのことを心配して、職場の先輩である下着デザイナーの堀田(瀬戸朝香)は合コンへと誘い出します。この合コンで出逢ったのが、マンガ誌の編集者・吉崎(桐谷健太)でした。

 合コンの席で、キョドコのキョドコらしさが炸裂します。乾杯用の最初の一杯に思わずテキーラをロックで注文しようとするキョドコ。堀田にたしなめられ、無難なカクテルに注文を変えますが、場の空気を読むことも、人との距離のはかり方もとことん苦手なようです。さらには自己紹介の際におとなしいイメージを払拭したいあまりに、ハズしまくってしまいます。

「人見知りで、すぐテンパって、挙動不審になるので、学生時代からずっとキョドコと呼ばれました。挙動不審のキョドコで~す♪」

「元彼とかじゃないんです。うわーとなるんです。その人のせいで、変になっちゃたんです。正直誰でもいいんです。ありのままの私と恋愛してくれる人なら」

 ウケようとするあまり、素の自分を出そうとするあまり、どんどん空振りしてしまうキョドコ。まるで人間扇風機のようです。真冬に扇風機はいりません。あまりにも寒々しいキョドコを前にして、いつも本音で生きる熱い男・吉崎はイラッとしてしまいます。

「ありのままの自分を受け入れろって、傲慢。努力する気がないってことでしょ。大人なのに人見知りって宣言するなんて、周りに気をつかえってことだし。恋愛なんて無理じゃない?」

 初対面の吉崎からダメ出しされたことで、キョドコの胸はキュンとなります。根っからのM女のようです。この人なら、ダメな私を変えてくれるに違いない! 仕事が残っていることを口実に合コンを途中退席する吉崎の後を、ストーカーと化したキョドコが追い掛けます。

 いくら顔面偏差値が高い女性でも、地縛霊のように執拗にしがみつかれては男は引いてしまうものです。「私と付き合ってください」と迫るキョドコを突き飛ばし、吉崎はタクシーに乗って去っていきます。このときの吉岡里帆の尻餅の突き方が何ともいえない味わいのあるものでした。吉岡里帆のようなかわいい女の子が無様に振られるシーンに、倒錯的な喜びを感じる男性視聴者は少なくなかったのではないでしょうか。

■校内ストリップシーンは今後の伏線に!?

 

 第1話の後半、いよいよキョドコをノーマルな恋愛ができない体質へと調教した張本人が現われます。商社と合併したことでキョドコたちの下着メーカーに新しく上司として配属されてきた星名(向井理)こそが、キョドコの調教師、いやキョドコを悩ませ続けてきた悪魔でした。大学時代いつもひとりぼっちだったキョドコに対し、「キョドコはキョドコのままでいいんだよ」と甘い言葉でハートをつかみ、マインドコントロールしてしまったひどい男です。大学時代、キョドコは星名という名のひとりカルト教団にハマってしまいました。キョドコは星名のことを忘れたいのに、でもずっと忘れられずにいたのです。

 星名に気に入られたいがために、大学時代のキョドコは男子学生たちが集まったサークルの部室で、すっぽんぽんのストリップを披露したことが回想シーンで明かされます。ストリップシーンはブラを外した背中しかカメラに映りませんでしたが、絶賛売り出し中の若手女優に対して、TBSは何という羞恥プレイでしょう。ちなみにこの校内ストリップのエピソードは、今後の伏線にもなりそうです。原作では星名の呪縛から逃れられないキョドコは、星名に命じられるがまま新作下着の発表会に下着モデルとして登場するシーンが用意されています。星名は校内ストリップに飽き足らず、社内ストリップを命じるのです。連ドラ初主演となった吉岡が、毎回どこまで体を張ったシーンに挑むかが『きみ棲み』の見どころになりそう。向井理の悪魔ぶりをついつい応援したくなります。

 前クールで放映された井上真央主演ドラマ『明日の約束』(フジテレビ系)では、毒親の支配から逃げられない子どもたちの恐怖が描かれましたが、『きみ棲み』では元彼のマインドコントロールから抜け出せずにいるメンヘラ寄りの女性の葛藤がテーマとなりそうです。街でばったり再会した吉崎とメール&電話のやりとりをするようになって嬉々とするキョドコですが、キョドコが自分から離れていくことをデーモン星名は許しません。堀田が立ち上げた新プロジェクトのメンバーにキョドコは内定していたものの、星名の策略によってお流れとなってしまいます。

 学生時代に想いを寄せていた先輩が職場の上司としてふいに現われる、とてもマンガチックな幕開けとなった『きみ棲み』第1話。リアリティーのあるドラマではなく、やはり連ドラ初主演となった吉岡里帆の過剰なまでのハッスルぶりを楽しむべきものではないでしょうか。星名に耳元で「キョドコさん」と囁かれ目が泳ぐ仕草、お気に入りのブラジャーを胸に当てて無邪気に吉崎に見せる笑顔、先輩の堀田に喝を入れられ空元気で応える姿、部屋着姿でエロマンガの感想を熱心に書く一途な表情……。それはそれは、どれも小動物系のキュートでフォトジェニックな吉岡里帆のオンパレードです。

 気になる『きみ棲み』第1話の視聴率は9.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。最終回が20.8%を記録した同じ火曜ドラマ枠の大ヒット作『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)は初回が10.2%でしたから、初回としてはそう悪くない数字です。視聴率がアップすれば吉岡はますますハッスルするでしょうし、ダウンすればセクシーなサービスカットが増えるかもしれません。星名役を演じる向井理だけでなく、視聴者のS心も大いに沸き立つ週に一度の楽しみとなりそうです。
(文=長野辰次)

連ドラ初主演の吉岡里帆がドMヒロインに挑戦!! 視聴者のS心が沸き立つ『きみが心に棲みついた』

 吉岡里帆、1993年京都市出身。清純そうなルックスながら、大胆な水着グラビアで注目を浴び、『カルテット』『ごめん、愛してる』(ともにTBS系)などの人気ドラマやCMに出演。2017年もっともブレイクした女優に選ばれ、まさに順風満帆。京都で過ごした大学時代は小劇場系の舞台に立っていたというプロフィールも、はんなりとしたサブカル臭を漂わせ、いい感じです。でも、まだ女優としての決定打は放っていません。そんな吉岡里帆が連ドラ初主演作に選んだのが、火曜ドラマ『きみが心に棲みついた』(TBS系)です。

 天堂きりん原作コミックのドラマ化『きみ棲み』で吉岡里帆が演じるのは、下着メーカーに勤めるOL・小川今日子。ルックスは充分にかわいく、仕事に対する情熱もあるけれど、どうしても自分に自信が持てずにいつもオドオドしてしまう。そのため挙動不審な言動が多く、「キョドコ」というあだ名で呼ばれ続けてきました。自分のことが好きになれないキョドコが、まったく異なる価値観を持つ2人の男性(桐谷健太、向井理)の狭間で揺れ動くという恋愛トライアングルが紡がれていくことになります。

 マンガ原作ということもあり、主人公のキョドコこと小川今日子はかなりの変わり者です。ストールはいつもねじねじと巻き上げ、中尾彬風にしています。この癖、実は大学時代に憧れていたサークルの先輩の影響。いまだに大学時代に惚れた男のことが忘れられずにいるキョドコのことを心配して、職場の先輩である下着デザイナーの堀田(瀬戸朝香)は合コンへと誘い出します。この合コンで出逢ったのが、マンガ誌の編集者・吉崎(桐谷健太)でした。

 合コンの席で、キョドコのキョドコらしさが炸裂します。乾杯用の最初の一杯に思わずテキーラをロックで注文しようとするキョドコ。堀田にたしなめられ、無難なカクテルに注文を変えますが、場の空気を読むことも、人との距離のはかり方もとことん苦手なようです。さらには自己紹介の際におとなしいイメージを払拭したいあまりに、ハズしまくってしまいます。

「人見知りで、すぐテンパって、挙動不審になるので、学生時代からずっとキョドコと呼ばれました。挙動不審のキョドコで~す♪」

「元彼とかじゃないんです。うわーとなるんです。その人のせいで、変になっちゃたんです。正直誰でもいいんです。ありのままの私と恋愛してくれる人なら」

 ウケようとするあまり、素の自分を出そうとするあまり、どんどん空振りしてしまうキョドコ。まるで人間扇風機のようです。真冬に扇風機はいりません。あまりにも寒々しいキョドコを前にして、いつも本音で生きる熱い男・吉崎はイラッとしてしまいます。

「ありのままの自分を受け入れろって、傲慢。努力する気がないってことでしょ。大人なのに人見知りって宣言するなんて、周りに気をつかえってことだし。恋愛なんて無理じゃない?」

 初対面の吉崎からダメ出しされたことで、キョドコの胸はキュンとなります。根っからのM女のようです。この人なら、ダメな私を変えてくれるに違いない! 仕事が残っていることを口実に合コンを途中退席する吉崎の後を、ストーカーと化したキョドコが追い掛けます。

 いくら顔面偏差値が高い女性でも、地縛霊のように執拗にしがみつかれては男は引いてしまうものです。「私と付き合ってください」と迫るキョドコを突き飛ばし、吉崎はタクシーに乗って去っていきます。このときの吉岡里帆の尻餅の突き方が何ともいえない味わいのあるものでした。吉岡里帆のようなかわいい女の子が無様に振られるシーンに、倒錯的な喜びを感じる男性視聴者は少なくなかったのではないでしょうか。

■校内ストリップシーンは今後の伏線に!?

 

 第1話の後半、いよいよキョドコをノーマルな恋愛ができない体質へと調教した張本人が現われます。商社と合併したことでキョドコたちの下着メーカーに新しく上司として配属されてきた星名(向井理)こそが、キョドコの調教師、いやキョドコを悩ませ続けてきた悪魔でした。大学時代いつもひとりぼっちだったキョドコに対し、「キョドコはキョドコのままでいいんだよ」と甘い言葉でハートをつかみ、マインドコントロールしてしまったひどい男です。大学時代、キョドコは星名という名のひとりカルト教団にハマってしまいました。キョドコは星名のことを忘れたいのに、でもずっと忘れられずにいたのです。

 星名に気に入られたいがために、大学時代のキョドコは男子学生たちが集まったサークルの部室で、すっぽんぽんのストリップを披露したことが回想シーンで明かされます。ストリップシーンはブラを外した背中しかカメラに映りませんでしたが、絶賛売り出し中の若手女優に対して、TBSは何という羞恥プレイでしょう。ちなみにこの校内ストリップのエピソードは、今後の伏線にもなりそうです。原作では星名の呪縛から逃れられないキョドコは、星名に命じられるがまま新作下着の発表会に下着モデルとして登場するシーンが用意されています。星名は校内ストリップに飽き足らず、社内ストリップを命じるのです。連ドラ初主演となった吉岡が、毎回どこまで体を張ったシーンに挑むかが『きみ棲み』の見どころになりそう。向井理の悪魔ぶりをついつい応援したくなります。

 前クールで放映された井上真央主演ドラマ『明日の約束』(フジテレビ系)では、毒親の支配から逃げられない子どもたちの恐怖が描かれましたが、『きみ棲み』では元彼のマインドコントロールから抜け出せずにいるメンヘラ寄りの女性の葛藤がテーマとなりそうです。街でばったり再会した吉崎とメール&電話のやりとりをするようになって嬉々とするキョドコですが、キョドコが自分から離れていくことをデーモン星名は許しません。堀田が立ち上げた新プロジェクトのメンバーにキョドコは内定していたものの、星名の策略によってお流れとなってしまいます。

 学生時代に想いを寄せていた先輩が職場の上司としてふいに現われる、とてもマンガチックな幕開けとなった『きみ棲み』第1話。リアリティーのあるドラマではなく、やはり連ドラ初主演となった吉岡里帆の過剰なまでのハッスルぶりを楽しむべきものではないでしょうか。星名に耳元で「キョドコさん」と囁かれ目が泳ぐ仕草、お気に入りのブラジャーを胸に当てて無邪気に吉崎に見せる笑顔、先輩の堀田に喝を入れられ空元気で応える姿、部屋着姿でエロマンガの感想を熱心に書く一途な表情……。それはそれは、どれも小動物系のキュートでフォトジェニックな吉岡里帆のオンパレードです。

 気になる『きみ棲み』第1話の視聴率は9.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。最終回が20.8%を記録した同じ火曜ドラマ枠の大ヒット作『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)は初回が10.2%でしたから、初回としてはそう悪くない数字です。視聴率がアップすれば吉岡はますますハッスルするでしょうし、ダウンすればセクシーなサービスカットが増えるかもしれません。星名役を演じる向井理だけでなく、視聴者のS心も大いに沸き立つ週に一度の楽しみとなりそうです。
(文=長野辰次)

日テレ・山田涼介『もみ消して冬』に早くもテコ入れ!? “激サム演出”が激減

“痛快「どコメディ」ホームドラマ”をうたうHey! Say! JUMP・山田涼介主演の『もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~』(日本テレビ系)。初回平均視聴率13.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と好スタートを切った同作ですが、20日放送の第2話は2.2ポイントダウンの11.1%でした。

 山田演じる警察官・秀作がショックの表情を浮かべるたびに、同局『火曜サスペンス劇場』でお馴染みの「ジャジャジャジャッ、ジャジャジャジャッ、ジャージャー♪」といった効果音が流れる同作。視聴者を笑わそうという意欲満々ながら、初回は山田の顔芸が微妙で、どうにもおサムい印象……。しかも、問題の解決法が強引すぎる上に、結末がはっきりせず、「もみ消せてないんじゃ?」とどうもスッキリしませんでした。

 そんな先行き不安な同作ですが、改善されていることを期待しつつ、第2話のあらすじを振り返ります。

※これまでのあらすじはこちら
http://www.cyzo.com/tag/もみ消して冬

■前回はもみ消せてなかったけど……

 前回、父・泰蔵(中村梅雀)の愛人問題をなんとなくうやむやにした北沢家ですが、間髪入れずに堀内孝雄、もとい、エロい口ひげを生やした小澤征悦演じる秀作の兄・博文に問題が発生。博文はこの日、院長(柴俊夫)のホームパーティーに参加。昇進したい一心で、院長が溺愛する犬・ジョンを手なずけようとしたところ、開いていた裏口からジョンが逃げてしまったといいます。

 ただ、幸いなことに院長の庭に防犯カメラはなく、博文が逃がしたことは今後、バレない可能性も。にもかかわらず、なぜか博文は「副院長争いから脱落する」「見つからないとクビになる」と大慌てです。

 この報告を受け、泰蔵は自業自得だとチクリ。これに博文が反論すると、泰蔵は持っていたバカラのグラスを博文に向かって思い切り投げつけます。こういうところ、なんとなく『アダムス・ファミリー』を意識してるんでしょうか? なお、このとき、秀作による「兄さんがバカラのグラスを投げられるのを初めて見た! でも僕は、あと1回で100の大台に到達する。つまり、100バカラだ!」という心の声(お笑いポイント)が……。

 翌日、院長に呼び出され、ジョンの行方を知らないかと聞かれる博文。当然、「知らない」としらを切りますが、この翌日、再度呼び出された博文は、ホームパーティーの日に博文とジョンが庭で遊んでいる動画を見せられ、「72時間以内にジョンが戻ってこなかったら、クビだ」と宣告されます。どうやら、博文をライバル視する医師が、ホームパーティーで動画を撮影し、裏口のドアをわざと開けっぱなしにしたようです。

■サムい心の声が激減して、ホッ

 博文の危機を知った秀作の姉・知晶(波瑠)は、「そっくりな犬を見つければいいのよ!」と、ジョンの影武者探しを提案。「嘘だろ……(ジャージャージャーン♪)」と、この作戦に難色を示す秀作は、知晶と博文に仲間外れにされてしまいます。

 翌日、知晶は、ジョンの弟を探し出し、大金を使ってゲット。見習い執事の楠木(千葉雄大)に犬のしつけを命じますが、このままでは北沢家での自分のヒエラルキーが危ういと感じた秀作は、「僕がやる」と楠木の仕事を横取り。さらに、博文が犬を逃がした事実を抹消するため、偽ジョンをしれっと院長の庭に放つ方法を思いつきます。

 翌晩、秀作が考えた作戦を実行する3兄弟。知晶がクリーニング屋の手毛綱(アンジャッシュ・児嶋一哉)を家に呼びつけ、洗面台でブラウスの染みを落としてもらっているうちに、秀作は手毛綱の作業着と車を拝借。クリーニング屋を装って院長の家へ入り込み、偽ジョンを裏口から入れます。

 作戦成功……と思いきや、偽ジョンと自分を重ね合わせた秀作は、「これほど愛おしい存在のジョンを、置いてくるなんて!」と思い直し、塀をよじ登って再び院長宅に侵入。警報機が鳴り、慌てて偽ジョンを裏口から逃がすと、入れ替わりで本物のジョンがトコトコと帰宅。秀作が、勝手に犬の兄弟愛に感動し、第2話は終了です。

■普通のコメディになって、ホッ

 初回は、長すぎる秀作の心の声や、笑えない小ボケの連発にウンザリしてしまいましたが、今回は笑わせシーンも少なく、全体的にすっきり。一般的なコメディドラマという印象で、テンポの悪さも改善されていました。

 とはいえ、山田には荷が重い役であることには変わりはなく、相当、脇役に助けられてるなと。ジャニヲタの間では、「山ちゃんは、コメディ向いてる!」と評判のようですが、筆者には正直、今のところ、山田の演技の魅力がわからないのですよ……。そつなくこなしてはいると思うのですが、主役を張るレベルなのかなと……。

 また、ネット上で「安心して子どもと見られるドラマ」との意見が意外と多いことに驚き。だって、初回はホテルで全裸写真を撮られた父親のために、愛人のバッグからスマホを盗む話、第2話は警察官が他人の家に不法侵入したり、クリーニング屋の車を盗む話ですよ……。

 とりわけ「毎週、見なきゃ!」という感じはないものの、だいぶ見やすくなってきた『もみ消して冬』。スマホをいじりながらボンヤ~リと見るには、ちょうどいいとも言えるかもしれません。てなわけで、山田のCMでおなじみの「香味ペースト」でも舐めながら、次回を待ちたいと思います。
(文=どらまっ子TAMOちゃん)