『Missデビル』の狙いは『ドクターX』路線? 菜々緒のお仕置きハイキック、今週も炸裂!

 9頭身を誇る絶世の美女・菜々緒が、“悪魔”と称される冷徹な人事コンサルタント役を演じるドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)の第3話が28日に放送され、平均視聴率8.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.7ポイントアップとなりました。

前回までのレビューはこちらから

 共亜火災保険の人材活用ラボという部署に所属された新入社員・斉藤博史(Sexy Zone・佐藤勝利)は、上司の椿眞子(菜々緒)に命じられ、前回から対外的には新人研修というカタチで、リストラ候補探しのため各部署を回ることに。今回は、損害サービス部の“お荷物”を探すよう指令を受けます。

 同部署では、部長の尾上(おかやまはじめ)が音頭を取り、働き方改革を推進中なのですが、尾上は口先ばかりでロクにスケジュール調整をせず、仕事は部下に丸投げ状態。また、若手社員の吉田(前田公輝)は、パワハラで訴えるとほのめかし、上司からの命令をはねつける。その結果、中間管理職である課長の簑島(金子貴俊)が割を食い、大幅な残業を強いられてしまっているのです。

 このままでは簑島がつぶれてしまう。危機感を募らせた博史は、楽な仕事ばかりを選ぶ吉田をリストラ候補に挙げ、眞子に訴えます。

 しかし眞子は、このリストラ案を却下。簑島に同情を寄せるあまり、吉田を色眼鏡で見ていると指摘するのです。

 もしやと簑島の自殺を懸念した博史は、退社後、簑島を尾行することに。すると案の定、簑島は歩道橋の上で立ち止まり、今にも飛び降りそうな気配。博史は慌てて止めようとするのですが、その時ちょうど、吉田がすぐ近くを通りかかります。

 実は簑島は、吉田を襲うために待ち伏せていたのです。吉田の背後から近づき、ナイフを振りかざす。と、そこへ、眞子の美脚が画面外から現れ、簑島の襲撃を阻止。突然の登場に驚く吉田と博史をヨソに、眞子は簑島にハイキックを食らわせ、ノックアウトしてしまいます。

 眞子と博史はそのまま、簑島を人材活用ラボへ連行。そこで眞子は、簑島が営業部に所属していた当時、成績を上げるために契約書を不正に書き換えていたことを指摘し、退職を迫ります。

 その一方で眞子は、吉田へのお仕置きも忘れません。吉田がSNSの裏アカウントを用いて書き込んでいる、会社への誹謗中傷メッセージや経費のチョロまかし暴露投稿を、社内中のパソコンに一斉配信してしまうのです。

 その後の顛末は明かされませんでしたが、恐らく何らかの懲罰は下されたことでしょう。一方、簑島はというと、以前から夢だった料理の世界へ飛び込み、苦労しつつも充実した日々を送る結果オーライな幕引きとなりました。

 さて感想ですが、精神的に追い詰められた社員に退職を迫り、明らかに言動に問題のある社員を眞子が裏で成敗、という展開は、前回とまったく同じでした。

 その前回からなんとなく、このドラマが目指しているのは、米倉涼子・主演の大ヒットシリーズ『ドクターX』(テレビ朝日系)路線なのではないかと思っていたのですが、今回の放送でますますそう感じるようになりました。

『ドクターX』で米倉が演じるのは、海外で豊富な経験を積んだフリーランスの天才外科医・大門未知子役。毎回、抜群のスタイルを見せびらかすようなミニスカート&ハイヒール姿で登場し、自分の利害のみを優先する大学病院の教授たちと対立しては、正義のメスでぎゃふんといわせるという水戸黄門的な勧善懲悪ストーリーに終始するんですね。

 一方の眞子も、アメリカで輝かしいキャリアを積んだフリーの人事コンサルタントという設定で、毎回セクシーな衣装で登場。悪を成敗するのがオチという点も似通っています。

 また、眞子は誰かに反論された際、「おだまり!」と吠えるのが口癖になっていますが、これは未知子が意に沿わない仕事を押し付けられた時の「いたしません」や、困難なオペに対しての「私、失敗しないので」などのように、我の強いキャラクターを表す決めセリフとして定着させたい、という脚本家の意図が薄っすら感じられます。

 さらに付け加えると、大学病院の院長役として出演し、未知子と口論を繰り広げる西田敏行が、『Missデビル』では共亜火災保険の会長として登場。眞子とは対立しているわけではありませんが、会長室で向き合うサマは、院長室で未知子と対峙するシーンを彷彿とさせるのです。

 ただ、眞子以外のキャラが弱いため、魑魅魍魎が巣くう大学病院内部を描いた『ドクターX』にはとても敵わない。佐藤勝利の演技がダイコンなだけに、新人研修で各部署を渡り歩く流れにも見応えがありません。

 しかし今回、眞子が何らかの復讐心を抱き、共亜火災保険に潜り込んだことをほのめかす場面があったため、その背景次第では今後、面白い展開になっていくかもしれません。平均視聴率20%を超えるようなモンスタードラマになることを期待しつつ、次回を楽しみにしたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

ラブホで人生哲学する俳優・池松壮亮の真骨頂! 理不尽さに満ちた世界『宮本から君へ』第4話

 若手演技派男優として、真っ先に名前が挙がるのが池松壮亮です。R指定映画『愛の渦』『海を感じる時』(ともに13年)では門脇麦、市川由衣を相手に過激な濡れ場を演じて話題を呼びました。演技面できっちりリードするので、共演女優たちからは信頼されています。官能系映画で汗を流す一方、時代の流れに迎合できずにいる現代の若者像をナイーブに描いた石井裕也監督の『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(17年)でも主演しています。ベッドで腰を振りながら、自分が生きている意味を模索し続ける俳優、それが池松壮亮です。社会人1年生の宮本浩が恋に仕事に全力で悩む『宮本から君へ』(テレビ東京系)はそんな彼にぴったりの深夜ドラマです。ヒロインとのベッドシーンが用意された第4話を振り返ってみましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 宮本浩(池松壮亮)は都内の小さな文具メーカーに勤める新人営業マンです。通勤電車で顔を合わせる大手自動車メーカーの受付嬢・甲田美沙子(華村あすか)と仲良くなり、職場近くのカフェで早朝デートするようになりました。初キスは済ませましたが、初SEXはまだ。友達以上恋人未満という微妙な距離感を、宮本は悶々としながらも楽しんでいるようです。

 出社前から宮本と美沙子がイチャイチャしている光景を見かけた宮本の同僚・田島(柄本時生)は、「お前はええのう。おもろない生活から逃げ道ができて」とついつい嫌味のひとつも言いたくなります。営業マンとしてはまだ半人前であるのは宮本も一緒です。美沙子と過ごす時間を心の支えにしながらも、「美沙子=逃げ道」という田島の指摘が気になってしまいます。美沙子とエッチしたい。でも美沙子への欲望は純粋な愛情ではなく、仕事にやりがいを見出せない現実からの逃避なのかと宮本は思い悩むのでした。

 第1話に続き、昭和感漂う居酒屋「酔の助」での呑み会。職場の仲間たちと呑んでいても、やっぱり宮本の顔は浮かないままです。美沙子との交際がスタートしたのに、美沙子を抱くのは自分が営業マンとして一人前になってからと宮本は決めています。妙にストイックな宮本に対し、「何べんでもSEXすればいい。人間のすることに完全なんかない。気持ちは後から付いてくるよ」と上司の小田課長(星田英利)は優しく諭します。でも、意地っ張りな宮本はついつい反論してしまうのでした。「人間なら完全になれると信じたいです。やってみなくちゃ、分からないでしょ!?」と酒の席でシャウトするのでした。

 美沙子とのデートの日が訪れました。渋谷のバーで、2人っきりの時間を過ごす宮本と美沙子。この日の美沙子はいつになく積極的でした。「宮本さんは紳士なの? けだもの?」「私は淑女なの? それとも……」。何度も何度も思わせぶりな「今夜はOKだよ」サインを発する美沙子でした。でも、美沙子とのSEXをつまらない仕事の逃げ道にしたくない宮本は、美沙子の甘い誘いになかなか乗ってきません。ついに業を煮やした美沙子は「今夜は帰らないって、家族には言ってきたから」と男が断れない最後の決め台詞を吐くのでした。

 美沙子は分かりやすい女です。学生時代から付き合ってきた彼に振られて間もない美沙子は「私を捕まえて。私、宮本さんを逃げ道にするから」と堂々と言い放ちます。元彼のことを忘れるくらい強く激しく愛してほしいと、宮本のハートと股間に剛速球を投げ込みます。ここまで女に言わせたら、もう宮本も帰るわけにはいきません。「行くぞッ!」と取って付けたような男らしさでラブホに向かうのでした。

■未練がましい? 最初で最後となる美沙子のいる職場への訪問

 

 ラブホではバスローブ姿になった美沙子が、ベッドで待っていた宮本の横に座り、しなだれ掛かります。自身の男性器が勃起していることを確認した宮本は、美沙子のバスローブを剥ぎ取りました。美沙子の巧妙なマインドコントロールによって、宮本はあっさり「一人前になるまで美沙子は抱かない」という自分への誓いを破ってしまいます。宮本との初SEXを済ませ、満足したのか美沙子は大きな鼻息を立てながら、ぐっすりと眠っています。美沙子の寝顔を見つめながら「……けだもの」と呟く宮本でしたが、ようやく美沙子と身も心も繋がったという充足感も感じているのでした。

 美沙子と一線を越える仲になったも束の間、宮本は天国から地獄へと突き落とされます。宮本を地獄送りにしたのは、誰であろう美沙子に他なりません。毎朝、一緒に電車通勤していたのに、いきなり美沙子は姿を見せなくなったのです。考えられる理由はひとつです。日曜日に短大時代のサークルの集まりに参加すると話していた美沙子は、元彼も来るかもしれないけど……と宮本にお伺いを立てていました。美沙子と初SEXしたばかりの宮本は、「行けばいいよ」と男の寛容さを誇示したのですが、これが命取りでした。「私を捕まえて」と美沙子が言っていた言葉の重みを反芻する宮本ですが、今さらもう手遅れです。

 元彼はそんなにいい男なのでしょうか? 宮本とは比べものにならないくらの高給取りなのでしょうか? 宮本よりも抜群にSEXがうまいのでしょうか? 宮本は美沙子に棄てられたという現実を直視することができず、美沙子に電話をかけることすらできません。美沙子と音信不通になって数日後、駅で美沙子を宮本は見かけますが、美沙子は無言のまま目を合わせようとしません。美沙子の乗った電車を宮本はみっともなく追いかけるものの、無情にも扉が閉まった電車は遥か遠くへと去っていきます。

 翌日の朝方、美沙子からメッセージが届きました。元彼から「やり直したい」と言われたそうです。「自分勝手で本当にごめんなさい」と綴られたメッセージだけでは、どうにも宮本の心は落ち着きません。土砂降りの雨の中、美沙子の勤める大手自動車メーカーの本社を訪ねる宮本でした。もちろんアポなしです。エントランスで大きく深呼吸した宮本は、美沙子のいる受付けへと進んでいきます。「僕の名前は宮本浩です!」「用はありません!」「さようなら!」。短い3つのフレーズに、自分の思いの丈を存分に込めて叫ぶ宮本でした。この奇妙で愚直な宮本の行動を、受付嬢である美沙子は「はい」「ありがとうございました」と懸命に泣くのをこらえながら対応するのでした。

 最後にお辞儀しながら、宮本は美沙子に見送られます。このお辞儀は、真っすぐに生きることを何よりも尊んだ青春時代との別れの挨拶でもありました。宮本は元彼のもとに走った美沙子への怒りよりも、美沙子の逃げ道にすらなれなかった自分の器の小ささに対する不甲斐なさでいっぱいです。美沙子を大切に思うあまりSEXを控えていた宮本は、美沙子に押し切られてSEXしますが、その直後に棄てられてしまいました。何という不条理でしょう。この世界は理不尽さに溢れています。でも、そんな理不尽さのひとつひとつを、社会人1年生の宮本はこれからも噛み砕きながら前へ進んでいくしかありません。

 これにて『宮本から君へ』の序章は終了。次回からはカリスマ営業マンの神保(松山ケンイチ)が登場し、宮本にサラリーマン稼業の真髄を叩き込むことになります。原作者である漫画家・新井英樹も宮本の父親役で出演するようです。いよいよ本章が幕を開ける『宮本から君へ』第5話は要チェックです。
(文=長野辰次)

 

『孤独のグルメ』今シーズン初の地方遠征は群馬! 『ガキ使』のあの人気キャラも登場で……

 おじさんがぶつぶつ言いながら一人で飯を食ってるのを、どこかシンクロしながら鑑賞するドラマ『孤独のグルメ Season7』(テレビ東京系)。第4話はSeason7初の地方遠征、しかもダブルヘッダー。「第4話・群馬県甘楽郡 下仁田町のタンメンと豚すき焼き」。

(前回までのレビューはこちらから)

■仕事前にいきなり食事

「ずいぶん早く着いちゃったな」

 旅情たっぷりな台詞とともに井之頭五郎(松重豊)が降り立ったのは、上信電鉄・上信線の下仁田駅。2両ほどのローカルな車両から降り立つ導入は映画のよう。

 商談で来たはずだが、駅を出るなり渋い路地を見つけ散策し出す。

「うわー、よく『残ってる』なあ」という台詞から、根っからの街歩き好きぶりがうかがえる。撞球場と書かれた木造丸出しのビリヤード場に感激したり、「食亭エイト」という趣があるんだかないんだかなリアルな店名を見て「味のある店名だ」と感心したり、仕事する前から自分なりに地方を満喫しちゃう幸せそうな五郎。

 そんな中遭遇したのが、地元に愛されていそうなこれまた渋い中華食堂。

「一目惚れしちゃう面構え」に惹かれた五郎は「餃子・タンメン 一番」と掲げられた看板を見るなり「こんな店にタンメンとか言われると、腹が、減ってきた……!」と、まだドラマのオープニング前なのに空腹宣言シーンと同時に入店、すぐさま食事シーン。今回は忙しそう。

 餃子とタンメンを注文し、老齢の主人が1個ずつ小麦粉の団子を皮に伸ばしていく様に感嘆する五郎。

「注文の都度、この作業をやってるのか……!」

 横では奥さんらしきお婆さんが、年季の入った中華鍋を振っている。この無駄のなさすぎる所作が、あまりに堂にいっていたので気になり調べてみたら、どうやらこのご夫婦、ご本人らしい。

 主人の朴訥とした台詞回しは、まるで往年の笠智衆のよう。

「作るとこ見ながら料理待ってるの大好き」とカウンターから無邪気に覗き込む五郎。今日も楽しそう。

 まずはタンメン到着。五郎は「一目で美味いのがわかる」というエスパーのような発言をしていたが、確かに間違いなさそう。変な言い方だが、美味いタンメンって絶対に美味い。

 一口食うなり、しみじみと「あー、これはいいタンメンだ……」と幸せを噛み締める。

 見ているだけで口に噛みごたえが伝わってくるような、むちむちの太麺。

「肉は少し、野菜はもやしとキャベツと人参。それだけ。具材を削ぎ落とした『引き算のタンメン』」モノは言いようだが、とにかく美味そうだから説得力が半端ない。

 途中、美味さに感激しながら五郎がタンメンをすするシーンがワンカット長回しで1分40秒に渡って繰り広げられ、最後は「久しぶりにスープ全飲み」、まさに「うますぎて止められん!」のが伝わってくる渾身の食べっぷりを見せてくれた。

 ここで餃子到着。正直カタチはさほど綺麗ではない。潰れ気味で、ごてごてとくっつき合い、ボテッと塊になった餃子。しかし、その皮の焦げ具合や、もちもちした輝きっぷりが絶対美味いやつだと予感させる。今まで幾度となく餃子は登場しているが、そのどれとも違う存在感。店員の沼田(戸塚純貴)に言われた通り、酢多めに醤油とラー油でかぶりつく。

「焦げがジャスト」という、いい表現。焦げを噛んだ時に出る音が、感触を想起させまくる。具材に何が入っているとかはわからないままだが「これはいい店に当たったあ」という五郎の感想が全てだろう。そして、あの名言まで飛び出した。

「こういうのでいいんだよ、こういうので」

 余計なことをせず、それでいて必要最低限の要素がしっかりしている品が出てきた時、五郎が口にする言葉。原作では板橋でのシンプルなハンバーグランチが出てきた時に言っているのだが、結局その際は、外国人店員にきつくあたりすぎる不遜な店主に五郎が憤慨し、完食せずに店を出たあげく、路上で逆上し襲いかかってきた店主にアームロックを決め懲らしめるという、ドラマではあり得ない原作屈指のシーンが展開された。松重は柔道2段なので、かのシーンを踏まえてのキャスティングかと思われたが、Season7現在、そういった展開はどうやらなさそうだ。

■『ガキ使』のピカデリー梅田も登場

 商談を終え、駅で帰りの電車を30分待つつもりが2時間以上ベンチで居眠りして、3本も電車を乗り過ごしてしまう五郎。長い時間見てたのに、起こしてくれずニタニタしてる駅員(正名僕造)もいい味を出していたが、ベンチで「秘湯中の秘湯だよ」と温泉を勧めてきたお年寄り(菅登未男)が、『ガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の入れ歯怪談師や入れ歯考古学者としてお馴染みの「ピカデリー梅田」だったことにびっくりした。孫役らしき女性に手を引かれていたもののお元気そうで何より。御年87歳。

■2件目のすき焼きは豚肉と下仁田ネギで

 結局この日、2回目の「腹が減った」コールで店探し。実は下仁田は醤油だれにさっとくぐらせただけの「下仁田かつ丼」も有名なのだが、そののぼりには目もくれず五郎が目指したのは、先ほどの店の真隣にあった「すきやき・鍋物料理 コロムビア」という店。タンメン食った直後から気になってた五郎だったが、「失敗はご馳走で取り返せ」と、都合のいい名言を吐きながら直行する。

「コロンビア共和国」のコロンビアではなく、「コロムビアレコード」とか「コロムビア・トップ・ライト」(漫才師)とかのコロムビア。すき焼き屋なのにコロムビア。前述の「食亭エイト」もそうだが、この決して狙って付けてない、あざとさゼロのちぐはぐ感がいい。

 奥へ通されると、カラオケステージまである広間はまるで旅館の宴会場。なんちゃらプロデューサーとかなんとかコーディネーターとかが絶対関わってないこの感じ、いい。

 メニューはなく、すき焼きの肉を牛肉か豚肉か選ぶだけ。下仁田では豚すき焼きが一般的だと聞きもちろん豚で注文する。

 登場したすき焼きは、立派な豚ロースに下仁田ネギなど各種野菜。割り下を入れる前にネギだけ素焼きで食べてみろと勧められ、太くて立派な下仁田ネギをこんがり焼いて頬張る。

「むちゃくちゃ甘くて美味しい」とのこと。

 さらに、豚肉と割り下を投入、生卵で焼けた肉を頬張る。

「なるほど、こうなるか。豚すき、イケる。」どうやら五郎は豚すき焼きを食べるのが初めてらしく、筆者は東京だが、子どもの頃、すき焼きといえば豚の時代があったので、五郎が初めてとは少し意外。

 さらに下仁田ネギを豚で巻いて食うのだが、これも美味そう。しっかりした豚ロースならではの食べ方かもしれない。口に入れた五郎から「完にして璧」とのお墨付き。卵をじゅるじゅるとすする音も最高の効果音だ。

 白滝、しいたけ、エノキ、さらに冷奴として付いてきた小さな豆腐まで投入、「昼のタンメンとは逆の足し算のすき焼き」だと分析する哲学者・五郎。

 グツグツと具が小躍りしてるのを眺めながら「鍋の中は今、宴たけなわだ」と五郎の気分もマックス。アコースティックギターから始まるBGM「店を探そう」をバックにギアを上げる。

「少年たちよ、君達にも、いつかすき焼きの椎茸の意味を知る日が来るんだ」と椎茸を頬張ったかと思うと、「くったくたになったネギを卵につけて食べるのもまた趣のある美味さ」とネギをちゅるりと流し込む。

「なぜこれが都内で普通に食べられないのだろう、豚すき最高だな」と、すっかり豚すきがお気に入りの様子。残った具を全て卵にくぐらせ、それらを白米の上に蓋をするように並べ、すき焼き丼にして「いざ!」とシフトチェンジ。同時にBGMも「喰らいマックス」にチェンジしてテンションアップ。

「下仁田流すき焼き、最高のフィニッシュだ」と言った瞬間、豚の脂の溶け出し煮詰まった割りを見て固まる五郎。

「この残り汁を見ちまったら終われんだろう」と白米と生卵を追加、「(生)卵&すき焼きの汁かけご飯」を製造、口に含むなり「うわ、マジで美味い! やったあ!」と感激。「俺は最高の仕上げ方を見つけてしまった」と自画自賛、予想より美味かった発見に驚く五郎がかわいい。

 最後のBGMは新曲「アイリッシュ・スプーン」で後半3段階で駆け上がる畳み掛けがすごかった。

 結局満腹の五郎は帰るのがめんどくさくなったらしく温泉にで行こうかと壁にもたれ掛かかって、今回は終了。おそらく泊まって帰ったのでしょう。

 原作者・久住昌之が同店を訪れる「ふらっとQUSUMI」では最初の店・一番を訪問。タンメンで使う太麺を使った、常連が頼む裏メニュー・焼きそばなどを紹介。

 見習い店員の沼田さんは、街がこの味を残すために行った募集に応募してしてきた若者で、ドラマでの役者(戸塚純貴)があまりに沼田氏本人にそっくりだったため、ネットでは「店員なのに芝居が上手い」と情報が錯綜したほど。

 今回は、地方ならではの2店ハシゴながら無駄のない構成で、小旅行気分を味あわせてくれた良回。特に一番のご夫婦の存在感がよく、役者でなくご本人に出ていただいたのが好采配だったと思います。ご馳走様でした。
(文=柿田太郎)

『孤独のグルメ』今シーズン初の地方遠征は群馬! 『ガキ使』のあの人気キャラも登場で……

 おじさんがぶつぶつ言いながら一人で飯を食ってるのを、どこかシンクロしながら鑑賞するドラマ『孤独のグルメ Season7』(テレビ東京系)。第4話はSeason7初の地方遠征、しかもダブルヘッダー。「第4話・群馬県甘楽郡 下仁田町のタンメンと豚すき焼き」。

(前回までのレビューはこちらから)

■仕事前にいきなり食事

「ずいぶん早く着いちゃったな」

 旅情たっぷりな台詞とともに井之頭五郎(松重豊)が降り立ったのは、上信電鉄・上信線の下仁田駅。2両ほどのローカルな車両から降り立つ導入は映画のよう。

 商談で来たはずだが、駅を出るなり渋い路地を見つけ散策し出す。

「うわー、よく『残ってる』なあ」という台詞から、根っからの街歩き好きぶりがうかがえる。撞球場と書かれた木造丸出しのビリヤード場に感激したり、「食亭エイト」という趣があるんだかないんだかなリアルな店名を見て「味のある店名だ」と感心したり、仕事する前から自分なりに地方を満喫しちゃう幸せそうな五郎。

 そんな中遭遇したのが、地元に愛されていそうなこれまた渋い中華食堂。

「一目惚れしちゃう面構え」に惹かれた五郎は「餃子・タンメン 一番」と掲げられた看板を見るなり「こんな店にタンメンとか言われると、腹が、減ってきた……!」と、まだドラマのオープニング前なのに空腹宣言シーンと同時に入店、すぐさま食事シーン。今回は忙しそう。

 餃子とタンメンを注文し、老齢の主人が1個ずつ小麦粉の団子を皮に伸ばしていく様に感嘆する五郎。

「注文の都度、この作業をやってるのか……!」

 横では奥さんらしきお婆さんが、年季の入った中華鍋を振っている。この無駄のなさすぎる所作が、あまりに堂にいっていたので気になり調べてみたら、どうやらこのご夫婦、ご本人らしい。

 主人の朴訥とした台詞回しは、まるで往年の笠智衆のよう。

「作るとこ見ながら料理待ってるの大好き」とカウンターから無邪気に覗き込む五郎。今日も楽しそう。

 まずはタンメン到着。五郎は「一目で美味いのがわかる」というエスパーのような発言をしていたが、確かに間違いなさそう。変な言い方だが、美味いタンメンって絶対に美味い。

 一口食うなり、しみじみと「あー、これはいいタンメンだ……」と幸せを噛み締める。

 見ているだけで口に噛みごたえが伝わってくるような、むちむちの太麺。

「肉は少し、野菜はもやしとキャベツと人参。それだけ。具材を削ぎ落とした『引き算のタンメン』」モノは言いようだが、とにかく美味そうだから説得力が半端ない。

 途中、美味さに感激しながら五郎がタンメンをすするシーンがワンカット長回しで1分40秒に渡って繰り広げられ、最後は「久しぶりにスープ全飲み」、まさに「うますぎて止められん!」のが伝わってくる渾身の食べっぷりを見せてくれた。

 ここで餃子到着。正直カタチはさほど綺麗ではない。潰れ気味で、ごてごてとくっつき合い、ボテッと塊になった餃子。しかし、その皮の焦げ具合や、もちもちした輝きっぷりが絶対美味いやつだと予感させる。今まで幾度となく餃子は登場しているが、そのどれとも違う存在感。店員の沼田(戸塚純貴)に言われた通り、酢多めに醤油とラー油でかぶりつく。

「焦げがジャスト」という、いい表現。焦げを噛んだ時に出る音が、感触を想起させまくる。具材に何が入っているとかはわからないままだが「これはいい店に当たったあ」という五郎の感想が全てだろう。そして、あの名言まで飛び出した。

「こういうのでいいんだよ、こういうので」

 余計なことをせず、それでいて必要最低限の要素がしっかりしている品が出てきた時、五郎が口にする言葉。原作では板橋でのシンプルなハンバーグランチが出てきた時に言っているのだが、結局その際は、外国人店員にきつくあたりすぎる不遜な店主に五郎が憤慨し、完食せずに店を出たあげく、路上で逆上し襲いかかってきた店主にアームロックを決め懲らしめるという、ドラマではあり得ない原作屈指のシーンが展開された。松重は柔道2段なので、かのシーンを踏まえてのキャスティングかと思われたが、Season7現在、そういった展開はどうやらなさそうだ。

■『ガキ使』のピカデリー梅田も登場

 商談を終え、駅で帰りの電車を30分待つつもりが2時間以上ベンチで居眠りして、3本も電車を乗り過ごしてしまう五郎。長い時間見てたのに、起こしてくれずニタニタしてる駅員(正名僕造)もいい味を出していたが、ベンチで「秘湯中の秘湯だよ」と温泉を勧めてきたお年寄り(菅登未男)が、『ガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の入れ歯怪談師や入れ歯考古学者としてお馴染みの「ピカデリー梅田」だったことにびっくりした。孫役らしき女性に手を引かれていたもののお元気そうで何より。御年87歳。

■2件目のすき焼きは豚肉と下仁田ネギで

 結局この日、2回目の「腹が減った」コールで店探し。実は下仁田は醤油だれにさっとくぐらせただけの「下仁田かつ丼」も有名なのだが、そののぼりには目もくれず五郎が目指したのは、先ほどの店の真隣にあった「すきやき・鍋物料理 コロムビア」という店。タンメン食った直後から気になってた五郎だったが、「失敗はご馳走で取り返せ」と、都合のいい名言を吐きながら直行する。

「コロンビア共和国」のコロンビアではなく、「コロムビアレコード」とか「コロムビア・トップ・ライト」(漫才師)とかのコロムビア。すき焼き屋なのにコロムビア。前述の「食亭エイト」もそうだが、この決して狙って付けてない、あざとさゼロのちぐはぐ感がいい。

 奥へ通されると、カラオケステージまである広間はまるで旅館の宴会場。なんちゃらプロデューサーとかなんとかコーディネーターとかが絶対関わってないこの感じ、いい。

 メニューはなく、すき焼きの肉を牛肉か豚肉か選ぶだけ。下仁田では豚すき焼きが一般的だと聞きもちろん豚で注文する。

 登場したすき焼きは、立派な豚ロースに下仁田ネギなど各種野菜。割り下を入れる前にネギだけ素焼きで食べてみろと勧められ、太くて立派な下仁田ネギをこんがり焼いて頬張る。

「むちゃくちゃ甘くて美味しい」とのこと。

 さらに、豚肉と割り下を投入、生卵で焼けた肉を頬張る。

「なるほど、こうなるか。豚すき、イケる。」どうやら五郎は豚すき焼きを食べるのが初めてらしく、筆者は東京だが、子どもの頃、すき焼きといえば豚の時代があったので、五郎が初めてとは少し意外。

 さらに下仁田ネギを豚で巻いて食うのだが、これも美味そう。しっかりした豚ロースならではの食べ方かもしれない。口に入れた五郎から「完にして璧」とのお墨付き。卵をじゅるじゅるとすする音も最高の効果音だ。

 白滝、しいたけ、エノキ、さらに冷奴として付いてきた小さな豆腐まで投入、「昼のタンメンとは逆の足し算のすき焼き」だと分析する哲学者・五郎。

 グツグツと具が小躍りしてるのを眺めながら「鍋の中は今、宴たけなわだ」と五郎の気分もマックス。アコースティックギターから始まるBGM「店を探そう」をバックにギアを上げる。

「少年たちよ、君達にも、いつかすき焼きの椎茸の意味を知る日が来るんだ」と椎茸を頬張ったかと思うと、「くったくたになったネギを卵につけて食べるのもまた趣のある美味さ」とネギをちゅるりと流し込む。

「なぜこれが都内で普通に食べられないのだろう、豚すき最高だな」と、すっかり豚すきがお気に入りの様子。残った具を全て卵にくぐらせ、それらを白米の上に蓋をするように並べ、すき焼き丼にして「いざ!」とシフトチェンジ。同時にBGMも「喰らいマックス」にチェンジしてテンションアップ。

「下仁田流すき焼き、最高のフィニッシュだ」と言った瞬間、豚の脂の溶け出し煮詰まった割りを見て固まる五郎。

「この残り汁を見ちまったら終われんだろう」と白米と生卵を追加、「(生)卵&すき焼きの汁かけご飯」を製造、口に含むなり「うわ、マジで美味い! やったあ!」と感激。「俺は最高の仕上げ方を見つけてしまった」と自画自賛、予想より美味かった発見に驚く五郎がかわいい。

 最後のBGMは新曲「アイリッシュ・スプーン」で後半3段階で駆け上がる畳み掛けがすごかった。

 結局満腹の五郎は帰るのがめんどくさくなったらしく温泉にで行こうかと壁にもたれ掛かかって、今回は終了。おそらく泊まって帰ったのでしょう。

 原作者・久住昌之が同店を訪れる「ふらっとQUSUMI」では最初の店・一番を訪問。タンメンで使う太麺を使った、常連が頼む裏メニュー・焼きそばなどを紹介。

 見習い店員の沼田さんは、街がこの味を残すために行った募集に応募してしてきた若者で、ドラマでの役者(戸塚純貴)があまりに沼田氏本人にそっくりだったため、ネットでは「店員なのに芝居が上手い」と情報が錯綜したほど。

 今回は、地方ならではの2店ハシゴながら無駄のない構成で、小旅行気分を味あわせてくれた良回。特に一番のご夫婦の存在感がよく、役者でなくご本人に出ていただいたのが好采配だったと思います。ご馳走様でした。
(文=柿田太郎)

フジテレビ『モンテ・クリスト伯』原作に忠実かつエグい展開……“どろどろの復讐劇”が本格化

 日本でも『巌窟王』として有名な170年前の名作を下地とし、無実の罪で投獄された男の壮大な復讐を描く『モンテクリスト伯 ─華麗なる復讐─』(フジテレビ系)。脱獄し、莫大な財産を手に舞い戻った紫門暖あらためモンテ・クリスト・真海(ディーン・フジオカ)が、復讐相手となる各家庭に接触し始めたのが今回の第3話。各家庭の内側に隠された秘密がボロボロ出て来ます。

(前回までのレビューはこちらから)

■南条家への接触

 シーカヤックで遭難しかけた女性と女の子の2人組を助けた真海(暖)。この子は、南条幸男とすみれの子ども・明日花(鎌田恵怜奈・原作でのアルベールに相当)で、一緒に乗っていたのは幸男のマネジャー・江田愛梨(桜井ユキ・原作でのエデに相当)。

 原作通りなら、この物語でキーマンとなるであろう江田は真海とつながっており、遭難も実は真海と江田が仕組んだこと。それを知らない南条は真海に感謝する。

 前話から1年経っている(2018春)のだが、守尾英一朗(木下ほうか)の葬儀の日、港で話したことも幸男は覚えていないようだ。かつての親友なのに。

 明日花が遭難時に江田に飲み水を譲ったことに触れ「普通なら足を引っ張り合うものですからね」と真海が幸男にカマをかけるも、やはり気づかれない。

 数年前ディーン・フジオカが突如日本の芸能界に現れた時から、もやもやと感じていた「誰なんだお前は?」感がシナリオと関係ないところで見事に生きている。

■すみれは暖に気づくのか?

 そしていよいよ元・最愛の妻であるすみれとの再会。今回すみれが真海と会った際、暖だと気付く様子は見られなかった。しかし、真海はなかなか紅茶を飲まず、これは彼が猫舌であることを示しているはずだ。第1話では、すみれの前で猫舌ぶりを披露しているし、2話でホームレスのようなかっこうで舞い戻った際も、信一郎の振る舞った味噌汁を熱がるそぶりがあった。この「暖」の名残りに、すみれは気づいていないのか?

 明日花は遭難時、母親(すみれ)から「星が(帰る場所の)目印になってくれる」と聞かされていると発言しており、これはすみれが暖のことを今でもしっかり想っていることの証ではないだろうか。そして、今の真海にとっての帰る場所とはどこなのかが気になる。

 ちなみに、真海はすみれの出した紅茶とシフォンケーキを口に入れたものの、家の外で嘔吐している。これがどういう状況なのかはまだわからないが、原作では、モンテ・クリスト伯は復讐しようと狙う相手が差し出した食べ物は決して口にしないように描かれている。これを下地としているのは間違いないだろう。

■神楽への接触

 真海は不動産業を営む神楽とも接触、莫大な資産をちらつかせ「金づる」のふりをして神楽の金銭欲を刺激する。

 元・漁師仲間の神楽だが、真海の贈り物である釣竿をゴルフクラブ代わりに素振りするところから見て昔の面影は消えており、前話ラストで神楽が真海を指して言っていた「成金」が、実は神楽そのものであることがわかる。それは、自宅とはいえ秘書の牛山(久保田悠来)の前で平気で下着になったりと生粋の育ちの良さでない仕草からもうかがえる。

 実はこの釣竿には盗聴器が仕掛けられていることも神楽は当然知らず、お返しに真海へリールを送るのだが、そのリールを真海が何度も何度も木槌で叩きながら壊す行動から、神楽への恨みの深さを感じることができる。

■入間家への接触

 入間公平の妻・瑛理奈(山口紗弥加)の飲み物にアレルゲンである蕎麦粉を混ぜて発作を起こさせ(実行したのは江田愛梨)、それを助けることで入間家に侵入、接触し出す真海。瑛理奈は血のつながった実子の瑛人を溺愛しており、入間の前妻との子・未蘭(岸井ゆきの・原作でのヴァランティーヌに相当)とは溝があるようだ。

 公平の前で、ともに自分を陥れた仲間の神楽の名前を出すことで反応を確かめる真海。

■復讐相手勢揃いのパーティ

 真海は鎌倉に購入したとある別荘でのパーティに復讐相手たちを招待する。

 やってきたのは神楽夫妻、南条幸男、入間夫妻の5人。それぞれ男たちは旧知なのに初対面ヅラで挨拶させ、それを眺める真海の圧倒的優位ぶり。

 南条の妻であるすみれは江田がわざと仕事のミスをさせたため欠席なのだが、ここにすみれを来させなかったのは真海が未だすみれを想っている気持ちのあらわれだと感じる。

 この時、真海の秘書・土屋慈(三浦誠己)が、キッチンで真海にある告白をする。昔、窃盗目的で侵入したこの別荘で、入間公平と神楽の妻・留美が庭のマリア像の下に生きたまま赤子を埋めていたという事実。公平と留美はかつて出来ており、その関係を隠すため不義の子を消そうとしたようだ。

 もちろん、土屋の過去を含め全ての事実を知って真海は動いているはずだ。留美や公平の前で、マリア像の下から「小型犬の骨」が出てきたとあえて言ってみたり、新鮮なカツオをさばき、血を見せることで2人(特に留美)を精神的に追い込む真海。

 留美の病んだ心は子どもを殺した怯えからくるものなのだろう。しかし、まさかこんなところでディーンの包丁さばきの腕が活かされるとは、前回の語学力披露といい、おディーン様ファンには、余すところなくたまらないドラマだ。

 問題は、なぜ江田が真海に協力しているのかだが、江田は南条に「杀人犯(人殺し)」と書いたファックスを送っており、かつて南条が出世のきっかけをつかんだ香港時代に何かあったのだろう。終盤、江田は真海を想っているが、真海は江田を復讐の道具としか見ていない様子も見られ、次回ますます以降重要なポジションになっていきそうだ。

■復讐を楽しんでいる真海

 真海は復讐相手を前に思わせぶりな言葉を連発、その思わせぶり具合のドラマの見どころの一つだ。

・真海が有名な投資家だとのネット記事を見た南条に「ネットに書かれてることの半分以上は嘘ですよ」と微笑む。もちろん自分の存在自体がフェイクであることを踏まえての発言。

・どうして日本へきたのかと南条に問われ「長年の夢を叶えるために」、その夢をすみれに問われ「それは叶ってからのお楽しみです」。もちろんそれは復讐を意味する。

・公平が取り調べのような口調になっているのを瑛理奈に咎められると「プロの取り調べに興味がありますので」と、かつて取り調べで公平に証拠を捏造され投獄された過去を念頭に発言。

 真海は江田にこの復讐について「殺すなんて簡単すぎる」「本当の不幸ってなんだか知ってるか?」「壊すんだよ、大切なもの全てを」と持論を語っており、真綿で首を絞めるように少しずつ恐怖を与え、「大切なもの」を奪い、「死」以上の不幸に落とし込もうと楽しんでいるのがわかる。

 ここまで見てわかるのは、思ってる以上に細かく原作を意図を持って「翻訳」し、脚本化しているということ。脚本の黒岩勉は相当『岩窟王』が好きなのか、それともただ腕が見事なだけなのか。どちらにしても丁寧に作られているのは間違いない。明治時代に原作を初めて日本語訳した黒岩涙香と同じ性なのも面白い。

 果たして最後まで原作通りなのか? 特にすみれや江田との関係に注目しつつ、次週を待ちましょう。
(文=どらまっ子HARUちゃん)

『シグナル』感動の押し売りにウンザリ……坂口健太郎が演じる主人公の“鈍くささ”がストレス!

“塩顔男子界のプリンス”こと坂口健太郎が連続ドラマ初主演を務める『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)の第4話が1日に放送され、平均視聴率7.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.4ポイントダウンとなってしまいました。

(前回までのレビューはこちらから)

 まずは前回のあらすじを少し。1997年に発生した女性連続殺人事件を再捜査中の三枝健人(坂口健太郎)刑事は、“23時23分になるとつながる”という謎の無線機によって、その事件が起こった当時の世界を生きる大山剛志(北村一輝)刑事と交信。大山の行動次第で未来が変わることに気づき、最後の被害者である北野みどり(佐久間由衣)を救うよう要請します。

 その大山がみどりを救うべく、夜の街を駆け回るシーンから今回はスタート。大山はみどりと面識があり、ほのかな恋心を抱いているため、必死になってその行方を捜すのですが、残念ながら及ばず。死体となって発見することになってしまいます。

 一方、2018年現在に生きる健人は、被害者たちが同じ路線のバスに乗っていたことから、当時そのバスを運転していた田中修一(モロ師岡)の身辺調査を開始。田中の元同僚・八代英子(真瀬樹里)のアパートを訪問します。

 するとそこで、連続殺人事件と同じ手口で手足を縛られた英子の死体を発見。さらに、現場には田中の指紋が残されていたため、過去の連続殺人も含めて田中が最重要容疑者に急浮上します。

 しかし、検視によって、1997年の事件は被害者が生存中に手足を縛っていたものの、今回は死後に拘束したことが発覚。つまり、犯行方法が微妙に違うのです。そのため健人は、田中が真犯人をかばって英子を殺害したのではないかと推測します。

 そんな折、田中が出頭し、すべての罪を認める自供をするのですが、健人はやはり田中が誰かをかばっているに違いないと疑いを強め、再びその身辺を洗い直します。

 すると、田中の息子・仁志(尾上寛之)が1997年に事故に遭い、下半身不随になったことが判明。さらに、仁志がみどりを殺害した時、現場に落ちたみどりの髪留めを英子が拾い、それをネタに田中を脅迫し続けていたことも発覚するのです。

 そして、銀行の貸金庫に保管されていたその髪留めからDNAが検出されたため、仁志の逮捕へとつながったのでした。

 その一方、1997年の世界では、仁志が犯人だと気づいた大山が追跡。ビルの屋上に追い詰め、銃口を向けて「自首しろ」と迫るのですが、それを拒んだ仁志は落下。これが、仁志が下半身不随になった“事故”だったのです。

 その後、例の無線機で大山と交信した健人は、仁志が犯人だと示す物証が見つかったものの、1997年の鑑識技術ではそれを証明するのは不可能だと報告。過去は変えられても結局、仁志を早期に逮捕することはできないという何とも後味の悪いところで終了となりました。

 さて感想。無線機によって過去と現在がつながり、しかも大山の行動によって事件の内容が変わる。重要な情報を提供し合えば事件はあっさり解決するはず、と思って見ていたのですが、全然ダメでした。健人がチンタラしすぎていて、無線機が無駄になってしまっているのです。

 これがもし、過去と交信できることに対して健人がまだ疑いを抱いているのならわかるのですが、すでにこの不可思議な現象を受け入れている。それなのに、大山と会話する時にはいつも長ったらしい間をつくり、ロクに情報交換もしないまま通信が途絶えてしまう。恐ろしく鈍くさい。坂口健太郎のヘタクソな演技も相まって、「もっとキビキビ話せ!」とストレスを感じてしまいました。

 挙句の果てに、1997年の鑑識技術ではみどりの髪留めから仁志のDNAを検出するのは不可能だとして、その在りかを教えない。なぜ教えないのでしょうか? たとえ物証能力がなくても、みどりの目撃証言は得られたはず。2000年代には鑑識技術が発達して、少なくとも2018年より早く逮捕できたのに。さらにいえば、みどりが田中を脅迫することもなく、その後に殺されることもなかった。それなのになぜ教えないのか不思議でなりません。

 筆者は第2話のレビューで、「重厚なサスペンスの世界にSFのエキスを一滴たらし、演出の妙でうまく溶け込ませている」と書きましたが、土台であるサスペンス部分がしっかりしていない場合、一気にグダグダ感が強まることが露呈してしまったようです。

 また、今回の終盤、みどりと一緒に観に行くはずだったコメディー映画を大山が1人で鑑賞し、他の客が爆笑する中、思い出に浸って号泣するシーンがあったのですが、感動の押し売り感が半端なくてウンザリ。大山とみどりの関係性がしっかり描かれていたならまだしも、たいして丁寧に描かれていたわけではなかっただけに、まったく感情移入できませんでした。

 回を重ねるごとに面白くなることを期待していただけに、今回はちょっとガッカリ。はたして次週、挽回なるでしょうか。放送を待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

 

『あなたには帰る家がある』ユースケサンタマリアの怪演で不倫ドラマがサスペンスホラーものに!?

 中谷美紀主演のドラマ『あなたには帰る家がある』の第3話が4月27日に放送され、平均視聴率は9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)となりました。

 前回は大人気アニメ『名探偵コナン』の裏だったために、下がってしまいましたが、第3話は初回平均視聴率とほぼ同じまでに回復。やはり、不倫ドラマは強い支持を持っているようです。

では、今回もあらずじから振り返りましょう。

(これまでのレビューはこちらから)

■二家族がついに繋がる!

 夫・秀明のクレジットカード明細に高額なホテル代を見つけ、さらに浮気を疑う真弓(中谷美紀)は、友人で同僚の由紀(笛木優子)に相談。話を聞いた由紀は「それは絶対に浮気している」と断言し、浮気の証拠を見つけるようにとアドバイスをする。

 一方、そんなことになっているとはつゆ知らず、秀明は茄子田太郎(ユースケサンタマリア)の妻・綾子(木村多江)との情事を楽しんでいた。

 ある日の夜、秀明は「日曜に家族でバーベキューに行こう」と提案。急に優しくなった秀明に、真弓はさらに疑いの目を向ける。

 翌日、営業先に向かう途中に、離婚について考え始める真弓。そんな中、車に乗る秀明を見つけ、電話してみることに。すると秀明は、「今商談中だから」とそそくさと電話を切ってしまった。嘘をつかれた真弓は怪しいと察知。秀明の車をタクシーで追いかけることにした。

 実は、森の中で綾子と会っていた秀明。だが、追いかけてきた真弓の姿を見つけ、大急ぎでその場から立ち去って行った。

 秀明の姿を見失った真弓。そんな折、太郎から電話で呼び出され、太郎の自宅に向かったところ、そこには秀明も。太郎を返して繋がっていたことに驚く真弓。「これからも家族ぐるみで仲良くしていこう」という太郎の発案で茄子田家も日曜のバーベキューに参加することになった。

 そして、バーベキュー当日。楽しい時間を過ごす中、突然、太郎は真弓が秀明の浮気を疑っていることをバラしてしまい、場は変な空気に。重い空気の中、帰り支度を始める真弓。すると、綾子が鼻歌で秀明の好きな映画の曲を歌い始め、真弓は秀明の浮気相手が綾子だと確信する。

 家に戻り、娘の麗奈(桜井ひより)が寝たのを見計らって、真弓は秀明と話をすることに。車の中で、浮気について問いただすと、秀明は簡単に白状。頭にきた真弓は「もう帰ってこないで」と言い放ち、家へと戻って行った、というのが第3話でした。

■ついに真弓が覚醒!

 いつも「まあいっか」と割り切る真弓ですが、今回はそうもいかず……。

 最後の車の中で秀明に対し浮気を問い詰めるシーンでついに激怒し覚醒するんですが、その怒り方が尋常じゃなく、殺気を感じました。まあ、悩み続けてましたから、そうなるのもわかる。

 また、BBQソースを車の中でぶちまけ、2人の服にかかるんですが、それがまるで血のように見えてくる。怖すぎです。おいしいBBQソースが凶器に……。これはいい演出だと思いました。

 ただ、それまで離婚について真剣に考えるシーンが少なく、正直、真弓の心理経過がよくわからなかったです。あるといえば、母親に離婚について相談するシーンぐらい。とてもあっさりとしていて、真弓が突然キレる気分屋に見えて残念。そこをもっと深く追求してほしかったです。

■“普通じゃない”茄子田家がホラー過ぎる

 茄子田の息子・慎吾もさらっと「家は普通じゃない」と言っていましたが、茄子田家は本当に怖いです。

 今話で一番怖かったのが太郎です。前回までは太郎が勤める中学の修学旅行を担当する真弓に、横柄な態度をとっていたのですが、真弓が夫の浮気で悩んでいる、その夫が秀明と知り、優しく接するようになります。その際、不意にニヤリとした顔を見せるのですが、この瞬間が本当に怖い。さらに、バーベキューシーンで秀明を見て、ニヤッと笑うところも実に怖い。

 また、「家庭を捨てるつもりはない」と断言していた綾子までもが、大胆な行動をとり始める始末。

 この家族にかかわったことで、佐藤家は地獄へと突き落とされてしまいますが、ふとサイコホラー映画『スペル』のストーリーを思い出してしまいました。『スペル』も普通の銀行員が顧客の老婆にかかわったため、地獄を見るというサスペンスホラーな内容だったんですが、同ドラマも同じような印象を受け、単純な不倫ドラマとして見られず、段々と見るのがつらくなりました……。

 次回からはコミカルな演出が減り、怖さがさらに増すよう。筆者のようにつらくなり、見るのを脱落者が続出しそうな予感が。視聴率が下がらないことを祈るばかりです。

■蛭子さんが突然登場するも……

 真弓がタクシーで秀明を追いかけるシーンの際、運転手役でなんと、タレントの蛭子能収さんが登場しました。たった二言三言のセリフしかなかったんですが、突然の出演だったためにすごく印象に残りました! しかし、なぜに蛭子さんなんでしょうか? なにかのタイアップなのか……それとも、なにかの伏線になっているのか……。

 蛭子さんといえば、愛妻家で有名で、「前妻と家中あらゆるところでヤッた」という、都市伝説的な話をラジオで聞いたことがありますが、真弓の崩壊していく家族との対比としての起用だったでしょうか? ん~。よくわかりません。

 今回のような起用だと、ただ単に蛭子さんを使って笑いを取ろうとしか感じられません。さらにいうと、蛭子さんが出演したことで、秀明を追いかける真弓の不安や焦りが薄まってしまった感が否めません。

 同ドラマに限らず、最近のドラマでは。人気タレントをたったワンシーンに使い豪華さを演出するという姑息な手段をとることが多くなっています。確かに、そのときだけは「すごい!」と視聴者の目を引くことができますが、後々になって「あのシーンって必要だった?」と疑問になるケースが多い。起用するのであれば、きちんと物語の伏線になるような役を与えてほしいものです。

 次回、真弓と綾子がついに直接対決! 魔性の女・綾子の本性が明らかになるということで、ますます目が離せません。第4話の放送を楽しみに待ちましょう。

(どらまっ子KOROちゃん)

身も心も“真っ白”な中川大志に漂うキナ臭さ ピュアすぎる平野紫耀が早くも目覚めた『花のち晴れ』、次回はF4のアノ人も登場!?

 杉咲花ちゃんが自慢のロングヘアをバッサリカットして、気合を入れて主演に臨んでいる火曜ドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系/以下、花晴れ)。

 24日放送の第2話の視聴率は、7.9%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と初回から0.5%アップ! 第1話では、前作『花より男子』(同/以下、花男)から、嵐・松本潤演じる道明寺司の登場もあり、大きな話題を呼びましたが、今話でも『花男』ネタがふんだんに炸裂!

 もちろん、平野紫耀くんお目当てのジャニオタのみなさんが悶絶必至の“胸キュンシーン”もあった第2話を、今回もあらすじから振り返ってみたいと思います。

*前回までのレビューはこちらから

 

■アノ名セリフが復活!

 

 かつて英徳学園を牛耳っていた道明寺率いる「F4」に代わって、学園の品格と秩序を守る「C5」のカリスマリーダー・神楽木晴(「King & Prince」平野紫耀)が、実は“ヘタレ”男子であることを知ってしまった主人公・江戸川音(杉咲花)。元令嬢で現在は“隠れ庶民”である彼女は、自分を英徳に居させるのであれば、晴の秘密を守ると彼を脅しました(※脅すと言っても物騒なものではありません)。

 前話のラストで、音はバイト先の同僚・前野(戸塚純貴)に襲われたところを晴に助けられました。晴が自分と同じ庶民であるバイト先の紺野さん(木南晴夏)を侮辱したことは許せませんが、礼儀正しい音は、「ありがとう助けてくれて」と頭を下げ、晴にお礼を言います。この一件以来、晴はどうも胸が苦しくて仕方がありません。その原因に、視聴者の誰もが気がついたかと思いますが、当の本人はまだ気づいていないようです。

 晴は、自分を脅した音を“懲らしめる”ために、自分に惚れさせてからバッサリと捨ててやるんだとか。その作戦のために、前野から助けてあげたお礼をさせてやると、一緒にパンケーキを食べに行くことを提案。「土曜、恵比寿ガーデン広場、1時」と、約束を取り付けます。『花男』ファンならばお気づきかと思いますが、これ、かつて道明寺がつくし(井上真央)に言った誘い文句です。原作にはない台詞だけに、制作スタッフの愛を感じますね。

 約束の日、なぜかゴリゴリのカウボーイスタイルでキメてきた晴(ラッキーアイテムが西部劇だったからだそうです)。お目当てのパンケーキは、お店まるごと買い取って貸切という気合の入れようですが、音が美味しそうにパンケーキを頬張る一方で、誘った張本人は一口も口にせず……。本当は“ヘタレ男子”であることを気にしていると考えた音は、秘密は守るから英徳にいさせて欲しいと晴にお願いをしますが、これを聞いて、音が英徳にいるのはF4が目当てだと勘違いをした晴は、聖地巡礼といわんばかりに、道明寺家へと連れていくのでした。

 

■『花男』でおなじみのアノ人たち

 

「一人でよく来るっていうのは、アイドルの出待ちみたいなこと?」と、現役ジャニーズアイドルの平野くんにやんわり爆弾を落とす花ちゃん。思わぬメタ発言に笑ってしまいました。「ちげえよ」と平野くん、いや晴が否定してくれて安心です。

 さて、そこで出会ったのが『花男』でもおなじみの、道明寺家に仕えるメイド頭・タマさん(佐々木すみ江)。2人をお茶に誘ってくれます。自室に道明寺の3Dホログラム映像を備え付けるほどの強火道明寺担である晴は、家のあちこちで記念写真を撮って「体の細胞全部でこの空間を味わってんだよ」と、テンション最高潮。その勢いで、

「この尊い場所に恥ねえ英徳のリーダーになる!」
「道明寺さんがいた頃みたいに、みんなが学園を誇りに思える学園に戻してみせる!」

 と、音に誓うのです。

 そんな晴のまっすぐな姿を見た音。英徳に思い入れのない彼女は「私はここにふさわしくない」と、自分の婚約の条件が英徳を卒業すること、そして卒業したら婚約者である馳天馬(中川大志)と結婚をすることを打ち明けます。思わぬ音の告白に言葉をなくす晴の口からやっとのことで出てきたのは、「お前、ダッセェな。婚約者の馳にすがって貧乏から脱出かよ」「ひっでえ人生だな」という皮肉。

「言われなくてもわかってる。ほんと、しょーもないって。そのしょーもない人生に、あなたは1ミリも関係ないでしょ」と、音は立ち去ってしまいます。

“ヘタレ”男・晴は、その後、その場に倒れ、これまた『花男』でおなじみの、道明寺の母の秘書・西田さん(デビット伊東)に家まで送り届けてもらいました。それからというもの、食事も喉を通らず、夜も眠れず重病。晴に呼び出され神楽木家へやってきたC5メンバーの海斗(濱田龍臣)、そして執事の小林(志賀廣太郎)に諭されるも、音への気持ちを否定し、学校的にも恋愛的にもライバルである桃乃園学園の生徒会長・天馬へと対抗心を燃やすのでした。

■中川大志は白? 黒?

 

 母親同士が仲が良く、幼い頃から家族ぐるみの付き合いをしてきた音と天馬。天馬の母親・美代子(堀内敬子)が病気で亡くなり、新たな母・利恵(高岡早紀)が来てからも2人の関係は続いています。

 制服も真っ白、音との月1デートの日も前身ホワイトコーデ。レストランに行けば、慣れない靴で疲れた音を気遣い、「お行儀悪いけど気持ちいいよ。音も試してみたら?」と自ら靴を脱いでみたり、レストランのVIPルームを、赤ちゃんを連れた家族に譲ったり。紳士すぎるほど紳士な天馬。立ち位置としては、『花男』におけるつくしの初恋相手・花沢類的ポジションです。

 そんな天馬役の中川くん、ドラマの事前告知番組で母親役の高岡さんについて「学園ものなんですけど、そっちもあるのかなって……」「好きになってますね」と発言していただけに、ちょいちょいママを見る目が怪しく感じるのは気のせいでしょうか……?

 それはさておき、敵情視察にやってきたC5をもてなし、晴の失礼な態度に怒ることもなく、握手まで交わそうとする天馬くんの器の大きさたるや……。英徳が伝統を重んじる学校なら、桃乃園は最新設備が整った超ハイテク高校で、天馬は生徒からの信頼も厚いし、そりぁ、ヘタレな晴が猛ダメージを受けてしまうのも無理ありません。

 傷心の晴は、なぜか音のバイト先へ(本人も無自覚です)。「俺じゃダメか……?」と、まるでチワワの子犬のように弱々しく音へ投げかますが、何のことだかさっぱりわからない音。晴の気持ちを察しているバイトの先輩・紺野さんのアシストもあって、空腹かつ家に帰りたくないという晴を連れて、紺野さんの家へ向かいます。

 

■ピュアな2人の関係性に変化……?

 

 紺野さんのリクエストで、冷蔵庫にあるもので手料理を振る舞うことになった音。誰かが料理をするところを見るのは初めてという晴は、いちいち大げさなリアクションをとりながら音のそばを離れません。でき上がったタコさんウィンナーには「すげえな!? 魔法かよ!?」と目を輝かせてまるで子どもみたい。「うまい! うますぎる!!」とおかわりをしようとして、足がしびれたり、学園で見せる姿とは違った気取らない無邪気の晴の姿に、音は少しずつ晴の印象を変えていきます。

 帰り道、音は晴に、自分のために天馬に無理をさせてしまっていることや、「昔は天馬くんの前でも普通に笑えた」と、ポツリポツリと話しはじめます。

「俺なら、そんな思いはさせない。俺なら悩ませねえ。気を遣わせたりしねえ」
「俺だってそいつに負けねえくらい完璧な男になってやる」

 そんな晴に、音は優しく言います。

「いいんじゃない? 完璧なんてならなくて。完璧になろうと必死に頑張ってる。そんな神楽木には神楽木なりの良さがあるはずだよ」

 こんなこと言われて、晴がときめかないわけがありません。「俺、お前のことは庶民狩りしねえから」「だから……関わるなとか言うな。1ミリも関係ねえなんて言うな」と、音に約束し、翌朝には海斗に「江戸川のことが好きだ。婚約者だろうが関係ねえ。絶対振り向かせてやる!」と堂々宣言するのでした。

 しかし、音が登校すると、ケータイに一通のメールが届きます。それは、音が隠れ庶民であることを告発する内容。困惑する音に生徒から向けられる冷たい視線、そして校舎から「絶対に許さない……」と音を見下ろすC5の紅一点・愛莉(今田美桜)の姿が――。と、何やら不穏な気配を残して今週はここまで。

 

■今田美桜のドSぶりに期待

 

 晴にゾッコンな愛莉は、英徳に入ったのもC5に入ったのも、彼を追いかけるためだそうです。クリクリしたおめめをかっ開きながら、瞬きせずに「晴を苦しめる女を見つけてつるし上げないと気が済まない」と海斗に迫る姿はなかなかの迫力でした。おまけに、中庭の石像に石を投げつけ「あースッキリした」って無邪気でかわいい笑顔を浮かべる彼女、すごく怖いし、敵に回したくないタイプです。

 次回からは、愛莉ちゃんがブラック全開で音に牙をむきそうなニオイがプンプンです。さらには、F4メンバーのあの人も登場するとか! 今田美桜ちゃんの怪演ぶりにも注目しながら、今夜放送の第3話を楽しみたいと思います。
(文=どらまっ子TAROちゃん)

嵐・二宮和也『ブラックペアン』第2話にして「映像化失敗」の匂いがプンプンしてきた……?

 嵐・二宮和也が無慈悲な天才外科医を演じる日曜劇場『ブラックペアン』(TBS系)も第2話。祝日なので視聴率はまだ出てませんが、それなりに取るでしょう。今回もテンション高めで、“オペ室の小悪魔”こと渡海征司郎(二宮)も大活躍でした。

 そんなわけで、振り返ってまいりましょう

前回のレビューはこちらから

■やっぱりジャニタレだと、そうなっちゃうのかな

 話の大筋としては、前回とほとんど同じという感触です。東京の一流大学から送り込まれた高階講師(小泉孝太郎)の超カッコいい心臓人工弁マシーン「スナイプ」による手術が失敗し、高階はそれをリカバリーできず、渡海が天才的な手技で救ってみせる。で、最後に渡海が意味ありげに、ペアンが体内に残されたままのX線写真を眺めて、はい終了。劇伴をジャカジャカ鳴らして、アップショット多めで、竹内涼真がだいたい泣いてる。そんな感じで、まあ面白いっちゃ面白いんですが、ところどころ「ジャニーズドラマ」のよくないところが出てたなーという印象でした。

 ニノ演じる渡海のイメージが“ダークヒーロー”という肩書きに引っ張られすぎているように感じるんです。お話の中で対立構造を生むより、渡海が「圧倒的である」という主張に重きが置かれるあまり、ほかのキャラクターが割を食ってしまっている。

 特に変な感じになっちゃってるのが高階です。今回、いろいろあって辞めたくなっちゃった新人研修医の世良くん(竹内)に「俺は手術で5人殺した」「命に関わった者は命から逃げてはいけない」とかなんとか説教をするんですが、いやいや、あなた初回で出血にビビってペアンも握れないという失態を見せていたじゃないかと。

「5人殺した」のくだりは原作通りなんですが、ドラマでは初回から「渡海>高階」を強調するために高階を落としすぎたせいで、この人のやることなすこと全部、説得力がなくなっちゃってる。どれだけ「日本の医療の未来を」とか見栄を切っても、あのシーンを見せられた後では、そのご高説も空虚に響くばかりです。

 このお話の根底には「誰にもできない手術手技を極める」という渡海・佐伯教授(内野聖陽)側と、「誰でもできる手術法を広める」という高階側との対立があったはずなんですが、スナイプ手術は全然成功しないし、高階自身は「出血した患者に冷静に向き合う」という執刀医の基礎中の基礎(ですよね?)という心構えもないので、対立が成り立ってない。結果、渡海の考え方が「正しい」と見え、高階が「ほら吹き」になってる。「渡海の腕(失敗での死者ゼロ)」と「スナイプ(原作のスナイプAZ1988はリークゼロ)」の両方が完璧な手術法として「ゼロ同士」だからこそ成立するはずの、本来あるべき「正しい」と「正しい」の対立が描けてない。ニノを不必要に立てようとするから、こういうことになる。

 これ、前クールのキムタク『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系=最終話レビュー)のときもさんざん書いたんですが、シナリオの段階で、ジャニタレの主役を立てるために周囲を落とすという、手抜き丸出しの作劇が(それでも『BG』よりは圧倒的にマシだけど)ここでも行われているのです。

■「映像化失敗」と結論付けたくなるくらい……

 しかも、渡海は手術で人を助ける以外は、もう理解できない言動ばかり。世良くんは泣いてばかり。高階はあたふたするばかり。

 福澤組は、悪いヤツはより悪く、情けないヤツはより情けなく描くことでエモーションを生んでいると思うんですが、このやり方って、『下町ロケット』の阿部ちゃんとか『陸王』の役所広司みたいな、わかりやすく“正しい情熱家”がいないと視聴者置いてけぼりになっちゃうな、と感じたんです。

 そもそも『下町ロケット』や『陸王』は夢と矜持のお話なんですが、『ブラックペアン』は恩讐と誤解をベースにしたミステリーなので、いつものメソッドが通用してない、フィットしてない感じが、すごくします。要するに、映像化に失敗しているように感じる。ここまで、スカッとカッコいいヤツがひとりもいないんだもん。ダークヒーローって、ブライトなヒーローがいて初めて、そのダークっぷりが引き立つもののはずなんです。光なきところに影は生まれないのです。

■キャストはいいですよねー。カトパンの棒読みもハマってる

 キャストは、すごくいい仕事をしてると思います。ニノについては前回「SD渡海」とか「渡海ねんどろいど」とか、いかにも「ちびキャラ化してる」みたいな、ちょっとバカにした書き方をしてしまったけど、ホントに他意なく、この可愛げは作品を救ってると思う。

 竹内涼真は初っ端から泣かせすぎなのがもったいないなーと感じます。この人、『過保護のカホコ』(日本テレビ系)のときに見せたように、場面の切り札になるくらい自然に器用に泣ける俳優さんなので、もうちょいタメといてほしかったなぁと思うんです。ちなみに今回の「関川スナイプ手術でミス」のくだりは原作にもあるんですが、「助けに行かない」と言い張る高階に対して、ドラマのように泣き落とすのではなく、原作ではテーブルを蹴り上げてる。これも「情けないヤツはより情けなく」のパターンによる改変だと思いますが、蹴り上げてほしかった、長机。

 ナースのネコちゃん(趣里)なんて、みんな大好きになるに決まってるし、垣谷(内村遥)、関川(今野浩喜)といった新・福澤組の面々も、いい役を与えられて生き生きしてる感じがして、気持ちがいいです。カトパンの棒読みでわざとらしいセリフ回しも、なんだか「決して本音を言わない計算高い女」的なキャラが出てて、今作にはハマってると思う。いい具合に年輪を重ねた顔面もリアリティがある。

 そんなわけで、やっぱしシナリオ方面でもっとがんばってほしいと思います。まだ2話なのに、かなりすっ飛ばしてきてますし、今後オリジナル要素が増えていくと予想されますが、なんとかお願いします。お願いしますよ! 
(文=どらまっ子AKIちゃん)

『コンフィデンスマンJP』視聴率回復の秘訣は古沢良太の“ドM”体質か!? 制約があるほど光る手腕がイイ!

 4月23日放送の『コンフィデンスマンJP』第3話の視聴率は、9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)だった。

 手放しで喜べるほどの数字ではないが、1話9.4%→2話7.7%→3話9.1%と、3話目にして下げ止まり。1話と同じ9%台に戻せた事は大きい。

 本記事では、第3話の視聴率が上がった理由を分析。そして、近年のヒット作と比較しながら、コンフィデンスマンJPの今後の展開と全話の視聴率を占う。

前回までのレビューはこちらから

 その前に、第3話「美術商編」の内容の振り返りから。

 ボクちゃん(東出昌大)は、美大生の須藤ユキ(馬場ふみか)が自殺未遂した事を知る。その理由は、美術評論家の城ケ崎善三(石黒賢) にヤリ逃げされたこと。「画家として将来性がある」と、城ケ崎は自分の権力をチラつかせて近づいたのに、「才能がない」とユキを切り捨てた。

 ダー子(長澤まさみ)とリチャード(小日向文世)の協力を得て、ボクちゃんは城ケ崎にニセモノの絵画を高額で売りつけようとする。

■制約があるほど光る、古沢良太の手腕

 美大生・ユキのリストカットから始まる第3話。金や権力で女を釣るオッサンと傷つけられた若い女性。ベタとも言えるが、我々の身近にも起こり得る加害者と被害者の構図は共感を呼ぶ。ボクちゃんのユキを助けたいという気持ちに納得できるし、城ケ崎が失墜するのも痛快。そしてすべてを失った城ケ崎が子どもの下手な絵に励まされる姿に感動できる。善と悪を最初から明確にする型にハマった構成だからこそ、善悪で割り切れない人間の機微が強く打ち出されていた。(余談だが、助けたユキにも裏があった)

 これは私見ではあるが、古沢脚本のドラマは型にハマった展開である時ほど、キャラクターや台詞の個性が際立って面白い。

 古沢良太自身、テレビや雑誌のインタビューで、規制の多い方が書けると語っている。クリエイターとして“ドM”とも受け取られそうな発言は、規制ばかりのテレビ業界においては救世主ともいえる一言だ。こと連続テレビドラマは、コンプライアンス的な制約が多く、視聴率・製作費・撮影日数などの数字との闘いを強いられる。お金と時間をかけず、大勢の人が見易い物を作らなければならない。

 3話は、1話と2話で大規模なロケが敢行されたせいか、オークション会場や美術商の事務所など、少ないステージで物語が展開されていた。その分1シーンにかけられる時間が長く、古沢良太得意の会話劇が楽しむことができた。

 特に目を引いたのは、ダー子たちが贋作を手掛ける画師・判友則(でんでん)にピカソの偽物の制作を頼みに行くシーン。判友則がどれだけ凄いかを1シーンで煽るだけ煽り、「ピカソよりうまくならねえように気を付けねえと」と、痺れる一言で締めくくられる。だが次のシーン、一瞬で城ケ崎に贋作だと見抜かれ、判友則は逮捕される。

 呆気ないオチで笑えるのは、壮大なフリの賜物。絵画が数点置かれただけの寂れた部屋での判友則への依頼の盛り上がりは、古沢良太の会話劇の手腕なくして成立しない。

 また、三橋利行氏の演出も、映像以上に会話劇を引き立たせた印象だ。予算や時間の制約があっても面白い本を作る控えめな天才と、彼の会話劇を目立たせた演出家。自己犠牲の精神が、視聴率の回復を呼び込んだのかもしれない。

■コンフィデンスマンJPは視聴率2ケタを達成できるのか?

 冒頭でも触れた視聴率の下げ止まり。これは早ければ早い方がいい。

 ここ半年間で、全話の視聴率が初回を上回ったゴールデン帯ドラマは3タイトルのみ(テレビ朝日水曜21時、木曜20時枠は除く)。『99.9-刑事専門弁護士- SEASONⅡ』『陸王』(ともにTBS系)『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ)。各作品、下げ止まりが早かった。

『99.9』(1話15.1%、2話18.0、全話17.4%)

『陸王』(1話14.7%、2話14.0%、3話15.0%、全話16.0%)

『奥様は、取り扱い注意』(1話11.4%、2話11.3%、3話12.4%、全話12.7%)

『陸王』『奥様は~』は3話目で下げ止まり。『99.9』に至っては2話目で3%近くも上昇させた。『コンフィデンスマンJP』は3話で1話を超える視聴率を出していないが、『陸王』『奥様は~』と近いV字での推移をしている。『99.9』のように初回よりも2%以上も高い全話の視聴率を叩き出せる見込みは低いが、1%増は見込める。そうなれば、全話平均視聴率は二桁となる。

 ただし、『コンフィデンスマンJP』には、最終話までを気にならせる“引っぱり”がない。『奥様は~』であれば、綾瀬はるか演じる主人公が何者であるかの謎があった。『陸王』には最新シューズを完成させるというゴールがあった。引っ張り無しでも楽しめるのが『コンフィデンスマンJP』のすごさではあるが、視聴率だけを見れば不利な状況下にある。

■ストーリー&視聴率UPの鍵を握るのは小日向文世?

 いまだ謎の多い人物が一人いる。「ダー子とボクちゃんの育ての親」という提示しかない、小日向文世演じるリチャードだ。

 濃いキャラクター同士で展開するのが古沢脚本のドラマの特徴であるのに、いまだ大きな活躍もせず目立つことのないリチャードの存在は逆に浮いている。彼が何かを抱えている可能性は大いにあり得る。

 早い段階で、リチャードの怪しさを提示させたり、「3人の中に裏切者がいるかもしれない」などの展開があれば、視聴率の観点でウィークポイントだった最終話までの引っ張りが完成する。例え呆気ないオチであっても、古沢脚本の作品であれば許せてしまう。『リーガルハイ』のときだって、主人公と宿敵の因縁がペットのハムスターの死というオチだった。それでも続編を期待され、セカンドシーズンが放送された。『コンフィデンスマンJP』は続編を期待される名作となるのか? 中盤と終盤の展開にかかっている。4月30日放送予定の第4話「映画マニア編」も楽しみにしたい。

(文=許嫁亭ちん宝)