「高度経済成長の思わぬ弊害!?」中国で機上の暴力事件が多発するワケ

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 9月30日からの8日間、中国は建国記念日に当たる国慶節にちなんだ大型連休となった。しかし、帰省や旅行などで延べ7億人が移動したといわれている連休期間中は、リラックスムードというわけにはいかなかった。  10月6日、南寧発武漢行きの四川航空機内で3人の男による乱闘騒ぎが発生した。きっかけは、ある乗客が頭上の荷物を取り出そうと、土足で別の乗客の座席を踏み台にした上、その乗客の足にぶつかったことだという。その後、座席を踏み台にされた乗客にさらに別の乗客が加勢し、1:2の殴り合いとなったという。  四川航空では9月にも、サイパン発上海行きの機内で、中国人による乱闘騒ぎが発生している。前の乗客に座席の背もたれを倒された後方の乗客の怒りが爆発し、双方の仲間も加勢して、大乱闘となったのだ。  同月には、チューリッヒ発北京行きの機内でも、中国人同士による背もたれを巡るトラブルが起きたばかりだった。当初は、酒に酔った2人の間で勃発した小競り合いだったが、周りの乗客も加勢し手をつけられない状況となったため、同機はチューリッヒへと引き返した。さらに原因となった2人は現地警察に引き渡されるという結果となってしまった。  機上の人となると、ついつい粗暴になってしまう中国人。その理由について、広東省ブロック氏社会部記者はこう話す。 「中国では10年ほど前までは、飛行機は限られた人しか乗れない憧れの乗り物だった。その後、経済成長によって購買力が向上し、一般庶民も飛行機に乗ることができるようになったが、航空業界はいまや、ローコストキャリアの台頭に見られるコスト削減の時代。狭い席にぎゅうぎゅう詰めにされ、機内食も粗末。憧れの乗り物にようやく乗れたのに期待外れの扱いを受け、殺気立ってしまう乗客が多い。トラブルを起こす乗客の多くは、飛行機に初めて乗ったという人たちです」  こうしたトラブルを防ぐため、景気のいい中国人はぜひ、ビジネスクラス以上の席に乗っていただきたいものだ……。 (文=牧野源)

選手名鑑を指さして「これもブス、あれもブス……」元なでしこ・大竹七未の意外な素顔

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大竹七未 公式ブログ
 昨年、日本サッカー史上初のW杯優勝を果たし、ロンドン五輪でも銀メダルを獲得した女子サッカー日本代表「なでしこJAPAN」。チームの中心である澤穂希らイレブンに対する注目は跳ね上がり、女子サッカーそのものの地位向上にも大きく貢献した。そんな中、“なでしこバブル”の恩恵にあずかっているのが、現役を引退した、なでしこOGたちだ。 「各テレビ局にとって、女子サッカーは重要なコンテンツとなった。そこで、試合中継に必要となるのが解説者の存在。実際に国内でプレーしていた元女子選手であれば、技術的な解説に加えて現役選手とのつながりもあるということで、引っ張りだこになっています。その中でも、美形で“元エース”の看板もアリ、一番人気となっているのが元読売ベレーザの大竹七未です」(芸能記者)  大竹は14歳からベレーザで活躍、FWとして通算100得点の第一号となった名選手。引退後は東京国際大学女子サッカー部の監督に就任し、13歳年下の現役サッカー選手でJ2松本山雅所属の弦巻健人と結婚している。そんな大竹に降って湧いたのが、「週刊ポスト」(小学館)10月19日号に掲載された“不倫罵倒”報道だった。 「記事によると大竹は、夫の弦巻がFacebookで知り合った女性と頻繁に電話連絡をしていることに腹を立てて、夜10時から翌朝6時まで女性の携帯を鳴らし続け、折り返してきた女性に対し『あなたがしたことは不潔なこと!』『(Facebookの写真を見て)キタナイ女!』などと罵倒したそうです」(同)  いかにも解説者としてのイメージとはかけ離れた報道であり、大竹も後日自身のブログで「(夫と)仲良くやっています」などと反論しているが、実際に現場で大竹と接したサッカー関係者によると、なでしこ取材でも大竹のそうした素顔は垣間見えていたという。 「取材の時はかなり態度がデカく、なれなれしく選手たちに先輩風を吹かせている。自分が美人なことを鼻にかけているのが露骨で、かなりの毒舌。ある番組の収録前に大竹は、なでしこリーグの選手名鑑の写真を指さしながら『うわ~ブス、これもブス、あれもブス』と言い始め、スタッフもドン引き。そのくせ、アドリブに弱く、生番組などで想定外の質問をされるとしどろもどろ。これから大竹よりも実績のあるなでしこが続々引退していくので、仕事も減りそう」(テレビ局関係者)  解説者としての評価も高く、指導者としても期待を集めている大竹だが、4年後のリオ五輪でもその姿をテレビで見ることができるだろうか?

「やけど痕のようにただれて……」女優復帰の酒井法子、あの足首に入ったタトゥーは今

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 世間を騒然とさせた薬物逮捕から3年、女優・酒井法子の芸能界復帰が決まった。12月15日から渋谷区文化総合センター大和田さくらホール(東京都)で上演される時代劇『碧空の狂詩曲~お市の方外伝』で、酒井は“戦国一の美女”とされる織田信長の妹を演じる。  会場は約700席収容で、12月24日のクリスマスイブまでの10日間で全14公演を予定。脚本・演出は、俳優としても活躍する斎藤歩が担当する。  酒井は執行猶予が明ける11月にも稽古に入るというが、気になるのは“事件の後遺症”だ。芸能プロ関係者は「3年半以上のブランクをどう埋めるか。もともと彼女はビジュアル先行型の女優で、演技派というわけではない。客席からヤジが飛ぶことも考えられる。マスコミに酷評されることも覚悟しなければならない」と話す。  “事件の象徴”ともいえるタトゥーがどうなったかも気になる。酒井は左手薬指に星形、右足首にハスの花をモチーフにしたタトゥーを彫っていた。ある関係者は「執行猶予期間中、前所属事務所社長の進言でタトゥーを消す治療をしていた。月に1~2回のペースで、都内の形成外科に通っていましたね」と明かす。  だが、完璧に元通りというわけにはいかなかったようだ。都内某所のジムで酒井と一緒になったという女性が証言する。 「左手薬指のタトゥーはきれいになくなっていましたが、足首のほうが……。やけど痕のようにただれてしまっていました。復帰の際にはおそらくファンデーションを塗り、目立たなくするでしょうね」  たった一度の過ちで、トップ女優から転落し、何もかも失った酒井。あらためて、その代償の大きさを悔いているに違いない。

年内退社のTBS青木裕子アナは本当に結婚する? 危惧される「やっぱりや~めた」の過去

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TBSブログより
 お笑いコンビ・ナインティナインの矢部浩之と交際中の、TBSの青木裕子アナウンサーが7日、年内いっぱいで同局を退社することを発表した。スクープしたのは5日発行の“エキサイティング新聞”こと東京スポーツ。  これを受け、青木アナはレギュラー番組の『サンデー・ジャポン』で「年内で退社させていただくことになりました。今年が20代最後の年ということで、一度区切りをつけたいと思いました」とコメント。共演の西川史子からは「寿退社?」と声が飛んだが、青木アナは「“寿”じゃないです」。矢部の後輩に当たるお笑いトリオ・パンサーの向井慧からは「六本木に住まわれている方(矢部)に相談したんですか?」とツッコまれたが、青木アナは「相談はしましたが、私が決めました」と話した。  最後まで寿退社を否定し、「矢部」の名前も出さなかったが、TBS関係者は「矢部さんとの結婚は既定路線。他局で矢部さんの結婚プロジェクト番組が進行しており、結婚ネタの解禁はそのオンエアを待ってからになりそうです」と断言する。  順調にいけば、青木アナの誕生日である来年1月7日にも入籍する見込みという。一方で、一抹の不安要素も見え隠れする。青木アナを知る人物が明かす。 「彼女は感情の起伏が激しく、その時の気分で、すべてをひっくり返すこともあるんです。例えば、数年前に退社騒動が持ち上がった時はアナウンス部のトップにまで話が行き、彼女の慰留に努めた。それでも彼女は『もう決めたことです』と聞く耳を持たなかった。退社志向になった原因は、当時交際していた年配男性の入れ知恵。そのことがマスコミによって暴かれ、次第に彼女にも逆風が吹き始めると、今度は『やっぱり残ります』と手のひら返し。こうした“前科”があるだけに、退社はまだしも、矢部さんとの結婚は100%とは言い切れない」  一部情報によると、結婚は確定ではなく、結婚に対して煮え切らない態度を取る矢部に、青木アナがプレッシャーをかけたともいわれる。 「矢部さんは、妻に家庭に入ってもらいたいタイプ。彼女は『自分はこれだけ本気なんだ』とアピールするために、半ば“見切り発車”的に退社を決断したとか。ここまでされては、矢部さんも真剣に結婚を考えなければいけません」とはテレビ関係者。無事、めでたくゴールインとなればいいが……。

“お蔵入り映画”が人命救助を果たした!? 実話をベースにした大冒険ロマン『アルゴ』

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カナダ人と偽ってイランに入国したトニー(ベン・アフレック)は、
大使館職員たちに台本を渡し、映画スタッフを演じさせる。
 日本では年間400本前後の映画が劇場公開され、米国ではそれを上回る500~600本もの公開本数を数える。しかし、当然ながら無事に劇場公開まで辿り着けた作品は極わずか。お蔵入りして現像所の倉庫で眠り続ける大量のフィルムに加え、映画会社の片隅で山積みされたまま忘れさられた脚本や企画書の数は天文学的数字に昇る。それら映画になりそびれた夢の断片は、日の目をまったく見ることなく一生を終える。映画スタジオは夢工房であるのと同時に、形にならなかった夢の残骸の墓場でもあるのだ。SFアドベンチャー『ARGO』も、そんな埋もれてしまった企画の1本にすぎなかった。CIAが目を付けるまでは。ベン・アフレック主演&監督による『アルゴ』は、1本の“お蔵入り企画”が人命救助を果たしたという奇想天外な実話をベースにした社会派サスペンスだ。  物語は1979年11月、イラン革命の波が押し寄せる在イラン米国大使館から始まる。悪名高いパーレビ政権を米国政府は支援していた上に、亡命したパーレビ元国王の米国入国を認めたため、イラン国民は「パーレビを引き渡せ」と怒りまくっている。米国大使館は過激派に取り囲まれ、風前のともしびだ。大使館職員とその家族52人がイラン側の人質となるが、6人の職員たちは裏口から逃げ出してカナダ大使の自宅に匿われた。だが、運が良かったのはここまで。街角には革命軍の目が光り、空港は封鎖状態。この6人はテヘラン市内で完全に孤立した形となってしまった。国務省やCIAは6人を救出するため、自転車で国境まで砂漠を走り抜けるなどの作戦を検討するが、現実性があまりにもない。ちなみにイラン側の人質となった52名の大使館職員たちを救出するために翌年デルタフォースが投入されることになるが、この作戦は大失敗に終わっている。そんな中で極秘裏に採用されたのが、CIAで人質奪回を専門とするトニー(ベン・アフレック)が発案した“ハリウッド作戦”だった。  ハリウッド作戦とは何か? 6人もの大使館職員を同時に国外へ脱出させるのは至難の技だ。そこでウソの映画をでっちあげて、映画のロケハンのふりをしてイランに入国。現地で合流した6人を映画クルーに仕立てて、何食わぬ顔でそのまま空港から帰国してしまおうというもの。だいたい、映画の撮影隊にはよく分からない職種の輩がやたらといる。大使館職員たちにカメラとか機材を持たせとけば、バレやしないだろう。恐ろしく大胆にして、すげーアバウト。これ、実際にCIAが採用したミッションなんですよ。
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人質救出は成功しても陰の裏方、失敗したら一生非難される
割の合わない仕事。トニーは黙々と任務を遂行する。
 ハリウッド作戦の指揮をとり、現地にまで飛ぶのはトニー自身。というか、誰もこんな無謀で危険すぎる作戦は引き受けない。相手を欺くには、思い切ったウソのほうがいい。相手だけでなく、味方も騙せるようなじゃないとダメだ。トニーはハリウッドへ向かい、旧知の仲である『猿の惑星』シリーズの特殊メイクアップアーティストのジョン・チェンバース(ジョン・グッドマン)に協力を求める。こんなバカげた作戦に興味を示してくれるのは、ハリウッドでもそういない。チェンバースの推薦で、辣腕映画プロデューサーのレスター(アラン・アーキン)もハリウッド作戦に参加することになる。  ジョン・チェンバースは実在の人物で『猿の惑星』(68)の際にアカデミー賞特殊メイク賞が新設された、その道のパイオニア。レスターは複数のプロデューサーをモデルに合成されたキャラクターだが、ベテラン俳優アラン・アーキンがこの役に見事に命を吹き込んでいる。レスターは派手好きで食わせものの業界人。映画プロデューサーとして現地に乗り込むと意気込むトニーに対し、「お前はせいぜいアシスタント・プロデューサーどまりだな」と水を差す。ウソの企画だが、「映画の基礎となる脚本をおろそかにしてはならない」と主張して譲らない。そこでお蔵入りしていたボツ企画の中からトニーが見つけ出した1本のシナリオが『ARGO』だった。荒涼とした大地が広がる異星を舞台にしたSF冒険活劇。主人公が美女を連れて、悪の首領と戦う荒唐無稽なストーリーだ。中東でロケハンしたいという口実にぴったりではないか。レスターは時代の流れから取り残された賞味期限切れのプロデューサー。これまで口八丁手八丁で、ずいぶん詐欺師まがいのことをやって稼いできた。ここらでフィクションの世界とは別に、人の役に立つことに協力してもバチは当たらないだろう。『ARGO』を映画化するには脚本家協会の許可を取ってギャラを払わなくていけない。そこでレスターは脚本協会を相手にギャラを値切りに値切ってみせる。その一方で、ウソの製作発表会見を開き、ウソの広告をバラエティー誌に出稿する。ウソだらけの企画だが、いつもと同じように堂々とハッタリをかます。ウソの中にリアリティーを染み込ませる。それこそが、レスターができる最大限の協力だった。  1980年1月。カナダ人だと偽ってイランに入国したトニーは、カナダ大使邸に隠れていた6人にハリウッド作戦を説明するが、「マジかよ! 見つかったら処刑されちゃうよ!」と大反対される。そりゃ、そうだろうな。でも、足並みがちゃんと揃わないと、この作戦は確実に失敗する。トニーは「オレを信じろッ」と懸命に説得する。人生を生きながらえるためには、ときに腹を括って、危険な橋を渡らなくてはならないときもあるのだ。6人はそれぞれ映画監督、カメラマン、脚本家、美術スタッフ……とにわか仕立ての映画スタッフに変身。イラン革命軍を相手に一世一代の大芝居をうつことになる。
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プロデューサーのレスター(アラン・アーキン)、チェンバース
(ジョン・グッドマン)と完成することのない映画の船出を祝う。
 ウソから始まる恋愛の顛末をホロ苦く描いた『ザ・タウン』(10)に続いて、主演&監督を兼ねたベン・アフレック。大学時代に中東の政治を学んでいたこともあり、どうしてイランは米国のことをここまで憎むようになったのか歴史背景を丁寧に分かりやすく盛り込んでいる。そして一行は、いよいよクライマックスとなるテヘラン空港へ。呼び止めた警備兵に対し、ウソの映画クルーは脚本、絵コンテ、バラエティー誌に掲載された広告を取り出して見せ、映画『ARGO』の内容を説明する。バレたら全員処刑されるので、みんな必死で身振り手振りで存在しない映画の説明をする。命懸けでウソをつく。そうとは知らず、イランの警備兵は映画『ARGO』の完成した様子を頭の中で想像して、子どものように目をキラキラと輝かせる。多分、きっとこれが映画の本質なのだと思う。懸命にダマす人がいて、ダマされて気持ちよくなる人がいて、その両者の間には壊れやすいシャボン玉のような夢の世界が一瞬だけ広がる。その一瞬の世界はとても広大で豊かで、誰もが自由になれる空間なのだ。  結局、というか当然ながらSFアドベンチャー映画『ARGO』は完成することなく、劇場公開されることもないまま、人々の記憶から消え去っていく。でも、それでいいのだ。6人の大使館職員たちの心の中では、史上最大にスリリングな大冒険ロマンとして『ARGO』の名前は永遠に刻まれ続けるだから。そして今日もまた、映画プロデューサーたちの机の上には、映画化されることのない企画書や脚本が次々と山積みされていく。 (文=長野辰次) argo_4.jpg『アルゴ』 製作/ジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロブ、ベン・アフレック 脚本/クリス・テリオ 監督/ベン・アフレック 出演/ベン・アフレック、アラン・アーキン、ブライアン・クランストン、ジョン・グッドマン 配給/ワーナー・ブラザーズ映画 10月26日(金)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー (c)2012WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC <http://wwws.warnerbros.co.jp/argo> ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第191回]我が家に“食人族”がやって来た! 奇才ジャック・ケッチャムの異形世界『ザ・ウーマン』 [第190回] 裏切り&結託は当たり前。今の政界にそっくり! 極道たちのバトルロワイアル『アウトレイジ ビヨンド』 [第189回] これが全米を熱狂させた“USA版バトル・ロワイアル”! 殺人リアリティーショー『ハンガー・ゲーム』 [第188回]行き詰まった人生の扉を開く鍵は“銭湯”にあり? 内田けんじ監督のオリジナル作『鍵泥棒のメソッド』 [第187回]大家族の伝統料理から超手抜きレシピまで勢ぞろい! 台所から見えてくる中東の家庭事情『イラン式料理本』 [第186回]“世界的な絶滅危惧種”である独裁者に愛の手を!? 政治ネタ&下ネタ満載コメディ『ディクテーター』 [第185回]障害者の性処理も介護の重圧も、すべて笑い飛ばせ! 男たちのバリアフリーな友情ドラマ『最強のふたり』 [第184回]人類を生み出した“創造主”との遭遇!! リドリー・スコットが物語るSF神話『プロメテウス』 [第183回]“校内格差社会”に出現した異分子(ゾンビ)たち! 青春のカタルシス『桐島、部活やめるってよ』 [第182回]カメラマンは法を犯してもかまわない!? 国家の暗部を暴く男の情念『ニッポンの噓』 [第181回]“学校”という名の密室ではびこる児童虐待の事実! 子どもたちは教師を訴える『トガニ 幼き瞳の告発』 [第180回]“神様”との出会いと別れ、そして旅からの帰還  ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』 [第179回]親友=お金を貸してくれる、女友達=SEXさせてくれる!? 品性お下劣男の青春『苦役列車』 [第178回]“沢尻エリカ”という名のアトラクションムービー『ヘルタースケルター』が描く無常の世界 [第177回]毒カレー、オウム真理教、光市母子殺害……“悪魔の弁護人”と呼ばれる男の素顔『死刑弁護人』 [第176回]“芸能生活30周年”ニコラス・ケイジの会心作! 被災地に流布する暗号『ハングリー・ラビット』 [第175回]やめろと言われても、今では遅すぎたッ! 妻夫木聡&武井咲主演の過剰なる純愛劇『愛と誠』 [第174回]年間自殺者数3万人を越える現代社会への提言 自殺対策の現状を追った『希望のシグナル』 [第173回]“三島割腹事件”を若松孝二監督が映画化!『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』 [第172回]実在の事件を題材にした“命の授業”『先生を流産させる会』がついに劇場公開! 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[第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』 [第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』 [第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』 [第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』 [第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』 [第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』 [第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』 [第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』 [第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』 [第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』 [第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』 [第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』 [第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』 [第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』 [第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』 [第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』 [第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』 [第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』 [第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』 [第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』 [第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ [第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々 [第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は...... [第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった [第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学

“最後の避難所”に身を寄せる、双葉町避難民へのしかかる“時間”の重み

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(c)2012 Documentary Japan, Big River Films
 福島県双葉町は、福島第一原発事故後、1,200人の住民とともに、町からおよそ250キロ離れた埼玉県加須市の旧騎西高校に避難した。この避難所で、双葉町の住民たちが過ごした1年間に焦点を当てたドキュメンタリー映画『フタバから遠く離れて』が公開される。  一つの教室にいくつもの家族が詰め込まれ、段ボールで仕切られた“家庭”の中で、避難者はそれぞれの生活を送る。遅々として政府の方針が示されないまま過ごす毎日、いつ帰れるともわからない不安、そして一時帰宅を迎えた喜び……。避難者と同じ目線で、1年間という時間を追体験することができる貴重な作品だ。  この作品を監督した舩橋淳監督の目には、双葉町の避難民や原発問題は、どのように映ったのだろうか? ――原発や放射能問題に対しては、以前から関心があったんですか? 舩橋淳監督(以下、舩橋) 原発はよくないだろうとは思っていましたが、その程度でした。僕はアメリカに10年住んでいたんですが、アメリカでは電力自由化が進んでいて、手軽に自分が使う電気の種類を選ぶことができた。ところが帰国してみると、東京には東京電力しかなかった。チョイスも何もないから、勝手に電気が来るもんだと思ってしまっていたんです。それが原発事故が起こって初めて、その電力の一部が福島第一原発から来ているということを認識しました。恥ずかしながら、そこで作られた電気が100%関東圏に来ているということも知らなかったんです。 ――舩橋監督のお父様は広島出身で、幼いころに原爆被害に遭われたそうですね。 舩橋 はい。僕は被爆2世なんですが、日本映画史でも原爆についてのドキュメンタリーはたくさん作られていたから、自分がそういう作品を作るつもりはずっとなかった。もうやり尽くされていて、自分にできることはないと思っていたんです。ところが、テレビで原発事故の報道を見ているうちに、「被ばく」ということに関して、原爆も原発も同じだと気づいたんです。それなのに、原発はあたかもクリーンであるかのようなイメージが作られていて、その存在を疑問視する声はありませんでした。それに矛盾を感じたんです。臭いものにフタをするかのように、見えないようにしてきたという歴史が少しずつわかるようになって気づいたのは、原発とは原爆なんじゃないかということ。原爆と同じことが現代に起こっているのだから、何かしらこの状況に対する映画が作られるべきなのではないかと感じ始めたんです。 ――そんなときに、双葉町が加須市の旧騎西高校に避難してきた、と。 舩橋 はい。福島県の自治体はだいたい県内に避難していたんですが、どれくらい避難するべきかという論争が起こっていました。20キロか、30キロか。アメリカは50マイル(80キロ)逃げるべきだと主張していました。学者でさえもそれぞれ違うことを言っている中、双葉町は250キロも離れた埼玉県加須市に避難した。状況がわからないんだから態勢が整うまでは遠くに逃げる、という判断はとても正しいことのように思えたんです。いったい、どういう人がこの判断を行ったのか、どういう人々がそこへ避難してきたのか、興味が湧いて、昨年の4月上旬に旧騎西高校を訪れました。 ――初めはドキュメンタリーを撮影するつもりはなかったそうですね。 舩橋 これまでは電気はどこからともなくやってくるものだと思っていて、僕はそれを湯水のように使っていた。自分の使っている電気で、自分が避難しなきゃならなくなったのであればまだ理解ができます。しかし、実際は他人が避難を強いられている、という事実が納得できなかった。避難所に行っていろいろな人に話しかけながら、この疑問を解消したかったんです。何度か足を運ぶうちに、徐々に「これは映画にできるのではないか」という考えになりました。  震災後、テレビではさまざまなドキュメンタリーが作られましたが、「どれだけ気の毒な体験をしているのか」「どれだけかわいそうな人々なのか」を描くばかりで、それは原発事故に関しては本質からずれているような気がしていたんです。原発事故では、視聴者や放送局の人間も加害者であるかもしれない。もちろん、「東電が加害者であり、われわれは電気を使っていただけだ。加害者ではない」と言う人もいるかもしれませんが、一部の人間が犠牲を強いられるような電気の供給システムに依存し、それを支えてきたのは私たちなんです。しかし、避難者を「かわいそうな人たち」という描き方をしたら、視聴者はそれを「他人事」として納得してしまう。安心できてしまうんです。作り手は当事者意識を棚上げにするのではなく、視聴者をぐらつかせるくらいの刃を突きつけなければならない。
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――それは、非常に後味が悪いものでもありますね。 舩橋 はい。でも、“お気の毒な方々”と描くことが正しいことだと思えなかったんです。どうしてこんなことになってしまったのか、電気の生産者であった双葉の避難民と消費者であった自分たちとの対話を記録するように作品を作ろうと思ったんです。 ■東電には「ありがとう」と言わなければならない ――撮影を進めるうちに、どんなことが見えてきましたか? 舩橋 加須と東京を行き来するということは、電気の生産者と消費者の間を行き来することでもあるんですが、地理的に距離が離れていることで、うまくリスクを分散させる不公平な日本のシステムというものが見えてきましたね。地方は地方で都合のいいように、東京は東京で都合のいいようなシステムが組まれてきたんです。地方には雇用や交付金などのお金が落ちてきます。これまで、双葉では農閑期である冬は出稼ぎに行かなければならなかったのですが、原発ができたことによって自分の町で生活できるようになりました。一方、東京では、地理的に距離があるので原子力のリスクを考えないで済む。節電したほうがいいのか、と感じなくて済むくらい、たくさん電気を使えるんです。こうやって双方を往復すると、原発のリスクは不均等に分散し、一部の人に犠牲を押しつけるシステムとなっていることが見えてきました。 ――そのシステムに組み込まれてしまった双葉の避難民に触れる中で、印象に残っている言葉はありますか? 舩橋 「これまでは、東電におんぶにだっこで生きていた」と言う避難者がいました。かつて、双葉は「福島のチベット」と言われているくらい、過疎がひどく、貧乏な地域だったんです。東電がなければ、双葉町は存在できなかったかもしれない。今まで30年間お世話になって、東電には仕事もおカネももらってきたのだから、「ありがとう」と言うべきなんじゃないかと語る避難者がいました。  ――報道には、なかなか取り上げられない声ですね。映画では、一時帰宅の様子も撮影されています。 舩橋 この時も、東電社員がかいがいしく世話をしていたのが印象的でした。4~5回にわたって一時帰宅を取材したんですが、ある日は土砂降りの天候。一時帰宅した住民は、ビニール袋にそれぞれの荷物を入れて帰ってくるんですが、荷物で両手はふさがっています。そこで、東電社員は避難者が濡れないように傘を差し、自分がびしょ濡れになりながら世話をしていたんです。会社が悪いことしたんだから、社員である自分たちがやらなきゃならないという、ある種の真剣さが伝わってきました。  やっぱり、東電に対する多くの避難者の姿勢は厳しいもので、彼らが避難所に来たら非難轟々になります。「東電の○○です」と挨拶しただけで「バカタレ」と怒号が飛んでいました。下々の社員は避難者の世話をしながら「すいません」と謝り続け、社長をはじめとする上層部の人々は姿を現さない。不公平だなと思いますよね。謝罪する人間はそんな下々の社員ではなく、もっと別にいるはずなんですけどね。 ■延々と続く時間の積み重ね ――旧騎西高校には、現在でも180人(9月18日現在)あまりの方が生活されていますが、みなさんの雰囲気もだいぶ変わってきましたか?
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舩橋 そうですね。今年9月から、無料で配られていたお弁当が有料化されました。が、肝心の土地や家の賠償はまだ始まっておらず、再スタートのためのお金をもらえていない。避難者も時間がたつことによって余裕がなくなってくるから、賠償も「いくらでもいい、なんでもいいからちょうだい」となってしまうでしょう。これは水俣病の時にも行われていた、卑怯な方法なんです。日本は水俣病の当時からまったく成長していません。 ――行政に対しては、何が一番の問題だと思いますか? 舩橋 時間軸方向での被害を見積もるのが、日本人は下手ですよね。どこが何マイクロシーべルトなのかとマメに放射線量を測定することは得意なのですが、「何年まで住むことはできない」と、時間軸方向で被害を見積もることができません。「いつか改善されます」「わからない」で済ませてしまうことが多い。わからないのであれば、仮に「40年は住めない」と設定して合理的な判断をしていけばいいのに、避難者の時間は引き延ばされて、どんどんと待ちぼうけにされてしまう。それは時間的な損害なんです。その損害によって、避難者はどんどん疲弊してしまいます。 ――では、このような状況で、双葉町民にとっての希望とはなんなのでしょうか? 舩橋 「仮の町」だと思います。今、双葉町では「7000人の復興会議」として町民を集め、どうやって次の町を生み出していけばいいのかを町民たちが議論しています。時間がたつと、人々がばらばらになってしまいますから、できるだけ早く仮の町構想をまとめてほしいですね。その構想を知るだけでも、避難者にとっては生きる希望となるはずです。 ――観客には、どのようなことを感じてほしいですか? 舩橋 映画を編集する際は、観客も避難所で日々を過ごしていると感じられるように腐心しました。朝起きて、散歩して、弁当食べて、タバコ吸って、テレビのニュースでは原発の作業は何も進んでいないと言われ、夜が更けていく……。避難者を取り巻いている、延々と続く時間の重みを感じ取ってほしいと思います。 ――それは「当事者」を疑似体験することにほかなりませんね。 舩橋 避難を他人事とせず、できるだけ感情移入してほしい。まさしく自分が避難所で毎日を過ごしていて、やっと3カ月ぶりに2時間だけ一時帰宅することができる。そんな時間の流れを、時系列で体感してほしいんです。5分のニュースでは伝えられない時間の重みを描くことができるのが、ドキュメンタリーですからね。 (取材・文=萩原雄太[かもめマシーン])
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●ふなはし・あつし 1974年大阪生まれ。東京大学教養学部表象文化論分科卒後、ニューヨークで映画制作を学ぶ。長篇映画『echoes』は仏アノネー国際映画祭で審査員特別賞、観客賞を受賞。第2作『BIG RIVER』(2006年 主演オダギリジョー、製作オフィス北野)、第3作『谷中暮色』(2010年)と本作『フタバ〜』は、3作品連続ベルリン国際映画祭に正式招待と、国際的な評価を得ている。 ●『フタバから遠く離れて』 10月13日(土)より、オーディトリウム渋谷ほか全国順次ロードショー <http://nuclearnation.jp/jp/

「授業料免除の密約も!?」所属大学が“解散”の酒井法子、介護の勉強をまったくしていなかった

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 12月の舞台で女優復帰する酒井法子が在籍している群馬県高崎市の創造学園大学などを運営する学校法人「堀越学園」について、文部科学省が解散命令を出す方針を固めた。教職員への給与の遅配や学校債をめぐる金銭トラブルなど、これまで何度も経営が危ぶまれてきたが、ようやく“解散”ということで決着しそうだ。負債額はおよそ55億円という。  そこで気になるのは、介護士の資格取得のため同校に在籍している酒井の処遇。解散命令は学校法人が突然破綻して学生の行く場がなくなることを防ぐためのもので、すでに近隣の教育機関に学生の受け入れを打診しているという。  つまり、受け皿さえ整えば、転入ということで介護の勉強を続けることも可能というわけだ。だが、当の酒井はまったくその気がないのだという。 「よく週刊誌などに『酒井は長男を育てながら、介護の勉強もきちんとこなしている』という記事が載っていますが、アレは前所属事務所サンミュージックの幹部が匿名を条件にマスコミに話をしたもの。要するに、おべんちゃら記事。実際はまったく勉強していませんよ(笑)」とは酒井を知る人物。  酒井は通学ではなく、eラーニングと呼ばれるインターネット講習を自宅で受講しているにすぎない。同校の元関係者は「eラーニング自体は通信教育のように聞こえますが、実際はインターネットで授業のビデオを見るだけ。しかも、国からは卒業単位として認可されていない。これでやる気が起きますか?」と、あきれ気味に語る。  さらに、この関係者は、大学と酒井側に“密約”が存在していたことも暴露する。 「酒井さんを入学させれば生徒が増えると考えた学校側は、彼女に授業料免除など破格条件を提示した。要は『酒井さんは在籍してくれてればいい』というスタンス。何もしなくても、成績優秀者になれます」  確かに、復帰計画が動きだした昨年夏ごろから、酒井は都内で知人と酒を飲んだり、旅行に行ったり、エステに通ったりと、とても介護の勉強をしているようには見えなかった。復帰後、介護について聞かれてボロが出なければいいが……。

「とにかく早く終わってほしい!?」ついに3度目の一ケタ視聴率を叩き出した『平清盛』に、スタッフもギブアップか

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NHK大河ドラマ『平清盛』公式サイトより
 7日に放送されたNHK大河ドラマ『平清盛』の第39話の平均視聴率が、9.7%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)だったことがわかった。前回よりも4.6%の大幅ダウンで、8月5日に放送された第31話の7.9%、8月26日に放送された第33話の9.3%に続く、3度目の一ケタ台の視聴率を記録したことになる。 「前回の視聴率が14.3%と大幅アップしていただけに、このままV字回復を期待していた関係者にとってはガッカリの数字でしょうね。それにしても、ひと頃はいつ視聴率が10%を割るのかが取り沙汰されたものですが、3度も一ケタ台を記録してしまうと、もう一ケタ台がニュースでもなんでもなくなっちゃった感がありますね(笑)」(芸能ライター)  「大河ドラマ史上最低」などと騒がれていたことすら懐かしく感じられる同ドラマだが、放送で低視聴率を記録するたびに盛り上がるのはネット掲示板だけ、という状況。ネット掲示板などでは「30年前の水戸黄門のほうが面白い」「もう意地で放送し続けてるとしか思えん」「誰も見てないドラマに受信料を無駄遣い。だけど責任は問われない」「このラインナップで一ケタはやばすぎ」などと、散々な言われよう。しかし、そうなってくると、気になるのは前回の急上昇した14.3%という視聴率。 「台風17号のおかげだといわれていますね(笑)。ドラマ放送時の9月30日の20時頃に台風がちょうど関東地区を通過したため在宅率が高くなり、この時間帯にテレビを見ない人たちの多くが、たまたま『清盛』を見たのでしょう。それ以外に、原因は考えられません。しかし、以前は低視聴率の原因をあれこれ詮索したものですが、今じゃ低視聴率が定着してしまい、たまに視聴率が回復すると、その原因を知りたくなってしまうという……(苦笑)。もはや末期的な症状ですね」(同)  当初は出演陣のメークや衣装などといった映像の汚さが批判を招いたが、現在はそうした部分が改善された上、解説番組の放送やTwitterとの連動、若手俳優陣の起用など、さまざまなテコ入れも行われたが、視聴率は回復するどころか、さらに悪化している始末。一説では、関係者の間で「視聴率回復は無理。とにかく早く終わってほしい」などと、ギブアップ宣言も出ているのだとか。もはや、興味の焦点は連続一ケタ台の記録、はたまた最低視聴率7.8%を上回る視聴率5%への期待ぐらいか。

歌手・小林幸子が潰されてゆく──! 新曲配信予定のレコチョクに、対立勢力の圧力も!?

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「茨の木」
 “お家騒動”渦中の小林幸子に、強烈な一撃がお見舞いされた。  小林は前所属事務所社長との確執も清算せずに、新曲「茨の木」を先月27日にリリース。大々的な会見を開き、これまでの苦労やNHK『紅白歌合戦』出場への決意を涙ながらに訴えた。その様子はワイドショーで生中継され、翌日には新曲を耳にしたファンから注文が殺到しているという。これに小林は「してやったり」の表情を浮かべているかと思いきや……。 「舞台裏で、新曲の根幹を揺るがしかねない“事件”が勃発していたんです」  そう証言するのは某音楽関係者だ。小林は騒動を機に、長年在籍していたコロムビアレコードを辞め、独立。生命線となるのは新曲の流通網の確保だ。 「そこで目をつけたのが、ネット配信という手法。新曲はド演歌ではないため、配信のほうが幅広い世代に受け入れられると思ったそうです。彼女はすぐ大手音楽配信会社『レコチョク』に話を持ちかけた」とは別の音楽関係者。結果、27日の会見の席で配られたプレスリリースには<「茨の木」は9月27日からレコチョクで先行配信>の文字が……。  ところが、いざレコチョクを見ても小林の新曲がない。同社に問い合わせてみても「そもそも小林さんのレーベルの方から、先行配信の話を聞いていませんでした。突然準備できるものではありません」と歯切れが悪い。“ズブの素人”ならまだしも、小林は来年芸能生活50周年を迎える大ベテラン。このような不手際がありえるのか?  これに、舞台裏を知る芸能プロ関係者は「小林さんと対立する勢力の中心人物がレコチョクに圧力をかけたのが真相です。小林さんがリリースに『先行配信』と書いているのに、レコチョクが知らないということはありえない。その中心人物にとって、レコチョクの社長は部下みたいなもの。内定していた彼女の新曲配信を潰すなんて、造作もないことです」と明かす。小林の“茨の道”は、まだまだ続きそうだ。

ホントに一生恨んでいるのか? 『吾妻ひでおに花束を』

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大日本吾妻漫画振興会 阿島俊編
『必殺吾妻読本 吾妻ひでおに花束を』
虎馬書房、1979年12月
 本書を語るためには、まず発見に至る過程を記さずにはいられない。時に1999年のこと、当時筆者はいろいろあって三重県は四日市市の郊外の辺鄙なあばら屋で暮らしていた。最寄り駅は近鉄線の富田駅。急行停車駅ではあるものの、ロードサイド店舗に押されてか、駅周辺の商店はどこもうらぶれた雰囲気でむせかえるようだった。そんな駅前の空き店舗に、ある日なんの前触れもなく小さな古書店が店を開いた。本当に小さい店舗で、書棚は左右の壁と中央に裏表の四面だけ。おまけに書棚の前に人が立つと、「ちょっと失礼」と通り抜けるのも困難な店舗である。ああ、きっと中はエッチな本ばかりに違いないと、入ってみて驚いた。店主の座るカウンターの傍の書棚には、吾妻ひでおの単行本がびっしりと詰まっている。ほかにも、当時、評価されるようになっていた、笠間しろうをはじめとする官能劇画系の単行本もびっしり。おまけに、ほとんどが初版である。しかも、値段は「それなりによいお値段」。「ウチにあるのを、ちょっとずつ持ってきてるんだよね~」と語る店主は、かなりのマニアであることを匂わせていた。  当時は、まだ収集方針を明確にしていなかった筆者だが「古いもの(要は90年代以前のオタク関連文献)は、買えるだけ買う」ことをテーゼにしていた。とりあえず、財布の続く限り買いまくっていたのだが、自分が買っていないうちに消えていく本がある。東京ならいざ知らず、ここは三重県の片田舎(失礼! 名古屋まで1時間かからない郊外です)である。そんな土地に、どんなマニアがいるというのか? と思っていたら、ある日、店主は、こう話した。 「さっきも、東京から来たマニアの人が、ごっそりと買っていっちゃったよ」  ……まだ、インターネットはダイヤルアップ回線すらもロクに普及していない時代。それでも、マニアは三重県の片田舎(失礼!)の古書店を見つけ出していたのだ。いったい、どのような情報の流れがあったのか? それはいまだにわからない。  前置きが長くなってしまったが、そこで手に入れた本書、大日本吾妻漫画振興会・阿島俊編『吾妻ひでおに花束を』(虎馬書房)は、1984年に同人誌として出版された、漫画家・吾妻ひでおのファンブック……もとい「必殺吾妻読本」である。ご存じの通り、阿島俊は、コミックマーケットの代表を長らく務めた漫画評論家・米澤嘉博のことである。本来は、帯もあったようだが筆者が所有するものは帯なしである。阿島俊編集という時点で内容が濃いのは自明の理であるが、とにもかくにも濃厚だ。
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あの吾妻先生の自伝ストーリーも読める。かなりの苦労人だったのを再確認する。
(クリックすると画像を拡大します)
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手書き文字は、80年代でほとんど消滅してしまった独特のオタク文字なのだ。
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この絵からあの青少年の心をわしづかみにする美少女へ変化。
すでに片鱗は見える。
 「必殺吾妻読本」の名に恥じず、巻頭は吾妻へのインタビューからスタート。就職して上京し最初は凸版印刷で、カルピスの段ボールを組み立てる仕事をしていたという吾妻。「そこはひと月くらいでやめてしまって、もう、行くあてもなく。だいたい友達の所で居候していたんで。仲間がアシスタントをやっていたんで、そこへたかり歩いて。えーちょっと一人だと耐えられない」と人生を語る吾妻は、個別の作品の話に入るとヒートアップしていく。『セールス・ウーマン』について問われれば「あれも担当、編集の意見が入っています。マガジンは編集が凄かったです。だいぶ、いじめられましたけど」と語り、『ふたりと5人』について触れられれば「あの頃から編集にいじめられだしたんですね」と語り、「編集はマニアが嫌いだからね、そーゆーの描くと、もう、すぐ切られる」とぶっちゃける。このインタビューで吾妻は山上たつひこ、鴨川つばめらに「蹴落とされ」て『週刊少年チャンピオン』の仕事がなくなったことを「一生恨んでやる」という。ネタかと思いきや、2009年にコアマガジンから出版された『誰も知らない人気アニメ&マンガの謎』で描き下ろされた「夢見る宝石 漫画家ドナドナ物語」では 「うちは山●さんと鴨●君で売れてるから吾妻さんはもういいやごくろうさん」といわれ 「この時編集長だった●●●●さんの絞り滓を見るような冷たい目今でも忘れません●●●●殺す! 注●●●●さんは亡くなりました」 と、恨みが本気だったことをうかがわせている(この編集長は、『ブラック・ジャック創作秘話』にも登場する壁村耐三である)。  それはともかく、本書が濃い情報に満ちているのは間違いない。吾妻のプロフィールを記した欄は、なんと本人の住所まで掲載だ。もっとも、当時は主な通信手段が電話と手紙だった時代。本書の奥付には当時の米澤宅の住所が記載されているし、ファンクラブの連絡先なども住所を掲載。このあたり、時代の流れを感じずにはいられない。
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現在から振り返ると当時の漫画評論のタイトルのつけかたも、
かなり独特である。
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DTPだと画一的になってしまうページ構成も手書きだとこんな感じに。
ぜひ、現代の人々にも学んでほしい部分だ。
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ここばかりは、壁村編集長も死んでしまったのですべて歴史の闇だね
(『誰も知らない人気アニメマンガの謎』コアマガジン、2010年11月より)。
 さて、本書には飯田耕一郎の「ギャグに色彩られたSF」をはじめ、評論も充実しているが、まず、注目したいのは再録された吾妻のデビュー作「リングサイドクレージー」だ(初出は秋田書店刊『まんが王』1969年10月号)。我々がよく知っている吾妻の絵柄とは、まったく違う。ここから、一時代を築いた美少女絵まで、どのような労苦があったのか、少しはうかがい知れるのではなかろうか。  本書は、同人誌としてはかなりの部数が出たようだ。筆者が所有しているのは第三版だが、後書きでは「限定五百で出した初版に対する反響にこたえて」と記している。おそらく反響があったのは、評論の「濃さ」も含んでのことだろう。「不条理解析」と題された評論は「不条理日記」で扱っているパロディの元ネタである、バラードやオールディズの作品群を挙げながら分析を行っている。「吾妻ひでお三流劇画家と酒を飲む」と題されたコラムでは「板坂剛VS流山児祥という状況が生まれる以前のことではあったが~」といった一文が。ここで笑うには、かなり当時の文化事象に関わる知識が要求されるハズだ。 そういった意味で、本書は現在では当時のオタクにとって必要だった知識が、どんなものだったかを知る手がかりにもなっているといえるだろう。  一般には、かなり入手難な本だと思うのだが、明治大学の米澤嘉博記念図書館には、なぜか4冊も所蔵されている。ネット以前の時代には、見つけたことすら奇跡だったのに、なんということだろう。「オタクの歴史」のようなものを語りたいなら、とりあえず読んでおくべき一冊である。 (文=昼間 たかし 文中敬称略) ■「100人にしかわからない本千冊」バックナンバー 【第8回】あっと驚くパロディ満載!「パロディ・マンガ大全集」 【第7回】“落としやすい”女のコがいる大学は……?「平凡パンチ」1980年6月9日号 【第6回】物欲と性欲、自己肯定感に満ちた30年前の大学生活「POPEYE」 【第5回】1991年、ボクらはこんなエロマンガを読んでいた「美少女漫画大百科」 【第4回】そして『孤独のグルメ』だけが残った......月刊「PANjA」とB級グルメの栄枯盛衰 【第3回】「いけないCOMIC」1985年1月号大特集 戸川純にただ単にミーハーしたいっ! 【第2回】あの頃、俺たちはこんな本でモテようとしていた『東京生活Qどうする?』 【第1回】超豪華"B級"文化人がロリコンで釣ってやりたい放題『ヘイ!バディー』終刊号