『正義のセ』吉高由里子が事件内容を家族に話すのは職務違反!? 法律無視検事が結婚詐欺師に裁きを下す!

 吉高由里子が主演するドラマ『正義のセ』(日本テレビ系)の第3話が4月25日に放送され、平均視聴率10.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.4ポイントアップしました。

 平均視聴率がここに来て2ケタに戻り、再び調子を取り戻しました。“悪を成敗”といった内容のドラマは老若男女にウケるジャンル。それに、吉高由里子に豪華な脇役の面々ですから、高視聴率を維持してもらいたいものです。

 では、今回もあらすじから振り返っていきましょう!

 (過去の放送回レビューはこちらから)

■結婚詐欺師に手を焼く凜々子!

 竹村凜々子(吉高由里子)は同期の検事仲間と共に婚活パーティーに参加する。「恋人・優希(大野拓朗)がいるのに」と、いやいや付き合う凜々子に、「新しい出会いに損はない」と検事仲間は諭す。そこへ優希から呼び出しの電話が掛かり、凜々子はすぐさま優希の元へ。久しぶりのデートを楽しんだ。

 恋が順調に進む中、凜々子は初めての結婚詐欺事件を担当することに。

 被害者の沢井七美(磯山さやか)は、婚活パーティーでIT企業社長の藤堂(三浦貴大)と出会い、結婚の約束まで交わしていた。だが、藤堂から「事業のトラブルで金が必要になった」と言われ、資金援助のつもりで1,000万円を渡したところ、音信不通になってしまったという。しかも、藤堂から聞いていた住所も会社経営も嘘で、予約していた結婚式場も藤堂によってキャンセル済みに。話を聞いた凜々子は「女性の弱みに付け込むなんて絶対許せない」と激怒した。

 被疑者の藤堂は偽名で、本名は鈴木正夫という男だった。鈴木は容疑を否認し、七美からの資金援助の金も受け取っていないと主張。その上、涙ながらに七美を愛していたと語った。警察も決定的な決め手となる証拠がつかめていないため、鈴木はまだ逮捕されておらず、凜々子は「絶対に証拠を見つけてやる」と意気込んだ。

 凜々子は担当の検事事務官・相原勉(安田顕)とともに、金を騙し取った証拠を見つけようと調査し始める。だが、一向に見つからず途方にくれるばかり。

 一方、恋愛では優希とのデートで訪れたレストランで、突然のプロポーズを受ける。嬉しさと驚きから戸惑う凜々子だったが、目の前の席に座っている鈴木を発見。なんと、違う女性と食事を楽しんでいたのだ。事件のことでいっぱいになった凜々子は優希を置いて鈴木を尾行。相原に電話し、すぐに警察に連絡させた。

 翌日、検事局で凜々子は再び証拠探しを始める。すると、運動嫌いの鈴木がスポーツジムに通っていることを知る。おかしいと思い2人はスポーツジムを調べると、鈴木はロッカーに金を隠していた。

 この事実がもとで、鈴木はついに自白し、凜々子は七美から感謝される。そして、プロポーズの方はというと、なんと優希から別れを告げられてしまうのだった、というのが第3話でした。

■“ラッキーガール”すぎる凜々子!

 さて、今回は結婚詐欺事件がテーマ。結婚詐欺というのは平気で嘘をつく被疑者が多く、決定的な証拠がないと起訴できないそう。同僚検事たちも「起訴したいなら証拠を見つけろ」と凜々子に釘を刺し、探し始めるんですが、まあそんな簡単には見つからない。簡単に見つけられたら、警察いらないですからね。

 しかし、なんと都合よく、訪れたレストランに被疑者が! おまけに違う女性と楽しい時間を過ごしているという……。凜々子は、なんという幸運の持ち主なんでしょうか。

 このシーンが起承転結でいう転の部分となっているのですが、これが遅すぎて、そのあとの結の部分があっさりと終わるという残念な出来。これでは、凜々子お得意の、感情移入している被害者への悲痛な叫びが軽く感じてしまう。結婚詐欺という難しい事件を扱った意味がありません。

 確かに主人公だけに焦点を絞ったご都合主義的なドラマは、一本調子で見やすく万人ウケするかもしれません。しかし、視聴者もバカではないので、そろそろ飽きてくるでしょう。『HERO』(フジテレビ系)や『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)のようにヒットさせたいなら、足並みそろえて相原とともに戦う、もしくは、同僚検事といった面々をもっと凜々子と絡ませ、凜々子の成長する姿を見せた方が良いのではないでしょうか。

■家族に事件内容を話すのは守秘義務違反!?

 今回もうひとつ、気になった点があります。それは、家族との団らんのシーン。ここで凜々子は家族に今回の結婚詐欺事件内容を話し、家族も凜々子の感情に同調するのですが、「これは守秘義務違反では?」と思ってしまったのです。

 検事は国家公務員。公務員には国家公務員法第100条で守秘義務があります。条文には「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」と書かれています。

 このように書かれているにもかかわらず、凜々子は身内にペラペラと話すのです。

 もし、事件について身内が漏らしてしまったら……。もし、被疑者にとって事件が冤罪だったとしら……。大変なことになっちゃうよ、凜々子。

 法律を守らなければいけない検事が違反とあれば、ご都合主義の内容よりもひどいですし、悪人に裁きを下したとしても説得力に欠けるような気がしちゃいます。

■早くも恋愛面は干物化!?

 第3話では、プライベート面で彼氏と別れを迎えてしまうという悲しい展開に。それもお互いあっさりと別れを選んでしまう。あんなにラブラブだったはずなのにです。

 この展開に「えっ? 早くない?」と、あ然としてしまいました。だって、放送前には「恋もちゃんとする!」と謳っていたはずなんです。

 これで恋愛シーンは終わりなんでしょうか? いやいや、そこは続いてほしい。凜々子は検事として表向き頑張っているじゃないですか。それなのに、プライベートが干物化となったら、いくらなんでもかわいそうすぎます。

 今後も恋愛シーンがあってほしい……。あるとしたら同僚……。えっ!? 三浦翔平? いや安田顕? もしかして、あの凜々子への2人の態度は好きの表現なのか。「いやよいやよも好きのうち」と言いますからね。凜々子の男女関係にも注目していきましょう。

 以上、第3話のレビューでした。

 第4話は、若者がバイクで老人を死亡させたという交通事故案件を担当し、“名探偵・竹村凜々子”が炸裂するよう。どんな、江戸川コナンばりの名推理を見せてくれるのか、期待して放送を待ちましょう!

(文=どらまっ子KOROちゃん)

フジテレビ『シグナル』過去と現在が交錯する“パラレル展開”に引き込まれるも、主演・坂口健太郎の能面演技が……

 塩顔男子代表・坂口健太郎が連続ドラマ初主演を務める『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)の第3話が24日に放送され、平均視聴率8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.1ポイントダウンとなってしまいました。

(前回までのレビューはこちらから)

 その前回、アメリカでプロファイリングを学び帰国した三枝健人(坂口健太郎)は、警視庁の長期未解決事件捜査班に配属。1997年に発生した女性連続殺人事件の再捜査をすることになりました。

 そんな折、“23時23分になるとつながる”という謎の無線機によって、大山剛志(北村一輝)刑事と交信。1997年の世界にいるという大山の言葉を疑う健人ですが、5人目の被害者・中島亮子が襲撃された場所を伝えたところ、大山が救出に成功し、現在の捜査記録が“遺体発見”から“未遂”へと切り替わり驚きます。

 そして今回は、亮子を救出した大山が、犯人らしき黒ずくめの男に襲撃されたところからスタート。大山は攻撃を振り払い、慌てて逃げる犯人を追走して、木村直也という男を捕まえることに成功します。

 しかし、これは誤認逮捕だということが発覚。追いかけている途中で真犯人と木村が入れ替わっていたのです。しかも、取り調べの最中に木村が心臓発作を起こして死亡。大山は責任を問われ、謹慎処分を受けてしまいます。

 一方、現在の捜査記録上では、6人目と7人目の被害者の犯行日時が早まり、死体発見現場が人目のつきやすい場所へと変わってしまいます。この変化がなぜ起こったのか。考えを巡らせた健人は、大山に追走された際、犯人が途中でバスに乗車し、その姿を見られたためにバスの乗客を殺したのではないかと推測。当時、そのバスの運転手を務めていた田中修一(モロ師岡)に事情聴取するため、バス会社へと向かいます。

 しかし、その田中はすでに退職。また、田中の元同僚の八代英子(真瀬樹里)は、警察の訪問を知った途端に早退したとのことで、健人は嫌な予感を抱きつつ、田中が住むアパートへと向かいます。すると、その嫌な予感は的中。アパートのリビングに英子の死体が転がっていて、手足の縛られ方が連続殺人事件の手口とまったく一緒なのです。

 一方、謹慎処分を無視して単独で捜査を続ける大山もまた、犯人が途中でバスに乗って逃げたのではないかと考え、バス会社を訪問。しかし、事情聴取した田中からは、事件当夜、犯人らしき男は乗車しなかったという証言しか得られず、途方に暮れてしまいます。

 ただ、犯人があの状況で逃げられたのは、バスに乗車したためとしか考えられない。大山は諦めきれず、署に戻ってその推理を他の刑事たちに訴えるのですが、聞く耳をもってもらえず。それどころか、捜査の邪魔をするなと、金庫に手錠で結ばれ身動き取れなくされてしまうのです。

 そんな中、時刻は23時23分になり、無線機から7人目の被害者の殺害現場とその犯行時刻が迫っていることを告げる健人の声が響いてきます。その被害者が、過去に薬物依存症から救い、現在も交流が続く北野みどり(佐久間由衣)であると知った大山は、火事場のクソ力を発揮。どうにかこうにか手錠を外し、みどりの救出へと向かいます。

 しかし、現在の捜査記録では、みどりは殺害されたまま。どうにか犯行を食い止めてくれ、と健人が祈るところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、前回から健人と大山が同一の事件を捜査し、それが双方の世界に反映。見応えあるパラレル展開へと突入しましたが、今回もその魅力は衰えず。連続殺人の犯人は一体何者なのか。サスペンス色の濃い世界観にグイグイ引き込まれます。

 今回、怪しい人物として田中が浮上しましたが、大山が犯人を追走していた時にバスの運転をしていたため、真犯人とは考えられない。

 しかし、そうだとするならばなぜ、英子の口を封じるかのように殺したのか。田中は真犯人である誰かをかばっているのか。謎は深まるばかりです。

 また、最後の被害者となるみどりは、大山にほのかな恋心を抱き、大山もまんざらではない、といったシーンが前回から描かれているため、他の被害者よりも余計、その安否が気になるところです。

 気になるといえば、その最たるのが無線機の謎。なぜ、時空を超えて交信できるのか。この疑問がこの先、どう処理されていくのか見物です。さらにいえば、今後の用途についても興味深い。というのも、健人はどうやら過去に兄を自殺で亡くしているようなんですね。この無線機を使って、それを食い止める展開へと進んでいくのでしょうか。

 そんな風に、回を増すごとにストーリーには引き込まれるのですが、健人役の坂口健太郎の演技がどうしてもマイナスに映ってしまう。喜怒哀楽すべて同じ表情の能面状態。主演を務めるには時期尚早だったのではないでしょうか。といってももはや後の祭りなので、主役の演技には目をつぶり、この先の展開を楽しみたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

フジテレビ『シグナル』過去と現在が交錯する“パラレル展開”に引き込まれるも、主演・坂口健太郎の能面演技が……

 塩顔男子代表・坂口健太郎が連続ドラマ初主演を務める『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)の第3話が24日に放送され、平均視聴率8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.1ポイントダウンとなってしまいました。

(前回までのレビューはこちらから)

 その前回、アメリカでプロファイリングを学び帰国した三枝健人(坂口健太郎)は、警視庁の長期未解決事件捜査班に配属。1997年に発生した女性連続殺人事件の再捜査をすることになりました。

 そんな折、“23時23分になるとつながる”という謎の無線機によって、大山剛志(北村一輝)刑事と交信。1997年の世界にいるという大山の言葉を疑う健人ですが、5人目の被害者・中島亮子が襲撃された場所を伝えたところ、大山が救出に成功し、現在の捜査記録が“遺体発見”から“未遂”へと切り替わり驚きます。

 そして今回は、亮子を救出した大山が、犯人らしき黒ずくめの男に襲撃されたところからスタート。大山は攻撃を振り払い、慌てて逃げる犯人を追走して、木村直也という男を捕まえることに成功します。

 しかし、これは誤認逮捕だということが発覚。追いかけている途中で真犯人と木村が入れ替わっていたのです。しかも、取り調べの最中に木村が心臓発作を起こして死亡。大山は責任を問われ、謹慎処分を受けてしまいます。

 一方、現在の捜査記録上では、6人目と7人目の被害者の犯行日時が早まり、死体発見現場が人目のつきやすい場所へと変わってしまいます。この変化がなぜ起こったのか。考えを巡らせた健人は、大山に追走された際、犯人が途中でバスに乗車し、その姿を見られたためにバスの乗客を殺したのではないかと推測。当時、そのバスの運転手を務めていた田中修一(モロ師岡)に事情聴取するため、バス会社へと向かいます。

 しかし、その田中はすでに退職。また、田中の元同僚の八代英子(真瀬樹里)は、警察の訪問を知った途端に早退したとのことで、健人は嫌な予感を抱きつつ、田中が住むアパートへと向かいます。すると、その嫌な予感は的中。アパートのリビングに英子の死体が転がっていて、手足の縛られ方が連続殺人事件の手口とまったく一緒なのです。

 一方、謹慎処分を無視して単独で捜査を続ける大山もまた、犯人が途中でバスに乗って逃げたのではないかと考え、バス会社を訪問。しかし、事情聴取した田中からは、事件当夜、犯人らしき男は乗車しなかったという証言しか得られず、途方に暮れてしまいます。

 ただ、犯人があの状況で逃げられたのは、バスに乗車したためとしか考えられない。大山は諦めきれず、署に戻ってその推理を他の刑事たちに訴えるのですが、聞く耳をもってもらえず。それどころか、捜査の邪魔をするなと、金庫に手錠で結ばれ身動き取れなくされてしまうのです。

 そんな中、時刻は23時23分になり、無線機から7人目の被害者の殺害現場とその犯行時刻が迫っていることを告げる健人の声が響いてきます。その被害者が、過去に薬物依存症から救い、現在も交流が続く北野みどり(佐久間由衣)であると知った大山は、火事場のクソ力を発揮。どうにかこうにか手錠を外し、みどりの救出へと向かいます。

 しかし、現在の捜査記録では、みどりは殺害されたまま。どうにか犯行を食い止めてくれ、と健人が祈るところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、前回から健人と大山が同一の事件を捜査し、それが双方の世界に反映。見応えあるパラレル展開へと突入しましたが、今回もその魅力は衰えず。連続殺人の犯人は一体何者なのか。サスペンス色の濃い世界観にグイグイ引き込まれます。

 今回、怪しい人物として田中が浮上しましたが、大山が犯人を追走していた時にバスの運転をしていたため、真犯人とは考えられない。

 しかし、そうだとするならばなぜ、英子の口を封じるかのように殺したのか。田中は真犯人である誰かをかばっているのか。謎は深まるばかりです。

 また、最後の被害者となるみどりは、大山にほのかな恋心を抱き、大山もまんざらではない、といったシーンが前回から描かれているため、他の被害者よりも余計、その安否が気になるところです。

 気になるといえば、その最たるのが無線機の謎。なぜ、時空を超えて交信できるのか。この疑問がこの先、どう処理されていくのか見物です。さらにいえば、今後の用途についても興味深い。というのも、健人はどうやら過去に兄を自殺で亡くしているようなんですね。この無線機を使って、それを食い止める展開へと進んでいくのでしょうか。

 そんな風に、回を増すごとにストーリーには引き込まれるのですが、健人役の坂口健太郎の演技がどうしてもマイナスに映ってしまう。喜怒哀楽すべて同じ表情の能面状態。主演を務めるには時期尚早だったのではないでしょうか。といってももはや後の祭りなので、主役の演技には目をつぶり、この先の展開を楽しみたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

キンプリ・平野紫耀の“棒演技”が逆にイイ!? 『花のち晴れ~花男 Next Season~』を支えるのは、杉咲花の圧倒的演技力

 井上真央、嵐・松本潤、小栗旬など豪華俳優陣が多数出演し、社会現象を巻き起こした大ヒットドラマ『花より男子』(以下、花男)の続編となる『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系/以下、花晴れ)が、17日にいよいよスタート!

 初回放送には、道明寺司(松本潤)が登場し、Twitterの国内トレンド1位、世界10位にランクイン。さらには一時的なシステムエラーが発生するなど、“道明寺ショック”が発生。これは世界的に起きたもので、ドラマとは直接の関係はなかったようですが、前作の放送から10年たった今でもその人気は衰えず。道明寺、恐るべしです。

 そんな第1話だけあって、高視聴率を期待してしまいますが、実際は7.4%(ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)と、先行き不安な結果に。平均視聴率は19.8%、『花男2(リターンズ)』は21.6%(最終話はなんと27.6%!)という、圧倒的な数字を叩き出していた前シリーズがどれだけ人気があったのかがよくわかりますね。

 前身がTBSの誇る歴史的名作だけに、いかにそのイメージを払拭できるかが今後の課題となりそうです……。ということで、今夜放送の第2話を前に、まずはあらすじから振り返っていきたいと思います。

 

■『花男』と『花晴れ』の関係

 

 今作はもちろん、『花男』生みの親・神尾葉子の同名漫画(集英社のマンガアプリ『少年ジャンプ+』で連載中)が原作のラブコメディです。

 主人公は、父が経営してした化粧品会社が倒産してしまった“元”社長令嬢の江戸川音(杉咲花)。『花男』の主人公・牧野つくし(井上真央)が、一般家庭の娘でありながら、超セレブ校の英徳学園に通っていたように、音もまた、身分を隠しながら英徳に通学しています。

 10年前(原作では2年前)、そんな英徳には、道明寺率いる「花の4人組(Flower Four)」(通称・F4)というお金持ちのイケメン集団が存在していました。少しでも気に入らない生徒がいれば、ロッカーに「赤札」を貼り、全校生徒のいじめの標的に指定、対象がどこまで耐えられるかを賭けるという胸糞の悪い遊びをして学園を牛耳っていた彼ら。

 そんなF4に成り代わって現在の学園を仕切っているのが、「コレクト5」(通称:C5)と呼ばれる5人組です。

政治家一家の跡取り。インテリキャラで英徳歴代トップのIQを持つ平海斗(濱田龍臣)

不動産王の娘で可愛らしいルックスのC5の紅一点・真矢愛莉(今田美桜)

花道界の名門の跡取りで、超女好き。F4・西門に憧れている成宮一茶(鈴木仁)

日本が誇るスポーツメーカーの一人息子で武道の達人。筋肉キャラの栄美杉丸(中田圭祐)

 そして、リーダーの神楽木晴(「King & Prince」平野紫耀)。神楽木グループの御曹司で、カリスマリーダーとして英徳のトップに立つ晴ですが、彼にもまた、音と同じようにある“秘密”があるのです。

 

■終わりの始まり

 

 この10年で生徒数が減り、IT企業「HASE LIVE」の御曹司で音の許婚でもある馳天馬(中川大志)率いるライバル校の桃乃園学園との差もほんのわずか、とすっかり落ちぶれ気味の英徳。“正しき5人”ことC5は、「学園の品位を保つ」という名目で、学園への寄付が疎かになっていたり、授業料を滞納している生徒を退学に追い込む“庶民狩り”を行っていました。特に、英徳のトップである晴は「これ以上学園の品格が落ちたら、あの人たちに顔向けできねえ……」と焦りを募らせていきます。

 あの人たちとは、もちろんF4のこと。晴は道明寺に強い憧れを抱いており、自室に道明寺の3Dホログラム映像を備え付け、「眺めてるだけで、心が洗われるだろ……」と、まるでどこかのオタクのように、道明寺を崇め奉っていました。さらには、少しでも道明寺に近づこうと、「カリスマ性に磨きがかかる火星の石」などなどアヤシイ通販グッズをたくさん買い漁っていました(さすがコレクト5)。学園内ではカリスマを演じていますが、実は晴は、超がつく“ヘタレ”だったのです!

 そうとは知らず、以前、晴たちが乗る車の前に飛び出してしまい、顔を覚えられてしまったことから、いつ自分が庶民狩りの標的にされるのか怯える音。あるとき、セレブな英徳生とは無縁のバイト先のコンビニに、ぎっくり腰になった執事の小林の代わりに通販グッズを受け取りに来た晴が現れ、互いに気がついた2人。同時に「終わった……」と覚悟するのでした。

 しかし、苦しい家計を助けるためにも「英徳を卒業する」という天馬との婚約の条件をクリアしなければならない音。翌日、意を決して登校しますが、晴につかまり「失せろ」と言われてしまいます。すると、校門の前で不良に絡まれている女子生徒が。しかし、助ける素振りを見せない晴に音は言います。「C5なんて名乗る資格ない! こんな石買う暇あったら、自分磨けば!?」ド正論です。この言葉に、晴はかつて、いじめられていた海斗を自分に代わり助けてくれた道明寺に言われた「強くなれよ。頼んだぞ、英徳を」という言葉を思い出します。

 この回想シーンで道明寺が登場するわけですが、ド派手な柄物ジャケットにストール+先のとがった革靴、そして圧倒的カリスマオーラを放ちながらいじめっ子たちをボコボコにする松潤、いや道明寺パイセンがめちゃくちゃかっこいいのです。1話の見どころは、間違いなくこのシーンでしょう。

 その後、道明寺パイセンパワーで不良相手に啖呵を切り、ヘタレのクセに奇跡的に不良をやっつけた晴は、もはや学園のヒーロー。生徒たちから歓声を浴びいい気になっている晴ですが、音は「私を英徳にいさせなさい。さもないと全部バラす」と脅し、その場を離れるのでした。

■杉咲花の圧倒的な演技力

 どうにか音を黙らせるため、チャラ男・一茶のアドバイス通りに、音を手なずけるために、音のバイト先に押しかけ、紺野先輩(木南晴夏)もろともパーティーに招いた晴ですが、「やばーい!」とはしゃぐ先輩に比べ、音は豪華な食事や王様が乗るような白馬、そしてなぜか純白のタキシード姿の晴にも、決してなびきません。

 そんな中、紺野先輩がつまずいた拍子に晴の勝負服を汚してしまうアクシデントが発生。弁償すると涙目の紺野先輩を、晴は「アンタに払えるの? 払えないよな?」「庶民のクセによ」「浮かれちまったんだよな、あまりにもかけ離れすぎてて……」と罵倒します。

 すると、「紺野さんを傷つけるのは絶対許さない」と、音がA5ランクの肉の塊で晴に殴りかかる暴挙に! 『花男』1話で、つくしが「自分で稼いだこともないガキが、調子こいてんじゃねー!」と道明寺を殴り飛ばしましたが、あのときの井上真央ちゃんに負けず劣らず、杉咲花ちゃんが勇猛果敢な姿を見せてくれました。

「金持ちがそんなに偉い? C5がなんだっていうの? 英徳学園? 辞めていいならとっくに辞めてる。あんな冷たい人たちしかいない、最低な学園。いっつも高いところからふんぞり返って、弱い人を切り捨てて。アンタって本当にしょーもない」

 この長セリフを、感情を爆発させながら、でもごくナチュラルに話す花ちゃん、さすが、『湯を沸かすほどの熱い愛』(16年)で「日本アカデミー賞」最優秀助演女優賞を受賞した女優さんだなあと、思わず感動してしまいました。この先、晴役の平野くんとはいろんな絡みがあるのでしょうが、ジャ二オタのみなさんには、ぜひとも大目にみていただきたい限りです。

 さて、ドラマのほうに話を戻すと、その後、紺野先輩を残して神楽木家を出た音が、キモくてウザいバイト先の前野(戸塚純貴)につかまっているところを、後を追いかけてきた晴が「二度とこいつに近づくな!」と助けるというまさかの展開(馬乗りになって、両手をグーにして前野をポコスカ殴る晴の姿がかわいかったです)。

 さらには、「俺はテメェのことなんか好きでもなんでもねぇ! 勘違いすんなよ!」と怒鳴りつけたかと思えば、「私、婚約者いるから」という音の言葉に動揺するあたり、ただのフラグでしかありません。おまけに、偶然音の姿を見かけ、天馬も駆けつけるという、いきなりの三角関係(さすが、少女マンガ)。今後、3人はどうなるのでしょうか……?

 

■C5は“物足りなさ”も……

 やはり、松潤に小栗旬、松田翔太、阿部力という豪華キャストが揃っていた『花男』に比較すると、C5メンバーの“弱さ”が気になる『花晴れ』ですが、まだ第1話。これからそれぞれをフィーチャーした物語が描かれていくと思うので、今後に期待といったところでしょうか。                                              

 しかし、先ほども書いたように、音は“元令嬢”というキャラクターだけに、上品で柔らかい印象の強い花ちゃんによく合っていますし、ハマリ役。演技面も申し分ありません。

 一方、平野くんの演技はやや一辺倒ですが、彼自身の天然キャラが、“残念なイケメン”である晴とよくマッチしているようにも思えますし、馬鹿正直で素直なところがかわいく見えてくるので、杉咲花ちゃんの演技の巧さと、平野くんのかわいさがこの作品を支えていくのだと思います。

 現在、コミックス9巻まで発売されている『花晴れ』。残り10話でどこまで描くのか、また、ドラマオリジナルのストーリーが展開されるのか、今夜の放送が楽しみです。
(文=どらまっ子TAROちゃん)

TBS『ブラックペアン』13.7%発進! 成功のカギは嵐・二宮和也の“低頭身ゆるキャラ”感か

 放送開始直前に嵐・二宮和也と伊藤綾子アナウンサーとの熱愛継続報道が出るなど、盛り上がってるのか、はたまた水を差されたのか、よくわからない感じで始まった日曜劇場『ブラックペアン』(TBS系)。初回の視聴率は13.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、そこそこでした。

 昨年放送された、同じく“福澤組”による日曜劇場の『陸王』初回が14.7%だったので、TBS的にはちょっと物足りない数字かもしれません。とりあえずの目標は、最終回までに20%の大台に届くかどうか、というところでしょう。張り切ってレビューしてまいります。

 

■スタート3分で臓物ドーン!

 

 聞けばこの『ブラックペアン』は、『陸王』と比べるとカット数が3倍にも上るんだそうです。なるほど冒頭からカチャカチャと画面が切り替わり、緊迫した雰囲気で始まりました。

 そして、開始3分で早くも手術開始。グロい臓物ドーン! これは、「『ブラックペアン』は臓物見せていきますよ」というドラマからのメッセージです。

「苦手な人は早々にドロップアウトしてくださいね、“本格医療ドラマ”ですので」ということですね。「グロすぎ!」「お食事時に見られない」などといった批判はお門違いだということです。

 冒頭で、舞台となる東城大学医学部附属病院の佐伯教授(内野聖陽)が“神の手”を持つ世界一の心臓外科医であることが語られ、その直後に主人公・渡海(二宮和也)が、その佐伯教授より優れた手技を見せる。キャラクターたちの背景がどうだ、人間関係がどうだ、という説明より先に、とりあえず「強いヤツ」と「俺より強いヤツ」を見せてしまうというのは、アクション作品の手法ですが、この作品にはよく合っていたと思います。手術シーンも複数出てきますが、先に述べたカットの多さもあって、まるで殺陣を見ているよう。ニノの手さばきも様になってると、素人目には映りました。

 

■描写は“本格”でも、物語は……

 

 このドラマの原作は、現役医師でもある海堂尊さんが2007年に発売した『ブラックペアン1988』(講談社)の新装版。数々の映像化作品が生まれた『チーム・バチスタの栄光』シリーズのスピンオフ作品で、同シリーズで活躍していた田口公平や速水センター長も、研修医(原作では医学生)として登場します。要するに「バチスタの20年前を描いた時代劇」としての『1988』なわけですが、「20年前」という設定は、ドラマではバッサリなくなっています。なので、タイトルは『ブラックペアン』だけ。

“福澤組”で原作モノといえば、とにかく「勧善懲悪」を際だたせるのが特徴です。悪そうなヤツ、主人公を邪魔しそうなヤツをデフォルメして、視聴者に「嫌なヤツだなー」というイメージを強く刷り込んだ上で、正論でブッ叩く。そこに爽快感やカタルシスを生むのがメソッドとなっています。

 しかし、こと『ブラックペアン』においては、その図式に少しのネジレが生じていました。

 主人公の渡海が天才的な手技を持つ外科医であり、出世に興味がなく、物言いや人使いが乱雑で、「腕のない外科医に価値はない」という考え方を持っていることは原作通りですが、ドラマ版ではその“悪たれ”ぶりがさらにデフォルメされています。

 象徴的だったのが、劇中、渡海にとって初の手術となるシーン。同僚のミスをリカバリーすることになった渡海は「1,000万円でもみ消してやろうか?」「お前の退職金で払え」と、開腹したまま出血し続ける患者の横で、ミスした医師に迫ります。そして手術に入り、見事にやり終えると、その同僚は本当に1,000万円をふんだくられてしまう。常識的に考えて、いくら腕がよかろうと許されることではありませんし、たぶん法にも触れる行為でしょう。少なくとも、渡海はこの収入を申告せずに脱税するでしょうし、申告しているとすれば、それはそれで東城大学附属病院という組織にとって致命傷になる。半年後に日本総合外科学会の理事長選を控える佐伯教授にとって、部下が院内でこんな不適切な金銭のやり取りをしてるのは、バカでかい爆弾になる。

 このへん、まさに「マンガやん!」な改編です。マンガの悪役──もっといえば、日本中の視聴者に『ブラックジャック』を思い起こさせるためのシーンでしょう。大学病院の勤務医である渡海に「闇医者」のイメージを、これでもかと刷り込んでいきます。

 図式のネジレというのは、ここにあります。これまで「悪を、より悪に」描くことで、それらの悪が打倒される展開を重ねてきた“福澤組”が、例えば『陸王』では一流メーカーの従業員を演じたピエール瀧や小藪千豊に施したような「悪のデフォルメ」を主人公・渡海に与えている。周到に、悪いエピソードを積み重ねている。

 ところが、渡海は印象として、そんなに悪そうに見えません。小藪ほど憎たらしくありません。なぜか。ニノだからです。

■デフォルメされたのは内面だけではない?

 

 ドラマ発表前、原作読者の中で「渡海=二宮和也」をイメージした人はひとりもいなかったはずです。同じ30代の俳優でも、たとえば綾野剛、山田孝之、松田龍平、瑛太、玉山鉄二……同じジャニーズでもTOKIOの長瀬智也のほうが似合いそうですし、同じ嵐でも松本潤の方が似合いそう。いわゆる「汚れ」のイメージがないニノは、渡海の対極にあるように思えるんです。

 ですが、この「悪たれ」ぶりがデフォルメされた渡海を、上記のような俳優たちが演じるシーンを思い浮かべてみると、ちょっと笑えないというか「マンガやん!」なんて気安くツッコめる気がしません。松田龍平が、あの冷たい視線で「死ね」とか「邪魔」とか言ってたらホントに怖いし近寄りたくないし、綾野剛が「1,000万円でもみ消してやるよ」とか脅してたら、もう手術室じゃなくて歌舞伎町の路地裏になってしまう。

 でも、ニノだと、なんか平気で馴染んでしまっているように見える。

 つまりこれは、「カネにまみれた闇医者」という悪役のデフォルメとして、立ち姿までもが画面の中で成立してしまっているのではないか、と感じるんです。ニノ演じる渡海は、綾野剛や長瀬智也の頭身を下げたヤツなんじゃないか。SDガンダムならぬSD渡海、今風にいえば、渡海ねんどろいど。手のひらサイズの、ゆるキャラとしての渡海征四郎なのです。だから怖くないし、憎めないし、楽しめる。この渡海は、愛せる。これ、ニノの低身長、低頭身を貶めてるわけではないですよ、念のため。この可愛げが、主人公としての存在感を強めていると言いたいのです。

 

■ストーリーもオリジナル成分が多くなりそう

 

 渡海のデフォルメ以外にも、多くの改変部分が見られます。渡海のライバルになりそうな帝華大(東大みたいなの)からやってきたスマートガイ・高階講師(小泉孝太郎)は、原作では終始スマートガイでしたが、ドラマでは1話目から出血にビビってペアンも握れないという醜態をさらしました。

 原作は渡海、高階、佐伯教授の3人を中心にした群像劇&ミステリーでしたが、ドラマではまず高階がひとつ“格の低い”人物になったということです。基本的には、縦軸である渡海と佐伯教授の関係と、佐伯教授だけが使える「ブラックペアン」をめぐる過去の因縁を追いかけつつ、患者入れ替わりの1話完結に近い形を取りそうな気がします。医療ドラマは、どんなお話であれ、少なからず患者に共感できるものですし、本作の語り手である研修医・世良(竹内涼真)の性根がよさそうなので、気持ちよく追いかけることができそうです。

 あと、原作では製薬会社のプロパーが渡海たちに貢物や豪華接待を繰り広げていましたが、ドラマでは治験コーディネーターの香織(加藤綾子)が一手に引き受けるみたい。余談なんですが、このカトパン、なんか妙にエロかった気がします。妙に。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

『コンフィデンスマンJP』第2話、録画視聴率はいいのに……リアルタイム視聴率は1.7%減! フジの悪癖が要因か!?

 4月16日に放映された『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)の第2話、リゾート王編。

 まずは、その内容をおさらいする。冒頭のミッションで命の危機に瀕したボクちゃん(東出昌大)がダー子(長澤まさみ)と決別宣言。ボクちゃんは仲居として働き始め平穏な日々を送るも、勤め先の老舗旅館が桜田リゾート社長・桜田しず子(吉瀬美智子)に買収されそうになる。旅館の若女将(本仮屋ユイカ)に惚れたボクちゃんは、ダー子に助けを求める。ダー子は桜田リゾートのインターン生として、桜田社長に近づき5億円を騙し取ろうとした。

 以上が第2話の大まかなあらすじ。第1話以上に各キャラクターの魅力が出ていて楽しめたが、平均視聴率は1.7ポイント減の7.7%(ビデオリサーチ調べ、関東平均/以下同)。第1話の録画視聴も合わせた総合視聴率は15%を超えているものの、リアルタイム視聴率は芳しくない。第2話の見どころを押さえつつ、低視聴率の要因にも触れていきたい。

◆古沢良太脚本に潜む、低視聴率の落とし穴?

 ロシアンマフィアからの騙し取り失敗から始まる冒頭の掴みは悪くなかった。ダー子たちのミッションが失敗に終わる事もあるという提示は、最終話までの緊迫感を高めるだろう。

 傲慢な女社長に対して、「なんか仲良くなれそう」「オイラ女もイケるよ」と、予想の斜め上をいくダー子の台詞も古沢良太ならではで、クスっと笑えた。

 強いて言えば、悪人から奪った金を困っている人に渡す義賊的な側面の描き方に視聴率低下の要因がある。第1話では作中ほとんど出ない団子屋を救い、第2話で助けた旅館の女将も男を手玉に取る清純風ビッチ。助ける対象を可哀想だと思えなければ、ダー子たちの奮闘を応援する気持ちが半減してしまう。『半沢直樹』(TBS系)であれば、家族や友人に優しい同僚を鬱病にまで追い込んだ上司に倍返しする堺雅人の姿が格好良く見えたし、応援もできた。

 同じ堺雅人主演で古沢良太脚本のドラマといえば『リーガルハイ』(フジテレビ系)。平均視聴率が今より高い2012年とはいえ、2ケタ視聴率から1ケタに落としたことはなかった。個性的な主人公に振り回される常識人という構図は、『コンフィデンスマンJP』も変わらない。ボクちゃんがダー子に翻弄される姿は、古見門(堺雅人)と黛(新垣結衣)の関係を彷彿とさせる。

 違いがあるとすれば、『リーガルハイ』は各話見る側にとって身近な事例を取り上げていた。冤罪や離婚など、自分たちがその危機に直面する可能性がある。助けられる側にも共感ができた。リゾート王から旅館を買収される危機に視聴者は自己投影して不安を感じるのだろうか? 近年のフジテレビドラマ特有の視聴者に寄り添わない悪い癖が出ている。

◆同クール『モンテ・クリスト伯』にも通ずるフジテレビの悪癖

 前述の通り、『コンフィデンスマンJP』は総合視聴率も評判も良い。Twitterでは「ボクちゃんの騙される姿を楽しむドラマなんだ」という感想が目立った。裏を返せば第1話の時点で何を楽しむドラマなのか提示できなかったのは痛いところ。

 また、作品のタイトルの付け方にも難が見える。同クールの『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系、第1話平均視聴率14.7%)であれば未解決事件を解きあかす女の話なのだとわかるし、『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系、第1話平均視聴率10.6%)であればホテルを立て直す話だと想像できる。

 フジテレビは「コンフィデンスマン」の意味が「取り込み詐欺師」と視聴者が訳せると思ったのか? はたまた辞書で調べてくれるとでも思ったのだろうか?

 視聴率5.1%を叩き出した『モンテ・クリスト伯』(フジテレビ系)も、タイトルからストーリーを想起できない。サブタイトルの「華麗なる復讐」を読んでやっと理解ができるが、視聴者はそこまで見てはくれない。黒岩勉の脚本と西谷弘の演出の力で作品自体の評価は高いが、プッシュしている原作の「巌窟王」を視聴者が知ってるとでも思ったのか? テレ朝の木曜9時枠ならまだしも、フジテレビを見てくれる層が求めている企画なのだろうか?

 意地悪に並べた本文のクエスチョンマーク同様、最近のフジテレビのドラマも気取りすぎな気がする。タイトルと内容のシンプルさ、わかりやすさは企画の肝である。まだ「見たくない奴は見なくていい」の感覚を持っているのだろうか?

 『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』(共にフジテレビ系)を制作していた時代の感覚を思い出してほしい。視聴者が見えていないと、番組は見てもらえない。

◆現場はファインプレーの連続、事件は会議室で起きている?

 企画のスタンスに苦言を呈したものの、役者と演出チームは力を遺憾なく発揮しているし、応援したくなる。第2話では主演・長澤まさみの演技には目を見張るものがあった。

 ダー子本人、貴婦人、地味なインターン生を見事に演じ分けていた。中でも注目したいのは、笑いとシリアスの使い分け。笑わせる場面ではとことんコテコテのコメディ演技。ピンチの場面には息遣いまで伝わるほど緊迫感を出していた。しかもこの作品は、「誰かを騙す」という、芝居の中で芝居をする高等技術が必要となる。嘘を見抜かれるときにはわざと下手な芝居をしなければならないし、相手を騙せる時には自然体でいなければならない。その上、笑わせるときは大げさに、展開に引き込む時は控えめに演じる必要がある。難易度の高い要求をされてもチャーミングさをなくさない長澤まさみには頭の下がる思いだ。役者だけでなく、演出家も頭を悩ませたことだろう。役者一人一人の演技の幅を理解し、匙加減をしなければならない。第2話演出の金井絋氏は、人間のダサい部分をカッコよく見せたりと、登場人物の奥行きを表現する力に長けている。今回の吉瀬美智子扮するリゾート王も、ただ金と権力にがめつい悪人ではなく、ポリシーを持った人物として映していた。

 現場の人々の頑張りに、会議室の人間は応えられているのだろうか? 本作品の一ファンとして視聴率の上昇を願いつつ、第3話の放映も楽しみにしたい。

(文=許婚亭ちん宝)

『崖っぷちホテル!』アイドル・岩田剛典の“愛らしさ”暴発中! 「三谷幸喜っぽさ」から脱却できるか

 岩田剛典の民放連ドラ初主演作『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)も15日にスタート。第1話の視聴率は10.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、まずまずの好発進です。

 さてこのドラマ、がっつり岩田ファンに向けてターゲットを絞ってきたように見えます。とにかく、岩田くんの“愛らしさアピール”がすごい。終始アヒル口でニコニコニコニコしながら「ワクワク♪」とか言ってダブルピースをクニクニさせる様など、とても『HiGH&LOW』シリーズで生コン飲んでた人とは思えません。「琥珀さんヨォオ……!」なんて叫び出しそうな気配が、まるでありません(といっても、こっちが本来のパブリックイメージでしょうけど)。

 人物の配置も、基本的には「岩田くん vs その他大勢」という設計になっているので、『崖っぷちホテル!』のコンセプトは、岩田くんによる岩田くんのためのアイドルドラマと見て間違いなさそうです。何しろ、その狙いがミエミエにもかかわらず、岩田くんがずっと愛らしいんだもの。

 そういうわけですので、この岩田くんの愛らしさが受け入れられれば最後まで楽しく完走できそうですし、逆に「うざい」「あざとい」「そもそもイケメンではない」「幼稚」「バカ」などと感じてしまうと、早々に離脱せざるを得ない感じです。

 

■「何が始まるか」は、すごくよく理解できる

 

 物語は、岩田くん演じる青年・宇海直哉が、倒産寸前の老舗ホテルを訪れる場面から始まります。汚ったないコート姿でロビーのイスに座り込んで眠りこけていたかと思ったら、目覚めるやいなや1泊22万円もするスイートを所望するなど、なかなかに怪しい人物です。

 部屋に大量のハガキを持ちこんだり、20誌にも及ぶマイナーな雑誌を買って来いと客室係に言いつけたり、革靴(かかとが潰れている)を廊下に出して「磨いといて」と無言のメッセージを発したり、あげくの果てに「水遊びするからプールの水を入れ替えろ」と命じたり、愛らしい笑顔で無理難題を次々に突きつける宇海。シナリオは、その端々に「なんか宇海は、ホテルのことをわかってるっぽい」というニュアンスを挟みつつ、「基本的には怪しいヤツ」というラインを、絶妙のバランス感覚で綱渡りさせてみせます。

 そんな宇海の理不尽な要求を、一手に引き受けるのが新米支配人の桜井佐那(戸田恵梨香)です。なぜ佐那が一手に引き受けるかといえば、従業員は誰も言うことを聞いてくれないし、そもそもやる気が全然ないからです。

 つまり、このホテルが倒産寸前である所以は、支配人に威厳がなくて、従業員にやる気がないからなのです。一連の怪しい行動で、宇海はそのすべてを見抜いていました。

 ドラマ後半、ニコニコ宇海が、実は有名ホテルチェーン「バリストンホテル」の副支配人だったことが明らかになります。「少し思い入れがあるから」このホテルを訪れたという宇海は、「嫌がらせをされたような気分」「がっかりした」と言って、ホテルを去ろうとします。

 しかし、そんな宇海を呼び止めたのが佐那でした。本気でこのホテルを立て直すことを決意した佐那は、的確な指摘をしてくれた宇海に「ここで私たちと、一緒に働いてください」などと無茶なことを言い出し、宇海がそれに「いいですよ、今すぐ電話してバリストンを辞めます」などと無茶な返答をしたところで、第1話はここまで。

 このホテルの名前は「ホテル・グランデ・インヴルサ」。ポルトガル語で「大逆転」という意味だそうです。果たして宇海と佐那は「大逆転」できるのか……というお話が展開されますよ、という作品の目的地が、すごくよく理解できるスタートだったと思います。

 

■「三谷幸喜っぽさ」の中に立ち上がった個性

 

 脚本は土田英生さん。今作は、演劇畑出身らしい「ホテル固定」の舞台設定で、原作なしの書き下ろしオリジナルになります。

 とはいえ、一見した印象は「書き下ろしのオリジナル」っぽくないなーという感じ。どこかで見た設定、どこかで見たお話、どこかで……というか、言ってしまえば、風景は映画『THE 有頂天ホテル』(2006)を、筋立てはドラマ『王様のレストラン』(フジテレビ系)を想起させます。また三谷幸喜です。この国でシチュエーションコメディを作ろうと思ったら、もう三谷幸喜の呪縛からは逃れられないのかもしれません。

 土田さんだって、この『崖っぷちホテル!』を指して「三谷幸喜っぽい」という感想が出ることは想定内でしょう。むしろ、それをまったく恐れてないと感じました。「三谷幸喜っぽい」だけでは終わらない個性とクオリティを出せるという確信のもとに書いているはずですし、とりあえず第1話が終わったところでも、岩田くん演じる宇海の愛らしさと弾ける笑顔は、このドラマの個性・魅力として立ち上がっていたように感じます。

■手堅い伏線と「再建すべき」という思いに共感させる仕掛け

 

 今後、宇海がさまざまな手を使って、やる気のない従業員たちの意識改革をしていくのだろうな、という予想が立ちます。

 この従業員たちは、その多くが「今は腐ってるけど、やればできる子」として紹介されました。

 シェフの江口(中村倫也)は確かな経験と技術を持っているものの、客の質が落ちてやる気がなくなり、競艇に没頭するばかり。

 副支配人の時貞(渡辺いっけい)とバーマスターの梢(りょう)は、かつてのホテルの価値を理解しているけれど、先々代支配人(佐那の父)に心酔していたこともあって、佐那を認めることができない。

 パティシエのハル(浜辺美波)は、やる気もあるしデザート作りの天才だけど、空気が読めない。

 特にエピソードは紹介されませんでしたが、掃除をさぼってトイレットペーパーを持ち帰ってばかりの清掃員・尚美(西尾まり)も、公式サイトでは「元腕利き清掃員」と紹介されています。

 つまり、宇海と佐那が彼らの意識を改革して、彼らが本来の働きを取り戻しさえすれば、ホテルは必ず再建できると、第1話にして約束されているわけです。1人ひとり、彼らにきっかけを与えて意識改革のエピソードを構築しつつ、宮川大輔、くっきー、チャド・マレーンの吉本芸人3人衆が面白おかしく立ち回る……なんだかこの『崖っぷちホテル!』には、失敗しなそうな雰囲気が漂っています。

 こうして、「どうすればホテルが再建できるか」については手堅く伏線が張られました。もうひとつ「そもそも、なぜこのホテルを再建すべきか」にも、ドラマは説得力を与えています。

 もとより主人公が「思い入れ」があって、ヒロインが「やりたい」と言っているだけでも物語は成立するわけですが、ドラマはこの「ホテル・グランデ・インヴルサ」が再建されるべきホテルであることについても、語ることを怠りません。「別に潰せばいいじゃん」と、視聴者に思わせません。

 宇海が佐那にプールの水の入れ替えを命じたのは、水遊びをするためではありませんでした。この季節、この時間になると、ちょうど夕陽が水面に反射して、ホテル全体の天井を、ゆらめく黄金に染めるのでした。それはまるで、オーロラのような、5年に一度訪れる常連客に言わせれば「夢の国」のような光景。この映像で「これはすごいホテルだな」と視聴者が感じれば、おのずと宇海と佐那の行動に共感できるという仕掛けです。最初に意識改革された「やればできる子」は、従業員ではなくホテルそのものだったというわけです。

 というわけで、実に用意周到にスタートしたように思われる『崖っぷちホテル!』。映画『約三十の嘘』(04)でも見られましたが、限られたスペースと人数の中でキャラクターの心を開かせ、その性根の良さを丁寧に引き出していくのは、土田さんのもっとも得意とする作劇だと思われます。このドラマは面白くなりそうというか、たぶんなると思う、なればいいかな、まあコケる覚悟はしておきますけど。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

『崖っぷちホテル!』アイドル・岩田剛典の“愛らしさ”暴発中! 「三谷幸喜っぽさ」から脱却できるか

 岩田剛典の民放連ドラ初主演作『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)も15日にスタート。第1話の視聴率は10.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、まずまずの好発進です。

 さてこのドラマ、がっつり岩田ファンに向けてターゲットを絞ってきたように見えます。とにかく、岩田くんの“愛らしさアピール”がすごい。終始アヒル口でニコニコニコニコしながら「ワクワク♪」とか言ってダブルピースをクニクニさせる様など、とても『HiGH&LOW』シリーズで生コン飲んでた人とは思えません。「琥珀さんヨォオ……!」なんて叫び出しそうな気配が、まるでありません(といっても、こっちが本来のパブリックイメージでしょうけど)。

 人物の配置も、基本的には「岩田くん vs その他大勢」という設計になっているので、『崖っぷちホテル!』のコンセプトは、岩田くんによる岩田くんのためのアイドルドラマと見て間違いなさそうです。何しろ、その狙いがミエミエにもかかわらず、岩田くんがずっと愛らしいんだもの。

 そういうわけですので、この岩田くんの愛らしさが受け入れられれば最後まで楽しく完走できそうですし、逆に「うざい」「あざとい」「そもそもイケメンではない」「幼稚」「バカ」などと感じてしまうと、早々に離脱せざるを得ない感じです。

 

■「何が始まるか」は、すごくよく理解できる

 

 物語は、岩田くん演じる青年・宇海直哉が、倒産寸前の老舗ホテルを訪れる場面から始まります。汚ったないコート姿でロビーのイスに座り込んで眠りこけていたかと思ったら、目覚めるやいなや1泊22万円もするスイートを所望するなど、なかなかに怪しい人物です。

 部屋に大量のハガキを持ちこんだり、20誌にも及ぶマイナーな雑誌を買って来いと客室係に言いつけたり、革靴(かかとが潰れている)を廊下に出して「磨いといて」と無言のメッセージを発したり、あげくの果てに「水遊びするからプールの水を入れ替えろ」と命じたり、愛らしい笑顔で無理難題を次々に突きつける宇海。シナリオは、その端々に「なんか宇海は、ホテルのことをわかってるっぽい」というニュアンスを挟みつつ、「基本的には怪しいヤツ」というラインを、絶妙のバランス感覚で綱渡りさせてみせます。

 そんな宇海の理不尽な要求を、一手に引き受けるのが新米支配人の桜井佐那(戸田恵梨香)です。なぜ佐那が一手に引き受けるかといえば、従業員は誰も言うことを聞いてくれないし、そもそもやる気が全然ないからです。

 つまり、このホテルが倒産寸前である所以は、支配人に威厳がなくて、従業員にやる気がないからなのです。一連の怪しい行動で、宇海はそのすべてを見抜いていました。

 ドラマ後半、ニコニコ宇海が、実は有名ホテルチェーン「バリストンホテル」の副支配人だったことが明らかになります。「少し思い入れがあるから」このホテルを訪れたという宇海は、「嫌がらせをされたような気分」「がっかりした」と言って、ホテルを去ろうとします。

 しかし、そんな宇海を呼び止めたのが佐那でした。本気でこのホテルを立て直すことを決意した佐那は、的確な指摘をしてくれた宇海に「ここで私たちと、一緒に働いてください」などと無茶なことを言い出し、宇海がそれに「いいですよ、今すぐ電話してバリストンを辞めます」などと無茶な返答をしたところで、第1話はここまで。

 このホテルの名前は「ホテル・グランデ・インヴルサ」。ポルトガル語で「大逆転」という意味だそうです。果たして宇海と佐那は「大逆転」できるのか……というお話が展開されますよ、という作品の目的地が、すごくよく理解できるスタートだったと思います。

 

■「三谷幸喜っぽさ」の中に立ち上がった個性

 

 脚本は土田英生さん。今作は、演劇畑出身らしい「ホテル固定」の舞台設定で、原作なしの書き下ろしオリジナルになります。

 とはいえ、一見した印象は「書き下ろしのオリジナル」っぽくないなーという感じ。どこかで見た設定、どこかで見たお話、どこかで……というか、言ってしまえば、風景は映画『THE 有頂天ホテル』(2006)を、筋立てはドラマ『王様のレストラン』(フジテレビ系)を想起させます。また三谷幸喜です。この国でシチュエーションコメディを作ろうと思ったら、もう三谷幸喜の呪縛からは逃れられないのかもしれません。

 土田さんだって、この『崖っぷちホテル!』を指して「三谷幸喜っぽい」という感想が出ることは想定内でしょう。むしろ、それをまったく恐れてないと感じました。「三谷幸喜っぽい」だけでは終わらない個性とクオリティを出せるという確信のもとに書いているはずですし、とりあえず第1話が終わったところでも、岩田くん演じる宇海の愛らしさと弾ける笑顔は、このドラマの個性・魅力として立ち上がっていたように感じます。

■手堅い伏線と「再建すべき」という思いに共感させる仕掛け

 

 今後、宇海がさまざまな手を使って、やる気のない従業員たちの意識改革をしていくのだろうな、という予想が立ちます。

 この従業員たちは、その多くが「今は腐ってるけど、やればできる子」として紹介されました。

 シェフの江口(中村倫也)は確かな経験と技術を持っているものの、客の質が落ちてやる気がなくなり、競艇に没頭するばかり。

 副支配人の時貞(渡辺いっけい)とバーマスターの梢(りょう)は、かつてのホテルの価値を理解しているけれど、先々代支配人(佐那の父)に心酔していたこともあって、佐那を認めることができない。

 パティシエのハル(浜辺美波)は、やる気もあるしデザート作りの天才だけど、空気が読めない。

 特にエピソードは紹介されませんでしたが、掃除をさぼってトイレットペーパーを持ち帰ってばかりの清掃員・尚美(西尾まり)も、公式サイトでは「元腕利き清掃員」と紹介されています。

 つまり、宇海と佐那が彼らの意識を改革して、彼らが本来の働きを取り戻しさえすれば、ホテルは必ず再建できると、第1話にして約束されているわけです。1人ひとり、彼らにきっかけを与えて意識改革のエピソードを構築しつつ、宮川大輔、くっきー、チャド・マレーンの吉本芸人3人衆が面白おかしく立ち回る……なんだかこの『崖っぷちホテル!』には、失敗しなそうな雰囲気が漂っています。

 こうして、「どうすればホテルが再建できるか」については手堅く伏線が張られました。もうひとつ「そもそも、なぜこのホテルを再建すべきか」にも、ドラマは説得力を与えています。

 もとより主人公が「思い入れ」があって、ヒロインが「やりたい」と言っているだけでも物語は成立するわけですが、ドラマはこの「ホテル・グランデ・インヴルサ」が再建されるべきホテルであることについても、語ることを怠りません。「別に潰せばいいじゃん」と、視聴者に思わせません。

 宇海が佐那にプールの水の入れ替えを命じたのは、水遊びをするためではありませんでした。この季節、この時間になると、ちょうど夕陽が水面に反射して、ホテル全体の天井を、ゆらめく黄金に染めるのでした。それはまるで、オーロラのような、5年に一度訪れる常連客に言わせれば「夢の国」のような光景。この映像で「これはすごいホテルだな」と視聴者が感じれば、おのずと宇海と佐那の行動に共感できるという仕掛けです。最初に意識改革された「やればできる子」は、従業員ではなくホテルそのものだったというわけです。

 というわけで、実に用意周到にスタートしたように思われる『崖っぷちホテル!』。映画『約三十の嘘』(04)でも見られましたが、限られたスペースと人数の中でキャラクターの心を開かせ、その性根の良さを丁寧に引き出していくのは、土田さんのもっとも得意とする作劇だと思われます。このドラマは面白くなりそうというか、たぶんなると思う、なればいいかな、まあコケる覚悟はしておきますけど。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

『Missデビル』菜々緒、厚化粧とフラット演技のせいで「クビ切りアンドロイド」状態に!?

 悪女キャラでブレークした菜々緒が、“人事の悪魔”と呼ばれる強烈な人事コンサルタント役で主演を務めるドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)の第1話が14日に放送され、平均視聴率9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。まずまずのスタートを切りました。

 幼い頃に父親が脚をケガし、保険金のおかげで生活に困らずに済んだ斉藤博史(Sexy Zone・佐藤勝利)は、自分と同じような境遇の人々の助けになるべく、大手損害保険会社・共亜火災に入社。緊張の面持ちで入社式に臨みます。

 その入社式で新人研修の担当官として登壇したのが、フリーの人事コンサルタント・椿眞子(菜々緒)。スーパーモデルのようなルックスに、博史をはじめ新入社員たちはテンションが上がります。

 そして始まった研修ですが、眞子は最初の挨拶で、独自の判断により新入社員50名のうち40名のクビを切ることを宣言。さらに、新人の“最大にして唯一の特権”であるという退職願をいつ提出しても構わないと言い放つのです。

 博史たちに動揺が走る中、研修は問答無用でスタート。マラソンや穴掘りなどの単調かつ過酷な運動で体力を消耗させられる一方、互いの欠点を指摘し合うプログラムやスマホの禁止ルールなどで精神的にも追い詰められ、リタイアする者が続出します。

 さらにこの研修、敵は眞子だけではありません。サバイバルゲームと化したため、仲間同士でつぶし合いに発展。その中でも特に、博史の友人の南雲(前田航基)は、日下部(森永悠希)に暴力を振るわれるなどして精神的に追い詰められ、飛び降り自殺を図ってしまいます。

 幸いなことに木がクッションとなり、南雲は命を取り留めます。その南雲を含めて残り11名となり、最後の脱落者1名を決めるべく、眞子は博史たちに投票させることに。つまり、仲間のクビを切れと命じるのです。

 このやり方に憤った博史は、投票用紙に眞子の名前を書いて反感の意を示すのですが、これはスルーされてしまいます。そして、結果的に票が割れてしまい、眞子が最後の1名を選ぶことになり、日下部を指名。南雲を殴りつけている姿を捉えた隠し撮り映像を見せ、暴力を理由に解雇したのです。

 かくして無事に入社した博史ですが、配属先の人材活用ラボという部署の上司は眞子であることが発覚。投票時に反旗を翻したことを根に持たれ、この先どうなることやら、といったところで今回は終了となりました。

 今や悪女役を演じたら右に出る者がいないほどの活躍を見せる菜々緒が、“悪女を超えた悪魔になる”がコンセプトということで、放送前から話題を集めていた本作。公式サイトのメインビジュアルでは、濃いめのメイク&スーツでビシッと決めた菜々緒が大鎌を持ち、ダークな雰囲気を醸し出した姿を見せているため、新たな代表作になるのではないかと、筆者も期待していました。

 しかし、眞子のしゃべり方には抑揚がなく常にフラット状態。アメリカ帰りを意識したというバッチリメイクも相まって、悪魔というよりは“ケバいアンドロイド”といった感じ。新入社員のクビ切りを独断したのも、その裏に何かワケがあるのかと思いきや、人事費の削減が目的というひねりのなさ。これでは単なるクビ切りロボットにしか思えません。

 研修の最初、退職願について言及した際、眞子は博史たちに向かって、「(企業での)死に方を学んでください」と語りかけたんですよ。2015年に電通の女性新入社員が過労自殺したことをきっかけに、ブラック企業についての報道が多い昨今ですから、“自殺するぐらいなら退職しろ”というメッセージを込めたストーリーになるのかな、と思ったのですが、そうではなかった。

 というよりもむしろ、南雲が自殺未遂を起こしちゃってる。たいして大きな木なんてない場所なのに、木がクッションになって打撲だけで済んだという展開も驚きでしたが、それ以上に眞子が淡々としていることに衝撃を受けました。

 なぜ問題に発展しないのか。報道陣が駆けつけて、大騒動になるレベルの出来事だと思うのですが。強引な解雇宣告や肉体的なしごきも含めて、“24時間、働けますか。”のキャッチフレーズが流行った、ひと昔前の感覚で制作されているような気がしてなりません。

 時代感覚のズレでいえば、安室奈美恵が1995年にリリースしたシングル「Body Feels EXIT」(avex trax)が主題歌なのも謎。なぜこれが選ばれたのでしょう? ドラマの内容に合っているならまだしも、全然合ってない。意味不明のタイアップです。

 否定的なことばかり書きましたが、まだ初回。眞子が冷徹なクビ切り女になったのには、何か深いワケがあるのでしょう。何もないとしたら、ただ単に菜々緒のスタイルの良さをアピールするためだけの作品ということになってしまいます。佐藤勝利の棒演技の改善も含め、次回以降に期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『Missデビル』菜々緒、厚化粧とフラット演技のせいで「クビ切りアンドロイド」状態に!?

 悪女キャラでブレークした菜々緒が、“人事の悪魔”と呼ばれる強烈な人事コンサルタント役で主演を務めるドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)の第1話が14日に放送され、平均視聴率9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。まずまずのスタートを切りました。

 幼い頃に父親が脚をケガし、保険金のおかげで生活に困らずに済んだ斉藤博史(Sexy Zone・佐藤勝利)は、自分と同じような境遇の人々の助けになるべく、大手損害保険会社・共亜火災に入社。緊張の面持ちで入社式に臨みます。

 その入社式で新人研修の担当官として登壇したのが、フリーの人事コンサルタント・椿眞子(菜々緒)。スーパーモデルのようなルックスに、博史をはじめ新入社員たちはテンションが上がります。

 そして始まった研修ですが、眞子は最初の挨拶で、独自の判断により新入社員50名のうち40名のクビを切ることを宣言。さらに、新人の“最大にして唯一の特権”であるという退職願をいつ提出しても構わないと言い放つのです。

 博史たちに動揺が走る中、研修は問答無用でスタート。マラソンや穴掘りなどの単調かつ過酷な運動で体力を消耗させられる一方、互いの欠点を指摘し合うプログラムやスマホの禁止ルールなどで精神的にも追い詰められ、リタイアする者が続出します。

 さらにこの研修、敵は眞子だけではありません。サバイバルゲームと化したため、仲間同士でつぶし合いに発展。その中でも特に、博史の友人の南雲(前田航基)は、日下部(森永悠希)に暴力を振るわれるなどして精神的に追い詰められ、飛び降り自殺を図ってしまいます。

 幸いなことに木がクッションとなり、南雲は命を取り留めます。その南雲を含めて残り11名となり、最後の脱落者1名を決めるべく、眞子は博史たちに投票させることに。つまり、仲間のクビを切れと命じるのです。

 このやり方に憤った博史は、投票用紙に眞子の名前を書いて反感の意を示すのですが、これはスルーされてしまいます。そして、結果的に票が割れてしまい、眞子が最後の1名を選ぶことになり、日下部を指名。南雲を殴りつけている姿を捉えた隠し撮り映像を見せ、暴力を理由に解雇したのです。

 かくして無事に入社した博史ですが、配属先の人材活用ラボという部署の上司は眞子であることが発覚。投票時に反旗を翻したことを根に持たれ、この先どうなることやら、といったところで今回は終了となりました。

 今や悪女役を演じたら右に出る者がいないほどの活躍を見せる菜々緒が、“悪女を超えた悪魔になる”がコンセプトということで、放送前から話題を集めていた本作。公式サイトのメインビジュアルでは、濃いめのメイク&スーツでビシッと決めた菜々緒が大鎌を持ち、ダークな雰囲気を醸し出した姿を見せているため、新たな代表作になるのではないかと、筆者も期待していました。

 しかし、眞子のしゃべり方には抑揚がなく常にフラット状態。アメリカ帰りを意識したというバッチリメイクも相まって、悪魔というよりは“ケバいアンドロイド”といった感じ。新入社員のクビ切りを独断したのも、その裏に何かワケがあるのかと思いきや、人事費の削減が目的というひねりのなさ。これでは単なるクビ切りロボットにしか思えません。

 研修の最初、退職願について言及した際、眞子は博史たちに向かって、「(企業での)死に方を学んでください」と語りかけたんですよ。2015年に電通の女性新入社員が過労自殺したことをきっかけに、ブラック企業についての報道が多い昨今ですから、“自殺するぐらいなら退職しろ”というメッセージを込めたストーリーになるのかな、と思ったのですが、そうではなかった。

 というよりもむしろ、南雲が自殺未遂を起こしちゃってる。たいして大きな木なんてない場所なのに、木がクッションになって打撲だけで済んだという展開も驚きでしたが、それ以上に眞子が淡々としていることに衝撃を受けました。

 なぜ問題に発展しないのか。報道陣が駆けつけて、大騒動になるレベルの出来事だと思うのですが。強引な解雇宣告や肉体的なしごきも含めて、“24時間、働けますか。”のキャッチフレーズが流行った、ひと昔前の感覚で制作されているような気がしてなりません。

 時代感覚のズレでいえば、安室奈美恵が1995年にリリースしたシングル「Body Feels EXIT」(avex trax)が主題歌なのも謎。なぜこれが選ばれたのでしょう? ドラマの内容に合っているならまだしも、全然合ってない。意味不明のタイアップです。

 否定的なことばかり書きましたが、まだ初回。眞子が冷徹なクビ切り女になったのには、何か深いワケがあるのでしょう。何もないとしたら、ただ単に菜々緒のスタイルの良さをアピールするためだけの作品ということになってしまいます。佐藤勝利の棒演技の改善も含め、次回以降に期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)