人類を生み出した“創造主”との遭遇!! リドリー・スコットが物語るSF神話『プロメテウス』

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リドリー・スコット監督にとって原点回帰作と
いえるSFミステリー『プロメテウス』。
考古学者のエリザベス(ノオミ・ラパス)らは
35光年離れた惑星で“創造主”が残した遺跡を発見!
 『エイリアン』(79)でブレイクした“希代のビジュアリスト”リドリー・スコット監督にとって久々のSF作品となる『プロメテウス』。人間に“火”という文明をプレゼントしたギリシア神話の巨人神・プロメテウスの逸話をモチーフに、宇宙を舞台にした壮大なるトンデモストーリーを展開している。SF映画好きな人間なら、デジャヴな感覚に襲われるだろう。主人公たちを乗せた宇宙船が未知なる惑星に到着してからの展開は、「あっ、この光景は見たことある!」と背筋がゾクゾクッと来るはずだ。映画好きな人間にとっての懐かしい記憶と同時に、もしかすると人類は映画の主人公たちと似たような行為を犯しているのではないかという不安が頭の中によぎり、奇妙な感覚に陥る。  リドリー・スコット監督は、前作『ロビン・フッド』(10)で13世紀に成立した大憲章(マグナカルタ)の舞台裏には自由を愛する義賊ロビン・フッドの活躍があったという大風呂敷を広げてみせた。世界初となる“憲法誕生”秘話に続いて選んだテーマが、“人類の起源”という人間にとっての根源的な謎。一体、この地球上にホモ・サピエンスはどのようにして誕生したのか? もしかすると、高度な文明を持った異星人によって地球上に種が蒔かれたのではないのか? 映画という箱庭を使って、リドリー・スコット監督はその仮説がどれだけ信憑性があるかを探っていく。
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大企業ウェイランド社の重役であるヴィッカー
ズ(シャーリーズ・セロン)が宇宙船の監督
官として乗船。もちろん営利目的ですよ。
 物語は地球から始まる。今世紀末、考古学者のエリザベス(ノオミ・ラパス)は公私にわたるパートナーであるホロウェイ博士(ローガン・マーシャル=グリーン)と共にスコットランドの洞窟で3万5,000年前の壁画を発見する。すでに世界各地の古代遺跡からも同じような壁画が見つかっている。人類や動物たちを従えた巨人が空の星を指さしている図だ。「この巨人は、人類を作り出したエンジニア(創造主)に違いない!」と感動のあまり涙ぐむエリザベス。各地で発見された壁画を分析した結果、巨人が指さす星は実在することが判明。「これは創造主から人類への招待状なのよ!」と主張するエリザベスとホロウェイ博士を隊長にした探査チームが結成され、大企業ウェイランド社が製造した宇宙船プロメテウス号は35光年離れた惑星へと向かう。2093年、それは人類と“創造主”がコンタクトを果たす記念すべき年になるはずだった。  宇宙船プロメテウス号は2年がかりでようやく“約束の地”である惑星に到着するが、そこは超ハイセンスな高層ビルが並ぶ未来文明都市でもお花畑が広がる桃源郷でもなかった。重金属まじりの砂嵐が吹き荒れる、どちらかというと地獄の一丁目のような荒涼とした風景。宇宙船のレーダーが砂漠の真ん中にある小高い丘をキャッチする。この丘はドーム状の空洞となっており、明らかに人工物だった。エリザベスら探査チームは古代言語に精通したアンドロイドのデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)を連れ、“創造主”に謁見せんと喜び勇んでドームの中へと駆け込んでいく。ところが中は薄暗くてイヤ~な感じ。ようやく発見できたのは、“創造主”のひとりと思われる巨人のミイラ化した遺体と謎の部屋に隠されていた奇妙な壺の数々……! 調査が進み、次第に状況が明らかになっていく。どうやら、この巨人は2000年前に息絶えたらしいこと、この惑星は巨人にとっての母星ではないらしいこと、このドームは何かの実験施設らしいことが分かる。一体、我々の“創造主”はこんなうらぶれた惑星で何の実験を行なっていたのか? やがて宇宙船プロメテウス号の乗組員たちに次々と異変が起き、エリザベスは自分たちがとんでもないパンドラの箱を開けてしまったことに気づく。  SF映画には、様々なメタファーが隠されている。現代社会が抱える問題点が「だまし絵」「隠し絵」のように潜んでいる。ギリシア神話をモチーフにした本作もそうだ。エリザベスたちがドームの中を探検する様子を観て、ドキュメンタリー映画『100,000年後の安全』(09)を連想する人もいるだろう。『100,000年後の安全』はフィンランドで建造中の放射性廃棄物最終処分所“オンカロ”をめぐる危険な話。核廃棄物は現在の人類の科学では処理することが不可能なため、固い岩盤を掘削した地下500メートルの巨大施設内に埋蔵することになる。放射能が人体に影響を及ぼさないようになる10万年後まで厳重に保存しなくてはならない。だが、数万年後の未来人類は、現人類が記した「ここは危険。立ち入るべからず」という警告文を解読することができるのかという問題が生じる。未来人類はオンカロを旧人類が残した古代遺跡と勘違いして掘り出してしまうのではないか。結局、オンカロの建造者たちは名案が思い浮かばず、未来人類がオンカロの存在に気が付かないことをただ祈るしかない。『プロメテウス』を観ていると巨人が残した実験施設とフィンランドの地下に造られたオンカロが頭の中で結びつき、単なるデジャヴでは済まない恐怖に襲われる。“プロメテウスの火”は人間の手に負えないものとして度々原子力の比喩として使われる。
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アンドロイドのデヴィッド(マイケル・ファ
スベンダー)。人間がその起源を探るように、
彼も「人間はなぜ私を作ったのか」という
命題を抱える。
 優れた文明を有した巨人たちは、へんぴな惑星で一体どんな実験を行ない、なぜ途中で放り出したのだろうか。日本の戦後史をかじった人なら、GHQを思い浮かべるかもしれない。「日本人の精神年齢は12歳」と語ったダグラス・マッカーサー元帥率いるGHQは、焼け野原状態だった敗戦国・日本に平和憲法の移植手術を試みる。戦争の放棄、男女平等、社会福祉を謳った進歩的な憲法を植え付けることで、小さな島国を世界で類をみない理想社会に育むつもりだった。だが実験開始から間もなくGHQ内部で主導権争いが起き、理想社会に育て上げる目的は初期段階で頓挫してしまう。朝鮮戦争の勃発により、日本は軍需景気により急成長を遂げることになる。  かつてマッカーサーに「12歳の少年のよう」と称された日本人は、今は何歳になったのだろうか。いつまでも米国に逆らうことのない未成年のままなのか、それとも成熟することなく人生のピークを過ぎてしまったオッサンなのか。一方、人類を生み出した“創造主”から見れば、核廃棄物の処理方法も見つからないまま原発建設を続ける人類はいったい何歳に映るのだろうか。リドリー・スコット監督がこしらえた映画『プロメテウス』は、観る人間によって様々なイマジネーションが呼び起こされる不思議な箱庭だ。 (文=長野辰次) prometheus4.jpg 『プロメテウス』 製作・監督/リドリー・スコット 脚本/ジョン・スペイツ、デイモン・リンデロフ 出演/ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、シャーリーズ・セロン、イドリス・エルバ、ガイ・ピアーズ、ローガン・マーシャル=グリーン、ショーン・ハリス、レイフ・スポール、エミュ・エリオット、ベネディクト・ウォン、ケイト・ディッキー  配給/20世紀フォックス映画 8月24日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー〈3D/2D同時上映〉、8月18日(土)、19日(日)先行上映あり <http://www.foxmovies.jp/prometheus> (C) 2012 TWENTIETH CENTURY FOX ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第183回]“校内格差社会”に出現した異分子(ゾンビ)たち! 青春のカタルシス『桐島、部活やめるってよ』 [第182回]カメラマンは法を犯してもかまわない!? 国家の暗部を暴く男の情念『ニッポンの噓』 [第181回]“学校”という名の密室ではびこる児童虐待の事実! 子どもたちは教師を訴える『トガニ 幼き瞳の告発』 [第180回]“神様”との出会いと別れ、そして旅からの帰還  ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』 [第179回]親友=お金を貸してくれる、女友達=SEXさせてくれる!? 品性お下劣男の青春『苦役列車』 [第178回]“沢尻エリカ”という名のアトラクションムービー『ヘルタースケルター』が描く無常の世界 [第177回]毒カレー、オウム真理教、光市母子殺害……“悪魔の弁護人”と呼ばれる男の素顔『死刑弁護人』 [第176回]“芸能生活30周年”ニコラス・ケイジの会心作! 被災地に流布する暗号『ハングリー・ラビット』 [第175回]やめろと言われても、今では遅すぎたッ! 妻夫木聡&武井咲主演の過剰なる純愛劇『愛と誠』 [第174回]年間自殺者数3万人を越える現代社会への提言 自殺対策の現状を追った『希望のシグナル』 [第173回]“三島割腹事件”を若松孝二監督が映画化!『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』 [第172回]実在の事件を題材にした“命の授業”『先生を流産させる会』がついに劇場公開! 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「アレレ? ちょっと見ぬ間に顔が……」芸能活動再開したマリエに現場が騒然としている!

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『マリエ系』(講談社)
 昨年9月よりファッションの勉強のため米ニューヨークの美術大学に留学していたタレントのマリエが、芸能活動を再開させた。  今月2日には久しぶりに芸能イベントに出席。集まったマスコミの数に「超ビビッてる」と言いながらも、ブレーク中の芸人スギちゃんについて「みんなはもう飽きてるかもだけど、私は会ったことがないので見たい。あのテキトーぶりと最初からあきらめてる感が、頑張ってと思う」と得意の毒舌を炸裂させた。  だが、現場のマスコミに言わせれば「超ビビッた」のは久しぶりに見たマリエの顔だったという。 「出てきた瞬間、アレ? って思いました。留学前はもうちょっと眼光が鋭くて、ワガママな印象を受けたけど、久しぶりに見たらタレ目で、穏やかな雰囲気になっていたんです」(取材した某紙記者)  昨年3月11日の東日本大震災後、マリエは「芸能人ならば寄付すべき」という世間の風潮に対し、自身のTwitterで「くだらね、世の中チャリティ産業かょ!?」などと発言。激しいバッシングにさらされ、のちにブログで謝罪するハメになった。 「その後、しばらくして留学を発表。表向きはスキルアップのためと言っていますが、実際は本人のリフレッシュと騒動を鎮静化させる狙いがあったとウワサされています。留学中にイメチェンしたのでしょう」(ワイドショー関係者)  顔が“変わった”のも、そうした戦略によるものなのか……。芸能プロ関係者は「いやいや、留学先では予想に反して(?)勉学に励み、学校の評価も高かったそうですよ。充実した学校生活を送ったことで、“牙”が抜け、女神のような顔になったのでしょう」とフォローする。果たして真相は――。

「アレレ? ちょっと見ぬ間に顔が……」芸能活動再開したマリエに現場が騒然としている!

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『マリエ系』(講談社)
 昨年9月よりファッションの勉強のため米ニューヨークの美術大学に留学していたタレントのマリエが、芸能活動を再開させた。  今月2日には久しぶりに芸能イベントに出席。集まったマスコミの数に「超ビビッてる」と言いながらも、ブレーク中の芸人スギちゃんについて「みんなはもう飽きてるかもだけど、私は会ったことがないので見たい。あのテキトーぶりと最初からあきらめてる感が、頑張ってと思う」と得意の毒舌を炸裂させた。  だが、現場のマスコミに言わせれば「超ビビッた」のは久しぶりに見たマリエの顔だったという。 「出てきた瞬間、アレ? って思いました。留学前はもうちょっと眼光が鋭くて、ワガママな印象を受けたけど、久しぶりに見たらタレ目で、穏やかな雰囲気になっていたんです」(取材した某紙記者)  昨年3月11日の東日本大震災後、マリエは「芸能人ならば寄付すべき」という世間の風潮に対し、自身のTwitterで「くだらね、世の中チャリティ産業かょ!?」などと発言。激しいバッシングにさらされ、のちにブログで謝罪するハメになった。 「その後、しばらくして留学を発表。表向きはスキルアップのためと言っていますが、実際は本人のリフレッシュと騒動を鎮静化させる狙いがあったとウワサされています。留学中にイメチェンしたのでしょう」(ワイドショー関係者)  顔が“変わった”のも、そうした戦略によるものなのか……。芸能プロ関係者は「いやいや、留学先では予想に反して(?)勉学に励み、学校の評価も高かったそうですよ。充実した学校生活を送ったことで、“牙”が抜け、女神のような顔になったのでしょう」とフォローする。果たして真相は――。

「下ネタは、かなりイケるタイプ」AKB48・大島優子“至高の名器の持ち主”報道にニンマリ?

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実際どうなの?(撮影=後藤秀二)
 下世話な記事がウリの「週刊実話」(日本ジャーナル出版)の8月23・30日合併号が話題となっている。  大見出しは「AKB48 秘密の花園総選挙 大島優子 至高の『名器』」。AKB48メンバーの女性器の“総選挙”を行ったところ、大島が1位に輝いたというものだ。  こうした記事を堂々と掲載するのが「実話」のすごいところ。同誌は以前にも、大島の“名器度”を診断。専門家によるSEX診断チャートの数値がどれも高く、エロさという点でもAKB48メンバーの中でもトップクラスと断定。目鼻立ちが大きく、エネルギッシュな女相で、大きな口に大きな門歯、張ったエラ、金甲(小鼻)の発達した横幅のある鼻と、絶倫相が揃っており、セックスは一晩で二交、三交は当たり前。「男1人で間に合わなければ二股、三股もありうる」という記事を掲載した。  ただでさえ“恋愛禁止”のAKB48なのに、それをはるかに凌ぐ“名器記事”は熱狂的なファンの怒りを買いそうだが、当の大島は記事の内容を知っても余裕の表情だという。 「彼女は週刊誌が大好きで、自分の記事はくまなくチェック。『芸能人は書かれてナンボ』と、肝が据わっているんです。過去にウエンツ瑛士と熱愛が報じられた時は、さすがに本人も焦ったそうですが、それ以外は豪快に笑い飛ばす性格。今ごろゲラゲラ大笑いしていると思いますよ」(大島を知る人物)  そればかりか「むしろ彼女は名器と言われて大喜びしているらしいですよ。ファンの前では隠しているけど、舞台裏の彼女は下ネタがイケるタイプ。負けん気が強く、ナンバーワンやオンリーワンを目指す性格だから、名器記事は勲章でしょう」(同)  AKB48のセンターは文字通り“器”が違うようだ。

人気兄弟犬ZIPPEIの急死で日本テレビ『ZIP!』に打ち切り説が浮上!

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日本テレビ公式サイトより『ZIP!』
 いたたまれない事故が起きてしまった。朝の情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)の“看板犬”として愛された「スマイルキャラバン」のZIPPEI兄弟が、熱中症と見られる症状により急死したことが判明したのだ。  8月10日放送の同番組内で、枡太一アナウンサーが「視聴者の皆様に大変つらいお知らせをしなければなりません」と切り出し、事実関係を公表。  番組発表によるとZIPPEI兄弟には飼い主がおり、旅に出ているとき以外は飼い主の元でほかの犬たちと共に生活をしていたが、前日9日、飼い主は犬たちを車に乗せて外出。外出先で日陰の駐車場に車を止め、暑さを避けるためエアコンを付けた状態で一旦車を離れたというが、1時間半ほどして飼い主が車に戻ったところ、エアコンは止まっており、乗っていた9頭の犬すべてがぐったりした状態だったという。その後、懸命に介抱を試みたが、ZIPPEI兄弟を含む7頭が死亡した。  あまりにもショッキングな最期に、番組MCを務めるタレントの関根麻里は声を詰まらせながら「本当にまだ気持ちの整理がつかない部分がありますが、今まで私たちに毎朝笑顔を届けてくれたZIPPEIたちに感謝の気持ちを伝えたいです」とコメント。後日、お別れの会を開く方向で検討しているという。  だが、不慮の事故とはいえ、後味が悪いことは間違いない。以前、ZIPPEIが声帯を除去していたことが明らかになっていることから、ネット上では「最期までZIPPEIは犠牲になった」という声が噴出。同局に番組打ち切りを求める抗議電話を入れる者も続出しているという。  テレビ関係者は「視聴率もパッとしないし、リニューアルする方向で話し合いが持たれているそうです」と明かす。“アイドル犬”の死は、まだまだ波紋を広げそうだ。

文春の連続安打はいつまで続く? 元・名物編集長が選ぶ、夏の合併号ベスト3

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「週刊ポスト」(8月17日・24日号)
<夏の合併号ベスト3> 第1位 「週刊ポスト」(8月17日・24日号) 第2位 「週刊文春」(8月16日・23日号) 第3位 「週刊新潮」(8月16日・23日号) <スクープ大賞ベスト3> グランプリ 「怒りのスクープ! 米兵レイプ犯を逮捕させない日本政府」(「週刊文春」) 第2位 「『テレビ朝日』看板番組の裏の顔『報道ステーション』は闇金融に手を染めた」(「週刊新潮」8月16・23日号) 第3位 「特別読み物 夏祭りからテキヤが消える」(同)  夏の合併号が出揃った。ロンドン・オリンピックに話題をさらわれたためか、全体に地味な作りになっていたが、その中ではポストが硬軟の記事のバランスがよく“お得”感が際立っていた。「橋下維新『総選挙候補888人』全実名を公開する」はイマイチだったが、巨人軍の主砲、阿部慎之助捕手(33)のスクープ激撮「阿部と巨乳アイドル『不倫の配球』」は暑気払いに格好の読み物になっていた。カラー「袋とじ」は女性器をかたどった芸術作品だが、圧巻。このところおなじみの「謎の美女YURIへの恋文」はやや迫力不足だが見て損はない。  ポストのライバル誌である現代は「3年で富士山は噴火する そのときに備えたほうがいい」と警鐘を鳴らしている。だが、全体に月刊誌かと見紛う作りで週刊誌らしさがなくなってきているのが気になる。同じように、たぶん久しぶりの合併号になる週刊朝日も、このところ元気がない。文春は相変わらずスクープが続いているし、新潮もスマッシュヒットをかっ飛ばしている。文春がどこまで連続安打を延ばせるのか、楽しみである。  第3位は、新潮のノンフィクション・ライター溝口敦の特別読み物。  夏といえば縁日、縁日といえばテキヤ、テキヤといえば寅さんというのが通り相場だったが、このところ祭礼、花火大会からテキヤが締め出されて、生活苦から自殺者まで出しているというのだ。テキヤでも家族総出で働けるのは親方クラスで、若い者はハナから結婚もできず女房子供も養えないそうだ。 「月20万円稼げれば、若い者も一家に残ります。現実は月10万ですよ。だから若い者が残らない。年間稼げる日は80~100日。仕込みとか準備の日も入れて130日。手伝いの若い者を手子(てこ)というんですけど、手子に1日1万2000円払っても、均せば7000円ぐらいにしかならない。これじゃ所帯持つのは不可能です」(都内のテキヤ幹部)  そこへ全国都道府県の暴排条例は、軒並みテキヤ排除を決めている。これは努力目標に過ぎないのだが、現実にはこの条項が実施され、祭礼などから次々締め出されているのだ。溝口は、警察が博徒、テキヤ、青少年不良団の3つを暴力団だと決めているからだという。だが、暴力団対策法で指定されている「指定暴力団」22団体の中でテキヤ中心の団体は極東会(本部は東京・西池袋)だけなのだそうだ。  昨年10月には、明治神宮を庭場にする杉東会が正月三が日の初詣客を当て込み使用許可願を出したが、神宮はテキヤを境内に入れず、周りの公道部分についても代々木署、原宿署が使用を認めなかった。そこで都知事秘書課や都総務局人権部、杉東会と一緒になってイベント企画会社が去年11月に上申書を出し、ようやく警察は公道使用の許可を出したのだ。だが、出店希望者は住民票、運転免許証のコピー、誓約書などを最寄りの警察署に提出し、一人当たり2100円の審査費用を払ってIDカードのような許可証をもらわなければならない。イベント会社は出店希望者から一人3万円の手数料を取ったが、道路使用料、電気代、ゴミ処理費用などを差し引いたら手元に17万円しか残らなかったという。  同年9月には山口組の直系だった関西のテキヤ集団が山口組本家から除籍になり、直後に解散したが、食うためには山口組から縁を切ってもらうしかなかったからだという。   生活苦から自殺者も出ている。テキヤ冬の時代だ。「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅と発します」という有名なフーテンの寅の口上。立川談志師匠が英語バージョンまで演じた絶品「蝦蟇の油」の口上はこうだ。 「サァーサァーお立会い(たちあい)、御用(ごよう)とお急ぎで無い方はゆっくりと聞いておいで、見ておいで、遠目山越し笠(とおめやまごしかさ)のうち 聞かざる時は物の出方善悪黒白(でかたぜんあくあいろ)がとんと判らない。  山寺の鐘がゴーンゴーンと鳴るといえども、法師(ほうし)きたって 鐘に撞木(しゅもく)をあたえなければ、鐘が鳴るのか、撞木が鳴るのか、とんとその音色(ねいろ)が判らない。  サテお立会い。手前ここに取りい出したる陣中膏(じんちゅうこう)は、これ「がまの油」、がまと言ったってそこにもいる・ここにもいると言う物とは物が違う」(口上文サイトからの引用)  こんな「啖呵売(たんかばい)」も、とんと聞くことができなくなってしまった。  驚くことに、江戸三大祭りの一つ、三社祭が中止されるかもしれないというのだ。この祭りは浅草寺の隣の浅草神社の祭礼だが、浅草寺は三社祭を猥雑だとして、その中止さえいい出し、町から総スカンを食っているというのである。それを警察は「暴排への一定の努力がなされたと認識」しているというのだから、伝統というものが蔑ろにされているといってもいい。縁日がなくなり、祭礼も土曜日曜に重なることが多く、テキヤが稼げなくなってきているところに、暴排条例適用で泣きっ面に蜂である。  溝口は「近い将来、『テキヤ殺して、お祭り死す』が日本の現実になりそうだ」と危惧している。ソース焼きそばも、金魚すくいも、射的もない縁日なんて……。天国の寅さんがこう言っているはずだ。「それをやっちゃおしめぇよ」と。  今週の第2位は週刊新潮の注目記事。実に刺激的なタイトルである。  きっかけは6月18日に赤坂で起きた、ちょっとした「捕り物」だったという。「X」(仮名)なる高級韓国クラブに警視庁の強制捜査が入り、店のママやホステスなど16人が入管難民法違反容疑で摘発されたのだが、オーナーママは当日韓国に滞在していて難を逃れた。  そのオーナーママはコリアン街では「エス」の愛人といわれているそうだが、「エス」は「何人もの韓国人ママやクラブの経営者たちに金を貸している“闇金の帝王”」(韓国クラブ関係者)として有名な人物だというのだ。    この「エス」なる人物がテレビ朝日の看板番組『報道ステーション』の制作協力会社で、古舘伊知郎も役員を務める「(株)古舘プロジェクト」の佐藤孝社長(63)だというのだから驚く。「(株)古舘プロジェクト」は長野智子アナや俳優の中尾彬などを抱え、70名の社員を擁する大手番組制作会社である。 『報道ステーション』関係者によると、この番組だけで年間20億円近くがテレビ朝日から支払われているという。この佐藤社長は元三越の呉服売り場の営業をやっていて、そこの顧客だった著名な劇画原作者にかわいがられ、編集プロダクションを任され、そこで古舘と出会ったそうだ。   そんな人物が複数のママたちに金を貸し付け、「利息は月3分」も取っているというウワサがあるというのだからコトは穏やかでない。月3分というのは、年利36%もの高利になる立派な闇金融である。さらに問題なのは、「(株)古舘プロジェクト」も佐藤社長も、貸金業としての届けを出していないことだ。  視聴率でフジを抜いて快調なテレビ朝日だが、その看板番組の制作会社社長が「貸金業違反」に問われたら、古舘アナにも火の粉が降りかかるのは間違いない。さあ、佐藤社長はどう答えるのか。 「X」のママが愛人だというウワサは否定したが、彼女のマンションの保証人になっていることは認めている。暴力団との交友も「絶対ない」と否定したが、闇金融についてはこう話している。 「ええ、『X』のママにはこれまで何度か合計5000万円くらいは貸したが、すべて返してもらった。(中略)他にも、これまで何人にも貸していたのは事実。10人以上は貸しましたかね」  さらにこう言っている。 「最初は私のポケットマネーや、私が会社から借りて、それを彼女たちに転貸ししていた。でも、今では直接、会社から彼女たちに貸す形にしているものもある。返済中の分も含めると、トータルで残っているのは2億円強だと思います」  ただし金利は年2・5%だと借用書を見せたという。  日弁連前会長で「全国ヤミ金融対策会議」の代表幹事・宇都宮健児弁護士は、こう言っている。 「(中略)トータルで10件以上、額も2億円となると、業として行っていると認定される可能性が高い。しかも相手が複数であれば尚更です。そうなると金利が年2・5%あっても関係なく、貸金業違反の可能性が高い」  新潮は、個人でも会社でも金利収入を得てきたのに、その税務処理はどうしたのかと問う。韓国クラブのママらに巨額の金を貸すのは尋常な行為ではないと批判し、『報道ステーション』でも闇金融問題を糾弾したことがある古舘アナを直撃する。だが、古舘アナは「そのような事実は把握していません」とそっけない。  しかし、報道に携わる制作会社の社長が貸金業の届けを出さずに多額の金を貸し付け、金利を取っていたというのは、無視していい話ではない。ましてや古舘アナも役員として名を連ねているのだから、はっきりした説明をするべきだと、私も思う。  文春の「怒りのスクープ!」が今週のグランプリに輝いた。泥酔した米海軍厚木基地航空基地所属の二等兵曹A(23)にレイプされた被害者の寺坂恭子さん(仮名・30代前半)の痛切な告白をスクープしている。  事件が発生したのは7月21日(土曜)の未明。神奈川県内のショットバーで、Aと高級将校との間でいざこざが始まった。将校はAを店の外に連れ出して「これ以上飲むな」と叱責、店の女性、寺坂さんがAを彼の自宅まで送り届けることになった。 「帰宅途中、Aは女性の腹部を何度も殴打し、『俺はやりたいんだ。黙ってやらせろ。従わなければ殺す』と脅迫して自宅に引っ張り込み、強姦に及んだ。凶悪で卑劣な事件です」(神奈川県警捜査関係者)  寺坂さんは、その夜の恐怖をこう語っている。 「Aの自宅に近づき、人気のないマンションとマンションの間の通路に差しかかったところで、Aはいきなり拳で私のお腹を殴り、チャックを下ろして自分のモノを出し(中略)。『痛い、やめてよ』と抵抗しても『うるさい。殺すぞ』と叩かれ(中略)。Aは私の髪を思い切り引っ張って、鳩尾をグーでバーンと殴られて、俵抱えにされて自宅に連れ込まれました。 『ああ、これはちょっとでも抵抗したら殺されるな。生きて帰るためには犯(や)られるしかないな』と諦めるしかありませんでした。(中略)  Aはサディストのように、叩いたり喚いたりしながら暴力的に犯し続けました。避妊などせず、膣中にも出されてしまった。でも生きて帰りたい一心で、大人しくAが眠りに落ちるのを待って、逃げ出しました。(中略)時計を見たら、午前三時五十分でした。後で気がついたけど、髪の毛がメチャクチャ抜けていました」  だが、彼女は泣き寝入りしなかった。必死に逃げ出した後、知人に相談して在日米軍憲兵隊に通報したのだ。憲兵隊は全米犯罪情報センターを通じて県警大和署に連絡を入れ、同署が翌日Aの自宅などを家宅捜索した。  Aはメキシコ系アメリカ人で、所属は診療所勤務。日本に来る前はイラク戦争にかり出され、ケガをしたままで砂漠に2~3日取り残されて半狂乱になり、それがPTSD(心的外傷後ストレス障害)になったのではないかといわれている。Aの自宅に米軍憲兵隊や県警大和署の捜査員、鑑識が乗り込んで家宅捜索はしたが、奇妙なのはそこからだった。彼女は膣内の検査やDNA検体を採取され、何度も現場検証にも立ち会わされたが、それから捜査が進んでいないのだ。 「これまでに五回以上は警察に呼ばれて、毎回同じ話をしていますが、全然告訴状にサインさせてくれないんです。(中略)強姦って親告罪で、被害者が告訴しないと犯人を処罰できないんですよね」(寺坂さん)  一方のAは、IDカードを没収され基地の外には出られないが、身柄を拘束されて営倉にぶち込まれているわけではないようだ。  彼女は人形を使った現場検証を何度もさせられて、具合が悪くなってしまった。だが、ここで引き下がったら、Aが出てきて自分が狙われるだけではなく、家族にも危害が及ぶかもしれない。そんなことが起きたら死んでも死にきれないと、不安を口にする。  これまでも、1957年に群馬県内の在日米軍演習地にくず鉄を拾いに入った日本人主婦に、背後からグレネードランチャーを発射して即死させたジラード二等兵(当時21)に対して、懲役3年執行猶予4年という軽い判決が出たことがある。判決に対して日本国内で大きな批判が巻き起こったが、ジラードの処罰を最大限軽くすることを条件に、身柄を日本へ移すという「密約」が結ばれていたことが1991年の米国政府の秘密文書公開で判明している。  今回もこれと同じケースになる可能性があるというのは、春名幹男・名古屋大教授である。 「時期的にも、オスプレイの沖縄配備の直前に全国で試験飛行するという微妙な時期。オスプレイは将来的に全国の基地に配備される可能性があるので、こうした事件が世論に影響を与えることを、日米当局が懸念していることはじゅうぶん考えられます。(中略)日本側当局もオスプレイ配備への影響を懸念しているのは同じでしょう。決定的な証拠が出揃うまでは起訴しないつもりなのかもしれません」  文春は県警関係者の証言を掲載している。 「逮捕状を請求しようとしたところ、司法当局から『オスプレイ配備の問題もあるため、米軍関連で波風が立つのは好ましくない』と待ったがかかっている」  犯人が基地内に逃げ込んでいると、逮捕状を請求するためには、日米地位協定に基づく米軍の許諾が必要となり、事情聴取も米軍の協力に基づいて、犯人の身柄を憲兵に連れてきてもらって任意で取り調べることしかできないのだ。 「現行犯逮捕でない場合、立件することすら難しく、もみ消される可能性もあります。現状では、あくまでも米軍側の協力に捜査が左右されてしまうのです」(池宮城紀夫弁護士)  事件発生から20日近く経つのに寺坂さんの告訴すら受理していないのはおかしいと、文春は強い疑問を投げかける。この事件がどこまで拡がるのかは、この記事だけではまだ不透明である。オスプレイ配備と関連性はあるのか。レイプ犯罪を立証するのは、米軍が絡んでいなくても、なかなか困難である。そうしたこともあるのか、私の知る限り、他のメディアの追っかけ報道はない。  しかし、日米地位協定を持ち出すまでもなく、アメリカによる戦後の占領統治以来、沖縄だけではなく日本全土を植民地として支配し続ける構図は変わっていない。そうした実態を日本人に可視化し、知らしめるためにも、文春はこの件を継続取材し、事件の全容を毎週報道し続ける気概を持ってもらいたいものである。  週刊誌はスクープを飛ばしても、他誌が食いついてきて拡がっていかないと、その問題をフォローすることがないのが最大の欠点である。これを機に、在日米軍兵士が絡んだ過去の事件の掘り起こしをして、連載したらどうだろうか。怒りを忘れた日本人の心に火をつけなくては、在日米軍基地も原発もなくなりはしない。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか 

かわいさはパンダに負けず劣らず!? “ブサかわ”生物大集合『生きもののヘンな顔』

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『生きもののヘンな顔』(幻冬舎)
 昨年3月に2頭のジャイアントパンダが上野動物園に来て以来、日本中がパンダフィーバーに包まれている。7月にはその1頭「シンシン」の赤ちゃんが誕生したものの、わずか6日後に肺炎で死んでしまうという悲しい事件があったが、今月10日には和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」で新たに赤ちゃんパンダが誕生。また、ジャニーズ事務所が東日本大震災復興支援プロジェクトの一環として、仙台市・八木山動物公園へのパンダ招致を計画しているなど、何かと世間の話題を集めるパンダ。その獰猛な生態とはかけ離れた、タレ目でおっとりとした雰囲気が人気を支えているようだが、世の中にはパンダに負けず劣らず、個性的な表情をもった愛すべき生きものたちがたくさんいる。  『生きもののヘンな顔』(監修/小宮輝之、構成・文/ネイチャー・プロ編集室、幻冬舎刊)は、哺乳類から昆虫まで、さまざまな生きものの面白い表情を横断的に紹介するビジュアルブックだ。生きものの種類別ではなく、表情や色・形、体のパーツごとに章立てされたユニークな構成となっている。
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アルパカ(『生きもののヘンな顔』より)
 たとえば、メスに求愛するために鼻の穴やのど袋を赤く膨らますズキンアザラシやオオグンカンドリ、大きな口を開けてあくびをするアルパカやダチョウなど、普段はなかなかお目にかかれない、生きものたちのかわいらしい表情が並ぶ。かと思えば、真っ赤な顔にハゲ頭がトレードマークのアカウアカリや、おでこが突き出したコブダイ、ほとんど毛のないからだにゴマつぶのような目と長い歯を携えたハダカデバネズミなど、コミカルでちょっとグロテスクな、“ブサかわ”系生きものも登場。
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コブダイ
 威嚇という行為ひとつをとってみても、その形はそれぞれ。ライオンのように牙をむき出しにしてうなり声を上げる“ザ・威嚇”もあれば、一見大喜びしているようにしか見えないスパイクヘッドキリギリスや、大きな口を開け真っ赤な舌を見せるマダガスカルヘラオヤモリなど、実にユニークだ。
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マンドリル
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ジャクソンカメレオン
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メキシコサンショウウオ
 本書のあとがきで監修者の小宮輝之氏が、 「それぞれの生きものは何億年、何万年の年月をかけて、独特な姿に進化してきた。その姿を特徴づけている顔は、それぞれの生きものが、種ごとに与えられた地球上のすみかで、もっともくらしやすい姿に到達した、真面目で真剣な顔なのである」 と述べているように、彼らの“ヘンな顔”には深いワケがある。パッと見は「かわいい~」「気持ち悪い」だけで終わってしまいがちだが、この本を片手に、その顔に隠された秘密を探るべく、動物園や水族館に足を運んでみるのもいいかもしれない。 ●こみや・てるゆき 1947年東京生まれ。明治大学農学部卒業。上野動物園前園長。おもな著書に、『目からウロコの動物園』(保育社)、『日本の野鳥』(学習研究社)、『物語 上野動物園の歴史 園長が語る動物たちの140年』(中央公論新社)、『鳥あそび 野鳥おもしろ手帖』(二見書房)などがある。

伝説の女優の再来!? 水泳・鈴木聡美争奪戦で思い出される、夏目雅子の素顔

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『夏目雅子―27年のいのちを訪ねて』
(まどか出版)
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!  ロンドン五輪の日本女子競泳陣の中で、一躍注目を浴びることになったのが平泳ぎの鈴木聡美だ。“夏目雅子の再来”という声までが上がり、すでに水面下では芸能プロ間で争奪戦が始まっている。  1991年生まれの鈴木は「夏目さんを知らないので」と戸惑っているが、故・夏目雅子は85年9月11日に急性骨髄性白血病で、27歳の若さで他界。ひまわりのような明るい美人で、芸能人には珍しく性格もよかったことから、誰からも好かれた。芸能界では、その素顔や功績がいまだに語り継がれる伝説の女優だ。  筆者は夏目の事務所のスタッフと親しかったことから、彼女に関するエピソードをいくつか聞いたが、いまだに記憶に残っているのが、森進一と、桃井かおりとの関係だ。  森と夏目は、彼女が司会を務めた音楽番組で共演。ただそれだけの接点だった。ところが森がひと目惚れ。当時、夏目が家族と一緒に住んでいた横浜の山手の自宅に、ある日、森がアイスクリームを持って突然訪ねてきたと思ったら、交際を申し込んできたというのだ。  どこで住所を調べたのか? 突然の訪問に夏目だけでなく、家族も言葉を失ったが、冷静になって、森の交際の申し込みを断ったという。門前払いを食わされた森は、引き下がらざるを得なかった。  その後、ドラマでブレークした夏目は、作家の伊集院静と熱愛関係に陥った。その伊集院に一方的に思いを寄せていたのが、桃井かおりだった。タイミング悪く、夏目は、桃井主演の日本テレビのドラマ『ダウンタウン物語』に出演。桃井はここぞとばかり、夏目の演技にNGを出し続け、深夜までイジメ抜いた。共演した個性派俳優の故・川谷拓三は、夏目へのイジメを目の当たりにして、「桃井とは二度と仕事をしたくない」と激怒したのを記憶している。  しかし、夏目は泣き言も言わず、桃井に対する批判も一切口にしなかった、だからこそ、誰からも愛された。  夏目はカネボウ化粧品のキャンペーンガールとして脚光を浴びたが、日焼けした小麦色の肌がよく映える水着姿や明るい笑顔が、確かに競泳の鈴木とオーバーラップする。芸能プロがと争奪戦に乗り出すのも納得だ。有力どころとしては、米倉涼子、菊川玲、上戸彩、武井咲、剛力彩芽ら“美女軍団”を抱える大手芸能プロ「オスカープロモーション」が手を挙げているが、今後は海千山千も名乗りを上げてくるだろう。鈴木が変な輩の手にかかり、あの笑顔が曇らないことを祈りたい。 (文=本多圭)

『アベンジャーズ』明日から先行上映! 往年の傑作リメイクも続々 この夏はアメコミ&SF映画が熱い!

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『トータル・リコール』
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
 今年の夏はアメコミ映画とSF映画という2大ジャンルが熱い。海外で歴代興収記録を更新した超大作、名監督が手がける注目作、往年の傑作のリメイクが続々と封切られている。今週はそうした両ジャンルの最新話題作を紹介したい。  アメコミヒーロー物では、アンドリュー・ガーフィールド主演でリブートした『アメイジング・スパイダーマン』、クリストファー・ノーラン監督によるバットマン3部作の完結編『ダークナイト ライジング』に続き、マーベル・コミックのヒーローが大集合する“真打ち”的なアクション超大作が、8月14日公開の『アベンジャーズ』だ。国際平和維持組織シールドが保管していた強大なパワーを秘める四次元キューブが、邪悪な神ロキの手に渡り、地球侵略へのカウントダウンが始まった。自ら発明したパワードスーツをまとい、アイアンマンとして戦う経営者トニー・スターク、第2次世界大戦中の極秘計画で超人兵士となり70年間の眠りから覚めたキャプテン・アメリカ、神々の国アスガルドから追放されたソー、怒りにより緑色の巨人ハルクに変身する科学者ブルース・バナー、女スパイのブラック・ウィドウ、弓の名手ホークアイは、人類の危機に立ち向かう特殊能力者たちのチーム「アベンジャーズ」として召集される。だが、心の傷に囚われた彼らはチーム内で反発し、パワーをぶつけ合っては周囲を危険にさらす始末。一度は捕らえられたものの機を見て脱出したロキは、地球外から強力な軍勢をマンハッタン上空に呼び寄せる。果たしてアベンジャーズは、力を合わせて地球を救うことができるのか……。  各ヒーローの単体作品で主役を張ったロバート・ダウニー・Jr.、クリス・エヴァンス、クリス・ヘムズワースに加え、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、マーク・ラファロ、サミュエル・L・ジャクソンといったスターたちが豪華に集結。ヒーロー側の充実ぶりに比べると悪玉のキャラ立ちが弱いのが難点だが、ヒーロー同士のバトルも適宜挿入して中盤を持たせつつ、ニューヨーク市街を破壊しまくる終盤の総力戦までしっかり楽しませてくれる。先に公開された米国では週末3日間オープニング記録で歴代1位、全世界では歴代最速10億ドル突破を記録するなど、興行面でも最強ぶりを発揮している本作。アメコミ映画ファンはもちろん、家族やカップルにもオススメしたい痛快な娯楽アクションだ。マーベルヒーロー映画のお約束、エンドロール後のおまけ映像もお見逃しなく。  一方のSF映画で取り上げるのは、フィリップ・K・ディック原作で2度目の映画化となる『トータル・リコール』(8月10日公開)。科学戦争後の汚染で地球の大部分が居住不可能になった21世紀末、工場労働者のダグ(コリン・ファレル)はある日、人工記憶を売るリコール社を訪れる。希望した「諜報員の記憶」がダグに植えつけられようとしたその時、武装した警官隊が突入。体が勝手に反応して警官らを次々に倒し、自宅まで逃げ切ったダグに、今度は妻のローリー(ケイト・ベッキンセール)が豹変して襲いかかる。やがてダグは、現在の自分の記憶が偽物で、かつて支配層対レジスタンスの戦いの鍵を握る諜報員だったことを知らされる。  ディックが1966年に発表した短編SF小説『追憶売ります』の最初の映画化は、ポール・バーホーベン監督版『トータル・リコール』(90)。アーノルド・シュワルツェネッガー主演の同作が大仰でケレン味あふれる視覚効果が印象的だったのに対し、今作はファレルとベッキンセール、そしてダグを助ける役どころのジェシカ・ビールらが繰り広げるスピーディーなチェイスと格闘アクションが目玉。メガホンを取ったのは、『アンダーワールド』(03)で監督デビューし、同作で主演したベッキンセールの夫でもあるレン・ワイズマン。90年版を意識したシーンもいくつかあり、前作を見た人ならニヤリとさせられるはず。SF物ではほかに、ディック原作の『ブレードランナー』(82)も手がけた巨匠リドリー・スコット監督の最新作、『プロメテウス』が8月24日の公開を控える。今夏のSF話題作は、視覚効果を駆使した壮大な映像やスタイリッシュなアクションだけでなく、空想科学の知的興奮も味わいたい大人の観客にオススメだ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『アベンジャーズ』作品情報 <http://eiga.com/movie/54262/> 『トータル・リコール』作品情報 <http://eiga.com/movie/56068/>

『アベンジャーズ』明日から先行上映! 往年の傑作リメイクも続々 この夏はアメコミ&SF映画が熱い!

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『トータル・リコール』
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
 今年の夏はアメコミ映画とSF映画という2大ジャンルが熱い。海外で歴代興収記録を更新した超大作、名監督が手がける注目作、往年の傑作のリメイクが続々と封切られている。今週はそうした両ジャンルの最新話題作を紹介したい。  アメコミヒーロー物では、アンドリュー・ガーフィールド主演でリブートした『アメイジング・スパイダーマン』、クリストファー・ノーラン監督によるバットマン3部作の完結編『ダークナイト ライジング』に続き、マーベル・コミックのヒーローが大集合する“真打ち”的なアクション超大作が、8月14日公開の『アベンジャーズ』だ。国際平和維持組織シールドが保管していた強大なパワーを秘める四次元キューブが、邪悪な神ロキの手に渡り、地球侵略へのカウントダウンが始まった。自ら発明したパワードスーツをまとい、アイアンマンとして戦う経営者トニー・スターク、第2次世界大戦中の極秘計画で超人兵士となり70年間の眠りから覚めたキャプテン・アメリカ、神々の国アスガルドから追放されたソー、怒りにより緑色の巨人ハルクに変身する科学者ブルース・バナー、女スパイのブラック・ウィドウ、弓の名手ホークアイは、人類の危機に立ち向かう特殊能力者たちのチーム「アベンジャーズ」として召集される。だが、心の傷に囚われた彼らはチーム内で反発し、パワーをぶつけ合っては周囲を危険にさらす始末。一度は捕らえられたものの機を見て脱出したロキは、地球外から強力な軍勢をマンハッタン上空に呼び寄せる。果たしてアベンジャーズは、力を合わせて地球を救うことができるのか……。  各ヒーローの単体作品で主役を張ったロバート・ダウニー・Jr.、クリス・エヴァンス、クリス・ヘムズワースに加え、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、マーク・ラファロ、サミュエル・L・ジャクソンといったスターたちが豪華に集結。ヒーロー側の充実ぶりに比べると悪玉のキャラ立ちが弱いのが難点だが、ヒーロー同士のバトルも適宜挿入して中盤を持たせつつ、ニューヨーク市街を破壊しまくる終盤の総力戦までしっかり楽しませてくれる。先に公開された米国では週末3日間オープニング記録で歴代1位、全世界では歴代最速10億ドル突破を記録するなど、興行面でも最強ぶりを発揮している本作。アメコミ映画ファンはもちろん、家族やカップルにもオススメしたい痛快な娯楽アクションだ。マーベルヒーロー映画のお約束、エンドロール後のおまけ映像もお見逃しなく。  一方のSF映画で取り上げるのは、フィリップ・K・ディック原作で2度目の映画化となる『トータル・リコール』(8月10日公開)。科学戦争後の汚染で地球の大部分が居住不可能になった21世紀末、工場労働者のダグ(コリン・ファレル)はある日、人工記憶を売るリコール社を訪れる。希望した「諜報員の記憶」がダグに植えつけられようとしたその時、武装した警官隊が突入。体が勝手に反応して警官らを次々に倒し、自宅まで逃げ切ったダグに、今度は妻のローリー(ケイト・ベッキンセール)が豹変して襲いかかる。やがてダグは、現在の自分の記憶が偽物で、かつて支配層対レジスタンスの戦いの鍵を握る諜報員だったことを知らされる。  ディックが1966年に発表した短編SF小説『追憶売ります』の最初の映画化は、ポール・バーホーベン監督版『トータル・リコール』(90)。アーノルド・シュワルツェネッガー主演の同作が大仰でケレン味あふれる視覚効果が印象的だったのに対し、今作はファレルとベッキンセール、そしてダグを助ける役どころのジェシカ・ビールらが繰り広げるスピーディーなチェイスと格闘アクションが目玉。メガホンを取ったのは、『アンダーワールド』(03)で監督デビューし、同作で主演したベッキンセールの夫でもあるレン・ワイズマン。90年版を意識したシーンもいくつかあり、前作を見た人ならニヤリとさせられるはず。SF物ではほかに、ディック原作の『ブレードランナー』(82)も手がけた巨匠リドリー・スコット監督の最新作、『プロメテウス』が8月24日の公開を控える。今夏のSF話題作は、視覚効果を駆使した壮大な映像やスタイリッシュなアクションだけでなく、空想科学の知的興奮も味わいたい大人の観客にオススメだ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『アベンジャーズ』作品情報 <http://eiga.com/movie/54262/> 『トータル・リコール』作品情報 <http://eiga.com/movie/56068/>