『インハンド』最終話 山下智久の新たな代表作に? ツッコミどころ満載も続編を期待

 山下智久が寄生虫専門のドSな医学者を演じるドラマ『インハンド』(TBS系)も今回でラスト。21日に放送された最終話は平均視聴率10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、初回以来の2ケタ達成で有終の美を飾りました。

(前回までのレビューはこちらから)

 前回、新型のエボラウイルスが蔓延し、封鎖されてしまった栃木県・相羽村に残ることになった紐倉哲(山下)。そのウイルスを研究していた元上司の福山和成(時任三郎)は肺ガンで倒れ、ウイルスを撒き散らしたとされる福山の息子・新太(磯村勇斗)は姿を消してしまいます。

 そうこうしている間にも村人たちは次々と倒れ、遂には高家春馬(濱田岳)の幼馴染み・棚橋弘樹(平岡祐太)までもが、婚約者の杉山美園(石橋杏奈)とお腹の中の子どもを残し、死んでしまいます。

 この悲惨な状況を見た紐倉は、患者から弱毒化したウイルスを採取して生ワクチンを開発することを決意。しかし、それはあまりにも困難を極め、天才を豪語する紐倉も珍しく弱気になってしまいます。

 そんな中、山奥で密かにワクチンの開発をしていた新太を発見。自身がアメリカから連れてきた研究仲間が、相羽村を実験場にしてウイルスを撒き散らしたと知った高家は激怒し、“人類の未来のため”と強調して理解を求める新太に対し、紐倉も怒りをあらわにするのでした。

 その後、月日が経ち、美園が出産期を迎えるも、村の中に産婦人科の医師はいません。そこで急遽、内閣官房サイエンス・メディカル対策室の牧野巴(菜々緒)が呼んだ産婦人科の医師にテレビ電話でアドバイスを仰ぎながら、高家が執刀することになります。

 逆子で難産だったものの、何とかオペを切り抜けた高家ですが、その後、ウイルスに感染して倒れてしまいます。5日以内に100%死ぬという状況の中、ワクチンを開発して助けることもできず、紐倉は自分の無力さを嘆きます。

 ところが、高家は5日を過ぎても死なず。実は実家の畑から採れた野菜にはさまざまな寄生虫が含まれ、そのどれかがエボラウイルスに対して強い抗体となっていたのです。そして、高家のカラダから弱毒化したウイルスを取り出し、生ワクチンを開発したことで相羽村の人々は救われ、封鎖も解かれるのでした。

 その後、高家は紐倉の元を離れてアジアの国で医師活動を始めるも、そこへ紐倉が現れて助手としてこき使われることに。また、牧野は念願だった外務省へ返り咲き、海外での任務を開始、というところで終了となりました。

 前回に続いて封鎖された相羽村が舞台となったのですが、BSL4(バイオセーフティーレベル4)の危険な細菌が蔓延している割には、紐倉が防護服を着用せずに山奥へ足を運んだり、高家が呑気に花に水をあげたり、患者の収容所が簡易なテントだったりと、細部に意識が行きわたっていないために、極限状態の危機感が損なわれてしまう演出が残念でした。

 それに加えて、新太の研究仲間がウイルスを撒き散らした動機もいまいち理解できず。なぜ村を実験場にする必要があったのか? 最終回を盛り上げるべく、強引にパンデミックな展開にした感が否めませんでした。

 また、内閣官房サイエンス・メディカル対策室の中に厚生労働省へ情報を流している裏切り者がいる、と前々回から煽っていた割には、御子柴隼人(オリエンタルラジオ・藤森慎吾)が「僕です」とあっさり自首。厚生労働省のお偉いさんとの会話を録音していたことを明かし、マスコミに流すという展開は安易かつ肩透かしをくらった印象です。

 最終話はツッコミどころ満載といった感じでしたが、全話を通じて評価するならば、メインキャスト3人のキャラクター、相互の関係性、ストーリーのテンポなど、どれをとっても満足のいくレベルだったと思います。

 特に紐倉に関しては、変わり者の天才、という手垢が付きまくった設定かつ山下のボソボソとした喋り方を見て、第1話の段階ではあまり期待感は抱けなかったのですが、高家との出会いや元助手・入谷廻(松下優也)を巡る過去のトラウマを断ち切ったことで成長。相変わらず喋る時のトーンは低いものの、徐々に人間味が増してきた印象です。

 その例として今回、人類の未来を守るためにある程度の犠牲は仕方がない、と主張する新太に同意を求められた際、否定した点が挙げられます。ドラマの序盤で同じことを訊かれていたら恐らく、紐倉は迷うことなく同調していたことでしょう。

 また、高家の実家の畑にエボラウイルスに抵抗する寄生虫が存在することに気づいたのも、それ以前に高家に連れられて畑仕事に繰り出していたからこそ。研究室から出て、人間的な交流を得たことで紐倉は真の天才へと変化したのではないでしょうか。

 視聴率的には物足りなかったですが、山下の新たな代表作になるポテンシャルは十分に秘めているドラマだと感じましたし、その成長をもっと見たい。シリーズ化をぜひ期待したいところです。

(文=大羽鴨乃)

『インハンド』最終話 山下智久の新たな代表作に? ツッコミどころ満載も続編を期待

 山下智久が寄生虫専門のドSな医学者を演じるドラマ『インハンド』(TBS系)も今回でラスト。21日に放送された最終話は平均視聴率10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、初回以来の2ケタ達成で有終の美を飾りました。

(前回までのレビューはこちらから)

 前回、新型のエボラウイルスが蔓延し、封鎖されてしまった栃木県・相羽村に残ることになった紐倉哲(山下)。そのウイルスを研究していた元上司の福山和成(時任三郎)は肺ガンで倒れ、ウイルスを撒き散らしたとされる福山の息子・新太(磯村勇斗)は姿を消してしまいます。

 そうこうしている間にも村人たちは次々と倒れ、遂には高家春馬(濱田岳)の幼馴染み・棚橋弘樹(平岡祐太)までもが、婚約者の杉山美園(石橋杏奈)とお腹の中の子どもを残し、死んでしまいます。

 この悲惨な状況を見た紐倉は、患者から弱毒化したウイルスを採取して生ワクチンを開発することを決意。しかし、それはあまりにも困難を極め、天才を豪語する紐倉も珍しく弱気になってしまいます。

 そんな中、山奥で密かにワクチンの開発をしていた新太を発見。自身がアメリカから連れてきた研究仲間が、相羽村を実験場にしてウイルスを撒き散らしたと知った高家は激怒し、“人類の未来のため”と強調して理解を求める新太に対し、紐倉も怒りをあらわにするのでした。

 その後、月日が経ち、美園が出産期を迎えるも、村の中に産婦人科の医師はいません。そこで急遽、内閣官房サイエンス・メディカル対策室の牧野巴(菜々緒)が呼んだ産婦人科の医師にテレビ電話でアドバイスを仰ぎながら、高家が執刀することになります。

 逆子で難産だったものの、何とかオペを切り抜けた高家ですが、その後、ウイルスに感染して倒れてしまいます。5日以内に100%死ぬという状況の中、ワクチンを開発して助けることもできず、紐倉は自分の無力さを嘆きます。

 ところが、高家は5日を過ぎても死なず。実は実家の畑から採れた野菜にはさまざまな寄生虫が含まれ、そのどれかがエボラウイルスに対して強い抗体となっていたのです。そして、高家のカラダから弱毒化したウイルスを取り出し、生ワクチンを開発したことで相羽村の人々は救われ、封鎖も解かれるのでした。

 その後、高家は紐倉の元を離れてアジアの国で医師活動を始めるも、そこへ紐倉が現れて助手としてこき使われることに。また、牧野は念願だった外務省へ返り咲き、海外での任務を開始、というところで終了となりました。

 前回に続いて封鎖された相羽村が舞台となったのですが、BSL4(バイオセーフティーレベル4)の危険な細菌が蔓延している割には、紐倉が防護服を着用せずに山奥へ足を運んだり、高家が呑気に花に水をあげたり、患者の収容所が簡易なテントだったりと、細部に意識が行きわたっていないために、極限状態の危機感が損なわれてしまう演出が残念でした。

 それに加えて、新太の研究仲間がウイルスを撒き散らした動機もいまいち理解できず。なぜ村を実験場にする必要があったのか? 最終回を盛り上げるべく、強引にパンデミックな展開にした感が否めませんでした。

 また、内閣官房サイエンス・メディカル対策室の中に厚生労働省へ情報を流している裏切り者がいる、と前々回から煽っていた割には、御子柴隼人(オリエンタルラジオ・藤森慎吾)が「僕です」とあっさり自首。厚生労働省のお偉いさんとの会話を録音していたことを明かし、マスコミに流すという展開は安易かつ肩透かしをくらった印象です。

 最終話はツッコミどころ満載といった感じでしたが、全話を通じて評価するならば、メインキャスト3人のキャラクター、相互の関係性、ストーリーのテンポなど、どれをとっても満足のいくレベルだったと思います。

 特に紐倉に関しては、変わり者の天才、という手垢が付きまくった設定かつ山下のボソボソとした喋り方を見て、第1話の段階ではあまり期待感は抱けなかったのですが、高家との出会いや元助手・入谷廻(松下優也)を巡る過去のトラウマを断ち切ったことで成長。相変わらず喋る時のトーンは低いものの、徐々に人間味が増してきた印象です。

 その例として今回、人類の未来を守るためにある程度の犠牲は仕方がない、と主張する新太に同意を求められた際、否定した点が挙げられます。ドラマの序盤で同じことを訊かれていたら恐らく、紐倉は迷うことなく同調していたことでしょう。

 また、高家の実家の畑にエボラウイルスに抵抗する寄生虫が存在することに気づいたのも、それ以前に高家に連れられて畑仕事に繰り出していたからこそ。研究室から出て、人間的な交流を得たことで紐倉は真の天才へと変化したのではないでしょうか。

 視聴率的には物足りなかったですが、山下の新たな代表作になるポテンシャルは十分に秘めているドラマだと感じましたし、その成長をもっと見たい。シリーズ化をぜひ期待したいところです。

(文=大羽鴨乃)

投げかけられた問いに、私たちはどんな答えが出せるだろう――ドラマ『パーフェクトワールド』最終話

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 オー・ヘンリーの小説に『賢者の贈り物』という短編作品がある。

 ある若い夫婦が、クリスマスに相手へのプレゼントを渡そうと考える。妻は、夫が大切にしている懐中時計につける鎖を買う。ただし、そのお金を捻出するために、自分の髪を切って売ってしまう。一方、夫は、妻がその美しい髪をとかすための、櫛を買う。そのお金を捻出するため、懐中時計を売ってしまうというものだ。

 皮肉な結末にハッとさせられる部分もあるが、それでも、読んでいてお互いの愛情を感じ、温かい気持ちになる名作だ。

 ドラマ『パーフェクトワールド』(フジテレビ系)を見ていて、しばしばこの作品を思い出した。愛する人のために、自分の持っているものを差し出して、違う何かを手に入れる。足りないものと溢れ出るもの。それが何かを考えさせられるのだ。

 3カ月続いた、樹(松坂桃李)とつぐみ(山本美月)の物語もいよいよ最終回。一体どんな結末を見せてくれるのだろうか。

 

父の気持ちが変化していく

 樹と会うことを拒み続けていたつぐみの父・元久(松重豊)だったが、ようやく樹と二人きりで会うことを受け入れ、公園で話をする。つぐみと生活していく上での困難は承知の上、少しでもできることをしてあげたいと話す樹と、それでも結婚は認められないという元久。二人の話は平行線のままだ。

 その時、元久が心臓の発作を起こし、倒れてしまう。不自由な体ながら、救急車を呼び、薬を飲ませる樹。今できる全てのことを行い、元久を助けようとする。元久は病院に運ばれ、一命を取りとめた。

 翌日、元久は心筋梗塞を起こし、緊急手術となる。集まった家族の中で、妹のしおり(岡崎紗絵)は、樹とつぐみを責める。

「お父さんが死んだら、お姉ちゃんたちのせい」そう言うしおりをなだめたのは、幼馴染みの是枝(瀬戸康史)だった。

 樹について、「あの体になって失ったものはあるだろうけれど、あの体になったからこそ得たものも確実にある」是枝はそう話す。

 体が不自由になったからこそ得たもの。それは何だろう?

 人の痛みがわかる優しさ、困難に立ち向かう強さ、愛する人と巡り合うことの喜び……そんなものは、普通の健常者より、強く持っているのかもしれない。幸せの基準は一つじゃない。確かに、足りないものを認識することによって、気づく幸せもあるだろう。

 手術は成功し、元久はリハビリに取り組むことになる。そこで初めて、車椅子の生活を余儀なくされるのだ。そんなリハビリのつらさを一番良く分かっていたのは樹だった。つぐみを介して、メンタル面でのケアなどの助言をするのだった。

 自身で車椅子生活を経験し、また、つぐみのことを支えている樹を見て、元久の気持ちは徐々に変わっていく。退院した元久は樹に会いに行き、「弱いのは自分の方だ」と頭を下げる。そして、結婚を認める。

 しおりと、樹の同僚・晴人(松村北斗/ジャニーズJr.・SixTONES)の関係も、前に進みそうだ。しおりと付き合いたい一心で勉強に励んだ晴人は、見事二級建築士の試験に合格する。足に障害がある晴人は「やっとこれで対等になれる」と話すが、しおりは、「弱点や欠点のない人間はいない。最初から対等だ」と答える。しおりもまた、晴人と出会って変わったようだ。

 樹とつぐみは、結婚することとなり、役所に行く。結婚届を受理するシーン、窓口の人を演じたのは、主題歌「まちがいさがし」を歌っている菅田将暉だった。なかなかニクい演出だったのではないだろうか。

 そして、是枝と樹のヘルパーであった長沢(中村ゆり)も、何やらいい雰囲気だ。樹とつぐみの結婚式の日に、二人はデートしていた。

 彼らは、結婚式に呼ばれなかったのだろうか? いや、多分辞退したんだろう。自分たちとの関係から解き放たれて、樹とつぐみ、二人の世界を新たに築いて欲しい、そんな願いを込めて。

 結婚式、二人で暮らす家の様子、樹がバリバリと仕事をこなす様子、車椅子バスケの試合……ドラマのラストでは幸せなシーンが続く。それぞれが、それぞれの未来に向かって歩き出したのだ。

 今一度、このドラマのキャッチコピーを思い出してみよう。

「いつかこのドラマが、ただのありふれたラブストーリーになりますように」

 それは、障害がある人を特別視しない、ということではないと思う。誰もが足りないものを持っていて、それを補い合って生きている、もしかしたら、その足りない部分こそが、愛おしく、尊いものなのかもしれない。そんなことに気づかされる。

 このドラマは、見ている人にたくさんの問いを投げかけた。障害を持つことは不幸なことなのか? 自分の弱さと向き合うとはどういうことか? そして、普通の生活とはなんなのか?

 それらは、私たちに出された宿題のようなものだ。ドラマはきっかけにすぎない、後は私たち自身の頭で考え、さまざまな人たちと会って、答えを探していけばいい。

 今、社会のありかたや感じ方は、速いスピードで驚くほど変わっている。それはいい面も悪い面もあるだろう。ただ、こんな作品を通して、少しでも「いい方にいったらいいな」という気持ちが芽生えたなら、ドラマが目指した世界に一歩近づけるような気がするのだ。

(文=プレヤード)

『白衣の戦士!』タイトル回収のナレーションにツッコミ! 結局は、ナースが主人公の恋愛ドラマだった

 19日放送の『白衣の戦士』(日本テレビ系)最終回の視聴率は9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、9話から1.0ポイントアップ! 

 当初、『ナースのお仕事』(フジテレビ系)のパクリだと批判の声が相次いでいた本作がいったいどんな結末を迎えたのか、まずはあらすじから振り返ります。

(前回までのレビューはこちらから)

 

 

はるかがナースを辞めさせられる!? 最大のピンチも……

 はるか(中条あやみ)と夏美(水川あさみ)が担当することになったのは、医院長の紹介で外科病棟に入院してくることになった都議会議員の五十嵐(東幹久)。彼は重度の甘党で、牛乳アレルギーがあり糖尿病を患っているにもかかわらず、隠れてお菓子をパクリ。病室を抜け出し食堂でシュークリームにかぶりつこうとする五十嵐を、はるかが思わず元ヤンモードで叱りつけると、「こんな看護師すぐに辞めさせろ」と逆ギレ。五十嵐は医院長に直接抗議したことで、はるかには何らかの処分が科されることになってしまいます。

 翌朝、師長・本城(沢村一樹)と指導係の夏美によるフォローのおかげもあって、医院長は「本人から話を聞こう」と便宜を取り計らってくれるのですが、肝心のはるか本人がまだ出勤しておらず、ピンチの状況は変わらず。

 しかし、はるかはただ遅刻していたわけではなく、出勤中に倒れている男性を見つけ、斎藤(小瀧望/ジャニーズWEST)と共に救護にあたり、命を救っていたのでした。

 また、外出許可をもらい娘の学芸会を楽しんだ五十嵐が、出先でパフェを食べてアレルギー反応を起こし病院に運ばれたことで、はるかが口うるさかったのは、五十嵐の体の心配だけでなく、「学芸会に行く」という娘との約束を守らせたかったからだと知り、はるかに謝罪。

 事情を知った医院長ははるかへの処分を取り下げ、無事、ナースの仕事を続けられることになりました。めでたし、めでたし。

最終回もツッコミどころ満載

・ほかに適任者がいただろうに、なぜ不安要素の多いはるかに五十嵐の担当を任せたのか

・牛乳アレルギーがある五十嵐がシュークリームを食べることを止めたくらいで、はるかが処分の対象になるのは無理がありすぎる

・本城の目の前で「(結婚は)妥協しちゃだめ」「好きこのんでひと回り以上も年上でバツイチで子供もいる人なんて……」と娘・夏美に言い放つ母・幸江が失礼すぎる

・幸江に2人の結婚を認めるよう口を挟むはるかは出しゃばりすぎではないか(フォローするなら夏美ではなく、ボロクソ言われてしまった本城のほうなのでは?)

・はるかの言葉を受けた幸江の心変わりが早い

・そもそも、親に結婚相手(仮)を紹介するのに、なぜいつものあの居酒屋にしたのか(病院のナースたちにバッタリ会ってしまう可能性を考えなかったのか)

 などなど、最終回でも挙げたらきりがないくらい、粗が目立ちました。でもそれを言ってしまうと、そもそも、内線もナースコールもさほど鳴らず、あんなにも人間関係が良好なナースステーションってあるの? と、その存在から疑わなければならないのでこのへんにしておきましょうかね。

 

結局、看護師が恋に奮闘するドラマだった

 最終回の見どころのひとつとなったのが、夏美と本城の恋愛模様。はるかのおかげ(?)で結果的に母にも認めてもらい、夏美から逆プロポーズしたことで、最終回にふさわしい幸せな結末を迎えました。はるかと斎藤も9話のラストでカップルになったし、「仕事に恋に悪戦苦闘する痛快お仕事ドラマ」の「恋」の部分はしっかり描き切ることができていたと思います。

 ただ、「これからこういう物語が始まりますよ~」という導入的要素がほとんどの第1話から、

 2話:新入社員の苦悩
 3話:担当患者の死
 4話:ギャル娘と父の絆
 5話:ナースと医者の不倫
 6話:熟年夫婦の愛
 7話:シングルマザーと息子の親子愛
 8話:命の尊さと医師の覚悟
 9話:仕事に反対する父親と、反抗する息子

 と、看護師という仕事について毎回テーマを変えて描いてきたわりに、全話を通してみても、はるかは相変わらず感情の赴くままに突っ走っているだけだし、夏美ははるかの面倒を見ながら仕事への熱意をちょっと取り戻したくらいで、仕事面での成長ぶりはそこまで感じられません。大きく変わったこといえば、先ほども書いたように、はるかには斎藤という彼氏ができて、夏美は本城という結婚相手が見つかったことくらいです。

 8話のレビューでも書きましたが、このドラマ、「戦士」というタイトルのわりに恋愛要素が強すぎて、“戦っている感”がないんですよね。

 そのため、「2人が惹かれ合っていくシーンをもっと綿密に詳細に描いた方がよかったんじゃないかと思う」「小瀧くんと中条ちゃん画になるし、普通に恋愛ドラマ見たかった」といった、恋愛ドラマに振り切ったほうがいいという声もあり、お仕事ドラマとしては中途半端な印象が、最終回まで拭えませんでした。ひょっとすると、中条あやみちゃんと小瀧くんのラブストーリーのみに照準を定めたほうが、数字は良かったかもしれません。

 

ラストのナレーションは、アリ? ナシ?

 さて、このドラマが『白衣の戦士!』である根拠ですが、ラストシーンの、はるかと夏美のナレーションにありました。

はるか「看護師の仕事はまだまだうまくいかなくて落ち込むこともあるけれど、患者さんからの『ありがとう』の一言でまた頑張ろうって思える」

夏美「看護師の仕事は小さなミスも許されない。その責任の重さに逃げ出したくなるときもあるけど、いろいろな思いを抱えて頑張っている仲間たちの笑顔と決してあきらめない姿に勇気をもらう」

はるか「私たちは毎日命と向き合っている」

夏美「私たちは毎日命の現場で戦っている」

2人「だから、看護師は、白衣の天使じゃなくて、白衣の戦士なのだ」

 本来ならばストーリーでしっかりみせて視聴者に訴えかけるべきことを、主演2人にナレーションという形で言わせてしまうことで、かえって大げさな感じがして、シラケてしまいました。視聴者からも、「……おおお終わりかいっ!!」「『白衣の戦士なのだ!』って最後までダサい」「ラストで看護師とは……みたいなこと言い始めてふふってなっちゃった」などなどツッコミの声が。

 まあ、医者ではなくナースが主人公のドラマゆえ、大がかりな手術シーンはないし、ナースがいかに奮闘しているのかという部分は、わかりにくさや伝わりづらさがあったのかもせれません。とにかくナレーションがすべてであり、それ以上でもそれ以下でもないんだと思います。はい。

 ということで、最終回のレビューでした。

“『ナースのお仕事』の二番煎じ”と大批評を呼び、初回の10.3%以降はどんどん視聴率を落としたものの、重すぎないストーリーと、注目女優の中条あやみちゃんとジャニーズアイドル・小瀧くんのラブシーンのおかげで(?)終盤にぐんぐん数字を上げ、全話平均は8.7%を記録。思いのほか、踏ん張ったなあという印象です。とはいえ、続編の制作には物足りない数字。

 役者陣のバランスはよかった作品だと思うので、またどこかで勢ぞろいしてほしいものですが、果たして……。

(文=どらまっ子TAROちゃん)

三上博史、悪のレトリックが冴え渡った!! 存在感で福山雅治を上回った『集団左遷!!』最終話

  平成から令和をまたいだ、福山雅治初のサラリーマンもの『集団左遷!!』(TBS系)。金融業界が舞台と思えないほどズボラな脚本、福山のコミカルな演技が“顔芸”と称されるなど多くの問題を抱えたドラマでしたが、何とかゴールに辿り着きました。平成最後の、令和初の下克上は果たせたのでしょうか。最終話を振り返りたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

 三友銀行に勤める片岡部長(福山雅治)は、横山専務(三上博史)が政治家に不正な献金をしている事実を役員会議で告発します。ところがほとんどの役員は片岡の言葉には耳を傾けず、横山専務が副頭取に昇格することに賛成するのでした。片岡の正論は、横山専務の辣腕ぶりの前に敗北を喫したのです。

 このまま三友銀行は、横山副頭取による独裁支配へと進むのでしょうか? 片岡は反横山派である隅田常務(別所哲也)と共に、横山体制にはびこる不正問題をマスコミに公表することを決心します。

 もちろん、横山副頭取は黙ってはいません。片岡に協力する日本橋支店の副支店長・真山(香川照之)、裏金の流れをメモした秘密手帳を片岡に渡した梅ちゃん(尾美としのり)への出向を命じます。見せしめ人事です。片岡本人ではなく、周辺を狙い撃ちするという何ともゲスいやり口。片岡の首を真綿で締めるように、じっくりと責める横山副頭取でした。

 片岡と横山副頭取が直接対決するシーンが訪れました。真山らの出向が決まったことに、顔を真っ赤にして怒る片岡。そんな片岡に対して、横山副頭取は“悪のレトリック”を全開してみせるのでした。

横山「本当に会社を変えたいのなら、私のところまで上がってきてください。あなたを出向させないのは、あなたのがんばりを評価しているからです。これからの三友銀行に必要な人材だと思っているからです。会社が生き残るためには清濁併せ呑まなくてはならないんです」

 横山副頭取は、社運を賭けた新しい事業のメンバーに片岡を抜擢するつもりだと言います。そして、そこで実績を残せば、役員への道が開け、真山たちを出向先から呼び戻すことができるのだと。それまで「不正は許せない」の一点張りだった片岡の心は揺らぎます。部屋を出た瞬間、「クプッ」と小さく笑う三上博史。悪の華が咲き乱れた、『集団左遷!!』最大の見せ場だったといえるでしょう。

 

悪役・横山がいちばん嫌いだった人物とは?

 横山副頭取の悪の囁きによって、マスコミへの公表をためらっていた片岡ですが、結局は真山に「最後までブレないでください」と説得され、横山副頭取が政治家たちと癒着している事実を、金融庁や新しい提携先であるネット通販会社へとリークするのでした。

片岡「みんなは横山さんのような強い力は持っていません。でも、会社の役に立ち、お客さんに喜んでもらうために、噓をつかずにがんばってきたつもりです」

 最後まで正論を貫き通した片岡が、現代社会の“メフィスト”横山副頭取に引導をついに渡したのでした。

 あともう少しで、横山副頭取が夢想してきた未来型の新しい銀行が誕生するはずだったのですが、中学生のような正論を吐き続ける一人の石頭によって頓挫したのです。横山副頭取の脳内にあった輝かしい未来予想図は、砂上の楼閣のように崩れ落ちていきます。最後に横山副頭取は「す〜は〜」と息を整えてから、「では、みなさん! がんばってくださいッ!!」と張りのある声を残して退場するのでした。実に悪役らしい、あっぱれな姿でした。

 横山副頭取の不正を見逃していた責任から、藤田頭取(市村正親)も身を引くことになりました。経営陣は一新され、隅田常務が新しい頭取に選ばれます。出向が決まっていた真山は銀行を辞め、病気がちな妻(西田尚美)の傍にいられるよう妻の実家の会社を手伝うことになりました。梅ちゃんは隅田常務の片腕になったようです。そして、片岡は人材育成研修センターで若い世代の指導にあたることになります。不正に関わった人間は一掃され、三友銀行が再建へ向かうところで終幕となりました。

 最終話の主人公は、完全に三上博史演じる横山副頭取でした。もう少しで座れるはずだった頭取の椅子の前でヘタレこみ、それまで見せたことのない涙をこぼします。

 一方的にリストラを進める冷血漢にように思われた横山副頭取ですが、必ずしもそうではありません。腹心の部下・鮫島(小手伸也)が秘密手帳を梅ちゃんに無造作に渡したりしなければ、こんな事態にはならなかったはずです。それでも、横山は部下の鮫島を責めることはしません。何もせずに周囲の顔色ばかり見ている人間が、横山は大嫌いなのです。横山のこれまでの努力や独自性のあった将来設計は理解されないまま、誰にも見送られることなく横山は消えていくのでした。

 いつか、三上博史扮する悪徳ビジネスマンが暗躍するピカレスクロマンものを見てみたいです。小手伸也が出演している『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)の続編に、三上がラスボスとして登場するのも面白そうです。

 問題点がいろいろあった『集団左遷!!』ですが、ひとつだけに絞れば『半沢直樹』『下町ロケット』(同)といった高視聴率をとった池井戸潤ドラマのしわ寄せ、悪影響が噴出したドラマだったように感じられたということです。『半沢直樹』も『下町ロケット』も池井戸潤の原作小説をそれぞれ2巻ずつ投入することで、非常にスピーディーな展開を見せ、視聴者を取り込むことに成功しました。じっくり楽しみたい人は、原作小説を読めばいいわけです。

 今回の『集団左遷!!』は、江波戸哲夫の小説『集団左遷』『銀行支店長』から美味しいところを抜き出したものの、ほぼオリジナルといっていい内容でした。池井戸潤ドラマのように、ドラマと原作小説とが補完しあうような密な関係にはなっていません。池井戸ドラマのようなスピーディーな展開を狙うあまり、人物造形や家族構成といったドラマの背景はおざなりとなり、最後まで薄っぺらいいままでした。主人公の片岡は「がんばろう」「不正はよくない」と正論しか口にしない、説得力のないキャラクターだったように思います。

 さて、最終話の気になる視聴率は……。13.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でした。第1話の13.8%に次ぐ高い数字です。第2話以降はゆるいコメディタッチの展開で視聴率の低迷が続きましたが、第7話から『半沢直樹』っぽいシリアスモードにシフトチェンジして数字を上げていきました。爆死案件かと思われていた『集団左遷!!』ですが、何とか数字的には体裁を繕ったようです。

 でも数字を残すことだけが、正義なのでしょうか。序盤とはまったく異なるドラマへと変貌した『集団左遷!!』を見終えて、そのことを考えさせられます。これからはますますテレビは視聴率を、雑誌は発売部数を、ネット記事はPV数を残すことだけが求められ、中身は問われなくなっていくのでしょうか。正論だけ吐いて生きていくことができる片岡が、ある意味羨ましく思えてきます。それではみなさん、3カ月間おつきあいくださり、どうもありがとうございました。

(長野辰次)

『インハンド』は、映画『アウトブレイク』の丸パクリ? 荒唐無稽なパンデミックものと思いきやリアルな風刺劇に

 山下智久が寄生虫専門のドSな医学者を演じるドラマ『インハンド』(TBS系)の第10話が14日に放送され、平均視聴率8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から横ばいとなりました。

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 栃木県・相羽村にBSL4(バイオセーフティーレベル4)の危険な細菌を取り扱う研究所を建設予定だという元上司・福山和成(時任三郎)から、副センター長にならないかと打診を受けた紐倉哲(山下)。同村出身の高家春馬(濱田岳)の帰郷に便乗し、現地の偵察に訪れます。

 その相羽村では、厚生労働省の口車に乗って研究所の建設を決めてしまった役所と、断固反対を唱える市民との間で争いが勃発。そんな混乱の中、高家は幼馴染で役所勤めの杉山美園(石橋杏奈)と反対派のリーダー・棚橋弘樹(平岡祐太)が、婚約していたものの騒動のせいで仲たがいしてしまっていることを知り、複雑な想いを抱きます。

 一方、紐倉は美しい自然が広がる相羽村のことを気に入るも、元助手・入谷廻(松下優也)と交わした約束と、現助手・高家の面倒を見るためにも、自身の研究所を建設したいと考え、福山からのオファーを断ります。

 そんな中、サルに引っかかれてケガを負った美園の父親・実喜男(中本賢)が吐血し、搬送先の病院で死んでしまいます。その症状を目撃した紐倉は、かつて入谷がワクチン精製に命を注いだ、アメリカ陸軍が秘密裏に開発した新型エボラウイルスに感染したのではないかと考え、実喜男と接触した者をすぐさま隔離するよう要請。しかし、通常のエボラウイルスより強力かつ空気や飛沫感染するよう改良された新型のウイルスはあっという間に村内に拡散し、政府によって村ごと封鎖されることが決定します。

 ウイルス拡散の原因は福山にあるのでは? 紐倉が問い詰めたところ、研究所で働かせるためアメリカから呼び寄せた息子・新太(磯村勇斗)が、意見の食い違いによって口論となり、どこかへ姿を消してしまったことを知るのでした。

 さらに、その新太に棚橋が山小屋を貸していたことが判明したため、慌てて現地へ向かうと、そこにはエボラ出血熱によってすでに死んでいる新太の研究仲間の姿が。そうこうしている間にもウイルスは爆発的に感染し……というところで今回は終了となりました。

 実喜男がサルに引っかかれたことによって発症、という流れにどこか見覚えがあるなと感じたのですが、1995年に公開されたハリウッド映画『アウトブレイク』にソックリな展開だとすぐに思い当たりました。

 細部は異なりますが、この映画でもサルが感染源となってエボラ以上の致死率と感染力を併せ持つウイルスがアウトブレイク(爆発的感染)し、街が封鎖され、という展開でした。今回、紐倉が牧野巴(菜々緒)に「君にしかできないことが絶対ある」と説得して、封鎖される直前に村の外へ出るよう促した場面がありましたけど、これが伏線になっているのであれば解決方法も映画と同じ可能性があります。

 とはいえ、伝染病が爆発的に広まる、いわゆるパンデミックものは「自分の身に起こったら?」と想像するとゾッとしますし、それだけ引き込まれるものがありますよね。荒唐無稽な話かと思いきや、ネットで調べたところ、東京都武蔵村山市にあるBSL4施設に今夏、エボラ出血熱などを引き起こすウイルスを初輸入する予定であることがわかり、よりリアリティーが増しました。東京五輪・パラリンピックに向けて検査体制を強化するのが狙いのようですが、大規模な国際大会が開催されることによってさまざまな感染症が広まるリスクがあるのだな、と改めて気づかされました。

 今回は、武蔵村山市の市民の不安を考慮せずに計画を遂行しようとする厚労省を風刺しつつ、ウイルス感染の恐怖を描いた回となりましたが、パニック状況の中で美園が棚橋の子どもを妊娠していることが発覚したり、福山の吐血(エボラではない病気?)や、新太との確執などの要素が散りばめられ、最終回へ向けて一気に盛り上がってきた印象です。

 また、内閣官房サイエンス・メディカル対策室の情報を厚労省に流している裏切り者がいるようなのですが、これが誰なのか。カメラワークなどから、御子柴隼人(オリエンタルラジオ・藤森慎吾)が怪しいのですが、ここも気になるところです。

 さらに次回、高家まで感染してしまうとのことですが、紐倉は福山から「お前、変わったな」と指摘されるほど、高家に影響を受けて人間味が出てきただけに、熱い人間ドラマが展開されることは必至。同じウイルスに感染し、結果的に死なせてしまったかつての助手・入谷と同じ目に遭わせてしまうのか。あるいは「天才」と豪語する真価を発揮して、ワクチンを精製することに成功するのか。次週を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『執事 西園寺の名推理2』銃弾を楽々とかわすスーパー執事、「あなたは一体、何者なの?」予告詐欺で謎は明かされず続編決定か

 上川隆也が完全無欠なスーパー執事役で主演を務めるドラマ『執事 西園寺の名推理2』(テレビ東京系)の最終話が14日に放送され、平均視聴率6.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.3ポイントダウンとなってしまいました。

(前回までのレビューはこちらから)

 今は亡き婚約者・山崎美鈴(声:林原めぐみ)の妹の和歌子(観月ありさ)が、刑事の守屋彰俊(大高洋夫)の殺害事件で重要参考人として警察から追われていることを知った西園寺一(上川)は、資産家の奥様・伊集院百合子(吉行和子)に促されて調査を開始。1年前にチェリストの高本が殺害された事件と関連があると踏み、刑事の丸山昭雄(佐藤二朗)に協力を仰いで当時の捜査資料に目を通します。

 自宅のチェロ保管室で、守屋と同じくベルトらしきもので絞殺されたという高本。その手には丸い模様がつき、これが犯人を特定する手がかりになるのではと睨んだ西園寺は、遺体の第一発見者である高本の娘・ひなの(西田圭李)と、そのひなのにチェロを教える音大講師で高本の兄弟子でもある柿崎友介(飯田基祐)を訪問。事件後、チェロ保管室のドアプレートが紛失するも、警察が取り合ってくれなかった、という証言をひなのから得ます。

 ドアプレートの件は警察によって揉み消され、守屋はそのことを捜査していたために殺されたのではないか。そう推測した西園寺は守屋の手帳を調べ、メモを頼りに彼が足繁く通った場所に向かいます。

 するとそこには、和歌子の姿が。守屋は美鈴が殺害された事件の担当刑事だったため、その場所に隠された捜査資料に真犯人の手がかりがあるのではと足を運んだのです。ところがそこへ、高本の殺害事件で揉み消しに関わった捜査一課の刑事・久保勇作(榊英雄)が現れ、銃口を向けられてしまうのです。

 しかし、そこへタイミングよく駆け付けた西園寺は、銃撃をすべてかわし、久保を追い詰めます。久保は弱みを握ることで自分の都合のいい駒にできるよう、高本殺しの犯人に協力してドアプレートを隠したことを語るも、その犯人の名前を明かす前にビル屋上の分電盤に触れて感電死してしまうのでした。

 事件の真相を探る重要な手がかりを失ってしまった、と思いきや、西園寺はすでに犯人を特定。高本が師匠から譲り受けたチェロの弓を奪うために殺害したことや、凶器がチェロを床に固定するベルト状の器具・エントピンストッパーであることなどから、柿崎が犯人だと指摘します。

 柿崎は、自分よりも才能があり、師匠に期待されながらもプロの道を諦めてしまった高本を殺したことを白状。これによって和歌子の容疑は晴れ、一件落着となりました。

 さて感想ですが、今回は事件自体は大したことがなく、怪しい人物もほぼ柿崎しかいなかったため、謎解きの楽しさはありませんでした。弟弟子がプロの道を諦めたから殺す、という動機はかなり弱いと思いますし、チェロ愛が強いのかと思いきやエントピンストッパーで殺してしまうという点には矛盾が感じられました。

 しかし、今回は何といっても、第1話から“謎の女”としてちょこちょこ登場していた和歌子と、それ以上に謎の深い西園寺の秘密が明かされる、というのがメインだったハズです。少なくとも予告動画では、和歌子が西園寺に銃を突き付けて「あなたは一体、何者なの?」と迫ったり、「今よりずっと寡黙だった」というナレーション付きで、どしゃぶりの雨に打たれる過去の西園寺の姿が映されるなどして、視聴者の期待を煽っていました。

 ところが、西園寺は銃口を向けられても過去の話はせず、雨に打たれるシーンなど出てこず、ほとんど予告詐欺に近い状態でした。また、美鈴に関しては、誰だかわからない女優の後ろ姿に林原めぐみの声がアテレコされた状態で登場し、その死の真相も明かされなかったため、終盤で西園寺が、愛する者を失った悲しみを和歌子や百合子と語り合う場面では、ちっとも感情移入できませんでした。

 恐らく続編ありきで制作されたのでしょうけど、肩透かし感があったことは否めません。謎解きモノとしては単純なストーリーばかりで、このドラマの最大のミステリーは西園寺の過去にあると思うのですが、それが最後まで明かされないというのは、ちょっとフェアじゃないと思います。

 また、回を追うごとに西園寺の“なんでもできる”感が際立っていましたけど、今回に至ってはマンションの上層階から平気で飛び降りたり、銃の弾道を完全に見切ってかわしたりと、もはや人間ではなくサイボーグと化していました。続編ではアイアンマンみたいに空を飛んだりするのではないかとちょっと心配です。シリーズ化するのであれば、常識の範囲内でのスーパー執事を見たいと思いますし、次は謎解き面でのレベルアップにも期待したいところです。

(文=大羽鴨乃)

人生に「もし」はないから――ドラマ『パーフェクトワールド』第9話

(これまでのレビューはこちらから)

 テレビや映画を見ていて、何か悪い展開になりそうなシーンが出てくると、ハラハラして見ていられなくなる人というのがいるらしい。「共感性が高い」という特性らしく、かくいう私もそんなシーンを見ると、「ああ、もうやめて」と思ってしまうことがよくある。

 ドラマ『パーフェクトワールド』(フジテレビ系)第9話。冒頭のシーンから、そんなハラハラが続いた。

 

復縁した二人に立ちはだかる壁

 冒頭、樹(松坂桃李)とつぐみ(山本美月)が立っていたのは、かつて樹が事故に遭った道だった。まず、前回の、松本で二人が再会するラストシーンとつながっていないことに「おや?」という気持ちになる。

 事故のことを思い出し、「あの時雨が降っていなければ」「あの時自転車を置いて帰っていれば」と、樹は後悔ともつかない気持ちを口にする。でも、人生に「もし」はない。樹は、その時のことをまざまざと思い出し、現状を認識するのだ。

「『もし』がない」ということを実感として知った時、多くの人は、生きていく上での指針を得る。それが樹にとっては、「後悔しないように生きたい」というものだった。その思いにかられ、樹はつぐみとやり直すことを選んだのだ。

 婚約までしていた幼馴染みの是枝(瀬戸康史)を裏切るような形での復縁。当然、周囲の人の反発は大きい。

 つぐみの妹・しおり(岡崎紗絵)は、姉に対し激しく怒りをぶつける。もちろん、そこには、想い続けてきた是枝への愛情や、彼のために諦めた自分の気持ちの無意味さなど、複雑な感情が絡んでいることだろう。

 ここで、時間が少し巻き戻る。樹とつぐみが松本でお互いの気持ちを告白した時、是枝(瀬戸康史)は、つぐみの実家にいた。誕生日を迎えたつぐみのために料理を作り、婚約指輪を用意して、彼女を驚かせようとしていたのだ。

 この時点で、見ている側は、またハラハラが止まらなくなってくる。「この後是枝はどれほどつらく、恥ずかしい思いをするだろう」「つぐみの父・元久(松重豊)はどれほど怒り狂うだろう」――巧みな場面構成によって、緊張の糸が張り詰める。

 そこへつぐみから電話が入る。これから東京に行くという。東京に行ったつぐみと樹が、冒頭のシーンにつながるのだ。

 つぐみの行動を察した是枝は、東京に戻り、樹の家を訪ねる。つぐみと復縁したことを責める是枝と、謝るばかりの樹。本心をぶつけ合った二人、最終的に是枝は、樹とつぐみのことを許す。その後、是枝はつぐみとも会い、婚約は解消。樹との交際も認めた。この是枝の優しさは、どこから来るのだろう。

「好きな人が本当に幸せになることを願う」などというのは、ある意味、綺麗事だ。騒ぎを大きくして関係がこじれたまま別れたら、幼馴染みとしても会えなくなる、という気持ちもあるかもしれない。しかし、一番の理由は、樹を想うつぐみの気持ちの強さに、負けたのではないだろうか。そんな潔さを、是枝は持っているように思う。

 翌朝、樹はヘルパーの長沢(中村ゆり)と会い、ヘルパー契約を解除したいと告げる。しかし、長沢は、特別な感情は抱かないので、続けさせてほしいと答える。

 その頃、つぐみは実家に戻り、樹と再び付き合い始めたことを両親に告げていた。父の怒りは大きかった。それ以降、つぐみとも樹とも話をしなくなったのだ。

 テレビ電話で会話する樹とつぐみ。父との関係に悩む姿をつぐみの様子を見て、樹は言う、「隠し事や嘘はもう無しにしよう」。カップルや夫婦なんて、それなりに隠し事はあるものだと思う。多分、それが普通だ。でも、この二人は、そういう失敗を越えてきている分、より嘘のない関係になれるのかもしれない。

 樹は、仕事で、交通の不便なところにある物件の下見に行くことになる。一人で大変だろうと考えたつぐみは、長沢に同行を依頼する。熱心にお願いするつぐみを見て、長沢は言う。 「あなた、変わったわね」。 そして、つぐみは、「変われたのは長沢のおかげ」と答えるのだ。

 樹は、何度も何度も松本を訪ね、元久と話そうとする。しかし、取り合ってもらえない。元久からすれば、苦労することが目に見えている結婚を認める気にならず、また、息子のように可愛がってきた是枝を裏切ったことにも、許せなさがあったのだろう。

 樹とのヘルパー契約解除を受け入れた夜、長沢は是枝を呼び出し、お酒を飲みながら、それぞれの思いを話す。長い間好きであった相手が、別の人と恋人になってしまう。その意味で、二人の心はわかり合えているようだ。

 このシーンを見ていて、漫画『みゆき』(小学館)のラストを思い出した。

 妹・みゆきの結婚式で、血の繋がらない兄・真人は、「妹と別れたくない」と告白。みゆきもそれに応え、結婚は取り消しになる。新郎であった、サッカー選手・沢田と、真人に想いを寄せていた鹿島みゆきが、旅先で偶然再会し、何かが始まるような雰囲気を残しているのだ。

 同じものを好きでいるという「共感」も大切だが、「同じ痛みを知っている」という共感もまた、人と人との関係においては重要なのかもしれない。是枝と長沢のこれからの関係にも注目だ。

 最後には、樹とつぐみの関係を象徴するようなアイテムが出てきた。つぐみが高校生の頃、樹を思って描いた体育館の絵である。樹への想いを断ち切るため、一度は捨てようとしたものを、是枝がとっておき、樹に渡したのだろう。「絵を見れば描いた人が相手をどれだけ好きかわかる」という是枝の言葉通り、10年以上前のつぐみの樹への想いが溢れている。そして、その二人が見つめる絵もまた、こうして結ばれた二人のことを喜んで見ているように思えた。

 波乱の末によりを戻した二人。応援する人も、認めない人もいる。

 来週はいよいよ最終回。いろんな人の優しさに溢れたドラマだったから、見終えて穏やかな気持ちになれるようなラストを期待したい。

(文=プレヤード)

 

【今夜最終回】もはや恋愛ドラマな『白衣の戦士!』医療監修が甘い……!? 中条あやみの「救急車呼ぶ?」に疑問

 中条あやみと水川あさみがW主演を務めるナースコメディ『白衣の戦士!』(日本テレビ系)。12日放送の第9話の視聴率は、8.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、0.2ポイントアップ! 今夜放送の最終回もこの調子で数字を伸ばせるでしょうか……!?

 ということで、“小瀧回”となった9話のあらすじから振り返ります。

(前回までのレビューはこちらから)

斎藤の両親登場で一波乱も……

 両想いながら、なかなかお付き合いまでには至らないはるか(中条あやみ)と斎藤(小瀧望/ジャニーズWEST)。休みが被ったある日、2人は初めてデートの約束をするのですが、その当日に親戚の法事で東京に来ていた斎藤の両親が突然寮におしかけてきて、なぜか4人でお出かけすることに。その途中、父・渡(寺脇康文)が腹痛を訴えたため、斎藤とはるかが急いで職場に連れて行ったところ、悪性の胃潰瘍であることが発覚し、手術を受けるため、入院することになります。

 実は、老舗旅館の跡取り息子だった斎藤。一人息子が東京で看護師をしていることをよく思っていないようすの父は、「男のくせに看護師なんて」「いいなぁ、お前は東京で好きなことやって」「田舎を捨ててさっさと出て行った」「お前には頼らない」と嫌みったらしい言葉をぶつけ、2人は喧嘩状態に。

「あいつは家業を継ぐ重圧から逃げるために看護師になった」と不満をたれる渡に、はるかは、斎藤にはナースになりたい動機がちゃんとあったことや、彼がいかに優秀なナースであるかを熱弁。夏美(水川あさみ)も、ナースという仕事は命にかかわる大事な仕事だと、言って聞かせます。

 その後、渡の容態が悪化して緊急手術を受けるものの、すぐに回復。斎藤は病に倒れた父のことを考え、一時は辞めようかと悩んだものの、「看護師を続けたい」と自分の気持ちを正直にぶつけ、渡は「元々(旅館を)継いでもらいたいとは思ってなかった」と、まさかの衝撃発言をし、親子はアッサリ仲直り。

 そしてラストでは、斎藤がついにはるかへ告白。めでたく2人はカップルになるのでした。

 最終回目前だけあって、前回の柳楽先生(安田顕)から斎藤と、はるかにより近い人物にフォーカスを戻し、最後の追い込みにかかった今回。これまたベタなストーリーだったので、後の展開は簡単に想像できたし、特に何の驚きもありませんでした。

 ただ、「お前はそんなに暇なのか」「お前と違って、大きな責任を背負ってるんだ」などなど、息子にボロクソ言っておきながら、数時間後には「お前ならきっといい看護師になれる」「もともと俺はお前に継いでもらいたいなんてこれっぽっちも思ってなかった」なんてアッサリ言ってのける父・渡には、ある意味で驚かされましたが。

 なぜいきなり息子のことを認めたのかがわかりにくく、「えっ、さっきまで楽でいいよなって言ってませんでした?」「親父いきなりいいお父さんになったなぁ」「コロコロ変わりすぎじゃないかw」と視聴者からもツッコミが。ナースを目指して上京した斎藤に、「息子はいないものだと思う」とまで言い放っていたくらいなのに、一体どういうわけなんでしょう……。息子が面と向かって本心をぶつけてきたのがよほどうれしかったんですかね。見ているこっちが取り残されてしまった感がありましたが、“ご都合主義”と割り切るしかないようです。

 余談ですが、斎藤の母親役でゲスト出演した藤吉久美子さんですが、17年12月に大阪のテレビ局のプロデューサー男性との不倫を週刊誌にスッパ抜かれて以来、久々にテレビでお姿を拝見しました。良き母、良き妻の役のイメージとはなんか違う気がしたのは筆者だけでしょうか……。

 

医療監修が甘い? はるかのセリフに疑問が……

 ラストの告白シーンでは、告白されて満面の笑みで小瀧くんに抱きつく中条あやみちゃんがしこたまかわいかったものの、9話になってもW主人公の恋愛模様に大半の時間が割かれ、手術シーンはゼロ。医療現場のドラマではありますが、“お仕事ドラマ”という仮面を被った恋愛ドラマなので、それらしいシーンがほとんどなく、気楽に見れるのがこのドラマの長所であり、短所でもあります。

 後者でいうと、そういえば今回、斎藤の父が腹部の痛みを訴えたとき、「救急車呼ぶ?」とはるかが斎藤に確認するシーンがあったんですが、このセリフに違和感を覚えました。近年、救急車の安易な利用が社会問題となっており、2015年には政府が救急車の一部有料化を検討するなんていう動きも大きな話題になっていたはず。まだまだ力不足のはるかと優等生な斎藤の力の差をこのセリフで表現したかったのかもしれませんが、医療従事者であるはるかがこの発言をするのは、いかがなものかと……。まだ母親に言わせたほうがマシだった気がします。とにかく、斎藤が「緊急性はなさそうだからタクシーで行こう」と、冷静な判断力を持っていたことが救いでした。

 そのほかネット上では「逃げる為だけに看護師なんてなれるわけない」「看護師目指す人ってみんなそんなキラキラな理由がないとだめなんか」「このドラマって、看護師を応援する部分もあるはずなのに、これは看護師を軽蔑しているようにしか見えない」「病院の中の話、患者絡みの話になると、ものすごくモヤモヤして挫折してしまう」との声も。中には「エルダー(新人の教育係のナース)が評価を人前で言う訳ないじゃん。ソルラクト(点滴薬)なんて薬剤師が運ぶでしょw」と医療従事者と思われる人から鋭い指摘も……。

 コメディドラマであるだけに、真面目にリアリティを追求して作りすぎると“らしく”なくなってしまったり、そのバランスのとり方が難しいところではあるかと思いますが、最終回では、この作品の舞台が病院である意味みたいなものをもっと感じられる内容になっていることを期待したいところです。

 そういえば、斎藤の父が吐血するシーンで、血があまりにケチャップみたいな色をしていたことには思わず笑ってしまいました(苦笑)。

 ということで、いよいよ今夜最終回。夏美と本城(沢村一樹)の恋路も気になるところですが、新米ナース・はるかの成長ぶりが感じられるお話になっていることを祈ります。

(どらまっ子TAROちゃん)

【今夜最終回】もはや恋愛ドラマな『白衣の戦士!』医療監修が甘い……!? 中条あやみの「救急車呼ぶ?」に疑問

 中条あやみと水川あさみがW主演を務めるナースコメディ『白衣の戦士!』(日本テレビ系)。12日放送の第9話の視聴率は、8.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、0.2ポイントアップ! 今夜放送の最終回もこの調子で数字を伸ばせるでしょうか……!?

 ということで、“小瀧回”となった9話のあらすじから振り返ります。

(前回までのレビューはこちらから)

斎藤の両親登場で一波乱も……

 両想いながら、なかなかお付き合いまでには至らないはるか(中条あやみ)と斎藤(小瀧望/ジャニーズWEST)。休みが被ったある日、2人は初めてデートの約束をするのですが、その当日に親戚の法事で東京に来ていた斎藤の両親が突然寮におしかけてきて、なぜか4人でお出かけすることに。その途中、父・渡(寺脇康文)が腹痛を訴えたため、斎藤とはるかが急いで職場に連れて行ったところ、悪性の胃潰瘍であることが発覚し、手術を受けるため、入院することになります。

 実は、老舗旅館の跡取り息子だった斎藤。一人息子が東京で看護師をしていることをよく思っていないようすの父は、「男のくせに看護師なんて」「いいなぁ、お前は東京で好きなことやって」「田舎を捨ててさっさと出て行った」「お前には頼らない」と嫌みったらしい言葉をぶつけ、2人は喧嘩状態に。

「あいつは家業を継ぐ重圧から逃げるために看護師になった」と不満をたれる渡に、はるかは、斎藤にはナースになりたい動機がちゃんとあったことや、彼がいかに優秀なナースであるかを熱弁。夏美(水川あさみ)も、ナースという仕事は命にかかわる大事な仕事だと、言って聞かせます。

 その後、渡の容態が悪化して緊急手術を受けるものの、すぐに回復。斎藤は病に倒れた父のことを考え、一時は辞めようかと悩んだものの、「看護師を続けたい」と自分の気持ちを正直にぶつけ、渡は「元々(旅館を)継いでもらいたいとは思ってなかった」と、まさかの衝撃発言をし、親子はアッサリ仲直り。

 そしてラストでは、斎藤がついにはるかへ告白。めでたく2人はカップルになるのでした。

 最終回目前だけあって、前回の柳楽先生(安田顕)から斎藤と、はるかにより近い人物にフォーカスを戻し、最後の追い込みにかかった今回。これまたベタなストーリーだったので、後の展開は簡単に想像できたし、特に何の驚きもありませんでした。

 ただ、「お前はそんなに暇なのか」「お前と違って、大きな責任を背負ってるんだ」などなど、息子にボロクソ言っておきながら、数時間後には「お前ならきっといい看護師になれる」「もともと俺はお前に継いでもらいたいなんてこれっぽっちも思ってなかった」なんてアッサリ言ってのける父・渡には、ある意味で驚かされましたが。

 なぜいきなり息子のことを認めたのかがわかりにくく、「えっ、さっきまで楽でいいよなって言ってませんでした?」「親父いきなりいいお父さんになったなぁ」「コロコロ変わりすぎじゃないかw」と視聴者からもツッコミが。ナースを目指して上京した斎藤に、「息子はいないものだと思う」とまで言い放っていたくらいなのに、一体どういうわけなんでしょう……。息子が面と向かって本心をぶつけてきたのがよほどうれしかったんですかね。見ているこっちが取り残されてしまった感がありましたが、“ご都合主義”と割り切るしかないようです。

 余談ですが、斎藤の母親役でゲスト出演した藤吉久美子さんですが、17年12月に大阪のテレビ局のプロデューサー男性との不倫を週刊誌にスッパ抜かれて以来、久々にテレビでお姿を拝見しました。良き母、良き妻の役のイメージとはなんか違う気がしたのは筆者だけでしょうか……。

 

医療監修が甘い? はるかのセリフに疑問が……

 ラストの告白シーンでは、告白されて満面の笑みで小瀧くんに抱きつく中条あやみちゃんがしこたまかわいかったものの、9話になってもW主人公の恋愛模様に大半の時間が割かれ、手術シーンはゼロ。医療現場のドラマではありますが、“お仕事ドラマ”という仮面を被った恋愛ドラマなので、それらしいシーンがほとんどなく、気楽に見れるのがこのドラマの長所であり、短所でもあります。

 後者でいうと、そういえば今回、斎藤の父が腹部の痛みを訴えたとき、「救急車呼ぶ?」とはるかが斎藤に確認するシーンがあったんですが、このセリフに違和感を覚えました。近年、救急車の安易な利用が社会問題となっており、2015年には政府が救急車の一部有料化を検討するなんていう動きも大きな話題になっていたはず。まだまだ力不足のはるかと優等生な斎藤の力の差をこのセリフで表現したかったのかもしれませんが、医療従事者であるはるかがこの発言をするのは、いかがなものかと……。まだ母親に言わせたほうがマシだった気がします。とにかく、斎藤が「緊急性はなさそうだからタクシーで行こう」と、冷静な判断力を持っていたことが救いでした。

 そのほかネット上では「逃げる為だけに看護師なんてなれるわけない」「看護師目指す人ってみんなそんなキラキラな理由がないとだめなんか」「このドラマって、看護師を応援する部分もあるはずなのに、これは看護師を軽蔑しているようにしか見えない」「病院の中の話、患者絡みの話になると、ものすごくモヤモヤして挫折してしまう」との声も。中には「エルダー(新人の教育係のナース)が評価を人前で言う訳ないじゃん。ソルラクト(点滴薬)なんて薬剤師が運ぶでしょw」と医療従事者と思われる人から鋭い指摘も……。

 コメディドラマであるだけに、真面目にリアリティを追求して作りすぎると“らしく”なくなってしまったり、そのバランスのとり方が難しいところではあるかと思いますが、最終回では、この作品の舞台が病院である意味みたいなものをもっと感じられる内容になっていることを期待したいところです。

 そういえば、斎藤の父が吐血するシーンで、血があまりにケチャップみたいな色をしていたことには思わず笑ってしまいました(苦笑)。

 ということで、いよいよ今夜最終回。夏美と本城(沢村一樹)の恋路も気になるところですが、新米ナース・はるかの成長ぶりが感じられるお話になっていることを祈ります。

(どらまっ子TAROちゃん)