思い通りにいかない人生はつまらない?――ドラマ『初めて恋をした日に読む話』第2話

(前回までのレビューはこちらから) 

 学校の行事でよく行われる、「タイムカプセル」や「未来の自分への手紙」。あいにく私は参加した記憶が無いのだが、若い頃は、面白そうな企画だと思っていた。

 しかし、歳を重ねるごとに、“残酷さ”のようなものを感じてしまい、今では「ああいう企画がなくてよかった」と胸をなで下ろしている。

 誰もが感じているように、自分の将来などというのは、思った通りにいかないものだ。それを「過去の自分」という、誰よりも身近な存在に検証されるのである。厳しいことこの上ない。

 ドラマ『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)第2話では、そんな「過去の自分からの手紙」が効果的に使われていた。

「東大に入りたい」という落ちこぼれ高校生・由利匡平(横浜流星)の熱意に押され、塾講師を続けることになった順子(深田恭子)。そんな彼女の元に、15歳の時、大人になった自分宛てに書いた手紙が届く。

「東大には行けたか?」「どんな人と結婚しているのか?」そして、「なりたい自分にはなっているか?」――それらの問いかけに、何一つ応えられていないことに順子は愕然とする。

 そんな挫折を味わいながらも、指導している匡平は、順調に勉強を続けており、順子の励みにもなっていた。

 ある日、匡平は、学校の仲間に誘われて行った合コンで、女子高生・江藤美香(吉川愛)と出会う。彼女は匡平を気に入り、彼と同じ、順子が勤める塾に通うようになる。

 新たなキャラクターの登場だが、演じている吉川は、かつて“吉田里琴”の名前で活躍した名子役であった。2008年に放送されたドラマ『オー!マイ・ガール!!』(日本テレビ系)では、6歳の天才子役という、自分の立場ともリンクした役を見事に演じていたことも印象深い。

 そして、16年、学業に専念することを理由に、一度芸能界を引退している。これからの活躍が期待される中での引退だったので、残念がる声は多かった。しかし、彼女は彼女なりに、「なりたい自分」を探していたのだろう。

 引退から一年後、女優として芸能界に復帰。どのような気持ちの変化があったかは知る由もないが、彼女なりに自分の人生を見直した結果だと思われる。そんな経緯をたどった彼女が、今回のドラマの「なりたい自分になれているか?」というテーマと重なって見えてしまう。子役時代から見ているが、愛らしいルックスと視線を巧みに使って演じる演技力は健在で、これからどう絡んでいくかが楽しみである。

 一方、順子に想いを寄せる、エリートの従兄弟・雅志(永山絢斗)。彼に届いた、未来の自分への手紙には、今でも変わらない順子への思いが綴られていた。雅志は、順子の幼馴染みの美和(安達祐実)から匡平のことを聞き、複雑な思いを抱く。

 そんな時、順子の塾で、近隣の高校に出向いて授業を行う「出張講師」をすることになる。なりゆきで、匡平の通う南校に行くことになった順子。そこで、学校側の担当となった教師は、高校の同級生・山下(中村倫也)だった。

 高校時代、山下は進学校の授業についていけず、落ちこぼれていた。そんな彼に、勉強を教え立ち直らせたのが順子だった。そして山下は、順子の人生で、唯一告白をしてきた男性でもあった。ほろ苦い思い出とともに、二人は再会したことになる。

 当時、付き合うことはなかったものの、「山下が自分を好きになってくれた」という事実は、その後も順子が落ち込んだ時に力をくれた。人が躓いた時に励みになるのは、誰かに愛されていたという実感なのだろう。それは、愛された経験が少ない者にとっては、大切にしておきたい思い出であるはずだ。

 山下と再会し、愛されることが励みになっていたことを思い出した順子は、匡平に「受験勉強しながら恋愛もしてほしい」と告げる。それに対し、「自分を肯定してもらったのが嬉しい」と答える匡平。いい雰囲気になったところで、順子の腰痛が再発する。心配して、生徒は立入禁止の講師ルームに付き添う匡平。他の先生が戻ってきたことから、順子は慌てて匡平を、自分の机の下に押し込む。

 同僚の教師が、匡平の父(鶴見辰吾)は文部科学省の局長であることを噂する中、順子は「受験会場でペンを持つのは本人、親なんか関係ない!」と言い切る。その言葉を聞いた匡平は、順子の膝に頬を当てるのだった。

 小さな出来事の積み重ねで、徐々に徐々に、匡平が順子に惹かれていくシーンが描かれる。年齢差もあるし、「先生と生徒」という立場もある分、匡平は自分の気持ちに戸惑っているようにも見える。20年もの長きに渡って恋をしている雅志や、これから大人の恋愛に発展しそうな山下とは違い、初々しさを感じる。おそらく、不良のような外見と、ピュアな気持ちとのギャップに、見ている女性の方々はキュンとなっているのではないだろうか。

 迎えた出張授業の日、教壇に立った順子に対し、生徒の反応は冷ややかだった。皆一様に聞く気がない。「勉強して何の役にたつのか?」そう尋ねる生徒に、「私もそう思う」と答える順子。

「だけど、みんなに大事な人ができた時、その人を守るために必要なことはある」

 そんなふうに語る順子に、生徒たちは耳を傾け始める。落ちこぼれた生徒たちは、順調に人生を歩んできた人の話を聞きたいわけではない。順子が自分のダメなところをさらけ出して話をしたことで、心を開いていったのであろう。

 打ち上げの席で、匡平と二人になった順子。酔った順子は、自分が今、匡平に夢中だと口にする。そして、匡平もまた、順子が好きな気持ちに気づくのだった。

 ドラマのラスト、順子のモノローグで、15歳の自分に向けた手紙を読んでいる。

「私は、君の想像する未来を、何一つ叶えていません。それでも、想像以上に忙しい日々を過ごしています」

 未来は、自分の思った通りになんかならない。でも、何かを手にしようという気持ちを持っていれば、そんなに悪い方向にはいかないんじゃないかな、と思う。大切なのは、何かを目指し、前に進もうという気持ちだ。

 このドラマは、そんな思いを持った人たちが、少しずつ幸せに近づいていく物語なのだ。ただの恋愛ドラマだと思って見ていてはもったいない。

(文=プレヤード)

『さすらい温泉 遠藤憲一』テレ東深夜に連なる、新たな「フェイクドキュメンタリー」の系譜

 あの遠藤憲一が、役者を引退して温泉宿で仲居として働くらしい……なかなか奇抜なビッグニュースが飛び込んできた。

 その真偽を確かめるべく遠藤にカメラが密着、そこに映るのは、温泉街で起こるさまざまな人間ドラマに、前のめりに首を突っ込む遠藤の姿。またしても一癖ありそうなテレ東深夜ドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』の第1話。振り返りましょう。

 

■フェイクドキュメンタリーである必然性は?

 番組は、遠藤本人への直撃取材からはじまる。

「遠藤さんが俳優を引退されるって聞いたんですけど」

 真意を問う番組ディレクターの質問を無視して、旅支度を進める遠藤。ドキュメンタリーであることを強調した導入部分だ。

 野暮を承知で言わせていただくなら、遠藤は現実では役者も辞めないし、温泉で働きもしない。現実とフィクションが交錯するいわゆるフェイクドキュメンタリーと呼ばれる手法。

 この手法は、テレ東深夜ではお馴染みで、『山田孝之の東京都北区赤羽』や『山田孝之のカンヌ映画祭』、斎藤工が芸人を目指した『マスクメン』、そして、それこそ同じ遠藤が本人役で出演した『バイプレイヤーズ』などもこれに含まれる。

 番組名に「遠藤憲一」の文字がデカデカと入っているのも、本人のままであると強調するためだろう。

 しかし、この冒頭の「前フリ」パート以降、ドキュメンタリー的な見せ方は影を潜める。

 草津の温泉宿(奈良屋)に着くなり、そこの番頭に「温泉宿専門、仲居派遣サービス・エンスタワーから参りました、中井田健一です」と自己紹介する遠藤。

 宿の従業員らも、彼があの「遠藤憲一」であると気づく様子もなく、これ以降、中井田健一を主役とした「温泉を舞台にした人情ドラマ」が進む。

 1話見ただけで言うのもなんだが、今のところこの作品における「ドキュメンタリー」部分の必要性は、他のテレ東のフェイクドキュメンタリー番組に比べると低いと思われる。

 他の番組(『山田孝之の~』や『バイプレイヤーズ』など)は、それが本人である必然性があるのだが、この番組は「中井田健一」と名乗って以降、彼が「遠藤憲一」本人であるとする見せ方は特になく、ドラマ終了後に、再び冒頭のディレクターが遠藤にインタビューするごく短いくだりはあるものの(やはり質問には答えない)、完全にドラマパートとフェイクドキュメンタリーパートが別れている。

 この見せ方が今後どんな効果を生むのか。

 

■「健さん」と呼ばれたがる遠藤

 遠藤、いや中井田は、自己紹介時に必ず「健さんと呼んでください」とアピールしており、意図的に違う自分になろうとしているようにも見える。

 しかも、さっそく奈良屋で働き出すのだが、その所作は昨日今日仲居を始めた人間のこなれ方ではなく、もはや長年役者と二足の草鞋を履いていたかのような、こなれっぷり。得体が知れない。

 ちなみに、温泉の効能や男湯女湯が入れ替わる時間など、実在する奈良屋の説明を中井田……いや健さんが働きながらしてくれるのだが、温泉ロケ番組でリポーターから情報を説明されるよりも、ドラマの中でさりげなく(というか、あからさまな、でもあるが)情報に触れさせられる方が、遠藤の色気溢れる声のおかげもあって押し付けがましくなく、聞いていて心地よい。

 これはフェイクドキュメンタリーにしているからこそ許される見せ方だろう。普通のドラマで宣伝の強い台詞やナレーションが入ったら興醒めしてしまうはずだ。

 そして、健さんは実に気持ちよさそうに風呂に入る。

 いや、実際気持ちいいのだろうが、グラビアアイドルとかでもないのに、その入浴っぷりについ見入ってしまうほど「画がもつ」。女性ファン的には、やはりたまらないのだろうか?

■寅さんばりに、すぐ恋に落ちる

 今回、健さんが恋に落ちる相手は、ともさかりえ演じる、同じく仲居である富永理恵。

「今回」と、毎回恋に落ちるような決めつけで書いたが、初回を見るとその可能性は実に高そう。今回も出会って15秒で「落ちて」いたほど。

 富永の入浴シーンを妄想する健さん。

 富永と2人でお使いに出かけるため、番頭に嘘をつく健さん。

 富永に借りたハンカチの匂いを嗅ぎ、ニヤニヤする健さん。

 冒頭のドキュメンタリーシーンで、ディレクターに冷たく当たっていた人物とは思えないほどの3枚目ぶり。

 富永に子どもがいるとわかっても、富永の罪な態度(「健さんみたいな優しい人がパパならあの子も幸せなのに……」)が、健さんを俄然燃え上がらせる。旦那とは別居中らしい)。

 だんだんテレ東の深夜ドラマを見てるのか『男はつらいよ』を見てるのか、わからなくなってくる。

 特に、富永の幼い子ども(勇介=五十嵐陽向)と触れ合いながら「母ちゃんにさ、『健さんに親切にしてもらった』って伝えんだぞ?」と真顔で伝えるシーンや、富永と上手くいっていると勘違いして、大声で歌(草津よいと~こ~)を歌いながら仕事(湯もみ)しちゃうシーンなど、その純粋さや「大人げなさっぷり」が、強く『寅さん』を感じさせた。

 

■4次元ポケットのようなトランク

 そして、クライマックス。

 実は富永の夫は刑務所に入っているのだが、豪華客船の船長で、ずっと航海に出ていると聞かされてる勇介のために、船長のような上下白いスーツと制帽を身につけ、まだ見ぬ父親役を買って出た健さん。

「お前のお父さんだよ」

「嘘だ。お母さんと一緒に働いてるじゃん」

 いきなり撃沈しかけるも、

「父さんは、世界のどの海の上にいても、お前のこと思ってる」

「強くなって母さんのこと守ってやるんだ」

「俺がいない時はお前が家族の船長だ」

 熱い畳みかけで子どもの心をつかみほぐし、励ました。

 このときの船長の衣装が、なぜか健さん唯一の荷物である古びたトランクから出てくる出てくるのだが、この「そんな物まで詰め込んでたの?」という驚きが毎回見どころのひとつのようだ。

 そういえば、遠藤憲一として冒頭で直撃インタビューされているとき、衣装さんらしきスタッフと荷物の確認をしていた。

 ドラえもんの4次元ポケットや21エモンのなんでも入るバッグのような存在を思わせる、健さんの古ぼけたトランク。

 中からどんな「こんなものが?」が飛び出すのか次回以降楽しみだ。

 

■奈良屋のお湯に「無料」で入る方法

 いじめられてる子どもの精神的ケアもしてあげ、いよいよ告白というタイミングで、「来月旦那が出所する」と、うれしそうに富永に伝えられてしまう健さん。失恋具合も見事に寅さん。

 正直、内容的にはよくある話のオンパレードなのだが、「さまざまなしがらみから離れ、人里離れた地で違う自分となって働く」という潜在的な願望が刺激されるからなのか、丁寧な作りも相まって、見ていて陳腐に感じることはない。

 温泉に浸かりながら、誰もが描く淡い夢を丁寧に見せてくれつつ、温泉ガイドもしてくれる。

 実在の遠藤憲一が実在の温泉でこれをしてるという「事実」が、このありふれた夢物語を、少しだけ生々しく感じさせてくれる。

 まだ始まったばかりだが、今後どんな効果を生むのか楽しみなドラマだ。

 ちなみに情緒溢れる奈良屋は泊まらなくても1,200円で日帰り入浴もできるし、そもそも近くの無料で入れる白旗の湯(草津最古の湯とされる)のお湯を引いているので、そこに行くのもアリ。

 草津にはこうした無料で入れる浴場が大小10カ所ほどあるので、それらを回るだけでも楽しい。

 次回は、山口紗弥加が、ゲストというかマドンナ。予告では濃厚な濡れ場っぽいシーンも見られたので、ドキドキしながらオンエアを待ちたいと思います。
(文=柿田太郎)

『グッドワイフ』視聴率急増で今期弁護士ドラマNO.1も、話題性イマイチ!? 原因は「常盤貴子の美しさ」!

(これまでのレビューはこちらから)

 常盤貴子主演ドラマ『グッドワイフ』(TBS系)の第2話が1月20日に放送され、平均視聴率11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 前回から1.5ポイント増となり、今期乱立しているリーガルドラマの中でも好調を見せている同ドラマですが、今週はどうだったのでしょうか。

 ではでは、今週もあらすじから振り返っていきましょう!

■事務所代表の父の弁護に奔走する杏子

 所属する弁護士事務所の代表・神山佳恵(賀来千賀子)の父親・大輔(橋爪功)が起こした飲酒運転事件を担当することになった杏子(常盤)。

 飲酒が疑われ現行犯逮捕された大輔だが、裁判で飲酒の事実はないと全否定。事件は暗礁にのりあげ、絶体絶命のピンチを迎えてしまう。そんな中、杏子は大輔のある異変を察知。それを問いただすも、大輔から絶対に口外するなと、硬く禁じられてしまう。

 自分の本採用のためにも、大輔のためにも、無実を勝ち取りたい杏子。そんな彼女が出したやり方とは……という内容でした。

■原作ドラマほぼ同じなのに、面白い!

 今話の内容は、被疑者が代表の父という点など、細かい部分で改変はありましたが、ほぼ原作と一緒。「原作通りだろ」といわれれば、「そう」としかいえないのですが、これが本当に面白い。全体的に話のテンポがよく、次々に新しい証拠が出てきて、見ていて飽きないんです。

 同じく海外ドラマが原作の前期ドラマ『SUITS』(フジテレビ系)だと、1話はほぼ原作と同じ内容で同ドラマとそこは同じ。ですが、『SUITS』の方は話のテンポが悪く、「このままだと、視聴者は飽きる」と思ったんです。その結果かわかりませんが、2話では視聴率が急激にダウン。やはりテンポは大事ですね。

 また、海外ドラマが原作ということで、海外の華やかすぎてどこか浮世離れしているという部分もない。例えば、夫が逮捕され、引っ越した先のマンションが原作では結構いいマンションだったんですが、同ドラマでは普通のマンション。また、日本版オリジナルには、日本人が好みそうなお涙頂戴話が加わっており、老若男女、誰でも楽しめる内容に。そこが高視聴率のポイントとなっているのかもしれません。

 しかし、『グッドワイフ』というタイトル通り、夫と妻の話も同ドラマは重要なのですが、その部分はまだまだ手付かずのまま。原作ではこの部分が後編メインとなり、シーズンを重ねるごとに話の中心となるので、日本版でももっとクローズアップしていって欲しいです。

■キャスト全員作り込みが秀逸!

 前回、ブーイングの多い水原希子が原作に近づけるように頑張っているとの話をしましたが、今回、全員が原作の役柄に近づこうと努力しているような気が。だって、みんな似ているんです(笑)!

 まず、常盤ですが、原作ではアリシアという女性なんですが、長く専業主婦だったためか、控えめな性格で、最初は法廷でもあまり自発的に発言できないという役柄。それを今回、常盤は忠実に再現しており、見ていて「あ! アリシアじゃん!」と思えるほど。原作ファンからも「アリシアっぽくて好きだわ~」なんて声が上がっており、好評なようです。

 また、友人で事務所の先輩でもあるウィル役の小泉孝太郎も上手。ウィルはアリシアを影からアシストし、段々とアリシアとのバディ感が強まってくるのですが、それが2話にして完璧(笑)。筆者、実は小泉孝太郎に「演技うまい!」と一度も思ったことがなかったのですが、同ドラマでそのイメージが激変(笑)。「本当、すみませんでした」と反省するばかりです(笑)。

 それに、そのほかの面々もベテラン、若手かかわらず、似ているといった印象。もしかしたらみんな一緒に原作の試写会でもしたんでしょうか(笑)?

■邪魔なのは、“常盤貴子の美貌”!

 1話の放送後話題となった常盤の美しさ。アラフィフのためか、少しふっくらした印象はありましたが、ナチュラルに美しい! 「20~30代の頃と変わっていない」とネットは話題となっていましたが、やはり今回もこの話題でネットは持ちきり。常盤貴子フィーバーとでも言いましょうか(笑)。

 ですが、正直、この話題ばかりが取り上げられて、肝心のドラマの内容は話題になっておらず……。

『SUITS』よりも断然面白く、今期乱立しているリーガルドラマの中でも「一番面白い」と言われている同ドラマですから、今後は常盤の変わらない美貌以上にドラマ全体への注目が増えることを祈りたいです。

 以上、2話のレビューでした。

 3話は最強妊婦弁護士との戦い。原作にもこれと同じ回があり、結構人気の回ということで後々にもこの話が関わっていたのですが……。日本版ではどんなアレンジをくわえてくれるのか。楽しみ放送を待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

『トレース~科捜研の男~』微減も、高視聴率! 錦戸亮人気だけじゃない、キープの秘訣とは!?

(これまでのレビューはこちら

『トレース~科捜研の男~』の第2話が1月14日に放映された。

 1話から0.5ポイントダウンするも、11.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と2桁視聴率をキープ。最近の月9の視聴率アップや、3連休の最終日という環境の良さも理由にあるだろう。

 だが、前クールの『SUITS』(同)が2話で、1話から3.1ポイントダウンの11.1%だったことを考えると、本作第2話は好成績だったと言える。今回は、なぜトレースが高視聴率に恵まれているか、その要因を考察したい。

■第2話あらすじのおさらい

 まずはあらすじを事件パートと人間ドラマパートに分けて紹介する。(ネタバレを防止したい人は、「フジテレビオンデマンド」や「TVer」での見逃し配信を見てから、本記事を読むことをお勧めします)

 まずは事件パートから。

 祝賀パーティ会場のバルコニーから突き落とされ死亡する外科医・真田和寿(名高達男)。真田の娘・有里(関めぐみ)は、バルコニーから逃走する被疑者・宮永渉(篠原篤)を目撃。現場バルコニーで宮永が真田と揉み合った際に残ったと思われる血痕が発見され、真野礼二(錦戸亮)と沢口ノンナ(新木優子)はDNA鑑定を行う。だが、血痕は別の人間のモノであった。

 宮永は釈放されるも、現場で彼の落とした折り鶴が発見される。さらに殺された真田も同じ折り鶴を所持していた。2つの折り鶴で被害者と被疑者の接点が見えてくる。

 捜査一課の虎丸良平(船越英一郎)が、宮永が過去、真田の病院で骨髄移植を受けた患者だった確証を得る。宮永は他者の骨髄を貰い受けたことで、複数のDNAを持つ“キマイラ”という特異体質だったと発覚。血痕から宮永のDNAが検出されなかったのもそのためだ。

 真田を殺したのは宮永と断定しかけた矢先、有里が宮永に襲われる。宮永の真田殺害の動機は、有里に移植された心臓にまつわるエピソードにあった。そして、悲しい過去と事件の真相がわかり、第2話は幕を閉じる。

 以上が事件パートを中心に追ったあらすじである。そこに新木優子演じる沢口ノンナをメインとした人間ドラマパートが絡み合う。新人として科捜研の仕事に悩むノンナは、被害者の娘・有里と親交を深め、励まされる。しかし、科捜研の一員として父親が殺された理由が有里にあったというつらい真実を突きつける結果に。「真実で人は救えない」と落ち込むノンナを、礼二が「真実が人を前に進ませる。お前はよくやった」と前向きにさせる。

 第2話は、上記で分割した事件パートと人間ドラマパートの織り交ぜ方が見事だった。

 ストーリーの“構成”という類の話であるが、高視聴率の要因はその構成にあると感じる。次章では上記あらすじを元に、構成が高視聴率を呼び込んだ理由を分析する。

■最初から最後まで飽きずに見られる手品の種とは?

 タイトルまでの冒頭5分で、【主人公・礼二が仕事に苦悩するノンナと共に、宮永のDNA不一致の謎を追う回】だと分からせたことが、高視聴率の決め手だろう。

・開始1分まで――真田が転落し、娘・有里が被疑者・宮永を発見。

・開始3分まで――科捜研の足手まといとなっているノンナの苦悩を提示。

・開始5分まで――宮永のDNAと現場に残された血痕のDNAが一致しない。

 その後、人間ドラマはノンナの苦悩に集約し、ノンナが有里と励まし合う中で被疑者と被害者のバックグラウンドが見える作りになっていた。ノンナが悩むほど事件の真相に近づくという構造だ。その構造により、ドラマ冒頭で示した見所から物語が逸れることなく、事件の真相とノンナの悩み解消というゴールへと導かれていく。物語に脱線が少なく、視聴者が見たい部分だけを見せることができるため、飽きてチャンネルを変える人が少なかったのではないか。

 唯一の脱線といえば、あらすじでは触れなかった【虎丸の捜査班の解体の危機】という要素だけ。これは、DNA不一致により宮永を誤認逮捕したとされ、一週間以内に事件を解決できなければ班が解散するというもの。事件にもノンナの悩みにも作用しない要素ではあるが、一週間以内というタイムリミットと、解決すれば班の続行が叶うというメリットを提示できた。スーパーマリオでいうところの時間制限とピーチ姫の救出の役割と同じく、物語にメリハリを与え、のめり込んで見られる要素となっていた。

「冒頭で見所を明確に提示」「見所から脱線しにくい構造」「のめり込む要素の散りばめ」、その3点がバランスよく構成されていたことにより、第2話が見易く飽きないモノとなっていた。

■『トレース』は、他の事件モノまで面白くさせる作品か?

 前章で挙げた3つのポイントは、多くのドラマが心がけている基本ではある。ただ、『トレース』の場合は他のドラマ以上にセオリーに忠実で、見る人への配慮が行き届いている。その手堅さを、ウェルメイドに感じてつまらないと思う人もいるかもしれない。

 だが、スタンダードなドラマがあるからこそ、他のドラマの個性を楽しむことができる。2018年度の話題となった事件モノのドラマを例にあげてみよう。

 まずは『アンナチュラル』(TBS系)。この作品は、ベタな事件モノを見ている人ほど楽しめる作りになっている。「普通ならこうなる」というドラマ的なセオリーとは違う斜め上の展開が随所に見られた。また、『リーガルハイ』(フジテレビ系)や『科捜研の女』(テレビ朝日系)などの有名作品を意識したパロディ的な小ネタも頻出する。

 高視聴率を博した『99.9』(TBS系)であれば、他の事件モノよりもミステリー難易度を下げ、キャラの軽妙なやり取りに特化したドラマだと見てとれる。

『トレース』を基準に他の事件モノのドラマを見てみると、各ドラマの斬新さやドラマ全体のトレンドが見えやすくなるだろう。

 そう言うと、まるで『トレース』が無個性ドラマのようだが、本作の個性は細かいポイントに散りばめられている。紫のトレードカラーや、『科捜研の女』を意識したサブタイトルやキャラの名前(沢口靖子由来かもしれない、沢口ノンナ)が挙げられる。その小ネタを作中でイジることなく視聴者にツッコミを委ねてしまう割り切りも洒落ている。

 笑える、重厚、斬新など、ドラマを形容する言葉はさまざまだが、『トレース』は「美しいドラマ」と評するのが相応しい作品だと思う。真摯に視聴者を楽しませようとする心意気も、ドラマ界全体を見渡した上での存在意義も、何を見せたいのか明確な作品性も、美しいと感じるからだ。これは綺麗ごとかもしれないが、作り手の誠実さが、視聴率に反映しているとも思えてくる。

 今回は第2話の構成にスポットを当てたが、全話を通した構成も楽しみである。

 第1話では、『主人公たちはどんなキャラクターなのか』を、第2話では構成の絶妙さで『どんな事件を扱うドラマなのか』を丁寧に描いていた。

 1月21日放映予定の第3話では何を見せてくれるのだろうか。虎丸の先輩刑事が過去に捜査した事件と酷似する児童の殺人を扱うため、虎丸のキャラや過去にスポットが当たるのか。それとも許しがたい殺人で、メイン3人の事件へのリアクションの違いを示してくれるのか。作り手の意図や意識にも注目しながら、第3話を楽しみにしたい。

(海女デウス)

『3年A組』は菅田将暉による“現代の金八先生”なのか?

 1月13日に放送された『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の第2話。

 3年A組の担任教師・柊一颯(菅田将暉)が生徒たちを人質に取って立てこもってから一夜明け、警察は柊の身辺調査を始める。その中で、かつて交際していた元高校教師・相良文香(土村芳)に暴力を振るっていたという証言が、文香の父・孝彦(矢島健一)から引き出された。

 正直、この証言は信用できない。柊は、文香と居酒屋らしき場所でデートしたときの動画を頻繁に見ている。この中で彼女は「私たち教師って、生徒に何をしてあげられるんだろう? 結局は、ぶつかり合うしかないんだろうね。教師と教師としてじゃなく、人と人っていうか。体と体を使って言葉を交わすっていうか」と、ビールを飲みながら悩みを吐露している。どうしても、柊にDVを受けている者の姿には見えないのだ。

 毎回、1人の生徒にフォーカスし、今までの過ちをあぶり出すのがこのドラマのフォーマット。第2話は宇佐美香帆(川栄李奈)だった。

 爆弾等を用いた柊の手法は過激だが、その目的はピュアに道徳指導だ。香帆に向けた“説教”の内容は「お前に足りなかったのは想像力だ。お前には痛みを想像できなかった」。あまりにもな正論である。なんのひねりもない。ありきたりと言ってもいい。異常なのは状況だけである。

 初回の段階では「柊はサイコパス?」という予測も立てられたが、今回ではっきりと違うことがわかった。「3年A組」というタイトルからもわかるように、このドラマは熱血教師の物語である。文香の言う通りに、体と体を使って言葉を交わすのが柊のやり方。でも、坂本金八のように黒板に人の字を書いて人間を説いたり、腐ったみかんの方程式に異を唱えているだけじゃ、現代の生徒には響かない。過激な手法をとるのは、そのせいだ。死ぬことも逮捕されることも厭わず、今の時代に即した熱血授業を柊は行っている。

 だから、第1話で柊に刺殺された(ことになっている)生徒・中尾蓮(三船海斗)も、実は生きているはずだ。“生きるための授業”を行うのが柊なのだから。何より、柊は警察に30人分のおにぎりを持ってくるよう要求している。自殺した景山澪奈(上白石萌歌)の分を引くと、A組の人数は29人。柊を足して30人だ。中尾の分もしっかり勘定に入っている。

■なぜ、柊は澪奈の自殺を止めなかった?

 香帆が行ったいじめは、現代的なものだった。

 澪奈を自慢できる“ブランド”として見る気持ちが、香帆の中には確かにあった。しかし、それだけじゃない。純粋に友達としても大好きだった。なのに「やっぱり、全国レベルって偉大だわ~」と悪気なく余計なことを言ってしまい、澪奈から距離を取られるようになる。

 こうして、香帆による愛憎の復讐劇が始まる。スクールカーストやマウンティングを存分に駆使し、SNSも最大限に活用。香帆は男になりすまし、澪奈に行った嫌がらせをSNSでイチイチ報告。決め手は、捏造動画のアップだ。こうして、澪奈のドーピング疑惑は拡散した。

 筆者の学生時代にSNSがなくて、本当に良かったと思う。もし学校で嫌なことがあったら、SNS追撃のせいで心の休まる瞬間はないだろう。家に帰ったとしても、気が抜けない。地獄が延々続くような気持ちになるのではないか?

 香帆のいじめは、現代の一側面を切り取っている。でも、ドラマでは、極端にそっちに寄りすぎないでほしいのだ。現代の若者をステレオタイプで捉え、想像力に欠けた欠陥のある人間として描きすぎないでほしいのだ。そこは冷静になり、公平で深みのある描写を望みたい。

 最後に一つだけ、どうしても解せないことがある。澪奈からいじめの悩みや自殺願望を聞いていた柊は、どうして彼女を止めることができなかったのか? 止められないにしても、自殺願望を沈静化させようとした痕跡さえない。香帆に「今まで何もしてくれなかったくせに!」と責められていたが、そう言いたくなる生徒の気持ちもわかるのだ。

 なぜ、彼は唐突に金八ばりの熱血教師になったのか。3年A組のクラス以上に、柊の中に潜む闇が気になる第2話だった。

(文=寺西ジャジューカ)

現代人が求める理想のカウンセラーがここにいた!! 杉咲花に叱られたい『ハケン占い師アタル』第1話

「わかりました、あなたを鑑(み)ます!」

 主人公のそんな決め台詞によって、職場によくいる典型的なキャラクターたちの運勢が鑑定される杉咲花主演ドラマ『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)。脚本は『女王の教室』『家政婦のミタ』(ともに日本テレビ系)などの大ヒット作を放つ一方、酷評されまくった朝ドラ『純と愛』(NHK総合)でも知られる遊川和彦です。木村拓哉主演映画『無限の住人』(17)で演技力が高く評価された杉咲花と、当たり外れが激しい遊川和彦との初タッグ作は一体どちらに振り切れるのでしょうか。第1話を振り返ってみたいと思います。

 舞台となるのは都内にあるイベント会社。入社3年目となる神田(志田未来)はマジメな性格ですが、いつも職場の空気を気にしてばかりいます。体育会系で口うるさい上野(小澤征悦)、残業は一切しないクールな田端(野波麻帆)、ヤル気を感じさせない品川(志尊潤)、コネ入社の目黒(間宮祥太朗)、部長から頼まれた仕事は断れない大崎課長(板谷由夏)といった個性の強い同僚たちに挟まれ、自分の意見を言うことができません。そんな職場に、新しく派遣社員の的場アタル(杉咲花)が加わることになりました。

 アタルは不思議な女の子です。神田が出社途中の電車内で見かけたときは、黒いニット帽を被り、丸いサングラスで顔を隠し、ミステリアスな雰囲気を漂わせていました。ところが職場に着いたアタルは、ニット帽とサングラスをさっと取り、ニコニコ笑顔を浮かべています。「派遣登録して初めての職場です。体力には自信あります。アタルと呼んでください♪」とすごくフレンドリーに自己紹介するアタルでした。初コピー、初社員証、初会議……とうれしそうにアタルは記念写真を撮りまくります。写真を撮っている理由は、のちのち明かされるのでしょうか。なかなかキャラクターが読めない存在です。

 

■驚異的な人間観察能力!!

 その晩はアタルの歓迎会が居酒屋で開かれることになりました。神田は同棲している司法浪人中の彼との間にどうも子どもができたようで、早く帰りたかったのですが、上野から強引に誘われてしまいます。アルコールは控えたい神田ですが、やたらと声がデカい上野が「とりビー、とりあえず生ビール!」と人数分の生ビールを頼んでしまい、やっぱり神田は断ることができません。きっと、彼からも「生でやりたい」と頼まれ、断れなかったのでしょう。生という言葉が、生々しく感じられる神田でした。

 一方、歓迎会を開いてもらったことに大喜びしていたアタルですが、神田の些細な表情の変化を見逃しません。メニューをもらいに行くふりをしたアタルは、人数分の生ジョッキを抱えて戻り、こっそりと神田の分はノンアルコールに換えてみせます。どうやらアタルは抜群の人間観察能力の持ち主のようです。

 ベビー用品を扱う企業の創立記念イベントが開かれます。イベントに参加してくれる50組のお母さんと赤ちゃんを集めるだけで大変でしたが、神田はイベントに参加してくれた母子に渡す記念品にそれぞれ違ったメッセージカードを用意したために前日は徹夜をしてしまいます。イベント会場には遅刻。しかも、イベントの最後にクライアントが50組の母子と一緒にフォトセッションするタイミングで、寝不足から足をもつれさせて巨大アンプを倒してしまいました。その音にびっくりした赤ちゃんたちがいっせいに大泣きしたために、イベントは大混乱のまま終わってしまうのでした。

 神田の人生は真っ暗闇。大事な仕事でポカして、クライアントを怒らせ、さらに同棲中の彼に妊娠している事実を告げると、遠回しに子どもを育てるのは無理だと断られます。職場にも学生時代にも親しい友人のいない神田は、誰にも相談することができません。堕胎手術を受けるつもりで産婦人科を訪ねた神田ですが、待合室でスマホを眺めていると昔のテレビ番組に子どもの頃のアタルが「どんな悩みもズバリ解決する 天才占い少女」として出演していたことに気づくのでした。アタルは周囲の人間の霊やら過去が何でも見えてしまうため、その能力をセーブするためにサングラスを愛用しているのでした。『X-MEN』シリーズの目から破壊光線を放つサイクロップスみたいなものですね。アタルのことが気になった神田は、産婦人科をキャンセルして、職場へと向かいます。

■パワーストーンに頼っていては幸せになれない?

 パワーストーンやラッキーカラーにすがる神田のあまりのグダグダさに、辟易しかかった視聴者も多いと思います。志田未来は細かい演技がうまいゆえ、余計にイライラ感が募ります。しかし、クライマックスの盛り上げ方は、さすがベテラン脚本家・遊川和彦。「私、(占いは)もうしません」と断るアタルに対して、神田は懸命に自分を鑑定してほしいと頼み込みます。それまではかわいい後輩ぶっていたアタルですが、「言っとくけど、占い料10万円だよ。あんたの給料で払えないでしょ」と態度が豹変します。何とか特別料金で頼み込んだ神田ですが、できる質問は3つだけ。「わかりました、あなたを鑑ます!」とサングラスを外したアタルの占いが始まります。

 神田の質問は「なんで私は友達ができないんでしょうか」「この仕事は向いているでしょうか」「私はどうして自分で決めることができないのでしょうか」という平凡なものでした。アタルの占いによって、神田は少女時代のトラウマと向き合うことになります。小学生の頃から神田は周囲の顔色を気にする性格でした。ある日、クラスメイトから「神田さんって、臭いよね」と言われ、それ以来ずっと自分の体臭が気になり、周囲と距離を置くようになったのです。やたらと香水を手首に振るのも、そのためでした。

 アタルの鑑定結果はこうです。クラスメイトが「臭い」といったのは、神田の体臭ではなく、神田の笑顔が嘘くさいと指摘していたのです。そのことに気づかず、神田は嘘くさい笑顔をいつも浮かべながら、香水を振りまいていたのです。すべては逆効果だったことを知らされ、茫然自失となる神田でした。

 アタルの鑑定は続きます。2つめの質問は「仕事が向いているか向いていないかは、自分で決めること」と一刀両断。ごもっとも。最後の質問「どうして自分で決めることができないのか」という問いに対して、「要するに愛がないんだよ」と冷たくアタルは言い放つのでした。司法浪人中の彼氏に尽くし、職場ではイベント前に徹夜するほど頑張っている神田に“愛”がないとはどういうことでしょうか?

 アタルはきっぱりと断言します。「いちばん大切な愛が欠けている」と。つまりは周囲を気にするあまり、自分のことを愛することができずにいるというのです。パワーストーンやラッキーカラーに頼っていては、せっかく仕事に成功しても、それでは自分が努力したからだと実感できません。自分のこれまでの人生を否定されたように落ち込んでいた神田ですが、最後にアタルは「誰にでも必ずあるんだよ。自分にしかできないことが」とさらりと語り掛けるのでした。

 

■『女王の教室』『家政婦のミタ』に続くミステリアスさ

 アタルの鑑定を終えた神田が職場に戻ると、いつも調子のいい代々木部長(及川光博)がクライアントから電話が掛かってきたことを伝えます。恐る恐る神田が電話に出ると、イベントに参加したお母さんたちが記念品の中に入っていたメッセージカードを喜んでいるという感謝の言葉でした。SNS上にもメッセージカードに好意を示す言葉が溢れていました。いつも一緒にいる職場の同僚や同棲相手には評価されにくかった神田の丁寧な仕事ぶりは、赤ちゃんの世話に追われるお母さんたちにしっかりと認められたのでした。

 子どもを堕して、実家に帰るつもりでいた神田ですが、ここで初めて自己主張します。子どもを産んで、仕事も続けたいですと。個性が強くて、バラバラだった職場ですが、妊娠している神田をみんなでサポートしようと一致団結することに。派遣社員・アタルの最初の鑑定によって、神田は明るい未来を選ぶことに成功します。おまけに友達がいなかった神田は、アタルという初めての友達もできました。香水もパワーストーンも、もう必要ありません。アタルも友達ができて、うれしそう。でも、「占いのこと人に言ったら、ぶっ殺すから!」とダークな一面も覗かせて、第1話は終了です。

 杉咲花は連続ドラマに初主演した『花のち晴れ』(TBS系)では視聴率が全話1ケタ台と期待外れに終わりましたが、2度目の主演作『ハケン占い師』は初回12.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好スタートを切ることに成功しました。志田未来演じる神田の周囲を気にするキャラ設定が『女王の教室』を彷彿させるなど、遊川脚本には遊び心が施されています。遊川自身も第1話拡大版の演出まで手掛けるなど、かなり気合いが入っていたようです。

 やたら元気はいいけど職場で空回りし続ける残念な目黒、NOと言えない中間管理職・大崎課長らの運勢を、今後アタルは鑑定することになりそうです。様々な悩みを抱えている現代人ですが、大きな悩みほど家族や恋人には打ち明けにくいもの。派遣社員のアタルのように、ちょっと距離感のある相手のほうが気兼ねせずに何でも話せるのかもしれません。アタルは占い師というよりは、心理カウンセラーのような存在です。杉咲花演じるアタルに、ガツンと厳しい言葉を放ってほしいという視聴者がますます増えていくのではないでしょうか。哀しい過去を抱えていそうなアタルのミステリアスさも気になるところです。視聴率&ドラマ展開ともに“大アタリ”しそうな予感です
(文=長野辰次)

『刑事ゼロ』視聴率急落! 沢村一樹、絶妙な演じ分けも“記憶喪失の設定”を活かしきれず……

 沢村一樹が主演を務めるドラマ『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)の第2話が17日に放送され、平均視聴率10.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から4.2ポイントの大幅ダウンとなってしまいました。

(前回までのレビューはこちらから)

 前回、ビル屋上からの落下事故がもとで刑事生活20年分の記憶を失ってしまった京都府警捜査一課刑事の時矢暦彦(沢村)。今回は、7年前に自身が逮捕した建築士の芹野泰夫(中村靖日)が仮釈放され、再審請求の準備をしていると知り、新人刑事の佐相智佳(瀧本美織)とともに再調査に乗り出します。

 7年前の事件とは、芹野がリフォームの相談に訪れた直後、ファイナンス会社社長・逢沢省三(剣持直明)が自身の別荘の階段から転落死したというもの。ドアや窓はすべて施錠され、勝手口のドアだけはノブのボタンをプッシュしながら外に出ればカギがかかるタイプのものではあったけれど、そのすぐ近くの別荘に住む出版社社長・円城明日香(いしのようこ)が当時、犯人を目撃していないと捜査時に証言したため、いわゆる密室状態だったのです。

 しかし、それならばなぜ芹野が逮捕されることになったのか。さらに、時矢の元妻で、芹野の弁護人を務めた奥畑記子(財前直見)によれば、芹野は7年前は控訴を拒んだということで、裏に何か隠された事実があるのではないかと時矢は推測します。

 そして円城のもとを訪れたところ、実は事件当時、勝手口から出てくる芹野を目撃したものの、口外したら殺すと脅されたために捜査の段階では偽証したことが判明。ところがそれを見抜いた時矢によって出廷直前に説得されたため、公判では証言を撤回し、芹野が逮捕に至ったということが発覚します。

 ではなぜ、芹野は7年前に控訴しなかったのか。時矢はまず、円城の身元を調査し直します。その結果、出版社が倒産寸前であったことや、7年前に夫・公昭が失踪し、その死が認められて保険金1億円がもうすぐおりるタイミングであることなどが発覚。また、逢沢が脱税して別荘に隠していた1億円が何者かに盗まれたことも判明します。

 そんな折、仮釈放されたばかりの芹野が失踪。時矢は智佳を引き連れて円城の別荘へ向かいます。するとそこには、壁の中に隠した公昭の遺体を掘りだそうとする芹野と、それを見守る円城の姿があるのです。

 実は2人は共犯者で、早急に経営資金が必要になった円城が芹野を焚きつけ、公昭殺しを命令。睡眠薬で眠らせた公昭を首つり自殺に見せかけようとしたものの途中で目覚めてしまい、円城が慌てて撲殺してしまったのです。

 その後、逢沢の別荘から1億円を盗み出してくるよう円城に命じられた芹野は、犯行が見つかったために逢沢を階段から突き落としてしまい、とっさに密室工作をしたのでした。

 ところが出廷直前、時矢から偽証することを止められた円城は、公昭殺しもいずれ見抜かれてしまうのではないか、そうなれば自身も逮捕され、2件の殺人に絡んだ芹野は死刑が確定してしまうのではないかと恐れ、ギリギリになって証言を覆したのです。そして円城の意図を組み、芹野は控訴しなかったというわけだったのです。7年前の事件を、“アフター・時矢”が無事に決着させたところで今回は終了となりました。

 今回のように、ただ1つの逃走ルートに第3者がいたという密室事件の場合、その人物が共犯者かあるいは弱みを握られていたであろうことは容易に想像がつきます。それをどうにか奥行きのあるミステリーに仕立てようとしたのでしょうけれど、円城と芹野の関係性や事件時の状況をこねくり回した結果、糸がもつれあいすぎてワケがわからない状態となってしまった印象を受けました。

 そもそも早急に1億円を欲していた円城が、自殺に見せかけて夫を殺そうとするのが理解できません。確実に疑われますし、睡眠薬なんか飲ませている時点で計画がずさんすぎます。また、芹野のことを本当に愛していたのか、あるいは夫殺しのために利用していただけなのか、イマイチはっきりしませんでした。

 そのため、芹野が死刑になることを回避しようと、ギリギリで証言を撤回したというくだりがどうにも腑に落ちませんでした。そんな彼女の意図を察して芹野が控訴をしなかったという心理も、2人の結びつきの強さが見えないだけに説得性に欠けました。また、公昭の遺体をなぜ掘り起こそうとしたのかも意味不明でした。

 記憶を失ったことで刑事としてまっさらな状態になった時矢が、事件発生当時の捜査メモをバトンリレーのようにして過去の謎を追う。しかも、それが冤罪だったかもしれないというキャッチーな設定だったのですが、それを活かしきれていなかったのが残念であり、もったいなく感じました。

 ただ、記憶を失う前のスマートさと、現在のうだつのあがらない時矢を絶妙に演じ分けている沢村の演技力の高さには脱帽でした。あまりに違いすぎるので、記憶を失ったことを同僚たちが怪しまないのが不思議なくらいです。というより、記憶を失うと性格まで変わるものなんですかね? 

 前回のレビューでも触れましたが、時矢の言動はまるで子どものようであり、それを注意する智佳のツッコミは我が子を叱る母親のようでもあります。夫婦ならぬ親子漫才のようなコミカルな関係性は魅力的なので、これに事件解決の面白みがプラスされれば視聴率は取り戻せるのではないでしょうか。次回は“逆回転誘拐”という、なんだかトリッキーな事件を追うとのことで楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『刑事ゼロ』視聴率急落! 沢村一樹、絶妙な演じ分けも“記憶喪失の設定”を活かしきれず……

 沢村一樹が主演を務めるドラマ『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)の第2話が17日に放送され、平均視聴率10.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から4.2ポイントの大幅ダウンとなってしまいました。

(前回までのレビューはこちらから)

 前回、ビル屋上からの落下事故がもとで刑事生活20年分の記憶を失ってしまった京都府警捜査一課刑事の時矢暦彦(沢村)。今回は、7年前に自身が逮捕した建築士の芹野泰夫(中村靖日)が仮釈放され、再審請求の準備をしていると知り、新人刑事の佐相智佳(瀧本美織)とともに再調査に乗り出します。

 7年前の事件とは、芹野がリフォームの相談に訪れた直後、ファイナンス会社社長・逢沢省三(剣持直明)が自身の別荘の階段から転落死したというもの。ドアや窓はすべて施錠され、勝手口のドアだけはノブのボタンをプッシュしながら外に出ればカギがかかるタイプのものではあったけれど、そのすぐ近くの別荘に住む出版社社長・円城明日香(いしのようこ)が当時、犯人を目撃していないと捜査時に証言したため、いわゆる密室状態だったのです。

 しかし、それならばなぜ芹野が逮捕されることになったのか。さらに、時矢の元妻で、芹野の弁護人を務めた奥畑記子(財前直見)によれば、芹野は7年前は控訴を拒んだということで、裏に何か隠された事実があるのではないかと時矢は推測します。

 そして円城のもとを訪れたところ、実は事件当時、勝手口から出てくる芹野を目撃したものの、口外したら殺すと脅されたために捜査の段階では偽証したことが判明。ところがそれを見抜いた時矢によって出廷直前に説得されたため、公判では証言を撤回し、芹野が逮捕に至ったということが発覚します。

 ではなぜ、芹野は7年前に控訴しなかったのか。時矢はまず、円城の身元を調査し直します。その結果、出版社が倒産寸前であったことや、7年前に夫・公昭が失踪し、その死が認められて保険金1億円がもうすぐおりるタイミングであることなどが発覚。また、逢沢が脱税して別荘に隠していた1億円が何者かに盗まれたことも判明します。

 そんな折、仮釈放されたばかりの芹野が失踪。時矢は智佳を引き連れて円城の別荘へ向かいます。するとそこには、壁の中に隠した公昭の遺体を掘りだそうとする芹野と、それを見守る円城の姿があるのです。

 実は2人は共犯者で、早急に経営資金が必要になった円城が芹野を焚きつけ、公昭殺しを命令。睡眠薬で眠らせた公昭を首つり自殺に見せかけようとしたものの途中で目覚めてしまい、円城が慌てて撲殺してしまったのです。

 その後、逢沢の別荘から1億円を盗み出してくるよう円城に命じられた芹野は、犯行が見つかったために逢沢を階段から突き落としてしまい、とっさに密室工作をしたのでした。

 ところが出廷直前、時矢から偽証することを止められた円城は、公昭殺しもいずれ見抜かれてしまうのではないか、そうなれば自身も逮捕され、2件の殺人に絡んだ芹野は死刑が確定してしまうのではないかと恐れ、ギリギリになって証言を覆したのです。そして円城の意図を組み、芹野は控訴しなかったというわけだったのです。7年前の事件を、“アフター・時矢”が無事に決着させたところで今回は終了となりました。

 今回のように、ただ1つの逃走ルートに第3者がいたという密室事件の場合、その人物が共犯者かあるいは弱みを握られていたであろうことは容易に想像がつきます。それをどうにか奥行きのあるミステリーに仕立てようとしたのでしょうけれど、円城と芹野の関係性や事件時の状況をこねくり回した結果、糸がもつれあいすぎてワケがわからない状態となってしまった印象を受けました。

 そもそも早急に1億円を欲していた円城が、自殺に見せかけて夫を殺そうとするのが理解できません。確実に疑われますし、睡眠薬なんか飲ませている時点で計画がずさんすぎます。また、芹野のことを本当に愛していたのか、あるいは夫殺しのために利用していただけなのか、イマイチはっきりしませんでした。

 そのため、芹野が死刑になることを回避しようと、ギリギリで証言を撤回したというくだりがどうにも腑に落ちませんでした。そんな彼女の意図を察して芹野が控訴をしなかったという心理も、2人の結びつきの強さが見えないだけに説得性に欠けました。また、公昭の遺体をなぜ掘り起こそうとしたのかも意味不明でした。

 記憶を失ったことで刑事としてまっさらな状態になった時矢が、事件発生当時の捜査メモをバトンリレーのようにして過去の謎を追う。しかも、それが冤罪だったかもしれないというキャッチーな設定だったのですが、それを活かしきれていなかったのが残念であり、もったいなく感じました。

 ただ、記憶を失う前のスマートさと、現在のうだつのあがらない時矢を絶妙に演じ分けている沢村の演技力の高さには脱帽でした。あまりに違いすぎるので、記憶を失ったことを同僚たちが怪しまないのが不思議なくらいです。というより、記憶を失うと性格まで変わるものなんですかね? 

 前回のレビューでも触れましたが、時矢の言動はまるで子どものようであり、それを注意する智佳のツッコミは我が子を叱る母親のようでもあります。夫婦ならぬ親子漫才のようなコミカルな関係性は魅力的なので、これに事件解決の面白みがプラスされれば視聴率は取り戻せるのではないでしょうか。次回は“逆回転誘拐”という、なんだかトリッキーな事件を追うとのことで楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『メゾン・ド・ポリス』おじさんキャストの妙で好評も、主演・高畑充希に批判の声「目が怖い」

 高畑充希主演ドラマ『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)の第1話が1月11日に放送され、初回視聴率12.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/同)と、好スタートを切りました。これ、前クール好評だった戸田恵梨香主演『大恋愛〜僕を忘れる君と』の10.4%を上回る数字だそうですよ。

 刑事役は初挑戦、TBSの連ドラ出演は『3年B組金八先生』以来の約10年ぶりだという高畑充希ちゃん、このまま高視聴率をキープできるでしょうか……。まずはあらすじから振り返っていきたいと思います。

■ひよっこ刑事、5人のおじさんと出会う

 天ぷら店を営む薗田政二(岩寺真志)が手足を拘束された上、灯油をかけられ焼かれるという事件が発生。警察は5年前に起きた「デスダンス事件」の模倣犯と見て捜査を開始し、新人刑事・牧野ひより(高畑充希)は、手かがりを探るべく、5年前に事件を担当した元警視庁捜査一課主任の夏目惣一郎(西島秀俊)の元を訪れます。

 彼は高級住宅街にある洋館で「雑用係」として暮らしていました。そこは「メゾン・ド・ポリス」というシェアハウスで、オーナーの元警察幹部・伊達有嗣(近藤正臣)、管理人兼料理担当で元中野東署警務課の高平厚彦(小日向文世)、ジャージ姿の元柳町北署の熱血刑事・迫田保(角野卓造)、女好きな元科捜査研・藤堂雅人(野口五郎)という元警察官の5人が共同生活を送っていました。

 もはやただの一般人でしかないおじさんたちですが、若い女の子が困っているのを見過ごせないのか、事件への興味なのか、非協力的な夏目さんをよそに、伊達さんが勝手に上に話を通したせいで、おじさんたちは半ば強引に捜査に加わることに。

 夏目とともに捜査を進めるうち、ひよりは、薗田の息子・義政(伊島空)が5年前の事件の真犯人で、店の常連だった本間弘喜(小久保寿人)の髪の毛を採取して犯人に仕立て上げたと勝手に推理。花屋で懸命に働きながら息子の死刑執行を防ぐために無実を訴える本間の母・弘子(手塚理美)に同情したのか、ひよりは弘子にそのことをペラペラと喋ってしまいます。

 その夜、自転車で出かける義政のあとをつける途中、何者かに襲われ拘束された挙句、灯油をかけられてしまったひよりは、夏目さんの携帯に連絡を入れますが、電話は途中で切られてしまいました。

“ひよこ”とかわいがっているひよりの身に危険が迫っていることを悟ったおじさんたち。元科捜研の藤堂さんは、研究室さながらの自室で夏目が持ち帰ってきた事件現場の公園の土から、薗田のスマホにも付着していたというトルコキキョウの花粉を採取。伊達さんは、北署の署長からひよりの携帯のGPSが薗田の店の辺りで途切れていたことや義政は犯人ではないという情報を、迫田さんは、薗田が愛人クラブサイトを利用して会った女が、20代の息子がいる男性を探していたという情報をゲット。

 これらを元に、夏目さんはなぜかアイロンをかけながら推理を開始。ひよりの救出へ向かいます。 

 

■おじさん大活躍で、あっけなく犯人逮捕

 ひよりを襲ったのは、弘子でした。彼女は息子を救うため、愛人サイトで殺してもいい相手を物色して20代の息子がいる薗田を誘い出し、デスダンス事件の模倣犯として薗田を殺害。彼の息子である義政を真犯人に見立てようとしました。ひよりを狙ったのは、義政に捜査の目を向け、息子を追い詰めた夏目さんに復讐をするため。5年前の事件でも殺害現場に1セントコインが残されていたことは、犯人と一部の警察関係者しか知らなかったはずですが、「逮捕後に警察から初めて聞かされた」と、息子からこっそり教えてもらったそうです。

 ひよりを殺し、自分も自殺を図ろうと弘子が火の点いたタバコを床に落とそうとしたとき、夏目さんが助けにやってきました。激昂したひろ子は包丁を手に、夏目に襲いかかりますが、迫田さんと藤堂さんも駆けつけ、ひろ子を押さえつけて、一件落着。弘子の逮捕は、表向きはひよりのお手柄となるのでした。

 結局、5年前の「デスダンス事件」の容疑者は本間で、自分を溺愛する母親が模倣犯になってくれると期待した彼は、わざと弘子にコインの存在を明かし、弘子が事件を起こすよう仕向けました。しかも、コインはもともと弘子が「幸せになれる」と幼い本間に持たせたもの。全て息子の犯行だと知った上で、弘子は罪を他人になすりつけようとしたのです。親子そろってとんだサイコパスです。

「刑事に向いてねえんだよ」「クソガキが! 辞めちまえよ」

 と、本間から罵声を浴びせられ、涙を流し落ち込むひより。「お世話になりました、皆さんに よろしくお伝えください。お達者で」と言って立ち去ろうとしますが、夏目さんは「あの人たちがこれで収まるわけないだろ」と、無理やり彼女を連れて帰ります。

「メゾン・ド・ポリス」改め、「スナック完落ち」へと変貌をとげたそこには、カラオケ大会で盛り上がるおじさんたちが。事件が片付いたら、“朝までスナック”が定番らしいです。

 さらに、伊達さんからは、「今回の事件でメゾン・ド・ポリスの面々の活躍が評価され、警視庁からひよりをチームリーダーとして、今後も捜査に加わることが認められた」というまさかの報告が。こうして新米刑事とおじさん退職刑事たちの捜査チームが誕生したのでした。

■捜査情報がガバガバ

 加藤実秋さんの同名小説(角川文庫)が原作の、1話完結型の今作。同系統でいえば、おじさん3人組が町内の悪を成敗する『三匹のおっさん』(テレビ東京系)ほどコメディでもなく、今期の月9『トレース〜科捜研の男〜』(フジテレビ系)ほどシリアスでもない、絶妙なバランスを保った刑事ドラマです。

“本格刑事ドラマ”ではないからなのかもしれませんが、正直、1話を見て感じたのが、主人公・ひよりをはじめとした警察の“情報管理の甘さ”です。

 いくら新米刑事とはいえ、警察関係者でもない人間に臆測の推理を聞かせるなど致命的なミスは犯さないだろうし、そもそも元警察とはいえ、すでに引退した一般市民に事件の捜査情報を明かすなんて、このご時世、情報漏洩どころの話じゃ収まらないと思うんですが……。

 まぁそれを言うとこの物語は成り立たなくなってしまいますし、数字にも現れているように視聴率からはわりかし好評のようなので、ツッコミはこのへんでやめておきます。

 

■おじさんキャストの妙

 ネット上の視聴者の声を見ても「期待してなかったけど、結構面白かった」という声が多数見受けられましたが、中でも多かったのが、「なにこの楽しいシェアハウス……めちゃくちゃ住みたい」「ラインナップが最高すぎる」「わちゃわちゃ感が最高〜!」というおじさん好きの方々からの声。

 アイロンがけや料理が下手で雑用係として先輩のおじさんたちに言うがままにされている半面、捜査となると別人かのように犯人に暴言吐きまくり&嘘つきまくりの西島秀俊(47)を筆頭に、

「不思議の国のアリスちゃん」というセリフにも素なのではと思うほど違和感がない野口五郎(62)

『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)のリチャードを彷彿とさせる小日向文世(64)

ぶつぶつ小言を言う姿はまるで『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)な角野卓造(70)

抜群の存在感とイケおじ感があふれる近藤正臣(76)

 この5人が繰り広げるメゾン・ド・ポリスでのシーンは、シチュエーションコメディみたいで、スピンオフを作ってほしいくらい見ていて楽しかったです。

 刑事ドラマとしてだけ見るとちょっぴりアレな本作ですが、推理要素もあってクスッと笑える、おじさん好きにはたまらないドラマとなりそうです。

 

■高畑充希の“黒目”が怖い

 さて、主演を務める高畑充希さんは『過保護のカホコ』(日本テレビ系)の箱入り娘や『忘却のサチコ』(テレビ東京系)の鉄の女編集者など、クセの強い役柄を演じてきましたが、今回、役としての印象はやや薄め。彼女の演技力を指摘する声も見受けられます。まぁ、周りのおじさんたちはベテランばかりですし、キャラも十分濃ゆいので、いいバランスなのかもしれません。

 ただ、今回気になったのが、彼女の大きな目。もともと黒目がちなのか、コンタクトでそう見せているのかははっきり断言することはできませんが、目の焦点が合ってない感じだし、目の奥の感情も分かりづらく、不気味な印象を受けました。ネット上でも、「目が怖い」「コンタクト合ってない」「目が笑ってない」という声が。

 ちなみに彼女、今回ひよりを演じるにあたって、自らショートボブの髪型にすることをスタッフに提案し、1話の撮影に合わせ、髪をバッサリ20cmカットしたそう。

 ひよりは過去に何かを抱えている役なので、光のない大きな黒目もそういった“闇”を表現するための役作りなのかもしれませんが……。

 なお、今夜放送の第2話では、おじさんたちと密室殺人の謎に挑む模様。次回予告によると西島さんの「結婚するぞ」というプロポーズ(?)シーンもあるようなので、ひよりと夏目さんのラブ展開にも期待したいところです。

(文=どまらっ子TAROちゃん)

『メゾン・ド・ポリス』おじさんキャストの妙で好評も、主演・高畑充希に批判の声「目が怖い」

 高畑充希主演ドラマ『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)の第1話が1月11日に放送され、初回視聴率12.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/同)と、好スタートを切りました。これ、前クール好評だった戸田恵梨香主演『大恋愛〜僕を忘れる君と』の10.4%を上回る数字だそうですよ。

 刑事役は初挑戦、TBSの連ドラ出演は『3年B組金八先生』以来の約10年ぶりだという高畑充希ちゃん、このまま高視聴率をキープできるでしょうか……。まずはあらすじから振り返っていきたいと思います。

■ひよっこ刑事、5人のおじさんと出会う

 天ぷら店を営む薗田政二(岩寺真志)が手足を拘束された上、灯油をかけられ焼かれるという事件が発生。警察は5年前に起きた「デスダンス事件」の模倣犯と見て捜査を開始し、新人刑事・牧野ひより(高畑充希)は、手かがりを探るべく、5年前に事件を担当した元警視庁捜査一課主任の夏目惣一郎(西島秀俊)の元を訪れます。

 彼は高級住宅街にある洋館で「雑用係」として暮らしていました。そこは「メゾン・ド・ポリス」というシェアハウスで、オーナーの元警察幹部・伊達有嗣(近藤正臣)、管理人兼料理担当で元中野東署警務課の高平厚彦(小日向文世)、ジャージ姿の元柳町北署の熱血刑事・迫田保(角野卓造)、女好きな元科捜査研・藤堂雅人(野口五郎)という元警察官の5人が共同生活を送っていました。

 もはやただの一般人でしかないおじさんたちですが、若い女の子が困っているのを見過ごせないのか、事件への興味なのか、非協力的な夏目さんをよそに、伊達さんが勝手に上に話を通したせいで、おじさんたちは半ば強引に捜査に加わることに。

 夏目とともに捜査を進めるうち、ひよりは、薗田の息子・義政(伊島空)が5年前の事件の真犯人で、店の常連だった本間弘喜(小久保寿人)の髪の毛を採取して犯人に仕立て上げたと勝手に推理。花屋で懸命に働きながら息子の死刑執行を防ぐために無実を訴える本間の母・弘子(手塚理美)に同情したのか、ひよりは弘子にそのことをペラペラと喋ってしまいます。

 その夜、自転車で出かける義政のあとをつける途中、何者かに襲われ拘束された挙句、灯油をかけられてしまったひよりは、夏目さんの携帯に連絡を入れますが、電話は途中で切られてしまいました。

“ひよこ”とかわいがっているひよりの身に危険が迫っていることを悟ったおじさんたち。元科捜研の藤堂さんは、研究室さながらの自室で夏目が持ち帰ってきた事件現場の公園の土から、薗田のスマホにも付着していたというトルコキキョウの花粉を採取。伊達さんは、北署の署長からひよりの携帯のGPSが薗田の店の辺りで途切れていたことや義政は犯人ではないという情報を、迫田さんは、薗田が愛人クラブサイトを利用して会った女が、20代の息子がいる男性を探していたという情報をゲット。

 これらを元に、夏目さんはなぜかアイロンをかけながら推理を開始。ひよりの救出へ向かいます。 

 

■おじさん大活躍で、あっけなく犯人逮捕

 ひよりを襲ったのは、弘子でした。彼女は息子を救うため、愛人サイトで殺してもいい相手を物色して20代の息子がいる薗田を誘い出し、デスダンス事件の模倣犯として薗田を殺害。彼の息子である義政を真犯人に見立てようとしました。ひよりを狙ったのは、義政に捜査の目を向け、息子を追い詰めた夏目さんに復讐をするため。5年前の事件でも殺害現場に1セントコインが残されていたことは、犯人と一部の警察関係者しか知らなかったはずですが、「逮捕後に警察から初めて聞かされた」と、息子からこっそり教えてもらったそうです。

 ひよりを殺し、自分も自殺を図ろうと弘子が火の点いたタバコを床に落とそうとしたとき、夏目さんが助けにやってきました。激昂したひろ子は包丁を手に、夏目に襲いかかりますが、迫田さんと藤堂さんも駆けつけ、ひろ子を押さえつけて、一件落着。弘子の逮捕は、表向きはひよりのお手柄となるのでした。

 結局、5年前の「デスダンス事件」の容疑者は本間で、自分を溺愛する母親が模倣犯になってくれると期待した彼は、わざと弘子にコインの存在を明かし、弘子が事件を起こすよう仕向けました。しかも、コインはもともと弘子が「幸せになれる」と幼い本間に持たせたもの。全て息子の犯行だと知った上で、弘子は罪を他人になすりつけようとしたのです。親子そろってとんだサイコパスです。

「刑事に向いてねえんだよ」「クソガキが! 辞めちまえよ」

 と、本間から罵声を浴びせられ、涙を流し落ち込むひより。「お世話になりました、皆さんに よろしくお伝えください。お達者で」と言って立ち去ろうとしますが、夏目さんは「あの人たちがこれで収まるわけないだろ」と、無理やり彼女を連れて帰ります。

「メゾン・ド・ポリス」改め、「スナック完落ち」へと変貌をとげたそこには、カラオケ大会で盛り上がるおじさんたちが。事件が片付いたら、“朝までスナック”が定番らしいです。

 さらに、伊達さんからは、「今回の事件でメゾン・ド・ポリスの面々の活躍が評価され、警視庁からひよりをチームリーダーとして、今後も捜査に加わることが認められた」というまさかの報告が。こうして新米刑事とおじさん退職刑事たちの捜査チームが誕生したのでした。

■捜査情報がガバガバ

 加藤実秋さんの同名小説(角川文庫)が原作の、1話完結型の今作。同系統でいえば、おじさん3人組が町内の悪を成敗する『三匹のおっさん』(テレビ東京系)ほどコメディでもなく、今期の月9『トレース〜科捜研の男〜』(フジテレビ系)ほどシリアスでもない、絶妙なバランスを保った刑事ドラマです。

“本格刑事ドラマ”ではないからなのかもしれませんが、正直、1話を見て感じたのが、主人公・ひよりをはじめとした警察の“情報管理の甘さ”です。

 いくら新米刑事とはいえ、警察関係者でもない人間に臆測の推理を聞かせるなど致命的なミスは犯さないだろうし、そもそも元警察とはいえ、すでに引退した一般市民に事件の捜査情報を明かすなんて、このご時世、情報漏洩どころの話じゃ収まらないと思うんですが……。

 まぁそれを言うとこの物語は成り立たなくなってしまいますし、数字にも現れているように視聴率からはわりかし好評のようなので、ツッコミはこのへんでやめておきます。

 

■おじさんキャストの妙

 ネット上の視聴者の声を見ても「期待してなかったけど、結構面白かった」という声が多数見受けられましたが、中でも多かったのが、「なにこの楽しいシェアハウス……めちゃくちゃ住みたい」「ラインナップが最高すぎる」「わちゃわちゃ感が最高〜!」というおじさん好きの方々からの声。

 アイロンがけや料理が下手で雑用係として先輩のおじさんたちに言うがままにされている半面、捜査となると別人かのように犯人に暴言吐きまくり&嘘つきまくりの西島秀俊(47)を筆頭に、

「不思議の国のアリスちゃん」というセリフにも素なのではと思うほど違和感がない野口五郎(62)

『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)のリチャードを彷彿とさせる小日向文世(64)

ぶつぶつ小言を言う姿はまるで『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)な角野卓造(70)

抜群の存在感とイケおじ感があふれる近藤正臣(76)

 この5人が繰り広げるメゾン・ド・ポリスでのシーンは、シチュエーションコメディみたいで、スピンオフを作ってほしいくらい見ていて楽しかったです。

 刑事ドラマとしてだけ見るとちょっぴりアレな本作ですが、推理要素もあってクスッと笑える、おじさん好きにはたまらないドラマとなりそうです。

 

■高畑充希の“黒目”が怖い

 さて、主演を務める高畑充希さんは『過保護のカホコ』(日本テレビ系)の箱入り娘や『忘却のサチコ』(テレビ東京系)の鉄の女編集者など、クセの強い役柄を演じてきましたが、今回、役としての印象はやや薄め。彼女の演技力を指摘する声も見受けられます。まぁ、周りのおじさんたちはベテランばかりですし、キャラも十分濃ゆいので、いいバランスなのかもしれません。

 ただ、今回気になったのが、彼女の大きな目。もともと黒目がちなのか、コンタクトでそう見せているのかははっきり断言することはできませんが、目の焦点が合ってない感じだし、目の奥の感情も分かりづらく、不気味な印象を受けました。ネット上でも、「目が怖い」「コンタクト合ってない」「目が笑ってない」という声が。

 ちなみに彼女、今回ひよりを演じるにあたって、自らショートボブの髪型にすることをスタッフに提案し、1話の撮影に合わせ、髪をバッサリ20cmカットしたそう。

 ひよりは過去に何かを抱えている役なので、光のない大きな黒目もそういった“闇”を表現するための役作りなのかもしれませんが……。

 なお、今夜放送の第2話では、おじさんたちと密室殺人の謎に挑む模様。次回予告によると西島さんの「結婚するぞ」というプロポーズ(?)シーンもあるようなので、ひよりと夏目さんのラブ展開にも期待したいところです。

(文=どまらっ子TAROちゃん)