『孤独のグルメ』意外にも麻婆豆腐は初登場! 原作には、あの宇佐美圭司の東大の絵も登場していた!

 今回の『孤独のグルメSeason7』(テレビ東京系)は、東京・三河島。常磐線を使っていないと馴染みのない駅名かもしれないが、もともと荒川区の多くは「三河島」という地名で、ある大規模な鉄道事故のイメージを払拭するため、ちょうど50年前に「荒川」に置き換えられた(一部他の地名に組み込まれた)という。「第5話 東京都荒川区三河島の緑と赤の麻婆豆腐」。

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■路上で子どもに焼き鳥を差し出される域に達した五郎の食いしん坊ぶり

 昔の街並みの残る三河島の惣菜店を眺めつつ、「商店街っていえば、昔はどこもこんなふうだった」と郷愁に浸る井之頭五郎(松重豊)は、今日もマイペース。

 途中、路上で男子児童が頬張る焼き鳥に見とれすぎ、気づいたその男児に無言で焼き鳥を差し出されてしまうほど。いい大人なのに、一瞬「え? いいの?」と手を伸ばしかけるも、ふと我に返ったため、さすがに食べはせず。しかし、坊主頭の児童との微笑ましいアイコンタクトが実にいい塩梅でした。

 菓子店を開店予定の杉山(中山忍)との商談帰りに、三河島近辺に多い韓国食材店を訪ねると、すでに杉山に土産としてキムチをもらっているのに、同じ店(丸満商店)でまたキムチを購入しちゃう欲しがり五郎。あげく、そのキムチでご飯を食べることを想像しながらの帰り道、「このキムチで飯をばくばくと……いかん……家までもたない。ここで店を探そう!」と、食物連鎖ならぬ食欲連鎖でスイッチオン、街を彷徨いだす。キムチの役目はここで終わり。

 見つけた店は「麻婆豆腐専門・真実一路」。漫画『3年(ハイスクール)奇面組』(集英社)に真実一郎というキャラクターがいたのを思い出す。

「その麻婆一筋、わき目も振らぬ心意気、痺れるじゃないか」と、山椒にかけた上手いことを言いつつ五郎、入店。手に2つのキムチを抱えて。

 

■色とりどりの麻婆

 ここの麻婆豆腐は「五味一体」にこだわっており、店内の黒板にいろいろが記されている。

・「麻」…四川花山椒の痺れ
・「辣」…四川朝天辣椒で作る自家製辣油の辛味
・「香」…ニンニクや秘伝配合の豆板醤、四川永川豆チの香り
・「熱」…鍋フチを焦がすほどの熱さ
・「色」…豆腐、辣油、ニンニクの芽の3色のコントラスト

 ということらしい。店の壁にうんちくが書かれている店は、どこか説教臭く感じてしまうが(すみません)、中国のフィルターを通しているせいか、特に気にならない。ちなみに「三位一体」はキリスト教の教え。

メインの麻婆豆腐には4色があるようで、

・王道の「赤」
・青唐辛子と山椒で爽やかな「白」
・中国たまりと黒胡椒を使った「黒」
・野菜ペーストを使った「緑」

 とどれも気になるラインナップ。

 注文しようと声をかけるも、一人でカウンター内で作業している店員にあまり声が届いていないようで、何度か呼び直すことになる五郎。これ、実際にあると気を使うやつだ。さらに大きな声で呼び直すパターンと、作業を凝視し、その隙間を縫って自然に聞こえるように声をかけるパターンとに分かれるが、ドラマでの五郎は躊躇なく前者。しかし、以前、回転寿司を食べていた時の五郎は後者(見かねた隣のおばさんが店員に伝えてくれた)だった。ちなみに筆者も後者だ。前者になりたい。

 そして、この店「麻婆専門」と看板に掲げながらも麻婆以外のメニューが実に多い。いつものようにガシガシと頼んでいく五郎。

・ザーサイのネギ生姜和え
・ワンタン入り滋養スープ
・海老と大葉の春巻き
・豚ヒレと野菜の五目春巻き
・緑の麻婆豆腐
・ライス
・白茶

「給料日だから」とか「今日は奮発しちゃえ」とかいう理由も葛藤も一切なく、当たり前のようにこの品数を頼める五郎の懐具合に毎回驚く。今日もしっかり数千円コース。「頼みすぎじゃない?」とか「そんなにお腹空いてたの?」とか「1,000円超えちゃうよ?」とか勝手にハラハラしてしまっていたが、一応個人の貿易商だし、何より大食漢ということで、今は「どれだけ頼んでも大丈夫な人」として慣れた。

■緑色の麻婆には何が?

 まず出てきた白茶の茶葉が開く間、隣の席で頼まれていた「麻婆(豆腐専用)ハイボール」が気になる五郎。調べると山椒が振りかけられているものらしいが、下戸の五郎は当然スルー。

 白茶を美味しそうに味わいつつも、本音は「よく分からない」と素直な感想。しかし、甘さもあるこのお茶は、辛い麻婆から何度も五郎を救ってくれる。いいチョイス。

 そして「ワンタン入り滋養スープ」は「滋養という言葉が胃袋に沁みて」「体にいい。心にもいい。魂が癒やされていく」と、五郎の胃袋がほだされていくのがわかる。

「ザーサイのネギ生姜和え」でつないでいるところに、揚げたての春巻きが到着。

「海老と大葉の春巻き」からかじり付くが、まずかじる音がいい。衣の砕ける音が食欲をそそる。味も「味付けが程よくて、程よい」という五郎らしい感想。「豚ヒレと野菜の五目春巻き」は「濃いめのオカズ味」と感想を言いながら、米も来てないのに食い進む。

 そして、「緑麻婆豆腐」が登場。エメラルドグリーンに輝くその色は、福島の名所・五色沼の湖面のような色合い。野菜のペーストが使われており、野菜の甘みがありつつ、それが辛味と絡む。

「でも確かに麻婆豆腐だ。これは驚いた……。しかし驚きながらもスプーンは進んでいく!」と活弁士のような気合の入った五郎の心の声が響きわたる。甘みのある白茶で流し込む五郎の表情は幸せそのもの。

 

■さらに真紅の麻婆を追加

 隣の席に「燻製焼き飯」が到着。五郎は身を乗り出して食いつきつつ、「なるほどの燻製臭。謎の中国人・クン・セイシュウ」と不気味な独り言(妄想)。

 その勲星周(当て字は適当)に刺激された五郎は「五味一体麻婆豆腐・赤」を追加。鍋ごと焼かれ、グツグツと沸き立つ赤麻婆。「これ、もしかして100度超えてるんじゃないの?」と五郎は恐れていたが、脂が表面にある分、そうかもしれない。

 フハフハしながら一口すすった五郎の感想→「熱くて味がわからない!」に爆笑。

 しかし慣れてくるにつれ、「熱いけど美味い。俺の舌は痺れと辛さで悲鳴を上げ続けているのに、脳がスプーンの動きを止めるのを拒絶している」。

 あー、美味い四川風の麻婆って確かにこんな感じ。舌が痺れてるのに手が止まらなくなるあの感じ。

 一緒に出てきた白米にぶっかけて赤麻婆を掻き込む。

 ちなみに食べた人の感想を調べると、この「赤」が一番辛くて、次いで「白」そして「緑」、意外にも「黒」が一番辛くないらしい。五郎というか、松重おじさんの額に天然の汗が玉のように滴る。

 ここで五郎は「助け舟を呼ぼう」と「正式杏仁豆腐」を召喚。余計なものやシロップなどのかかってない、ただただ濃厚そうな杏仁がたっぷり到着。

「ねっとりとしてすっきりしてる。ネトスキで品良い甘み」を味わいながら、辛さからの落差を楽しむ五郎。あーどっちの「豆腐」も食べたい。辛いから甘いへの豆腐のハシゴ。この流れで見ていると、むしろ美味しく杏仁を食べるために麻婆を食べたくなってくるほど。それほどこの流れでの杏仁豆腐が美味しそうに感じた。最後に白茶で全て洗い流す感じもいい。

 店内のメニューには「鱈と白子の麻婆豆腐」や「とろけるチーズの麻婆豆腐」など、他にも気になるものが多かったのだが、今回筆者が一番気になったのは、「燻製麻婆豆腐」で、白麻婆豆腐に桜の燻香をプラスしたものらしい。燻製チャーハンもそうだが、一度は体験してみたい。

 原作者・久住昌幸が同店を訪れる「ふらっとQUSUMI」では

・胡瓜の四川唐辛子和え
・ピータンとピーマンの香り和え

 など酒に合いそうなツマミをつまみつつ、久住が「カメ出し生紹興酒」を「カメ出し烏龍茶」だと言い張るという昼酒時恒例の和尚様のような秘技・飲酒隠しを披露、こちらも幸せそうだった。

 

■宇佐美圭司の、あの東大の絵が原作に登場していた

 意外だったのは、麻婆豆腐が、原作やドラマの全シリーズ通して初登場だったこと。シーズン2(第6話・京成小岩の四川家庭料理 珍々)にて「豆腐のニンニクタレかけ」なるものは食べているが、これは丸のままの豆腐にしゃばしゃばしたタレをかけたものだし、やはり違う。

 他にも四川っぽいものが登場していないかと調べていると、原作コミック2巻(扶桑社)で東大学食を訪れ「赤門ラーメン」なる担々麺(風)のものを食べている。これは言わずもがな汁の色をかの赤門に寄せたメニューで、四川云々といったものではないのだが、それとは関係なくコマをよく見てみると壁に見覚えのある壁画が…。

 そう。生協側が廃棄してしまったことが発覚し、先日話題になった画家・宇佐美圭司のあの絵だ。2巻が発売されたのは2015年。原作者の久住は13年に取材で訪れたとTwitterで発言しており、当然だが当時はあそこに行ったら否応無しに目に入ってくるものだったのだろう。

 ちなみに五郎は絵については特に触れていないのだが、地下に広がるこの学食の構造について「学食サンダーバード基地!」と興奮している。

 話が脇道にそれたが、次回は千葉県浦安市の真っ黒な銀ダラの煮付け定食。

 最近は予告で店を調べて放送日前に行くのが流行ってしまい、すでにこの麻婆の店も放送日前から行列ができていたらしい。行く方はお気をつけて。
(文=柿田太郎)

『あなたには帰る家がある』木村多江、迫真の“マウンティング”演技が怖い……「綾子事変」勃発でついに本性を現す!

 中谷美紀主演のドラマ『あなたには帰る家がある』(TBS系)の第4話が5月4日に放送され、平均視聴率6.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)を記録。前回の9.1%から2.6ポイントダウンしました。 

 ここに来て大幅な視聴率ダウンを記録した同ドラマ。ゴールデンウィーク後半ということもあり、視聴者が減ったのかも!?

 では、今回もあらすじから振り返っていきましょう!

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■浮気をあっさり認めた秀明に、真弓が冷酷な仕返しを開始!

 綾子(木村多江)との関係に気付いた真弓(中谷)が問い詰めたことで、ついに浮気を白状した秀明(玉木宏)。大激怒した真弓の許しを得ようと家事の手伝いを始めるものの、一向に許してもらえず、苦悩する日々を過ごす。

 そんな中、秀明の浮気相手がまさか妻である綾子だとは知らない太郎(ユースケ・サンタマリア)は、修学旅行の打ち合せに来た真弓に、横暴な態度で「浮気されるほうにも原因がある」とたしなめる。何も知らない太郎の態度に真弓は腹が立ち、「浮気されるほうにも原因がある」とあえて復唱してみるが、太郎は真実にまったく気付かない。

 一方その頃、秀明は同僚の森永桃(高橋メアリージュン)と家の建て替えの件で茄子田家を訪問する。だが、目を合わせてもくれずよそよそしい態度をとる秀明に綾子は不安を覚えるのだった。

 その夜、リビングで秀明と真弓が2人きりでいると、急に秀明の携帯が鳴る。電話の相手はよりにもよって綾子。真弓を気にして電話に出ず、切れるのを待った秀明だったが、真弓は「綾子へ電話をかけるように」と命令。その命令に従い電話した秀明は、綾子と明日会う約束をし、真弓には「絶対に別れると言う」と宣言した。

 翌日、秀明は約束の時間に綾子に会いに行き、直接「もう会えない」と言う。秀明を尾行していた真弓は、その一部始終を見て安堵するも怒りはまだ収まらず。いきつけのカレーショップで愚痴をこぼしていたところ、急に急性胃腸炎で倒れてしまう。自宅で寝込む真弓の姿を見た秀明は再度謝罪し、真弓の許しを得るのだった。

 秀明の浮気の件も片付き、真弓はやっと平穏な日々が過ごせると思っていた。だが、翌日会社に行くと、綾子が真弓の職場を訪れメンチカツを差し入れた事実を聞かされ、再び激怒。我慢しきれない真弓は茄子田家に向かい、ついに綾子と直接対決するのだった、というのが第4話の内容でした。

■原作と相違点が多すぎてドラマは別物に!?

 これまで、原作について触れていなかったので、今回はまずそこに触れてみたいと思います。

 原作は直木賞作家・山本文緒氏の1994年に刊行された同名小説。不倫がテーマというのは同じなのですが、ところどころドラマと内容が違います。佐藤家・茄子田の家族設定や真弓の仕事など(細かく上げるとキリがないのでやめておきます)違いが多くあり、ドラマはまた違った印象を持つことができて、原作ファンでもドラマを楽しむことができます。

 さらに言うと、原作では真弓はパートの保険外交員として働き始めるのですが、上司や顧客からの枕営業の強要などのびっくり場面も出てきます。2013年に放送されたバラエティ番組『マツコの日本ボカシ話』(TBS系)がたった第1回放送で打ち切りになったのは、「生保レディ」をテーマに“枕営業”の話を取り上げ、スポンサーからクレームが入ったためとウワサされたTBSですから、「これはやめよう」と判断したのかもしれません。

 設定変更について長々と語ってしまいましたが、原作者の山本氏はドラマについて「いち視聴者として、現代的な装いになった『あなたには帰る家がある』を心から楽しみに、毎週末、テレビの前に座りたいと思っております」とブログで語っています。みなさんもドラマ版はドラマ版として楽しみましょう。

■コミカル演出は“もうお腹いっぱい”

 これまで、コミカルな演出をほめてきましたが、もそろそろお腹いっぱいと言うのが正直なところ。今回急激な平均視聴率低下は、この演出に視聴者は飽きてきたというのもあるかもしれません。

 秀明の浮気が真弓にバレる第3話までは、コミカルな演出が視聴者のハラハラドキドキ感を盛り上げ、さらに不倫ドラマに多いドンヨリ感を軽減させてくれていました。しかし、それも3話までのお話。浮気がバレてしまった4話では、多少少なくなってはいましたが、この演出が逆にウザく、邪魔とさえ感じてしまいました。

 浮気がバレた時点で、『昼顔』(フジテレビ系)のようなシリアスものにしていき、話の中心である佐藤家だけではなく、茄子田家の人たちにももう少し焦点を当て始めたほうが、ドラマに深みが出るのではないかと感じてしまいました。

■今回の見どころは“ガチンコ女の本音バトル”!

 演出に難癖をつけましたが、今回は後半部分に出てくる綾子の真弓に対する嫌がらせ行動がとても面白かったです。

 秀明に別れを告げられた後、真弓の職場に秀明の好物であるメンチカツを大量に差し入れする綾子。もう、嫌がらせ以外のなにものでもありません。その上、ずぼら主婦である真弓にライバル心があるためなのか、手作りなのに既製品ばりの仕上がり。これはもう、ストーカーレベルで怖い! さっさと被害届を出すなり、慰謝料請求するなどで対処した方がいいです。

 その行為に、ふつふつと怒りを覚えた真弓は、ついに茄子田家に乗り込み直接対決するのですが、このときにも綾子は、「そもそも、あなたは夫の気持ちをわかっているの?」と言い、「バーベキューのときの料理も野菜の切り方も洗い物の仕方も全部ひどかった」「妻の務めを果たさないで要求・不満ばかり。秀明さんがかわいそう」と暴言を吐き、マウンティングするのです。

 もう、見ているだけでも腹が立つ。嵐・二宮和也との交際が報道された伊藤綾子の二宮ファンに対する“匂わせ行為”に匹敵するほどの暴挙です(笑)。これも「綾子事変」と言って間違いはないでしょう。

 そして、その暴言に対し、真弓はひるむどころか、馬鹿にしたように「はぁ?」と言い返し、「夫は私を選んだ。だからもう家族に近づくな!」と綾子に浴びせるように反論。まるで、今流行のフリースタイルダンジョンのよう。こんなに気持ちのいいシーンは近年の不倫ドラマにはなかったような……。これにも新鮮さを感じ、「綾子事変」と同様にとても面白かった。むしろ、今回はこのシーンだけで十分だったかも!? こういうシーンが今後も続くことを切に祈っています。

 以上、第4話のレビューでした。

 次回の第5話はついに茄子田が綾子と秀明の関係に気付くよう。怒りがこみ上げてきた太郎は『茄子田WARS~太郎の復讐~』を仕掛けるために、偶然を装って佐藤家の旅行先に現れるとのこと。どのようにして、佐藤家がダークサイドに落ちていくのでしょうか。放送を楽しみに待ちましょう。

(文=どらまっ子KOROちゃん)

『モンテ・クリスト伯』森友問題に仮想通貨暴落、視線入力まで登場! それでいて中身のドロドロは“現代の大映ドラマ”か

 日本でも『巌窟王』として有名な約170年前の名作を下地とし、現代の日本的に「翻訳」したドラマ『モンテ・クリスト伯 ─華麗なる復讐─』(フジテレビ系)。

 無実の罪で投獄されたのち、莫大な財産を手に舞い戻った紫門暖あらためモンテ・クリスト・真海(ディーン・フジオカ)が、気づかれることなく堂々と旧知の友人である復讐相手たちを陥れていくところが見どころ。

 第3話の視聴率が7.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、今回の第4話が6.5%と、低空飛行ながら初回の5.1%よりじわじわ上昇中。第4話をおさらいします。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■殺されたはずの赤ん坊が「母」の前に

 とある国有地の取引を有利に進めるため、不動産業を営む神楽清(新井浩文)は旧知の議員・木島義国(嶋田久作)にすがり、五蓉不動産がライバルとして動いていることを知る。議員が根回しして取引を有利に進める、もちろん森友学園や加計学園問題を下地としているのだろう。

 しかし、その五蓉不動産のCMに人気俳優である南条幸男(関ジャニ∞・大倉忠義)と妻のすみれ(山本美月)が出演することを知り、旧知の友であり、真海を陥れた「共犯者」である神楽は気に食わない。

 神楽の妻・留美(稲森いずみ・原作でのエルミーヌに相当)は刑事部長・入間公平(高橋克典)とかつて不貞関係にあり、産んだばかりの子どもを遺棄した秘密がある。公平は真海(ディーン・フジオカ)を警戒し、留美に近づかないように電話で指示、しかしその電話の最中、絶妙なタイミングで真海が登場、留美に接触する。怖い。

 真海はアパレルブランドを立ち上げようとしている青年実業家の安藤完治(葉山奨之・原作でのベネデット/アンドレア・カヴァルカンティに相当)を紹介し、留美と引き合わせる。3人は真海の購入したばかりの家でランチをするが、ここの庭にかつて留美と公平は子供を埋めているため留美は落ち着かない。

 だが、おかまいなしにグイグイ踏み込んでくる、いい人っぽい安藤に、次第に心を開いていく留美。かつて銀座でホステスをしていた留美を、子飼いの神楽と結婚させたのは議員の木島で、神楽は出世と金にしか目がなく、乾ききっている留美は何人もの男と体を交え、寂しさをごまかしていた。そこに自分と向き合ってくれそうな純粋っぽい安藤が現れたので、惹かれてしまったのだろう。ついさっき公平に釘を刺されたのに、もう真海の紹介した男に出資しようとする留美の弱さが悲しい。

 しかし、実は安藤は非合法っぽい集団から借金を取り立てられており、留美を金ヅルと見て接触しているよう。

 実はこの安藤は、留美と入間との間に生まれ埋められたはずの子どもで、真海はそれを知っていて留美と引き合わせた。安藤のことを「私のために生まれてきた人間」だという真海は、もちろん復讐の駒として使うのだろう。

 

■安藤役・葉山の芝居が変なのはわざとか?

 しかも留美は軽い気持ちで始めた仮想通貨(ベルコイン)にはまって損失を出し、夫には言えないため公平に泣きついて金(300万)を出してもらう。実は神楽は秘書の牛山(久保田悠来)を使って、仮想通貨のことも、公平とのことも、若い男と寝ていることも全て知っていた。神楽は留美に対する愛は一切なく、ただ自分の大切な金を危機にさらしたことにのみ激怒する。神楽の最も大切なもの、つまり真海が神楽から奪おうとするものが浮き彫りになる。もちろんこの仮想通貨の「暴落」を裏で操っていたのも真海だ。

 金の件で神楽にブチ切れられた留美は、その300万を持って家を飛び出し、そのまま安藤と身体を交えてしまう。安藤が、自分があやめかけた実子であるとも知らずに。

 留美は安藤に対して、他の寝るだけの若い男らと違い、母性のようなものを感じているようだが、文字通り「母」であるだけ悲しく、しかも一線まで越えてしまった。もちろん真海が不幸にしたいのは留美ではなく、その先にいる神楽や公平なのだが、復讐に目が眩んでいる真海には今は関係ないのだろう。

 ちなみに安藤役の葉山の芝居が嘘のようにたどたどしく、これは「純粋ないい人」を演じるための、いわゆる「演技の演技」だと思うのだが、それにしてもただ下手に見えてしまっており、どちらにせよ現時点ではやや損をしている気がする。

■伊武雅人の目力が凄い

 入間公平の長女で大学院生の未蘭(岸井ゆきの/原作でのヴァランティーヌに相当)は親の決めた外務官僚の出口文矢(尾上寛之/原作でのフランツ・デネピーに相当)との結婚に抵抗するが、公平は自分の出世のために押し切ろうとする。公平の父である入間貞吉(伊武雅刀)は寝たきりで意識レベルが極めて低いように見えるため、雑に報告し、了承をとったことにする公平。

 しかし、未蘭を溺愛する貞吉は未蘭が出口と結婚した場合、30億の資産を公平、未蘭、瑛人(公平と現妻の間の子・未蘭は前妻との子)の3人には相続せず、文化財団に寄付すると公平を脅す。

 手も口も動かせない貞吉だが、視線で文字を操るパソコンで会話が可能だったのだ。

「ワタシノ遺産カミランノ結婚カドチラカエラベ、コウヘイ!」と機械に読み上げさせ、公平を睨みつける貞吉。伊武雅人の不気味さがよく出てるシーンだ。

 この騒動の最中、未蘭は海洋生物の研究を兼ねて訪れた魚市場で、守尾水産で働く守尾信一朗(高杉真宙)と出会い、惹かれ合っており、この時信一朗から借りて未蘭が着ていた守尾水産のパーカーを貞吉が意味ありげに見つめていたのが気になる。

 かつて守尾水産の船長をしていたバラジという男と貞吉はテロ組織を通じてつながっているはずで、真海(紫門暖)が投獄されるきっかけでもあるからだ。

 

■すみれはやはり暖に気付いている?

 前回、真海宅で開いたパーティに南条の妻で料理研究家のすみれ(山本美月)だけは呼ばなかったように、今回もかつての妻・すみれと接触しないようにする真海。すみれは会いたそうなのだが、真海は意図的に避けているようだ。

 前回、娘に星の話をしたり(真海がかつて星を頼りに船を操縦していた)行けなかったパーティの差し入れにオレンジのケーキを作ったり(真海が暖としてすみれと付き合っていたころオレンジを齧って食べていた)そのケーキを作りながら「愛は勝つ」を口ずさんでいた(2人の結婚式やプロポーズ時の思い出の曲)ことから、すみれは真海を暖だと気付いているか、少なくとも面影に親近感を抱いているはずで、今回も真海がらみの会話で思わせぶりな表情を見せていた。

 南条のマネジャーで、すみれのマネジャー的な存在でもある江田愛梨(桜井ユキ)はどこかすみれをライバル視してるようにも見える。真海に片思いしている感は見受けられるが、真海の復讐を手伝う利害関係はまだ明らかにされていない。

 

■南条は過去に香港マフィアとつながりが

 国有地取引においてライバル側(五蓉不動産)に付いた南条幸男が気に食わない神楽に、真海が仕掛ける。南条が香港時代に非合法組織と繋がっていたようだと、それとなく神楽に吹き込み、神楽は南条の弱みを見つけようと香港に秘書を送り込み調べだす。そもそも五蓉のCMを南条に持ってきたのもマネジャーの江田だから当然、江田を操作している真海が裏で手を回したのだろう。

 香港の非合法組織は「ヴァンパ」というらしく、原作では山賊の親玉を殺し、その親玉に座った元・羊飼いの少年の名がルイジ・ヴァンパで、殺された先代の親玉の名がククメットである。ククメットは真海と繋がりがあるとでっちあげられたテロ組織の名前に使われており、今回も個人名ではなく、組織名として流用されている。

 

■最新の話題をうまくはめ込む

 今回、森友問題や仮想通貨、視線でのパソコン操作など、最新の話題が盛り込まれていた。原作ではもちろん仮想通貨ではなく、スペインの株が暴落したと嘘をつき大損をさせたり、パソコンではなく、目で合図して意思の疎通を図ったりしているのだが、最新の話題やガジェットとあざとく入れることで古典に血を通わせ、現代の日本にうまく落とし込んでいる印象を強めた。このあたりは、古典を翻案にしたドラマならではの楽しませ方だろう。このドラマが当たれば、今後こういった「翻訳」ものが増えるかもしれない。

 真海の復讐はただ殺すとか脅すのではなく、かつての共犯同士を憎ませあってこじらせたり、身内同士を憎ませたり、内部から破壊させ、逃げ場を失わせていくのがえぐい。

 まったく違うのだが、ここにきて口コミで評判が上がってきているのは、このドロドロ具合にどこかかつての大映ドラマのような懐かしさがあるからだろうか。次回の展開が楽しみだ。
(文=どらまっ子HARUちゃん)

 

『正義のセ』キザな同僚検事・大塚が凜々子とのキスで挙動不審に!? “童貞臭”漂う三浦翔平がかわいい!

 吉高由里子が主演するドラマ『正義のセ』(日本テレビ系)の第5話が5月9日に放送され、平均視聴率9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東平均。以下同)を記録。第4話の9.4%から0.3ポイントダウンしました。

 毎回予想通りの展開に正直マンネリ化している印象を受けていますが、それでも9~10%台をキープしているところをみると、それなりに世間から支持を受けているのでしょう。

 それでは早速、あらすじから振り返りましょう!

(これまでのレビューはこちらから)

■事件の決定的な証拠探しに四苦八苦する凜々子

 ある日、神奈川医大で女性職員・三宅香織(佐藤めぐみ)が学内のビルから転落死する事件が発生し、梅宮支部長(寺脇康文)は凜々子(吉高)に担当を命じる。担当事務官・相原(安田顕)とともに現場に向かった凜々子は、警察から単なる転落ではなく、他殺・自殺・事故のすべてが考えられると伝えられ、臨床病理学教授・高嶋敦史(原田龍二)から話を聞くことに。高嶋は三宅と不倫関係にあり、それを苦に自殺したのだろうと泣きながら話した。

 しかし翌日、三宅の爪から高嶋のDNAが検出され、逮捕された。被疑者として高嶋の取り調べをする凜々子に、事件当日別れ話をしたこと、爪のDNAは三宅と抱き合った時についたものだと言い張り、再び容疑を否認。香織の死亡推定時刻には、高嶋は「取引先の医療機器メーカーの茂木(木下隆行)とスーパー銭湯にいた」というアリバイを主張し、茂木も取り調べるが同じ証言をした。

 自殺の線が濃厚となる中、さらに捜査を進める凜々子。今度は三宅の同僚で一番仲がよかったという教務課の西山美緒(井上依吏子)に話を聞きに行くことに。高島との不倫関係について聞くと、2人はもう付き合っておらず、2年前に三宅から別れ話を切り出したと答えた。これにより、高島の証言が嘘だと判明し、高島による他殺の線が濃厚に。

 同じ頃、警察の捜査によって三宅が高島に茂木の収賄をやめるように諭すメールが見つかり、高島には、凜々子の担当する事件以外に収賄の疑いも増えることに。こういう事件は初めてで凜々子ひとりには荷が重いだろうと考えた梅宮は、港南支部のエースで同僚の検事・大塚(三浦翔平)との共同捜査を命じる。

 だが、大塚は強引に捜査の方針を決めていくため、凜々子は振り回され、前途多難な雰囲気に。それでも、頑張って捜査を続けるが、高島の容疑を裏付ける決定的な証拠は見つからないまま。捜査のために検事局に共同捜査チームで泊まり込む。

 そんな中、相原が深夜に高嶋と茂木が事件当日にいたというスーパー銭湯に、私用で向かったところ、入場券に日付と購入時間が印字されていることに気づき、証拠として検事局に大量の入場券を持って帰ってきた。その中から高島の指紋がついた入場券を発見。高島は死亡推定時刻以降にスーパー銭湯に行ったという事実がわかり、高島の自白を取ることに成功。事件はめでたく解決した、というのが第5話の内容でした。

■一向に改善されない“無駄使い”

 このドラマを見ていて、毎回強く思うのが、“無駄遣い”が多いこと。大まかに言うと、「役者の無駄遣い」と「時間の無駄遣い」です。

 まず、「役者の無駄遣い」についてですが、ドラマ中盤の第5話になっても、多くの脇役が置物状態のままです。今回は安田顕と三浦翔平がそれなりに活躍しましたが、塚地武雅や夙川アトムなどは1話あたり3分ほど出演シーンがあればOKという、まるでウルトラマンのような状態です。

 また、支部長役はもともと大杉蓮が演じるはずでしたが、急死されたため、寺脇康文に。しかし、実はこの役、1~5話まで通して出演シーンが1時間あればいいというぐらい少ないんです。こんな役をあの大杉さんに演じさせようとしていたスタッフ。一体なにを考えているのでしょうか? 

 もう少し脇役の使い方を勉強した方が、ドラマの今後のためにもいいと思います。

 そして、「時間の無駄遣い」についてですが、凜々子のプライベートシーンが、まったく検事の仕事に必要ない……。これは箸休め的なものでしょうか? だとしたら、必要ないと思います。『正義のセ』とタイトルにあるように視聴者は凜々子の検事の仕事ぶりを見たい。公式ホームページにも「痛快お仕事ドラマ」と書いているじゃないですか! 誰も凜々子のプライベートなんて求めてないんです。大体、面白いならまだしも、全然面白くもなんともない。そういうのはスピンオフでやれ! こんな“いらない”シーンに何分も入れてくるより、薄っぺらい事件の証拠探しシーンに時間を割いた方がいいかと思います。

■キスされたぐらいでソワソワ……“童貞臭”漂う三浦翔平

 今回は大塚が凜々子と共に活躍しましたが、その活躍も演じる三浦翔平の“声の低さ”によって見事打ち消されました。三浦なりのカッコよさを追求したのか、異常に低く聞き取りにくい。思わずリモコンの字幕ボタンを押してしまいました。それぐらい聞こえません。また、筆者と同じ意見の人はたくさんいるようで、ネット上では「三浦翔平の声が聞きづらくて見るのやめた」という声が多く上がっていました。見ている人がいるんだから、ハキハキ聞こえるよう話せ、と演出家なりスタッフが注意する、注意できないのなら、三浦翔平にピンマイクをつけてください。これは、早々に改善してほしいところです。

 ここまで、声について大いにディスりましたが、今回は見どころもちゃんとあります。それは凜々子とのキス。共同捜査しているメンバー全員で居酒屋にて食事するシーンで、酔っ払った凜々子に元カレと間違われてキスされてしまうのです。このときのびっくりした三浦の顔がなんともかわいらしい。

 さらに、その後から凜々子を見るたびソワソワ。こんな行動を取られると、「さては、大塚。お前は童貞だな! 自白しろ!」と言いたくなる。また、検事局に泊まり込んだときも、「お前……彼氏いるのか……?」と平気なフリを装って聞いてくる……。この態度を取るということは、90%の確率で大塚は“童貞”と筆者は推測しました。

 まあ、第5話のラストでは、もとの聞き取りにくい声の大塚に戻ってしまうんですが……。今回の三浦の演技は女性視聴者の心を鷲づかみしたのではないでしょうか? 

■ご都合主義のためになら、常識だってねじ曲げる!

 今回、スーパー銭湯の入場券に書いてあった日付と時間がアリバイを崩す決定的な証拠となりましたが、普通に考えてこういう場合、防犯カメラが証拠となるはず……。

 しかし、驚くことにこのスーパー銭湯には設置していないんです。ドラマの中で、凜々子が「入口に防犯カメラってないんですか?」と聞くと、従業員は「うちは防犯カメラを設置していません」と真顔で答えるのです。いやいや。常識的に考えてこのご時世設置していないなんてありえません。

 確かに、防犯カメラの設置については、義務化はされていなく、お店側の判断です。でも仮に、設置していないと、普通に考えて、犯罪の温床になるのが当たり前。券売機がある入口に設置していないということは、券売機を従業員が勝手に開けて中に入っている売り上げを盗むこともできてしまう。さらに、もし指名手配犯や強盗がやってきたときは、あとあと、顔写真を公開することもできない。そんな、無用心なスーパー銭湯に客が来るのか? まったくもって疑問です。

 凜々子を正義の味方にしようとするあまり、これまでいろいろと捻じ曲げてきましたが、今回の“ご都合主義のために、常識もねじ曲げる”には悪い意味で感服しました。けど、あまりこんなことをしていると、視聴者から叩かれるかも!? 現に今回のこの防犯カメラについては、ネットでありえないという声が若者を中心に上がっています。視聴率も徐々にダウンしていますし、そろそろ、ご老人向けのご都合主義ストーリーは辞めて、若者を取り込むような脚本・演出をした方がいいかもしれません。

 以上、第5話のレビューでした。

 次回は、オレオレ詐欺事件を担当するのですが、対決する被疑者の弁護士が大学時代の親友という事態に。友情と取るのか正義を取るのか。果たして凜々子はどちらを選ぶのでしょうか? 第6話も期待して放送を待ちましょう!

(文=どらまっ子KOROちゃん)

『シグナル』主演・坂口健太郎、ようやく覚醒? “韓流演出”で上司にボコられ……

 坂口健太郎が連続ドラマ初主演を務める『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)の第5話が8日に放送され、平均視聴率6.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.2ポイントダウンとなってしまいました。

(前回までのレビューはこちらから)

 

 その前回、“23時23分になるとつながる”という謎の無線機によって、過去の世界に生きる大山剛志(北村一輝)刑事と交信し、1997年に起こった未解決事件を捜査した三枝健人(坂口健太郎)刑事は、今回、その大山についての調査を開始。大山が2000年に暴力団から賄賂を受け取った疑いで懲戒免職され、その後、失踪してしまったことを知ります。

 しかし、当時の資料を読んだ健人は、収賄の証拠があまりにも揃い過ぎていることに違和感を抱きます。誰かに仕組まれたのではないか。だとするならば、警察内部の仕業ではないか……。そんな疑惑が頭をもたげるのです。

 そんな折、再び無線がつながるのですが、大山は1998年に起こった連続窃盗事件を捜査中とのこと。実はこの事件、現在も未解決のままなのです。健人は大山から犯人逮捕につながる情報を求められるのですが、過去を変えることで未来が変わってしまうため、これを拒否。しかし、大山にしつこく食い下がられて仕方なく、被害者宅の郵便受けに指紋がないか調べるよう助言を与えてしまいます。

 すると、未解決だったはずの事件が、工藤雅之(平田満)という男の逮捕で決着したことに変化。戸惑いを抱きつつ捜査資料を調べた健人は、郵便受けから工藤の指紋が検出されたことで逮捕につながったことを知り、ショックを受けます。

 しかし、過去の犯行で工藤は一度も現場に指紋を残したことがない。なぜ、この事件の時だけそんなヘマを犯したのか。健人は疑問を抱きます。

 そんな中、刑期を終えて出所したばかりの工藤が、大学教授の娘・矢部カオリを誘拐する事件が発生。しかも、工藤は今回もまた、現場にべったり指紋を残し、防犯カメラに堂々と映っているのです。

 まるで、自分が犯人だと誇示するような工藤の行動を不審に思い、捜査会議でその旨を話す健人ですが、上司の岩田一夫(甲本雅裕)や桜井美咲(吉瀬美智子)にはまったく取り合ってもらえません。

 仕方なく健人は、工藤について独自に調査することに。すると20年前、工藤の娘・和美(吉川愛)が焼死したこと、さらにカオリも同時期に起きた事件がきっかけで抗不安薬が手放せなくなったことを知り、ここに今回の誘拐事件が起きた原因があるのではと推測します。

 大山に不必要な情報を与えてしまったために新たな事件を引き起こしてしまったのではないか。そう落ち込む健人のもとに、無線機から、「おれが間違ってました。おれのせいでメチャクチャになった」と、涙ながらに訴える大山の声が届いたところで今回は終了となりました。

 さて感想。このドラマは、2016年に韓国で放送されヒットした作品のリメイクものですが、韓流ドラマにありがちな暴力演出が随所に散りばめられている印象です。今回も、誘拐事件の捜査会議中、刑事部長の中本慎之助(渡部篤郎)に反抗的な態度を見せた健人を制止するため、美咲が何度も小突くシーンがありました。

 さらに、それでも健人が引かなかったため、業を煮やした岩田が顔面にフルスイングのパンチ。いくらなんでもやりすぎでしょ、と思ったのですが、その一方で、いつになく情熱的な健人の姿は見応えがありました。

 連続ドラマ初主演という気負いがあったからか、あるいはそういう演出だったのか定かではありませんが、これまで坂口の演技は、怒っていても顔は無表情。どこかアンドロイド感が漂っていたんですね。

 けれど今回は、岩田に殴られた後、「警察に品位なんてなかったんだ!」と食ってかかったり、大山への助言のせいで捜査状況が変わってしまったことを嘆くなど、人間味あふれる演技を見せていました。

 大山と無線交信する際のムダにタメをつくる演技に関しては、相変わらず見ていてイライラさせられますが、主役として徐々に覚醒してきたような印象を受けます。

 また、ストーリーについても、以前は大山がいつの時代から交信しているのかわかりづらかったのですが、今回はかなり整理されていました。連続窃盗事件を本筋に置きつつ、大山の失踪事件、新人時代に大山に対して想いを寄せていた美咲の回想、自殺してしまった兄との健人の幼少期の思い出など、いくつものサブストーリーが無理なく挿入されていて、物語に立体感が出てきました。

 大山が工藤を逮捕するに至った経緯や、誘拐事件の裏に隠された謎も興味深く、次週の放送が楽しみ。サスペンス部分がしっかり描けていれば、視聴率のV字回復も期待できるのではないでしょうか。
(文=大羽鴨乃)

平野紫耀&中川大志は、松本潤&小栗旬になれるか――? F4頼りの『花晴れ』、花沢類登場で視聴率アップも、漂う物足りなさ

 TBSが誇る超人気ドラマ『花より男子』(以下、花男)の続編という高いハードルにもめげず、ジワジワと視聴者からの評価を高めている火曜ドラマ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(以下、花晴れ)。

 超セレブ校の英徳学園に通う主人公・江戸川音(杉咲花)が、実は“庶民”であることが全校生徒にバレてしまうという絶体絶命のピンチを迎えた第3話は、視聴率9.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、前回から1.7ポイントの大幅アップ!

 回を重ねるごとに『花男』らしさが強まり、第1話に登場した嵐・松本潤が扮する「F4」道明寺司に続いて、今話では小栗旬演じる花沢類が登場し、これまたファンを沸かせました。

 しかし、King & Prince・平野紫耀くん演じる神楽木晴率いる、今作での「F4」的存在の「C5」は、どうも頼りなく、先輩たちがそれを補ってくれている状態。この先は、F4人気に頼らず、いかに作品を自分たちのものにできるかが課題となりそうです……。

 では、早速あらすじから振り返りたいと思います。

*前回までのレビューはこちらから

 

■音のピンチを救ったのは……

 

 晴のことが大好きなC5メンバーの愛莉(今田美桜)の暴露メールによって、全校生に隠れ庶民であることをバラされてしまった音。婚約者である馳天馬(中川大志)の母となった利恵(高岡早紀)は、音が英徳を卒業することを条件に、天馬の亡き母(堀内敬子)の遺言である2人の結婚を受け入れてくれました。しかし、庶民であることがバレてしまった以上、その約束を守ることはできません。

 覚悟を決めた音は、「もう遺言に縛られなくていいし、私と会わなくていい」「これからはもっと自由に生きて」と、天馬に英徳をやめることになったことを打ち明けます。

 その翌日、音は晴たちC5が動く前に、全校生徒から「庶民狩り」という名のイジメの対象に。晴は「お前のことは庶民狩りしねえ」と言っていただけに、音はショックを受けます。生卵をぶつけられたり、理不尽に土下座をさせられたり、暴力を振るわれたりと、それはそれはひどいものです。

 音のことを暴露したのは愛莉であると知った晴は、急いで音の元へ駆けつけますが、音の周りには人だかりができていて、なかなか近寄ることができません。男子生徒が音にバットを振りかざした瞬間、庇うようにして音の前に現れたのは、晴ではなく、天馬でした。男子生徒を圧倒する天馬を、晴は黙って見ていることしかできません。

「寄付金さえあれば退学にならないな」と、天馬はさらに音の名義で5,000万円を学園に寄付。そのためC5ですら、音に手を出すことはできなくなりました。

「音は言ったよね? これからは天馬くんは自由に生きてって。なら、今日から好きに生きる。もう我慢しない。音への気持ちを」

 そう優しく微笑み、ボロボロの音を抱きあげると、「今度、音を傷つけたらお前を潰す。江戸川音の婚約者として」と、これまで見せたことない冷たい目つきで晴に宣戦布告し、その場を立ち去ります。

 

■10年経っても無自覚であざとい花沢類

 

 何もできなかったと自分の不甲斐なさに打ちひしがれる晴の前に現れたのは、ピンクのパーカー姿の花沢類。おばたのお兄さんではありません。本物です。

「大事なモンが何か分からなくなって、がんじがらめで……こういうとき、道明寺さんならどうします?」と問いかける晴に、花沢類は言います。

「司は野性だからさ、そのゴチャっとした中の一番大事なものしか眼中にないよ」

 あの若干口をすぼませて、ボソボソとゆっくり話すあざといしゃべり方で、晴の背中を押すのでした。『花男』で、主人公のつくし(井上真央)に「ピンチのときの花沢類」と言われていた彼。パーカーのフードを被っていたため、いろいろと誤魔化された感は否めませんが、10年前も同じようにフードを被っていましたし、何年経っても変わらない花沢類の姿に、私含め、視聴者はみな興奮したことでしょう。一瞬にして『花男』ファンの記憶を呼び起こした小栗旬、すごい。

 もちろん、Twitterでは「花沢類」がトレンド1位を獲得。おばたのお兄さんもちゃっかりトレンド入りを果たしました。ちなみに、おばたのお兄さんのインスタグラムには、花沢類を再現した写真や動画がたくさんアップされているので、今話で花沢類が恋しくなった人は、こちらで癒やされてみてはいかがでしょう。

■天馬→音←晴の三角関係

 

 天馬の気遣いで、音は入院することになりました。「ごめん」と漏らす音に、天馬くんは「音は何も悪いことしてないよ」と微笑みます。

「音のこと、可哀想だからとか、親が決めた相手だからとか思ったこと一度もないよ」
「全然伝えられてなかったんだね、僕の気持ち」

 ちなみに英徳に寄付した5,000万円は、自分で運用して作ったお金だから、音が返す必要はないとか。天馬くん、いい子かつ有能すぎでは……? 普通の女子なら間違いなく「結婚して!」と言うでしょうが(私なら間違いなく言います)、これまたいい子すぎる音は、自分の気持ちを伝えることができません。

 そんな天馬と入れ違いで音の病室にやってきた晴。誤って音の胸を触り昇竜拳をくらい、見舞いに来ていながら自分が寝込んでしまうというハプニングもありつつ、「全部俺のせいだ」と、愛莉が仕組んだ一件を謝ります。音も、「分かってたから。アンタがやったわけじゃないってことくらい。そんなことする人じゃないって思ってたから」と許してあげるのでした。

 その言葉に、「やばーい! 死ぬほど嬉しいんだけど!!」と女子みたいに布団を頭から被ってニヤける顔を隠す晴。テレビの前のオタクはそんな晴、いや平野くんのアホかわいい姿に「やばーい!」と手で顔を覆ったはずです。

 なんやかんやありながら、一件落着し、距離を縮めつつある音と晴。一方、あっさりと自分を許した晴に、「許せるほど晴の心は、穏やかってこと?」と、愛莉ちゃんはこれまた大きなおめめをかっ開いて苛立ちを募らせます。

 

■デートシーンは平野紫耀の宣伝動画?

 

 そんな愛莉ちゃんの気持ちなんて1ミリも気がついていない晴は、消しゴムを買いに来たという口実を作って、音のバイト先にやってきました。そして、音を気にかけてくれている紺野先輩(木南晴夏)の提案で、先輩の彼氏・ミータン(浜野謙太)とWデートをすることに。

 バッティングセンターに行けば、ミータンに対抗して、手のひらに血マメを作りながら真剣な表情を浮かべて何時間もバットを振り続ける晴。社交辞令でミータン先輩に言った「すごい」「かっこいい」という言葉が引き金になっているとは知らない音は、努力家でまっすぐな姿を見て、少しずつ、晴に対する印象が変わっていきます。

 粘った甲斐あって、ようやくホームランを打つことができた晴(喜ぶ姿は、晴というより、素の平野くんという感じでした)。紺野先輩がずっと狙っていたという景品(飯豊まりえ演じる人気モデル・西留めぐみの抱き枕)を、サラっとプレゼントした晴に、「そういう優しいとこもアンタのいいとこだし」と音は笑顔を見せます。

 その後、訪れたもんじゃ焼き屋さんでは、ミータンに「あ~ん」をしてもんじゃを食べさせてあげる紺野先輩を見て、「あ~ん」を音に口を開ける晴に、「何でよ、バカっ!」と音が怒ってみせたり、「熱っ!」と騒ぐ晴に、「何してんの、ほら、飲んで」と音がお水を渡してあげたり、なんだかんだイイ感じの2人。晴がボケて音がツッこんで、テンポのいいやりとりは、かつての道明寺(松本潤)とつくしを見ているようです。

「音っちが最近明るくなったのって、晴っちのせいだ!」「俺らには及ばないけど、Youたち最高のカップルだWa!」と冷やかす先輩カップルに、戸惑いながら少し照れる音と、にやける顔を手で隠す晴(※全く隠せていません)。この2人、とってもかわいいです。

 1話(記事参照)で「平野くんの棒演技」と書きましたが、まだ否定はできないものの、回を追うごとに表情が豊かになってきているように思います。特に、杉咲花ちゃんとの掛け合いのシーンはリアルな2人を見ているように感じました。静かなイメージの強い花ちゃんも、コミカルな演技をとってもナチュラルに演じていますし、ポンコツキャラが様になってきた平野くんが今後どう進化してくれるかに期待したいところです。

 さて、次回の第4話では、晴を音にとられて激オコな愛莉ちゃんが暴走する予感……! 天馬、音、晴の三角関係はいったいどうなるのでしょうか!? 今夜もテレビの前から離れられません。
(文=どらまっ子TAROちゃん)

 

平野紫耀&中川大志は、松本潤&小栗旬になれるか――? F4頼りの『花晴れ』、花沢類登場で視聴率アップも、漂う物足りなさ

 TBSが誇る超人気ドラマ『花より男子』(以下、花男)の続編という高いハードルにもめげず、ジワジワと視聴者からの評価を高めている火曜ドラマ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(以下、花晴れ)。

 超セレブ校の英徳学園に通う主人公・江戸川音(杉咲花)が、実は“庶民”であることが全校生徒にバレてしまうという絶体絶命のピンチを迎えた第3話は、視聴率9.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、前回から1.7ポイントの大幅アップ!

 回を重ねるごとに『花男』らしさが強まり、第1話に登場した嵐・松本潤が扮する「F4」道明寺司に続いて、今話では小栗旬演じる花沢類が登場し、これまたファンを沸かせました。

 しかし、King & Prince・平野紫耀くん演じる神楽木晴率いる、今作での「F4」的存在の「C5」は、どうも頼りなく、先輩たちがそれを補ってくれている状態。この先は、F4人気に頼らず、いかに作品を自分たちのものにできるかが課題となりそうです……。

 では、早速あらすじから振り返りたいと思います。

*前回までのレビューはこちらから

 

■音のピンチを救ったのは……

 

 晴のことが大好きなC5メンバーの愛莉(今田美桜)の暴露メールによって、全校生に隠れ庶民であることをバラされてしまった音。婚約者である馳天馬(中川大志)の母となった利恵(高岡早紀)は、音が英徳を卒業することを条件に、天馬の亡き母(堀内敬子)の遺言である2人の結婚を受け入れてくれました。しかし、庶民であることがバレてしまった以上、その約束を守ることはできません。

 覚悟を決めた音は、「もう遺言に縛られなくていいし、私と会わなくていい」「これからはもっと自由に生きて」と、天馬に英徳をやめることになったことを打ち明けます。

 その翌日、音は晴たちC5が動く前に、全校生徒から「庶民狩り」という名のイジメの対象に。晴は「お前のことは庶民狩りしねえ」と言っていただけに、音はショックを受けます。生卵をぶつけられたり、理不尽に土下座をさせられたり、暴力を振るわれたりと、それはそれはひどいものです。

 音のことを暴露したのは愛莉であると知った晴は、急いで音の元へ駆けつけますが、音の周りには人だかりができていて、なかなか近寄ることができません。男子生徒が音にバットを振りかざした瞬間、庇うようにして音の前に現れたのは、晴ではなく、天馬でした。男子生徒を圧倒する天馬を、晴は黙って見ていることしかできません。

「寄付金さえあれば退学にならないな」と、天馬はさらに音の名義で5,000万円を学園に寄付。そのためC5ですら、音に手を出すことはできなくなりました。

「音は言ったよね? これからは天馬くんは自由に生きてって。なら、今日から好きに生きる。もう我慢しない。音への気持ちを」

 そう優しく微笑み、ボロボロの音を抱きあげると、「今度、音を傷つけたらお前を潰す。江戸川音の婚約者として」と、これまで見せたことない冷たい目つきで晴に宣戦布告し、その場を立ち去ります。

 

■10年経っても無自覚であざとい花沢類

 

 何もできなかったと自分の不甲斐なさに打ちひしがれる晴の前に現れたのは、ピンクのパーカー姿の花沢類。おばたのお兄さんではありません。本物です。

「大事なモンが何か分からなくなって、がんじがらめで……こういうとき、道明寺さんならどうします?」と問いかける晴に、花沢類は言います。

「司は野性だからさ、そのゴチャっとした中の一番大事なものしか眼中にないよ」

 あの若干口をすぼませて、ボソボソとゆっくり話すあざといしゃべり方で、晴の背中を押すのでした。『花男』で、主人公のつくし(井上真央)に「ピンチのときの花沢類」と言われていた彼。パーカーのフードを被っていたため、いろいろと誤魔化された感は否めませんが、10年前も同じようにフードを被っていましたし、何年経っても変わらない花沢類の姿に、私含め、視聴者はみな興奮したことでしょう。一瞬にして『花男』ファンの記憶を呼び起こした小栗旬、すごい。

 もちろん、Twitterでは「花沢類」がトレンド1位を獲得。おばたのお兄さんもちゃっかりトレンド入りを果たしました。ちなみに、おばたのお兄さんのインスタグラムには、花沢類を再現した写真や動画がたくさんアップされているので、今話で花沢類が恋しくなった人は、こちらで癒やされてみてはいかがでしょう。

■天馬→音←晴の三角関係

 

 天馬の気遣いで、音は入院することになりました。「ごめん」と漏らす音に、天馬くんは「音は何も悪いことしてないよ」と微笑みます。

「音のこと、可哀想だからとか、親が決めた相手だからとか思ったこと一度もないよ」
「全然伝えられてなかったんだね、僕の気持ち」

 ちなみに英徳に寄付した5,000万円は、自分で運用して作ったお金だから、音が返す必要はないとか。天馬くん、いい子かつ有能すぎでは……? 普通の女子なら間違いなく「結婚して!」と言うでしょうが(私なら間違いなく言います)、これまたいい子すぎる音は、自分の気持ちを伝えることができません。

 そんな天馬と入れ違いで音の病室にやってきた晴。誤って音の胸を触り昇竜拳をくらい、見舞いに来ていながら自分が寝込んでしまうというハプニングもありつつ、「全部俺のせいだ」と、愛莉が仕組んだ一件を謝ります。音も、「分かってたから。アンタがやったわけじゃないってことくらい。そんなことする人じゃないって思ってたから」と許してあげるのでした。

 その言葉に、「やばーい! 死ぬほど嬉しいんだけど!!」と女子みたいに布団を頭から被ってニヤける顔を隠す晴。テレビの前のオタクはそんな晴、いや平野くんのアホかわいい姿に「やばーい!」と手で顔を覆ったはずです。

 なんやかんやありながら、一件落着し、距離を縮めつつある音と晴。一方、あっさりと自分を許した晴に、「許せるほど晴の心は、穏やかってこと?」と、愛莉ちゃんはこれまた大きなおめめをかっ開いて苛立ちを募らせます。

 

■デートシーンは平野紫耀の宣伝動画?

 

 そんな愛莉ちゃんの気持ちなんて1ミリも気がついていない晴は、消しゴムを買いに来たという口実を作って、音のバイト先にやってきました。そして、音を気にかけてくれている紺野先輩(木南晴夏)の提案で、先輩の彼氏・ミータン(浜野謙太)とWデートをすることに。

 バッティングセンターに行けば、ミータンに対抗して、手のひらに血マメを作りながら真剣な表情を浮かべて何時間もバットを振り続ける晴。社交辞令でミータン先輩に言った「すごい」「かっこいい」という言葉が引き金になっているとは知らない音は、努力家でまっすぐな姿を見て、少しずつ、晴に対する印象が変わっていきます。

 粘った甲斐あって、ようやくホームランを打つことができた晴(喜ぶ姿は、晴というより、素の平野くんという感じでした)。紺野先輩がずっと狙っていたという景品(飯豊まりえ演じる人気モデル・西留めぐみの抱き枕)を、サラっとプレゼントした晴に、「そういう優しいとこもアンタのいいとこだし」と音は笑顔を見せます。

 その後、訪れたもんじゃ焼き屋さんでは、ミータンに「あ~ん」をしてもんじゃを食べさせてあげる紺野先輩を見て、「あ~ん」を音に口を開ける晴に、「何でよ、バカっ!」と音が怒ってみせたり、「熱っ!」と騒ぐ晴に、「何してんの、ほら、飲んで」と音がお水を渡してあげたり、なんだかんだイイ感じの2人。晴がボケて音がツッこんで、テンポのいいやりとりは、かつての道明寺(松本潤)とつくしを見ているようです。

「音っちが最近明るくなったのって、晴っちのせいだ!」「俺らには及ばないけど、Youたち最高のカップルだWa!」と冷やかす先輩カップルに、戸惑いながら少し照れる音と、にやける顔を手で隠す晴(※全く隠せていません)。この2人、とってもかわいいです。

 1話(記事参照)で「平野くんの棒演技」と書きましたが、まだ否定はできないものの、回を追うごとに表情が豊かになってきているように思います。特に、杉咲花ちゃんとの掛け合いのシーンはリアルな2人を見ているように感じました。静かなイメージの強い花ちゃんも、コミカルな演技をとってもナチュラルに演じていますし、ポンコツキャラが様になってきた平野くんが今後どう進化してくれるかに期待したいところです。

 さて、次回の第4話では、晴を音にとられて激オコな愛莉ちゃんが暴走する予感……! 天馬、音、晴の三角関係はいったいどうなるのでしょうか!? 今夜もテレビの前から離れられません。
(文=どらまっ子TAROちゃん)

 

『コンフィデンスマンJP』低視聴率でついに超高額制作費を投入? フジテレビ“破産”へまっしぐら!?

 4月30日に放送された『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)第4話「映画マニア編」。

 今回のターゲットは、産地偽装に手を染める食品会社2代目社長・俵屋勤(佐野史郎)。俵屋は社員へのセクハラや恫喝は当たり前、意に沿わない社員は左遷してしまう横暴ぶり。産地偽装に反発した宮下(近藤公園)も例に漏れず、左遷されてしまう。自暴自棄になり酔いつぶれた宮下と歓楽街で出会ったダー子(長澤まさみ)は、俵屋を詐欺の標的に定める。俵屋が生粋の映画マニアであることに目を付け、ニセモノの映画を作り、多額の制作費を巻き上げようとする。

 今回の見どころと言えば、俵屋を騙すために制作したアクション時代劇。大人数が炎の中で戦う合戦のシーンは迫力があった。ただ、豪勢なシーンは、視聴者にとっては喜ばしいが、制作側にとっては悩みの種となることも……。今回は、第4話の作品としての素晴らしさと、本作のビジネスとしての不安要素を綴りたいと思う。

■大味なのに繊細!? 実は哲学的な第4話

 ダイナミックなシーンの多い回であったが、素晴らしかったのは小道具や小ネタなど、ディテールの部分。映画雑誌の表紙写真が船越英一郎だったり、バーにある壁の穴を「勇作と力也さんがやった(殴った)」と嘘ついたり、伊吹吾郎が本人役で出てきたりと、俵屋を騙すためのギミックが小ネタ万歳で楽しめた。個人的には、映画『モテキ』(2011年、監督:大根仁)のときに長澤まさみが使った「ドロンします」という台詞があったことに好感を覚えた。

 とはいえ、ただの小ネタばかりのドタバタ喜劇の回ではない。「あるある」な共感と人間の本質に触れた見応えのある1時間だった。

 まず、映画に詳しくない者を見下す俵屋のよう人間を「シネマハラスメント」という造語で称したのは見事。日本代表を応援してないだけで「非国民だ」と罵るサッカーハラスメント、『ワンピース』を読んでいないだけで「人生を損してる」と言うワンピースハラスメント。ハラスメント野郎が現代社会に跋扈しているためか、映画マニアの俵屋が不幸になる様は痛快だった。

 また、ダー子がマリリン・モンローを色仕掛けの参考にしようとする場面も、ギャグのように見えて本質を突いている。頭脳明晰ゆえに色恋すら学習しようとするダー子演じる長澤まさみほどの美女が“ハニートラップは苦手”という設定に合点がいった。映画の知識が豊富なのに、その道のプロになれなかった俵屋と相まって、崇拝や憧れが願いの成就から遠ざけると教えてくれる。漫画家を志していたが、脚本家となった古沢良太の人生哲学が滲み出たのかもしれない。

 大味なコメディでありながら、キャラクターの整合性や小ネタにまで気を回す繊細さを併せ持つ。第4話はハイブローでありながらハイレベルだったと言える。

■『コンフィデンスマンJP』から見る、フジ崩壊のシナリオ

 ショービジネスである限り、切り離せないのが出資者や経営陣の満足度。内容が面白ければ良いと考えるのは、クリエイターとしては立派だがビジネスマンとしては失格。数字を見るのもプロの仕事。今回は視聴率ではなく、制作費にスポットを当ててみたい。

 Twitterの番組公式アカウントでは、「4話はロケがえらいことになってる」とつぶやかれていた。前述の通り、合戦のシーンは大迫力。甲冑をまとった兵士たちが、炎の中で戦闘を繰り広げていた。

 刀・槍・甲冑などの衣装代、地方ロケでの車両・燃料の費用、大勢のエキストラの出演料に弁当代。合戦シーンだけでウン百万が飛んだはずだ。古沢良太が「そこまでやれとは言っていない」と突っ込みリプライを公式アカウントにするほど、肝を冷やす費用が第4話に使われたと推測される。

 民放テレビドラマで制作費が一番高いのは、1話につき4~5,000万円かけられているTBSの日曜劇場と言われているが、各話大規模なロケが行われている『コンフィデンスマンJP』の制作費がそれ以上なのは明らか。本作は韓国版や中国版の制作が決まっており、費用の回収は国外でもできるにせよ、DVDやBlu-rayの売り上げが芳しくなかったり、人気が出ずにシリーズ化に失敗した場合は、大損失となる。その場合、シワ寄せを受けるのは局内の他の番組だ。ドラマ・バラエティ問わず制作費が削減されれば、士気もクオリティも下がる。

「企画力で勝負!」とフジが言ったところで、テレビ東京のような低予算で面白い番組を作るノウハウは皆無。制作会社や芸能プロは良質な企画や人材を、他局に売り込むだろう(すでにその動きは始まっているとウワサされるが……)。視聴率が落ちれば、広告収入は減る。放送事業のブランド力が落ちれば不動産事業やイベント事業も痛手を受ける。

『コンフィデンスマンJP』のような多額の予算が投入されたコンテンツを打ち出の小槌にできるか否かに、フジテレビの命運が懸っているとも言える。

■『コンフィデンスマンJP』は、『コード・ブルー』になれるのか?

 近年のフジテレビのヒットコンテンツと言えば、昨年の7月にも放映された『コード・ブルー』シリーズ。平均視聴率は15%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)を超え、映画の公開も控えている。横綱相撲を得意としてきたフジテレビだけあって多額の制作費がかけられた番組は今でも面白い。『コンフィデンスマンJP』も4話で視聴率が9.2%と、前回の9.1%から微増。2ケタ視聴率の可能性もシリーズ化の可能性も残されている。

 だが、セカンドシーズンや映画化が実現しても、『コンフィデンスマンJP』は『コード・ブルー』ほどの収益は出せない恐れがある。

 その判断の基準にしたのは、番組公式ホームページのメッセージの投稿数だ。『コード・ブルー』は300ページ超のメッセージが寄せられるのに対し、『コンフィデンスマンJP』 は10ページ前後。30倍近く開きがある。1年前の作品が現在放映中の作品よりメッセージが多いのは当たり前だが、今のペースだと本作は50ページ前後いけば御の字。

 なぜ公式サイトのメッセージに着目したかと言えば、純粋な番組の応援である点だ。SNS上の応援メッセージの発信には、「自分はこの作品のファン」「作品の良さをわかっている」などのフォロワーに対する自己顕示が潜んでいる。対して番組のメッセージは制作者や役者に向けられる。多ければ多いほど、作品の熱狂的なファンが多いことの指標となる。

 山下智久や新垣結衣のファンが多いせいだと言われればそれまでだが、その分『コード・ブルー』はソフトや劇場公開の収益を見込めるとも言える。

「『コンフィデンスマンJP』は熱狂的ファンを増やしシリーズ化できるのか?」「そうなったとき収益を出せるのか?」。そんな能書きをたれながらも、第5話『スーパードクター編』は、純粋な気持ちで楽しみたいと思う。

(文=許婚亭ちん宝)

嵐・二宮和也『ブラックペアン』“闇医者”の可愛げと“バトルシーン”の充実ぶり

 嵐・二宮和也が、いかにもマンガチックな闇医者っぽい天才勤務医を演じている日曜劇場『ブラックペアン』(TBS系)。GW最終日に放送された第3話の視聴率は12.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、好調をキープしつつもじりじりと下げ続けています。

 元フジテレビアナウンサーの加藤綾子が扮する「治験コーディネーター」なる職業の人が、「実際の職業とあまりにもかけ離れている」などとして日本臨床薬理学会から抗議が届いたり、いろいろ騒がしいようですが、今回も振り返ってみましょう。

前回のレビューはこちらから

 

■完全に「ニノのためのドラマ」になりました。

 前回までのレビューでも申し上げております通り、このドラマ版『ブラックペアン』は原作を大きく逸脱しています。ニノ演じる天才外科医・渡海征司郎と医局で双璧をなすはずだった高階講師(小泉孝太郎)は権力にかしずくだけのビビり野郎と化し、その高階による「スナイプ手術」も原作では成功続きで医局を席巻していたはずが、2例やって2例失敗というポンコツぶり。さらに、渡海当人も手術の見返りに平気で同僚から金をむしり取るなど、キャラが原作より露悪化されておりますし、たった2話で原作の半分まで消化してしまった展開にも拙速さを感じていました。

 それもこれも、ジャニーズタレントであるニノを目立たせて、見せ場をたくさん与えるための施策です。いささか強引ともいえる原作改変によって、群像劇の中の1人でしかなかった渡海という医師を主人公に仕立て上げることにしたわけです。

 こうした“ジャニーズ上げ”のための脚本は、これも前回のレビューで指摘しましたが、前クールのキムタク主演『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)でも見られました。主人公であるキムタクを引き立たせるために周囲の人間を必要以上のバカとして描いた結果、物語そのものが破綻してしまった。見るに堪えないドラマがお茶の間に放送されてしまった。

 しかし、そうした“ジャニーズ上げ”が全部ダメだと言いたいわけではありません。『BG』がダメだったのは、“ジャニーズ上げ”をやろうとして失敗したことにより、キムタクすら魅力的でなくなってしまったからです。

 ひるがえって。

 終始“ニノ上げ”の『ブラックペアン』ですが、第3話にして、これは成功しているぞ、と感じました。ニノが、ちゃんと上がってるのです。

 

■“ニノ=闇医者”のギャップが、かわゆい。

 何しろ、クールに振る舞い、ひどい言動を繰り返すニノが、かわいいのです。頭を「よしよし」してあげたくなるのです。手術を成功させた渡海に「えらいぞー!」とか言ってアメとか買ってあげて、「うるせーよ」とか「いらねーよ」とか言われたい。そんで、部屋でこっそりアメちゃん舐めてるニノを物陰から眺めたい。そんな感じ。

 第3話は、ほぼ手術のシーンで占められていました。2人の手術を同時に行うことになった渡海、どうやってもそんなの、成功しそうにありません。

 医療ドラマにおける手術を、この『ブラックペアン』は時代劇の殺陣や、スポーツドラマの試合のように扱います。特に今回は、実に正しく「バトルもの」のドラマになっていたのです。

 渡海は、誰もが勝てないと感じる敵(この場合は病巣)に対し、知恵を尽くした機転と卓越した手技で立ち向かいます。みんな諦めちゃって、どうしようもないと途方にくれているのに、渡海だけが「やれる」と信じて、それをやり遂げる。勝ってみせる。

 このバトルシーンを盛り上げたのが、『ブラックペアン』の実に周到なバトル設定の明示です。

■なぜバトルとして成立したか

 どう考えても一般視聴者に馴染みのない「心臓僧帽弁手術」というバトルフィールドと、そもそも架空の医療機器である「スナイプ」というバトルウェポンについて、私たちはいつの間にか、「何ができて、何ができないか」「何がどうなるとピンチで、どうすれば解決できそうか」という予備知識を与えられています。手際よく、それらのバトル条件が説明されているため、バトル中に起こる出来事が「ピンチか、チャンスか」瞬時に理解できる。緊張感が削がれない。

 そして、一旦提示された条件の中で「これは解決できないだろう」と思わせておいて、ヒーロー渡海がメスを振るうことで大逆転を起こすわけです。

 さらに今回は、渡海はビビり高階にも見せ場を与えました。見栄っ張りで出世欲にまみれた高階でも「スナイプ」だけは使える。自ら目の前の患者を執刀しながら、隣のオペ室の手術の一部を高階に任せることで、ダメダメだった高階の価値を上げることにも成功しているんです。『キャプテン翼』でいえば、翼くんが石崎くんにパスを出してゴールを決めさせているわけです。

 この場面の段取りも、実によくできていました。石崎くん(高階)は、高速ドリブルで相手をゴボウ抜きにしたり、低い弾道のアーリークロスにバイシクルボレーを合わせてゴールに叩きこむことなんて天才的なことできません。でも、然るべきタイミングで足元に転がしてやれば、ゴールに流し込むことはできる。渡海は高階の「できること」と「できないこと」を見極めた上で、高階の今できるベストを引き出し、結果を出しました。これぞヒーロー、これぞキャプテン。

 このようなバトルシーンには、人物の背景や思想は必要ありません。そのバトルを描写するのに必要なだけの「力」や「技」といった実存的な前提条件と、ピンチを覆す逆転の方法だけ練っておけば成立するのです。逆にいえば、人物の背景や心情を徹底的に排除し、本来の力量と、各々が達成できる限界はどこまでなのかという厳密なラインだけ引いてあげることで、よりシーンの純度が上がる。純度が上がると、彼らがなぜ戦うか(なぜ執刀するか)という心の中の根っこの部分が浮き彫りになるんです。

 今回の渡海によるバトルは、掛け値なしで面白かったです。夢中で見ちゃった。先ほどは『キャプテン翼』を例に出しましたが、どちらかといえば『少林サッカー』(2001)に近い感触だったと思います。いやー、面白かった。参った。

 

■でも“イベント回”みたいなものだよね、今回は。

 それが医療現場の実際のところとどう違うとか、ただ日曜の夜に「あー明日から仕事だわー4連休明けとかつらいわー」とか言いながらビール片手にテレビを見ている視聴者には関係ありません。見終わった瞬間に細かいことは忘れるし、なんとなくバトルの爽快感だけ憶えておいて、気が向いたら来週も見るという、それだけのことです。テレビドラマって、本来そういうものだと思う。そういう意味で、よい回だったと思うんです。

 とはいえ、今回は特殊な回だったとも思います。ほぼ全編バトルだけで1時間というのは、お話の後半には持ってこられないはず。原作の改変について、今回はバトルにおける人物配置という要素でうまく作用しましたが、先行きどうなるかはもう少し話数を重ねてからじゃないと判断できないなーと思います。

 純度の高いバトルとしての手術シーンと、ニノ演じる渡海の可愛げ。この2つは間違いなく『ブラックペアン』の長所であると思うので、ドラマ方面のほぼオリジナルである「権力闘争のアレ」とか、原作のキモである「誰かのX線写真のペアンのアレ」についても、なんとかうまくやってほしいと思うところです。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

岩田剛典『崖っぷちホテル!』人の性根に根差した“いい話”連発も、低空飛行は続く……

 日曜夜のほっこり低視聴率ドラマ『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)も第3話。視聴率は6.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、やや戻しましたが低空飛行が続きます。とはいえ、今回もフツーに面白いです。

 というか、過去2回は「ユルいし雑だけど、優しい出来で、まあいいじゃない」という印象でしたが、今回はちょっとピリッとした緊張感もありましたし、主人公の宇海くん(岩田剛典)の可愛げの中に不気味さが見え始めたりしてて、回を重ねるごとに、ちょい深みが増してよい感じになってきてると思いました。

 そんなわけで振り返りです。

(前回までのレビューはこちらから)

■基本、みんな性根がいい。

 老舗ホテルの再建を目指す総支配人・桜井佐那(戸田恵梨香)と、いろいろあって副支配人になった宇海くん。前回までに、元副支配人の時貞(渡辺いっけい)と元総料理長・江口(中村倫也)を、それぞれ降格させたことから、ホテル内には不穏な空気が満ち始めています。

 ガマンならない時貞&江口の降格コンビに対し、宇海くんは「新規顧客獲得のための企画勝負」を提案。勝った方を、改めて役職に戻す約束をします。勝ち負けの基準は「お客様に喜んでいただけたかどうか」、そして、最終審判は支配人である佐那に委ねられました。

 このように、何もかもを勝手に進めつつ、最後には佐那に「あなたが総支配人じゃないですか!」と厳しい判断をほっぽり投げてくる宇海くんですが、その自信満々でマイペースなニッコリ笑顔にはなぜか説得力があるようで、従業員たちも、ついつい言うことを聞いてしまいます。

 今回も、

「そんなことやってられるか!」

「誰がおまえの指図に乗って企画なんて考えると思ってるんだ!」

 などと、駄々をこねるかと思いきや、意外にもすんなり新企画を考えてきた時貞&江口。

 元副支配人の時貞は、これぞ老舗ホテルのサービス! という究極のセレブ体験をしていただくという、なかなかの名案。1泊20万円だか30万円だかの最高級スイートにお泊まりいただき、超一流のおもてなしでお客様を迎えるというものでした。

 一方の元料理長・江口は、一流フレンチの調理体験という提案。ホテルと提携している地元の「高橋ファーム」なる畑(たぶん一流なのでしょう)での収穫から、お客様と一緒に行い、採れた野菜で「俺と一緒にフレンチを」と、これまた、至極まともな企画です。

 さらに、客室係の長吉(宮川大輔)が、「そういうことなら、やってみたい企画が!」と、プロのベッドメイクを体験してもらう企画を提案しました。特にきっかけとかなくて、やる気のない人として登場した長吉でしたが、なんだか、急にモチベーションがグングン上昇したみたい。

 このあたり、みんなゴネつつ実に性根がいいというか、都合よく宇海くんの話にノリすぎというか、要するにご都合主義満載なんですが、脚本家自身の「だって、いい人なんだからしょうがないじゃん」といった心持ちが伝わってくるので、これはこれで気持ちのいいご都合主義だなあなどと感じ入ります。なんだかあんまり、文句を言う気にならないんです。

■渡辺いっけいのサンドバッグぶり

 対決企画とはいえ同じホテルの中ですから、お互い邪魔をしないという約束事はあります。ところが、どうしても副支配人に返り咲きたい時貞は、江口のお客さんである小汚い親子によからぬ態度を取ります。

 この、いかにも良心的なドラマの“よごれ”を一手に背負うのが、時貞を演じる渡辺いっけい。同じ降格組でも、江口は「新人のハル(浜辺美波)にはまだ知識が不足している」「食材の見極めもできない」という、まっとうな理由で人事を戻すよう要求しますが、時貞のほうは、メインバンクから不正に金を引っ張っているのがバレたらヤバいという、身勝手を通り越して犯罪の隠ぺいのためという極悪人です。

 しかし、渡辺いっけいが演じると、極悪人に見えない。自分の客が蔑ろにされた江口と取っ組み合いのケンカになっても、なんか弱いし、「年の差考えろ」とか子どもじみたことしか言わない。対決はなんだかんだとてもいい話があって時貞が負けるわけですが、まあ見事に短絡的で惨めな負けっぷりを見せてくれます。引き立て役、脇役という仕事の重要性というものを感じさせるお芝居でした。今回、みんながみんな時貞の振る舞いにカウンターを当てることで株を上げてる。サンドバッグとして、打たれ強くて丈夫なキャラクターを成立させているのは渡辺いっけいの嫌みのない悪役ぶりのおかげです。

 今夜放送の第4話では、事務責任者の丹沢(鈴木浩介)が辞めると言い出すようです。こちらも、時貞と同様“反・宇海くん”側の人間ですので、どう丸め込まれるのか、楽しみに待ちたいと思います。このまま、フツーにいい話ばかりで終わってほしいと思うし、そういうドラマがあってもいいと思うんですが、まあ数字が、ねえ。どうなるんでしょう。
(文=どらまっ子AKIちゃん)