禁断の学会ネタにキンタロー。の処女暴露! 長井秀和が“アブナイ”暴走中

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『間違いないっ!―長井秀和オフィ
シャル・ブック』
(ベストセラーズ)
 「間違いない!」の決めゼリフでおなじみのお笑い芸人・長井秀和がヤケクソ気味だ。長井といえば、創価高校、創価大学を卒業した根っからの“学会信者”として知られている。ブレークした時には池田大作名誉会長も大喜びで、学会の本部幹部会で会長自ら「間違いない!」のフレーズを使うほどだったとか。  しかし、2007年にフィリピンで少女へのわいせつ疑惑が浮上したあたりから、長井の仕事は激減。今ではめっきり、テレビでその姿を見なくなった。  そんな中、長井の考えた秘策が、禁断の“学会ネタ”だ。所属事務所「タイタン」主催のライブでは「選挙前には必ず勧誘電話」「対立候補はお祈りで落選」や「池田大作は生きているか死んでいるか分からない」など過激なネタを連発。客席は爆笑の連続だったが、芸能界にも強い影響力を持つ学会を“敵”に回すような物言いをして大丈夫なのか……。  まだある。先日、東京スポーツで、大ブレーク中のキンタロー。について「あいつは処女だ! 間違いない!」と断言。過去、キンタロー。から恋愛相談を受けていたことを明かし、それをすべて暴露した。  これには芸能プロ関係者も「もうヤケクソでしょうね。今の長井が一番面白いけど、テレビはオファーを出しづらいでしょうね」と苦笑するしかない。  “暴走”気味の長井が暴れ回れば、低視聴率にあえぐバラエティ業界の起爆剤になれるかもしれないが……。

綾瀬はるかから笑顔が消えた!? 天然キャラ封印の裏に、西島秀俊の“裸体”が……

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『綾瀬はるか カレンダー 2013年』
(ハゴロモ)
 先日、夕刊フジに、実に興味深い記事が掲載された。好感度ナンバー1の呼び声高い女優の綾瀬はるかから、笑顔が消えたというのだ。  同紙は某飲料メーカーの製品発表会に出席した綾瀬について、雑誌カメラマンの話として「肌はきれいでしたよ。でも、表情が乏しい、筋肉がこわばっていた」と指摘。続けて「『こっち向いて』って言っても緩慢な動きでしたし、『もっと笑って』と注文しても、いつもの弾けるような笑顔にはならない。休みは取れているのかな、と心配になりました」というコメントを掲載した。  たしかに綾瀬は、主演するNHK大河ドラマ『八重の桜』の撮影で大忙し。この日のイベントも“お疲れモード”で笑顔に力が入っていなかったのかもしれない。  だが、綾瀬を知るテレビ関係者は別の理由を挙げる。 「大河で共演する西島秀俊さんの女性人気が、急上昇中なんです。彼の鍛え抜かれた裸のシーンを見たいがために、大河にチャンネルを合わせている女性もいるほど。そうなると、共演シーンの最も多い綾瀬さんにジェラシー交じりの批判が集中するのは当然。男性はあの雰囲気がたまらないのでしょうけど、女性からは『あざとい』『狙いすぎ』という声も聞かれる。中には『綾瀬を(西島に)近付けるな!』という強硬意見もあるんです」  前作の大河ドラマ『平清盛』ほどではないが、『八重の桜』も視聴率は苦戦が続いている。 「NHKも綾瀬さんの所属するホリプロも、松ケンに続いて2年連続でコケるわけにはいかない。鍵を握るのは西島さんの裸。それを邪魔しないよう、綾瀬さんもしばらくは女性の神経を逆撫でするような露骨な天然トークは控える方針のようだ」(テレビ関係者)  世の男性は彼女の癒やし系フェロモンと“爆乳”を期待しているのだが……。兼ね合いが難しい。

元・名物編集長がアベノミクスの大本営発表に苦言「週刊誌よ、権力を疑え!」

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「週刊ポスト」3月29日号 中吊り広告より
注目記事第1位 「安倍首相『玉ネギ問答』の詐術」(「週刊ポスト」3月29日号) 注目記事第2位 「PM2.5+黄砂 首都圏直撃パニック」(「週刊文春」3月21日号) 注目記事第3位 「『強化プラスチック』のレプリカ!『奇跡の一本松』涙の復元は美談か茶番か!」(「週刊新潮」3月21日号) 注目記事第4位 「女性記者が潜入!『オンナの性欲』最前線」(「週刊文春」3月21日号)  今朝(3月18日)の朝日新聞に、今の若者は「さとり世代」だという興味深い記事があったので紹介しておきたい。 「『さとり世代』が最初に登場したのは2010年1月。ネット掲示板『2ちゃんねる』で、元日経新聞記者の故・山岡拓さんの著作『欲しがらない若者たち』を語るスレッドだった。  同書には、今の若者の消費動向について『車に乗らない。ブランド服も欲しくない。スポーツしない。酒は飲まない。旅行しない。恋愛には淡泊』とある。  これを受け、1人が『さとり世代』と書き込むと、『いい言葉!』『面白いフレーズ』などの書き込みが殺到。(中略)ネットで拡散した。  結果をさとり、高望みしない世代――。何歳くらいを指すのだろうか。  博報堂若者生活研究室アナリストの原田曜平さん(35)は『ゆとり教育を受けた世代と年齢的にほぼ重なるだろう』と話す。  ゆとり世代は、主に02~10年度の学習指導要領で学校教育を受けた人たち。1980年代半ば以降に生まれ、現在の年齢は10代から20代半ばだ。  物心ついたときにはバブルが崩壊し、景気は後退。一方で、ネットが普及し、自ら足を運ばなくても欲しい情報が手に入る環境を享受してきた。原田さんは『「ゆとり世代」はダメな若者を指す言葉になったが、「さとり世代」は、ゆとり教育を受けつつ、さらに勉強をし、現実的な将来を見通す賢い集団でもある。だからこそ、結果をさとらざるを得なかった』」(朝日新聞より)  われわれの若いときは「クルマ大好き、ブランド大好き、スポーツはしないが酒は浴びるほど呑みたい、世界旅行にも行ってみたい、もてないけどセックスにはどん欲」だったが、その世代は還暦を超えてもさとりなどとは縁遠い。  さとり世代が年を取ったら、どんな老人ができあがるのだろう。  WBCは準決勝でプエルトリコに完敗した。はじめから選手層の薄さが気になっていたが、監督采配を含めて、3連覇できるほどの実力ではなかったのだ。  ところで、先週のアサヒ芸能に、私にとっては、という意味ではあるが、ショッキングな記事が載っていた。  「謎の美女YURIの正体は」がそれである。週刊ポストでセンセーショナルに登場したYURIは、その清楚な佇まいと壇蜜を凌ぐ官能的な姿態で、多くのファンを獲得した。  私もそのひとりだった。少し東南アジア系を思わせる表情も魅力だったが、そのプロフィールはすべて秘密、秘密だった。  そして昨年夏に、突然引退を表明して消えてしまったのだ。まるで自分のガールフレンドが目の前から消えてしまったような寂しさを感じたものだ。  それがこのところ彼女の「消息」がポストに出始め、未公開写真がグラビアを飾り、彼女のあの姿を再び見られると喜んでいたのだ。  アサ芸にもYURIファンがいたに違いない。予期せぬところで再会を果たしたなどといっているが、血眼になって探し求めたのであろう(推測だが)。しかし、それがDVDショップで出会った、それもAVだったというのがショックである。  タイトルは『続・素人娘、お貸しします VOL.63』(プレステージ)。仮名で柏木美玲、22歳、家事手伝いとなっているそうだ。  間違いであってくれればいい。そういう私の切なる願いは、アイドル評論家の織田祐二が打ち砕く。 「顔や胸の谷間のホクロの位置が完全に一致しており、YURI本人だと断定できます」  アサ芸は「本番AV嬢だったんですね(苦笑)」と書く。嫌みだね。  私にとっては苦渋の選択だったが、すぐにそのDVDを通販で買って取り寄せたこと、言うまでもない。  ポストはアサ芸の記事を知ってか知らずか、今週もYURIのグラビアをやっている。そのタイトルは「誰も。。何も。。知らない」。意味深ではあるがね。  注目記事には入らなかったが、気になった記事を紹介しよう。  廣瀬直己東電社長が文春に登場して、池上彰の「誌上喚問」に答えている。池上が「文春は原発事故以来、厳しく東電の責任を追及してきた雑誌なのに、よく応じましたね」とやや驚いているように、登場させたことは“快挙”である。  廣瀬は「確かにだいぶお叱りを受けているという認識はございました。しかし、私どもの立場ではどんな媒体でも我々の考えをお話しできるのであればありがたいことだと考えています」と答えているが、額面通りには受け取れない。  文春、池上彰というブランド。それに付け加えれば、池上ならさほど厳しいことは聞くまいという計算があったのではないか。それとも、なんらかの取引があったのか。  予想通り、内容は通り一遍で、さして新しいことはないし、激しく斬り込んでいない。  強いてあげればこういうところか。 「池上 ただ、例えば敦賀原発のように日本原電が調査して活断層ではないとした場所が、別の学者が見たら一目瞭然で『活断層だ』と判定されてしまうと、そもそも今までの調査が非常に電力会社にとって都合のいい、いい加減なものだったと思いますね。 廣瀬 そういう批判を受けるのも仕方ないかもしれませんね」  終始、廣瀬社長は第三者のような口ぶりである。旧東電トップたちの刑事責任にも言及してほしかったね。  現代にも気になる記事がある。「医者はこんなときにウソをつくのです」がそれだ。  慶應義塾大学病院放射線治療科の近藤誠医師がこう語る。 「実は、医者がウソを言うのは、余命に関してが一番多いんです。初対面の医師が、いきなり『あなたは余命3ヵ月です』と言ってくるケースはよくある。特に若い医師に多いようです。  だいたい短めに言って脅し、不安にさせ、救いの手を差し伸べる。長めに言うと、患者はセカンドオピニオンを求めたり、他の治療法はないかと考えてしまう。そうした心の余裕を患者に与えないために、あえて短めに言うんです。昔は家族を脅すのに『余命6ヵ月』がよく使われたのですが、がん告知が当たり前になった今は『余命3ヵ月』に短縮された。そう宣告された多くの患者の話を、私は直に聞いています」  この「余命3ヵ月」には、もうひとつの理由があるというのだ。 「医療裁判に対する怯えは、がんに携わる医師のほとんどが抱いていると思います。余命に関しても、1年と言ったのに半年で亡くなったなどとなったら、医師の責任を追及されかねない。だから余命は短めに告げておくんです」(都内の総合病院外科医)  確かに医者が余命を確実に判定できるわけはない。医者意図を見抜く患者側の眼が必要なのだろう。  これも私のころからの定番の早稲田批判が現代に出ている。不思議なことに早稲田批判は部数が出るのだ。 Q  慶應に差をつけられ、明治に追い上げられている早稲田は慶応のマネをするようになった。 「大学の特色でもあった夜間部を’10年度までにすべて新規募集停止。女子学生と外国人留学生を増やした。最近では文科省の指導のもと、授業の出席率をあげようと、授業ごとに色の違う出席カードを用意したり、院生を雇って代返を監視させたりしている。  マネをしてみたが、結局慶応には勝てず、早稲田は『自由』という唯一の優位性すら失ってしまった。そして皮肉にも、早稲田は就職市場でもますます『魅力の薄い』大学になりつつある。就職率でみれば慶応83.6%に対して早稲田は76.1%と差は大きい」  早稲田のバンカラという気風も、もはや昔のこと。私のオフィスは早稲田の正門のすぐ近くだが、通る早稲田の学生はスマートなのが多い。早稲田はただの人数の多い特色のない大学になってしまったようである。  文春の連載「ワイセツ戦線異状あり」が面白い。今週の第4位に、25歳の文春女性記者が「オンナの性欲」最前線に突撃している記事をあげる。  まずはTENGAの女性版「iroha」に挑戦。とはいっても、触って感触を確かめているだけだが。  次はお決まりの渋谷円山町にある女性専用バイブの店へ。その後、午前3時過ぎに編集部で女性向けAVを見て、こう感想を漏らす。 「私がイメージしていたAVとはずいぶん違う。なんだか男女とも綺麗だし、卑猥な言葉を言うわけでもないし、大げさな演技とかもないし……見ていて正直、ちょっとうっとりしちゃいました」  そこからこれもお決まりのBL、ボーイズラブ、同性愛ものへと行く。  店頭でBLを買うのがためらわれる女性たちが、ケータイでBLを読むことが多くなっている。eBookJapanは、昨年3月の調査で、iPhoneで電子書籍をダウンロードしたユーザーのうち女性は60%で、売り上げランキングを見ると1位に少女マンガ『僕等がいた』で3位にBLコミックが入ったそうだ。  そういえば、3月12日のJ-CASTに「文化庁配信電子書籍でダウンロード数トップ『エロエロ草紙』の中身は『男子の妄想』」という記事があった。 「文化庁は2013年2月1日から、『文化庁eBooksプロジェクト』として、国立国会図書館のデジタル化資料のうち、有識者により選定された13作品を電子書籍化・実験的に配信していた。配信は3月3日に終了し、実験結果が9日に公表された。  それによると、配信期間中のダウンロード数1位は酒井潔の『エロエロ草紙』で1万1749件、2位以下に芥川龍之介の『羅生門』(1万163件)、同じく芥川の『河童』(8428件)が続いた。このほか『絵本江戸紫』(1765年)、『平治物語〔絵巻〕』(1798年)などの古典籍や、竹久夢二、柳田國男、夏目漱石、永井荷風、宮沢賢治などの作品が配信されていた。  これらそうそうたる『ライバル』を押しのけて、今回1位に躍り出た『エロエロ草紙』。そもそもなぜラインアップされたのか。  1930年11月に出版されるはずが、『公序良俗を乱す』との理由で製本中に発禁処分を受けた。その後長らく日の目を見ていなかったのだが、国立国会図書館デジタル化資料としてインターネット上に公開されると、その『露骨過ぎる』タイトルがネット住民から『人気』を集め、11年中ごろからサイトのアクセス数ランキング首位に君臨するようになった。  このデジタルデータのアクセス数や、国会図書館内での閲覧実績などを重視して、文化庁が配信ラインアップを絞り込んだため、『エロエロ草紙』には異論も出たものの、『やはり外せない』となったそうだ」  中味などどうでもいいのだ。やはりエロは強い! ということだ。  陸前高田市の高田町では、大津波のために7万本あった松がほとんどなぎ倒され、唯一残った高さ27メートル、樹齢173歳の松が復興のシンボルとなり、「奇跡の一本松」と呼ばれている。  新潮は、その松が樹皮の生木部分以外すべて人工的に復元され、まるでミイラのようなものとして残ることになったことへの疑義を唱えている。これが第3位。  この松は昨年5月に新芽が出ず、完全な死が見極められたため、市の主導で震災モニュメントとして復元されることが決まったのだが、その総工費はなんと1億5,000万円。しかも10年しか持たず、永久保存ではないのだ。  当然ながら、地元住民からも批判が出てきた。街や道路の整備、仮設住宅に住む人たちの復興住宅費用に充てるべきではないかというものだ。もっともである。  費用そのものは寄付金と全国から寄せられた義援金を充てているようだが、サイボーグのにようにして残すのでは見るに忍びない、という声も多くある。それに、この奇跡の松のDNAを残そうという試みは成功しており、苗木として育ち始めているそうである。  私も、苗木を育て、大きくなったら海岸に植えて「奇跡の一本松ジュニア」として、みんなで守っていけばいいのではないかと思う。  中国のPM2.5問題が深刻になってきている。これを取り扱った文春の記事が第2位。  大阪医科大学の河野公一教授がこう警告する。 「特に高齢者と乳幼児は抵抗力や免疫力が低いですから、慢性的に吸い続けているとCOPD(慢性的閉塞性肺疾患)になりやすい。最近、都市部の高齢者で呼吸器系疾患が多いのも、PM2.5の影響があると思われます。COPDは高齢者、特に八十歳以上の肺疾患で亡くなる方の死亡率第一位です。(中略)抵抗力の弱い乳児や子供も同様です。子供の場合は肺の発達成長の段階においてこういう疾患に遭うと、肺胞の正常な機能が保てなくなるといわれています。肺そのものの成長が鈍くなってしまうこともありえるんです。  また、PM2.5は発ガン性物質でもあるので、肺胞周囲におけるガンのリスクが高くなります」  日本ではこのところ煙霧が話題だが、これは寒冷前線の接近に伴って空気が対流し、地表付近の土埃やちりなどが巻き上げられて、水平方向に見通せる距離が10キロ未満になる気象現象のことだそうだ。文春は気象庁が「煙霧」と発表しているのは実は大本営発表で、中国へ配慮して「黄砂」といわないのではないかと、怒りを中国へと向ける。  さらに先のような健康への被害が心配され、PM2.5のような微粒子だと「肺胞にまで到達し、血液やリンパ節に移行していく。ちょうど肺への沈着率が高くなる大きさなのです」(河野教授)。その上中国では規制の緩いアスベストまでが飛んできている可能性もあるというのである。  北京から南西に約300キロのところにある中国のスモッグ・ワースト1位の都市(河北省)へのルポも敢行している。7歳の子供を連れた50代の工員はこう話している。 「春になると砂や煙が宙を覆って、真っ白で空も見えなくなってしまう。七、八年前に大きな工場ができてからというもの、小さい子供に気管支炎が増えている。発疹が出ることもある」  工場から離れた市の中心部に子どもを住まわせたら、発疹が自然と消えたという。  さらに文春は、07年に世界銀行が中国の水質汚染に関するレポートを発表し、大気汚染と空気汚染で年間約70万人が死んでいると述べられているのに、中国政府がその部分を削除するよう仕向け、最終版からはこの記述がなくなっていると報じている。  中国側へ「汚染物質抑制要請」をするべき石原伸晃環境大臣だが、なかなか腰を上げず、ようやく中国側に申し入れたところ、中国側は日本への影響を認めず門前払いされたという。中国側からすれば、お前のところは福島第一原発事故で放射能をばら撒いたではないか。そんなことを言われる筋ではないということなのかもしれない。  こうしたPM2.5対策としては空気清浄機が必須だというのだが、中でもスウェーデン製の「ブルーエア」が効果が高いそうだ。だが、20畳対応で8万円弱、半年ごとに交換しなくてはならないフィルターが8,400円と値段もかなり高めである。  庶民は、せめて帽子にメガネ、マスクぐらいで自衛するしかないようだ。  今週の注目記事第1位は、ポストの安倍バブル煽り派への批判記事にあげる。  現代はアベノミクスと黒田東彦日銀総裁を合わせて「アベクロ」バブルと称し、今週も「『アベクロ・ショック』世界同時株高が来た」と煽っているが、ポストは「“官製報道”をチェックするべき雑誌メディアまでがそれに丸乗りしている」と、私がこのところ言い続けてきたような批判をしている。  安倍首相は「中国の玉ネギよりも日本の玉ネギのほうが高くなったのは円高が是正されたためだ」という発言をした。だが、ポストが調べたところ、昨年末から国産玉ネギの値段は変わっていないし、円安で中国産玉ネギの輸入価格が一方的に高くなったのだから、これは詐欺師の口上のようではないかと難じている。  その裏では、来年の消費税引き上げへの布石を打ってきているというのだ。 「自民党は消費税引き上げの際、スーパーや量販店など小売業者が増税分を値引きする『消費税還元セール』を禁止し、値上げカルテルを認める特別措置法案を国会に提出することを決定した。特措法ではさらに中小企業の業界団体が増税分の価格上乗せ方法を共同で決める『転嫁カルテル』を認めて、独占禁止法の適用除外とする方針だ。  還元セールの禁止では、企業や小売店が経営努力で値引きすることもできなくなる。いわば『みんなで値上げしよう』法案であり、消費者のために値引きセールをした業者を、『税を取る役所』の国税庁(財務省)と『消費者を守る役所』の消費者庁が取り締まる。還元セールを行った企業は名前が公表され、調査が入る。値上げに協力しない企業は”犯罪者”扱いである。  一方で財務省は増税後の住宅需要冷え込み対策として、今年9月末までに注文住宅の購入契約を結べば引き渡しが来年4月以降でも税率を5%のままにする経過措置を打ち出した。税率引き上げが正式に決まってもいないのに『経過措置』とはふざけた話だが、これも増税の『来年4月実施』を既成事実化する露骨な動きだ」  3月8日に発表された内閣府の「景気ウオッチャー調査」もおかしいという。 「今回の調査結果(2月分)では、『現状判断DI』が前月比3.7ポイント上昇の53.2、『先行き判断DI』が前月比1.2ポイント上昇の57.7となった。  景気の先行きを示す指数は00年に調査を始めてから最も高い57.7となったという報道が多く見られたが、これは役所と記者クラブの「コンビネーションプレー」だったと批判する。 「しかし、今回の調査結果を注意深く読むと、手放しでは喜べない日本経済の実態が見えてくる。  25ページにわたる調査結果(全体版)の最終頁には、『参考』として『景気の現状水準判断DI』という指数が掲載されている。そこには『景気の現状をとらえるには、景気の方向性に加えて、景気の水準自体について把握することも必要と考えられる』との記述があるだけだ。  内閣府に問うと、『「現状判断DI」は3カ月前と比べて景気がどう変化しているかを質問した数字で、「現状水準判断DI」は、現在の景気について尋ねた数字です』と説明する。  つまり、『現状水準判断DI』こそが実体経済の実感を示している数字なのだ。この数字は今回調査で「45.9」と50を大きく下回り、いまだ過半数が『景気が悪い』と判断していることを示している。その数字を最後に『参考』として載せるのではなく、強調することこそ政府の義務というものだ」  さらに、作られた賃上げラッシュの裏で「首切り自由化法」が練られているというのだ。 「さる3月6日、産業競争力会議の『雇用制度改革』分科会の第1回会合が開かれた。そこで議論の中心になったのが、経済界の悲願である『金銭解雇ルール』の創設だ。 『日本では企業が社員を整理解雇する場合には4要件と呼ばれる厳しい制約がある。産業競争力会議でテーマになっている金銭解雇ルールとは、企業が『転職支援金』などの名目で一定の金額さえ支払えば自由に社員のクビを切れるようにするもので、実現すれば、サラリーマンはいつ会社から『辞めてほしい』と通告されるかわからない不安にさらされることになります」(ジャーナリスト・溝上憲文氏)」  昨今TPPが話題だが、そこにも裏があるという。農協の大規模な反対運動が報じられているが、政権と農協側は水面下で条件交渉を始めているそうである。 「TPP参加は既定路線だから、あとは農協を通じた農家への補助金交渉になる。農協は、93年にウルグアイ・ラウンドで米市場の一部自由化を決めた際には、8年間で6兆100億円という巨額の農業対策予算を引き出した。関税撤廃品目次第では、今回は10兆円規模の減額交渉になるのではないか」(安倍ブレーン)  自民党のTPP対策委のひとりもこう言う。 「北海道庁がTPPによる道内の損失額を米1130億円、小麦418億円などトータルで2兆1254億円と試算している。委員会では農水族の議員が『北海道だけでこれだけの数字になるんだ!』といいながら、補償額について話し合っている。最低でもウルグアイ・ラウンドの6兆円は超えるはずだ」  今の株高は一場の夢になるかもしれないと、慶應義塾大学ビジネススクール小幡績准教授がこう指摘している。 「小泉政権下でも景気拡大局面が現われて株高となったが、庶民はそれほど恩恵を受けられなかった。現在、それと同じような状況がある。株や土地が上がっても持たざる人や投資資金のない人には関係ない。円安で業績が好転して賃上げにつながるのは一部の大企業にすぎません。多くの庶民にとっては賃金が上がらない中で、物価だけが上がるというのはマイナスでしかありません」  ポストの報道姿勢を私は評価する。新聞やテレビなどの大メディアが大本営発表のような情報を垂れ流している中で、こういうときこそ週刊誌は「権力を疑え」という姿勢を貫かなければいけない。それが週刊誌の存在理由なのだから。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

五代目・三遊亭円楽に捧げる、弟子たちからのラブレター『落語家 五代目円楽一門会生態録二〇一三』

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『落語家 五代目円楽一門会生態録
二〇一三』(ワイズ出版)
 2009年に肺がんのために亡くなった五代目・三遊亭円楽の弟子や孫弟子たちが所属する落語家集団「五代目円楽一門会」。「笑点」でお馴染みの三遊亭好楽や六代目三遊亭円楽(元三遊亭楽太郎)、末高斗夢としてタレント活動から一転、落語の世界に飛び込んだ三遊亭こうもりなどが知られているだろう。この一門会に所属するすべての落語家に迫ったインタビュー集『落語家 五代目円楽一門会生態録二〇一三』(ワイズ出版)が刊行された。  総勢44名の落語家たちに取材を行ったのは、今月真打に昇進したばかりの三遊亭きつつき改め四代目・三遊亭萬橘。兄弟子や弟弟子などの立場を超え、落語家としての本音を語り合っている。  一般的に、落語家の生態というのはほとんど知られていない。日本の伝統芸能を守る存在でありながら、同時に「毎度ばかばかしいお笑いを一席」と、集まった人々の心をつかみ笑いを勝ち得なければならない。そんな落語家たちが、自らの半生や哲学を語るというその内容も十二分に面白いが、本書をより味わい深くさせているのが、彼らの師匠にあたる五代目三遊亭円楽に対するそれぞれの熱い思い入れだ。  五代目円楽は、一昨年亡くなった立川談志や古今亭志ん朝らとともに、昭和~平成の落語界を牽引した存在である。しかし、彼をはじめとする円楽一門は落語協会や落語芸術協会に所属する落語家と異なり、鈴本演芸場、新宿末広亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場といった寄席で定席を持つことができない。1978年の分裂騒動で三遊亭圓生・円楽の師弟は落語協会を脱退する。これに対する制裁として、円楽一門会は寄席という活躍の場を失った。  五代目円楽は1985年から89年まで、寄席「若竹」を自ら経営した。最後には数億円もの借金を背負い、「笑点」で散々いじられ倒していたが、五代目が私財を投じ借金を背負ってまで寄席を開業したのは、自分たちの場所をつくるためだった。また、東京の寄席に出られないことから、地方での落語会を精力的に行ってきた円楽一門会。今では地方の落語会も当たり前のものとなったが、この状況は彼なしでは考えられないだろう。  普通の落語家が味わう以上の辛酸を舐めた五代目。その背中をずっと追い続けてきた弟子たちからあふれ出る言葉の数々は趣深い。 「大将(五代目)の凄さ? あれは人間じゃないよ。普通の人ではとにかくない(中略)あんだけわがままで、好き勝手で、気分屋でいながら、勤勉家で、あんなに温かくて、懐の深い人は最初で最後だろうね」(三遊亭貴楽) 「喜怒哀楽の激しい方で、きつくも叱るけど、『浜野矩随』の若狭屋甚兵衛とほぼ同じ。思いやりが、すごく優しくて」(三遊亭楽之介) 「どっかのインタビューで言ったけど、円楽と言うブラックホールの中にどんどん吸い込まれてたんだね。落語と言うブラックホールん中に」(六代目三遊亭円楽)  一般的には笑点の司会者としてニコニコしたイメージが印象に残っている五代目円楽。だが、彼は名実ともに間違いなく落語界を牽引した存在であり、後世にまで語り継がれるべき人物だ。本書は、弟子・孫弟子たちによって形作られる五代目円楽一門会のすべてを記した作品であると同時に、彼らによって綴られた五代目円楽へのラブレターなのだ。 (文=萩原雄太[かもめマシーン])

ぽっちゃり向けファッション誌「la farfa」に訊く、ぽっちゃりとデブの境界線

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仕掛け人である今晴美さん(左)と読者モデルの天貝旭花さん(右)。
日テレの水卜麻美アナや、渡辺直美、柳原可奈子、アジアン・馬場園梓といった女芸人など、このところ“ぽっちゃり女子”株が急上昇している。その人気を裏付けるかのように、今月21日、日本初のぽっちゃりさん向けファッション誌「la farfa」(ラ・ファーファ/ぶんか社刊)が創刊される。創刊号のイメージモデルを渡辺直美が務めるとあって発売前から話題騒然中の同誌だが、ひと昔前なら、太った女性が好きな男性は「デブ専」なんて言われる少数派だった。それが一体なぜ、今“ぽっちゃり”なのか?   「la farfa」の仕掛け人である今晴美さんによると、そもそもぽっちゃり向けのファッション誌を作ろうという話が出始めたのは、3年ほど前のこと。今さん自身、ぽっちゃり体形で、自社のファッション誌を見てもあまり着られる服がないと不満を抱いていたという。 「『だったら、自分でやればいいじゃん!』と周りにたきつけられて……(笑)。ニッセンのsmiLeLand(http://www.smileland.jp/)や、AS KNOW AS、Hakkaなど、今ぽっちゃりさん向けのおしゃれな服がすごく増えてきているので、この市場にポテンシャルはあるというのは、けっこう確信がありましたね。『やるなら一番最初』といううちの社風もあるんですが、動きだしてからは早かったです」  数々のファッション誌を手掛けるぶんか社といえど、ぽっちゃりは未知の領域。普通のファッション誌ならモデルがオシャレな服を着こなすだけでページが成立するが、ぽっちゃりの場合は“なぜこのコーデなのか”といったプラスαが必要になる。そのほかにも、いろいろと苦労があったようで……。 「まず、ぽっちゃり体形のモデルさんというのがいなかったので、イチから探さなければならないというのが大変でした。それと、普通のファッション誌だと、ぽっちゃりって、おなかやお尻、ふくらはぎといった部分をうまく隠すというのを先に考えちゃうんですよ。でも、私はそれがすごい嫌で。別に出せばいいじゃんって思うんですよ。結局、全体のバランスですからね。そこにネガティブにならないでポジティブに見せていくというのは、スタイリストやカメラマンにとってこれまでと180度違う仕事。そこが面白いところでもあり、大変なところでもありました」  ぽっちゃりさんと一言で言っても、その認識は人それぞれ。「la farfa」が定義する“ぽっちゃり”とは一体なんなのだろうか?  「服のサイズとしてはLL~5Lを載せてますが、あまり明確な定義はないですね。結局、本人がどう思うかでしかないですから。これは私の個人的な見解なんですが、健康そうなのがぽっちゃりで、不健康そうなのがデブじゃないかと。自分の体形を気にしすぎて『腹の肉が……』と縮こまっちゃうのは、人としてあまり健康的ではないですよね? 一方、ぽっちゃりって『腕肉ですが、何か?』って言えちゃう。ぽっちゃり体形の見せ方を分かってるんです」  確かに、ぽっちゃりの人は性格的に明るくて、一緒にいて楽しい人が多い気がする。では、今さんから見て、ぽっちゃりの魅力とはどんなところなのだろうか? 「懐の大きさではないでしょうか。自分の体形などコンプレックスを乗り越えてきている人が多いからこそ、心も丸いというか。なんでも受け止めてくれる土壌を持っていますね。私もよく社内で『お母さん』って言われてます(笑)。あと、おいしいものが好きだから、たぶん料理もうまい」
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スリーサイズは上から130cm、130cm、136cm。
 先日行われた3月16日に「la farfa ×smiLeLand SS Collection」へ出演する読者モデルオーディションには約250人の応募があり、最終的に12名が選ばれた。その中で編集部イチオシなのが、天貝旭花さん(26歳)。確かにサイズは大きいが、笑顔がかわいらしい、ふんわりとした雰囲気の女性だ。  ぽっちゃりでよかったなと思うことは? 「友達に触り心地が気持ちいいと言われたり、暖を取られたりしますね。あとは、もともと顔がキツめなので、お肉がついていると笑顔がいいねって言われます」  ぶっちゃけ、モテるのだろうか? 「……彼氏はいます。彼はぽっちゃり好きです。街で声かけられることも、けっこうありますね…(照)。『お酒飲み行こう』とか」  ぽっちゃりが個性として社会的にも認められるように頑張りたいと、今後の抱負を語る天貝さん。日本全体が元気がない今、ぽっちゃりさんの安定感と癒やしが求められているのかもしれない。 (撮影=名鹿祥史)

KARAに気を使いすぎ!? ウワサの有料KARAアニメをレビューしてみた

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『KARA THE ANIMATION』
 『ラブライブ!』『AKB0048』『アイカツ!』『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』などなど、リアルワールド同様にアイドル戦国時代真っ最中のアニメ業界。各作品とも独自のキャラとストーリーでファンを魅了している中、3月1日より腰振りダンスで一世を風靡したK-POPアイドルグループ・KARAを題材にしたアニメ『KARA THE ANIMATION』がひっそりとスタートしたのをご存じでしょうか?    クイクイ腰を振りまくるダンスで日本中を席巻し、今年は1月6日にK-POPガールズグループとしては初の単独東京ドーム公演を成功させたとかさせないとか。そんなノリノリでイケイケでゴーゴーなKARAがアニメになったっつーわけで、当然のごとく多くのKARAファンはチェックしているはずの本作。「乗るしかない! このビッグウェーブに!」ということで、早速プレミアム放送中のスマホ向け放送局「NOTTV」にアクセス! 視聴料が500円かかるということですが、マ、この原稿を書けば全然元は取れるかってことでポチってみました。  「アニメーションだからできる、普段と違ったKARAが5つの物語で大活躍!」(公式サイトより)という本作は、KARAメンバー5人をそれぞれ主人公に据えた5本のオムニバス作品で、なんとメンバーがそれぞれ本人キャラクターを演じているそうです。これはKARAファンならうれしい配役と思われますが、本編は終始韓国語で展開するので今一つ演技の上手下手が分からないのが残念。とはいえ、韓国語もペラッペラなK-POPファンの皆様なら、これは無問題でしょう。  で、その中身なんですが、どうやら各メンバーが爆発物処理チームに所属する特殊警察官やら宇宙飛行士やらセクシー消防隊員になって大活躍するアクションものの様子。とりあえず誰が誰なのか、見分けがつかないので「理想的なボディーラインと美しいロングヘアを誇る」(公式サイトのキャッチより)ハラさんをご指名!(こう書くと、なんかいかがわしいお店みたいですね)  モナコ公国第2王子の身辺警護の任についたSPのハラさんは、彼と共に王立銀行に向かいますが、突然テロリストが乱入し、ハラさんや王子たちは追い詰められてしまいます。そこで明らかになる衝撃の事実! そして後半は『逮捕しちゃうぞ』顔負けのパトカーチェイス! と、20分強の短編ながら、なかなかエキサイティングな内容で見応えはあります。  ポイントはセクシーシーンでの「鼻血ブー」描写や、シリアスな展開の中で突然コメディタッチな掛け合い。男顔負けのアクションに惚れた他の王子たちから求婚されて、「もう王子はこりごりよー!」とか叫びながら駆けだすシーンで止め絵! というラストシーンなど、昔懐かしのアニメ演出が頻出する点でしょうか。全体的に「よく日本のアニメを研究しているなあ」といったところで、びっくりしちゃいました。  ただ気になったのは、KARAメンバー以外のキャラがいわゆるモブ顔デザインなのに対して、KARAメンバーはCGバリバリのハンコ絵モデリングという点です。パッと見て髪型以外に見分けがつかないお人形さんみたいなKARAメンバーは、確かに地味な顔つきの他のキャラよりもかわいいし派手に見えるんだけど、なんか違和感があるというか作りものくさいというか……。ある意味、リアルっちゃあリアルなんでしょうけど、もう少しなんとかならんかったんでしょうか?  それでも潤沢な予算で実現した安定のアクション作画のおかげで、20分見ていて飽きないのはプラスポイントでしょう。ただ、これも“割と見られるじゃん”というレベルなんですけど。  全体的に元ネタのKARAに気を使っている感がバリバリの無難な作りになっていて、ツッコミ待ちアニメにしてはちょっとばかりインパクトが弱く、一本のアニメ作品として見るには面白みがない、という芸能人ものアニメにありがちな「誰得アニメ」になってしまった感がありますが、百聞は一見にしかず。今後は劇場公開される計画があるそうなので、いざ全国で公開された日には、日本各地の映画館にKARAファンが大集結するかもしれませんね。いやー、楽しみですねー。 (文=龍崎珠樹) 「週刊アニメ時評」過去記事はこちらから

6つの物語が響き合う、2時間52分のSF超大作『クラウド アトラス』

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(C)2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. / Photo Credit: JAY MAIDMENT
 アカデミー賞候補作や受賞作のような傑作や、安心して見られるウェルメイドな娯楽作もいいが、たまには毛色の違う映画も試したいという向きに、今週は実験精神あふれる意欲作2本を紹介しよう。  3月15日に封切られる『クラウド アトラス』は、英作家デビッド・ミッチェルの同名小説を、『マトリックス』3部作のラナ&アンディ・ウォシャウスキーと『ラン・ローラ・ラン』(99)のトム・ティクバが3人で監督を務めて映画化した壮大な物語。19世紀から文明崩壊後の24世紀まで、6つの時代でそれぞれの人生を生きる男(トム・ハンクス)が、同様に生まれ変わる数人の男女と関わりながら、数奇な運命をたどる。男は24世紀のハワイで、進化した種族の使者メロニム(ハル・ベリー)と出会い、人類の未来を決する重大な選択を迫られる。  腹黒い老医師から誠実な原発従業員、下品で暴力的な作家、平和主義のヤギ飼いまで、年齢も性格も異なるキャラクターを巧みに演じ分けるトム・ハンクスの名人芸が楽しめる。ほかにもヒューゴ・ウィービング、ジム・スタージェス、ペ・ドゥナ、スーザン・サランドン、ヒュー・グラントら豪華キャストが、それぞれ特殊メイクの助けも借りて各時代のキャラを熱演。輪廻思想をベースに、哲学的な要素、社会思想史や文明批判の側面、『マトリックス』に似たディストピアなどを盛り込みつつ、歴史ドラマ、近未来SF、サスペンスアクションなど多様なジャンルの手法を組み合わせて壮大な世界観を築き上げた。現在、過去、未来を何度も行き来する複雑な構成だが、パートの切り替えが絶妙で、各エピソードを結びつける設定も多々あり、2時間52分という長尺の上映時間を飽きさせない。  もう1本の『キャビン』(公開中、R15+)は、『クローバーフィールド/HAKAISHA』の脚本で知られるドリュー・ゴダードの長編監督デビュー作。女子大生のデイナ(クリステン・コノリー)は、カート(クリス・ヘムズワース)ら若者5人で連れだって山奥の別荘にやってくる。しかし、デイナたちの行動は謎の組織により監視されていて、事態がすべてシナリオ通りに進むようコントロールされていた。何も知らない若者たちはさまざまな恐怖に襲われ、1人ずつ命を落としていくが……。  人里離れた山小屋を訪れた能天気な若者たちが、得体の知れない怪物や異常な殺人鬼によって順番に血祭りに上げられる――という設定はホラー映画の定番中の定番。ところが、そうした状況を監視しコントロールする組織を登場させたことで、『トゥルーマン・ショー』(98)や『キューブ』3部作のような「メタ視点」が加わり、がぜん面白みが増した。もちろん、若者たちが思惑通りに全滅しては味気ないので、後半には生き残った数人が組織に立ち向かう場面も用意されているのだが、その先も予想を越える驚愕の展開。既出のアイデアをうまく組み合わせることでオリジナリティあふれる映画が作れるという、お手本のような快作だ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『クラウド アトラス』作品情報 <http://eiga.com/movie/77223/> 『キャビン』作品情報 <http://eiga.com/movie/58143/>

ヒロイン全員S女! 体験入部イベントまで開催したすげえエロゲー『サド★部 ~S女に虐めヌかれ部~』

R0036437.jpg  気がついたら人生の半分以上をエロゲーをやって生きてきた筆者。いやいや、不惑が近づこうともエロゲーはやめられませんよ。きっと、棺桶に入るまでエロゲーをプレイし続けるんじゃないかな……きっと、同じ思いの人は多いだろう。  エロゲーに何を求めるか、目的はさまざまあるだろうけど、筆者は「作者は何を考えているんだ」あるいは「制作した会社は、いったいどこへ行こうとしているのか」というマジ○チな雰囲気である。けなしているのではない、褒めているのだ。なぜか、エロゲーはエロマンガに比べて異端なもの、マニアックな内容に出会う機会が多い。どのようなユーザーを想定するかといったビジネス面はよそにして、我が道を行くエロゲーは、やっぱり面白い。そりゃそうだろう。なにせ、エロゲーは一人じゃつくれないわけで、複数の人間のリビドーの集合体なのだから。  そして、凡百な「萌え」よりも、我が道を行く会社のほうが知名度はアップするし、固定客を得られると思う。だからこそ、筆者は常にキャラの立ったエロゲーを探し求めているのだ。  そんな中、今年もとんでもないタイトルの作品を発見してしまった。その名も『サド★部 ~S女に虐めヌかれ部~』。タイトルからおのずとわかるように、登場するヒロインは全員S女である。なんとも、ニッチな層を狙ったタイトルであろうか! 世の中、エロマンガもエロゲーも百花繚乱だけど、やっぱりマニアックなプレイは、まだまだ広く受け入れられてはいない。筆者は、エロゲー雑誌でレビューの仕事などもしているのだが、ここ数年は際立った変態ゲー担当である。担当編集いわく「凌辱系とか嫌がるライターさんが多いんですよね……」だって。変態の間口は広くしておいたほうが、世の中が楽しくなるハズ! でもまあ、ニッチはニッチだよね……。  そんなこの作品、発売を記念して「“初心者(よい子)のためのSM講座”サド★部体験入部会!」なるイベントを開催するという。しかも、協賛はもはや秋葉原の名所と化している大人のデパートm’sである。これは、とてつもなく妙なイベントに違いない! まだ見ぬ変態を見ることができるのではないかと、期待して会場に駆けつけた。
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 このゲームを制作したCLOCKUPは、「実用性」もさることながら「ちょっと、大丈夫か」とワクワクさせてくれるメーカーだ。  筆者の個人的な意見を書き記すなら、2011年に発売された『プリーズ・レ○プ・ミー!』は、スゴかった。いや、タイトルもだけれど、オープニングで流れる主題歌のタイトルが『LOVEレイプ』である。これが、女性ボーカルで、けっこう上手いにも関わらず、歌詞がタイトルに即した内容なんだから……。もちろん、今回の『サド★部 ~S女に虐めヌかれ部~』の主題歌も、やっぱりか! というものである。こんな会社のやるイベントなんだから、期待しない方がオカシイのである(断言)!  さて、イベントはネット配信中のラジオ番組「☆(ド部)ラジ」出張版ということで、CLOCKUPのいけだかなめ。氏と声優ユニットのりん月(東かりん氏・鈴音華月氏)をMCに、『サド★部』出演声優のヒマリ氏をゲストに招いたトーク……と思いきや、ちょっと違った。いや、イベントタイトルに「サド★部体験入部会」と書いてあったんだけど「大人のデパートm’s協賛」と銘打っている通り、トークもそこそこにステージ上のテーブルの上に、次々とSMグッズが並べられるではないか! おまけにスタッフから「登壇される方に顔出しNGの方がいるんですが」と写真撮影の注意があったのだけれど、ステージ上の女性全員が女王様っぽいマスクをしているし……。いや、あのマスクってすごいね、もう装着しているだけで淫靡な香りがするよ。もはや、三次元には興味のないハズだった筆者も、次第に会場を包み込む、なんともいえない淫靡な雰囲気に取り込まれていくではないか!  それをさらに加速させるのは、出演した声優の皆さんが「これ、どう使うんですか?」と、エネマグラを手に取った瞬間である。会場にいた男性の諸君は、経験の有無に限らず、その使い方をネットなどでよ~く知っているハズ、それを、本気で疑問形で話しながら手に取られたらさあ……。  そして、イベントは本気で体験ということで、来場した男性諸君に鞭、ロウソクなどを体験させるターンへと突入。体験したい人は手を挙げてと問われて、大半は手を挙げるではないか! いや、そりゃそうだろう。プレイは素人の女のコにSMして貰えるなんて、まずあり得ない機会じゃないか(違うか?)。  見事に指名されて、登壇した男性諸君は鞭打たれたり、ロウソクを垂らされたりして、ちょっと嬉しそう……。  いや、こんなノリのよいユーザーたちがCLOCKUPのゲームを支えているんだなァと、ちょっと感動した。ちょっとニッチなテイストの作品にもかかわらず、イベントを開催したり広く世間に打って出ようとするCLOCKUPは、もっと評価されてしかるべき。今、エロゲー業界が冬を迎えているといわれる。そうした中で、こうしたタイトルの登場は「エロゲーは作品内容も売り方も禁じ手なし!」という冒険心をくすぐってくれるのではないだろうか。  なお『サド★部 ~S女に虐めヌかれ部~』は、筆者もプレイ中だし、発売から日がたっておらず、あまりネタバレするとマズイので、ちょこっとだけ感想を記して置くと、とにかくヒロインのキャラ立ちがたまらない。ゲームをプレイしてSMに目覚めるか否かは、個人差はあるだろうが(いや、目覚めても困る気が)「ねえよ!」と突っ込みたくなるような強引な展開を交えつつ、グイグイと引きずり込んでくれる……。きっと、このまま一生、エロゲーをヤリ続けるんだろうな、オレ。 (取材・文=昼間たかし)

等身大の感覚を生きたまま届ける『久保ミツロウ・能町みね子のオールナイトニッポン0』

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『久保ミツロウ・能町みね子のオールナイトニッポン0(ZERO)』
しゃべりと笑いと音楽があふれる“少数派”メディアの魅力を再発掘! ラジオ好きライターが贈る、必聴ラジオコラム。  ラジオの面白さを測る基準のひとつに、「リスナーとの距離感」というのがある。もちろんそれは基本的に、近いほうがいい。近すぎるとナメられるという危惧もあるが、それでも近いに越したことはない。言い方を換えれば、「近づいてもナメられない」のが面白い番組ということになるかもしれない。『久保ミツロウ・能町みね子のオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送 毎週火曜深夜3:00~5:00)は、まさにそんな「リスナーとの近さ」を感じさせつつ、リスペクトを勝ち得ている番組のひとつである。 そしてこの番組が、4月から『オールナイトニッポン』1部(同深夜1:00~3:00)へと「昇格」することになった。その要因はやはり、漫画家・久保ミツロウと自称漫画家(実質エッセイスト/イラストレーター)・能町みね子の日常を起点とした、等身大のトークにあるだろう。そういう言い方をすると、「等身大なんて簡単じゃないか」と思いがちだが、それは等身大の怖さをわかっていない。等身大の怖さとは、その感覚をそのまま言葉にすると、ごく普通のつまらない話にしかならないところにある。等身大の感覚はリスナーの共感を生みやすいが、それを面白く語るには、まずその感覚が普通とはちょっとズレているか一歩奥まで達していること、そしてその次の段階として、その感覚を「言語化する能力」に優れていることがどうしても必要になる。 たとえばある日の放送で、久保は能町に、「くしゃみの時のワードって決まってますか?」と問いかける。明らかに妙な質問である。しかしその言葉の裏には、「くしゃみをするときに、やたらわざとらしく『ハクション』と発声する人がいる」とか「くしゃみをする際、言語化できない珍妙な声を発する人もいる」という事実認識から、「そもそもくしゃみに声は必要なのか」という問題意識に至るまで、結構な情報量が感覚的に読み取れる。もちろん、そこまでいちいち明確に計算した上で言葉を発しているわけではないだろうが、これだけの思考回路を、一行の言葉にして発することのできる能力というのは、言葉しかないラジオという世界では、やはり間違いなく強力な武器になる。ちなみに、その質問に対し能町は、「『はい!』で全部出る。フォロースルーがない」と答えている。「はい!」と明確に発音してくしゃみをしているというのも面白いが、くしゃみが短く終わってしまうことを「フォロースルー」というスポーツ用語で表現しているところに、そこはかとないおかしみがある(確かにくしゃみもひとつの運動であり、意外と体力を消耗する、)それに対し久保は久保で、「へっくし!」と全部ひらがなでハキハキと明快に発音しないと気が済まないと言い、「『へっく』で跳ねて『し』で着地」と、独特の感覚を的確に言語化してみせた。  よく笑いや面白さについて語るときに、人は「共感」という言葉を頻繁に持ち出すけれど、相手の共感を得るためにはただ面白い感覚や発想があるだけでは駄目で、自分の中に発見したその「感じ」を的確に言語化できなければならない。言葉を通じて相手に届かなければ、共感は完成しない。 たとえば芸人のラジオを聴いているときに、「言いたいことの根っこにある感覚はなんとなくわかるし面白いんだけど、なんかもっとふさわしい言葉がある気がする」と思うことが時々ある。また反対に、アナウンサーのしゃべりを聴いていると、「言葉のチョイスは確かなんだけど、その根底にある感覚が普通すぎる」と感じることがある。もちろんそういう人たちは、それでも感覚が抜群だから言葉が追いつかなくても面白かったり、逆に言葉だけの力でねじ伏せる剛腕の持ち主だったりする場合もあるのだが、やっぱり入り口(鋭敏な感覚)と出口(言語化能力)が高次元で両立しているのがベストな状態であるのは間違いない。時に「反応」を「はんおう」と読み違えてみたり、「泥酔」を「どろよい」と覚え間違えていたりというお茶目な「萌えポイント」を持つ久保と能町だが、こと感覚を言語化する能力においてはいまのラジオ界でも突出したものがあり、そんな2人の言葉がリスナーの共感を獲得しているのは、当然の結果であるといえる。 とはいえ、4月から時間帯が早くなることによって、「インディーズバンドがメジャーと契約したときの不安」のようなものを漠然と感じているリスナーも多いかもしれない。だが、久保は番組内で昇格する事実を発表した際、「この時間だから聴いてくれた人がたくさんいるのを知ってます」「寂しいのは、この時間帯を去ること」と、リスナー目線の感覚を言葉にすることを忘れなかった。この感覚とそれを言語化する姿勢がある限り、リスナーがさらに近づくことはあっても、2人のもとを離れることはないだろう。 (文=井上智公<http://arsenal4.blog65.fc2.com/>) 「逆にラジオ」過去記事はこちらから

コッテコテのラブホテルは“愛とエロスの建築遺産”!? 『ラブホテル・コレクション』

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『ラブホテル・コレクション』
(アスペクト)
 ラブホテルを取材した都築響一の労作『Satellite of LOVE―ラブホテル・消えゆく愛の空間学』(アスペクト)が出版されたのは2001年。それから12年の時を経て、同じくアスペクトから、映画監督・村上賢司による『ラブホテル・コレクション』が刊行された。  都築をはじめとする先人たちの活動で、すでに昭和時代の香りを残すラブホテルのバカバカしいまでのセンスは広く認知されるようになった。正直なところ、「またこの手の本か……」という気持ちは拭えない。しかし、5年の歳月を費やして取材された本書が掲載する、東北から九州まで全国33のホテルを眺めていると、紙面からあふれ出さんばかりのラブホへの偏愛に、ページをめくる手は思わず止まる。  まえがきにおいて、『11PM』や『土曜ワイド劇場』『ウィークエンダー』などのテレビ番組でラブホと出会った過去を振り返る村上。85年の新風営法が施行される以前に建築されたラブホテルは、シティホテルと大差のない平成のそれではなく、「遊園地のような、バカバカしくも面白い」逸品ばかり。経済成長の波に乗って金は余り、精力もビンビンだった昭和の遺構であり、平成の男女にとってはまさかそこで睦言を交わすなど、夢にも思えない場所だ。  「ベッドが回転して、いったい何が楽しいんだろう」という程度の、セックス偏差値最底辺の不肖からすれば、銀河鉄道(可動式SLベッド)の上でコトを致すホテル亜想呼(「アソコ」と読みます)など、絶対に敷居をまたぎたくない。さらに、小人になった気分の味わえるホテルGAIAの「ガリバールーム」(オジサマたちはきっと「オレのアソコが大きくなっちゃったぜ!」と言うはずだ)があり、部屋の隅になぜかゴリラの置物があるホテルCOCO……すいません、意味不明も甚だしいです!  ラブホ内部の様子と共に、本書巻末に掲載されたオーナーたちのインタビューも興味深い。大阪・京橋にあるラブホテル「富貴」と「千扇」は、「ローマ」「江戸」といったコテコテのコンセプトルームが特徴のホテル。97年に先代オーナーが亡くなり、その経営は娘(氏名非公開)に引き継がれた。この際、彼女は物件を手放すことも考えたが……「『おねえちゃん、私、ここで働きたいねん』と昔からの従業員さんに言われまして……。で、よく見ると玄関や廊下のデザインがほんとうに可愛いんです」と、その魅力に目覚めたそうだ。「富貴の客層は60代から70代くらいが一番多いですね(中略)出るときは、昔の人なんで、ゴミを綺麗にまとめて帰る。おはぎとかを受付に差し入れしてくれたりとか、そういうお客さんが多いです」。人々に愛され続けてきたホテルだからこそ、男女の身体の交流だけではない、人々の心温まる交流が生まれるのだ。  日本には、現在3万軒以上のラブホテルがあるといわれている。しかし、新風営法によって、回転ベッドや鏡張りなどは設置不可能になり、時代の流れから、“性愛のワンダーランド”としてのラブホは姿を消しつつある。平成の人々が求めるのは、スッキリとして無機質な部屋で行われるフツーのセックス。もしかしたら、僕たちはとても寂しい時代を生きているのかもしれない。  特にゆとり世代の草食男子は、本書を読み、そのあり余るカネと性欲に打ちひしがれるべきではないだろうか。 (文=萩原雄太[かもめマシーン])