
ワニ、トド、マンボウ……。メニューには妙な肉ばかりが並ぶ。
ゆるいものならなんでも大好き♪ ロリ顔ライター・朝井麻由美が気になるスポットをご案内します。
東京・高田馬場に、「豚のおっぱい」や「山羊のキンタマ」を食べられる店がある。分かってる、こんなもの食べずとも、普通の食べ物のほうがおいしいに決まってる。ゲテモノは悲しいかな、試しに“ネタとして食べる”、食べ物界の一発屋である。でも、一度は食べたい。一度経験して、「私、山羊のキンタマ、食べたことあるもんね!」と声高らかに自慢したい。ただそれだけのために獣肉酒家「米とサーカス」へ行くことにした。待ってろ、おっぱい、キンタマ。
高田馬場駅前の路地を数秒歩くと、突然妙な建物が現れた。

妙なのは建物だけじゃない。店員さんも何かがおかしい。

店の中も徹底的に怪しく、

すぐ裏に山手線が走っているとは思えない異空間ぶり。
メニューはなぜか絵本を改造して作られている。

表紙は絵本そのまま。中身がメニューになっている。
雑多なサーカス小屋をイメージしたというが、それにしてもあまりに前衛的な店構えにメニューの珍しさがいささか霞む。しかし、私はおっぱいやキンタマを食べに来たのだ。こんなところで負けるわけにはいかない。気を引き締めて、お目当ての珍味をオーダーした。挑戦したのは、豚のおっぱい・鹿のタン・熊の味噌焼き・山羊のキンタマ、の4品。
■『いや~ん 豚オッパイ炒め』(480円)

オーナーの宮下慧さん曰く「リピーターがかなり多い」とのこと。一口かじってみると、やや豚の臭みはあるものの、歯ごたえコリコリでタンのような食感。噛むと、口いっぱいに脂の旨みがとろけて、うまい。うおォン!
ちなみに、こんなに安いのは、豚には一頭あたり12~14個もおっぱいがついていて、入手しやすいからだという。
■『エゾ鹿の舌 塩焼き』(720円)

豚のおっぱいよりもやや硬く、少し獣臭さがあり、好き嫌いが分かれる味。鹿は部位によって味が大きく異なり、「鹿のレバーは、ペーストにしてみたり、味噌で焼いてみたりと工夫したけど、どうしても臭みが抜けず、定番メニューにするのはあきらめました」(宮下さん)と、調理に苦労しているそうだ。
■『野趣あふれる熊の味噌焼き』(980円)

「熊はものすごくクセのあるお肉です」(宮下さん)と聞いておそるおそる口にしたのだが、味噌の染み込んだ肉の味がじゅわっと広がり、これまたうまい! うおォンうおォン! 肉を柔らかくするため、味噌とみりんに漬け込んで柔らかく調理されている。ラム肉に近いが、ラムよりも万人受けする味かもしれない。
だが、冬眠前が一番おいしく、冬眠明けは脂がのってなくて淡泊と個体差があるようだ。
■『まさに珍味な山羊の金玉』(950円)

4品の中で、最も口にするのに勇気を要する一品である。なにしろキンタマ。しかも、なんの調理もなされていないお刺身として出てきてしまった。味噌や塩で味付けされているわけでもない、まっさらなキンタマ……。これはキンタマだと思うから食べづらいのだ。目をつぶって、キンタマであることは忘れて――と心の中でぶつくさ言いつつ、一枚口に含んでみると……とろとろっと舌の上で溶けたミルキーなその味は白子そのもの。すごいぞ、キンタマ。もちろん精力増進の効果があるとのこと。
今回食べた4品は、当初想像していた以上にどれも食べやすかった。特に、豚のおっぱいに至ってはゲテモノ感ゼロ。おっぱいのくせに。ゲテモノとしてのプライドを問いただしたいくらいである。
ところで、おっぱい、鹿、熊、キンタマ、と立て続けに食べると、最後のほうは胸焼けと同時に、なんだかやけに体全体が熱を帯びて発汗したのをここに記しておく。これはつまり、アレがアレでアレしたということで、皆さまにおかれましては、“そういう用途”で使うのも頭に入れておかれますよう。
●ドキドキ度
★★★★★
いろいろな意味でドキドキする店である。食べ過ぎるとドキドキと発汗し、お店のチャレンジ精神にもドキドキさせられる。まず、食材を仕入れるルートは、「“ゲテモノ”でGoogle検索をして調べています」(宮下さん)。そんなんでいいのか。さらには、「以前、虫料理も出そうとしたのですが、調理場がものすごく臭くなっちゃって……虫なんて食べるもんじゃないですね(苦笑)」と言い出す始末。虫料理は、こういったイベント(※
記事参照)で十分である。
(取材・文・撮影=朝井麻由美)
●『米とサーカス』
<
http://kometocircus.com/>
新宿区高田馬場2-19-8。JR山手線・西武新宿線・東京メトロ東西線 高田馬場駅より徒歩1分。営業時間は月~土17:00~7:00、日17:00~24:00。ちなみに、常に期間限定の新作メニューの研究を重ねていて、現在はウーパールーパー料理を開発中だそう。
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