
現場となった那智の滝。
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世界遺産「那智の滝」(和歌山県那智勝浦町)でロッククライミングをして軽犯罪法違反容疑で逮捕されたアルパインクライマーの佐藤裕介に“余罪”の話が噴出している。
「いつか何かやらかすんじゃないかと思った」
日本を代表するクライマーの佐藤に対して侮蔑の表情を浮かべたのは、長野県で山小屋を管理する国立公園の職員だ。
「以前から、マナーの悪さでは有名でしたからね。あるときは仲間と酒を飲んで遅くまで騒ぎ、女性クライマーに全裸を見せつけて反応を楽しんでいた。苦情が来ると禁止区域でテントを張り、注意しても“ここはおまえの土地か”と逆ギレ。あれだけ態度の悪いクライマーは、ほかに知りません」
佐藤に対して嫌悪感を示しているのは、この職員だけではない。山梨県のある神社では高さ12メートルの岩を“神体”として祭っているが、8年前に「佐藤がここを登った」という話が広がり、地元住民の怒りを買っていたのだ。
関係者は直接、佐藤が登ったところは見ていなかったが、あるとき岩に無数の傷と滑り止めチョークの跡が散見され、さらに後日、各方面から「佐藤がここを登ったと聞いた」というクライマーが次々に訪れたというのだ。
神社側は日本フリークライミング協会に通報。クライミングの自粛が呼びかけられたというが、結局、佐藤本人からの説明は一切なく、関係者は佐藤への不快感を持ったままだという。
佐藤の禁止区域でのクライミング目撃談は、ほかにもネットなどで報告がされており、20年以上前に禁止区域に指定された東京・奥多摩町の岩場でも「最近、佐藤が下見に来ていた」などとウワサになっていた。現地でこうした問題に取り組んでいる自然環境保護グループの理事からは「以前から佐藤氏は悪質なクライマーとしてマークしていた」という話が聞かれるほどだ。
佐藤本人が釈放後も雲隠れ状態のため、実際にどれほどの問題行動をしていたかは本人の弁明を待つしかないが、佐藤の悪評には当のクライマーたちからもブーイングが飛んでいる。
「クライミング先進国のアメリカなど、海外では環境保護との折り合いをつけて行われているのに日本は未整備で、クライミング人口だけが増えている危ない状態。良識あるベテランクライマーが率先して啓蒙活動などを行わなければならないのに、佐藤氏の行為でクライミング全体のイメージダウンとなってしまった。正直、責任を取って引退してほしい」(クライミング歴21年・加藤健氏)
佐藤は事件の影響で、スポンサーだったブランド「THE NORTH FACE」から契約解除されたが、内外からの冷たい視線という社会的制裁の風は収まりそうにない。
(文=和田修二)
投稿者「kitamura」のアーカイブ
「彼女はヤリ捨てされただけ!」実は奔放恋愛のスギちゃん 週7人の“ヤリチン”ぶり

『スギちゃん 「ワイルドだろ~」』
(アニプレックス)
「恋愛とかどうでもよくなっちゃった。今後誰とも付き合わない」
7月下旬、エステサロンのイベントに登場したスギちゃんの発言に、失笑した女性もいたに違いない。ブレイク後に交際した20歳の恋人とは、わずか2カ月で破局。その失恋ショックが大きいとしているのだが、一方でスギちゃんの奔放なネットナンパが表沙汰になっている。
かつてスギちゃんが出入りしていた会員制の日記サイトでは、確認できるだけでも5名の女性が、ブレイク前までに出会ったり、口説かれたりした様子を記している。そもそもスギちゃんは毎日のようにネットナンパしていたことを自らテレビ番組でも打ち明けており、ブレイク直後に破局した4年間交際していた恋人も、知り合ったのはその日記サイトだ。
元恋人のAさんによると、サイト上で失恋して落ち込んでいることを明かしたところスギちゃんからアプローチがあり、直後には同棲に発展。しかし、スギちゃんはほかの女性とも頻繁なやりとりを止めず、「作家とネタの打ち合わせ」と言っては週7人のペースで新たな出会いを繰り返していたため別れたとしている。スギちゃんに対しては「4年間も無駄な時間を過ごし、心の底から後悔している」とまで言っており、これは当のスギちゃんも事実だと認めた上で、当初の出会いも「失恋して弱っていた子を狙った」と弁明している。
ブレイク後に交際した20歳女性との破局原因を「ベラベラしゃべり過ぎたから」とメディアで明かしたスギちゃんだが、実は女性の知人からは「それはウソ」との声も飛んでいる。
「彼女は、スギちゃんのほうから一方的に“忙しい”とか“マスコミの目がある”などの理由で会うのを拒まれ、メールの返事すらもらえなくなったと言ってます。ハッキリ言ってヤリ捨てされただけ。それなのに、まるで失恋したかのような言い方は卑怯ですよ」(知人女性)
どちらの言い分が正しいかは分からないが、ブレイク前でも週7人もネットナンパしていただけに、今回の人気急上昇で寄ってくる女性が増えれば、遊びに拍車がかかることは想像に難くない。
大ブレイクで、関係者からは「今年の年収は、昨年の100倍になるのでは」とも言われているスギちゃんだが、芸人仲間からは控え室で「遊ぶ女の数も100倍になるんじゃないの?」と突っ込まれたという話もある。
ただ、早くも自身の恋愛ネタというプライベートの切り売りをしている姿には「賞味期限切れも早そう」との声もあり、旬なうちに人生最大のモテ期を楽しんだほうがいいのかもしれない。
(文=鈴木雅久)
『とくダネ!』視聴率低迷でわかったナカミー人気と菊川怜の不人気ぶり

フジテレビ『とくダネ!』
小倉智昭がメーンキャスターを務める情報番組『とくダネ!』(フジテレビ系)の低迷が止まらない。2年ほど前までは8%前後の視聴率を維持し、同時間帯の日本テレビ系『スッキリ!!』など、ライバル相手に頭1つリードしていたが、長らく小倉キャスターとコンビを組んできた中野美奈子アナが6月末で卒業して以降、視聴率がまったく振るわないのだ。
その原因について番組関係者は、中野アナの後釜として据えられた東大卒タレントの菊川怜の名前を挙げる。
「とにかく小倉さんとソリが合わない。起用された当初は発言を控えていたが、最近は政治でも事件でも自分の意見を言うようになってきた。これが視聴者にまったくウケていない」
菊川にしてみれば、2002年から09年9月まで福澤朗キャスターと情報番組『真相報道 バンキシャ!』(日本テレビ系)のメーン司会を務めてきた自負がある。
「それだけに、小倉さんが番組後の会議で彼女を皮肉っても、まったく聞く耳持たず。結果、番組内でも小倉さんとの掛け合いで、たまにピリピリする場面もある」(テレビ関係者)
一方、中野アナは小倉キャスターや同局の“説教おじさん”こと笠井信輔アナの小言も笑って流し、たまに飛び出す天然発言で場を和ませることもあった。
同局関係者は「アナウンス能力は決してホメられるものではなかったが、愛嬌のある憎めないキャラクターだった。それが出勤前の朝の時間帯にはちょうど良かったんだろう。菊川さんでは“重すぎる”というのが今の考え。退社して初めて、中野アナのありがたみを感じましたよ」と話す。
最近では週5回の放送で『スッキリ!!』に負け越すことも目立ってきた『とくダネ!』。この状況が続けば「年内放送終了」という話も流れている。一介の女子アナに“完敗”した菊川のプライドは崩壊寸前だ。
19兆円の復興予算が“霞が関復興”に!? ネコババ“シロアリ役人”の悪業を暴く!

「週刊文春」8月2日号 中吊り広告より
グランプリ
「野田首相前後援会長は社会保障費21億円を詐取していた」(「週刊文春」8月2日号)
第2位
「19兆円復興予算をネコババした『泥棒シロアリ役人の悪業』」(「週刊ポスト」8月10日号)
第3位
「JAL再上場目前の乱気流 当機は燃料費節約のため台風に突っ込みます!」(「週刊新潮」8月2日号)
次点
「ああ残念!鈴木京香様、やっぱりあの男と!」(「週刊ポスト」8月10日号)
何度も書いているが、週刊朝日が心配だ。今週は新聞広告の「総選挙へ 谷垣が小沢、鳩山と組む」につられて読んでみたが、それらしい記事がないのだ。どうやら「森元首相の引退声明で始まった自民党の『脱長老』総裁選」というのがそれに当たるらしいのだが、ここまで広告と本文が違うのには驚く。
谷垣の最側近だという川崎二郎が、囲み記事の中で「小沢さんや鳩山さんとも手を結ぶ」と話しているのがタイトルになったようだが、羊頭狗肉が過ぎる。
AERAの一行ダジャレが面白い。「夢をもうイチロー」
私に届いた暑中見舞いで、税理士で「株式会社パラトネール」の中川尚代表取締役はこう書いてきた。
「2010年度消費税還付金上位5社
1位 トヨタ自動車 2,246億円
2位 ソニー 1,116億円
3位 日産自動車 987億円
4位 東芝 753億円
5位 キャノン 749億円
輸出大企業は消費税を納めているのではなく、むしろ還付金を受けている。今後、消費税率を上げ、法人税の税率を下げていくと、日本の大企業の多くは日本で税金を1円も払わないことになる。輸出補助金がWTO(世界貿易機関)の協定違反となったことにより、消費税が実質的な輸出補助金となったのである。これが消費税問題の本質である」
消費税還付金がこれほどあるのは驚きである。大メディアはこのことを書いているのか。
さて、ポストが珍しく張り込みネタをやっている。フライデーのようにはいかないようだが、なんとか同じマンションから出てくる二人を撮っている。
一人は熟女美人の女優・鈴木京香(44)。そして相手は? きっかけは、銀座の飲食店の関係者の「極秘情報」だった。
「銀座の某有名高級クラブの常連に、政財界やメディアに大きな影響力を持つ団体のトップがいるのですが、彼は酔って上機嫌になると決まって鈴木京香さんを呼び出すそうなんです」
そこでポストは取材を開始し、京香の自宅があるマンションを張り込み始めた。そして、ついに7月下旬のある週末(なんで何月何日と書かないのかね)、霧雨が降る中、顔を隠すように傘をさした男が現れる。
彼はウワサされていたオヤジではなく、2010年に『セカンドバージン』(NHK)で共演した9歳年下の俳優・長谷川博己(35)であった。
長谷川が京香の部屋の合い鍵を持っているのは間違いないと、ポストは書いている。
かつては、俳優の堤真一や真田広之との熱愛が報じられたが、結婚までいくことはなかった。長谷川には結婚を求めてはいないらしい。山田五十鈴や原節子を持ち出すまでもなく、名女優は独身でいることが多い。独身生活を謳歌する京香は、名女優への道を「我が道」と思い定めたのかもしれない。
今週の第3位は、週刊新潮の記事。JALの再上場に異議ありと、新潮らしい切れ味を見せている。
JALが会社更生法の適用を申請したのが2010年1月。それが、今年3月期には2,049億円の営業利益を出したのだから、JALの名誉会長になった稲盛和夫は評価されていいはずだが、そうではないと異を唱える。
「稲盛さんの経営哲学の下、日航では、すべてに優先して絶対安全、という方針が弱まってしまいました」(共産党の穀田恵二代議士)
稲盛の「利益なくして安全なし」というイズムが浸透して、安全が脅かされているというのだ。
その例を穀田代議士は挙げる。昨年の台風シーズンのとき、機長が「台風は迂回すれば避けられるが、そうすると30分ほど余計に時間がかかり、燃料費が20万円余計にかかってしまうから台風を突っ切っていく」と発言したというのだ。
今年1月には旭川発羽田行きの便の機長が、空港で点検中に転倒して肋骨を折ったにもかかわらず、そのまま羽田まで操縦した。
航空業界に詳しいジャーナリストはこう語る。
「この機長は管理職で、稲盛さんの利益第一主義を進めてきた立場の人。自分がケガをしたせいで欠航になれば赤字になるから、休むと言い出せなかったのではないでしょうか」
その日の機種や、お客が何人搭乗して燃料費にいくらかかるかを、パイロットには事前に知らされる。そこから利益を捻出しなければと考えるパイロットが増えたために、燃料費を抑えようと、台風に突っ込んでいくパイロットまで出てくるというのだ。恐ろしいことではないか。
また、CA(客室乗務員)もただのセールス要員だと、元CAが嘆く。
「CAにはフライトごとに“セールスターゲット目標額”が課され、羽田―沖縄便ならCA一人につき往復4,000円。(中略)みなノルマをいかに達成するかで頭が一杯で、接客どころではありません」
国際線ではもっとノルマがきつく、一人当たり3万2,400円にもなるという。
パイロットは年収がいいと思われてきたが、破綻前が1,700~1,800万円、2,000万円を超える者もいたが、今は1,200~1,500万円だという。
驚くのは、希望退職で整備員が約2,000人辞め、今は下請けに丸投げされていることである。それをカバーしているのは中国の厦門(アモイ)にある工場で、そこへ一括して依頼しているというのだ。
「しかし、日航が世界に誇れる整備等の技術面が、このままで大丈夫なのか。信頼性が低下しないでしょうか」(国土交通省航空局の関係者)
新潮の言うように、
「安全を疎かにすると、いかに巨大なコストにつながるか、東京電力という反面教師がいるではないか」
JALに乗るのが恐ろしくなる記事である。
第2位は怒りが思い切りあふれている、ポストお得意の官僚批判特集。読みながら、こちらも怒りに震えてくる記事である。
東日本大震災から500日以上を過ぎたにもかかわらず、被災地復興は進んでいない。三陸海岸のガレキ処理はまだ2割にしか過ぎず、岩手、宮城、福島3県の仮設住宅には約27万人が暮らしているが、これまで着工した復興住宅はわずか229戸で、計画の1.1%にすぎない。
東北復興が進まないのには理由がある。被災者のための震災復興予算が役人たちにかすめ取られているからだとポストは追及する。
政府は震災復興のため、昨年度は3次にわたって約15兆円もの復興補正予算を組み、今年度分と合わせて総額19兆円の震災復興予算を集中的に投下することを決めた。
その財源を賄うために、来年1月から25年間にわたる所得税引き上げと10年間の住民税引き上げという、長期間の臨時増税が実施される。そのほかに子ども手当の減額、高速道路無料化の廃止、国家公務員の人件費削減も決まった。
だが、国の予算は制約ばかりが多く、被災地が本当に必要としている事業には使えない仕組みになっているというのだ。
宮城6区選出の小野寺五典衆議院議員(自民党)がこう語る。
「被災地の自治体は壊滅状態だから税収もない。そこで復興に自由に使えるという触れ込みの復興交付金が創設されたが、使途が40事業に限定され、土地のかさ上げすらできない。気仙沼では水産庁の復興事業で漁港周辺の地盤を高くしたが、そこに以前あった商店を建てるのはダメだといわれた。これでは町の復興には使えません」
そのために昨年度の復興予算約15兆円のうち、4割に相当する約6兆円が使われずに余ってしまったのだ。被災者向けの復興住宅に至っては1,116億円のうち、使われたのはわずか4億円。
大事な復興予算をシロアリ官僚たちはネコババしていると書いている。
まず「不用額」とされた約1兆円は、新設された「東日本大震災復興特別会計(復興特会)」に繰り入れられ、各省庁に分配されるのだが、国交省は36億円を使って政府の官庁舎を改修する計画を立てた。一方で石巻市役所は1階部分が水没し、5~6階の吊り天井が壊れるなどの被害が出たが、「市庁舎改修工事」費用はわずか2,900万円。
市の管財課担当者は、これは改修費用ではなく、加湿器と駐車場のLED電球の設置予算で、自治体が自腹で改修したら倒産してしまうと嘆く。
だが、同じ市の国の出先機関の港湾合同庁舎には4億円の改修費用が計上されているという。
ハコ物と並ぶ巨大公共事業である道路にも多額の予算が復興特会から出されている。北海道と沖縄の道路整備事業にそれぞれ78億円、22億円が拠出された。
もっと腹が立つのは、国家公務員を6,000人以上削減するといっていたのに、実際には1,300人しか減っていないことである。
削減分を穴埋めするために新規事業を立ち上げ、そちらに人員を移しているからだ。新設された復興庁の定員は120人だが、復興特会には791人分の人件費が計上されている。
「被災地に行く職員ならまだわかりますが、そうじゃない。霞ヶ関の役人の給料なんです。本来は一般会計で計上すべき予算を、勝手に付け替えている」(みんなの党の桜内文城参議院議員)
復興特会の人件費は総額131億円にも上る。これは通常の給与だけではなく、年金や福利厚生、退職金まで含まれているというからあきれ果てる。
また、文科省や会計監査院から天下りする独立行政法人・日本原子力研究開発機構へは107億円拠出されているのである。
機構を管理する文科省の研究開発戦略官付の担当者はこう語る。
「実験を行っている日本原子力研究開発機構は、(被災した)青森県と茨城県にあります。同事業のコンセプトは、この研究を日本と欧州が参画する『世界的な核融合の拠点施設』にして、イノベーションの力で復興に寄与しようというものです。世界的な研究拠点ができれば、被災地に活力を与えるという趣旨です」
ポストは「質の悪いジョークにもほどがある」と切り捨てる。
そのほかに、南極に行く調査捕鯨に18億円、それを妨害するシーシェパード対策費に5億円が使われてしまっている。
「財務省や執行部は、震災復興を増税するための道具としてうまく使っただけで、その駆け引きのために震災復興が遅れてしまった。(中略)もう無茶苦茶ですよ。それで不用分は繰り越しだというのだから、地元は本当に怒っていますよ。『使い切れなかったとはなんだ! こっちは本当に復興予算を必要としているのに』と」(新党きづなの齋藤恭紀衆院議員)
安住淳財務相は19兆円を超える可能性が高くなってきたので、新たな財源を考えると、積み増しまで示唆している。
震災復興のためのカネを役所の利権拡大や生活保障という「霞ヶ関復興」のために使っているのは「国家犯罪」だとポストは書いているが、その通りである。
今週も文春の記事がグランプリである。文春の独走態勢が止まらない。
今週は野田佳彦首相と刎頸の交わりのある医療グループオーナーのスキャンダルを暴き、野田首相には「消費増税を行う資格なし」と言い切っている。
オーナーの寒竹郁夫と野田は船橋高校時代の同級生。千葉県議に当選した野田と再会し、以来20年にわたって寒竹は支援を続けてきた。
昨年12月3日。野田首相は忙しい合間を縫って政経倶楽部というところで講演したが、この倶楽部の初代理事長で現在はファウンダーを務めるのが寒竹である。
野田首相は、総理に就任した2カ月後に開かれた天皇・皇后主催の秋の園遊会にも首相枠で寒竹を推薦し、出席させている。
彼は訪問歯科診療をサポートする「デンタルサポート株式会社」(以下、DS)の社長。訪問歯科診療とは、要は歯医者の出前である。歯科医、歯科衛生士、コーディネーターの3人でチームを組み、患者の自宅や介護施設を訪問して診療する。
医療保険から診療報酬が医療法人に支払われ、DSは診療1件ごとに約4,000円のサポート料を得る仕組みだそうである。
寒竹は街の歯科医だったが、訪問歯科診療に着目して売上を伸ばし、現在年商約86億円となっている。
だが、DSグループの元中枢幹部は「この売上には見逃すことのできない不正があるのです」と告発する。
訪問診療では、診療時間が20分を超えると一軒家なら850点、老人ホームなどは380点が加算されるが、20分以内では初診でも218点、再診では42点しか加算されないのだ。
20分を超えるか否かで、最大8,000円以上の差が出るという。DSグループでは20分以内で診療を終えても超えたことにして、高い診療点数を請求する不正が横行しているというのだ。事実ならば、刑事事件に発展する悪質行為である。
取材していくと、寒竹は「ノルマ」を達成するよう、以下のような文書を出していた。
「各医院の勤務医の先生は、院長の管理のもとで点数算定方法を再確認し、平均点数が1,100点となるようにして下さい」
DSグループの元中枢幹部は「組織として当たり前にやっていたということです。(中略)ただ、昨年くらいから幹部会議でも問題視され始めました。寒竹は株式上場を目指し、社内でもコンプライアンスを求める声が高まっていった」と語る。
だが、これほどおいしいやり方をやめるわけにはいかなかった。3年前にDS内部で、不正請求をやめた場合、どれぐらい売上が減るかを試算したら、年間21億円という数字が出たからである。
この幹部は、このことが記事になったほうがいいと思うと洩らし、続けてこう語る。
「記事になったら、もっと告発が出てくるはずです。やはり社会保障費をむさぼっている事実はあるわけで。規模を大きくしようとするあまり、その認識が抜けていたことは認めざるをえない」
野田首相は税と社会保障の一体改革を唱え、消費税増税に命を賭けると表明している。消費税増税は社会保障の充実に使われると説明しているが、DS社のような不正請求をする企業に吸い込まれていくとしたら、国民の理解は得られまい。
野田が96年に落選したときに支えたのも寒竹で、野田の秘書達の面倒も見ていた。
当人はこの疑惑にどう答えるのか。医療グループのトップにいる人間にしてはこの御仁、いささか柄が悪い。
「訪問医療を始めた理由は」と聞かれ、
「金を儲けたいから。当たり前だよ。だけど、やっているうちに、価値観がだんだん変わるんだよ。本当に世の中のためになりたいと」
と答えるが、「本当は診療していないのに、20分診療したことにして高い保険点数を請求していますが」と追及されると、口調が変わった。
「ウチの平均診療点数は九百、全国平均よりかなり下。現象として不正みたいなことはないと思います。今の医療を国の基幹産業にしようとしているのに、妨害する奴らがいる。百歩譲って、二十分を五分にしました。それで何になるの? 俺の給料、三千六百万だよ、たったの。ふざけんなよ。政経倶楽部に私費をぶっ込んでるわけだよ」
野田の選挙活動に、DSの社員を手伝わせたのではないかと突っ込まれて、
「そこまで調べてるんだ。もしそうだとしてもノーと言います。ウソをつきます。それはなぜかというと義理人情。従業員を張りつかせて選挙応援したって数十万。その件に関してはノーだと言うけど、あったとして、あげつらって、国難のときに意味がある? 野田は守るから、友情で。検察に言われても、俺はあいつを守る。検察にしょっぴかれようが、吐かないけど。一国の総理の後援会長だよ。そのくらいの根性じゃなければ」
厚労省保険局医療課は「訪問医療の場合、患者のリスクは、外来の患者に比べて高く、手間隙もかかるため、診療点数を高くしている。あくまでもつきっきりできちんと診療をやっていただく。その結果として二十分あったのか、なかったのか、ということです」と文春に答えている。
野田首相は文春の取材に対して期日までに返答をしてこなかった。消費税増税は国民の4割を超える支持を得ている。それは後世にツケを残してはいけない、日本を破綻させてはならないという将来に対する責任感に基づくものだろうと文春は書き、こう続ける。
「しかし、その増税が真の社会保障の充実に使われることなく、社会保障予算をむさぼる組織に流れ込むとしたら、消費税増税は国民の支持を得られるはずがない。しかも、その流れ込む先は野田首相の有力後援者なのである。野田首相、あなたに消費税増税を行う資格はない」
この結びも見事である。
野田首相は参院社会保障と税の一体改革特別委員会で、礒崎陽輔(自民党)議員がこの件について質問したが、「事実関係はまだ明らかでない。今、法的に問題があるわけではないが、疑惑について私も彼もきちっと説明していく責任がある」と述べるにとどめた。
事実関係が明らかになったら責任を取るということかね、野田さん。
(文=元木昌彦)

撮影/佃太平
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
局アナの枠を飛び出した、マジカルな思考回路の冒険『安住紳一郎の日曜天国』

『安住紳一郎の日曜天国』
しゃべりと笑いと音楽があふれる“少数派”メディアの魅力を再発掘! ラジオ好きライターが贈る、必聴ラジオコラム。
放送局に所属する男性アナウンサーの中で、いま最も「フリーに近い男」。安住紳一郎がそう呼ばれるには理由がある。その理由とは、当たり前に聞こえるかもしれないが、彼が断トツに面白い人間だからである。ルックスや仕切り能力が評価されているのはもちろんだが、それだけでは業界内で一流の評価は得られない。だが、その面白さの発揮される余地が、テレビにはほとんどないというのも事実。彼の真価はラジオでこそ100%発揮される。『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ/日曜10:00~11:55)とはつまり、人間・安住紳一郎の魅力が高濃度でパッキングされた番組である。彼の評価を根底で支えているのは、間違いなくこの番組なのだ。
ラジオでの安住は、「アナウンサー」ではない。安住だけでなく、ラジオで冠番組を持つすべての「アナウンサー」が、ラジオにおいては「アナウンサー」ではない。ラジオのしゃべり手は、芸人であろうと歌手であろうと俳優であろうとアナウンサーであろうと、みな平等に「パーソナリティー」と呼ばれる。つまりラジオという戦場は、職種を剥ぎ取られた裸一貫の状態での、個の勝負の場として設定されている。ラジオを面白くするには、自らが見栄っぱりな衣を脱ぎ捨て、弱みも情けなさも変態性もあらわにしてリスナーにぶつかっていくしかない。『日曜天国』で明らかになる安住の魅力とは、まさにそういった、アナウンサーとして一見マイナスイメージとも取られかねない、人間らしい性質の数々である。そういう意味では、伊集院光が深夜ラジオで放つ魅力に近い。ただ安住のほうが、ルックスの爽快感と隠された毒性のギャップが大きい分、衝撃は大きいかもしれない。しかもこちらは日曜の朝からである。
安住の最大の魅力は、その独特の思考回路にある。人間の性格とはつまり、「何をどういう順番で考えるか」ということであって、魅力的な思考回路は人間的魅力に直結する。番組は毎度、丁寧な挨拶と天気の話題から入り、最近安住の身のまわりに起こったことをきっかけに、飛行機が徐々に離陸するように約30分のフリートークが展開されてゆく。ほかにも、生姜焼きマニアやマリンバ奏者など珍しいゲストを迎えるコーナーや、ほのぼのとした雰囲気ながらも毒の効いたメッセージ紹介コーナーなどもあるが、やはり長尺のオープニングトークがこの番組の肝だろう。
例えば、ある日のフリートーク。いつも通りの気候の話から、安住はその日が素晴らしい陽気であるということを伝えるのに、こんな話をする。その日の早朝、徹夜明けの安住は徒歩で帰宅途中、自転車を颯爽とこぐ女性に遭遇した。ごく普通の話だ。だが安住は、すれ違いざまに見たその女性の、まるで鼻歌を歌う寸前のような、口笛を吹く寸前のような恍惚とした表情になぜか衝撃を受ける。俺もあんな顔をしてみたいと強く思う。しかも今すぐに、家に着くまでの間に。安住は顔を変形させ、なんとかその女性そっくりに恍惚の表情を作り出そうと試みるが、どうしても再現できない。そこで、「なぜ俺はあの人と同じ気候のもと過ごしているのに、同じ顔ができないんだ」と考えた安住は、「ああ、俺は今さほど心地よくはないんだ」と急に気づき、「じゃあ、できないや」と、あっさりあきらめたという。
そう、それだけの話だ。単に「自転車をこぐ女性の恍惚の表情から、気候のいい朝だと気づいた話」というだけなのだが、しかし何かが決定的に狂っている。まず自分が心地よくないことに気づくのが遅すぎるし、そもそも他人が浮かべた恍惚の表情を見たからといって、どうしてもそれをマネしたいと思うだろうか? しかも、相手は異性である。同じ顔などできるはずがない。それ以前に、「同じ顔ができれば同じ感覚を共有できる」という発想が、根本的に間違っている。夢中になったわりには、ラストのあきらめも妙によすぎる。よく考えてみると、全部がおかしい。考え方も考える順番も、感覚も狂っている。まるで夢の論理である。なのになぜか話の流れは異様にスムーズで、特に身に覚えもないのに共感できる上、なんだか意味不明な説得力さえある。この「異様な思考回路をスムーズに伝える」能力は、やはりアナウンサーだからこその特性なのかもしれないが、普通の局アナにこんな思考回路はおそらくない。あったとしても、それを的確に伝える言語感覚を持っていない。だから安住紳一郎はすごい。
ほかにも安住は、「入浴中に額からしたたる汗を見て、ここから『俺の塩』ができるのではないか」と考え実際に自力で塩を精製したり、独自の理論でパンダの名前を予想してことごとく的中させたり、「アメリカンチェリーが日本に普及した歴史」をきっちり説明した上で、「あれはパン食をいつの間にか日本に根づかせたGHQの戦略と同じく、アメリカの陰謀だ!」と声高に唱えたりする。こういうと完全に危険人物だが、彼の話は決して独りよがりな妄執ではなく、その語り口には、同時に自らを冷徹に見つめる客観性をも強く感じさせる。そこには、少年のように純朴かつ感覚的な思いつきを、客観的な理論と知識で突き詰めていく知的な面白さがある。それはやはり、すべての根底にある彼の思考回路が抜群に面白いということだろう。『日曜天国』リスナーにとってラジオとは、パーソナリティーの思考回路が飛び出してくる魔法の箱なのである。
(文=井上智公<http://arsenal4.blog65.fc2.com/>)
あの下着メーカー女社長の“まるでペット”だった仁科克基 多岐川華子との離婚問題は泥沼化か?

仁科克基公式ブログより
昨年1月に入籍した二世カップル、松方弘樹の次男・仁科克基と、多岐川裕美の長女・華子が離婚協議に入ったことが報じられた。
表向き「性格の不一致」とされているが、はたから見ても克基の甲斐性のなさは明らかで、業界では「ママゴト婚」などとも揶揄されていた。実際、大きな定期収入につながるような芸能仕事はなく、たまに転がってくるドラマ出演などでも評価はさっぱりで、継続したオファーにもつながっていない。典型的な“親の七光り”を地で行くタイプなのだろう。ある撮影スタッフからは「挨拶さえまともにできていないのに大物気取り。所属事務所のマネジャーでさえ、“勘弁してくれよ”と愚痴をこぼしていた」などという話も聞かれた。
見かねたある人物からは、なんと週刊誌の編集部に就職をお願いするという話もあったという。
「芸能人大好きで知られる下着メーカーの女社長が一時期、克基をまるでペットのようにかわいがっていて、愛人だとウワサされていたんですが、あるとき顔見知りの編集者に“芸能界の人脈もあって情報屋として使えるから雇ってあげて”とお願いしたそうです。そんな話をされたら普通は情けないだろうに、克基はニヤニヤしながら一緒に頭を下げていたとか」(出版関係者)
しかし、結局は不採用。最近では新宿2丁目のゲイバーに出入り、ゲイ男性と腕を組んで歩いていたという衝撃の目撃情報も飛び交っていた。
「そんな話を耳にした華子が独自のルートで仕事の話を持ち帰ったそうだけど、克基は“俺はそんなものやらない”と一蹴、夫婦喧嘩に発展したと聞きます」(同)
ただ、克基本人は周囲に離婚協議の原因を“妻の浮気”にあるとしていたようで、克基と付き合いのあるクラブDJによると「本人からは『嫁が男と浮気したから』って聞いているし、ダチとしてはそれを信じる」と話しているのだ。
これに対し、華子は華子で“夫の浮気”を主張しているという話もあり、下手すると今後の離婚協議は泥沼の中傷合戦となりかねない様相だ。7月から両者は別居中で、ママゴト婚らしく両親同席のもと一度は顔を突き合わせて話し合いがあったというが、話がまとまらず、35年ローンで購入した都内3階建の一戸建て住宅も売りに出す可能性が高いとも伝えられる。
なんにせよ、話題になるのが離婚騒動しかないのというのは、寂しいカップルである。
(文=鈴木雅久)
あの下着メーカー女社長の“まるでペット”だった仁科克基 多岐川華子との離婚問題は泥沼化か?

仁科克基公式ブログより
昨年1月に入籍した二世カップル、松方弘樹の次男・仁科克基と、多岐川裕美の長女・華子が離婚協議に入ったことが報じられた。
表向き「性格の不一致」とされているが、はたから見ても克基の甲斐性のなさは明らかで、業界では「ママゴト婚」などとも揶揄されていた。実際、大きな定期収入につながるような芸能仕事はなく、たまに転がってくるドラマ出演などでも評価はさっぱりで、継続したオファーにもつながっていない。典型的な“親の七光り”を地で行くタイプなのだろう。ある撮影スタッフからは「挨拶さえまともにできていないのに大物気取り。所属事務所のマネジャーでさえ、“勘弁してくれよ”と愚痴をこぼしていた」などという話も聞かれた。
見かねたある人物からは、なんと週刊誌の編集部に就職をお願いするという話もあったという。
「芸能人大好きで知られる下着メーカーの女社長が一時期、克基をまるでペットのようにかわいがっていて、愛人だとウワサされていたんですが、あるとき顔見知りの編集者に“芸能界の人脈もあって情報屋として使えるから雇ってあげて”とお願いしたそうです。そんな話をされたら普通は情けないだろうに、克基はニヤニヤしながら一緒に頭を下げていたとか」(出版関係者)
しかし、結局は不採用。最近では新宿2丁目のゲイバーに出入り、ゲイ男性と腕を組んで歩いていたという衝撃の目撃情報も飛び交っていた。
「そんな話を耳にした華子が独自のルートで仕事の話を持ち帰ったそうだけど、克基は“俺はそんなものやらない”と一蹴、夫婦喧嘩に発展したと聞きます」(同)
ただ、克基本人は周囲に離婚協議の原因を“妻の浮気”にあるとしていたようで、克基と付き合いのあるクラブDJによると「本人からは『嫁が男と浮気したから』って聞いているし、ダチとしてはそれを信じる」と話しているのだ。
これに対し、華子は華子で“夫の浮気”を主張しているという話もあり、下手すると今後の離婚協議は泥沼の中傷合戦となりかねない様相だ。7月から両者は別居中で、ママゴト婚らしく両親同席のもと一度は顔を突き合わせて話し合いがあったというが、話がまとまらず、35年ローンで購入した都内3階建の一戸建て住宅も売りに出す可能性が高いとも伝えられる。
なんにせよ、話題になるのが離婚騒動しかないのというのは、寂しいカップルである。
(文=鈴木雅久)
「気が送られてくるまで待って!」ELT持田香織の“洗脳”に頭を抱える周囲と、“気功師”の気になる素顔

『moka』(エイベックス・エンタテインメント)
Every Little Thingのヴォーカル・持田香織が気功師に入れ込み、洗脳状態にあると報じられているが、持田の親族も「頭の痛い話」と周囲に漏らしていたことが分かった。
持田がハマっているのは、トータルコーディネーターなる肩書きを持つ気功師・結城天蓮氏。近年、声が出なくなり、ファンからの痛烈な批判などに悩んでいた持田が、スタイリストの岡本純子氏を通じて結城氏と出会い、勧められた粗塩やブレスレットを愛用。現在は実家を離れ、結城氏が経営する療正院のある賃貸マンションへ転居しているという。
ただ、持田の音楽活動そのものは順調である。占い師への傾倒ですべてを失い、姿を消したオセロ・中島知子の例とは違い、7月18日の厚生労働省の肝炎対策イベントに登場した際は「生きていると悩んだりすることも多いけれど、それを乗り越えたら必ず明日は来る」とファンにアドバイス。8月1日にはソロアルバムをリリースし、これに伴うコンサートツアーの開催も決まっており、テレビでは宇崎竜童と共演でサッポロビールの新CMにも出演する。洗脳騒動といっても、まったく仕事に影響はしていないようだ。
だが、都内にある実家の周辺では、麻雀店や居酒屋などで娘についての愚痴をこぼす持田の親族の姿が目撃されているという。
「持田のお父さんは以前から娘の自慢話をしながら酒を飲むのが好きで、常連客の間でも有名なんですよ。それが最近は“娘さん元気?”と聞かれても“いま一緒に住んでないんだよ”と浮かない顔。聞いたら“マッサージ師みたいな人に洗脳されて、その人に稼いだお金を使っちゃう”というようなことを話していましたね」(顔見知りの60代男性)
結城氏の名前こそ出ていないが“マッサージ師みたいな人”が結城氏のことである可能性は高い。仮にこの話が事実であれば、中島ら洗脳被害の典型で、財産を失っていく危険性があるのだが、実際に結城氏には厄払いに多額の費用が必要だというウワサもある。ある会員制の日記サイトには「元ヒップホップグループのメンバー」を名乗る人物が、「グループを辞めたのはほかのメンバーが稼いだ金を結城先生にあげてしまうから」と書いており、メンバーらが「先生から気を送ってもらうと奇跡の力が湧く」「気の送られやすい日時、場所、指示どおりにしていると創作力が10倍になった」などとして、のめりこんでいた様子も綴られている。
持田も親族だけでなく周囲の仕事仲間から怪訝な目で見られているのは同様で、ツアーに参加予定のミュージシャンからは「音合わせの際に“気が送られてくるまで少し待って”と立ち止まったり、あまりにのめり込んでいる様子なのでちょっと心配」という声も聞かれた。
持田の住んでいるマンションには現在、同じく結城氏に心酔する業界人が移り住んでおり、持田の人気とは裏腹に周辺住民からも気味悪がられているというが……。
(文=鈴木雅久)
どう見ても積載量オーバー!? ベトナムの“動く芸術”『それ行け!! 珍バイク』

『それ行け!! 珍バイク』(グラフィック社)
アオザイの国・ベトナム。北は中国、西はラオスとカンボジアに接した東南アジアの美しいこの国には、世界各国から年間600万人の観光客が訪れる。かつてフランスの植民地だったこともあって、ほかの東南アジア諸国に比べてフランス人旅行客の姿が目立つが、そんな観光客がまず驚かされるのは、この国のバイクの多さだろう。ホー・チ・ミン市だけでも200万台以上のバイクが、道路という道路を縦横無尽に走っている。通勤・通学はもちろんのこと、農作物や工業製品を山積みにした何万台ものバイクが行き来する。朝夕のラッシュ時の渋滞はすさまじく、あたり一面が灰色の排気ガスで充満。エンジン音やクラクションがあちらこちらで鳴り響く、アジア屈指のカオスな街だ。
そんなバイク大国ベトナムの、どう見ても完全に積載量をオーバーした「珍バイク」を激写した写真集が、『それ行け!! 珍バイク』(グラフィック社)だ。
ベトナムでは、1960年代から日本メーカーの小型バイクが普及し始め、中でもホンダのスクーターやスーパーカブの人気が圧倒的に高い。ベトナム人がバイクのことを“ホンダ”と呼ぶのはよく知られた話だ。公共交通機関が発達しておらず、狭い路地が多い都市部では、人やモノを運ぶのにはバイクが最も便利で最速の手段なのだ。

ベトナム人の間では、人もモノも“乗せられるものは乗せられるだけ乗せる”というのが常識なようで、数人で移動するときも基本は1台、多いときには4人で1台に乗っていることもある。荷台の荷物にしても、食料や日用品は序の口。生きたまま足を縛られた鳥や豚、山積みにされたペットボトルや金物、ビニール袋に小分けされた金魚、布団、タイヤ、鏡など、人々が必要とするものはすべてバイクに積まれる。バイクは、ベトナム人にとって最も重要なライフラインの一つなのだ。
また、その積み方も実に見事で、上下左右前後、スペースさえあればどこでも積みまくる。しかも厳重に梱包されるわけでもなく、紐でぐるぐるっと固定した程度。日本なら完全に違反切符が切られるレベルだが、どうやらベトナムではヘルメットさえかぶっていれば一応問題ないらしい(本書の中にはノーヘルの人も多いが)。よくもまあこんな状態で走れるものだと感心してしまうが、ライダーたちは何食わぬ顔で街を走り抜けていく。
ここ数年のベトナムの経済発展は著しく、都市部には高層オフィスビルや高級ホテルが次々と建設され、狭い路地は拡張されつつある。しかし、そういった変化もお構いなしに、今日もホー・チ・ミンでは何万台ものバイクがうなりを上げて走り回っている。そんな彼らのパワフルさこそ、ベトナムの本当の魅力なのかもしれない。
「非実在青少年」騒動はなんだったのか? “消していれば大丈夫”という判断をした青林堂の甘さ

『なぶりっこ マリカとアキコ』
(青林堂)
いったい、どんな理由で顔射まであるマンガ単行本を、18禁にしなかったのか? 前回(※記事参照)触れた、7月に東京都に「不健全図書」指定された、しろみかずひさ『なぶりっこ マリカとアキコ』(青林堂)の一件をさらに追った。
この件が特異なのは、同人誌としては18禁マークを付けて売っていたのに、なぜか商業出版ではマークを付けずに発行してしまったこと。その理由についていろいろ考えてみても、「危機感が欠落している」ことくらいしか思いつかない。やはり、当事者の意見を聞かねばなるまい。
まず、取材したのは出版元の青林堂だ。担当者は、“マルセイ(成人指定)”に慣れていなかったと繰り返す。
「これまで、あまりこうした本を出版していなかったので、印刷所や取次にも相談をしましたが、判断基準がわかりませんでした。取次からも“それは、出版社のご判断で”と言われましたので。ですので、局部を消していれば大丈夫だと判断したんです」(担当者)
前記事にも記した通り、東京都が「不健全図書」の候補を選ぶにあたって重視しているのは「擬音と体液」である。その点についても知識がなかったのか?
「消していれば大丈夫という判断でしたね。“マルセイ”に慣れていなかったんです。ですので、東京都がダメというのであれば、素直に聞きます。これからは、こういったものには(18禁)マークを付けるつもりですし、今回指定された本もマークを付けて販売する方針です」
■作者も「消し」に戸惑った
続いて、作者のしろみかずひさ氏にも話を聞くことができた。まず驚いたのは、しろみ氏が自分の本が「不健全図書」指定を受けたことを知ったのは、本サイトの記事だったということだ。「指定されたことについて、出版社からは何も連絡はありませんでしたね」
と話す、しろみ氏。指定を受けたことも驚きだが、作品をズタズタに切り裂くがごとき「消し」には、本人も戸惑ったという。いったい、なぜこのような事態になってしまったのか?
しろみ氏に、同人誌を商業出版しないかという依頼があったのは、昨年の夏頃。当初は「デジタルで」という話だったので、デジタルにあまりよい印象を持たないしろみ氏は「単行本ならいいですよ」と、印刷物としてなら了承するという条件を出したところ「なら、そうしましょう」と、話がまとまったという。
「もともと同人ベースで出していて、商業ならばもっと修正がめんどくさいんじゃないかと思っていた作品でした。それに、美少女系……エロ系を、自分の前には一冊しか出版していない青林堂で本当に大丈夫かな? とは思っていたんですけど」
しかも、たぐいまれなひどい修正をしろみ氏が知ったのは、なんと献本が来てから。なんでも、校正刷りと献本が「ほぼ同着くらいだった」というから、これまた驚きだ。さらに、一番の問題である18禁マークを付けていない件についても聞いてみると、説明があったか少々記憶が曖昧だとしながら、次のように話す。
「18禁マークを付ける・付けないという話は、確かにされた記憶があります。ただ、これがエロ漫画の中でも濃厚な描写に特化した作品であることは、ヒロインのマリカとアキコのメス顔や、汗と大量のザーメンが紙面中に飛び散る絵を見れば一目瞭然です。だからそれを18禁マークなしで出すとは普通思わないし、18禁を付けずに出すなら、何かそれなりに策や方法があるのだろうとは思っていました」
しろみ氏自身、もとになった同人誌では、18禁マークを付けて売っていたわけだから、当然だ。
やはり、相次ぐ現場レベルでのやり過ぎ、あるいは無知ゆえの行為を通じて感じるのは、世間を騒がせた「非実在青少年」の騒動はなんだったのかということだ。あれだけの騒動を経ても、いかにして権力による規制に対抗するか、手練手管を使って出し抜くか、退くべきところは退くかを理解していない編集者は、まだ多いということか。覚悟を決めて、意図的に権力に挑戦的な表現を用いるのであればよい。無知ゆえの過激表現なんか、なんの意味もない。
(取材・文=昼間たかし)