「おばさん」になるのは案外悪くない。中年の50代女性が得るもの、手放すものの豊かさ

<p> 中年後期の女性の中にも厳然としてある、広い意味での性欲と被承認欲。言い換えれば、「愛情をどこにどう向けるか」問題と「共同体の中でどんな関係性を求めるか」問題。その解決のかたちを、8つのタイプの趣味やライフスタイルを通して見てきました。<br /> </p>

東京志向・自己実現から離れて――地方都市の“ビッグマミィ”な中年女性の眩しい姿

<p> 東京の山の手から東海地方に転勤になった人が一番住みたがるのは、名古屋の東の方だといわれています。名古屋市では東の丘陵地帯を切り開いてできた比較的新しい住宅地が山の手、下町は西や南の古い商店街や工場が多い地域です。私が今住んでいるのは名古屋市の北隣に位置する小さな地方都市ですが、雰囲気としては名古屋の下町に近い感じ。ちょっと前に人口に膾炙した「マイルドヤンキー」が多そうな街と言えば、なんとなくイメージが掴めるでしょうか。</p>

「きもの」は、おばさんのなけなしのナルシシズムを慰める――「和」にハマる中年女性

<p> この10年くらいの間、伝統芸能・文化の見直しブームもあって、「和」への感心が高まっているようです。若い女性の間では、「きものを楽しみたい」という人も増えてきているとか。洋服のニューモードもあまり新味がなくなり、温故知新できものに注目が集まるというのはよくわかります。</p>

中年女性がボランティア活動に励むのはなぜ? “関係性”に発揮される、おばさんの能力

<p> スマホで直ちに目的地までの道のりを調べられるようになった今、人に道を尋ねる機会は減ってきましたが、もし誰かを呼び止めて聞くとしたら、あなたは誰に声をかけますか?とりあえず、おばさんを選ぶ人が一番多いのではないでしょうか。特に女性は。<br /> </p>

60代女性がジャニーズアイドルに見る景色――「青春の疑似体験」でも「欲求不満」でもない

<p> ある時、仕事先の大学の授業で、「あなたのお母さんが今一番はまっているものは何ですか?」というアンケートを取ってみました。彼らの母親世代は40代の終わりから50代前半。一番多かったのがモノ作り(手芸、工芸、お菓子作り)、2位がアイドル、3位がペットとスマホアプリのゲームでした。</p>

「必要とされる私」の関係妄想――ペット命な中年女性の心に潜む“望み”とは

<p> 今や子どもの数より、ペットの数の方が多いと言われる日本。犬だけを見ても、バブル期以降、さまざまな犬種が流行のブランドのごとく持てはやされてきました。ブームの陰で、無責任な飼い主のペット遺棄や増え続ける殺処分が問題になる一方、癒やし効果がアニマルセラピーとして医療の場で注目されていたりもします。かく言う私も今、二代目の柴犬を飼っております。</p>

「オーガニック野菜」「感性を磨く」まではいかなくても……ロハスな中年女性の欲求とは

<p> ロハス(lifestyles of health and sustainability)という言葉から、あなたはどんな人を思い浮かべますか? 環境問題に取り組んでいる企業の品物を買い、オーガニック野菜を食卓に欠かさず、自然系の洗剤を使い、手作りのドクダミ化粧水を愛用していて、身につけるものは天然素材だけ、ヨガを習い、ホメオパシーと食育に関心があり、地球温暖化を憂い、自己啓発セミナーに通っている。好きな言葉は「感性を磨く」「本物を見つける」「見えない世界」「本当の自分と出会う」「人生に必要なこと」「世界を変える」……。</p>

「手作りコサージュ」「スワロフスキーのブローチ」クラフトするおばさんに渦巻く欲求

<p> モノを創るのが大好きなおばさんは多い。また個人的な話から始めますが、結婚した当時、和裁の先生で縫い物全般が大好きな義母が、鍋つかみや鍋敷きや状差しやポーチなどをたくさん作ってくれました。気持ちはありがたいけど私の趣味とはちょっと違う、しかし「いりません」とも言えず……ということで、それらは半年くらいすると押し入れにしまい込まれ忘れ去られていきました。</p>

「おばさん」になりたくない――女と「おばさん」の分断と、地方都市の中年女性たち

<p> 同世代の友人と旅行先で、田舎町の喫茶店に入った時のことです。50代後半とおぼしき女主人がいて、気さくに話しかけてきました。「お客さんたちはどこから?」「名古屋から」みたいな会話です。帰る段になって友人が、一旦奥に引っ込んだ女主人に呼びかけました。「おねえさーん、お勘定お願いします!」。さすがだ。私は彼女の顔をまじまじと見つめました。こういう場面で「おばさん」を連呼してすごく厭な顔をされた、別の友人のことを思い出したからです。「おねえさん」なら角は立ちません。実際、その時の私たちから見れば、「お姉さん」と呼んでもいい年上の人だったわけだし。</p>