吉岡里帆演じるキョドコは死んでしまったのか!? 走馬灯のようにめぐる淡い幸せ『きみ棲み』最終話

 吉岡里帆が連続ドラマ初主演を果たした『きみが心に棲みついた』(TBS系)の最終回の視聴率は8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でした。後半では最も高い数字でしたが、全10話をとおして一度も10%台に乗せることはできませんでした。ヒット作とは呼べませんが、数字以上に吉岡演じるキョドコが心に棲みついてしまった視聴者も少なくないのではないでしょうか。『きみ棲み』最終話とキョドコ&星名がドラマ界に残したものについて振り返りたいと思います。

 第9話で漫画誌編集者の吉崎(桐谷健太)から別れを告げられた小川今日子(吉岡里帆)ことキョドコでした。恋愛相手に依存しているというのが、吉崎の言い分でした。シリーズ序盤のキョドコだったら、失恋のショックで会社も休んでいたはずですが、新ブランドの発売日が迫っていたのが幸いでした。仕事に打ち込むキョドコを見て、彼女をずっと見守ってきた先輩の堀田(瀬戸朝香)は「オガちゃん、変わったね」と温かい言葉を掛けるのでした。相性がまるで合わなかった八木(鈴木紗理奈)の「振った男に感謝やな」という憎まれ口にも「はい」と笑って返すことがキョドコはできるようになったのです。

 数々のパワハラ&セクハラがバレて停職処分となったゲス上司・星名(向井理)のいない職場で、キョドコはせっせと働きます。そんなとき、星名の姉・祥子(星野園美)が会社に電話を掛けてきます。星名の母(岡江久美子)が入院したので、星名に誰か連絡してほしいというものでした。

 星名とはすっぱり縁を切ったキョドコですが、自分の母親(中島ひろ子)に別離宣言した後ろめたさもあって、星名の母親が入院している病院へお見舞いに訪ねます。そんな余計な気遣いこそが、キョドコらしさです。病床の星名の母親が言った「優しいのね。あなたみたいな人があの子の周りにいるのなら、よかった」という言葉が胸に沁みるキョドコでした。

 タワーマンションの自宅で酒浸りの日々を送っていた星名に、キョドコは「お母さんに会いに行ってください」と電話で伝えますが、途中で切られてしまいます。結局、星名は母親の見舞いに行くことはありませんでした。新ブランドの発売日という晴れやかな日に、星名の母親はこの世を去るのでした。星名が完全に音信不通になったことに不吉な予感を感じたキョドコは、星名がひとりで行きそうな場所を探して回ります。星名はいました。大学の部室に篭って、練炭自殺をしようとしているところでした。

「キョドコかよ。あんただけだよ、このクソみたいな世界に。じゃあ、いいや。お前もつきあえよ」

 星名は父親を刺殺したのは母親ではなく、実は自分だったことをキョドコに打ち明け、キョドコとの心中を図るのでした。「星名さんをただ助けにきたんです」というキョドコでしたが、2人とも一酸化炭素中毒に陥り、お互いに心のキズを舐め合った大学の部室で重なるように倒れ込んでしまいます。

 

■ドラマを脇で支え続けたムロツヨシ。こちら側の人間に幸あれ!

 

 キョドコが目を覚ますと、そこは天国でした。というか、天国みたいなメルヘンワールドでした。別れたはずの吉崎がギリギリのところで現われ、病院へ搬送してくれたのです。キョドコが一度死んでからは、素晴しいことばかりが次々と起こります。星名は姿を消し、吉崎が担当した漫画家のスズキ先生(ムロツヨシ)は日本漫画大賞を受賞。その受賞パーティーの帰り道、吉崎は路上に転がっていた靴を拾います。見覚えのある靴でした。すっかり元気になったキョドコがまた盛大に路上でコケていたのです。灰かぶり姫のような悲惨な人生を歩んできたキョドコは、こうして無事に吉崎王子との再会を果たしたのでした。晴れてキョドコは純白のウェディングドレスに身を包み、幸せなエンディングを迎えます。結婚パーティーには仲の悪かった母親も出席し、キョドコとは恋敵だった飯田(石橋杏奈)や為末(田中真琴)も笑顔で参加しています。絵に描いたような大団円です。そして最後の最後に「Happy Wedding キョドコのクセに」とメッセージが添えられた星名からの花束が届くのでした。

 星名の練炭自殺騒ぎ以降、いっきに恋愛ファンタジーと化してしまった『きみ棲み』最終話でした。練炭自殺の巻き添えになったキョドコが、死ぬ間際に脳裏に浮かんだ妄想の世界なのかなと思ってしまうほど、キョドコにとってあまりに都合のいい幕切れです。まぁ、このくらいのハッピーエンドを用意しないと、キョドコの暗い人生を3か月間共にした視聴者も後味が悪いわけですけどね。

 ご都合主義で終わった最終話の中で眩しく輝いたのは、ドロドロの物語における一服の清涼剤としてコメディリリーフを務めてきたスズキ先生役のムロツヨシでした。キョドコをモデルにした『俺に届け 響け!』で漫画大賞を受賞したスズキ先生のスピーチは名言でした。

「この漫画は僕と同じような少数の、こちら側の人間の、淡々とした日常を描いたものです。普通から外れた変だと言われる人の、うれしいなぁとか、つらいなぁとか、まぁまぁだなぁとか、そんなことを思って生きている普通の人生です。最初は今の編集担当さんだけでした、分かろうとしてくれたのは。いや、分からなくても、彼が僕の味方でいてくれたから、僕はここまで描くことができたんです」

 スズキ先生にとって、編集担当の吉崎は恋人でもなければ、家族でもなく、仕事上の関係でしかありません。でも吉崎は仕事仲間として、親身になってスズキ先生と向き合い続けました。ドラマ版『きみ棲み』のいちばんのテーマが、スズキ先生のこのスピーチに凝縮されているようです。幼少期に家族の愛情を感じることができなかったキョドコと星名は、出会う人を自分のことを心から愛してくれる人か、そうでないかで選別していましたが、人と人との繋がり方はもっと多様で濃淡があっていいはずです。

 星名とキョドコが部室で倒れているのを救ったのは吉崎でしたが、その後ろにはバーテンの牧村(山岸門人)もいました。星名とキョドコがいそうな場所を思い出したのは、きっと牧村だったのでしょう。キョドコの校内ストリップを盗撮するなど、決して100%の善人ではない牧村ですが、かといって100%の悪人でもないわけです。「お前のことを一度も友達だと思ったことはない」と星名からも牧村は見下されていましたが、牧村は星名が100%の悪人ではないことを分かっていて、助けに走ったのです。

 ひとりの人間を悪人か善人かに簡単に分けられないように、人間の人生もどこからが幸せで、どこからが不幸かと線引きするのは難しいのではないでしょうか。善と悪も、幸と不幸も、とても微妙な紙一重の違いでしかないことをほのめかして『きみ棲み』全10話は終わりを告げるのでした。

 

■視聴者の心に棲みついたキョドコの正体は……?

 

 最後に『きみ棲み』がドラマ界に残したものについて考えてみたいと思います。視聴率的にはいまひとつだった『きみ棲み』ですが、2つの大きな鉱脈を探り当てたのではないでしょうか。ひとつは地上波テレビで、SMテイストなドラマが成立できたということ。吉岡里帆が下着姿やセミヌードになったことが話題となりましたが、吉岡の肌の露出以上に向井理との精神的なサド&マゾヒスティックな関係がドラマを盛り上げたように感じられます。大沢伸一のソロプロジェクトMONDO GROSSOが楽曲提供した「偽りのシンパシー」が流れると、職場が急にエロいムードになる展開は、大人の視聴者をゾクゾクさせるものがありました。

 TBSサイドは、ハリウッドが女性向けにつくったSM映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(15)っぽい世界を意識したのでしょう。ちなみにスズキ先生の描いた漫画『俺に届け 響け!』の作画・監修を担当したのはSMコメディ漫画『ナナとカオル』(白泉社)で知られる甘詰留太先生です。TBSが開発したソフトSM路線、深夜枠かBSドラマとして再挑戦すれば充分成功するのではないでしょうか。

 もうひとつ、『きみ棲み』が掘り当てた鉱脈は、アンチヒーローものには大きな可能性があるということです。向井理演じる星名が、暗い過去を封印して大学や企業内であくどい手を使いながら成り上がり人生を突き進むくだりは、松田優作主演のハードボイルド映画『蘇える金狼』(79)のようなピカレスクな魅力に溢れていました。

 大手芸能プロダクションが幅を利かせている現代のテレビ&映画界では、人気俳優たちの目標設定は、いい作品や面白い役に出会うことではなく、多くのCM契約を結ぶことになってしまっています。多くのCMに出るためには高視聴率ドラマに出演し、好感度の高いキャラクターを演じることが求められます。汚れ役や悪役に挑戦して、演技力を磨きたいという俳優本人の希望は、芸能プロダクションの方針にはなかなか反映されません。

 でも善人だらけのドラマほど、つまらないものはありません。NHKの朝ドラ『ゲゲゲの女房』のヒロインの夫役でブレイクした向井理ですが、同じく朝ドラ出身の国仲涼子と結婚し、いいタイミングでクセの強い星名役がオファーされました。女を利用するだけ利用して、ポイ捨てする星名は女性視聴者から嫌われて当然のゲスキャラクターでしたが、哀しい過去が多くの女性の母性本能を刺激するという非常に美味しい役となりました。星名のような二面性を持ったキャラクターは、今後のドラマでも大いにニーズがあるはずです。

 キョドコに振り回され続けた3カ月間でした。吉岡里帆演じるキョドコが幸せを手に入れてドラマは終わりを迎えましたが、視聴者の中には心の奥にもうひとりのキョドコの存在を感じている人もいるのではないでしょうか。キョドコはもしかしたら、視聴者の心に宿るトラウマのメタファーなのかもしれません。家族とずっと不仲だったり、学生時代の人間関係や別れた恋人のことを今も引き摺ってしまったり、みんなそれぞれ大なり小なりのキョドコを心に抱えているようです。そんなキョドコと、今後どう接すればいいのか。すごくうざいけれど、気になって仕方ない存在。その名はキョドコ。これからも長い長い付き合いとなりそうです。
(文=長野辰次)

吉岡里帆演じるキョドコは死んでしまったのか!? 走馬灯のようにめぐる淡い幸せ『きみ棲み』最終話

 吉岡里帆が連続ドラマ初主演を果たした『きみが心に棲みついた』(TBS系)の最終回の視聴率は8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でした。後半では最も高い数字でしたが、全10話をとおして一度も10%台に乗せることはできませんでした。ヒット作とは呼べませんが、数字以上に吉岡演じるキョドコが心に棲みついてしまった視聴者も少なくないのではないでしょうか。『きみ棲み』最終話とキョドコ&星名がドラマ界に残したものについて振り返りたいと思います。

 第9話で漫画誌編集者の吉崎(桐谷健太)から別れを告げられた小川今日子(吉岡里帆)ことキョドコでした。恋愛相手に依存しているというのが、吉崎の言い分でした。シリーズ序盤のキョドコだったら、失恋のショックで会社も休んでいたはずですが、新ブランドの発売日が迫っていたのが幸いでした。仕事に打ち込むキョドコを見て、彼女をずっと見守ってきた先輩の堀田(瀬戸朝香)は「オガちゃん、変わったね」と温かい言葉を掛けるのでした。相性がまるで合わなかった八木(鈴木紗理奈)の「振った男に感謝やな」という憎まれ口にも「はい」と笑って返すことがキョドコはできるようになったのです。

 数々のパワハラ&セクハラがバレて停職処分となったゲス上司・星名(向井理)のいない職場で、キョドコはせっせと働きます。そんなとき、星名の姉・祥子(星野園美)が会社に電話を掛けてきます。星名の母(岡江久美子)が入院したので、星名に誰か連絡してほしいというものでした。

 星名とはすっぱり縁を切ったキョドコですが、自分の母親(中島ひろ子)に別離宣言した後ろめたさもあって、星名の母親が入院している病院へお見舞いに訪ねます。そんな余計な気遣いこそが、キョドコらしさです。病床の星名の母親が言った「優しいのね。あなたみたいな人があの子の周りにいるのなら、よかった」という言葉が胸に沁みるキョドコでした。

 タワーマンションの自宅で酒浸りの日々を送っていた星名に、キョドコは「お母さんに会いに行ってください」と電話で伝えますが、途中で切られてしまいます。結局、星名は母親の見舞いに行くことはありませんでした。新ブランドの発売日という晴れやかな日に、星名の母親はこの世を去るのでした。星名が完全に音信不通になったことに不吉な予感を感じたキョドコは、星名がひとりで行きそうな場所を探して回ります。星名はいました。大学の部室に篭って、練炭自殺をしようとしているところでした。

「キョドコかよ。あんただけだよ、このクソみたいな世界に。じゃあ、いいや。お前もつきあえよ」

 星名は父親を刺殺したのは母親ではなく、実は自分だったことをキョドコに打ち明け、キョドコとの心中を図るのでした。「星名さんをただ助けにきたんです」というキョドコでしたが、2人とも一酸化炭素中毒に陥り、お互いに心のキズを舐め合った大学の部室で重なるように倒れ込んでしまいます。

 

■ドラマを脇で支え続けたムロツヨシ。こちら側の人間に幸あれ!

 

 キョドコが目を覚ますと、そこは天国でした。というか、天国みたいなメルヘンワールドでした。別れたはずの吉崎がギリギリのところで現われ、病院へ搬送してくれたのです。キョドコが一度死んでからは、素晴しいことばかりが次々と起こります。星名は姿を消し、吉崎が担当した漫画家のスズキ先生(ムロツヨシ)は日本漫画大賞を受賞。その受賞パーティーの帰り道、吉崎は路上に転がっていた靴を拾います。見覚えのある靴でした。すっかり元気になったキョドコがまた盛大に路上でコケていたのです。灰かぶり姫のような悲惨な人生を歩んできたキョドコは、こうして無事に吉崎王子との再会を果たしたのでした。晴れてキョドコは純白のウェディングドレスに身を包み、幸せなエンディングを迎えます。結婚パーティーには仲の悪かった母親も出席し、キョドコとは恋敵だった飯田(石橋杏奈)や為末(田中真琴)も笑顔で参加しています。絵に描いたような大団円です。そして最後の最後に「Happy Wedding キョドコのクセに」とメッセージが添えられた星名からの花束が届くのでした。

 星名の練炭自殺騒ぎ以降、いっきに恋愛ファンタジーと化してしまった『きみ棲み』最終話でした。練炭自殺の巻き添えになったキョドコが、死ぬ間際に脳裏に浮かんだ妄想の世界なのかなと思ってしまうほど、キョドコにとってあまりに都合のいい幕切れです。まぁ、このくらいのハッピーエンドを用意しないと、キョドコの暗い人生を3か月間共にした視聴者も後味が悪いわけですけどね。

 ご都合主義で終わった最終話の中で眩しく輝いたのは、ドロドロの物語における一服の清涼剤としてコメディリリーフを務めてきたスズキ先生役のムロツヨシでした。キョドコをモデルにした『俺に届け 響け!』で漫画大賞を受賞したスズキ先生のスピーチは名言でした。

「この漫画は僕と同じような少数の、こちら側の人間の、淡々とした日常を描いたものです。普通から外れた変だと言われる人の、うれしいなぁとか、つらいなぁとか、まぁまぁだなぁとか、そんなことを思って生きている普通の人生です。最初は今の編集担当さんだけでした、分かろうとしてくれたのは。いや、分からなくても、彼が僕の味方でいてくれたから、僕はここまで描くことができたんです」

 スズキ先生にとって、編集担当の吉崎は恋人でもなければ、家族でもなく、仕事上の関係でしかありません。でも吉崎は仕事仲間として、親身になってスズキ先生と向き合い続けました。ドラマ版『きみ棲み』のいちばんのテーマが、スズキ先生のこのスピーチに凝縮されているようです。幼少期に家族の愛情を感じることができなかったキョドコと星名は、出会う人を自分のことを心から愛してくれる人か、そうでないかで選別していましたが、人と人との繋がり方はもっと多様で濃淡があっていいはずです。

 星名とキョドコが部室で倒れているのを救ったのは吉崎でしたが、その後ろにはバーテンの牧村(山岸門人)もいました。星名とキョドコがいそうな場所を思い出したのは、きっと牧村だったのでしょう。キョドコの校内ストリップを盗撮するなど、決して100%の善人ではない牧村ですが、かといって100%の悪人でもないわけです。「お前のことを一度も友達だと思ったことはない」と星名からも牧村は見下されていましたが、牧村は星名が100%の悪人ではないことを分かっていて、助けに走ったのです。

 ひとりの人間を悪人か善人かに簡単に分けられないように、人間の人生もどこからが幸せで、どこからが不幸かと線引きするのは難しいのではないでしょうか。善と悪も、幸と不幸も、とても微妙な紙一重の違いでしかないことをほのめかして『きみ棲み』全10話は終わりを告げるのでした。

 

■視聴者の心に棲みついたキョドコの正体は……?

 

 最後に『きみ棲み』がドラマ界に残したものについて考えてみたいと思います。視聴率的にはいまひとつだった『きみ棲み』ですが、2つの大きな鉱脈を探り当てたのではないでしょうか。ひとつは地上波テレビで、SMテイストなドラマが成立できたということ。吉岡里帆が下着姿やセミヌードになったことが話題となりましたが、吉岡の肌の露出以上に向井理との精神的なサド&マゾヒスティックな関係がドラマを盛り上げたように感じられます。大沢伸一のソロプロジェクトMONDO GROSSOが楽曲提供した「偽りのシンパシー」が流れると、職場が急にエロいムードになる展開は、大人の視聴者をゾクゾクさせるものがありました。

 TBSサイドは、ハリウッドが女性向けにつくったSM映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(15)っぽい世界を意識したのでしょう。ちなみにスズキ先生の描いた漫画『俺に届け 響け!』の作画・監修を担当したのはSMコメディ漫画『ナナとカオル』(白泉社)で知られる甘詰留太先生です。TBSが開発したソフトSM路線、深夜枠かBSドラマとして再挑戦すれば充分成功するのではないでしょうか。

 もうひとつ、『きみ棲み』が掘り当てた鉱脈は、アンチヒーローものには大きな可能性があるということです。向井理演じる星名が、暗い過去を封印して大学や企業内であくどい手を使いながら成り上がり人生を突き進むくだりは、松田優作主演のハードボイルド映画『蘇える金狼』(79)のようなピカレスクな魅力に溢れていました。

 大手芸能プロダクションが幅を利かせている現代のテレビ&映画界では、人気俳優たちの目標設定は、いい作品や面白い役に出会うことではなく、多くのCM契約を結ぶことになってしまっています。多くのCMに出るためには高視聴率ドラマに出演し、好感度の高いキャラクターを演じることが求められます。汚れ役や悪役に挑戦して、演技力を磨きたいという俳優本人の希望は、芸能プロダクションの方針にはなかなか反映されません。

 でも善人だらけのドラマほど、つまらないものはありません。NHKの朝ドラ『ゲゲゲの女房』のヒロインの夫役でブレイクした向井理ですが、同じく朝ドラ出身の国仲涼子と結婚し、いいタイミングでクセの強い星名役がオファーされました。女を利用するだけ利用して、ポイ捨てする星名は女性視聴者から嫌われて当然のゲスキャラクターでしたが、哀しい過去が多くの女性の母性本能を刺激するという非常に美味しい役となりました。星名のような二面性を持ったキャラクターは、今後のドラマでも大いにニーズがあるはずです。

 キョドコに振り回され続けた3カ月間でした。吉岡里帆演じるキョドコが幸せを手に入れてドラマは終わりを迎えましたが、視聴者の中には心の奥にもうひとりのキョドコの存在を感じている人もいるのではないでしょうか。キョドコはもしかしたら、視聴者の心に宿るトラウマのメタファーなのかもしれません。家族とずっと不仲だったり、学生時代の人間関係や別れた恋人のことを今も引き摺ってしまったり、みんなそれぞれ大なり小なりのキョドコを心に抱えているようです。そんなキョドコと、今後どう接すればいいのか。すごくうざいけれど、気になって仕方ない存在。その名はキョドコ。これからも長い長い付き合いとなりそうです。
(文=長野辰次)

愛された記憶のない人は一生幸せにはなれない? キョドコと星名が地獄へ墜ちる『きみ棲み』第9話

 3カ月にわたって慎重に築いてきた積み木の塔が、完成直前に大崩壊してしまった。そんな衝撃です。恋に仕事にトライ&エラーを繰り返しながら、少しずつ社会人として成長しつつあった吉岡里帆演じるキョドコでしたが、恋人である吉崎の口からは別れの言葉が飛び出したのでした。最終回を直前に控え、風雲急を告げる『きみが心に棲みついた』(TBS系)の第9話を振り返りましょう。

 小川今日子(吉岡里帆)は下着メーカーに勤めるOLです。子どもの頃から母親(中島ひろ子)にも、学校でも無視され続けてきました。自分に自信が持てず、いつも言動が挙動不審なため「キョドコ」と呼ばれてきました。そんなキョドコにも、漫画誌編集者の吉崎(桐谷健太)という誠実な恋人がようやくできたのです。キョドコは大学時代からずっと精神的に依存してきた会社の上司である星名(向井理)と手を切るために星名のマンションへ向かったのですが、その様子を職場の同僚である飯田(石橋杏奈)に盗撮されてしまいます。

 吉崎は匿名で郵送されてきた映像データを再生し、キョドコが星名に連れられてマンションへ入っていく姿を見てしまいました。第3話で起きたキョドコの下着姿でのランウェイウォーキング騒ぎ、吉崎が解決したばかりの大学時代の校内ストリップ映像をめぐるトラブルに続く、衝撃映像です。キョドコのあまりの脇の甘さには唖然とさせられます。我慢強い吉崎も忍耐の限界に達していました。漫画家のスズキ先生(ムロツヨシ)とのネームの打ち合わせに集中することもできません。

 夜遅くにキョドコのアパートを訪ねた吉崎は、星名のマンションに行ったことを黙っていたキョドコに本音をぶつけます。「仕事って嘘ついて、他の男と会って。俺は今日子の何を信じればいいの? おかしいだろ? 言ってることと、やってることが無茶苦茶なんだよ」。あまりにも正論です。全視聴者がキョドコに対して感じていたことを、吉崎は正しくキョドコ本人に伝えるのでした。

「俺たち付き合ってるんだよね? いや、怒ってるわけじゃないんだ。でも実際は、嫉妬で頭の中がどうかなりそうなんだよ」

 いつも自信満々で自分が正しいと思ったことしかやらない吉崎ですが、その夜はキョドコを前にして頭を掻きむしり、悶え苦しむ姿がありました。キョドコと交際するようになってから、吉崎は弱々しい男に変わってしまったようです。

 吉崎の誤解を解こうと、キョドコは小さい頃から母親の愛情を感じることがなかったこと、大学時代の星名がそんな自分を初めて受け入れてくれた存在だったことを打ち明けるのでした。吉崎から「お母さんとの関係を克服しないと、また星名さんのところに戻るんじゃない?」と指摘されたキョドコは早速有休をとり、5年ぶりに日吉にある実家を訪ねるのでした。里帰りなのに、キョドコはひどく緊張してしまいます。

 長女であるキョドコがひとり暮らしを始めて以来、久々に実家に戻ってきたのに、母親はとても冷ややかです。お茶も出さずに、「(キョドコの妹の)菜穂子が友達を連れて来るから、その前に帰ってちょうだい」と、あまりにもつれない言葉です。そんな母親に、子どもの頃から感じてきた不満をぶつけるキョドコでした。親から愛された記憶のないキョドコは、家庭でも学校でも自分の居場所を見つけることができなかったのです。「何を今さら」と聞く耳を持たない母親に、キョドコは星名に続いて決別の言葉を吐くのでした。

「私のことを嫌いでもいいけど、せめて親なら隠してほしかった。小さい頃から、ずっと傷ついてきたんだよ。でも、私は前に進むから。昔の自分とは違うから。それを言いに来ただけ」

 言うべきことを言い、実家を後にするキョドコでした。星名の10年ごしの洗脳からも、親は子どもを無条件で愛するものだという常識という名の呪縛からも解き放たれたキョドコでした。新ブランドの成功と恋人・吉崎を手に入れたことで、キョドコは自分に自信が持てるようになったのです。これで、すべてのケジメはついた。あとはもう、吉崎の胸に飛び込んでいくだけ。そう確信していたキョドコでしたが……。

 

■この世で最もつらく、哀しい誕生日

 

 一方、会社では星名のこれまでの悪行の数々が社内メールとなって暴露され、大問題となっていました。人事部の部長(阿南健治)がキョドコたち女子社員を会議室に呼び出し、星名のパワハラ&セクハラ被害の実態について聞き取り調査を行います。この席で爆弾発言をしたのは、それまでずっと星名のことを慕ってきた飯田でした。会社でエリートコースを驀進中の星名は、実は少年時代は父親から虐待されていたこと、同級生たちからもイジメられていたこと、母親は殺人罪で服役していたこと、星名は中学のときに顔を整形手術して別人になったこと。星名の過去をすべて知った飯田が、星名の企業内での生殺与奪権を握っていたのです。

 飯田が星名のセクハラ被害の証拠として開示したのは、「愛のないセックスほど興奮する」という星名の名台詞が記録されたICレコーダーでした。つい数日前までは星名への執着を見せていた飯田ですが、星名が自分には心を開かないと悟るや、星名が地獄へ墜ちていく様子を見届ける立場へとポジションチェンジしたのでした。飯田の心の中では、星名への愛情が憎しみへと反転してしまったのです。

 キョドコが下着姿でランウェイウォーキングした件も、星名に強要されたのではないかと聞き取り調査で取り上げられますが、キョドコはなぜかこれを否定します。最終的に判断したのは自分だった、断ることのできなかった自分に非があると自己批判するキョドコでしたが、この言動が取り返しのつかない悲劇を呼び寄せてしまいます。

 折しも、この日はキョドコの28歳の誕生日でした。母親、そして星名とのドロドロの過去を断ち切ったキョドコは、吉崎にプレゼントされたネックレスをつけて吉崎のマンションを訪ねます。多分、バッグの中にはお泊まりセットも忍ばせていたことでしょう。ところが2人だけの甘い甘い誕生日の夜とはなりません。吉崎からの贈り物は、キョドコの誕生日を祝うものではなく、「もう別れよう」という冷たい言葉でした。聞き取り調査で星名のことを断罪しなかったキョドコのことを、星名を庇ったと吉崎は解釈したのです。キョドコがいくら「私が好きなのは吉崎さんだけ」と主張しても、もう吉崎の心の中にはキョドコの居場所はどこにもないのでした。

「もし、この先も付き合っても、それは恋愛じゃなくて、依存する相手が俺に変わるだけじゃないかと思う」と吉崎は冷静に語るのでした。ここにきて吉崎は、キョドコへの想いは実は珍獣のようなキョドコに対する好奇心と暗い過去に悩む弱者に対する同情心だったことに気づいたのでした。吉崎の真面目さが裏目に出てしまいます。恋愛にはいろんな形があるはず。言ってみれば、恋愛のゴールのひとつでもある結婚にも、精神的もしくは経済的な依存が含まれるケースは多いのではないのでしょうか。お互いに完全に自立している男女ならば、一緒に暮らす必要はありません。でも、曲がったことが嫌いな吉崎は、そのことが受け入れられなかったのです。

 吉崎に励まされ、ここまで積み木の塔を懸命に登ってきたキョドコにとっては、いきなりハシゴを外されたような驚きしかありません。いちばん信頼していた吉崎によって、キョドコが登っていた積み木の塔はジェンガのように根底から突き崩されてしまったのです。すっかり星名のことを見限った飯田が「小川さん、すごいね。地獄まで星名さんと一緒に墜ちていくつもり?」と笑っていたとおりの展開となってしまいます。

 結局、子どもの頃に親から愛された記憶のない人間は、どれだけ努力を重ねても、本当の愛を手に入れることができないのでしょうか? 人間はその生い立ちに、一生苦しみ続けなくてはいけないのでしょうか? 漫画家のスズキ先生が言うところの「あちら側の人間」は「こちら側の人間」とは心から交わることはできないのでしょうか?

 せっかく、第8話で視聴率7.9%(ビデオリサーチ、関東地区調べ/以下同)まで盛り返したものの、キョドコの28歳の誕生日があまりにも悲惨すぎたためか、第9話は7.0%と再びダウンしてしまいました。支離滅裂な言動で吉崎だけでなく視聴者も惑わせてきたキョドコですが、最終回はどんなサプライズを見せてくれるのでしょう。星名と一緒に地獄の底まで転げ落ちるのか、吉崎を翻心させることができるのか、それとも……。キョドコ最後の決断に注目が集まります。
(文=長野辰次)

ゲスマニアたちが歓喜した向井理の外道っぷり!! 吉岡里帆が泥棒猫扱いされる『きみ棲み』第8話

 いやんいやんも好きのうちと言いますが、吉岡里帆演じるキョドコのあまりの挙動不審ぶりが気になって、ついつい火曜の夜10時になるとTBSにチャンネル設定してしまう自分がいます。吉岡里帆&TBSの思うツボ状態ですね。そんな『きみが心に棲みついた』(TBS系)も、最終回まで残すところ2話のみとなりました。ロストヴァージンを果たしたキョドコがどうなったのか、第8話をプレイバックしてみましょう。

 漫画誌編集者・吉崎(桐谷健太)の手によって、10年間にわたって貞操帯として機能してきたネジネジストールをついに解除された小川今日子(吉岡里帆)ことキョドコでした。勤務先の下着メーカーではデザイナーの八木(鈴木紗理奈)と堀田(瀬戸朝香)を中心にした新ブランドの第1弾ランジェリーの発表会が開かれ、大盛況。処女を捧げた吉崎からは、バレンタインのお返しにネックレスをプレゼントされました。恋に仕事に、キョドコは絶好調です。

 ところが、好事魔多しです。これまでの暗かった28年間の人生をストールと一緒に脱ぎ捨てたキョドコは全身から幸せオーラを発散させていたのですが、そのことで墓穴を掘ってしまいます。せっかく新ブランドチームの素材担当としての責任を担っていたものの、人気タレントの山藤アイカ(石田ニコル)とのコラボ企画のスタッフへと異動を命じられてしまうのです。キョドコが調子に乗っているのが面白くない、ゲス上司・星名(向井理)の陰謀でした。

 せっかく軌道に乗り始めた新ブランドのチームから離れたくないキョドコは、タクシーに乗ろうとしていた星名を見つけ、強引に同乗します。まさに飛んで火に入る夏の虫とは、このことです。「吉崎と別れるなら、上と掛け合ってもいい」「あいつじゃ、物足りないと思うようになる」とタクシーの後部シートで星名に迫られた挙げ句、吉崎からプレゼントされたばかりのネックレスを引きちぎられてしまいます。

 キョドコはなぜ懲りもせず、星名と2人きりになるシチュエーションを自分から作ってしまうのでしょうか。まったく学習しようとしないキョドコの行動には空いた口が塞がりません。人間は同じ過ちを何度も繰り返す生き物であるという、典型的なサンプルだとしか言いようがありません。

 星名からの「最後に1日、俺と付き合えよ。それで全部終わりにしよう」という提案にまんまと応じるキョドコでした。もちろん、交際相手である吉崎には内緒です。会社の休日、大学時代に通ったボロボロの定食屋を店先で冷やかした後、ハンバーガーをテイクアウトして、野球場へと向かう星名とキョドコ。懐かしい風景に、キョドコは星名を慕っていた大学生の頃にしばしタイムスリップするのでした。ガラガラの客席、キョドコの膝枕で昼寝する星名の無邪気な寝顔には、いつものサディストぶりは微塵も感じられません。キョドコが気を許した瞬間を狙って、星名はキョドコの唇を奪うのでした。キョドコの唇からは、きっと食べたばかりのハンバーガーの肉汁の味がしたことでしょう。

■「何もしないから」は「何かすると思う」の隠語

 

 胸騒ぎの球場を後にした星名は、キョドコを連れて立ち呑み屋へと入っていきます。コップ酒をあおりながら、星名は自分の秘密をキョドコにだけ打ち明けるのでした。星名の母親(岡江久美子)は不倫相手だった星名の実の父親を殺害し、刑務所暮らしを送っていました。大学時代、星名がひとりぼっちで泣いている姿を見て、キョドコは「私、星名さんのために生きます」と誓ったことがあります。星名が泣いていたのは、刑務所にいた母親が自殺未遂騒ぎを起こしたことが原因でした。キョドコはずっと自分は星名に支配されてきたと思い込んでいたのですが、本当は星名がキョドコに依存していたのでした。そのことに、キョドコは初めて気づきます。

 自分を洗脳し、ずっと苦しめ続けてきた星名ですが、大学時代の一時期とはいえ、子どもの頃から孤独だったキョドコに生きる希望を与えてくれた存在だったことは確かです。肉体関係こそなかったものの、キョドコが心の底から好きになった初めての男性でした。酔った星名をこのままひとりで帰すのが心配になったキョドコは、ほいほいと星名のマンションまで付いて行くのでした。何度も繰り返しますが、キョドコには学習能力がまるでありません。

 大学時代から星名は女遊びが派手でしたが、なぜかキョドコにだけは手を出しませんでした。そんな星名から「上がれよ、コーヒー淹れるから。何もしねえよ」と言われ、キョドコは部屋へと入っていきます。ちなみに「何もしない」という誘い言葉は、「多分、何かすると思うよ」の隠語です。キョドコも28歳の社会人なので、さすがにそのことは分かっていたはずです。案の定、部屋に入ったキョドコはソファーで星名に押し倒されるのでした。

 これが大学時代、いや数週前までのキョドコだったら、星名に抵抗することなく、そのまま受け入れていたことでしょう。でも、今のキョドコには吉崎という交際相手がいます。さすがに吉崎を裏切ることはできず、ギリギリのところで星名を拒絶するキョドコでした。ずっとキョドコにとってのご主人さまだった星名ですが、いつの間にかキョドコにお預けを喰らわせられる立場に逆転していたのです。「冗談だよ」と軽口を叩くのが、今の星名には精一杯でした。でも、キョドコとこの日SEXしていたら、星名はきっと行為中に大号泣していたことでしょう。

 キョドコにSEXを拒まれ、さらには「もう、星名さんとは分かりあえる日はこないと思います」と最終通告までされてしまいます。母親からも手紙で「もう私とは関わらないでください」と告げられていた星名には、誰も依存できる相手がいません。広くて、おしゃれなマンションでひとりぼっちになった星名は、「ハハハ、ハハ……。死にてぇ……」とつぶやくことしかできませんでした。

 星名のマンションを出たキョドコには、待ち人がいました。吉崎ではなく、職場の同僚である飯田(石橋杏奈)です。用済みとなって星名に棄てられた飯田は、星名のストーカーと化し、キョドコがマンションから出てくるのをじっと待っていたのです。「弱いふりして、他人の男に手を出して、どこまで卑怯な女なの!?」と見た目はお嬢さんっぽい飯田は髪を振り乱し、ハンドバッグでキョドコをバンバン叩きまくるのでした。どうも、“マゾヒスト”キョドコはいろんな業を呼び込んでしまう体質のようです。「絶対、地獄に突き落としてやる~ッ!!」という飯田の叫び声が、夜の街に響き渡る『きみ棲み』第8話のラストでした。

 さらに第8話のエンディングでは、編集部でお仕事していた吉崎のところに、郵送で映像データが届けられます。キョドコの校内ストリップに続く、衝撃映像第2弾です。映像データを吉崎が会社のパソコンで再生すると、そこには星名と連れ立ってマンションへと消えていくキョドコの姿が。交際疑惑が発覚した芸能人は、よく「部屋で一緒にゲームしていた」「演技論について語り合っていた」みたいな言い訳をしますが、キョドコは吉崎にどう説明するのでしょうか?

 デーモン星名こと向井理が、女心を弄ぶサディストぶりと母犬とはぐれた子犬のような心細そうな表情との二面性を存分に見せつけた第8話。次週予告を見ると、星名のパワハラ&セクハラが社内でようやく問題になるようです。第1話の視聴率9.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)をピークに、数字的にはなだらかに下降し、第7話では6.5%まで下がってしまいましたが、第8話は7.9%と初めて盛り返しを見せました。世の中にはイケメンの外道っぷりを、さらにはその破滅する姿までをたっぷり楽しみたいというゲスマニアがかなり多いと思われます。残り2話、向井理がゲス野郎の断末魔をどう見せてくれるのか楽しみで仕方ありません。
(文=長野辰次)

「大事なものを捨てて」とは佐藤健との恋? ドラマ爆死に加え恋愛禁止の“激辛司令”で、嫌われ女優・吉岡里帆が耐える禁欲生活

「大事なものを全部切り捨てて……」

 2月末、意味深なタイトルで始まるインタビューがネットで公開されたのは、吉岡里帆(25)だ。

 この冬、ドラマ『きみが心に棲みついた』(TBS系)で連続ドラマ初主演をはたした吉岡。昨年からの急激な人気上昇率から、高視聴率を期待されていたが、第1話の9.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)から上昇することはなく、最低6.5%と、盛大にずっこけてしまった。

「グラビアをきっかけに男性ファンを獲得してきた吉岡の武器を最大限にいかすべく、劇中では吉岡の下着シーンや全裸のバックショットなどが満載。この作品を成功させるんだ、という意気込みを感じさせる、体当たり演技が話題にはなりましたが、原作が人気少女漫画の女性をターゲットにした作品に女子人気の低い吉岡をキャスティングした時点で、原作ファンからはブーイングの声が上がっていました」(ドラマウォッチャー)

 そして、いよいよ敗色濃厚となった2月末に、冒頭のインタビューがネットで公開されたのだ。

「小学生時代から大学まで一筋に打ち込んできた書道の道から、勇気をもって女優の道へと踏み出し、真摯に演技と向き合ってきた吉岡のこれまでの歩みを振り返る内容で、好感度をアップさせつつドラマのPRにつなげたいという、吉岡とその周囲の思惑が丸見えの内容、タイミングでしたね」(芸能記者)

 だが、そのタイトルから、どうしても、あの“初スキャンダル”と重ね合わせて読んだファンも多かったに違いない。

「切り捨ててきた“大事なもの”とは、小学生時代から大学でも学んできた書道や、その恩師のことでしたが、どうしても昨年の8月に熱愛がスクープされた、俳優・佐藤健のことを思い浮かべてしまいますよね。“すっぴん&濡れ髪”という、まさに準備万端・ヤル気満々な姿で佐藤のマンションへと向かう姿は、あまりに生々しく、ファンを大いに失望させましたからね。インタビューは、一見、“私は、最愛の男も投げ捨てて、女優の仕事に打ち込んでいるんですぅ~”というアピールにも見えましたね」(同)

 佐藤との関係については、双方ともに特別な関係にあることを否定するコメントを発表しているが、

「“すっぴん&濡れ髪”が尾を引き、むなしい言い訳にしか聞こえません。実際のところは、売り出し中の大事な時期の自覚に欠ける行動に事務所が激怒し、すぐに関係にピリオドが打たれたといいます。さらに、吉岡には仕事が入っている向こう2年の恋愛・セックス禁止が科せられ、吉岡も納得してこれを受け入れたといわれています」(芸能プロ関係者)

 まさに大事なものを投げ捨て、体当たりで挑んだドラマが爆死し、女優としての評価にも疑問符がつけられてしまった吉岡。女優もいいが、またグラビアからファンの信用を回復していく必要があるかも!?

キョドコこと吉岡里帆、涙のロストヴァージン!! 巻きストール=貞操帯だった『きみ棲み』第7話

 下劣男に神の制裁!? ついに結ばれる2人──。そんなサブタイトルが謳われた『きみが心に棲みついた』(TBS系)の第7話。吉岡里帆演じるキョドコがロストヴァージンする日がやってきました。「マジかよ?」と思わず星名の口調でつぶやいた視聴者もいるかと思います。自己評価の極端に低い女子・キョドコはいかにして処女を喪失したのでしょうか。『きみ棲み』第7話を振り返りましょう。

 小川今日子(吉岡里帆)、通称キョドコは下着メーカーに勤める28歳のOLです。職場の上司である星名(向井理)とは大学時代にこじらせた関係でしたが、異性との交際経験はこれまでありませんでした。第6話で星名がプレゼン会議をうまく誘導したことで、キョドコが参加している新ブランドが正式に発足します。堀田(瀬戸朝香)と八木(鈴木紗理奈)のデザイナー2人体制と決まり、職場のみんなは万々歳です。プロジェクトから外された飯田(石橋杏奈)を除いては。

 職場での自分の居場所をようやく確保したキョドコでしたが、恋愛に関してはまだまだキャリア不足です。漫画誌編集者の吉崎(桐谷健太)と久しぶりにディナーデートしますが、吉崎と元カノである人気作家・成川(中村アン)が最近また懇意にしていることが気になって食事が楽しめません。恋愛とは相手の過去やら周囲の思惑やら、いろんなものから目を閉じて先へ先へと渡る綱渡りのようなもの。でも、キョドコの脳裏には華やかさを振りまく成川の存在がちらついてしまい、吉崎との心の距離を感じてしまうのでした。

 家族愛に溢れ、仕事にも熱心な吉崎ですが、担当する漫画家・スズキ先生(ムロツヨシ)が連載中の代表作『俺に届け 響け!』のテレビドラマ化の話を喜んでいないことが気になっています。『届け 響け』に登場する女装男子を普通の女の子にしたいとテレビ局側が言ってきたことをスズキ先生は納得できずにいたのです。女優デビューさせたい新人がいるというのがテレビ局側の言い分でした。新人を女優デビューさせたいって、つまり芸能プロダクションのゴリ押しってことですよね。大手芸能プロダクションのゴリ押しには、TBSも手を焼いているのでしょうか。しれっと自虐ネタが盛り込まれた『きみ棲み』第7話です。

 どこまで相手の立場になって親身に考えることができるか。そんな問題を突き付けられた吉崎は、さらなる衝撃映像にショックを受けます。吉崎を慕う後輩編集者の為末(田中真琴)がバーテンの牧村(山岸門人)から渡された映像には、大学時代のキョドコが部室でストリップしている姿が記録されていました。交際相手の知られざる過去を知った吉崎、どーする!?

 為末はキョドコがいかにビッチな女であるかを訴えたかったものの、これは完全に裏目に出てしまいます。過去のストリップ映像にキョドコが苦しんでいたことを理解した吉崎は、悪意渦巻く牧村のバーへとカチコミを掛けるのでした。「俺も星名もあんたが嫌いなんだよ」「目の前に悪意があったら、どこまでいい人でいられるんだろうなって」と薄ら笑いを浮かべながら牧村は挑発します。キョドコがいつも首に巻いているネジネジストールは大学時代の星名が巻いたものであることも明かします。キョドコの心は、今も星名に支配されたままだと告げるのでした。

 牧村は雑魚キャラであって、本当の敵ではありません。人間は生まれた環境や過去から逃れることができない―。そんな大きな命題に吉崎は立ち向かうのでした。折しも、元凶・星名もバーへと現れ、「若気の至りでした。まさか小川さんが本当に脱ぐとは」とまるで心のこもっていない謝罪をするのでした。でも、牧村の挑発にも、星名の逃げ口上にも吉崎は惑われません。キョドコをはじめ、みんなが吉崎のことを「いい人」と言いますが、今の世の中は「いい人」なだけで生きていけるほど甘くはないのです。牧村が10年前の盗撮映像を見てニヤつき、キョドコがひとりで落ち込んでいる間も、「いい人」でいるために人知れない努力を吉崎は払ってきたのです。暴力に訴えることなく、吉崎は懐に用意しておいた武器を取り出すのでした。

 

■原作とドラマ版では異なるキョドコの処女喪失相手

 

 場面変わって、キョドコのアパート。夜更けに予期せぬ客がドアをノックします。吉崎でした。校内ストリップをやらかした理由を吉崎に打ち明けることができずにいたキョドコですが、吉崎は過去を問いただすことなく一枚の書類を差し出すのでした。それは星名たちと交わした誓約書で、動画はすべて消去すること、脅すようなこともしないと明記されていました。「もう過去に怯える必要はない」と断言する吉崎には、後光が差しているかのようです。キョドコにとっては、神さま、仏さま、吉崎さまです。

「私、幸せです。今、死んでもいいくらい」と泣きながら喜ぶキョドコを、「今は困る」と吉崎は優しく押し倒します。このシチュエーションで、やるべきことはただひとつです。吉崎はキョドコの知恵の輪みたいにネジネジされたストールをほどき始めます。キョドコにとっては、このネジネジストール=貞操帯でした。星名によって装着された貞操帯が10年の歳月を経て、ついに外される瞬間を迎えたのです。「あっ……」「ダメ?」「ダメじゃないです……」というキョドコと吉崎のやりとりが、妙にエロティックに響いて聞こえる第7話のクライマックスでした。

 原作ではキョドコがロストヴァージンした相手は大学時代の牧村でしたが、牧村との初SEXエピソードの代わりにドラマでは校内ストリップが描かれていたので、キョドコの初体験の相手は晴れて吉崎となったのでした。地上波テレビなので露骨なベッドシーンはなく、ストールをほどかれたキョドコが吉崎のキスを受け入れ、なすがまま状態になった後は、あっさり翌朝を迎えます。出社したキョドコを見て、堀田や八木たちは驚きます。それまでずっと巻いていたネジネジストールをキョドコはしていなかったからです。ずっとストールで隠されていた首や胸元が露出しただけで、キョドコのイメージがずいぶんと変わるのでした。メガネっ子アイドルとして売り出した時東ぁみが「裸になるより、メガネを外すほうが恥ずかしい」と言いながらセミヌード写真集を出したことが、なぜか思い出されました。

「私、女の喜びを知りました」と職場のみんなに言わんばかりの勝ち誇った表情のキョドコ。彼女の首にストールがないことに気づいた星名は大ショックです。「マジかよ?」とひとりごちながら、自分が考案した貞操帯を外したキョドコの解放された姿に目を白黒させるのでした。

 落ち込む星名の心理状態に比例するかのように、視聴率は第6話の6.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)から6.5%へとさらにダウンしました。第7話のエンディングでは、殺人罪で服役していた星名の母親(岡江久美子)に星名のストーカーと化した飯田が接近するシーンが映し出されました。第8話の予告では、星名は「死にてぇ……」としょぼくれています。星名の呪縛からキョドコが解放されたのと同時に、星名はこれから転落人生を転がり落ちることになりそうです。破滅へと向かうデーモン星名にとって、“いちばんの味方”は一体誰になるのでしょうか? 幸せを手に入れたキョドコ以上に、星名が滅びの美学をどう見せてくれるのかがとても気になります。
(文=長野辰次)

吉岡里帆演じるキョドコの支離滅裂さに唖然呆然!? 向井理がキラキラ輝き出した『きみ棲み』第6話

 キョドコのキョは、恐怖のキョ! 支離滅裂な言動で周囲の男たちを散々に振り回す世にも恐ろしきヒロインとは、吉岡里帆演じる小川今日子ことキョドコに他なりません。キョドコのみならず、『きみが心に棲みついた』(TBS系)には心の歪んだキャラクターがやたらと多く、恋愛ドラマというよりはサイコサスペンスを観ているかのように背筋がゾゾッとさせられます。今週もまた、「キョドコ、それは違うだろ!!」と全視聴者がツッコミを入れてしまう火曜の夜がやってきました。まずは『きみ棲み』第6話を振り返ってみましょう。

 下着メーカーに勤める小川今日子(吉岡里帆)、通称キョドコは、野外BBQで上司である星名(向井理)とこじらせた関係だった過去が明かされます。ひとりでBBQ会場を去ったキョドコでしたが、追い掛けてきた漫画誌編集者の吉崎(桐谷健太)と初キスを交わし、ついに交際することに。かつてなくウキウキ気分のキョドコが出社する第6話の始まりです。

 一方、キョドコがアシスタントを務めている新プロジェクトのデザイナー・八木(鈴木紗理奈)ですが、大変な窮地に追い込まれます。新ブランド立ち上げの責任者である池脇部長(杉本彩)から、もう1人のデザイナー・堀田(瀬戸朝香)のサポートに八木は回るように言い渡されます。最終プレゼンを目前に控え、何と理不尽な!!

 実は池脇部長にとって八木は、10年前に米倉課長をめぐって火花を散らし合った恋敵だったのです。八木と米倉課長との社内恋愛を面白く思わない池脇部長は、八木をメンズインナーへと異動させたという因縁がありました。今回も最終プレゼンもしないまま、八木に再び煮え湯を呑ませようと企んでいたのです。下着メーカーって女性社員同士のバトルがすごいんでしょうか? 今年の入社希望者数に影響が出ないかちょっと心配です。

 あまりに露骨な池脇部長のパワハラぶりに、新ブランドのデザイナーの座を八木と争う堀田も我慢なりません。池脇部長の指示に従って荷物を片付け始める八木に向かって、「逃げるんだ、メンズに異動になったときみたいに」「つべこべ言わずに、新しいデザインを描きなよ」とハッパを掛ける堀田でした。吉崎のことで浮かれていたキョドコも動きます。できれば顔を合わせたくない星名のもとに出向き、「最終プレゼンをやらせてください」と懇願するのでした。そんなキョドコに対し、「お前、強気だな。吉崎さんと付き合ってるんだって?」と星名はキョドコがあたふたしてしまうツボをピンポイントで責めるのでした。調教師・星名は、Mっ子・キョコドのことはすべてお見通しです。

 第6話の中盤からは、もうデーモン星名の独壇場となります。ついに始まった新ブランドの最終プレゼン。八木チーム、堀田チーム、共に完成したばかりの新作ランジェリーで合否を競うのでした。ところがジャッジを下す池脇部長は、まるで興味がなさそう。八木チームのサンプルを一瞥しただけで「やっぱり堀田のデザインがいいわ。八木には重荷じゃないかしら」とプレゼン勝者を一方的に堀田へ決めようとするのです。これに「待った!」を掛けたのは勝者に選ばれた堀田でした。最終プレゼンの直前に、堀田と八木はサンプルをこっそり交換していたのです。池脇部長が「革新的だわ」と絶賛したサンプルは、八木がデザインしたものだったのです。

 堀田の種明かしに動揺する池脇部長は、開発室長である星名に救いを求めますが、このときこそデーモン星名の冷たい魅力が炸裂します。

「プロジェクトを統括する人間が、デザインの中身でなく、人間で判断していたことを私は残念に思います」

 かねてより報復人事で悪評の高かった池脇部長を、プレゼン会議の場でばっさりと斬り捨ててみせる星名でした。会社の上層部にはすでに池脇部長の不正ぶりを伝えていました。今回のデーモン星名はダークヒーローのごとく超かっこいい存在です。あえなく池脇部長は現場からの退場を余儀なくされ、新ブランドは堀田と八木の2人体制で発足することに決まります。

■天使と悪魔の顔を持つ男、その名は……!?

 

 池井戸ドラマの主人公のような大活躍を見せた星名でしたが、新ブランドの誕生を一緒に喜ぶ相手はいません。最終プレゼンが終わったことで久しぶりに吉崎に会いに行こうとするキョドコを呼び止め、いつもの星名らしくない庶民じみたラーメン店へ2人で入っていくのでした。吉崎という彼氏ができたキョドコですが、最終プレゼンの根回しをしてくれた星名に対する感謝の気持ちもあり、仲良くラーメンをすすることに。

 星名のことを「悪魔のような人」だと嫌っていたはずのキョドコなのに、この日は星名が優しい顔を見せたことから、ついつい大学時代の思い出に花を咲かせてしまいます。結局、星名の支配から完全離脱することはできないキョドコでした。これまで星名への依存から抜け出そうと努力してきたキョドコを見守ってきた視聴者は唖然呆然です。キョドコは笑顔で「今日は私が奢ります♪」とラーメンの替え玉にギョウザまで追加注文しています。職業ドラマとして展開した『きみ棲み』第6話でしたが、本心とは異なる不可解な行動をしてしまう人間の内面の多面性を描いた実に興味深いエピソードではないでしょうか?

 星名の悪魔のような魅力はこれだけでは終わりません。星名に再び心を開いたキョドコでしたが、星名は甘い飴をたっぷりキョドコに舐めさせた後には、しっかりお仕置きを用意していました。人気作家・成川(中村アン)が吉崎と夜遅くまで一緒にいるインスタグラム画像をキョドコに見せつけるのでした。星名に替え玉を強要するなど、調子に乗っていたキョドコがたちまちギャフン顔になるのを、星名は心から楽しみます。

 星名の留守中にマンションに上がり込み、「母親直伝のシチューなんです」と手料理を作って奥さんぶる飯田(石橋杏奈)にも、星名は冷たいムチを振るいます。飯田に預けていたマンションの合鍵を返させた挙げ句に、「僕、愛のないセックスほど興奮しちゃうようです」と田舎のお嬢さん育ちの飯田に言い放つのでした。『君が心に棲みついた』という題名ですが、視聴者の心に棲みついてしまったのは、天使の顔と悪魔の顔を持つ二重人格者・星名なのかもしれません。

 視聴率は第4話・第5話の7.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)からさらにポイントを下げ、過去ワーストの6.9%に。登場キャラクターたちの一貫性のない行動に、視聴者も付いていくのが大変です。予告を見ると第7話では殺人罪で刑務所送りになっていた星名の母親がついに登場し、さらにはキョドコの処女喪失シーンも用意されているようです。大学時代の星名とキョドコに肉体関係がなかったというのも驚きですが、まだまだサプライズが残されているようです。

 星名に棄てられた飯田、狙っていた吉崎をキョドコに奪われた為末(田中真琴)、星名を憎むあまりに心を病んでしまった一ノ瀬(西村元基)といったサブキャラたちの伏線は最終回までに回収できるのでしょうか? キョドコも『きみ棲み』の後半戦も、絶望という名のクライマックスへ雪崩れ込むことになりそうです。
(文=長野辰次)

吉岡里帆演じるキョドコの支離滅裂さに唖然呆然!? 向井理がキラキラ輝き出した『きみ棲み』第6話

 キョドコのキョは、恐怖のキョ! 支離滅裂な言動で周囲の男たちを散々に振り回す世にも恐ろしきヒロインとは、吉岡里帆演じる小川今日子ことキョドコに他なりません。キョドコのみならず、『きみが心に棲みついた』(TBS系)には心の歪んだキャラクターがやたらと多く、恋愛ドラマというよりはサイコサスペンスを観ているかのように背筋がゾゾッとさせられます。今週もまた、「キョドコ、それは違うだろ!!」と全視聴者がツッコミを入れてしまう火曜の夜がやってきました。まずは『きみ棲み』第6話を振り返ってみましょう。

 下着メーカーに勤める小川今日子(吉岡里帆)、通称キョドコは、野外BBQで上司である星名(向井理)とこじらせた関係だった過去が明かされます。ひとりでBBQ会場を去ったキョドコでしたが、追い掛けてきた漫画誌編集者の吉崎(桐谷健太)と初キスを交わし、ついに交際することに。かつてなくウキウキ気分のキョドコが出社する第6話の始まりです。

 一方、キョドコがアシスタントを務めている新プロジェクトのデザイナー・八木(鈴木紗理奈)ですが、大変な窮地に追い込まれます。新ブランド立ち上げの責任者である池脇部長(杉本彩)から、もう1人のデザイナー・堀田(瀬戸朝香)のサポートに八木は回るように言い渡されます。最終プレゼンを目前に控え、何と理不尽な!!

 実は池脇部長にとって八木は、10年前に米倉課長をめぐって火花を散らし合った恋敵だったのです。八木と米倉課長との社内恋愛を面白く思わない池脇部長は、八木をメンズインナーへと異動させたという因縁がありました。今回も最終プレゼンもしないまま、八木に再び煮え湯を呑ませようと企んでいたのです。下着メーカーって女性社員同士のバトルがすごいんでしょうか? 今年の入社希望者数に影響が出ないかちょっと心配です。

 あまりに露骨な池脇部長のパワハラぶりに、新ブランドのデザイナーの座を八木と争う堀田も我慢なりません。池脇部長の指示に従って荷物を片付け始める八木に向かって、「逃げるんだ、メンズに異動になったときみたいに」「つべこべ言わずに、新しいデザインを描きなよ」とハッパを掛ける堀田でした。吉崎のことで浮かれていたキョドコも動きます。できれば顔を合わせたくない星名のもとに出向き、「最終プレゼンをやらせてください」と懇願するのでした。そんなキョドコに対し、「お前、強気だな。吉崎さんと付き合ってるんだって?」と星名はキョドコがあたふたしてしまうツボをピンポイントで責めるのでした。調教師・星名は、Mっ子・キョコドのことはすべてお見通しです。

 第6話の中盤からは、もうデーモン星名の独壇場となります。ついに始まった新ブランドの最終プレゼン。八木チーム、堀田チーム、共に完成したばかりの新作ランジェリーで合否を競うのでした。ところがジャッジを下す池脇部長は、まるで興味がなさそう。八木チームのサンプルを一瞥しただけで「やっぱり堀田のデザインがいいわ。八木には重荷じゃないかしら」とプレゼン勝者を一方的に堀田へ決めようとするのです。これに「待った!」を掛けたのは勝者に選ばれた堀田でした。最終プレゼンの直前に、堀田と八木はサンプルをこっそり交換していたのです。池脇部長が「革新的だわ」と絶賛したサンプルは、八木がデザインしたものだったのです。

 堀田の種明かしに動揺する池脇部長は、開発室長である星名に救いを求めますが、このときこそデーモン星名の冷たい魅力が炸裂します。

「プロジェクトを統括する人間が、デザインの中身でなく、人間で判断していたことを私は残念に思います」

 かねてより報復人事で悪評の高かった池脇部長を、プレゼン会議の場でばっさりと斬り捨ててみせる星名でした。会社の上層部にはすでに池脇部長の不正ぶりを伝えていました。今回のデーモン星名はダークヒーローのごとく超かっこいい存在です。あえなく池脇部長は現場からの退場を余儀なくされ、新ブランドは堀田と八木の2人体制で発足することに決まります。

■天使と悪魔の顔を持つ男、その名は……!?

 

 池井戸ドラマの主人公のような大活躍を見せた星名でしたが、新ブランドの誕生を一緒に喜ぶ相手はいません。最終プレゼンが終わったことで久しぶりに吉崎に会いに行こうとするキョドコを呼び止め、いつもの星名らしくない庶民じみたラーメン店へ2人で入っていくのでした。吉崎という彼氏ができたキョドコですが、最終プレゼンの根回しをしてくれた星名に対する感謝の気持ちもあり、仲良くラーメンをすすることに。

 星名のことを「悪魔のような人」だと嫌っていたはずのキョドコなのに、この日は星名が優しい顔を見せたことから、ついつい大学時代の思い出に花を咲かせてしまいます。結局、星名の支配から完全離脱することはできないキョドコでした。これまで星名への依存から抜け出そうと努力してきたキョドコを見守ってきた視聴者は唖然呆然です。キョドコは笑顔で「今日は私が奢ります♪」とラーメンの替え玉にギョウザまで追加注文しています。職業ドラマとして展開した『きみ棲み』第6話でしたが、本心とは異なる不可解な行動をしてしまう人間の内面の多面性を描いた実に興味深いエピソードではないでしょうか?

 星名の悪魔のような魅力はこれだけでは終わりません。星名に再び心を開いたキョドコでしたが、星名は甘い飴をたっぷりキョドコに舐めさせた後には、しっかりお仕置きを用意していました。人気作家・成川(中村アン)が吉崎と夜遅くまで一緒にいるインスタグラム画像をキョドコに見せつけるのでした。星名に替え玉を強要するなど、調子に乗っていたキョドコがたちまちギャフン顔になるのを、星名は心から楽しみます。

 星名の留守中にマンションに上がり込み、「母親直伝のシチューなんです」と手料理を作って奥さんぶる飯田(石橋杏奈)にも、星名は冷たいムチを振るいます。飯田に預けていたマンションの合鍵を返させた挙げ句に、「僕、愛のないセックスほど興奮しちゃうようです」と田舎のお嬢さん育ちの飯田に言い放つのでした。『君が心に棲みついた』という題名ですが、視聴者の心に棲みついてしまったのは、天使の顔と悪魔の顔を持つ二重人格者・星名なのかもしれません。

 視聴率は第4話・第5話の7.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)からさらにポイントを下げ、過去ワーストの6.9%に。登場キャラクターたちの一貫性のない行動に、視聴者も付いていくのが大変です。予告を見ると第7話では殺人罪で刑務所送りになっていた星名の母親がついに登場し、さらにはキョドコの処女喪失シーンも用意されているようです。大学時代の星名とキョドコに肉体関係がなかったというのも驚きですが、まだまだサプライズが残されているようです。

 星名に棄てられた飯田、狙っていた吉崎をキョドコに奪われた為末(田中真琴)、星名を憎むあまりに心を病んでしまった一ノ瀬(西村元基)といったサブキャラたちの伏線は最終回までに回収できるのでしょうか? キョドコも『きみ棲み』の後半戦も、絶望という名のクライマックスへ雪崩れ込むことになりそうです。
(文=長野辰次)

『きみ棲み』のドS役が話題沸騰中の向井理、実はプライベートも“ドS”!?  「好きなタイプは“3歩下がってついてくる”」「ニッチェに暴言!」……

 連続ドラマ『きみが心に棲みついた』(TBS系)にてヒロイン・吉岡里帆演じる小川今日子を弄ぶ上司・星名漣を怪演している向井理。ドラマ内で向井演じる星名は、ヒロインの今日子と彼女を守る編集者・吉崎(桐谷健太)との恋路を邪魔するために吉崎の元彼女や彼に恋する後輩の存在を利用して裏工作。他にもコネを利用するために近づいていた女性社員・飯田(石橋杏奈)に「すいません。僕、愛のないセックスほど興奮しちゃうみたいです」と冷たく言い放つなど、恐ろしいほどのドSっぷりを見せている。向井のあまりのハマりぶりに、視聴者からは「闇が深い」「もはやホラー」と大反響、再ブレイクの兆しを見せている。

 そんな向井は甘いマスクに加え、182cmの長身に小顔という抜群のスタイルの持ち主。明治大学農学部生命科学科を卒業するなどの高学歴で、バーテンダーをやっていたため酒や料理に精通し、趣味はサッカーにボルダリングとスポーツも万能。まさに絵に描いたようなイケメンキャラだが、実は私生活も演技さながらのドSなのだとか。

「雑誌のインタビューなどで、自分のことを“好き嫌いがはっきりしていてマイペース”と公言しています。好みのタイプについても“3歩下がってついてくる女性”だとしていますし、かなりオラオラ系な性格なのは誰もが知るところです」(芸能事務所勤務)

 しかし、ドSゆえの失態もしでかしているという向井。某飲料のCMでの打ち上げで悪酔いした挙句、共演したお笑いコンビ・ニッチェの近藤くみこと江上敬子に「ブサイクは帰れ」「オマエら、本当にブサイクだな」「ブスは帰れよ」と失礼な言動を繰り返してしまうという大人としてアウトな行動を取ったという話はメディアに大々的に報道され、「向井=性格が悪い」という印象を植え付けてしまっている。

 だが、そんな向井のニュースを見ても「まったく意外だと思わない」と言うのは、彼と同じ大学だったというOL。「彼はイケメンなので目立っていましたが、初対面の人に偉そうだしモテていることを鼻にかけた態度を取る男ということで、校内では悪い評判しか聞かなかったです。女の子も取っ替え引っ替えしていることも有名でした」と、まるでドラマで演じる星名さながらのキャラだったというから驚き。

 これらの私生活エピソードを見ると、ドSキャラが演技に見えないほどハマっているのも納得!?

『きみ棲み』のドS役が話題沸騰中の向井理、実はプライベートも“ドS”!?  「好きなタイプは“3歩下がってついてくる”」「ニッチェに暴言!」……

 連続ドラマ『きみが心に棲みついた』(TBS系)にてヒロイン・吉岡里帆演じる小川今日子を弄ぶ上司・星名漣を怪演している向井理。ドラマ内で向井演じる星名は、ヒロインの今日子と彼女を守る編集者・吉崎(桐谷健太)との恋路を邪魔するために吉崎の元彼女や彼に恋する後輩の存在を利用して裏工作。他にもコネを利用するために近づいていた女性社員・飯田(石橋杏奈)に「すいません。僕、愛のないセックスほど興奮しちゃうみたいです」と冷たく言い放つなど、恐ろしいほどのドSっぷりを見せている。向井のあまりのハマりぶりに、視聴者からは「闇が深い」「もはやホラー」と大反響、再ブレイクの兆しを見せている。

 そんな向井は甘いマスクに加え、182cmの長身に小顔という抜群のスタイルの持ち主。明治大学農学部生命科学科を卒業するなどの高学歴で、バーテンダーをやっていたため酒や料理に精通し、趣味はサッカーにボルダリングとスポーツも万能。まさに絵に描いたようなイケメンキャラだが、実は私生活も演技さながらのドSなのだとか。

「雑誌のインタビューなどで、自分のことを“好き嫌いがはっきりしていてマイペース”と公言しています。好みのタイプについても“3歩下がってついてくる女性”だとしていますし、かなりオラオラ系な性格なのは誰もが知るところです」(芸能事務所勤務)

 しかし、ドSゆえの失態もしでかしているという向井。某飲料のCMでの打ち上げで悪酔いした挙句、共演したお笑いコンビ・ニッチェの近藤くみこと江上敬子に「ブサイクは帰れ」「オマエら、本当にブサイクだな」「ブスは帰れよ」と失礼な言動を繰り返してしまうという大人としてアウトな行動を取ったという話はメディアに大々的に報道され、「向井=性格が悪い」という印象を植え付けてしまっている。

 だが、そんな向井のニュースを見ても「まったく意外だと思わない」と言うのは、彼と同じ大学だったというOL。「彼はイケメンなので目立っていましたが、初対面の人に偉そうだしモテていることを鼻にかけた態度を取る男ということで、校内では悪い評判しか聞かなかったです。女の子も取っ替え引っ替えしていることも有名でした」と、まるでドラマで演じる星名さながらのキャラだったというから驚き。

 これらの私生活エピソードを見ると、ドSキャラが演技に見えないほどハマっているのも納得!?