――男が、恋人や友人ではない、風俗嬢にしか見せない姿や感情はどんなものだろうか。セックスをした「他人」だけに見せる、男たちの情けなさ、みっともなさ、滑稽さ、そして優しさをアラフォー風俗嬢がつづります。
◎頭の沸いた男からの質問
なんてことないと思いながら働く女性もいると思う。アラフォー風俗嬢に意外といるのが、女としての自分の価値を見いだすために、男に抱かれる仕事を始めたという人。でも、大半の女性は好きでこんな仕事やっていない。99%と言ってもいい。皆、生きる=お金のため。
「SEXが好きなんだね」とか「ちんこしゃぶるのそんなに好きなの?」とか、頭の沸いた男がたまにする質問。んなわけねーだろ。
「気持ちよくなれて、ラクしてお金も稼げていい仕事だよねー」なんて、たまにそれ本気で言ってんの? なんて思うクソ客もいる。お金はいただけるが、稼げるかというと決してそうではないし、まったくもってラクではない。
そして大半のプレイが気持ちよくない。
初めて入ったお店は講習もなかったので、コンドームの着け方、素股の仕方、フェラの仕方など、全てネットで動画検索して勉強した。右も左もわからない世界。精神安定剤を飲み、怖くて震えながらの初仕事はもう何も覚えていない。
◎のどちんこで興奮するLLサイズの男
風俗(デリヘル)デビュー間もない頃の記憶で、入店2日目くらいに出会ったお兄さんが1番印象に残っている。ロン毛を1つにまとめていて、眼鏡をかけたちょっとインテリ風の30代後半のお兄さん。
広告代理店に勤めているその人は、決してイケメンでもブサイクでもないけれど、どちらかというと雰囲気イケメン。一度、真夜中のドライブに連れて行ってもらったことがあった。渋谷区の広くおしゃれなマンションに車はベンツ。一見、モテそうな条件は揃っている。なのに、独身なのが不思議だった。
ところが徐々にエスカレートしていくプレイでわかった。
のどちんこをみると興奮する。いや、のどちんこを見ないと興奮しない。
何度も何度ものどちんこを見せてと言われたり、まるで漫画の「おぼっちゃまくん」かとでもいうような、強烈なべろんべろんの舌を絡ませたキス。何度も何度も「唾液ちょうだい」と言われ、彼の口の中に私の唾液を垂れ流す。
これは彼女ができたとして、もしやったら引くだろう。
当時、人を疑うことをまったくしなかった私は、毎回2~3時間のロングコースをリピート指名してくることに、気をよくし安心しきっていた。Mサイズのゴムじゃ入りきらないLLサイズのデカイちんこのお兄さんに、突然、押さえつけられ生で挿入され、そのまま強引に中出しをされてしまった。
ところが、でかいちんことは真逆の気弱な性格。
非難した私がまるで悪者にでも見えるかのような落ち込みっぷり。ブチ切れて怒った私をそれ以来、お兄さんは二度と指名することはなかった。
それっきり、あっさりさようなら。風俗なんて結局そんなもんだ。
◎新人風俗嬢が大好物の男たち
風俗ではプレイ前とプレイ後にお客さんと一緒にお風呂に入る。1日平均10回前後もシャワーを浴びまくっているので、別に汗・皮脂ではそんなに汚れていない。
それでも深夜、家に帰ると体が汚い気がしてシャワーでゴシゴシ洗っていた。口の中もそう。念入りに歯磨きをして、フロスして、マウスウォッシュして寝ているのに翌朝には口の中からちんこの臭いがして気持ち悪かった。
洗っても洗っても、臭くて汚い自分。そして洗いすぎて細菌性膣炎になった。強烈な臭い。いわゆる性病臭とでもいうのか、生臭い魚のにおいがまんこからする。
風俗を始めてまだ1カ月ちょっとで、もう性病にでもなったのかとパニックなった。ほかにもHIVのことなど考えると、怖くて夜も眠れなかった。性病のことを考えると、考えが暴走してパニック発作を起こしたこともあった。
ちんこをしゃぶりすぎて、口がちんこ臭くて食事も食べる気にならない。陰毛が常に口の奥にあって取れない錯覚。
目をつむると、ちんこと陰毛が目に焼き付いている。ちん毛が口に入ると気持ち悪すぎて、嘔吐しながら仕事をしていた。病院代に借金返済、生活費を稼がないと、誰が私の家賃を払う? 心療内科でもらったいろんな薬を飲みながら、気持ちを奮い立たせて無理をした。そして、今だったら有り難いほどの、出勤すれば予約で即完売するほどのビギナーズラック。
風俗業界には、風俗未経験の新人が大好物の男たちの多いこと。気が付けば、ほかの子の平均収入1カ月分を1週間で稼ぐほどのナンバーワンになっていた。

*曼荼羅*(まんだら)
デリヘルで風俗デビューし、現在出稼ぎ&吉原ソープを掛け持ちするアラフォー。子宮筋腫と腎臓の手術経験があり、現在は子宮頸がん中等度異形成持ち。売りはHカップのおっぱいだけれど、1日2万稼ぐのがやっとの売れない風俗嬢。
ブログ「続・おちぶれ続けるアラフォーでぶ女の赤字返済計画」
