
『LEO』( ビクターエンタテインメント)
12月30日に生放送される“レコ大”こと『第54回 輝く!日本レコード大賞』の最終候補作が21日、TBSから発表された。
大賞候補の優秀作品賞には、昨年「フライングゲット」(キングレコード)で初の大賞を獲得したAKB48の「真夏のSounds good!」(同)、今年の「日本有線大賞」を受賞した氷川きよしの「櫻」(日本コロムビア)、ドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)の主題歌として話題となった斉藤和義の「やさしくなりたい」( ビクターエンタテインメント)など10作品が選ばれた。
最優秀新人賞には、家入レオ、臼澤みさき、小野恵令奈、ティーナ・カリーナの4人がノミネート。また、最優秀アルバム賞には西野カナの『Love Place』、最優秀歌唱賞には天童よしみが選ばれた。
顔ぶれを見て、芸能プロ幹部は「まぁ、例年と変わらない感じですね。レコ大に絶大な影響力を持つ“芸能界のドン”の意向が9割方反映された形でしょうか(笑)」とひと言。大賞はAKB48で、最優秀新人賞は家入レオというのが既定路線という。
一方で“定位置”を明け渡してしまったのが、演歌歌手の水森かおりだ。音楽関係者は「昨年まで氷川と水森は優秀作品10枠の常連でした。しかし、視聴率を少しでも上げたいTBSは、かねてから演歌枠を減らしたかった。今年はそれが反映され、斉藤和義がノミネートされた」と明かす。
水森が漏れた背景には、所属プロダクション「長良グループ」の会長で、芸能界に多大な影響力を持つ長良じゅん氏が5月に亡くなってしまったことが大きい。
「実は昨年も演歌枠を2→1に減らそうとする動きがあり、水森の落選もウワサされたんです。しかし、結局は長良さんの威光もあり、回避された。今年はその“にらみ”がなかった。徐々に、長良さん不在の影響が目に見えて出始めている」とは音楽ライター。来年以降も、レコ大で水森の姿を見ることは難しいかもしれない。
投稿者「kitamura」のアーカイブ
生きることの意味と価値を教えてくれる対照的な2作品『人生の特等席』『ミロクローゼ』

(C)2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
今週も続々と封切られる新作映画の中から、生きることの意味と価値を教えてくれる対照的な2作品、直球勝負のハリウッド製ドラマと、意表を突く変化球の和製ラブファンタジーを紹介しよう。
クリント・イーストウッド主演の『人生の特等席』(11月23日公開)は、大リーグの老齢スカウトマンとその娘の葛藤と和解を描く感動ドラマ。かつてメジャー最高のスカウトマンと呼ばれたガス(イーストウッド)は、データ野球全盛の時代にあってコンピューターを毛嫌いし、高齢のため視力も衰え、球団の経営陣からその手腕を疑われ始める。引退の窮地に立たされたガスを、長年離れて暮らしていたひとり娘のミッキー(エイミー・アダムス)が助けることに。拒絶されながらもスカウト現場に同行するミッキーに、ガスはようやく重い口を開き、隠されていた過去を語り始める。
2008年の監督・主演作『グラン・トリノ』の後に俳優引退を口にしたイーストウッドが、4年ぶりに銀幕復帰。長年イーストウッド組で助監督や製作として巨匠に学んだロバート・ローレンツが初メガホンをとった。時代が変わる中「古き良きアメリカ」を守ろうとする姿勢は、確かにイーストウッドからローレンツへと引き継がれている。スポーツ業界の無骨な面々にも臆さない、勝ち気な表情のエイミー・アダムスの魅力は、『ザ・ファイター』(11)でも証明済み。表舞台のスター選手でなく裏方のスタッフ陣にスポットを当てた点や、選手の挫折と引退という影の部分も描いた点で、共通項の多いブラッド・ピット主演作『マネーボール』(11)と見比べるのも一興だろう。
一方、11月24日公開の『ミロクローゼ』は、山田孝之が1人3役、時空を超えた3つの舞台で大立ち回りを演じる愛の物語だ。絵本のような世界で、菩薩のように美しく微笑むミロクローゼ(マイコ)に恋をしたオブレネリ・ブレネリギャー。どんな恋の悩みも電話口で一発解決するプレイボーイの青春相談員・熊谷ベッソン。一目惚れした花屋の店員ユリ(石橋杏奈)を探し求めて現代劇・西部劇・時代劇を渡り歩く浪人タモン。3者3様の奇想天外なストーリーが、ときに交錯しながら、怒濤のクライマックスへと突き進んでゆく。
マネキンを使い、カルト的人気を博した短編ドラマ『オー!マイキー』で知られる石橋義正監督が放つ、ポップでシュールでエキサイティングなトリップムービー。先の読めない展開と圧倒的なビジュアルに身を委ねるうち、愛と人生の素晴らしさに覚醒してしまうはず。熊谷ベッソンの音楽ビデオ風ダンスシーンの高揚感もいいが、タモンの殺陣を歌舞伎風に仕立てた超絶シークエンスは繰り返し見たくなる中毒性さえはらむ。山田孝之と石井監督の才能と魅力がはじける刺激いっぱいの快作だ。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)
『人生の特等席』作品情報
<http://eiga.com/movie/77444/>
『ミロクローゼ』作品情報
<http://eiga.com/movie/56029/>
「最初から優勝者はほぼ決まっている」水木一郎の苦言で波紋を広げる「アニソングランプリ」選考の内情

「第6回全日本アニソングランプリ」公式サイトより
「昨日放送のアニソングランプリの評価は観たみなさんの感じたままをきちんと受け止めるべきだろう。審査に関われない大会委員長の立場はもどかしくもあり、今回は俺の意思が審査員に伝わってなかったのかと思うと自分の力のなさを感じてしまう。アニソンの未来のために、原点回帰も必要ではないか」(Twitterより引用)
アニソン界の帝王・水木一郎によるこのツイートが大きな波紋を呼んだのは11月5日のことだ。この発言は前日にテレビ放送された「第6回全日本アニソングランプリ」の決勝大会に関する言及であり、同大会委員長という地位にありながら水木本人には優勝者の審査に関する発言権がないというショッキングな事実を露呈させた。
ネット上では番組放送直後より、今大会の優勝者の歌唱力の低さやビジュアル重視の選考基準について物議を醸していたが、この水木の発言が決定打となり、番組を見ていなかったアニメクラスタにも話題が飛び火。審査委員長「やまちゃんぐ」氏のTwitterアカウントが炎上し、やまちゃんぐ氏が、
「簡単に短く説明出来る話ではないし、一個人として言える限界もあります。ただ、全てきちんと受け止めて、この先に生かして行きますので」(Twitterより抜粋・引用)
と、謝罪する事態にまで発展した。
そもそも「全日本アニソングランプリ」とは、アニメ専門チャンネル「アニマックス」が主催するアニメソングシンガーのオーディションであり、優勝者にはアニマックスで放送されるテレビアニメの主題歌でのメジャーデビューが約束されている。審査委員はアニプレックス、ソニーミュージック、エイベックス、ポニーキャニオン、EMIミュージックジャパンなどが参加するほか、ホリプロ、スペースクラフトをはじめとする大手事務所も名を連ねており、次世代のアニメソングシンガーを毎年輩出する一大オーディションである。
特に問題となった第6回は、1万人以上の応募があったという。この記録は第4回から途切れることはなく、名実ともに国内最大規模のオーディションとなっていることから、いかにこの企画が注目を集めているかがわかるだろう。
しかし、「アニソングランプリ」の内情を知る業界関係者はこう語る。
「一般からの応募という名目で行われている『アニソングランプリ』ですが、実のところ最初から優勝者はほぼ決まっているようなものです。毎年、各事務所・レーベルが持ち回りで優勝者を獲得することが決められており、誰を採るか、かなり最初の段階から目星をつけているそうです」
別の関係者によると、「少なくとも準決勝段階にはほぼ優勝者は内定している。場合によっては、優勝者でなくとも、この段階でデビューが決まるファイナリストもいる」そうだ。
つまり、「全日本アニソングランプリ」優勝者は、ほぼ各事務所・レーベルの意向であらかじめ決定されており、決勝戦における関係者以外の意見はあってなきが如し、という状況らしいのだ。歌唱力を重視する事務所・レーベルが獲得権を持っている年はそのような出場者がグランプリを獲得し、ビジュアル・タレント性を重視する年は……ということである。
しかし、アニメソングとは本来裏方であり、いかにアニメの世界観を楽曲で表現するかがシンガーには求められるジャンルだ。水木の苦言は、そのようなアニメソングの、そして「全日本アニソングランプリ」の本来の目的を見失い、ただの新人アイドルオーディションの様相を呈してしまった今回の結果に対するものだったのだろう。
だが、出場者本人には、なんの罪もないことは確かである。
「『アニソングランプリ』で優勝した人には何も責任はありませんし俺は大会委員長としてフォローしていますよ。頑張ってデビューしてアニソン界を牽引してくれたら嬉しいのは確かなことです。アニソン歌手を夢見ている人のためにもみんなに認められ愛される歌手になってほしいと心から願います」(Twitterより引用)
そう水木も冒頭のツイートの後にフォローしているが、アニメソングシンガーとしてのデビューという夢をかなえた優勝者は、この逆境にへこたれることなく、胸を張って次世代のアニソン界を引っ張っていってほしいものだ。
(文=龍崎珠樹)
◆「週刊アニメ時評」過去記事はこちらから
「高額ギャラをもらってるのに」AKB48大島優子の『悪の教典』批判騒動に、関係者の怒り収まらず

河西智美に続き、どうなってんだAKB!
AKB48の大島優子が18日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画『悪の教典』の特別上映会に出席。上映後「私はこの映画が嫌いです。命が簡単に奪われていくたびに、涙が止まりませんでした。映画なんだからという方もいるかもしれませんが、わたしはダメでした」(原文ママ)と、同作品を痛烈に批判したことが大騒動となっている。
同作は貴志祐介のベストセラー小説を、伊藤英明主演で三池崇史監督が映画化したもので、生徒に慕われている人気教師(伊藤)が自己の目的のためにクラスの生徒全員を殺すという衝撃作。大島は上映会終了後、主演の伊藤とトークショーに臨む予定だったが、先に述べた理由から欠席した。
翌19日、大島優子はブログで取り乱したことについて「ニュースにもなったりと、お騒がせしました」と謝罪。それでも最後は「でも、私はあの映画が嫌いです。すいません」という言葉で結んだ。
ネット上では、結果的に映画の知名度が上がったことで「ヤラセ」や「宣伝」を指摘する声も上がっている。だが、現場に同席した記者の1人は「あれはヤラセではありません。映画の途中から大島さんは涙をこらえきれず、嗚咽を漏らしながら泣いていました。あれは演技ではないです」と断言。宣伝説が浮上した理由は、その後、映画会社の関係者がマスコミ各社に「この反応が本当かどうかは映画を見て、判断してほしい」というコメントを出したからという。
とはいえ、正直に感想を述べた大島を「よく言った」と褒めることはできない。映画関係者は「大島さんクラスなら、上映会のイベントだけで100万円以上のギャラが支払われている。要するに仕事。それなのに、公然と批判するなんてプロのやることではない」と憤る。
別の関係者は、業界全体がAKB48をもてはやしている現状に苦言を呈す。
「ひと昔前なら、彼女は干されていますよ。沢尻エリカが主演映画の舞台挨拶で不機嫌な態度を取り、その後、仕事がなくなったのと同じ。しかし、今の芸能界で独り勝ち状態のAKB48、それも人気NO.1の大島さんに対しては誰も文句は言えない」
今回の騒動で判明したのは、いまだAKB48の天下が続いていることだったようだ。
「アニソン紅白」から「アニソンキング」へ――“持ち歌”にこだわる、大みそかの新イベント発表会レポ

左から富永“TOMMY”弘明、吉田仁美
12月から2月まで、「BSスカパー!」では3カ月連続で人気声優、アーティストが集結するアニソンライヴを放送する。その中継第1弾となる12月31日開催のイベント「KINGRUN Presents アニソンキング supported by スカパー!」(新宿文化センター、22時開演)の記者発表会が11月21日に都内で行われ、小野澤拓生総合プロデューサー、宮腰裕行実行委員会副委員長、合田英人同事務局長が登壇した。
「アニソンキング」は2009年に「アニソン紅白」としてスタートし、以降、毎年大みそかに開催してきたアニソンライヴイベントを改題したもの。紅白にタイトルで対抗するのではなく、王道を往きたい──との狙いから、イベントタイトルを変更したという。
新年を迎えるカウントダウンには、現代にふさわしいリブート成功作として話題沸騰の『宇宙戦艦ヤマト2199』の上映スタートにちなみ、オリジナル版『宇宙戦艦ヤマト』のささきいさおと、『宇宙戦艦ヤマト2199』の第1章エンディングを歌う結城アイラ、そして第2章のエンディングを歌う美郷あきの「ヤマト対決」を用意。
また、昨年から導入の、A(nison)ROCKと題したパート(23時30分頃予定)には、川添智久(ベース)、EARTHSHAKERの西田“MARCY”昌史、小野正利、田村直美、ECHOS/LINDBERGの小柳“CHERRY”昌法(ドラムス)、PERSONZ/fringe tritoneの本田毅(ギター)、maniac studioの大槻隆(ギター)、高山和芽(キーボード)が参加することが決まっている。同様に、いくつかのゾーン(時間帯)にテーマを分けて演出していく。
初登場アーティストは紅組8組、白組6組に及び、初年度から4回連続出場するのは松本梨香だけ。陣容にかなりのテコ入れがあったようだ。
文化放送のインターネットラジオ「超!A&G+」では、「アニソンキング」の宣伝ともなっている『アニキン~Skytree Radio』を7月7日から隔週で放送中。この楽しげなノリをそのまま持ち込もうとの理由から、同番組の司会を務める鷲崎健、砂山けーたろー、三澤紗千香、上坂すみれの4人が、そのまま「アニソンキング」の司会に決定した。
「『アニキン』に毎回アニソン歌手/アーティストを招いていたおかげで、早い時期からブッキングを始めることができるメリットがあった」とは、小野澤総合プロデューサーの弁だ。紅組キャプテンは松本梨香、白組キャプテンはきただにひろしが務める。また、演奏はすべて生バンド。A(nison)ROCKのみ、特別編成のバンドが出演することになる。
タイトルは変わっても紅白2組の勝敗を投票で決する大会方式は変わらず。昨年に引き続き審査委員長を務める田中公平などプロの審査員のほか、一般審査員もホームページ上で1票を投じることができるシステムを構築中だという。また、投票方法は考案中だが、会場のファンにも投票権があり、審査員票+インターネット投票+会場での決着となり、実際の視聴者、入場者の1票が大きく影響しそうだ。このほか、
・入場者特典として放送終了後に、出演者からのお年玉プレゼント
・入場できない未成年のために、31日昼、小学校6年生以下の児童を対象に無料ライヴ(募集定員200名を超えた場合は抽選)「アニキン mini」を開催
・公式サイトでの投票によって、今年度の神曲各部門を選出
・『アニキン~Skytree Radio』の最終回として、文化放送にてサテライト放送「A&G年越しスペシャル~儀武ゆう子の本気!アニソンキング☆ラブ」を実施
といった施策が発表された。

このあと、ゲストに吉田仁美と富永“TOMMY”弘明が登場。吉田仁美は『スマイルプリキュア!』前期エンディングテーマ「イェイ!イェイ!イェイ!」、富永“TOMMY”弘明は『ジョジョの奇妙な冒険』オープニングテーマ「ジョジョ~その血の運命(さだめ)~」(TVサイズ)をそれぞれ熱唱し、互いの健闘を誓い合った。
吉田のエンディング振り付け完全再現ぶりのキュートさ、まさしく腹の底からの発声がすばらしい富永のたくましさが全開となり、早くも火花を散らした格好だ。
コアなアニメファン受けも良好ながら、一般層への浸透度も高い『スマイルプリキュア!』『ジョジョの奇妙な冒険』のテーマ曲を担当した2人がゲストとして現れたことからも、「アニソンキング」が目指す独自のカラーが透けて見えるようだが、アーティスト選出の基準はどの辺りにあるのか。記者発表会終了後、小野澤総合プロデューサーに訊ねると、次のような答えが返ってきた。
「アニソンイベントが乱立する中で、個性を出すにはどうしたらいいかを考えたときに、幅広く支持される方たちを出したいと思いました。こたつに入りながら、『これ誰?』『これ知ってる!』と言い合えるものですね。アニソンイベントは流行の歌に偏る傾向があり、お父さんお母さんがわからない。そこで、わざと幅を広くとりました。閉鎖的にするのではなく、もっと裾野を拡げていく。一方で、J-POPは通り過ぎると忘れられやすい」
J-POPのように忘れられずに聴く者、見る者にひっかかり、かつ、アニソンとして閉じてしまわない中間の領域を目指すという方向性が、確かにできてきているようだ。
「串田アキラさんは『会場に元気づけられる』とよくおっしゃるのですが、これを逆にしないといけない。アニサマを目指しているわけではないので、今後は流行の歌以外でも、もう一回聴きたいというリクエストに応えていけるようにしたいと思っています。もうひとつ、テレビ番組でよくあるようなコラボレーションではなく、持ち歌にこだわっているのも特徴だと思います。アニソンのジャンルでの持ち歌をそれぞれのアーティストが歌うから、EARTHSHAKERの西田“MARCY”昌史さんも田村直美さんも、喜んで出ると言ってくれました」
過去3年の試行錯誤から、「アニソンキング」はどうやら独自の境地を見極めつつあるようだ。この日の楽屋ではスクワットで備えるなどして、吉田と富永の間にいい意味の緊張感が漂っていたという。パフォーマンスの精度を高めて、本番の日を迎えてもらいたいものだ。
(取材・文・写真=後藤勝)
◆「アニソンキング」「アニソンキングmini」の入場方法やランキング投票などはこちらから
<http://anisonking.jp>/
遺体にエステや整形手術まで……過激化する中国の納棺サービス

尖閣諸島問題に端を発した反日感情の悪化により、日本製品の不買運動も展開された中国で、「日本に見習え」との声が高まっている業種があるという。それは、葬儀ビジネスだ。
11月20日、武漢市で行われた葬儀業界の展示会には、納棺前の遺体にエステのようなサービスを施す「遺体SPA」なるものの実演が登場し、話題を呼んだ。
実演では、まず数人の“エステティシャン”が遺体を優しく洗浄。このときに使用されるシャンプーや石鹸は、体に優しい無添加なのだとか……。さらに、生前のコリをほぐすかのように、全身をマッサージ。そして仕上げに、手足のネイルケアも行われる。気になるお値段は1000元(約1万3000円)からと、通常のSPAと同程度だ。
遺体に対して行うにはやや過剰ともいえるこのサービスだが、葬儀社によると、約3カ月前にこの遺体SPAをスタートさせて以来、すでに30件ほどの依頼があったという。
遺体SPAのヒットについて、広東省ブロック紙の社会部記者は、こう話す。
「もともと移動しながら生活をする騎馬民族だった中国人は、遺体に対して無頓着。しかし日本映画の『おくりびと』は中国でも大ヒットし、日本人の死者に対する姿勢に衝撃を受けた中国人は少なくなく、自分や親の死においても質の高いサービスを受けたいという需要が高まっている。ときに高齢化社会に向かう中国では、葬儀業界は今後、大きな成長可能性を秘めているといわれており、過剰なサービスが次々生まれている。遺体の顔を美容整形するというサービスすらあるほどです」
死に際し、こうしたサービスを受けられるのはもちろん一部の富裕層のみ。一方では、病院が引き取り手のない遺体をゴミとして投棄するという事件も各地で起きている。中国のスーパー格差社会は、死後も続くのだ。
(文=牧野源)
ハリウッドの頑固オヤジが辿り着いた好々爺の境地! イーストウッド、4年ぶりの主演作『人生の特等席』

球団から引退を勧告されたガス(クリント・イーストウッド)にとって
最後のスカウト旅行。ひとり娘のミッキー(エイミー・アダムス)が同行する。
御年82歳となるクリント・イーストウッドの最新主演作『人生の特等席』を観ると、クリント・イーストウッド監督作がどれだけ凄いかということを改めて思い知らされる。ハリウッドで長年にわたって、決して死なないマッチョヒーローを演じ続けてきたイーストウッドだが、“俳優引退作”と銘打った『グラン・トリノ』(08)で壮絶な幕引きを済ませた。監督兼俳優として、やるべきことはやり尽くした。だが、それでも人生は続く。主演と監督の2役を兼ねるハードな役割からは降りたものの、徹底した健康管理のお陰で体はまだまだ元気。イーストウッドの個人スタジオ「マルパソ」でずっと裏方として支えてきてくれたロバート・ロレンツが監督デビューするのに丁度いい脚本があるから、ここはひと肌脱ごうじゃないか。かくしてイーストウッドが唯一の弟子として認めているロバート・ロレンツの監督デビュー作『人生の特等席』が製作された。人生のゴールが見えてきた老スカウトマンが次世代のメジャーリーガーを発掘するため、疎遠になっていた娘を伴って旅をする。万人が「いいね」とうなずきたくなる感動的な企画となっている。

有能な弁護士として働くミッキーだが、幼い頃
に親戚に預けられたことを恨んでいた。
我が道をゆく父親へミッキーの怒りが爆発する。
アトランタでひとり暮らしを続けるガス(クリント・イーストウッド)は、メジャーリーグのベテランスカウトマン。有望新人を次々と発掘してきただけでなく、自分がスカウトした選手がスランプに陥ると相談に乗り、怪我で実力が発揮できないまま引退した選手のことも思い遣る人情派だ。球団の若い幹部はコンピュータを使ったデータ分析に余念がないが、ガスは常に現場に足を運ぶことでドラフト候補となっている若者がプロの水に合うかどうかを見極めている。頑固ひと筋で通してきたガスだが、さすがに寄せる年齢の波は押し返せない。最近はオシッコの切れが悪いだけでなく、視力に支障が出てきた。周囲には隠しているが、古い付き合いの球団職員のピート(ジョン・グッドマン)はガスの体調が思わしくないことを察知している。ピートはガスのひとり娘・ミッキー(エイミー・アダムス)に連絡し、ガスの様子を見てほしいと頼む。母親を幼い頃に亡くしたミッキーにとって、ガスは唯一の肉親。弁護士として超多忙な毎日を過ごしていたが、視力の衰えた父親を放っておくわけにもいかない。携帯電話とノートパソコンを抱えて、ガスの車の運転手を務めることに。ドラフト会議までもうすぐ。深まりゆく秋のノース・カロライナの地方球場を、ガスとミッキー親子はぎくしゃくしながらも巡っていく。
枯れた男の味わいを見せるイーストウッド主演のロードムービーということで、決してハズれのない内容であることが予測できる。旅の相方を務めるのは、『ザ・ファイター』(10)での助演ぶりが印象的だったエイミー・アダムス。『ミリオンダラー・ベイビー』(04)のヒラリー・スワンク、『チェンジリング』(08)のアンジェリーナ・ジョリーと同じく、骨太タイプな女性だ。自分が決めたルールにこだわり続ける頑固オヤジと、仕事と結婚のどちらを優先するのかの選択を迫られる年齢に差し掛かった30代の娘とのドライブ旅行。旅を続ける中で、お互いの胸の奥に隠していた心情をぶつけ合い、親子のつながりを確かめ合う。地方のひなびた野球場、ホットドッグにビール、生バンドの演奏付き酒場、自然豊かな田舎のロケーション……。タイムスリップしたかのような、古き善き時代の米国の光景がスクリーンに広がる。選手たちが引き揚げていったグランドで、ガスとミッキーが数十年ぶりに2人きりでゲームに興じるシーンは文句なしに美しい。『フィールド・オブ・ドリームス』(90)のように野球が親子の溝を埋めてくれる。

ライバル球団のスカウトマンであるジョニー(ジャスティン・ティンバーレイク)。
かつてはガスがスカウトした有望選手だった。
しかし、イーストウッドの熱烈なファンは、少なからず不満を感じるかもしれない。イーストウッド主演の、いかにもイーストウッド作品らしいオールドアメリカンな風景が広がる。だが、そこには何かが足りない。ここでようやく、本作はイーストウッド主演作ではあるが、イーストウッド監督作ではないことを思い出す。幾つかのイーストウッド監督作を振り返るだけでも、何が足りないかは一目瞭然だ。『ミリオンダラー・ベイビー』の女性ボクサーにはリング上での栄光と引き換えに大きな代償を与えた。『硫黄島からの手紙』(06)では孤島での玉砕を命じられた日本兵たちの追い詰められた狂気を描いた。『J・エドガー』(11)に至ってはFBI初代長官に扮したディカプリオが存分に変態ぶりを発揮した。イーストウッド監督作の中では安直な駄作とされるバディアクションもの『ルーキー』(90)でさえ、イーストウッド演じる主人公の刑事が窃盗団の情婦(ソニア・ブラガ)に逆レイプされるというアブノーマルなシーンが盛り込んである。イーストウッドが主演を兼ねていると彼の颯爽としたかっこよさに目を奪われがちだったが、イーストウッド監督作のコア部分を形成しているのは猛烈なる“毒素”だったことが分かる。
ハリウッドきっての大物スターとして威厳と貫禄を漂わせるイーストウッドだが、私生活では必ずしも聖人君子で通してきたわけではない。『マンハッタン無宿』(68)『ダーティハリー』(71)でイーストウッドをスターに育て上げた“師匠”ドン・シーゲル監督とは『アルカトラズからの脱出』(79)以降、距離を置くようになってしまった。『ガントレット』(77)『ダーティファイター』(78)などで共演した女優ソンドラ・ロックとの“大人の関係”は泥沼裁判となり、イーストウッドを怒らせた女としてソンドラ・ロックは表舞台から消え去ることになった。『アルカトラズからの脱出』でイーストウッドに気に入られた脚本家のリチャード・タッグルは『タイトロープ』(84)の監督に抜擢されるが、撮影初日にまごついた仕草を見せたためにメガホンをイーストウッドに取り上げられてしまう。イーストウッドは離れた場所から眺めると眩しく輝く大スターなのだが、不用意に近づくと彼が体内に溜め込んだ猛毒を浴びるはめに陥る。イーストウッドは自分の中に抱え込んだ毒素をうまくコントロールすることで、神懸かり的な映画監督になりえた。聖人君子ではなく、あくまでも生身の表現者なのだ。
黒澤明監督に28年間師事した小泉堯史監督のデビュー作『雨あがる』(00)を観たときに、悪い映画ではないけれどアクのない精進料理みたいだなと感じた。『マディソン郡の橋』(95)で助監督に就いて以降、イーストウッド作品の製作スタッフを務めてきたロバート・ロレンツ監督のデビュー作となった本作にも同じものを感じる。映画監督としてのノウハウ的なことは現場を共にすることで盗むことができるが、イーストウッドが内面に抱え込んだ毒素まではロレンツ監督は受け継いでいないし、それは受け継ぐべきものではないだろう。ひどく遠回りになってしまったが、それゆえに『人生の特等席』は安心して観ることができる。表現者としての毒をほぼ出し切ったらしく、好々爺然としたイーストウッドが屈託なく笑う姿にホッとさせられる。それと同時に、イーストウッド監督は今のハリウッドにおいて非常に特殊な映像作家であることも再認識させてくれるのだ。
(文=長野辰次)
『人生の特等席』
製作/クリント・イーストウッド 監督/ロバート・ロレンツ 出演/クリント・イーストウッド、エイミー・アダムス、ジャスティン・ティンバーレイク、ジョン・グッドマン 配給/ワーナー・ブラザース映画
11月23日(金)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー公開
(c)2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
<http://wwws.warnerbros.co.jp/troublewiththecurve>
●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX
[第197回]この“明るいヘンタイ”っぷりがいいんじゃない!? 会田誠のアートなエロス『駄作の中にだけ俺がいる』
[第196回]三池監督ならではの“いのちの授業”が始まる! サイコパス教師と過ごす恐怖の文化祭『悪の教典』
[第195回]“絶対的価値”を求める男たちの翔んでもロマン! 井筒監督の犯罪サスペンス『黄金を抱いて翔べ』
[第194回]禁断の蜜が溢れるSM世界『私の奴隷になりなさい』セクシーアイコン・壇蜜がすべてをさらけ出した!
[第193回]“無意識の湖”に身を投じたユングと女性患者の行方──クローネンバーグの恋愛サスペンス『危険なメソッド』
[第192回]“お蔵入り映画”が人命救助を果たした!? 実話をベースにした大冒険ロマン『アルゴ』
[第191回]我が家に“食人族”がやって来た! 奇才ジャック・ケッチャムの異形世界『ザ・ウーマン』
[第190回] 裏切り&結託は当たり前。今の政界にそっくり! 極道たちのバトルロワイアル『アウトレイジ ビヨンド』
[第189回] これが全米を熱狂させた“USA版バトル・ロワイアル”! 殺人リアリティーショー『ハンガー・ゲーム』
[第188回]行き詰まった人生の扉を開く鍵は“銭湯”にあり? 内田けんじ監督のオリジナル作『鍵泥棒のメソッド』
[第187回]大家族の伝統料理から超手抜きレシピまで勢ぞろい! 台所から見えてくる中東の家庭事情『イラン式料理本』
[第186回]“世界的な絶滅危惧種”である独裁者に愛の手を!? 政治ネタ&下ネタ満載コメディ『ディクテーター』
[第185回]障害者の性処理も介護の重圧も、すべて笑い飛ばせ! 男たちのバリアフリーな友情ドラマ『最強のふたり』
[第184回]人類を生み出した“創造主”との遭遇!! リドリー・スコットが物語るSF神話『プロメテウス』
[第183回]“校内格差社会”に出現した異分子(ゾンビ)たち! 青春のカタルシス『桐島、部活やめるってよ』
[第182回]カメラマンは法を犯してもかまわない!? 国家の暗部を暴く男の情念『ニッポンの噓』
[第181回]“学校”という名の密室ではびこる児童虐待の事実! 子どもたちは教師を訴える『トガニ 幼き瞳の告発』
[第180回]“神様”との出会いと別れ、そして旅からの帰還 ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』
[第179回]親友=お金を貸してくれる、女友達=SEXさせてくれる!? 品性お下劣男の青春『苦役列車』
[第178回]“沢尻エリカ”という名のアトラクションムービー『ヘルタースケルター』が描く無常の世界
[第177回]毒カレー、オウム真理教、光市母子殺害……“悪魔の弁護人”と呼ばれる男の素顔『死刑弁護人』
[第176回]“芸能生活30周年”ニコラス・ケイジの会心作! 被災地に流布する暗号『ハングリー・ラビット』
[第175回]やめろと言われても、今では遅すぎたッ! 妻夫木聡&武井咲主演の過剰なる純愛劇『愛と誠』
[第174回]年間自殺者数3万人を越える現代社会への提言 自殺対策の現状を追った『希望のシグナル』
[第173回]“三島割腹事件”を若松孝二監督が映画化!『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』
[第172回]実在の事件を題材にした“命の授業”『先生を流産させる会』がついに劇場公開!
[第171回]自由社会に順応できない“脱北者”の過酷な現状 無垢なる季節との決別『ムサン日記 白い犬』
[第170回] 世界興収100億突破のSF大作『ロボット』はあらゆる既成概念を破壊する!!
[第169回]“エンタの神さま”ツイ・ハークが大復活! B級映画マニアの心を焦がす『王朝の陰謀』
[第168回]人はお下劣な分だけ、強く優しくなれる!? 結婚を控えた女たちの本音『ブライズメイズ』
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[第165回]すばらしき“コーマン野郎”の世界!『コーマン帝国』、愛と欲望の歴史
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[第65回]超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』"家族"という名の地獄から脱出せよ
[第64回]乱れ咲く"悪の華"ゼブラクイーン! 仲里依紗が過激変身『ゼブラーマン2』
[第63回] オタク王が見出した"夢と現実"の接点 ティム・バートン監督作『アリス──』
[第62回] バッドテイストな感動作『第9地区』 アナタはエビ人間とお友達になれるか?
[第61回]スコセッシ監督の犯罪アトラクション『シャッターアイランド』へようこそ!
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[第59回]"おっぱいアート"は世界を救えるか? 母乳戦士の記録『桃色のジャンヌ・ダルク』
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[第53回]社会の"生け贄"に選ばれた男の逃亡劇 堺雅人主演『ゴールデンスランバー』
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[第49回]トニー・ジャーは本気なんジャー! CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』
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[第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』
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[第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』
[第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは?
[第42回]誰もが共感、あるあるコメディー! 2ちゃんねる発『ブラック会社』
[第41回]タラとブラピが組むと、こーなった!! 戦争奇談『イングロリアス・バスターズ』
[第40回]"涅槃の境地"のラストシーンに唖然! 引退を賭けた角川春樹監督『笑う警官』
[第39回]伝説の男・松田優作は今も生きている 20回忌ドキュメント『SOUL RED』
[第38回]海より深い"ドメスティック・ラブ"ポン・ジュノ監督『母なる証明』
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[第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』
[第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』
[第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』
[第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』
[第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ
[第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々
[第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は......
[第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった
[第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学
死亡事故起こした現役プロレスラー 精神疾患による生活保護受給を賠償金逃れの根拠に……?

『NHKスペシャル 生活保護3兆円の衝撃』
(宝島社)
厚生労働省の発表によると、生活保護の受給者は今年8月の時点で213万1,011人となり、過去最多を更新した。受給世帯数は155万5,003世帯で、受給額は総額3.7兆円(2012年度予算)に達しており、いくら不況とはいえ支給のハードルが低い疑いも拭えない。
今年5月には、吉本興業のお笑い芸人、河本準一、梶原雄太の親族が受給していることが発覚。受給に至るプロセスは合法的であるものの、身近に付き合いのある裕福な親族がいるにもかかわらず支給されていたことに、多くの抗議があった。実際、6月にある大学の研究チームが都内で400名の通行人に行ったアンケート調査では、こういった支給が妥当か否かの質問に約86%が「支給すべきではない」と答えた。いまや「行政が判断したからOK」では済まされないレベルになっている。
中には現役プロレスラーでも生活保護を受給している者もいる。5月、大仁田厚と初代タイガーマスクが戦った都内での興行に出場していたプロレスラー、菅原伊織(34)も受給を明かした。
よほどのプロレスマニアでもなければ聞いたことがない無名選手の菅原だが、格闘家としても活動し、3月には総合格闘技「STRIKER」にも出場(8秒でKO負け)、その姿だけを見ればとても就業できない人物とは思えない。
生活保護受給が判明したのは、意外にも法廷の場だった。菅原は08年10月、同じチームに所属する自称プロレスラーの笠原寧と、受け身の練習も未経験のままデビューした素人同然の後輩に練習中、ダブルインパクトなる過激な技をかけて死亡させる事故を起こしている。翌年、遺族から業務上過失致死容疑で刑事告訴を受けたが、これは不起訴。続いて損害賠償を求めた民事裁判が始まった中で、菅原側の弁護士が生活保護受給を明かした。
この件を長く取材している記者によると「菅原は遺族に手紙を書いていて、働けなくなった理由を“事故によってネットなどで非難を受けたことで、もともと患っていた精神疾患が悪化し、ケースワーカーのアドバイスを受け、生活保護を受けた”としている」という。
遺族が億単位の賠償を求めた裁判では、菅原側が月2,000円、20年間支払う和解案を出しているというが、驚くほど低い金額の提示は生活保護の受給者であることが根拠となった形だ。これには遺族のひとりも「プロレスや格闘技の試合に出られるのに、働けないなんて矛盾している。まさか、事故が生活保護の受給理由に利用されるとは思わなかった」と絶句している。
これについて、厚生労働省が管轄する福祉事務所に問い合わせると「精神疾患の場合、スポーツが改善に役立つ場合もある」としたが、菅原の出場している団体がいずれも客から入場料を取っているプロ団体であることを伝えると「それはちょっと……」と言葉を濁してしまった。
また、元医師の安部寛氏は「今回のケースがどうかは分からないが、医療業界が金儲けでやたらうつ病など精神疾患を認定することで、それを理由に就業の努力をしない人が増え、生活保護はその逃げ場になっている傾向はある。最近は交通事故の加害者が次々に“精神を病んだ”といって福祉事務所に駆け込むようになっている。ますます受給者は増えていく一方」としている。
なお今回、菅原にも取材を申し入れたが、「外出先なのでコメントできない」と断られた。
「宮崎あおい効果にあやかりたい!」“二匹目のドジョウ”を狙うファッションブランドのCM戦略

「earth music&ecology」ブランドページより
「Né-net」「Ropé Picnic」「niko and...」……これらの名前を聞いて、すぐピンときた人もいるだろう。いずれも、今秋にテレビCMが流れているファッションブランドだ。
「Né-net(ネネット)」CMに出演しているのは、2013年4月からのNHK朝ドラ『あまちゃん』主演が決定している能年玲奈。
また、ジュンが手がける女性ファッションブランド「Ropé Picnic(ロペピクニック)」では、初のテレビCMを9月24日にスタート。同社では1999年以来13年ぶりとなるテレビCMで、多部未華子が出演している。
さらに、ライフスタイルを提案するトリニティアーツが展開するブランド「niko and...(ニコアンド)」も、CMキャラクターに広末涼子を迎え、ブランド初となるCMを9月13日から放送している。
そのほかに、数年前からは、「earth music&ecology(アースミュージック&エコロジー)」CMに宮崎あおいが出演しているし、このところファッションブランドのテレビCMが、やけに元気だ。
これってなぜ? ある週刊誌記者は言う。
「やはり『アース~』のCM効果が、きっかけとしてあると思います。『アース~』は岡山に本社を持つクロスカンパニーが展開するブランドですが、かつては高額輸入品のセレクトショップで、創業数年で社員の大量退職の危機が訪れたことを機に、低価格のヤングカジュアルブランドに方向転換しました。宮崎あおいさんのCM効果は抜群で、2010年には『宮崎あおい ブルーハーツ』という検索から同社HPにたどり着く人が急増し、彼女がCMで着用したワンピースへの問い合わせも殺到。ここ数年で売り上げを急激に伸ばしているそうです」
また、アパレル関係者も次のように語る。
「インターネットの普及で、どの会社もメディア媒体に予算をかけて力を入れています。百貨店は年々若い来店客数が減ってきているし、実際インターネットで見てから来る人が多いんですよ。TwitterやFacebookと連動させたり、ZOZOTOWNやオンラインショッピングを利用する人も増えています。どのブランドも昔よりはるかにHPが充実していてセンスがいいですし、今流行の検索ワードを気にしています。CMを見て気になって、ネットで検索する人は非常に多いので、入り口のひとつとしては大きな効果なんだと思います」
ちなみに、昔はなかった外資の化粧品も、今はテレビCMをしている。それも同じ理由だと同アパレル関係者は語る。
「CHANELやエスティ ローダーは、テレビCMを打ったことで反響が非常に大きかったと聞きます。雑誌などでもタイアップじゃない限り、イメージ写真では商品がよくわからないですが、CMにすることで、動画だから香りなどを想像しやすいということがあるようです」
加えて、同業他社が一気にCMを流すことで、反響がより大きくなる「流行」もあると言う。
確かに、単独CMよりも、複数のファッションブランドCMが流れていると、気になる人も多いだろう。
テレビを見る人が少なくなっていると言われる昨今ではあるが、インターネットで検索してもらうためにも、まずは不特定多数が受動的・自動的に見るテレビCMの、「入り口」としての効果は大きいようだ。
「『PRICELESS』もクール1位は絶望的?」キムタクドラマ“敗北”の歴史を振り返る

『PRICELESS』HP
現在放送中の木村拓哉主演ドラマ『PRICELESS~あるわけねえだろ、んなもん~』(フジテレビ系)。
11月19日放送分の第5話までの平均視聴率は17.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。総じて高視聴率が取れず、ゴールデンでも1ケタを記録するドラマがゴロゴロ存在する近年からすれば、十分高視聴率、さすがキムタクといったところではある。しかし、米倉涼子主演の『ドクターX』(テレビ朝日系)の4話までの平均視聴率が17.7%と、今のところ『PRICELESS』を上回り、今クールトップとなっている。
キムタクのドラマといえば、常に高視聴率で、クール視聴率1位が当たり前のようなイメージがあるのだが、実は2010年の『月の恋人~Moon Lovers~』(フジテレビ系/平均16.8%)、昨年の『南極大陸』(TBS系/平均18.0%)と、クール2位に甘んじ、このままの推移でいくと、3作連続で主演ドラマの視聴率のクールトップを逃すという可能性も出てきた(『月の~』のクールのときは『臨場—続章』、『南極~』のときは『家政婦のミタ』が、それぞれクールトップ作品)。
2位で苦戦というのも気の毒だが、これまでにもキムタクドラマに視聴率で勝利した連続ドラマは、どのぐらいあるのだろうか。調べてみた。
まず、個人での本格的な主演ドラマとなった、1996年の『ロングバケーション』(フジテレビ系)。平均視聴率29.6%で、2位の『Age,35』(同)と3位『透明人間』(日本テレビ系)を大きく引き離している(この2本も、かなり高いのだが)。
翌年の『ギフト』(フジテレビ系)は平均18.2%。同時期に放送されていた、同じSMAPメンバーの草なぎ剛主演の『いいひと。』(同)が、平均20.4%を記録。キムタク、いきなり草なぎに負けていたのか。
しかし、その後は安定の木村さん、『ラブジェネレーション』(97年/フジテレビ系)30.8%、『眠れる森』(98年/同)25.2%、『ビューティフルライフ』(00年/TBS系)32.3%、『HERO』(01年/フジテレビ系)34.3%と、平均で30%を超えるという無敵ぶりを見せつけてくれる。その後ずっとキムタクドラマが常にトップという時代が続くのだが、次にトップを逃してしまったのは、08年の『CHANGE』(同)のときだった。平均22.1%なのだが、『ごくせん』(日本テレビ系)の第3シリーズが22.8%を記録して上回っていたのである(最高視聴率)。もちろん主演は仲間由紀恵だが、生徒役メインがHey! Say! JUMPの高木雄也ということだけ取ってみれば、Hey! Say! JUMP大金星という感じで少し面白い。
そんなわけで、『ロンバケ』以降のキムタク主演ドラマ15本中、首位になれなかったのは今のところ4本。そして首位ではなくとも3位になったことはなく、やっぱりスゴいという気がするが、首位を逃しているのが近年の作品に集中しているのが少し気になる。
『PRICELESS』も中盤に差しかかり、無一文状態になったキムタクが、これから奇跡を巻き起こす展開になりそう。視聴率をめぐるドラマも、巻き返しての首位奪還、見られるだろうか。