
『「スネ夫」という生きかた』
『ドラえもん』に登場する、キザでイヤミっぽく、髪がやたらとなびいている人物といえば、お金持ちでマザコンの“スネちゃま”こと、骨川スネ夫。力の強いジャイアンにはうまく取り入り、勉強もスポーツもダメなのび太には、超上から目線。近くにいたら、絶対にイラっとくるタイプだ。
けれど、視点を180度変えて見れば、実は自分の立ち位置をうまくつかみ、人間関係をより円滑にする力がある!
そう力説するのは、富山大学名誉教授の横山泰行氏。横山氏は、「ドラえもん学」の提唱者で、あの、不朽の名作『ドラえもん』を研究対象とし、全1,345話に登場するセリフをすべてエクセルに打ち込みデータ化し、学術的に分析。のび太、ジャイアン、スネ夫など、時代を超えて“こういう人いるよね”という登場人物たちの「生き方」に注目し、「『ドラえもん』の中には、生きるヒントがいっぱいある」と語っている。
その第1弾として、2004年に発売された本が、『「のび太」という生きかた』(アスコム)。のび太はドジでのろまで、勉強もスポーツもできない。けれど、困ったことがあれば、いつも誰かが助けてくれるし、最終的には学校のマドンナ・しずかちゃんと結婚。ダメ人間に見えるのに、意外とうまいこと生きている。それはなぜなのか? 日本人ならば誰もが知る『ドラえもん』を斬新な切り口でひもとき、21万部を突破した。
そして、その第2弾が、「スネ夫」を主人公にした、『「スネ夫」という生きかた』(同)。横山氏は、ズル賢いスネ夫の身のこなしこそ、有益な人生の指南書になる、と語る。
たとえば、ジャイアンが「ひさしぶりの新曲を聴きたいか」と迫った時、のび太は、「え~新曲!?」と露骨に嫌がってしまう。けれど、スネ夫は「聴きたい! 聴きたい! ひさしぶりだなあ」と、大げさな身振りで反応。ジャイアンはご満悦で、すっかりイイ気分。一方で、のび太はジャイアンに「おまえはどうなんだ」と聞かれ、「聴きたい聴きたい。どうせ聴かされるなら、いやなことは早くすませたい」と本音をもらす。当然ながら、ジャイアンは激怒。のび太をボカっと殴り、「だれが聴かせてやるか!!」と、捨て台詞を残し、広場を去っていく。結果、スネ夫はジャイアンの歌を聴かずに済み、ホッとひと安心……。
ジャイアンをうまくホメることで気に入られるスネ夫と、正直に言ってバカをみるのび太。これって、現実でもよくあることじゃないだろうか。
本書では、こんなスネ夫の計算ずくの行動のひとつひとつを、発想を変え、すべて肯定的に考える。天才的な口のうまさと要領の良さ――。これをちょっとでも盗み、人生をうまく生き抜こうではないか、と提案している。
前述したエピソードは、スネ夫の「ホメ力」が発揮された内容だが、そのほかにも、エコひいきされやすくなるわけ、罪のない上手なウソのつき方、レディーファースト力についてなどなど、スネ夫の「教え」が29の項目に分けられ、紹介されている。
正直者には、キーっと腹が立つ内容かもしれないが、これからの時代、世渡り上手になるには、「スネ夫力」は必須の能力であり、結局、得をする。これを読めば、スネ夫がなんだか「デキる男」に見えてくる……かもしれない?
(文=上浦未来)
●よこやま・やすゆき
1942年岐阜県生まれ。東京教育大学体育学部卒業、東京大学大学院教育学研究科博士課程満期退学。フルブライト交換留学生。現在は富山大学人間発達科学部名誉教授で教育学者(教育学博士)。本来の専門は生涯スポーツ論だが、『ドラえもん』を研究する「ドラえもん学」の提唱者としても知られる。ドラえもんの研究とともに、高岡市立中央図書館に全国初の「ドラえもん文庫」を設立。新聞、雑誌などへの登場も多数。著書に『「のび太」という生き方』『「のび太」が教えてくれたこと』などがある。また、「ドラえもん学」をはじめとした講演を、全国で精力的に行っている。
投稿者「kitamura」のアーカイブ
1枚3万円でも高すぎる! ソーシャルゲームイラストの適正料金はおいくら?

pixiv
まだまだ成長が止まらないソーシャルゲーム業界。その主流となっているのが、カードバトルだ。カードバトルには、イラストレーターの存在は欠かせない。どこの開発会社も、イラスト投稿サイト・pixivで、目を皿のようにしてうまいイラストレーターを探すのが日常業務の一部になっている。一方で、イラストレーターに支払われているギャラは適正か、という議論は絶えない。
果たして、イラストレーターの適正なギャランティはいくらなのだろうか?
「一流のイラストレーターならば、一枚あたり20~30万円を支払うこともあります。どんなに安くても、1枚3万円以下ということはありません」(開発会社の社員)
現在、イラストの価格はやや高騰気味。そこそこ描ける(素人目にはごまかせる)レベルのイラストレーターであれば、仕事には困らない状況ではある。
通常のイラストならば、一枚の絵の中にたくさんの情報を入れ込まなければならず、一枚のイラストを発注するにしても、何度も打ち合わせをして世界観を構築していくことが求められる。しかし、ソーシャルゲームには、そのような要素は求められない。開発会社が提供する資料をもとにして、発注を受けたものを期日内に仕上げることだけが重要なのだ。
「ソーシャルゲームのイラストは、アートとは違います。いかに量産できるかが、キモになるんです。ほとんどのイラストレーターは、パソコンを使って制作していますので、納品の際には線画と配色のレイヤーを分けて入稿してもらうこともありますよ。修正したい時に、作業をスムーズに行うためです」
(同)
つまり、イラストレーターに求められているのはクリエイターとして入魂の一枚を描くのではなく、職人として、右から左へと大量生産されるイラストを描いては流す作業をスムーズに行うこと。作者の意図とか、そんなことはどうでもいいことなのだ。
ところが「この仕事は金儲けのため」と割り切って職人に徹することができる人ばかりではない。
「今のところは、そこそこの実力があれば仕事の発注が途切れることはないでしょうから、修正を依頼しても断ってくるようなイラストレーターもいます。でも、pixivに次々と新しい描き手が登場していることから見ても、イラストレーターは徐々にダブつき始めていると思います。今は人気を得ているイラストレーターでも、5年、10年後に生き残っている人はわずかでしょう。職人に徹することができない人に、先があるとは思えません」(同)
職人であると割り切れば、ソーシャルゲームのイラスト制作は極めて割がよい。携帯電話やスマートフォンを通して見るものなので、塗りの部分も、複雑な色づかいよりも原色のほうが目立つ。つまり、作業を通常のイラスト制作よりもハイスピードでこなすことができるというわけだ。そのため、作業が効率化できることがわかっていけば、「超一流」以外のイラストレーターのギャラは下落していくと考えられている。
「イラストが1枚3万円というのは高すぎます。いずれは、1枚あたり1万円以下で、大量生産してもらう流れになるのではないでしょうか」(同)
今、有象無象のイラストレーターに求められているのは、筆者のような売文屋に求められていることと近い。原稿料が高かろうと安かろうと、一定のクオリティは保たなければならない。もちろん、原稿料が高ければ、それだけ熱心になるのは当然である。ならばと、原稿料が安いからと手を抜いたら、次から仕事はこなくなる。それにほとんどの仕事では、発注元の指示に従って書くのが当たり前だ。すべての仕事に自分の意見や意図を主張してなんていられない。そういうのは、文豪にでもなって「ぜひ、先生の玉稿を……」と依頼が来るようになってからやればよいことである。
アニメ・マンガ・ゲーム・ライトノベルといった消費されていくメディアの中で脚光を浴びるイラストレーターの立ち位置は、クリエイターではなく職人である。そのことを自覚できるか否かが、生き残りのカギだ。
(取材・文=昼間たかし)
1枚3万円でも高すぎる! ソーシャルゲームイラストの適正料金はおいくら?

pixiv
まだまだ成長が止まらないソーシャルゲーム業界。その主流となっているのが、カードバトルだ。カードバトルには、イラストレーターの存在は欠かせない。どこの開発会社も、イラスト投稿サイト・pixivで、目を皿のようにしてうまいイラストレーターを探すのが日常業務の一部になっている。一方で、イラストレーターに支払われているギャラは適正か、という議論は絶えない。
果たして、イラストレーターの適正なギャランティはいくらなのだろうか?
「一流のイラストレーターならば、一枚あたり20~30万円を支払うこともあります。どんなに安くても、1枚3万円以下ということはありません」(開発会社の社員)
現在、イラストの価格はやや高騰気味。そこそこ描ける(素人目にはごまかせる)レベルのイラストレーターであれば、仕事には困らない状況ではある。
通常のイラストならば、一枚の絵の中にたくさんの情報を入れ込まなければならず、一枚のイラストを発注するにしても、何度も打ち合わせをして世界観を構築していくことが求められる。しかし、ソーシャルゲームには、そのような要素は求められない。開発会社が提供する資料をもとにして、発注を受けたものを期日内に仕上げることだけが重要なのだ。
「ソーシャルゲームのイラストは、アートとは違います。いかに量産できるかが、キモになるんです。ほとんどのイラストレーターは、パソコンを使って制作していますので、納品の際には線画と配色のレイヤーを分けて入稿してもらうこともありますよ。修正したい時に、作業をスムーズに行うためです」
(同)
つまり、イラストレーターに求められているのはクリエイターとして入魂の一枚を描くのではなく、職人として、右から左へと大量生産されるイラストを描いては流す作業をスムーズに行うこと。作者の意図とか、そんなことはどうでもいいことなのだ。
ところが「この仕事は金儲けのため」と割り切って職人に徹することができる人ばかりではない。
「今のところは、そこそこの実力があれば仕事の発注が途切れることはないでしょうから、修正を依頼しても断ってくるようなイラストレーターもいます。でも、pixivに次々と新しい描き手が登場していることから見ても、イラストレーターは徐々にダブつき始めていると思います。今は人気を得ているイラストレーターでも、5年、10年後に生き残っている人はわずかでしょう。職人に徹することができない人に、先があるとは思えません」(同)
職人であると割り切れば、ソーシャルゲームのイラスト制作は極めて割がよい。携帯電話やスマートフォンを通して見るものなので、塗りの部分も、複雑な色づかいよりも原色のほうが目立つ。つまり、作業を通常のイラスト制作よりもハイスピードでこなすことができるというわけだ。そのため、作業が効率化できることがわかっていけば、「超一流」以外のイラストレーターのギャラは下落していくと考えられている。
「イラストが1枚3万円というのは高すぎます。いずれは、1枚あたり1万円以下で、大量生産してもらう流れになるのではないでしょうか」(同)
今、有象無象のイラストレーターに求められているのは、筆者のような売文屋に求められていることと近い。原稿料が高かろうと安かろうと、一定のクオリティは保たなければならない。もちろん、原稿料が高ければ、それだけ熱心になるのは当然である。ならばと、原稿料が安いからと手を抜いたら、次から仕事はこなくなる。それにほとんどの仕事では、発注元の指示に従って書くのが当たり前だ。すべての仕事に自分の意見や意図を主張してなんていられない。そういうのは、文豪にでもなって「ぜひ、先生の玉稿を……」と依頼が来るようになってからやればよいことである。
アニメ・マンガ・ゲーム・ライトノベルといった消費されていくメディアの中で脚光を浴びるイラストレーターの立ち位置は、クリエイターではなく職人である。そのことを自覚できるか否かが、生き残りのカギだ。
(取材・文=昼間たかし)
「全部勝たなアカン!」島田紳助が講談社との全面戦争に向け、法律を猛勉強中

暴力団との関係をめぐる写真週刊誌「フライデー」(講談社)の記事で名誉を傷つけられたとして、元タレントの島田紳助さんが発行元の講談社に5,500万円の損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁は先月26日、330万円の支払いを命じた。謝罪広告掲載の請求は退けた。
問題となったのは、島田さんが芸能界引退を発表後に発行された昨年9月16日号の「追及第2弾!『警察が注目する不動産トラブル』」と題された記事。吉田徹裁判長は、記事について「島田さんが暴力団を利用して不動産取引をし、見返りに資金を提供するなど互恵的で密接な関係があるとの印象を与える」と指摘。「島田さんが自ら認めていた暴力団員との交際の事実とは相当に異質で、島田さんの社会的評価を著しく毀損した」と認定した。
講談社側に対しては、このほか「週刊現代」の報道でも複数の名誉毀損裁判を起こしており、すべてが“解決”されるまでには「あと2~3年はかかる」(法曹関係者)というが、島田さん側に「妥協」という選択肢はない。
親交のあるお笑い関係者によると「一部で島田さんの吉本興業復帰がウワサされましたが、現実的には厳しい。それは本人もわかっていて、世間からバッシングを受けてまで芸能界に戻る気はないようだ。今の生きがいは旅行と裁判対策。特に後者は、担当弁護士へ頻繁に電話して、入念に打ち合わせているそうです」と明かす。
高校時代は教師もサジを投げるほどの不良だったという島田さんだが、“成り上がる”ための努力は惜しまないタイプ。
「不動産売買にのめり込んだ時は、専門書を読み漁り、本人も『一冊の本を書ける』と豪語するほどの知識を身につけた。そのパワーを、今回は対講談社との法廷闘争に注ぎ込んだんです。六法全書にも目を通し、“弁護士いらず”といわれるほど法律に詳しくなったとか。すべては、自分を犯罪者扱いした講談社に対する“復讐心”でしょう」(事情を知る人物)
周囲にも、残る裁判について「全部勝たなアカン!」と宣言しているという。汚名返上に燃える島田さんの闘いは始まったばかりだ。
「ジャニーズ後継者戦線に異変あり!」次期社長候補に急浮上したあの敏腕女性チーフマネジャー

これまで数々の男性アイドルグループをスターに育て上げ、一代にして芸能界に帝国を築き上げたジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長だが、今年10月の誕生日で81歳を迎えることもあり、社長の座を禅譲する“Xデー”が近いといわれている。
「社長とはいえ、もともと所属タレントのプロデュースやショーの演出などエンタテインメント的なことにしか興味がなく、スキャンダル対策やお金の面に関しては事務所の副社長である姉のメリー喜多川氏がサポートし続けていた。しかし、高齢も手伝ってか、ジャニー氏はこのところ、社長業の負担がキツくなってきたようで、近い将来、悠々自適にプロデューサー業に専念する意向のようだ」(芸能プロ関係者)
ひと昔前までは、次期社長候補として有力視されていたのは少年隊の東山紀之だったが、「東山と、メリー氏の娘で関連会社社長の藤島ジュリー景子氏を“政略結婚”させ、メリー氏の娘婿として東山を社長に据えようとした。しかし、ジュリー氏は、現在は関連会社の役員をしているフジテレビの社員と結婚。そのため、東山がジャニー氏の後継者になる話は消え、ジャニー氏とメリー氏の意向か、ジュリー氏を次期社長に据えることで固まっていた」(同)。
ところが、ここにきて、ジャニーズ事務所の功労者ともいえるあの人物が次期社長候補に急浮上してきたというのだ。
「ジャニー氏、メリー氏がまったく目をかけていなかったSMAPをほぼ自力で国民的アイドルグループに育て上げたSMAPのチーフマネジャー・I女史が、ジャニー氏の信頼をすっかり勝ち取ってしまった。というのも、これまではSMAPのみのマネジメントを任されていたが、デビューさせた若手グループ売り出しに頭を悩ませたジャニー氏がKis-My-Ft2(以下キスマイ)とSexy Zone、さらにソロになった山Pこと山下智久をI女史に任せたところ、キスマイのメンバーをSMAPの中居正広がMCを務める番組で絡ませたり、山Pを新キャラ・エロPに仕立てるなど、これまでとは違った売り出し方でそれなりに成果を上げている。今後も、I女史に若手グループを任せることが多くなるのでは」(テレビ関係者)
そんな空気をジュリー氏も重々承知のようで、すでに公共の電波を使っての激しい“代理戦争”が繰り広げられているというのだ。
「I女史がフジテレビの『27時間テレビ』にSMAPをブッキングすれば、ジュリー氏は日本テレビの『24時間テレビ』に嵐をブッキング。ジュリー氏が手がけるNEWSが出演している裏番組にI女史が山Pをブッキングしたこともあるが、今まではありえなかったキャスティングも、今後ますます増えそうだ」(同)
ジュリー氏とI女史の“ガチンコ対決”が今後しばらく繰り広げられそうだが、いっそのことジャニーズタレントが投票する次期社長総選挙でも中継すればそれなりに視聴率が稼げそうだが……。
デル・ピエロやヘスキーも加入! 小野伸二が移籍するサッカー豪州Aリーグの現状とは

『小野伸二 清水エスパルス グレート
プレイヤー』(コナミ)
元日本代表MFの小野伸二が、J1清水エスパルスから豪Aリーグのウェスタン・シドニー・ワンダラーズへ移籍した。2010年に、独ブンデスリーガのVfLボーフムから清水に加入し主力としてチームを牽引してきたが、昨年12月に年俸40%ダウンを提示され、今季はベンチ入りの機会も激減。クラブとの確執が取り沙汰されていた。
「Jリーグでも数少ない1億円プレーヤーだったのが、今季は年俸7,000万円でしたからね。相当プライドを傷つけられたはず。加えて、今季はコンディションも整わず、運動量が求められるアフシン・ゴトビ監督の戦術とも合わず、半ば戦力外の状態でした。このままでは来季の放出は確実だったでしょうから、小野にとってもクラブにとっても、いい移籍だったと思いますよ。年俸だって、80万豪ドル(約6,500万円)ですしね。Aリーグの平均年俸は1,000万円程度なので、相当の高額オファーです」(サッカー誌記者)
小野といえば、地元・静岡では小学生時代から天才と呼ばれ、清水商業高校卒業時にはJリーグ13クラブからオファーを受けたほど。浦和レッズ入団後も天才の呼び名にふさわしい活躍を続け、98年のフランスW杯では弱冠18歳で日本代表に選ばれ、途中出場したジャマイカ戦で見せた鮮やかな股抜きは、ファンにとっては鮮烈な記憶として残っている。それだけに当時、小野の前途は洋々だったのだが……。
「ドリブル、パス、シュートすべてにおいて完璧なプレーヤーでした。このまま経験を積めば、世界的な名選手になれると誰もが思ったものです。ボールテクニックなんて、世界でも五指に数えられるほどでしたよ。しかし、99年のシドニー五輪のアジア1次予選のフィリピン戦で、左膝靭帯断裂の重傷を負ったことでキャリアが暗転してしまいました。古傷をかばいながらのプレーで運動量も落ち、ドリブルやシュートが激減。パス中心となり、スケールダウンしてしまいましたね。それでも、あれほどの能力の持ち主なので、蘭エールディビジのフェイエノールトでは主力としてUEFAカップ(現在のヨーロッパカップ)の優勝に貢献しました。AリーグではJリーグほど運動量は求められないし、テクニックはいまだ錆びついていないので、十分活躍できると思いますよ」(同)
小野の新天地であるAリーグだが、オーストラリア各地から9チーム、ニュージーランドから1チームが参加し04年に発足。韓国の現代自動車がオフィシャルスポンサーを務めており、正式名称は「ヒュンダイ・A・リーグ」。05年には、同リーグのシドニーFCに“キング・カズ”こと三浦知良(横浜FC)が短期間在籍したことでも知られる。
ちなみに、そのシドニーFCには今季から、あのイタリア元代表のアレッサンドロ・デル・ピエロが加入して話題を集めている。また、ニューカッスル・ジェッツには元イングランド代表のエミール・ヘスキーが加入し、先日引退を発表した元ドイツ代表のミヒャエル・バラックの移籍が取り沙汰されたりと、Aリーグはちょっとした花盛りなのだ。
「レベル的にいえば、AリーグはJリーグより若干劣る程度。もちろん、資金力もそれほどなく、各クラブにはサラリーキャップ制が導入されていて、各クラブの年俸総額が160万豪ドル(約1億3,000万円)と定められています」(同)
小野の年俸はチームの総額の半分を占めており、デル・ピエロに至っては豪サッカー史上最高額の200万豪ドル(約1億6,000万円)もの年俸が支払われるという。サラリーキャップ制が導入されているにもかかわらず、なぜこうした高額年俸を支払うことができるのか?
「サラリーキャップの制限を受けない“マーキープレーヤー”という選手を、各クラブ1人獲得できるんです。アメリカのMLS(メジャーリーグサッカー)に倣った方式ですが、このやり方でMLSはイングランド元代表のデビッド・ベッカム(ロサンゼルス・ギャラクシー)や元フランス代表のティエリ・アンリ(ニューヨーク・レッドブルズ)といった有名プレーヤーを次々と獲得し、リーグの活性化とレベル向上を実現したんです。今回、小野やデル・ピエロに求められているのも、単にプレーの質だけでなく、こうしたリーグそのものへの貢献なのです」(同)
緊縮財政が続くJリーグでは、久しくスター選手の獲得がない。活躍できるかどうかわからない高齢の有名選手よりも、より安価でJに適応しやすい若手の外国人選手を獲得するのが主流だ。各クラブとも経営に汲々とするばかりで、リーグ全体の大局的な展望など、なきに等しい。中国やアラブ諸国のリーグでは資金力にモノを言わせ、スター選手を次々と獲得して活況を呈しているが、Aリーグもこうした流れに追随するとなると、Jリーグの地盤沈下が懸念される。
カビにまみれた月餅の餡を再利用……中国の「再生月餅」が日本にも流入か!?

何これ!?
9月30日に迎えた中秋の名月。中国では月を愛でながら月餅を食べる習慣があるが、今年の中秋を前に、中国全土では安全基準を満たさない毒月餅メーカーが次々と摘発された。
その多くは、防腐剤に有害物質が使用されていたり、工場内の衛生環境が劣悪だったりといったものだったが、中でも衝撃だったのが広東省東莞市で摘発された「月餅再生工場」だ。この工場では、昨年生産されたものの売れ残った月餅を回収。固くなった表面を削って内部の餡を取り出し、それを再利用して生産した月餅を製品として出荷していたというのだ。摘発現場では、原料とされていたカビまみれの古い月餅や、製品として出荷を待っていた330箱の月餅が押収されたというが、すでに市場でも多数の製品が流通しているという。
「これは氷山の一角。同様の月餅再生工場は全国に点在している」
と話すのは、広東省ブロック紙の社会部記者だ。
「河北省衡水市のある中学校では、学校が支給した月餅を食べた生徒数百人が、下痢や吐き気などの症状を訴え、病院に搬送されるという事件も起きていますが、これがどうやら再生月餅だったという情報もあります」
下水から採取した油分を加工して食用油として出荷される「地下油」同様、中国のリサイクル技術には度肝を抜かれるばかりだが、日本も対岸の火事ではいられないようだ。
「こうした状況を受け、ドイツ、フランス、韓国やインドなど、世界34カ国ではすでに中国製月餅の輸入を禁止しているんですが、今のところ、日本では一回5キロ未満の月餅の輸入に関しては、ノーチェック。再生月餅が日本に流入している可能性も十分ありえます」(同)
中秋の名月に、月餅を食べた諸氏、もしや中国製ではなかったか?
(文=牧野源)
『メタルギア』シリーズラインナップ推し! TGS2012コナミ・コジプロステージまとめ

1987年12月の第一作『メタルギア』(MSX2)発売から25年目を迎え、8月30日には『メタルギア』生誕25周年記念イベント「METAL GEAR 25th ANNIVERSARY PARTY」を開催した小島プロダクション。
そこで発表された要素を引き継ぐように、東京ゲームショウ2012コナミブースの小島プロダクションステージでも、「METAL GEAR 25th ANNIVERSARY STAGE at TGS 2012」と題するイベントで『メタルギア』シリーズの数々が紹介されていた。
ビジネスデイの20、21日から一般公開の22、23日まで連日のステージイベント開催。『METAL GEAR SOLID SOCIAL OPS』(Android OS、iOS)『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』(PlayStation®3)、そして現行機種であるPlayStation®3やXbox360相当のPC上で起動させたFOX ENGINEデモ作品『METAL GEAR SOLID GROUND ZEROES』のトレーラーを流してのトークが主な内容。未発表の情報は少なかったものの、トークの中で連日、少しずつ漏らされる制作の舞台裏には、メイキングこぼれ話的な要素があり、いくつか聞き逃せない内容があった。
特に盛り上がった最終日23日の「小島プロダクションラインナップステージ」と「『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』ステージ」を中心に集めてみよう。
初日から最終日まで、基本的には同じ台本で進行するトークも、語りそのものはアドリブ。日毎にガードが緩くなる小島秀夫監督のリップサービスが狙いどころだが、まずは「小島プロダクションラインナップステージ」における、『メタルギアソリッド』ハリウッド映画化の報について。
「自分では台本は書きません。監修だけします」
「『METAL GEAR SOLID』の発売は1998年ですが、97年に米国でのショーに出展したときから、すでに映画化の引き合いがありました。とんでもないプロットもあった。宇宙に行くとか。一歩くらい進んだものもありましたが、二歩目が出なかった」
「プロデューサーのアヴィ・アラッド(『アイアンマン』など)さんはおもちゃのエアホッケーをデザインされた方で、アヴィさんのご自宅におじゃましてびっくりした。子どものときに遊んだおもちゃがたくさん置いてあった」

「いろんな映画監督が勝手に『METAL GEAR SOLID』を映画化したいと発言してきた。勝手に作るな! しかし、リドリー・スコット監督が映画を撮りたいと言ったときは、作ってくれ、と思いましたけどね」
「誰が演じていようと、日本語版のスネークの吹き替えは大塚明夫さん」
そしてゲスト登壇の声優・大塚明夫氏が、実写と見紛うばかりの重厚な『METAL GEAR SOLID GROUND ZEROES』デモを見たあと、そこで使用されている楽曲「Here's to you」(作曲:エンニオ・モリコーネ、歌:ジョーン・バエズ)に触れると、にわかに雰囲気が怪しくなってくる。
1970年代、安保闘争の最中にはやった、映画『死刑台のメロディ』(原題:Sacco e Vanzetti、1971年、日本公開は1972年)の主題歌「Here’s to you」は、それだけで大塚氏の鼻の奥を刺激するもののようで、歌詞の意味を考えると、『METAL GEAR SOLID GROUND ZEROES』のテーマにも関わってきそうだ。
『死刑台のメロディ』は米国で実際に起きた疑獄事件の映画化。サッコとバンゼッティという2人のイタリア移民が証拠不十分のまま強盗殺人の罪で処刑された実話を描いたもので、「Here's to you」は苦境で戦い続けた2人を賞賛する詞を歌っている。
『METAL GEAR SOLID GROUND ZEROES』は『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』(PSP®)と年代、世界設定を同じくし、『PEACE WALKER』に登場した少年チコと少女パスがそれぞれ囚われの身になっている。2人を救うことが『GROUND ZEROES』のミッションだと既にあきらかにされているが、小島監督のポロリ発言は、この流れでのことだった。
「『GROUND ZEROES』と、複数形になっていますよね。9.11などもありましたけれども、広島、長崎など、世界中にいろいろな爆心地がある。そういう意味合いです。で、おそらく……(言ってしまった、とつぶやいたものの続けて)この事件、出来事が彼らの世界のなかでの……」(小島監督)
ここで舞台袖からNGが出たようで、情報提供はストップ。続報を待つしかないようだ。
『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』ステージには是角有二プロデューサー(小島プロダクション)、玉利越リードライター(小島プロダクション)、稲葉敦志プロデューサー(プラチナゲームズ)が登壇した。
周知のとおり、『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』は当初『METAL GEAR SOLID RISING』として制作が進んでいたが、中途で開発が頓挫。企画内容を大幅に変更し、プラチナゲームズとのコラボレーションで完成にこぎつけつつあるところだ。
やはり仕切り直しの際には激しいやりとりがあったようで、その辺りの事情が生々しく当事者の口から語られている。
「ウチで開発しましょうと始まったときに、シナリオを変えることも恐れずに、という話をしていました。これまでのものを捨てるということではなく、アクションゲームとしてステージを組んでいくうえで、変わるところもあるだろう、と。けれども、玉利さんが『おれが心血注いで書いたシナリオを一字一句変えるなど、なぜしないといけない』というところからスタートした。たぶんそこがいちばんのどん底で、真っ青になったのが是角プロデューサー」(稲葉プロデューサー)
「結局、全部新しくイチから書きましたからね。話し合っていくうちに、これは中途半端に変えたらクソゲーになると確信したので、やるんだったら全部書き直しましょう、と。前のシナリオはぼくのパソコンに眠っています」(玉利リードライター)
アフレコの際には玉利リードライターと齋藤健治ディレクター(プラチナゲームズ)のあいだで、収録された音声をめぐり、あっちのテイクがいい、こっちのテイクがいいと、何分間も口論(玉利リードライターによれば「建設的な議論」)になっていたという。あらゆるユーザーの厳しい視線に晒される『メタルギア』シリーズだけに、制作者にのしかかるプレッシャーも相当なものだろうが、激しいぶつかり合いを経ているからこそ、人前に出せるという自信が生まれたのかもしれない。
『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』の体験版は10月25日発売の『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』にプロダクトコード同梱というかたちで付属。『METAL GEAR SOLID SOCIAL OPS』がサービスインし、来年2月21日に『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』の発売が予定されている。
その先の『METAL GEAR SOLID GROUND ZEROES』へ向け、進化する様子を見せ続けてもらいたいものだ。
『メタルギア』シリーズラインナップ推し! TGS2012コナミ・コジプロステージまとめ

1987年12月の第一作『メタルギア』(MSX2)発売から25年目を迎え、8月30日には『メタルギア』生誕25周年記念イベント「METAL GEAR 25th ANNIVERSARY PARTY」を開催した小島プロダクション。
そこで発表された要素を引き継ぐように、東京ゲームショウ2012コナミブースの小島プロダクションステージでも、「METAL GEAR 25th ANNIVERSARY STAGE at TGS 2012」と題するイベントで『メタルギア』シリーズの数々が紹介されていた。
ビジネスデイの20、21日から一般公開の22、23日まで連日のステージイベント開催。『METAL GEAR SOLID SOCIAL OPS』(Android OS、iOS)『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』(PlayStation®3)、そして現行機種であるPlayStation®3やXbox360相当のPC上で起動させたFOX ENGINEデモ作品『METAL GEAR SOLID GROUND ZEROES』のトレーラーを流してのトークが主な内容。未発表の情報は少なかったものの、トークの中で連日、少しずつ漏らされる制作の舞台裏には、メイキングこぼれ話的な要素があり、いくつか聞き逃せない内容があった。
特に盛り上がった最終日23日の「小島プロダクションラインナップステージ」と「『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』ステージ」を中心に集めてみよう。
初日から最終日まで、基本的には同じ台本で進行するトークも、語りそのものはアドリブ。日毎にガードが緩くなる小島秀夫監督のリップサービスが狙いどころだが、まずは「小島プロダクションラインナップステージ」における、『メタルギアソリッド』ハリウッド映画化の報について。
「自分では台本は書きません。監修だけします」
「『METAL GEAR SOLID』の発売は1998年ですが、97年に米国でのショーに出展したときから、すでに映画化の引き合いがありました。とんでもないプロットもあった。宇宙に行くとか。一歩くらい進んだものもありましたが、二歩目が出なかった」
「プロデューサーのアヴィ・アラッド(『アイアンマン』など)さんはおもちゃのエアホッケーをデザインされた方で、アヴィさんのご自宅におじゃましてびっくりした。子どものときに遊んだおもちゃがたくさん置いてあった」

「いろんな映画監督が勝手に『METAL GEAR SOLID』を映画化したいと発言してきた。勝手に作るな! しかし、リドリー・スコット監督が映画を撮りたいと言ったときは、作ってくれ、と思いましたけどね」
「誰が演じていようと、日本語版のスネークの吹き替えは大塚明夫さん」
そしてゲスト登壇の声優・大塚明夫氏が、実写と見紛うばかりの重厚な『METAL GEAR SOLID GROUND ZEROES』デモを見たあと、そこで使用されている楽曲「Here's to you」(作曲:エンニオ・モリコーネ、歌:ジョーン・バエズ)に触れると、にわかに雰囲気が怪しくなってくる。
1970年代、安保闘争の最中にはやった、映画『死刑台のメロディ』(原題:Sacco e Vanzetti、1971年、日本公開は1972年)の主題歌「Here’s to you」は、それだけで大塚氏の鼻の奥を刺激するもののようで、歌詞の意味を考えると、『METAL GEAR SOLID GROUND ZEROES』のテーマにも関わってきそうだ。
『死刑台のメロディ』は米国で実際に起きた疑獄事件の映画化。サッコとバンゼッティという2人のイタリア移民が証拠不十分のまま強盗殺人の罪で処刑された実話を描いたもので、「Here's to you」は苦境で戦い続けた2人を賞賛する詞を歌っている。
『METAL GEAR SOLID GROUND ZEROES』は『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』(PSP®)と年代、世界設定を同じくし、『PEACE WALKER』に登場した少年チコと少女パスがそれぞれ囚われの身になっている。2人を救うことが『GROUND ZEROES』のミッションだと既にあきらかにされているが、小島監督のポロリ発言は、この流れでのことだった。
「『GROUND ZEROES』と、複数形になっていますよね。9.11などもありましたけれども、広島、長崎など、世界中にいろいろな爆心地がある。そういう意味合いです。で、おそらく……(言ってしまった、とつぶやいたものの続けて)この事件、出来事が彼らの世界のなかでの……」(小島監督)
ここで舞台袖からNGが出たようで、情報提供はストップ。続報を待つしかないようだ。
『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』ステージには是角有二プロデューサー(小島プロダクション)、玉利越リードライター(小島プロダクション)、稲葉敦志プロデューサー(プラチナゲームズ)が登壇した。
周知のとおり、『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』は当初『METAL GEAR SOLID RISING』として制作が進んでいたが、中途で開発が頓挫。企画内容を大幅に変更し、プラチナゲームズとのコラボレーションで完成にこぎつけつつあるところだ。
やはり仕切り直しの際には激しいやりとりがあったようで、その辺りの事情が生々しく当事者の口から語られている。
「ウチで開発しましょうと始まったときに、シナリオを変えることも恐れずに、という話をしていました。これまでのものを捨てるということではなく、アクションゲームとしてステージを組んでいくうえで、変わるところもあるだろう、と。けれども、玉利さんが『おれが心血注いで書いたシナリオを一字一句変えるなど、なぜしないといけない』というところからスタートした。たぶんそこがいちばんのどん底で、真っ青になったのが是角プロデューサー」(稲葉プロデューサー)
「結局、全部新しくイチから書きましたからね。話し合っていくうちに、これは中途半端に変えたらクソゲーになると確信したので、やるんだったら全部書き直しましょう、と。前のシナリオはぼくのパソコンに眠っています」(玉利リードライター)
アフレコの際には玉利リードライターと齋藤健治ディレクター(プラチナゲームズ)のあいだで、収録された音声をめぐり、あっちのテイクがいい、こっちのテイクがいいと、何分間も口論(玉利リードライターによれば「建設的な議論」)になっていたという。あらゆるユーザーの厳しい視線に晒される『メタルギア』シリーズだけに、制作者にのしかかるプレッシャーも相当なものだろうが、激しいぶつかり合いを経ているからこそ、人前に出せるという自信が生まれたのかもしれない。
『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』の体験版は10月25日発売の『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』にプロダクトコード同梱というかたちで付属。『METAL GEAR SOLID SOCIAL OPS』がサービスインし、来年2月21日に『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』の発売が予定されている。
その先の『METAL GEAR SOLID GROUND ZEROES』へ向け、進化する様子を見せ続けてもらいたいものだ。
「殺人に店側も関与していた?」六本木撲殺事件 現場店舗「フラワー」摘発の裏側

9月2日、飲食店経営者の藤本亮介さんが、集団で暴行を受け死亡した事件の現場となった、六本木のクラブ「スタジオゲート」(旧フラワー)。10月1日、このクラブの経営者ら8人が、風営法違反容疑で警視庁に逮捕された。スタジオゲートは藤本さん殺人事件後、9月21日にリニューアルオープンしたばかりで、客にダンスと飲食をさせる店舗に必要な公安委員会の許可を取らず、無許可営業をしていた疑い。しかし、藤本さん殺害事件の容疑者が特定すらできていない段階での同店関係者の逮捕については、「殺害事件の捜査に関連した、いわば別件逮捕。当局の捜査が手詰まりしている証拠だろう」(全国紙警視庁担当記者)との指摘もある。
「スタジオゲート以外にも無許可営業のクラブは都内に無数あり、当局も、客や近隣から苦情が出るような、よほど悪質な営業をしなければ、摘発まではしてこなかった。実際にフラワーも今年1月に指導を受けていたものの、お目こぼしにあずかっていたんです。しかし、9月30日に、無許可営業をしていたという容疑で突然の摘発。殺害事件を無関係と見るほうが不自然です」(同)
実は、今回の摘発が行われる以前から、「当局は、フラワーの店長らスタッフも殺害事件に関係していたのではないかという見立てをしている」との情報は流れていたのだ。
「あくまで当局の見立てですが、事件当日、犯人集団がフラワーの裏口から出入りして、VIP席にいた藤本さんへの暴行をスムーズに実行していった点に目を付け、店側の関与を疑っていた。というのも、その裏口の近くには金庫などが置かれている関係もあり、普段は施錠されていて、従業員ですらほとんど通らなかったそうです。ところが、事件当日はその裏口が開いていた。偶然とは思えないということで、当局は店側にも事情を聞いていました」(同)
「店舗スタッフまでもが殺害事件に協力させられていたのでは?」との憶測は、なんとも劇場的な筋書きだし、それを裏付けるための別件逮捕だとすると、職権乱用といえる当局の判断なわけだが、その裏には藤本さん殺害事件の手がかりがない中、当局側の「取り調べできる者は、誰でも引っ張りたい」というわらをもすがる思いがあるようだ。
「9月7日に詐欺容疑で逮捕された元関東連合リーダーの石元太一も、当局の目的は同じく、藤本さん殺害事件の情報を引き出したいと考えたからです。ただし、彼からは同容疑での勾留期間22日の間に確固たる情報が出てこなかったので、28日に別の詐欺容疑で逮捕して、引き続き身柄拘束をしている。警察は、石元が事件直前に藤本さんにも会っているし、事件発生時には現場近くにいたとみています。ただし、石元自身は事件に直接関与した形跡がなく、今のところ、犯人特定につながる決定的な証言は得られていません」(週刊誌記者)
先日、藤本さん殺害事件に関与したとおぼしき人間の一部がすでに海外に逃亡しているという報道が流れたが、この海外逃亡組の一人が、事件当日に石元容疑者と連絡を取っていた形跡があったため、同容疑者は目を付けられたようだ。一方で、直接暴行を加えた実行犯は在日中国人二世数人で、彼らは都内に隠れているなどと情報も錯綜している。捜査には、警視庁捜査1課や4課だけではなく、公安警察も加わっており、当局からメディアに漏れてくる情報もバラつきがあるという。事件解決に向け、しばらく混迷は続きそうだ。