常盤貴子主演『グッドワイフ』、視聴率連続減……“ゲス不倫”“離婚”の内容に、男性視聴者が拒否反応?

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 常盤貴子主演ドラマ『グッドワイフ』(TBS系)の第5話が2月10日に放送され、平均視聴率8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)を記録しました。

 前回から0.5ポイント減してしまい、自己最低を更新……。毎回、視聴者からの評判はいいだけに残念ですね。

 ではでは、あらすじから振り返りましょう!

■2つの離婚にあたふたする杏子

 資産20億を持つロックスター・東城数矢(宇崎竜童)の離婚訴訟を担当することになった杏子。妻・ちなみ(銀粉蝶)は離婚に同意するも、財産分与の額でモメてしまう。そんな中、数矢が交通事故に遭い、意識不明の重体に。延命治療を望むちなみと、治療せずロックスターらしい最後を迎えさせたいという愛人・唯奈(松本まりか)で争い始める。

 一方、夫・壮一郎(唐沢寿明)の後任に選ばれた特捜部長の脇坂(吉田鋼太郎)と離婚したいと妻・怜子(峯村リエ)が杏子に代理人を依頼してくる。脇坂は急いで事務所にくるも、怜子は夫に関係する弱みを握っている様子。

 怜子の離婚協議も担当することになり、忙しくなる杏子。そんな折、数矢の体内から睡眠薬が検出され、事故ではなく事件に。ちなみや唯奈にも疑いがかけられてしまう。杏子はなんとか、ちなみの無実と真犯人を見つけ、事件は一件落着。

 ちなみは20億の資産の贈与を放棄。唯奈とお腹にいる数矢の子どもに譲るかわりに、数矢の延命治療を話したいと唯奈に伝えるのだった、というのが今回のストーリーでした。

■“離婚”がテーマで視聴率減か?

 今回、若い女性に走り妻に離婚を突きつけたゲス夫と自分の地位と名誉のために仕事ばかりしていた自己中夫に離婚を突きつけるといった2つの離婚がメインになった今回。原作にも丸々同じストーリーがあり、どちらも結構面白かったのですが、日本版の方の視聴率は8.5%と、またも微減に。やはり、サラリーマン向け作品がヒットしている「日曜劇場」枠で、ゲス不倫・離婚の話は、厳しかったのかもしれませんね。

 ですが、脚本はとっても良かったです。 

 ロックスターの方では、最後に妻が愛人に対し、優しさを見せるところには、主婦に支持されそうな日本らしい「お涙頂戴」があって良いかと。また、脇坂の離婚の方も、壮一郎の取り調べ中に横暴な態度を見せていた脇坂が妻の前では弱みを握られてあたふた。さらに、最後にはその弱みを杏子にバラし、すっきりといった内容に。これらに対して女性視聴者からは「すっきりできた回だった」「妻も愛人も幸せになれそうで良かった」「脇坂の方は妻のトドメが面白かったわ」といった声があがっており、大好評だった模様。その一方、男性層からは「見ていてつらい気分になる」「男がクズにされてばかりだ……」とあまり響いてないよう。ネットでは、結構“拒否反応”と思える声が多く上がっていました。

 そうなると、なぜ日曜劇場枠で放送してしまったのかと残念な気持ちになってしまう……。『逃げるは恥だが役に立つ』『義母と娘のブルース』などを放送した火曜22時枠とか、『アンナチュラル』『あなたには帰る家がある』などが放送された金曜22時枠とか、TBSには女性向けに強い枠がいくつもあるのに。わざわざ、サラリーマンが好む作品が多い「日曜劇場」にしたんでしょうかね。

 作品の内容が毎回良いため、非常にもったいないなと思ってしまいます。

■小泉孝太郎と水原希子の好感度が上昇中!?

 水原希子に関しては「なぜ、こんな子を起用した!」とお怒りの声が殺到していました。ですが、やはりここにきて、あのムスッとした表情といい、サバサバした感じが原作のカリンダにぴったりだと言われ、視聴者からは再評価され始めているよう。演技に関しては「女優デビューの頃から考えると、うまくなったと思う!」「私は希子ちゃんの演技嫌いじゃない」といった声があがっており、演技に関しての好感度は上がっているかと思います。

 また、水原並みに好感度が上昇しているのが、小泉孝太郎です。小泉と言えば、いつも同じような役柄が多く、「いつも同じ演技」と言われていたこともあります。ですが、最近では『下町ロケット』(同)で悪役もこなし、徐々に幅を利かせており、今回は主人公に片思いする弁護士役ということで、“紳士な演技”が爆発中。いかにも女性から支持を集めそうな役だなと思ったんですが、案の定というか……(笑)。毎回放送中に、「孝太郎がかっこいい!」「孝太郎の杏子に対する優しさが本当にいいわ~」「惚れる」といったコメントが目立っている状態で、大好評となっている模様。(ですが、毎回杏子を助ける割に、自分の仕事はしておらず「仕事しろ!」と突っ込みたくなるのですが笑)。

 視聴率は下火ですが、この2人にとっては同ドラマの役柄、選んでよかったのかもしれませんね。

■「日曜劇場」が『笑点』に

 今回、ずっと、ネットで議論されていた夫の逮捕に関わっていた黒幕がついに判明しました。

 黒幕は政治家で官房副長官の南原(三遊亭円楽)で、ドラマ中では「南原か!?」と唐沢がびっくりしたように言うんです。ですが、南原に関しては、このとき初めて出てきた人物のため、視聴者はポカ~ン。正直「だからどうした?」「誰?」なんて声がチラホラ(笑)。

 事前に、5話に大物政治家役で黒幕だった人物として円楽さんが出ますよ~とアナウンスはしていたんですが、そんなの一部の人にしか伝わってませんからね。ぽか~んは仕方ないかと(笑)。ですが、大物政治家で黒幕と悪役の円楽さんに対して「腹黒でバッチリじゃん!」と賞賛の声が上がっており、しまいには「不倫の件はどうした!?」と過去の汚点まで掘り出され、いろいろな部分で話題になっていたのは確か(笑)。ナイスキャスティングとなったようです。

 ですが、ここで1つ問題が。次回は車椅子の弁護士と戦うという内容なのですが、この弁護士を春風亭昇太が演じるそうで……。ここまで『笑点』臭が強くなるとですね、ネットではブーイングの嵐。「スタッフに笑点ファンでもいるのか!?」「ここまで来ると、山田くんも林家木久蔵もでるのか?」「本当の敵は笑点だよ!」という声が続々。

 さらに、言うと、原作ではこの車椅子の弁護士をマイケル・J・フォックスが演じており、それと比べると、「昇太はどうなの?」という声も。

 う~ん。多分、スタッフとしては、知名度もあるし、なんだかんだで、演技の出演もあるので、「老若男女にウケる!」と狙った可能性がありそうですが……。

 これは、ちょっと失敗だったかもしれません。ですが、まだ放送前ですし、どうなるかわかりません。もしかしたらマイケル・J・フォックス並みの演技を見せてくれるかもしれませんし、円楽さんの方も腹黒演技を見せてくれるかも!? 

 6話はそういうところも楽しみに放送を待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

『後妻業』第3話 ジジイを殺したのは「頼まれたから」小夜子の衝撃告白にさらなる泥仕合必死

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『後妻業』(フジテレビ系)第3話「夫たちの死の真相!悪女の衝撃告白とは」

 

■「殺してくれって頼まれた」とは?

 武内小夜子(木村佳乃)と柏木亨(高橋克典)がさっそく次のターゲットに狙いを定める中、亡くなった中瀬耕造(泉谷しげる)の娘・朋美(木村多江)から依頼を受けた探偵・本多芳則(伊原剛志)は、小夜子の過去を調べ上げていた。

 小夜子は、耕造の前に三度も結婚しており、いずれの夫とも死別しているのだという。

 しかもそれぞれ、練炭による一酸化炭素中毒死、風呂場で溺死、踏切に飛び込んでの自殺(目撃者は小夜子のみ)というアヤシイにもほどがある死因なのだ。

 3人+耕造は結婚相談所「ブライダル微祥」で小夜子と出会ったという共通点も持っており、朋美は、小夜子が「ブライダル微祥」と組んで耕造を殺したに違いないと確信する。

「正面からぶつかりたい、小夜子と。私たちが調べてること、絶対にバレないように気をつける」

「私、自分であの女を探りたい」

 探偵をさしおいて、素人がどう探るのかと思ったら、いきなり小夜子のマンションに押しかけての直接対決。

「あなた、後妻業よね!」

 直球ゥ~。「調べてること、絶対にバレないように気をつける」と言ってたのはなんだったんだという、どストレートな発言。

 これに対して小夜子が返してきたのは、

「うちは、殺してくれって頼まれたんや!」

 という爆弾発言だった。

 

■生きててもしゃあないさびしい老人たち

 これまで、浮かれた銭ゲバ殺人鬼的な側面しか見せてこなかった小夜子だが、ここにきてちょいちょい別の顔をのぞかせている。

 小夜子曰く、耕造が「殺してくれ」と頼んできたのにはこんな事情があったという。

 最初の妻に先立たれた耕造は、さびしさを埋めるように結婚相談所に登録して二度も再婚したものの、その妻たちにも先立たれてしまい、

「これ以上、生きとっても娘たちに迷惑かけるだけや」

 と考えた耕造は、最後に楽しいひとときを過ごしたいと小夜子と(内縁関係だが)結婚式を挙げた。

 過去の3人の夫たちも、みな「孤独」に耐えかねて死にたがっていたのだという。

 耕造が「はよ、お前(最初の妻)のとこ行きたい」と言っていたり、小夜子に空気注射を打たれる直前に「ありがとう。小夜子、おおきに」と言ってた回想シーンが現実なのか、妄想なのか、ただの嘘なのかハッキリしないところはあるが、「孤独」な耕造の元に寄りついていなかった娘たちを牽制するには十分な発言だろう。

 みんながみんな死にたがってたなんて、そんな都合のいいことが……。

「もう生きててもしゃあないって思ってる、さびしい老人たちの願い。それをかなえてあげるためのお手伝いや~」

 実際に耕造から巨額の遺産をせしめているため、金目当てで「後妻業」をやっているのは間違いないのだが、柏木との会話中で出てきた、

「(身内に顧みられていない老人について)切なすぎるわ、ボケてまで長生きせなあかんなんて……」

「武内のじいさん、成仏しとるやろか? 中瀬のじいさんも天国で幸せになっとるやろか?」

 という発言からは、「孤独に耐えかねた老人たちを助けている」と本気で思っているようにも見えるし、「お前は尊厳死のプロなんや」とたきつける柏木から洗脳され、いいように操られているようにも見える。

■関西では高視聴率をキープ中

 罪悪感を抱えている小夜子、夫の浮気に薄々気付いている様子の朋美、家族が出て行ってしまった本多。

 それぞれに闇を抱えている三者+相変わらずフェロモン&うさんくささ前回の柏木が絡み合い、さらなる泥仕合が展開する。

 ……と思ったら、小夜子の3番目の夫・武内宗次郎の娘・香代(平岩紙)も参戦!

 宗次郎を虐待する鬼嫁だった(から殺してくれと頼まれた)と主張する小夜子に対して、香代はヒステリックに猛反発する。

「私と、財産を根こそぎ奪った女、どちらを信じるんですか!」

 中途半端に「いい人感」を出しているせいで、小夜子とバトルするにしてもイマイチ不完全燃焼になっている朋美に対して、香代は思いっきり「遺産を奪われたことが許せない」と金の恨みを丸出し。ますますのドロドロ展開が期待できそうだ。

 このドラマ、関東地方では視聴率1ケタ台で低空飛行しているが、関西地方では12.0%(ビデオリサーチ調べ)と2ケタ台をキープしているという。

 やっぱり、こういうベタなドロドロドラマ、関西の方がウケるんだろうか?

(文とイラスト=北村ヂン)

錦戸亮主演『トレース~科捜研の男~』、『半沢』『逃げ恥』にも共通する“ヒットの法則”とは!?

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 2月4日に放映された『トレース~科捜研の男~』第5話。

 内容は、18年前の誘拐を機に行方不明となっていた女児が、現在の殺人事件の容疑者として浮上し、その真相に迫るというもの。次々と予想外な事実が発覚するスリリングな内容でありながら、ラストは感涙必至という高尚な回だった。

 今回のレビューでは、『トレース』というドラマ自体の魅力に触れつつ、2ケタ視聴率を維持する秘訣に迫っていく。さらに次週から突入する新章への期待も綴りたい。

■視聴者の本性まで炙り出す神回!!

 第5話は視聴者の引きつけ方に巧さがある。

「18年間行方不明だった女児が殺人犯!?」という切り口だけでもインパクトが強い。また、予想外の展開と共に、視聴者の善意と悪意を引き出しながら、画面にくぎ付けにする。中二病的な表現だが、前半では視聴者を天使にし、後半では悪魔にしてしまう巧妙な構造だ。

 前半は、子の無事を願う両親への共感という善意から物語にのめり込める。殺人現場に残された毛髪と、行方不明の女児のDNAが一致するところから物語は始まる。

「今娘はどこにいるのか?」「無事に生きていてほしい、けれど殺人犯であってほしくない」

 女児の両親の目線で礼二(錦戸亮)やノンナ(新木優子)の活躍を祈ることができた。

 後半は一変して、見る者に内在する悪意をくすぐる。そのターニングポイントは、女児の両親、島本彩花(矢田亜希子)と島本彰(山中聡)のDNA鑑定のくだりだろう。中盤で失踪中だった娘・ユウ(山本舞香)が警察に出頭するのだが、ユウ本人か確認するため、父・彰と母・彩花のDNAと一致するか鑑定を行う。ここで一波乱あり、彩花とは一致するも、彰とは一致しない。つまり彩花が別の男性と性的関係を結んだことになる。

 不倫をしたのか? 襲われたのか? それ以外の理由があるのか? 

 ゴシップ誌をめくるような邪な野次馬根性から、真相を知りたくなってしまう。そうして導かれたラストでは我々視聴者の涙腺を崩壊させ、善人に戻してくれる。彩花の過ちや彰の決断には賛否両論あるだろうが、18年間離れていた娘のユウが“何”によって、両親からの愛を感じていたのかは必見だ。ぜひ、見逃し配信などで確認してほしい。

 ただ、気になる点が一つ……どの回も家族愛を描いてばかりじゃないか!!

 第1話は母娘の絆。第2話は父娘の絆。第33話は娘の死と夫婦愛。第4話は兄弟愛。そして今回もまた、親子愛。

 こうして並べてみるとマンネリな作品にも見えるが、実は視聴率的な観点から言うと得策かもしれない。そう考えた理由を次章で述べる。

■高視聴率の隠し味は、ホームドラマ!?

 第5話の10.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)も含め、『トレース』全話の平均視聴率は10.9%。この一年、月9で放映された、『コンフィデンスマンJP』(平均8.9%)、『絶対零度』(平均10.6%)、『SUITS』(平均10.7%)。まだ途中段階であるが、上記作品と比べても、トレースは一番の好成績を収めている。

 結果を支えているのは、前章でも触れた“家族愛”だろう。なぜ視聴率において得策なのかというと、2010年代の大ヒットドラマの共通点は、家族愛をスパイスにしているから。

『トレース』と同じ月9作品『コード・ブルー3』(2017年・フジテレビ)を見てみよう。こちらも医療ドラマでありながら、多くの回で家族愛が描かれている。メインメンバーや患者たちは、家族に関する悩みを抱えることが多かった。トレースで家族愛の描写が多いのも、同作品のヒットが影響しているのかもしれない。

 月9作品以外で例を挙げるなら、『半沢直樹』(2013年・TBS)。上司への倍返しが痛快な作品であるが、家族愛が重大な役割を担っている。半沢(堺雅人)が復讐を決意する理由は、父親の自殺。時として復讐鬼となる半沢の人間味を戻してくれるのが妻・花(上戸彩)。彼女に至ってはただの添え物にならず、半沢のピンチを何度も救うキーパーソンになっており、女性視聴者を置いてけぼりにしていないこともまた気持ちがいい。

『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年・TBS)でも、“契約結婚”という切り口から多くの家族愛を見せてくれた。みくり(新垣結衣)と津崎(星野源)の障害の多くが、家族を愛する気持ちから起きる。結婚挨拶を機に両親からの愛情を知り後ろめたい気持ちになったり、叔母・百合(石田ゆり子)に契約結婚だとバレないために協力し、二人の恋が発展したりする。

 平成に入って、ホームドラマ自体の視聴率は徐々に下がり、制作本数は少なくなった。けれど、現代ではさまざまなジャンルの作品のスパイスとして家族愛は活躍している。

 真正面から「家族の愛を描く」と謳われるとくすぐったい気持ちになるが、スリリングな事件や斬新なテーマの中に家族愛がサンドされていると惹きつけられてしまう。

 愛や憎しみ、さまざまな感情が混在しても、家族を想う気持ちは平成が終わろうとしている今でも変わらないのだろう。

■次週、新章突入!! 今後の展開は?

『トレース』の場合は、視聴率のためだけに家族愛を描いたわけではなさそうだ。その理由は第5話ラストのノンナの台詞。

「礼二さんって、次男ですよね?」という一言をキッカケに、礼二の兄が自殺したことがほのめかされる。原作では第1話から、礼二の家族の事件に重きを置いている。原作のメインストリームとなっていた要素をドラマでは懐刀にし、次週から始まる新章から濃密に描いていくようだ。礼二の家族の事件に入っていけば、今まで家族愛を描いた事にも意味合いが出て来るだろう。また、今まで描かれることの少なかった小雪や千原ジュニアらの演じる人物達がどのように物語に絡むのかも楽しみである。

 ちなみに具体的なネタバレは避けるが、礼二の事件には、『半沢直樹』っぽい復讐要素が絡んでくる。倍返し要素と家族愛のスパイス、大ヒットドラマの系譜を受け継ぐ本作の第6話にも期待したい。

(海女デウス)

『3年A組』今田美桜への説教は強引すぎ? 熱血教師の”正論”がついに破綻……

 2月3日放送の『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)第5話。今回スポットが当たった生徒は、諏訪唯月(今田美桜)だ。

 半グレ集団「べルムズ」リーダーの喜志正臣(栄信)と交際していた唯月は、海外のファッションショーに出るようなモデルになるのが夢。彼女が喜志と付き合っているのには理由がある。喜志のコネクションによってメジャーなモデル事務所に所属でき、雑誌の表紙も飾ることができた。喜志がいれば、何も言わなくても勝手にライバルを蹴落としてくれる。夢を追う唯月にとって、かけがえのない拠りどころになっていた。

 半グレと芸能界のつながりを描くとは、なかなかに踏み込んでいる……。

 景山澪奈(上白石萌歌)を見た喜志は、不穏なことを口走った。

喜志「あいつ、有名な水泳の選手なんだろ。人気あんの?」

唯月「まあ。私は苦手だけど。なんか鼻につくっていうか。あんな奴いなくなればいいのに」

喜志「本当にいなくなったりして」

 唯月が澪奈にいら立つ理由はわかりやすい。好きでもない男と付き合い、媚び、自らを犠牲にしながら夢に向かっている自分。澪奈はひたむきな練習に励み、誠実に結果を出している。うしろめたさがある唯月は、澪奈に嫉妬したのだ。

 何も言わなくてもライバルを蹴落としてくれる喜志はフェイク動画を製作、澪奈のドーピング疑惑を拡散して澪奈を自殺に追いやった。

唯月「間違ったことくらいわかってる。でも、私はこうやって生きてきたから!」

 そんな彼女に、柊一颯(菅田将暉)が掛けた言葉が意外だった。

「お前は間違ってない」

「迷って、もがいて、途方に暮れて、それでも正解を求めて前を向く。進んで進んで、ダメなら傷付きながら引き返す。で、また歯を食いしばって前を向く。みんなみっともないんだよ! でも、それでいい。それがいい! 恥を繰り返して強くなるんだよ。っていうか、恥もかかずに強くなれると思うな!」

「お前のこれまでは、誰が何と言おうと絶対に間違ってない!」

 これまでの柊が“俺の授業”で伝えてきたメッセージは、至極まっとうな正論ばかりだった。言ってしまえば、彼の説教の内容はありきたりなものばかり。

 でも、今回のそれはいかがなものか。半グレの力を使い、ライバルを陥れる彼氏。未成年の高校生がその力に頼り、知らぬとは言え澪奈を自殺に追い込む片棒を担いだ。それらを全部ひっくるめて「それでいい。それがいい!」と言われても……。「恥もかかずに強くなれると思うな」のメッセージを伝えたいがために、強引がすぎるのだ。その論理は、残念ながら刺さらない。

■田辺誠一は敵か味方か?

 澪奈が喜志から受け取ったペンダントにはUSBメモリーのチップが入っていた。内容はフェイク動画の顧客リストである。依頼人の欄を見たら、魁皇高校教師がいると記されていた。

 これが明らかになるや、Twitterでは「武智先生」がトレンド入りする事態に! 事件そっちのけでテレビに露出、軽薄な態度を取り続ける武智大和(田辺誠一)を多くの視聴者が黒幕視したのだ。

 彼の今までの行動を振り返ると、確かに喜志とのつながりに説明がつく。自己顕示欲の強い武智は、半グレの力を借りることで数多いテレビ露出を成し得たのか? と。ただ、一方でこんな予想も立つ。人質事件のSNS拡散に腐心し、日本中の注目を集めたい柊。もし武智が柊の味方だとすると、異常なほどのメディア露出に合点が行くのだ。自らがテレビに出ることで、魁皇高校への注目を集めている。武智は柊の協力者か? と。

 まあ、今作は伏線とまったく関係ない事柄が正解になったり予測不可能だ。だから、先の展開予想はこの辺でやめておこう。

 このドラマには、犯人探し→説教→改心という流れがフォーマットとしてある。その対象が、生徒から今度は教師へと移る。武智、市村浩一(ベンガル)、佐久間現(バッファロー吾郎A)、森崎瑞希(堀田茜)、坪井勝(神尾佑)の5人の内の誰かがフェイク動画の犯人なのだから、そうなるのは自然。5人の内の誰かの闇があぶり出され、例によって柊が改心させる。そんな次回が来そうである。

 とはいえ、まだ終わりじゃない。犯人が明らかになったとて、その背後には黒幕がいて、その黒幕を別の黒幕が操っていて……と連鎖していくのが今作の定石なのだから。まだまだ先はありそうだ。でも、病に冒される柊は、今にも力尽きてしまいそうである……。

(文=寺西ジャジューカ)

 

 

『3年A組』今田美桜への説教は強引すぎ? 熱血教師の”正論”がついに破綻……

 2月3日放送の『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)第5話。今回スポットが当たった生徒は、諏訪唯月(今田美桜)だ。

 半グレ集団「べルムズ」リーダーの喜志正臣(栄信)と交際していた唯月は、海外のファッションショーに出るようなモデルになるのが夢。彼女が喜志と付き合っているのには理由がある。喜志のコネクションによってメジャーなモデル事務所に所属でき、雑誌の表紙も飾ることができた。喜志がいれば、何も言わなくても勝手にライバルを蹴落としてくれる。夢を追う唯月にとって、かけがえのない拠りどころになっていた。

 半グレと芸能界のつながりを描くとは、なかなかに踏み込んでいる……。

 景山澪奈(上白石萌歌)を見た喜志は、不穏なことを口走った。

喜志「あいつ、有名な水泳の選手なんだろ。人気あんの?」

唯月「まあ。私は苦手だけど。なんか鼻につくっていうか。あんな奴いなくなればいいのに」

喜志「本当にいなくなったりして」

 唯月が澪奈にいら立つ理由はわかりやすい。好きでもない男と付き合い、媚び、自らを犠牲にしながら夢に向かっている自分。澪奈はひたむきな練習に励み、誠実に結果を出している。うしろめたさがある唯月は、澪奈に嫉妬したのだ。

 何も言わなくてもライバルを蹴落としてくれる喜志はフェイク動画を製作、澪奈のドーピング疑惑を拡散して澪奈を自殺に追いやった。

唯月「間違ったことくらいわかってる。でも、私はこうやって生きてきたから!」

 そんな彼女に、柊一颯(菅田将暉)が掛けた言葉が意外だった。

「お前は間違ってない」

「迷って、もがいて、途方に暮れて、それでも正解を求めて前を向く。進んで進んで、ダメなら傷付きながら引き返す。で、また歯を食いしばって前を向く。みんなみっともないんだよ! でも、それでいい。それがいい! 恥を繰り返して強くなるんだよ。っていうか、恥もかかずに強くなれると思うな!」

「お前のこれまでは、誰が何と言おうと絶対に間違ってない!」

 これまでの柊が“俺の授業”で伝えてきたメッセージは、至極まっとうな正論ばかりだった。言ってしまえば、彼の説教の内容はありきたりなものばかり。

 でも、今回のそれはいかがなものか。半グレの力を使い、ライバルを陥れる彼氏。未成年の高校生がその力に頼り、知らぬとは言え澪奈を自殺に追い込む片棒を担いだ。それらを全部ひっくるめて「それでいい。それがいい!」と言われても……。「恥もかかずに強くなれると思うな」のメッセージを伝えたいがために、強引がすぎるのだ。その論理は、残念ながら刺さらない。

■田辺誠一は敵か味方か?

 澪奈が喜志から受け取ったペンダントにはUSBメモリーのチップが入っていた。内容はフェイク動画の顧客リストである。依頼人の欄を見たら、魁皇高校教師がいると記されていた。

 これが明らかになるや、Twitterでは「武智先生」がトレンド入りする事態に! 事件そっちのけでテレビに露出、軽薄な態度を取り続ける武智大和(田辺誠一)を多くの視聴者が黒幕視したのだ。

 彼の今までの行動を振り返ると、確かに喜志とのつながりに説明がつく。自己顕示欲の強い武智は、半グレの力を借りることで数多いテレビ露出を成し得たのか? と。ただ、一方でこんな予想も立つ。人質事件のSNS拡散に腐心し、日本中の注目を集めたい柊。もし武智が柊の味方だとすると、異常なほどのメディア露出に合点が行くのだ。自らがテレビに出ることで、魁皇高校への注目を集めている。武智は柊の協力者か? と。

 まあ、今作は伏線とまったく関係ない事柄が正解になったり予測不可能だ。だから、先の展開予想はこの辺でやめておこう。

 このドラマには、犯人探し→説教→改心という流れがフォーマットとしてある。その対象が、生徒から今度は教師へと移る。武智、市村浩一(ベンガル)、佐久間現(バッファロー吾郎A)、森崎瑞希(堀田茜)、坪井勝(神尾佑)の5人の内の誰かがフェイク動画の犯人なのだから、そうなるのは自然。5人の内の誰かの闇があぶり出され、例によって柊が改心させる。そんな次回が来そうである。

 とはいえ、まだ終わりじゃない。犯人が明らかになったとて、その背後には黒幕がいて、その黒幕を別の黒幕が操っていて……と連鎖していくのが今作の定石なのだから。まだまだ先はありそうだ。でも、病に冒される柊は、今にも力尽きてしまいそうである……。

(文=寺西ジャジューカ)

 

 

『イノセンス~冤罪弁護士~』坂口健太郎が川口春奈をガン無視……“相棒”不要とツッコミ殺到!

(これまでのレビューはこちらから

 坂口健太郎主演ドラマ『イノセンス~冤罪弁護士~』(日本テレビ系)の第3話が2月2日に放送され、平均視聴率9.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)を記録しました。

 1話の8.3%から徐々に視聴率が上がり、今回、自己最高となる数字となった同ドラマ。他局のリーガルドラマが初回二桁を記録し、どうなることかと思いましたが、少しずつ人気が出てきているのでしょうか?

 ではでは、今回もあらすじから振り返っていきましょう!

■病院の隠蔽体質に切り込む!

 テレビ局員・有馬聡子(市川実日子)の紹介で、心臓手術中の医療ミスで逮捕された医師・雲仙(平岳大)の冤罪を晴らして欲しいとの依頼を受けた拓(坂口)。雲仙の代わりに依頼人となった看護師・白山(青野楓)は、雲仙ひとりが罪に問われたことに疑問を持ち、遺族のためにも事実関係を明らかにしたいと願っていた。

 拓と楓(川口春奈)、穂香(趣里)は内部調査報告書を手に入れ、病院に聞き込み調査へ。しかし、雲仙の同期の医師・磐梯(山本耕史)によってスタッフへの調査を断られてしまう。

 内部調査報告書には雲仙の指示ミスによって引き起こされた医療ミスだとの記載があり、愕然とする雲仙。打つ手がないと思われていたが、患者のあるひと言で、医療ミス当日に雷が落ちていたことが発覚。それにより、電気系統に問題が起こり、医療ミスが起こってしまったことを拓は裁判で証明。

 有利になったかと思うも判決は、有罪。雲仙には懲役1年執行猶予3年の刑が下された。

 負けてしまったが、雲仙は心機一転過疎地で医療の手伝いに赴くことに。さらに、磐梯は病院の改革に乗り出すことに。それを聞いて安心する拓だったが、内心は冤罪を晴らせず、悔しさでいっぱいだった、というのが今回のストーリーでした。

■やっと、ハマり役に出会った坂口健太郎!

 坂口演じる、黒川拓という弁護士は変わり者という設定だけに、坂口の演技がユニークなんです。今回は冒頭、給料が入ったことで、食べすぎてしまい、腹痛になってしまうんですが、これが、なんともかわいい(笑)。さすが“イケメンを愛でる”ドラマだけあります!

 ですが、回を重ねることに、黒川の冤罪を晴らしたいという真剣度が増すため、変人ではあるけど、敏腕弁護士っぽくも見えてくる。坂口はどこか抜けてる変人役をしたほうが、いいかも。『シグナル』(フジテレビ系)の追われる刑事よりも、いい演技をしていると思いました。

 ですが、できればもう少し、裁判シーンでパワフルな演技を見せて欲しいんですよね。今のままだと、淡々としていて、冤罪を晴らしたいという部分が薄まるというか……。もっとメリハリが欲しいなと思ってしまいました。

■やっぱり川口春奈の役は受け付けない!?

 前回、頑張れば、川口春奈の当たり役になるかもなんて話をしましたが、やっぱり無理です。だって、ただ単に拓の周りに付きまとって口うるさいだけなんですから。

 変人と一緒に行動する相棒といえば、『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)の新垣結衣を思い浮かべるんですが、あの役は正論を口うるさく言うと、変人の堺雅人が反論するというキャッチボールができてるから、成り立ってる。ですが、同ドラマは口うるさい川口を坂口はオール無視。キャッチボールが成り立ってないから、視聴者から「ギャーギャーうるさい」とか「川口の役は不要!」と言われてしまうんですよね。

 でも、これは川口が悪いわけじゃなくて、脚本に問題があると思います。もう少し、楓の存在を生かす描き方にして欲しいです。じゃないと、「川口は不要だった」との感想で最終回を迎えちゃいますよ。

■検事の考え方がおかしい!

 毎回、裁判シーンがあるんですが、担当検事がなんと毎回同じ。このドラマの世界では小市慢太郎演じる指宿検事しかいないのかと突っ込んでしまうのですが、それはドラマイジメだ、と言われてしまうので、そこまで追及しません。

 ですが、今回、死人が出ている医療ミスを問う裁判。なのに、最後に指宿検事は拓に対し「人がなくなっているのに、君がやったことは余計なことだ」というんです。えっ? このセリフおかしくないですか? だって人が死んで誰かが罪を被れば、真相はどうでもいいってことですか? もし、そう思っているのなら、マジでヤバイ検事ですよ(苦笑)。

 弁護士がメインとなるために、検事側を悪と描く必要があったとしても、このセリフは言っちゃだめだと思うのですが……。悪人として描く前に、脚本家は倫理とか道徳とか、勉強したほうがいいかもしれません。

 ちょっと、厳しい言い方になってしまいましたが、それぐらいこのセリフは気になってしまいました。

 以上、3話のレビューでした。

 徐々に視聴率があがりつつも、いろいろと穴だらけな同ドラマですが、いつかその穴が埋まるんでしょうか? 次回の放送も楽しみに待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

パワハラ野郎のモデルは脚本家の遊川和彦自身!? 杉咲花えもんが解決『派遣占い師アタル』第4話

 誰もが抱える職場での悩みやトラブルを、占いパワーで解決してしまう杉咲花主演ドラマ『派遣占い師アタル』(テレビ朝日系)。当たり外れの激しいベテラン脚本家・遊川和彦のシナリオも、今のところは順調です。同僚たちから鼻つまみ者となっていたオッサン社員が一刀両断された第4話を振り返ってみましょう。

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 かつて天才占い少女として騒がれたアタル(杉咲花)ですが、現在は派遣社員として都内のイベント会社に通っています。今回、アタルが鑑定することになるのは、40代になるチームリーダーの上野(小澤征悦)です。10年前に伝説のイベントを成功させましたが、その後は部下を大声でドヤしつけるだけで、職場ではウザがられる存在となっています。妻とは5年前に離婚し、中学生になる娘(桜田ひより)からも相手にされなくなりました。イライラが募り、ますます声がデカくなる一方の上野です。かつて天才占い少女として騒がれたアタル(杉咲花)ですが、現在は派遣社員として都内のイベント会社に通っています。今回、アタルが鑑定することになるのは、40代になるチームリーダーの上野(小澤征悦)です。10年前に伝説のイベントを成功させましたが、その後は部下を大声でドヤしつけるだけで、職場ではウザがられる存在となっています。妻とは5年前に離婚し、中学生になる娘(桜田ひより)からも相手にされなくなりました。イライラが募り、ますます声がデカくなる一方の上野です。

 いつものごとくお調子ものの代々木部長(及川光博)が現われ、上野ご指名での案件が届いていることを告げます。10年前に上野が成功させた伝説のイベントのクライアント社の社員が起業したので、その初イベントを上野にお願いしたいという内容でした。これには上野、大張り切り。10年前のスタッフジャンパーを羽織り、イベントの記念品を机に飾り直し、伝説をもう一度再現しようと意気込みます。

 いつもは品川(志尊淳)が上野のアシスタントを務めていましたが、第3話で品川が上野をパワハラ告発したため、上野のアシスタントから外れています。やる気はあるものの仕事がまるでできない目黒(間宮祥太朗)と妊娠中の神田(志田未来)が上野の下で動きますが、思うようには仕事は進みません。10年前に伝説のイベントを一緒にやった社外スタッフからは仕事を断られ、孤立感を深めていく上野です。そんな上野のことを不憫そうに見つめるアタルでした。

 

■自覚がないところがパワハラ野郎!

 徹夜で企画書を書き上げた上野ですが、クライアントからの返事に落ち込んでしまいます。上野を指名してきた社長から「10年前のイベントの焼き直しにしかすぎない」と酷評されてしまったのです。しかも自分に直接言わずに、大崎課長(板谷由夏)を通して知らされたことに、上野は大ショックを受けてしまいます。

 上野にとって唯一の自慢だった“伝説のイベント”を、そのイベントを一緒に成功させたクライアントから完全否定され、上野は自暴自棄に陥ります。親会社から出向してきた代々木部長に向かって「俺はあんたのことを上司として認めていない」と暴言を吐き、さらに目黒、神田、品川たちに「なんで、お前たちみたいな奴らと仕事しなくちゃいけないんだよ。俺はもっと優秀なスタッフと仕事がしてぇんだよ」と当たり散らします。会社員として言ってはいけないことを口にしてしまった上野でした。

 上野は自分が感じたことをそのまま言葉にしているだけで、悪意はありません。苦言を吐くことで、若手社員たちが伸びてくれることを期待しています。自覚がないあたり、実に典型的なパワハラ野郎です。上野のキャラクターがひどくリアルに感じられるのは、脚本家の遊川和彦自身の姿と重なるからではないでしょうか。2012年に放映されたNHK朝ドラ『純と愛』のヒロインを演じた夏菜に対して、脚本だけでなく演出面にも口を出した遊川のダメ出しが繰り返されたそうです。愛の鞭のつもりだったダメ出しですが、夏菜は精神崩壊寸前となり、トイレに閉じこもったと言われています。上野=遊川和彦のパワハラ気質は、はたして治すことができるのでしょうか?

 行きつけの居酒屋で上野が悪酔いをしていると、神田、目黒、品川が現われます。会社から姿を消した上野のことが心配になったのです。アタルに鑑定してもらうことを勧める3人でしたが、上野は「助けてくれって言葉が俺はいちばん嫌いだ」と断ります。このとき、いつもは口数の少ない品川が「後悔してもいいのかよ、ジジイッ!」と一喝するのでした。アタルに占ってもらってから、品川たちは目には見えない形で少しずつ変わり始めていたのです。

■オッサンが失ったのは才能ではなかった……

 毎晩のように自分で掘った穴に生き埋めになる悪夢にうなされていた上野は、結局はアタルに鑑(み)てもらいます。上野からの質問は以下の3つです。

1) 俺のなくした携帯電話はどこにある?
2) なんで俺は周りの奴らに嫌われているの?
3) 俺はまた伝説のイベントをやることができる?

 今回のアタルの鑑定結果も冴えていました。1)の答えは、希望と携帯電話はすぐなくすけど、よく探せば近くにあるとのこと。携帯電話をすぐなくす人は、一緒に希望も見つけたいものですね。

2)の答えは「他人を叱るには、資格がいる」でした。上野にはその資格がないというわけです。他人に説教をしている暇があれば、自分磨きに時間を費やせとアタルは説きます。ごもっともな回答に、思わずうなずく上野でした。

3)の答えを導くために、アタルは例によって上野の記憶の水脈を遡上します。子どもの頃の上野は親戚が集まる場で手品を披露し、みんなを喜ばせるのが楽しかったことを思い出します。ですが、次第にみんなを喜ばせるよりも、自分がすごいと言われることに快感を感じるようになってしまったのです。アタルは言い放ちます。「伝説のイベントをDVDで見たけど、伝説と呼ぶほどのもんじゃねぇよ。でも、あんたはいい顔してた。みんなを喜ばせたいという情熱とやる気が溢れていた。失ったのは才能じゃなくて、あのときの気持ちだよ」と。

 アタルの鑑定によって、上野はすっかり心を入れ替えます。メールの返信をしなくなった娘からも「いつかパパの職場を見学に行っていい?」とうれしいメールが届きます。上野だけでなく、職場のみんなも大喜びです。この日をきっかけに、上野は伝説のイベントのスタッフジャンパーと記念品を処分するのでした。

■後半戦にゲスト出演してほしいアノ人

 杉咲花がまるで『ドラえもん』のように職場の問題をいっきに解決してしまうお決まりの定番ストーリーだった第4話。いじめっ子のジャイアンがすっかり改心して、のび太と仲良くなったようなエピソードでした。そんな第4話の視聴率は10.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。これで初回から4週連続で二ケタキープ、しかも第3話の10.0%から0.3ポイントのアップです。

 今回、上司が部下から評価される「360度フィードバック」が話題として取り上げられましたが、上司への厳しい意見はなかなか下の立場の人間は言えないもの。上野のパワハラ上司ぶりを、アタルが巧みに更生させた第4話にスッキリ感を覚えた視聴者は多かったようです。DVD化されたら、中間管理職の研修ビデオに使われそうなエピソードでした。

 過去の成功体験にすがることをやめた上野の姿は、脚本家の遊川和彦が自分自身の戒めとして描いているように思えた第4話でした。現在は相席スタートの山﨑ケイのエッセイを原作にした深夜ドラマ『人生が楽しくなる幸せの法則』(日本テレビ系)に主演している夏菜ですが、遊川作品に再び出演する日は訪れるのでしょうか。占いを信じてボロボロになった元信者役を演じれば、ぴったりハマリそうですけど。
(文=長野辰次) 

高畑充希主演『メゾン・ド・ポリス』「老害」角野卓造のオヤジキャラ炸裂も、“お決まりパターン”に飽き飽き?

 刑事役の高畑充希もだいぶ見慣れてきたドラマ『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)。2月1日放送の第4話の視聴率は、10.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回から0.4ポイントダウンしたものの、今回も2ケタをキープするという好調ぶりです。

 今回は、角野卓造が大活躍! “迫田回”となった物語のあらすじから振り返っていきます。

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■今回の事件は、現代の世相を反映するもの

 過去に自主練での騒音が原因で近隣と揉めたこともあるという、将来有望な大学バスケ選手・貫井秀之(山本涼介)が何者かにバットで殴られる事件が発生。普段は乗り気じゃない迫田さん(角野)、今回やけに捜査に首を突っ込んできます。

 ひより(高畑)が迫田さん+一緒についてきた夏目さん(西島秀俊)とともに秀之の周辺を調査したところ、彼の同級生で近隣に住む櫻井陽斗(福山康平)が浮上。浪人生だった陽斗は、受験のプレッシャーとストレス、スポーツ推薦で大学進学をした秀之への妬みからネットゲーム内の掲示板を使ってゲーム内コインを報酬として支払う代わりに、秀之への暴行を依頼していました。

 責任を感じた陽斗は、自分をエサにして秀之を襲った実行犯を捕まえようと自ら自分の名前を掲示板に書き込み、夜道で襲われますが、子ども向けの柔道教室の先生でもある迫田さんが見事な背負い投げで男を取り押さえ、ひよりが手錠をはめて現行犯逮捕。

 その後、殺人教唆か何かで逮捕後、保釈された陽斗は刑事課の原田照之(木村了)とともに秀之の病室を訪れ、謝罪。「死ぬ気でリハビリすっから。だからお前、死ぬ気で受験やれよな」といういかにもスポーツマンらしい秀之の言葉によって、2人は前に進み出します。

 さて、秀之の他にもたくさんの暴行依頼が書き込まれていた掲示板ですが、管理人は1番最初に名前が書き込まれていた田口哲也(清水章吾)というおじいちゃんでした。定年退職し、奥さんと離婚をした田口は、1人での生活に耐えられず、誰かに自分を殺してもらおうと掲示板を作成し、自分の殺害依頼を投稿。独居老人の“孤独”が、思わぬ事件を生んだ――というわけです。うん、切ない。

■若者と年配者、どちらかに偏りすぎない脚本

「世の中から必要とされなくなった自分が、ゲームに夢中のくだらない若者に殺される。何ともいいアイデアだろ」

「私達が死にものぐるいで作りあげてきた豊かな国で、ぬるま湯につかってダラダラ過ごしてるああいう連中がいるから日本はダメになった」

「私はああいう連中を有効活用しようとしたんだ」

 と、若者に対する偏見がすさまじい田口。でも、見ていて気持ちよかったのは、そんな田口と同世代で境遇も似ている迫田さんが、「俺もお前と一緒だからわかる」と寄り添いながらも、

「気持ち悪いな、お前。かまってほしいだけだろ?」

「若い連中のせいにすんな。お前は人の手を借りなきゃ死ねない臆病者だ」

「てめえのワガママに若い奴らを巻き込んでる老害だ」

 とバッサリ切り捨てたこと。

 柔道教室に通う子どものママから“老害”と言われたり、居酒屋でひよりに「男が稼いで女は家を守る」「みんなそうやって歯食いしばってやってきたから今の世の中がある」などと説教じみたことを言っていた迫田さんが言うからこそ、胸に刺さるものがありました。

 また、単に若者への説教だけじゃなく、年長者の身勝手さや理不尽さだったり、傲慢さもきちんと描かれていたので、どちらか一方に肩入れすることなく、平等に見ることができたのだと思います。

 ネット上の反応を見ても、今話は迫田さんへの反響が大きく、中でも、最後に田口に言った、「次の連中に何かを残せなくなった奴にできるのは、だまって死ぬのを待つことだけだ」というセリフが、「泣けた」「めちゃくちゃ重い」「残酷だけど、ある意味言う通りかも」と、視聴者たちに刺さったようです。

 

■『渡鬼』を越える、角野卓造の“オヤジっぷり”

 迫田さんが今回の事件に食いついたのは、秀之が、自分の息子がキャプテンを務める大学バスケ部の一員だったからでした。仕事人間すぎるがゆえ奥さんから愛想を尽かされ熟年離婚した迫田さん、息子のことなんて何も知らないと口では言っていましたが、なんだかんだ、気にかけていたようです。

 ひより曰く、そんな迫田は「自分の父と似ている」んだとか。彼女の父は、みかんゼリーを買って帰ると約束した日の夜、残業で建設現場に行き、建物から落ちて死にました。

「いくら親子だってちゃんと言葉で伝えてくれないと、何考えてるかわかんないんです」

「迫田さんは、家族にちゃんと気持ちを伝えたほうがいいと思います」

 ひよりのその言葉に、その夜、迫田さんは、息子の活躍が載った新聞の切り抜きをまとめたノートをとっても優しい顔で眺めたり、元妻が「大好きだから」とメゾンに送ってくれた漬物を食べて口元を緩ませます。実は家族のことを大切に思っているようすが伝わってくる、とってもあったかいシーンでした。演出も良かったのですが、セリフはなくともその佇まいで魅せた角野卓造さんも、さすがと言わざるを得ない演技でした。

 新聞を読みながら小言を言ったり、ひよりに説教をしてみたり、頑固オヤジな角野さんを見ると、どうしても『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)の勇おじちゃんが頭にチラつきますが、迫田さんのキャラクターもあいまって、口うるさいけどどこか憎めない、“愛されオヤジ”になっている気がします。

 

■事件解決までの“お決まりパターン”には飽き飽き

 今回は初めてメゾンのおじさんたちの過去や内面に踏み込む内容となり、ここまで絶賛してきましたが、とはいえ、「ひよっこ刑事のひよりがおじさんたちのフォローのおかげでなんだかんだ事件を解決する」というお決まりのパターンにはそろそろウンザリしてきた視聴者も多いはず。視聴率ダウンはそこに原因があるんじゃないかと勝手に思っています。5話以降は、“どう飽きさせないか”がポイントになってくるんじゃないでしょうか。

 あと、これは物語の本筋とは関係ないんですが、事件解決後の恒例のカラオケ大会で「お嫁サンバ」を歌う野口五郎、もうちょっと見たかったです。今夜は「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」あたりを歌ってくれるんでしょうか……?

(文=どらまっ子TAROちゃん)

『刑事ゼロ』名作ミステリーのごった似展開で沢村一樹が“浅見光彦”化?

 沢村一樹が記憶喪失になってしまった刑事役で主演を務めるドラマ『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)の第5話が7日に放送され、平均視聴率10.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.4ポイントダウンとなりました。

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 京都の山奥にある八咫神(やたがみ)村で、崖の上から村役場の職員・浅木浩太郎(大高洋夫)が転落死した事件を調査するため、京都府警捜査一課刑事の時矢暦彦(沢村)は、新人刑事の佐相智佳(瀧本美織)とともに村を訪れます。

 村人の小野千秋(大後寿々花)や羽山敬太(尾上寛之)、村長の森幸介(佐戸井けん太)の話によれば、500年前に村を襲った野武士が、“八咫神様”という神様の祟りによって崖の上にある鳥居に向かって走り、そのまま転落死したという伝説があるとのこと。そして、浅木の死体もちょうど、崖の下の河原の流木が集まった地帯で見つかったため、村人たちは八咫神様の祟りだと怯えるのです。

 実は1年前にも、何やら怪しげな行動が目立った消防団長の飯田透(太田雅之)が転落死し、その事件後に娘のサチコが行方不明になったことを千秋から聞かされた時矢は、伝説に見立てた殺人なのではないかと疑います。

 一方、時矢をライバル視する同僚の福知市郎(寺島進)は、半年前に時矢が解決できなかった事件の再捜査を開始。時矢の鼻を明かしてやろうとの魂胆だったのですが、その被害者がサチコであることや、犯人が浅木であることが判明したため、八咫神村で時矢と共同捜査をすることになります。

 その時矢は、転落死の正体が、崖の上に行く際に村人たちが清めのために食べるフキノトウを、狂乱作用のある毒草・ハシリドコロに犯人がすり替えたことによるものではないかと推測。新たな事件を防ぐため、鳥居のすぐ前にある門で夜を明かすことにします。

 ところが翌朝、崖の下で森が転落死しているのが発見。鑑定の結果、胃の中にハシリドコロはなく、時矢の推理は破綻してしまいます。しかし、森の指先に、村から6時間離れた福井県の山奥にしか生息していない植物のトゲが刺さっていることから、時矢は真犯人とトリックに気づくのでした。

 一方、サチコが殺される前の行動を追っていた福知は、風力発電事業のために村を売ろうと画策していた森と浅木を追及した結果、飯田親子が殺されてしまったことを突き止めます。

 それらの事実から時矢は、サチコに想いを寄せていた羽山が、復讐のために森と浅木を殺したと推測。福井県の山奥から小さなイカダに乗せて死体を流し、ちょうど崖の下の流木が集まる地帯でイカダが破壊。そこに死体が留まることから転落死に見え、しかもアリバイも確保できるというトリックだったのです。そして、羽山がこの推理を認めたことで一件落着となりました。

 防犯カメラの映像解析ソフトを操作することで“透明人間”をつくりだす近代的なトリックが用いられた前回から一転して、今回は人里離れた村で起こる古めかしい伝説を見立てた殺人事件の捜査となったのですが、ただ単に名作ミステリーのごった煮といった印象しかありませんでした。

 沢村は、ミステリー作家・内田康夫の推理小説が原作の『浅見光彦シリーズ』で主演を務めていた時期があるだけに、そのパロディにも思えました。全体的に緊張感がないですし、記憶喪失という設定もいつの間にか添え物みたいになっちゃっているんですよね。記憶を失う前の時矢とは雰囲気が全然違うのに、周囲の人間はどうして気づかないの? と疑問に思ってしまいます。

 これまでの回でも思わず唸るような目新しいトリックは出てきませんでしたが、今回に関してはあまりにチープすぎて愕然としてしまいました。死体を小さなイカダに乗せて流し、ちょうど同じ場所で留まるようにするなんて可能なのでしょうか? 八咫神様もビックリの神業ですよね。

 また、羽山は村から車で6時間も離れた福井県の山奥まで村長を連れて行き、そこで殺害したということですが、どうやって誘い出したんですかね? ピクニックへ行こうとでも持ち掛けたのでしょうか? 村で殺害して運んだならわかりますけど、移動の間、2人はどんな会話をしたのだろうかと、そのことばかりが気になってしまいました。

 次回は、殺人の容疑者が事件のショックによって記憶喪失になってしまう展開とのことで、時矢が20年分の刑事生活の記憶を失った特異な設定を上手く絡ませることができるか見ものです。というよりも、ここで活かさなければ、ただのよくある刑事ドラマになってしまうので、ターニングポイントになることを期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『家売るオンナの逆襲』ボーイズラブから“マンチッチとドジスケ”の不倫ドラマへ移行?

 北川景子が不動産業界のスーパー営業ウーマンを演じるドラマ『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)の第5話が6日に放送され、平均視聴率11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.8ポイントアップとなりました。

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 前回、フリーランスの不動産屋・留守堂謙治(松田翔太)に顧客を奪われショック状態から抜け出せない三軒家万智(北川)は、有給休暇を取得。上司で夫の屋代大(仲村トオル)を置いて、どこかへ旅に出てしまいます。

 一方、万智の部下・庭野聖司(工藤阿須加)は、田部竜司(柄本時生)と婚約者の宮寺奈々(知英)を担当することに。ブサイクな外見にコンプレックスを抱き、美人と交際するために努力し続けてきたという田部は、美人なうえに奥ゆかしい性格の奈々との結婚を考え、見栄えのいい一軒家を探しているというのです。

 残念ながらすぐに物件は見つからなかったものの、田部が万智と小学校の同級生だったことが判明。“マンチッチ”というあだ名で、クラスの人気者だったことを聞きつけた屋代は、今とはまるで違うキャラクターだったことに衝撃を受けるのでした。

 その夜、万智の邪魔をする留守堂の存在が気になった屋代は、庭野を引き連れ尾行を開始するのですが、あっさり見つかってしまいます。そして、留守堂が万智の同級生だったことを知り、もしかしたら小学校時代のクラスメイトだったのではないかと考え、その足で田部の家を訪問します。

 しかし、田部の小学校の卒業文集には、“留守堂謙治”という名前の生徒は見当たりません。その代わり、子どもの頃は確かに万智が陽気なキャラクターだったことや、クラスの『ドジでブサイク・ランキング』において、1位の“ドジスケ”こと三瓶良雄に次いで2位になったことが、田部のスペック磨きの原動力になっていることを知るのでした。

 その翌日、庭野は田部と奈々を内見案内するのですが、バスルームでシャワーの操作を誤ってしまい、奈々をびしょ濡れにさせてしまうことに。すると、奈々がいわゆる詐欺メイクによって美人に見せかけていたことが判明してしまうのです。

 ショックを受けた田部は別れを切り出し、奈々が帰った後も気持ちの整理がつきません。庭野もどう対処していいのかわからず戸惑っていたところ、突如として万智が登場。田部に対し、“家売る”宣言をして去って行くのでした。

 その足で奈々の家を訪れた万智は、ブサイクに生まれてきた悔しさをバネに努力する田部のことを、奈々が心の底から尊敬していることを知ります。

 その一方で田部は、奈々に出会った時の喜びの気持ちを綴った日記を読み返し、このまま別れるべきか否かと葛藤するのでした。

 そんなある日、田部は万智に強引に連れられ、ある一軒家を紹介されます。外壁を蔦に覆われたボロ屋なのですが、内装はまるで新居のよう。外観とのギャップがミソだと話す万智は、奈々がノーメイク状態でウェディングドレスを着た姿が映るスクリーンを用意します。

 何事かと戸惑う田部の目の前に、メイクをした状態のウェディングドレス姿の奈々がスクリーンを突き破って登場。その“ギャップ萌え”によって田部は心を動かされ、復縁&家の購入を決めるのでした。

 一方、仕事帰りに留守堂の姿を見かけた屋代は、正体を明かしてやろうと尾行。すると留守堂は、取り壊し中の小学校へと入って行き、何やら怪しげな様子なのです。そして、ある教室へ入って行ったところ、そこには万智の姿が。実は留守堂の正体は、“ドジスケ”こと三瓶良雄で、小学校の時に憧れていた万智を射止めるために整形し、不動産業界に身を置いたというのです。そして、不倫の始まりの予感? がしたところで今回は終了となりました。

 初回登場時から一貫して、引いて開けるドアを押す間違いを繰り返していた留守堂。建築ミスを指摘する動作なのかと思っていましたが、なるほど、“ドジスケ”への伏線だったわけですね。ずっとモヤモヤしていたので、今回ようやく納得しました。

 とはいえ、小学校時代に憧れていた女性のことを30歳過ぎてまで追い続けるって凄いなぁと感心、というより恐怖心を抱いてしまいました。松田翔太のスタイリッシュな見た目で緩和されていますが、相当ヤバめのストーカー体質ですよね。

 そういう意味では、やはり見た目って大事なんですかね。目的はどうあれ、田部のようにコンプレックスをバネに努力を重ねる生き方も素晴らしいとは思いますけど。ただ、奈々役を演じていたのが知英ということもあり、何だか韓国映画やドラマを観ているような錯覚に陥りました。

 たしかに外見に対するコンプレックスは万国共通、普遍の悩みではあります。ただ、このドラマは、不動産売買を通じて現代日本が抱える問題をぶった斬る、というのが魅力になっていると思うんですよね。

 まあ今回は、小学生の頃に陰キャだった留守堂が、陽キャだった万智を想い続ける部分をより鮮明に描くため、あえて極端なコンプレックスを抱くカップルを登場させたのでしょうけど、一気にチープなドラマになってしまった印象です。

 ただ、留守堂の正体がわかったことで人間関係はより複雑になり、これまでは留守堂と足立聡(千葉雄大)とのボーイズラブ的な展開が注目されていましたが、次回からは万智とその夫・屋代の思惑も絡み合い、波乱を巻き起こすのではないかと期待しています。
(文=大羽鴨乃)