亀梨和也が「かっこつけてるアホ」にしか見えないフジ『FINAL CUT』、大コケなのに“20分拡大”の怪

 初回から粗だらけのストーリーにウンザリしていたものの、1話完結でなくなった前回から、ちょっと面白くなってきたKAT-TUN・亀梨和也主演『FINAL CUT』(関西テレビ制作、フジテレビ系)。13日放送の第6話の平均視聴率は、前回より微増の6.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。

 放送後には毎回、無料動画サイト「GYAO!」で5分程度のスピンオフドラマを配信。前回は、母・恭子(裕木奈江)が12年前に主人公・慶介(高校時:細田佳央太)についた“2つの嘘”について描かれましたが、その1つが焼きうどんの中に主人公の苦手なピーマンを忍ばせるって……。さらに、主人公が「ピーマンやられた」ってメモ残して、それを見た母が「フフフ」って……。しかもこれ、主人公が高校3年生のときのエピソードって……。小学生のエピソードやないかーい!!

 それに、高3の回想シーンなら、あんなに顔の似てない俳優使わずに、亀梨でいけたんじゃ……。と、ずっとモヤモヤしていたことを吐き出したところで、第6話のあらすじを振り返ります。

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■マスコミに追い詰められて精神崩壊

 小悪魔系料理研究家の柴みちる(今野杏南)が自宅のキッチンで殺害される事件が発生。第一発見者である同棲していた彼氏・矢口(中村倫也)を怪しんだワイドショー『ザ・プレミアワイド』のスタッフたちは、大慌てで取材へ向かいます。

 このときに映る真崎ディレクター(水野美紀)のケータイの待ち受け画面が、会社の自分のペン立てなんですが、気持ちが理解できなさすぎて、なんか怖い! 今後、真崎を見るたびに「会社のペン立てを待ち受けにする女……」というイメージが過ぎりそうです。

 そんな中、慶介(亀梨)の自宅前に、びしょ濡れの矢口が。いわく、慶介が運営する報道被害者のための救済サイト「MP.info.net」のIPアドレスから住所を割り出したんだとか。矢口はマスコミに追われて精神的に追い詰められた揚げ句、洗車中に車を乗り捨て、慶介のもとへやってきたんだそうです。

 大事な人に先立たれた矢口と自分を重ね合わせた慶介は、矢口のことを信じると決めるも、なぜか翌朝、矢口がどこかへ逃亡。さらに、話しかけてきた警察官を突き飛ばしたため、公務執行妨害で指名手配されてしまいます。主人公の自宅を訪れて事情を散々説明した揚げ句、勝手に姿を消してくれるなんて、なんてドラマの都合のいいように動いてくれるキャラなのでしょう!

■すぐ自分の正体を言っちゃう主人公

 矢口が指名手配されたことを知り、高田署長(佐々木蔵之介)に「捜査に加わらせてください」と申し出る慶介。さらに、警察官でありながら、「MP.info.net」を運営していることをあっさりと打ち明けたため、案の定、高田から疑念を抱かれてしまいました。この主人公、なんでいっつも自分の正体をすぐ人に言っちゃうの? アホなの? なんなの?

 そうこうしていると、矢口があっさり逮捕され、慶介が勤める新宿中央署に護送されてきます。しかし、『ザ・プレミアワイド』のカリスマ司会者・百々瀬(藤木直人)の指示で、現場にいた小池ディレクター(林遣都)が矢口とみちるのラブラブ写真を矢口に見せ付けたため、錯乱した矢口が「うあーーー!」と警察官をなぎ倒しながら道路へ。そこへ車が突っ込んできますが、慶介が間一髪で助けます。

 この一件で、これまで脅迫を繰り返してきた慶介が警察官であることが百々瀬などにバレ、第6話は終了です。

■主人公がアホに見える

 これまでの散々たる詰めの甘さにより、窮地に陥りそうな慶介ですが、そもそも復讐や真犯人を突き止めるための計画らしい計画なんてあったのか……、ああ、第1話から第5話で、主人公が何をしようとしていたのか、さっぱりわからない……。

 まず、善意で「MP.info.net」を運営しているのか、『ザ・プレミアワイド』の情報を収集する目的で運営しているのか、一向に曖昧……。復讐相手にすぐに自分の正体をしゃべっちゃうし(泣きながら)……。現時点で何ひとつ進展していないし……。現時点では“要領の悪いかっこつけマン”にしか見えません!

 なお、来週は平昌五輪の番組でお休みですが、27日放送の第7話は、なんと“20分拡大SP”だとか。この視聴率で20分も拡大するのですから、後半でかなり壮大なストーリーが待っているということでしょう! 期待していいんですよね? ね?
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

まさかのソウルロケも実らず……平昌五輪の裏で月9『海月姫』視聴率急落の5.3%!

 オタク女子だけが住む共同アパート・天水館を舞台に、主人公のクラゲオタク・月海(芳根京子)の恋模様などを描く月9ラブコメディ『海月姫』(フジテレビ系)。女装イケメンの蔵之介(瀬戸康史)と童貞エリート・修(工藤阿須加)の異母兄弟との三角関係が動きだす第5話は視聴率5.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。先週7.5%まで上昇したのだが、裏の平昌五輪スケート中継に押されダウン。オリンピック以上に激動だった内容を振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

■五輪を意識し韓国ロケ

 

 裏の五輪を意識し、まさかのソウルロケ(「韓国ソウル」の太字テロップ付き)からスタート。本気で天水館を買収に動き出したデベロッパーの稲荷翔子(泉里香)は、天水館のオーナーである千絵子(富山えり子)の母親(そっくりだと思ったら富山の一人二役)に会いに訪韓。羽生結弦のおっかけをしている母親に男子フィギアのプレミアチケットを渡し、がっちりハートを掴む。遊んでますねー。

 父親の慶一郎(北大路欣也)が、自身の議員生活30周年パーティで、再開発賛成派であることを表明すると聞いた蔵之介は、その日に、前回立ち上げたファッションブランド(ジェリーフィッシュ)のショーをすることを天水館の住人(尼~ず)に提案。ブランドで儲けた金で、買収を阻止する狙い。当初、反対していた住人も『蒼天航路』全巻購入(まやや=内田理央)やプラレール購入(ばんば=松井玲奈)に目が眩み従う。

 人形マニアの千絵子の友人である人形ドレス裁縫の達人・ノムさん(安達祐実)も仲間に加わり、ドレス作りは順調に進行。「人形を人間だと思っていて、人間を虫けらだと思っている」安達祐実の年齢不詳ぶりや、地に足ついたオタク演技ぶりが見事。さすが祐実……恐ろしい子。

 ショー間際に裁縫が間に合わなくなった際も、まややの皮膚に直接裁断した布を木工用ボンドで貼り付ける技で乗り切る。これは人形のドレスによく使われる手法だという。さすが、ノムさん。

 蔵之介は、お抱え運転手・花森(要潤)が自分を監視していることを知り、慶一郎を問い詰めるが、慶一郎も自分の妨害をするなと言い返す。「何がしたいかわからぬが、やりたいことがあるならそれ相応の力を持ってからにしなさい」と見下す慶一郎に「オヤジには一生かかってもわかならいよ、俺のやりたいことなんて」と吐き捨てる蔵之介。愛人の子であるがゆえの根の深さ。

 でき上がったショー用のドレスをモデルとなる蔵之介の不在時に、スタイルの良いまややに代理で試着させサイズ調整するが、三国志オタクのまややは「曹操に縊り(くびり)殺された呂布の気持ちが初めてわかったぞー!」と嫌がる。今回特に多かった“まやや語録”を、どれだけの人が正確に聞き取れているのかは謎だし、「三国志監修」的な人がいるのかも謎だ。

 蔵之介のしてることが気になる修。「あの場所を守るためだ」という蔵之介に「お父さんも兄貴のいうことなら聞くと思う」「お父さんが期待してるのは兄貴の方だって僕もそう思っている。政治家に向いているのは兄貴だって」。

 愛人の子どもという出自であったり、兄の奔放さであったり、それぞれにコンプレックスを抱える(異母)兄弟。

 頭でっかちで自由に行動できない修を見越してか、母・容子(床嶋佳子)は「好きなことをすればいいのよ」「お父さんだって蔵之介だって私だって、みんな好きなように生きてるんだから」と声をかける。これが修の行動にどう影響するのか。

 月海のふとした提案から天水館でのショー開催が決定。

 そのモデル体型を見破っていた蔵之介が、まややもモデルとして一緒にショーに出演することを提案するも、まややは頑なに拒絶。部屋に閉じこもって、その理由を語るシーンが悲しい。

「『殺し屋』だ。小・中・高と続いた俺のあだ名だ。だから俺は高一の二学期から目を前髪で隠すようになってそこからは竹ボウキと呼ばれるようになった」

「俺は嫌いなんだ。この目も、ぎょろっとした身体も」

 千絵子は自分は小・中・高とあだ名が「ハム」だったと励ますが、原作では「大山のぶ代」で、それがドラマで使えないことも悲しい。自らに自信のない自分たちが安心して過ごせる天水館を守るためにとの千絵子の励ましが響き、立ち直るまやや。

 普段イカれすぎてるまややが弱音を吐き出すこのシーンは、原作でも筆者は一番と言っていいくらい好きなシーンだが、やはりうざいと思ってた人が弱いところを見せるのはズルい。

■まややが美人に!

 

 そして慶一郎のパーティ当日であり、天水館のショーの当日。蔵之介は何を思ったか父のパーティに自ら参加、なかなかショー会場である天水館に姿を現さない。

 蔵之介の後輩・琴音(最上もが)も手伝いに駆けつけたり、花森にいたってはショーの司会をノリノリでこなし、まややは、来ていない蔵之介の分まで、実は美人の素顔をさらし見事にモデルを務め上げる。

 衣装にジュースをこぼしてしまい、汚れを落とす間に客も帰ってしまい、絶体絶命のピンチ。そこに蔵之介がパーティ客を大勢引き連れ駆けつけるという、ドラゴンボールで最後に悟空が駆けつけるような、あの主役登場感。

 原作では最初から蔵之介は天水館にいるのだが、見せ場を最後に作らねばならないドラマこその改変でしょう。

 女装モードの蔵之介はショーの最中に自分が慶一郎の長男であることを明かし、客の興味を引きつけたところで、自分らのアトリエである天水館を守るため、再開発に反対だと表明。この「発表」を餌に、父のパーティの客を連れてきたのだ。思わず拍手をする修。

 こういった大胆な行動がリナ(慶一郎の愛人で蔵之介の実の母)にそっくりだと慶一郎の前で笑顔で語る妻・容子。容子は修の実の母であり、蔵之介の義母(戸籍上は母?)にあたるのだが、懐がデカい。

 妻にそう言われ思うところがあるのか、慶一郎はこっそりショーを見学。蔵之介の「反対表明」も聞いていたようだ。

 仕事のために修に色仕掛けをしていた稲荷は「兄に変な真似したら僕は許しませんよ?」と修に強く言われ「何よ……」としか言えない。まっすぐな修に真正面から叱られ、もう完全に好きになっちゃってる様子。都合よく稲荷が修に落ちていくのが可愛く見えてしまうのは、筆者が完全に男目線だからでしょうか。

 映画版で稲荷を演じていた片瀬那奈の弾けたバブリーっぷりがあまりにハマっていたので、イマイチ泉里香に物足りなさを感じていたのだが、弱さが混じる演技がいいですね。

 ショー終了後、蔵之介が来なかったらと思うと不安だったとの思いを伝える月海に、思わずキスをする蔵之介。そして、それを目撃してしまう修。月9らしくなってきました。

 そして、イタリア・ミラノでネット配信されていた映像を見ていたリナ(若村麻由美)から修の元に電話がかかってきたところで、今週はお開き。

 今回は恋模様や蔵之介の家庭事情を除くとファッションショーでまややが活躍するのが山場ですが、前髪を上げて美人になるのを逆算して内田理央を配役していたのを、ようやく回収。映画版でも太田莉菜が同じ逆算ありきで配役されてましたが、これはこれでもちろんいいシーンなのですが、結局美人に戻るだけなのが少し残念。せっかくなら「美人」のイメージのないくらいの「殺し屋」や「竹ぼうき」的な役者を、堂々と美人に見せてしまう(感じさせてしまう)くらいの逆算ではない演出パターンも何かで見てみたいものです。

 そして、主題歌ににゃんこスターが参加していることが先週発表され、一瞬なんでだろうと思ったけど、なるほど瀬戸がワタナベエンターテインメントだからなんですね。さすがキッチリ入れ込んできますね。

 ショーも終わり、次回からは2部とも言える後半がスタート。馴染んできたからか、全体にキャスト同士の雰囲気もよくなっている感じがします。さて、次回もオリンピックネタはあるのか? 楽しみです。
(文=柿田太郎)

事件部分の創作を放棄? 『99.9』実際に起こった事件にソックリな展開も、メッセージ性はなし……

 嵐・松本潤が、ショボい刑事事件に挑む弁護士役を務めるドラマ『99.9 -刑事専門弁護士- SEASONII』(TBS系)の第5話が11日に放送されました。視聴率は17.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、相変わらず好調です。

 今回、深山大翔(松本潤)が弁護を担当することになったのは、引っ越し業者で働く17歳の少年・山崎大輝(市川理矩)。山崎は、女子高生・工藤久美子(清原果耶)への強制わいせつの疑いで逮捕され、身に覚えはないものの刑事に強要されたため自白。起訴されてしまったのです。

 久美子の証言による事件のあらましは以下の通り。12月12日の20時頃、久美子は多摩中央駅で山崎とその友人・大江徳弘(福山翔大)に声をかけられ、駅から公園へ移動。そこで2人に襲われてしまったというのです。

 しかし、事件が起こったとされる日時、山崎は会社の同僚たちと焼き肉屋へ行ったというアリバイがある。また、久美子の携帯電話の通話記録を調べたところ、駅から公園へ移動していたハズの時間帯に、出会い系サイトで知り合った男性へ電話をかけていたことが判明します。

 形勢不利とみた検察側は、ここで暴挙に出ることに。実際の事件は12月6日に行われたのだと訴因変更をしてきたのです。しかしそれならばと、深山は、6日に公園内で動画撮影を行っていたダンスチームから映像を借りてチェック。そこに3人の姿は映ってなく、山崎の冤罪を確信します。

 ところが、ここで予期せぬ出来事が。それまで犯行を否認し続けていた大江が、訴因変更された途端、一転して罪を認め始めたのです。

 これはおかしい。何かある。そう直感した深山は、大江と面談。すると、大江は事件当日、雨が降っていたと自供するのですが、チェックした映像にも6日の雨雲レーダーにも、多摩中央駅および公園内に降雨のデータは認められません。

 しかし、その日、多摩中央駅から少し離れた西府中駅周辺では、局地的に雨が降っていたことに深山は気づきます。そして、情報を求め西府中駅へ向かうと、6日にひったくり事件が起こり、その時に負ったケガが原因で被害者が死亡したことが判明。目撃者証言によれば、犯人のうなじには十字架のタトゥーがあったとのことですが、大江のうなじにもバッチリ同じものがあるのです。

 以上の事実を深山が法廷で披露したところ、大江は観念。そして、その様子を傍聴席で見守っていた久美子が、出会い系サイトで知り合った男性と待ち合わせしたことを、教育評論家を務める母・純恵(吉沢梨絵)に隠したかったがため、強制わいせつ事件をでっち上げたことを白状し、一件落着となったのでした。

 さて、感想。日本の刑事事件における裁判有罪率“99.9”%をタイトルに用いている割に、これまで扱われた事件はどれも検察側の証拠が不十分なものばかり、という同ドラマ。0.1%どころか100%覆せそうな事件ばかりを担当している深山ですが、今回の事件もなぜ逮捕・起訴に至ったのか首を傾げてしまうものとなりました。

 まず気になったのは、山崎のアリバイ。一緒に焼き肉屋へ行った会社の同僚たちは証言をしてくれなかったのですかね。それと、駅周辺だったら、どこかしらの防犯カメラの映像が残っていそうなものですが。久美子の面通しだけで警察は山崎を犯人扱いし、自白の強要を迫ったとのことですが、あまりに捜査が杜撰すぎるように思います。

 そして、久美子の通話記録を深山が調べてみるとすぐ、出会い系サイトで知り合った男性が浮上するというお粗末な展開。挙句の果て、事件日を勘違いしていたという流れとなり、「こんな裁判、ありえないだろ!」と見ていてウンザリしてしまいました。

 ただ、無茶苦茶にも思えた今回の事件ですが、ネットで調べたところ、2001年に静岡県御殿場市で実際に起こった事件、通称“御殿場事件”にソックリ。被害者が女子高生で、裁判途中に訴因変更したことなど、ミソとなる部分はごっそり引用しているようにも思えます。

 大きく違う部分は、実際の裁判では、主犯格とされた少年たちが有罪判決を受けたこと。当時、有罪・冤罪を巡り、マスコミにも大きく取り上げられました。その事件と類似した内容を、“容疑者を冤罪から救う”がテーマの本作で描いたということは、少なくとも少女が嘘をついたことに対して批判の意を表明したとも捉えられますよね。

 そうであるとするならば、久美子に対して何らかの処置を施すべきでした。泣いてごめんなさいで済まされるだけでは、何のメッセージ性もない。これではただ、事件部分の創作を放棄しただけに思えてしまいます。それに加え、話に矛盾点があっても、「実際にあった事件だよ」と言い逃れができるというズルさも感じられました。

さて、次回は尾崎舞子(木村文乃)の弟・雄太(佐藤勝利)が2年前に起こした窃盗事件を巡る展開になるということですが、これも実際の事件をモチーフにしているんですかね。放送までに調べておきたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

キョドコの“真性マゾ”ぶりがますます加速する!? プレゼンで燃える女たちの闘い『きみ棲み』第4話

 吉岡里帆が大きな大きな胸の谷間を見せつけた下着シーンのリプレイから始まった『きみが心に棲みついた』(TBS系)の第4話。初めての連ドラ主演に吉岡里帆は健気に体を張っているわけですが、その努力はなかなか評価されずにいます。頑張れば頑張るほど空回りしてしまう劇中のキョドコとシンクロするものを感じさせます。吉岡里帆とキョドコの苦労は、果たして報われる日が訪れるのでしょうか。吉岡の真っ白なブラジャー姿の余韻が残る『きみ棲み』第4話を振り返りましょう。

 下着メーカーで働く、恋に仕事にダメダメな女・小川今日子(吉岡里帆)、通称キョドコ。新作ランジェリーの発表会で大胆にもプロのモデルに交じって下着姿でランウェイに上がったものの、命令した上司・星名(向井理)が同じ材料課の飯田(石橋杏奈)にマンションの鍵を渡しているところを目撃してしまうのでした。さらにはデザイナーの八木(鈴木紗理奈)からは「お前の企画書には、本音が見えへんのや!」とダメ出しを喰らいます。とことんまで落ち込むキョドコでした。

 でも、ここで諦めたら、自分の居場所はどこにもなくなってしまいます。キョドコは会社で夜を明かし、新しい企画書を書き上げるのでした。「男にかわいいと思われたい。男が思わず抱きしめたくなるようなランジェリー」というキョドコの欲望丸出しな企画案に、ようやく八木は納得します。八木から嫌われていると思っていたキョドコでしたが、八木がさっそくラフデザインを描いたことから大喜び。八木のデザインにぴったりな素材を提供してくれる生地メーカーを見つけるため、社外へと駆け出していくのでした。相変わらず、感情の浮き沈みの激しいキョドコです。

 喜び勇んで飛び出したキョドコですが、出社してきた星名とばったり遭遇。星名から「昨日はよくがんばったね」と下着モデルの件を褒められ、ついつい調子に乗って「企画が通ったら、デートしてください」と切り出すのでした。なぜだ、キョドコ! 何度、痛い目に遭えば気が済むんだ!! どうして下着モデルの惨劇から救ってくれた吉崎(桐谷健太)ではなく、デーモン星名へと戻ってしまうんだ!? 視聴者の苛立つ声が立体サウンドで聞こえてきそうです。でも、みなさん、もうお気づきでしょう。そうです、キョドコは真性のマゾヒストだったのです。サディストである星名も、そんなキョドコを手放そうとはしないのでした。「キョドコは生かさぬよう殺さぬよう」。それが星名のポリシーです。

■第4話の後半は『下町ランジェリー』へと急展開!!

 ついさっきまで張り切っていたキョドコでしたが、持ち帰った生地を八木から「あかん!」と突き返されます。「予算以上の素材を見つけてくるのが、あんたの仕事やろ?」と八木に指摘され、ぐうの音も出ないキョドコでした。ライバルチームのデザイナー・堀田(瀬戸朝香)のパートナーを務める飯田が、八木のパートナーも兼任するかもしれないという噂を耳にして、またまた落ち込むキョドコ。翌日会社を休んだ上に、漫画家・スズキ先生(ムロツヨシ)との打ち合わせで忙しい吉崎にネガティブメールを大量に送り続けます。

 その日の気分で職場を休み、仕事中の相手のことも考えることができないキョドコは、はっきり言って社会人失格です。星名や八木に褒めてもらえることを生き甲斐にしている点でも、半人前でしかありません。身近な誰かに褒めてもらうために頑張っているようでは、幼稚園のお遊戯会レベルであって、オリジナルの新商品を生み出すプロの仕事人には到底なれません。

 吉岡里帆のエロシーンが売りだったはずの『きみ棲み』ですが、第4話の中盤から企業ドラマとして俄然盛り上がりを見せ始めます。編集者である吉崎から言われた「作家にとって、いちばんの味方でありたい」という言葉に触発され、八木のデザインにふさわしい生地探しを再開します。中間プレゼンの日が迫り、もはやキョドってる場合ではありません。苦手意識のあったメーカーにも持ち前の粘着気質で粘り強く交渉します。いつも自分の殻に閉じ籠っていたキョドコは、それまでずっと溜め込んでいた言葉にならなかった熱い想いを、仕事をきっかけに吐き出すようになったのです。

 星名とデートするしないは関係なしに、このプロジェクトに残りたい。メンズインナー畑を歩み、社内で正当な評価をされていない八木を“女”にしたい。そして、何よりも八木と作ったランジェリーを自分が身に着けてみたい。周囲の視線を気にせず、ガムシャラに相手に喰らい付くキョドコがそこにはいました。まるでOL版『下町ロケット』か、下着版『陸王』のような展開です。『下町ランジェリー』、もしくは『下着王』と呼びたくなるような『きみ棲み』第4話です。

 第4話からの登場となった部長・池脇(杉本彩)、マーチャンダイザーである星名が見守る中、堀田チームと八木チームとのサバイバルマッチとなる中間プレゼンが行なわれます。先攻を務めるのは八木チームのキョドコです。キョドコは八木と共に「必ず商品化します」とメーカー側に約束して、予算ギリギリギリの値段でシルク40%の素材を提供させることに成功したのです。自信満々のキョドコでしたが、わずか数分後には飯田によって地獄のドン底へと突き落とされるはめに。飯田は縫製工場を経営する叔父に頼み込み、何とシルク100%の素材でサンプルを仕上げてきたのです。シルク100%の肌触りに、会議室にいた社員全員がうっとりして、ため息をもらすのでした。

 いくら努力しても、自分はダメな星のもとに生まれたんだ。キョドコが自分の殻の中に、再び閉じ籠ろうとしたときでした。星名が「パートナーは小川さんではなく、飯田さんに兼任してもらいますか?」と八木に尋ねると、これを八木はきっぱりと断ります。飯田が持ってきたシルク100%の素材は確かに素晴らしい。だが、身内のコネで在庫分を安く分けてもらっただけでは、在庫がなくなった先はどうする? そんな至極まっとうな意見を、プレゼンの最後に八木は切り出すのでした。飯田はプレゼンでの勝利しか考えていない。プロジェクトとしての将来性を考えれば、キョドコが粘って交渉してきた素材のほうがビジネス的には有益ではないのか。起死回生となる八木の発言によって、キョドコは窮地を救われ、両チームの闘いは最終プレゼンへと持ち越されるのでした。

 下着メーカーの会議室が、まるでカンパニー松尾監督の『劇場版テレクラキャノンボール2013』(14)の審査会のような手に汗にぎるドラマチックなシーンになったのでした。社内プレゼンなんて、やる前からだいたい結果が分かっているものですが、勝利を確信しきっていた堀田・飯田チームに対し、意外な団結力でひと泡吹かせることに成功した八木・小川チーム。天国から地獄へ、そして再び天国へ。「私のパートナーは小川今日子や!」とおでこをパチンと八木にはたかれ、喜ぶキョドコでした。やっぱり、キョドコはMっ子です。

 エロいシーンがなくなったことで職業ドラマとしては大いに盛り上がった『きみ棲み』第4話ですが、視聴率は前回の8.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)から7.0%へとダウンしてしまいました。キョドコと星名のSMチックな関係をより官能的に掘り下げながら、キョドコが大人の女として成長していく姿を描けるかどうかが製作陣の課題となりそうです。吉岡里帆のエロいシーンも見たいし、ドラマとしても面白くなくちゃダメ。視聴者はとても欲張りな生き物ですから。

 第4話のクライマックスでは、有名下着ブランドのパンフレットの撮影を見学している吉崎とキョドコの背後に、ふいに星名が現われます。いつもクールな星名ですが、時間を費やして調教してきたキョドコを吉崎に奪われそうなことから内心は穏やかではありません。星名はすっかり「キョドコのくせに」「吉崎~ッ」が口癖になってしまいました。次回、第5話では星名の悪巧みが仕込まれたバーベキュー大会が催され、吉崎たちのいる前でキョドコと星名の過去の関係がバラされてしまいます。星名のサディストぶりにゾクゾクしてしまう人は必見です。キョドコ、そして吉岡里帆のマゾヒズムもますます疼くことになりそうです。
(文=長野辰次)

日テレ・山田涼介『もみ消して冬』7.1%大暴落! 登場人物が人形みたいで感情移入できず……

 視聴率も好調のHey! Say! JUMP・山田涼介主演コメディドラマ『もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~』(日本テレビ系)。10日放送の第5話の平均視聴率は、初の1ケタとなる7.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。裏では、葛西紀明選手らが出場した平昌五輪スキージャンプ男子の個人ノーマルヒル決勝が20.7%を叩き出していますから、仕方ないですね。

 展開に強引さはあるものの、回を追うごとにキャラの不自然さが少しずつ薄れてきた同作。今回もあらすじを振り返ります。

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■里子の魅力は描かれず

 内勤のエリート警察官・秀作(山田)が以前から狙っている同僚の里子(恒松祐里)が、前回のホームパーティーをきっかけに兄・博文(小澤征悦)と“いい感じ”に。外科医の博文は、職場のライバル医師・善財(フラミンゴ・竹森千人)と“どちらが先に結婚できるか”を競っているため、秀作の気持ちを知っても引こうとはしません。

 これまで、博文から絶対服従を強いられ、あらゆる物を横取りされてきた秀作ですが、今回は「どんな手を使ってでも勝ってみせる」とメラメラ。早速、里子を“うなぎ屋デート”に誘いますが、あっさり断られてしまいます。

 その晩、里子に食事を断られたのは、博文との先約が入っていたからだと知った秀作は、「兄さんに勝てる見込みは、完全に消えた……」と絶望。むしろ、断った理由が真っ当な分、希望を見いだしてほしいものですが、この主人公は童貞なのか、マックスまで悲観し、夜の庭先で倒れながら子犬のような表情を浮かべます。このシーンとか、山田ファンは「かわいい(はぁと)」となるんでしょうね。

 正々堂々と勝負しても勝てないと踏んだ秀作は、善財の元へ。博文の足を引っ張るための協力を仰ぎます。

■わかりやすいオチ

 バレンタインデーの晩、博文は里子を誘い、豪華クルーズ船でのディナーデートへ。秀作が自宅でヤキモキしていると、姉・知晶(波瑠)に“卑怯なやり方”で博文の足を引っ張るよう発破をかけられ、早速、船が出る埠頭へ。

 慌てるがあまり財布を忘れるも、警察手帳をチラつかせバスやタクシーに無銭乗車し、目的地へ。すると、「お兄さんから、係長を待つように言われました」と笑顔の里子が。博文から電話で「お前を奮い立たせるための作戦だったんだよ」と告げられた秀作は、兄の計らいに感謝します。

 その頃、別の女性とデートをしていた博文。実は、里子よりもグレードの高い患者の女性からアプローチされたため、里子や秀作にいい顔をしただけなのでした。

 しかし、そのハイグレードな女性は、善財が仕向けた刺客。はめられた博文が呆然とし、第5話は終了です。

■キャラが心のない人形みたい

 一家での何気ないやり取りの中で、主人公が一喜一憂する様子を朗らかな気持ちで眺める同作ですが、回を追うごとに内容が幼稚になっている感もあり、アラフォーの筆者には少々辛い時間に……。

 何より、ストーリーと並行して、キャラクターの性格や背景がわかっていく構成だからか、キャラそれぞれの心情がよくわからない……。同じ脚本家が手掛けた同局のジャニーズドラマ『世界一難しい恋』や『ボク、運命の人です。』なんかは、主人公に人間味があり、心の動きを追うのが面白かったんです。しかし、今回はキャラたちがあまりにも“お人形”すぎて……。しかも、不要なシーンや退屈でスローなシーンも多く、時間にかなり余裕がないと、毎週見るにはキツいなあ……という印象です。

 とはいえ、ネット上には「面白い」「笑える」というコメントが並び、何より数字が需要の高さを物語っていますから、客観的に見て「気楽に見られるホームコメディ」というジャンルは時代にも合っているのだろうなあと思います。その対極にあるのが、おそらく「難解すぎて、疲れる」「脚本家のひとりよがり」と指摘されている同局の『anone』なのでしょう。案の定、大コケしてますから。

 というわけで、誰にも感情移入できず、上辺だけでツルツルと動いていくストーリーをポケーッと眺める『もみ消して冬』。なる早で、この主人公のことを好きになりたいです。
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

『トドメの接吻』史上最高の、山崎賢人&門脇麦“胸キュン”キスシーン!? “闇堕ち”真剣佑とのクズバトルの行方は……

 愛を信じず、女を弄ぶ「クズ」な主人公・旺太郎が、キスとタイムリープを繰り返し、金と権力を追い求める“邪道ラブストーリー”を描いた『トドメの接吻』(日本テレビ系)もいよいよ第5話。視聴率は、7.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、前回よりも0.6ポイントアップと復調の兆しを見せています。

 前回、キス女・宰子(門脇麦)となんとなくいい感じの旺太郎(山崎賢人)をよそに、並樹家の御曹司・尊氏(新田真剣佑)が覚醒!(参照記事) 今話から、“100億”こと美尊ちゃん(新木優子)を何としてでも手に入れたいクズホスト・旺太郎(山崎賢人)と、大切な妹を守りたいクズ兄貴という、クズVSクズのバトルが開幕です。2人は冒頭からバッチバチ! ということで、あらすじから振り返っていきたいと思います。

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■尊氏をつぶす“武器”と母の命

 

 前回のレビューで、「旺太郎はもう無理やり宰子にキスしないでしょう」なんて呑気なことを言いましたが、前言撤回します。旺太郎は、美尊ちゃんと尊氏の婚約披露パーティーを阻止するために、嫌がる宰子を無視して無理やりキス。尊氏のプロポーズ前にタイムリープします。

 しかし、タイムリープしても、並樹兄妹の父・尊(山田明郷)の残りの寿命が変わることはありませんでした。父の死をキッカケに、尊氏は旺太郎がいる前で堂々と美尊ちゃんにプロポーズ。さらに、旺太郎の父が12年前に事故を起こした船の船長だったことを暴露し、旺太郎は美尊ちゃんからの信頼をなくしてしまいます。タイムリープした結果、さらに状況が悪くなってしまったのです。

 一方、父の死後、態度がガラッと豹変した尊氏には、並樹乗馬倶楽部の部員で、美尊ちゃんに思いを寄せている長谷部くん(佐野勇斗)も疑問を抱いている様子。旺太郎は、彼から尊氏が社長秘書で叔父の郡次(小市慢太郎)に、ビデオテープをネタに脅されていたことを聞き出し、テープを盗み出す計画を立てるのです。

 そしてやってきた婚約披露パーティー当日。計画を進める旺太郎の元に、病院から連絡が。

 12年前の海難事故で行方不明になったままの光太を探すため、街でビラ配りをしていた母・光代(奥貫薫)が転倒し、意識不明の重体だというのです。しかし、あと少しでテープを手にすることができる旺太郎は、会場に残ることを選択。No.1ホストのエイトでもある彼は、またもや客の女の子を利用して群次からテープを強奪することに成功します。尊氏をつぶすことができる“武器”を手にした一方で、母を失ってしまいました。

■始まって以来の、ベスト「キス」シーン!?

 

「エイトに何かしてあげたいの? 迷ってるくらいならしてあげなよ」と、ストリートミュージシャンの春海(菅田将暉)に言われた宰子。旺太郎の元に向かい、キスで母を助けることを提案しますが、「お袋を助けたところで何も元には戻せない」とどこか諦めた表情で彼はタイムリープすることを拒否し、その場を立ち去ります。そんな旺太郎の背中に向かって宰子は言います。

「前に進めば人生は変えられるって私に教えた! 私、うれしかった! 過去はダメでも、未来は変えられるかもしれない!」

「キスしてほしくなったら言って!」

 タイムリープの能力を持つがゆえ、これまで人との関わりを避けてきた彼女が、前回(参照記事)旺太郎が宰子の背中を押してくれたように、今度は精一杯の言葉で旺太郎の背中を押してあげます。

 この言葉を受け、「宰子!」と声を上げながら振り返り、彼女の元に駆け寄る旺太郎には、恋愛ドラマにありがちな、なんてベタなシーンなのかとも思いましたが、母の元へ向かう自分の代わりにパーティーでビデオテープを奪うよう指示した後、「それと……ありがとう」と不意打ちの感謝の言葉には宰子同様に驚いたし、その流れでのキスには、思わずときめいてしまいました。

「キスをしたら望みを一つ叶える」という“キスの契約”を交わした2人ですが、キスのとき、控えめに旺太郎の腰に手を回す宰子を見ていてもわかるように、少なくとも宰子の中には違う感情が芽生え始めていると思います。

 彼女のおかげでタイムリープし、間一髪のところでお母さんを抱き止めることができた旺太郎は、母の無事に安心したのか、柄にもなく涙をポロポロ流します。以前、「そんなに光太に会いたいんだったら、人生早送りしてとっとと光太のとこ行けよ」と、ひどい言葉をぶつけた挙句、母の命よりもビデオテープを選んでしまった自分を、本当は悔いていたのでしょう。

 大事な弟を失ったつらい記憶から逃げたいあまり、光太を諦めきれない母を疎ましく思っていた旺太郎ですが、母親を一度失い、過去をしっかりと受け止めたことで、これからは本当の意味で「前に進む」ことができると思います。

 

■尊氏もタイムリープしている説

 

 母の一言により、テープに映っていたのは尊氏で、事故の原因を作ったのは彼だと気がついた旺太郎は、急いでパーティー会場に向かいますが、ビデオテープの強奪を任された宰子は、尊氏に見つかり捕まってしまった挙句、事故の証拠となるビデオテープは燃やされてしまいました。

 と、ここで新たな疑惑が浮上。ひょっとして、尊氏もタイムリープしているのでは……?テープを奪われることを知っていなければ、尊氏が手にすることはできません。旺太郎にープを奪われることを知ったため、タイムリープしてテープを奪い返したのではないでしょうか。もしかしたら、尊氏のタイムリープを助けている人物がいるのかも? いや、いないのかも……。新たな謎が生まれました。

 さて、テープも燃やされてしまい、もはやヤケになった旺太郎は、パーティーが進む中、尊氏がステージがら離れた隙をついて、美尊ちゃんの側に寄りキスをするという大胆な行動に。今回改めて宰子に教えられたように、「前に進めば、未来を変えられる。君なら変えられる」と、会社のためにも兄との結婚も受け入るしかないと諦めていた美尊ちゃんを諭します。

 そして美尊ちゃんは、この言葉に応えるようにして、大勢の来場客が見ている中、もちろん尊氏も見ている中、今度は美尊ちゃんから旺太郎にキス!(しかも深いやつ) このときの尊氏の顔、まさに鬼の形相です。2人のキスを見ていた宰子の何ともいえない表情が、切なげでした。ということで今話は終了です。

 次回予告には、でかでかと「旺太郎、死す」の文字。思わず、「次回 城之内死す」というアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の伝説的なネタバレ予告が頭に浮かんでしまいました。真崎杏子ちゃん風に「お願い、死なないで旺太郎!」と、脳内でナレーションを入れながら(知らない方はごめんなさい)、今夜放送の第6話を楽しみにしたいと思います。
(文=どらまっ子TAROちゃん)

『隣の家族は青く見える』アウティング上等? “オープンゲイ”北村匠海のキーマンっぷり

 ある集合住宅(コーポラティブハウス)を舞台に、そこに住む4組の「家族」の価値観の違いを軽やかに描く『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)。人工授精をめぐる激論や、広瀬(眞島秀和)がゲイだとバレる第4話は6.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回の5.9%から横ばい。振り返ります。

 

■人工授精を嫌がる人々

 

 主治医(伊藤かずえ)に人工授精を勧められた奈々(深田恭子)は「すごく人工的なものを想像しちゃうけど、実際には自然妊娠に近い治療法」と前向きに取り組もうとするが、拒否反応を示す人々も。

 夫の大器(松山ケンイチ)は「第3者の手が加わるっていうのがなあ」「理屈ではわかってるけどなんか抵抗ある」と割り切れない。

 職場の商品会議で「世の中、人工的なモノで溢れてるから、天然素材にこだわりたい」と、世に溢れる「自然」信仰「人工」否定論を口にしており、この悪意なき思考が人工授精への拒否反応に根底でつながっているのだろう。

 そして初登場の奈々の実母・春枝(原日出子)。当初は親子仲睦まじい雰囲気だったが、不妊治療、人工授精と聞いた瞬間に顔を歪める。

「子どもは自然に任せるのがいいに決まってる」というだけでなく、話を先に進め、「うちの子は体外授精で生まれましたって人に言える?」「自然に生まれたんじゃないことを理由にいじめられたらどうする?」と詰め寄る。

 偏見だと言い返す奈々に「偏見があるのが世の中ってもんなの」という考え方。実際、ありがちな意見を元にしてるのだろう。

 しかし、終盤「親は自分の子どもが苦しんでる姿を見るのが一番つらい」と不妊の身体に産んだことを詫びる母を見て、意見は違えど実際そうやって自分を想い育ててくれたことを実感し奈々は涙する。

 大器の人工授精に対する抵抗感を取り払ったのは、妹の琴音(伊藤沙莉)。

「自然分娩じゃないと子どもに愛情が湧かないんじゃ?」と夫に言われた琴音は、母乳や自然妊娠にこだわりたくても、それぞれの事情でそうできない人々がいることに触れ、「そういう人たちの気持ち全く考えないで自然自然って言うのも、どうかと思う」と「自然神話に取り憑かれれてる人」を斬る。

 帝王切開にはなんの偏見もないのに、自然妊娠にはこだわってた自分にふと気づく大器。その瞬間、注文してた「オーガニック」ドリンクが届くという皮肉が綺麗。

 

■ゲイを公表すべきか

 

 好意を寄せる同僚・長谷部留美(橋本マナミ)に対し曖昧な態度を続ける広瀬を快く思わない広瀬のパートナー・青木朔(北村匠海)は「女性の好意を利用して自分のセクシュアリティをカモフラージュするなんて、最低の人間のやること」と詰め寄る。

「たった一度の人生なのに自分を偽って生きるのは虚しくない?」

「親が生きているうちはカミングアウトしないことが、せめてもの親孝行だと思ってる」

 ゲイであることをオープンにする朔と、オープンにできない広瀬の対比が今回も軸だ。おそらく広瀬は朔のようになりたいが、そもそもの性格もあるだろうが、親だったり職場だったり、さまざまななしがらみを気にしてそうなれない。だから奔放に振る舞う朔に惹かれてるのか。

「世の中のほとんどの人が、ゲイっていう存在を、自分とはまったく関係のないファンタジーか何かかと思っている」という朔の言葉が我々に突き刺さる。

 前妻との子どもを引き取ることにした川村亮司(平山浩行)は、子どもを作らないと約束してた杉崎ちひろ(高橋メアリージュン)との同棲を解消することに。子どものベッドや勉強机の購入を笑顔でアドバイスするちひろがけなげだ。幼い子どものために余裕がない亮司を理解しようとはするが、どこかないがしろにされたと感じているちひろ。それでも双方、別れたくない気持ちが垣間見える。

■家の入口にヘイトな貼り紙が

 

 ある日、コーポの入口に「広瀬渉は同性愛者」「ゲイカップルの家」と中傷ビラが貼り付けられる事件が。専業主婦・深雪(真飛聖)は広瀬がゲイである事に嫌悪感を爆発させる。

 コーポ中にゲイであることを知られてしまった広瀬は、大器と奈々に相談。自分が気にしすぎてるだけで、朔のようにオープンにすべきかと思い始めていただけに「一瞬にして現実に引き戻されました」と落ち込む。

「知らないから怖いんじゃないでしょうか? 知ってしまえばなんてないことを知らないからって敬遠するってことあると思うんです」と奈々は言うが、「本音を言えばほっといて欲しいんですよ。別に受け入れてくれなくていいからそっとしといてくれ、と」と、とことん参っている広瀬。

 犯人に怒りつつ「あー気分悪いお風呂入ってくる」と切り替える奈々が、ちょっと面白い。

 しかも広瀬を中傷するビラは、職場にまでばら撒かれており、同僚・長谷部は「みんなも気にしてない」と励ますが、職場の雰囲気はおかしいし、まわり以上に本人がやりきれないだろう。

 家に帰ると、さらに「心の優しいゲイカップルの家です」と貼り紙が。しかしこれだけは「攻撃は最大の防御」が持論の朔がやったもの。オープンにすることで広瀬のように焦燥しきってしまうことから身を守るという朔の考え方はシンプルな分、強い。

 誰にも知られたくないなら近所付き合いのない家に住めばいいのに? という朔の問いに広瀬は言う。

「そんなことしたら本当に自分の世界だけに閉じこもってしまう気がして」

「世間にばれたくないからこそ、世間とつながってなきゃと思ってた」

「矛盾してるけど、それが俺なりのバランスの取り方だった」

 しっかり者に見える広瀬の弱さが暴かれるたびに、いたたまれなくなる。

 

■キレる深雪とキーマン・朔

 

 自分から娘の誕生会をやるからと人を集めておいて、そんな場合じゃないからと、「嘘をついていた」「詐欺にあったのと同じ」と広瀬らを問い詰める会議に切り替える女傑・深雪(真飛聖)。自分以外の住人すべてからその意見を否定されるも「あなたたちには子どもがいないからわからない」と、またしても子どもを盾に。子どもを持ちたくても持てない奈々のことは見えていない。もはや独走の浮き具合で逆に痛々しいほどだ。

 小学生の子どもの教育上よくないから対処(=出てけ)という深雪と、それに抗わず自分のような性的少数派はひっそり暮らすべきだと謝る広瀬。ここで奈々が立ち上がる。

「みんな同じ人間なのに、堂々と暮らせる人間とそうでない人がいるなんておかしい」

「人は誰だって自分が望む幸せを手に入れようとする権利があるはず」

 すっごく正論だし、すっごく同意なのだが、なぜだろう、この深キョンに必死に球を集めてシュートさせてる感じが少々気になる。テトリスの赤い棒を譲ってる感じ。主役だから仕方ないのかもしれないが、無理に演説みたい言っちゃうシステムにせず、自然解決するのも見てみたい。

 ここで、奈々に感動した朔が、「奈々に抱きついたら大器が発狂しちゃうから」との独自の理由で大器をハグするという珍行動。これに、全員笑ってしまい、ぎゅっと距離が縮まる(深雪以外)。退去間際なのに「だんだん、ここの人たち好きになってきちゃった」と、ちひろに思わせるなんて、やはり朔はキーマンだ。都合いい展開だが、朔の力で深雪を溶かしてあげてほしい。

 翌朝、奈々が図書館で借りてきていた人工授精に関する本やネットなどで勉強した大器はまとめた資料を、奈々の母・春枝に手渡す。自分も反対だったが、調べてみたと。

 奈々がやってることは不幸になるためじゃなく、幸せになるためにやっていることだと知ってほしいと。大器が夜通し勉強していたことを知り、沁み入る奈々。

 次回、人工授精に挑むのか? そして最初のビラの犯人は?

 話の合わなそうな人物同士がだんだん交わる感じが心地よく、くせになる展開。そして今回も大器の母を演じる高畑淳子の演技が見事。失礼ながら、こんなに目で笑わせられる方なんですね。高畑淳子主演のド・コメディが見たいです。次週も期待してます。
(文=柿田太郎)

木村拓哉『BG』SPも大臣も、みんなが「すごくバカ」に見えてくる……

 制作陣による“キムタク推し”が全面に押し出されたドラマ『BG』(テレビ朝日系)も第4話。視聴率は13.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回とほぼ横ばい。嵐・松本潤の『99.9』(TBS系)に「負けっぱなしだ」「キムタク時代も終わりだ」などと方々で話題ですが、内容的にはまあ、どっちもどっちな感じですかね。どうなんですかね。はい。振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■石田ゆり子(48)とキムタク(45)のロマンスが始まるの?

 

 このドラマの特徴は、1話にひとつ、ビシッ! とキムタクの見せ場を決めて、そこにたどり着くことだけを目標にお話が組み上げられていることです。第1話は流し目で「丸腰だから人を守れることもあるんじゃないですか?」と見得を切る場面。第2話は大塚寧々をお姫様抱っこする場面。第3話は橋からキムタクがぶら下がる場面。すべての登場人物は、この「キメのキムタク(キメタク)」にキムタクを連れていくためだけに配置され、行動するので、さまざまな矛盾をはらんで、すごくバカな人に見えています。

 今回、第4話のキメタクは、石田ゆり子との恋の始まりを予感させるシーンでした。なんやかんやでトンネルの非常通路を歩く2人。地上に出る階段を上ろうとすると、天井から水滴が垂れています。このままでは、石田ゆり子が濡れてしまう! というわけで、キムタクは着ていたスーツを脱いで「これを」と石田に手渡します。なんて優しいの! はい、1キメタク。

 キムタクのスーツを頭からかぶって階段を上る石田、何もないところで、よろけてしまいます(年齢による足腰の衰えかな)。するとキムタクが、ガシッ! と石田の腕をつかんで支えるのでした。はい、2キメタク。

 こうしたキメタクにより、石田のおめめはトロ~ンとなってしまい、ロマンチックなBGMが2人を盛り上げます。さあ、キムタク版『黄昏流星群』の始まりだ! 初老を超えた2人だって、恋したっていいじゃない! もちろんいいですよ。好きにすればいいです。

 

■無能なのに有能ぶるSPたちが超ダサい

 

『BG』では、キムタクたちが所属する民間警備会社と警視庁SPとの対立が軸として設計されています。SP側は盛んに「民間は役立たずだ」と言い続けるわけですが、ここまでSPの有能さが示されたエピソードはひとつもありません。護衛対象をすぐ取り逃がすし、見失うし、無能の極みです。

 そのくせ、自分たちはいかにも有能だという態度で「警護は民間じゃできない」「警察じゃなきゃできない」みたいなことを言い続けるし、キムタクの会社の人も「SPは有能だ」とセリフで言うだけ言うので、どうにも鼻白んでしまう。

 今回、象徴的なシーンがありました。

 石田ゆり子演じる立原愛子大臣が「SPに内緒で外出したいので、キムタクに護衛を頼みたい」と依頼する場面で、キムタクの上司である上川隆也が「SPは人員を増やして24時間警護に付いているので、SPの目をかいくぐる隙間はありません」と言います。

 いやいやいや。いやいや。今、かいくぐってるじゃないの。SPの目を盗んで、今、会ってるじゃないの。言ってることと今現在の状況が矛盾してるじゃないの。

 その後、SPさんが持ち場を離れて牛乳を飲んでいる間に、大臣に逃げられるシーンもありました。キムタクを有能なボディガードに見せるために、SPを必要以上に無能にするしかないという、この手詰まり感。

 むかし、アントニオ猪木が言いました。風車の理論です。相手を輝かせ、その上をいくことで自分がさらに輝くのです。『BG』の場合、対立するSPを有能に描けば描くほど、それを超えた民間ボディガード・キムタクの輝きが増すという構図のはずなんですが、毎度SPがバカばっかりなので、キムタクまで「SPより少しマシなバカ」にしか見えない。キムタクも損してるし、何より超カッコイイSPなのに超絶無能な江口洋介のみっともなさたるや、見るに堪えないものがあります。

 

■ウソを重ねる脚本の意味

 

 このドラマの脚本の特色として、もうひとつ。クライアントがウソを重ねているというパターンがあります。このウソも、いちいち強引だし必然性がないので、ドラマの間延び感を際だたせています。

 なぜそういう必然性のないウソを重ねる必要があるのかというと、そのウソにキムタクだけが気付いている、キムタクだけが真実を見抜ける、なぜなら彼こそが頭が切れまくる異能者だから、というアピールのためです。

 ここでも、キムタク推しを最優先する弊害が出ています。見ている側がクライアントを信用できないし、愛せないんです。ボディガードを扱う物語の場合、その対象に「主人公が命を張って守るだけの価値があるか」というのが、非常に重要な問題になります。ないんだな、これが。「ない」と感じてしまっているから、キムタクの行動に共感も感動もできない。「クライアントだから守る」なんてセリフが上滑りしていく。

 キムタクをよく見せたかったら周囲も魅力的に描いた方が絶対いいのに、逆に周囲を下げることでしかキムタクを浮き立たせることができてない。かなり厄介な部類の悪循環に陥っていると感じます。

 

■そもそもSPと大臣がレギュラーというのも厄介だよね

 

『BG』は豪華脇役陣もウリのひとつなわけですが、江口洋介と石田ゆり子をレギュラーで出さなきゃいけないという縛りも、かなり厄介に感じます。

 SPと大臣と民間警備会社を毎回絡ませなきゃいけないので、事件のバリエーションに広がりを持たせることができない。結果、作品世界がすごく狭いものに感じられる。ドラマそのものにスケール感がないのです。

 なんだか非常にもったいない要素が多くて、結果悪口を書き連ねたような感じになってしまいましたが、すみません次回もよろしくお願いいたします。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

会社とはなんだ人生とはなんだ……『アンナチュラル』石原さとみがブラック労働にメスを切り込む!

 石原さとみが法医解剖医役を演じるドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の第4話が2日に放送され、平均視聴率11.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回よりも0.8ポイントアップとなりました。

 今回の依頼主は、三澄ミコト(石原さとみ)の養母・夏代(薬師丸ひろ子)。主に労働問題を扱う弁護士活動をしている夏代は、バイク事故で亡くなった佐野祐斗(坪倉由幸)の妻・可奈子(戸田菜穂)からの弁護依頼で、佐野の“本当の死因”および責任の所在を追及し、損害賠償請求訴訟を起こそうというのです。

 警察の調査記録によれば、佐野は原付バイク走行中に単独でガードレールに衝突し、クモ膜下出血によって死亡。自損事故として処理されました。しかし、死因は他にあるのだと可奈子が疑う点が3つあります。

 その1つは、事故当時、佐野の勤務するロールケーキ工場が繁忙期を迎え、長時間労働が続いていたこと。つまり過労死の疑い。もう1つは、事故直前にバイクを修理に出していたため、整備ミスの可能性。最後の1つは、クモ膜下出血の兆候があったものの、かかりつけの医師が見落としていたのではないかというものです。

 以上のことに留意してミコトが解剖したところ、佐野の死因は外傷性椎骨動脈かい離であることが判明。椎骨とは、うなじのあたりの骨のことなのですが、外傷性ということで単純に考えれば過労死と医療診断ミスの疑いは消えたことになります。しかし、動脈の損傷は事故の1カ月ほど前のものということもわかったため、謎が深まってしまいます。

 ミコトの推測では、佐野は1カ月ほど前になんらかの事故を起こし、それが原因で動脈が首の皮一枚でつながったような状態になってしまった。そして、事故死する直前、動脈が分断したため意識を失い、そのままガードレールに衝突してしまったのではないか。可奈子にその考えを伝えると、やはり佐野は1カ月ほど前にもバイク事故を起こし、体中に傷を負って帰宅したことが判明します。

 さらに調査を進めると、負傷したその日、佐野は、社長(渋江譲二)のホームパーティーに自社のケーキを届けるよう命じられていたことが発覚。この時に起こした事故であれば、労災扱いになる。それを証明するため、ミコトは事故現場の特定を急ぎます。そして、バイクの損傷部分に事故現場を特定する成分が残っているのではないかと気づき、調べてみることに。すると、バイクにはカラフルな傷があり、どうやら佐野はマンホールの上で転倒したらしいことが判明。しかし、そのマンホールは2,000個あることもわかり、途方に暮れてしまいます。

 一方、佐野の上司で工場長の松永(春海四方)は、売り上げ第一主義で従業員のことなどまったく顧みない社長に反旗を翻し、生産ラインをストップ。従業員を従え、ミコトたちのマンホール探しに加わります。

 その結果、傷がついたマンホールが無事見つかり、その近辺のマンションの防犯カメラで佐野の事故を確認。それは紛れもなく、社長のパーティーにロールケーキを届けに行った当日のことだったのです。これにより、佐野の労災が証明されることになり、今回は終了となりました。

 企業のブラック体質が社会問題となり、働き方改革という言葉が飛び交うようになった昨今。今回はそんな世相を反映し、バイク事故を背景にして“働くとはなんぞや?”がテーマの回となりました。

 佐野が働いていた工場は、商品が爆発的にヒットしたため従業員は激務続き。しかも、残業代は出ません。そんな、精神的にも肉体的にも地獄のようにキツイ職場環境で作られる人気商品の名前は、“しあわせの蜂蜜ロールケーキ”。誰かの幸福の裏には誰かの不幸がある。資本主義経済への痛烈な皮肉が込められているように感じました。

 一方、労働力を搾取する側は、イケメン社長としてマスコミにちやほやされ、我が世の春を謳歌中。文句がある奴は辞めちまえとばかり圧力を掛け、佐野のように家族を養う身で簡単には転職できない社員をとことんコキ使います。

 そんな、富を持つ者と持たざる者との対比や、子どもたちの寝顔を見て幸せそうに微笑む佐野の回想シーンを見ていたら、ロックバンド・ユニコーンのヒット曲「ヒゲとボイン」の「会社とはなんだ 人生とはなんだ」というフレーズが頭の中に流れつつ、考えさせられるものがありました。ドラマでは奥田民生ではなく、主題歌「Lemon」を担当する米津玄師の歌声がシーンを盛り上げていましたが。

 また、テーマありきの構成ではなく、最初に3つの死因を提示しつつ真相はそれ以外にあるという展開や、死の謎を追及するプロセスも丁寧に描かれ、1時間ドラマとは思えないぐらい充実した内容となっていました。これまでのところハズレ回なし。このままの調子で、次回も期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

日テレ『anone』5.9%、水ドラ枠史上最低確定か? いい子すぎる広瀬すずの“ご都合主義設定”

 どこへ向かっているのか全く見えず、もはや広瀬すずが主演なのかも怪しいほどに自由すぎる問題作『anone(あのね)』(日本テレビ系)。セリフのクセの強さや、テンポ無視のゆったりとした作風から、1人、また1人と脱落者を増やし続け、7日放送の第5話ではついに平均視聴率5.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)まで落ち込んでしまいました。

 この日テレ「水曜ドラマ」枠といえば、昨年は吉高由里子主演『東京タラレバ娘』、高畑充希主演『過保護のカホコ』、綾瀬はるか主演『奥様は、取り扱い注意』が全話平均2ケタと好調続き。同枠で5%台まで低迷したのは、2013年の竹内結子主演『ダンダリン 労働基準監督官』第8話以来。このまま低迷が続くと、その『ダンダリン』の全話平均7.5%を下回り、同枠史上最低視聴率ドラマとなる可能性もありそうです。

 そんな日テレらしからぬ大コケぶりを見せている『anone』ですが、ネット上では「今期で一番楽しみにしているドラマ」「難しいけど面白い」といった声が多いのも事実。早速、第5話のあらすじを振り返ります。

※これまでのレビューはこちら
http://www.cyzo.com/tag/anone

■バラバラだったキャストがついに集結

 育ての母・亜乃音(田中裕子)と再会したシングルマザーの玲(江口のりこ)ですが、帰宅するとそこには、かつて亜乃音の亡き夫・京介(木場勝己)の印刷所で働いていた理市(瑛太)の姿が。妻子ある身の理市ですが、どうやら玲とゲス不倫中のようです。

 そんな娘の状況を知らない亜乃音ですが、青羽(小林聡美)から「これから自首してまいります」と報告され、困惑。亜乃音の1千万円を持ち逃げした揚げ句、誰かに盗まれてしまった青羽ですが、自首すると京介が作っていた偽札のことも警察にバレてしまうことから、亜乃音は自首を制止します。

 そうこうしていると、亜乃音が勤務する法律事務所の所長・花房(火野正平)が夕食を作りに訪ねてきたため、その場にいたハリカ(広瀬)、青羽、持本(阿部サダヲ)は、亜乃音の親戚家族に成りすますことに。これがきっかけで、このニセモノ家族は亜乃音の家に住みつくようになります。

 そんな中、入院中の青年・彦星(清水尋也)を病院の外から遠巻きに見ながら、スマホのチャットゲームで会話を楽しむストーカーちっくなハリカですが、ある日、病室から彦星の姿が消えてしまいます。慌てたハリカが病院へ入ると、廊下には「今、集中治療室。熱出して、呼吸不全になって~」と彦星の情報を別の患者に大声でベラベラと話すヤベー看護師が。

 これを立ち聞きしたハリカは、病室の見えるいつもの場所で何時間もボンヤリ。朝方、病室に戻る彦星の姿を確認したハリカは、迎えに来た亜乃音と抱き合い、号泣します。

 翌日、本当の家族のように仲良く暮らす4人のもとへ、自作の偽札を持った理市が登場。夕食の鍋を囲んでいざ食べようとしていた4人ですが、理市が状況を無視して「日本の紙幣は世界で一番偽造が難しいといわれています。それは何か! 何がE券(現在、発行されているお札)の最大の武器か。3つあります。透かし、凹版印刷、ホログラム……」と、取り憑かれたように偽札について熱弁。

 食卓でドン引きする4人に、理市が「今日ここにおじゃましたのは、みなさんに、この偽札の製造に協力してもらうためです」と言い放ち、第5話は終了です。

■主人公の“いい子”ぶりが嘘っぽい!?

 最初からファンタジー感の強い同作ですが、どうしても疑問を引きずってしまうのが、ハリカの過剰な“いい子”ぶり。全員に優しく、悪いことは考えもしなさそうな女神のようなハリカですが、幼少期に両親に捨てられ、施設の大人たちから虐待を受け、10代にして特殊清掃員として死臭の中で日雇いバイトをし、ネットカフェで暮らす……。そんな、人に愛された記憶のない少女が、こんなに相手のことばかり思いやる19歳に育つなんてこと、実際にあるのかしら? と、どうしても思ってしまうんです。

「手グセは悪いけど、根はいい子」「人は騙すけど、心優しい子」なんて設定だったら、まだ人間味があってリアリティが感じられそうですが、脚本家が都合よく描いたキャラという印象が拭えません。筆者が初回からいまいち同作に入り込めないのは、そのあたりが引っかかっているからなのかもしれません。

 とはいえ、今回はこれまでに比べ、わかりやすい展開が続き、すんなりと見られた印象。バラバラだったキャストがひとつ屋根の下に集結する展開は、オムニバス形式で進む『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』の最終章のような爽快感がありました。いやあ、前回、水子が実体化して現れた際には、こっちがアワアワしちゃってテレビに焦点が合わなくなる瞬間がありましたから……。

 また、これまで謎だった瑛太が、ヒール的な立ち位置でドーンッと登場したラストも、期待感を煽られました。

 ただ、こうなると、今後はハリカは彦星を助けるために偽札作りに協力しようか否かで葛藤が始まるんでしょうけど、そうなるとハリカのご都合主義のキャラ設定が気になってしまいそう……。ああ、このために主人公を「偽札作りは絶対悪!」という性格にする必要があったんだなと……。

 そんなわけで、いまいち主人公にリアリティが感じられない『anone』。今回、ついに主人公が鬼太郎のような長い前髪をカットしましたが、視聴率はカットされず伸びるといいですね!!
(文=どらまっ子TAMOちゃん)