「かつての歴代最高選手も、いまや老害!?」サッカーU-23に苦言の釜本邦茂氏に大ブーイング!

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釜本邦茂公式ブログより
 メダルこそ逃したものの、ロンドン五輪ではベスト4という望外の成績を残したサッカー男子U-23日本代表。銀メダルを獲得したなでしこジャパンの成績には見劣りするものの、優勝候補のスペインを撃破し、メキシコ五輪以来44年ぶりのメダル獲得に手が届きかけたことは称賛されてしかるべき。ところが、この成績にケチをつけているのが、メキシコ五輪でFWとして活躍し、得点王にも輝いた日本サッカー協会(JFA)元副会長の釜本邦茂氏だ。  釜本氏は「メダルを取ったのだからメキシコ組はロンドン組より上です。今の日本代表のきれいなサッカーでは勝てない」などと発言。だが、これに対して「何、この老害」「誰この人?」「はいはい、おじいちゃん黒飴なめててね」「アマチュアのみの時代と比べてどうすんだよ」「寝言は寝て言えよ、痴呆老人。お前らなんぞJ2のチームにも入れねえよ」などと、ネットユーザーらが大ブーイング。 「今の若いサッカーファンには実感がないかもしれませんが、釜本さんといえば、日本代表最多得点記録(75点)保持者でもある不世出のストライカー。今でこそ海外移籍するJリーガーは珍しくありませんが、釜本さんは40年以上も前に海外の有力チームから盛んにラブコールを受けていましたからね。時代が違うので一概には言えませんが、一応、日本で歴代ナンバー1選手といえば釜本さんということになっています。それだけに、今回の発言は大人げなかった」(サッカーライター)  現役時代は名声をほしいままにした釜本氏だが、引退後のキャリアはあまり芳しいものではない。Jリーグ発足後はガンバ大阪の監督を務めたが、所属選手との確執や成績不振により、わずか2シーズンで事実上の解任の憂き目に。政界に転じたこともあったが、スキャンダルに巻き込まれた。JFAの理事や副会長も歴任したものの、一昨年に名誉副会長を退き、現在は顧問の身。 「95年に当時の森喜朗自民党幹事長にスカウトされ、第17回参院選で自民党から出馬し当選しました。しかし、高速道路用プリペイドカードの不正販売に釜本さんの妻が経営する会社の関与が明らかになり、このスキャンダルが響いて01年の第19回参院選では落選。これを機に、政界からは完全に退きました。JFAにおいても、当時の会長だった川淵三郎氏(現最高顧問)との権力争いに敗れるなど、現役引退後は不遇をかこっていると言っていい」(同) 「それでも歴代最高選手というプライドが、自分自身を支えていたのでしょう」とサッカー雑誌編集者は話すが、昨今では日本サッカーのレベル向上に伴い、“歴代最高”の称号もどうやら怪しくなってきている。 「そもそも釜本さんの時代の五輪は、アマチュアの選手しか出場資格がありませんでしたからね。23歳以下限定とはいえ、プロが出場する現在の五輪サッカーのほうが明らかにレベルは上。釜本さんが言うような、メダルを取ったからロンドン組よりもメキシコ組が上とは限らない。それに、香川真司がマンチェスター・ユナイテッドに移籍したようなケースもあります。マンUといえば、世界最高峰の名門チーム。釜本さんの現役時代がいくらすごかったとはいえ、マンUレベルのチームから誘われたということはなかったですからね。香川の活躍次第では、歴代最高選手の称号は彼のものになる可能性だってあり得る。今回の釜本さんの発言は、自身の地位が脅かされることに不安を感じたから、と言えなくもない」(同)  韓国との3位決定戦では、44年ぶりのメダル獲得を前に日本国中がハラハラしながら観戦していた。だが、釜本氏だけは、別の意味でハラハラしていたのかもしれない。
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障害者の性処理も介護の重圧も、すべて笑い飛ばせ! 男たちのバリアフリーな友情ドラマ『最強のふたり』

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障害を持つ大富豪とスラム街出身の介護人との
友情を描いた『最強のふたり』。2人でマリファナ
吸うわ、風俗嬢を呼ぶわのやりたい放題。
 映画の人気ジャンルのひとつに“バディムービー”がある。生まれ育った環境、身分、世代が異なる2人がぶつかり合いながらもお互いの価値観を認め合い、唯一無二のバディ(相棒)へと成長していく鉄板スタイルだ。ジャッキー・チェン&クリス・タッカー主演作『ラッシュアワー』(98)など多民族国家である米国のアクションエンターテイメント作品に多く見られる。主人公2人の性格や嗜好性が大きく違えば違うほど、そのギャップがドラマを面白く転がしていく。フランスで記録的大ヒットとなった『最強のふたり』も“介護”というシリアスになりがちな題材を扱いながら、典型的なバディムービーとして観る者を楽しませる。男たちの本音満載コメディであり、スカイアクションあり、格差社会の現実を描いた社会派ドラマでもある。様々な価値観が混在する映画的な豊かさに溢れた作品だ。  舞台は現代のパリ。スラム街出身の黒人青年ドリス(オマール・シー)は、場違いな大豪邸を訪ねる。妻に先立たれた大富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)の介護人の面接試験を受けるためだ。介護経験はないが、採用されなくても失業手当がもらえるので不採用になることを前提で面接を受けにきた。他の受験者たちが「人間が好き」「困っている人の役に立ちたい」ときれいごとを口にしているのに比べ、「失業手当がほしいから、さっさと不採用にしてくれ」と頼むドリスは実に正直者。常識や建前を振りかざすマジメ人間たちより、よっぽど退屈しのぎになりそうだ。これまでの介護人は1週間で逃げ出していた気難しがり屋のフィリップは、興味本位でドリスを住み込みの介護人に採用する。お金持ちだけど車椅子生活を余儀なくされている大富豪フィリップとすこぶる健康だけどお金も未来もないビンボー青年ドリスという異色コンビがここに誕生する。
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改造した電動車椅子で街を爆走する
フィリップと介護人のドリス。せっかくの
人生、楽しんだもん勝ちですよ。
 学歴のないドリスだが、好奇心だけは異常に旺盛。ハングライダーの墜落事故で首から下が全身麻痺状態のフィリップに対し、「本当に痛みを感じないのか?」とフィリップの足に熱湯を注いで確かめてみる。雇用主を雇用主と思わぬドリスの行動に、フィリップ家の使用人たちは慌てふためくが、当のフィリップはドリスの無邪気さを新鮮に感じる。その一方、ドリスは夜中にフィリップがうなされているのに気づき、朝まで寄り添う。痛みを感じないはずのフィリップだが、“幻想痛”にときどき悩まされるらしい。医者でもセラピストでもないドリスが横にいても、フィリップの痛みが和らぐわけではない。そこでドリスは車椅子を押して、フィリップに外の新鮮な空気を吸わせようとする。車椅子の男2人が日の出前の真っ暗なパリ市街をあてもなくさまよう。このシーンが素晴らしい。スラム街出身で複雑な家庭で育ったドリスは、これまでに幾度も眠れないまま朝を迎えたことがあったのだろう。医療や介護知識はないドリスだが、眠れない夜をひとりぼっちで過ごす辛さはイヤになるほど知っている。使用人ではなく、コドクの辛さを知るひとりの仲間としてフィリップと一緒に朝を迎える。男2人が眺めるパリの朝焼けが美しい。このとき、電池のプラス極とマイナス極のように一生顔を合わせることのなかったはずの2人の間に友情という名の回路が結ばれ、明るい希望の灯りがポッとともされる。  実話をベースにした本作だが、介護をテーマにしていると思えないほどあけっぴろげなエピソードが満載だ。ドリスに勧められて、フィリップは大麻を嗜むようになる。「あっちのほうはどうなんだい?」とドリスはズケズケとフィリップに下半身事情を尋ねる。フィリップは首から下が麻痺状態だが、幸いなことに耳が性感帯らしい。ドリスに呼んでもらった風俗嬢にねっとりと両耳を責められ、フィリップは超ご満悦。さらにドリスは電動車椅子をカスタマイズして、高スピードが出せるようにする。風を切って走る電動車椅子に2人乗りしたフィリップとドリスは、あまりの気持ちよさに少年のようにゲラゲラと大笑いする。タブー視されがちな“身障者の性”など下半身の問題をコメディとして掘り下げていく作風が心地よい。
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ドリスに煽られ、フィリップは文通相手の
女性に逢うことに。目一杯おしゃれして、
待ち合わせのカフェへGO!
 バディムービーの面白さは、主人公2人がお互いの異なる価値観を受け入れることで共に視野が広がっていくところ。妻が亡くなってから屋敷に篭りがちだったフィリップはドリスに促されて、新しいガールフレンドに逢うために街へ出掛けるようになる。裏社会で生きていくしかないと思っていた下流階級のドリスも、多趣味なフィリップと知り合うことで意外な才能が備わっていることや真っ当な社会で働くことの面白さに気づかされる。たまたま出会った男2人がタッグを組むことで、世界が2倍にも4倍にもぐんぐんと広がっていく。  物語の終盤、トラブルを抱えた兄妹たちのためにドリスはスラム街に戻ることになる。最強コンビとなったフィリップとドリスに別れの時がやってきた。だが、ここでバディムービーのもうひとつのよさが活きてくる。バディムービーの主人公2人は、基本的には同性同士という組み合わせだ。男女のコンビだと、どうしても両者間に恋愛感情やセックスの有無といったナイーヴな問題が浮上し、一貫した関係性がキープできない。その点、恋愛感情抜きの同性同士だとその関係性を維持しやすい。離れて暮らすようになっても、フィリップとドリスは固い友情で結ばれていることを確かめ合う。  ところ変わって2012年8月20日の東京・浜離宮朝日ホール。『最強のふたり』一般試写の前に、ジャズシンガーの綾戸智恵が泉谷しげるとのトークショーを行った。認知症の母親の介護をしている綾戸は2010年に介護の疲れとストレスから精神安定剤を飲み過ぎて病院に運び込まれる騒ぎとなったが、この日はいつもながらの快活なおばちゃんスマイルで会場を和ませていた。そのときの印象に残ったコメントを紹介したい。 泉谷 「この映画は下品な会話がいっぱいだな(笑)。現実はもっと、すごかったんだろうな。オレがいいなと思ったのは、障害を持つ金持ちが丁寧にされる“距離感”をイヤがっているところ。マジメな人間って、我慢ばかり強要するから。それが、若いドリスは平気で障害者に文句を言うし、平気でおちょくる。平気で距離感を乗り越えてくる。そこがいいよな」 綾戸 「触れ合うはずのない2人が融合することで、すごい力が生まれてくるんだよね。人間ってどうしても似た者同士でつるみがちだけど、そうじゃなくて自分とは違う人間と一緒になり、自分をさらけ出すことで大きくなれる。そこがええな。車椅子を押されるほうだけやなくて、車椅子を押してるほうも世界が広がって見えますよ。私もそうやもん」  綾戸いわく、明るい人間がユーモアを口にするのではなく、“沈んだ人”のほうがユーモアを体得できるとのこと。なるほどね。介護問題に加え、国際化や社会格差に今後さらされていく日本社会においても、カルチャーギャップを笑いに変える“バディムービー”的発想は重要なアイテムになりそうだ。 (文=長野辰次) saikyonofutari4.jpg 『最強のふたり』 脚本・監督/エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ 出演/フランソワ・クリュゼ、オマール・シー、アンヌ・ル・ニ、オドレイ・フルーロ、クロティルド・モレ 配給/ギャガ PG12 9月1日(土)よりTOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開 <http://saikyo-2.gaga.ne.jp> (c)2011SPLENDIDO/GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION/TEN FILMS/CHAOCORP ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第184回]人類を生み出した“創造主”との遭遇!! リドリー・スコットが物語るSF神話『プロメテウス』 [第183回]“校内格差社会”に出現した異分子(ゾンビ)たち! 青春のカタルシス『桐島、部活やめるってよ』 [第182回]カメラマンは法を犯してもかまわない!? 国家の暗部を暴く男の情念『ニッポンの噓』 [第181回]“学校”という名の密室ではびこる児童虐待の事実! 子どもたちは教師を訴える『トガニ 幼き瞳の告発』 [第180回]“神様”との出会いと別れ、そして旅からの帰還  ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』 [第179回]親友=お金を貸してくれる、女友達=SEXさせてくれる!? 品性お下劣男の青春『苦役列車』 [第178回]“沢尻エリカ”という名のアトラクションムービー『ヘルタースケルター』が描く無常の世界 [第177回]毒カレー、オウム真理教、光市母子殺害……“悪魔の弁護人”と呼ばれる男の素顔『死刑弁護人』 [第176回]“芸能生活30周年”ニコラス・ケイジの会心作! 被災地に流布する暗号『ハングリー・ラビット』 [第175回]やめろと言われても、今では遅すぎたッ! 妻夫木聡&武井咲主演の過剰なる純愛劇『愛と誠』 [第174回]年間自殺者数3万人を越える現代社会への提言 自殺対策の現状を追った『希望のシグナル』 [第173回]“三島割腹事件”を若松孝二監督が映画化!『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』 [第172回]実在の事件を題材にした“命の授業”『先生を流産させる会』がついに劇場公開! 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[第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』 [第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』 [第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』 [第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』 [第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』 [第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』 [第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』 [第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』 [第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』 [第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』 [第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』 [第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』 [第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』 [第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』 [第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』 [第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』 [第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』 [第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』 [第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』 [第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』 [第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ [第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々 [第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は...... [第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった [第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学

障害者の性処理も介護の重圧も、すべて笑い飛ばせ! 男たちのバリアフリーな友情ドラマ『最強のふたり』

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障害を持つ大富豪とスラム街出身の介護人との
友情を描いた『最強のふたり』。2人でマリファナ
吸うわ、風俗嬢を呼ぶわのやりたい放題。
 映画の人気ジャンルのひとつに“バディムービー”がある。生まれ育った環境、身分、世代が異なる2人がぶつかり合いながらもお互いの価値観を認め合い、唯一無二のバディ(相棒)へと成長していく鉄板スタイルだ。ジャッキー・チェン&クリス・タッカー主演作『ラッシュアワー』(98)など多民族国家である米国のアクションエンターテイメント作品に多く見られる。主人公2人の性格や嗜好性が大きく違えば違うほど、そのギャップがドラマを面白く転がしていく。フランスで記録的大ヒットとなった『最強のふたり』も“介護”というシリアスになりがちな題材を扱いながら、典型的なバディムービーとして観る者を楽しませる。男たちの本音満載コメディであり、スカイアクションあり、格差社会の現実を描いた社会派ドラマでもある。様々な価値観が混在する映画的な豊かさに溢れた作品だ。  舞台は現代のパリ。スラム街出身の黒人青年ドリス(オマール・シー)は、場違いな大豪邸を訪ねる。妻に先立たれた大富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)の介護人の面接試験を受けるためだ。介護経験はないが、採用されなくても失業手当がもらえるので不採用になることを前提で面接を受けにきた。他の受験者たちが「人間が好き」「困っている人の役に立ちたい」ときれいごとを口にしているのに比べ、「失業手当がほしいから、さっさと不採用にしてくれ」と頼むドリスは実に正直者。常識や建前を振りかざすマジメ人間たちより、よっぽど退屈しのぎになりそうだ。これまでの介護人は1週間で逃げ出していた気難しがり屋のフィリップは、興味本位でドリスを住み込みの介護人に採用する。お金持ちだけど車椅子生活を余儀なくされている大富豪フィリップとすこぶる健康だけどお金も未来もないビンボー青年ドリスという異色コンビがここに誕生する。
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改造した電動車椅子で街を爆走する
フィリップと介護人のドリス。せっかくの
人生、楽しんだもん勝ちですよ。
 学歴のないドリスだが、好奇心だけは異常に旺盛。ハングライダーの墜落事故で首から下が全身麻痺状態のフィリップに対し、「本当に痛みを感じないのか?」とフィリップの足に熱湯を注いで確かめてみる。雇用主を雇用主と思わぬドリスの行動に、フィリップ家の使用人たちは慌てふためくが、当のフィリップはドリスの無邪気さを新鮮に感じる。その一方、ドリスは夜中にフィリップがうなされているのに気づき、朝まで寄り添う。痛みを感じないはずのフィリップだが、“幻想痛”にときどき悩まされるらしい。医者でもセラピストでもないドリスが横にいても、フィリップの痛みが和らぐわけではない。そこでドリスは車椅子を押して、フィリップに外の新鮮な空気を吸わせようとする。車椅子の男2人が日の出前の真っ暗なパリ市街をあてもなくさまよう。このシーンが素晴らしい。スラム街出身で複雑な家庭で育ったドリスは、これまでに幾度も眠れないまま朝を迎えたことがあったのだろう。医療や介護知識はないドリスだが、眠れない夜をひとりぼっちで過ごす辛さはイヤになるほど知っている。使用人ではなく、コドクの辛さを知るひとりの仲間としてフィリップと一緒に朝を迎える。男2人が眺めるパリの朝焼けが美しい。このとき、電池のプラス極とマイナス極のように一生顔を合わせることのなかったはずの2人の間に友情という名の回路が結ばれ、明るい希望の灯りがポッとともされる。  実話をベースにした本作だが、介護をテーマにしていると思えないほどあけっぴろげなエピソードが満載だ。ドリスに勧められて、フィリップは大麻を嗜むようになる。「あっちのほうはどうなんだい?」とドリスはズケズケとフィリップに下半身事情を尋ねる。フィリップは首から下が麻痺状態だが、幸いなことに耳が性感帯らしい。ドリスに呼んでもらった風俗嬢にねっとりと両耳を責められ、フィリップは超ご満悦。さらにドリスは電動車椅子をカスタマイズして、高スピードが出せるようにする。風を切って走る電動車椅子に2人乗りしたフィリップとドリスは、あまりの気持ちよさに少年のようにゲラゲラと大笑いする。タブー視されがちな“身障者の性”など下半身の問題をコメディとして掘り下げていく作風が心地よい。
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ドリスに煽られ、フィリップは文通相手の
女性に逢うことに。目一杯おしゃれして、
待ち合わせのカフェへGO!
 バディムービーの面白さは、主人公2人がお互いの異なる価値観を受け入れることで共に視野が広がっていくところ。妻が亡くなってから屋敷に篭りがちだったフィリップはドリスに促されて、新しいガールフレンドに逢うために街へ出掛けるようになる。裏社会で生きていくしかないと思っていた下流階級のドリスも、多趣味なフィリップと知り合うことで意外な才能が備わっていることや真っ当な社会で働くことの面白さに気づかされる。たまたま出会った男2人がタッグを組むことで、世界が2倍にも4倍にもぐんぐんと広がっていく。  物語の終盤、トラブルを抱えた兄妹たちのためにドリスはスラム街に戻ることになる。最強コンビとなったフィリップとドリスに別れの時がやってきた。だが、ここでバディムービーのもうひとつのよさが活きてくる。バディムービーの主人公2人は、基本的には同性同士という組み合わせだ。男女のコンビだと、どうしても両者間に恋愛感情やセックスの有無といったナイーヴな問題が浮上し、一貫した関係性がキープできない。その点、恋愛感情抜きの同性同士だとその関係性を維持しやすい。離れて暮らすようになっても、フィリップとドリスは固い友情で結ばれていることを確かめ合う。  ところ変わって2012年8月20日の東京・浜離宮朝日ホール。『最強のふたり』一般試写の前に、ジャズシンガーの綾戸智恵が泉谷しげるとのトークショーを行った。認知症の母親の介護をしている綾戸は2010年に介護の疲れとストレスから精神安定剤を飲み過ぎて病院に運び込まれる騒ぎとなったが、この日はいつもながらの快活なおばちゃんスマイルで会場を和ませていた。そのときの印象に残ったコメントを紹介したい。 泉谷 「この映画は下品な会話がいっぱいだな(笑)。現実はもっと、すごかったんだろうな。オレがいいなと思ったのは、障害を持つ金持ちが丁寧にされる“距離感”をイヤがっているところ。マジメな人間って、我慢ばかり強要するから。それが、若いドリスは平気で障害者に文句を言うし、平気でおちょくる。平気で距離感を乗り越えてくる。そこがいいよな」 綾戸 「触れ合うはずのない2人が融合することで、すごい力が生まれてくるんだよね。人間ってどうしても似た者同士でつるみがちだけど、そうじゃなくて自分とは違う人間と一緒になり、自分をさらけ出すことで大きくなれる。そこがええな。車椅子を押されるほうだけやなくて、車椅子を押してるほうも世界が広がって見えますよ。私もそうやもん」  綾戸いわく、明るい人間がユーモアを口にするのではなく、“沈んだ人”のほうがユーモアを体得できるとのこと。なるほどね。介護問題に加え、国際化や社会格差に今後さらされていく日本社会においても、カルチャーギャップを笑いに変える“バディムービー”的発想は重要なアイテムになりそうだ。 (文=長野辰次) saikyonofutari4.jpg 『最強のふたり』 脚本・監督/エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ 出演/フランソワ・クリュゼ、オマール・シー、アンヌ・ル・ニ、オドレイ・フルーロ、クロティルド・モレ 配給/ギャガ PG12 9月1日(土)よりTOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開 <http://saikyo-2.gaga.ne.jp> (c)2011SPLENDIDO/GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION/TEN FILMS/CHAOCORP ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第184回]人類を生み出した“創造主”との遭遇!! リドリー・スコットが物語るSF神話『プロメテウス』 [第183回]“校内格差社会”に出現した異分子(ゾンビ)たち! 青春のカタルシス『桐島、部活やめるってよ』 [第182回]カメラマンは法を犯してもかまわない!? 国家の暗部を暴く男の情念『ニッポンの噓』 [第181回]“学校”という名の密室ではびこる児童虐待の事実! 子どもたちは教師を訴える『トガニ 幼き瞳の告発』 [第180回]“神様”との出会いと別れ、そして旅からの帰還  ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』 [第179回]親友=お金を貸してくれる、女友達=SEXさせてくれる!? 品性お下劣男の青春『苦役列車』 [第178回]“沢尻エリカ”という名のアトラクションムービー『ヘルタースケルター』が描く無常の世界 [第177回]毒カレー、オウム真理教、光市母子殺害……“悪魔の弁護人”と呼ばれる男の素顔『死刑弁護人』 [第176回]“芸能生活30周年”ニコラス・ケイジの会心作! 被災地に流布する暗号『ハングリー・ラビット』 [第175回]やめろと言われても、今では遅すぎたッ! 妻夫木聡&武井咲主演の過剰なる純愛劇『愛と誠』 [第174回]年間自殺者数3万人を越える現代社会への提言 自殺対策の現状を追った『希望のシグナル』 [第173回]“三島割腹事件”を若松孝二監督が映画化!『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』 [第172回]実在の事件を題材にした“命の授業”『先生を流産させる会』がついに劇場公開! [第171回]自由社会に順応できない“脱北者”の過酷な現状 無垢なる季節との決別『ムサン日記 白い犬』 [第170回] 世界興収100億突破のSF大作『ロボット』はあらゆる既成概念を破壊する!! [第169回]“エンタの神さま”ツイ・ハークが大復活! B級映画マニアの心を焦がす『王朝の陰謀』 [第168回]人はお下劣な分だけ、強く優しくなれる!? 結婚を控えた女たちの本音『ブライズメイズ』 [第167回]行きすぎたシステム社会に警鐘を鳴らす“ユナボマー・マニフェスト”の映画化『モンスターズクラブ』 [第166回]祭りの終わりと新ステージの幕開け、3部作完結『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』 [第165回]すばらしき“コーマン野郎”の世界!『コーマン帝国』、愛と欲望の歴史 [第164回]懐かしき香り漂う、新感覚サスペンス 破滅へ突き進む男の悲劇『ドライヴ』 [第163回] 災害に備えた地下シェルターは必要? 心理ホラー『テイク・シェルター』 [第162回] 森田芳光監督の最終列車『僕達急行』人生は出会いと旅立ちのリフレイン! [第161回] 鬼才キム・ギドクの"多重人格ショー"セルフドキュメンタリー『アリラン』 [第160回]映画創成期に散った"殉教者"への聖歌 3D映画『ヒューゴの不思議な発明』 [第159回]これはホラー? それともコメディ? 勘違い女が爆走『ヤング≒アダルト』 [第158回] ピラミッドは古代からのメッセージ!? 歴史ミステリー『ピラミッドの謎』 [第157回] 韓国映画の名匠が明かす"創作の極意"イ・チャンドン監督『ポエトリー』 [第156回] ローカル局で"伝説となった男"の生涯『木村栄文レトロスペクティブ』 [第155回] 米国に半世紀も君臨した"影の大統領" FBI初代長官『J・エドガー』 [第154回]犯罪者たちに学ぶ"人心掌握術"の奨め『アニマル・キングダム』『預言者』 [第153回]"地獄"からの生還者・板尾創路の凄み 古典落語を過激に脚色『月光ノ仮面』 [第152回]早くも2012年ベスト1映画が登場!"代理殺人"を巡る恐怖『哀しき獣』 [第151回]父殺し、自分殺し、そして再生の物語 園子温流ラブストーリー『ヒミズ』 [第150回]米国お笑い横断旅行『宇宙人ポール』人間のちっぽけな悩みはETが解決! 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「絶望の中の微かな希望」作者が語る『ウシジマくん』と『ドラえもん』の共通点

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(C) 2012真鍋昌平・小学館/映画『闇金ウシジマくん』製作委員会
 ヤミ金業者「カウカウファイナンス」のウシジマ社長を主人公に、欲望に堕ちてゆく人々を描くマンガ『闇金ウシジマくん』(小学館)。コミックスの売り上げは累計500万部を突破、山田孝之主演で映像化されたドラマ版は、深夜ながら高い視聴率を獲得した。  そして8月25日(土)、ウシジマくんが映画となって帰ってくる! ドラマ版を踏襲したキャスト陣に加え、映画版にはAKB48の大島優子が出演。この公開を記念して、日刊サイゾーでは原作者の真鍋昌平氏にインタビュー取材を敢行。顔出しNG、取材時間はわずか20分……。厳戒態勢の中、いま最も冷酷なマンガを執筆する真鍋氏を、固唾をのんで待ち受けた……。  「よろしくお願いしまーす」と入ってきた真鍋先生は、意外にも爽やかな好青年。物腰も柔らかく、笑顔もチャーミングだ。まさかこの人から『闇金ウシジマくん』のような冷酷な物語が生まれているとは、にわかに信じられない……。 ――とても爽やかな人柄に、びっくりしました。てっきり、もっとイカツイ人なのかと……。 真鍋昌平(以下、真鍋) 「こういうヤツが描いているのか……」と思われるのがあまり好きではないんで、顔は出さないようにしているんです。 ――ギャップがありすぎて、逆に好感度が上がりそうです。ところで、映画をご覧になった感想はいかがでしょうか? 真鍋 冒頭のシーンから、すごい作品だなと思いました。セレブたちのパーティーのシーンなのですが、金持ちのおじさんたちはTシャツ姿。彼らはいつも空調の効いた環境で生活をしているから半袖でいいんですよね。また、周囲に集まる女の子たちも、損得で考えるビッチな雰囲気を醸し出している。細部の美術に至るまで、スタッフのこだわりを感じました。こういった仕事は、スタッフ全体の熱量が上がらないと絶対に作れないですよね。 ――映画を見ながら「これはマンガじゃできない」と思う部分はありましたか? 真鍋 大島優子さん演じる鈴木未來が、街を駆け抜けるシーンがあるんですが、あの瞬間は映画ならではの疾走感を感じました。マンガでは、あの表現は難しいですね。
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――映像では、ウシジマ社長の部下である柄崎と加納という2人のキャラが1人に統合されていたり、ウシジマ社長に“野菜嫌い”の設定が加わっています。こういった映像オリジナルの設定については、どのように考えているのでしょうか? 真鍋 あまり気にならないですね。映像は監督の解釈で成立するものなので、問題はないと思います。僕が細部にこだわるというのは、登場人物がどんなスーパーでどんな物を買っているのか、といった部分。自分の中で、そのキャラクターが“存在している”と思えるように設定を作っているんです。原作とまったく同じように映像化してほしいと思っているわけではないので、別の設定が入っても全然構いません。 ――真鍋さんは『闇金ウシジマくん』を描くにあたっては、かなり綿密な取材を重ねているそうですね。
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真鍋 編集部から犯罪系のライターさんを紹介してもらい、さらにライターさんからソッチ系の方々を紹介してもらいながら、いろいろな話を聞き出しています。最新刊でテーマにしている生活保護の受給者にも、実際に会って話を聞いてきました。決してリアルだけを目指しているわけではないのですが、そのキャラクターや、彼らの考えていることに近づけたらと思って取材をしています。会って話したほうが、やっぱり情報量が多いんですよ。 ――実体験をエピソードとして盛り込むこともあるんですか? 真鍋さん自身も借金地獄に苦しめられていたとか……。 真鍋 マンガ家になる前は借金をしていましたが……。 ――えっ、ヤミ金ですか!? 真鍋 いえ(笑)、消費者金融です。マンガ賞に応募する作品を作るためにバイトを辞めて、生活費を借りたんです。賞が獲れなければ借金だけが残る状態だったんですが、無事受賞することができ、その賞金を持ってすぐにATMに行きました。 ――資料によれば、藤子・F・不二雄先生の作品に衝撃を受けたそうですね。世界観としては、藤子不二雄A先生のほうが近い気がしますが……。 真鍋 小学校の頃に、『ドラえもん』を読んで衝撃を受けたんです。未来からやってきたドラえもんが、毎回ひみつ道具でのび太の窮地を一時的に助けますが、必ず最後にはのび太はしっぺ返しを食らう。6巻の「さよならドラえもん」という回で一度エンディングを迎えるんですが、この回はのび太がドラえもんの道具に頼らず、自分の力で戦うというストーリーでした。そこまでの『ドラえもん』が大好きなんです。
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――お話を伺っていると、どことなく『ドラえもん』と『闇金ウシジマくん』が共通するお話のように思えてきます。 真鍋 『闇金ウシジマくん』も『ドラえもん』も「そんなうまい話はない」っていうことを描いているんじゃないかな。そこは共通しているかもしれませんね。 ――『闇金ウシジマくん』のストーリーは、よく「救いがない」と言われます。作者としては、どのような意図から、救いのないストーリーを描いているのでしょうか? 真鍋 まったく救いがないわけではないんです。毎回、ちょっとだけ希望を感じられるような終わり方をしている。登場するキャラクターが、この先もやっていけるんじゃないかという希望を感じさせるための最低限の救いはあります。“絶望の中の微かな希望”というイメージですね。 ――真鍋さんは、人間をどういう生き物だと捉えていますか? 真鍋 最初に『ウシジマくん』を描く時、葛藤している人間を描こうと思っていました。お金で葛藤している人々は、どこか生き生きとしているようにも見えたんです。それに、窮地に追いやられた時に人間の出す力は面白い。『ウシジマくん』では、そういった人間の面白い部分を描ければいいなと思っています。 (取材・文=萩原雄太[かもめマシーン]) ●まなべ・しょうへい 生年月日非公開。1993年『GOMES』主宰のマンガコンテストにて『ハトくん』がしりあがり寿賞を受賞しデビュー。グラフィックデザインのアルバイトを経て、1998年『憂鬱滑り台」でアフタヌーン四季賞の四季大賞を受賞し、再デビュー。2004年より「ビッグコミックスピリッツ』で『闇金ウシジマくん』を不定期連載、第56回(平成22年度)小学館漫画賞一般向け部門を受賞。 ●『闇金ウシジマくん』 監督:山口雅俊/脚本:福間正浩 山口雅俊/出演:山田孝之 大島優子 林遣都 崎本大海 やべきょうすけ 岡田義徳 ムロツヨシ 鈴之助 内田春菊 市原隼人 片瀬那奈 黒沢あすか 新井浩文/原作:真鍋昌平 『闇金ウシジマくん』(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中) /配給:S・D・P  8/25(土)新宿バルト9ほか 全国ロードショー 公式サイト <http://ymkn-ushijima-movie.com/> 公式Facebook <http://www.facebook.com/ymkn.ushijima.movie> 公式Twitter <https://twitter.com/#!/ushijima_movie>

若槻千夏を見習うべき!? バラエティの“ママ枠”からこぼれたグラドルたちの「産後の経済学」

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『うそつきちなつ』(宝島社)
 木下優樹菜、熊田曜子、ほしのあき、藤本美貴、若槻千夏……ここのところ、かつてのグラビアアイドルたちの妊娠・出産ラッシュが続いている。  気になるのは、彼女たちが“その後”の復帰をどのようにするかというところだが、ここでは明暗が分かれそうだとテレビ局関係者が話す。 「正直、バラエティ番組でも“ママタレ”枠はそんなに多くないんです。そうなると、大抵のパターンが、ブログで料理好きをアピールして書籍化するか、ファッションブランドを作って、そちらで稼いでいくかの2択でしょうね。まずは、バラエティ枠を取れるかどうかの争いでしょう。出産前後は露出も多くなるので、そこでどれだけ視聴率が取れるかが復帰のカギになるんじゃないでしょうか」  ファッションブランドも、グラビア出身ではMEGUMIが、それ以外にも渡辺満里奈や辻希美らがすでに子ども向けのブランドを展開しているので、目新しさはない。 「彼女らが展開するどのブランドも、爆発的な人気こそありませんが、固定層をすでに確保しているようです。なので、後発組はなかなか厳しいと思いますよ」(ファッション誌関係者)  実際、熊田曜子はダイエット本、木下優樹菜と若槻千夏は大人向けのファッションブランドと、出産前からすでに確固たる“基盤”を築いている。そうなると、ほしのや藤本の今後が気になるが……。 「実際、藤本さんは、旦那の庄司さんの仕事が減っているのを愚痴っていて、『芸が体だけじゃダメ』と、ダメ出しもしてるようです。今後は本格的に仕事復帰するそうですが、そうなると、旦那より稼ぐでしょうね。ほしのさんの場合も、金、土、日は旦那がジョッキーの仕事でいないので、その間に仕事を入れたいと話してました。でも、旦那の年収は数億円ですから、無理して働く必要もないですからね」(テレビ局関係者)  では現状、この中では誰が抜きんでているのか? 「それは若槻さんでしょう。テレビこそあまり出ていませんが、年間1億以上稼いでいるそうです。ほとんどが、自身のファッションブランドの売り上げだそうです。同じ事務所の木下さんも、ノウハウをいろいろと聞いてるそうですよ。子ども向けも展開しだすと、ほかの人にとっては脅威でしょうね」(芸能事務所関係者)  若槻に追いつき、追い越すことはできるのか?

若槻千夏を見習うべき!? バラエティの“ママ枠”からこぼれたグラドルたちの「産後の経済学」

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『うそつきちなつ』(宝島社)
 木下優樹菜、熊田曜子、ほしのあき、藤本美貴、若槻千夏……ここのところ、かつてのグラビアアイドルたちの妊娠・出産ラッシュが続いている。  気になるのは、彼女たちが“その後”の復帰をどのようにするかというところだが、ここでは明暗が分かれそうだとテレビ局関係者が話す。 「正直、バラエティ番組でも“ママタレ”枠はそんなに多くないんです。そうなると、大抵のパターンが、ブログで料理好きをアピールして書籍化するか、ファッションブランドを作って、そちらで稼いでいくかの2択でしょうね。まずは、バラエティ枠を取れるかどうかの争いでしょう。出産前後は露出も多くなるので、そこでどれだけ視聴率が取れるかが復帰のカギになるんじゃないでしょうか」  ファッションブランドも、グラビア出身ではMEGUMIが、それ以外にも渡辺満里奈や辻希美らがすでに子ども向けのブランドを展開しているので、目新しさはない。 「彼女らが展開するどのブランドも、爆発的な人気こそありませんが、固定層をすでに確保しているようです。なので、後発組はなかなか厳しいと思いますよ」(ファッション誌関係者)  実際、熊田曜子はダイエット本、木下優樹菜と若槻千夏は大人向けのファッションブランドと、出産前からすでに確固たる“基盤”を築いている。そうなると、ほしのや藤本の今後が気になるが……。 「実際、藤本さんは、旦那の庄司さんの仕事が減っているのを愚痴っていて、『芸が体だけじゃダメ』と、ダメ出しもしてるようです。今後は本格的に仕事復帰するそうですが、そうなると、旦那より稼ぐでしょうね。ほしのさんの場合も、金、土、日は旦那がジョッキーの仕事でいないので、その間に仕事を入れたいと話してました。でも、旦那の年収は数億円ですから、無理して働く必要もないですからね」(テレビ局関係者)  では現状、この中では誰が抜きんでているのか? 「それは若槻さんでしょう。テレビこそあまり出ていませんが、年間1億以上稼いでいるそうです。ほとんどが、自身のファッションブランドの売り上げだそうです。同じ事務所の木下さんも、ノウハウをいろいろと聞いてるそうですよ。子ども向けも展開しだすと、ほかの人にとっては脅威でしょうね」(芸能事務所関係者)  若槻に追いつき、追い越すことはできるのか?

「井戸田との復縁か、それとも──」シングルマザー安達祐実の意外な“本命”は!?

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安達祐実 公式ブログより
 先日、お笑い芸人の東野幸治が別れた妻と“復縁”したことが話題になったが、一度別れた相手との復縁が非常に難しいということは、彼を見ていると痛々しいほど伝わってくる。 「スピードワゴンの井戸田潤さんも、前妻である安達祐実さんに何度も何度も復縁を迫ってるようですが、一向に首を縦に振ってもらえないようです。番組や会見でも、事あるごとに彼女の名前を出しているから、ほかの女性ともまったく交際ができなくて困っているようですよ(笑)。テレビ朝日の『アメトーーク!』で一度は“復縁断念”を宣言しましたが、本心はまだ揺れているようです」(スポーツ紙記者)  一部では、2人はすでに“事実婚”状態で、安達の母との確執さえなくなればすぐにでも“再入籍”もあるというが……。 「実際のところ、娘も井戸田さんに懐いていますし、今後のことを考えたら“夫”が必要な時が来るでしょうしね。それが井戸田さんかどうかは分かりませんが、最近の安達さんはだいぶ大人っぽくなって、女性の色気も出てきましたから、恋愛の一つや二つしているかもしれませんよ。安達さんのマネジャーも彼女とだいぶ親しくしていますし、彼も周囲から怪しまれてますよ」(芸能事務所関係者)  マネジャーとタレントの熱愛というのは芸能界ではよくあることだが、彼女もそうなのだろうか? 2人をよく知る事務所関係者はこう話す。 「それはないと思いますが、2人はタメ語で話をしてますね。この前も、彼が『ちょっと暇なら付き合ってよ』と言えば、彼女も『いいよ』と言う。これはタレントとマネジャーの会話ではないですよね。彼女は芸能界に友達がほとんどいないので、男友達の気分で話をしているのかもしれませんが、周囲は誤解しますよね」  安達の本命は果たして──?

「井戸田との復縁か、それとも──」シングルマザー安達祐実の意外な“本命”は!?

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安達祐実 公式ブログより
 先日、お笑い芸人の東野幸治が別れた妻と“復縁”したことが話題になったが、一度別れた相手との復縁が非常に難しいということは、彼を見ていると痛々しいほど伝わってくる。 「スピードワゴンの井戸田潤さんも、前妻である安達祐実さんに何度も何度も復縁を迫ってるようですが、一向に首を縦に振ってもらえないようです。番組や会見でも、事あるごとに彼女の名前を出しているから、ほかの女性ともまったく交際ができなくて困っているようですよ(笑)。テレビ朝日の『アメトーーク!』で一度は“復縁断念”を宣言しましたが、本心はまだ揺れているようです」(スポーツ紙記者)  一部では、2人はすでに“事実婚”状態で、安達の母との確執さえなくなればすぐにでも“再入籍”もあるというが……。 「実際のところ、娘も井戸田さんに懐いていますし、今後のことを考えたら“夫”が必要な時が来るでしょうしね。それが井戸田さんかどうかは分かりませんが、最近の安達さんはだいぶ大人っぽくなって、女性の色気も出てきましたから、恋愛の一つや二つしているかもしれませんよ。安達さんのマネジャーも彼女とだいぶ親しくしていますし、彼も周囲から怪しまれてますよ」(芸能事務所関係者)  マネジャーとタレントの熱愛というのは芸能界ではよくあることだが、彼女もそうなのだろうか? 2人をよく知る事務所関係者はこう話す。 「それはないと思いますが、2人はタメ語で話をしてますね。この前も、彼が『ちょっと暇なら付き合ってよ』と言えば、彼女も『いいよ』と言う。これはタレントとマネジャーの会話ではないですよね。彼女は芸能界に友達がほとんどいないので、男友達の気分で話をしているのかもしれませんが、周囲は誤解しますよね」  安達の本命は果たして──?

青山学院中等部の壮絶少女暴行事件 主犯格の母親・大物女優“K”の芸能生命終了か

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「週刊文春」8月30日号(文藝春秋)より
 名門校の青山学院中等部で起こった壮絶な少女暴行事件で、大物女優Kの女優生命が危うくなっている。  一部週刊誌で先に報じられた、女子生徒らが男子生徒に金を渡して起こした暴行事件で、主犯格の女子生徒Aが“大物女優の娘”と伝えられているのだが、これが宝塚出身のミセス女優Kの娘だともっぱらなのだ。  複数の週刊誌が報じた記事によると事件は5月、2年生のAと仲間3名の女子生徒4名が、男子生徒2名を2万円で買収。同級生の女子生徒に対しレイプするよう依頼し、男子生徒は女子生徒をトイレ個室に追い込み、そこへ押し入って服を脱がし動画で撮影したという。結果、男子生徒1名は退学処分となったが、もう1名と女子生徒らは直接手を下したわけではないとして、数日間の停学処分で済んだ。  しかし、これに反発したのは、ほかの生徒の親族らだ。ある女子生徒の父親は筆者の取材に対し、次のようなコメントをしている。 「恐ろしいことです。イジメが大問題となっている今、まさか自分の子どもが通っている学校で、こんな犯罪ともいえるようなことが起こるとは……。でも、男子生徒に指示したというAさんが数日の停学処分というのは、あまりに軽すぎる話。Aさんの母親が有名人だからなのか、多額の寄付金を受けてきたからなのか、学校側がそれで配慮したのなら、まるで共犯者でしょう。男子生徒は2万円をもらって事件を起こし、学校側はもっと大きなお金を受け取って事件を隠蔽しようとしているようなものでは?」  主犯格Aについて関係者に取材したところ「Kの娘が」と、Kの名前が当たり前のように飛び交っていた。実際、Kの娘は同校に通学しており、これまでも禁止されている自家用車での送迎や、仕出し弁当を持たされての通学などが伝えられてきた。  保護者会では学校側が「スカートめくりの延長レベル」と教員が説明したという話があり、これらについて学校側に問い合わせたところ「取材には応じられない」としているが、このままやり過ごせば、逆に問題が拡大する可能性はある。  主犯格の女子生徒がKの娘だとした場合、当然ながらKへの仕事の影響は出てくる。広告代理店の関係者は「タイミング的にも、ちょっとまずい事態」と話し、テレビ関係者も「皮肉にもKさんは現在、スクールドラマで校長兼理事長役を演じていますが、最悪、途中降板もありえるのでは?」としている。  被害はイジメというより暴行事件であり、今後の展開次第ではKの女優生命を脅かしかねない。 (文=鈴木雅久)

ルーマニア邦人殺害事件に現地報道の厳しい声 渡航にかかわったNPOに責任は──?

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NPO法人「アイセック・ジャパン」公式サイトより
 ルーマニア・ブカレスト郊外の国道沿いで8月17日、女子大生の遺体が見つかった事件では、現地メディアが「日本人女性があまりに無防備で、今後の両国間の関係にも悪影響がある」と報じている。  聖心女子大学文学部英語英文学科2年・益野友利香さんは15日、日本語を教える研修のため現地を訪れていたが、当初の予定では空港に着いた夜、そのまま約30分の距離にある駅までタクシーで向かう予定だったが、なぜか声をかけてきた男と一緒にタクシーで駅とは逆方向に向かってしまった。  益野さんが公の場で見かけられたのはこれが最後。彼女のTwitterも15日の「ルーマニア着いてから一人で深夜電車に3時間乗らなきゃだから、それが最大の不安というか何というか辿り着けたら奇跡だと思う(>_<)」というつぶやきが最後の言葉となってしまった。  同国検察庁によると、26歳の男が益野さんに話しかけ、タクシー乗り場まで誘導し一緒にタクシーに乗ったが、行き先は列車が出るノルド駅とは反対にあたる国道途中で下車。その脇の森林で強姦され、首を絞めて殺害されたという(男は犯行を否認)。 「被害者女性は英語を学んでいるということだったが、常識は学んでいなかったのではないか」  現地のメディアではこんなふうにも伝えられた。ラジオ番組でも女性DJが「いきなり声をかけてきた男に従ってタクシーに同乗するなんて信じられない」と話している。  ルーマニアでは、ブカレスト空港周辺の治安の悪さがかつて社会問題と化していた。白タクが横行しトラブルが絶えなかったことから、近年は空港に出入りできるタクシー会社が制限されている。空港の入り口を出れば目前が許可されたタクシーの乗り場になっており、トラブルも激減。正規のタクシーは車体のサイドに白黒チェックのライン模様入りで、料金メーターも明示するようになり、悪質な白タクと区別されている。 「益野さんが取るべき行動はただタクシー乗り場に行くだけだった。男と行動する必要は何もない」  現地メディアが伝える通り、益野さんがなぜわざわざ男と寄り添ったのか分からない。  ルーマニアでは民主化以降、ニセ警官による金銭トラブルや両替詐欺、スリなどの犯罪が増えており、渡航には十分な注意が必要とされるが、今回のケースはそれ以前の問題で「日本では3歳になった少女に“知らない人について行くな”と教えることはないのか。今回の事件では、本国に来る日本人女性が愚かだという宣伝になってしまった。同じような事件が続発しないことを祈る」と同メディア。  一方で、今回の渡航は海外インターンシップを扱うNPO法人「アイセック・ジャパン」によって行われたというが、同団体は学生が中心となって運営されており、今回の件についてはノーコメントを貫いている。  20歳の女性が、なぜ海外で「一人で深夜電車に3時間乗らなきゃ」という非常識な状況に置かれなければならなかったのか、説明責任が問われることになりそうだ。 (文=和田修二)