錦戸亮主演『トレース~科捜研の男~』、メインキャストたちが激白! 実は“BLドラマ”だった!?

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 2月18日、『トレース』(フジテレビ系)第7話が放映された。

 今回の事件のテーマは“替え玉事故”。

 都議会議員・伊集院和明(徳重聡)の妻・葉子(河井青葉)が徘徊老人をひき殺してしまう。

 虎丸(船越英一郎)ら捜査員は、伊集院が保身のために葉子に罪をかぶせたのではないかと疑う。一方、沢口ノンナ(新木優子)ら科捜研の女性職員に身の危険が降りかかる。ノンナは数日前、不良たちに絡まれた女性を救っており、彼らが腹いせをしているのではないかと思う。

 “交通事故”と“女性の救出”。無関係に見えた2つの事柄は繋がっていた。ノンナを危険な目に遭わせていたのは伊集院。助けた女性は伊集院の不倫相手であった。ノンナは女性を助ける際、自分と彼女の交通系ICカードを取り違えてしまい、伊集院は愛人のICカードを取り戻そうとしていた。

 女性のICカードの履歴を見てみると事故当日の現場近くのコインロッカーを使用した形跡があった。ICカードで照合してロッカーの鍵を開けると、中から違法薬物が見つかる。

 事故当日、飲酒運転をしていた伊集院は徘徊老人をひき、密会中の不倫相手に所持した麻薬を押し付ける。さらに警察が来る前に妻を呼び出し交通事故の罪を被せた。伊集院が妻と愛人に被せた全ての罪を、礼二(関ジャニ∞・錦戸亮)ら科捜研が暴くのであった。

 結末まで書き長くなったが、以上が第7話のあらすじだ。

 沢口ノンナが鍵を握っていた回ということで、今回のレビューでは彼女を演じる新木優子にスポットを当てたいと思う。まずは第7話の感想から綴る。

■さすがの月9、細部に宿る“ラブ”の腕

 今回は加害者を追及する勧善懲悪モノ。『踊る大捜査線』(1997年)や『HERO』(2001年)にも通じる“弱きを助け、悪を挫く”の精神。『古畑任三郎シリーズ』(94年~、ここまで全てフジテレビ系)みたく犯人確定とまではいかないものの、ほぼクロの人間を追い詰める構造。今までは遺体の鑑定を機に被害者たちの悲しみに寄り添う感動回が多かった本作が、フジの事件モノっぽく攻めたのが逆に新鮮だった。

 フジっぽさと言えば、今回は恋愛パートが際立っていた。(1話のレビューで“本作はラブ線が無さそう”とか書いてスイマセン……)

 ノンナの淡い恋心が議員のゲス不倫との対局になっていたし、ノンナと礼二の手の触れ合いが議員を追い詰める決定打になったりと、恋愛パートを出した意味があったように思う。

 特に良かった点がノンナと礼二の会話だ。妹が彼氏と行くのであろう旅行を「友達と行く」と言った事に対し、「彼氏のいない自分に気を遣わせた」とヘコむノンナと「良い妹さんだな」とほほ笑んで励ます礼二。奥ゆかしくいじらしい会話を見て、本作の脚本家・相沢友子氏が過去に手掛けた『恋ノチカラ』(02年・フジ)を思い出した。

 また、ノンナを演じる新木優子もファインプレーの連続だった。今回のノンナは、合コンに行った事を礼二にバラされて戸惑ったり、礼二が家に来ると聞いて慌てたりと、一歩間違えれば“イタイ女”に見えていた可能性がある。けれど新木優子が控えめなトーンで演じたため、

 嫌味な印象は受けなかった。グラビアでは色気やカッコいい雰囲気を醸し出せるのに、ドラマでは女っぽさを抑えられるのが凄い。

 演出家の指示もあるだろうが、彼女の持つクレバーな部分が演技に反映しているようにも思う。クレバーだと思った理由は、次章にて述べる。

■ドラマファンにはお薦めしたい“副音声放送”

 第7話では、副音声ボタンを押すと錦戸・船越・新木の対談を聞く事ができた。

 放送される映像に合わせ、「このシーンのロケの日、寒かった」「俺が出てた場面(編集で)カットされた」などの制作秘話が流れる。

 この時の新木優子のトークの立ち回りに彼女の頭の良さを感じた。

 男2人が盛り上がってるときは相槌だけに留める。脱線し過ぎた時には先輩の演技を褒めながらドラマの内容に話を戻す。小道具さんや美術さんが苦労して作った装飾品を見て無邪気に喜び、かといって媚びる感じも優等生ぶってる感じも出ない。ちなみに前章で述べた“勧善懲悪モノ”というまとめ方も彼女から出た言葉だったような気がする。

 トーク慣れした錦戸と船越のおかげで新木の魅力が出たと思う反面、新木が居るからこそ錦戸のチャーミングさと船越の熱量が際立ったと感じた。まさに『トレース』の礼二・虎丸・ノンナのような関係性。三者三様に役作りの一環と捉えて、現場でのコミュニケーションを大切にしてるのかもしれない。

 皆が和気藹々とした雰囲気を心がける中、まだ20代なんだよなーと良い意味で思えたのが、「オフの日は何してる?」の質問に対する新木優子の一言。

「オフの日ほどオフになれない。気を抜いた瞬間、風邪とか引きそうで怖い」

 リアルに勝るドラマはないと感じた。

■それでもノンナは片思い?『トレース』は男2人のラブストーリー!!

 対談の中で、船越英一郎が印象深いことを言っていた。

「『トレースは礼二と虎丸のラブストーリーです』と、(制作スタッフから)言われた」

 散々煽っておいて申し訳ないが、これは物語の構造のお話。

 最初はそっぽを向き合っていた礼二と虎丸が、回を重ねるごとに互いを認め合う……言われてみれば嫌い合っていた男女が互いを好きになる恋物語と同じ構図だ。

 第7話では、冒頭で虎丸がわざと礼二の嫌う「刑事の勘」というフレーズで彼にハッパをかける。ラストでは報われない議員の妻を心配する虎丸を、事件解決のおかげで妻の救われた部分もあると礼二が励ます。礼二と別れたあと嬉しそうにする虎丸がほんの少しだけかわいかった。

 ラブストーリーの構造がラストまでの肝となるのであれば、最終回間近には今までで最大級のぶつかり合いがあるのだろう。ベタだが、互いを想う故の衝突なら泣けるし、ヨリを戻した上で難事件に立ち向かう男2人はメチャメチャ恰好よく見えるだろう。

 とはいえ、『おっさんずラブ』(18年、テレ朝)のような事態に陥る急展開や、殉職した虎丸の遺体から礼二が“真実のカケラ”を見つけ出すようなシリーズ化を棄てた男気なども見てみたい。

 ラストへの期待や妄想が膨らむ終盤、2月25日放映予定の第8話も見逃せない。

(海女デウス)

『3年A組』化けの皮がはがれた田辺誠一と菅田将暉の演技バトル! 第7話は情報量多すぎ?

 2月10日放送の『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の第7話。とにかく、情報量の多い回だった。

■永野芽郁(さくら)は真実を知っている?

 黒幕と断定するつもりはないが、茅野さくら(永野芽郁)の動きがイチイチ怪しい。

 第6話のエンディングで柊一颯(菅田将暉)は、景山澪奈(上白石萌歌)のフェイク動画作成を半グレ集団・ベルムズに依頼したのは武智大和(田辺誠一)であると断言した。

 柊は2つの動画を生徒に公開した。1つは、命を落とした当日の澪奈が「フェイク動画の犯人に会いにいく」と告げているもの。もう1つは、防犯カメラの流出映像。死の当日に澪奈が怪しい男とどこかのビルへ入っていく映像だ。ザワつく教室内。ある生徒が「この男が澪奈を殺した可能性がある」と言い、同調する生徒が現れると、いきなりさくらは「そんなのありえない」と真っ先に否定に掛かった。結局、流れを止められず、クラス中が「この男は武智だ」という意見に染まってしまうのだが。

 美術室に戻る柊をさくらは追い掛けた。

「あの動画はなんなんですか!? あれって、どう考えても……」

 どう考えても、なんなのか?

 動画の男が本当に武智なのか、生徒たちは躍起になって解析する。でも、難しい。解析を担当する生徒が「そんな簡単にわかったら、とっくに誰かが暴いてるよ~」とこぼした後の、さくらの顔。ホッとしているような、どこか意味深な表情なのだ。

 そもそも、あの動画で2人が入ろうとしているビルはどこなのか? 第1話の回想シーンで澪奈とさくらが仲良さげに会話をしていたのは、とあるビルの屋上だった。まさかとは思うが、今回の流出映像とつながっている気がして仕方がない。

 そもそも「犯人に会いに行く」と事前に聞いておきながら、澪奈をノコノコと1人で向かわせる柊の対応も解せない。どう考えても危険である。そういえばあの映像、澪奈の後を男が付いていく形になっていた。「会いに行く」のに犯人を後ろに従わせているのも妙である。

 要するに、「澪奈と犯人の男(武智?)が2人で歩く動画」と断定できない要素が多すぎるのだ。そして、裏にある真実をさくらはきっと知っている。

■第7話で初めての教師への説教

 高校3年生にとって、「進路」ほど大事なものはない。すべてだと言ってもいい。

 瀬尾雄大(望月歩)と魚住華(富田望生)は武智のおかげで大学のスポーツ推薦が決まっていた。武智が問題を起こせば、自分たちの推薦はなくなる。そうはさせまいと、瀬尾は柊を襲撃した。彼らの襲撃は失敗に終わったが、柊は瀬尾の気持ちを理解した。

柊「お前のゴールはどこだ? スポーツ推薦で大学に入ることか? それとも、大学を卒業しても選手を続けることか?」

瀬尾「知らねえよ。……目の前のことにいっぱいいっぱいで、考えたこともねえよ」

「推薦まであと一歩だった。もうちょい力があれば……。でも、そのわずかな差が天才と凡人の差なんだろうな」と諦めていた矢先、降って湧いたように武智から持ち掛けられた推薦の話。「俺にはこれしかねえんだよ。やっとつかんだチャンスなんだ」と高3生がいっぱいいっぱいになってしまう気持ちは、正直わかる。

柊「お前たちはそれでいい。だが……教師はそうはいかない」

 このドラマは、「犯人探し→説教」という流れがフォーマットとしてある。今回は、まさかの教師に対する説教だった。

 毎年、一定数の生徒を豪翔大学に推薦入学させ、選手の活躍に応じ報酬を受け取っていた武智。1年目で結果を出せなかった生徒への処遇はむごい。強制退部と授業料免除撤回だ。 結果、武智の推薦で入学した生徒の9割は1年目に大学を退学していた。

 武智「俺はただ、見込みのありそうな奴においしい環境を与えてやっただけじゃないか。それの何が悪い! できなければ消される、そんなの当然だろ。生徒がどうなろうと自己責任だ、俺には関係ない! 結果が出ずに辞めた奴のことなんか知るか。商品価値のない奴に用はないんだよ」

柊「生徒は物じゃない! 俺たちが導いてやらなきゃならない、脆くて未完成な人間なんだよ! 3歩先しか見えてない彼らに長いレールを敷いてやる! 未来を信じ、 行く先を案じて、どの道を歩めばそれが彼らにとっての最善なのかを考える。寄り添って一緒に答えを探す! それが、教師の務めだろう」

 生徒はいっぱいいっぱいでいい。でも、教師はそうはいかない。最善のレールを敷いてあげるべき。毎回、柊は説教をしている。いつも当たり前のことばかり言っている。当たり前のことすらわからない者が多いからである。

■“映像の男”は本当に田辺誠一(武智)じゃないっぽい

 流出映像に武智の顔が映っていたと知らされ、武智はうろたえた。

武智「僕じゃない! そこに映ってるのは、僕じゃない!!」

 どうも、この男の反応がガチなのだ。「なぜバレた!?」ではなく「自分じゃないのに!」という取り乱し方に見える。本稿序盤で触れた通り、動画に映るあの男は武智じゃない可能性がある。武智は何か大事なことを言おうとしていた。言い終わらなかったが……。

柊「フェイク動画の件は認めるんですね?」

武智「ああ。でも、俺は彼女(澪奈)に会えなかった! 彼女は俺と会う前に……」

柊「(遮って)皆さ~ん、お聞きしましたか? ご覧の通り、武智先生が自分の罪を認めました」

 武智は何を言おうとしていたのか。武智と会う前、澪奈に何があった?

 とにかく、今回で謎は激増した。情報量の多い第7話だった。追い掛けるだけで大変である。

(文=寺西ジャジューカ)

坂口健太郎『イノセンス』実は社会派ドラマ!? 報道やネットのあり方に切り込み賞賛の嵐! 

(これまでのレビューはこちら

 坂口健太郎主演ドラマ『イノセンス〜冤罪弁護士』(日本テレビ系)の5話が2月16日に放送され、平均視聴率9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 前回から0.7ポイント増となった今回ですが、なかなか2桁に届かず。このままこの調子でいくのでしょうか?

 ではでは、今回もあらすじから振り返りましょう!

■部活中に起こった事件の真相は……

 高校のフェンシング部で起こった体罰事件で加害者となった顧問・高松洋介(豊原功補)の弁護を担当しすることとなった拓(坂口)と楓(川口春奈)。

 高松は部活練習中、生徒・藤里(清水尋也)を剣でついたところ、不整脈による心停止を起こし転倒。藤里は運よく一命はとりとめたものの、高松は業務上過失傷害の容疑で在宅起訴されてしまった。

 拓は事実関係を調べようと、藤里の自宅に赴くが母親から門前払い。さらに、裁判で証言するといった副部長・田代(柾木玲弥)は以前から藤里が高松から暴力を受けていた。当日もパワハラするところを見たと証言。一気に窮地に陥る。

 そんな中、拓は事件現場となった体育館の床下収納庫に焼け焦げた跡を見つけ、ある事実を見つける……といった内容でした。

■報道のあり方に一石を投じる!

 最近、一方的な報道の仕方が問題になっていますが、今回はそれに一石を投じる内容になっていました。

 加害者である高松は本当は生徒想いのいい顧問なんです。ですが、今回の事件が起こったせいで、根掘り葉掘り過去を書かれ、さらにパワハラ顧問と言われ、家族にも被害が発生。で、ネットでは集中攻撃。そういった部分を描き、さらに登場人物たちのセリフでも疑問を投げかけ、視聴者に問題提起していたんです。

 ちなみに、このネットや報道問題を『スキャンダル弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)でも使っていたのですが、こちらはそれを逆手に弁護するといった内容で、ちょっといただけないなと。まあ、娯楽的な内容のドラマなので仕方ないかと思うのですが、あまり茶化さないほうがよかったなと思っていただけに、とてもいい展開だなと。

 同ドラマは冤罪がメインですが、こういった裏部分が面白いだけに、今後も社会問題に切り込んでいってほしいです。

■自殺する理由に説得力に欠ける

 現代の報道やネットのあり方を描いたとことはすごくよかったですが、一方で、残念な部分も。

 まず、裁判で部員が証言するんですが、これが、成人と同じ扱いで、顔も実名も晒されてしまっている点。部員は未成年ですから、通常の裁判では顔を隠し、実名を伏せるなどの対応をするはず。ドラマの演出で晒すようにしたのかもしれませんが、リアル感を出すためにも実際の裁判のように描いで欲しかったです。

 それと、今回の真相は被害者の藤里が顧問の高松からの期待にプレッシャーを感じたことと部内いじめに耐えかねて、自殺を考え、高松に責任をかぶせてやろうと、収納庫に電気を発生させる装置をおきそこから高松の剣に電磁波を流し、自分の胸を突かせたというのが真相。ですが、ここで一つ疑問が残るのが、自殺したくなった理由に説得力がないんですよね。そんなに嫌なら断固として「俺はやめる!」と言い張ればいいだけで……。

 こういう風に高校生の犯行と描きたいなら、短絡的な思いつきでやってしまって、 取り返しのつかなくなってしまったとしないと、リアリティが無いんですよね〜。検証が優先し、そういう内容にしたのでしょうが、これは失敗かと思いました。 

■川口春奈にようやく存在感が

 先週やっと、相棒として活躍し始めた楓ですが、今回はやっと存在感が生まれ、あのうざったさが一切なくりました(涙)!

 というのも、楓が前の事務所を辞めた理由が「上司からのセクハラ」だったことが判明。そしてその上司が他にもセクハラ事件を起こし、マスコミに叩かれることになったことで、楓の苦悩がやっと描かれ始めたんですが、これでやっと、存在感が!

 この上司によるセクハラが今後、ドラマでどう描かれるのか。すごく楽しみですし、これに拓がどう関わってくるのか。そこの点も楽しみです。

 以上、5話のレビューでした。

 次回は友人を射殺したという事件。容疑者は素行が悪く限りなく黒であると言われているため、すでに苦労しそうなフラグが。また、拓が弁護士を目指すきっっかけが判明するということで、面白そう。放送を楽しみに待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

坂口健太郎『イノセンス』実は社会派ドラマ!? 報道やネットのあり方に切り込み賞賛の嵐! 

(これまでのレビューはこちら

 坂口健太郎主演ドラマ『イノセンス〜冤罪弁護士』(日本テレビ系)の5話が2月16日に放送され、平均視聴率9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 前回から0.7ポイント増となった今回ですが、なかなか2桁に届かず。このままこの調子でいくのでしょうか?

 ではでは、今回もあらすじから振り返りましょう!

■部活中に起こった事件の真相は……

 高校のフェンシング部で起こった体罰事件で加害者となった顧問・高松洋介(豊原功補)の弁護を担当しすることとなった拓(坂口)と楓(川口春奈)。

 高松は部活練習中、生徒・藤里(清水尋也)を剣でついたところ、不整脈による心停止を起こし転倒。藤里は運よく一命はとりとめたものの、高松は業務上過失傷害の容疑で在宅起訴されてしまった。

 拓は事実関係を調べようと、藤里の自宅に赴くが母親から門前払い。さらに、裁判で証言するといった副部長・田代(柾木玲弥)は以前から藤里が高松から暴力を受けていた。当日もパワハラするところを見たと証言。一気に窮地に陥る。

 そんな中、拓は事件現場となった体育館の床下収納庫に焼け焦げた跡を見つけ、ある事実を見つける……といった内容でした。

■報道のあり方に一石を投じる!

 最近、一方的な報道の仕方が問題になっていますが、今回はそれに一石を投じる内容になっていました。

 加害者である高松は本当は生徒想いのいい顧問なんです。ですが、今回の事件が起こったせいで、根掘り葉掘り過去を書かれ、さらにパワハラ顧問と言われ、家族にも被害が発生。で、ネットでは集中攻撃。そういった部分を描き、さらに登場人物たちのセリフでも疑問を投げかけ、視聴者に問題提起していたんです。

 ちなみに、このネットや報道問題を『スキャンダル弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)でも使っていたのですが、こちらはそれを逆手に弁護するといった内容で、ちょっといただけないなと。まあ、娯楽的な内容のドラマなので仕方ないかと思うのですが、あまり茶化さないほうがよかったなと思っていただけに、とてもいい展開だなと。

 同ドラマは冤罪がメインですが、こういった裏部分が面白いだけに、今後も社会問題に切り込んでいってほしいです。

■自殺する理由に説得力に欠ける

 現代の報道やネットのあり方を描いたとことはすごくよかったですが、一方で、残念な部分も。

 まず、裁判で部員が証言するんですが、これが、成人と同じ扱いで、顔も実名も晒されてしまっている点。部員は未成年ですから、通常の裁判では顔を隠し、実名を伏せるなどの対応をするはず。ドラマの演出で晒すようにしたのかもしれませんが、リアル感を出すためにも実際の裁判のように描いで欲しかったです。

 それと、今回の真相は被害者の藤里が顧問の高松からの期待にプレッシャーを感じたことと部内いじめに耐えかねて、自殺を考え、高松に責任をかぶせてやろうと、収納庫に電気を発生させる装置をおきそこから高松の剣に電磁波を流し、自分の胸を突かせたというのが真相。ですが、ここで一つ疑問が残るのが、自殺したくなった理由に説得力がないんですよね。そんなに嫌なら断固として「俺はやめる!」と言い張ればいいだけで……。

 こういう風に高校生の犯行と描きたいなら、短絡的な思いつきでやってしまって、 取り返しのつかなくなってしまったとしないと、リアリティが無いんですよね〜。検証が優先し、そういう内容にしたのでしょうが、これは失敗かと思いました。 

■川口春奈にようやく存在感が

 先週やっと、相棒として活躍し始めた楓ですが、今回はやっと存在感が生まれ、あのうざったさが一切なくりました(涙)!

 というのも、楓が前の事務所を辞めた理由が「上司からのセクハラ」だったことが判明。そしてその上司が他にもセクハラ事件を起こし、マスコミに叩かれることになったことで、楓の苦悩がやっと描かれ始めたんですが、これでやっと、存在感が!

 この上司によるセクハラが今後、ドラマでどう描かれるのか。すごく楽しみですし、これに拓がどう関わってくるのか。そこの点も楽しみです。

 以上、5話のレビューでした。

 次回は友人を射殺したという事件。容疑者は素行が悪く限りなく黒であると言われているため、すでに苦労しそうなフラグが。また、拓が弁護士を目指すきっっかけが判明するということで、面白そう。放送を楽しみに待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

高畑充希主演『メゾン・ド・ポリス』小日向文世が魅せる、まるで『コナン』な“茶番劇”

 早くも折り返しに突入した高畑充希主演『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)。15日放送の第6話の視聴率は9.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回より0.3ポイントアップしました。

 放送日前日がバレンタインデーということもあって、ひよりがメゾンのおじさんたちに義理チョコをあげるという微笑ましいシーンもあった今話。前回とはうってかわって楽しい雰囲気となった物語のあらすじから振り返っていきたいと思います!

(前回までのレビューはこちらから)

■“伝説の敏腕刑事・高平”爆誕

 突然メゾンを訪ねてきた高平さん(小日向文世)の娘・小梅(水谷果穂)。なんでも、彼氏が祖母を襲った犯人として疑われているため、無実を証明してほしいとか。事件の概要は、小梅ちゃんの彼氏である駿(水石亜飛夢)の1人暮らしの祖母・春江さん(吉田幸矢)が何者かに花瓶で頭部を殴られたというもの。駿は、そのときに盗まれたとみられる現金が入ったタンスから指紋が検出されたため、疑いをかけられていました。犯行時刻には小梅ちゃんとデートしていたので彼にはアリバイがあるのですが、警察からは彼女からの証言では信憑性に欠けると言われてしまったそうです。

 自分は元捜査一課のエースで、メゾンの住人である部下たちとチームを組んで難事件を解決していると小梅ちゃんに嘘をついていた高平さんは、元々所轄の警務畑にいたため現場経験はありません。そこで、メゾンのおじさんたちとひより(高畑)に頭を下げて捜査を依頼。伊達さん(近藤正臣)の提案で駿のほか、容疑者候補になっている春江の家族をメゾンに集め、「容疑者だらけの晩餐会」を開きます。

 晩餐会当日、いつものエプロンを脱いで、スーツの上にトレンチコートを羽織ってハットを被り、伝説の刑事“スッポンのタカアツ”になりきる高平さんは、耳につけたイヤモニから聞こえてくる別室で待機中の夏目さん(西島秀俊)と伊達さんの声を頼りに、みんなの前で推理を進めます。

 しかし、駿が犯人ではないところまでわかったところで、『サザエさん』で言うところの三河屋のサブちゃん的存在である草介(竜星涼)がメゾンに乱入。その拍子にイヤモニが壊れてしまうハプニングがありつつも、「この先は 新人に任せてくれるということですよね」と、ひよりが高平さんに替わって犯人探しを引き継ぎ、最初は乗り気じゃなかった迫田さん(角野卓造)と藤堂さん(野口五郎)の協力もあって、真犯人は、次男・寿三郎の嫁である藤子(長内映里香)だったことが判明。

 でも、一命を取りとめた春江さんは「空き巣に襲われた」と藤子さんをかばい、刑罰を望まなかったため、捜査は終了。高平刑事の活躍というより、チームメゾンドポリスのチームワークによって、事件は解決(?)したのでした。

 その後、駿が春江さんに度々お小遣いをせびっていたこと、タンスに指紋がついていたのは、金を盗もうとしたからだと知った小梅ちゃんは、駿と別れることを決意。本当は小梅ちゃんが高平さんの嘘に気づいていたことなんて思いもしない高平さんは、そんな小梅ちゃんから本命チョコをもらって大喜びする——という、なんとも平和なお話でした。

■それでいいのか……?

「今まで面倒見てきたんだから、花挿しのひとつくらいもらったっていいじゃない」と、1,000万円の花瓶をレプリカとすり替えていたところを春江さんに見つかり、衝動的に花瓶で殴ってしまった藤子さん。

 義理の兄姉たちに春江さんの世話を押し付けられ、春江さんには嫌味を言われていた彼女は、「ようやくこんな人たちと離れられる。お義母さんの世話もしなくていいし、スッキリした」と、潔くひよりに両手を差し出すくらい、精神的に参っているようでした。

 だからこそ、いくら被害者である春江さんが許したからとはいえ、そんな大岡裁きでいいのかなぁと疑問が残ります。

 入院中の春江さんそっちのけで遺産の配分で揉めていた義兄姉たちは、春江さんが許したとなれば、いきなり手のひら返し。兄姉たちと一緒になって藤子さんを責めていた夫の寿三郎も、同情の目を向けはじめるというクズっぷり。そんな家族が簡単にやり直せるとは思えないし、警察に捕まって罪を償った後、新しい人生をスタートさせたほうが、藤子さんにとっては幸せなんじゃないかなと、どうしても思ってしまします。ネット上でも「あの家族、きっとまた何かあればもめるな」「藤子さん、絶対離婚したほうが幸せになれるよ」などと心配の声が上がっていました。

 ドラマが始まって以来、初めて死人が出なかったものの、結末にはモヤモヤが残る事件でした。

 

■小日向文世の“母性”と“父性”

 とはいえ、今回はメゾンを舞台にしたワンシチュエーションコメディのような作りで、コミカルな描写が多く、事件の概要を説明するシーンで『名探偵コナン』でおなじみの全身黒タイツ男が出てきたり、“眠りの小五郎”的な通信機を使った推理など小ネタが効いていて、“茶番感”が見ていてとっても楽しいお話でした。

 そして何より、小日向文世さん演じる高平さん。小梅ちゃんに彼氏がいると知って「そんな人がいるなんてパパ聞いてないよ!」「あんな息子イヤ~」と慌てる姿はとってもチャーミングだったし、その彼氏・駿が「俺は何もしていない!」と、犯行を否定したとき、

「君が倒れているおばあちゃんを見つけていたら、もっと早く病院に連れて行けたかもしれないんだよ」
「何もしなかった君はね、もっと反省しなきゃダメだよ!」

 と、めずらしく大きな声で怒る姿からは、家族のことを大事にしていることが伝わってきました。また、「あの子、昔っから私の前で絶対泣かないの」と、駿と別れることを決意した小梅ちゃんに好物のクッキーを持っていくようひよりにお願いしたあたりも、父としての顔が垣間見え、「高平」というキャラクターの魅力が存分に引き出されていたように思います。メゾンの母、伝説の刑事、そして高平家の父として、3つの顔をコロコロ切り替えて演じわける小日向さんのお芝居もさすがでした。

 そんな高平さんを、

夏目さん「お疲れさまでした、高平さん!」
伊達さん「名裁きでした!」
藤堂さん「さすが、すっぽんのタカアツ!」
迫田さん「伝説の名刑事、復活!」

 とおだててあげたり、小梅ちゃんがひよりに「昔っから最高のパパ」と言っているのを聞いて、ニヤニヤしながらみんなで高平さんを冷やかしたり、そういうおじさんたちのワチャワチャしている姿も、とってもかわいくて癒やされました! 初めの頃から比べると、このあたりのシーン、アドリブも入っているじゃないかと思うくらいみなさん自然な表情をされています。“おじ専”のみなさんにとってはたまらないシーンだったんじゃないでしょうか。

 

■次回以降が怖い

 さて、そんな明るく楽しい雰囲気のお話だったため、この高平回は今後待ち構えている暗~い鬱展開の前座にすぎないのではないかと、疑ってしまいます。

 ラストでひよりの家を訪ねてきた捜査一課の間宮管理官(今井朋彦)は、

「シェアハウスには、敵が潜んでいるかもしれない」
「夏目は罪のない人間を殺している」

 と気になることを言っていました。そしてそんな2人の会話を盗聴している謎の人物。ネット上では、ひよりの家に行ったことがある草介を怪しむ声が多数上がっていますが、果たして……。

(文=どらまっ子TAROちゃん)

『刑事ゼロ』沢村一樹と瀧本美織の名コンビぶり&阿部進之介の存在感が際立つ

 沢村一樹が刑事生活20年分の記憶を失ってしまった役で主演を務めるドラマ『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)の第7話が21日に放送され、平均視聴率10.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.7ポイントダウンとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 記憶喪失に加え、几帳面からズボラへと性格まで変わってしまった京都府警捜査一課刑事の時矢暦彦(沢村)。以前の彼に憧れを抱いていた新人刑事の佐相智佳(瀧本美織)は幻滅し、ついつい小言を漏らしてしまったことで仲違い。今回は先輩の内海念也(横山だいすけ)とコンビを組むことになります。

 そんな中、バレンタインデーの午前0時に全国各地で7人の女性が同時に自殺を図り、立花みずきという女性以外全員が死亡する事件が発生。その現場にはいずれも、イギリスの詩人・ウィリアム・ブレイクの詩集『無垢の予兆』が置いてあったのですが、3年前に時矢が担当した事件と酷似しているのです。

 そして、3年前に時矢とともに捜査に当たった、警視庁捜査一課の山之辺裕作・刑事(阿部進之介)が姿を現し、再び共同戦線を組むことに。以前の事件では、自殺者たちが全員、失恋者専用のサイトにアクセスし、“セブン”と名乗るサイト管理人・川上昇(亀山貴也)が言葉巧みに自殺へと誘導したのですが、その川上は逮捕直前に服毒自殺し、パソコンのデータも消去されてしまったとのことです。

 今度の事件の犯人は誰なのか? 時矢と山之辺が刑事部屋で推理を巡らす傍ら、月影カレンというアニメ・キャラクターの声を担当するVTuber・田所健三(須藤公一)の失踪事件を追う智佳と内海は、突如としてカレンの生配信が始まったことに驚きます。

 さらに、その画面の背景に『無垢の予兆』からのフレーズや、「今は亡き7人に捧ぐ」というテロップが流れたことで時矢が反応。田所が真犯人なのでは? と疑うのですが、その配信は途中でホテルの室内の画像へと切り替わり、田所らしき男が何者かに襲われ血だらけになる姿が映し出されたところで途絶えてしまいます。

 画面に一瞬だけ見えた窓の外の景色によってホテルを特定した時矢は、現場へと急行し、サカキバラという男を逮捕。カレンの声を担当するのが中年男性ということが許せなかった、というのがサカキバラの犯行理由なのですが、田所がカレンの声優だとなぜわかったのか問い詰めたところ、認知心理学者・兵藤幸雄(石橋蓮司)が代表を務めるオンラインサロンでの繋がりがあったことが判明するのです。

 そこからさらに、同サロンに川上も在籍していたことが発覚。時矢と山之辺、智佳の3人が兵藤の元へ向かい問い詰めたところ、3年前の事件は7人の教え子たちがコーチング技術を試すべく“セブン”と名乗り、それぞれが共通する趣味をもつ女性をターゲットに自殺へと追い込んだことを白状します。

 しかし、それでは今回の事件の犯人は誰? となったところで突然、山之辺が兵藤に銃を突きつけます。実は3年前の事件で意識不明になった立花みずきは生き別れた妹で、今回の事件はセブンを炙り出すために彼が仕組んだものだったのです。

 そのことに薄々勘づいていた時矢は、冷静になるよう説得を試みるのですが、山之辺の決意は固く、邪魔をするなら撃つと銃口を向けられてしまいます。

 しかし、お互いに庇い合う時矢と智佳の姿に、昔の自身と妹の姿を重ねた山之辺は殺意を喪失。残り5人の犯人たちを逮捕するよう時矢に託したところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、妹を自殺未遂へと追い込んだ犯人たちを捜すため、刑事が同じ罪を犯すという展開は、リアリティーの観点(倫理的にも)においてどうなの? と違和感を覚えてしまいました。

 ただ、それを演じた阿部自体はリアルそのもの。血なまぐさい事件を見つめ続けてきたことで厭世観を抱き、くたびれた雰囲気はあるものの、妹の復讐という一点だけには静かに怒りの炎を燃やす中堅刑事役を圧倒的な存在感で演じていました。

 阿部が重厚な演技を見せたからこそ、時矢と智佳の子どもじみた意地の張り合いの面白さが引き立ち、緩急のバランスがこれまでで一番優れた回に思えました。

 時矢のことを「おっさん子ども」のようだとなじり、机の上を整理整頓しろと命じるなど、まるで母親面の智佳ですが、時矢と言い争いをしている時は自身も子どもそのもの。回を追うごとに名コンビになってきてますね。だからこそ、山之辺に殺意を失わせた、お互いにムキになり庇い合うシーンが印象的かつ説得力のあるものになっていました。

 ところで今回、サカキバラが田所を殺した理由として、カレンが中年のおっさんによる“バ美肉(バーチャル美少女受肉)”だったからと告白していましたが、VTube市場は昨年頃から急速に勢いを増しているだけに、いずれ同じような事件が現実に起こるのではないかとちょっとゾッとしました。

 それと兵藤が、「現代は悪意が可視化されやすくなった」と口癖のように語っていましたけど、それは反対なんじゃないかな、と感じました。ネットを隠れ蓑にした闇取引が横行しているため、事件が起きることで初めてさまざまな悪意が表出する複雑な時代になったのではないかなぁ、と思います。

 何はともあれ、次週8話目ということでクライマックスに近づきつつあります。時矢の記憶は蘇るのか否か、放送を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

富川アナの乱入、三谷ドラマとの類似……。波乱の後半戦スタート『ハケン占い師アタル』第6話

 悩める現代人にヒーリング効果があると評判の『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)。ベテラン脚本家・遊川和彦のポイズン度高めのオリジナルストーリーですが、若手演技派女優・杉咲花がさらりと主人公アタルを演じることで程よく中和されています。アタルのボスである大崎課長にスポットライトを当てた第6話を振り返ってみましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 物語も後半戦に入り、いつものお約束的な展開から少しずつ変化が現われ始めました。いつも冒頭に登場し、「悩んでいるのはあなただけじゃない」と微笑んでいた謎の女性・キズナ(若村麻由美)ですが、キズナが今回カウンセリングしていた相手は都内のイベント会社に勤める大崎課長(板谷由夏)でした。自殺を考えるほど追い詰められていたようです。いつになくシリアスムードな幕開けです。

 大崎課長の悩みは、代々木部長(及川光博)から命じられた「チームから出向社員を1人選んでほしい」というものでした。都内から通勤3時間を要する倉庫管理会社へと飛ばし、自主退職を促すという陰湿なリストラ計画だったのです。ミッチー演じる代々木部長のクソ上司ぶりに、ますます拍車が掛かっています。

 人のよい大崎課長は、リストラ候補を容易に選ぶことができません。それにも増して、派遣社員のアタル(杉咲花)が来て以来、職場の雰囲気がすっかり変わったのです。みんな、大崎課長に文句ばかり言っていたのに、今では誰もがやる気まんまんで働いています。「もう辞めます」が口癖だった品川(志尊淳)は「俺、もっと頑張ります」と明るい笑顔を見せています。顔を合わせれば言い争っていた上野(小澤征悦)と田端(野波麻帆)はいい感じですし、神田(志田未来)と目黒(間宮祥太朗)はラブラブモードです。

 リストラの件だけでも頭が痛いのに、ローンを支払い中のマンションに帰れば、中学生の息子は反抗期の真っ盛り。学校の人間関係で悩みを抱えているようですが、ひと言も話そうとはしません。夫は「こっちは仕事で疲れているんだ。母親の仕事だろ」と息子のケアを一方的に押し付けてきます。そのくせ、若い女の子との火遊びをこっそり楽しんでいるようです。会社ではクソ上司、家庭ではクソ夫に悩まされる大崎課長。職場のリーダー、主婦、母親の三役を兼任するのはハンパなく大変です。

 酒に酔った大崎課長は、荒井由実の1970年代の名曲「やさしさに包まれたなら」を口ずさみます。「小さい頃は神さまがいて、不思議に夢をかなえてくれた やさしい気持ちで目覚めた朝は 大人になっても奇蹟は起こるよ」と歌う大崎課長ですが、悩める40代の働く女性をやさしく包み込んでくれる神さまはどこにもいそうにはありませんでした。

 

■インチキ占いに洗脳されてしまう大崎課長

 クソ上司の代々木部長に出向者を早く決めるように迫られた大崎課長は、ついつい神田が妊娠していることを漏らしてしまいます。代々木部長は「妊娠しているなんて知らなかった」「倉庫管理はデスクワークだから、彼女にとってもいいはず」と一方的に神田を出向候補に決めてしまうのでした。

 神田に自分の口からそのことを伝えなくてはならない大崎課長は自責の念に囚われ、警報が鳴る線路の踏み切りでボーッとしてしまいます。そのとき声を掛けてきたのが、キズナが主宰する新興宗教まがいの団体にいる信者たちでした。キズナに引き合わされた大崎課長は「あなたは悪くない。悪いのは周囲や環境」「必要なのは、あなたを解放すること」と甘い言葉に洗脳されてしまいます。

 ここでアタルの出番です。会社を辞め、家庭も捨てて、大崎課長はキズナのところで世話になると言い出します。「目を覚まして!」とアタルは大崎課長の顔に思いっきりビンタをカマします。「誰にでも当てはまることを泣きながら言って、お金を巻き上げているんです」とキズナのインチキ占いぶりを暴露するアタルでした。そんな手口が嫌になって、アタルは母親であるキズナから逃げてきたのです。

 アタルの鑑定が始まりました。大崎課長の悩みは、いつまで経っても自分に自信が持てないということでした。学生の頃は学級委員に選ばれ、職場ではいち早く管理職に選ばれるなど、周囲から常に信頼されてきた大崎課長です。でも本人いわく「憧れていた先輩や仕事のできる上司の真似をしてきただけ。いつニセモノと呼ばれるかと、ずっと怖かった。もう疲れちゃった」と本音を吐露します。

■荒井由実の名曲を独自にアレンジ

 キズナに15万円も払うなど、すっかりカモにされまくった大崎課長。そんな彼女のマジメさを普段から見てきたアタルは、優しく力強く包み込みます。

「誰かの真似でもコツコツと努力していけば、それは本物なんだよ。もう、あんたのオリジナルだよ。本物のリーダーこそ、悩みに悩むもの。部下に丸投げするリーダーは、ニセモノだから」

 アタルの熱い言葉によってキズナの洗脳から目覚めた大崎課長は、反撃に転じます。クソ上司・代々木部長に神田を出向させることを撤回するように迫るのでした。神田の年収は300万円。チーム6人がそれぞれ毎月5万円分ずつ利益を上乗せすれば、神田の年収分はクリアできる。一致団結している今のこの6人なら可能ですと強気に宣言します。もちろん、大崎課長の後ろには神田たちが顔をそろえ、大きくうなずいてみせるのでした。「それでもダメと言うなら、社長に直訴します」と大崎課長にすごまれ、あたふたと退散するクソ上司でした。出向計画は社長命令ではなく、代々木部長が点数稼ぎのために思いついた独断だったのです。

 翌朝、気持ちよく目覚めた大崎課長は起きるやいなや、隣りのベッドで寝ているクソ夫をバチンとビンタし、学校に向かう息子にお弁当を渡しながら「大いに悩みなさい、ママはいつも側にいるから」と勇気づけて送り出します。「やさしさに包まれたなら」の歌詞内容を大崎課長は自分なりにアレンジして、実行に移したのでした。神さまが現われるのをじっと待つのではなく、自分から行動していくことを決意したのです。

 

■富川アナがサプライズ出演!?

 第6話はネット上でかなりの荒れ模様でした。クライマックスに差し掛かるところで、いきなり『報道ステーション』(テレビ朝日系)の富川悠太アナウンサーが現われ、北海道南部で震度6弱の地震が起きたことを伝えたのです。災害に関する速報は仕方ありませんが、数分後に再開されたドラマは、富川アナが出演していた分だけ、先に進んでいたのです。テレ朝の見逃し配信で確認したところ、大崎課長が自殺願望に囚われ、キズナの鑑定を受けるシーンが飛んでしまっていました。テレビ朝日のお粗末な対応に、リアルタイムでドラマを楽しんでいた視聴者は大ブーイング。「ドラマはカットせずに、報道ステーションを遅らせてスタートさせろ」と怒りのコメントがネット上に溢れ出しました。

 昨秋、好感度の高かった小川彩佳アナが番組降板して以降、『報道ステーション』の人気低迷の責任を負わされている富川アナ。今回もテレ朝のお祖末対応の矢面に立たされた格好です。地震速報は本人の責任ではありませんが、アンラッキーなときはアンラッキーなことが続くものです。富川アナにしてみれば、「どうすれば僕と報道ステーションはまた人気が復活するんでしょうか」とアタルに占ってもらいたいところでしょう。

 今回、妊娠している神田が出向させられないよう、大崎課長らは一致団結して素晴しいチームワークを発揮しました。このエピソード、なんかデジャヴ感があるなぁと思ったら、三谷幸喜の人気ドラマ『王様のレストラン』(95年放送/フジテレビ系)の第3話によく似ていました。スタッフがそれぞれ経費を抑えることで、リストラ計画を回避し、チーム力が逆にアップするという名エピソードでした。ベテラン脚本家の遊川和彦にしてみれば、「真似でもいい。コツコツと続けていれば、それはもう本物なんだ」ということでしょう、きっと。

 アタルの居場所をついにキズナが探し当てた第6話の視聴率は、9.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でした。初回から第5話の10.3%まで5週連続で2ケタをキープしてきましたが、ついに連続記録が途切れてしまいました。地震速報の後、ドラマ内容をカットしたまま適当に放送したテレビ朝日の対応のまずさが、そのまま視聴率減に反映されてしまいました。お詫びに富川アナがドラマにゲスト出演し、アタルに徹底的にダメ出しされまくれば、視聴者もすっきりするのではないでしょうか。富川アナとテレビ朝日、考えてみてください。
(文=長野辰次)

『家売るオンナの逆襲』ぶりっこワーキングマザーにゲス不倫を企むスーパーの店長……鬱陶しいキャラ祭りに?

 北川景子が不動産業界を舞台にスーパー営業ウーマンを演じるドラマ『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)の第7話が20日に放送され、平均視聴率11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.2ポイントダウンとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 今回、輝く女性社員の活躍をPRするために会社が立ち上げた『ウーマンプロジェクト』のメンバーに選ばれた三軒家万智(北川)は、企画開発課でキャリアを築く朝倉雅美(佐藤江梨子)、子ども2人を育てながら働く宇佐美サキ(佐津川愛美)と打ち合わせを行うことになります。

 ところが、時短勤務のサキは会議の途中で帰宅。結婚しているものの子どもをつくらずキャリアアップを優先する雅美には、仕事をないがしろにするような態度が許せません。2度目の会議でもサキは途中で席を外したため、雅美との溝は深まるばかりとなってしまいます。

 そんな中、万智が雅美に新居として紹介した物件が、フリーランスの不動産屋・留守堂謙治(松田翔太)からサキが仲介された物件とダブっていることが発覚。2人ともその物件が気に入り、仕事上でのイザコザもあいまって、お互いに譲ろうとしません。

 というわけでいろいろと話し合った結果、万智と留守堂のボーリング対決によって、購入権を争うことになるのですが、万智はボーリングがド下手。かつての部下・白洲美加(イモトアヤコ)にコーチを頼み、「ウンチ(運動音痴)野郎」などと罵られながらも猛特訓を重ねます。

 そして迎えた決戦。万智は僅差で勝利し、雅美が新居を手に入れます。敗れてしまったサキは、仕事と子育てが両立できる物件をまたイチから探さなければならなくなってしまうのです。

 しかし万智は、サキへのフォローも忘れません。サキの旦那の会社に新しく託児所ができることを調べ、その会社に近い物件をサキに紹介。子育ては女性だけでなく男性も負担すべきだと提案することで、家を売ることに成功するのでした。

 一方、仕事に邁進する万智に構ってもらえず寂しさを抱えていた夫・屋代大(仲村トオル)は、美加がパート勤めするスーパーマーケットの店長・三郷楓(真飛聖)への浮気心を抱き始めます。その異変を万智が察知し、夫婦間に不穏な空気が流れたところで今回は終了となりました。

 今回、雅美とサキの衝突を他人事ではないと感じた視聴者は少なくなかったかもしれません。ワーキングマザーが途中で仕事を切り上げて帰ってしまい、その分のフォローをしなければならなくなった場合、他の社員の不満は募り、ギスギスした空気が流れたりもするでしょう。

 ただ、サキの方を一方的に悪く描いていた気がしてならないんですよね。長引きそうだと予想できる会議を業務が終了する30分前にスケジューリング。雅美の提案にケチをつけ、反対するなら自分の案を出すよう言われたところで逃げるように帰ってしまう。おまけにオーバーなほどのぶりっこキャラでした。

 その一方、雅美に関しては特に悪い部分は描かれず。『キャリアウーマンVSワーキングマザー』がテーマのハズなのに、視聴者が雅美の肩をもつよう自然に促すかのようなアンフェア感が漂っていました。

 また、万智が最後にサキに物件を紹介した際、「女性だけが家庭と仕事の両立をしなければいけないのはおかしい」と語ったセリフについては、なるほど、その通りだと思ったのですが、そもそもサキが家庭の仕事を背負いすぎなのではないでしょうか。

 序盤、子ども2人を引き連れてマンションの内覧をしていたため、てっきりシングルマザーなのかと思いました。最後にとってつけたように旦那が登場しましたけど、家庭のことに無頓着なのか発言権がないのかイマイチ立ち位置がわかりません。オープニングシーンのナレーションにおいて、男性の遺伝子に含まれるY染色体が衰えつつあるとの情報が流れましたが、あるいは家父長制の逆転現象が裏テーマだったのですかね。

 万智と屋代の関係においては、主導権を握っているのは完全に妻の方ですが、そこへ割って入ろうとする楓の中途半端に嫌なオンナ感はなんなのでしょうか。前回、スーパーの店内で美加が積み上げたサバ缶の山が崩れ、屋代に助けてもらったことが縁となり急接近。今回、美加に連れられ、屋代の馴染みのバーへやって来た時には、美加から不倫を唆されて否定したのですが、「じゃあ、なんでノコノコついて来たんだ?」と、観ていてイラっとしてしまいました。

 しかもその後、屋代を自分から食事へ誘い、ゲス不倫を画策する腹黒さを露呈するのですが、キャラクターの背景がちっとも見えてきません。40歳(ぐらい?)でスーパーの店長。独身? バツイチ? 万智と屋代の仲を掻き乱すためだけに用意されたコマといった感じで血が通っていないため、魔性のオンナにもなりきれずといった感じなのです。

 美加に関しては、役というよりもイモトアヤコそのまま。ひとりだけコントを披露といった感じで姿を見せるたびにウンザリするのですが、これにプラスして今回のサキのようなぶりっこが登場すると、鬱陶しいキャラのお祭り状態となり、観ていてかなりストレスが溜まります。

 しかも、次週のゲストは泉谷しげる……。視聴者が辟易するような役柄&ストーリー展開にならないことを祈りたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『家売るオンナの逆襲』ぶりっこワーキングマザーにゲス不倫を企むスーパーの店長……鬱陶しいキャラ祭りに?

 北川景子が不動産業界を舞台にスーパー営業ウーマンを演じるドラマ『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)の第7話が20日に放送され、平均視聴率11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.2ポイントダウンとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 今回、輝く女性社員の活躍をPRするために会社が立ち上げた『ウーマンプロジェクト』のメンバーに選ばれた三軒家万智(北川)は、企画開発課でキャリアを築く朝倉雅美(佐藤江梨子)、子ども2人を育てながら働く宇佐美サキ(佐津川愛美)と打ち合わせを行うことになります。

 ところが、時短勤務のサキは会議の途中で帰宅。結婚しているものの子どもをつくらずキャリアアップを優先する雅美には、仕事をないがしろにするような態度が許せません。2度目の会議でもサキは途中で席を外したため、雅美との溝は深まるばかりとなってしまいます。

 そんな中、万智が雅美に新居として紹介した物件が、フリーランスの不動産屋・留守堂謙治(松田翔太)からサキが仲介された物件とダブっていることが発覚。2人ともその物件が気に入り、仕事上でのイザコザもあいまって、お互いに譲ろうとしません。

 というわけでいろいろと話し合った結果、万智と留守堂のボーリング対決によって、購入権を争うことになるのですが、万智はボーリングがド下手。かつての部下・白洲美加(イモトアヤコ)にコーチを頼み、「ウンチ(運動音痴)野郎」などと罵られながらも猛特訓を重ねます。

 そして迎えた決戦。万智は僅差で勝利し、雅美が新居を手に入れます。敗れてしまったサキは、仕事と子育てが両立できる物件をまたイチから探さなければならなくなってしまうのです。

 しかし万智は、サキへのフォローも忘れません。サキの旦那の会社に新しく託児所ができることを調べ、その会社に近い物件をサキに紹介。子育ては女性だけでなく男性も負担すべきだと提案することで、家を売ることに成功するのでした。

 一方、仕事に邁進する万智に構ってもらえず寂しさを抱えていた夫・屋代大(仲村トオル)は、美加がパート勤めするスーパーマーケットの店長・三郷楓(真飛聖)への浮気心を抱き始めます。その異変を万智が察知し、夫婦間に不穏な空気が流れたところで今回は終了となりました。

 今回、雅美とサキの衝突を他人事ではないと感じた視聴者は少なくなかったかもしれません。ワーキングマザーが途中で仕事を切り上げて帰ってしまい、その分のフォローをしなければならなくなった場合、他の社員の不満は募り、ギスギスした空気が流れたりもするでしょう。

 ただ、サキの方を一方的に悪く描いていた気がしてならないんですよね。長引きそうだと予想できる会議を業務が終了する30分前にスケジューリング。雅美の提案にケチをつけ、反対するなら自分の案を出すよう言われたところで逃げるように帰ってしまう。おまけにオーバーなほどのぶりっこキャラでした。

 その一方、雅美に関しては特に悪い部分は描かれず。『キャリアウーマンVSワーキングマザー』がテーマのハズなのに、視聴者が雅美の肩をもつよう自然に促すかのようなアンフェア感が漂っていました。

 また、万智が最後にサキに物件を紹介した際、「女性だけが家庭と仕事の両立をしなければいけないのはおかしい」と語ったセリフについては、なるほど、その通りだと思ったのですが、そもそもサキが家庭の仕事を背負いすぎなのではないでしょうか。

 序盤、子ども2人を引き連れてマンションの内覧をしていたため、てっきりシングルマザーなのかと思いました。最後にとってつけたように旦那が登場しましたけど、家庭のことに無頓着なのか発言権がないのかイマイチ立ち位置がわかりません。オープニングシーンのナレーションにおいて、男性の遺伝子に含まれるY染色体が衰えつつあるとの情報が流れましたが、あるいは家父長制の逆転現象が裏テーマだったのですかね。

 万智と屋代の関係においては、主導権を握っているのは完全に妻の方ですが、そこへ割って入ろうとする楓の中途半端に嫌なオンナ感はなんなのでしょうか。前回、スーパーの店内で美加が積み上げたサバ缶の山が崩れ、屋代に助けてもらったことが縁となり急接近。今回、美加に連れられ、屋代の馴染みのバーへやって来た時には、美加から不倫を唆されて否定したのですが、「じゃあ、なんでノコノコついて来たんだ?」と、観ていてイラっとしてしまいました。

 しかもその後、屋代を自分から食事へ誘い、ゲス不倫を画策する腹黒さを露呈するのですが、キャラクターの背景がちっとも見えてきません。40歳(ぐらい?)でスーパーの店長。独身? バツイチ? 万智と屋代の仲を掻き乱すためだけに用意されたコマといった感じで血が通っていないため、魔性のオンナにもなりきれずといった感じなのです。

 美加に関しては、役というよりもイモトアヤコそのまま。ひとりだけコントを披露といった感じで姿を見せるたびにウンザリするのですが、これにプラスして今回のサキのようなぶりっこが登場すると、鬱陶しいキャラのお祭り状態となり、観ていてかなりストレスが溜まります。

 しかも、次週のゲストは泉谷しげる……。視聴者が辟易するような役柄&ストーリー展開にならないことを祈りたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

竹内結子『QUEEN』から感じる「若い男にホレるババアは惨めだ」という強烈なメッセージ

 さて、当代きっての不愉快ドラマ『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)も第6話。視聴率は6.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、低調が続いています。

 前回の第5話から、ようやくやりたいことが見えてきた感のある同作ですが、うーん、やっぱりおもしろくないです。いや、今回も大筋の大筋ではすごくいい話。悲しいし、希望もある。多少の粗があっても細かいところに目をつぶれば楽しめると思うんだけど、その粗がでかいのよ……。振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■今回の時事ネタはパワハラでした

 ご老人の女流売れっ子作家が女性秘書3人に灰皿を投げつけるなど、パワハラ行動をしている場面からスタート。作家はどうやら、若く美しい男の秘書にメロメロなようです。

 何話か前にも国生さゆりが若く美しい男に骨抜きにされるシーンがありましたが、このドラマは「年老いた女が若い男にホレる」というシチュエーションを、とことん惨めな行動として描きます。制作側の上の方の女の人に、よっぽど何かあるんだろうけど、その歪んだ価値観がダダ漏れなんです。「若い男にホレるババアは惨めだ」というメッセージは、おそらく「私はババアだが若い男には翻弄されない」という決意表明なんだろうけど、そんなのは見る側には関係ないですからね。見苦しいだけです。

 ついでにアラサー女性がハワイに一人旅することも軽くバカにしておいて、さあ第6話も不快に始まりました。要するに「軽妙」をはき違えてるんです。このドラマ、「キャラクター監修」という見慣れない役職でバカリズムがクレジットされてるんですが、世の女性たちから大いに不評を買った彼の女装ネタ「女子と女子」を、達者な女優さんたちが地で演じてしまっている感じ。あのネタはバカリズムの美しくない顔芸も込みで面白いわけで、美しい竹内結子や斉藤由貴がやったら、どうにも受け入れ難い設定なんです。そのへんも、制作側の上の方の女の人が醸し出す雰囲気が見えるのよね。「私はバカリズムのウイットを理解できる女だわよ」みたいな主張を感じる。実に見苦しい。

 だいたいからして、全編から敵対心というか「成敗してやろう」みたいなマウント意識が竹内ら弁護士チームの行動原理になっているし、クライアントに世間の同情が集まることをもって「任務成功」とされても、知らんがなという話なんです。問題解決の手段のひとつとしてメディアを使った世論操作があってもいいと思うけど、それが目的になっちゃうと共感できないんです。「そんなくだらないことでカネもらってんの?」となってしまう。

 ほかにもあります。今回も明確にパワハラが行われるシーンがあったにもかかわらず、「被害者側に非がある」という理不尽な描写がありました。灰皿を投げつけられた3人の女性秘書は、長きにわたって作家に尽くしてきたはずなのに、いつの間にか「遺産狙いの薄汚い狸ババア」扱いされてドラマから叩き出されてしまう。代わりに、「遺産狙いのホスト上がりのクソ野郎」として扱ってきた若い男を「才能ある若手流行作家」に仕立て上げる。若い男の才能や未来といった美しさを描こうとしても、その内実を作るのが面倒だから、周囲の人物を必要以上に汚していく。そして、汚されていくのは、いつも女性ばかり。

 老若にかかわらず、竹内結子と水川あさみに成敗されるのは、いつも女性なんです。画面から「美人が気に食わない」「自立した女が気に食わない」「すぐ泣く女はもっと気に食わない」というメッセージがビンビンに伝わってくる。4話まででちょっとやりすぎたと思ったのか、5話からは女性を救うようなポーズを取ってみたけど、結局5話の遠野なぎこからは仕事を取り上げ、再起不能の状態に陥れることで大団円のような顔をしていたし、今回の6話では真野響子を、がんで殺してしまいました。どうしても女性に救済や平穏を与えたくないというドラマの強い意思を感じます。さらに気味が悪いのは、それでも表面上は「女性を救った」という顔をしていることです。

■時事ネタならまだしも

 前回まで、時事ネタを雑に扱っているのが嫌だという話もしていましたが、今回は時事ネタ要素薄めで、人の才能や故人の遺志、あるいは誇りや信頼といった普遍的なテーマが語られました。人の才能や故人の遺志、あるいは誇りや信頼といった普遍的なテーマが、これまで同様に雑に扱われたのです。これはもう時事ネタとは比較にならないくらい不快でした。

 今夜放送の第7話は「マタハラ」だって。もう見るのが怖いよ。
(文=どらまっ子AKIちゃん)