『グッド・ドクター』キュートな顔でピュアな役を演じる山崎賢人、ファンの母性本能をくすぐりまくり?

 山崎賢人が主演を務めるドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)の第2話が19日に放送され、平均視聴率10.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.9ポイント下げたものの、2ケタ台をキープしました。

(前回までのレビューはこちらから)

 ある日、16歳の女子高生・菅原唯菜(山田杏奈)が学校で破水し、新堂湊(山崎)が勤務する東郷記念病院で緊急出産をするのですが、生まれてきた赤ん坊は腸のほとんどが壊死状態。術中死の可能性があるため、保存治療の措置がとられることとなります。

 死を待つばかりの治療に絶望を抱く唯奈ですが、小児外科医主任の高山誠司(藤木直人)ならば手術はできる、と湊に言われたため、希望を抱きます。

 しかし、術中死で訴訟を起こされるリスクを懸念し、病院側はガイドラインに則って、あくまでも保存治療を進めていく方針。勝手なことをしゃべってしまった湊は、きつく叱られてしまいます。

 それでもオペを諦めず、赤ん坊の診断を続けた湊は、腸が微かに蠕動していることに気づき、すぐにオペをしてほしいと高山を説得します。しかし、病院の理事長・東郷美智(中村ゆり)をはじめ、訴訟リスクを恐れた他の医師たちからは反対意見が殺到。そんな中、病院長・司賀明(柄本明)の「私が責任をとります」の一言で、手術決行が決まります。

 ところが、ここで問題が。唯菜は未成年のため、手術するには保護者の同意書が必要なのですが、母・真紀(黒沢あすか)とは折り合いが悪く、サインを拒否されてしまうのです。そこで、湊の指導医でもある瀬戸夏美(上野樹里)が説得を試みた結果、真紀はある交換条件を唯菜に約束させることで、同意書のサインを承諾します。

 そうして始まったオペですが、診断画像では見えなかった部位に新たな病巣が見つかり、術中死の危険度が一気に高まってしまいます。しかしそこで、湊が持ち前の天才的な記憶力を発揮し、過去の症例を導き出したことでオペは無事に成功するのでした。

 命を取り留めた赤ん坊を見て唯菜は号泣するのですが、その様子がどうもおかしいことに夏美は気づきます。話を聞いたところ、もし助かった場合は赤ん坊を里子に出す、という条件で真紀は同意書にサインをしてくれたというのです。

 唯菜は年上の彼氏に捨てられ、シングルマザーとして生きていかなければならないのですが、まだ学生の身。自らも貧乏のため唯菜に満足な生活をさせてあげられなかった真紀はそのような条件を提示したのでした。

 その親心は理解できるものの、唯菜に対して同情し、気分が落ち込む夏美。しかし、湊から、「どれだけ遠くに離れても赤ちゃんを産んだのは唯菜さんです。赤ちゃんにとってのお母さんは唯菜さんです」と言われ、唯菜が実の母親でいられ続ける方法を模索することに。その結果、養子縁組をせずに赤ん坊を一時的に育ててもらえる養育里親制度というものを見つけ、唯菜に紹介したところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、医療系ドラマで未成年の出産というのはありきたりなため、今回は特に見応えはありませんでした。強いていえば、前段に書いた湊のセリフですかね。前回の終盤でも、「目の前に苦しんでいる子どもがいたら、僕はすぐに助けたい」という発言がありましたが、自閉症の湊ならではのストレートに真理を突くセリフは、このドラマのひとつの魅力になっていると思います。

 そんな患者想いの湊や夏美たちがいる一方、あくまでも病院を経営上から考え、リスクオフを第一に掲げる医師たちもいる。さて、どちらが“グッド”なドクターなんでしょうかね。そんなテーマも少し垣間見えた回でもありました。

 気になるのは、湊に対する他の医師たちの態度。前回は、自閉症を患うことに対する差別的な言葉がチラホラと出ていましたが、今回は胸ぐらと頬っぺたをガッツリ掴む暴力沙汰も起きていました。この辺りの配慮のなさがフジテレビらしいといえばらしいのですが、せっかく山崎が好演しているだけに、批判の対象となるようなシーンは自重するよう細心の注意を払った方が良いのでは、と思ってしまいます。

 その山崎についてですが、前回よりもさらにナチュラルな演技を披露していました。完全に役をモノにしています。キュートな顔でピュアな役を演じているわけですから、ファンにとってはたまらないんじゃないですかね。母性本能くすぐられまくっているのではないでしょうか。

 夏美にしても、湊に対して母性を感じている様子がなんとなく伝わってきます。2人きりで食事をするラストシーンでの、焼きおにぎりを冷ますために息を吹きかけている湊を温かく見守る顔が印象的でした。その純粋な魅力が、夏美以外の医師たちにも通じる日がくるんですかね。今後の展開に注目です。
(文=大羽鴨乃)

『高嶺の花』石原さとみ今度は“パリピ”化、千葉雄大は“AV男優”へ!? 散漫な内容に困惑の声殺到!

 石原さとみ主演ドラマ『高嶺の花』(日本テレビ系)の第2話が7月18日に放送され、平均視聴率は9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)を記録。前回の11.1%から1.5ポイント減となりました。

 1話放送中から、「役柄が石原さとみに合わない」「下品」や「話がつまらない」「テンポが遅い」「ストーリーが古い」「耐えられません。離脱しま~す」など、散々な声ばかりがあがっていた同ドラマ。今週はそんな声を払拭することができたのでしょうか?

 ではでは、あらすじから軽く振り返りましょう!

■ももの負った心の傷を徐々に埋めていく直人

 月島流の行事に突如現れ、見事な作品を仕上げたもも(石原)。それを見た新進気鋭の若手華道家・龍一(千葉雄大)はひと目で気に入り、ももの父・市松(小日向文世)に仲を取り持ってもらえるように頼む。しかし裏では、ももの妹・なな(芳根京子)とななの母・ルリ子(戸田菜穂)にも近づき、野心を露わにしていた。

 一方ももは、直人(峯田和伸)らにキャバクラ嬢と勘違いされ、ひょんなことからキャバクラで働くことに。婚約破棄で負った傷を癒やすように、直人や商店街の人たちと仲を深めていく。そんな中、夏祭りがあることを知り、参加したもも。しかし、不意に婚約破棄した元カレ・吉池(三浦貴大)を思い出し、直人の前で涙を見せる。そんな姿を見た直人はももを優しく慰める、といったストーリーでした。

■石原さとみの“下品”に“パリピ”が追加!

 前回、視聴者から「下品すぎる」と大不評で、“見たいのはこれじゃない感”満載だった石原さとみですが、今回はなんとそこに“パリピ感”が追加され、ブーイングの嵐に。特に、指摘が多かったのが、キャバクラでのシーン。友人たちが直人に「(ももと)付き合っちゃえよ!」と勧め、ももはゲラゲラ笑うという場面なんですが、セリフがひとつも面白くない……。画面から聞こえる石原の大音量の笑い声だけが、むなしく部屋に響く始末。筆者も思わず「さ、寒すぎる……」と言いながら、白目をむいてしまいました。

 やはり、このシーンには視聴者も批判的で、「ゲラゲラ笑って、お前はお祭り女か!?」「笑いツボが低すぎる……クスリでもやってんだろうか?」「笑いすぎてパリピっぽい!」との声が。また、現役キャバ嬢という視聴者からは「お客様の前であんな上から目線の態度や脚の組み方はしません! キャバ嬢をバカにするな!」と怒りの声もあがり、前回以上に不評となった様子。その上、石原がセリフを早口で言うため滑舌の悪さが目立ち、「聞き取れない!」「何言ってんだかわからない」「さとみ、はっきりしゃべって!」と、石原の声にも不満の声が殺到し、ネットは批判の嵐に。そして、ついには「音声消してみると、さとみのかわいさと美しさだけ楽しめていいよ!」と、新しいドラマの見方(?)を提案する人まで登場……。

 正直言って、玄人が作ったドラマよりも素人のネットの声の方が面白かったです(笑)。

 でも確かに、1話のときから、Twitterでは、石原の容姿を褒める言葉ばかりで、誰一人、ドラマの内容や役者の演技を褒める声は少なかったですからね。いっそ「石原さとみによる石原さとみの為のドラマ」または「石原さとみのプロモーションビデオ」としてみるのもいいかもしれませんね。

■野心を抱く千葉雄大、“AV男優”へ一直線!?

 月島家を自分のものにしようと企んでいる新進気鋭の華道家を演じている千葉ですが、今回、その野望がから回って(?)ななの母・ルリ子と寝るという衝撃の展開に!

 もも狙いと言うことを知ったルリ子は、龍一に月島流の顧客名簿を渡すから自分の実子であるななと結婚しろと迫るのですが、龍一は「あなたが約束を破らないと限らない。絶対破れない約束が欲しい」と言いながらルリ子を襲うんです……。

 この展開に、ネットでは「どうした?」「バーチーにこんなの求めてない!」「役の幅広げたかったのかもしれないけど、これはマジでない!」と石原に続き、千葉にも散々な声が。また、「90年代の昼メロドラマっぽい……」「急にVシネっぽくなったぞ……」と展開に困惑の声が続々。そしてさらに、「整理したんだけど、娘たち狙っておいて、母親にまで手を出したってことは、“親子丼”って展開になるの? それってもうAV男優だよね(笑)」と言う声まで。

 正直、この展開に関しては見ていて「昔ドラマで見たことある~古い展開だよ!」と思った上、「親子に手を出すって……、野島さんはコアなAVの見すぎだよ!」と、放送中に爆笑してしまいました。

 もう少し頭ひねって考えたら、もっといい別の展開があったでしょうに……。野島伸司氏は昔から「のし上がる=セックス」もしくは「のし上がる=殺人」とまとめる作品が多い。『家なき子』(同)はその典型かと。しかし、90年代はよかったかもしれませんが、もう、2000年代ですからね~。「#ME TOO」ムーブメントが起こる時代ですから、こういう考えかたはダサい上に嫌悪感を持ってしまいました。

■伏線の回収が遅すぎて、物語が散漫に……

 前回もセリフのひとつひとつが古いといいましたが、それにプラスして、今回感じたのは「不愉快極まりない」ということです。特に感じたのはキャバクラのシーン。石原以外のキャバ嬢を「怪物」と呼んだり、キャバクラを「怪物ランド」「掃き溜め」呼ばわり。石原の美しさを強調したいのでしょうが、表現があんまりです。ネットでも「不愉快だ!」と女性層を中心に非難の声がたくさんあがっていました。野島氏はもう少し、女性への対応を勉強したほうがいい。野島氏は交際のウワサが立つのが女優ばかりで、世間の女性を知らないのかもしれませんが、そういうところが、“野島脚本衰退の要因”ではないかと思います。

 また、セリフに合わせてなのか、出てくる小道具まで古い。直人の自宅にある手作りチャイムに、石原のキャバ嬢の衣装など。チャイムなんてホームセンター行けば電池式の安チャイムが売ってますよ! それに、今時、地方のキャバ嬢でもあんな衣装を着ていないし、スナックのチーママですよ、あれじゃ。

 また、不登校の男子のシーンでも、ガテン系ヤンキーが出てきて絡むのですが、急に男子に優しくなるのも、よく昔のドラマやアニメで見る“あるある”ネタですよね。映画版の『ドラえもん』でのジャイアンなんてその例ですよ。本当に古すぎる。もうすぐ、平成終わりますよ。いつまで、平成を引きずり続けるのでしょうか?

 それに、1話に伏線がたくさんあった(番宣時の石原談)とのことですが、それが一向に回収されていないような気がするのですが……。その上、一向に回収しないまま、話が進むので話が散漫になりテンポの悪さが際立ち見ていてつまらない。これが、視聴率急落の最大の原因だと思います。最近の視聴者は刑事ドラマなどの1話完結式ストーリーになれてしまい、1クール通しての物語には飽きてしまう傾向があります。多分、最後の2話ぐらいでおおよその伏線を回収するつもりなんでしょうが、それだと手遅れなような気が……。1話の伏線回収は遅くても3話までにして、新しい伏線を盛り込むというのがベストな感じがします。

 以上、2話のレビューでした。

 本当はまだまだ、言いたいことは山ほどあるのですが、(千葉プレゼンツの華道ショーがダサい! 出てくるあの白塗りの男性は麿赤兒ですか?それとも浜崎あゆみの仲間のティミーさんですか? など)それを言ってると、膨大な文章になってしまうため、今回はカットしたいと思います。

 次回は、ついにももと直人がキスしそうな予感。その上、ななが覚醒するとのシーンもあり、そろそろ中だるみ感ともおさらばできそう。ここまできたら離脱なんてせずに、楽しみに放送を待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

 

『義母と娘のブルース』綾瀬はるかのロボット演技賞賛も、奥山佳恵登場シーンには「モンペ出すな」と苦情殺到!

 綾瀬はるか主演ドラマ『義母と娘のブルース』(TBS系)の第2話が7月17日に放送され、平均視聴率は11.3%(ビデオリサーチ調べ、関東平均)を記録。1話に続き、2ケタ台を維持しました。

 前回、試行錯誤の末にやっとみゆきから一緒に住むことを許された亜希子ですが、今週はどんな展開を見せたのでしょうか??

 それでは早速、簡単なあらすじから振り返ります。

(これまでのレビューはこちら

■不器用ながらもみゆきと向き合う亜希子

 みゆき(横溝菜帆)から父・良一(竹野内豊)と結婚し、一緒に住むことを許された亜希子(綾瀬)。だが、一緒に住んでみたものの、みゆきとの関係はギクシャクしたまま。

 そんな中亜希子は、みゆきが創立記念日で休校と知り、会社をズル休みしてみゆきと一緒に過ごすことに。最初は、なかなか心を開いてくれないみゆきだったが、亜希子の熱心な姿に徐々に打ち解け、晴れて亜希子を母親と認める。

 一方、亜希子は家族との時間を大切にしようと、仕事を辞め、主婦になることを決意する、といったストーリーでした。

■ドラマオリジナルシーンに賞賛の声!

 1話では、ドラマオリジナルのアスレチック施設でのシーンが長々と続き、放送中から「つまらない」「期待はずれ」という声が続々と上がり、正直「このドラマ、大丈夫!?」と思ってたんですが、今回は前回とは真逆でドラマオリジナルのシーンに賞賛する声が上がっていました。

 亜希子とみゆきが2人で夕食の買い出しに行き、みゆきは実母と一緒に食材当てゲームをしていたことを思い出す、とここまでは原作通り。しかし、ドラマでは亜希子が「私たちもやりましょう!」と提案し、2人で対立しながらもゲームをやるという内容が追加され、このシーンに「オリジナル部分が面白い!」「原作のギャグ感を残しながらいい展開になってる!」「森下佳子さんの脚本いいわ~!」といった声が。また、亜希子が会社を辞めると上司に告げたオリジナルシーンに涙する人が続出。子どものためにキャリアウーマンという地位を犠牲して家庭に入るのではなく、子育てを仕事として考えて、新しい道を切り開く「転職」として描いているところに、「こういう考えいいね!」「犠牲になるのが嫌で共働きというドラマはよくあるけど、“転職”として考えるドラマはあまりないから面白い!」といった声が上がってました。

 ただ、このシーンで個人的に惜しかったと思ったのは、亜希子が上司から「給料をいくら上げれば残るのか?」と聞かれた際、「10億で!」と答えるところ。ここはキャリアウーマンなんだから、「35億!」と答えて欲しかった……振り向きざまに(笑)。まあ、でも全体的に見て、「このドラマの面白さがやっと見えてきたな!」という印象で、この先も楽しめそうです。

■奥山佳恵の回想シーンに「いらない!」の声続出。

 一方で、視聴者からの苦情が殺到していたのが、みゆきの実母の回想シーン。この実母役を奥山佳恵が演じているのですが、奥山と言えば、ブログでダウン症の次男の卒業式に家族で参加できなかった不満を爆発させたり、小学生になった次男の学童へ行く補助が見つからず、上級生に補助を頼んだりと、いろいろな事件を起こし、いわゆる「モンペ」として世間で認知されるように。

 そのため、回想シーンに奥山が登場した瞬間にネットでは「うわ~いらない!」「モンペの顔は見たくない!」「あんな芸能界とっくに引退したような、美人でもなんでもないモンペをわざわざ使わなくても……」と散々な声が。また、奥山が映る実母の遺影である写真が画面に映っただけで、「映すな!」という声が殺到……。やはり、義母と娘の物語にモンペ認定された役者を使うのはいかがなものか、と言うのが世間の考えのよう。

 その上、「綾瀬はるかの演技がいいのに、奥山がチラッと映るだけで気分悪くなる~!」「キャストもみんな良いし、ストーリーも面白いけど、奥山だけは許せない!」という厳しい声も。もう亡くなった人の役と言うことで、幽霊になって出てくるといったシーンがない限り、今後そんなに出ることはなさそう。ですが、“ちょい出”でこれだけの反感を買うぐらいですから、3話以降は出さないほうがいいかもしれません。

■「なんか物足りない……」を満たす佐藤健!

 ここまで、ストーリーもキャストも評判がいい同ドラマですが、視聴者からは「佐藤健の登場が少なすぎる」と残念がる声が。原作では佐藤の役は2巻から登場する重要人物のため、ドラマ前半ではあまり登場させることはできないのが正直なところ。1話、2話のようにドラマオリジナルシーンで少し出演させるぐらいが限界なのでしょう。

 ですが、佐藤の役柄が実に面白い。1話ではバイク便の兄ちゃんなのに送り先を間違える、2話では漢字を間違えるなど、一言でいうと“ただのバカ”なのですが、どこか愛嬌があり憎めない。今まで陰のある役や好青年役が多かった佐藤がこの役で、新しいイメージを作っていくのかと思うとワクワクします。そして、ドラマ後半(から多く登場すると推測)では、佐藤がストーリーにどう絡んでいくかも楽しみ。焦らず、気長に待ちましょう!

 以上、2話のレビューでした。

 視聴率も順調に2ケタを記録している同ドラマ。来週はPTAというママ社会の強敵集団とひと悶着あるよう。元キャリアウーマンだった亜希子がどんな手を使って立ち向かうのか、楽しみに放送を待ちましょう!

(ドラマっ子KOROちゃん)

『健康で文化的な最低限度の生活』吉岡里帆の絶妙な“平凡感”が視聴者を自然にドラマの世界へ引き込む良作

 素朴系女優・吉岡里帆が新人ケースワーカー役を演じるドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』(フジテレビ系)の第1話が17日に放送され、平均視聴率7.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。やや出遅れ感がでてしまいました。

 安定した生活を求めて公務員になった義経えみる(吉岡)ですが、配属されたのは生活保護受給者を支援する福祉生活課。福祉に関する知識など何ひとつ持たないまま110世帯を担当させられ、理想としていた平穏な生活とは程遠い激務続きの毎日を送ることになってしまいます。

 そんな中、平川孝則という受給者から「これから死にます」という電話が。一方的に通話は切られてしまい、えみるは慌てて平川の親戚に様子を窺うよう頼むのですが、「いつものこと」と一笑に付されてしまいます。しかしその後、平川はビルから飛び降り自殺。えみるは責任を感じ、悲しみに暮れ、今後は受給者にもっと寄り添おうと決心するのでした。

 それから数カ月が経ち、えみるは阿久沢正男(遠藤憲一)という受給者と面談することに。1日に1食しか摂っていないという阿久沢の健康状態とお金の使い道が気になり、家庭訪問することになるのですが、そこで月5万円返済の借金を抱えていることが発覚します。

 えみるは、債務整理をするため日本司法支援センター(通称・法テラス)へ出向くよう勧めますが、今さら何をしても借金は変わらないと、阿久沢は及び腰の様子。そこへ現れた先輩ケースワーカーの半田明伸(井浦新)は、「法テラスへ行きましょう」の一辺倒ではなく、阿久沢が借金を背負うことになったいきさつについて、まず耳を傾けます。

 すると阿久沢は、印刷会社が倒産し、借金を抱えてしまった後に別れた妻子と、15年あまり会っていない寂しさを吐露。阿久沢の本当の気持ちを知ったえみるは、「過去を捨てきれないってことじゃないですか。またやり直したいってことじゃないですか」と、深層心理を指摘し、人生の再スタートを切るよう背中を押します。

 その結果、法テラスへ赴くことを決心した阿久沢は、借金をすでに完済していたこと、過払い金150万円が戻ってくることを知り、15年間の苦しみから解放された喜びと安堵で涙します。その姿を見たえみるも涙を流し、阿久沢に心から感謝の言葉をもらったことで、ケースワーカーとしてのやりがいを感じたところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、やや長ったらしく感じるタイトルは、日本国憲法第25条にある「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という条文からのもの。しかし、“最低限度の生活”の基準とは? また、不正受給など何かとニュースに取り上げられる生活保護の実態とは何か。このドラマは、それらの疑問点にスポットライトをあてた作品になっています。

 そんな謎多い世界に、それまで平々凡々に生きてきた人間が放り込まれ悪戦苦闘するという、特殊な環境下を描くドラマではありがちな設定ですが、こういった場合、いわば“視聴者の視点”代わりになる主役は、案外さじ加減が難しいのではないかと思います。あまり個を出し過ぎては邪魔になるし、出さな過ぎたら逆に、テーマに対する発言力が薄れてしまう可能性もあります。

 そういう意味では、純朴なルックスと演技力が確かな吉岡をキャスティングしたのは正解だったのではないでしょうか。絶妙な平凡感で視聴者をドラマの世界へ引き込みつつ、ここぞというシーンではしっかり自分の意見(作家の主張)を述べ、印象深くすることができていたと思います。

 そして、そんなえみるを温かく見守る、先輩役・井浦の好演も光っていました。前々クールに放送された『アンナチュラル』(TBS系)では悪口・乱暴な法医解剖医を演じていましたが、今回はマイナスイオン出まくりの朗らかな役と、見事なカメレオン俳優ぶりを発揮しています。ドラマのテーマがテーマなだけに、今後はえげつない描写も出てくるかもしれませんが、清涼剤的な役割を担い、吉岡とのコンビも楽しめそうです。

 その描写についてですが、テレビでどこまで踏み込めるのかが、今後の大きな注目ポイントとなってくるのではないでしょうか。それと、今回のように問題を抱えたケースワーカーが登場して解決、という流れが続いてしまうとどうしてもマンネリ化してしまいます。それをうまく打破できるかどうかも視聴率の推移を左右するカギになってきそうです。

 ただ、遠藤や井浦だけでなく、えみるの上司役の田中圭、同僚役の川栄李奈など、ベテランから若手まで名バイプレーヤーが顔を揃えているため、彼らのキャラクターを掘り下げることでドラマに深みが増していく期待感はありました。視聴率的には残念なスタートになってしまいましたが、次回を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『健康で文化的な最低限度の生活』吉岡里帆の絶妙な“平凡感”が視聴者を自然にドラマの世界へ引き込む良作

 素朴系女優・吉岡里帆が新人ケースワーカー役を演じるドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』(フジテレビ系)の第1話が17日に放送され、平均視聴率7.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。やや出遅れ感がでてしまいました。

 安定した生活を求めて公務員になった義経えみる(吉岡)ですが、配属されたのは生活保護受給者を支援する福祉生活課。福祉に関する知識など何ひとつ持たないまま110世帯を担当させられ、理想としていた平穏な生活とは程遠い激務続きの毎日を送ることになってしまいます。

 そんな中、平川孝則という受給者から「これから死にます」という電話が。一方的に通話は切られてしまい、えみるは慌てて平川の親戚に様子を窺うよう頼むのですが、「いつものこと」と一笑に付されてしまいます。しかしその後、平川はビルから飛び降り自殺。えみるは責任を感じ、悲しみに暮れ、今後は受給者にもっと寄り添おうと決心するのでした。

 それから数カ月が経ち、えみるは阿久沢正男(遠藤憲一)という受給者と面談することに。1日に1食しか摂っていないという阿久沢の健康状態とお金の使い道が気になり、家庭訪問することになるのですが、そこで月5万円返済の借金を抱えていることが発覚します。

 えみるは、債務整理をするため日本司法支援センター(通称・法テラス)へ出向くよう勧めますが、今さら何をしても借金は変わらないと、阿久沢は及び腰の様子。そこへ現れた先輩ケースワーカーの半田明伸(井浦新)は、「法テラスへ行きましょう」の一辺倒ではなく、阿久沢が借金を背負うことになったいきさつについて、まず耳を傾けます。

 すると阿久沢は、印刷会社が倒産し、借金を抱えてしまった後に別れた妻子と、15年あまり会っていない寂しさを吐露。阿久沢の本当の気持ちを知ったえみるは、「過去を捨てきれないってことじゃないですか。またやり直したいってことじゃないですか」と、深層心理を指摘し、人生の再スタートを切るよう背中を押します。

 その結果、法テラスへ赴くことを決心した阿久沢は、借金をすでに完済していたこと、過払い金150万円が戻ってくることを知り、15年間の苦しみから解放された喜びと安堵で涙します。その姿を見たえみるも涙を流し、阿久沢に心から感謝の言葉をもらったことで、ケースワーカーとしてのやりがいを感じたところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、やや長ったらしく感じるタイトルは、日本国憲法第25条にある「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という条文からのもの。しかし、“最低限度の生活”の基準とは? また、不正受給など何かとニュースに取り上げられる生活保護の実態とは何か。このドラマは、それらの疑問点にスポットライトをあてた作品になっています。

 そんな謎多い世界に、それまで平々凡々に生きてきた人間が放り込まれ悪戦苦闘するという、特殊な環境下を描くドラマではありがちな設定ですが、こういった場合、いわば“視聴者の視点”代わりになる主役は、案外さじ加減が難しいのではないかと思います。あまり個を出し過ぎては邪魔になるし、出さな過ぎたら逆に、テーマに対する発言力が薄れてしまう可能性もあります。

 そういう意味では、純朴なルックスと演技力が確かな吉岡をキャスティングしたのは正解だったのではないでしょうか。絶妙な平凡感で視聴者をドラマの世界へ引き込みつつ、ここぞというシーンではしっかり自分の意見(作家の主張)を述べ、印象深くすることができていたと思います。

 そして、そんなえみるを温かく見守る、先輩役・井浦の好演も光っていました。前々クールに放送された『アンナチュラル』(TBS系)では悪口・乱暴な法医解剖医を演じていましたが、今回はマイナスイオン出まくりの朗らかな役と、見事なカメレオン俳優ぶりを発揮しています。ドラマのテーマがテーマなだけに、今後はえげつない描写も出てくるかもしれませんが、清涼剤的な役割を担い、吉岡とのコンビも楽しめそうです。

 その描写についてですが、テレビでどこまで踏み込めるのかが、今後の大きな注目ポイントとなってくるのではないでしょうか。それと、今回のように問題を抱えたケースワーカーが登場して解決、という流れが続いてしまうとどうしてもマンネリ化してしまいます。それをうまく打破できるかどうかも視聴率の推移を左右するカギになってきそうです。

 ただ、遠藤や井浦だけでなく、えみるの上司役の田中圭、同僚役の川栄李奈など、ベテランから若手まで名バイプレーヤーが顔を揃えているため、彼らのキャラクターを掘り下げることでドラマに深みが増していく期待感はありました。視聴率的には残念なスタートになってしまいましたが、次回を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

早くも視聴率1ケタのフジテレビ月9『絶対零度』よくできてるのに「楽しくない」ワケは……?

「未然犯罪捜査システム(通称“ミハン”)」なる巨大AIが弾き出す“殺人予備軍”の情報を元に、まだ犯罪を犯していない人を対象に違法捜査しまくるドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)。16日に放送された第2話の視聴率は9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、早くも2ケタを割ってしまいました。

 月9らしからぬハード路線の刑事モノであり、主演も月9らしからぬベテラン俳優・沢村一樹。前シリーズまで主役を張っていた上戸彩はほとんど出てきませんが、女優らしからぬ棒演技がすっかり板についてきた本田翼と、ジャニーズらしからぬ地味な顔面の横山裕が今週も華を添えます。とりあえず振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

■事件はサクサク進む

 今回、ミハンによってリストアップされたのは、藤井早紀(黒谷友香)さん。有名創作料理店「八節」の料理長として腕を振るいつつ、最近はやりになっている「子供食堂」の運営に13年も前から関わっているという43歳の善良そうな美人です。

 そんな美人な藤井さんですが、最近、西アフリカ原産の植物から抽出されるという猛毒を入手していたこと、天涯孤独なのに弁護士に遺言状の作成を依頼していることなどから、ミハンのリストに載ったようです。

「自分の命をなげうってでも、誰かを殺したい」

 誰にともなく、ミハンチームのリーダー・井沢警部補(沢村)がつぶやき、捜査が開始されます。

 料理人見習いとして「八節」に潜入した小田切(本田)が店に、山内くん(横山)ほか1名が藤井さんの自宅に不法侵入して盗撮カメラを仕込むと、どうやら藤井さんと一緒に子供食堂で働いていた女子高生・元宮七海(多田成美)が、かつて発生した連続殺人事件の被害者だったことがわかります。少年だった犯人は8年の刑期を終えて出所している。藤井さんは興信所を使って犯人・津田(笠松将)の居場所を割り出しました。どうやら津田への復讐が藤井さんの目的のようだ、とミハンチームは目星を付けます。

 その後、サクサクと事態は進展し、津田が七海ちゃん殺しの犯人ではなかったこと、藤井さんは七海ちゃんの実の母親だったこと、七海ちゃんは山菜採りの途中で害獣駆除に入った猟友会の男性・小松原忠司(中丸新将)に誤射されていたこと。小松原は当時の最高裁長官で、たまたま猟銃を使って女子高生を2人殺していた津田に罪をかぶせたことなどが明らかになっていきます。本当にサクサクです。プロットだけのダイジェストを見せられているよう。

 藤井さんは、小松原の来店時を狙って毒殺しようと思っていました。ところが、来店の予約がキャンセルされると、包丁を持って小松原の元に。政治家転身に向けて街頭演説をしている小松原を刺そうとしたところで、井沢たちによって確保されました。

 かくして、藤井さんは復讐を果たせず。藤井さんの実娘を殺した小松原は、のうのうと生き続けることになります。井沢警部補も、こればっかりは仕方ないと「お天道様は見てるよー」的な感じのことを言ってますが、次のシーンで小松原は何者かに突き飛ばされ、調整中のエレベーターの竪穴に落下して死亡。そんなころ、ミハンは井沢警部補を危険人物としてリストアップしていたのでした……。

■この“楽しくなさ”はなんなのか

 事件そのものは、目新しさこそないものの、ちゃんと作られているので安心感はあります。また、井沢警部補が“ヤベー奴っぽい”ことは前回から幾度となく示唆されていましたが、2話目で早くも「殺っちまったか?」的なシーンが出てきたのは意外でした。上戸彩演じる特殊班捜査員・桜木泉はベトナムで死んだことになってますが、たぶん死んでないしょう。1話完結の形を取りながら、伏線と謎が超たっぷり残っているので、3話目以降への引きになっています。

 これ、何が待ってるのかなーとは思うんですが、あんまり楽しみな感じがしないんですよねえ。というか、正直このドラマ、見てて全然楽しくないんです。よくできてるし、無理やり粗探しをしてもツッコミどころがあるわけじゃない。でも、楽しくない。

 2話目まで見て、ひとつ印象的な状態だなぁと感じるのが、「ザ・棒」として名高い本田翼と横山裕のお芝居が、全然ひどくなく感じるんです。キャリアを積んで上手くなってるということも万が一にはあるんでしょうけど、それよりも各人が脚本から要求されている芝居の難度が低いというか、表現するべき情報の量が少ない感じがするんです。

 それは、この2人だけじゃなくて、例えば今回のゲストである黒谷友香が、女子高生・七海ちゃんが殺されたことについて、警察に「悔やんでも悔やみきれない」と語るシーンがあります。自分が料理を教えたことで、彼女は山菜採りに山へ入り、そこで誤射された。悔やんでも、悔やみきれない……!

 実際には“面倒を見ていた子のうちの一人が殺された(最初に視聴者に提供された情報)”のではなく“実の娘が殺された(後に明らかになる事実)”わけですが、このときの黒谷のテンションが全然そんな感じに見えない。このシークエンスに(悪い意味で)違和感がないので、見ている側も、後の「実の娘でした」が単なる段取りとしてしか頭に入ってこないんです。

 最後の小松原を刺しに行くくだりもそうで、西アフリカから毒を輸入して遺言書を用意して……という周到さと、直情的に公衆の面前で刺しに行ってしまうヤバさの間には大きな隔たりがあってしかるべきなのに、そのヤバさを表現するくだりが入っていないので、「復讐は何も生まねぇ……! 止めてやってくれぃ……!」っていう気持ちになれない。

 要するに、あくまで印象ですけど、『絶対零度』にはプロットを積み重ねた箱と表面的なセリフ回しだけがあって、人物のディテールがないんです。カッチリとした段取りだけがあって、中身がない。与えられる情報に温度や熱量がない。人や物語に血が通ってる感じがしない。だから楽しくない。

 2話まで見て受けたそういう印象が、今後どう変わっていくのか、あるいはそういう印象の原因がもっとはっきり見えてくるのか、という興味でもって、来週からも見守りたいと思います。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

賛否呼ぶ、原作にも劇場版にもない現代パート!! 柿の木問答に興奮『この世界の片隅に』第1話

 こうの史代のベストセラーコミックを実写ドラマ化した日曜劇場『この世界の片隅に』(TBS系)が7月15日よりスタートしました。のんが声優として主演した劇場アニメ『この世界の片隅に』(2016)が単館系公開ながら興収27億円突破の異例のロングランヒットを記録しているだけに、話題性は充分。でもその分、実写版に抜擢されたキャスト陣に課せられたハードルの高さは相当なものがあります。3,000人を越える応募者の中からオーディションで選ばれた松本穂香演じる主人公すずは、果たして視聴者に受け入れられるのでしょうか? さっそく第1話を振り返ってみましょう。

 脚本の岡田惠和は、NHK朝ドラ『ちゅらさん』や『ひよっこ』などのハートウォーミングなヒロインもので知られています。また、主演の松本穂香は『あまちゃん』を見て女優を目指すようになり、『ひよっこ』のメガネ女子・澄子役で注目されました。共演にも『わろてんか』の松坂桃李、『カーネーション』の尾野真千子、『あまちゃん』『ひよっこ』の宮本信子……と朝ドラ経験者がそろっています。昭和初期の広島を舞台にした連ドラ版『この世界の片隅に』は日曜の夜9時ながら、朝ドラムードが濃厚に漂います。

 冒頭、榮倉奈々と古舘佑太郎(古舘伊知郎の息子)が現代の広島に現れ、原作&劇場アニメ版のファンを驚かせます。劇場アニメ版が原作原理主義だったのに対し、連ドラ版は思い切ったアレンジを加えますよというTBSサイドからの宣言のようです。この現代編については後述することにして、とりあえず本編に入っていきたいと思います。

 

■際立った個性のない松本穂香が見せたものとは……?

 まずはすずの少女時代のエピソードから。昭和9年(1934)、浦野家は広島市の海沿いの町・江波で海苔づくりをしており、すず(幼少期:新井美羽)は市の中心街にある得意先に海苔を届けに行くことになります。海苔は無事に届けたものの、絵を描くことが大好きなすずは広島市のランドマークである「産業奨励館」(後の原爆ドーム)の写生に夢中になり、人さらいに拉致されてしまいます。幼女にとっての超恐怖体験ですが、このときすずは運命の出逢いを果たします。もう一人、男の子(浅川大治)も拉致されており、すずは海苔を届けた駄賃で買ったキャラメルを男の子と分け合って味わうのでした。すずは、かなり呑気な女の子です。キャラメルに勇気づけられた男の子は人さらいのの隙を突いて、すずの手を引いて脱出に成功します。この男の子が、後にすずの婿になる周作です。キャラメルはすずと周作にとっての思い出の味として、今後も重要なツールとして使われることになりそうです。ここらへんの小道具の使い方は、岡田惠和の脚本と土井裕泰チーフディレクター(広島出身)の演出はなかなかです。

 その後、祖母・イト(宮本信子)の家で座敷わらしにスイカをあげたり、兄を海難事故で亡くした幼なじみの水原哲(村上虹郎)の代わりに海辺の景色を絵にしたりと、周囲の人たちをほんわかさせるすずの温かい人柄が描かれていきます。そして太平洋戦争真っただ中の昭和18年(1943)、すずは18歳に。祖母の家で海苔づくりを手伝っていたすずに、縁談話が舞い込んできます。すずが慌てて自宅に戻ると、呉から来た北條周作(松坂桃李)とその父(田口トモロヲ)がキャラメルをお土産にすずの帰宅を待っていました。すずは周作のことを覚えておらず、見ず知らずの男性から結婚を申し込まれたことに戸惑い、周作の前に顔を出せず仕舞いでした。でも、ガラス戸越しに覗き見した周作がイケメンだったので、まんざらでもないようです。戦時下で高価になったキャラメルを手に、にんまりするすずでした。

 すずの北條家への嫁入りが決まりました。父親・十郎(ドロンズ石本)からは庭のツゲの木で作った櫛を手渡されます。絵が描くことが大好きで、それまで無邪気な子どものように過ごしていたのに、明日からは姓も変わり、大人の女性として生きることになるのです。晩婚化が進む現代と、10代での嫁入りが珍しくなかった戦時中との価値観の大きな違いを感じさせます。「せんでもいい我慢はせんでもいいからね」と励ます母親・キセノ(仙道敦子)に、すずは「お母ちゃん、怖いよ。呉は遠いよ」と泣きすがります。お見合い結婚が普通で、見ず知らずの家に嫁ぐことが当たり前とされていた当時の女の子たちの揺れる心情が伝わってきます。久石譲の音楽も効果的に流れます。のんのような際立った個性は感じさせない松本穂香ですが、普通の女の子の気持ちを丁寧に演じたこのシーンあたりから、視聴者もすんなりと彼女を受け入れたのではないでしょうか。

■面識のない相手といきなり初夜を迎えるドキドキ感!

 呉への嫁入り日です。周作の家では、周作の姉・径子(尾野真千子)と隣りに住む幸子(伊藤沙莉)がすずに向かってガンを飛ばしてきます。周作を愛する彼女たちにしてみれば、まだ子どもっぽく色気もないすずに周作を奪われることは我慢なりません。尾野真千子の演技力は誰もが認めるところですし、連ドラ版のオリジナルキャラ・幸子役の伊藤沙莉は『ひよっこ』で演じた米子役で強烈なインパクトを残した若手実力派です。伊藤沙莉が主演した『獣道』(17)はインディーズ映画の大傑作です。これに遊女・白木リン(二階堂ふみ)を加えた女たちの周作をめぐるバトルが、連ドラ版『この世界の片隅に』の大きな見どころとなりそうです。

 仏前での祝言が終わり、すずは実の家族と別れ、いよいよ初夜を迎えることになります。周作からお風呂に入るようにいわれ、湯舟につかり身体を清めるすず。部屋にはすでに布団が並べてあります。ここで周作とすずの間に交わされるのが、「柿の木問答」と呼ばれるものです。明治時代や大正時代の農村部で、知り合ったばかりで会話もままならない新婚夫婦の間で行われた一種の通過儀礼です。「あんたの実家の庭には柿の木はあるか?」「はい、あります」「じゃあ、木に登って柿の実をもいでええか?」「はい、どうぞ」というやり取りが、かつての日本の新婚家庭では行われたそうです。柿の実をもぐ=セックス、という婉曲な言い回しにクラシカルなエロスを感じさせますね。広島県の一部では「柿の木問答」ではなく、「傘問答」が行われていたそうです。ドキドキしながらも、すずは祖母に習った「傘問答」の口上どおりに「新しい傘を持ってきました」と周作に告げるのでした。

 ところが、周作は「傘をさしてもええか」と問答どおりには返しません。すずが持ってきた傘を手にとって、縁側に吊るしてあった干し柿をたぐり寄せ、すずと一緒に干し柿を食べるのでした。すずは思わず拍子抜けしてしまいます。劇場アニメ版『この世界の片隅に』の片渕須直監督を公開時にインタビューする機会があったのですが、このときの周作のボケを、片渕監督は「嫁入りしたすずの緊張をほぐしてやろうという、普段は軽口を叩かない周作なりの優しさでしょう」と解説してくれました。なるほどねぇ。ちなみに周作役の松坂桃李は、今年公開された『孤狼の血』ですでに広島弁をマスターしており、R18映画『娼年』ではさまざまな女性たちの欲望を満たす高級男娼役を大熱演しています。そんな松坂桃李から「あんたと一緒に生きていきたいんじゃ」と耳元で囁かれて優しく唇を重ねられたら、どんな女性も昇天してしまうことでしょう。家の灯りが消えました。どうやら、すずは無事に初夜の営みを終えることができたようです。

 さて、冒頭に続いて第1話のエンディングは、再び現代編に。呉市の丘の上にすずさんが嫁いだ北條家を見つけ、無人化していたのをいいことに榮倉奈々は「私、決めた。ここで暮らす!」と宣言します。果たして榮倉奈々演じる佳代は、すずとはどんな関係なのでしょうか? 原作コミックにも劇場アニメ版にも現代編はないため、ネット上では「現代編はいらない」という声が上がっています。確かに戦時中のすずたちの暮らしに没入できた原作や劇場アニメ版に比べると、連ドラ版は現代編が挿入されることで感情移入度は下がってしまいます。ただし、原作や劇場アニメ版では終戦直後までのすずの姿しか描かれていなかったので、戦後の混乱期をすずがどう生き抜いたのか、すずのその後が知りたいという気持ちもあります。連ドラ版は、少しずつすずの足取りを追っていくことになりそうです。連ドラ版が成功するかどうかは、この現代編での「すずのその後」の描き方次第ということになるのではないでしょうか。

 広島をはじめ、西日本各地で多大な被害を出している集中豪雨直後の第1回放送でしたが、気になる視聴率は10.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。高視聴率ドラマを次々と生み出している日曜劇場の枠としては若干の物足りなさも感じさせますが、原作&劇場アニメ版のファンの期待は裏切っていない出来なので、しばらくはすずと嫁ぎ先の北條家との交流を楽しんで観ることができそうです。でも、物語の後半には高畑勲監督の名作アニメ『火垂るの墓』(1988)級の大惨事が待っています。劇場アニメ版同様に口コミで人気が広まっていくのか、そして視聴者は衝撃の展開に耐えられるのか。じっくり見守りたいと思います。
(文=長野辰次)

山崎賢人は“2.5次元俳優”!?『グッド・ドクター』で「中居正広以上ダスティン・ホフマン未満」の名演技を披露

 イケメン俳優・山崎賢人が、天才的な記憶力をもつサヴァン症候群の小児外科医役を演じるドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)の第1話が12日に放送され、平均視聴率11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。好スタートを切りました。

 東郷記念病院の病院長・司賀明(柄本明)は、不採算&人材不足が続く小児外科を建て直すべく、医大を首席で卒業した新堂湊(山崎)を新しいレジデント(専門領域の研修を行う後期研修医)として招くことを独断で決定。しかし、湊が自閉症だと知れ渡ると、他の医師たちからは倫理的判断能力の有無を問われ、反対論が湧き起こります。

 結局、6カ月の試用期間を設けることで議論は収束するのですが、小児外科主任の高山誠司(藤木直人)を筆頭に、湊は露骨に冷遇されてしまいます。

 そんな中、指導医の瀬戸夏美(上野樹里)に従い、横紋筋肉腫で入院中の少年・マサキの病室を訪れた湊は、再手術が必要であることを助言。しかし、再オペについては、頃合いを見計らって両親がマサキに説明する段取りになっていたため、湊の失言にマサキの母親が激怒する事態を招いてしまいます。

 この失態を夏美から咎められても、何が悪いのかさっぱり理解できない湊。早くもコミュニケーション能力に難があることが露呈してしまうのでした。

 そして後日、湊は再びマサキの病室を訪れるのですが、ここでマサキの病状が一変。すぐにでも手術しなければ急死してしまう。そう判断する湊ですが、主治医である小児外科長・間宮啓介(戸次重幸)は、接待ゴルフで不在。そうこうしているうちにマサキが意識を失ってしまい、湊は独断でオペ室へ搬送します。

 すると、この騒ぎを聞きつけた高山が、自分の患者とマサキの同時オペを決行。見事にどちらも成功させて命を救うのですが、マサキを勝手にオペ室へ運んだ湊に対して、「お前は医者失格だ。今回は運が良かっただけだ。運が悪かったら、2人とも死なせてた」と激怒。またもや、湊と他の外科医たちとの溝が深くなってしまうのでした。

 しかし、結果的に息子の命が助かったため、マサキの母親は湊のことを信頼するように。つらい抗がん剤治療にも耐えられるほどマサキは強い、と湊から太鼓判を押されたことで、再手術の必要があることを伝える決心をするのでした。

 その後、湊は夏美とともにホルモン焼き屋へ。医者を志したきっかけを訊かれ、「お兄ちゃんは大人になれませんでした。大人になれない子どもをなくしたいです。みんなみんな大人にしたいです」と、幼少期に兄を亡くしたことをニオわせつつ、今回は終了となりました。

 さて感想ですが、正直、このドラマにはまったく期待していませんでした。コミック実写化作品への主演が相次ぎ、半ば揶揄の意味を込めて、“2.5次元俳優”と称される山崎賢人が、サヴァン症候群患者という難しい役どころを演じるということで、「悲惨なことになるのでは?」という懸念しかありませんでした。

 しかし、山崎はいい意味で期待を裏切り、純粋無垢な湊像を作り上げ好演していたと思います。少なくとも、見ているこちらが気恥ずかしくなったり、チャンネルをすぐに変えたくなるような演技ではありませんでした。

 サヴァン症候群といえば、1988年公開の映画『レインマン』で、名優ダスティン・ホフマンが徹底した役作りを行い、アカデミー賞主演男優賞をはじめ各映画賞で軒並みタイトルを獲得する名演技を披露。その症例が知れ渡る大きなきっかけとなり、その後、多くの映画やドラマで題材に用いられるようになりました。

 日本でも中居正広が主演したドラマ『ATARU』(TBS系)などが知られていますが、山崎の演技は、バラエティ番組でのイメージが強いために若干コント感が感じられた中居よりも上、ダスティン未満といった印象。あくまでも個人的な意見ですけどね。

 これも自論ですが、サヴァン症候群をテーマに扱う場合、もしかしたら主役よりもむしろ、周囲の演者の方が高度な演技力を求められるのかもしれません。患者に対して最初は戸惑い、やがて受け入れる、という心情的な変化を表現しなければいけませんから。『レインマン』にしても、ダスティンの演技が光ったのは、最初は自己中心的な性格だったものの、行動を共にするうちに心が洗われていった、弟役のトム・クルーズの存在があったからこそだと思います。

 で、このドラマで山崎を支えるのは誰かというと、上野樹里に柄本明、藤木直人などといった演技派揃い。安心して見れました。今後、彼らが演じる医師たちにとって、病院内でのしがらみを一切気にせず、「目の前に苦しんでいる子どもがいたら、僕はすぐに助けたい」と語る湊は、自分たちの理想の姿や初心を映し出す鏡のような存在になっていくのかもしれませんね。湊を中心に、ドラマがどう展開していくのか非常に楽しみです。
(文=大羽鴨乃)

山崎賢人は“2.5次元俳優”!?『グッド・ドクター』で「中居正広以上ダスティン・ホフマン未満」の名演技を披露

 イケメン俳優・山崎賢人が、天才的な記憶力をもつサヴァン症候群の小児外科医役を演じるドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)の第1話が12日に放送され、平均視聴率11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。好スタートを切りました。

 東郷記念病院の病院長・司賀明(柄本明)は、不採算&人材不足が続く小児外科を建て直すべく、医大を首席で卒業した新堂湊(山崎)を新しいレジデント(専門領域の研修を行う後期研修医)として招くことを独断で決定。しかし、湊が自閉症だと知れ渡ると、他の医師たちからは倫理的判断能力の有無を問われ、反対論が湧き起こります。

 結局、6カ月の試用期間を設けることで議論は収束するのですが、小児外科主任の高山誠司(藤木直人)を筆頭に、湊は露骨に冷遇されてしまいます。

 そんな中、指導医の瀬戸夏美(上野樹里)に従い、横紋筋肉腫で入院中の少年・マサキの病室を訪れた湊は、再手術が必要であることを助言。しかし、再オペについては、頃合いを見計らって両親がマサキに説明する段取りになっていたため、湊の失言にマサキの母親が激怒する事態を招いてしまいます。

 この失態を夏美から咎められても、何が悪いのかさっぱり理解できない湊。早くもコミュニケーション能力に難があることが露呈してしまうのでした。

 そして後日、湊は再びマサキの病室を訪れるのですが、ここでマサキの病状が一変。すぐにでも手術しなければ急死してしまう。そう判断する湊ですが、主治医である小児外科長・間宮啓介(戸次重幸)は、接待ゴルフで不在。そうこうしているうちにマサキが意識を失ってしまい、湊は独断でオペ室へ搬送します。

 すると、この騒ぎを聞きつけた高山が、自分の患者とマサキの同時オペを決行。見事にどちらも成功させて命を救うのですが、マサキを勝手にオペ室へ運んだ湊に対して、「お前は医者失格だ。今回は運が良かっただけだ。運が悪かったら、2人とも死なせてた」と激怒。またもや、湊と他の外科医たちとの溝が深くなってしまうのでした。

 しかし、結果的に息子の命が助かったため、マサキの母親は湊のことを信頼するように。つらい抗がん剤治療にも耐えられるほどマサキは強い、と湊から太鼓判を押されたことで、再手術の必要があることを伝える決心をするのでした。

 その後、湊は夏美とともにホルモン焼き屋へ。医者を志したきっかけを訊かれ、「お兄ちゃんは大人になれませんでした。大人になれない子どもをなくしたいです。みんなみんな大人にしたいです」と、幼少期に兄を亡くしたことをニオわせつつ、今回は終了となりました。

 さて感想ですが、正直、このドラマにはまったく期待していませんでした。コミック実写化作品への主演が相次ぎ、半ば揶揄の意味を込めて、“2.5次元俳優”と称される山崎賢人が、サヴァン症候群患者という難しい役どころを演じるということで、「悲惨なことになるのでは?」という懸念しかありませんでした。

 しかし、山崎はいい意味で期待を裏切り、純粋無垢な湊像を作り上げ好演していたと思います。少なくとも、見ているこちらが気恥ずかしくなったり、チャンネルをすぐに変えたくなるような演技ではありませんでした。

 サヴァン症候群といえば、1988年公開の映画『レインマン』で、名優ダスティン・ホフマンが徹底した役作りを行い、アカデミー賞主演男優賞をはじめ各映画賞で軒並みタイトルを獲得する名演技を披露。その症例が知れ渡る大きなきっかけとなり、その後、多くの映画やドラマで題材に用いられるようになりました。

 日本でも中居正広が主演したドラマ『ATARU』(TBS系)などが知られていますが、山崎の演技は、バラエティ番組でのイメージが強いために若干コント感が感じられた中居よりも上、ダスティン未満といった印象。あくまでも個人的な意見ですけどね。

 これも自論ですが、サヴァン症候群をテーマに扱う場合、もしかしたら主役よりもむしろ、周囲の演者の方が高度な演技力を求められるのかもしれません。患者に対して最初は戸惑い、やがて受け入れる、という心情的な変化を表現しなければいけませんから。『レインマン』にしても、ダスティンの演技が光ったのは、最初は自己中心的な性格だったものの、行動を共にするうちに心が洗われていった、弟役のトム・クルーズの存在があったからこそだと思います。

 で、このドラマで山崎を支えるのは誰かというと、上野樹里に柄本明、藤木直人などといった演技派揃い。安心して見れました。今後、彼らが演じる医師たちにとって、病院内でのしがらみを一切気にせず、「目の前に苦しんでいる子どもがいたら、僕はすぐに助けたい」と語る湊は、自分たちの理想の姿や初心を映し出す鏡のような存在になっていくのかもしれませんね。湊を中心に、ドラマがどう展開していくのか非常に楽しみです。
(文=大羽鴨乃)

『高嶺の花』石原さとみの下品すぎる役に「これじゃない」の声が殺到! 時代錯誤な内容で離脱者続出……

 石原さとみ主演ドラマ『高嶺の花』(日本テレビ系)の第1話が7月11日に放送され、初回平均視聴率は11.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 『高校教師』(TBS系)など、90年~2000年初頭にヒット作を次々と生み出した脚本家・野島伸司のオリジナル作品。さらに、主演が“なりたい顔NO.1”の石原さとみ、NHK朝ドラ『ひよっこ』で人気急上昇した峯田和伸が共演ということで注目度も高く、日テレも放送前の番宣に力を入れていただけあって、この視聴率は納得! ですが、肝心の内容は……。

 ではでは、簡単にあらすじから説明したいと思います。

■偶然出会った陽キャラ美女と陰キャラ野獣

 華道の名門「月島流」本家に生まれた令嬢で才色兼備の月島もも(石原さとみ)は、婚約者の吉池拓真(三浦貴大)との結婚が破談になり意気消沈となっていた。そんな中、気分転換に自転車に乗っていたところ、誤って自転車を大破させてしまい、近くの商店街にあった自転車店で修理を依頼。店主の風間直人(峯田和伸)に出会う。ももは、彼が周りから“ぷーさん”というニックネームで呼ばれ、愛されていること知り、彼のとこが気になりはじめ、行動を共にするように。ももは少しずつ心が癒やされていき……、というのが今回のストーリーでした。

■石原さとみはじめミスキャスティング多し!

 石原さとみといえば、これまで『失恋ショコラティエ』や『5→9〜私に恋したお坊さん〜』(ともにフジテレビ系)、直近では『アンナチュラル』(TBS系)など、かわいい女性役や知的な女性役が多く、それらで人気を博してきました。今回も『高嶺の花』というタイトル通り、可憐で知的な女性役だと思っていた視聴者がたくさんいたようですが、蓋を開けたら予想外すぎてびっくり。高嶺の花とはかけ離れた、容姿だけよくて、性格も態度も最悪な女だったんです。これには視聴者もショックが大きかったよう。「思っていたのと違う」「さとみにこんな役やって欲しくなかった」という声が殺到していました。

 多分、石原側としてはこの役でお嬢様女優を脱却したいと考えているのかもしれません。しかし、石原は映画『進撃の巨人』(2015)、『シン・ゴジラ』(16)やドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)などで、こういう気の強い役や品がない女性の役を過去にも演じたことがありましたが、不機嫌そうな顔を見せ、低い声でセリフを言うだけで、あまり演じ切れていなかった印象が強い。本人もこういう役はあまり得意じゃないのかもしれません。まだ1話ということであまり言いたくありませんが、“ミスキャスティング”だと感じました。

 また、ミスキャスティングだったといえば、まるでホストのような新進気鋭の華道家・宇都宮龍一役の千葉雄大もそのひとり。宇都宮の年齢は31歳との設定なんですが、まだ20歳前半の若者にしか見えない……。すごい違和感を持ちました。それに、すごく野心家で裏がある人物なんですが、これをかわいい千葉が演じると、説得力がない(笑)。ミスキャスティングの典型例ですよ。個人的には、こういう役は成田凌とか、年上すぎですが、オダギリジョーといった目が鋭くひげが似合う俳優が演じたほうがいいと思うんですよね~。

 それに、恋愛ドラマに“アパ不倫”報道で注目を浴びた袴田吉彦を脇役として起用するのも、30代~40代の女性層が嫌がりそうな予感……。

『これで本当にいいのか!? 日本テレビ!』と疑問を放送開始から持ってしまいました。

■時代錯誤の野島伸司には“もう地上波は無理”!?

 1話を見て強く思ったのが、説教じみたセリフが多く、悪い意味で野島イズムが健在であるというところ。過去の野島作品にもいえるのですが、野島氏が考える、こうあるべき姿を登場人物たちに長々としゃべらせるのです。同作では、ももが“男は元来、獣の性格を持っているから他人の子どもを食い殺す習性がある。だから子持ちと再婚しないほうがいい”という考えを長々と説教し、周りがそれに納得するんです。セリフとして脚本に書いたということは、この考えは野島氏の考えとみられても仕方がない。筆者、このセリフを聞いた瞬間にひどい嫌悪感に襲われ、「考えが偏ってる! これはないわ~」と思い、賛同する周りを見た瞬間に「誰か1人ぐらい反論するやつ入れろ!」と怒鳴ってしまいました。

 結構昔、野島氏脚本で『リップスティック』(フジテレビ系)という広末涼子主演の鑑別所を舞台にしたドラマがあったのですが、その中で、鑑別所教官の三上博史が収容生の母親に『子どもを産んだら女をやめろ!』と罵倒していたシーンを見て、『えっ? と言うことは結婚して子ども産んだら、何があっても離婚できないということ?』『夫と離婚や死別したシングルマザーは恋できないの? 1人で子ども育てろってこと?』と、子どもながらに考えたことを思い出しました。きっと、野島氏は保守的な考えの方なのでしょう。時代錯誤な考えをまだお持ちで、それを同作でも入れてくるとは、本当に残念です。

 また、もうひとつ強く思ったのが、セリフが古臭く寒い。一番それが色濃く出たのが、結婚が破談になった理由を明かしたももを、直人は「喜怒哀楽」という四字熟語を使って励まそうとするシーン。「愛していたら憎まない、憎めないんです。あなたのように。愛があるから」とまるで金八先生のような取ってつけたようなセリフをいい、ももを「あなたはいい女だ」と助言。さらに周りもその言葉に同調して「めちゃくちゃいい女だよ」「さっきの子どもの考え方も正義感強くて!」というんです。元婚約者にまとわり付いて接近禁止令が出ているももに……。「説得力ねぇ~(笑)。何言ってんだ? こいつら」って感じで、寒い! 悪寒が襲ってくるほど寒いです!

 こんな寒くて古臭いセリフを今後も続けられると思うと、最悪としかいいようがありません。野島氏はもう少し、現代日本を知ったほうがいいのではないでしょうか?

■ストーリーのテンポの悪さに離脱者続出!

 番宣で「伏線がいっぱいある」と石原が言っており、その部分を楽しみにみていたのですが、伏線の前に、話の内容が意味不明。華道家と自転車屋の恋なのに、直人が引きこもりの少年を預かるシーンが出てきたり、その子に自転車で日本1周に出ることを促したりと意味のないシーンが出てきて、一体何が言いたいのかわからない……。視聴者は何とか、同作の概要だけでもつかもうとしているようで、ネット掲示板ではいろいろと補足情報が飛び交う状態になっていました(笑)。

 また、いろいろ内容を入れすぎて、肝心のメインストーリー部分のテンポの悪さに困惑する人も出ており、早々に「つまらない!」「面白くない!」と離脱する人が続出。さらに、「今週は最後まで見たけど、来週以降は見ない」という人もたくさんいる状態。もしかしたら同作で高視聴率を出すのが“高嶺の花”なのかもしれません!

 以上、1話のレビューでした。

 貶してばかりですが、石原の妹・なな役の芳根京子は、本当にかわいく、役柄に合っている感じがしました。離脱者が続出しており先行き不安ですが、2話で持ち返すことに期待し、放送を待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)