『下町ロケット』第10話 下町の舞台・大田区を襲う蒲田くんを迎え撃て!! 明かされた軽部の素顔

 阿部寛主演の熱血理系ドラマ『下町ロケット』(TBS系)もいよいよクライマックスです。裏番組ではテレビ朝日が大ヒット映画『シン・ゴジラ』(16年)という強力な刺客を差し向けてきましたが、『下町ロケット』も復活のイモトアヤコ、変人・軽部の意外な素顔、そして吉川晃司の華麗なボウリングフォームといった見せ場で応戦しました。エンジンフル稼働状態となった『下町ロケット ヤタガラス』第10話を振り返りましょう。

 後半戦に入って出番がすっかり減り、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)のやらせ問題も尾を引き、心配されていたイモトアヤコ扮する天才エンジニア・島津ですが、第10話で完全復活です。プー子生活を脱して、大学の非常勤講師として働き始めた島津は、念願叶ってカリフォルニアの工業大学で研究職に就けるチャンスも手に入れます。また、「帝国重工」時代から苦楽を共にしてきた「ギアゴースト」の伊丹社長(尾上菊之助)からも戻ってきてほしいと頼まれます。

 しかし、島津が選んだ再就職先は、佃社長(阿部寛)率いる中小企業「佃製作所」でした。自分を本当に必要としている職場で働くことが彼女の仕事のモチベーションだったのです。日本の農業を救いたいという佃社長の熱い想いに協力することにしたのです。

 三顧の礼をもって「佃製作所」に迎え入れられた島津は、さっそく社名入りの作業着に着替えます。あまりに作業着姿がぴったり似合うため、「佃製作所」の社員たちは大喜びです。「帝国重工」の財前部長(吉川晃司)の勝負服が高級感漂うスリーピース・スーツなら、天才エンジニア・島津はシンプルな作業着こそが勝負服なのです。

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■島ちゃん軽ちゃんコンビの誕生!

 気になるのは、「佃製作所」きっての変人・軽部(徳重聡)のリアクションです。途中入社の島津が役員待遇で、軽部がそれまでリーダーだったトランスミッション開発チームを担当することになりました。島津が「ギアゴースト」を退職した際には、目から「一緒に働こうよ」ビームを発していた軽部ですが、カメラは無言のままの軽部を映し出すだけです。しかも、相変わらず定時になると帰社してしまいます。立花(竹内涼真)とアキ(朝倉あき)は、島津にチームリーダーの座を奪われたことが面白くないのではと勘ぐってしまいます。トランスミッション開発チームに不穏な空気が漂います。

 開発部長の山崎(安田顕)は立花とアキをおでん屋に誘い、軽部の家庭の事情について説明します。軽部には生まれつき心臓の弱い娘がおり、妻も共働きのため、病院への送り迎えは軽部がしなくてはいけなかったのです。職場ではぶっきらぼうな軽部ですが、娘には子煩悩そうな優しい表情を見せていました。

「帝国重工」が開発した農業ロボット「アルファ1」の内部に不具合があることに気づいた軽部が「アルファ1」を思い遣るような表情を見せ、出来たばかりの「佃製作所」の試作ロボットに「がんばれ!」と声援を送っていたのは、自分の娘とロボットたちを重ね合わせて見ていたからだったのです。

 軽部がいつも定時で退社し、週末を利用した農作業ボランティアにも参加しなかった理由がこれで分かりました。しかも、立花やアキがおでん屋で呑んでいる間、軽部は会社に戻って黙々とひとりで作業を続けていたのです。タイムカードは一度押しているので、これはサービス残業でしょう。

 天才エンジニアの島津は、軽部の堅実な仕事ぶりをしっかり理解していました。きっちりの自分の担当パートを仕上げてみせた軽部のことを「これからもよろしくね、軽ちゃん!」とねぎらう島津に対し、「よろしく、島ちゃん♪」と応える軽部でした。才能ある人間同士が認め合うことで、トランスミッション開発チームは急激な進化を遂げていくのでした。軽部のことを過小評価していた立花とアキは、エンジニアとしても社会人としてもまだまだ次元が下だったのです。

 島津の歓迎会を兼ねたボウリング大会が開かれます。「アルファ1」の改良を「佃製作所」に依頼している財前部長も、途中参加することに。上着だけ脱いだスーツ姿で、パーフェクトな投球フォームを披露する財前部長。改良型「アルファ1」完成への祝砲代わりとばかりに、見事なストライクを決めてみせます。

■ドラマと現実世界をつなげたクボタのCM

 裏番組の『シン・ゴジラ』では「佃製作所」の所在地である東京都大田区にゴジラの第二形態である“蒲田くん”が上陸し、下町をメタメタに蹂躙します。一方の『下町ロケット』も大変な事態を迎えました。記録的な大豪雨という自然災害が、新潟県燕市を襲ったのです。元「佃製作所」の経理部長・殿村(立川談春)は実家の田んぼの稲刈りを間近に控えていたのですが、成す術なく稲は全滅してしまいました。脱サラした殿村があれだけ苦労して育て上げたのに、たった一夜の大雨がすべてを奪い去ったのです。自然と触れ合いながら、田舎生活を満喫していた殿村は、農業で食べていくことの恐ろしさを身を持って体感したのでした。

 さらに自然災害以上に恐ろしいのが、田舎の人間関係です。農業法人に参加することを断り、独自ブランド米の販売を続けてきた殿村に対し、農林協の職員・吉井(古川雄大)は容赦ありません。本年度の収穫ゼロとなった殿村が農林協に500万円の融資を申し込むと、窓口に現われた吉井は「農業法人に入らないから、こんなことになったんですよ」とニヤニヤ顔で対応します。勝手なことをするから、災害に遭ったのだと言わんばかりです。ブランド米を止めて、今後はこちらに服従するなら融資を考えるという悪代官ぶりです。閉鎖的社会の恐ろしさがまざまざと描かれます。

 さまざまな悪役が登場する『下町ロケット』ですが、殿村家を村八分扱いする吉井は最上級のゲス野郎です。殿村が絶望しながら去った後、吉井の上司が「農林協は農家の人の助けになるためにあるんだ」とフォローを入れましたが、もっとしっかり部下の仕事内容をチェックしてほしいものです。しかし、ここまで嫌な奴は、役とはいえなかなか演じられるものではありません。古川雄大はミュージカルの舞台というホームグランドがあるからこそ、徹底して悪役を演じられるのでしょう。舞台とテレビの仕事をうまく使い分ける、古川雄大のクレバーさにも恐れ入ります。

 第10話では、CM中に他局にチャンネルを変えられないための秘策も投じられました。クボタが開発して実用化に成功した「アグリロボトラクタ」の勇姿がCMとして流れたのです。『下町ロケット』の世界が現実化したようなリアルな映像で、CMかドラマなのか分からないほどでした。日本の農業を守りたいという佃社長や財前部長たちの願いが現実のものになりつつあることに、驚きを覚えた第10話でした。

 驚いたといえば、軽部が結婚して、娘もいたこともショックでした。軽部には根っからの変人でいてほしかったなというのが、正直な思いです。残業は頑なにやらない頑固者であっても、「佃製作所」は活躍できる理想の職場であってほしかったからです。サービス残業以外にも、会社に貢献できる方法はあると思います。まぁ、社員が自主的に黙々と残業する姿を映すことが、テレビドラマとしては分かりやすい盛り上げ方なのでしょう。日本に本当の意味での「働き方改革」が浸透するのはまだまだ先のことのようです。

 分かりやすい盛り上げ方に徹したことで、15分拡大スペシャルだった第10話の視聴率は15.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、第8話の11.5%、第9話の12.6%からグ~ンと数字を伸ばしました。次週の最終回は、前シリーズの最終回22.1%にどこまでまで迫ることができるのでしょうか。首相の前で実演が行なわれる小型ロボット「ダーウィン」と進化を遂げて生まれ変わった「アルファ1」とのリターンマッチの行方に注目です。
(文=長野辰次)

『SUITS/スーツ』第10話 久々に見た織田裕二の暑苦しい演技に安心感。賢い演技、向いてないよ……

『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)第9話。「最強の検事VS最強の弁護士!」

 いよいよ最終回(前編)。

 今回の案件は、鈴木大輔(中島裕翔)が蟹江貢(小手伸也)と争うことになった、資産家の異母姉妹による遺産分与問題。

 そして、甲斐正午(織田裕二)の元上司・最高検次長検事の柳慎次(國村隼)による汚職疑惑だ。

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■法曹界における「親」がラスボス

 これまでもちょいちょい顔を出してはいたものの、過去にどんな因縁があったのか分からずにいた甲斐と柳。

 柳は悪を憎む思いが突っ走りすぎて、証拠隠しなどの不正をしてまで容疑者を断罪するタイプの検事。甲斐はそんな柳に嫌気が差して検事を辞めて、弁護士となったようだ。

 柳の不正疑惑を調査している最高検監察指導部の澤田仁志(市川海老蔵)は、検事時代の甲斐の後輩。

 多くの「状況証拠」はつかんでいるものの、決定的な「物証」がないため、かつて柳とベッタリだった甲斐にあの手この手で揺さぶりをかけて、証言をさせようとする。

 柳が不正を働いていた事実を知っていた甲斐だったが、澤田の態度から「検察内の内部抗争のニオイ」を嗅ぎ取り、

「そんなものに利用されるのはまっぴらですよ」

 と証言を拒否。

 しかし、澤田たちの集めた「状況証拠」を手に入れたところ、柳が自分の担当事件だけではなく、検察時代の甲斐が担当していた事件の証拠隠しまで行っていたことが発覚する。

 甲斐の部下である大輔に対して、

「私の孫みたいな存在ってわけだ」

 と語っていた柳。つまり柳は甲斐の法曹界における「親」ということだ。

 そんな「親」が自分を裏切っていたことに対する怒りなのか、「親」を告発しなければならないことに対しての迷いなのか、甲斐はいつになくイライラした様子を見せていた。

■やっぱり暑苦しい織田裕二が見たい!

 一方、大輔の担当案件。

 クライアントである資産家の依頼は、ふたりの異母姉妹に公平に資産を分配するよう遺言書を作成したいということだが、姉・藤代(町田マリー)と、妹・雛子(本仮屋ユイカ)の関係は険悪で、すんなりとまとまりそうにはなかった。

 幸村チカ(鈴木保奈美)は、姉の担当を蟹江に、妹の担当を大輔に任せ、交渉を進めるように指示する。

 大輔の経歴詐称を知ったチカは、クビにする口実とするため、ベテランの蟹江と真っ向勝負となるような案件を担当させたのだ。

「互いの資料は盗み見しない」

 というルールを設定した蟹江だったが、当然そんなルールを守るはずもなく、大輔のメールを盗み見。

 しかし大輔もそれを予想しており、あえて偽メールを盗み見させることによって、妹・雛子の欲しがっていたアパレル部門をU&T社に売却するよう仕向けたのだ。

 その上で、U&T社を雛子が買収することによって、アパレル部門を手に入れようという作戦。

 大輔の罠に気付いた蟹江は文句たらたらだが、そこで甲斐がブチ切れる。

「不正を働いた人間が居直るな!」
「部下が相手だったら、何をしても許されているとでも思っているのか? 不正を働いた人間が偉そうに。自分を正当化するな!」

 明らかに柳へのイライラが募っていることからの発言だ。

 近年の織田裕二は、山本高広のモノマネ的な熱血・織田裕二像を払拭したいのか、やたらと「賢いキャラ」をやりたがっているように思える。

 本作でも感情を抑えた演技を心がけているようだが、あんなに色黒な猿人顔なのにクールな知性派弁護士(ハーバード大卒)って、どうしても違和感アリアリなのだ。

 やっぱり織田裕二といえば、『東京ラブストーリー』のカンチや『踊る大捜査線』の青島のような熱い男のイメージが強い。織田裕二に「賢い」イメージなんて誰も求めていないんじゃないだろうか。

 そこにきて今回の感情を爆発させる甲斐。「ボクらの裕二が帰ってきた!」という感じだ。

 織田裕二は素直に、正義感に燃える暑苦しい弁護士役をやった方がよかったんじゃ……。

 近年の武田鉄矢も、金八先生イメージを払拭しようとあえて悪役を演じることが多くなっているが、鉄矢の場合は、素の性格の悪さがにじみ出ていて、金八先生よりも明らかにハマリ役となっている。

 織田裕二の素は、おそらくTBS『世界陸上』で見せるような熱血バカなのだろう。もっと素直に「素」を活かした役をやって欲しい。

■あのキャラメル、何だったんだ?

 大輔の作戦通り、U&T社を雛子が買収することによってアパレル部門を手に入れることに成功。

 しかし蟹江は罠に気付いており、業績の悪いアパレル部門を法外な値段で売りつけていた。

 ということで、雛子の手に入れた会社は最初から借金まみれ。姉・藤代の復讐は果たされたのだ(だったら、罠にハメられた蟹江が怒っていたのはどういうことなの!?)。

 大輔の敗北が確定して、チカはさっそくクビにしようとするが、甲斐は、

「あとひとつだけ目をつぶってもらえませんか。どうしても彼に手伝ってもらいたい案件がある」と頼み込む。

 柳の証拠隠しのせいで生み出してしまった冤罪被害者を救い出したいのだという。

 甲斐と大輔との間に信頼関係が生まれつつあるのはちょいちょい描かれてきたが、ここにきて甲斐が自分自身の案件を「手伝ってもらいたい」とは。

 ふたつの案件がパラレルに進行して、せっかくのバディものなのに、甲斐と大輔、別々の案件に取り組んでいることが多かった本作。

 信頼関係を築き上げたふたりが、いよいよ手を取り合って最大の案件に立ち向かう。熱い展開ではあるが……。

 いろいろ気になっていた伏線が、あと1話でちゃんと回収されるのかが気になるところ。

 特に、第1話からしばしば意味ありげに登場していた「江森ソフトキャラメル」。何の説明もないまま終わったら怒るで、しかし。
(文とイラスト=北村ヂン)

『ドロ刑』前回の伏線はなかったことに!? 脚本がブレ過ぎで初期設定が強引に捻じ曲げられる……

 ジャニーズの人気グループ・Sexy Zoneの中島健人が主演するドラマ『ドロ刑 -警視庁捜査三課‐』(日本テレビ系)の第9話が8日に放送され、平均視聴率8.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.8ポイントアップとなりました。

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 前回、懇意にしていた伝説の大泥棒・煙鴉(遠藤憲一)に利用されていたことを知り、ショックを隠せない斑目勉(中島)。暗い気持を引きずったまま出勤したある朝、13係の床に200万円分の1万円札がバラまかれていることに気づき驚きます。

 さらに室内には煙鴉の残り香が。どうやら、煙鴉が班目のIDカードを偽造して侵入したらしく、班目は係長の鯨岡千里(稲森いずみ)から懲戒免職になりかねないとお灸を据えられてしまうのでした。

 しかし、それでも煙鴉のことを悪人とは思えず街をさまよう班目。すると突然目の前に現れた煙鴉が、「虹を掴み損ねた。それですべてを踏み潰された」と意味深な言葉を口走り、捕まえようとした班目に対し突然、発砲してくるのでした。

 腕に被弾したため命に別状はなかったものの、この事態を重く見た鯨岡は、13係のメンバーに拳銃の携行許可を与え、煙鴉が発砲しようとした場合、射殺しても構わないと命じます。

 治療を受けた班目は、撃たれる直前に煙鴉から手渡されたコースターの裏面に『七波隆』という人物名が記されていることを発見。元官僚で現在は一般企業の顧問を務める七波は、以前あるインタビューで肌身離さず携帯している大事な手帳があるとのことで、煙鴉の次のターゲットはそれだと睨んだ13係のメンバーは、七波の警護にあたることになります。

 ところが、七波のオフィスでシンポジウムを開催中、30名のスリ集団を引き連れ会場入りした煙鴉にまんまとその手帳を盗まれてしまうのでした。

 意気消沈した班目は、いつも煙鴉と飲んでいた馴染みのバーで1人しみじみと酒を飲むのですが、その店のマスターから「こんなものが見つかった」と差し出されたコースターの裏に、『阿川義一』という人物名が書かれていることに気づきます。

 元裁判官で現在は弁護士研究会の顧問を務める阿川が次のターゲットだと予想した13係のメンバーは、研究会の本部があるビルを訪れるのですが、金庫から業務日誌を盗み出した煙鴉をまたしても逃してしまいます。

 一方、今回は、皇子山隆俊(中村倫也)の妹・真里が、5年前に勤めていた病院から何者かに資料を盗まれ、その3日後に自宅マンションから飛び降り自殺した事実が明らかとなりました。さらに、真里の爪から煙鴉のものと同じDNAが検出されたものの、警察の上層部の手回しによって揉み消されたことが発覚。皇子山の煙鴉に対する復讐心と、当時の捜査への疑心が膨れ上がったところで今回は終了となりました。

 さて感想。ドラマも残すところあと1回ということで、クライマックスへ向けて慌ただしい展開となってきたのですが、当初の予定とは違う流れになったのか、初期設定を強引に捻じ曲げている部分があまりに目立つ気がしてなりませんでした。

 これまで13係は、各部署のポンコツばかりがかき集められたという設定だったのですが、今回の鯨岡と警視総監の密会シーンによれば、煙鴉を捕まえるために結集されたとのこと。いつの間にやら伝説の大泥棒を捕まえるためのエリート軍団みたいな位置づけになってしまったんですね。

 しかも、今まで事なかれ主義を前面に押し出し、お気楽キャラだった鯨岡が、どうやら煙鴉と個人的に知り合いという関係性が浮き彫りになった途端、急にシリアスな演技をするようになったんです。

 その展開がどうにも、急ごしらえな感じが否めないのですが、皇子山にしても最初は捜査にやる気のない美脚好きのむっつりスケベなキャラクターだったんですよね。ドラマに芯がなく、脚本がブレッブレの出たとこ勝負だったため、終盤へきて収拾がつかなくなり強引にキャラ変更しているような気がしてなりません。

 また、班目に関してはこれまで、煙鴉のことを大泥棒と認知しているのかどうか曖昧だったのですが、今回の様子を見る限りしっかり認識していたらしく、警視庁の情報を漏らしていたことが発覚したとなれば即刻、懲戒免職処分となるのが妥当なのではないでしょうか。初回からリアリティーに関しては期待していませんでしたが、それにしてもちょっと酷すぎるように思えます。

 ところで前回、煙鴉は借金を抱えた男(大友康平)に5,000万円の報酬を与え、5日間“偽・煙鴉”として勾留されるよう依頼したものの、結局その理由は明かされず仕舞いでした。そして今回もその伏線は回収されないままだったのですが、まさかこのまま何もなかったことにされるのではないかと心配です。大団円を迎えるためにも、次週しっかりした展開を期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

視聴率5.6%『僕キセ』最終回のCGラストに批判殺到も、高橋一生「ゴールデン初主演」が“成功”と言えるワケ

 11日の放送で最終回を迎えた高橋一生主演『僕らは奇跡でできている』(フジテレビ系)。視聴率は、5.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、前回より1.3ポイントダウンし、最終話で最低記録を更新してしまうという悲惨な結果に。

 数字の推移を振り返ると、第1話7.6%→第2話6.1%→第3話6.2%→第4話7.0%→第5話6.0%→第6話6.4%→第7話7.2%→第8話6.4%→第9話6.9%、全話平均は6.5%となりました。とはいえ、ネット上では、「今期ナンバーワン」の声も上がっているようす。いったいどんな結末を迎えたのか、まずはあらすじから振り返っていきたいと思います。

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■相河が出した答えは……

 樫野木先生(要潤)から「ここから消えてほしい」と言われてしまった相河(高橋一生)は、翌日は大学をお休みして、ペットであるカメのジョージを連れて山へ。

「光を大きくしたら嫌なことまで入ってきて、つらくなっちゃって」と元気がない相河に、おじいちゃんは(田中泯)は、「よかったな」と意外な返答。相河は森の中で寝っ転がり、その意味を考えます。

「つらい気持ちだって、光だから……。これからも僕の中の光を広げてく」

 そうしてその翌日はきちんと大学に出勤し、鮫島教授(小林薫)に大学を辞めることを宣言。一方生徒たちは、水本先生(榮倉奈々)の歯科クリニックへ。相河を引き止めるよう言ってほしいとお願いをします。

 研究室では、樫野木先生が自分のせいで辞めるのかと問い詰めますが、相河は、この前悲しくなったのは、樫野木先生と仲良くなりたかったからだと言います。そして、フィールドワークの授業に誘うのでした。

 当日、森には樫野木先生の姿が。「相河先生のせいにしておけば、向き合わずに済むことがあるんじゃないの?」と鮫島教授が言っていた通り、覚悟や才能がないからやめたフィールドワークを家族のせいにしてきた樫野木先生。自分の選択を肯定するには、相河を否定するしかありませんでした。

 そのことに気づいた樫野木先生は、相河が知りたがっていた離婚の原因を話すと、「ひどいこと言って悪かったよ」と謝罪。樫野木先生が手放せないでいた結婚指輪を2人で仲良く木の下に埋めるのでした。

 その後、大学を辞めることを引き止めようとする生徒たちに、相河は、

「僕はいつだってみなさんと繋がっています」

「皆さんが僕の中にいるってことです。僕は皆さんで出来ているってことです」

「だから、時間も距離も関係ありません」

 と、フィールドワークをするため、宇宙に行くと宣言。

 それからというもの、相河に影響を受けた水本先生は、「やるって決めたらやれるんだ」と自分のクリニックでインプラント治療をはじめたり、樫野木先生が面白い授業で、青山(矢作穂香)ら生徒たちの関心を集めるように。

 実家のコンニャク屋を継ぐか迷っていた新庄くん(西畑大吾/関西ジャニーズJr.)は、コンチューバーの沼袋先生(児嶋一哉)に弟子入りしてコンニャクの良さを伝えるYouTuberになったり、テストで10点をとってしまった虹一くん(川口和空)に涼子ママ(松本若菜)が「虹っていう字、きれいに書けてるね」と声をかけたり、周囲の人たちにもさまざまな変化がみられるようになりました。

 ある夜、月を見上げるおじいちゃんと家政婦の山田さん(戸田恵子)。宇宙服に身を包んだ相河とカメのジョージが画面いっぱいに映しだされたところで幕を閉じました。

 

■ラストのCGカットにツッコミ殺到

「バリショーェ スパシーバ!(ありがとうございました)」

 と、宇宙空間を漂う相河がカメラ目線であいさつをするという謎演出で終わった『僕キセ』。ドラマ本編では見たことがないようなコミカルすぎるぶっとんだ演出に、「最後だけコント」「宇宙のシーンはいらなくない?」「いつかの『ドクターX』並みの宇宙の合成のショボさ」「せっかくいい話だったのに」と視聴者からツッコミ&批判の声が。

 おじいちゃんと山田さんが月を見上げるところで終わってもよかったように思いますが……。「ハートフルコメディ」とうたっているドラマなだけに、最後の最後に「コメディ」要素を強めに打ち出したということなんでしょうかね。

■壮大な伏線回収

 ただ、相河の宇宙行きについては、思い返せば、群馬にある新庄くんの実家のコンニャク屋さんに行ったときも元々の目的は天文台に行くことだったし、大学の講義でも、宇宙に行った動物や月の話をするなど、伏線が張られていました。ロシア語を学んだり、水泳を習い出したのも、宇宙へ行くための準備だったわけです。

 てっきり、樫野木先生に言われたことがショックで大学をやめてしまうのかと思いましたが、相河が鮫島教授に言った、

「嫌なこともつらいことも消そうとしないで全部光で包んだら、僕の光は無限大になります」

 というセリフにあるように、ただ嫌なことから逃げるために大学を辞めて宇宙に行くわけではなかったんです。

 ちなみに、エンドロールでは毎回、数字だったり自然に関係するものだったり、その回の内容とリンクするよう、スタッフの名前の漢字の一文字一文字に色がつけられるという粋な演出がされていたんですが、前回は宇宙にまつわる漢字を使った名前に色がついていました(最終回では全員の名前が虹色になっていました)。そういった細部にわたるこだわりにはスタッフ陣の愛を感じましたし、至るところに張りめぐらされた伏線が綺麗に回収され、スッキリと納得のいく最終回だったように思います。

 

■「大河原さん」は、山田さんの中にある「お母さん」の部分

 伏線といえば、家政婦の山田さんが度々会話に登場させた「大河原さん」ですが、やはり、実在しないことが相河のセリフによって明かされました。実の母であることを名乗らないと決めていたからこそ、大河原さんに500円の豆腐を買わされたと嘘をついて、歯が痛い相河にやわらかいもの食べさせたり、樫野木先生のことで大学をお休みした翌日は大量のお裾分けをもらったと、たくさんご馳走を作って元気づけようとしたり、大河原さんを生み出すことで、家政婦の域を超えた、母親としての愛情を相河に注いできました。つまり、大河原さんは「お母さん」だったわけです。

 このあたりのことを考えると、気付かないフリをしていた相河が言った「大河原さんがいてくれて良かったです」というセリフがとっても染みてきます。

 

■視聴率惨敗も、“成功”といえるワケ

 さて、ドラマが始まった初めの頃は、高橋一生があざといだの、ストーリーが退屈だの散々書いてきたものの、終盤に差しかかるにつれ、グッと引き込まれる展開が続き、アッサリ手のひらを返したことをお詫びしたいというのが、筆者の正直な感想です。

 発達障害を抱えているであろう主人公の成長と、その周囲の人間の変化を、「障害」という言葉を使わずに、丁寧に描ききった脚本の橋部敦子さんには、『僕の生きる道』シリーズのように、『僕キセ』もシリーズ化してほしいくらい。

 また、難しい役柄を演じた高橋さんの演技も、回を追うごとにナチュラルなものになり、役柄を自分のものにしているなと感じました。10歳以上年が離れた女優との熱愛を報じられたり、私服のチェーンがダサいとディスられ、人気急落がささやかれていましたが、「イケメン枠で括られると疑問だけど、演技は本当に上手い」「ハマり役だった」「このドラマで好きになった」という声が視聴者から上がっているように、マイナスイメージは、多少は払拭できたかと思います。

 視聴率こそ振るいませんでしたが、視聴者の満足度は高いようだし、ゴールデン初主演にこのドラマを選んだことは、間違いなく成功だったと言えるんじゃないでしょうか。そういった意味でも、高橋さんの次回作が気になるところです。

 ちなみに、次クールのこの時間は、黒川博行氏の原作小説を連ドラ化した『後妻業』が放送。木村佳乃が遺産相続目当ての結婚詐欺師役を演じるとのことで、ハートフルストーリーだった『僕キセ』とは180度違うドロドロしたドラマが展開しそうですよ……。

(文=どらまっ子TAROちゃん)

“失われた半分”を求めて人生は続いていく――佐々木蔵之介主演ドラマ『黄昏流星群』最終話

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 ドラマと主題歌の関係というのは重要だ。

 オープニングの映像に合わせて聞こえてくれば、物語に入り込んでいく気分を盛り上げてくれるし、エンディングやクライマックスで流れたなら、その情感を大いに引き立たせてくれる。名作と言われるドラマを振り返ってみても、そこで使われた音楽との相乗効果によって、作品と曲、両方がヒットした例が多く見られる。そして、この『黄昏流星群』(フジテレビ系)でも、主題歌である、平井堅の「half of me」が、実にいい効果をもたらしていた。

 多くの波乱を抱えながら迎えた最終話。それぞれの登場人物が、新しい道に向かって歩き始めた――。

 若葉銀行の不正融資事件で追い込まれ、飛び降り自殺を図った井上(平山祐介)は、一命をとりとめた。見舞いに行った完治(佐々木蔵之介)は、助けてやれなかったことを詫びる。井上は、完治の立場を慮りながらも、上からの指示であったことを認めようとはしなかった。完治は、何とか不正の真実を暴こうと奔走する。

 真璃子(中山美穂)は、日野(ジャニーズWEST・藤井流星)の母・冴(麻生祐未)が病院に入る手続きに付き添う。そこで冴から「息子から手を引くように」と伝えられるのだ。

 冴の心情は複雑であったろう。息子が、親子ほど年の離れた真璃子に惹かれていることは、十分承知している。息子の気持ちを優先させるなら、二人の関係を認めるべきであるかもしれない。しかし、結婚をしている真璃子と付き合うのは、社会的に許されないことだ。

 そしてもう一つ、彼女は真璃子に嫉妬心を持っていたのではないかと思う。今まで、何をおいても母のことを考えてくれた息子。それが、自分とあまり年の変わらない女性を愛している。その思いには、どこか母に対する思慕のような気持ちが混じっている。そこに、割り切れないものを感じていたのではないだろうか。

 話を聞き、冴の気持ちを理解した真璃子は、日野との関係を断つ。そして、自宅へと戻り、再び完治と生活を始める。

 一方、漁港で働く栞(黒木瞳)は、糖尿病であることを、上司である茅野(美保純)に知られ、事情を話すこととなる。そして、テレビの会見で完治が銀行のために活躍していることを知り、密かに祝福するのだ。

 栞が誕生日用のケーキを買い、一人でろうそくを吹き消すシーンは、解釈が分かれるところかもしれない。自分の誕生日、あるいはケーキを仏壇に供えていたことから、母の誕生日であったと見ることもできるが、私は、一つの成果を出した完治へのお祝いではないかと考える。そして、そんな完治を見て、自分もまた新たな気持ちで生きていこうという、決意の表れでもあったのではないだろうか。

 栞がケーキを切り分けたところで、シーンは変わり、完治が街中で月を見上げ、栞を思い出している。そこで、主題歌が流れる。

 タイトルの「half of me」は、直訳すれば「自分の半分」。歌詞の内容は、別れた恋人のことを思い、「まるで自分の半分が無くなったようだ」と感じている男の心情を歌っている。完治が見上げた月は満月。満ち欠けを繰り返すその姿が、まんまるに輝いているのを見て、二人で過ごした時を思い出すというのは、栞との時間が満ち足りたものであったことを示す暗喩のようなものであろう。それぞれにとって、どこか物悲しい情景であった。

 不正について調べていた完治は、井上の妻(阿南敦子)から、井上が常務から指示を受けていた証拠を手に入れ、事件を解決する。聡美(八木亜希子)と須藤(岡田浩暉)の結婚祝いにも夫婦二人で出かけ、全てがうまくいっているように思えた。

 しかし、ある朝、真璃子は完治に離婚届を差し出す。

「あなたの心の中には別な人が住んでる。そして、私にも他に好きな人がいる」

 そう思いを吐露し、二人は別れることとなる。

 完治は、今回の不正を暴いた功績により、本店に執行役員への就任を打診される。しかし、彼はそれを断り、銀行を辞める。

「人生が100年だとして、あと50年。残りの半生は、自分の新しい可能性を探ってみたい」

 そうして、それぞれが新しい道を歩き始めるのだ。

 3カ月後、真璃子はパン屋で働き始めていた。そんな時、冴が会いたいと言ってくる。病院に行った真璃子に、冴は「息子を見守ってあげて欲しい」と伝えるのだ。自分の意見に従ってくれる、どこまでも優しい息子。彼のわがままを通すには、自分が了承しなければならない。死期の迫った身にあって、彼女は、息子の思いに応えたのだ。

 完治の元には、栞の居場所を知らせるハガキが届く。彼女が糖尿病を患っていることを知った完治は、栞の元へと向かい、再会。ふたりはしっかりと抱きしめ合うのだった。

 3年後、完治と栞は山の中にカフェを開いていた。栞の体調もよく、幸せそうだ。そして、真璃子はパン職人として働き、日野との関係も続いている。もちろん、バックには主題歌が流れてくる。

 悲しい歌であるはずの「half of me」が、どこか優しく語りかけてくるように聞こえる。かつて一つであったはずの自分の半分。それを失うことは、どれほど辛いことだろう。しかし、一度でもその人と一緒になり、ともに過ごせたことは、ある意味幸せなことなのかもしれない。

 完治にとって、「失われた半分」とは、誰であったのだろう。真璃子か、栞か。おそらく、その時々によって、相手は変わっているのだろう。ただ、そんな相手に出会い、そしてその関係を守ろうとすることが、一つの生きがいであったことは間違いないだろう。

 相変わらず世の中は、不倫のニュースが次から次へと出てくる。私も不倫については、いい感情は持っていない。誰かを傷つけるという点において、世間から非難されるべきことだと思うからだ。

 このドラマの中では、不倫の果に結ばれ、幸せになった人たちが描かれた。たくさんの人を傷つけ、自分も傷ついて、それでも欲しいものを手に入れた。許されるべきではないと思いながら、ちょっと羨ましく感じる自分もいる。いろんな思いはあるけれど、こんなハッピーエンドがあってもいいのかな、そう思えるドラマであった。

(文=プレヤード)

『リーガルV』米倉涼子の美しさを見せることにこだわりすぎ……「失敗しない」代わりに大きな成功もせず

 米倉涼子が元弁護士役で主演を務めるドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)もいよいよ今回で最後。13日に放送され、前回から4.2ポイントの大幅アップとなる平均視聴率17.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

(前回までのレビューはこちらから)

 小鳥遊翔子(米倉)は1年前、NPO法人「貧困を救う会」の幹部職員・市瀬徹(夙川アトム)を刺殺し逮捕された青年・守屋至(寛一郎)の弁護に関する調査中、暴力団幹部・花田尊に金銭を渡す姿を週刊誌にすっぱ抜かれ、弁護士資格を剥奪された過去があります。

 その処罰を不服として、古巣「Felix & Temma法律事務所」の代表弁護士・天馬壮一郎(小日向文世)を相手取り、1円の損害賠償を求める民事訴訟を起こしました。といっても本当の狙いは、「貧困を救う会」の代表・大峰聡(速水もこみち)に依頼され、殺人を犯したという守屋の証言を法廷に持ち込むためだったのです。

 そして前回、守屋が殺人を犯した際、市瀬のポケットから落ちたというカギを受け取った小鳥遊は、そこに市瀬が殺された“理由”が隠されているのではないかと睨み、関東圏内に378店舗あるスポーツジムのロッカーを、「京極法律事務所」のメンバーで手分けして1店舗ずつ調査することにします。

 また、1年前の週刊誌のスクープ記事は、天馬が裏で手を回したのではないかと疑う小鳥遊は、花田に証言者になってもらうべく、弱みをにぎるようパラリーガルの馬場雄一(荒川良々)と茅野明(三浦翔平)に調査を命じます。

 ところが、この動きが天馬側に感づかれてしまい、馬場と茅野は花田の子分たちに襲われ、病院送りとなってしまうのでした。

 このことに怒り心頭となった小鳥遊は、古巣に怒鳴り込むものの天馬には会えずじまい。代わりに応対した、かつての同僚で元カレの海崎勇人(向井理)から、「君1人では絶対に勝てない」と、無謀な裁判を止めるよう諭されてしまいます。

 しかし小鳥遊は諦めず、再びジム回りを開始。カギの合うロッカーを見つけ、その中から、大峰が募金を着服していたことを裏付けする会計資料を見つけ出すのでした。

 さらに、退院した馬場が、花田の車のドライブレコーダーから、組長の愛人とイチャつく姿を記録したSDカードを盗み出していたため、それをネタに花田を証人として出廷させる約束を取り付けます。

 その動きを察知した天馬は、自身も車内で密談する機会が多いため、弱みを握られてはまずいと、海崎がドライブレコーダーから抜き取ってきたSDカードを自ら焼却するのでした。

 さらに天馬は、大峰に直接会いに来た小鳥遊が、まるで脅すような口調で天馬との親子関係を訊き出そうとする姿を盗撮。これを裁判の際、小鳥遊の不正行為を立証する証拠として提出することにするのです。

 そして迎えた裁判。海崎が原告側の証人として立ち、天馬が尋問を行うことになった際、その“切り札”を開示することになったのですが、その映像には、車内で天馬が大峰に市瀬殺しを指示する姿が映っていたのでした。

 実は梅崎はこっそり、SDカードをすり替えていたのです。この裏切りによって小鳥遊は勝訴し、弁護士資格の剥奪は取り消しとなったのですが、「京極法律事務所」の優秀なスタッフに恵まれた今となっては、その資格は必要ないとのことで、勝訴の余韻に耽りながら旅に出たところで終了となりました。

 さて感想。これまでお飾り的な存在だった海崎が、最後の最後にイイとこ取りの展開となったわけですが、その直前、小鳥遊と2人きりになった時の「君1人では絶対に勝てない」というセリフが伏線であることが丸わかりだったため、特にサプライズ感はありませんでした。

 というよりも、1年以上前の記録がなぜ残っていたのか? という疑問の方が強かったです。海崎は初回から、天馬の座を狙っているのだろうな、と薄っすらニオわせていましたが、それならば最初から裏で小鳥遊と結託していた、というシナリオの方が面白かったのではないかと思います。

 また、1年がかりで復讐を遂げた割に、小鳥遊の勝訴にまったく爽快感がなかったのは、弁護士資格を失った時のどん底感や悔しさなどを伝えるシーンが、これまでほとんど描かれなかったからでしょう。“強く美しい米倉涼子”のイメージを守りたかったからなのかはわかりませんが、苦汁をなめさせられるシーンをもっと見せ、視聴者の同情を煽った方がより強いドラマ性が生まれたのではないでしょうか。

 放送前、『ドクターX』シリーズで演じる孤高の天才外科医・大門未知子役とは対照的に、組織を動かす司令塔役、という設定が話題になった同ドラマ。この設定を守りつつ続編へ繋げるためなのか、最後に小鳥遊は弁護士への復帰を拒んだわけですが、我の強いキャラとして描かれてきただけに、かなり不自然な印象を受けました。

 仮にシリーズ化となった場合、かなり苦しい展開になっていくのではないかと予想されます。今回でさえ、豪華キャスト陣の無駄遣いといわざるを得ない低級な脚本でしたから、米倉はもっと『ドクターX』を大事にすべきなのでは? というのが全体を通しての感想でした。大門の決め台詞「私、失敗しないので」から拝借すれば、『リーガルV』は失敗しなかった代わり、大きな成功もしなかったのではないかと思います。
(文=大羽鴨乃)

今夜最終回『大恋愛』戸田恵梨香の“神演技”にハッピーエンドは訪れない!?

 今夜、いよいよ最終回を迎えるドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)。7日に放送された第9話の視聴率は10.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2ケタに返り咲きです。

 いやー、それにしても戸田恵梨香。戸田無双です。戸田、すごいお芝居でした。戸田すごい。と、戸田戸田言ってないと戸田が演じる尚ちゃんに感情移入しすぎて泣いちゃうくらい、実に悲しい回です。はい、振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

■ああ、もう……

 どうやらアルツハイマーの進行は止められないことが確定的になってきた尚ちゃん。無事、夫である流行作家・真司(ムロツヨシ)の子を妊娠することができましたが、喜びもつかの間、すぐさま教えられた出産予定日の「8月2日」をメモします。忘れちゃうので、あらゆることをメモするようになっているようです。家の中も、部屋中がメモ書きの貼り紙だらけ。それにしても達筆です。戸田恵梨香の字なのかな。

 事あるごとに「あなたは妊娠中です(だから体を大切にね)」と念を押す真司に、「うっふふふふ」と新鮮な喜びで応える尚ちゃん。忘れる病気だからこその表情ですが、このあたり、子を迎える夫婦の心温まるエピソードとアルツハイマーによる悲劇が同時進行していく感じで、実にこう、ドラマの質量のようなものを感じます。

 やがて生まれた子どもに、2人は「恵一」と名付けました。いちばん恵まれるように、恵一だそうです。

 恵一はすくすくと育ちます。2人の出会いを書いた前作『脳みそとアップルパイ』は50万部を超えたそうで、真司が新しく始めた続編の新聞連載『もう一度 第一章から』も好評です。

 そんな折でも、尚ちゃんの病状は日々進行しているようです。出版社の間宮担当・水野さん(木南晴夏)が、かいがいしく子どもの面倒を見てくれているからいいものの、もう、ひとりでは赤ん坊の世話もできません。

「4人で暮らしてるみたいですね」とか、わりとドキッとすることを真司に言ってくる水野さんですが、その動機は、あくまで「作家に売れる本を書かせるため」でしょう。少しくらい「作家に優れた文芸作品を書かせるため」というのはあるかもしれないけど、別に特別な感情があるわけではなく、真司が筆を折ればもうこの家に来ないことは自明のようです。その証拠に、真司が「赤ちゃんが生まれたところで終わりたい」と告げると、鬼の形相になって説得にかかります。

「そこが見せ場でしょう」

 今後、尚ちゃんの病気が進行して、真司のことも子どものこともわからなくなって、一家が悲劇に包まれて、本当に大切なものを失って、目の前には「僕を忘れた君」しかいなくなったとき、作家が何を思うのか。それを書け、というのです。

「めでたしめでたしじゃ、読者は納得しません」
「中途半端なものになってしまう」
「逃げないでください」

 編集者というのは、かくも残酷な生き物です。

 しかも、この一連のやり取りを、尚ちゃんは聞いてしまいました。

「あたしの病気が進行しないと、真司の小説は中途半端になってしまうんでしょうか……?」

 死んだ目で、尚ちゃんが水野さんに問います。水野さんの答えは、それでも残酷です。

「違います。奥様は、生きてるだけで、先生の創作の源なんです」

 決して「生き甲斐」だとも「誰よりも大切な人」だとも言いません。担当作家が、作品を仕立て上げるための“道具”。それは前回、MCI(軽度認知障害)患者の松尾(小池徹平)が真司に突きつけた糾弾と同じニュアンスでした。むしろサイコ色ゼロの笑顔な分だけ、水野さんのほうが厳しい。

 当人たちがどれだけしんどくても、それが作品として昇華され、読者を喜ばせてしまえば、価値が生まれる。この夫婦が作品を生み出すことに価値があるのだとすれば、作品を生み出さないアルツハイマーに価値はないと、水野さんは言外に告げているのです。水野さんはそんなことを言葉にして言うつもりはないし、そこにあるのは「おまえたちの“お気持ち”より作品の出来(売り上げ)のほうが大切なのだ」という厳然たる優先順位だけ。つまりは、編集者としてすこぶる優秀ということです。

 水野さんを優秀な編集者として描くことで、このドラマは編集者が作家から作品を刈り取ることの卑しさもまた同時に語っています。もちろん、そうした卑しさの表現には、脚本家である大石静さんの「悲劇を創作するうえでの自戒」も込められているはずです。

 3年後、4年後、どんどん壊れていく尚ちゃん。もう靴も靴下もひとりじゃ身に着けることができません。「自分で服も着られなくなる」──病気が発覚したときに尚ちゃん自身が予測した通り、アルツハイマーは進行していきます。

 そしてついに大切な大切な子どもが自分のせいで行方不明になってしまう事件を起こしてしまいました。恵一がいなくなった当初は、自分が目を離してしまったことすら覚えていなかった尚ちゃん。でも、ようやく見つかってベッドで眠る父子を眺めていると、それが愛おしくてたまらない存在であることは認識できるようです。

 眠る真司にひとつキスをして、尚ちゃんは姿を消してしまいました。テーブルには書き置きが1枚。

「しんじさま ありがとうございました。尚」

 震えて歪んで、かつての達筆が見る影もない文字で、そうしたためられていたのでした。いやー、うまい。筆跡が壊れるって、すごくわかりやすく病状を伝えてて、ホントにうまい。うまい、とか言って評論じみた視点に立たないと、泣いちゃう、このくだり。

 というわけで、今夜は最終回。まるで死に場所を探すネコみたいに、フラフラと家を出て行った尚ちゃん。どうあれ、ここまで病気が進行してしまった以上ハッピーエンドはあり得ないわけですが、果たしてどんな物語になるのか。大石さんが何を作ろうとしたのか、見届けたいと思います。

■そういえば、黄昏流星群の2人は……

 前回、唐突に始まった尚ちゃんママ(草刈民代)と、かつての尚ちゃんの婚約者で元主治医の井原先生(松岡昌宏)の『黄昏流星群』的な関係は、無事ゴールイン。結婚しちゃいました。朝日が差し込む部屋で中年同士がじゃれ合ってるシーンなんかもあって、ちょっとこれ、どう見たらいいのかわからなかったです。最終回で意味が出てくるのかな。まさかマボファン向けのサービスカットってことないよね……?
(文=どらまっ子AKIちゃん)

 

『忘却のサチコ』に“ジーニアス黒田”再び! 踊る高畑充希に食う高畑充希……

 高畑充希の魅力を味わい尽くすグルメドラマ『忘却のサチコ』(テレビ東京系)。第9話となる今回もダンス、寸劇、そして見事な食べっぷりと、さまざまな顔を見せてくれました。

(前回までのレビューはこちらから)

■ジーニアスの恋

 人気作家・ジーニアス黒田先生(池田鉄洋)からアイドルとの対談の替え玉役を頼まれた幸子(高畑充希)の編集部の後輩・小林(葉山奨之)。

 第2話に登場したジーニアス黒田は外見を公表していないため、基本対談などはNGにしているのだが、そのアイドル・桃乃もぎか(岩田華怜)が自分のファンだと知ってしまい、どうしても断れない。なぜならジーニアスも桃乃の大ファンだからだ。

「こんな俺(もっさりロン毛の池田鉄洋)が出ていけるわけない!」との思いから、イケメンの小林が自分(ジーニアス)の替え玉をしないのなら原稿を書かないと駄々をこね、あげく難色を示す小林に土下座までする始末。

 しかし、小林に励まされ、「桃乃ちゃんに作品だけでなく、俺のことも好きになってもらいたい!」と、ダイエットを決意する。

 ダイエットで解決する問題なのだろうか? と思ったが、それは置いておこう。池田さんすみません。

 幸子はダイエットをバックアップするため、近隣のスーパー3軒のお惣菜ラインナップより考案した献立表や、1日の健康的なタイムスケジュールを作成するだけでなく、ジーニアスに運動させるために、桃乃の曲の振り付けまで「身体に叩き込んで」きて、ジーニアスに指導する。

 このアイドルの曲「理想の彼氏はあなただぴょん」が、今時のアイドルっぽい音で無駄にちゃんと作られており、フルで聴きたくなるほど。

 その曲に合わせ、アイドルさながらのダンスを真顔でする高畑充希と、同じ動きをする池田鉄洋。

 第2話のおにぎりミュージカルを思い出すコラボ。

 そして数日後、ダイエット失敗。

 桃乃のCM「牛丼をお腹いっぱい食べる人、好き、好き、大好きー!」にまんまとやられ、何十杯も食べてたらしい。

 悲しきファン心理。

 しかし購買力のあるファンを持つアイドルを使う狙いは、そこだから仕方ない。

 スズキの車を購入し、タマホームで家を建てた太いモノノフ(ももいろクローバーZのファン)も、きっといるはずだ。

 

■ジーニアスの想いが爆発

 ということで対談当日、いつも通りの容姿で現れたジーニアスに鹿のお面(被るタイプ)を装着させ、顔出しNGとして対談させる幸子。

 見た目はバンビーノのネタ「ダンソン~フィーザキ~」の狩られる側を想像してほしい。

 対談中も桃乃の質問に答えず、無言でしばし見とれてしまうダメなジーニアスに、手を叩き意識を戻させるなど、けなげにサポートする幸子。

 しかし桃乃のジーニアスを気遣う心に、ジーニアスの想いが爆発。

「僕、桃乃さんのこと、前のグループ、ブリングトップに入る前の素人時代の踊ってみました動画の頃からずっと見てました! 桃乃ちゃんがアイドルとして成長していく過程が僕の創作意欲の原点になってることは間違いありません!」と熱くぶちまけ、あげく嗚咽を漏らすほど興奮。

 引かるかと思ったが、桃乃もジーニアスの手を握りしめて感激、その後、対談はジーニアスの1人しゃべりが5時間に及んだという。

■このシリーズ一番のジェットコースターな展開

 ふらふらになりながらの帰宅途中、ガッツリといきたい幸子は程よく汚いジンギスカンの店に飛び込む。

 今回は逃げられた俊吾さん(早乙女太一)を忘却するためではなく、単にエネルギー補給としての入店。

 一人席に着き、マトンスライスジンギスカンを注文するが、横の席のカップルから「一人でなんでもできちゃう女って、かわいげないよなあ」と揶揄する声が漏れ聞こえる。

 普通のグルメドラマなら、ここからはただジンギスカンを美味しく食べるだけのシーンになると思うのだが「私、一人でなんでもできるからダメなんでしょうか……かわいげって、なんでしょう……」と、ヒツジ肉の焼ける音をバックに悩む幸子。

 さらに「もしも幸子がきゃぴきゃぴした女の子だったら」の妄想シーンに突入。お揃いのロンTを着た俊吾さんといちゃつきながら、ツインテールでパフェを食べる幸子。

 この幸子、いや高畑充希のツインテールの似合いっぷりが半端なく、素直にかわいいと思いました。すみません。

 この妄想にバットマンのようなマントを広げ、シルクハットを被った白井編集長(吹越満)が登場するのだが、この意味不明なキャラも妙にハマっていて、ジンギスカンの焼ける音で唾液が出かかってる最中に何を見させられているんだろうと変な気持ちになる。

「もしも私がそんな風(きゃぴきゃぴ)だったら、俊吾さんはソバにいてくれた……? ……でも……そんなの私じゃない」

 妄想しつつ悩んでいた幸子がふと真顔に戻り、こちらもハッとさせられたことろに、間髪入れずに

「おまたせしました~マトンスライスジンギスカンになりまーす」と注文が到着。

 相変わらず短い時間に丁寧に詰め込んで、観る側をさりげなく揺さぶる作り。地味なジェットコースターに乗ってるようだ。

「そんなの私じゃない」の言葉の耳に残る中、画面にはボールに入った生のマトンともやしが映っている。余韻の波状攻撃。

 いろいろあるけど、結局身体に食べ物を入れないと始まらない。

 いろいろあるけど、明日からも続いていく。

 フィーザキーされた羊の肉を頬張る幸せそうな幸子。

 どんな人間も、忘却しないと生きていけない。

 うるさいカップルを尻目に、一人でジンギスカンを楽しむ幸子を見ていると、なぜかこちらまで幸せな気持ちになってくる。

 こちらのそんな気持ちなどお構いなしに、画面では幸子は延々もやしの感想とか述べている。油断できないドラマだ。

 今回は前半に早乙女太一、ふせえりとの贅沢な演劇シーンもあり、時間稼ぎのようなシーンで誤魔化さず手間を惜しんでないのがうれしい。

『男はつらいよ』のタイトル前の夢芝居みたいなのが毎回数本入ってくるわけだから、撮る側もやる側も大変だ。

 

■小林の片想いは実るのか?

 体調を崩して対談に来れなかった小林が、幸子しかいない編集部に戻ってくる。

「佐々木さんに早く認めてもらいたいので」と、片想い丸出しの小林。

 対談すっぽかしたお詫びにと飯を誘うが、当然幸子は食べてきたからと断る。

 残念そうな小林に「デザートならまだ入ります」と幸子。

「デザートの美味しい店ですね」と生き返ったように検索しだす小林。

「さ、仕事がんばりますよ!」

「はい!」

 暗い編集部に佇む2人の背中でエンディング。

 なんか合ってるかわからないけど、これぞハッピーエンドという気持ちになりました。

 残りの回もあと少し。最近は小林の片想いぶりがハマっているので、そちら目線でも見てしまう。まったく小林の想いが届いていなさそうだったのに、今回のデザートのくだりはちょっとずるい。

 幸子、わかっててやってるのだろうか……? だとしたら、さじ加減が絶妙。また次回。
(文=柿田太郎)

『獣になれない私たち』新垣結衣と松田龍平のお似合いカップル誕生も、「まったく盛り上がらない」と不満続々!

(これまでのレビューはこちらから)

 新垣結衣主演ドラマ『獣になれない私たち』の最終話が12月12日に放送され、平均視聴率8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 初回から「つまんない」「不快」とのコメントが殺到。視聴率は右肩下がりとなり、不安だらけだった同ドラマですが、最終回はどうなったのでしょうか。

 それでは、いつものようにあらすじから振り返っていきましょう!

■全部失った晶と恒星が選んだ道は……

 九十九社長(山内圭哉)に「お前がいなくても会社はどうにでもなる」と言われてしまった晶(新垣)はショックを受け、当日欠勤してしまう。そんな晶を会社の同僚たちは心配。晶に会いにクラフトビールバーへ向かい、そこで、本音をぶつけ合う。

 そんな中、恒星(松田龍平)と晶は一夜を共にしてしまったことを話し合うも、平行線のまま。時間ばかりがすぎていってしまう。

 その頃、呉羽(菊地凛子)は週刊誌で世間を騒がせてしまったと謝罪会見を開くも、開き直って暴言を連発。そんな姿を見て、恒星は無職になるのを覚悟で、担当していた企業の粉飾決算を告発。姿を消してしまう。

 数日後、安否を気にする晶のもとへ恒星から電話が掛かってくる。たわいもない言葉を交わし、晶は恒星に会いに行くことに。

 再会した2人はビールを飲み交わし、運命の鐘の音を聞きに教会へと向かうのであった、というのが最終回のストーリーでした。

■最後まで盛り上がらないドラマ

 前回、仕事で負った傷を舐めあうように一夜を共にした晶と恒星。最終回ではその2人のその後の関係が描かれたのですが……。

 話し合いの場を持っても、イジイジしている2人。ですが、最後の最後に鐘の音を聞きに教会へ行ったので、多分付き合うことになったよう。(付き合い始めたシーンはなかったのでなんともいえないのですが、ネットでは「2人は付き合い始めた」と9割以上が思っているようです)

 しかし、この展開に対し、「腑に落ちない」と視聴者からは文句が殺到。特に多かったのは「無職同士で付き合って終わりってなんだか……」「納得いかない!」という声。確かに、無職になった2人が気持ちを通じ合わせるというのは、無くはないのでいいと思います。しかし、“無職エンド”だと虚しいという気持ちだけが残る! 視聴者としてはその後(例えば、晶と恒星が付き合い始めて明るくなったところとか、次の職場で活躍しているとか)が少しだけでいいから見たかったというのが本音。

 正直、この終わり方は“スッキリ感ゼロ”。クソすぎる彼氏に振り回され、会社ではパワハラを受け、それに何もいえずにいる晶がずーっと続き、視聴者を長いこと不快な気分にさせ、じゃあ、最後はスッキリするかと思いきや、また不快に……。

 結局最後まで、“獣になれない”ままで終わったドラマといった印象です。

■あれ、伏線回収ひとつ忘れてない!?

 1話でやたら伏線を張り、少しずつ回収していってたんですが、最終回が終わってネットでは「ひとつ回収し忘れている」という指摘の声が。

 それは晶の家族のこと。1話で晶の父親は家族に暴力を振るい、晶が高校生のときに他界。母親はその暴力に耐えていたものの、ねずみ講にハマり、晶のためていた貯金を持ち去ったという説明がされており、この段階で「クソすぎる母親がその内登場して引っ掻き回すんだろうな」と推測する声が上がっていたんです。

 しかし、いつになっても母親は出てこず……。最終回放送直後には「一体あの家族関係説明のシーンはなんだったんだろうか…?」「晶が獣になれない性格になったのは母親のせいだと言いたいだけなら別のシーンで十分だったのでは?」「母親役、予想してたのに……」と苦情が殺到。この部分でも少し不快な気分になった視聴者は多かったよう。

 もともと描くつもりがなかったのか、それとも回収し忘れたのか。そのへんはわかりませんが、ちょっと脚本がずさんすぎる感がありました。

■主人公よりも魅力的だった“黒木華”

「ミスキャスト」との声が多く上がっていた同ドラマ。ですが、その中で「一際目が行く人物」といわれていたのが、黒木華演じる京谷の元カノ・朱里です。

 登場したばかりのときは、ブライダルの仕事に就くも、人間関係が嫌になり退職。その上、京谷から「好きな人が出来たからわかれてほしい」と言われて、人生のどん底に。で、ニートとなり、復讐のつもりで京谷の持ちマンションに居座り続け、ゲームに明け暮れるという人物で「ムカつく」との声が殺到していたのですが、それから挫けながらも立ち直っていく姿に感動し、徐々にファンが増加。結局最後には「晶より朱里が一番面白かった」「朱里が主人公の方がよかった」と言われている模様です。

 どんなドラマでも、なにもないところからスタートして、失敗を繰り返しながら上り詰めていく役というのは面白いもの。同ドラマの登場人物の中で、一番人間味がある役だなと思いました。

 きっと、脚本を書いた野木さんも朱里のシーンが書いていて一番楽しかったのではないでしょうか。それぐらい、興味深い人物。可能であれば、朱里にスポットを当てたスピンオフが見てみたいです!(続編ははっきり言っていらないです)

 以上、最終話のレビューでした。

 結局、スカっとせず、スカした感じで終わってしまった同ドラマ。もしかしたら今期のドラマの中で一番期待はずれだったかも!? 次回の水10は北川景子主演の人気作『家売るオンナ』の続編ということで、期待できるのでしょうか。 

 楽しみに来年の放送を待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

『獣になれない私たち』新垣結衣と松田龍平のお似合いカップル誕生も、「まったく盛り上がらない」と不満続々!

(これまでのレビューはこちらから)

 新垣結衣主演ドラマ『獣になれない私たち』の最終話が12月12日に放送され、平均視聴率8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 初回から「つまんない」「不快」とのコメントが殺到。視聴率は右肩下がりとなり、不安だらけだった同ドラマですが、最終回はどうなったのでしょうか。

 それでは、いつものようにあらすじから振り返っていきましょう!

■全部失った晶と恒星が選んだ道は……

 九十九社長(山内圭哉)に「お前がいなくても会社はどうにでもなる」と言われてしまった晶(新垣)はショックを受け、当日欠勤してしまう。そんな晶を会社の同僚たちは心配。晶に会いにクラフトビールバーへ向かい、そこで、本音をぶつけ合う。

 そんな中、恒星(松田龍平)と晶は一夜を共にしてしまったことを話し合うも、平行線のまま。時間ばかりがすぎていってしまう。

 その頃、呉羽(菊地凛子)は週刊誌で世間を騒がせてしまったと謝罪会見を開くも、開き直って暴言を連発。そんな姿を見て、恒星は無職になるのを覚悟で、担当していた企業の粉飾決算を告発。姿を消してしまう。

 数日後、安否を気にする晶のもとへ恒星から電話が掛かってくる。たわいもない言葉を交わし、晶は恒星に会いに行くことに。

 再会した2人はビールを飲み交わし、運命の鐘の音を聞きに教会へと向かうのであった、というのが最終回のストーリーでした。

■最後まで盛り上がらないドラマ

 前回、仕事で負った傷を舐めあうように一夜を共にした晶と恒星。最終回ではその2人のその後の関係が描かれたのですが……。

 話し合いの場を持っても、イジイジしている2人。ですが、最後の最後に鐘の音を聞きに教会へ行ったので、多分付き合うことになったよう。(付き合い始めたシーンはなかったのでなんともいえないのですが、ネットでは「2人は付き合い始めた」と9割以上が思っているようです)

 しかし、この展開に対し、「腑に落ちない」と視聴者からは文句が殺到。特に多かったのは「無職同士で付き合って終わりってなんだか……」「納得いかない!」という声。確かに、無職になった2人が気持ちを通じ合わせるというのは、無くはないのでいいと思います。しかし、“無職エンド”だと虚しいという気持ちだけが残る! 視聴者としてはその後(例えば、晶と恒星が付き合い始めて明るくなったところとか、次の職場で活躍しているとか)が少しだけでいいから見たかったというのが本音。

 正直、この終わり方は“スッキリ感ゼロ”。クソすぎる彼氏に振り回され、会社ではパワハラを受け、それに何もいえずにいる晶がずーっと続き、視聴者を長いこと不快な気分にさせ、じゃあ、最後はスッキリするかと思いきや、また不快に……。

 結局最後まで、“獣になれない”ままで終わったドラマといった印象です。

■あれ、伏線回収ひとつ忘れてない!?

 1話でやたら伏線を張り、少しずつ回収していってたんですが、最終回が終わってネットでは「ひとつ回収し忘れている」という指摘の声が。

 それは晶の家族のこと。1話で晶の父親は家族に暴力を振るい、晶が高校生のときに他界。母親はその暴力に耐えていたものの、ねずみ講にハマり、晶のためていた貯金を持ち去ったという説明がされており、この段階で「クソすぎる母親がその内登場して引っ掻き回すんだろうな」と推測する声が上がっていたんです。

 しかし、いつになっても母親は出てこず……。最終回放送直後には「一体あの家族関係説明のシーンはなんだったんだろうか…?」「晶が獣になれない性格になったのは母親のせいだと言いたいだけなら別のシーンで十分だったのでは?」「母親役、予想してたのに……」と苦情が殺到。この部分でも少し不快な気分になった視聴者は多かったよう。

 もともと描くつもりがなかったのか、それとも回収し忘れたのか。そのへんはわかりませんが、ちょっと脚本がずさんすぎる感がありました。

■主人公よりも魅力的だった“黒木華”

「ミスキャスト」との声が多く上がっていた同ドラマ。ですが、その中で「一際目が行く人物」といわれていたのが、黒木華演じる京谷の元カノ・朱里です。

 登場したばかりのときは、ブライダルの仕事に就くも、人間関係が嫌になり退職。その上、京谷から「好きな人が出来たからわかれてほしい」と言われて、人生のどん底に。で、ニートとなり、復讐のつもりで京谷の持ちマンションに居座り続け、ゲームに明け暮れるという人物で「ムカつく」との声が殺到していたのですが、それから挫けながらも立ち直っていく姿に感動し、徐々にファンが増加。結局最後には「晶より朱里が一番面白かった」「朱里が主人公の方がよかった」と言われている模様です。

 どんなドラマでも、なにもないところからスタートして、失敗を繰り返しながら上り詰めていく役というのは面白いもの。同ドラマの登場人物の中で、一番人間味がある役だなと思いました。

 きっと、脚本を書いた野木さんも朱里のシーンが書いていて一番楽しかったのではないでしょうか。それぐらい、興味深い人物。可能であれば、朱里にスポットを当てたスピンオフが見てみたいです!(続編ははっきり言っていらないです)

 以上、最終話のレビューでした。

 結局、スカっとせず、スカした感じで終わってしまった同ドラマ。もしかしたら今期のドラマの中で一番期待はずれだったかも!? 次回の水10は北川景子主演の人気作『家売るオンナ』の続編ということで、期待できるのでしょうか。 

 楽しみに来年の放送を待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)