『東京都北区赤羽』でおなじみの漫画家・清野とおるによる、悶絶必死の爆笑コラム。
■
前編はこちらから
ふとしたキッカケで、有精卵を手にした俺と高田くん。ヒヨコを誕生させるため、卵を温めたりひっくり返したりする日々を送った

ところが、20日が経過しても、ヒヨコは生まれる気配がなかった。

ところが、

1カ月半が経過しても、ヒヨコは生まれる気配がなかった。

卵を軽く振ってみたところ、「ゴロゴロ」と、奇妙な音がした。
その、明らかに生気のない、物体的な音に、俺と高田くんの希望は、絶望へと変わった。

このまま処分するわけにはいかないので、割って中身を確認することにした。

……俺が割るハメになってしまった。

何が出てくるのかまったく予想のできない、不穏な卵を手に取り、恐る恐る床に叩きつけて割ってみる……。

内臓に産毛が生えたような、青紫色の物体が、ボトリと落ちてきた……!!!

俺と高田くんは、一瞬でパニックに陥った。

しかもその青紫色の物体は、ものすごく臭かった。

なので俺は、高田くんと青紫色の物体を放置して、走って逃げた。
翌日、学校で高田くんと顔を合わせると、

俺は完全に無視されてしまった。

なんかムカついたので、俺も高田くんのことを、無視し返してやった。
小学生の社会では、お互いがお互いを無視し始めた時、そこに待ち受ける結果は、そう「絶交」ある。
これがきっかけで、卒業まで高田くんとは一言も口を利かないまま、別々の中学へと進学したのであった。
まあ今思うと、異臭を放つあんなグロテスクな物体を放置して、先に逃げてしまったのだから、悪いのは100パーセント俺である。
一人でアレを処分する高田くんの姿を想像したら、今、改めて土下座しに行きたい衝動に駆られるほど申し訳ない。

……そんな過去の経緯があって、俺は生卵が怖い。

だって、またアイツが……青紫の恐ろしいアイツが出てくるんじゃないかと思って……
一瞬、嫌な汗をかくのですよ……。
<PS>高田くん、もしこの記事見てたら、すぐ謝罪に行くから連絡ちょうだい!
(文・イラスト・写真=清野とおる)
●せいの・とおる
1980年生まれ。東京都板橋区出身。地元・赤羽に生息する奇妙な人々を生き生きと描いた漫画『東京都北区赤羽』(Bbmfマガジン )が大ヒット中。
Twitter <
https://twitter.com/seeeeeeeeeeeeno>
●【キ○チ○ガ○イと呼ばないで】INDEX
【第6話】
「謎の美人くだもの売り」
【第5話】
「オモシロイ顔のおじさん」
【第4話】
「ウンコおじさん」
【第3話】
「恐怖!‟木曜日の男”」
【第2話】
「鳥盗り物語」(後編)
【第2話】
「鳥盗り物語」(前編)
【第1話】
「ホモビデオの清野さん」