キンプリ・平野紫耀が脱いだ!『花のち晴れ』ジャニオタのヘイトを買う飯豊まりえの存在意義

 物語も中盤に差しかかった、火曜ドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系)。第5話の視聴率は、8.7%(ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)と、これまた0.3%ダウンの残念な結果に。

 序盤こそ、前シリーズ『花より男子』から道明寺司(松本潤)と花沢類(小栗旬)が登場しファンを沸かせましたが、正直その後はこれといった盛り上がりや話題性もなく、19.8%という『花男』の全話平均視聴率はもちろん、10%の大台に乗ることすら危うい状況です。

「F4」と比べて、5話まできても「C5」はまだイマイチパッとしませんし、物足りなさが残るのは確か。TBSさん、ここらでもういっちょ、大先輩の「F4」メンバーを出演させてみてはいかがでしょうか? ということで、今週もあらすじから振り返ります。

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■平野紫耀のセクシーなサービスシーン

 

 前回(記事参照)なんやかんやありながらも、本当の意味で友達となった音(杉咲花)と愛莉(今田美桜)。音は、愛莉に半ば無理やり連れてこられたC5メンバー・一茶(鈴木仁)の華道パーティーで、今をときめく人気モデルの西留めぐみ、通称・メグリン(飯豊まりえ)に声をかけられている晴(「King & Prince」平野紫耀)を目撃し、プンスカしてしまいます。

「俺のラブ、受け取って」とクサすぎる台詞を吐きながら華麗に花を生ける姿に、一茶ガールズ(一茶ファンの意)たちがキャーキャー言いながらノリノリのBGMに合わせて踊りはじめるという謎空間のショーを横目に、音と晴は、お互いを意識しながらもギクシャクしたまま。

 しかもその後、パーティー会場に併設された温泉で晴とメグリンが裸で鉢合わせるという、ラッキースケベハプニングが発生。このシーン、飯豊さんというより、平野くんの細マッチョボディがあらわになったセクシーシーンだったように思います(平野担のみなさん、よかったね)。彼、顔に似合わずイイ体してました。はい。

 さてさて、メグリンの裸をバッチリ見てしまった晴は、音にはバレたくないとその事実を隠そうとしますが、翌日、英徳学園に晴の財布を届けにきたメグリンの口から、「裸見せっこした仲じゃん」とみんなの前であっさりとバラされてしまいました。自分がドハマりしているアプリゲームに出てくる推しキャラにそっくりだと、晴にベッタリなメグリンに対し、元・強火晴担の愛莉は「この女に地獄の苦しみ与えていい?」と、大きなおめめをギラつかせながらドス黒いオーラを放って威嚇しますが、一方のメグリンは、晴以外は眼中になし。周りにいた生徒たちも2人は付き合っているのかと騒ぎ立てます。

 晴に「道明寺さんの家にお詫びにいく」(詳しくは2話参照)という名の放課後デートに誘われ、ニヤケる顔を隠せていなかった音ですが、そんな2人の様子を見ていて、ヤキモチから怒りが頂点に。

「(晴が何しようが)私には関係ない」「興味ない」「邪魔」と、“好きな人に言われたら、世界中のどんな拷問よりも効果がある”(晴談)という捨てセリフを吐き、晴の前から立ち去るのでした。

 

■今週の天馬語録

 

 その後、イライラが治まらない音は、心配してくれるバイト先の紺野先輩(木南晴夏)や愛莉に強く当たってしまいます。バイトから帰宅すると、婚約者である天馬(中川大志)の母・利恵(高岡早紀)から届いたという音と晴のツーショット写真が。それを見て音の浮気を疑い、ショックでパートを休んだ母・由紀恵(菊池桃子)にも、「私は毎日必死なのに、お母さんにはそんな風に言われたくない!」と声を荒らげ、家を飛び出してしまいます。

 すると、アパートの軒先には、優しい笑顔を浮かべた天馬の姿が。利恵ママの誤解は解いておいてくれたそうです。音と由紀恵を心配して、様子を見に来てくれたのでしょう。さすが天馬くん、今週も王子様です。

「ほっとけるわけないだろ。それに、音になら傷つけられてもいい」
「いっつも音は我慢してるけど、そのままの音でぶつかってきてほしいんだ」

 音を笑わせようと、キャラに似合わない変顔をしてみせたり、何気ないやりとりで音を安心させた天馬くん。落ち着きを取り戻した音は、由紀恵と無事仲直りすることができました。何から何まで天馬くんのおかげです。天馬くんの半分は、優しさでできてるんだと思います。

 そんな天馬くんのリクエストで、お決まりの月1デートに関係なく、2人でお出かけをすることになりました。いつもは利恵ママが「天馬さんに釣りあうように」とプレゼントしてくれる全身ハイブランドで出かけますが、この日はその逆で、音が古着屋さんで天馬くんを全身コーディネートすることに。これが絶妙にダサい。なんですが、ブルーのサスペンダーや、ネイビーのバケツハット、そして音の赤いベレー帽もあいまって、2人並ぶと絵本の『ぐりとぐら』みたいで、ニコイチ感がかわいいです。

 お買い物を楽しんだ後は、水族館に。偶然にもそこではメグリンが撮影をしていました。音に気がついたメグリンは、「晴くんのこと、考え続けてもいいですか?」と音に問いかけます。音は「ご自由にどうぞ」と言って、天馬の手を引いてメグリンの前から立ち去りました。

 その後、音と天馬は何となく気まずい雰囲気に。普段はスマートに見える天馬くんですが、音のことになると自信がないし、音との間にぶ厚い壁を感じているそうです。

「これからは、一枚ずつでも壁を壊して音に近づいていくから」
「音は僕にとってずっと特別だよ」
「もし音の隣に僕がいてもいいなら、もう音を離さない」

 天馬による怒涛の甘~いセリフ口撃に、晴とメグリンのことが引っかかっていた音もすっかり心を動かされています。そりゃあ、初恋の人にこんなことを言われたら落ちないわけがないでしょう。

「誰に聞かれても胸張って、私の彼氏は天馬くんだって言いたい。私と付き合ってください」
天馬「はい」

 そんな一部始終を、「ちゃんと告って、江戸川に分からせる!」と意気込んで2人の元に駆けつけた晴と、晴の後を追ってきたメグリンが見ていました。修羅場の予感です。

 

■飯豊まりえがジャニオタのヘイトを買う

 

 さて、そんな5話のみどころはなんといっても、メグリンの登場でしょう。晴の音に対する気持ちを知っておきながら告白の練習をしようとけしかけ、自分を音に見立てて「好きだ」と言わせたり(結果、本当に好きになっちゃったパターンのやつです)、音に宣戦布告してみたり、音とケンカをしてショックで伏せっている晴の元をいきなり訪ねて、「弱った心にはハグが一番! おいで!」と両腕を広げてみたり……天真爛漫、かつなかなかしたたかな女の子だなと思うのは私だけでしょうか?

 でも、悪気はまったくなさそうなんですよね……。まさに、“天然無自覚系女子”。当初の愛莉みたいに、“腹黒系小悪魔女子”に振り切っちゃってるほうが潔い感じがするし、メグリン、女の子の敵を作りやすいタイプだと思います。いい子なんでしょうけど。

 そして飯豊さんの嫌味のない演技が、かえってあざとさを倍増させているような気がします。ネット上では、彼女に対して「ムカつく」「ウザイ」「違う人がよかった」という声も上がっているようですが、でも逆にそんな声が上がれば上がるほど、彼女が「メグリン」という嫌われ役を自分のものにしている証拠。そして、メグリンのネガキャンによって、視聴者は自然と音を応援するように誘導させられていくんだと思います。仮に、“ザ・モデル”みたいな人がきちゃったら、メグリンのナチュラルなオーラは出なかったんじゃないでしょうか。飯豊さんには、どうかポジティヴに世間の評判をとらえていただきたいなと思う次第です。

 

■動き出した晴パパと、「C5」の冷たさ

 

 メグリンの登場もさることながら、今話では、利恵ママだけでなく、晴の父・巌(滝藤賢一)も、「神楽木家にはふさわしくない」と、音の前に立ちはだかります。『花男』でも、つくし(井上真央)が道明寺の母・楓(加賀まりこ)に散々邪魔をされました。6話以降は、音と天馬、そして晴の「格差問題」も色濃く描かれていくのでしょう。

 なお、今話で引っかかったのは、愛莉を除いた他のC5メンバー3人が、晴にメグリンと付き合うようにけしかけたこと。いくら天馬のいる桃乃園学院に負けているからとはいえ、英徳の評判を上げるために、大手ホテルチェーンの令嬢でもあるメグリンとくっつけだなんて、ちょっと冷たすぎやしません?

 特に海斗(濱田龍臣)は、晴の音に対する気持ちを一番よく分かっているはず。まぁ、晴はただのヘタレ男子ですし、学園のリーダーとしてはとんでもなく頼りないので、周りが焦る気持ちもわからなくはありませんが。身内に厳しいタイプなだけで、「F4」がそうだったように、最終的には仲間の恋を応援してあげてほしいと思うのですが……。

 さて、今夜放送の6話では、音と天馬、晴とメグリンが遊園地でWデートをするようです。波乱の予感しかしませんが、どうなることやら――。
(文=どらまっ子TAROちゃん)

『コンフィデンスマンJP』ついに視聴率微増がストップ! 低視聴率の要因は“ストーリーの使い回し”!?

 5月14日放送の『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)第6話「古代遺跡編」。

 ボクちゃん(東出昌大)が訪れた寂れたラーメン屋の夫婦は、地方再生のために計画されたふれあいモールの完成を心待ちにする。しかし2年後、店を再訪すると、計画は産業廃棄物処理場の建設に変更されていた。コンサルタントの斑井満(内村光良)が地方再生を謳い低価格で村の土地を買い、産業処理会社に転売したのだった。

 ダー子(長澤まさみ)たちは、ニセモノの遺跡を発掘させることで処理場の建設をストップさせようと目論む。しかし、元考古学研究者の父親のせいで苦労を強いられた息子の斑井は遺跡発掘そのものを憎んでいた。ダー子はそれを逆手に取り、斑井の父親が唱えた諸説が正しかったと歴史の捏造まで試みる。斑井は、処理場で得る利益と遺跡発掘の情熱との間で心が揺れ動くようになっていく。

 以上が6話のあらすじ。突飛な切り口はいつも通りであるが、今回は過去の回ほどワクワクした気持ちで見ることができなかった。SNS上の書き込みも、「回によって当たり外れがある」「自分には合わなかった」など厳しい意見も目立つ。今回は、その要因を探りながら、第6話を振り返りたい。

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■1話完結型の弱みだけに留まらぬ、本作のマンネリ化

 勿論、批判的な書き込みばかりではなく、好意的な書き込みも多々あった。内村光良が真面目に悪役を演じたことへの賞賛。レキシの楽曲「狩りから稲作へ」がBGMで流れ、アフロヘアのダー子たちがニセモノの土器を作る演出に笑った人も多かったようだ。

 脚本も高い水準を保っていた。産業廃棄物処理場を絶対悪として描かず、建設現場の人間がラーメン屋に集まり店の経営が潤うオチ。遺跡マニア達の情熱に触れた後、斑井が金に群がる女とイチャつく自分を、映し窓に見て我に返る場面。善悪というものを明言せずに視聴者に感じ取らせる、古沢良太の脚本はいい味を出していた。

 しかし、父親のようになりたくない息子が利益至上主義者となり、ダー子たちとの出会いで純粋さを取り戻す構図は第3話「美術商編」と似通っている。しかも石黒賢演じる美術商の方が『リーガルハイ』(同)の主人公・古美門(堺雅人)のように、弁もキャラも立っていて、強敵に見えた。

 全10話もあるのに展開の被りを指摘するのは酷ではあるが、毎話悪人を騙すという骨子が変えられぬ物語ゆえ、肉付けを変えなければ新鮮さが損なわれてしまう。同じ肉付けだとしても、第3話を上回るハラハラする展開と感動を第6話では見せてほしかった。

■平均視聴率2ケタは望み薄。その前に視聴率って必要な指標?

 良し悪しの感想以上に、シビアなのが視聴率。2話で7.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区平均。以下同)と落ち込んだが、3話9.1%、4話9.2%、5話9.3%と微増していただけに、6話の8.2%は手痛い数字であった。

 現在1話から6話までの平均視聴率が8.8%。全10話の平均視聴率を10.0%にするためには、7話から最終話までの各話、約11.8%ずつ出さなければならない。

 ところで、そもそも視聴率という指標になんの意味があるのか?

 テレビマンにとっては査定のようなモノであるが、我々一般視聴者にとってなんら影響を及ぼさない。それにもかかわらず、「面白いのに視聴率がともなわない」「もっとたくさんの人に見てほしい」と言う作品のファンがいる。テレビと視聴率の不思議である。

 これは推察にすぎないが、テレビは同じ時間に同じモノを見ている人がいる安心感を与えてくれるメディアだからなのだと思う。テレビはある意味お祭りと似ていて、大勢の人ごみの中を歩くだけでワクワクするもの。逆に閑散とした出店の通りを歩くと、余計に孤独を感じてしまう。そんな心境から出る言葉が、たくさんの人に見てほしいという期待なのかもしれない。

 今は小説も映画もネット番組も、自分の好きな時間に自由に見られる。テレビもネット配信でそうなりつつあるが、各家庭にブラウン管や液晶画面の箱が置かれている限り、テレビには寂しさを紛らわせる賑やかさが求められる。また、多種多様な楽しみがあるゆえに、自分の趣味趣向に自信を保つことは難しい。だからこそ、自分の好きな作品に対する「面白い」というネット上の評判や高視聴率には、視聴者の寂しさを打ち消し、自信を与える力がある。

 作り手には視聴率を気にせず面白い作品を作ってほしい。同時に視聴率もとってほしい。

 見る側のワガママな意見で、恐縮であるが……。

■第7話「家族編」の期待できる点と、不安なポイント

 家族がテーマで、古沢良太脚本であれば期待が持てる。彼の出世作といえば、山崎貴監督の映画『ALWAYS 三丁目の夕日』。昭和の家族を描いたこの作品は、30億円を超える興行収入を記録し、古沢良太自身は山崎監督とともに日本アカデミー賞最優秀脚本賞をつかみ取った。

 しかし、金持ち家族の遺産相続が絡むという方向性には不安を覚える。騙す標的が経済ヤクザというのも、第1話「ゴッドファーザー編」と被らないか心配だ。輪をかけて、近年のフジテレビは『モンテ・クリスト伯~華麗なる復讐~』『貴族探偵』『カインとアベル』など、富豪の家族が登場する物語で大コケを連発中なのも心配の一因だ。古沢良太というド真ん中ストレートを投げても結果を出せる本格派をマウンドに立たせながら、過去で失敗したリードを要求し続けるフジテレビの勇気には拍手を送りたい。キャスト・脚本・演出・美術やロケーションに至るまで高水準な作品だけに、各話の方向性の舵取りだけが悩ましい。

 第7話「家族編」を楽しみにしつつ、密かに古沢良太の朝ドラ登板にも期待をしたい。

(文=許婚亭ちん宝)

嵐・二宮和也『ブラックペアン』マンネリ感と粗い肉付け「でも面白い」という凄み

 今週もニノちゃまこと嵐・二宮和也がすこぶる愛らしかった日曜劇場『ブラックペアン』(TBS系)も第5話。視聴率は13.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、ほぼ横ばいです。最終回でようやく15%に届くかどうか、という感じですかね。正直、ニノの可愛げ以外に、あんまり伸びしろは感じません。

 というわけで、振り返りましょう。

前回のレビューはこちらから

 

■完全に『水戸黄門』とか『遠山の金さん』とか

 今回も基本的に、ほかの医者が失敗した手術を主人公・渡海(二宮)がリカバリーするという、いつもの展開。マンネリ感の漂う中、目新しさとして投入されたのが手術用ロボットの「ダーウィン」でした。

 このダーウィン、実際の医療現場でも使われている「ダヴィンチ」という手術支援ロボットなのだそうです。渡海たちが働く病院で、重病の女の子の手術をダーウィンで行うことになり、渡海は興味なさげな顔を見せつつ裏でしっかりダーウィンについて勉強したり、女の子に造血剤を投与したりして、失敗に備えます。案の定、ダーウィンによる手術は大失敗。渡海がババンと登場してササっと手術をこなし、一件落着となりました。

 もうこのドラマは『水戸黄門』とか『遠山の金さん』のように、お約束を楽しむ作品だと思ったほうがよさそうです。「なんだかんだあって、渡海が助ける」という以上の展開を期待すると、肩透かしを食らってしまう。5話目にして、ようやく楽しみ方がわかってきました。とにかく、本筋であるはずの「ブラックペアン」について、体内にペアンが残されたX線写真についての話が、まるで進まないんだもの。

 とはいえ、思い返してみれば、原作である『ブラックペアン1988』(講談社)は研修医の世良くん(竹内涼真)の心情描写に多くのページが割かれているわけで、主人公を世良くんから渡海先生に変更した時点で、1クールのドラマとしては、まったくエピソードが足りなくなることは自明なんですよね。そこで尺足しのために投入されたのがダーウィンだったわけですが、ものすごく、これは違和感があるマシンでした。原作タイトルから『1988』を外したのは、このためだったのでしょうけれども。

 

■じゃ、スナイプいる?

 私は医療についてなんの知識もない単なるどらまっ子ですので、このドラマから得た知識と理解だけで話を進めますけれども、「スナイプ」は最先端医療マシンとして登場したはずなんですよね。これまで開胸が必要だった手術も、スナイプならちょっと穴を開けるだけで心臓の中までいける。患者の負担も少なく、執刀医の技量にも左右されない。外科の未来を担うニューマシン。しかし劇中、そのニューマシンによる手術は失敗を繰り返し、渡海によるリカバリーがなければ何人も死んでいたことでしょう。

 そこで登場したダーウィンなんですが、特徴はこうです。これまで開胸が必要だった手術も、ダーウィンならちょっと穴を開けるだけで心臓の中まで行ける。患者の負担も少なく、執刀医の技量にも左右されない。外科の未来を担うニューマシン。しかも、機械なので人間より細かい作業ができる。

 まんまこれ、スナイプの超進化版というか、「4本腕のオートメーションスナイプ」というか、ダーウィンが世の中に存在するなら、スナイプっていらなくない? と思うんです。スナイプなら可能で、ダーウィンで不可能なことが想像できない。ここまでさんざん「外科の世界を変える」と喧伝してきたはずのスナイプが、完全に「ダーウィンの腕部分のおもちゃ」にしか見えなくなってしまう。

 原作は1988年の話で、当時の現実としてスナイプっぽいものはあっても、ダーウィンっぽいものはなかったのでしょう。作者の海堂尊さんはお医者さんでもあるので、そのへんのリアリティには注意を払っていたと想像します。

 その1988年の時点で“最先端”として登場したスナイプを2018年の現代劇であるドラマにそのまま持ってきて、さらに2018年の“最先端”であるダーウィンも登場させてしまう。自動車に例えれば、4話目まで『頭文字D』(講談社)でおなじみの藤原とうふ店のパンダトレノが「最先端の夢のマシン」だったのに、5話目から急に自動運転の電気自動車が出てきたようなものです。パソコンでいえば「PC-9801」とIntel Core i7搭載の「MacBookAir」が両方とも「最先端」と謳われている。ゲーム機ならゲームボーイとNintendo Switchが……といった具合です。

 何が言いたいかというと、それくらい『ブラックペアン』というドラマの肉付けはいい加減なので、マジメに考えながら見ていると頭が混乱するという話です。「なんだかんだあって、渡海が助ける」の「なんだかんだ」の部分は、あんまりちゃんと見ないほうがいいと思う。スナイプやダーウィンの設定のいい加減さに振り回されるように、それらを持ちこんでくる高階講師(小泉孝太郎)や西崎教授(市川猿之助)たちのキャラクターも右往左往して、なかなか人物像が見えてきません。彼らと真剣に向き合えば向き合うほど、「なんなんだよ!」とツッコミたくなってしまうこと請け合いです。

■でも面白いという豪腕ぶり

『ブラックペアン』のすごいところは、シナリオ的にそこまで粗いことをやっておきながら、毎回それなりにきっちり面白いということです。とにかく見せちゃう。見せ切っちゃう。

 今回も、ダーウィンのスペシャリストとして渡海たちの勤める東城大に乗り込んできた松岡さん(音尾琢真)がいい具合に憎たらしく、トラブルに陥ると、いい具合に狼狽えてくれる。アーム同士が干渉して動けなくなったダーウィンが巨躯を震わせて呻く様子を切り取った数秒のカットも、「暴走寸前の最先端マシン」という感じで、異様に怖い。年端もいかない重病の女の子に「高階先生は、干されたんだよ」などと言い放つ渡海は相変わらず猫背で素敵だし、どの場面でも、だいたい一番まともなことを言っているのに扱いがよくない関川先生(今野浩喜)も存在感を発揮している。ノースリーブのカトパンは今日もエロエロにエロい。

 端的に言って、画面が終始エモいのです。エモーションに満ちてる。ダーウィンの撮影には、本物のダヴィンチを借りてきたそうです。本物を借りてきておいて「ロボット手術」の信頼性を著しく損なうような描写を平気でやっちゃうあたり、狂気すら感じます。

 原作からエッセンスを拾いつつ、基本的には「死にそうな人を助ける」という“場面の強さ”を演出することに全力を注いでいるように見える『ブラックペアン』。あんまり深く考えずに、「今日も最後に渡海くんが助けるぞ!」という気持ちで最終話まで楽しみたいと思います。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

 

岩田剛典『崖っぷちホテル!』視聴率“微増”中……脇役ばかりがハッピーになるハッピーエンドに需要はあるか

 日曜夜のゆるふわほっこりドラマ『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)も第5話。視聴率は7.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、今回も微増です。2話目で崖の下に落ちてから、ずっと微増。じりじりと這い上がっています。

 このドラマは、毎回とっても“いい話”なんですが、今回もまた例にもれず。実に平和です。平和が何より。振り返りましょう。

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■今回は、りょうさん。

 なんだかんだで崖っぷちなホテル「グランデ・インヴルサ」の副支配人になった“ホテル業界の貴公子”こと宇海くん(岩田剛典)。ダメダメな従業員をひとりずつターゲットにし、意識改革を促すことでホテルの再生を目指しています。

 これまでシェフ・江口(中村倫也)、ベルボーイ・ピエール(チャド・マレーン)、事務方の丹沢さん(鈴木浩介)と、立て続けに覚醒させて、見事にやる気満々ホテルマンに変貌させてしまった宇海くん。今回は、バーマスターの梢さん(りょう)がやり玉に挙げられました。

 亡くなった元総支配人の桜井さんに心酔していた梢さんは、その娘である現支配人・佐那(戸田恵梨香)が嫌いです。当然、佐那に協力する気もないし、宇海くんによる改革にも乗り気ではありません。

 しかし今回、ブライダル事業の立ち上げを決めた宇海くんが、最初の結婚式のプランナーに梢さんを指名すると、「やります」と引き受けることに。たった一晩で、それなりのプランを作ってきます。

 そんな梢さんをあざ笑うかのように、宇海くんは次々に客の追加注文を告げてきます。

「高さ3メートル45センチの巨大ウェディングケーキを作ってほしい」
「ピアノの生演奏を入れてほしい」
「バージンロードを歩くとき、プロレス風の実況をしてほしい」

 どれもこれも無理難題です。性格的に、他人に“お願い事”をするのが苦手な梢さんなので、なおさらです。

「ごめんねー、ギブアップ。全部の要望に応えることはできない」

 ついに音を上げた梢さん、素直にプランナーの仕事を受けた理由を宇海くんに告白します。いわく、ブライダル事業は亡くなった元支配人の夢だったそうです。

「大人が夢を叶えるには、どうしたらいいんでしょうかね」
「私の思う秘訣はこうです。他人を信じて、頭を下げて、笑顔でいること」

 それは、ニコニコ宇海くんがいつもやっていること、そのままでした。

 

■ああ、なんて平和で健全な……

 宇海くんに諭されて、もう一度プランの実現に向けてほかの従業員にお願いに行く梢さん。すると、そこにはいくつもの小さな奇跡が待っていました。ケーキはパティシエ・ハルちゃん(浜辺美波)の専門学校時代の同期生たちが協力してくれることに。ピアノはフロントマンの大田原(野性爆弾・くっきー)が弾けることが明らかになり、進行役の丹沢さんはひとり、実況の特訓をしています。

 この結婚式は、もともと宇海くんの知り合いが「親族を呼ばず、2人だけの式を」と依頼してきたもので、両名とも多忙なため当日合わせのぶっつけ本番となる予定でした。式前日、新郎新婦に動画に撮って見せるために、リハーサルが行われることになりました。

 新婦役は、梢さん。新郎役には、先週出てきた“元支配人にそっくりなおじさん”こと小山内さんが呼ばれています。

 若いころには忙しく働きすぎて、自分の結婚式も挙げられなかったという小山内さん。梢さんに「これもいい思い出」と言ってくれます。そして「夢を叶えてくれて、ありがとうございます」と。元支配人の夢だったブライダル企画が形になった瞬間、梢さんは、元支配人にそっくりな小山内さんから、その言葉を贈られるのです。

 まあ、なんといい話なのか。もうね、ホントに健全。平和。

 結局、結婚式そのものは新郎新婦から連絡があって、中止になりました。それでも、とりあえずブライダル事業の広告用ビデオも撮れたし、梢さんと佐那支配人も仲良くなったし、非の打ちどころのないハッピーエンドです。おそらくは最初から新郎新婦なんてものはいなくて、すべて宇海くんのハッタリなのでしょう。

■物語の始まりと終わりで、顔が全然違う

 今回は、いわゆる「りょう回」でした。不機嫌なりょう、落ち込むりょう、素直に頭を下げるりょう、感涙するりょう、つきものの落ちたようなさっぱりした表情で戸田恵梨香と笑い合うりょう。りょうのころころと変わる表情を追いかけているうちに、あっという間に1時間が過ぎてしまう。そんな回です。物語の始まりと終わりで、りょうの顔がまったく変わっている。それは、一人の人の人生に訪れた、あるひとつの“変化の瞬間”を、物語が語り切っている証拠でもあります。

 泣くほどじゃなく、刺さるほどじゃなく、適度に笑えるいい話も、実に爽やかな余韻を残しました。今回は「他人を信じて笑顔で過ごしましょう」、前回なら「ちゃんと『いつもありがとう』と言葉で伝えましょう」と、ストーリーの根っこにあるテーマも明確に語ってくれるし、「ミスオマールエビ」とかハルちゃんの同期生が全員ハルちゃんっぽいキャラだったりする小ネタも、ドラマを邪魔しない程度に微笑ましくてよいです。

 かように、『崖っぷちホテル!』は日曜の夜を平和に過不足なく過ごすには最適なドラマになっていると思います。安心で、安全です。

 主人公でなく、脇役がハッピーになるハッピーエンドばかりが続きますが、実に丁寧かつポップでかわいい作品です。

 ドラマって本来、こういうのでいいんだよ……とまでは言わないし、物足りなさも正直すごくあるんですけど、どらまっ子的には、なるべくこういう作品の味方でありたいと思う所存です。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

 

 

 

『Missデビル』社長を殺そうとした新入社員を放し飼い&人質事件発生で社内は無法地帯化……

 9頭身のスーパースタイルを誇る菜々緒が、“悪魔”と称される冷徹な人事コンサルタント役を演じるドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)の第5話が12日に放送され、平均視聴率7.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.4ポイントアップとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 その前回ラスト、共亜火災保険の新入社員・南雲陽一(前田航基)が、社長の大沢友晴(船越英一郎)をナイフで襲う、という事件が発生。その背景には、南雲が幼少期、父親が営む工場が全焼した際に共亜火災から保険金が下りず、その結果として倒産に至った経緯があることが発覚します。

 そして、その時の調査担当者が大沢だった。つまり南雲は、大沢を逆恨みし、復讐するために入社したのです。

 会社側は再調査を行うのですが、やはり共亜火災には非がなかったことが判明。しかし、社のイメージダウンを考慮し、南雲には何も処分を与えず雇用継続することを決定。これに対して南雲は、このまま会社に留まっていいものなのかどうか悩んでしまうのです。

 一方、人材活用ラボに所属する斉藤博史(Sexy Zone・佐藤勝利)は、上司の椿眞子(菜々緒)から、審査部で新人研修を受けつつ、同部部長・瀬登広幸(小林隆)をリストラする理由を探ってくるよう言い渡されます。

 しかし、瀬登は温厚な性格で部下からの信頼が篤く、仕事も人一倍こなす。リストラする理由なんて見当たりません。それに加えて博史は、南雲のことが気になって仕事に集中できないのです。

 それを見かねた眞子は、瀬登と博史を召集。瀬戸が暴力団と接触し、不正な取引をしていた証拠写真を突きつけ、「あなたにはこの会社を辞める権利があります」と、自主退職を迫ります。

 追い詰められた瀬登は逆上し、博史にナイフを突きつけて人質にとってしまうのですが、眞子はいたって冷静。瀬登にペンを投げつけ、ひるんだところへすかさずハイキックをお見舞いし、一件落着してしまいます。

 命の危険にさらされたものの、気の良い博史は、瀬登が退職後にどうしているか気になり、家を訪れます。すると意外にも、瀬登は晴れやかな表情。実は狭心症を患い、働き続けていれば命が危なかったこと、会社から離れたことで「狭い場所ばかり見てた」ことに気づいたというのです。

 瀬登の姿に触発された博史は、その足で南雲のもとへ。そして、「あなたにはこの会社を辞める権利があります」と、眞子の真似をして退社を促し、南雲がこれを呑んだところで今回は終了となりました。

 さて感想。前回ラスト、それまで陽気なキャラクターとして登場していた南雲が、突如として殺人未遂を犯すという雑な展開を迎えましたが、今回も粗だらけで酷かったです。いくら社のイメージを損ないたくないとはいえ、南雲に対して何のお咎めもなしなんてあり得ません。大沢からしてみれば、自分の命を狙う殺し屋を放し飼いにするようなものなんですよ。

 で、会社のこの決定に対して南雲は、「飼い殺しもいいとこだよ。未来ゼロ」と頭を抱えるのですが、社長室でナイフを振り回す狂気を演じた人間が何をほざくのかと唖然としてしまいました。すべて覚悟の上で襲ったんじゃなかったんですかね。未来を憂う資格なんてないと思うのですが。そもそも、復讐するだけのために、わざわざ入社する必要があったのでしょうか。

 南雲事件だけでも衝撃的でしたが、今回はさらに意味不明な展開が上乗せされました。瀬登による博史人質事件です。

 まず疑問だったのが、瀬登いわく「ずいぶん前」に起こした暴力団との不正取り引きの証拠写真を、共亜火災につい最近雇われたばかりの眞子が持っていた点。さらに、眞子がこの証拠を突きつけ、瀬登に退職を迫った時の、「やめてください。ひどいじゃないですか」という、眞子に向けた博史のセリフもワケがわかりませんでした。

 博史としては、仕事人間の瀬登から生き甲斐を奪わないで欲しい、という意味で放った一言だったようですが、すでに瀬登が不正を犯したことを認めた後でのこのセリフは明らかにおかしい。

 さらに滑稽だったのは、博史が人質にとられてからの瀬登と眞子のセリフの応酬。「俺から仕事を奪わないでくれよ」と訴えた瀬登に対して眞子は、「ダメに決まってます」と、冷静沈着に答えたんですね。

 すると瀬登は泣きそうになりながら、「悪魔!」と吐き捨てたのですが、これがまるで、デパートで子供が玩具をねだり、「余計なものは買いません」「ケチ!」とやり合う親子のような雰囲気だったため、緊迫したシーンのはずがコントのようになってしまっていました。

 殺人未遂が立て続けに2件起こり、社内は無法地帯化。このドラマは一体、どこへ向かうのでしょうか。強引に軌道修正してくるのか、あるいはさらにとんでもない展開が待ち受けているのか。怖いもの見たさで、次回を待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

ようやく登場した、酔いどれヒロイン・蒼井優! 原作ファンがやきもきする『宮本から君へ』第6話

 世間知らずで、青臭くて、そのくせ自分を曲げることが大嫌いな男。それが『宮本から君へ』(テレビ東京系)の主人公・宮本浩です。大学を卒業し、サラリーマンにはなったものの、まだまだ一人前の大人になったとは言えません。情熱は人一倍秘めているものの、空回りの連続です。そんな未熟な男・宮本の前に、宮本と同じか、それ以上の熱さを持った年上のヒロインが現われました。真ヒロイン・蒼井優が新加入した『宮本から君へ』第6話を振り返りましょう。

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 宮本浩(池松壮亮)は都内の小さな文具メーカーに勤める新人営業マンです。周囲から一目置かれる先輩営業マンの神保(松山ケンイチ)は1カ月後に退職することが決まっており、取引先の老舗文具問屋を宮本が引き継ぐことになりました。「会社の名前ではなく、自分の名前で呼んでもらえるようになれ」という神保の教えに従い、一人で営業回りするようになった宮本ですが、なかなか名前を呼んでもらうことはできずにいます。先輩営業マン・神保の大きさを感じてしまう宮本でした。

 恋人だと思っていた美沙子(華村あすか)にはあっさり棄てられ、温厚な上司・小田課長(星田英利)からは「クソ意地を張るのをやめないと、恋も仕事もできへん」と説教され、今の宮本には頼るものが何もない状態です。スマートで愛想のいい大手文具メーカーの営業マン・益戸(浅香航大)に対し、神保の猿まねで応じるしかありません。「毎度!」「宮本です!」「新しい名刺をつくったので、受け取ってください!」。かっこ悪くても、営業熱心な神保スタイルをひとつひとつ学んでいく宮本でした。

 宮本が「神保の猿まねに徹します」と営業先で宣言したことが、ライバル社の益戸は面白くありません。入社1年目の小僧から宣戦布告されたように感じたのです。そんなある日、問屋営業部の安達(高橋和也)から大手製薬会社にロゴ入りのクリアファイル1万セットを納品するという大口の仕事があることを知らされますが、これは益戸がいる業界最大手メーカーとの競合という形でした。どちらがより安く、よりいいサンプルを提案できるかの勝負です。宮本vs.益戸の企業代理戦争の勃発です。

 大手製薬会社への仲介を務める「ワカムラ文具」の営業部長・島貫(酒井敏也)へ宮本は神保と共にあいさつに向かいますが、戦争はすでに始まっていました。宮本たちが形式的なあいさつを済ませたタイミングを見計らって、益戸はわざと遅れて現われるのです。遅れたお詫びとして、益戸は島貫に商品券が入った封筒を差し出します。さらには一緒に昼食はどうかと島貫を誘うのでした。もちろん、商品券も昼食代も、すべて会社の経費扱いです。神保がいちばん嫌う営業スタイルを、益戸は仕掛けてきたのです。島貫の机の上には、宮本の名刺だけが残され、商品券はさっと消えていました。宮本は営業マンとしての自分の無力さを思い知らされます。

■日々刻々と変わっていく男と女の関係性

 新しい営業先で苦渋を味わう宮本ですが、これからの宮本の人生を大きく変える運命の出会いも待っていました。神保に誘われ、神保が新しく立ち上げるコンピュータ会社のメンバーたちと一緒に呑むことになったのです。居酒屋に集まった顔ぶれは、営業担当の神保、プログラマーの重松(板橋駿谷)、重松の会社の後輩女子・広瀬(安藤聖)と中野靖子(蒼井優)です。みんな酒好きで、お銚子を10本まとめて注文するという豪快な呑みっぷりです。ちなみ蒼井優と安藤聖はテレ東の人気番組『おはスタ』の“おはガール”出身です。すっかり大人になったおはガールたちとの宴会は大いに盛り上がるのでした。第1話のお通夜のようだった合コンとはまるで違います。会社の飲み会では、同期の田島(柄本時生)や小田課長に絡んでばかりいた宮本ですが、この夜は気持ちよく酔っぱらうのでした。

 終電はとっくに終わり、帰る方向が同じことから、宮本は靖子と2人で夜道を歩き始めます。靖子によると、いつも自信満々そうな神保も5年前は「仕事が面白くない」と愚痴ってばかりだったそうです。そんな神保に活を入れ、新会社を設立させる決心をさせたのが靖子だったのです。気取りがなく、気っ風のいい年上の女性・靖子に、宮本は美沙子にはない魅力を感じるのでした。

 いつもはクソ意地を張ってばかりいる宮本ですが、靖子の前では不思議なほど安堵感を覚えます。靖子にけしかけられ、ゴミ捨て場に放置されていた自転車を拾い、2人乗りで深夜の東京を駆け抜けていきます。「行け~! 宮本浩!」という靖子の号令のもと、警官すら振り切って全力で自転車を漕ぐ宮本。靖子と一緒なら、暗い夜道をどこまでも走っていけそうな気がする宮本でした。

 原作コミックを読んだファンは、この後の展開に驚いたものです。第1話に登場した美人OLの美沙子が『宮本から君へ』のヒロインだと思っていたら、美沙子は宮本を棄てて途中退場。神保たちの飲み会に参加していた目の細い、おばはんっぽい年上の女・靖子の出番がどんどん増えていき、宮本と濃厚なSEXを交わす関係になっていったからです。原作で初登場した際の靖子はおおよそ美人とは言いがたいキャラでしたが、宮本との付き合いが始まり、靖子はぐんぐんといい女に変わっていきます。運命の女性は意外なところに隠れていたのです。宮本も女性のルックスではなく、内面を重視するようになり、人間的な成長を遂げていくことになります。新井英樹の漫画と、人生は何が待っているのか分かりません。

 原作ファンが気になっているのは、ドラマ版『宮本から君へ』が単行本で全12巻ある原作のどこまでを映像化するのかという問題です。原作で大きな話題を呼んだ宮本と靖子とが2日間にわたって延々とSEXしまくるエロシーンは、テレビで描くことができるのか。また、靖子と宮本は、原作の後半戦でこれまたテレビでは表現不可能なとんでもない事件に巻き込まれます。クリアファイルの納品を巡る益戸との攻防は、原作の前半戦を大きく盛り上げる見どころですが、ドラマ版ではそこがクライマックスになるのか。それとも宮本の暴走パワーを愛する真利子哲也監督は、その先にまで挑戦するのか。原作ファンをやきもきさせる『宮本から君へ』第7話からの展開も見逃せません。
(文=長野辰次)

銀ダラは実は「鱈」ではない?『孤独のグルメ』“名無しの権兵衛さん”は生で食べたら危険な海藻……

 金曜深夜のバーチャル食事ショー『孤独のグルメSeason7』(テレビ東京系)。今回は、ディスニーランドなどのあるエリアを埋め立てるまで漁師町として栄えた浦安。今もその名残が強く息づく街で、クセの強い魚料理が登場。「第六話 千葉県浦安市の真っ黒な銀だらの煮付定食」。

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■まるで石炭のよう

 雨の浦安。三番瀬に注ぐ細い川沿いを行く井之頭五郎(松重豊)は「都会の川でも、川は川」と、今日も街歩きしながら商談へ。

 目的地のペットホテルに着くが誰も出てこないので、ケージの中に入り犬をあやすも、悪いタイミングで店長(ふかわりょう)が戻ってきてしまい、子犬をあやすひょっとこ顔→驚きの形相と顔芸二連打。松重の顔芸は、いつだって楽しい。

 商談中から、すでにランチに向かう従業員の様子を観察していたぬかりのない五郎は終了後、すぐに飲食店探し。浦安では、『Season1』の4話で静岡おでんを食べているのだが、特に言及することはなし。五郎は過去の店を再訪しないのかが気になる(おでんを食べたカフェは今は閉店している)。

 猫実川沿いに、一見スナックっぽい外観の店を発見。「お食事所 魚や 羅甸」とあるが「らしゅん?」読めないまま入店。

 大きな短冊に書かれたメニューが壁にずらり。

「鯵の南蛮漬 お刺みを付けて 1250」
「いかの生姜焼き お刺みを付けて 1350」
「鰆(さわら)の西京焼き 1200 お刺み付けて 1350」などなど。

「お刺身付き」ではなく「お刺みを付けて」という言い回しに血の通ったものを感じる。「色っぽいじゃないか」と五郎もお気に入り。「み」が平仮名なのもいい。

 煮魚気分の五郎は「鯖の味噌煮」か「銀ダラの煮付け」の二択で悩み、「すみません『銀ダラの煮付け お刺み付けて』をお願いします」と律儀にメニュー通り注文。1,450円。「沖縄産生もずく」も追加。

 ご飯おかわり「三杯目から有料」という張り紙を見て「客のご飯おかわり率が尋常じゃなく高いと読み取れる。これは期待大」とボルテージを上げる名探偵・井の頭。

 隣の席の鯖味噌があまりに美味そうなので判断を誤ったかと後悔しかけるも、出てきた銀ダラのインパクトで全てが吹き飛ぶ。吸い込まれそうなほどに黒いのだ。

 思わず「これ銀ダラですか?」と尋ねちゃう五郎。

「ええ。見た目は黒いですけど、正真正銘、銀ダラです。ふふふ」おかみさんが意味ありげに微笑む。みな驚くのだろう。

 普通の煮付けは茶色だし、形も切り身だが、この煮付けは全て違う。異様なほど照りを伴って黒光りし、形も無骨で、黙って出されたら銀ダラどころか魚であることすら見破れない自信がある。見れば見るほど石炭の如し。

 

■「銀ダラ」は鱈とは違う魚

 しかし一口食べて五郎はすぐさま病みつきに。

「確かに銀ダラだ。だが俺の知ってる銀ダラとは全然違う。ふわふわ。こんなの初めて」
「中は真っ白。巨大な岩山を採掘してるみたいだ」

 砂糖と醤油で味付けしているらしいのだが(本物の店主談)、素材が違うのか調理法に秘密があるのか、煮付けというより巨大な佃煮のようにも見える。

 とにかくこれが大当たりであると確信した五郎は「鯖味噌が美味いと知りながら、あえて銀ダラを選んだ自分を褒めたい」とアトランタ五輪の有森裕子のように勝ち誇る。実は客の8割が銀ダラ目当てらしく、見事な五郎の嗅覚。

「銀ダラ銀シャリ銀ダラ銀シャリ……銀のラリーが止まらない」『銀』に侵された五郎は「箸が止まらない。アイキャンストップラビングユー、銀ダラに首ったけ」と、ついに煮魚に告白。レイ・チャールズもびっくり。銀シャリもお代わり。

 ちなみに「銀ダラ」というのは真鱈(まだら)やスケトウダラとは全く違う魚で、どちらかというとアイナメに近く、いわば鱈の代用魚。脂が強くて嫌われていたが、むしろ最近はその脂のおかげで人気になった例のパターン。「ムツ」に対しての「銀ムツ=メロ(マジェランアイナメ)やメルルーサ」などと同じ構図だが、この銀ダラはムツの代用品であったこともあるからややこしい。

■刺身のツマ・オゴノリは生で食べたら危険

 そして「お刺み」。マグロ赤身3切れと、細長く切った短冊のイカ刺し。煮付け(1,300円)に+150円で付いてくるとは思えないクオリティ。

 刺身のツマの緑の細長い海藻を好いている五郎は「やるじゃないの、名無しの権兵衛さん」と改めて評価。この海藻はおそらくオゴノリで、実は東京湾でも潮干狩りの際に普通に採れたりするのだが、生のものをそのまま食べると嘔吐や意識低下の末、亡くなることのあるので要注意。もちろん市販のものは湯でたり、石灰処理を行っているので安全だ。

 小鉢も手を抜かず、マグロをあっさり煮たフレーク状のもので、「マグロの連打」。

 豆腐の味噌汁。「魚が上手い店は100パーセント、味噌汁も美味い」とすすっていたが、やはり出汁がちゃんとしてるのだろう。

 たくわん付いて、味噌汁付いて、小鉢付いて、あげくコーヒーまで付いてくる。五郎いわく「つきまくり」。

 別注の沖縄産生もずくは酢の物ではなくしゃきしゃきした歯ごたえで、「アシストを超えた戦力」。これでも白米をわしわし食べる。

 

■3杯目はタレだけで

 とにかくこの漆黒の煮付けに骨抜きにされた五郎は「まだ美味い。うまさが衰えない。この店、リピート確実」「これのためだけに浦安に来る価値がある」と大絶賛。年間パスポートがあれば買う勢い。

「大将が毎日河岸に足を運び、長い歳月をかけて出来上がった煮付け。この銀ダラは大将が掘り当て、磨き上げた黒い宝石だ」

 最大の賛辞を贈り、大団円かと思いきや、残った黒光りするタレに目に止まる……。禁断のご飯有料おかわりに突入!

 タレの残る平皿に飯を落とし、混ぜこねる。前々回の群馬・下仁田で豚すき焼きの残り汁を使い卵かけご飯を食したのに通じる、最低にして最高の禁じ手。

「ご飯が美味しさの黒いマントを羽織っていく」こういう作業をしてる時の五郎、いや全ての大人は実に悪い笑顔になる。一口食って「ほーら来ちゃったよ! 文句なしの美味さだ!」と賭けに勝った喜びを噛み締める五郎。もはや箸でなくスプーンで掻き込む「銀ダラ残り汁絡め飯」(命名・五郎)。見た目はイカスミのリゾットのよう。

「たっぷりの旨味とコクとちょい苦味が混ざったこの味は完璧な美味さの黄金比」

 こんな感想を聞けば聞くほど、おかわりに制限あることに納得してしまう。それくらい「食わせて」しまう味なのだろう。

 

■謎の友人・滝山

 コーヒーを飲み店を出た五郎は「今度、滝山にも教えてやろう」と満足げ。

 滝山とは原作1巻・6話「ひかり55号のシュウマイ弁当」で2コマだけ登場した五郎の友人。この時は新刊線のお供にシュウマイ弁当の購入を勧めるも、五郎は瞬間で温まるタイプ(ジェット)を購入してしまい、車内で匂いが充満し顰蹙を買ってしまうという事件が起きた。

 ドラマ化されてからも滝山は『Season2』の9話で声だけ登場(声=テレ東の植草朋樹アナ・ふらっとQUSUMIナレーターも担当)したが、『Season4』の9話でついに実写化。待ち合わせに遅刻してきながらも五郎に上客を紹介し、それも自らがバカンスへ旅立つためという憎めない悪友ぶりを村田雄浩が演じた。

『Season5』の8話でも、登場しないが手紙で五郎にどっきりを仕掛けるなど、ほとんど顔を見せないのに名物キャラとして認知されている。

 この「滝山」のモデルは、原作者・久住昌之の盟友・滝本淳助(ヒカシューのジャケット写真撮った人)であるとの説がある。共著『タキモトの世界』(太田出版)や『タモリ倶楽部 東京トワイライトゾーン』(日之出出版)での共闘ぶりを見ていると、あり得なくもないと思うが、身近な仲間の名前をもじっただけのような気もするし、真相が気になる。

 そして、久住が同店を訪ねる「ふらっとQUSUMI」のコーナー。鯖の塩焼きも美味そうだったが、主人の持って来た銀ダラ煮付けを食べるなり「うわ! うんまい! これはみんな食べるのわかるわ! 参った」と久住も脱帽。鯖塩の時と久住のリアクションが違いすぎて笑ってしまった。

 最後に明かされたのが「羅甸」の読み方。「らてん」と読み、ラテンアメリカの「ラテン」の当て字で、店主ご夫妻がラテンダンスをやっていたのがその由来だという。次回は「墨田区東向島の納豆のピザと辛いパスタ」。
(文=柿田太郎)

山口紗弥加の悪魔ぶりが最高『モンテ・クリスト伯』果たして葉山奨之の芝居は下手なのか? 狙いなのか?

 日本でも『巌窟王』として知られる170年前の原作を下地とし、現代の日本版に「脚色」したドラマ『モンテ・クリスト伯 ─華麗なる復讐─』(フジテレビ系)。

 無実の罪で投獄された後、莫大な財産を手に舞い戻った紫門暖あらためモンテ・クリスト・真海(ディーン・フジオカ)が気づかれることなく自分をハメた旧友らに、遠回りだが最も心理的に効果的な復讐を仕掛けていく。

 第5話の視聴率は5.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2話続けてダウン。5月に入り上がったものの、また初回並みに戻ってしまった。物語は盛り上がってきているのだが、複雑な人間関係やその展開に、途中から見始めたがついてこれない視聴者が脱落してしまったのか。確かに細かい伏線も多いのでわからないと面白さが半減してしまうかもしれないが、残念だ。おさらいします。

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■安藤役の葉山の不自然な芝居は本当に狙いなのか?(その2)

 前回、金や不貞のことで神楽清(新井浩文)に暴言を吐かれ、家を飛び出した妻・留美(稲森いずみ)は一夜明けて、何事もなかったように清に朝食を振る舞う。清は、有力者である議員・木島(嶋田久作)の紹介での結婚である手前、「別れられねえよな」と皮肉を言うが、留美が昨日と打って変わって落ち着いていられるのは、真海に紹介された若き実業家(のフリをしている)安藤完治(葉山奨之)という依存先を見つけたから。

 清の前で仮面のような固まった笑顔でたたずむ稲森いずみも、留美に皮肉を言った後「ま、俺も一緒か」と自嘲する新井浩文も、双方どうしようもない関係性がにじみ出ている芝居がとても良かった。

 しかし留美が「王子様」的に依存している当の安藤は、留美が事業のためにと貢いだ金で、朝からデリヘルを呼ぶようなゲスっぷり。「とにかくちょー若い子」と注文を出すあたり、やはり留美を金ヅルとしか見ていないのだろう。

 前回、芝居が「下手くそすぎる」と酷評された葉山だが、筆者はこれが善人ヅラを強調する「演技の演技」のためであると書いた。その演技の意図はおそらく間違っていないと思うのだが、かといって今回の悪人ヅラの芝居がうまかったかと言われると、正直なんとも言えない感じで、今後の葉山の演技に注目したい。

 

■すみれの想いと江田の嫉妬が炸裂

 南条すみれ(山本美月)は、真海(紫門暖)に会いたがっているが、真海はかつての最愛の人物・すみれに会おうとしない。それは、すみれを復讐相手と見ていないから巻き込まないようにしてるからなのか、それとも自分の母親が餓死したのを、母の元を離れ南条幸男(関ジャニ∞・大倉忠義)と結婚したすみれのせいだと思いつつも葛藤しているからなのかわからないが、その態度に、真海の手下であり、南条家にマネジャーとして入り込んでいる江田(桜井ユキ)は嫉妬を強める。

 その気持ちが暴走したのか、真海が入間夫妻を自宅に招いた際、江田は真海に黙ってすみれも招待する。

 真海がかつての夫・紫門暖と同じ猫舌であるかどうかを見極めようと、熱々の小籠包を食べるのを注視したり、星が好きなのか尋ねたり、かなり前のめりに真海=暖かどうか? に踏み込んでくるすみれ。

「これまで(結婚を)考えたことは?」

「一度だけ、結婚を考えた女性がいました。けれど、私が長い旅をしている間にその女性は別の男性と結婚してしまったそうです」

「真海さんはその女性を恨んでいますか?」

「こう思うことにしています。その女性はもう死んでしまったのだと」

 この答えに悲しい顔をするすみれだが、2人だけでベランダにいるとあらぬ誤解を招くと「貴女には迷惑をかけたくない」と言った何気ない真海の言葉に本音が見え隠れする。

 一同が帰ったあと、すみれが持参した娘・明日花が描いた星空の絵を燃やす真海の姿は、自分の気持ちが揺らがないように、復讐の炎を焚きつけているように見えた。

 そんな姿を見て、江田は「あの男たちに復讐したいのか、それともすみれを取り返したいのか」と詰め寄る。どこまで本気かわからない感じで真海に首を絞められつつも、江田は「かまいません、真海さんになら殺されても」「でも私に代わって必ず南条幸男を殺してください!」と胸中を吐露、情念の深さをさらけ出した。迫力あるいいシーン。

■登場してすぐ死んだ出口

 今回、真海のもとに復讐のための新たな「手駒」が登場。外務省の官僚・出口文矢(尾上寛之・原作でのフランツ・デビネーの相当)は、マレーシア政府まで動かし自分を帰国させた真海に心酔しているようで、それは婚約者である入間未蘭(岸井ゆきの)の祖父・入間貞吉(伊武雅刀)の殺害まで引き受けるほど。初めは冗談として聞いていた出口だが、それにより30億円の遺産が自分たちに入るということ、そして貞吉が過去に美蘭の母(父である入間公平=高橋克典の前妻)を毒殺した罪人であることなどを真海から吹き込まれ、実行に移す。

 入間宅に美蘭しかいない隙をつき(入間夫妻は真海宅に招かれている)、貞吉の部屋に侵入した出口だが、なんといきなり泡を吹いて死亡してしまう。

 出口の死の描写は原作のフランツというより使用人・バロワと同じで、ある程度エピソードをミックスしていると思われる。

 ちなみに原作では出口にあたるフランツは、明日花にあたるアルベール(青年男子)の親友で、ともに盗賊と対峙したりといろいろ冒険をするのだが、ドラマではこの2人はまったく切り離されており、やはり明日花が少女であることで原作通りでない部分が生まれている。

 

■悪魔・瑛理奈が正体を現す

 出口の死因が美蘭の母親と同じため「事件性がある」と子飼いの医師に言われるも、自分の立場からそれをもみ消す公平。

 警察官僚である公平の自宅で事件があっても事を荒立てないはずだという真海の推測通りの展開。

 ハイボール好きの出口だけが飲むように炭酸水に毒を仕込んでいたのは公平の妻・入間瑛理奈(山口紗弥加)だ。

 ずっとカマトトのような振る舞いを続け、本性を潜めていた瑛理奈だが、13年前にまだ美蘭の家庭教師として入間家に入り込んでいた時に、当時の公平の妻(美蘭の実母)を殺したのも彼女だったのだ。

「清濁合わせ飲んで生きてきた人間は必ず自分の中に悪魔を抱え込むことになる」「私はあの家(入間家)に住む悪魔を目覚めさせただけ」だという真海は、瑛理奈に出口名義で手紙を送っていた。

「13年前、前の奥様を毒殺したように入間貞吉を殺してください。遺産を戴ければ、他言は致しません。 出口文矢」

 これが逆に出口が殺される引き金となることを、真海はわかっていたのだろう。

「手紙には人の人生を壊すほどの力があると教えてくれた人がいてね、その人へのお返しだ」と真海は江田に語っていたが、これはかつて自分がテロ組織と繋がっているかのように手紙を捏造した公平のことを指している。

 出口が死んだ翌日、一人キッチンで陽気に「歓喜の歌」を口ずさむ瑛理奈の「悪魔」ぶりはかなりキテおり、山口紗弥加ここにありといった感じ。ずっと丁寧にキャラを積み重ねて来たのが生きている。

「第九」でエヴァンゲリオンを思い出した人もいるかもしれないが、どちらかというと映画『ダイハード』のそれのようだった。

 

■なぜ出口を殺す必要が?

 一見、出口を殺すことには意味がないように思われる。しかし、瑛理奈に罪を犯させることで、本当の目的である公平を追い込んでいる。さらに今後、瑛理奈の唯一の実子で、溺愛する瑛人(宇都宮太良)だけに遺産が渡るように、「公平の一番の宝物」=美蘭を殺すことまで真海は見越しているのだ。

 さらに真海の根回しは周到で、事前に公平にも出口が日本の援助金を横領していたと刷り込んでいる(おそらく嘘)。この真意はまだはっきりしていないが、今後生きてくるのだろう。

 この横領の事実を伝える際、真海はマレー語の報告書を見せ「私は、マレー語はちょっと(読めない)」と公平を困らせている。これは第1話で英語(ローマ字)の読めない暖(真海)が公平に手紙を改ざんされた時と立場が入れ替わっていること示している。

 ドロドロの展開の中にあって守尾信一朗(高杉真宙)と未蘭だけは純粋にお互いに惹かれあうが、現在の両親に恩義のある真面目な美蘭は親の決めた相手(出口)と結婚すると覚悟を決めていた。その矢先の出口殺害。今後二人の関係はどうなるのか? それ以前に美蘭は瑛理奈に殺されてしまうのか?

 次回はいよいよ南条に真海の復讐が炸裂する模様。乞うご期待。
(文=どらまっ子HARUちゃん)

『あなたには帰る家がある』ついに“生霊化”した木村多江! 今度は旅行先に突然現れ……まだまだ続く「綾子事変」! 

 中谷美紀主演のドラマ『あなたには帰る家がある』(TBS系)の第5話が放送され、平均視聴率は8.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)を記録。前回から1.5ポイントアップしました。

 前々回は9.1%、前回は6.5%。そして今回が8.0%と、平均視聴率のアップダウンが激しいドラマ。原作によれば次回以降も見どころはたくさんあるので、このまま上昇していくといいのですが……。

 ではでは、今週もあらすじから振り返っていきましょう!

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■しつこい茄子田夫婦に翻弄される真弓!

 前回から茄子家に出向き綾子(木村多江)と直接対決の末、「うちの家族に近づくな!」と宣言した真弓(中谷美紀)は、怒りが収まらないまま帰宅。夕食の準備をしている秀明(玉木宏)に真弓は、綾子の取った行動をすべて話し「あの女はヤバイ」と訴える。

 真弓の言う綾子の様子が知っている綾子とは違うため、半信半疑な顔を浮かべる秀明。しかし、真弓に責められた秀明はとっさに「茄子田家とはもう関わらないし、何かあったら真弓を守る」と宣言する。

 一方、これまでの出来事や真弓の言葉を思い返し、綾子と秀明の関係に気付き始めた太郎(ユースケ・サンタマリア)は、綾子に対して地味な嫌がらせを始める。そんな太郎の様子に綾子は秀明との関係がバレているかもと不安に。これを餌にもう会わないと約束した秀明を無理やり呼び出し、「夫に浮気したと告白したほうがいいのかも」と泣きながら相談するも、焦った秀明は「絶対に言うな」と諭す。

 ある日、自分たちのせいで娘の麗奈(桜田ひより)を不安にさせまいと、秀明は家族旅行に出かけることを提案。これを機に真弓との関係も完全に修復したいと考えていたのだった。

 そして、旅行当日。現地に到着した佐藤家は家族水入らずの時間を楽しむが、途中で偶然を装った茄子田家と遭遇してしまった。

 なんとか、茄子田家と距離を持とうとする佐藤家。しかし翌朝、真弓がジョギングをしていたところに太郎が現れ、秀明と綾子の関係を問い詰める。太郎の尋問に、ただただ涙を溜めて黙るだけの真弓。そんな姿に業を煮やした太郎は、急に走り出した。

 一方、秀明は旅館の入口で真弓の帰りを待っていたところ、突然目の前に綾子が現れ動揺する。そんな中、走ってきた太郎が2人の間に攻め込む。だが、太郎は何も言わぬまま、タクシーに乗り込み去っていってしまったのだった、というのが第5話の内容でした。

■今週も「綾子事変」がキレッキレ!

 4話で真弓の職場にメンチカツを持っていくという暴挙で視聴者を楽しませてくれた綾子ですが、まだまだ「綾子事変」は継続中。今回はなんと、佐藤家の家族旅行にしれっと現れ、さらに温泉でも真弓と出くわし、秀明が「顔のほくろをかわいいってほめてくれたの」と自慢……。もう怒りを通り越して恐怖。ここまでくると、マウンティングでもストーカーでもなく、佐藤夫婦に取り付く“生霊”です。

 また、綾子について語る姑の言葉も、秀明の会社の後輩・森永桃(高橋メアリージュン)の言葉も辛らつ。確かに関わってはいけない女なのですが、どうしてそうなってしまったのかという部分が気になる。きっと救いようのない恋ばかりしてきたんでしょうね……。今後、その部分が解明されることを期待したいところです。

■口は達者だけど、小心者の太郎

 今回、綾子と秀明の関係にやっと気づく太郎。しかし、裏切られた気持ちで怒りがこみ上げている割には、復讐が小さい。

 まず、綾子の大切にしていたピクニックセットの皿をわざと割るんですが、見ていて「やることがちっさ!」と思わず突っ込んでしまいそうに……。夫婦2人きりになって綾子をドヅメすればいいのに……。綾子に何か弱みでも握られているのでしょうか。

 また、旅行先でジョギングをする真弓を待ち伏せして、綾子と秀明の関係を問い詰めるんですが、真弓には厳しく追及する割に、その後、綾子と秀明がいるところに行くと、綾子を見るや否や、何も言わずタクシーに乗って逃げ出す……。もう謎すぎてよくわかりません。次回以降、太郎という男の本当の姿が描かれることに期待したいです。

■原作者も嘆く!? ちょっとさびしい脇役の扱い

 脇役の中で、特に気になるのが高橋メアリージュン演じる森永なのですが、彼女の扱いがとてつもなく雑。原作では秀明に恋をするも、秀明が女性とホテルへ行くところを目撃し、妻子持ちと知って会社を退社。さらに、ホテルに行った相手が浮気相手をいう事実を知ってショックを受け、真弓にその事実を伝えてしまうという、物語に重要な役柄なのですが、ドラマではゆとり教育を受けたキラキラ女子社員で、あまり重要な役柄になっておらず、正直残念です。原作者の山本文緒氏も自身のTwitterで「メアリージュンにも見せ場を!」と発言していましたし、何かしらの思い入れがあるのかも!? もう少し出番を増やしても良いかもしれません。

 そして、今回もう一人気になった人物が。トリンドル玲奈演じる真弓の年下の同僚・小島希望です。1、2話ではそれなりに出番があり、真弓や由紀(笛木優子)とともに行動するようなフラグが立っていたんですが、4話から急に出演がなくなり、いつの間にか公式ホームページの人物相関図からも写真のみならず丸ごと消去……。これについては、ネットでも臆測を呼んでおり、「スタッフとトリンドルの間で何かあったのでは?」と勘ぐる人も。一体なぜ……謎が深まるばかりです。

 以上、第5話のレビューでした。

 次回は、綾子がついに佐藤家に乗り込み、とんでもない行動を実行します。予告を見る限り、原作同様の事件が勃発するよう。物語の山場と言っても過言ではない展開が待ち構えているので、期待して放送を待ちましょう!

(文=どらまっ子KOROちゃん)

『正義のセ』吉高由里子の“失敗しない推理力”がつまらない……今期「期待はずれドラマNO.1」なのに再び視聴率2ケタへ

 吉高由里子が主演するドラマ『正義のセ』の第6話が5月16日に放送され、平均視聴率は10.5%(ビデオリサーチ調べ、関東平均)を記録。3週ぶりに2ケタ台に戻りました。

 正直、同ドラマの内容で2ケタを取れるのなら、『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)や『あなたには帰る家がある』『ブラックペアン』(ともにTBS系)など、放送中からネットで話題になっているドラマのほうがもっと良くてもいいはず(笑)。

 前置きからけなしてしまいましたが、早速第6話を振り返っていきましょう。

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■彼氏の次は大学時代の親友と対立!?

 検事の同期の結婚パーティーに出席した凜々子(吉高由里子)は、弁護士になった美咲(倉科カナ)と久しぶりに再会した。大学時代から親友という仲だったが、検事と弁護士という違う道を選んだ2人。久しぶりの再会に話は盛り上がり、パーティーのあと、凜々子は美咲を自宅に招き、お互いの近況を報告しあった。

 翌日、出勤した凜々子はオレオレ詐欺を担当することに。送致されてきた被疑者は、浅田謙人(岡山天音)という大学生で、彼は「軽いアルバイト感覚で、詐欺に加担しているとは知らなかった」と涙ながらに主張。凛々子に取り調べされている間、心底反省しているという態度を見せる。

 浅田が正直に話しているのか疑問を持つ凜々子。そんな中、浅田を担当する弁護士として、なんと美咲が現れた。美咲は浅田の釈放を要求してきたが、凜々子は浅田を釈放できる材料がないと拒否。美咲は弁護士として浅田の言い分を信じているため、真っ向から対立してしまう。

 美咲が帰った後、凜々子と相原は浅田の自宅へ行き、高価な鉄道グッズを見つける。さらに今度は浅田の通っている大学へ行くと、実は浅田が真面目な生徒ではなかったことがわかり、ますます浅田のオレオレ詐欺の関与を疑う凛々子。

 さらに翌日、浅田が逮捕されたことがネットの掲示板で噂になっていることがわかり、そこに書かれていた浅田の友人へ聞き取りしに行く。一方その頃、美咲もその友人に話を聞きに。すると、その友人や他の学生もオレオレ詐欺に関与している決定的な証拠を見つけ、これにより全員逮捕された。

 後日、学生たちがオレオレ詐欺の関与について自白したと浅田に伝えると浅田も自白。事件は無事解決し、浅田の件で対立していた美咲とも和解した、というのが6話の内容でした。

■親友の弁護士がアホ過ぎ

 今週は「弁護士の親友と対立。凜々子は友情を取るのか? それとも正義を取るのか?」というのが物語の裏テーマとなっていました。しかし、これがまったく面白くない。結果からいうと凜々子はどっちも取るんです。「じゃあ、裏テーマにすんなよ!」と本気で怒鳴りたくなる。大体、人間というのは、挫折や失敗を繰り返して成長するものですが、凜々子は成功しか経験していなくて、怖いほど当たる推理力を発揮し、百発百中で事件を解決。挫折といえば、プライベートで彼氏と別れたぐらい……。ずいぶん、都合がいいですよね~。

 これは原作にもいえるんですが、“主人公を格好良く描きすぎ”と感じています。『HERO』(フジテレビ系) では、木村拓也が演じる検事は被告が無実である事実を知り、自分のマイナス評価になるのを覚悟で裁判に負けるという話がありました。この話があったからこそ、面白かった。今回であれば、「被疑者の大学生は実は無実だったため凜々子が美咲に謝罪。また元の仲に」という風に、一度失敗を味わったほうが、凜々子に人間味を感じられるようになったかと思います。

 また、美咲のほうですが、こちらもキャラ設定がひどい。凜々子と同い年なので、若手弁護士なんですが、浅田の保釈を凜々子に要求する際、私情が入り過ぎて激怒するんです。いくら若手だからといっても、普通に考えてこんな弁護士いますか? そして、こんな私情が入りこじらせちゃう弁護士ひとりに刑事事件を任せる弁護士事務所って……。

 さすが、ご都合主義! 凜々子をヒーロー化するために、親友でさえも悪く描くとは、恐れ入りました。

■検事以外の描き方が甘い!

 被疑者の浅田は大学生。1回目の取り調べの際、「オレオレ詐欺とは知らなかった」と反省の態度をみせ、真面目な大学生と凜々子は思うのですが、大学に聞き取りに行くと、それが嘘だと発覚。しかし、その理由が「別の生徒に代返を頼んでいたから」というもの。安易過ぎる(笑)。それだけでほぼクロと見るのはおかしいです。そんなの普通の大学生でもみんなやっていますよ。筆者は別の大学に通う友人の代返だってしたことがあります(笑)。あまり言い方は良くありませんが、「代返」というのは大学生の常識です。

 同ドラマの脚本にかかわらず、原作でも言えるのですが、検事ものだからといって、検事については詳しく描かれているのですが、他の部分の下調べができていないのが玉に瑕。『あなたには帰る家がある』(TBS系)では、女性100人にアンケートを取りそれを参考にしているから、リアル感があって面白い。しかし、同ドラマはうわべだけで、「どうせドラマでしょ?」といった先入観を持って見てしまうため、つまらない。検事以外の細かい部分も詳しく調べて描けば、もう少し話は面白くなると思うのですが……。まあ、時間がないし、あと数話なので、時間がなくやらないでしょうし、視聴率は疑いたいほど良いのでするつもりもないでしょうね(笑)。

■「お仕事ドラマ」ってよりは「探偵ドラマ」になっている!

 これまで全話を見てきましたが、凜々子の推理部分が多く、いつの間にか「探偵ドラマ」に。これまで掲げていた「痛快お仕事ドラマ」というキャッチフレーズがまったくの無意味になっています。

 脚本家は一体何を参考に台本を書いているのでしょうか? 原作本、多分ですがパクリ具合からいって『HERO』は見ているでしょう。だた、本物の検事に焦点を当てたドキュメンタリーは見ていないのだろうなと感じました。

 なぜかと言うと、あまりにもデスクワークが少なすぎるからです。『HERO』ではよく現場や関係者に聞き込みに行っていましたが、ドキュメンタリーをみると、実はデスクワークの方が多く違いにびっくりします。原作は、デスクワークが少ないのかもしれませんが、それは小説だから。面白い部分を膨らませるために地味な部分は少なくしているのでしょう。しかし、「お仕事ドラマ」と言うのであれば、現実の検事の仕事内容と同じように描いてくれないと。推理(それも薄っぺらい)ばかりだと、推理ドラマの『相棒』『特捜9』(ともにテレビ朝日系)と違いがわかりません。いっそ『名検事・凜々子の事件簿』『検事局港南支部の女』という、どこかからパクってきたような題名に変えて、シリーズ化したほうがご長寿ドラマになっていいかもしれませんね。

 以上、6話のレビューでした。       

 次回は、保育園での事故がテーマ。予告を見る限り、相原が取り調べで男泣きということで、凜々子以外の人物にも見せ場があるようです。相原演じる安田顕は演技力に定評がありますから、これだけは期待してもよいかも!? ではでは、次回の放送も楽しみに待ちましょう!

(文=どらまっ子KOROちゃん)