誰もわかってない! 元国税局職員が解説「この時期の源泉徴収票って何のためにある!?」

「退職したらどうする??源泉徴収票いる?いらない?」

 元国税局職員さんきゅう倉田です。税金やお金に関する講演会や執筆、メディアへの出演で生計を立てています。

 税金の手続きについて、まったくわからない人はたくさんいます。実際、わからない人だらけなので、上司や先輩、友達に聞いても、結局解決しません。そういう人のために、ぼくは記事を書いています。

 今回は、仕事を辞めたとき、あるいは、転職したときの税金の手続きについて。

 「辞めたら必ずもらおう、源泉徴収票」

 あなたが、会社からどのくらいのお給料をもらい、所得税をどのくらい納めたかを証明してくれるのが「源泉徴収票」です。働いていると、毎年1月にもらいます。

 この源泉徴収票は、毎年もらうけれど、ほとんどの人が何にも使わず、捨てていると思います。保育園や幼稚園に提出する場合もありますが、基本的に、確定申告をしない人は必要ありません。

 退職した場合は、退職後に源泉徴収票がもらえます。退職すると、会社に年末調整をしてもらえないので、確定申告が必要になることがあります。だから、必ず、源泉徴収票をもらいましょう。

 退職時に、「源泉徴収票はいつもらえますか?」と確認することも大切です。放っておくと、くれない会社もあるからです。

 アルバイトだと、無断欠勤をしたまま辞めたり、不義理をはたらいて辞めたりして、源泉徴収票がもらいづらい環境になっていることもあるかもしれません。

 勤務先に連絡するのがはばかられるなら、本部や本社に連絡すると良いでしょう。源泉徴収票がないと、あなたが損をします。

転職した場合ももちろん必要!

 転職した場合は、新しい会社に、前の会社の源泉徴収票を提出します。そうすることで、年末調整を受けることができます。「年末調整」とは、会社が、1年分のお給料から所得税を計算してくれる手続きです。多くの方が、年末調整で、毎年還付を受けています。

 年末調整を受けなくていいから、源泉徴収票を提出しないという選択肢はありません。必ず、前の会社からもらって、新しい会社に提出しましょう。

☆今回のポイント

「転職する場合も、再就職しない場合も、源泉徴収票が必要」

 源泉徴収票は、あなたの収入や所得税、控除について書かれた大切な紙です。勤務先があなたに交付するのは、義務になっています。どんな辞め方をしても必ずもらえます。退職から時間が経っていても、必ずもらうようにしましょう。会社が、すでに潰れてしまった場合など、特別な事情がある場合は、管轄の税務署に相談してください。そういった場合に提出する書類があります。

●さんきゅう倉田
大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。法人税の調査などを行ったのち退職、芸人となる。芸人活動の傍ら、執筆や講演で生計を立てる。好きな言葉『増税』。

忘れがちなマイナンバーカードが五輪以降に劇的進化! 先に知っておきたいお得な新機能とは?

「知ってた? マイナンバーカードのスゴイ新機能!」

 元国税局職員さんきゅう倉田です。

 仕事がないときは、税金やお金の本を一日中読み、タイミングが合えば税金に興味がある人たちと集まって、知られざるお金の話を共有しています。例えば、年収8,000万円の会社員はアメリカの中古不動産を買って、それを賃貸することで源泉所得税を何千万円も還付するそうです。

 さて、10月からキャッシュレス還元事業がはじまりました。キャッシュレス決済でのポイント付与は6月で終わってしまいますが、その後はマイナンバーカードによるポイント付与が始まります。

 マイナンバーカードとキャッシュレス決済を紐付けることで、マイナポイントが貯まるようになります。もちろん、PayPayで決済すればPayPayのポイントが貯まり、クレジットカードで決済すれば、クレジットカードのポイントが貯まります。

 2019年11月現在では、身分証明書として使うくらいが主な使用方法だと思います。でも実は、それ以外にも便利な機能があります。

 例えば、コンビニで戸籍謄本や印鑑証明、住民票を発行することができるんです。マイナンバーカードさえあれば、いちいち役所に出向く必要がありません。また、自治体によっては、図書カードとして使えるところもあります。

 さらに、これからどんどん新しい機能が追加されます。

 2021年3月からは、健康保険証として使用できます。さらに、2021年10月からは、お薬手帳にもなります。もう、病院や薬局にお薬手帳を持参する必要がありません。健康保険証の機能が追加されたマイナンバーカード1枚で良いのです。これに伴って、スマホで服薬履歴や医療費情報をチェックできるようになります。

 2021年分の確定申告、つまり、2022年の2月に行う確定申告では、マイナンバーカードによって医療費が自動表示されます。かさばる医療費の領収証を保存し、集計して、現在は提出が必要な「明細書」を記入する必要がなくなります。医療費の金額を表示するだけでなく、医療費控除が受けられるかどうかも分かるようになるんです。

 それから2022年以降になりますが、教員免許状やハローワークカードの機能も備わります。公的機関が発行するありとあらゆるカードの代わりや証明になるといいですね。

マイナンバーカードの申請もどこでもできるようになる

 

 さらに、まだマイナンバーカードを持っていない方は、どこで申請するのかも分かっていないと思います。今までは、役所に行くか郵送するかスマホで申請していました。

 これでも十分ですが、さらに、ハローワークや税務署、病院、郵便局といった様々な場所で申請ができるようになります。ますます気軽になりますね。

☆今回のポイント

「マイナンバーカードはどんどん便利になる。持っていないと損をする」

 来年7月からのマイナポイントの恩恵は計り知れません。さらに、健康保険証になり、医療費の領収証のデータが保存されるとなると、国民全員にマイナンバーカードを持つメリットがあります。持っていない方は、役所に行くか、スマホを操作して、すぐに申請しましょう。

●さんきゅう倉田
大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。法人税の調査などを行ったのち退職、芸人となる。芸人活動の傍ら、執筆や講演で生計を立てる。好きな言葉『増税』。

キャッシュレス還元の落とし穴 ポイント賦与は税金がかかるかもしれないって知ってた!?

 

「ポイント還元でもらったポイントも、税金がかかるって知ってた!?」

 元国税局職員さんきゅう倉田です。10年前に東京国税局を辞めて、吉本興行で芸人になりました。当時は国家公務員だったので税金からお給料をもらい、現在は税金の記事や講演会でお金をもらっています。今も昔も税金で生活していますね。

 10月から、キャッシュレス還元事業がはじまりました。はじめてのことなので、わけがわからないと思いますが、まあ、“クレジットカードや電子マネーでお金を払うとポイントが貯まったり、値引きされたりする”と思ってください(対応していないお店もたくさんあります!)。
 
 ではどうしてこんなややこしい制度が始まったかというと、「増税で物が売れなくなると困る」とか、「現金で支払うと時間もかかるしお店が現金を管理するコストもかかるし国が貨幣を造るコストもかかる」などの理由があります(細かい理由を挙げたらきりがない!)。
 
 キャッシュレス還元に対応しているお店では、5%か2%の還元があります。キャッシュレスで買い物をしたときの取扱いは、決済方法によって異なります。

 例えばJCBの場合、ポイントを付与して銀行口座からの引き落とし時にポイント分を引き落とし額から引いてくれます。

 これ以外にも、いつでも使えるポイントの付与やその場で値引きをする場合があります。つまり、値引きとポイント付与とその中間が混在しているのです。

 では値引きとポイント、どっちが得なのでしょうか? この問いに対してもし、あなたがどちらも同じだと思っているのなら、数学が苦手かお金について何も考えていないことになります。家電量販店で、ポイント20%還元につられてモノを買ったことがありませんか?

 20%のポイントがもらえるのと、20%の値引きは意味がまったく違います。計算してみましょう。

→ポイントの場合

1万円を支払うと、2000円分のポイントがもらえます。このポイントを使うと、2000円分の物が買えるので、1万2000円分の物を、1万円で買ったことになります。

→値引きの場合

さて、1万円を支払うと、いくら分買えるでしょうか? なんと、1万2500円分買うことができます。1万2500円の20%引きが、1万円になるからです。

 つまり、値引きのほうが得、ということがわかります。

ポイント付与だと、税金がかかる!

 値引きとポイントは税金の面でも違いがあります。値引きは、その商品の値段が変わったのと変わりません。スーパーの野菜は毎日同じ金額ではありませんし、お惣菜がタイムセールになることもあります。セールのときに商品を買ったからと言って、買い物上手とほめられることはあっても、税金はかかりませんよね。こういうのは、一般的な、お店とみなさんの取り引きの範ちゅうです。

 でも、ポイントは、「もらえる」。

 ポイントをもらった人は、ポイントを使って、物と買ったりサービスをうけたりする権利がありますよね。つまり、ポイントがもらえるシステムは、お店との贈与契約なんです。あなたはお店から、ポイントの贈与をうけたのです。(※そのお店や商品、決済の方法、ポイントの内容によって扱いがちがいます)

 では、ポイントをもらったら、どうすればいいのでしょうか? お店からもらったポイントは使用すると、一時所得という所得になり税金がかかります(むずかしければ忘れてください)。

 でも、年間50万円までなら税金がかかりません。まぁポイントをそんなにたくさんもらう人はめったにいないはず(5%還元のお店で、1000万円分の支払い!)。もし、もらったら、もらってから考えてください。

☆今回のポイント
「値引きが得、ポイントは50万円分使ったら税金がかかるかも」

 値引きとポイントを同じだと考えていた人は、まだまだお金の勉強が必要です。正しい知識を身につけて、損をしないようにしましょう。

●さんきゅう倉田
大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。法人税の調査などを行ったのち退職、芸人となる。芸人活動の傍ら、執筆や講演で生計を立てる。好きな言葉『増税』。

フランチャイズと直営店の違いなんてわからない! さらにややこしいキャッシュレス決済の還元の謎

「フランチャイズは2%還元だけど、直営店は0%だって知ってた!?」

 10月に入り、消費税が10%になったのと同時に、キャッシュレス・消費者還元事業も始まりますね。増税から9カ月間、キャッシュレス決済をした客にポイントや値引きがあり、お店はキャッシュレス決済の導入や手数料の補助が受けられる制度です。

 キャッシュレス決済の普及率を現在のおよそ20%から5年で40%にするために、国が予算を組みました。

 つまり、みなさんが、キャッシュレス決済をすると、例えばセブンイレブンのような大企業のフランチャイズなら2%、それ以外の規模の小さいお店(街の八百屋さんや飲食店など)では5%の還元が受けられ、大企業の直営店では還元がありません。

 ここで注意したいのは、その還元方法が、お店によって異なること。ポイントを付与することもあれば、その場で値引きすることもあります。このあたりは、買い物のときに、お店でご確認ください。

キャッシュレス決済で確実に利益を得るには?

 ところで、ここでひとつ疑問がわきあがってきます。それはなぜ大企業が抱える直営店では還元がないのか、ということ。

「君たちは、自社でなんとかできるだろう」ということなのでしょうか?

 また、客は、その店が直営店なのかフランチャイズ(FC)なのか、外観からでは分かりませんよね。だから、個人的には、差が生まれないようなキャンペーンなどを期待しています。

 ここで注目したいこと。

 とりあえずはみなさんが、そのお店でキャッシュレスによる還元を受けられるかどうかは、右のイラストが目印になっています。大手のフランチャイズで、キャッシュレス・消費者還元事業に参加しないお店は、基本的にはないと思いますが、個人商店やあまり大きくない規模のお店の場合は、注意が必要です。

 個人的には少し高い飲食店が、キャッシュレス・消費者還元事業に参加しているかが気になります。数万円の支払いで5%引きになるのであれば、5%引きにならないお店より優先して利用したいと考える人も多いはずです。

 現在、ほとんどの飲食店ではクレジットカードが使えますが、われわれがキャッシュレス決済で還元を受けるためには、お店のほうで事前登録が必要です。この記事を書いている、8月下旬で、登録は全体の2割程度。このままでは、多くの飲食店で還元が受けられません。

 キャッシュレス決済とは現金や商品券を使わない決済で、おもにクレジットカード、電子マネー、QRコード決済があります。

 クレジットカードを知らない人はいないと思います。電子マネーには、日本の学生と社会人のほとんどが所有しているSuicaやPASMOなど交通系ICが代表的なもので、それ以外にもQUICPayやnanacoなどたくさんの種類があります。

 キャッシュレスの中でもQRコード決済は、黎明期です。

 楽天ペイ、LINE Pay、Origami Pay、d払い、PayPayなど次から次へと新しいサービスが提供されています。お店にあるQRコードを読み込むか、あなたの携帯電話に表示されたQRコードをお店に読み取ってもらって、決済します。

 さまざまな比較サイトや使用者の意見を聞くと、抜きん出て素晴らしいサービスはなく、どれも似たりよったりのポイント還元と利便性のようです。今後、それぞれが使用可能店舗を公表すれば、使用できる場所が多いサービスが、大きくリードするかもしれません。

☆今回のポイント
「決済は素早く、現金を用意する必要のないキャッシュレス決済」

 年間数兆円といわれる現金決済のコストがなくなれば、客はより低価格で商品を買うことができます。レジに並ぶ時間が短くなれば、あなたの大切な時間も守ることができる。

 まだ、現金で支払っている方は、この機会に始めてみてはいかがでしょうか。

●さんきゅう倉田
大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。法人税の調査などを行ったのち退職、芸人となる。芸人活動の傍ら、執筆や講演で生計を立てる。好きな言葉『増税』。

ええっ、博多の屋台もアウト? 外食と内食のほんと分かりづらい「軽減税率の境界線」

「屋台で食べても外食になって、10%だって知ってた!?」

 元国税局職員さんきゅう倉田です。10年前に東京国税局を辞めて、吉本興行で芸人になりました。国税局がわからない方は、「税金の仕事全般を行う国家公務員」だと思ってください。

 税金やお金のことって、難しいですよね。

 この連載では、それらをたのしく簡単にまとめていきます。

 いよいよ10月、消費税が10%になりました。

 それに伴い、日本でも初めて軽減税率が導入されます。正直、難しいですよね。

 日本でも消費税導入前は、一部のモノには「物品税」がかかっていました。

 そのとき、議論になったのが、あの有名な『およげ!たいやきくん』について。レコードには物品税がかかるけど童謡に該当すればかからない、という取扱いがあって、『およげ!たいやきくん』がどちらに該当するのか、検討されました(結果は、同様に該当し、非課税)。

 今回の軽減税率では、お酒以外の飲食料品の消費税が8%になり、外食は10%です。

 身近な例でいうと、ファーストフード店でハンバーガーを買ったとき、店内で食べるのなら10%、持ち帰るのなら8%になります。

 しかし、「持ち帰る」と店員さんに言って、店内で食べれば8%になります。この辺りの取扱いは非常に気になるところです。

店員によっては、正しく理解していない可能性も

 購入時に客が「持ち帰り」と言えば、その後店内で食べていても、差分の消費税2%を支払うことはありません。店員によっては、ルールを正しく理解しておらず請求してくる可能性もありますが、客が求めに応じる必要はなく、あくまで購入時の選択で判断されます。

 また、ファーストフードは、そもそも持ち帰りか店内で食べるかを尋ねられるオペレーションになっていますが、イートインスペースのあるコンビニなどはどうするのでしょうか?

 ここに疑問を持っている方も多いようで、行政からその取扱いが発表される前は、「コンビニのイートインスペースは、軽減税率導入を機に、廃止される」という、安易な記事も散見されました。

 結局、レジ前などに「店内で飲食される方はお申し出ください」などと掲示し、客の自己申告で税率を変更するようです。持ち帰りが基本であるコンビニでは、そのような扱いが最善でしょう。

 では、そもそも持ち帰りなのか外食なのか曖昧な場合はどうなるのでしょうか?

 例えば、屋台。

 全国的にも有名な福岡の中洲のように、屋台に席やテーブルが付属している店もあれば、お祭りのように飲食スペースのない店もあります。公園の中にあれば、ベンチに座って飲食することもあるでしょう。果たしてこれは外食なのか、持ち帰りなのか……実に曖昧です。

 まず先に答えを言うと、基本的には、飲食設備のある場所で飲食するのが外食です。

「飲食設備」には、屋台の人が設置したものももちろん、それ以外に、その空間を貸している業者などの設置者と屋台の人が話し合って、そのイスやテーブルを客に利用させているものが含まれます。そのようなイスやベンチで食べる場合は10%、屋台で食べ物を買っていない人も利用できるようなベンチしかない場合は8%となります。

 また、牛肉の塊の購入は8%ですが、肉用牛を生きたまま購入すれば10%です。さらに、いちご狩りは10%でも、いちご狩りの会場でパック詰めのいちごを買うのは8%になります。このような判断が難しい事例は、わたしたちの生活上で枚挙に暇がありません。

☆今回のポイント
「食べる場所が用意されていれば、外食」

 増税後は、消費税8%のものと10%のものが混在し、客や店員さんに混乱を招くことが予想されます。

 面倒であれば、店員さんやお店の判断に任せてもよいのですが、不勉強な店もあるはず。そんな店にあたってしまうと、店員さん側が取り扱いを誤るかもしれません。そんなとき、あなたを守ってくれるのは、結局あなた自身です。

 正しい知識を身につけて、不要な2%を負担することのないようにしましょう。

●さんきゅう倉田プロフィール
大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。法人税の調査などを行ったのち同退職、芸人となる。芸人活動の傍ら、執筆や講演で生計を立てる。好きな言葉『増税』。

ええっ、博多の屋台もアウト? 外食と内食のほんと分かりづらい「軽減税率の境界線」

「屋台で食べても外食になって、10%だって知ってた!?」

 元国税局職員さんきゅう倉田です。10年前に東京国税局を辞めて、吉本興行で芸人になりました。国税局がわからない方は、「税金の仕事全般を行う国家公務員」だと思ってください。

 税金やお金のことって、難しいですよね。

 この連載では、それらをたのしく簡単にまとめていきます。

 いよいよ10月、消費税が10%になりました。

 それに伴い、日本でも初めて軽減税率が導入されます。正直、難しいですよね。

 日本でも消費税導入前は、一部のモノには「物品税」がかかっていました。

 そのとき、議論になったのが、あの有名な『およげ!たいやきくん』について。レコードには物品税がかかるけど童謡に該当すればかからない、という取扱いがあって、『およげ!たいやきくん』がどちらに該当するのか、検討されました(結果は、同様に該当し、非課税)。

 今回の軽減税率では、お酒以外の飲食料品の消費税が8%になり、外食は10%です。

 身近な例でいうと、ファーストフード店でハンバーガーを買ったとき、店内で食べるのなら10%、持ち帰るのなら8%になります。

 しかし、「持ち帰る」と店員さんに言って、店内で食べれば8%になります。この辺りの取扱いは非常に気になるところです。

店員によっては、正しく理解していない可能性も

 購入時に客が「持ち帰り」と言えば、その後店内で食べていても、差分の消費税2%を支払うことはありません。店員によっては、ルールを正しく理解しておらず請求してくる可能性もありますが、客が求めに応じる必要はなく、あくまで購入時の選択で判断されます。

 また、ファーストフードは、そもそも持ち帰りか店内で食べるかを尋ねられるオペレーションになっていますが、イートインスペースのあるコンビニなどはどうするのでしょうか?

 ここに疑問を持っている方も多いようで、行政からその取扱いが発表される前は、「コンビニのイートインスペースは、軽減税率導入を機に、廃止される」という、安易な記事も散見されました。

 結局、レジ前などに「店内で飲食される方はお申し出ください」などと掲示し、客の自己申告で税率を変更するようです。持ち帰りが基本であるコンビニでは、そのような扱いが最善でしょう。

 では、そもそも持ち帰りなのか外食なのか曖昧な場合はどうなるのでしょうか?

 例えば、屋台。

 全国的にも有名な福岡の中洲のように、屋台に席やテーブルが付属している店もあれば、お祭りのように飲食スペースのない店もあります。公園の中にあれば、ベンチに座って飲食することもあるでしょう。果たしてこれは外食なのか、持ち帰りなのか……実に曖昧です。

 まず先に答えを言うと、基本的には、飲食設備のある場所で飲食するのが外食です。

「飲食設備」には、屋台の人が設置したものももちろん、それ以外に、その空間を貸している業者などの設置者と屋台の人が話し合って、そのイスやテーブルを客に利用させているものが含まれます。そのようなイスやベンチで食べる場合は10%、屋台で食べ物を買っていない人も利用できるようなベンチしかない場合は8%となります。

 また、牛肉の塊の購入は8%ですが、肉用牛を生きたまま購入すれば10%です。さらに、いちご狩りは10%でも、いちご狩りの会場でパック詰めのいちごを買うのは8%になります。このような判断が難しい事例は、わたしたちの生活上で枚挙に暇がありません。

☆今回のポイント
「食べる場所が用意されていれば、外食」

 増税後は、消費税8%のものと10%のものが混在し、客や店員さんに混乱を招くことが予想されます。

 面倒であれば、店員さんやお店の判断に任せてもよいのですが、不勉強な店もあるはず。そんな店にあたってしまうと、店員さん側が取り扱いを誤るかもしれません。そんなとき、あなたを守ってくれるのは、結局あなた自身です。

 正しい知識を身につけて、不要な2%を負担することのないようにしましょう。

●さんきゅう倉田プロフィール
大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。法人税の調査などを行ったのち同退職、芸人となる。芸人活動の傍ら、執筆や講演で生計を立てる。好きな言葉『増税』。