幸せとはきっと、大切ななにかに気づくこと――佐々木蔵之介主演ドラマ『黄昏流星群』第9話

(前回までのレビューはこちらから)

 12月5日に放送された『2018 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)に、中山美穂が出演した。披露したのは、1986年のヒット曲「WAKU WAKUさせて」と、1992年に中山美穂&WANDSとして発表した「世界中の誰よりきっと」の2曲。ドラマ『黄昏流星群』(同)の展開が佳境に入っている中、役の上での彼女の心境を表したような選曲に、思わず唸らされた。

 ドラマはいよいよ第9話、中山美穂演じる真璃子が大きな決断を下す展開だった。

 前回の放送のラスト、車の中で抱き合った真璃子と日野(ジャニーズWEST・藤井流星)。しかし、真璃子が途中で拒んだため、それ以上の関係に進むことはなかった。

 「弱っている者同士は、こんなふうに抱き合ってはいけない」

 真璃子はそう言って、日野と、そして自分の気持ちを押し止めたのだ。

 その頃、完治(佐々木蔵之介)は、銀行への復帰を打診されていた。出世コースに戻れるのは願ってもないことだろうが、出向先での新しい仕事にやりがいを感じていた完治は、戻るべきかどうかと思い悩む。

 そんな完治の思いとは裏腹に、夫が銀行に戻れそうだと知った真璃子は、家を出ていくことを告げる。理由を尋ねる完治に、栞(黒木瞳)との関係を知っていることを告白する。そう言われた完治は、真璃子が家を出ていくことを受け入れるしかなかった。

 真璃子が別れて暮らすことを決断した理由は何だったのだろう? 彼女は何を手に入れたかったのか?

 娘である美咲(石川恋)の駆け落ち、夫の浮気、「子供を育て家庭を守る」ことに専念していた自分に対し、自由に生きている彼らが羨ましくなったのかもしれない。自分が生きていく中で、どうありたいのかということに気づいた結果の行動なのだろう。

 一方、完治との別れを決断した栞は、荻野倉庫を辞め、漁港で働き始めていた。「なぜこんなところで働くのか?」と問われた彼女は、「海が好きだから」と答える。だが、彼女は、本当は山が好きだったはず。完治との思い出を消し去るために、都会でもなく、山でもなく、海に向かったのかもしれない。そして、彼女は医師から糖尿病と診断され、失明の恐れがあるとも指摘されていた。病魔に蝕まれながら、懸命に働くしかなかったのだ。

 完治の出向元の若葉銀行では、不正融資の問題が起きているという。真偽を確かめるため、同期の井上(平山祐介)と会い話をするが、特に問題はないと答えるだけだった。妻との別居、不倫、娘の駆け落ち、全てを話す完治に、井上は言う。

「人生でいちばん大事なのは仕事じゃない。人間だ」

 彼は何かを抱えている。そして気づいたのだろう。人との出会いが、人生を大きく左右するということに。

 荻野倉庫では、銀行への復帰を迷う完治に、課長の川本(中川家・礼二)が、「あなたにしかできない仕事が待ってる」と背中を押す。その声に勇気を得た完治は、銀行へ戻り、不正融資問題の対策に取り組む。その不正融資には、井上が大きく関与していた。

 家を出た真璃子は、友人の聡美(八木亜希子)の家にいた。聡美は、交際していた須藤(岡田浩暉)と結婚するという。居づらさを感じた真璃子は、時間つぶしに街をさまよう。そこで偶然日野と再会する。

 日野は弱っていた。母・冴(麻生祐未)の介護に疲れ、生活も荒れていたのだ。見かねた真璃子は、日野の家に行き、介護を手伝うことにする。

「娘が迷惑かけたことへの罪滅ぼし」という真璃子だが、実際の気持ちはどうだったのだろう。他に居場所が無くなったこともある、日野に息子のような気持ちを抱いているのかもしれない。しかし、明らかに、彼に対する愛情も感じていたはずである。

 真璃子に対し冴は、日野の子供の頃の話をする。愛おしい息子。自分の人生をかけて育ててきた彼の大切さをわかってもらうためだろうか。あるいは、息子との“関係”を疑い、真璃子に、親子ほど歳が離れていることを感じさせるためだろうか。いずれにせよ、冴は、ガンに体を侵され、先が長くないことを知っている。自分のために息子がダメになるのを見たくない。そのためにホスピスに入るという決断をする。

 息子に醜い姿を見せたくない、彼の前では美しくいたい、というのは、まるで恋人に向けたような言葉だ。母親の息子に対する、少し過剰な気持ちが見え隠れする。

 ドラマの終盤では、命に関わるシーンが交錯する。

 家でアイロンを掛ける真璃子の姿を見て、日野は言う。

「このまま時間が止まればいい。母の病気もこれ以上悪くならず、真璃子さんもここにいて……」

 でも、誰も時間を止めることはできない。命を永遠に得ることもできない。

 そして、若葉銀行では、不正融資に関わった人のヒアリングを行う中、中心人物と見られていた井上が、飛び降り自殺を図る。

 漁港で働く栞は、視野が狭くなっていくのを感じる。

 それぞれの希望と絶望が渦巻いて、ラストに向かって収束していく。息詰まるような展開は見ごたえがあった。

 以前から、このドラマには中高年世代に刺さるような、懐かしい演出があることは述べてきた。今回中山美穂の歌番組出演があり、奇しくもその曲の内容とリンクするような感覚が味わえた。もちろん、それを想定して脚本を作ったわけではないだろうが、歌番組側では、ドラマの内容を承知した上で、披露する曲を決めたという理由はあったのではないかと思う。

「世界中の誰よりきっと」の主人公は、最後に本当に愛していた人と出会い、幸せを手にする。一体、今回のドラマで幸せを掴むのは誰なのだろう。

 最終回を残すのみとなったが、完全なハッピーエンドというのは想像しにくい。誰かが幸せになれば、誰かが孤独になる。そんな複雑な人間関係になっているからだ。その関係の糸を少しずつたどりながら、それでもみんなが幸せに向かって歩いていく――。そんなラストを期待したい。

(文=プレヤード) 

幸せとはきっと、大切ななにかに気づくこと――佐々木蔵之介主演ドラマ『黄昏流星群』第9話

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 12月5日に放送された『2018 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)に、中山美穂が出演した。披露したのは、1986年のヒット曲「WAKU WAKUさせて」と、1992年に中山美穂&WANDSとして発表した「世界中の誰よりきっと」の2曲。ドラマ『黄昏流星群』(同)の展開が佳境に入っている中、役の上での彼女の心境を表したような選曲に、思わず唸らされた。

 ドラマはいよいよ第9話、中山美穂演じる真璃子が大きな決断を下す展開だった。

 前回の放送のラスト、車の中で抱き合った真璃子と日野(ジャニーズWEST・藤井流星)。しかし、真璃子が途中で拒んだため、それ以上の関係に進むことはなかった。

 「弱っている者同士は、こんなふうに抱き合ってはいけない」

 真璃子はそう言って、日野と、そして自分の気持ちを押し止めたのだ。

 その頃、完治(佐々木蔵之介)は、銀行への復帰を打診されていた。出世コースに戻れるのは願ってもないことだろうが、出向先での新しい仕事にやりがいを感じていた完治は、戻るべきかどうかと思い悩む。

 そんな完治の思いとは裏腹に、夫が銀行に戻れそうだと知った真璃子は、家を出ていくことを告げる。理由を尋ねる完治に、栞(黒木瞳)との関係を知っていることを告白する。そう言われた完治は、真璃子が家を出ていくことを受け入れるしかなかった。

 真璃子が別れて暮らすことを決断した理由は何だったのだろう? 彼女は何を手に入れたかったのか?

 娘である美咲(石川恋)の駆け落ち、夫の浮気、「子供を育て家庭を守る」ことに専念していた自分に対し、自由に生きている彼らが羨ましくなったのかもしれない。自分が生きていく中で、どうありたいのかということに気づいた結果の行動なのだろう。

 一方、完治との別れを決断した栞は、荻野倉庫を辞め、漁港で働き始めていた。「なぜこんなところで働くのか?」と問われた彼女は、「海が好きだから」と答える。だが、彼女は、本当は山が好きだったはず。完治との思い出を消し去るために、都会でもなく、山でもなく、海に向かったのかもしれない。そして、彼女は医師から糖尿病と診断され、失明の恐れがあるとも指摘されていた。病魔に蝕まれながら、懸命に働くしかなかったのだ。

 完治の出向元の若葉銀行では、不正融資の問題が起きているという。真偽を確かめるため、同期の井上(平山祐介)と会い話をするが、特に問題はないと答えるだけだった。妻との別居、不倫、娘の駆け落ち、全てを話す完治に、井上は言う。

「人生でいちばん大事なのは仕事じゃない。人間だ」

 彼は何かを抱えている。そして気づいたのだろう。人との出会いが、人生を大きく左右するということに。

 荻野倉庫では、銀行への復帰を迷う完治に、課長の川本(中川家・礼二)が、「あなたにしかできない仕事が待ってる」と背中を押す。その声に勇気を得た完治は、銀行へ戻り、不正融資問題の対策に取り組む。その不正融資には、井上が大きく関与していた。

 家を出た真璃子は、友人の聡美(八木亜希子)の家にいた。聡美は、交際していた須藤(岡田浩暉)と結婚するという。居づらさを感じた真璃子は、時間つぶしに街をさまよう。そこで偶然日野と再会する。

 日野は弱っていた。母・冴(麻生祐未)の介護に疲れ、生活も荒れていたのだ。見かねた真璃子は、日野の家に行き、介護を手伝うことにする。

「娘が迷惑かけたことへの罪滅ぼし」という真璃子だが、実際の気持ちはどうだったのだろう。他に居場所が無くなったこともある、日野に息子のような気持ちを抱いているのかもしれない。しかし、明らかに、彼に対する愛情も感じていたはずである。

 真璃子に対し冴は、日野の子供の頃の話をする。愛おしい息子。自分の人生をかけて育ててきた彼の大切さをわかってもらうためだろうか。あるいは、息子との“関係”を疑い、真璃子に、親子ほど歳が離れていることを感じさせるためだろうか。いずれにせよ、冴は、ガンに体を侵され、先が長くないことを知っている。自分のために息子がダメになるのを見たくない。そのためにホスピスに入るという決断をする。

 息子に醜い姿を見せたくない、彼の前では美しくいたい、というのは、まるで恋人に向けたような言葉だ。母親の息子に対する、少し過剰な気持ちが見え隠れする。

 ドラマの終盤では、命に関わるシーンが交錯する。

 家でアイロンを掛ける真璃子の姿を見て、日野は言う。

「このまま時間が止まればいい。母の病気もこれ以上悪くならず、真璃子さんもここにいて……」

 でも、誰も時間を止めることはできない。命を永遠に得ることもできない。

 そして、若葉銀行では、不正融資に関わった人のヒアリングを行う中、中心人物と見られていた井上が、飛び降り自殺を図る。

 漁港で働く栞は、視野が狭くなっていくのを感じる。

 それぞれの希望と絶望が渦巻いて、ラストに向かって収束していく。息詰まるような展開は見ごたえがあった。

 以前から、このドラマには中高年世代に刺さるような、懐かしい演出があることは述べてきた。今回中山美穂の歌番組出演があり、奇しくもその曲の内容とリンクするような感覚が味わえた。もちろん、それを想定して脚本を作ったわけではないだろうが、歌番組側では、ドラマの内容を承知した上で、披露する曲を決めたという理由はあったのではないかと思う。

「世界中の誰よりきっと」の主人公は、最後に本当に愛していた人と出会い、幸せを手にする。一体、今回のドラマで幸せを掴むのは誰なのだろう。

 最終回を残すのみとなったが、完全なハッピーエンドというのは想像しにくい。誰かが幸せになれば、誰かが孤独になる。そんな複雑な人間関係になっているからだ。その関係の糸を少しずつたどりながら、それでもみんなが幸せに向かって歩いていく――。そんなラストを期待したい。

(文=プレヤード) 

戸田恵梨香『大恋愛』サイコホラーと化した小池徹平の“ウザさ”に救いは訪れるか

 先月30日に放送されたドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)の第8話、視聴率は8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と再びダウン。ロマンティックなビッグ・ラブを求める層からは完全に見放されたようです。

 何しろ、6話から登場した小池徹平の存在が重いし、ウザいのよね。特に、ステキな恋愛劇に没頭してニヨニヨしようと真剣に見ていた方面からすると、もうジャマでジャマでしょうがないと思う。急にサイコホラーですからね。

 けっこう珍しいな、と思うんです。難病を扱うフィクションで、その患者さんを「迷惑な存在」「主人公たちに危害を加える存在」として描く作品というのは。

 たいてい物語の中で病人や精神障害者というのは、不幸な境遇と引き換えに「でも心は美しい」とか「純粋なんだよ」みたいな感じで登場するのが定番ですが、今回、主人公の尚ちゃん(戸田恵梨香)と同じMCI(軽度認知障害)患者として登場した松尾(小池)は、それこそ視聴者離れを起こすほどに嫌な、不快で邪魔な存在として描かれました。

 今回はそんな松尾が尚ちゃんと真司くん(ムロツヨシ)夫婦をひっかき回し、ドラマから一時退場するまでが描かれました。振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■おぅ、なかなか破壊力のあるセリフを……

 真司くんとの子どもを作る決心をした尚ちゃん。食卓には特大肝入りの肝吸いを添えた鰻重を並べ、基礎体温チェックにも余念なし。さすが、産科医だけあって“子作り”に関しては知識も情熱も常人並みではありません。

 ベッドの方でも情熱的なようで、事後には「今日、密度濃かったから……」と、なかなかに破壊力(エロ方面)のあるセリフを聞かせてくれます。もちろん、真司くんもデレデレです。

 一方、MCIからアルツハイマー病になった尚ちゃんの病状は、進行の一途をたどっています。部屋中に物忘れ防止用の付箋が貼り付けられ、梅干しおにぎりを作ったつもりも梅干しを入れ忘れ、もちろんベッドでの真司くんとのピロートークも、翌朝になればキレイさっぱり忘れています。

 そんな尚ちゃんの心のスキに付け込もうとしているのが、自称“唯一のMCI理解者”松尾です。いつの間にか尚ちゃんを「尚」とか呼び出すし、「僕らは健康な人と対等じゃいられないんだよね……」など、遠い目で共感を求めてきたり。あげく「死ねば、永遠にきれいなままでいられるんだ……」と無理心中まで示唆してきます。

 ここまで、松尾の目的は、いかにも不明瞭でした。同じ病気の尚ちゃんと出会って、驚かせて失神させて、尚ちゃんの病気が進行したら喜んで、意識のない尚ちゃんにキスしたり、旦那である真司を無駄に煽ったりしていましたが、「で、何がしたいねん」の部分はよくわからなかった。それが松尾という人物の不快な印象に拍車をかけていたわけですが、今回、はっきりと語られました。

 一緒に死にたかったんですね。死ねば永遠だから、美しいままでいられるから、同じ病気の人と死にたい。

 そんな松尾に対し、すでに真司くんや尚ちゃんママ(草刈民代)、主治医・井原先生(松岡昌宏)は“危険人物”として警戒を強めていますが、尚ちゃん本人はいたって無防備。それどころか、松尾の「対等じゃない」という言葉がやけに心に残ってしまい、それが原因で真司とケンカになったりします。そんなこと言われたの、忘れちゃえばいいのに、いろいろ大切なことは忘れても、こういうのは憶えてるところが病気の難儀で。

 家を飛び出した尚ちゃん、夜の街をひとり見下ろしながらポロポロと涙を流していると、クルマで尾行してきた松尾が睡眠薬をしこたま溶かしたコーヒーを手渡し、車内に誘います。

 真司くんは姿を消した尚ちゃんに電話をかけますが、尚ちゃんのスマホはなぜか冷蔵庫の中で呼び出し音を鳴らすばかり。それを手に取って夜の街に駆け出すと、2人の思い出の橋に差し掛かったころに「松尾さん」からコールが。

「ははははははは真司だー」

 今日一番のサイコっぷりを見せた松尾。真司くんを呼び出すと、

「尚は別の世界に行ったよ(逝ったよ)」

「あんたにとって尚ちゃんは小説の道具だろ」

「あんたは尚を利用して自己実現してるだけだよ」

「観察すればいい、僕たちの純愛を書けよ美しく永遠になっていく結末まで、あんたが書けよ、書けよ!」

 肝心の尚ちゃんは松尾カーの助手席で気を失っていたようでしたが、実はコーヒーを飲んでおらず、正気でした。「死にたい」とか言ってた松尾を、それなりに警戒していたようです。

 思わぬ“裏切り”にショックを受ける松尾を、なんかわりと正論ぽい言葉で諭した尚ちゃん。松尾もなんかわりとあっさり納得して、どこかへ行ってしまいました。

 そんなわけで、その日も子作りに励む真司くんと尚ちゃんでした。今夜放送の第9話では、いよいよ出産するようです。

■“本質”は描き切れたか

 先日、戸田さんが番組のインスタライブで、「7・8話あたりを見ないとアルツハイマーの本質は見えないし、最終回が成り立たない」といった発言をしていました。最終回にも松尾は登場しますので、松尾の存在こそがこの作品の本質ということのようです。

 展開そのままに解釈すれば、その本質とは「記憶を失うことがつらい」ではなく「病気により周囲の理解を失う」「孤独になる」ことのほうがつらいのだということでしょう。

 実際、松尾の振る舞いはほとんど理解不能でしたし、自ら理解を拒み、孤独を志向する様子がありました。病人という立場からの「病人は小説の道具だろうが」という正論は真司くんを打ちのめしましたし、何をやっても「ボク、病気なんで憶えてないです」と病気を利用する姑息さも描かれました。

 例えば、渡辺謙がアルツハイマー患者を演じた映画『明日の記憶』(2006)では、ほとんど記憶を失った主人公の周囲に「それでも寄り添ってくれる家族がいる」という事実が救いとして語られています。一方で今回の松尾には、どうにも救いがなさそうで、その救いのなさこそがドラマに得も言われぬスリルを生み出していたんですが、なんだかヌルッと退場させたな、というのが素直な印象でした。「MCIだかWaTだか知らんが地獄に堕ちろクズが!」と視聴者に思わせる展開を作ったわりに、さほど説得力を感じない説得によって、松尾は尚ちゃんのことをあきらめちゃった。

 このへん、最終回に向けての伏線もあるのでしょうけれど、松尾メインで見ていただけに物足りなく感じたのが正直なところです。

 

■それにしても脂の乗り切ったムロ&戸田コンビ

 ムロさんと戸田さんの演技合戦は、あいかわらず充実しています。たぶん、演出部の要求以上のことをしていると思う。今回印象に残ったのは、真司くんの小説『脳みそとアップルパイ』の続編のタイトルについてのやりとりです。

 真司くんは、続編のタイトルについて「決まったら最初に尚ちゃんに相談する」と約束していました。そしてベッドの上で、「『もう一度第1章から』って、どう思う?」と、約束通り尋ねました。

「すごくいいと思う!」

 大喜びの尚ちゃん。真司くんが「ホント?」と聞き直すと、もちろん「うん」と。

 でも、この「うん」の発声が、ちょっとボヤけてるんです。ちょっとだけ引っかかる程度にボヤけてる。見逃してもいいくらいのボヤけ。

 その後、尚ちゃんはそのことを忘れてしまい、2人はケンカになります。ここで「ホント?」「うん」のちょいボヤけが、完全に伏線として機能しました。あー計算してた! みたいな。

「続編のタイトルだって、最初にあたしに教えてほしかったのに!」

「言ったよ!」

「聞いてない!」

 癇癪を起した尚ちゃん。ここでの真司くんの一瞬の表情がすごかったんだ。

「言ったじゃねえかよバカ野郎! なんで憶えてねえんだよ!(ブチ切れ)」→「憶えてねえのか、そうか、病気か、病気だった(思い出し)」→「だからって、こんな大切なことまで忘れることねえだろ!(蒸し返し)」→「しかも自分が忘れてるくせに人のせいにしやがって!(激昂)」→「でも病気なんだ、しょうがないんだ(思い直し)」→「なんで尚ちゃんにだけ、自分たちにだけこんな悲劇がのしかかるんだ(悲しみ)」→「それでも生きていこう。2人で。俺がしっかりしなきゃ(決意)」

 くらいの感情の流れを1拍の中に納めてからの「言ったって……」という返し。まあそこまで具体的じゃないけど、そういうことを表現したこのときのムロツヨシの顔面動作は、すさまじかったです。ちょっと見てて泣いちゃうくらい。何しろ2人のお芝居が達者なので、単純に楽しいです。

 あと、今のところどう機能していくのかまったくわからない松岡昌宏と草刈民代のベッタベタな『黄昏流星群』的関係も、行く末が楽しみです。はい。今日を含めて、あと2話だって。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

『忘却のサチコ』サワークリームのような甘酸っぱい葉山奨之に母性を刺激される……今回はロシア料理!

 グルメだけにとらわれない新感覚グルメドラマ『忘却のサチコ』(テレビ東京系)。第8話は幸子(高畑充希)を想う後輩の気持ちが、さらに膨らんだ模様。振り返りましょう。

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■大和田伸也、ふたたび

 ライバル誌に大物作家・有村(大和田伸也)の作品掲載を奪われてしまった幸子が編集者を務める文芸誌「さらら」。担当編集者である小林(葉山奨之)がSNSで有村と接している知った編集長(吹越満)は、「ちゃんと会って話さないとコミュニケーション取ってることにならないでしょ?」と注意するが、「わざわざアポとって対面するのって非合理的じゃないですか?」と言い返す“ザ・イマドキノワカモノ”な小林。

 第3話でモンスター新入社員として登場した頃を彷彿とさせる。

 以前より社会人として「まとも」になったように見えていたが、先輩(幸子)との会話中に会社近くで長崎物産展をやっていたから買ったというカステラを広げ、食べ出すなど、相変わらずのマイペースぶり。

 そういえば初登場した時も会社の冷蔵庫を熊本名物「いきなり団子(だご)」で埋め尽くし幸子に注意されていた。

 おそらく意味はないのだろうが、やけに九州の銘菓ばかり食べてるのが気になる。

 

■長崎カステラで宮崎を思い出してしまう幸子

 小林の教育係で、かつ、有村の前・担当者だった幸子は「有村奪還」に向けて動き出すも、カステラ→長崎→九州→宮崎→俊吾さん(前回宮崎旅行中に再会した)と多少強引な連想ゲームで俊吾さん(結婚式当日に失踪した元・新郎=早乙女太一)を思い出し苦しむ。

 たまらず小林のカステラを一切れもらい、「忘却」を試みる幸子。何度もいうが、幸子は美味しいものを食べているときだけ俊吾のことを忘れられる体質だ。

 ザラメ砂糖の甘さや、ふわふわの食感に酔いしれる、そんな幸子を幸せそうに見つめる小林。彼は今、幸子に片思いしており、三角関係が形成されつつある。

 そんな小林の気持ちなどつゆ知らず、さっそくSNSの投稿から、4時間後にバー「ノクターン」に有村が現れると分析する探偵幸子。

 有村が「SNSに上げた写真のお店と日付と時間を全て書き出し、統計を取った結果」から割り出したという。それが実際当たっているからすごい。

 生真面目すぎる奇人ぶりがクローズアップされがちだが、社員として実にデキる人だ。

 

■王道の展開で光る母性キラー・葉山奨之

 そして、今回そんな幸子の「ライバル」として登場したのが、有村をたぶらかし作品掲載を奪ったライバル誌「月刊スピカ」の尾野(佐藤めぐみ)。

 オンナ丸出しでベタベタと接し、ホステスのように有村をたぶらかす尾野に対し、「今回の作品、物足りなく感じました」と気持ちをまっすぐにぶつける幸子。

 担当でもないくせにと尾野に詰め寄られるも、担当ではないが先生の作品を愛していると、曇りのない眼で真摯に訴える。

 それでいて「ファンである以前に編集者でありたいと思っています。作家の可能性を最大限に引き出すのが編集の仕事です。今回の作品に関しては書き直しをお願いしてもよかったのではないかと思っています」と踏み込む。

 怒ると思われた大物(有村)が、しっかり意見を言ってくれる主人公(幸子)を好意的に受け入れ、ライバル(尾野)が悔しがるという王道のパターン。

 危なっかしくも頼もしい幸子の活躍を、横でハラハラしながら見守る後輩・小林の目線がいい。

 葉山奨之は『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(フジテレビ系)で上手いんだか下手なんだかわからない悪人役で存在感を見せていたが、こういう少しダメなイマドキな若者役が一番ハマると思う。原作のイケメン小林よりもかわいさが強いのは、葉山だからだろう。なんというか、母性を刺激するオーラがにじみ出ている。

 そう言えば『モンテ・クリスト伯』でも、自分を赤ん坊の頃に生き埋めにした実の母・稲森いずみの母性を歪んだ形ではあるが刺激しまくっていた。

■鈍感なサチコ

 結局、有村から次回の作品掲載の約束を取り付けた幸子は、小林に誘われロシア料理の店に。いわば祝杯だ。

「注文は任せてもらっていいですか?」

「苦手なものとかないですか?」

 小林は片思いしてる幸子とご飯ができる幸せに満ち溢れている。吊り橋効果的なものもあったであろうから尚更だ。

 ピロシキを食べてみたいと考える幸子の気持ちを汲んで「ピロシキは絶対に頼みますね」と言う小林。驚く幸子。

「なんでわかったんですか、私が考えていること」

「それくらい、ちょっと考えたら誰でもわかります」

「みんなそうなんでしょうか……私は今まで相手が何を食べたいかなんて考えたことなかったです」

「僕だって普段はそうですよ」

 実は不器用な2人が、いつも以上に距離の近い会話を自然としてるのが微笑ましい。

 そしてさりげなく幸子への気持ちを口にしている小林だが、こういうことに鈍感な幸子にはまるで届かない。

 小林にはデート、幸子には食事なのだ。

 結局このときも、幸子は俊吾のことを思い出していた。それでも幸子を喜ばそうとメニューを説明する小林が健気だ。

 モンスター後輩だったくせに、感情移入させられるとは少し悔しい。

 

■怒涛のサワークリーム

 まずやってきた皿は「ペリメニ」。小麦粉の皮でひき肉を包んで茹でたロシアの水餃子とのこと。

 ロシアにも餃子が……と幸子は驚いていたが、中国の周りの国には、必ずと言っていいほど餃子っぽい料理が存在する。モンゴルには「ボーズ」という蒸し餃子、ネパールには「モモ」という水餃子が有名だからあの広大なロシアに餃子があるのも頷ける。

 ソースにサワークリームを使っているとのことだが、今回のこの店は「フランス風ロシア料理」とのことで、さらにラタトゥーユまで添えてある。

 フランス風ロシア料理だから馴染みやすいというニュアンスで紹介されていたが、ロシア料理どころかフランス料理すらまともに食べたことがない筆者的には、あまり響かず、なんならサワークリームと聞いてプリングルスのサワークリーム&オニオンを想像してしまう始末。お恥ずかしい。

 続いてピロシキやボルシチなど定番をたいらげ、そしてメインのビーフストロガノフが。

 ハヤシライスとは完全に別物の、でかいビーフがゴロゴロした豪華なやつから湯気が立ち込める。

 ここにもサワークリームが入ってるし、ボルシチにもしっかり添えられていた。日本でいう醤油とか味噌みたいな感覚なのだろう。

 厳密には、本来のロシア料理でよく使うのは「スメタナ」という発酵食品で、実はサワークリームとは別物らしく、こちらはこちらで気になる。ぜひプリングルスで出してほしい。

 一口食べる度に新しい味がどんどん出てくるこの味を「味のマトリョーシカ」を表現する幸子。

 美味しいもの食べている時の幸子は無言ながら、脳内は実に饒舌だ。今回は美味しすぎて幸子の背景にコサックダンスをする群勢が登場。この恒例になりつつある変な効果のシーン、大好きです。

 

■深まる俊吾の謎

 終盤、有村争奪戦に負け悔しがるライバル・尾野が「次会ったら絶対復讐してやる!」と叫ぶなど、割とオーソドックスな展開が目立った回だったが、気になるのはやはり俊吾さんの謎。

 幸子の回想によると、俊吾は入籍を決めていた日が一粒万倍日(一つのいいことが数万倍になるくらい幸運な日とされてる、入籍には大変適した日)だと知り、その日に悪いことをしたらどうなるのか気にしていた。幸子いわく「もちろん数万倍になります」とのことだが、その直後、何かを言おうとしてした俊吾。

 幸子に遮られそれは聞けなかったのだが、あのとき何を言おうとしていたのか? 幸子も今更ながら気にしていた。

 帰り際、本当はオールで幸子と過ごしたい気持ちが見え隠れする、まるでサワークリームのような甘酸っぱい小林と、駅まで急ごうとする何も感じていない幸子。

「本当はちょっと落ち込んでたんです。ありがとうございました。」

 と、理屈屋のくせに素直にしっかり礼をいう小林に、最後まで母性をつつかれる。筆者は中年男性なのに。

「小林さんが有村先生の最高傑作を持ってきてくれるのを楽しみに待っています。」

「早く佐々木さん(幸子)を安心させられるよう頑張ります。」

 こういうのを見せられると、小林と上手くいってほしいと素直に思ってしまう。無理だろうけど、まずは阿部先生(原作者)お願いします。

 そして、第9話には原作に忠実な、あのジーニアス黒田先生(池田鉄洋)が再登場。笑わせてくれつつもホロリとさせられそうな予感が……楽しみです。
(文=柿田太郎)

『獣になれない私たち』新垣結衣が社長に爆発も、獣になれず……視聴者「もう期待できない」最終回目前で離脱!?

(これまでのレビューはこちらから)

 新垣結衣主演ドラマ『獣になれない私たち』(日本テレビ系)の第9話が12月5日に放送され、平均視聴率7.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 前回から2.8ポイントもダウン! 最終回目前ですが、やはり暗すぎの上にまったく進まない内容のために視聴者から「このドラマはもういい!」と見放されてしまったのでしょうか!? ん~最終回はどうなるのか。少し心配ですね。

 ではでは、今週もあらすじから振り返っていきましょう!

■晶と恒星、ついに“ラブ”が生まれる!?

 会社の待遇改善に乗り出した晶。その甲斐あって、社員のモチベーションが上がり、新人の朱里(黒木華)も会社になじんできた。そんな中、九十九社長(山内圭哉)が晶は営業部長、朱里は社長秘書に任命。2人は九十九社長からパワハラのような仕打ちを受ける。

 一方、呉羽(菊地凛子)は恒星(松田龍平)とのハグ写真が週刊誌に掲載されてしまいマスコミから追われる身になってしまう。

 そんな中、京谷の母・千春(田中美佐子)が突然上京してきて京谷の自宅へ向かうも、朱里と鉢合わせ。びっくりした朱里は晶の自宅へ逃げてくるものの、そこでも千春と鉢合わせしてしまい、晶を入れた3人で話し合うことに。これまでのいきさつを知った千春は京谷に呆れるばかり。しかし一方で、朱里には「あなたにつらく当たってしまってたかも。ごめんなさい」と謝罪し、嫌われていたと思っていた朱里は安堵。3人仲良く飲み始めた。

 翌日、晶と朱里は仲良く会社に出社するも、九十九社長の扱きがさらに酷くなる。それに耐える朱里と何とか朱里に頑張ってほしいとバックアップする晶。しかし、朱里は重大なミスをしていまい、会社を無断欠勤。晶の前からも消えてしまう。

 朱里を助けられず、ショックを受ける晶。しかし、九十九社長はいなくなった朱里の悪口を言い続ける。そんな九十九社長に晶はついに爆発するも、「だったら会社を辞めろ」と言われ、「すみませんでした」と謝罪してしまう。

 さらにショックを受けた晶は恒星に愚痴る。しかし、恒星も粉飾決算を断れず、自暴自棄に。そんな2人は傷を舐めあうかのように、一夜を共にしてしまう、と言うのが今週のストーリーでした。

■モヤモヤが解決せず、最終回へ……視聴者「もう期待できない」

 今回、これまでまったく進まなかった反動からか、展開が盛りだくさん!(あらすじが長くなってしまいました)。しかし、この展開の多さが、ネットでは不評の嵐。「ついていけない!」「なんか全体的に薄くない!?」との声のほか、「脚本が投げやりすぎ」との指摘も。確かに、今まで進まなかった1~8話あたりに9話の内容を振り分けてもよかったような……。

 その上、晶がついに勤め先の社長に爆発して文句を言うんです。それに関しては「おお来た!」とネットも歓喜だったんです。しかし、社長に「だったら会社辞めろ」と言われ、晶はひるんでしまう(「おい! 胸ポケットに常に入れていた退職届、バーンってしろよ!」と思わずつっこんでしまいましたが……)という展開には「結局モヤモヤのままじゃん!」「元に戻っちゃった(苦笑)」とネットは激怒し、呆れ気味に。恒星の方も粉飾決算を断れず、朱里も仕事でミスして逃げちゃうし。詰め込んで無理やり進んだ展開が、結局振り出しに戻ってしまい、視聴者もガッカリしたよう。また、この展開から次回の最終回には「期待できない」との声、毎回放送を楽しみにしていたというファンからも「最終回がまったく楽しみじゃなくなった。こんなドラマ初めて」と苦情が(笑)。

 ガッカリを通り越して、最終回目前で見放された感が浮上した同ドラマ。もしかしたら、最終回は自己最低なんてこともありえそうな予感がします。

■晶と恒星の進む道は選択肢がひとつしかない!?

 今回、傷を舐めあうように、寝ちゃった晶と恒星。一応、放送開始前は「“ラブ”になるかもしれないストーリー」というキャッチフレーズがついていたんです。けど、今回寝ちゃったら、もう2人の関係にラブが生まれる道しか残されていないような……。

 今回の最後に晶の口から「間違えた?」なんてセリフが飛び出してましたが、仮に寝たのは間違えで、今後は友達のままなんていったら、ネットは大炎上するように思えるんですけどね(笑)。「セフレってこと!?」「そんな終わり方ってある?」なんて声が聞こえてくるのが目に浮かぶ(笑)。

 ちゃんとした終わり方になるのか。先にも言いましたが、後半になってちょっと投げやり感が否めない脚本となってきているだけに、まとまった結末を期待したいですね。

■恒星の話が別物すぎて……松田龍平いらない説浮上!

 前回、恒星の話が進み、兄弟仲が元に戻ったんです。が、しかし、今週その話が一切出てこなく、前回の恒星の話が別のドラマのように思えてくるんです。また、ドラマ全体を通してみても、メインは晶の会社や恋だから、恒星のストーリーってあまり関係ないし、必要がないんですよ。

 正直、恒星はいなくても話が進む、そんな存在なんです。ただ、スタッフの趣味でキャスティングしてぶっ込んだのかと憶測が飛びそうなくらいに必要なし! 今のところ、ただの晶のヤリ友要員状態です。

 こんななんじになるんだったら、いっそ、晶と朱里が同じ職場で働き始め一緒に奮闘し、そこに京谷を絡ませた三角関係のお仕事&恋愛ドラマにしたほうがよかったんじゃないでしょうか。これであれば、日テレが求めていた「新垣結衣の恋愛ドラマ」もバッチリだし、俳優のギャラも少なくてすんだのに……。

 まあ、残り1話で恒星がメインストーリーに絡んでくれればいいんですけど。そうなると、全体のストーリーが崩れてくるので期待はあまりしないでおきます。

 以上、9話のレビューでした。

 来週でついに最終回を迎える同ドラマ。正直、導入の1話と8・9話を見ただけでよかったような気分になったんですが……。しかし、ここまできたら最後まで見る覚悟! ちゃんと見届けましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

『中学聖日記』山小屋で熱列キス展開に視聴者歓喜も、「演出がベタすぎる」と失笑

(これまでのレビューはこちらから)

 有村架純主演ドラマ『中学聖日記』(TBS系)の第9話が12月4日に放送され、平均視聴率7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 前回から0.3ポイントアップするも、いまだ微妙な数字となっている同ドラマ。ん~、ネット掲示板では大盛り上がりしているのですが……、まったく数字には反映されていないようです。

 ではでは、あらすじから振り返っていきましょう!

■聖と晶がようやく……

 長年会っていなかった実父を探しに島へ向かった晶(岡田健史)。その後を追いかけるように聖は晶の乗るフェリーに乗った。島へ着き、無事、晶の実父・康介(岸谷五朗)に会えた2人。康介はとても優しい人で晶は安心する。

 一方、晶の母・愛子(夏川結衣)は、晶が家出したことを知り、「聖と一緒にいるのでは?」と推測。勝太郎に聖の居場所を聞きにいくも、その事実に勝太郎もびっくりした様子。「居場所は知らない」とその場は答えるものの、後に晶と聖が一緒にいると知り、愛子にそのことを告げる。

 その頃、聖はひとり森の中に行くもケガを負ってしまいその場から動けなくなる。聖がいなくなったと聞いた晶は雨の中必死に探しに。ようやく聖を見つけ、近くのコテージに避難したところ、そこで聖は晶に「好きだ」と告白。3年が経ち、やっと2人は気持ちが通じ合う。

 そんな中、愛子は聖の母親(中嶋朋子)に会いに行き……と言うのが今週のストーリーでした。

■愛子の執念が怖い!

 3年前の件で息子・晶と大きな溝が生まれてしまった愛子。なんとか晶の信頼を取り戻そうといろいろ努力するも空振りばかり。そんな中、晶が家出し、愛子は必死になって探すんですが、そこで「聖と一緒だ」と推測するんです。(まるで名探偵コナンのような推理力!)

 で、勝太郎に会いに行き、聞き込み。もうここまで来ると執念。正直、怖い! 息子が嫌うのもわかります。だって息子が嫌がることいっぱいしてるんだもん。ある意味“毒母”ですよ、この人。今回は勝太郎だけですが、前回は聖の住む町まで行って恋人になったばかりの男の前で嫌味言うんですから……。一度絡むと一生まとわり着く、しつこいおばさんですよ、これじゃ。それに自分と息子の仲がこじれたのも全部聖のせいにするという……。確かに聖のせいもあるけど、全部が全部ってワケじゃないし。(今回、不倫した母親に嫌悪感あると晶言ってましたしね)

 そこまで、聖をいじめていいのかと思っちゃう。さらに、今回の最後には聖の母親にまで会いに行って……。もう、母親の息子への執着心が怖すぎて、見てられない(笑)。見方によっては、登場人物の中で彼女が一番サイコパスなのかもしれません。

■一番かわいそうなのは原口

 勝太郎と付き合うことになった女上司・原口(吉田羊)ですが、相手が悪かったとしかいえないぐらいかわいそうな立場に。だってですよ。勝太郎から告白しておきながら、いつも聖のことばかり話しているんですからね。別れて3年経つというのに。

 一応、原口さんも真顔で勝太郎に文句言ってるんですけど、勝太郎は鈍感なのか、わかっておらず、また聖情報を言うというクズっぷりを発揮。

 で、今回ついに別れるんです。ドラマ前半では、聖と付き合っている勝太郎に迫る様子を見せてたため、「ウザい」「消えろばばあ」なんてネットでは言われてたんですが、今回は「こんな男とは別れたほうがいい!」「原口先輩、別れて正解!」なんて、手のひら返ししたような声が殺到。ん~、なんだかいろんな意味で、聖よりかわいそうな立場だったなと。

 で、次回は聖のためにひと肌脱ぐようで……。社会人としてダメな聖に、男としてダメな勝太郎、サイコパスすぎる黒岩親子と、登場人物が全員クズの中、一番の聖人はもしかしたら彼女なのかもしれませんね。

■脚本も演出もベタすぎる!

 2人で離島へ行った今回。そこで聖が森の中でケガをして遭難。そんな聖を晶が助けに行き、山小屋で告白してキスをするという、あまーい展開に。視聴者的には嬉しい展開となったのですが、同時に「演出がベタすぎる!」と失笑も声も殺到。

 確かに、森でケガして遭難しそうになって恋人に助けられる、その後山小屋でキスとか、トレンディドラマのようなベタな演出ですよね。平成がもうすぐ終わるっていうのに(笑)。でも、このくらいベタすぎる演出の方が、視聴者にはむしろわかりやすくていいのかもしれませんね。

 それに、ベタ演出をしたことで、視聴率とは真逆にネット掲示板は毎回、大盛り上がり。放送開始前後は大ブーイングの嵐だったのに……持ち返すとは! ここまで立ち直したTBSのドラマスタッフはすごいです。

 ただ、このベタ展開のままでいくと、“最終回までにくっつき、片方が死ぬ”というのが通常なのですが……。そうなると、ガッカリとの声が多くなるような予感。

 できれば、ハッピーエンドで終わらせてほしいと思うばかりです。

 以上、9話のレビューでした。

 次回、聖と晶が交際を認めてもらうために行動を起こすよう。期待して放送を待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

今夜最終回の『PRINCE OF LEGEND』、LDHお得意の“血の繋がらない兄妹”設定に視聴者大興奮!

「すべての女子たちの“シンデレラ願望”を叶える刺激的かつ極上のプロジェクト」として展開中のドラマ『PRINCE OF LEGEND』(日本テレビ系)も、いよいよ今夜で最終回。28日深夜放送の第9話では、14人の王子が出揃い、いよいよ“お祭り感”が増してきました。

 ということで、10話の放送を前に、まずはあらすじから振り返っていきたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

■Episode9「妹よ魂を叫べ この世の敵は俺が斬る」

 兄としてずっと果音(白石聖)を見守ってきた美容師王子の嵯峨沢ハル(清原翔)。「女は最高だ」と言い切る彼は天性のモテ男。落ちてる恋は逃さない、落ちてなくても逃さないそうですが、果音のことは、女としては見ていません。

 それは、4年前、果音の母が亡くなったとき。新聞配達やエキストラのバイトをして父の借金を返しながら1人で生活を始めた果音に、高校生だったハルはお小遣いを手渡そうとします。しかし、「タダより高いものはない。貧乏でも施しは受けない。お金は自分の力で稼ぐもの」と、母の遺言を守り、果音は受け取ろうとしませんでした。人に頼らず、自分の力で生きていこうと頑張る果音を、ハルはただそばで見守ってきました。

 しかし、最近果音にモテ期が来ていることに不安を覚えたハルは、事態を把握するために母校でもある聖ブリリアント学園に向かうことを決めます。

 そんな中、痴漢に遭った果音を心配したセレブ王子・奏(片寄涼太/GENERATIONS from EXILE TRIBE)は、転校初日、果音をアパートまで迎えに行き、一緒に登校することに。学園に着くと、ヤンキー王子の兄・尊人(鈴木伸之/劇団EXILE)と弟・竜(川村壱馬/THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)や、ダンス王子・天堂(吉野北人/THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)らが駆け寄ってきました。

「明日は俺が(迎えに行く)!」と揉める一同に、状況をわかっていない果音は「これってなんかのゲームなんですか? 私を落とせたら100万円もらえるとか」と一言。尊人は朱雀家の財産がかかっていると、うっかり口を滑らせてしまいます。それを聞いた果音は、

「私を幸せにするなんて余計なお世話です。私、これでも今、わりと幸せなんで」

と怒った様子で、校内に入っていってしまいました。そして理事長の実相寺(加藤諒)に呼ばれ、頼みごとをされます。

 一方、ハルは仲間のバーテンダー王子・翔(遠藤史也)、バンドマン王子のTAICHI(こだまたいち)とともに、学園へ。「Team3B」が集まり、全チームが揃ったところで、最終回へ。

■“血の繋がらない兄妹”がここにも

 3話で奏と尊人、そして竜が異母兄弟であることが明らかになったワケですが(レビューはこちら)、今話では、ハルが果音を妹のように可愛がっている、つまり血の繋がらない兄妹であることが明らかになりました。奏、尊人、竜が前作『HiGH&LOW』シリーズにおける雨宮兄弟ならば、ハルと果音は、スモーキーとララであるわけです。血の繋がらない兄弟だけでなく、兄妹まで、オタク心をくすぐる設定をこれでもかとぶち込んでくるLDHさん、期待を裏切りません。

 さて、「ヤるかヤらないかは別として、ハートは常にエロ」とサラッと言えちゃうくらいにチャラ男のハルですが、長かった果音の髪をハルがカットしてあげたり、河原で「女が好きだー!」と叫び、自分の本心をなかなかさらけ出さない果音に「バカヤロー!ふざけんなー!」と本音を吐き出させたり、見た目によらず、なかなかいいヤツです。

 視聴者たちも、「9話、嵯峨沢ハル無双だった」「ハルさんめっちゃいいお兄ちゃん」「胡散臭そ~と思っていた嵯峨沢ハルがこんな沼だったなんて……」「最高の兄妹」と、ハルのギャップにやられてしまったようす。

 ハルは果音への下心はないと否定していましたが、果音はハルに肩を抱かれても「はいはい」と適当にあしらうくらいで拒絶したりはしないし、距離感を感じさせるかたっくるしい敬語だって使いません。一緒に過ごしてきた時間があるからなのかもしれませんが、奏や尊人たちに見せる姿とは違って、ハルへの警戒心はゼロだし、一番心を開いているように思います。他の王子たちにとって、ハルは一番の強敵になりそうです。

 

■果音の真意は……?

 今話で全ての王子たちがそろったので状況を整理してみると、14人の王子たちの中で、聖ブリリアント学園で3年に一度行われる「伝説の王子選手権」に興味を示しているのは、“3代目伝説の王子”の称号を手に入れるべく脱サラして教師になった先生王子の結城理一(町田啓太/劇団EXILE)と、過去にモテたいがため出場するも敗退し、「モテと王子は一致しない」と学んだというハルだけ。「伝説の王子になる」という本来の目的のために選手権にエントリーするのはこの2人でしょう。

 奏も側近のメガネ王子・誠一郎(塩野瑛久)と下克上王子・元(飯島寛騎)から話を聞かされ、その存在は知っているものの、「勝負事には興味ない」と言い切っていました。

 最終回の予告で果音が「伝説の王子になった人と、お付き合いしようかな」と言っていましたから、果音目当てでエントリーするのが、奏、尊人、竜、天堂、生徒会長の綾小路(佐野玲於/GENERATIONS from EXILE TRIBE)の5人。

 誠一郎や元、金髪SP王子のガブリエル笹塚(関口メンディー/GENERATIONS from EXILE TRIBE、EXILE)ら7人は、それぞれ各チームのリーダーのサポートに回るために出場を決めることになるのでしょう。

 問題は、なぜ果音が理事長からの願いを聞き入れ、自ら王子選手権の切り札となったのか。王子たちに言い寄られるたび、「男の妄想、押し付けるのやめてもらえますか?」と、ブチ切れてきた彼女ですが、今話で奏が自分に近づいた目的を知ったとき、どことなく悲しそうな印象を受けました。今までなら、「ふざけんな!」と切れてもおかしくないのに……。

 奏のことが気になり始めていたのに本当のことを知ってショックを受け、吹っ切れたから理事長のお願いを受け入れたとか、そんなありがちな展開がこの作品にあるとは思えませんが、何か裏があることは間違いないので、最終回ではそのあたりにも注目したいところです。

 

■劇場版のヤバさがジワジワ……

 そういえば、最終回を目前に、映画版の新たな予告映像とポスタービジュアルが公開されたのですが、予告では尊人役の鈴木くんが拳を振るっていたし、ポスターには「胸キュン is DEAD」の文字とともに、武器らしき物を持った王子たちの姿が。はっきり言って、ヤバさしか感じませんし、『ハイロー』ではコブラが「拳だけじゃ解決できねぇ」と言っていましたが、乙女系作品なのに拳をぶつけ合うことになった『プリレジェ』、全くもって意味がわかりません。でも、とっても楽しみです。

(文=どらまっ子TAROちゃん)

高橋一生『僕らは奇跡でできている』は、育児に悩むママたちの“心の救済”ドラマ!? 支持されるワケは“媚びなさ”

 高橋一生の演技力を評価する声が続出しているドラマ『僕らは奇跡でできている』(フジテレビ系)。念のため触れておくと、11月27日放送の第8話の視聴率は、6.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と前回より0.8ポイントダウン。しかし、そのわりにドラマを見た子育て層からは、称賛の声が上がっているようです。

 一体何がママたちに刺さったのか、今回もあらすじから振り返っていきたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

■タコの謎と「奇跡」の話

「僕は山田さんから生まれたんですよね?」と、家政婦の山田さん(戸田恵子)に質問を投げかけた相河(高橋)。子供の頃、祖母に両親は星になったと言われていたものの、15年前の大学2年のとき、海外に行くためパスポートを取得した際、戸籍謄本を見て山田さんが母親であることを知ったそうです。

 でも、なぜ死んだはずの人間が家政婦としてまた現れたのか、いろいろな仮説を考えるうちにどうでもよくなり、山田さんにもそのことを言うつもりはありませんでした。相河は鮫島教授(小林薫)に相談したり、山田さんに料理を習うことになった水本先生(榮倉奈々)にアドバイスを求めますが、山田さんとはギクシャクしたまま。

 山田さんも山田さんで、義理の父であるおじいちゃん(田中泯)や鮫島教授の元に相談へ。教授には、「自分のことも、一輝のことも信じていないから、本当のことを言っても言わなくてもうまくいかない」と言われ、すべてを打ち明ける覚悟を決めます。

 その夜、山田さんは、相河の個性が欠点に見えていたこと、自分はダメな母親だと感じ普通の子に育てようと余計に頑張ったこと、相河が3歳のときに相河の父親が亡くなり追い詰められていたことを明かします。

 そして、相河が4歳の時、買い物に出かけたまま家には戻らず温泉へ行き、「明日は帰ろう、明日は帰ろう」と思いながらも帰ることができなかったそう。その後、相河が15歳の時におじいちゃんとバッタリ出会い「戻ってこないか?」という言葉で、母親としてではなく、家政婦として家に戻ってきました。

「母親だと一生名乗らないって決めました。それが、私が自分に与えた罰です」

 涙ながらに謝罪する山田さんをじっと見つめながら、自分も目に涙を滲ませ、静かに話を聞いていた相河は、自室に入っていきます。

 翌日、あの日山田さんが買い物に行ったのは、自分が「丸ごとのタコが見たい」と言ったからだと思い出し、おじいちゃんの元を訪ねた相河は、タコを買いに出かけようとした山田さんにおじいちゃんが「温泉にでも行ったら?」と2万円を手渡していたことを聞かされます。

 その夜、遅くに帰宅した相河は、山田さんに「ネコはネコ目なのに、イヌはイヌ目ではなくネコ目」と、動物の分類学の話を始めます。どちらも肉食で共通の祖先から枝分かれした生き物ですが、この分類上の呼び方は全く重要ではないとか。つまり、家政婦か母親かも全く重要ではなく、「重要なのは山田さんが存在していること」だそう。そして、自分が生まれる確率は計算しきれないほど奇跡的で、その奇跡の連続で自分が存在していることを熱弁しながら、

「山田さんから生まれてきて良かったです。山田さん、ありがとうございます」

 と、涙ながらに感謝を伝えます。そして一輝が釣ってきたタコを料理し、2人で美味しく食べるのでした。

■“ダメな母親”と悩んでいた山田さん

「自分が“先送り”が得意なのは、温泉に行って、明日帰ろう、明日帰ろうって思ってるうちに帰れなくなったという山田さんに似たから。それを聞いたとき、ちょっとうれしかった」

 嫌なことの象徴だったタコを釣って帰ってきた相河は、山田さんに言いました。

「僕にとってタコは、大好きの象徴だったんです。タコが食べられなくなるほど、あの頃の僕も山田さんのことを大好きだったってことですから」

 この言葉に、山田さんはどれだけ救われたことでしょうか。中には子どもを捨てた山田さんに対して批判めいた声もあるようですが、「誰にでも山田さんみたいになり得る可能性はある」「子育てに悩みがない母親なんて母親どこにもいない」「このドラマって母親をよく知ってるなと思う」「毎回救われてる」「前向きになれる」と、子育て中のママたちからは絶賛の声が多く上がっていました。

 7話で、虹一くん(川口和空)の母・涼子(松本若菜)は、子育てに悩み、自分のことをダメな母親だと悩んでいました(レビューはこちら)。その姿は、相河の前から姿を消した過去の山田さんであり、虹一くん親子の葛藤は、子供の頃の相河と山田さんの葛藤でもあったわけです。それを知ってから7話で、虹一くん親子に寄り添う2人の言動を思い返すと、すごく腑に落ちるし、なんともいえない切なさがあります。録画している人は、8話を見た上で、7話を見返してみてください。

 なお、今回あまり出番がなかった虹一くん親子ですが、病院で目の検査を受けた虹一くんは、文字が見えやすくなって頭が痛くならない魔法のメガネを、涼子ママは、虹一くんのいいところがいっぱい見える透明な魔法のメガネを手に入れたと、虹一くんが相河にうれしそうに言っていました。相河と山田さんは、おじいちゃんと鮫島先生に助けられたように、今度は自分たちが2人を救ってあげたのです。

 それにしても、山田さんに2万円を渡したおじいちゃん、かっこよすぎませんかね。きっと、山田さんと相河がそのままずっと一緒に居たらお互いが壊れてしまうとわかっていたんでしょう。「どうして11年後に戻ってきたのかな?」と問う相河に、「一輝とまた、一緒に暮らすために必要な時間が11年だった。 それだけのことだよ」と、さも当然のことのように答えたシーンも、胸が打たれました。

 

■「回想ナシ」の視聴者に媚びない演出

 そういえば、ドラマ序盤では過去の回想シーンがあったのですが、このところは全くナシ。今話でも、山田さんが育児に悩んで家を出て行く場面や、こっそり見に行った運動会でおじいちゃんと再会する場面など、挿し込もうとすればいくらでもその要素はありました。でも、それをせずとも視聴者を惹きつけ感動させることができたのは、脚本はもちろんなんですが、役者陣の絶対的な演技力があるからだと思います。

 山田さん役を演じる戸田恵子さんの語りは、声の抑揚やちょっとした間の取り方からそのときの心情が伝わってきたし、高橋一生さんも、真相を知った相河の複雑な心情をちょっとした目の動きだけで表現されていました。そのシンプルな演出だったからこそ、スッと物語に入り込むことができたように思います。

 幼少期の相河が、母親がいなくなって悲しがったり、家を出た山田さんが相河を想って涙したり……お涙頂戴的な演出ってありがちかと思いますが、この作品はそういった“媚び”をせず、視聴者の想像に全てを委ねているところが、ドラマを見た人の満足度が高い理由なのかなあと思いました。相変わらず視聴率は低いですけど。

 

■ドラマタイトルの伏線回収。残るは……

「最終回」といってもおかしくない展開で、相河と山田さんの会話から、ドラマのタイトルの伏線も回収された第8話。残る伏線は、相河にゾッコンな生徒・青山琴音(矢作穂香)の恋心と、実家のコンニャク屋を継ぐか・継がないかで迷っている新庄龍太郎(西畑大吾/関西ジャニーズJr.)の進路、沼袋先生(児嶋一哉)の素顔といったところでしょうか。

 今夜放送の第9話の予告を見ると、青山が相河に告白をしたり、相河が水本先生に「僕は、水本先生のことが……」と言ったり、ラブ展開が動きそうな予感。今話で元彼・雅也(和田琢磨)に自分の素直な気持ちをぶつけ、元サヤに収まるかと思いましたが、別れることを選んだ水本先生。ただ、山田さんに、相河との関係をキッパリ否定していただけに、2人がくっつくことはないように思いますが、果たして……。

(文=どらまっ子TAROちゃん)

『下町ロケット』第8話 シニア向け回春誌「週刊ポスト」が大スクープ!? イモトアヤコはプー生活

 オジさんたちがこれからの日本産業の進むべき未来を熱く語り合う、熱血理系ドラマ『下町ロケット』(TBS系)。農業用の新型ロボットが次々と登場し、激しく火花を散らします。なんだか『鉄腕アトム』の人気エピソード「地上最大のロボット」を思わせるSFチックな展開になってきました。さっそく、『下町ロケット ヤタガラス』第8話を振り返ってみましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

「社長、見てください!」。吹けば飛ぶような中小企業「佃製作所」を経営する佃社長(阿部寛)のもとに、経理部の迫田係長(今野浩喜)があわてて出社してきました。迫田が手にしているのは「週刊ポスト」(小学館)です。いつもは高齢者向きの回春特集や懐かしいアイドルのセクシーグラビアが多い「週刊ポスト」ですが、迫田が「見てください」と開いたページはそうではありません。なんと「帝国重工」の次期社長と目されている的場(神田正輝)が下請け企業をイジメていた過去が暴露されていたのです。「週刊ポスト」にとっては、久々のスクープ記事だったのではないでしょうか。ちなみに池井戸潤の原作小説は小学館から発売中です。

 スクープネタをリークしたのは、小型エンジンメーカー「ダイダロス」の重田社長(古舘伊知郎)と「ギアゴースト」の伊丹社長(尾上菊之助)でした。重田も伊丹も、かつて的場の出世の踏み台として使い捨てにされた苦い過去があります。2人の的場に対する復讐心が、“下町トラクター”こと小型農業ロボット「ダーウィン」を生み出したのです。「ダーウィン」は哀しい生い立ちを持ったロボットのようで、不憫に思えてきます。そういえば、鉄腕アトムも天馬博士の亡くなった息子の代用品として誕生した哀しい生い立ちの持ち主でしたね。

 重田たちの仕掛けた罠に、的場はまんまと引っ掛かります。的場の醜聞は「帝国重工」内でも問題視され、退任がウワサされていた藤間社長(杉良太郎)がもう一期続投することに。反藤間派の沖田会長(品川徹)から呼び出された的場は「このままでは君は終わりだ」と警告されるのでした。焦った的場は、太鼓持ちの奥沢部長(福澤朗)に大型ロボット「アルファ1」の完成を急がせます。農業関係者が10万人集まる大イベント「アグリジャパン」で、重田たちが出品する「ダーウィン」と直接対決し、劣勢を挽回しようと考えたのです。すべては古舘伊知郎扮する重田の考えたアングルどおりの展開です。

 

■M-1の裏で繰り広げられたロボットバトル

 裏では『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で霜降り明星と和牛が激しいお笑いバトルを繰り広げる中、いよいよ田んぼのど真ん中で「アグリジャパン」が開催されます。こちらは超リアルなロボット対決で盛り上がります。ロケ地となった新潟県燕市には大勢のエキストラが集まり、米どころ新潟での『下町ロケット』人気の高さが伝わってきます。

 デモンストレーションの先攻は、伊丹社長がトランスミッションを提供している「ダーウィン」です。小型ロボットらしく小回りがよく、トラブルなくパフォーマンスを終えました。立ち上がった観客たちは“下町トラクター”に惜しみない拍手を送ります。続いては「帝国重工」が完全自社製造した大型ロボット「アルファ1」の入場です。会場に現われたその大きさに圧倒されますが、日本の小さな田んぼには不向きなようです。馬力はあるものの、仕事ぶりは雑。トランスミッションの性能に難があります。極めつけは最後の安全テストでした。目の前に置かれていたカカシを、「アルファ1」は無惨にも轢き潰してしまったのです。会場から思わず悲鳴が上がります。

 ロボットが人命を脅かすという、「ロボット工学三原則」に抵触する事態を起こしてしまった「アルファ1」。しかも衆人の見ている場で。「アグリジャパン」に参加するために米国から緊急帰国した藤間社長の顔に泥を塗ることとなりました。「センサーに泥が付いたようです」と言い訳する奥沢部長は、武士の世なら切腹ものです。大企業「帝国重工」は社内の派閥争いによって、その信頼を一気に失ってしまいました。ロボット新世紀の幕開けに、暗い影を落とす結果となったのです。

■しゃぶりつく軽部とリアルに悩むイモトアヤコ

 今週の軽部の時間です。「佃製作所」きっての変人・軽部(徳重聡)の言動をチェックしてみたいと思います。第8話は軽部の出番が思いのほか多く、軽部ファンにはうれしい回となりました。北海道農業大学の野木教授(森崎博之)の監修のもと、「佃製作所」でも独自に農業ロボットを開発しています。試作機の性能が思うように上がらず、焦る立花(竹内涼真)は軽部に協力を求めるのでした。そんないきり立つ立花をいなすように、軽部は「お昼になったので、メシに行ってきま~す♪」と相変わらずのあまのじゃくぶりです。実用化までの長い長い開発をモノにするには、軽部のようなマイペースさは大切です。しょげる立花を、「北海道はうまいもんがいっぱいあるからな」と技術部の山崎部長(安田顕)が肩を叩いて励ますのでした。

 トランスミッションの開発と同様に、軽部の扱い方もなかなか難しいものがあります。軽部が昼食をしっかり摂る派であることを理解したアキ(朝倉あき)は、「とのむらのお米」で炊いたご飯でおにぎりを作ってきました。タコさんウインナーと卵焼きがおかずです。アキが「軽部さんもどうぞ」と言い終わるやいなや、軽部は瞬時に手を伸ばしておにぎりを頬張ります。「いただきます」も「ありがとう」も言わない軽部ですが、自分が作った料理を美味しそうに食べる姿にアキは満足げです。意外と軽部は母性本能をくすぐるタイプかもしれません。男くさい職場で、アキが眩しく輝く第8話でした。

 イモアトアヤコ演じる天才エンジニア・島津のその後の動向も気になるところです。伊丹社長がダースベイダー化してしまったため、「ギアゴースト」を退職するはめになった島津は、第7話ではボウリング場で孤独さを噛み締めていました。しばらくプー子状態だった島津ですが、貯金も限りがあるのか就活を始めます。企業間の権力闘争に巻き込まれるのが嫌で大学の研究職を探す島津ですが、思うような仕事は見つかりません。カレンダーを見ると、週1ペースでいろんな大学の面談を受けていることがうかがえましたが、反応は思わしくないようです。

 暇を持て余した島津は「アグリジャパン」の会場に出掛けたものの、自分が設計したトランスミッションを内蔵した「ダーウィン」の活躍を目の当たりにしても、笑顔にはなれません。エンジニアとして純粋な情熱を注いだトランスミッションを、「帝国重工」への復讐の道具として利用されたのがつらいのです。

 単なる偶然でしょうが、イモトアヤコのホームグラウンドとも言うべき『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)はヤラセ問題で番組の存続が危ぶまれています。プー子となり、自分の将来に不安を感じている島津の姿が、現実のイモトアヤコと重なって映ります。これまで通りにバラエティー番組を主戦場として続けていくのか、それとも女優業へシフトチェンジするべきか。イモト自身も自分のこれからの進路に悩んでいるのではないでしょうか。

 第8話の視聴率は11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、先週の12.0%からさらにワースト記録を更新。『M-1 グランプリ』の17.8%に、あっさり破れてしまいました。佃社長たちが密かに開発する理想の農業ロボットは、「帝国重工」と重田たち「ダーウィン・プロジェクト」との骨肉の争いにどのような形で割り込んでいくことになるのか。最終回まで残すところ、あと3話。佃社長が新型ロボットの開発によって日本の産業を新次元のものへ変えようとしているように、TBSのドラマ班も視聴率に惑わされない新次元のドラマづくりに挑戦してほしいと思います。
(文=長野辰次)

『SUITS/スーツ』第8話 B’zの歌がサプライズだって!? 視聴率のためなら手段を選ばないのか……

『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)第8話。「情報漏えい者は誰だ!? 最終章スタート!!」

(前回までのレビューはこちらから)

■あのエロスを振りまく弁護士が再登場

 今回の案件は、有害性塗料によって健康被害を負ったと主張する原告団が、大手建設会社「烏丸建設」を相手取って起こした集団訴訟。

 一審を担当した原告団の弁護士が裁判直前にスキャンダルで炎上し、廃業に追い込まれてしまったということで、甲斐正午(織田裕二)とアソシエイトの鈴木大輔(中島裕翔)が新たに弁護を担当することに。

 相手方「烏丸建設」の弁護士は、甲斐の後輩でもあるスタンリー法律事務所の畠中美智瑠(山本未來)。

 大輔が担当するはじめての裁判の時に「嬉しいです、初体験のお相手になれて(は~と)」なんて、エロスを振りまいていたあの弁護士だ。

「勝つためには手段を選ばない」という甲斐イズムを継承している美智瑠は、原告団ひとりひとりの弱味を徹底的に調べ上げ、脅して回ることによって、わずかな金額での和解を進めようとする。

 甲斐たちの側も「烏丸建設」の情報を調べて対抗しようとするが、えげつない手を使って常に一歩先を行く美智瑠に苦戦。

 ……というか、甲斐って常々「勝つためには手段を選ばない」と言っているわりには大して汚い手を使っていない。

 今回の案件に関しても、「烏丸建設」が法改正された後も使用禁止となった塗料を使用していたという事実を突き止めて決着。裏技的ではあるが、真っ当な戦い方だ。

 前回登場した竹中直人演じる「最強の弁護士」もだいぶショボかったし、本作最強の「勝つためには手段を選ばない」弁護士は畠中じゃないだろうか。

■大輔の恋愛沙汰とか見たくないよ……

 今回は「烏丸建設」の案件と同時進行で、相変わらず大輔の経歴詐称がバレるのバレないだの、大輔を取り巻く女性問題だのもやっていた。

 聖澤真琴(新木優子)が事務所内の情報を流出させた犯人だと疑われ、親身になって守ろうとする大輔。

 それを見て、谷元砂里(今井美桜)がジェラシーを燃やし、ちょいちょい事務所にスーツを届けたり、夜食を届けたり。

「烏丸建設」案件でハードな情報戦が繰り広げられているのに、この恋愛要素、必要だったか!?

 ラスト、砂里がいきなり大輔にキスをしたところを、ちょうど真琴が目撃してしまい、三角関係の激化必至! という感じではあるが……そんなことより、もっとちゃんと弁護士の仕事やって!

 

■サプライズがショボ過ぎて逆にサプライズ!

 第8話に関しては、甲斐と畠中の対決よりも、大輔をめぐる三角関係よりも、よっぽど気になったのが「サプライズ」。

 番組表に「今夜ドラマ放送中にスペシャルサプライズ決行!!」と書かれていたのだ。

 しかし、テレビドラマにおいて視聴者を驚かせるような展開なんて当たり前だ。

 ここまでドーンとアピールしているからには、とんでもないゲストが出てくるとか(江口洋介、安田成美あたりが出てきたらサプライズだが)、香取慎吾主演のドラマ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(TBS系)のように、ドラマなのにいきなり生放送になるとか、そのくらいの仕掛けがなければ「サプライズ」とは言えないだろう。

 しかし『SUITS』の第8話、普通に見ていても何がサプライズだったのか分からず……。もう一回見直しても分からず……。

 放送後に公式Twitterアカウントが明かしたところによると、中盤にB’zによるドラマ主題歌「WOLF」のバラードバージョンが流れたことがサプライズだったんだとか。

 ……はい?

 確かに、初公開のバージョンだったらしく、「いつもと違う感じで稲葉がうなってるなぁ~」とは思っていたが……そんなの知らんがな!

 既に撮影が終了してしまっているため、テコ入れしようにも、ドラマの内容には手を加えられない。苦肉の策が、挿入歌によるサプライズということか。

 この作戦が功を奏したか、一桁台が続いていた視聴率もチョイ盛り返して10.5%(関東地区)になったようだが、何回も繰り返していると信用をなくすぞ!

 甲斐は大して「勝つためには手段を選ばない弁護士」じゃないのに、『SUITS』は「視聴率のためなら手段を選ばないドラマ」状態だ。
(文とイラスト=北村ヂン)