9.11テロの首謀者ビンラディン抹殺作戦の全貌! アメリカの夜明けは遠く『ゼロ・ダーク・サーティ』

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CIAのビンラディン追跡チームに実在した女性分析官を主人公にした『ゼロ・ダーク・サーティ』。
機密情報の漏洩や拷問の有無をめぐって米国の配給会社にはクレームが寄せられている。
 いかにしてビンラディンは潜伏先をCIAに探し当てられ、米軍特殊部隊によって殺害されたのか。キャスリン・ビグロー監督、ジェシカ・チャステイン主演による『ゼロ・ダーク・サーティ』はその一部始終を記録したシリアスドラマだ。上映時間2時間38分にわたって異様な緊張感が持続する。映画というよりも映像による殺人調書と呼んだほうがいいかもしれない。2月25日(月)に発表されるアカデミー賞に作品賞、主演女優賞、脚本賞、編集賞、音響効果賞の5部門にノミネートされている。  米国人に多大なトラウマを与えた9.11同時多発テロの首謀者であるアルカイダの指導者ウサマ・ビンラディンを追い詰めたのは、実在するひとりの女性だった。CIAのビンラディン追跡チームの中心メンバーとして活躍した若き女性分析官マヤがこの物語の主人公だ。過酷な職場に放り込まれた女性が伝説のテロリストに関する情報収集と潜伏先の割り出しという仕事を成し遂げることで大きく変容していく様が描かれる。『ツリー・オブ・ライフ』(11)、『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(11)、『テイク・シェルター』(11)で若奥さん役を演じたジェシカ・チャステインが冷血な爬虫類を思わせる風貌で“アメリカの敵”と対峙する。『ディア・ハンター』(78)に出演していた頃のクリストファー・ウォーケンを彷彿させる、冷たく光る青い瞳が印象的だ。
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新米局員だったマヤ(ジェシカ・チャステイン)だが、同僚たちが次々と倒れていく中、
上司に噛み付くタフな女になっていく。
 10年近くにわたるマヤとビンラディンとの水面下での戦いを『ハート・ロッカー』(08)でもコンビを組んだ脚本家のマーク・ボールと女傑ビグロー監督は詳細な資料に基づいて追っていく。CIAパキスタン支局に配属されて間もないマヤ(ジェシカ・チャステイン)は見るからに華奢で、こんな娘がテロリストに立ち向かえるのかと観ているほうが心配になる。案の定、秘密施設内でチームリーダーのダニエル(ジェイソン・クラーク)が捕虜を水責めにすると、マヤは正視できずに吐き気に襲われる。米国内では違法となっている捕虜への拷問まがいの尋問が、海外では平然と行なわれていた。マヤの様子をみてダニエルはやれやれと肩をすくめるが、上司のブラッドリー(カイル・チャンドラー)は澄ました顔でいう。「彼女はああ見えて、けっこー冷血らしいよ」。  その言葉通りだった。なかなか口を割らない捕虜への拷問を続けていく日々に、先輩のダニエルのほうが先に心が折れてしまう。残ったマヤは膨大な量の情報を分析しながら、執拗に尋問を続けていく。同僚のジェシカ(ジェニファー・イーリー)は仕事熱心なマヤを心配して食事に連れ出していたが、気配り屋の彼女は自爆テロの犠牲となってしまう。百戦錬磨のベテラン局員たちの後ろに隠れるように佇んでいたマヤだったが、望むも望まざるもいつの間にか自分がビンラディン追跡チームを率いていかなくてはならない立ち場となっていく。一度も逢ったことのないひとりの男の暗殺こそが、公務員であるマヤの使命となる。  ニーチェの言葉に「怪物と戦うものは、己が怪物にならぬよう気をつけよ」という一節がある。マヤはこの言葉をあたかも逆利用する。伝説のテロリストに立ち向かうために、自分自身を怪物化する道へ進む。すでに死んでいるかもしれないビンラディンを探すことに予算や労力を割くよりも、犠牲者を増やさないようテロ防止により力を注ぐべきだと唱える上司のブラッドリーをマヤはこっぴどくなじる。莫大な情報提供料(当初は30億円だったが、07年には60億円にまで増額)を支払うことで手に入れたアルカイダ関係者の家族の電話を盗聴し、アルカイダとビンラディンとを繋ぐ連絡員の所在を洗う。マヤの指示に従って危険地帯で動く現地スタッフは命がいくつあっても足りない。
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2011年5月1日午前0時30分、ビンラディン捕縛作戦が実施。
パキスタンの市街地にある邸宅に米軍特殊部隊が強襲を掛ける。
 気が遠くなるような捜査を積み重ね、ようやくパキスタンの首都イスラマバード近郊にある町・アボッターバードに高い壁に囲われた不審な屋敷があることを突き止める。この屋敷の主人はいっさい屋外に出ようとしない。スパイ衛星にキャッチされることを避けているに違いない。ここまで徹底して身を隠す必要がある人間は非常に限られている。宿敵の隠れ家がようやく判明したのだ。それなのに、なぜ上層部は即行動に移さないのか? マヤはCIAテロ対策センターの責任者であるジョージ(マーク・ストロング)を逆パワハラ同然の行動で連日突き上げる。拷問を見て嘔吐していた女の子の面影はまるでない。もはやCIAにマヤをコントロールできる人間はいなかった。かくして屋敷の主人がビンラディンであるという確実な証拠がないまま、海軍の特殊部隊ネイビーシールズを投入した「海神の槍作戦」が実行される。  マヤが見守る「海神の槍作戦」を再現した映像は、まるでスナッフフィルムでも観るかのようにまがまがしいリアリティーに満ちている。作戦が開始されたのは2011年5月1日、タイトルとなった午前0時30分。暗視カメラで撮影された映像の中、極秘開発されたステルス型ヘリコプター2機から降り立った特殊部隊の精鋭24名と爆発物探知訓練を受けた軍用犬が屋敷の中へと瞬く間に侵入していく。真夜中の侵入者に気が付いた男たち2人がまず射殺され、一緒にいた女性も犠牲となる。続いて、様子を見にきたビンラディンの息子も射殺。屋敷の1階を制圧した突入隊は2階にいたビンラディンの妻子たちを確保。3階へと逃げるビンラディンを追う。この日のために殺人トレーニングを積んできたプロたちの前では伝説のテロリストもあっけなかった。銃を持って反撃する暇もないまま胸と頭部を撃ち抜かれた。捕獲ではなく抹殺することが作戦の当初からの目的だった。作戦に要した時間はわずか38分。着陸時に損傷したヘリコプター1機を爆破処理して、24名の隊員と軍用犬は無傷のまま引き揚げた。事前に情報が漏れることを恐れ、パキスタン側には作戦のことはいっさい知らされなかった。他国に不法侵入しての軍事行動だったが、おおむね諸外国は世紀の大犯罪者を最小限の犠牲者で仕留めたオバマ政権を賞讃した。  ネイビーシールズが持ち帰ったビンラディンの遺体とマヤは対面する。マヤを普通の女性から怪物へと変容させた相手は、すでに冷たいムクロとなっていた。マヤは念願のミッションをコンプリートし、同僚や同胞たちの仇を討つことに成功した。彼女は自分に与えられた困難な仕事を最後までやり抜いたのだ。通常のドラマなら、仕事を通した女性の成長ぶりに感銘を覚えるクライマックスなのだが、そこには感銘とは大きく異なるザラザラとした違和感だけが残る。長年の責務をやり終えた彼女を優しく出迎えてくれる家族は果たしているのだろうか。彼女には精神的な拠り所としている宗教はあるのだろうか。マヤに関する具体的な家族構成や生い立ち、宗教観は最後まで明かされない。彼女を特定するような情報があると、報復の手掛かりとなってしまうからだ。伝説のテロリストは莫大な予算と多大な犠牲者を伴うことで抹消された。だが、テロの火がこの世界から消えることはない。 (文=長野辰次) zdt04.jpg 『ゼロ・ダーク・サーティ』 脚本/マーク・ボール 監督/キャスリン・ビグロー 出演/ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク、ジョエル・エドガートン  配給/ギャガ 2月15日(金)よりTOHOシネマズ有楽町ほか全国公開  Jonathan Olley(c)2012 CTMG. All rights reserved. <http://zdt.gaga.ne.jp> ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第208回]チェルノブイリ“立ち入り制限区域”で撮影敢行! オルガ・キュリレンコ主演の社会派作品『故郷よ』 [第207回]“明るい不登校児”のガラパゴスな団地ライフ! 中村義洋監督の箱庭映画『みなさん、さようなら』 [第206回]いつまでもバカやって、尻を追っかけていたい! ぬいぐるみの『テッド』は“永遠のエロ中学生” [第205回]石原慎太郎原作の異色ミステリー『青木ヶ原』ままならない人生の中で出会った恋人たちの行方 [第204回]陶酔と記憶の向こう岸にある世界に3Dで迫る! 松江哲明監督の『フラッシュバックメモリーズ』 [第203回]あの低視聴率ドラマ『鈴木先生』が映画版に! “鈴木式教育メソッド”は世界を変えられるか? [第202回]“余命刑事”が家族の絆と細菌兵器を奪回する! 究極の時間制限サスペンス『ブラッド・ウェポン』 [第201回]年末は“女体盛り”パーティーで盛り上がろう! ジェダイの騎士も集う秘密の宴『SUSHI GIRL』 [第200回]もし“理想の恋人”が目の前に現われたどーする!?  情熱的で予測不能な彼女『ルビー・スパークス』 [第199回]“耳フェチ”には堪えられない青春官能ムービー!『耳をかく女』桜木梨奈の無印演技に癒やされたい [第198回]ハリウッドの頑固オヤジがたどり着いた好々爺の境地! イーストウッド、4年ぶりの主演作『人生の特等席』 [第197回]この“明るいヘンタイ”っぷりがいいんじゃない!? 会田誠のアートなエロス『駄作の中にだけ俺がいる』 [第196回]三池監督ならではの“いのちの授業”が始まる! サイコパス教師と過ごす恐怖の文化祭『悪の教典』 [第195回]“絶対的価値”を求める男たちの翔んでもロマン! 井筒監督の犯罪サスペンス『黄金を抱いて翔べ』 [第194回]禁断の蜜が溢れるSM世界『私の奴隷になりなさい』セクシーアイコン・壇蜜がすべてをさらけ出した! 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共産党上層部は大慌て!? レーダー照射は軍部の暴走だった!

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※イメージ画像 photo by Jorge Lascar's
from Flicker
 先月末、尖閣諸島周辺で中国海軍艦船が海上自衛隊の護衛艦に射撃管制用レーダーを照射していたことに関し、日本政府は中国政府に正式に抗議した。   これに対し、中国外務省は「知らなかった」と発言して以降ダンマリを続けているが、広東省ブロック紙記者によると「政府は、かなり慌てている」という。 「軍幹部が明かしたところによると、この一件については軍内部でも把握していた者は少なく、党への報告も行われていなかったそう。完全に現場による単独行動だったということです。責任者に、なんらかの処罰が下る可能性もある」  実は、人民解放軍の暴走が問題になった事例は過去にも複数存在する。  2008年には、北京、南京両軍区の複数の若手軍人が「台湾と開戦すべし」と書いた実名の血判状を相次いで上司に提出。キモを冷やした軍上層部が、慌てて彼らをなだめるという事態となった。  さらに11年1月には、北京訪問中だったゲーツ米国防長官と胡錦濤国家主席との会談の日に合わせるかのように、解放軍がステルス戦闘機「殲20」の初試験飛行を断行。このことは当時、中央軍事委主席でもあった胡錦濤にも事前に知らされておらず、会談には終始、気まずい雰囲気が流れていたという。  さらに、12年に失脚した元重慶市トップの薄熙来においては、解放軍のクーデターを画策していたという情報すらある。現在のところ証拠不十分ではあるが、そんなウワサも囁かれるほど、解放軍のガバナンス低下が危惧されているということは事実のようだ。  前出の記者もこう語る。 「解放軍の内部には現在、かつてないほど不満が蓄積している。一昔前なら、解放軍の軍人といえば、下士官レベルでも尊敬される存在だった。ところが改革開放が浸透して、世の中の関心は軍事より経済。ちょっとした個人事業主でさえ、自分の給与の何倍も稼いでいるし、人々からの尊敬も厚い。そんな中、若手を中心に、国内での軍部のプレゼンスを高めようとする動きが見られている。軍上層部や党は、彼らがいつか一線を越えるのではないかと、気をもんでいる」  日本がとばっちりを受けるような事態だけは、勘弁してもらいたいものだ……。 (文=牧野源)

「暴行事件でも走り回った」市川團十郎さん逝去で、市川海老蔵の尻に火がつく!?

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『團十郎復活』(文藝春秋)
 歌舞伎俳優・市川海老蔵の父・市川團十郎さんが3日午後9時59分、肺炎のため東京都港区の病院で66歳で死去した。  團十郎さんは2004年5月9日に体調不良を訴えて入院し、急性性前骨髄球性白血病と診断され、08年には骨髄移植を受けるなど闘病しながら舞台を続けていた。しかし、昨年12月に予定していた公演をキャンセルし、緊急入院。3月に予定されていた海老蔵との共演舞台も中止となった。 「4月に開場する新・歌舞伎座の出演に向けて療養中だったが、入院した時点で状態は良くなかった。しかし、歌舞伎座の公演以上に、3月に海老蔵の妻でフリーアナウンサーの小林麻央が出産する第二子が後継者となる男の子と分かったようで、その子に会うのを生きがいに療養を続けていた」(歌舞伎関係者)  團十郎さんは孫の顔を見ることなく天国へと旅立ってしまったが、結婚前には数々の浮名を流してきた海老蔵の女遊びは相変わらずの様子。  「週刊文春」(文藝春秋)の2月7日号によると、海老蔵は昨年までは長女を自身の母親に預けて麻央とデートすることもあったが、最近はそれもご無沙汰。病に倒れた團十郎さんに代わって忙しく、家を空けることが多く、浮気の匂いがする日もあるようで、麻央は「(浮気は)あまり我慢したら胎教に良くないかもしれない」と意味深に友人に語っていたという。しかし、團十郎さんという“後ろ盾”を失ってしまった今となっては、海老蔵も女遊びをしているどころではなさそうだ。 「10年に都内の飲食店ビルで関東連合と揉めた暴行事件の後処理でも團十郎さんが間に入り、あらゆるコネクションを使って解決にこぎ着けた。それ以前にも、團十郎さんのおかげで表沙汰にならなかった女性問題がかなりある。しかし、團十郎さんが亡くなった今、何かトラブルが起こっても自分で解決しなければならず、そうなると仕事に悪影響を与えることになる。おまけに、麻央は浮気に不満を募らせているので、あまり目に余るようだと、離婚騒動に発展しかねない」(演劇関係者)  海老蔵は、身内からも周囲からも、團十郎さんの分まで芸に打ち込むことを求められそうだ。

「ギリギリ難を逃れた!?」“脱税疑惑”のGACKTがハイテンションのワケとは──

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 “脱税疑惑”が報じられ、一部で「逮捕も!?」とウワサされる人気アーティストのGACKTについて、意外な事実が明らかになった。  昨夏、GACKTの所属事務所に東京国税局査察部の強制調査が入ったことで、一気に表面化したこの問題。ファンクラブ会費や震災チャリティーに絡む不透明な金の流れが“本丸”といわれており、一部では投入されたマルサは100人体制という報道もあった。  だが、事情をよく知る関係者は「どこをどう取材しているんですかね」と一笑に付す。  一時は心労で体を壊したGACKTだが、最近では、マスコミ嫌いは相変わらずなものの、これまでと変わらない生活を送っているという。  昨年末には連ドラ『悪夢ちゃん』(日本テレビ系)の打ち上げに参加。不在だった主演の北川景子の穴を埋めるかのように、ひとりハイテンションで飲みまくっていたという。 「上半身裸で、参加者はみんなGACKTの鍛えられた体を触っていましたよ。疑惑の影響はみじんも感じませんでした」とは目撃者。  今年に入っても、東京・世田谷区の隠れ家的ラウンジで、貸し切りパーティーを開催したという。マルサが押収した証拠はダンボール数十箱に及び、捜査が大詰めを迎えていることは事実。この余裕はどこから来るのか……。前出の関係者が明かす。 「実はひっそりと修正申告を行い、国税もそれを受理しているんです。つまり、ある程度、話ができているということ。おそらく事務所社長のX氏はパクられますが、GACKTは大丈夫でしょう」  事実、X氏はガサ入れ直後に「大変なことになった」とこぼし、裁判を見越して弁護士探しを開始。 「所得隠しを主導していたのはX氏で、GACKTは『知らなかった』というシナリオのようです」(同)  なんとか難を逃れそうなGACKT。とはいえ、さすがに無傷というわけにはいかない。実はハリウッドのSF大作映画への出演が決まっていたが、騒動の前後に“なかったこと”になってしまったという。映画関係者は「GACKTサイドは脚本や演出をめぐって製作サイドと行き違いが生じたためと説明していますが、強制調査の影響もゼロではないでしょう」と明かす。  最悪の結末は回避されそうだが、失墜したイメージを取り戻すには時間がかかりそうだ。

「映画を週10本以上見る」など猛勉強中の元AKB48前田敦子 国民的女優への道は大丈夫か

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 元AKB48の“不動のセンター”前田敦子が、国民的女優になるために演技論を猛勉強中だ。といっても、主に取り組んでいるのは映画を見ること。現在大ヒット公開中のミュージカル映画『レ・ミゼラブル』は計4回も鑑賞。同様に公開中のハリウッド映画『LOOPER/ルーパー』に関しては、「日本語字幕版でも見ているし、AKB卒業後に訪れた米ニューヨークでは英語が理解できないにもかかわらず、字幕なしで見たそうだ。当時、本人は『日本で字幕版を見るのが楽しみ』と話していた」(事情通)という。  2月15日公開の話題作『ゼロ・ダーク・サーティ』の試写会にも、前田はマネジャーと共に現れた。同作は国際武装組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者の殺害を描いたもので、全米で大ヒットを記録。今月10日に行われる「第85回アカデミー賞」では。作品賞や主演女優賞をはじめ5部門でノミネートされている。  映画関係者は「同作をめぐっては、パキスタンで上演が自粛されるなど、何かと物議を醸している。前田さんはアカデミー賞の中継番組のMCを務めるそうで、試写会には事前準備のために訪れたそうです。凄惨な殺害シーンでは顔をしかめていましたね」と明かす。  勉強熱心なのはいいことだが、一方で前田には皮肉の声も上がっている。 「彼女は旧作・新作問わず、多い時には週に10本以上も映画を鑑賞していると豪語しているそうだが、それだけなら誰でもできるわけで(笑)。本格的に学びたいのなら、すべてをかなぐり捨ててハリウッドに行ったり、日本の劇団に入らなければダメ。日本のトップ女優のほとんどは劇団上がりだったり、有名演出家に師事している。演技論を語るだけなら映画を見ていれば十分だが、実践するとなると、経験と血のにじむような努力が必要になってくる」(舞台関係者)  AKB卒業後、前田は「第25回東京国際映画祭」のアンバサダー就任、「TAMA映画賞」では最優秀新進女優賞を受賞するなど、着実にキャリアアップしているように見えるが、業界関係者いわく「額面通りには受け取れない。元AKB不動のエースという話題性など、さまざまな要素が絡んでのものでしょう。ボイストレーニングなども行っているとはいえ、トップ女優になるためには鬼気迫るものがないと難しい」。  先日、自らのTwitterで、水道橋博士の著書『藝人春秋』(文藝春秋)を絶賛するあまり「最初から最後まできれいに全部読めた本は記憶上では始めてです」と書き込み、「『もしドラ』や『苦役列車』など、出演映画の原作も読んでないのか」と関係者を呆れさせてしまった前田。“国際女優デビュー”と華々しく喧伝されたトニー・レオンとの共演作『一九〇五』も暗礁に乗り上げたまま“その話はNGで”状態だが、ともあれ、女優としての真価が問われるのはこれからだ。

「なぜ、お城型のラブホテルは消えたのか?」目からウロコの“エッチ空間”の歴史学

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目黒エンペラー
 幼い頃、街中にそびえ立つお城を見て、不思議に思った読者の方も多いのではないだろうか。年齢を重ねるにつれ、あのお城がラブホテルだったことを知り、その後、自らも利用するようになる。今ではすっかり、あのお城を見なくなってしまったが……。  そんな日本の性愛空間について、連れ込み旅館からモーテル、そして現在のラブホテルまでを豊富な資料と共に考察したのが『性愛空間の文化史』(ミネルヴァ書房)だ。著者の金益見氏に、1970年代以降から現在までのラブホテルの流れを中心に話を聞いた。 ――ラブホテルに興味を持ったのはなぜですか? 金益見氏(以下、金) 小学生の時、テレビドラマで殺人事件の現場として描かれていたのがラブホテルで、その時、初めてラブホテルを認識しました。中高生になると、「ベッドの下に死体がある」とか「注射器が置いてある」といった、危険なイメージの噂を耳にするようになりました。ですから、ラブホテルに対して「セクシャルなイメージ」というより、「ダークで怖いイメージ」を抱いていました。ところが、90年代に入ると情報誌で明るくポップなイメージで特集を組まれるようになり、私の中のイメージとのギャップに違和感を抱き、調べてみようと思ったんです。 ――確かに、テレビドラマのサスペンスでは、そういった怖いイメージで描かれていた印象があります。今まで何軒くらいのラブホテルを取材されているのでしょうか?  だいたい300軒ほどではないかと思います。ただ、何軒かというよりは、何室見たかのほうが重要なのです。1軒のラブホテルでも、一番料金の高い部屋と、真ん中、一番安い部屋を見ないと、そのホテルが何を発信しているのかわかりません。 ――30代以上の読者の中には、ラブホテルといえば、幼い時に街中で見かけた“謎のお城”の印象が強いと思います。その先駆けとなったのが、1973年にできた目黒エンペラーだったわけですね。  ラブホテル業界において、目黒エンペラーはエポックメイキング的存在です。外観はおとぎの国をイメージした西洋風の古城でした。また外観だけでなく、当時の資料映像を見ると、奇抜な仕掛けが満載でした。例えば、ゴンドラバスという仕掛けです。これは男女が裸でシースルーのゴンドラに乗ると、ゴンドラごと移動し、お風呂に浸かるというものです。今見ると「こんなんいるか?」と思うような仕掛けですが(笑)。しかし、そういった外観や仕掛けが、それまでの連れ込み旅館のイメージを一掃したのです。  また、当時を知るアメニティ会社の方に話を聞くと、取材に来たマスコミに、粗品として3,000~5,000円くらいのライターを渡していたそうです。そのため、マスコミが押し寄せ、大変な話題となり、都内だけでなく全国から観光客が押し寄せたそうです。  すると、お城の外観をしたホテルであればお客さんが来ると考えた全国のラブホテル経営者が、次々と同じような外観のホテルを造っていったのです。これはラブホテル業界の特徴で、何年かにひとり、遊び心のある経営者が出て、新たな試みをして成功すると、それがあっという間に広がるんですね。また、ラブホテルの建築は特殊なので、数社の建築会社が請け負っています。その数社が全国にホテルを作っているので、外観としては似たようなホテルが多くなります。 ――その後、1985年に新風営法が施行され、ラブホテルの外観もシンプルでシックなものへ変わっていくと。その理由とはなんでしょうか?  新風営法では、ラブホテルを明確に定義しました。その定義には、回転式のベッドや1平方メートル以上の鏡の設置などが含まれています。新風営法の定義するラブホテルに当てはまると、立地条件が限られてしまいます。そこで、新風営法の定義に当てはまらないようなホテルを造り、旅館として登録する流れができます。そうすればラブホテル禁止区域でも建てられますし、警察の関与も少なくなります。業界の中では、この法律はザル法とも揶揄され、抜け道ができたんですね。  もうひとつの理由は、ゴージャスでケバケバしいラブホテルに対して女性側が「あれ、なんなん?」と言い始め、ホテル選びの主導権が女性に移り始めたのも大きいと思います。その頃は女性がラブホテルのことをブティックホテルと言い始めた時期で、スタイリッシュでシンプルな、ハイセンスなものを求め始めました。それまでのラブホテルというのは男性が考える「女性が喜びそうなもの」、それがお城やメルヘンチックな外観に反映されていたのですが、この頃から女性のニーズを取りり入れ始めます。それまでのラブホテルは外観にしても、一見すると女性の意見を取り入れているように見えますが、真の意味で女性のことを考えるという意識がありませんでした。例えば、アメニティは男性用の髭剃りや、ヘアートニック、シャンプーなどしかなかったのです。  また、シンプルでシックな流れになった理由として、建築費が安く済んだことも挙げられます。お城のようなゴージャスな外観ははやりましたし、マスコミも取り上げてくれましたが、建築費が膨大になり、真似をできない経営者もいました。こうした3つの理由が、シンプルでシックなホテルの増加に拍車をかけました。 ――85年には、男女雇用機会均等法が改正されています。そういった時代の空気もあったのでしょうか?  そのあたりについてはさほど詳しくはないのですが、時代の流れとして婚前交渉をしないという意識が薄まってきたでしょうし、女性が3歩下がって歩く時代ではなくなり、積極的に意見を言える時代になったのではないでしょうか。 ――90年代に入り、「ぴあ関西版」などの情報誌でラブホ特集が組まれるようになりました。この影響は大きかったのでしょか?  私はそう考えています。というのも、それまでラブホテルの情報はありましたが、役に立つ情報はありませんでした。マスコミはそのホテルの中でも、話題となるような一部の部屋だけを取り上げていましたが、実際に行っても、目当ての部屋には入れないことが多々あった。結局、それまでのマスコミ情報というのは、話題であって情報ではなかったのです。  情報誌が特集を組むことにより、休憩は何時から何時まで、料金はいくらか、アメニティは何があるのかを調べられるようになりました。それまでラブホテルというのは、事前に調べて行く場所ではなく、行き当たりばったりで行く場所であったのが「この日、この時間に、このホテルに行こう」とできるようになったのが、情報誌がもたらした大きな変化です。 ――ここまでゴージャスからシンプル・シックという流れがあり、現在はどんな方向なのでしょうか?  現在はホテルのタイプも増え、ありとあらゆるニーズに応えられるホテルが乱立している状況ですね。世の中のニーズの多様化に伴い、ラブホテルもそうした傾向にあります。これまで休憩は大阪1時間、東京2時間でしたが、時間設定もバラバラです。ホテル側もマーケティングをし、利用客のニーズに合わせて時間設定をしています。ですから、現在こんなホテルがはやっていると言うのが難しい。本当に多種多様で、セクシャルな仕掛けを追求しているホテルもあれば、リゾートや癒やしを追求しているホテルもあります。また、シティーホテルのデイユース(日中、時間貸しで部屋を利用できる)も増えてきました。 ――最近の若い人はあまりホテルを利用しなくなり、ラブホテル業界自体も、70年代に比べるとさほど儲からなくなっていると聞きます。これは、自宅に自室を持てるようになったという日本の住宅事情の変化が大きいのでしょうか?  住宅事情ももちろんありますが、恋愛事情が変化したこともあります。ひとつには、草食系男子に代表されるように、あまりセックスをしないカップルが増えた。また、漫画喫茶やカラオケボックスのように個室空間や遊ぶ方法も増え、しかも安く遊べるようになった。90年代までのラブホテルは、セックス以外にもカラオケを楽しんだりと、セックス「も」できる場所でした。現在の若い人にとって個室空間は増えましたが、漫画喫茶やカラオケボックスでセックスをするわけにはいかない。ですから、逆にラブホテルはセックス「を」する場所になっているのではないでしょうか。 ――数社の建築会社がホテルを造っているということですが、地域差はあるのでしょうか?  私は北海道と沖縄には取材に行ったことがないのですが、それ以外の地域では地域差というより、都市部か田舎かという違いが大きいですね。都市部では、ホテルのフロントで対面するところもありますが、田舎では絶対に対面では難しい。田舎では、隣近所との付き合いが密ですから。 ――海外には、日本と同じようなラブホテルはあるのでしょうか?  あるにはありますが、日本のような形態で造っても、同じようには利用されていません。例えば、韓国にも日本のラブホテルと外観やフロントが同じようなホテルがあります。ですが、女性同士の利用や、ビジネスホテル代わりに利用されています。また、フランスには、日本のラブホテルのようなセクシャルな感じを取り入れた高級なシティーホテルのスイートルームがあります。 ――本書には、昔のホテルの新聞広告などの資料も多数掲載されていますね。  資料集めには大変苦労しました。ただ、ある教授に言われた言葉に救われました。「君の研究をキワモノ扱いする人もいる。ラブホテルを研究したところで、世間にどう評価されるかはわからない。でも、君しかラブホテルの研究をしていないから意味がある。この研究の資料を残しておかないと、数百年後の人たちは、今の時代のラブホテルのことがわからない。100年後の人を読者に想定しなさい」。こう言われ、100年後の人たちのことを考えて頑張れましたね。 ――出版後の反響はどうですか?  前著の『ラブホテル進化論』はとにかく話題性はありましたが、本書は著名な学者さんが書評を書いてくださったりと、わりと堅いところから評価されています。通史としてまとめたので、学問として評価されたのかなと思います。 (構成=本多カツヒロ) kimsan_0131.jpg ●きむ・いっきょん 1979年大阪府生まれ。神戸学院大学大学院人間文化学研究科地域文化論専攻博士後期課程修了。現在、神戸学院大学非常勤講師、大手前大学非常勤講師を務める。著書に『ラブホテル進化論』(文藝春秋)、共著に『サブカルで読むセクシュアリティー欲望を加速させる装置と流通』『恋愛のアーキテクチャ』(共に青弓社)がある。

レアな映像満載!『NHK×日テレ 60番勝負』が見せたテレビの底力

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『NHK×日テレ 60番勝負』
「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。  日本で初めてテレビ放送が始まったのは1953年2月1日、NHKによるものだった。しかし、最初に放送免許の予備免許を国から受けたのはNHKではなく、アメリカの技術を取り入れ「コマーシャル収入による商業放送」を掲げた読売新聞社・正力松太郎率いる日本テレビだった。対するNHKは大正時代から研究を続け、自前の技術力で放送設備を完成。「受信料収入による公共放送」を掲げ、日テレに半年先駆け本放送を開始したのだ。そんな本放送開始前からのライバル2局によるテレビ放送60年を記念した合同番組が、2月1日深夜の『NHK×日テレ 60番勝負』(NHK総合)と2日深夜の『日テレ×NHK 60番勝負』(日本テレビ系)だ。 両日とも、司会を務めたのは中居正広と両局のアナウンサー。そして、1日目には爆笑問題、2日目には笑福亭鶴瓶が司会に加わった。生放送では“暴走”してしまいがちな爆笑問題太田は、この日も冒頭からエンジン全開。 「(生放送で)何かあったら頭丸めます!」 と“時事”ネタを早速ブチ込んで笑わせると、その暴走は止まらない。この番組のスタジオのひな壇には、両局を代表する社員やスタッフが並ぶという「芸能人にしかわからない豪華さ」だったのだが、太田はそのNHK側に向かって「『おはよう日本』のスタッフは?」と投げ掛ける。もちろん、スタジオはドン引きだった。  番組では「大物レア映像対決」「ハプニング映像対決」「怪しい?映像対決」「お色気映像対決」など両局が保有する貴重な映像を見せ合い、視聴者から「イィ」ボタンを押された数を競うという形が行われた。ちなみにこの「イ」は、テレビの父といわれる高柳健次郎が日本のテレビに初めて映し出した文字である。そんなレア映像は長嶋茂雄の秘蔵VTRだったり、手塚治虫や渥美清の密着、「ハプニング」という言葉が一般化した番組だったりと興味深いものばかり。特にすごかったのは、NHKが1957年に収録したもののお蔵入りとなった「霊媒師の交霊実験」だ。モノクロで一部だけしか流れていないためか、何が行われているかいまいち判然としないものの、何か怪しげですごいことが行われているのだけはビンビン伝わってくる衝撃的な映像だった。  そんな中で「イィ」数を多く獲得したのが、半裸の男性がとても「趣味」ではできっこない高度な「ヨーガ」を教えるNHKの『趣味百科ヨーガ』だったのが面白い。「NHKは時として無意識に前代未聞なチャレンジをする」という、言葉どおりの強烈なNHKの「天然」っぷりだった。  こうしたレア映像対決の合間に行われたのは、若手ディレクターがそれぞれの局に行って番組制作を体験する「テレビ交換留学」などだ。VTRはそれぞれの局が自局の人気番組『はじめてのおつかい』『プロフェッショナル 仕事の流儀』をパロディにして制作。ここでも、本気でパロディを作ったら無類の強さを発揮するNHKが光った。  そして、2日にわたっての通し企画「24時間ドラマ」。これは、その場で決められたジャンルに沿って、24時間で5分ドラマを作るというもの。ディレクター以外(日テレのほうはディレクターもその場で言い渡された)ほぼ何も決まっていない状態でドラマ制作がスタートし、その模様をWebで中継。そして、完成させたドラマを2日目の放送で発表するというものだった。こちらは、自由度と柔軟性の優れた日テレが底力を見せつけた。  奇しくもこの番組の1日目に放送された『テレビのチカラ』(NHK総合)で、萩本欽一はテレビについて「あさま山荘事件」(72年)を例に挙げて分析していた。この事件は各局が生中継をし、NHK、民放を合わせた視聴率は89.7%に達した。視聴者は、窓しか映っていない画面に釘付けになったのだ。それを見た欽ちゃんは、テレビの特性を発見する。「テレビって『何かが起きてる』じゃない、『何かが起こりそうだ』でみんなが集まるんだ」と。まさに、『NHK×日テレ 60番勝負』は、そんな「何かが起こりそうだ」というワクワク感でいっぱいだった。  そして、「何か」が実際に起こる。  番組の終盤、突然、明石家さんまがスタジオに登場したのだ。そしてCMが入らないNHKで30分近くノンストップでしゃべり続け、笑わせ続けた。  さんまのNHK出演は実に28年ぶり。さんまは『クイズ面白ゼミナール』(81~88年)の番組内で、退屈そうにあくびをしていたのが視聴者の逆鱗に触れ、新聞の投書欄を賑わせて降板。その後、朝ドラ『澪つくし』(85年)に出演して以来の登場だった。そんなサプライズに「今、テレビご覧になってる方は、本当にビックリされていると思う」と興奮するアナウンサーの言葉を遮り、さんまは言う。 「いや、テレビの前の人はそうビックリしてないやろ、テレビやから」  その言葉は何気なく発せられたが、さんまのテレビに対する哲学とプライドが詰まっているように感じられた。そう、テレビは「何かが起こりそうだ」を映すメディアであるのと同時に、何が起きても不思議ではない「何でも起こり得る」メディアなのだ。  テレビがほかのエンタテインメントと異なるのは、それが「日常」と地続きなことだ。「日常」の中に、突如として「非日常」の興奮が紛れ込む。そして見たことがない「何か」が起こったカタルシスは、すぐに当たり前の「日常」の風景に変わる。だとしたら、それは僕らが生きていくしかない「日常」にも、ワクワクする「何か」が起こり得る証明にほかならない。  「非日常」の興奮と多幸感は、いつだって「日常」のすぐそばに存在する。そんなことを思い起こさせてくれることこそ、テレビの力だ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

エイベックスに勝訴のJYJ、でも圧力で締め出され……「日本国内ではドサ回りしかない!?」

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「The…」(rhythm zone)
 東方神起から分裂したJYJの所属事務所C-JeSエンターテインメントが、マネジメント権をめぐり、大手レコード会社エイベックスを相手に起こしていた民事裁判。東京地裁は1月18日、エイベックスに対し約6億6,000万円の損害賠償金をC-JeSに支払えという判決を下した。  一昨年にJYJが両国国技館で行ったコンサートをきっかけに、C-JeS側がマネジメント権の確認と、日本での公演開催の妨害に対する損害賠償などをエイベックスに求めていた今回の裁判だったが、C-JeS側の主張がほぼ認められる形となった。  昨年末には韓国でもJYJの前事務所、SMエンターテインメントと「お互いに干渉しない」という合意がなされ、C-JeSはホームページで「JYJはすべての法廷訴訟を終了させ、完全に自由の身になった」とコメント。JYJファンにとっては何よりの吉報となるが、それでもJYJの日本での活動が厳しく制限されることは確実だ。 「業界に大きな力を持つエイベックスと敵対しては、テレビ局もエイベックスに配慮して、音楽番組などで彼らをキャスティングすることは控えるだろう。ファンクラブツアーを連発したり、地方で“ドサ回り”するしかないのでは?」(業界関係者)  密かに練られていた“5人の東方神起”再結成も、絶望的になってしまった。実は、エイベックスが敵視しているのは、JYJの3人ではなく、彼らの後ろにいる韓国人フィクサー。  音楽関係者いわく「裏を返せば、エイベックスは最後まで東方神起の再結成をあきらめていなかった」そうで、「水面下でエイベックスと“母体”であるSMエンターテインメントは議論を重ねてきた。序盤は意見がまったく合わなかったが、日本の芸能界で絶大な力を誇るX氏が双方の間に入ってから、話はいい方向に進んでいたのですが……。結局、JYJ側がエイベにSMエンタと関わることを嫌い、C-JeSと運命を共にすることになった」(同)という。  別の音楽関係者は「せっかく“助け舟”を出したのに……。これでJYJは完全に終わった。判決には『今後、JYJの日本での活動を妨害しない』という内容も含まれますが、具体的に『これはダメ、あれはダメ』という部分には触れられていない。キャスティングの段階でエイベックスがテレビ局に“圧力”をかけても、局側が『自発的にやった』と言えばセーフですからね」と話す。  JYJ側は勝訴判決に大喜びというが、その先にはイバラの道しかない。

今度は柏木由紀……! AKB48の“天敵”「週刊文春」が、Jリーガー・AV嬢との合コンをスクープ

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(c)AKS
 峯岸みなみの“お泊まり愛→丸刈り謝罪”の衝撃も冷めやらぬ中、またしてもAKB48人気メンバーの“破戒行為”がスクープされてしまった。  AKBきっての清純派として知られる柏木由紀の“深夜合コン”をスクープしたのは、先週の峯岸みなみの“お泊まり”をはじめとして、増田有華とISSAとの“不倫愛”、指原莉乃の“ファン食い騒動”などを報じてきた「週刊文春」(文藝春秋)。6日発売の同誌2月14日号で、柏木が峯岸やカリスマAV嬢の明日花キララ、Jリーグ・セレッソ大阪の選手らと、深夜から午前7時過ぎまでカラオケなどに興じていた様子を報じているのだ。 「正直、ショックですよ。柏木は『24時間張りつかれても、絶対にスキャンダルは出ない』と自分で豪語していましたし、握手会の対応も素晴らしく、絶対にファンを裏切るようなことはしないと信じていました。記事を読むと、仲のいい峯岸に誘われて行ってしまっただけだとは思うんですが、誤解を招くような行動は慎んでほしいですよ。本当に悲しいから!」(熱心な柏木ファン)  確かに、柏木の売りとなっていたのは、握手会の“神対応”を含めた、恋愛とは無縁の清純派なイメージ。AKB48の不文律である「恋愛禁止」についても、「恋愛やプライベート、自由を捨ててもAKB48に夢を懸けている」「みんなの意思を統一するためにも、必要だと思います」と語っている。  くしくも6日は柏木のソロデビューシングル「ショートケーキ」の発売日。過去には合コンが発覚したタイミングでAKBから脱退していったメンバーも複数おり、柏木にもなんらかの動きが見られる可能性もある。  また、先週丸刈りになったばかりの峯岸も今回の“合コン”に参加していたと報じられており、こちらの処分にも注目したい。

上祐さんのサインをもらった

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宗教、洗脳、自己啓発セミナー、悪徳商法……身近に潜むニッポンのカルトな風景に「やや日刊カルト新聞」の藤倉善郎がゆる~く切り込む!  約18年前に、長野県松本市の住宅街や東京の地下鉄に化学兵器“サリン”をまいて、約6,300人もの死傷者を出したカルト教団があります。オウム真理教です。その広報担当者として、事件当時メディアで教団の無実を主張してきた上祐史浩氏は、その詭弁ぶりから、「ああ言えばこう言う」をもじって「ああ言えば上祐」と揶揄されました。  その上祐さんが昨年12月、告白本『オウム事件 17年目の告白』(扶桑社)を出版。その報告イベントを1月22日に東京・新宿のライブハウス「ロフトプラスワン」で開催しました。そこに藤倉、上祐さんの対談相手としてゲスト出演させていただけたので、「あれだけの事件を起こしておいて、どの面下げて」などと言いたい放題、言ってきました。 ■言いたい放題言ってみた shot0013.jpg  上祐さんは死刑や無期懲役が決まって塀の中にいる教祖や高弟たちと違って、サリン散布や殺人などに直接関与しなかったということで、偽証罪などで懲役3年の刑を受けただけ。1999年に出所し、現在は娑婆でオウムの残党を率いて宗教団体「ひかりの輪」の代表をしています。  しかし上祐さんは教団が東京・亀戸で炭疽菌をまいたテロ未遂事件には関与していたし、サリン事件や坂本堤弁護士一家殺害事件などについても教団の仕業だと知っていながら、メディアで教団の無実を主張していました(その辺りのことも『オウム事件 17年目の告白』に書かれています)。  つまり上祐さんは元テロリストで、なおかつテロ集団の顔として世間に向けてウソをつきまくっていた人物です。現在は麻原信仰を捨て、「オウムを超える」「麻原を超える」宗教を標榜して「ひかりの輪」の代表を務めていますが、ひかりの輪の信者の多くはオウム真理教の残党です。 ■言いたい放題言ってみた shot0024.jpg  ロフトプラスワンでのイベントで、私は 「ひかりの輪は解散すべき」 「あれだけの事件を起したテロ集団の元幹部が残党を率いて、宗教だの思想だのと言っているのって、“どの面さげて”という感覚」 などと、自分の出番のしょっぱなから割と言いたい放題言ってみました。これに対する上祐さんの返答は、要約すると、こういうもの。 「自分は麻原を超える思想を創造したい」 「被害者支援機構との賠償契約がある」  宗教によって無差別殺人テロを起こした団体の幹部が、いまだに「宗教」だ「思想だ」と言っていることへの違和感には答えていませんし、賠償が目的なら、宗教ではなく賠償のための団体でもいいはずです。 上祐さんは、 「解散したら、個々の信者は賠償しないだろう」 「宗教は賠償のための事業」 といった趣旨の説明をしていました。もっともらしい言い分に聞こえるかもしれませんが、これって言い換えれば、 「賠償する気なんかない信者たちからカネを吸い上げて、彼らが望んでいない賠償にそのカネを使うのが、ひかりの輪という宗教」 ということです。冷静に考えると、けっこうひどいことを言っています。 ■“ああ言えば上祐”健在か  残党が組織を存続させる限り、信者が家族のもとに戻ったり社会復帰したりということは難しく、彼らにとって永久に「オウム事件」は終結しません。しかし上祐さんは、そんな信者たちを団体から“解放”し、社会復帰させる努力をした形跡もなく、このイベントでも、そのような意思を表明することはありませんでした。 上祐さんはイベント中、 「敵を師とする」 「私を批判する藤倉さんのような人も私の師匠だ」 と言っていました。しかし、私と一緒に出演した真宗大谷派僧侶の瓜生崇さん(やや日刊カルト新聞の記者でもあります)は、こうツッコミを入れていました。 「そう言う割には、何かを言うても全部、『それはこうなんです、ああなんです』って返ってくるんですよね。『その通りですね。私が間違ってました』という言葉を上祐さんから聞いたことがない。『みんなが師』と言う割には、本当はそんなことは全然思ってないんじゃないの?と思うんですが」  イベント後、複数のお客さんから 「“ああ言えば上祐”は健在ですね」 という感想をいただきました。 ■上祐さんはシャレがわからない  かつての上祐さんは、悪い意味でインパクトのあるパフォーマーでした。あるときは、テレビカメラの前で「ばかばかしいですよ!」と声を荒らげてフリップを投げ、警察を非難して見せました。オウム幹部・村井秀夫が刺殺された後のインタビューでは、村井を殺したのはマスコミだと言わんばかりに「次は尊師(麻原彰晃)を殺すんですか!」と報道陣にキレて見せました。  しかし、現在の上祐さんは違います。著書でもイベントでも、批判に対して謙虚で殊勝そうな態度は崩さず、口先で批判をいなすだけ。何も面白いことはしてくれません。当然、伝説の“フリップ投げ”もイベントでは披露しませんでした。  しかしイベント中に、上祐さんの言葉ではなく行動に、お客さんから批判の声が上がった場面が1度だけありました。休憩時間に、上祐さんがお客さん相手にサイン会を行っていたからです。 「どういう気持ちでやってるんでしょうか? サインというのは一般に、芸能人とか作家とか、やましいことがない人が書くのが自然。会場の人も、どういう気持ちでサインを受け取っていたんでしょうか?」(お客さん)  これは、ものすごくいい質問でした。テロ集団の元幹部で、現在も残党組織の代表者である人がサイン会って、確かに変です。 「署名することで販売を促進して、被害者への賠償になればという気持ちでやっていますが、そういった印象を抱かれる方もいらっしゃると思いますので、今後、やり方、その他考えながらやっていきたいと思います」(上祐さん)  もはや上祐さんにとって「賠償のため」は自己保身の最終兵器。これさえ言っときゃOKみたいな印象です。イベントが終わると、やっぱりまたサイン会が始まりました。  実は、お客さんからの批判が出るより前に、私もイベントの中で、 「上祐さんを文化人扱いすべきではない」 と発言していました。というわけで、ようやく私が上祐さんを「いじる」ネタができました。  イベント後、上祐さんは、会場に残った20人ほどの観客を相手に「懇親会」という名の説法会状態に。そこへ私が、色紙とマジックを持って突撃です。 藤倉 「サインしていただけますか?」  色紙へのサインなので、書籍の販売促進にはなりません。でも上祐さんはOKしてくれました。そこで、もうひと押し。 藤倉 「サインの下に“文化人”って書いてください!」 上祐さん 「それ、どういう意図ですか?」 藤倉 「カルト化しないためには、シャレを理解すべき」 DSCN5079.JPG  結局、サインはもらえましたが、「文化人」とは書いてもらえませんでした。 「カルトなニッポン見聞録」過去記事はこちらから ●ふじくら・よしろう 1974年生まれ。東京出身。0型の乙女座。宗教やスピリチュアル団体をめぐる「カルト問題」を取材するフリーライター。ニュースサイト「やや日刊カルト新聞(http://dailycult.blogspot.jp/)」主筆。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社新書)。