竹内結子『QUEEN』マイノリティに対する“悪意”に塗れた「害悪ドラマ」に辟易する

 時事ネタを雑に放り込んで煮しめて丸ごと捨てるようなストーリーで毎回視聴者をイラつかせてくれるドラマ『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)。先月31日放送の第4話では、「子連れ議員」「発達障害児」「モンスターペアレンツ」「教員不足」「セレブママのご近所トラブル」あたりを雑に放り込んで丸めて煮しめました。

 視聴率は7.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、第2話で5.8%まで落ち込んでから、徐々に持ち直してきています。よかったですね。振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■まずは、良いところからいきましょう

 今回、撮影きれいでしたねー。レイアウトも、ばしっと決まってるシーンが多くて、音声を消して見ていたらこんなに不快にならなかったのに、と歯噛みする思いです。

 あと、竹内結子、水川あさみ、斉藤由貴、中川大志とバカリズムがからむ事務所内での丁々発止のダイアローグはいつも楽しげな雰囲気が漂ってますね。実際、言ってることはおもしろくもなんともないんですが、楽しげです。楽しげなのがいちばん。うん。

 あと、アキラ100%の都議会議員役はよかったですねー。ちょうどいい小者感が出てて、気持ちよいウザさでした。

 それに、ニッチェの江上さん、結婚してきれいになったなーと思ったら原田佳奈さんでした。これは良いところでもないか、別に。

 

■続いて、絶対に許すべきではないところにいきましょう

 まあ、この第4話についてはサブタイトルがすべてなんですけど、そのサブタイトルが「殺人未遂!? 悪化するママ友いじめ 親子が隠す過去の罪」というもの。

「親子が隠す過去の罪」

「罪」

 この「親子」というのは、小学6年生の男児と、そのママです。この子が発達障害児で、5年前に担任の先生を困らせていたのだそうです。困った担任は精神を病んでしまい、小学校を退職した末に、自殺未遂。たいへん不幸なことです。

 このたいへん不幸な事態を逆恨みした奥さんが、男児の家の玄関先や学校に「出ていけ」的なビラをまいて精神的苦痛を与えたり、ママを歩道橋から突き落としたりと悪行三昧に走るわけですが、主人公の氷見弁護士(竹内)は、殺人未遂の被害者であるママに、こんなことを言うんです。

「佐久間さん、あなたの行動が、その発端だと考えたことは?」

 佐久間さんことママの「行動」とは、息子への対応について学校にクレームを入れたこと。そして、なんだかよくわからないのですが、議員に金を渡して教育委員会に手を回し、その息子である“怜くん(南出凌嘉)の問題”を、もみ消したことだそうです。

 言うまでもないんですが、この一連の発達障害児と担任をめぐる悲劇に、ママがもみ消さなければならないことなど、ひとつもありません。発達障害児が学校に順応できず、その対応に追われた担任が精神的に追い込まれてしまったことは、確かに不幸だ。周囲の教師も、父兄たちも、何かしてやれることがあったかもしれない。ですが、いったいドラマが指す“怜くんの問題”とはなんでしょうか。発達障害児は、その存在自体が“問題”だと言うのでしょうか。もみ消すべきだというのでしょうか。

 このドラマが「罪」と呼んだのは、発達障害児の存在そのものです。これは曲解でも大袈裟でもありません。周囲を困らせる発達障害児の存在と生存権を、それこそ、なんの罪もない小学生男児を、フジテレビは確かに「罪」だと断じたのです。それを指して「親子の罪」とタイトルし、「発達障害の子を生んで周囲に迷惑をかけた母親は、それは罪人だから殺してオッケー」との見解を披露したのです。まったく、ひどい話です。

 前回までと同様、今回もただ美人なだけで揶揄や嘲笑の対象とされて貶められる人物がいたり、時事問題に対して安直な“正解”らしき説教を滔々と述べるくだりがあったりと、クオリティ的な難を感じるシーンはいくつもありました。しかし、今回の「ひどさ」は群を抜いています。とにかくこの作品は、全話にわたってマイノリティに対する悪意に塗れている。そして、そのことに無自覚のまま誤った善意を振りかざしている。こういうのは、社会にとって害悪です。暴力ですよ。

 と、まあ、そんなわけでね、たぶんそんなに怒っている人もいないのでしょうね。私だって本来、ただ楽しいドラマを「楽しい」と書きたいだけなんです。なんかすいませんね。はいはい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

『さすらい温泉 遠藤憲一』旅情とエロス……久しぶりに地上波で女性の“生尻”を見た!

 遠藤憲一が俳優を引退する決意で、派遣の仲居として各地の温泉で働いている。そんな設定のちょっとだけドキュメンタリー風味なドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京系)。

 第3話となる今回は、人気が落ちることを恐れ、仮病で休業中のトップアイドルのために健さんこと中井田健一(遠藤)が奮闘する。なんでも出てくるトランクから、今回もあり得ないサイズのモノが出てきます。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■遠藤の友人が今回も登場

 今回も前回と同様、冒頭のインタビューでリアル(だと思われる)な友人・知人が普段の遠藤について語っている。

「(役者は)天職ではない」

「(遠藤は)そんなに器用ではない」

 のっけから営業妨害ではないかと思えるほどのコメントを叩きつける、遠慮ない素人たち。

 だが「台本を人の3倍(10倍)読む」など、非常に努力家な面も語られた。

 普段頑張りすぎている分、今回「風に当たってる」のではないかとの見立ても。

 いわゆるフェイクドキュメンタリーなのだが、引退とかの「設定」はともかく、知人らの遠藤に対する発言は本物だろう(そうあってほしい)。

 

■ビシバシステムに見えなくもない遠藤

 そんな健さんが今回訪れたのは山梨の下部温泉で、かの武田信玄の隠し湯とされる場所。

 さらにここは、全国に21カ所しかない「国民保険温泉地」の一つ。調べてみると、まず温泉として効能が折紙付となる「国民保養温泉地」というくくりがあり、その中でも医師の協力を得て温泉の保健的利用を促進することが期待できる条件を備えた温泉地を「国民保険温泉地」と呼ぶらしい。有名どころだと、大分・湯布院温泉や奈良の十津川温泉郷などもこれに当たる。

 そして今回派遣された宿は大市館・裕貴屋。明治8年創業で木造3階建ての建物(昭和11年建設)は、登録有形文化財に認定されているとのことで、温泉地に溶け込みながらも控えめな格式を感じる。

 ちなみに宿の支配人を住田隆が演じており、目のぎょろりとした遠藤と並ぶと初代ビシバシステムのように見えなくもない。住田の初代の相方は緋田康人(当時の名は西田康人)。ドラマ『半沢直樹』(TBS系)で日本中をムカつかせたあの「小木曽」といえば、わかる人も多いだろう。

 

■乃木坂46のヒット曲を作曲した人が劇中曲を

 さっそく働き出した健さんは、橋から川を見つめる宿泊客を勝手に自殺志願者だと思い込み、救助。それが、なんとあの人気アイドルグループ神田川55(KDG55)のセンター・大賀みな(大場美奈・SKE48)だった。無期限休養中の“みなるん”は、負傷した足の治療で湯治に来ているらしいのだが、どうやら人気投票でセンターから陥落しそうなのが怖くて、引退覚悟で逃げてきているのが本当のところらしい。

 部屋まで上がりこんで飯を食わそうとするお節介な健さんを、当初はうざがっていたみなるんだが、自分のために振り付けまで覚えようとしてる熱意にほだされ、心を開きかける。

 この劇中曲を作ったのは、坂道グループの曲も手掛けている小田切大(乃木坂46「おいでシャンプー」や欅坂46「302号室」作曲など)、ダンスの振り付けはNGT48の振り付けを手がけたこともある富田彩(監督・後藤庸介のツイッター情報)。

 同じテレ東の深夜ドラマ『忘却のサチコ』でもそうだったが、劇中の使い捨てのような架空の曲がちゃんと作られていると、何か誠意を感じる。

 

■国民的アイドルのはずなのに……

 面白かったのはネットでウワサを聞きつけ集まってきたファンたちと、みなるんの距離感が全然「国民的アイドル」のそれではなかったこと。

「いっつもいっつもなんなの?」「握手会のときだって何回もしつこく来るし!」と、集まって来たファンたちをひとかたまりに敵と見なし、ブチ切れるみなるんも凄いが、「なんだよそれ……! みなるんをセンターにするために、幾らつぎ込んだと思ってるんだよ!」「そうだそうだ」「僕たちがいなけりゃ、とっくにセンター取られてるよ?」「そうだそうだ」と、負けじと本音をぶちまけるファンも凄い。

 ネットで匿名をいいことに本音をさらけ出す人は多くいるかもしれないが、白昼ファンが本人を取り囲んで文句を浴びせている様子は、荒れた地下アイドルの現場のよう。

 売れている「国民的アイドル」を取り囲む人の輪にライト層がまったくいないのが違和感の原因だと思うが、「人気」を表現するのは意外と難しい。

■武田信玄の鎧まで持参してる健さん

 そして再度心を閉ざしかけたみなるんを元気付けるため、恒例の健さん変装タイム。今回、古めかしく、さほど大きくもないトランクから出てきたのは、なんと武田信玄を思わせる鎧兜と衣類一式。腰には刀まで装着していたから、それも入っていたのだろう。もう絶対に収まる寸法ではないのだが、一体トランク内はどんな宇宙が広がっているのか。

 例によって、入っている他の服を撒き散らしながらトランク内を探すシーンでも、途中サンタの衣装らしきものをほっぽり投げていた。みなるんの薄着の私服から考えるに季節は夏前後だろうに、冬物までも押さえているのはさすがだ、というか怖い。

 怖いといえば、夜中に旅館内を鎧を着た男がうろついてるのに平然と後を追っかけるみなるんも怖い。

 普通に考えて超常現象なはずだし、そうじゃなかったとしても、かなり不審者だし、どっちにしろ、かなり怖いはずなのに。ファンへの対応といい、度胸が凄い。

 そして、鎧武者を追いかけていくと、そこにはオタ仲間らしき数人とサイリウムを両手にオタ芸(サイリウムダンス)をする健さんが。おそらく早着替えで鎧を脱いだのだろうが、たかだかこのためだけに鎧を着てまでみなるんを導くという発想が凄い。

 この健さんの熱意が届いたのか、みなるんも本域で踊り出し、アイドルとしてやっていこうという気持ちを取り戻すのだが、この時のみなるんのダンスが普通にかっこいい。ここだけで終わらせるのももったいないから、どこかで披露してしっかり成仏させてあげてほしい。

 

■フェイクドキュメンタリーという設定は後付け?

 ちなみに、みなるんはいわば俳優・遠藤憲一の同業者にあたるわけだが、どちらもお互いのことを知らなかったし、「えーー? まさか遠藤憲一さん!?」的なカタルシスも最後までない。

 フェイクドキュメンタリーとして見せようとしながらも、メーンのドラマ本編でまったく「遠藤憲一」的要素が入らないのは、あくまで流れ者の仲居ドラマとして撮った完全なフィクションに、何か事情があって後から頭とお尻にドキュメンタリー部分を付け足したのだろうか?

 そう思ってしまうくらい「ドキュメンタリー」部分と「ドラマ・フィクション」部分が断絶している。今後、種明かしがあるのだろうか?

 

■説明するほどでもない宿の情報を疑似体験

 今回も、「良さげな抹茶が出てくる」とか「ロースルロイスで送迎」とか「マシュマロを焼いて食べられる」とか(食べ放題らしく、ゆで卵やポップコーンも)、ドラマの中で実在する旅館の情報がさりげなく差し込まれており、行ったこともないのに見ているだけで旧知の宿に思えてくる。

 温泉(旅館)の贅沢なプロモーションビデオとして楽しむのも正解なのかもしれない。

 今回は女性の入浴シーンが踏み込んでいて、成宮潤というセクシー系の女優は、ぼかしていたとはいえ生尻まで披露していた。今や地上波ではなかなか見られなくなったお色気シーン。

 旅情だけでなく、そんな部分でも昭和を味わせてくれた。

 次回は南海キャンディーズのしずちゃんがマドンナで登場します。面白そう。
(文=柿田太郎)

 

『さすらい温泉 遠藤憲一』旅情とエロス……久しぶりに地上波で女性の“生尻”を見た!

 遠藤憲一が俳優を引退する決意で、派遣の仲居として各地の温泉で働いている。そんな設定のちょっとだけドキュメンタリー風味なドラマ『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京系)。

 第3話となる今回は、人気が落ちることを恐れ、仮病で休業中のトップアイドルのために健さんこと中井田健一(遠藤)が奮闘する。なんでも出てくるトランクから、今回もあり得ないサイズのモノが出てきます。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■遠藤の友人が今回も登場

 今回も前回と同様、冒頭のインタビューでリアル(だと思われる)な友人・知人が普段の遠藤について語っている。

「(役者は)天職ではない」

「(遠藤は)そんなに器用ではない」

 のっけから営業妨害ではないかと思えるほどのコメントを叩きつける、遠慮ない素人たち。

 だが「台本を人の3倍(10倍)読む」など、非常に努力家な面も語られた。

 普段頑張りすぎている分、今回「風に当たってる」のではないかとの見立ても。

 いわゆるフェイクドキュメンタリーなのだが、引退とかの「設定」はともかく、知人らの遠藤に対する発言は本物だろう(そうあってほしい)。

 

■ビシバシステムに見えなくもない遠藤

 そんな健さんが今回訪れたのは山梨の下部温泉で、かの武田信玄の隠し湯とされる場所。

 さらにここは、全国に21カ所しかない「国民保険温泉地」の一つ。調べてみると、まず温泉として効能が折紙付となる「国民保養温泉地」というくくりがあり、その中でも医師の協力を得て温泉の保健的利用を促進することが期待できる条件を備えた温泉地を「国民保険温泉地」と呼ぶらしい。有名どころだと、大分・湯布院温泉や奈良の十津川温泉郷などもこれに当たる。

 そして今回派遣された宿は大市館・裕貴屋。明治8年創業で木造3階建ての建物(昭和11年建設)は、登録有形文化財に認定されているとのことで、温泉地に溶け込みながらも控えめな格式を感じる。

 ちなみに宿の支配人を住田隆が演じており、目のぎょろりとした遠藤と並ぶと初代ビシバシステムのように見えなくもない。住田の初代の相方は緋田康人(当時の名は西田康人)。ドラマ『半沢直樹』(TBS系)で日本中をムカつかせたあの「小木曽」といえば、わかる人も多いだろう。

 

■乃木坂46のヒット曲を作曲した人が劇中曲を

 さっそく働き出した健さんは、橋から川を見つめる宿泊客を勝手に自殺志願者だと思い込み、救助。それが、なんとあの人気アイドルグループ神田川55(KDG55)のセンター・大賀みな(大場美奈・SKE48)だった。無期限休養中の“みなるん”は、負傷した足の治療で湯治に来ているらしいのだが、どうやら人気投票でセンターから陥落しそうなのが怖くて、引退覚悟で逃げてきているのが本当のところらしい。

 部屋まで上がりこんで飯を食わそうとするお節介な健さんを、当初はうざがっていたみなるんだが、自分のために振り付けまで覚えようとしてる熱意にほだされ、心を開きかける。

 この劇中曲を作ったのは、坂道グループの曲も手掛けている小田切大(乃木坂46「おいでシャンプー」や欅坂46「302号室」作曲など)、ダンスの振り付けはNGT48の振り付けを手がけたこともある富田彩(監督・後藤庸介のツイッター情報)。

 同じテレ東の深夜ドラマ『忘却のサチコ』でもそうだったが、劇中の使い捨てのような架空の曲がちゃんと作られていると、何か誠意を感じる。

 

■国民的アイドルのはずなのに……

 面白かったのはネットでウワサを聞きつけ集まってきたファンたちと、みなるんの距離感が全然「国民的アイドル」のそれではなかったこと。

「いっつもいっつもなんなの?」「握手会のときだって何回もしつこく来るし!」と、集まって来たファンたちをひとかたまりに敵と見なし、ブチ切れるみなるんも凄いが、「なんだよそれ……! みなるんをセンターにするために、幾らつぎ込んだと思ってるんだよ!」「そうだそうだ」「僕たちがいなけりゃ、とっくにセンター取られてるよ?」「そうだそうだ」と、負けじと本音をぶちまけるファンも凄い。

 ネットで匿名をいいことに本音をさらけ出す人は多くいるかもしれないが、白昼ファンが本人を取り囲んで文句を浴びせている様子は、荒れた地下アイドルの現場のよう。

 売れている「国民的アイドル」を取り囲む人の輪にライト層がまったくいないのが違和感の原因だと思うが、「人気」を表現するのは意外と難しい。

■武田信玄の鎧まで持参してる健さん

 そして再度心を閉ざしかけたみなるんを元気付けるため、恒例の健さん変装タイム。今回、古めかしく、さほど大きくもないトランクから出てきたのは、なんと武田信玄を思わせる鎧兜と衣類一式。腰には刀まで装着していたから、それも入っていたのだろう。もう絶対に収まる寸法ではないのだが、一体トランク内はどんな宇宙が広がっているのか。

 例によって、入っている他の服を撒き散らしながらトランク内を探すシーンでも、途中サンタの衣装らしきものをほっぽり投げていた。みなるんの薄着の私服から考えるに季節は夏前後だろうに、冬物までも押さえているのはさすがだ、というか怖い。

 怖いといえば、夜中に旅館内を鎧を着た男がうろついてるのに平然と後を追っかけるみなるんも怖い。

 普通に考えて超常現象なはずだし、そうじゃなかったとしても、かなり不審者だし、どっちにしろ、かなり怖いはずなのに。ファンへの対応といい、度胸が凄い。

 そして、鎧武者を追いかけていくと、そこにはオタ仲間らしき数人とサイリウムを両手にオタ芸(サイリウムダンス)をする健さんが。おそらく早着替えで鎧を脱いだのだろうが、たかだかこのためだけに鎧を着てまでみなるんを導くという発想が凄い。

 この健さんの熱意が届いたのか、みなるんも本域で踊り出し、アイドルとしてやっていこうという気持ちを取り戻すのだが、この時のみなるんのダンスが普通にかっこいい。ここだけで終わらせるのももったいないから、どこかで披露してしっかり成仏させてあげてほしい。

 

■フェイクドキュメンタリーという設定は後付け?

 ちなみに、みなるんはいわば俳優・遠藤憲一の同業者にあたるわけだが、どちらもお互いのことを知らなかったし、「えーー? まさか遠藤憲一さん!?」的なカタルシスも最後までない。

 フェイクドキュメンタリーとして見せようとしながらも、メーンのドラマ本編でまったく「遠藤憲一」的要素が入らないのは、あくまで流れ者の仲居ドラマとして撮った完全なフィクションに、何か事情があって後から頭とお尻にドキュメンタリー部分を付け足したのだろうか?

 そう思ってしまうくらい「ドキュメンタリー」部分と「ドラマ・フィクション」部分が断絶している。今後、種明かしがあるのだろうか?

 

■説明するほどでもない宿の情報を疑似体験

 今回も、「良さげな抹茶が出てくる」とか「ロースルロイスで送迎」とか「マシュマロを焼いて食べられる」とか(食べ放題らしく、ゆで卵やポップコーンも)、ドラマの中で実在する旅館の情報がさりげなく差し込まれており、行ったこともないのに見ているだけで旧知の宿に思えてくる。

 温泉(旅館)の贅沢なプロモーションビデオとして楽しむのも正解なのかもしれない。

 今回は女性の入浴シーンが踏み込んでいて、成宮潤というセクシー系の女優は、ぼかしていたとはいえ生尻まで披露していた。今や地上波ではなかなか見られなくなったお色気シーン。

 旅情だけでなく、そんな部分でも昭和を味わせてくれた。

 次回は南海キャンディーズのしずちゃんがマドンナで登場します。面白そう。
(文=柿田太郎)

 

深田恭子“無自覚”であることの才能と強さ――ドラマ『初めて恋をした日に読む話』第4話

(前回までのレビューはこちらから) 

 人間は、「自覚的」か「無自覚」かで、タイプ分けすることができる。

「自分がかわいいと自覚している女性」と「自分がかわいいことを自覚していない女性」、「自分が幸せだと思っている人」と「自分が幸せだと気づいていない人」など、どの場合にも言えるのは、自覚している人より無自覚であるほうが、よりかわいかったり、本当の意味で幸せだったりするものだ。

 なぜなら、「かわいい」とか「幸せ」を自覚している人は、それを維持するために大変な労力を要するから。それを失った時の恐怖心もあることだろう。「無自覚」の場合は、そのようなことは一切ないのだ。最強の人間は、「無自覚な人」ということができるだろう。

 ドラマ『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)第4話。今回も、順子(深田恭子)の無自覚さが際立っていた。

 やっとの思いで、順子に告白した従兄弟の雅志(永山絢斗)。しかし、順子はその気持ちに全く気づかず、あくまでも親戚や友人としての情愛としか受け取らなかった。

 同じように、匡平(横浜流星)からの気持ちも、恋愛感情だとは気づいていない。順子は、東大受験に失敗して以来、自分に自信が持てず、今のモテ具合を全く自覚していないのだ。

 もちろん、先にも書いたように、無自覚であればあるだけ、順子の魅力は増していく。雅志と匡平も、お互いの順子に対する気持ちに気づきながら、どんどんと彼女への思いは募っていくのだ。もはや、ここまでくると一つの才能とも言える。

 この、無自覚な女性を演じるというのは、意外と難しい。なぜなら、下手な芝居をしてしまうと、「無自覚を演じている姿を演じている」というように受け取られてしまうから。いわゆる「ぶりっ子」に見えてしまうのだ。

 しかし、深田恭子がその役に入ると、本当に無自覚であるようにしか見えない。役に入りきっていることもあるだろうが、深田自身が、どこか無邪気な雰囲気を持っており、見ているものにあざとさを感じさせない力を持ち合わせているからではないだろうか。

 順子との微妙な関係を維持したまま、冬を越え、2018年春、匡平は無事高校3年生になった。勉強の方も、他の生徒たちに追いつき、1年後の東大受験に向け、順調に努力を続けるのだった。

 そんな頃、順子は、山下(中村倫也)から、匡平が中学時代に母親を亡くしていることを聞かされる。同情した順子は、匡平に対して、母親のような気持ちを募らせるのだ。

 複雑な思いを山下に相談する中で、順子は「幸せってなんなんだろう?」と口にする。それに答えて山下は言うのだ。

「幸せが何かなんて、幸せな時は考えない」

 今回のストーリーでは、この「幸せ」という言葉が大きなキーワードになった。

 迎えた5月のゴールデンウィーク、塾では、受験のための強化合宿が行われる。

 行きのバスの中、クラスのエリートである、鷲津(内藤秀一郎)や長宗我部(市川理矩)たちが、クラスメイトの大塚さつき(神岡実希)に嘘の告白をして、盛り上がる。それを注意した美香(吉川愛)と匡平は、エリートグループと対立することになってしまう。

 ここでまた新たな美少女の登場である。大塚役を演じた神岡実希は、2017年まで、アイドルグループ『ハコイリムスメ』のメンバーとして活動していた。愛らしいルックスと、強気な性格で人気を博し、卒業後は、映画『ナラタージュ』(2017)などで、女優として活躍している。こうしてメジャーなドラマに出てきたことで、人気が高まっていくかもしれない。

 さて、順子に対する匡平の気持ちを知った順子の友人・美和(安達祐実)は、「18歳の誕生日までは、法律的にダメ」と伝える。

 一方、雅志は順子を追いかけて、合宿所の近くにある会社の保養所に泊まりに来る。匡平は、雅志の元を訪ね、順子への思いを確認する。好きであることを告げた雅志に、匡平は言うのだ。「何の問題もなく告白できるなんて、幸せだ」。

 17歳はまだ子ども、そんな思いがあるのだろう。年が離れている自分への歯がゆさもあるのかもしれない。

 合宿中、相変わらず匡平に嫌がらせを続ける鷲津たちは、「匡平がロッジでタバコを吸っていた」と証言する。真偽を確かめるためロッジに向かった順子は、そこで匡平と二人きりになる。

  美和に言われたことを意識してか、匡平は「来年の2月3日、覚えておいて。18歳になるから」と告げる。

 ロッジのシーンでは、燃え上がる暖炉の炎や、ヤカンから吹き上がる蒸気が、匡平のあふれるような気持ちを暗喩していた。なかなか意味深な演出である。

 匡平に腰を抱かれて戸惑う順子が可愛らしい。

 深田恭子の魅力の一つは、戸惑ったような瞳の演技だ。一歩間違えば、わざとらしくなってしまうようなクルクルとした目の動きを、自然にこなしてしまう。

 そしてもう一つ、彼女の話し方にも、秘密があるような気がする。甘えるような、でもしっかりと気持ちを伝える口調と声。アリナミンAのCMで「だるおも~」とつぶやいただけで、そのセリフがしっかりと頭に残ってしまう。そんな声の魅力がある。

 合宿中のキャンプファイヤーのシーン。燃え盛る焚き火越しに、匡平が順子を見つめる。そこに主題歌である、back numberの「HAPPY BIRTHDAY」が流れる。“HAPPY BIRTHDAY”=誕生日。次の誕生日、匡平は18歳になる。そこが物語の最大のヤマ場になるのではないかと期待される。

 最後、インフルエンザで寝込んだ順子と匡平は、手をつないで眠っている。実はここで、ドラマの冒頭に出てきた、美和の店で働くホステス・もんちゃんの「男子高校生と手をつなぐだけで女性ホルモン出そう~」というセリフの伏線が回収されるのである。

 ロッジのシーンでの小道具の使い方や、主題歌の効果的なストーリーとのリンクなど、じっくり見ていくと、気付かされることがたくさんある。それらの仕掛けが、自然に見るものに伝わってくるのが、このドラマの妙なのだ。

 次回以降の展開だが、最後のシーンで、山下の手元には、妻からの離婚届が置かれていた。いよいよ、本格的に、順子への恋愛バトル参戦といったところだろうか。彼もまた、厭世観を漂わせながら、それほど不幸には見えない。

 そうなのだ。このドラマに登場する人たちは、それぞれの事情を抱えつつも、決して不幸ではない。それは、みんながさまざまな形で「恋をしている」からかもしれない。恋愛が全てだと言うつもりはないが、幸せであるための特効薬であることは間違いないだろう。

(文=プレヤード)

深田恭子“無自覚”であることの才能と強さ――ドラマ『初めて恋をした日に読む話』第4話

(前回までのレビューはこちらから) 

 人間は、「自覚的」か「無自覚」かで、タイプ分けすることができる。

「自分がかわいいと自覚している女性」と「自分がかわいいことを自覚していない女性」、「自分が幸せだと思っている人」と「自分が幸せだと気づいていない人」など、どの場合にも言えるのは、自覚している人より無自覚であるほうが、よりかわいかったり、本当の意味で幸せだったりするものだ。

 なぜなら、「かわいい」とか「幸せ」を自覚している人は、それを維持するために大変な労力を要するから。それを失った時の恐怖心もあることだろう。「無自覚」の場合は、そのようなことは一切ないのだ。最強の人間は、「無自覚な人」ということができるだろう。

 ドラマ『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)第4話。今回も、順子(深田恭子)の無自覚さが際立っていた。

 やっとの思いで、順子に告白した従兄弟の雅志(永山絢斗)。しかし、順子はその気持ちに全く気づかず、あくまでも親戚や友人としての情愛としか受け取らなかった。

 同じように、匡平(横浜流星)からの気持ちも、恋愛感情だとは気づいていない。順子は、東大受験に失敗して以来、自分に自信が持てず、今のモテ具合を全く自覚していないのだ。

 もちろん、先にも書いたように、無自覚であればあるだけ、順子の魅力は増していく。雅志と匡平も、お互いの順子に対する気持ちに気づきながら、どんどんと彼女への思いは募っていくのだ。もはや、ここまでくると一つの才能とも言える。

 この、無自覚な女性を演じるというのは、意外と難しい。なぜなら、下手な芝居をしてしまうと、「無自覚を演じている姿を演じている」というように受け取られてしまうから。いわゆる「ぶりっ子」に見えてしまうのだ。

 しかし、深田恭子がその役に入ると、本当に無自覚であるようにしか見えない。役に入りきっていることもあるだろうが、深田自身が、どこか無邪気な雰囲気を持っており、見ているものにあざとさを感じさせない力を持ち合わせているからではないだろうか。

 順子との微妙な関係を維持したまま、冬を越え、2018年春、匡平は無事高校3年生になった。勉強の方も、他の生徒たちに追いつき、1年後の東大受験に向け、順調に努力を続けるのだった。

 そんな頃、順子は、山下(中村倫也)から、匡平が中学時代に母親を亡くしていることを聞かされる。同情した順子は、匡平に対して、母親のような気持ちを募らせるのだ。

 複雑な思いを山下に相談する中で、順子は「幸せってなんなんだろう?」と口にする。それに答えて山下は言うのだ。

「幸せが何かなんて、幸せな時は考えない」

 今回のストーリーでは、この「幸せ」という言葉が大きなキーワードになった。

 迎えた5月のゴールデンウィーク、塾では、受験のための強化合宿が行われる。

 行きのバスの中、クラスのエリートである、鷲津(内藤秀一郎)や長宗我部(市川理矩)たちが、クラスメイトの大塚さつき(神岡実希)に嘘の告白をして、盛り上がる。それを注意した美香(吉川愛)と匡平は、エリートグループと対立することになってしまう。

 ここでまた新たな美少女の登場である。大塚役を演じた神岡実希は、2017年まで、アイドルグループ『ハコイリムスメ』のメンバーとして活動していた。愛らしいルックスと、強気な性格で人気を博し、卒業後は、映画『ナラタージュ』(2017)などで、女優として活躍している。こうしてメジャーなドラマに出てきたことで、人気が高まっていくかもしれない。

 さて、順子に対する匡平の気持ちを知った順子の友人・美和(安達祐実)は、「18歳の誕生日までは、法律的にダメ」と伝える。

 一方、雅志は順子を追いかけて、合宿所の近くにある会社の保養所に泊まりに来る。匡平は、雅志の元を訪ね、順子への思いを確認する。好きであることを告げた雅志に、匡平は言うのだ。「何の問題もなく告白できるなんて、幸せだ」。

 17歳はまだ子ども、そんな思いがあるのだろう。年が離れている自分への歯がゆさもあるのかもしれない。

 合宿中、相変わらず匡平に嫌がらせを続ける鷲津たちは、「匡平がロッジでタバコを吸っていた」と証言する。真偽を確かめるためロッジに向かった順子は、そこで匡平と二人きりになる。

  美和に言われたことを意識してか、匡平は「来年の2月3日、覚えておいて。18歳になるから」と告げる。

 ロッジのシーンでは、燃え上がる暖炉の炎や、ヤカンから吹き上がる蒸気が、匡平のあふれるような気持ちを暗喩していた。なかなか意味深な演出である。

 匡平に腰を抱かれて戸惑う順子が可愛らしい。

 深田恭子の魅力の一つは、戸惑ったような瞳の演技だ。一歩間違えば、わざとらしくなってしまうようなクルクルとした目の動きを、自然にこなしてしまう。

 そしてもう一つ、彼女の話し方にも、秘密があるような気がする。甘えるような、でもしっかりと気持ちを伝える口調と声。アリナミンAのCMで「だるおも~」とつぶやいただけで、そのセリフがしっかりと頭に残ってしまう。そんな声の魅力がある。

 合宿中のキャンプファイヤーのシーン。燃え盛る焚き火越しに、匡平が順子を見つめる。そこに主題歌である、back numberの「HAPPY BIRTHDAY」が流れる。“HAPPY BIRTHDAY”=誕生日。次の誕生日、匡平は18歳になる。そこが物語の最大のヤマ場になるのではないかと期待される。

 最後、インフルエンザで寝込んだ順子と匡平は、手をつないで眠っている。実はここで、ドラマの冒頭に出てきた、美和の店で働くホステス・もんちゃんの「男子高校生と手をつなぐだけで女性ホルモン出そう~」というセリフの伏線が回収されるのである。

 ロッジのシーンでの小道具の使い方や、主題歌の効果的なストーリーとのリンクなど、じっくり見ていくと、気付かされることがたくさんある。それらの仕掛けが、自然に見るものに伝わってくるのが、このドラマの妙なのだ。

 次回以降の展開だが、最後のシーンで、山下の手元には、妻からの離婚届が置かれていた。いよいよ、本格的に、順子への恋愛バトル参戦といったところだろうか。彼もまた、厭世観を漂わせながら、それほど不幸には見えない。

 そうなのだ。このドラマに登場する人たちは、それぞれの事情を抱えつつも、決して不幸ではない。それは、みんながさまざまな形で「恋をしている」からかもしれない。恋愛が全てだと言うつもりはないが、幸せであるための特効薬であることは間違いないだろう。

(文=プレヤード)

『後妻業』第2話 木村佳乃と木村多江が遺体の前で“どつきあいコント”開始!?

(前回までのレビューはこちらから)

『後妻業』(フジテレビ系)第2話「莫大な遺産を強奪!悪女が動く運命の夜」

 金持ちジジイをたぶらかして後妻に収まり、遺産を狙う「後妻業」を営む小夜子(木村佳乃)。

 そのターゲットとなった中瀬耕造(泉谷しげる)は、塩気が多くて脂っこいものばっかり食べさせる、無茶な運動をやらせる、という小夜子の策略で、まんまと寝たきり状態になってしまった。

 今がチャンスとばかりに小夜子は、「後妻業」のパートナー・柏木亨(高橋克典)とともに、耕造が隠し持っていた金庫を開け、預金通帳や投資信託など総額4,000万円以上をゲット。用なしとなった耕造を始末することにする。

 

■木村佳乃の演技に目が慣れてきた!?

 泉谷しげる演じるジジイ役がなかなかいい味を出していたので、死にそうで死なない感じでしばらく引っ張ると思っていたら、予想以上にアッサリ死んで(殺されて)しまいましたな。

 遺産狙いを隠そうともしないコント的な役作りで、「こんなヤツに騙される人いるか?」と違和感のあった木村佳乃の演技だが、さすがに耕造を殺すというパートではさまざまな思いが滲む、いい表情を見せていた。

 あのコントじみた変なキャラも、「後妻業」に対する罪悪感をごまかすため、あえて露悪的に振る舞っている、ということなのだろう。

 そんな簡単に夜中の病室に忍び込んで空気注射とか打てるの!? カメラとかないの!? 殺した後のBGMが「怒りの日」って、仰々し過ぎない!? ……などなど、いろいろと突っ込みどころはあったものの、木村佳乃の演技にもようやく目が慣れてきた。

■遺体の前でコントをはじめるな!

 耕三が死ぬ前から、遺産や葬式の話を出していた小夜子もヒドイが、娘ふたりも結構ヒドイ。

 耕三が元気だった頃からマンションには寄りつかず、寝たきり状態のまま自宅介護になりそうだという話が持ち上がると姉妹で押し付け合いをはじめる。転院手続きや葬式を小夜子が仕切るのもイヤだけど、自分がやるのも面倒くさい……。

 濱田マリ演じる姉・西木尚子は、ただ単に何も考えていない感じだが、妹・中瀬朋美(木村多江)の方は、いろいろと闇を抱えていそうだ。

 不妊が原因で籍を入れていない事実婚の夫・佐藤司郎(長谷川朝晴)は、事務所で雇った若い娘・山本英美里(田中道子)と不倫してる臭いし、小夜子の調査を依頼している大学の先輩・本多芳則(伊原剛志)からは、

「オレも籍は入れてへん。中瀬と同じや」

 なーんて言われて、こっちはこっちで不倫フラグ立ちまくり。

 私生活でたまりまくりの鬱屈とした思いが、小夜子への復讐に駆り立てていくのか!?

 それにしても、亡くなった耕造の枕元ではじまった小夜子と朋美のどつきあいは完全にコントだった。

「耕造さ~ん!」
「お父さ~ん!」

 と、耕造の遺体を奪い合う。BGMまで面白ミュージックになっており、「吉本新喜劇でこんなシーン見たことあるよ!」という感じ。

 もうちょっとガチなW木村バトルが見たかったんだけど……。肝心なところで吉本新喜劇の血が流れる関西演出が入ってくるなぁ。

 

■どうして耕造とだけ籍を入れていなかったのか?

 今回、小夜子の過去もちょこちょこ明かされていた。

 耕造の前に、3人の夫と結婚しているのだが、全員入籍後2年以内に死んでいる。

 しかし今回の中瀬耕造とは入籍をしておらず、3番目の夫の「武内」姓のまま内縁の妻となって遺言を書かせていたのだ。

 確かに、これまでの調子で結婚しては殺して……を繰り返していたら戸籍が汚れまくってしまうので、内縁の妻ポジションで戸籍を汚さずに遺産をゲットしたいというのは分かるが、「武内」姓を残したままなのは何故なのか?

 新築分譲で買ったばかりだという耕造のマンションは即売り払ってしまうのに、「武内のじいさん」から買ってもらった家は「本宅」と呼んで住み続けていることからも、「武内のじいさん」に対して何か思い入れがありそうだ。

 とことん下品な銭ゲバに徹していた小夜子の、別の顔が見えてきた第2回。

 第3話以降、ちょいちょい小夜子のバックボーンが明かされつつ、朋美とのバトルも激化していくことだろう。W木村による、本気のビンタ合戦あたりに期待!
(文とイラスト=北村ヂン)

常盤貴子主演『グッドワイフ』、評判上々でも視聴率微減……原因は“働く強い女性”が主人公だから!?

(これまでのレビューはこちらから

 常盤貴子主演ドラマ『グッドワイフ』(TBS系)の第4話が2月3日に放送され、平均視聴率9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 前回から0.6ポイント減となった4話。裏で米倉涼子主演ドラマ『疑惑』(テレビ朝日系)の放送がされていたことも微減の要因のひとつかと。評判はいいだけに、ちょっと残念です。

 ではでは、いつものようにあらすじから振り返っていきましょう!

■元親友の息子の無実を証明すべく奮闘する杏子

 以前住んでいた高級住宅街時代の親友・荻原奈津子(須藤理彩)の息子・翔平(佐藤緋美)が傷害致死容疑で逮捕され、朝飛(北村匠海)とともに弁護することとなった杏子(常盤)。翔平は容疑を否認するが、無罪を証明するほどの証拠が見つからず、事件は難航。情状酌量にすべきと主張する朝飛と杏子は対立する。

 そんな中、裁判で証言した高校生がウソをついていたことが判明。アリバイは崩せたものの、物的証拠がないまま。しかし、杏子は決定的な証拠を見つけ、形勢逆転。無事、翔平の無罪を勝ち取ることができた、というお話でした。

■朝飛先生が愛おしい!

 今回注目すべき人物は、杏子と本採用をかけて争っている朝飛光太郎役の北村です(浅野忠信の息子でドラマ初出演の佐藤緋美にも注目ですが、ここはレギュラー出演者ということで北村を推します)。

 実は朝飛は前の事務所で主に企業訴訟を担当しており、裁判になる前に話し合いで和解することしか経験がないという人物で、なんと今回が初裁判! そのため、ド緊張して裁判に臨んでいるのですが、これが本当にかわいいというか(笑)。やっとことがないのに強がって四苦八苦している姿に、女性層の視聴者から「かわいい!」といった声が殺到。さらに、最後は何事もなかったかのように「おつかれーーっす」とチャラい感じではじけているところにも「こら~」「かわいいから許す!」といった声も上がっており、年上女性視聴者の心をわし掴みしていたようです。

 ですが、その一方で、「父親から認められてない」と告白していて、家庭環境が複雑そうな雰囲気を出しており、その分努力を惜しまずな所もあり、朝飛くんに共感するとの声も。今後、この朝飛に関しては人気が出そうだし、北村にとってもこの役で出世しそうな予感! 今後注目すべき役かもしれません。

■最後のセリフに賞賛の声!

 今回は元親友のママ友の息子が依頼人。ですが、このママ友、実は杏子の夫が逮捕されたときに手のひらを返したように冷たくした人物。正直そんなママ友の息子の弁護なんてしたくないというのが普通ですが、杏子はママ友の息子のためと割り切って弁護します。

 そんな“いい人とすぎる”杏子。神様のような懐の深さですが、なんと最後に今度は杏子が手のひら返し! 今回の件でママ友が「今度ランチ行きましょう、昔みたいに」といったところ、杏子は「口だけでしょ!きっと電話なんてくれない」と一喝。で、このセリフの際、エンディングソングが一瞬小さくなり、ホラーな演出。これには視聴者も驚いたようで「怖い!」との声が殺到していました。ですが、杏子はすぐにママ友に明るく感謝と別れを伝えるんですが、これがまた秀逸! 嫌味なシーンなのに前向きにさせてくれるんです。

 ネットでも放送後には「こういうスッキリさせてくれてる演出いいわ」「ママ友問題あるけど、こういう切り捨てるセリフは痛快!」と主婦層から賞賛の声が殺到しており、評判を再び上げた感じがします。

■視聴率が悪いのは“視聴者層”に問題が?

 評判がいい同ドラマですが、やはり視聴率は振るわず。裏で米倉涼子主演の『疑惑』(テレビ朝日系)が放送されていたのも原因のひとつ。ですが、それ以外にも問題があると思うのです。

 2月3日に配信された「デイリー新潮」の「常盤貴子『グッドワイフ』の視聴率が2ケタ割れ 評判いいのにナゼ数字が取れない?」という記事では、裏番組も関係あるが、常盤にもっと不幸になるべきということと、唐沢寿明の演技が全部一緒なのが問題という風に分析していました。

 ですが、問題はそう難しくないと、筆者は思うのです。

 同ドラマは主婦が弁護士に復帰し奮闘する、という女性向けドラマ。日曜劇場と言えば、これまで多くのヒット作を生み出しましたが、『半沢直樹』『下町ロケット』『陸王』といったサラリーマン向け作品ばかりが目立ちます。その一方、『この世界の片隅に』の視聴率はそれなりによかったですが、あまり話題にならず。

 基本的に、この時間帯はサラリーマンが自宅で缶ビールあおりながら(あくまで筆者の想像です)見ることが多く、主婦は子どもを寝かしつけて、明日の朝の用意をして、と忙しい時間。そう考えると女性向けドラマだと視聴率はあまり良くないのでは、と思うんですが……(ちなみに録画率は毎回9%前後で結構良い数字。リアルタイムの視聴率と合わせると18%前後でした)。正直、夫が浮気して逮捕されて、オマケに嫁を嫁の同僚に取られそうになるというストーリーは男性ウケしないですよね(笑)。

 原作も女性向けで、働く強い女性をテーマにしており、日本版もそこは忠実に描いていますが、このままだと、さらに低い視聴率が出そうな予感。男性層もひきつける日本版オリジナル演出もあってもいいかと思います。

 以上、4話のレビューでした。

 次回は、ロックスターの離婚裁判と、夫のライバル脇坂(吉田鋼太郎)と妻の協議離婚のお話。2つの離婚協議で杏子はどういうファインプレーを見せてくれるのでしょうか。放送を楽しみに待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

錦戸亮主演『トレース~科捜研の男~』、視聴率復調の裏に木村拓哉をアゲた“福男”の存在!

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『トレース~科捜研の男~』の第4話が1月28日に放映された。

 感想から述べると、率直に素晴らしい回だと思えた。見易く温かい内容を受けてか視聴率は前回9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)から11.0%に復調。また内容だけでなく、今勢いのあるクリエイターの起用が流れを掴んだ要因かもしれない。脚本家は今年公開の大ヒット映画を担当。さらに演出家も去年のとあるヒットドラマを手掛けた若手ディレクターだった。

 今回は近年のフジ作品をヒットに導く福男たちにスポットを当てながら、第4話の内容を振り返っていく。

■『マスカレード・ホテル』を書いた“アゲチン”脚本家

 第4話の脚本を手掛けたのは岡田道尚氏。『ライアーゲーム』や『信長協奏曲』(ともにフジテレビ系)などのヒット作にも名を連ねている脚本家だ。最近では木村拓哉主演・東野圭吾原作の映画『マスカレード・ホテル』の脚本を担当している。アゲチンなどと下品な表現で語るのが申し訳なくなるほどの若手有望株である。

 まずここで第4話の内容に触れる。礼二(錦戸亮)とノンナ(新木優子)が、兄殺しの容疑で逮捕された同僚・相楽(山崎樹範)の疑いを晴らし、兄の死に秘められた兄弟愛まで解き明かす1話であった。

 岡田氏は手短に語れるシンプルなストーリーラインを兄弟の愛憎で膨らませ、ラストは事件解決とともに視聴者を感動に至らせる。前述した『マスカレード・ホテル』でも、「ホテルの中に犯人がいる」というシンプルな切り口を、刑事・従業員・客たちのさまざまな人間模様で二時間に膨らませていた。

 もう一つ特筆すべきは、岡田氏の登場人物の頑(かたく)なな心境を解きほぐす際の技量だろう。『トレース』第4話でも事件解決までに、礼二とダメな兄を頑なに嫌う相楽の心境を一変させた。それだけでなく消極的だった科捜研メンバーを積極的な姿勢に至らせ、チームの結束力まで高めていた。

 物語の膨らませ方、人物の心境を変える技量、複数人を同時に動かすことの巧さ。

 岡田氏の長所は本作やマスカレード以外の作品でも遺憾なく発揮されている。それが作家性とも言えるだろうし、強みを自覚して前に出せているのかもしれない。クリエイターとしても仕事人としても、優秀な人なのだろう。

■進化し続ける“フジの若手演出家”

 今回は脚本だけでなく演出も素晴らしかった。演出家は相沢秀幸氏。調べたところ、5年ほど前から演出を手掛けるようになり、サスペンスやラブコメなど活躍は多岐に渡る。直近だと、ここ数年1ケタ視聴率を連発するフジの木曜10時枠で2桁視聴率の快挙を成し遂げた『グッド・ドクター』(2018年・フジテレビ系)の演出も担当している。

 さまざまなジャンルで培われた演出の幅は本作でも見られる。先週の第3話では、事件の冷酷さと人間の温かみの緩急で1時間をもたせた。だが、正直言えば、第1話と第2話を手掛けた松山博昭氏と比べるとテンポ感とキレがなく、モッタリとした印象ではあった。

 しかし、今回の第4話ではその課題を克服するばかりか、テンポとキレを武器にして見せた。

 ネタバレしてしまうが、クライマックスで、兄が保険金を自分に与えるために自殺を他殺に見せかけた事を相良が知るシーンは圧巻だった。

 相楽が幼少期の兄との想い出を回想しながら、死の真相を聞かされる場面なのだが、映像・音楽・台詞を折り重ねるタイミングを少しでも間違えていれば感動は薄れていただろう。しかし、「バカだな……嘘が下手なんだよ」と、亡き兄を想い泣く相良を起点に置き、回想映像を切り上げるタイミングと音楽を入れるタイミングは鳥肌が立つほど絶妙だった。

 その他にも、転んだノンナに礼二が手を差し伸べて立たせるシーンも良くできていた。下手に撮れば、突然ヌッと現れた礼二に驚き転んだドジな女・ノンナが立たせられるだけの場面。だが、テクノミュージックとの調和でカット割りを細かくし、礼二の前方不注意ぶりを忘れてしまうほど、礼二を演じる錦戸をカッコよく見せていた。

 役者と台詞を輝かせる相沢氏の演出をこの先も見てみたい。また今回を上回る進化を見せてくれるだろう。

■『踊る~』や『HERO』の栄光を捨てられないフジの風潮

 今回もまた、脚本家と演出家をベタ褒めしてしまった。しかし、指摘すべき点が一つある。それは、過去のフジ作品の焼き廻しとも思える場面の頻出だ。

 例えば、今回の消極的だった科捜研メンバーが憎まれ口を叩きながら、ノンナの捜査を手伝い始める場面。これは『踊る大走査線』(1997年・フジテレビ)の第4話の織田裕二演じる青島刑事が犯人を取り逃した万事休すの場面で、所轄の仲間たちが憎まれ口を叩きながら犯人を連れて現れるシーンと似通っている。

『トレース』に限ったことではない。近年のフジの刑事ドラマでは、チームの結束を上げる場面では何かと同シーンが使いまわされ、仲間感を見せる場面では『HERO』(2001年・フジテレビ)の横一列並びが多用されている印象だ。「どっかで見たな」という既視感は、見てる側を冷めさせてしまう。

 先輩社員を喜ばせるための踏襲なのか、尊敬の念を込めてのオマージュなのかはわからない。ただ、優秀な若手クリエイターには過去に縛られず新たな名場面を生み出してほしい。

『トレース』が良作故に無茶な注文をつけてしまったが、2月4日放映予定の第5話も楽しみにしている。

(海女デウス)

『3年A組』菅田将暉と片寄涼太が殴り合い! 「明日と戦え。抗え!」のメッセージの裏に、迫る死期?

 1月27日に放送された、『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の第4話。

 今回の柊一颯(ひいらぎ・いぶき/菅田将暉)による“魂の授業”の目的は、里見海斗(鈴木仁)に景山澪奈(上白石萌歌)の動画を盗撮させた犯人の特定である。すると、甲斐隼人(片寄涼太)があっさりと手を挙げ、里見への指示を認めた。しかし、誰が動画を加工したのかは不明のまま。その正体を甲斐が明らかにしなければ、今日の授業は終わらない。

 甲斐が澪奈の動画を欲していたのには理由がある。母子家庭の甲斐は、母親が不慮の事故に遭い、代わりに家族を支えなければならなくなった。プロダンサーの夢をあきらめ、働いて家計を支える日々だ。そんな時、半グレ集団「べルムズ」リーダーの喜志正臣(栄信)から「景山澪奈が二度と泳げなくなるネタが欲しい」と言われ、報酬20万円と引き換えに里見に撮らせた動画を提供していたのだ。

 家庭の事情も含め、甲斐が隠していた背景に驚くクラスメイトたち。一方、柊は甲斐の秘密を知っていた様子である。甲斐だけではない。里見、茅野さくら(永野芽郁)、宇佐美香帆(川栄李奈)など、今までフィーチャーされた者の秘密も知っていた。つまり、柊が生徒を人質に取った目的は“黒幕”の特定ではないということになる。

 柊の目的は、すでに第1話で発表済み。泣きながら生徒全員を怒鳴った初日の熱弁に込められている。

「自分が助かれば、他人がどうなっても構わない。イカれてるね~。どうしてそんな、貧しい考えが生まれるのか。モラルの欠如、アイデンティティの拡散。要は、中身が空っぽなんだよ!」

「過去の自分が、今の自分を作る! だから、過去から逃げてるお前も、お前も、お前も、極めて幼稚なガキのまま成長が止まってるってわけだ。そんな奴らが、一体何から卒業するっていうんだよ!」

「なぜ、景山澪奈は死ななければならなかったのか? これから、彼女の生きざまを通して、お前らの考えがいかにもろく、弱いものなのか、思い知らせてやる」

「変わるんだ。悪にまみれたナイフで、汚れなき弱者を傷付けないように、変わるんだよ! ……変わってくれ」

 不幸な境遇から抜け出すため、澪奈が犠牲になることも厭わなかった甲斐。「自分が助かれば、他人がどうなっても構わない」という意識を持っていたからだ。澪奈に行っていた仕打ちを隠し、開き直っていた香帆。まさに、過去から逃げていた。澪奈が自殺に至った理由をたどることで、汚れなき弱者を傷付けていた事実と向き合う生徒たち。柊による“魂の授業”は、生徒が変わることこそが目的である。

■柊の体調と授業内容にも関係が?

 薬を常用し、体調の悪さをうかがわせる柊。第4話のエンディングではついに耐え切れず、教壇で倒れてしまった。

 柊の体調の悪さを鑑みると、彼を異常な授業に踏み切らせた理由が見えてくる。「もう、遅せえんだよ……」とプロダンサーになる夢をあきらめる甲斐に、柊はこう言った。

「甘えてんじゃねえぞ。お前は景山の人生を狂わせた1人なんだ。遅いなんて言わせない。景山のためにも真実を明かして、明日と戦え。抗え! もがいてつかめ! 生きてるお前には、それができるんだよ」

 命を落とした澪奈だけではない。柊の死期が近づいていると仮定すれば、「生きてるお前にはそれができる」の檄が、より深く響いてくる。

 第3話で柊は里見に「明日を生きる活力」を説いた。そして今回は、こんなメッセージを甲斐に送っている。

「明日と戦え。抗え! もがいてつかめ! 生きてるお前には、それができるんだよ」

「変わるなら今だ! お前のその手で道を切り開け」

 病を抱えているからこそ、生きていることの重要性を訴え続ける。柊の体調の悪さと“魂の授業”の内容には、関連性がある気がする。

■「ブッキー」ではなく「先生」と呼ぶようになった生徒たち

 このドラマは、先の展開を予想することが不可能。伏線が張り巡らされる割に、いきなり半グレ集団が登場するなど、伏線と関係ない事柄が話の主軸になったりするからだ。(第1話で椎名桔平扮する郡司真人が逃げる喜志をKOするという伏線はあったが)

 ただ、柊の真のターゲットが学校の外にいることは明らか。警視庁理事官・五十嵐徹(大友康平)との連携が、別の巨大な存在との対峙を連想させるのだ。

 今まで、生徒を“恐怖”で支配していた柊。しかし、第4話エンディングで生徒たちは柊の元に駆け寄っている。信頼関係ができつつある。「柊と人質」から「教師と生徒」という関係性へ次第に形を変え、予想もつかない存在との対峙へと話は進んでいく。そんな気がしてならない。

 当初、A組の生徒は柊のことを「ブッキー」と呼んでいたが、今では多くの者が彼を「先生」と呼んでいる。ザ・クロマニヨンズの曲が楽しさを喚起するスタッフロールとドラマの内容にギャップを感じていたのに、その違和感もだんだんと薄れてきた。“魂の授業”によって、3年A組が確実に変わりつつある。

(文=寺西ジャジューカ)

 

 

坂口健太郎主演『イノセンス』大掛かりな科学実験しなくても、冤罪証明できる簡単トリックに愕然……

(これまでのレビューはこちらから)

 坂口健太郎主演ドラマ『イノセンス~冤罪弁護士~』(日本テレビ系)の第2話が1月26日に放送され、平均視聴率8.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 前回から微増した同ドラマ。初回放送では「微妙」との声が多くあり、評判はイマイチの様子でしたが……。2話はどうだったんでしょうか?

 早速、あらすじから振り返っていきましょう!

■母子家庭というだけで起訴……元不良の冤罪をはらす!

 コンビニ強盗容疑で逮捕された十勝岳雄(山田裕貴)からの依頼を受けた拓(坂口)と楓(川口春奈)。岳雄は昔不良だったが、今は更生。料理人になろうと飲食店でバイトをしており、そんな息子が事件を起こすわけがないと母親である睦美(仙道敦子)は訴える。

 そんな中、岳雄は厳しい取り調べのせいで自白。拓と楓に、取り調べのことを話し、無実を証明して欲しいと依頼する。

 拓と楓は岳雄の無実を証明するべく、証拠を探していくと、証言と食い違う点をいくつも発見。裁判へと臨み、無事冤罪だと証明できた、というのが今回のストーリーでした。

■今回はトリックがあまい……

 同ドラマの売りは冤罪証明のために、拓の大学時代の先輩(全然そう見えません。教授と生徒にしか見えないです!)である秋保恭一郎(藤木直人)とともに科学実験をするんです。ですが、今回、この科学実験で証明するトリックがショボイんです……。

 近所の芸術家の叔父さんが作ったオブジェにある鏡が光に反射してガソリンスタンドのビニールハウスに溜まっていた水溜まりに反射。その一部始終が、監視カメラの映像に映りこみ、監視カメラの時刻がずれていたことで、岳雄のアリバイが証明できるといった内容なのですが、別にこの科学実験をしなくても大丈夫なんですよね~実は。

 ガソリンスタンドの監視カメラの画像を見たら、地面は濡れていたので、それと気象の雨量のデータを照らし合せて、時刻ズレを監視カメラの会社に確認すれば、岳雄が7時にガソリンスタンドにいたのは証明されたはずなんですよね……。(文字にするだけじゃ、つたわらないので、本当なら2話を見て欲しいんですが)

 うーん。こういう甘いところが、微妙と言われる原因かと。次回以降は『ガリレオ』張りの完璧なトリックを見たいものです!

■川口春奈の演技に賛否の声

 拓とともに行動する弁護士を演じている川口ですが、正直、今のところ、必然性を感じません。とにかく、ただ、怒っていて、うるさくて、僻みっぽい感じしかなくて……。ネットでも、「必要なくない」「邪魔だ」と散々な声が集中。

 ですが、そう思わせるだけ、川口に「演技力があるということなのかも」と擁護する声もあり、賛否分かれている状態。この先、川口の役がもっと活躍すれば、もしかしたら、川口にとって同ドラマが出世作となる可能性もありそうです。

 これまで、演技が下手だといわれてきた川口ですが、まだまだ、若手ですから、伸びしろはあるハズ! 3話以降の楓の活躍に期待したいですね!

■低調の日テレドラマを変えられるか!?

 1話で評判が悪く、あまり良い視聴率でなかった同ドラマ。ですが、「ちゃんとしたドラマを作ろう」という製作側の気持ちは伝わってきたかなと。

 というのも、本格的なリーガルドラマをあまり作ってきたことがない日テレですが、慣れてないぶんいろいろ他の人気本格弁護士や推理ドラマから勉強している感が伝わってくるし、挑戦しようという意気込みも感じられる。

 “フジより低調”なんて言われている日テレドラマですから。本格派なドラマを作って生きたいという気持ちなんでしょう。

 また、この土曜10時枠と言えばジャニーズアイドルの主演ドラマがめだっていましたが、俳優として若手の坂口を起用。さらに、同じようなキャストの使い回しが目立っていた日テレですが、ゲストに仙道敦子や吉田栄作と豪華で演技力もある俳優・女優を起用しており、ここにも挑戦する意欲が感じられるような気がするんです。

 話の内容はさておき、変わっていきたいとのドラマ制作側の気持ちが伝わってくる同ドラマですから、厳しい言葉よりも、その意気込みを応援していきたいですね。

 以上、2話のレビューでした。

 さて、次回は医療ミスで逮捕された医師の冤罪を晴らすというもの。本当にあった事件を元にしているだけに、次回こそは、素晴らしいと視聴者にいわせるストーリーを期待! 楽しみに3話放送を待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)