祝・結婚!! 壇蜜と結婚した清野とおるの幼少期を描く『バカ男子』がヤバすぎた!

『東京都北区赤羽』(双葉社)の清野とおる先生が、壇蜜さんと結婚という衝撃の発表から1カ月がたちました。あらためて、おめでとうございます! こんな有名人に拙著『なんだ!?このマンガは!?』(彩図社)の表紙イラストを描いてもらっていたとは、なんて僕はラッキーなんだ!(遠回しに宣伝)

 ところで決して便乗ではなく、まったくの偶然なんですけど、今回ご紹介するのは清野先生の『スーパーハイパー!増補 バカ男子』(イースト・プレス)という作品です。2009年に発売された『バカ男子』がパワーアップして16年に再販されたものなんですが、つい最近、WEBでも試し読み(http://matogrosso.jp/sphp-bakadanshi/01.html)ができるようになったので当コラムで紹介しようと思っていた矢先のご結婚ですよ! 

 で、この『バカ男子』がどういう本なのかというとズバリ、清野先生の子ども時代、学生時代に体験したエピソードをエッセイ&マンガで描いたもので、普段の清野先生の作品よりも文章が多めなのですが、『東京都北区赤羽』や『ゴハンスキー』(扶桑社)などのマンガ作品とほとんど同じ感覚で読み進めることができます。

 そこに描かれているのは、清野先生の今と変わらない幼少期からのすがすがしいクズっぷり(褒めてます)と、これ商業誌に登場させちゃダメなやつじゃないの? と思わせる数々のアブない人たちです。清野先生は、子どもの頃からこんなヤバい体験をしてきた影響で、あんな作風になっちゃたんだな……と思わざるを得ません。

一瞬で友情を無にする、クズっぷり!

 子どもの頃の清野先生のクズっぷりを堪能できるエピソードが、小学校1年生の頃の吉川くんとのエピソードです。下校時に腹を下して大ピンチの吉川くん。吉川くんと一緒に下校していた清野少年は、「一緒に野グソしない?」と心優しい提案をします。一人で野グソは恥ずかしいけど、友達とならアリかも……男子だったら、たいていそう考えますよね! すっかり安心した吉川くんは清野少年と一緒に団地の茂みで脱糞を開始。しかし、そこで……

「オレはウンチしないよ-ん!!!」

 清野少年の突然の裏切り! しかも、吉川くんの尻からアレが出てしまっていて、もはや後戻りできないのを見計らった絶妙のタイミング! なんという……クソガキ野郎(野グソだけに)!!

「吉川くんてば野グソしてるぅー!!!」

 脱糞する吉川くんを指さして爆笑する清野少年。そして、そのまま置き去りにして帰るという……。一瞬にして今までの友情を無にしてしまう清野少年のクズっぷりには、ある種の感動すら覚えてしまいます(一応褒めてます)。

 いきなりお下品なエピソードで始まってしまったので、次はもっと清涼感あふれる谷口くんとのエピソードをご紹介しましょう。

 小学2年生のある日、清野少年が谷口くんと駄菓子屋にいった時、谷口くんがポケットから1万円札を取り出し「何でも好きな物買ってあげるよ」と言いだし始めました。小学2年生が駄菓子屋で1万円を取り出す……明らかに不自然な出来事ですよね。

 清野少年は、その1万円が親の財布から盗ってきた金であることを薄々感づいていましたが、それにはあえて触れずに谷口くんの提案に乗っかることに。さすが、吉野くんを陥れたワルだけのことはあります。初めは店中のものがなんでも買える豪遊っぷりにご満悦だったバカ男子コンビでしたが……しかし、ここに大きな落とし穴がありました。

 当時、単価10~30円ぐらいの商品がメインだった駄菓子屋で、子どもが1万円を使い切るなんてことは不可能に近いですよね。1,000円でもけっこう大変です。駄菓子を買っても買っても減らないお金に、次第に焦りが見え始めます。

 使い切れない1,000円札を押し付け合う2人。せっかくのお金が足手まといになってしまうとは……マジでなんも考えてないバカ男子。そして、収拾がつかずについに末期的状況へ。

 なんと、使い切れなかったお金 を泣き叫びながら川に投げ捨てるという、とんでもなく罰当たりな光景! 間違いない、こいつらホントに神レベルのバカ男子だ!!

 ここまでのエピソードで、幼少期の清野先生が超のつくぐらいのバカ男子だったことはおわかりいただけたと思いますが、『北区赤羽』でもおなじみの怪しげな人たちを引き寄せる謎のカリスマ性も、幼少期の頃からあったようです。なんというか、変質者エピソード多すぎです。

 近所の神社で、雨ニモマケズ、風ニモマケズ、雪にも……という感じで、どんな時でも全裸で股間をシコシコしては謎の液体を放出する「射精おじさん」。今だったら間違いなく即通報される事案なわけですけど、幼少期の清野先生はこれを、チンチンから白い変な液を出すオモロイおっさんだと思って、ずっと見学していたそうです。あまりにピュアすぎる……。しかもこのおっさんを弟にまで紹介したりして、お母さんをドン引きさせたりします。知らなかったこととはいえ、ちょっと危ない橋渡りすぎですよね。

 もう一人の変質者エピソードは「ケツおじさん」。曲がり角でちょっとだけ見えるブリーフ。「アレ…ケツじゃねえ!?」と、道路で遊んでいた清野少年たちが興味を引かれて見に行ったところ、そこにいたのは、白いブリーフに黒革靴とアタッシュケースだけという非常にハイクオリティな変態のおっさんだったのでした。

「あっれぇ?バレちゃったぁ?」じゃねーよ!!

 最終的には子どもたちと完全に打ち解けて公園で一緒に遊んでいるブリーフ変態おじさん。この光景だけ見ていたら、子ども好きのいいおじさんなのに、いかんせんブリーフに革靴だけという姿なので完全アウトですね。

 おじさんばっかり変態扱いで不公平だ!と思った方、ご安心ください。ちゃんとほかのタイプの変質者もいます。わりと珍しいカップルの変態です。

 わざわざ小学校の生徒たちから丸見えの空き地でラブラブのグチョグチョなシーンを小学生たちに見せつける変態カップル。単なるキスシーンでも小学生にしてみたらめちゃくちゃ刺激的ですよね。そりゃあ、おっぱいコールも出るってもんです。

 見てください、この清野少年と仲間たちの変態カップルを見るキラキラした目を。これはアレです、絶対大人になってからの性的嗜好に影響を与えるやつですよ!!

 それぞれの変態さんたちがどうなったかの顛末は、ぜひ作品本編をご覧ください。この後に中学・高校生編、大学生編と続いていきます。どちらかというと、本稿ではギリギリマイルドなシーンばかりご紹介してますが、それ以外にもドン引きするようなヤバいエピソードが次々登場しますよ。

 こういった刺激に満ちた少年時代を過ごして感性が磨かれた清野先生だからこそ、誰もがうらやむ女性を射止めることができたのに違いないのです。そんな清野先生の秘密を知りたい方はぜひ、この『スーパーハイパー!増補 バカ男子』を手に取って読んでみてください!

●『スーパーハイパー!増補 バカ男子』
http://matogrosso.jp/sphp-bakadanshi/01.html

『岡崎に捧ぐ』著者の戦慄する日常エッセイマンガ『きょうも厄日です』

「厄日じゃねーか!」と思えるような悲惨な体験も、マンガのネタにできると思えばオイシイ――もしかしたらエッセイマンガをなりわいとする人々は、そういうポジティブな発想で日々を過ごしているのかもしれません。今回ご紹介する山本さほ先生の『きょうも厄日です』というエッセイマンガは、まさしくそんなメンタリティを感じさせてくれる作品です。

 山本先生といえば、代表作に幼なじみの岡崎さんをネタにしまくったエッセイマンガ『岡崎に捧ぐ』がありますが、個人的に印象的なのは、静岡の超人気ハンバーグチェーン「さわやか」を熱く紹介した作品と、Twitterで話題になった世田谷区役所と仕事をした時の揉め事を描いた作品です。独特の画力(えぢから)があって、一度読んだら忘れられなくなるようなインパクトがあります。

 というわけで、『きょうも厄日です』の中から個人的に大好きな、珠玉のクレイジーエピソードをご紹介しましょう。

バイト先で遭遇した「ドラゴンボールぽろりん」おじさん

『ドラゴンボール』といえば知らない人はいないと思いますが、ここに描かれている『ドラゴンボール』は僕の知らない『ドラゴンボール』でした。リサイクルショップでバイトをしていた山本先生が、理不尽なクレームを付けてくるおっさんに絡まれるというエピソードなのですが……。

「なにか出てる…?」

 マンガでは「いらすとや」の素材を使っていい感じに隠されていますが、おっさんが下半身からドラゴンボールを露出していたのでした。つまりクレーマーではなく、変態だったのです! これはかなり恐ろしい体験のはず……なのに、なぜか絵面としてはめちゃ面白い!!

「え…じゃあなんで私、変質者に謝ってんだろ…」

 完全に謝り損ですね。このドラゴンボールは、願いなんかかなえちゃくれませんから!

 変質者出没ということで、とりあえず110番に通報する山本先生ですが……

「えっボールって本体じゃないんですか!?」

「えっどうでしょう? 本体ではないような…」

 ボールが性器本体なのかどうかで、オペレーターの女性と、ちょっとホッコリした感じで終わっているというね……ちょっと! 何ホッコリしてんの!? ちなみに本体はボールじゃなくてスティックのほうだと思うのですが、皆さんはどう思いますか?(どうでもいい)

 友達との会話中に、突然「オゲーッ」「が…がはっ…」と死にそうな状態に陥った山本先生。一緒にいた友達はそりゃビックリしますよね。まあ、スナイパーに狙撃された人は「オゲーッ」って言わないと思うんですけど、そのぐらい容体が急変したってことでしょう。

 なぜそんなことになったかというと、しゃべってる間に、のどちんこにコバエみたいな虫が張り付いたのです。なるほど、これは確率的に、かなりレアなアクシデント!

 ティッシュにゲーしたら、虫の羽根だけが出てきて、さらにオゲーッてなるというオチでした。ただ、それだけのお話。この日常ネタ感……でも、なぜかすごくインパクトありますよね。日常エッセイなのにこの疾走感、尋常じゃありません。

 そのほかのエピソードも、日常に潜む狂気が満載です。たとえば、エステの無料体験に行ったら契約するまで監禁状態になり、解放してもらえなかったのですが、100万円コースのところ、どんどん値下げされていって最終的に5万円になったという話とか……。

 今夏、いろんな意味で話題になった、東京●ピオカランドに実際に行ってみたら、本当にアレだった話とか……。

 山本先生のTwitterフォロワーの一人に、誰にも教えていないはずの山本先生のプライベートな情報が筒抜けで、毎回リプライでその内容が送られてくるというエピソードとか……なにこれ、ホラーすぎるでしょ!

 というわけで、一見ホッコリ系日常エッセイのようで、とってもスリリングな山本さほ先生の人生を描く『きょうも厄日です』を紹介いたしました。皆さんも、役に立たないドラゴンボールはちゃんとしまっておきましょうね。通報されますよ!

●『きょうも厄日です』
https://bunshun.jp/category/sahoo

 

『岡崎に捧ぐ』著者の戦慄する日常エッセイマンガ『きょうも厄日です』

「厄日じゃねーか!」と思えるような悲惨な体験も、マンガのネタにできると思えばオイシイ――もしかしたらエッセイマンガをなりわいとする人々は、そういうポジティブな発想で日々を過ごしているのかもしれません。今回ご紹介する山本さほ先生の『きょうも厄日です』というエッセイマンガは、まさしくそんなメンタリティを感じさせてくれる作品です。

 山本先生といえば、代表作に幼なじみの岡崎さんをネタにしまくったエッセイマンガ『岡崎に捧ぐ』がありますが、個人的に印象的なのは、静岡の超人気ハンバーグチェーン「さわやか」を熱く紹介した作品と、Twitterで話題になった世田谷区役所と仕事をした時の揉め事を描いた作品です。独特の画力(えぢから)があって、一度読んだら忘れられなくなるようなインパクトがあります。

 というわけで、『きょうも厄日です』の中から個人的に大好きな、珠玉のクレイジーエピソードをご紹介しましょう。

バイト先で遭遇した「ドラゴンボールぽろりん」おじさん

『ドラゴンボール』といえば知らない人はいないと思いますが、ここに描かれている『ドラゴンボール』は僕の知らない『ドラゴンボール』でした。リサイクルショップでバイトをしていた山本先生が、理不尽なクレームを付けてくるおっさんに絡まれるというエピソードなのですが……。

「なにか出てる…?」

 マンガでは「いらすとや」の素材を使っていい感じに隠されていますが、おっさんが下半身からドラゴンボールを露出していたのでした。つまりクレーマーではなく、変態だったのです! これはかなり恐ろしい体験のはず……なのに、なぜか絵面としてはめちゃ面白い!!

「え…じゃあなんで私、変質者に謝ってんだろ…」

 完全に謝り損ですね。このドラゴンボールは、願いなんかかなえちゃくれませんから!

 変質者出没ということで、とりあえず110番に通報する山本先生ですが……

「えっボールって本体じゃないんですか!?」

「えっどうでしょう? 本体ではないような…」

 ボールが性器本体なのかどうかで、オペレーターの女性と、ちょっとホッコリした感じで終わっているというね……ちょっと! 何ホッコリしてんの!? ちなみに本体はボールじゃなくてスティックのほうだと思うのですが、皆さんはどう思いますか?(どうでもいい)

 友達との会話中に、突然「オゲーッ」「が…がはっ…」と死にそうな状態に陥った山本先生。一緒にいた友達はそりゃビックリしますよね。まあ、スナイパーに狙撃された人は「オゲーッ」って言わないと思うんですけど、そのぐらい容体が急変したってことでしょう。

 なぜそんなことになったかというと、しゃべってる間に、のどちんこにコバエみたいな虫が張り付いたのです。なるほど、これは確率的に、かなりレアなアクシデント!

 ティッシュにゲーしたら、虫の羽根だけが出てきて、さらにオゲーッてなるというオチでした。ただ、それだけのお話。この日常ネタ感……でも、なぜかすごくインパクトありますよね。日常エッセイなのにこの疾走感、尋常じゃありません。

 そのほかのエピソードも、日常に潜む狂気が満載です。たとえば、エステの無料体験に行ったら契約するまで監禁状態になり、解放してもらえなかったのですが、100万円コースのところ、どんどん値下げされていって最終的に5万円になったという話とか……。

 今夏、いろんな意味で話題になった、東京●ピオカランドに実際に行ってみたら、本当にアレだった話とか……。

 山本先生のTwitterフォロワーの一人に、誰にも教えていないはずの山本先生のプライベートな情報が筒抜けで、毎回リプライでその内容が送られてくるというエピソードとか……なにこれ、ホラーすぎるでしょ!

 というわけで、一見ホッコリ系日常エッセイのようで、とってもスリリングな山本さほ先生の人生を描く『きょうも厄日です』を紹介いたしました。皆さんも、役に立たないドラゴンボールはちゃんとしまっておきましょうね。通報されますよ!

●『きょうも厄日です』
https://bunshun.jp/category/sahoo

 

一風変わった毒親マンガ『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』

「毒親」という言葉をご存じですか? 過干渉や暴言・暴力などで、子どもを思い通りに支配したり、逆に子どもの世話を一切せず放置したりする親のことを指す言葉です。マンガの世界でも近年「毒親エッセイマンガ」が増えてきました。『母がしんどい』(田房永子/KADOKAWA、中経出版)、『酔うと化け物になる父がつらい』(菊池真理子/秋田書店)、『無敵の毒親~私は母のサンドバッグ~』(たもん、はるな/WコミックスZR)、『お母さん、あなたを殺してもいいですか?』(作画 秋本尚美、シナリオ 新田哲嗣/ジャンプルーキー)などなど、衝撃的なタイトルが並びますが、読んでみるとタイトル以上に衝撃的な内容だったりするので油断なりません。

 化け物だったり、サンドバッグにされたりと毒親のタイプにもいろいろあるようですが、今回ご紹介するのは、その中でもとりわけ特殊なタイプの毒親マンガ『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』(ヤングマガジンコミックス)です。もうこの遠回しなマンガタイトルを聞いただけでも、なんのことを言ってるのかピンとくる人がいるかもしれません。

 本作は、いしいさやさんが某宗教の二世信者として母親や周りの信者から四六時中監視され、厳しい戒律のために友達や恋人も作れず、娯楽も与えられず……というつらすぎる経験をつづったものです。当初はTwitterで公開されていたもので、3万5,000リツイートされるほど話題になった後、「月刊ヤングマガジン the 3rd」(講談社)で連載されることになったのです。

 個人でどんな神様を信じるのも自由ですが、子どもが巻き込まれる場合は時として不幸が起こります。しかも、普通に学校生活を送れないレベルの厳しいルールがあるのですから、周りとトラブルになることは必至です。

かわいいお洋服はダサビッチ

 同級生の女の子の家にお呼ばれした主人公のさやちゃん。「ちゃお」は読んだことない、「コーラ」も飲んだことがない……カルチャーショックだらけなわけですが、いつも地味な格好をしているさやちゃんを心配して、かわいい服をくれるお友達。めちゃくちゃ親切ですね。こういう友達は大事にしておきたい。

 うれしくて思わず家でフィッティングするさやちゃん。しかし、それを見たお母さんのリアクションは……

「お前はダサビッチだ!」と言わんばかりのさげすんだ目。

「…うわ」
「きっもちわる…」
「そんなサタンの服早く脱ぎなさい」

 お母さん、かなりバッサリいきます。なにしろ「小悪魔」じゃなくて「サタン」の服ですから、ガチのディスりです。結局、洋服は速攻でゴミ箱行き。お母さんの前では、おしゃれな服を着る、同級生と遊びに行く、誕生日を祝う、もちろん異性とデートをしたり彼氏を作ったりすることなども全部NGなのです。なかなかしんどい青春期ですね。

 さやちゃんの家庭はお母さんのポリシーなのか、かなり勉強熱心です。それこそ、毎日のようにお母さんとマンツーマンでお勉強です。

……まあ、お勉強の内容が、ほかの小学生とはぜんぜん違うんですけども!

気まずすぎる勧誘タイム

 タイトルにもある通り、宗教勧誘に熱心なお母さんなので、子ども連れで「奉仕」と呼ばれるご近所訪問をしたりします。自分も経験がありますけど、子ども連れが来ると、つい“話ぐらいは聞いてあげたほうがいいのかな”って思っちゃうんですよね。ただ……

 同級生の家に行ったりするのは、子どもにとってだいぶ罰ゲームですよね。翌日、学校で何言われるのか、わかったもんじゃないです。お母さん、そこは空気読んであげようよ。って、読めないから、毒親なのか……。

 さやちゃんのご家庭はだいぶ進んでいて、幼稚園の頃にはすでにサンタさんが存在しないという、子どもにとって夢も希望もない現実を知らされます。

 たいていの子どもは小学校低学年くらいまではサンタの存在を信じてるでしょうから、友達と話がかみ合わないですよね。ちなみに小4のウチの娘は、いまだにサンタの存在を信じています。ただ、サンタにパソコンやらiPadやらをプレゼントしてもらいたいなどと、親の経済状況を考えずにむちゃな要求を言いだし始めてるので、早急に真実を教える必要性に駆られています。

 運動会も、応援合戦みたいな争うやつはNG、そして国歌はもちろん校歌の斉唱すらNGなのだそうで、これはどうやってもクラスで浮かざるを得ません。校歌なんて口パクで歌ったふりだけしてればいいと思うんですが、それもダメみたいです……。

「赤ちゃんはどうやってできるのか」には、どう答える?

 子どもに真実を伝える時のタブーといえば、サンタの次に来るのがなんといっても、アレ。「赤ちゃんはどうやってできるのか?」ですね。一番有名どころは「コウノトリが運んでくる」っていうやつで、コウノトリに対する軽い風評被害だと思うんですけど、さやちゃんちの某宗教では、ちゃんと対策済みでした。

「お父さんは陰茎をお母さんの産道にやさしくすべり込ませます」

 陰茎ってあたりは生々しいですが、なかなかナイスな説明なんじゃないでしょうか? 「キスしたらできた」「キャベツ畑で生まれた」みたいなあからさまなウソより、いいと思います。

 このマンガで一番衝撃的なのが、子どもに対するムチ打ちシーンです。もちろん、お母さんが元女王様だとか、そういうことではありません。

「奉仕に行きたくないな-」ってポツリと本音を言っただけで、この仕打ち 。ソフトSM的なやつじゃなく、ガチのムチです。このお仕置きは、たとえ幼児だったとしても容赦しません。しかもお母さんたちが「どのムチが一番効果があるか」を話題に盛り上がっているのが衝撃的。

「でもぜーんぶ、この子たちのためだもんね」

 これぞまさしく愛のムチ! ……と本人たちは思い込んでいるようです。

もし輸血が必要になったら……

 近所のご家庭に宗教勧誘……と同じぐらい有名なのが「輸血禁止」のエピソードです。輸血するくらいなら死を選ぶ信者もいるぐらい厳しい戒律なのですが、作中ではお母さんが倒れて輸血が必要になり、緊迫するシーンが出てきます。こんな時、家族はどうすればいいんでしょうね。トマトジュースってわけにもいかないし……。

 そのほかのエピソードとしては、あまりの娯楽のなさに、いけないこととは知りつつもマスターベーションにハマってしまうシーンもあったりして、そこまで赤裸々に描くか! ってところまで踏み込んでます。でも、これが二世信者の現実なんでしょう。

 後半では、お母さんと決別し、自由を手に入れるさやちゃんですが、それでも過去のトラウマで精神が不安定になったり、まさしく十字架を背負っていく状態のようです。

 というわけで、新興宗教のタブーに触れた毒親マンガ『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』をご紹介しました。ヤングマガジン公式サイトとコミックDAYSで試し読みができます。一風変わった毒親マンガに興味を持った方は、ぜひご一読ください。

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

●コミックDAYS
https://comic-days.com/episode/10834108156629547376

●ヤングマガジン
https://yanmaga.jp/c/yokushukyo/

これが令和の凄腕スナイパー!? 「ゆるふわ系殺し屋マンガ」2選

『ゴルゴ13』『シティーハンター』『クライング フリーマン』『殺し屋1(イチ)』『ザ・ファブル』などなど……昭和、平成時代に生まれた殺し屋マンガは数多くあります。とりわけ『シティーハンター』はシリアス一辺倒だけでなく、コミカルな要素も取り込み、殺し屋マンガ業界に新しい風を吹き込みました。

 時代とともに新しい要素を加え、進化してきた殺し屋マンガですが、令和時代の殺し屋マンガのトレンドは、ちょっと今までと雰囲気が違います。キーワードはズバリ「ゆるふわ」。どこかユルくてフワッとした雰囲気の女子が、次々とターゲットをスナイプしていく、これが新時代の殺し屋マンガのトレンド。今回は、そんな「ゆるふわ系殺し屋マンガ」2作品をご紹介します。

『幸せカナコの殺し屋生活』

 キャッチフレーズは「読むと元気になる殺し屋マンガ」。コンセプトからして、殺し屋マンガらしからぬ斬新さを感じます。主人公は、ブラック企業を満身創痍で退職したOL西野カナコ。うっかり転職した先が、なんと「殺し屋」でした。うっかりしすぎていて震えます。

……普通にリクルートしてるんかい! という感じですが、葛藤する中、カナコに与えられた初仕事は、なんと自分を退職に追い込んだセクハラDVな元上司。マンガらしいすごい偶然ですね! しかし、いくら嫌なヤツとはいえ、殺すというのはさすがにやりすぎ、ましてやカナコは初心者です。殺せるはずなんかありま……

「あーーー!! 指が勝手にーーー☆」

 一発必中! でした。

 というわけで、さえないOLだったカナコは、殺し屋になって天性の才能を開花させたのでした。

 殺しの才能だけでなく、気配を消す能力も天才的。ベテランの殺し屋が背後に回られたのに気がつかないほど。OL時代に培った空気と同化するというスキルが、まさかこんなところで役立つなんて!

 銃を使えない難しいシチュエーションでも、ゆるふわ感覚で殺っちゃいます。なんか私情100%で殺しをやっているようにも見えますが、ちゃんと依頼されたターゲットです、たぶん……。

「さあ!! 今日も元気に、お仕事お仕事!!」

 このユルさ……殺し屋のイメージが180度変わりますね。

 次にご紹介する『咲宮センパイの弓日』の主人公は女子高生。しかも、弓道部のエースで後輩たちの憧れの存在です。

 咲宮先輩は弓を射る時こそキリッとしてますが、通常時はめちゃくちゃドジっ子、ゆるめの天然キャラです。なにせ、自動改札もマトモに通ることができません。

 電車の中で、思いっきりでかい声で「実は私、殺し屋のバイトをしているの」って言っちゃうあたりも、なんか抜けてます。ただし、あまりに大胆すぎて、誰も信じてくれないので結果オーライです。まあ、普通は自分から殺し屋だって言いませんからね。

 また、弓道少女らしく古風な一面も持っています。ただ……ちょっと「古風」の方向性が間違ってます。

 スマホでGoogleマップが見られる時代に、地図を書状にしたためていたり、スケジュール帳が巻物だったり。すごく……古風ですね。

 また、後輩と深夜バスでの旅行中。やはり普通の女子なら暇を持て余してスマホでゲームなんかをやりそうな状況ですが……。

 一人で紙相撲をやっています。古風というか、ただの変人?

 こんな感じの咲宮先輩ですが、いざ仕事モードになると凄腕を発揮します。

 殺しでも弓道スタイルを貫き、特殊な弓矢でターゲットを一撃必殺。どんな遠距離でも、悪条件でも絶対に外さない、凄腕の殺し屋なのです。

「お命ちょうだいいたしました」

 仕事を終えた後の咲宮先輩の決めゼリフがこれです。時代劇かっ!

***

 この2作のほかにも、デリヘル感覚で凄腕の殺し屋が派遣されてくる『バイオレンスアクション』などもありますが、とにかくこれからの殺し屋は「ゆるふわ」がトレンドなんです。「ゆるふわ」女子を見たら殺し屋と思え――そう心がけて令和時代を生き抜いていきましょう。

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

●『幸せカナコの殺し屋生活』
https://sai-zen-sen.jp/comics/twi4/kanako/0001.html

●『咲宮センパイの弓日』
https://yawaspi.com/sakimiyasenpai/

なぜ転生させた!? 三国志武将が女子高生に転生するマンガ『劉備徳子は静かに暮らしたい』

 近年、異世界転生マンガの台頭が目覚ましいですね。異世界転生マンガブームは「小説家になろう」などの小説投稿サイトがきっかけといわれていますが、個人的な印象では『転生したらスライムだった件』がヒットしたあたりから、その傾向が加速しだしたんじゃないかなと思っています。

 昔から主人公が異世界に転生するマンガ設定は珍しくなかったものの、最近は出オチ狙い、ギャップ狙いの転生マンガも多くなってきています。以前紹介した『どるから』(参照記事1)なんか、K-1プロデューサーのおっさんを女子高生に転生させるマンガですから、必然性など皆無。「ビジネス転生マンガ」の極致ともいえますが、無理やり設定な転生マンガ、大好物です!!

 というわけで今回ご紹介するオススメ転生マンガは、『劉備徳子は静かに暮らしたい』(https://www.hakusensha.co.jp/ryubi/)。なんと三国志でおなじみの有名武将、劉備・曹操・孫権がとってもかわいらしい女子高生に転生してしまうという、三国志を深く知っていれば知っているほど、そのギャップに悶絶してしまう作品となっています。

 三国志(三国志演義)を詳しくない方向けに超ざっくりとご説明しておきますと、今から1800年前くらいの乱れまくりの中国で、劉備・曹操・孫権の三武将がそれぞれ「蜀」「魏」「呉」という3つの国を統治したというお話。一番人気の武将、劉備には関羽・張飛という水戸黄門でいう助さん格さんみたいな取り巻きと、孔明というスーパー天才軍師がいましたとさ……って、これだけだとあんまりなんで、もう少し詳しく知りたい方は、以前当コラムで書いた「サクッとわかる『三国志』入門講座」(参照記事2)も読んでみてくださいね。

「三国志」の基本が頭に入ったところで、本作の主人公で、かつて蜀を統治した劉備玄徳の転生後の姿をご覧いただきましょう。

 まあかわいらしい!

 このゴミ出しをしている女子が、劉備玄徳あらため劉備徳子です。

 ちなみに劉備の両腕として活躍する関羽と張飛も、ちゃんと劉備と同じ高校に転生して劉備をサポートします。このあたりの設定は、まさに三国志と同じです。

 ただし、だいぶスッキリしたイケメンになってますが……。たいていの高校ではひげヅラは禁止なので、仕方ありませんね。

 三国志演義の有名なシーンといえば「桃園の誓い」。劉備と関羽と張飛が義兄弟の契りを交わし、「俺たち死ぬときも3人一緒だぜ!」と誓う感動的なシーンですが、転生したって義兄弟であることは変わりません。同じシーンが、ちゃんとありました。

 そう、これが有名な「園芸同好会結成」のシーンです。って、こっちは別に有名じゃないか。

 ちなみに劉備徳子はやはり元武将だけあって、ところどころ言葉遣いがおっさんくさいです。

 ところで、ライバルの曹操、孫権たちはどうしてるんでしょうか?

 こちらが転生後の曹操こと、曹司操(そうじ・みさお)。偶然にも劉備徳子の同級生で、三国高校の生徒会長を務める才女です。生徒会長やってるなんて、さすが三国の覇者ですね。まあ、だいぶスケールは小さくなりましたけど……。そして、ちゃんと側近には、隻眼の武将・夏侯惇こと夏侯惇(かこう・あつし)がついています。眼帯は、ものもらいによるものらしいです。とにかく、美少女君主とイケメン側近のセットが、このマンガのお約束なのです。

 孫権もちゃんと美少女ですので、ご安心ください! 転生後の名前は孫市権(まごいち・はかり)です。名前にだいぶ無理がある!!

 こんな感じで、三国の群雄たちが学園内でバッチバチに戦うマンガです。バチバチッと何を戦うかといいますと、部活動の予算で揉めたり、運動会の騎馬戦で揉めたり、学園祭の出し物で揉めたりと、まさに乱世を象徴するようなストーリーとなっています(すいません、乱世はさすがに言いすぎでした……)。

 夏祭りの射的の景品「荊州ウエハース」を奪い合うといった一幕もありました。歴史上では数万、数十万人が犠牲になったわけですが、ウエハースだったら奪い合っても殺伐としないのでいいですよね。

 あと、美男美女がそろった学園モノということで、当然ながらラブコメ的展開が期待されるわけですが、設定が設定なので……

「彼女ではありません! 兄者です…!」

 デート中に女子のことを「兄者」っていうラブコメって、あんまり見たことないですよね。

 三国志中の重要人物「諸葛亮孔明」も、転生後は諸葛亮(もろくず・りょう)という名前で出てきますよ! 「孔明の罠」と呼ばれる、火あぶり、水攻めなんでもありの計略で敵国の武将たちを震え上がらせた孔明ですが……

 転生後は、敵国の武将をラブラブカップルにして骨抜きにしてしまうという恐るべき「恋の計略」を使いこなします。軍師というか、キューピッド的存在です。

 そんなわけで、いまだかつてないスケール(ダウン)の異世界転生マンガ『劉備徳子は静かに暮らしたい』をご紹介しました。気になる方は、白泉社のWEBサイト(https://www.hakusensha.co.jp/ryubi/)か「マンガPark」アプリ(https://manga-park.com/title/6239)で試し読みできますよ!

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

なぜ転生させた!? 三国志武将が女子高生に転生するマンガ『劉備徳子は静かに暮らしたい』

 近年、異世界転生マンガの台頭が目覚ましいですね。異世界転生マンガブームは「小説家になろう」などの小説投稿サイトがきっかけといわれていますが、個人的な印象では『転生したらスライムだった件』がヒットしたあたりから、その傾向が加速しだしたんじゃないかなと思っています。

 昔から主人公が異世界に転生するマンガ設定は珍しくなかったものの、最近は出オチ狙い、ギャップ狙いの転生マンガも多くなってきています。以前紹介した『どるから』(参照記事1)なんか、K-1プロデューサーのおっさんを女子高生に転生させるマンガですから、必然性など皆無。「ビジネス転生マンガ」の極致ともいえますが、無理やり設定な転生マンガ、大好物です!!

 というわけで今回ご紹介するオススメ転生マンガは、『劉備徳子は静かに暮らしたい』(https://www.hakusensha.co.jp/ryubi/)。なんと三国志でおなじみの有名武将、劉備・曹操・孫権がとってもかわいらしい女子高生に転生してしまうという、三国志を深く知っていれば知っているほど、そのギャップに悶絶してしまう作品となっています。

 三国志(三国志演義)を詳しくない方向けに超ざっくりとご説明しておきますと、今から1800年前くらいの乱れまくりの中国で、劉備・曹操・孫権の三武将がそれぞれ「蜀」「魏」「呉」という3つの国を統治したというお話。一番人気の武将、劉備には関羽・張飛という水戸黄門でいう助さん格さんみたいな取り巻きと、孔明というスーパー天才軍師がいましたとさ……って、これだけだとあんまりなんで、もう少し詳しく知りたい方は、以前当コラムで書いた「サクッとわかる『三国志』入門講座」(参照記事2)も読んでみてくださいね。

「三国志」の基本が頭に入ったところで、本作の主人公で、かつて蜀を統治した劉備玄徳の転生後の姿をご覧いただきましょう。

 まあかわいらしい!

 このゴミ出しをしている女子が、劉備玄徳あらため劉備徳子です。

 ちなみに劉備の両腕として活躍する関羽と張飛も、ちゃんと劉備と同じ高校に転生して劉備をサポートします。このあたりの設定は、まさに三国志と同じです。

 ただし、だいぶスッキリしたイケメンになってますが……。たいていの高校ではひげヅラは禁止なので、仕方ありませんね。

 三国志演義の有名なシーンといえば「桃園の誓い」。劉備と関羽と張飛が義兄弟の契りを交わし、「俺たち死ぬときも3人一緒だぜ!」と誓う感動的なシーンですが、転生したって義兄弟であることは変わりません。同じシーンが、ちゃんとありました。

 そう、これが有名な「園芸同好会結成」のシーンです。って、こっちは別に有名じゃないか。

 ちなみに劉備徳子はやはり元武将だけあって、ところどころ言葉遣いがおっさんくさいです。

 ところで、ライバルの曹操、孫権たちはどうしてるんでしょうか?

 こちらが転生後の曹操こと、曹司操(そうじ・みさお)。偶然にも劉備徳子の同級生で、三国高校の生徒会長を務める才女です。生徒会長やってるなんて、さすが三国の覇者ですね。まあ、だいぶスケールは小さくなりましたけど……。そして、ちゃんと側近には、隻眼の武将・夏侯惇こと夏侯惇(かこう・あつし)がついています。眼帯は、ものもらいによるものらしいです。とにかく、美少女君主とイケメン側近のセットが、このマンガのお約束なのです。

 孫権もちゃんと美少女ですので、ご安心ください! 転生後の名前は孫市権(まごいち・はかり)です。名前にだいぶ無理がある!!

 こんな感じで、三国の群雄たちが学園内でバッチバチに戦うマンガです。バチバチッと何を戦うかといいますと、部活動の予算で揉めたり、運動会の騎馬戦で揉めたり、学園祭の出し物で揉めたりと、まさに乱世を象徴するようなストーリーとなっています(すいません、乱世はさすがに言いすぎでした……)。

 夏祭りの射的の景品「荊州ウエハース」を奪い合うといった一幕もありました。歴史上では数万、数十万人が犠牲になったわけですが、ウエハースだったら奪い合っても殺伐としないのでいいですよね。

 あと、美男美女がそろった学園モノということで、当然ながらラブコメ的展開が期待されるわけですが、設定が設定なので……

「彼女ではありません! 兄者です…!」

 デート中に女子のことを「兄者」っていうラブコメって、あんまり見たことないですよね。

 三国志中の重要人物「諸葛亮孔明」も、転生後は諸葛亮(もろくず・りょう)という名前で出てきますよ! 「孔明の罠」と呼ばれる、火あぶり、水攻めなんでもありの計略で敵国の武将たちを震え上がらせた孔明ですが……

 転生後は、敵国の武将をラブラブカップルにして骨抜きにしてしまうという恐るべき「恋の計略」を使いこなします。軍師というか、キューピッド的存在です。

 そんなわけで、いまだかつてないスケール(ダウン)の異世界転生マンガ『劉備徳子は静かに暮らしたい』をご紹介しました。気になる方は、白泉社のWEBサイト(https://www.hakusensha.co.jp/ryubi/)か「マンガPark」アプリ(https://manga-park.com/title/6239)で試し読みできますよ!

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

『ダンベル何キロ持てる?』の真逆を行くダイエットマンガ『超時空減量ブタ&ゴリラ』

 「デブじゃない、ぽっちゃりなだけ」

 僕たち私たちは、今までそうやって自分を励ましながら、そして真実から目をそらしながら人生を過ごしてきた。だけれどある日、その閾値を超えてしまうことがある。それは、親しい友人に「お前はデブだ」とはっきり指摘された時だったり、鏡に映った自分が想像を超えた巨大なシルエットだった時……。そして、その瞬間は予告もなく突然やってくる。「デブの自覚」「絶望」……。

 今回ご紹介するマンガは、そんな絶望からの脱却を試みる子羊たちにうってつけのダイエットマンガ『超時空減量ブタ&ゴリラ』です。現在講談社のアプリ「マガポケ」で絶賛連載中のなのですが、タイトルがいきなりトチ狂ってますよね!

 今夏、『ダンベル何キロ持てる?』という筋トレマンガがアニメ化され話題となりましたが、この作品の影響で、アニメファンのジム入会者が殺到しているのだとか。それ以前にもダイエットや筋トレをテーマにしたマンガはいくつもあったのですが、なぜ『ダンベル何キロ持てる?』だけが爆発的に人気になったのか? それは女子高生たちが惜しみなく繰り出すエロ……もとい、お色気にあるといえるでしょう。「エクササイズ」×「お色気」……そこに今までにないニッチ市場があったのです。

『超時空減量ブタ&ゴリラ』は、どうしてもジャンル的に『ダンベル何キロ持てる?』のフォロワーであるかのようなイメージを持たれがちですが、方向性が明確に違います。

 

タイトルが時空を超えちゃってるのももちろんなのですが、なんといっても、お色気指数がゼロ! なんならマイナスといってもいいかもしれないレベル。そして何よりも、紹介されているトレーニング法がことごとくローコスト! ほとんど自宅で完結できてしまう、お財布に優しいマンガなのです。ジムに通ってトレーニング器具を使うことが前提の『ダンベル何キロ持てる?』とは、似ているようでぜんっぜん別物といえるでしょう。

「デブブン★」という豪快な擬音とともに登場する本作品のヒロイン・円高ドル美。アイドルグループ「スラリ★」のセンターを務める17歳。もともとは身長157cm・体重50kgでしたが、大好きなドーナツを好きなだけ食べまくり、現在は70kgまで激太りしています。

 円高ドル美って、びっくりするほどヒロインのネーミングが雑ですね!

 こんな感じで動画のコメントでも煽られまくり。まあ、確かにこの体形で「スラリ★」はないわ。そして、ついに見かねたプロダクションの社長がドル美にクビを宣告、しかも次期センター候補として後輩の本願寺光輪(ピカリン)の指名付きという、ドル美にとって絶体絶命の状況です。

 まあ、擬音が「デブブン★」なので誰もが納得の結論ですが……。ドル美は、卒業公演までの2カ月の間に20kg痩せればクビは撤回、という約束をなんとか取り付けます。

 見てください、この熱さがみなぎる決意と色気のなさ。そして、20kg痩せるためにドル美が始めた過酷なダイエット法とは……‼?

 世にも魅力的な激ヤセダイエットグッズ&食品たち!! そう、ドル美の性根は完全に腐っていたのです。その結果はもちろん……全然痩せません。ていうか、「寝るだけでやせる枕」ってなんだよ! 便利すぎるだろ!!

 数々のダイエット法に失敗するドル美、もしかしたら自分は水を飲んだだけで太ってしまう特異体質なのかも……と勝手に絶望し、ビルから飛び降り自殺を図ります。

 そんなドル美を自殺から救ったのが、謎の男「ゴリラ」です。自称・元WBA1位のボディビルダーでダイエットのプロでもあるゴリラが、ドル美の専属トレーナーになるのです。

 このゴリラ、とにかく名ゼリフだらけの男です。挫折しそうなダイエッターたちを奮い立たせる熱きダイエット名言の数々がこのマンガの面白さといえます。

「決意以外はなんにもいらねえ!!!」

 ダイエットのために筋トレしようとしても、面倒臭さが先に立って、無意識にいろんな言い訳をしがちですよね。「運動経験がない」「道具がない」「覚えられない」ナイナイ尽くしですが、ゴリラは「決意以外はなんにもいらねえ!!!」と一喝。そんなこと言われちゃったら、グウの音も出ないです。

「なんでもいいから走り出せ、勝負は走り出す前だ!」

 ダイエットの必須種目、有酸素運動……つまりランニング。これもまたハードルが高いです。面倒くさいの極致。しかし、いざ走り出すとハマってしまう人も結構いますよね。だからこそ、走り出す前の決意こそがすべてなのです。

 ほかにも挫折の温床となりやすいランニングですが、ゴリラが次々と繰り出すあの手この手のダイエット語録で、折れそうなハートに先回りしてきます。

「走りに行くと思うな、遊びに行くと思え」

「走り疲れたら帰りにタクシー使っちまえ」

「三日坊主は脳のバグ」

 その中でもすごいのが……

「ジャージで暮らせ」っていうやつ。

 これぞまさに、思いついたらすぐに運動できる臨戦態勢。「走りに行く服がない」なんて言い訳すらできませんね。ジャージって、そんなにすごい効能があったんだ……。

「ジムは天国じゃねェ!!」

 ジムに行けばモチベーションが上がって運動するのに……なんて言い訳するやつには、このセリフが待っています。そう、人によってはジムに行くのは逆効果。ジムなんか行かなくっても、ダイエットはできるのです。このセリフこそまさに『ダンベル~』に対するゴリラからのアンサーソングといえるでしょう(ソングじゃないけど)。

 ゴリラが提唱するダイエットは、とにかくお金がかからず、自宅でできるものばかり。器具を買う金がないからダイエットができない……も、言い訳にならないのです。

 器具を使うタイプのトレーニングでも、そのへんに転がっている棒を使うだけのやつとか、とにかく徹底してます。

 雨の日は外に走りに行けない……そんな日の有酸素運動は「シャドーボクシング」。自分で「シッ」とか言いながらやるとカッコいいぞ! なんてことまで懇切丁寧にアドバイスされていて逆に恥ずかしい!!

 シャドーボクシングをするときは、アニソンを流すとテンションも上がるし、きっちり3分で終わるのでタイマー代わりにもなるなど、ナイスなアドバイスもついてます。シャドーボクシング、いいじゃないか!!

 運動だけでなく、食事制限の領域もガッツリアドバイスしてくれます。それも身近なコンビニを利用したものがメイン。お手軽すぎる……どこまで等身大なんだ!!

 最終的には「コンビニは調教できる!!」なんてパワーワードまで出てきちゃって。読んでると、ダッシュでコンビニにサラダチキンを買いに行きたくなるレベルです。

 果たしてドル美は20kg痩せられるのか? そして、自分はコンビニを調教できるのか? いろいろと気になってしまう作品です。現在単行本になるかどうか微妙な瀬戸際らしいのですが、お色気を排除したこのストロングスタイルを、ぜひとも応援したい。単行本が無事に出ることを祈ってます!

(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん <http://ablackleaf.com/>)

●『超時空減量ブタ&ゴリラ