
『剛力彩芽 カレンダー 2013年』
(ハゴロモ)
ネット環境の普及などにより、芸能界の裏事情が広く知られるようになった昨今、一般の人たちが当たり前のように“ゴリ押し”という言葉を使っている。
昔から特定の事務所が特定のタレントを押すことはあったはずだが、“仕掛け”が素人に見えてしまうようになったことから、急速に露出を増やすタレントはみんな“ゴリ押し”として嫌われる傾向にある。
Yahoo!で「ゴリ押し」を検索すると、すぐに関連ワードで「剛力彩芽」「オスカー」「家入レオ」「武井咲」「AKB」「フジテレビ 韓国」「韓国」「島崎遥香」「あやめ(剛力彩芽のことらしい)」が出てくるほどだ。
でも、こうなってくると、むしろ特定のタレントを強力にプッシュするのは、デメリットのほうが大きそうにも思えるけど、メリットははたしてあるのだろうか? 週刊誌記者に、ゴリ押しのメリット・デメリットを聞いた。
「ネットの影響力は、やはり無視できないですね。ネットなどで一旦“ゴリ押し”という烙印を押されてしまうと、それだけで避けられる大きな要因になります。武井咲主演や剛力彩芽主演のドラマが苦戦するのは、内容や演技力云々よりも、やはり“ゴリ押し”という世間的なネガティブイメージが強いからだと思います。最初からチャンネルを合わせなくなる層がそれなりにいますから」
CMにちょこっと出ていたり、ドラマの脇にちょこっといれば、じわじわと気になってくる人もいるだろう。あるアイドルウォッチャーの記者は、「武井咲も、全日本国民的美少女コンテストのときには明らかに一番キレイな子でしたから、ゴリ押ししなければ普通にある程度売れたのでは?」と話す。
やっぱりデメリットは山ほどあっても、メリットはないのか。だが、ある夕刊紙記者は言う。
「ネットユーザーなどの間では反感を買うというデメリットがありますが、やっぱり『テレビの露出の高さ=売れている』感は大きいですよ。たとえば、たくさんバラエティ番組に出ていることで、Kis-My-Ft2や関ジャニ∞が従来のジャニヲタ以外の子どもや主婦に受け入れられるようになってきていますし、小学生などに『剛力彩芽、かわいいよね』なんて子たちも出てきています。本でも映画でも、“売れている”という評判だから興味を持って買う・見る・好きになるという層は実はかなりボリュームがあって、“よく知らない”ものには見向きもしない。だからこそ、ゴリ押しでもなんでも“売れている”と見せることは、ビジネスとして重要なのだと思います」
ゴリ押しによってアンチが増えても、知名度が上がることには、それなりのメリットがあるということなのか。
ゴリ押しで嫌われても叩かれても、売れたら結果オーライ、ということなのかも。
投稿者「kitamura」のアーカイブ
「もう芸能界には戻れない!?」“大麻礼賛騒動”の益戸育江、ネガティブキャンペーンの出どころは……

『心の楽園に住む』(集英社)
女優の益戸育江(=旧芸名 高樹沙耶/49歳)が沖縄・石垣島で大麻研究家の男性A氏と事実婚生活を送っているという。
6日発売の「女性自身」(光文社)が報じたもので、益戸は昨年11月、人気ドラマ『相棒』(テレビ朝日系)の主要キャストを突然降板し、千葉・南房総市の自宅を売却して石垣島に転居。A氏と同島で「リトリートセンター」なる施設を共同経営しているという。
「リトリートセンター」とは、益戸自身の説明によれば「電気・ガス・水道を引かず、自然と触れ合い、キャンプ場より少しおしゃれなバンガローに滞在して、ヨガや素潜り、断食などを体験してもらう」場所という。
事実婚の相手・A氏が「大麻草検証委員会の代表」を名乗っていることも物議を醸した。益戸自身も7月14日付のブログで「大麻草検証委員会 幹事表明」と題し「私個人の感覚からしましては、お酒、たばこ、チョコレートよりも安心で安全で多幸感を得られる、そしてアンチエージングには最高の植物だと信じております」と持論を展開。大麻の所持、栽培を禁止している日本の法律が変わることを願う文章を掲載している。
これだけでもヤバイ雰囲気を醸し出しているが、益戸は6日付のブログでも女性誌の報道に言及。
「大麻の事は本当に意味不明な…(というか意は味明らかなのですが)そして、人権侵害であり、地球上の一つの植物にたいして失礼な法律だと私は思います、種が大地に落ちれば発芽してしまう植物を、持つ、育てる事をして捕まる?」「学生など若者が興味や好奇心で使用し、運悪く捕まれば人生を台無しにしてしまう、本当にそのような物なのでしょうか、タバコ、お酒、その他にも害になる物は数えきれないのではないでしょうか?」(原文ママ)と疑問を投げ掛け、「大麻草もよく利用しようとすればその使い道は素晴らしいのです、この混迷の時代の救世主となりうるのではないかと私は思っているのでこのような活動を始めたのです」と訴えた。
もはや完全に“アッチ側”に行ってしまったようだが、一連の報道の出どころを探ると、前所属事務所の存在が見え隠れする。芸能関係者の話。
「『相棒』の降板で事務所側は大損害を被った。表向きは円満退社を装っているが、実際はクビ。益戸は意中の人ができると、周りが見えなくなるタイプで、仕事は二の次。『相棒』の降板も、事務所と話し合った末の結論ではなく、彼女が勝手に石垣島に行ってしまい音信不通になったから。事務所の面目は丸潰れで、スタッフは怒り心頭でしたよ。そうした事務所サイドの意をくみ、水面下で益戸のネガティブ情報をマスコミに流している人物もいました」
今回の「女性自身」のスクープが意図的にリークされたものかは不明だが、今後も“益戸潰し”の動きは続くとみられる。「A氏と別れて再び芸能界に戻ろうったって、そうはいかない。彼女の居場所は、なくしておきますよ!」。そう息巻く関係者がいることも事実だ。いっそのこと、益戸は引退したほうがよさそうだ。
「いちADから和田アキ子まで……」田中みな実をゲットした“チャラ男”藤森慎吾の人たらし術

“チャラ男”キャラも卒業できて一石二鳥?
“チャラ男”で知られるオリエンタルラジオ・藤森慎吾と“ぶりっ子キャラ”でおなじみのTBS・田中みな実アナウンサーの交際が発覚した。
2日発売の「フライデー」(講談社)が互いの自宅を行き来する姿を激写したもので、4日には観念した藤森が交際宣言。報道陣に囲まれ「良い関係を築かせていただいているかなと自分は思っている」語り、田中アナの決め台詞「みな実は、みんなのみな実だよ」に引っかけ「いずれは『みんなの』から『チャラ男の』になればいい」と語った。
6日にも藤森はレギュラー番組『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)に生出演し「ご報告があります。彼女ができました!」と宣言。司会の南原清隆から「誰?」と聞かれると、藤森は「(TBSがある東京の)赤坂方面のほうに」と答え、田中アナが彼女であることを認めた。
それにしても、なぜ田中アナは藤森に惹かれたのか? お笑い関係者いわく「藤森がチャラ男であることは事実だが、気遣いのできるチャラ男なんです。とにかく現場での心遣いがすごい。初対面の相手のことは事前に勉強してくるし、礼儀正しい。スタッフなんかにも分け隔てなく声をかけるし、一緒に飲みに行ったりする。現場のいちADから和田アキ子ら大物にまで愛されているのは、芸能界でも彼だけしょう。天性の“人たらし”ですよ」。
田中アナも“チャラ男”イメージとのギャップにグッときたそうで、「今では彼女のほうがハマッている」(番組関係者)という。また、2人の境遇も似ている。
「藤森は“チャラ男キャラ”、田中アナも“ぶりっ子キャラ”を演じている。キャラを演じるつらさを、お互いがわかっていることも大きい。実際の2人は保守的で、結婚願望もある。社交的で誰とでも遊びに行くが、本命の恋人がいる時は浮気はしないタイプらしい。似た者同士なだけに、アッサリこのまま……ということもありえる」とは2人を知る人物だ。
「どうせすぐ別れるだろ」と思ったら大間違い、スピード結婚も十分ありそうだ。
ロリコンはやっぱり永遠にロリコンだった……のか?『改訂版 ロリコン大全集』

『改訂版 ロリコン大全集』群雄社出版、
1983年(時勢を鑑み、編集部で修正を
入れております)
どれだけ目を背けても、日本のオタク文化は、ロリコン(実写含む)とは切り離すことができない。オタク文化の愛好者が、近年問題になっている「児童ポルノ」と称される虐待の結果としての生産物を楽しんでいると主張したいわけではない。オタク文化が、その源流において少女愛と同居していたことだけは、紛れもない事実である。今回紹介するのは、その時代性を象徴する貴重な資料である。
多数の少女ヌードが掲載されている本書だが、そこは興味ないし、掲載したら「日刊サイゾー」もろとも通報されかねない(念のため、表紙も修正済み)。それに、単なる子どものハダカに、今のところは資料的価値を見いだせない。それよりも大切なのは、ページをめくった先にある作品群である。
少女ヌードのページが一段落した後に始まるのは、吾妻ひでおによる漫画『仁義なき黒い太陽 ロリコン篇』だ。この短編は、当時のロリコン界隈の人脈をネタにした不条理漫画である。「フリーロリコン もとFP組 緒方」が路上でロリコン本を売っているシーンから始まる物語は、「ロリコン界ではすでに神格化した存在である蛭児神建は人気美少女画家・内山亜紀と手を組み、関東統一を目指していち早くコマを進めていた」となり、「早坂えむ」に「岡田としお」「破李拳竜」とか、名前の一部を換えているのと換えていないのと、ごっちゃになりながら何もまとまらずに「第一部完」となる。まさに、本書のカオスさを象徴する作品だ。

この連載、吾妻ひでおを取り上げることが多いけど。かつては巨人だったんだなあ……。
(画像をクリックすると拡大されます)

無駄な知識しか手に入らない用語集だけど面白いです。
「とにかく“大全集”の看板に偽りなく、ロリコンに関するものは全部詰め込みました」と各々のページが主張し、とくに実生活では役立たない無駄な知識を、懇切丁寧に教えてくれる。「ロリコン用語の基礎知識」なんかは、まさにそう。「スクール水着」の項目では「新宿区立富久小学校のスクール水着は黄色だそうだ。おまけに赤と黄色のダンダラの帽子をかぶるんだそうで、こういうのは許せないような気がする」と書き手が主張を始め、「破瓜」の項目では「少女凌辱の儀式」と、ゆがんだ性癖を露わにしてくるではないか……。いや、こんなこと書いているヤツが、発行から30年近くたっているのにまだ逮捕されたとは聞かないから、よほどヤバイ性癖の持ち主でもやっぱり現実世界では一線引いているんじゃないかと納得してしまう。

川本と高桑常寿による写真も……って写真のページは公開できませんョ!

結局のところ、オタク文化を語る時に二次創作のエロパロは切り離せないと納得だよ。
そのことをさらに納得させてくれるのは、後半に収録の「幼女嗜好 特別出張版」だ。「幼女嗜好」は当時、コミケなどで頒布されて話題だったトンデモないロリコン同人誌だ。ここで収録されているのは「プティ・アンジェ無惨」。当時、ロリコンに人気だったアニメ『女王陛下のプティ・アンジェ』のヒロインが、好き放題輪姦される内容である。こんなカオスな本に寄稿している執筆者には、さべあのま、米澤嘉博、杉浦日向子、このま和歩、高取英らの名が並ぶ。本書に象徴されるような80年代の「なんでもアリ」が、その後のサブカルチャーを多様化させてきたことは、明らかであろう。
■そして、ロリコンは永遠に……
本書は「改訂版」の文字が入っているように、底本になっているのは1982年に都市と生活社から発行された蛭児神建が編集したものである。対して、群雄社出版の発行になっている本書は、編集発行人が川本耕次に代わっている。川本は、近著に昨年発行された『ポルノ雑誌の昭和史』(ちくま新書)がある、伝説的なエロ本の編集者だ。けれど、近年では、毒づき方が特徴の人気サイト「ネットゲリラ」の中の人と説明したほうがわかりやすいだろう。かつてはエロ本の名編集者として知られて、昭和史に名を刻んだ川本だが、現在は静岡県で企業人として活躍中だ。筆者も、名刺交換した時に「なんかの社長っぽい人だな」と思ったら、ホントに社長だった。エロ本畑を歩いた挙げ句に、これほど華麗に異業種に転身できた人は寡聞にして聞かない。80年代の人士も、そろそろ「死人列伝」の様相を呈してきている。一度、この世界に足を踏み入れて、まともな死に方をできた人は少ない。そこを出発点に「坂の上の雲」やらを追いかけることができたのは、高取英とか、限られた人物くらいだろう。塩山芳明の『出版奈落の断末魔―エロ漫画の黄金時代』(アストラ)は、そうした悲惨な人々の人生の貴重な記録である(塩山もエロ漫画編集の仕事だけで、娘を大学まで行かせたから、現代では勝ち組)。

『ポルノ雑誌の昭和史』ちくま新書、2011年

『出版奈落の断末魔―エロ漫画の黄金時代』アストラ、2009年

『おたくの本』宝島社、1989年

『出家日記―ある「おたく」の生涯』角川書店、2005年
それにしても、この世界は業が深い。伝説のロリコンと称された蛭児神建が、ブームの最中に雑誌「プチ・パンドラ」(一水社)の編集長を引き受けて、病んで業界を去った顛末は、1989年に出版された別冊宝島のベストセラー『おたくの本』(宝島社)や蛭児神建(元)名義で執筆された『出家日記―ある「おたく」の生涯』(角川書店)に詳しい。それらに記されているように、現在も僧侶を生業としている蛭児神だが、いまだにロリコンを過去のものとはできていない。6月に同人誌即売会MGMで彼に会ったとき「久しぶりに、こんなものを作ってみました」と茶封筒に入れたコピー同人誌をこっそりと手渡された。中に入っていた同人誌のタイトルは『幼女嗜好 FINAL』。10部だけ作ってきたというその同人誌は、扱われているヒロインが現代化しているが、描かれる嗜好は過去のものと変わらない(本人も、茶封筒に包んでこっそり配布していたから、画像はナシで。欲しい人は、どっかの同人即売会で本人を見つけるのがよいかと)。僧侶となってもなお消えない煩悩。もはや、それは賞賛する以外、どうともできない。
いくら業界から足を洗っても、この世界の業の深さからは逃れることはできないらしい。
(文=昼間 たかし 文中敬称略)
■「100人にしかわからない本千冊」バックナンバー
【第9回】ホントに一生恨んでいるのか? 『吾妻ひでおに花束を』
【第8回】あっと驚くパロディ満載!「パロディ・マンガ大全集」
【第7回】“落としやすい”女のコがいる大学は……?「平凡パンチ」1980年6月9日号
【第6回】物欲と性欲、自己肯定感に満ちた30年前の大学生活「POPEYE」
【第5回】1991年、ボクらはこんなエロマンガを読んでいた「美少女漫画大百科」
【第4回】そして『孤独のグルメ』だけが残った......月刊「PANjA」とB級グルメの栄枯盛衰
【第3回】「いけないCOMIC」1985年1月号大特集 戸川純にただ単にミーハーしたいっ!
【第2回】あの頃、俺たちはこんな本でモテようとしていた『東京生活Qどうする?』
【第1回】超豪華"B級"文化人がロリコンで釣ってやりたい放題『ヘイ!バディー』終刊号
“プレゼンの天才”肉声CDに胸躍る『スティーブ・ジョブズ 伝説のスピーチ&プレゼン』

『スティーブ・ジョブズ 伝説の
スピーチ&プレゼン』
(朝日出版社)
先日開催されたAppleのイベントでは、待望の小型タブレット端末・iPad miniをはじめ、RetinaディスプレイになったMacBook Proや、冗談みたいに薄くなったiMacなど注目の新製品がバンバン発表され、テレビのニュース番組などでも大きく扱われていた。
一方、その数日後に発売されたMicrosoftの新OS・Windows 8の方はイマイチ話題になっていなくて、Appleが悲惨だった時代を知る古くからのファンとしては「時代も変わったなぁ~」と感慨ひとしおってもの。
そんな感じで話題性も、時価総額でもMicrosoftを抜いて名実ともに世界一の企業となったApple。その創業者、スティーブ・ジョブズが亡くなってから、もう一年が過ぎてしまった。
命日である昨年の10月5日、Twitter上はもうジョブズ追悼ムード一色で「えーっコイツが!?」っていうような人までもが「世界が少し退屈になった(ドヤッ)」的なツイートをしていて「スティーブ・ジョブズって、ここまで一般に浸透してたんだ!?」と、逆にビックリさせられたものだ。……ま、どうせあの時ドヤ顔追悼ツイートしてた人の大半は「スティーブ・ジョブズ」って名前を知ったの、iPodとかiPhone以降でしょ!?
確かに、倒産寸前の状態だったAppleに電撃復帰し、iMac、iPod、iPhone、iPad……と次々ヒット商品を生み出して一気に世界一の企業にまで押し上げたスティーブ・ジョブズの手腕はスゴイとしかいいようがないし、不世出のカリスマであることにも異論はない。そしてボク自身もジョブズにガッチリ心をわしづかみにされ、Appleの新製品が発売されるたびにホイホイ金をつぎ込んでいるApple信者ではあるのだけれど、晩年~死後にかけての過剰な神聖視されっぷりには若干違和感を覚えずにはいられないのだ。
だって……やっぱ頭おっかしいもん、あの人! ワガママ過ぎて自分が立ち上げたプロジェクトから(しかも社長なのに)追い出されたとか、部下が開発していた新製品を奪い取って自分の手柄にしたとか、Appleに復帰した際に当時の社長からプレゼントされた20周年記念Macintoshを窓から投げ捨てたとか、気に入らない部下には罵詈雑言を浴びせかけてバンバン首切りまくったとか……どこまでホントか分からないけど、とにかくカリスマ性はスゴイが上司や友達には絶対したくないタイプ、というのが古いAppleファンの共通認識だったような気がする。
このように人格はちょいと破綻しちゃってると思うし、理想的な経営者かといわれるとビミョーなところだとは思うけど、あの天才的なプレゼン能力に関しては、やっぱり認めざるを得ないところだろう。ただでさえ魅力あふれる新商品をさらに何倍も魅力的に見せてくれるワクワク感満点なプレゼン。めんどくさいおっさんなんだろうなー……とは思いつつも、あの語り口、グッとくる演出で、ボクらはいつも夢中にさせられてしまっていたのだ。ソフトバンクの孫社長あたりが、ジョブズみたいになりたいんだろうなって感じのプレゼンをよくやってるけど、ちょっと足元にも及んでないもんなぁ。
そんな、スティーブ・ジョブズのスピーチやプレゼンを教材にして英語の勉強ができてしまうという謎の本が、この『スティーブ・ジョブズ 伝説のスピーチ&プレゼン』。ジョブズのスピーチやプレゼンを紹介する本……ならまだわかるけど、なぜそれを英語教材に!? 英語でプレゼンをできるようになりたいと思っている人にとっては、最適な教材ってこと?
ビジネスプレゼンをする予定も、海外で活躍する予定も皆無なボク的には、コレが実践で役に立つ英語教材なのかどうかは判断しかねるところだが、英語の勉強を抜きにしても、iPodやiPhoneなどの新製品発表時のプレゼンや、2005年に米スタンフォード大学の卒業式で行った伝説のスピーチ(『Whole Earth Catalogue(全地球カタログ)』から引用した「Stay Hungry, Stay Foolish」という言葉はあまりに有名!)をジョブズの肉声で収録したCDが付属しており、それを聞きながら対訳付きの英文を読むというのはなかな面白い体験だった。時差のせいで日本時間の深夜に行われるAppleの新製品発表会を眠い目をこすりながら待って、スティーブ・ジョブズのプレゼンに夢中になった、あの時のワクワク感がよみがえってくるかのようだ。
ただ少し残念なのは、音声ソースがCNNのニュースからということで、せっかくのジョブズの肉声に、変なBGMやナレーションがかぶっちゃっている部分があること。そして、ここまでやるなら映像付きでDVDにしてほしかったなーと。自分のジーパンを指さしながら「こっちの(小さい方の)ポケットが何のためにあるのか不思議に思ったことはありませんか。僕はつねづね不思議でした。さあ、やっと分かりました」といって超小さいiPod(iPod nano)をジーパンの小銭入れみたいなポケットから取り出した時のコーフンときたら……あー、やっぱり映像でもう一度見たいなぁ。ぜひとも続編ではDVD付きにしてほしい!
ちなみに、ボクが一番印象に残ってるジョブズのプレゼンは、2001年に行われたMacWorld EXPO TOKYOでのもの。「ジョブズが日本にやって来てスゴイ新製品を発表する!」という噂を聞きつけ、「いよいよ小型軽量のノート型マック(今でいうMacBook Airみたいな……当時は力持ちのバカが作ったとしか思えない、デカくて重いノートしかなかったの)が発表されるのでは!?」とワクワクしながら会場へプレゼンを聞きに行ったんだけど、発表されたのは気持ち悪い花柄とヘビのうろこみたいな模様のiMacだけだったという……。発表自体は相当ガッカリ感が高かったものの、生ジョブズの生プレゼンはやはり衝撃&コーフンもので、プレゼン後、なんと客席に降りてきたジョブズにウヒョーウヒョーと夢中で歓声をあげまくったのをよく覚えている。……まあ、あの変な柄のiMacは、さすがに買わなかったけど。
先日発表されたiPad miniがビミョーだとか、iPhone 5のマップがヒドイということで「スティーブ・ジョブズ亡き後のAppleはダメだな」みたいにネット上ではいわれているようだけど、まあジョブズが元気だった頃から超革新的なスゴイ製品もあれば、超ガッカリなダメ製品もあったからね(変な柄のiMacとか、アホデカくて高いスピーカーとかね)。なので、これからもまだまだAppleにはワクワク感を喚起してくれるような新製品&新製品発表プレゼンを期待してしまうのだ。がんばれティム・クック新社長!?
最後に思いっきり蛇足な話題だが、この『スティーブ・ジョブズ 伝説のスピーチ&プレゼン』を出版しているのは、橋下大阪市長が「週刊朝日」を発行している「朝日新聞出版」と間違えて社名を名指ししたために、まったく関係ないのに苦情がガンガン届いているというかわいそうな「朝日出版社」。かわいそうだからみんな本を買ってあげるといいと思うよ、そしてDVD付きの第二弾が出るといいと思うよ!
(文=北村ヂン)
「視聴者はテレビに叱られたい!?」オネエの飽和が生んだ“熟女ブーム”の先にあるもの

藤田紀子公式ブログより
最近バラエティに引っ張りだことなっている女優・淡路恵子。クールな姿勢でズバズバ言うところが人気だが、この夏にピースの綾部祐二との熱愛報道をされた藤田紀子もテレビでよく見かけるし、相変わらずデヴィ夫人やあき竹城も人気だ。綾部はじめ「熟女好き」を公言する芸人も多く、熟女たちが若い女性にダメ出しするようなつくりの番組もよく見かける。年齢を感じさせない美貌を持つという熟女に対して「美魔女」なんて言葉も生まれ、テレビ界に熟女ブームが本格的にきているよう。あるテレビ雑誌記者は言う。
「バラエティでは淡路さんがきてますし、新しいところでは映画の主演とヌード写真集で話題の草刈民代さん、熟女がますますきてる感じは確実にありますね」
どのようなところがウケているのだろうか。
「ひとつは淡路さんやデヴィ夫人、杉本彩さんみたいに、ズバズバ言う人や、藤田紀子さんのように波乱の人生を送っている人の経験談を交えた話。それが、たとえば鈴木奈々などおバカタレントや、AKB48なんかの若い女性タレントとの対比になって、見ている側に分かりやすさが伝わるところはあると思います。基本的には、誰かがズバッとお説教されている場面は、常にウケるというところがあって、そのお説教役が今は熟女の番になったんでしょうね」(同)
毒舌混じりにハッキリと意見を言うといえば、オネエタレントたちも頭に浮かぶのだが、
「ここ数年のオネエの役割が、熟女に移り変わってきたということですね。なんとなく交代でブームがきているんです」(同)
野村沙知代を筆頭とした熟女ブームが、90年代の終わりごろにあった。
「その前には、おすぎとピーコさんや美川憲一さん、美輪明宏さんなんかが、『オネエ』という言葉はまだテレビにはありませんでしたが、大人気でした。その後の熟女ブームも、かなり熱かったですよね。一方で熟女人気を当て込んだ『マダムんむん』なんていう帯番組までできたほどでした。もっとも早々に打ち切られて、逆に伝説になったりもしましたが……。このブームは、サッチーと浅香光代さんの騒動で、急激にしぼんだ感がありました。代わって、IKKOさんやKABA.ちゃんに假屋崎省吾さん、はるな愛さんといった人気者が続々登場し、ここ数年はずっとオネエ人気が続いていたのですが、マツコ・デラックスさんとミッツ・マングローブさんの登場で、インパクト的に頂点に達した感があります。飽和状態になっていたこともあって、熟女のほうに流れていったのではないでしょうか」(同)
テレビ的には、少しかぶる役割にあるという。
「ご意見番的な役割ですよね。芸能ニュースや旬の話題に対してハッキリ物を言う。見ている側はこういった役割の人、自分たちの気持ちの代弁者であったり、アドバイスをもらえるような気分にさせてくれたりする人は常に求められています。オネエでいうとIKKOさん、はるな愛さんが担っていたビューティ部門も、美魔女やカリスマモデルなんかの熟女がそのまま担えますしね。その時代時代の流れによって、オネエと熟女が交代するようなところはありますね」(同)
ということは、オネエ需要は、この先縮小していくのだろうか?
「今人気のオネエタレントの人たちは、完全にキャラが固まった人が残った状態だと思います。ですから、今露出が多いオネエの人たちは、すでに淘汰後、“残った”状態なのではないでしょうか」(同)
今後の、テレビでの熟女ブームについては、
「ハッキリ物を言ってほしい、叱ってほしい需要と共に、テレビをよく見ている女性の憧れの対象ともなっているので、より広がってくると思います。今後、淡路さんや、いじられキャラとしてウケているあき竹城さんに匹敵するような人気キャラが、今後いろいろ出てくるのではないでしょうか」(同)
サッチー騒動のときのように、今度のブームはテレビ番組の枠をはみ出して、ワイドショーや週刊誌が舞台にならないよう気をつけて!?
「少しでも収益を……」絶不調の斎藤佑樹を日本代表に選出した“侍ジャパン”のお寒い事情

『斎藤佑樹(日ハム)カレンダー
2013年』
来年3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を前に、今月の16日と18日に行われる野球の国際親善試合・キューバ戦に出場する日本代表“侍ジャパン”のメンバーが、6日、都内で行われた会見で発表された。
直前にダルビッシュ有(レンジャーズ)のWBC出場回避の動きが伝えられるなど、日本人メジャーリーガーの名前はゼロ。若手中心のメンバーが選出されたが……。
「すでに業界内外で騒ぎになっていますが、やはり斎藤佑樹(北海道日本ハム)の選出には首を傾げてしまいますよ。今シーズン、斎藤は前半こそよかったものの、オールスター後はファームでも繰り返しKOされるなど“ボロボロ”ともいえる絶不調の状態。シーズン終盤から再び1軍に呼ばれましたが、はっきり言って、まったく立ち直っていません。今回選出された左サイドスローの森福(允彦、ソフトバンク)やシンカーを投げる加賀(繁、DeNA)のように、特徴のある投手でもないし……今の斎藤を実力で上回る右のオーバーハンドは、NPBだけでも10人以上いますよ」(スポーツ紙記者)
そんな斎藤の選出については、やはり“侍ジャパン”の懐事情があるのだという。
「今回のキューバ戦は、16日に福岡のYahoo! JAPANドーム、18日には札幌ドームで行われます。斎藤はおそらく、所属する北海道日本ハムの本拠地である札幌ドームで登板することになるのでしょう。今回の札幌ドームのチケットは、フィールドシート1万円、SS指定が8,000円、S指定が7,500円など、シーズン中より割高に設定されていて、まったく売れていないんです。要するに、少しでも収益を上げるためのテコ入れ要員として“人気者”の斎藤が選出されたわけですよ」(同)
山本浩二監督の初陣となる今回の試合相手・キューバは、WBCの1次ラウンドの対戦相手でもある。大事な前哨戦で“目先の収益”を優先させたとすれば、侍ジャパンの3連覇は極めて難しくなりそうだ。
警察官への暴言も常習!? ロンブー淳の横暴すぎる“武勇伝”をディレクターが暴露

『ロンブー淳の2人ごはん 恋する77皿』
(角川マーケティング)
警察官への暴言は、今回が初めてではなかったようだ。
10月下旬、駐車違反を取り締まった警察官に対して、逆に謝罪を強要するなど数々の暴言を自身で生配信、批判を浴びているロンドンブーツ1号2号の田村淳だが、過去にも似たような騒ぎを何度も起こしているという話が関係者から漏れている。
「視聴者の皆さん、世間を騒がせてしまって申し訳ありませんでした」
騒動の早い幕引きを図ったのだろう。レギュラー出演している情報番組『知りたがり!』(フジテレビ系)の出演を3日間自粛、11月5日に再び出演した際には目を泳がせながら謝罪したが、そんな淳に、ここぞとばかりにテレビディレクターが口を開いた。
「1年ぐらい前にも、似たような騒ぎを起こしているんですよ。都内の警察署から番組宛てに電話がかかってきて“今回は大目に見るが、道路の使用は許可が必要”という話をされ、なんのことかと思ったら、どうやら淳さんが番組に関係なく路上で何かやっていて注意された際、番組の企画だとウソをついて、苦情を局に回したようなんです」
ただ、スタッフらはそんな淳に頭の上がらない立場もあって、話を合わせて謝罪しておいたのだという。
「警察からは、現場で淳さんがかなりキレまくっていたという話だったので、たぶん今回の騒動みたいな感じだったんでしょう」(同)
話はこれだけではない。約3年前にも、淳が警察官を土下座させたという目撃談がある。会員制ブログに掲載された一般人の日記に、淳が野外での番組収録中に集まった群集を整理しようと訪れた警察官にキレた様子が書かれていた。
「土下座してあやまれ!!!と何度も怒鳴ってた。困り果てた若い警察官は悪くないのにしぶしぶ土下座して。でも淳は心がこもってないとかいってた。ひどすぎる」(原文ママ)
10月の騒動では職務を行う2人組の警察官に対し、淳が言葉の揚げ足を取るように相手の話を遮って逆に謝らせ、その剣幕に警官が「すいませんでした」と詫びても「謝ってる人の言い方じゃない」「俺の仕事を侮辱した」などとチンピラのように言いがかりをつけ続けたが、過去に何度も警官を言いくるめた経験から、常套手段のようになっていたのかもしれない。
さらに淳の“キレっぷり”は、仕事上でも有名だった。淳がレギュラーを務める某番組のADが証言する。
「収録中、淳さんがアドリブでライターに火をつけたので『許可を取っていないので、それはNG』と注意したディレクターに逆切れ、突き飛ばし、唾を吐いて『なんでそんなに頭が悪いの? 答えて、ねえ、答えてよ』と、みんなの前で罵倒したんです。ほとぼりが冷めると『さっきは悪かったな』とニヤニヤして一言だけ声をかけてましたが、そのディレクターは泣きながら辞めていきました」(AD)
また、過去には淳に「おまえ今まで何人の女と付き合ったことがある? ちゃんと答えろよ」と聞かれた30代スタッフが「ひとりもいません」と答えた翌日から姿を消したこともあったという。
6年前にはゲームセンターで店員をどつきながら罵声を浴びせた姿も多くの客が目撃、さらに8年前には飲食店でファン相手に怒鳴り散らしたことを女性誌に報じられた。
本来なら暴走する淳を周囲が止めるべきだが「淳さんの取り巻きは、彼のやることすべてに“そうだ、そうだ”と追従する人しかいない」と前出のAD。最近ではスタッフ間でも「淳がキレたら反論はせず、とにかく謝る」ということにしているというが、そんな業界内の空気が、さらに淳の態度をエスカレートさせているようだ。
ADは淳の謝罪を見て「本気で反省するような人じゃないですよ。自分が謝るようなことがあると、後で誰かが八つ当たりされる」と話しているが……。
三池監督ならではの“いのちの授業”が始まる! サイコパス教師と過ごす恐怖の文化祭『悪の教典』

性善説に基づいた学校社会に、もしサイコパスが紛れ込んでいたら?
貴志祐介の原作小説を、三池崇史監督&伊藤英明主演で映画化した『悪の教典』。
いつも爽やかな笑顔を振りまく高校教師・蓮実聖司。弁が立ち、行動は機敏。彼が担当する英語の授業は楽しくて、ためになる。生徒はもちろん、同僚である教師たちからの信頼も抜群だ。だが、蓮実先生にはひとつだけ秘密があった。それは生まれつき共感能力のないサイコパスであるということ。その事実に一部の生徒たちが気づき始めたとき、蓮実先生はその本性を剥き出しにする。貴志祐介のベストセラー小説『悪の教典』が、三池崇史監督の手で完全映画化された。超多忙にも関わらず、みずから脚本も手掛けるという熱の入れようだ。そしてサイコパス教師を演じるのは、『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(07)以来の三池作品となる伊藤英明。『海猿』シリーズで人命救助に情熱を注いできた正義のヒーローから一転、自分の秘密を守るためには教え子だろうが恋人であろうが容赦しない最凶のダークヒーローに挑んでみせた。
舞台となるのは、郊外にある私立高校。英語教師の蓮実聖司(伊藤英明)は端正なマスクと明るい性格から、生徒たちから「ハスミン」の愛称で親しまれている。NY帰りの英語は実用的で、生活指導にも熱心な教員である。だが、蓮実が担任であるクラスの女子生徒・片桐怜花(二階堂ふみ)は蓮実に対し直感的に得体の知れない恐怖を感じていた。怜花と仲の良い早水圭介(染谷将太)は興味本位で蓮実の身辺を調べ始める。一方、物理教師の釣井(吹越満)もワケありな教師だった。釣井も不審に思う。偽善者ぶったヤツを見ると虫酸が走るはずなのに、蓮実にはそれを感じない。どうやら、自分と同類の仮面教師らしい。明るい学園生活の水面下で、微妙に不穏な空気が立ち込める。蓮実はただ自分が考える理想の学園を作り上げることが目標だったが、次第に秘密が漏れていく。蓮実は少し考え、そして決断する。自分の正体に気づいた一部の生徒たちを含め、みんなこの世から卒業してもらおうと。文化祭の前夜、泊まりがけで学校に集まった自分の担当するクラスの生徒40数名の前にショットガンを手にした蓮実が現われる。「みんな、卒業おめでとう」。前代未聞、阿鼻叫喚の殺戮ショーの幕開けだ。
R15指定となった本作を観る上で留意したいのは、これは善が勝ち、悪が滅びるという善悪の二元論の物語ではないということ。宇宙の片隅で地球という惑星が生まれ、その惑星の中に生命が発生し、そこからありとあらゆる生物たちが進化し、自然淘汰の歴史が繰り広げられ、そしてあらゆる手段を講じた人類が生き残って現代に至った。ソフィスティケートされた現代社会では人間が同じ人間を殺すことは野蛮であると戒めが設けられた。戦争のない平和社会の誕生だ。誰もが愛を謳歌し、自由を満喫する現代社会に、ひとりのマイノリティーに属する男が生まれ落ちた。生まれつき共感能力が欠落していたその男は医学的にサイコパスと分類される。サイコパスとしてこの世に生を受けた男・蓮実聖司は、自分とは異なる価値観を持つ現代社会で懸命にサバイバルに挑む。それが『悪の教典』なのだ。
三池監督作品では、原作者がよく物語上に登場する。『インプリント ぼっけえ、きょうてえ』(05)では岩井志麻子が強烈なサディスティックぶりをみせた。『漂流街』(00)では馳周星がみずから格闘場に降り立ち、サングラスごしに不敵な笑みを浮かべた。『妖怪大戦争』(05)の水木しげるは特殊メイクした妖怪たちよりも妖怪らしかった。三池監督作品ではその世界の創造者である原作者自身がお祭り会場の真ん中に組まれた櫓に上がって、祭りダイコを叩き鳴らす。誰も見たことのない奇妙な祭りの始まりだ。本作もそうだ。原作者の貴志祐介は序盤の職員室シーンから登場し、主人公の蓮実に向かって「がんばってください。期待してますよ」と励ましの言葉を掛ける。物語が始まって間もないこの時点で、蓮実の正体を知っているのは原作者だけなのだ。原作者から力水を与えられ、蓮実は生徒たちが待つ教室に向かう。フィクションならではの狂気の祭りへと突き進んでいく。共感できるはずのないサイコパス教師の一挙手一投足から、我々観客は目が離せなくなる。
三池作品において、モラルや常識から解き放たれたキャラクターたちはひと際美しい。『ヤッターマン』(08)のドロンジョ(深田恭子)は誰よりも妖艶かつ清純だった。『十三人の刺客』(10)で13人目の刺客となる“山の民”小弥太(伊勢谷友介)はただ面白そうだからという理由で殺戮の場に身を投じる。社会制度とは縁のない小弥太は常人離れした身体能力と美しい容姿の持ち主だ。小弥太と違って、身分制度に縛られている『一命』(11)の主人公たちは武家社会の枠組みの中で犬死にするしかなかった。『悪の教典』の主人公・蓮実は、ドロンジョや小弥太と同じく、法律や常識に縛られない“自由で美しい”生き物なのだ。文化祭の前夜に現われた蓮実はショットガンを片手に目がランランと輝く。三池監督は蓮実のことを精神的欠陥を抱えた社会的弱者ではなく、絶対的な強さを誇る“破壊神”として描く。破壊神として目覚めた蓮実は、同僚である教師にも自分の教え子たちにも躊躇することなくショットガンを突き付ける。先生と生徒という従属関係から逃れられない者は、蓮実の凶弾に倒れるしかない。破壊神を前にして、一体どれだけの生徒が生き残れるのだろうか。
三池監督がノリノリで演出していることが判別できる、ひとつのキーアイテムがある。三池監督の代表作を振り返ると、世界へその名を知らしめた『オーディション』(00)、Vシネマながらカンヌ映画祭に出品された『極道恐怖大劇場 牛頭』(03)、全米を震え上がらせた『インプリント』、初のメジャー作品『妖怪大戦争』、そして『ヤッターマン』に『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』(10)、『十三人の刺客』……そして本作、といずれの作品にも奇妙に蠢くクリーチャーが登場するということだ。ドロンジョ、小弥太、蓮実聖司ら常識から解放された“自由で美しい人”が輝けば輝くほど、クリーチャーはイモ虫のように醜くうごめく。キレイはキタナイ、キタナイはキレイ。きっと、多分、このイモ虫はやがてサナギとなり、破壊神がすっかりつまらない常識や退屈なモラルを破壊し尽くした後で、美しく羽化して新しい世界へと羽ばたいていくのだろう。
地獄の向こう側に新しい世界が待っている。そこは善悪という二元論に縛られていては決して辿り着けない広大な世界だ。頭にあるモラルや常識を棄てて、三池監督が作り、伊藤英明がいざなう血の池地獄へ飛び込むしかない。そこにはまだ誰も見たことのない、美しい世界が広がっている。
(文=長野辰次)
『悪の教典』
原作/貴志祐介 監督・脚本/三池崇史 出演/伊藤英明、二階堂ふみ、染谷将太、林遣都、浅香航大、水野絵梨奈、山田孝之、平岳大、吹越満 R15 配給/東宝 11月10日(土)より全国ロードショー (c)2012「悪の教典」製作委員会 <http://www.akunokyouten.com>
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[第119回]危険な出会い、井口昇ミーツ仲村みう 悪夢の遊園地『富江 アンリミテッド』
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[第116回] 美少女たちの輝きが脳裏から離れない。青春ムービー『魔法少女を忘れない』
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[第112回]マスコミが讃えた"楽園"のその後、ひとりの少女の成長記録『愛しきソナ』
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[第108回]コーエン兄弟『トゥルー・グリット』40年で変化した"米国のヒーロー像"
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[第87回]元"おはガール"安藤聖の再起動ドラマ 就職氷河期を生きる『バカがウラヤマシイ』
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[第85回]清純派・佐藤寛子が美しく"変態"! 官能サスペンス『ヌードの夜──』
[第84回]死を意識して、ギラギラ輝く男たち! 三池節、大バクハツ『十三人の刺客』
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[第82回] "企画AV女優"たちの青春残酷物語 性なる鎮魂劇『名前のない女たち』
[第81回]猫を見れば、人間社会が見えてくる! 世界の人気猫大集合『ネコを探して』
[第80回]原恵一監督の新作は辛口ファンタジー 退屈な"日常生活"を彩る『カラフル』
[第79回]米軍に実在した"超能力部隊"の真実!? ムー民、必見『ヤギと男と男と壁と』
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[第77回] 白ユリの花開くガールズの妖しい世界 H系ホラー『ジェニファーズ・ボディ』
[第76回] 爽やか系青春ゾンビ映画にホロリ......夏休みは『ゾンビランド』に集結せよ
[第75回] "生きる"とは"見苦しい"ということ 藤沢周平の時代活劇『必死剣 鳥刺し』
[第74回]初恋の美少女は200歳の吸血鬼だった! 北欧産のホラー映画『ぼくのエリ』
[第73回] "三億円事件"の真相を解き明かす! 桜タブーに挑んだ『ロストクライム』
[第72回/特別編] 上映反対で揺れる問題作『ザ・コーヴ』"渦中の人"リック・オバリー氏の主張
[第71回] 女子にモテモテになる方法、教えます。軟派少年の実話物語『ソフトボーイ』
[第70回] 下町育ちの"北野少年"が見た現代社会 人間同士の食物連鎖『アウトレイジ』
[第69回] "リアルと虚構の狭間"を生きる男、アントニオ猪木初主演作『アカシア』
[第68回] ヒーローも神もいない現代社会の惨劇 井筒監督の問題作『ヒーローショー』
[第67回] アイドルが地獄で微笑む『戦闘少女』ギャグ×血しぶき×殺陣の特盛り丼!
[第66回]アナーキーな"社歌"で生産性アップ! 満島ひかり大進撃『川の底からこんにちは』
[第65回]超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』"家族"という名の地獄から脱出せよ
[第64回]乱れ咲く"悪の華"ゼブラクイーン! 仲里依紗が過激変身『ゼブラーマン2』
[第63回] オタク王が見出した"夢と現実"の接点 ティム・バートン監督作『アリス──』
[第62回] バッドテイストな感動作『第9地区』 アナタはエビ人間とお友達になれるか?
[第61回]スコセッシ監督の犯罪アトラクション『シャッターアイランド』へようこそ!
[第60回]宮崎あおいの"映画代表作"が誕生! 毒を呑んでも生き続けよ『ソラニン』
[第59回]"おっぱいアート"は世界を救えるか? 母乳戦士の記録『桃色のジャンヌ・ダルク』
[第58回]現代に甦った"梶原一騎ワールド"韓流ステゴロ映画『息もできない』
[第57回]命知らずの変態レポーター、中東へ! 史上最大のどっきり?『ブルーノ』
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[第55回]ビグロー監督はキャメロンより硬派! 人間爆弾の恐怖『ハート・ロッカー』
[第54回] "空気を読む"若者の悲劇『パレード』楽しいルームシェア生活の行き先は?
[第53回]社会の"生け贄"に選ばれた男の逃亡劇 堺雅人主演『ゴールデンスランバー』
[第52回]『男はつらいよ』の別エンディング? "寅さん"の最期を描く『おとうと』
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[第49回]トニー・ジャーは本気なんジャー! CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』
[第48回]全米"オシャレ番長"ズーイー、見参! 草食系に捧ぐ『(500日)のサマー』
[第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化
[第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』
[第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』
[第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』
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[第42回]誰もが共感、あるあるコメディー! 2ちゃんねる発『ブラック会社』
[第41回]タラとブラピが組むと、こーなった!! 戦争奇談『イングロリアス・バスターズ』
[第40回]"涅槃の境地"のラストシーンに唖然! 引退を賭けた角川春樹監督『笑う警官』
[第39回]伝説の男・松田優作は今も生きている 20回忌ドキュメント『SOUL RED』
[第38回]海より深い"ドメスティック・ラブ"ポン・ジュノ監督『母なる証明』
[第37回]チャン・ツィイーが放つフェロモン爆撃 悪女注意報発令せり!『ホースメン』
[第36回]『ソウ』の監督が放つ激痛バイオレンス やりすぎベーコン!『狼の死刑宣告』
[第35回]"負け組人生"から抜け出したい!! 藤原竜也主演『カイジ 人生逆転ゲーム』
[第34回]2兆円ペット産業の"開かずの間"に迫る ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』
[第33回]"女神降臨"ペ・ドゥナの裸体が神々しい 空っぽな心に響く都市の寓話『空気人形』
[第32回]電気仕掛けのパンティをはくヒロイン R15コメディ『男と女の不都合な真実』
[第31回]萩原健一、松方弘樹の助演陣が過剰すぎ! 小栗旬主演の時代活劇『TAJOMARU』
[第30回]松本人志監督・主演第2作『しんぼる』 閉塞状況の中で踊り続ける男の悲喜劇
[第29回]シビアな現実を商品化してしまう才女、西原理恵子の自叙伝『女の子ものがたり』
[第28回]"おねマス"のマッコイ斉藤プレゼンツ 不謹慎さが爆笑を呼ぶ『上島ジェーン』
[第27回]究極料理を超えた"極地料理"に舌鼓! 納涼&グルメ映画『南極料理人』
[第26回]ハチは"失われた少年時代"のアイコン ハリウッド版『HACHI』に涙腺崩壊!
[第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』
[第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』
[第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』
[第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』
[第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』
[第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』
[第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』
[第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』
[第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』
[第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』
[第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』
[第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』
[第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』
[第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』
[第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』
[第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』
[第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』
[第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』
[第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』
[第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』
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被害者? 美人局? 強姦被害を主張するホステスが処女膜を公開!
「私のバージンを返してよ!」
中国深セン市で、あるキャバクラのホステスが、一夜を共にした客を相手にそう詰め寄る事件が起きた。
キャバクラで働き始めて1年というこの21歳のホステスは、9月11日の夜、同僚と共に店の個室で接客中、アルコールによる酔いで突然意識を失ってしまった。その後、下腹部の痛みと共に目が覚めたのは深夜2時ごろ。彼女はホテルの一室で、一人ベッドに横たわっていたという。次の瞬間、彼女はシーツに残った血痕と、枕元に無造作に置かれた2000元を発見した。ここで彼女は意識のないうちに、自分の操が奪われたことに気がついたという。
売春がつきものの中国のキャバクラで働きながらも、これまで処女を守り抜いてきたという彼女は、警察に強姦の被害届を提出した。警察による鑑定の結果、処女膜に計12カ所の裂傷が認められた。
強姦事件の容疑者となってしまった客の男は、彼女の携帯電話に「責任を取りたい」「よかったら私の嫁になりませんか?」とメッセージを送り、なだめようとしたものの、彼女はまったく聞く耳を持たず。それどころか、自らの処女膜の写真を含む、警察の鑑定書をメディアに公開し、客の男に「精神被害の賠償」を求めているのだ。
心神喪失状態の女性への乱暴は、日本の法律では準強姦に相当する。ところが、中国版Twitter「微博」ではこの事件に関し、「どっちもどっちだろう」「典型的な美人局」「これはヒドい話だ! 2000元は安すぎるではないか」などといった書き込みも見られ、必ずしも被害者である彼女に同情的な書き込みばかりではないようだ。
果たして彼女にとって、処女膜まで公開した甲斐のあるかいとなるのだろうか……。
(文=牧野源)