「キターッ!」ゲイタウン“不動産王”発覚の織田裕二 もう言い逃れできない!?

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「週刊文春」11月29日号 中吊り広告より
グランプリ 「織田裕二は『ゲイの街』8億円の不動産王だった!」(「週刊文春」11月29日号) 第2位 「国政にかまけて大阪市を疎かにした『橋下市長』の大罪」(「週刊新潮」11月29日号) 第3位 「『独立国家』を作った男・坂口恭平」(「週刊現代」12月8日号)  選挙戦突入直前、第三極の離合集散が目まぐるしい。各誌の議席予測を見てみよう。  文春は、久保田正志・政治広報システム研究所代表に予測をさせている。それによると、民主党86、自民党244、国民の生活が第一が16、みんなの党が21、維新が64と読んでいる。  週刊現代は「『橋下―石原維新』がこの選挙区でこんなに勝つ」の中で、前回選挙で自民党が獲得した119議席と同じぐらいの議席を得る可能性があると読んでいる。  週刊朝日は、政治評論家の森田実と田崎史郎に予測させている。森田は民主党93、自民党247、国民の生活が第一が19、みんなの党が23、維新が52。田崎は民主党110、自民党220、国民の生活が第一が10、みんなの党が30、維新が50である。  憲法改正、自衛隊を国防軍に名称変更など放言の目立つ安倍晋三自民党総裁のおかげで、野田民主党が当初よりも議席数を伸ばすのではないか。  維新は、橋下徹大阪市長がテレビに出て威勢のいいことをぶちあげてはいるが、石原代表の核兵器のシミュレーションをやるべきだなどという仰天発言で、ウルトラ右翼政党という顔が前面に出てきて、このままいけば人気は下降線をたどるに違いない。  維新は50議席前後というのが、私の周りにいる政治記者たちの感触である。  さて、今週の第3位は、一部では有名な人らしいが、政府に期待できないからと「独立国家」を熊本に作ってしまった坂口恭平(34)という痛快な男の話である。  建国のきっかけは原発事故。危険があるのに正確な情報を教えない、国民を守らない政府を見て、これは政府ではないと思い、生存権に特化した国と政府を作ってしまったのだ。 彼が目指したのは、土地と住宅からの解放。早稲田大学時代、建築学科に籍を置き、路上生活者たちの調査をした。彼らの中にはホームレスではなく、合法的に家を持っている人間がいた。調べてみると、係争の結果、誰も所有していない土地というのが都内にはいくつかあり、銀座にもあるということがわかった。それに、彼らにとって、段ボールハウスは寝室に過ぎないのだ。  図書館が本棚、公園は水場、スーパーは冷蔵庫。都市空間のすべてを自分の家と捉える発想があったことに気づいたという。そこから生み出したのがモバイルハウス。ベニヤ板だけで作った3畳間だけの小さな家だ。  モバイルハウスはリヤカーの車輪がついているのがミソで、これだけのことで車両扱いになる。建築基準法上の「家」ではないから、固定資産税はかからないし、建てるのに免許もいらない。 「実は僕も建築士の免許をもっているわけじゃない。これは『住む人自身が建ててみようよ』という提案なんです。モバイルハウスを売るのが目的じゃないので、図面もダダで配っています」  これなら材料費2~3万円だけで家が持てる。自分の生活はゼロから作れるんじゃないかと思い始めた。  昨年3月、坂口は東京を離れて故郷の熊本に戻った。福島第一原発事故で飛散した放射性物質を避けてのことだ。国民を守ろうとしない日本政府に愛想を尽かし、5月に新政府を樹立した。 「原発事故への対応を見て腸が煮えたぎったけど、不満は以前からあった。月給18万円の人がワンルームに住んで8万円も家賃を払うなんて異常。金のないやつは住む場所がなくてもいい、って話でしょう。もはや政府ではないと思った。だから、日本は無政府状態なんです。でも政府がないのはまずいから、自分が国を建てて、その国の内閣総理大臣になるしかないと」(坂口)  新政府は生存権を守るべく放射性物質からの避難を呼びかけ、0円で泊まれる避難場所を用意する。その中心がモバイルハウスだ。 使われていない土地を無償で借りてモバイルハウスを並べる。初期投資に2~3万円はかかるが、家賃はゼロ。井戸水を使い、自家発電を行えば、水道光熱費もゼロだ。  そこへ、構想に興味を持った熊本県知事直属の政策参与(現副知事)・小野泰輔が坂口を訪れる。新政府初の「外交」である。坂口はこう話す。 「モンテビデオ条約という国家の義務と権利について定めた条約があって、国家の条件は、国民、政府、領土、外交のできる能力の4つ、とある。僕はこれを本気で満たしてみようと思った」  坂口はTwitterのフォロワーを新政府の国民と定義していて、現時点で3万2,000人超、この半年で倍増したそうだ。  政府は作った。次に行ったのは、組閣。まず親交のある文化人類学者の中沢新一氏に電話し、文部大臣に任命。その後も、映画監督の鎌仲ひとみ氏を厚生労働大臣にした。近々、東京ミッドタウンにあるフリースペースの使用権を譲り受けて国会議事堂にするという。  坂口は、「ルールを破るのではなく視点をズラす」のだという。妻と4歳の子どもを持つ。収入は原稿料と、ドローイング(絵)の販売、それにカンパ。  面白い発想をする若者が出てきたものだ。  第2位は新潮の橋下大阪市長批判の記事。国政を目指すのはいいが、お膝元である大阪市が危うくなっているというのである。 「国政政党の代表が国会議員である必要はないと思っている」  そう強がってみせる橋下市長だが、その大阪で“二足のわらじ”を心配する市議は少なくないそうである。その上、選挙を前にして大阪市政は目に見えて滞り始めていると、中堅の市議はこう語っている。 「10月に開かれた“民生委員児童委員大会”は歴代市長が必ず出るのですが、橋下さんは政党回りを理由に欠席。また、大阪都構想を進める法定協議会の年内設置の見送りも早々に決めてしまったそうです。さらに改革の目玉にしていたバスの赤字路線の再編も来春に間に合わない。これでは、市政を後回しにしていると見られても仕方ありません」  橋下市長は、自分が忙しくなるのを見越してか府市統合本部に元官僚の古賀茂明や高橋洋一などのブレーン50人以上を送り込み、6月には自分の手足となる24人の区長を公募で選出したが、ベテラン市政担当記者によると、 「市長は市民のイベントなどにせっせと顔を出したりするものですが、橋下さんは端からそんな気はない。あの人は“仕組み”を変えるために市長になったのであって、本人の代わりを公募区長にやらせようと考えているのです」  市長の分身であるから、その力は強大だし、公募区長は副市長に次ぐ権限と予算を与えられている。給与も一般職職員の中で最高ランクの年収1400万円(市職員からの異動は1200万円)にもなるそうだ。  昨年12月に募集が始まると1,461人もの応募者が集まった。  最後は橋下市長や中田宏前横浜市長らが面接して選んだのが24人の新区長だが、彼らの評判がよくないと新潮は追及する。  城東の細井敦子区長(51)は、黒のピチッとしたミニスカートに濃い化粧、エルメスのバッグを提げて登庁するから、ついた渾名が「お水系」。  淀川の榊正文区長(44)は、笑福亭鶴瓶師匠に淀川の宣伝に一役買ってくれと頼み、自分は大阪でも淀川の人間でもないと断られたら、「偉そうにして。わしは淀川区長やど」と息巻いた。  都島の田畑龍生区長(37)は、区長公募で提出した論文に、東淀川区の同和地区を特定し、そこが原因で暗いイメージがあるかのような一文を書き、それが大阪市のホームページに載ってしまったのである。当然ながら部落解放同盟が見つけて、田端区長らを問い詰めている。  また浪速の玉置賢司区長(45)はTwitterに「近頃の日本は右翼があかん。政治家を殺したりせえへんようになった」「菅直人は殴らなあかん」と書き込んだことが明らかになった。  政治アナリストの伊藤惇夫は、橋下の動きを見ていると、今までやってきたことは国政に出るためのアリバイづくりではなかったのかと疑問を呈し、こう続ける。 「公募で決めた区長の評判がボロボロなのも、公募そのものが自分の名前を売るためのパフォーマンスだったからですよ」  衆議院選に出てくる維新の候補者は、大丈夫なのだろうか?  今週のグランプリは、織田裕二のゲイ疑惑(?)記事。  織田がゲイではないかというウワサは、以前からあったらしい。それは、彼がプライベートをまったく明かさないところからきているようだ。織田をよく知る映画関係者がこう話す。 「織田は私生活は親しい友人にも明かさないし、普段どんな暮らしをしているかもしゃべらない。本人も『ベタベタした人間関係は好きじゃない、馴れ合いはイヤだ』とはっきり言っていて、『共演者から住所を聞かれたんだけど、飲みに誘われたりするのを避けたいから、わざと嘘の住所を教えていた』と漏らしていました。かたくなで、他人を寄せつけないバリアはすさまじい」  文春は織田についてこう書いている。 「織田裕二、四十四歳。言わずと知れた、当代を代表する人気俳優である。『踊る大捜査線』シリーズの主演を務め、二○○三年公開の映画第二作目では日本映画歴代一位(アニメを除く)、百七十四億円の興行収入を叩き出している。今年九月に公開された『踊る大捜査線』のファイナル作も興行収入四十三億円を突破した。  一方、私生活は厚いベールに覆われており、親しく付き合っている芸能人も極めて限られている。二○一○年八月にモデルで美容研究家の野田舞衣子さんと電撃結婚しているが、その結婚生活もまったく見えてこない」  そんなプライベートを徹底して見せない織田が、はるか遠いアメリカ西海岸サンフランシスコの地にしばしば出没しているというのである。しかも、ここは有名なゲイタウンだというのだから、興味をそそられるではないか。  もう少し文春を引用してみよう。 「ゲイタウンというと、いわゆる『ゲイ・バー』のような店が並んでいる日本の新宿二丁目のようなイメージを持つかもしれないが、カストロストリートは、どちらかというと恵比寿や表参道のようなおしゃれな街にゲイ用のグッズショップなどが混在している。(中略)小誌記者が取材で訪れた際には、そのたもとの広場には、なんと、一糸まとわぬ全裸の男たちがたむろしていた。思わず目を疑ったが、この街では誰も驚かないし、眉をひそめる人もいない。日光浴なのか、一種のアピールなのか、定かではないが、ゲイの彼らは全裸にスニーカーという身なりで、新聞を読んだり、お茶を飲んだり、談笑したりして、“普段の生活”を楽しんでいるようだった。 『本来ならば、公然わいせつで警察が取り締まるのかもしれないけれど、そういうのはないですね。ここは開放的で自由。全裸のゲイは普通に見かける光景です。野放し状態だという批判もあるけれど、サンフランシスコはゲイのパワーが強いから、ある意味、権利として守られています』(カストロストリートの飲食店スタッフ)」  こうしたサンフランシスコに織田はたびたび現れ、スーパーマーケットで買い物をしたり、カフェで白人男性とお茶をしている姿が目撃されているという。  野田舞衣子との結婚も『踊る大捜査線』でタッグを組んだ仲間を含め、織田に近い関係者でさえ知らず、報道を見てみんな仰天したという。 「織田はお気に入りのサンフランシスコを自身の主演ドラマ『外交官・黒田康作』ロケ地にプッシュし、結婚発表後の一○年十月に現地で撮影をしたのです。共演の柴咲コウや香川照之らがダウンタウンにあるヒルトンホテルで撮影クルーと一緒に宿泊していたのに、織田だけは市内のどこか別の場所に泊まっていました。早朝集合場所に現れ合流し、ロケが終わるとなぜか別行動をとっていたのです」(現地のスタッフ)  そんな織田が足繁く通うサンフランシスコに何があるのだろう?  文春が現地で取材してみると、なんと織田は4棟もの高級アパートメントをそこに所有しているというのである。登記情報などによると、1997年10月から2008年にかけて購入していて、当時の為替レートで計算すると、総額8億1,950万円が投じられていると書いている。  そのいずれもが建築されてから100年も経っている年代物ばかりだから、不動産投機目的ではなく、相当なこだわりをもって織田が購入したことがわかる。地元不動産業者は、こうした物件はゲイの人たちが好みそうなものだと語っている。  入居している人間たちは一様に口を噤み、織田と共同で会社を設立している人間もノーコメントだ。  高倉健も撮影が終わると海外に出てしまう。日本より自由があるという理由だが、それだけではあるまいと憶測する人間も多くいる。  文春は織田がゲイ志向だと言っているわけではないが、人気者の気になる情報である。 (文=元木昌彦) 「週刊誌スクープ大賞」の過去記事はこちらから

“耳フェチ”には堪えられない青春官能ムービー!『耳をかく女』桜木梨奈の無印演技に癒やされたい

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“耳にこだわった映画”というオファーを受けて
堀内博志監督が撮った『耳をかく女』。耳かきの心地よさに思わず吐息が漏れる。
 映画にはさまざまなフェチズムが溢れている。その中でも忘れられないのが高倉健主演の『夜叉』(85)だ。ヤクザ稼業から足を洗った健さんは北陸の漁村で良き夫・良き父親として平穏に暮らしていたが、ふとしたことから飲み屋のママである田中裕子とホテルでひと晩を過ごす。田中裕子を抱きかかえた健さんはおもむろに彼女の耳たぶを甘噛みし、そのとき健さんはニヤッと笑う。「どうせ、お前も好きなんだろう?」と健さんに自分の性癖を見破られたような気がして、観ていてドキッとした。そんな耳フェチなら見逃せない映画が現在公開中だ。タイトルはずばり『耳をかく女』。耳かきサロンに勤めるヒロイン・桜木梨奈の鮮烈なるエロティズムが漂う青春映画の好編となっている。  他人の手で耳掃除をしてもらうと、思いがけず大きな耳垢の塊が発掘され、赤面したくなる恥ずかしさと同時に何とも言えない快感が込み上げてくる。耳のずっと奥に潜んでいる蝸牛管から喜びの潮が渦を巻きながら満ちてくる。あまりの気持ちよさに体ごとグルングルンと回り出してしまいそうだ。誰しもが経験したであろうあの喜びの瞬間が、『耳をかく女』ではノーカットモザイク処理なしで描かれる。スカーレット・ヨハンソン主演作『真珠の耳飾りの少女』(03)ではピアス穴を開ける瞬間が官能的に描かれていたが、やはり膝枕&耳かきに勝る快楽プレイはそうそうないだろう。
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就活に苦戦する絵菜(桜木梨奈)。自分が
社会からまるで必要とされていないように
感じられ、焦れば焦るほど空回りしてしまう。
 主人公の絵菜(桜木梨奈)は卒業を間近に控えた大学生。出版社への就職が決まっており、恋人(笹原紳司)の部屋で甘く楽しい学生生活の残りを楽しんでいた。その日も恋人の部屋でまったりと過ごしていたが、絵菜は今まで経験したことのない耳鳴りに襲われ、体の均衡が失われてしまう。それは絵菜だけが感じた衝撃ではなかった。巨大地震が起きたのだ。ベッドの横にいたはずの恋人は真っ先に逃げ出し、震災の影響で就職も取り消されてしまった。家を流されて家族を失った人たちに比べれば、このぐらいのことで泣き言なんて云ってられない。でも、マジメに学校を卒業して、きちんとした企業に勤めることしか考えてこなかった絵菜は、これからどうすればいいのか途方に暮れてしまう。とりあえず、リクルートスーツを引っ張り出して就職活動を再開するが、面接官の声がやけに遠い。絵菜はいつの間にか難聴を煩うようになっていた。補聴器が手放せなくなってしまう。見た目は以前と変わらない絵菜だが、震災以降、何かが自分の中で変わってしまったのだ。  いつまでも就職先が見つからない絵菜は、女友達の紹介で「耳かきサロン」で働き始めることに。性風俗まがいのいかがわしいサービスを強いられるのではないかと、不安げな表情のまま研修を受ける絵菜。先輩の耳かき嬢(広澤草)の膝に身を委ねた絵菜は、あまりの心地よさにうっとりする。先輩の手慣れた耳かきがリズミカルに外耳道の側面を刺激する。思わずエクスタシーに達した絵菜は、日々のストレスから自分が解放されていくのを感じる。こんなサービスが自分にもできるかしら。浴衣に着替えた絵菜はおぼつかない手つきながら、自分の膝の上に置かれたさまざまな形をした耳朶に対して慎重に慎重にマッサージを施す。彼女の初々しさに、男たちが行列をなすようになる。膝枕の温かさに童心に帰る客、日頃の愚痴をこぼすことでスッキリする客、耳掃除した後のティッシュを絵菜に嗅がせて喜ぶ客……。ストレスで悩んでいるのは自分ひとりではなかった。男たちが抱える疲れを癒やすことが、絵菜にとっての喜びとなっていく。ささやかながら社会との接点を持てたことが、時給以上に絵菜にはうれしい。
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絵菜は耳かきの研修を受けることに。主演に抜擢された桜木梨奈は
実際の耳かきサロンに通うなどして役づくりに励んだ。
 本作が映画初出演となる新人女優・桜木梨奈をオーディションで抜擢したのは、堀内博志監督。今年7月に『私の悲しみ』(11)で劇映画デビューを果たしたばかり新鋭監督だ。『私の悲しみ』は14人の男女がもつれ合う群像劇をロバート・アルトマン監督ばりに巧みにさばいてみせた演出手腕が見事だった。今回はその手腕がヒロインの揺れ動く心理を描くことにフォーカスが絞られている。堀内監督に聞いたところ、こんな耳より情報を教えてくれた。 「オーディション初日のいちばん最初に会ったのが桜木梨奈。オーディション会場は駅から5分の場所だったのに、彼女は30分掛けて現われ、焦りまくっていた。やる気はあるのに、つい空回りしてしまう。その様子は絵菜そのものでした(笑)。オーディションに参加してもらった女優のみなさんの耳を最後に拝見させてもらったんですが、彼女の耳の美しさは際立っていましたね。顔がきれいでも、耳とのバランスがとれている女性って意外と少ないんです。それにピアスの穴を開けてなかったことも、大きな決め手でした。演技経験はあまりないけど、彼女に賭けてみようと思えたんです」。  形の整った両耳と同じように、緩やかな曲線美を見せる桜木梨奈の裸体をカメラが捉える。オーディション時はドジっ娘ぶりを見せてしまった桜木だが、撮影現場では肝の座った演技を見せ、スタッフの期待に応えてみせた。中でも堀内監督の丁寧な演出とカメラマン・三本木久城の適切なカメラワークがうまくハマった後半の雨の海水浴シーンは秀逸。海中を漂う寄るべなきヒロインの姿が目に焼き付く。その昔、人間が海中に棲むアンモナイトのような原生動物だった頃の記憶が甦ってくるかのような、プリミティブな厳粛さと美しさが感じられるシーンになっている。  震災以降、コミュニケーション不全に陥っていた絵菜だったが、多くの人たちの耳たぶに触れ続けることで次第に落ち着きを取り戻していく。人間の体の中でもっとも柔らかい部位なのに、いつも剥き出し状態でさらされている耳のことが絵菜は愛おしく思えてくる。また、絵菜の耳の形の良さに心を惹かれているアマチュアカメラマンの川村(中田暁良)も、絵菜から「変態ですね」と言われながら自分が耳にこだわる理由に気づかされる。物語の進行と共に耳に関するさまざまなトラブルが集約されていき、それらの問題はずっと溜まっていた耳垢のごとく一気にラストで除去されていく。この爽快感が堪らない。  最後に映画とはまったく関係ない余談だが、髪からキレイな耳を出している女性を見かけると、うっとり見とれてしまうのと同時にほんの少し切なくなる。左右対象形の双子のような2つの耳は、両手や両足と違って一生出会うことがない。あんなに美しくて、そっくりな相似形なのに、お互いの存在を知らないままの一対の耳たち。多分、耳という部位の佇まいには孤独な美しさがあるのだ。そんなふうに耳のことを考え出すと、ついつい自分を失ってしまう。そして、その美しさに少しばかりの哀しみを覚える。 (文=長野辰次) mimiwokakuonnna4.jpg 『耳をかく女』 監督・脚本・編集/堀内博志 撮影/三本木久城 音楽/Satomimagase 出演/桜木梨奈、中田暁良、広澤草、宇野祥平、笹原紳司、正木佐和、安藤一人 配給/パーフェクトワールド 11月24日より新宿K’s cinemaにてレイトショー公開中 (c)スターボード <http://mimi-movie.perfect-world.me> ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第198回]ハリウッドの頑固オヤジがたどり着いた好々爺の境地! イーストウッド、4年ぶりの主演作『人生の特等席』 [第197回]この“明るいヘンタイ”っぷりがいいんじゃない!? 会田誠のアートなエロス『駄作の中にだけ俺がいる』 [第196回]三池監督ならではの“いのちの授業”が始まる! サイコパス教師と過ごす恐怖の文化祭『悪の教典』 [第195回]“絶対的価値”を求める男たちの翔んでもロマン! 井筒監督の犯罪サスペンス『黄金を抱いて翔べ』 [第194回]禁断の蜜が溢れるSM世界『私の奴隷になりなさい』セクシーアイコン・壇蜜がすべてをさらけ出した! 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裏社会が関与か――慶大生ファンド詐欺事件の容疑者は、もう死んでいる?

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※イメージ画像 photo by  MJ/TR from flickr
 慶応大学の元学生が、投資ファンドを設立して投資家から20億円ともいわれる出資金を集めたまま海外に逃亡している“慶大生ファンド詐欺事件”で、被害者の一人が刑事告訴に踏み切った。  しかし元学生は、今年5月、秘書兼恋人の女性とシンガポールにいたという情報を最後に、その足取りはプッツリと途絶えており、事件解決には時間を要しそうだ。  そんな中、「彼はもうこの世にいないかもしれない」と語るのは、今年1月、失踪直前の彼に面会したというFXトレーダーのM氏だ。 「彼とは、あるトレーダー仲間からの紹介で会いました。『かなりの損失を出してしまい、このままでは配当が支払えない。2億円ほどを代わりに運用してほしい』というのが彼の用件で、ひどく焦った様子に見えました。この時、私は彼が裏社会のカネを預かってしまったんだな、とピンときました。この世界では、ちょっと有名になるとすぐに裏社会の人間から『うちのカネを回してくれ』と声がかかる。ヤバい筋のカネは預からないのが鉄則だが、若い彼は相手の口車に乗せられてしまったのでは」  トラブルに巻き込まれることを警戒したM氏は、彼の頼みをその場で断った。彼が海外に渡ったことを紹介者のトレーダー仲間から知らされたのは、それから約2週間後のことだったという。 「個人的な印象では、彼は少なくとも進んで人を騙すような人間には見えなかった。裏社会の人間に無理な利回りを約束させられた挙げ句、追い込みをかけられていたのかもしれない。ネット情報では数億円を持ち逃げしたといわれているが、そこまで彼の手元に残っていなかったはず。何より、シンガポールのような小さな国に逃げて、いまだに足取りがつかめないというと、最悪の事態も想像してしまう」    元学生が無事に姿を現し、被害者の元にできるだけ多くの出資金が戻ることを祈りたい。 (文=牧野源)

「“ドラマのTBS”は死んだ……?」プライムタイム4作中3作が視聴率1ケタの断末魔

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TBSテレビ「ドラマ・映画」
 TBSのドラマが苦戦を強いられている。  今期、TBSはプライムタイムに4本のドラマを放送しているが、そのうち3本が視聴率1ケタを記録するという“大爆死”状態となっているのだ。 「月曜20時の『パーフェクト・ブルー』は、一昨年のNHK朝ドラ『てっぱん』主演の瀧本美織を担いだものの、初回から1ケタ続き。同様に木曜21時の仲里依紗『レジデント』もオール1ケタで、22日の放送分ではついに5%を割ってしまいました。堺雅人、多部未華子、KAT-TUN田中聖と豪華キャストを揃えた『大奥 ~誕生~[有功・家光篇]』は初回、2回目こそ何とか10%台をキープしたものの、3回目に7.9%を記録すると、そのまま7~8%をウロウロ。この3作は、もう最終回まで2ケタに届くことはないでしょうね」(テレビ誌記者)  そんな中、孤軍奮闘するのが日曜21時の『MONSTERS』。SMAP香取慎吾と元NEWS山下智久のダブル主演で、初回から2ケタをキープしている。 「とはいえ、最新の25日分は10.3%とギリギリの状態。ジャニーズのビッグネーム2人をキャスティングしていますから、TBSとしてはこの作品は最低でも15%という目算で、映画化も視野に入っている。それが1ケタ寸前ですから、制作陣は頭を抱えていますよ。しかもこの『MONSTERS』は、香取の珍妙な演技や事件トリックのずさんさなどもあって、一般視聴者にすこぶる評価が低い。ジャニーズファンだけが辛うじて見ているという状態です」(同)  かつては“ドラマのTBS”と呼ばれた同局の断末魔が聞こえそうだ。

「笑いは、いじめそのもの」NHK『探検バクモン』が探求する、いじめ問題

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NHK『探検バクモン』より
「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。  いじめ問題が表面化するたびに、テレビのお笑い番組が「いじめを助長している」などという批判が持ち上がる。そんな時、必ず「お笑いといじめは違う」とするお笑いを擁護する意見も出てくる。しかし、そういった意見は軽視され、テレビの笑いは少しずつ規制が多くなっていった。分かりやすい敵として駆逐し、それがほとんど効果をもたらさなかったにもかかわらず、再び問題が起きればさらに規制を厳しくする。その繰り返しである。  『探検バクモン』(NHK総合テレビ)は通常、爆笑問題が一般視聴者が見ることのできない場所へ“探検”し、時代をリードする学識者の話を聞きながら、さまざまなテーマを探求する教養エンタテインメント番組だ。  この番組では、大津の中学で起きたいじめ問題を見た太田光の「いじめについて学生たちと語りたい」という意向がきっかけとなり、「バクモンいじめ調査委員会」が発足。11月21日に73分拡大スペシャルとして放送されたのが、いじめを特集した「いじめ × 爆笑問題」だった。  爆笑問題は、フリースクールが母体になって設立された不登校経験の子どもたちが通う私立中学校「東京シューレ葛飾中学校」を“探検”し、いじめへの取り組みを紹介しながら、尾木ママ(尾木直樹)、はるかぜちゃん(春名風花)、ROLLY、志茂田景樹ら異色メンバーに、いじめられた経験を持つ学生たちが加わり、いじめについての討論会が開かれた。  「僕の子どもの頃は、いじられるのも楽しんでいたところもあった。今は陰湿」という志茂田に対し、太田は「昔といじめは変わったっていうけど本当かな? って思うんだよね。それほど変わるもんですか?」と問題提起する。番組では、いじめに対する漠然とした先入観を否定し、「いじめは日本だけの現象ではない」「いじめっ子はいじめられっ子にもなる」「いじめは仲のよい子の間で起こる」という3点を大きな特徴として挙げ、分析した。  この手のテレビ番組などで行われるいじめの討論では、多くの場合、出席者のいじめられた体験ばかりが語られる。しかし、先の特徴でも分析されているように、いじめられた人のほとんども、いじめた経験はあるはずだ。しかし、それが語られることは少ない。それこそ、いじめられたことは本人にとって深刻な問題であるが、いじめたことは大した問題ではない、といういじめの性質そのものだと思う。そういう意味において、黒人のハーフの少年がその容貌から「ボブ」と呼ばれ嫌だったという告白をした時、「俺、絶対言っちゃいそー!」と悪者を引き受ける太田の言葉は、ほかの人たちの言葉よりも胸に迫ってくるのだ。 「僕自身が田中とコンビやってると、『こいつ片玉ですから』『チビだから』ってやるわけですよ。そうやると、ワッとウケるんですよ。でも別の角度からすれば、いじめですよ」  からかいといじめの線引きは、非常に曖昧である。悪意を持って「チビ」と罵るのも、愛情を持って「チビ」と呼ぶのも、表面上は同じだ。 「こいつ(田中)が突然自殺したら、これはもうお手上げなんです、僕らは。それをやってもおかしくないことを言いますから。で、たぶんそういうことは学校でも起きてるんじゃないか」  いじめは笑いに変えればいい、とはよく言われる対処法だ。しかし、ネタにはオチがあって終わるが、いじめにオチはない。だから終わらない。それに付き合う必要なんてない、と太田は言う。では、逃げ場がない時、自殺しないで済む方法とはなんだろうか?   それこそが「学校」なのだと太田は言う。 「死よりも生。生きることのほうが楽しいんだって思えていれば、死なないわけでしょ? 死よりも生がいいんだっていう確信がなくなった時に死を選ぶわけだから、そうすると死よりも生が面白い、生きているほうがいいと、どう思わせるかですよね、子どもたちに。それはおそらく学校にあると思うんだよね。(略)学校で教えていることが本当に面白いんだ、と。どうやって生きればいいのかっていうのの答えが、その教科にあるんだよね。教科の中に『こんなにまだ分からないことがあるんだぜ、世の中には』って。それは“先に対する期待”ですよ。それはおそらく学問が持っている性質じゃないですか」  太田は色紙に「言葉を書いてください」と言われると、「未来はいつも面白い」と書くと、以前放送された『爆笑問題の大変よくできました!』(テレビ東京系)の最終回(2009年9月9日)で語っている。そこで子どもたちからの質問に答える形で「学問」について、文芸評論家の小林秀雄の言葉を借り、説明している。「対象と長ーく付き合うこと、何十年も付き合っていればそのことが理解できるってことが学問」だと。分からないことだらけのものでも長く付き合えば少しずつ理解できることが増え、同時に新たな分からないことも出てきて、その疑問をまた解消していく。その過程が面白いのだ。まさに“先に対する期待”であり「未来はいつも面白い」。 「笑いは、いじめそのものだと俺は思ってるんです。下手すりゃ俺のやってることは、人を殺すなあって思う。だから俺から見ると『テレビ番組はいじめとは違います』っていう論理は『ウチの学校にいじめはありません』って言ってる奴と同じことだと思うの」  人をバカにして笑ったことがない人は、いないはずだ。人がずっこけるのはおかしい。そこにはサディスティックな快感と同時に、ある種の共感がある。幸福と不幸、憎しみと愛情などは根底は同じものじゃないか、と太田は言う。 「人が死ぬ原因になるものと、人が生きる糧になるものは、本当に同じ場所にある」  だから死の原因になるものを排除することは、生きる糧を奪うことと同じだ。笑いは、いじめそのものであると同時に、救いでもあるのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

「いったい誰なの!?」知名度ゼロのNYCが『紅白』4年連続出場の深いワケ

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世にも珍しい、“紅白アイドル”。
 12月31日に放送されるNHK『紅白歌合戦』の出場者が26日、発表された。紅組では、ももいろクローバーZやきゃりーぱみゅぱみゅ、白組では関ジャニ∞や三代目J Soul Brothersらが初出場を決めた一方で、33年連続出場中だった小林幸子が“お家騒動”の余波で落選するなど、波乱含みの発表となった。   この発表を受けて、ネット上の掲示板も大いに盛り上がりを見せている。そんな中、ももクロや斉藤和義らの初出場を祝う声に混じってささやかれるのが「この“NYC”って、いったい誰なの!?」という声である。この疑問、実はここ数年の“風物詩”になっているのだという。  「NYCはジャニーズ事務所の中山優馬、山田涼介、知念侑李という男性3人組で、2009年に7人組のNYCboysとして出場したのを皮切りに、10年からは現在のメンバーで連続出場しています。山田と知念はHey! Say! JUMPとの掛け持ち、中山は現在、日本テレビ系の深夜ドラマ『Piece』に主演していますが、3人とも一般的な知名度は皆無で、毎年、『紅白』への出場が決まるたびに『誰!?』と騒がれていますよ」(芸能ライター)  昨年まで『紅白』の“ジャニーズ枠”は4枠、今年は1枠増えて5枠の出場となるが、ほかの出場者であるSMAP、嵐、TOKIO、関ジャニ∞に比較すると、やはり知名度の点での見劣りは否めない。ではいったいなぜ、NYCが出場し続けるのか。 「本来ならKAT-TUNやKinKi Kids、NEWSを脱退した山下智久など、NYCより格上のアーティストが出るべきでしょう。レコード会社同士の兼ね合いなどいろいろな事情がありますが、もっとも大きな理由は、NYCの中山がジャニー喜多川社長の“スペオキ(スペシャルお気に入り)”だということです。結局、権力者の一声で黒いものが白くなるのが芸能界、ということですよ」(同)  いずれにしろ、こうした“ゴリ押し”に応えられるかどうかは、本人たち次第。人気グループの高齢化が進むジャニーズの中で、NYCもどうにか存在感を見せたいところだが……。

「自動車を買うよりは安い」交通渋滞が深刻な中国で、パラグライダー通勤がブーム!?

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 昨年、自動車保有台数が1億台を突破した中国。さらに、その後も年率15%以上という高い割合で増加しており、世界第1位の自動車大国であるアメリカを追い上げようとする勢いだ。  一方、モータリゼーションの進行とともに、深刻化しているのが交通渋滞だ。中でも首都北京は、世界一渋滞が激しい街にノミネートされているほどである。そんな中国で、驚きの通勤手段を利用している人たちがいる。  湖南省株洲市に住む公務員の40代男性は、背負ったプロペラ付きエンジンによる動力パラグライダーで、自宅から会社までの道のりを、ほぼ毎日往復している。15歳の頃から、競技選手としてパラグライダーでの飛行経験を積んできたという彼は、交通渋滞にうんざりしていた1年ほど前に、パラグライダーを通勤に利用することを思いついた。その後、すぐに実行に移すと、以前は車で数十分かけていたところを、2分足らずで通勤できるようになったという。  彼の通勤の足、ならぬ翼となっているプロペラ付きパラグライダーの装備の価格は、80万円ほどと高価ではある。しかし、彼は「自動車を買うよりは安いし、駐車場代もかからない」と、パラグライダー通勤の普及にも余念がない。  そんな彼の通勤スタイルはネット上で話題となり、今では10人以上が彼の“通勤仲間”に加わり、パラグライダー通勤を楽しんでいる。さらに150人以上がパラグライダー通勤を希望し、彼にコンタクトをとってきているという。      慢性的な渋滞も文字通り「高みの見物」の画期的な交通手段だが、このまま陸上の通勤ラッシュが解消されなければ、空まで渋滞になる日も近い!? (文=牧野源)

「これで再起不能か……」NHK『紅白』落選の小林幸子 このまま表舞台から消えてしまう!?

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「茨の木」
 26日、年末の風物詩であるNHK『紅白歌合戦』の出場者が発表され、出場の可否が注目を集めていた演歌歌手・小林幸子が“落選”したことが明らかになった。 「毎年、ド派手な衣装で『紅白』の名物となっていた小林だが、今年4月に個人事務所社長らを解任するなど“お家騒動”を起こしていた。この問題を重く見た芸能界の重鎮らが小林の“排除”に動き、先月には大手スポーツ紙に早くも“落選確定”の報を書かせるなど、小林には強烈な逆風が吹いていた」(スポーツ紙記者)  小林は8月には長年所属してきた日本コロムビアとの契約も解除し、自主制作の形で新曲「茨の木」を発表するなど、最後まで『紅白』出場に向けてアピールしてきたが、実らなかった。 「33年間、出場を続けてきた『紅白』から追い出されたわけですから、これでひとつの結論が出た形。小林幸子の名前は今後、表舞台から消えていくことになるでしょう。地方の営業などでしばらくは食うには困らないでしょうが、一線級の演歌歌手としては再起不能でしょうね」(同)  来年には芸能生活50周年を迎える小林幸子。長きにわたって芸能界を生き抜いてきた大ベテランが、このまま終わるとも思えないが……。

「音楽には賛否両論だが、人柄を悪く言う人は皆無」枚挙にいとまがない、つんく♂の“いい人伝説”

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『V3~青春カバー~』(ZETIMA)
 音楽プロデューサー、ミュージシャンのつんく♂が、ウェブ上で「人格者」だと評判を上げている。漫画家のさかもと未明がPHPのサイトに発表した、飛行機内で幼児の泣き声にいら立って航空会社や母親にクレームをつけたとの一文が波紋を呼ぶ中、つんく♂はTwitterで、15年前のバンド時代に同じような場面に居合わせたエピソードを披露。機内で恐縮する母親に「2時間泣いてたこの子が一番がんばった。エライエライ」と話しかけ、その母親を涙ぐませたという。  つんく♂の「いい人エピソード」は枚挙にいとまがない。 「つんく♂さんの音楽には賛否両論ありますが、人柄を悪く言う人は業界内で見たことがありませんね。シャ乱Q時代も腰が低いことで有名でしたし、モーニング娘。やハロプロのプロデューサーとして成功を収めてからも、決して傲慢なそぶりを見せない。それどころか、シャ乱Qのほかのメンバーの収入を心配して動くなど、情に厚い部分もよく知られています」(音楽事務所関係者)  つんく♂がプロデューサー業に力を入れるようになったのは、モーニング娘。が大ヒットしたからだが、本人は当初、バンド活動を中心にやっていく心づもりだったという。しかし、所属するアップフロントエージェンシー(現アップフロントグループ)が、アイドル事業に力を入れると決定するや、つんく♂はグループの方針に従うことに。 「アップフロントグループは、1970年代にアリスの事務所として台頭したヤングジャパングループが発展してできた音楽事務所です。80年代にバンドブームでヒットを出したものの、90年代には一時低迷。しかし、モーニング娘。の大ヒットで盛り返しました。同グループは、会社組織の形が変わっても幹部メンバーの結束が固いことで有名で、決して非合法活動に手を染めたわけではありませんが、業界内で『ヤクザ顔負けの結束力』と評されたこともありました。つんく♂も自分を育ててくれた事務所に恩義を感じており、いまやアップフロントグループの大黒柱ですね」(音楽マネージャー)  もっとも、責任感から「いい人」であり続けるあまり、つんく♂が組織内プロデューサーに甘んじ、ミュージシャンとしての才能を生かし切っていない、との声があるのも事実。特にここ数年は、アイドルプロデュースで目立った成果を上げておらず、シャ乱Qをもっと大々的にやったほうがいいのでは、との指摘も出ている。  小室哲哉や布袋寅泰の例に見られるように、成功したミュージシャンはとかく奇矯なふるまいで話題を呼ぶことが多い。常識人のつんく♂は、派手な言動抜きで彼らをしのぐ話題を提供できるだろうか? (文=越谷由紀)

「みーんな辞めちゃった」プロボクシングでもファイトマネーの不当搾取が発覚し……

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三谷大和スポーツジム公式サイトより
 千葉県のボクシングジムで、ファイトマネーの不当搾取の疑いが関係者間で密かな話題となっている。  発端は5月、八千代市の三谷大和スポーツジムに所属していた元プロボクサーの川瀬伊達男さんが引退を宣言、ブログ「だておのぼやき」にこう記した。 「もうぶちまけちゃえー だってピンハネされちゃうし こ、ここれっぽっちみたいな~っ嘘だろ!練習何てやってらんねーじゃんか」(以下原文ママ)  引退の理由にファイトマネーの不当な搾取があったとし、ユーモラスな文体ながら、その怒りが収まらない胸中を連日、ぶちまけた。 「金の事でイザコザ起こすの疲れるし いいよ!いいよ!あんた金の事しか頭に無いんだろ くれてやるよ (中略)半分以上も持ってくなよーっ」  その文面からは「半分以上」とあるのだが、プロボクシングではプロモーターから選手にファイトマネーが支払われる際、面倒を見るジムがマネジメント料として差し引く額は「33.3%を超えてはならない」と決められている(日本ボクシングコミッションルールブックより)。もし川瀬さんの言うように、三谷大和ジムが半分以上を差し引いていたとすればルール違反となる。  川瀬さんはブログで「チョロチョロっとちょろまかす位にしとけば あっはっは全くハゲラー(編註:三谷会長のこと)はセコいんだからショーもないやっちゃな~って なりますわね。しとりの選手からごっそり持ってくからみーんな辞めちゃった」と、この問題で複数の選手がジムを退会したとした。  実際、関係者を聞き回ってみると、確かに三谷大和ジムからは昨年、ジムの主力だった日本ランカー3名をはじめ、多数の選手が同時期に別のジムに移籍するなどして去っていたことが分かった。 「辞めたのは選手だけではないんです。コーチや後援者たちも、みんな離れていったんです」  こう証言するのは、退会した選手の親族だ。 「ファイトマネーは現金ではなく試合のチケットで支払われることが多く、その場合は額面の2倍を渡すことになっています。20万円のファイトマネーなら40万円分のチケットが届き、選手はそれを売って金に換える。でも、あのジムでは倍額もらっているはずのチケットを隠し、額面そのままの分から、さらにマネジメント料として3割、また手数料だのなんだのと言って、本来の半額以下しか渡さなかった。こうしたことをみんな知るところとなり、選手だけでなく応援していた人たちも会長を信用しなくなって、去っていったんです」  トラブルが起こっている背景について、親族は「ジムの力が強すぎて、不当な扱いを受けても逆らえないから」だとする。 「選手が下手に刃向かえば試合から干されて長いブランクを作ることになり、ほかへ移籍しようとしても百万円単位の高い移籍金を吹っかけられるので、よほどの有力選手でもなければジム側と対等に話ができない」(同)  事実、三谷大和ジムを抜けた選手の移籍先でトレーナーを務める元日本チャンピオンの升田貴久氏はブログで「選手達が可哀相でしょ。奴隷じゃないんですよ。ジムでのファイトマネーその他。色々聞きました。有り得ない。何故試合するのに選手達があそこまでジムに借金になるの?ドン引きです」と三谷大和ジムを名指しで批判。3選手が移籍するために、それぞれ200万円ずつ工面して支払ったことも明かした。  川瀬さんのブログでも、試合が決まるとチケットと請求書が手渡され「カツアゲされてる気分」だったとしているが、こうした話が事実かどうか、ジムの責任者である三谷大和会長に電話で質問したが「電話ではコメントできない」と回答を拒否されてしまった。  また、ルールを統括する日本ボクシングコミッションにも話を聞いてみたが「ファイトマネーのやりとり自体を監督しているわけではなく、事実かどうか分からないのでなんとも言えない」と、まるで他人事だった。  プロであればビジネスとして金の問題が関わってくるのはどの競技でもあることだが、こうしたトラブルが表面化すること自体、あまりに寂しい話ではないか。 (文=鈴木雅久)