本物の<聖地巡礼>を見せてやる! 『究極超人あ~る』の聖地で“轟天号”を追いかけてきた!!

早朝の東京駅から荷物を抱えてヨロヨロと乗車。
日頃の運動不足を実感する汽車旅だ
 「これは、参加するしかない!」と筆者は、東京駅から旅立った。  空前の成り行き任せな仕切りで全国のファンの注目を集めた、伊那市駅開業100周年を記念した『究極超人あ~る』OVAクライマックス再現イベント「田切駅→伊那市駅 1hour Bicycle Tour “轟天号を追いかけて”」。集合してスタートしたら、あとは好きな道を走って、好きな角を曲がって午後6時までに伊那市駅に来てください、というからムチャクチャだ。  早々と参加申し込みをした筆者だが、イベント発案者の一人から「当然、豊橋経由で輪行(自転車を公共交通機関を利用して運ぶこと)してくるんですよね?」との声が。なるほど、OVAの通りのルートを選ぶなら、東京駅から踊り子号で下田から石廊崎、天城峠を越えて三島から豊橋で一泊して、飯田線で……とても無理! 無理だが、少しでもOVAに近づいて、ほかの誰もがやらないことをやらなければ取材に値しない。  かくして、イベント前日の7月27日の早朝。筆者は、自転車に荷物を積み込んで旅立った。まだ誰もいない東京駅の前で、まずは自転車を分解。輪行袋に詰め込んでいく。この輪行袋、自転車を買ったときにオマケについてきたものなので、車体にリアキャリアやらなにやらを取り付けた今、きっちりと袋には入ってくれない。それでも、なんとか詰め込んでホームまで移動開始。筆者の旅の友である愛車・パナソニックのOSD3は、フレームを前後に分割できる輪行重視の自転車なのだが、あくまで分割しやすいだけで車体が軽いわけではない。10キロを超える車体が肩に食い込み、荷物を積み込んだフロントバッグやリュックやらも肩に食い込み、東海道線のホームに到着するまでに挫折しそうだ。  それでもなんとか、5時46分発の沼津行き一番列車に乗車完了。始発だからすいているかと思いきや、横浜を過ぎたあたりから混雑が始まる。朝のラッシュの時間に自転車を持ち込んでいる筆者には、厳しい視線が……。どうにかたどり着いた沼津では、駅そば屋が営業時間外。向かいのホームまで行く体力はなく、すきっ腹を抱えながら、トイレのない列車を走らせるJR東海に怒りを覚えつつ浜松を経由し、なんとか豊橋に到着した。だが、ここからはまだ長い。12時前に到着したのに、伊那市へ行く飯田線は2時前までないのだ。豊橋駅の名物の駅そば「壺屋」にて、天ぷらきしめんの旨さを久々に噛みしめたあと、呆然とホームで時が流れるのを待つのであった……。
豊橋駅といえば「壺屋」のきしめんである。
壺屋の本業は駅弁屋で、いなり寿司がオススメだ
 ようやくやってきた天竜峡駅行きの列車に乗り込み、これまた長い飯田線の旅が始まる。なにせ、まだ午後2時前なのに伊那市に到着するのは夕方を過ぎて夜の7時過ぎなのだ。3月のダイヤ改正でワンマンの運用が始まった飯田線だが、ワンマン列車のはずなのになぜか車掌が乗車している。その車掌が、駅が近づくたびに「前の車両から降りてくださーい」と連呼し、ドアが開くと「キップは、そこの箱に入れてくだ~さい」と連呼している。主な利用客が年寄りと高校生の飯田線、相当慣れていない人が多いようだ。
「飯田線のバラード」が似合う風景が見えてきても、まだまだ先は長い……
 東京では見かけない、独特の味のある高校生たちに新鮮さを感じながら睡魔に襲われ、気がついたら天竜峡駅、乗り換えて気がついたら伊那市駅に到着していた(というわけで、今回は秘境駅の話はない)。
伊那は馬肉の産地でもある。「いたや」の馬肉料理は、ご飯がいくらでもすすむね
■そして、灼熱のサイクリングへ  さて、当日である。輪行するよりは自走したほうが楽だと宿を出た筆者は、綿半(長野県では超メジャーなホームセンター。野菜も売っているよ!)で買い物を済ませ、本番の想定コースを逆に一路田切駅へ。交通量の多い国道を避けて旧道を選んでみたのだが、車は少ないものの、アップダウンがけっこう激しい。ここに比べれば、東京の坂なんぞ平らに見える。そもそも、筆者が普段、修行(あえて、トレーニングではない)している荒川サイクリングロードは、ほとんど平地である。旧道ゆえに地方にありがちなロードサイド型の店舗があるでもなく田舎ののんびりした風景は、素敵な「ごほうび」だ。
余裕をかまして寄り道をしていたら、次第にジリジリと日に焼かれていくことに

穏やかな天竜川の河畔。こんな風景が見られるなら多少の苦労も仕方ないよね

交通量の少ない旧道は、ほぼ独り占め。思いの外、自販機もあるので熱中症の心配もなさそう
 それにしても、やはり苦しい。体力は十分なハズなのだが、身体が暑さに慣れるまで時間がかかるのだ。旧道とはいえ、けっこうな数の自販機があるので水分補給には事欠かないが、照りつける日差しが急速に体力を奪っていく。時折、横を通り抜ける自動車がとても恨めしい。自転車マンガの古典『サイクル野郎』(荘司としお)ならば、適度なところで美女と行き会う展開なのだが、誰にも会うことなく孤独にペダルをこぐ作業は続く。伊那市駅と田切駅間の距離は、ざっと17キロあまり。自転車乗りならば、本来は大した距離ではないのだが、知らない道ゆえに、ほんとに負担が大きい。  途中、駒ヶ根市に入る時の上り坂についにくじけた筆者は、駒ヶ根駅前で一休み。何か腹に入れないと死んでしまうと思い、駒ヶ根名物ソースカツ丼のコースへ。最近、伊那市と駒ヶ根市の2つの町が「名物」と主張しているソースカツ丼だが、どちらの名物かは別にして、やはりおいしい。伊那のローメンといい、これを食べるためだけに、交通費を使う価値は十分にある。
店ごとに工夫を凝らす、駒ヶ根市のソースカツ丼。全店を制覇するのは、いつの日になるだろうか
こんなノスタルジックな店もちらほらと

駒ヶ根市を抜けて、飯田線の跨線橋を越えて、田切駅は、もうちょい先だ
 かくて、体力を回復した筆者は、一直線に今回の催しのスタート地点田切へと向かう。  さらに、照りつける太陽。上昇する気温に苦しみながら、ようやくたどり着いた田切。そこには、数多くの驚愕が待っていた……。
田切駅前に、こんなに大勢の人が集結するなんて誰が予測しただろうか
■ついに迎えた、クライマックス再現イベント  当初の予想を超えて、自転車持参の人から見送りのファンまでが聖地・田切駅に大集合となった。当日、現在も駅スタンプを管理してくれている田切駅前の「元・下村酒店」では、20年にわたって<聖地巡礼>として、田切駅の掃除をしているグループ「田切ネットワーク」が創立20周年記念展覧会「夏への扉~20年目の同窓会」を開催するということもあり、早い時間から参加者は続々と集結。「元・下村酒店」や田切駅周辺で、新たな光画部員と出会い、トークに華を咲かせていた。  当日、自転車持参で駅に集まった参加者は約80名あまり。田切駅までの集合方法は、電車で輪行してきたり、車に積んで移動したりとさまざまだ。だが、やる気のある参加者の中には、杖突峠を越えてきたという人も。杖突峠は、茅野市から高遠へ至る峠なのだが、標高1,247メートル、わずか数キロで高低差400メートル以上の急傾斜となる、有数の険しさで知られる峠である。そこまで「苦行」を楽しむこともできるのも『究極超人あ~る』のファンであればこそ。
電車が到着するたびに続々と、あ~るファンが降りてくる。ん、ホームのハジに妙な人が

田切の集落も、大勢の人で混雑。なお、今は集落には自動販売機が一台あるだけ
 そんなムチャを楽しむ人も交えながら、田切の集落には続々と参加者が集結していく。中には、さっそく作品世界を再現すべく、飯盒でごはんを炊き始める人もいるではないか。
作品世界を再現すべくリュックまで用意する完璧さ。これが本物の<聖地巡礼>だ

まさか、世界征服を企む博士が再び田切にやってくるなんて。この水鉄砲は危険すぎる!
やる気の参加者かと思いきやキャリアに積まれているのは、おひつ……
 開始時間も近づき、続々とファンが集まってきて驚いた。多くはロードバイクなのだが、中には「なぜ、この自転車をセレクトしたんだ!」という参加者も。  京都から参加したという男性は、いつも通勤に使っているという、ブロンプトンを持参。これでもかと外装をカスタマイズしているので、ギアも内装8段変速に改造しているのかと思いきや、ノーマルのままだという。街乗りに映える折りたたみ自転車の代名詞であるブロンプトンだが、アップダウンの激しいコースに、この自転車をセレクトするとは相当の自信家に違いない(実際、とても脚力のある人だった)。さらに、折りたたみ自転車持参の人には「いや、バイクにこれしか積めなかったので……」と、さらに驚くような車種をセレクトしている人も。ほかにも「DMMでレンタルした」という自転車で手には軍手という、光画部の成り行き任せテイストを、ものすごく理解した女性も。
この自転車でも、ちゃんと完走できたんだから恐るべしファン魂だ!

まさかのママチャリ参加者。なお、筆者はこのママチャリの人にも追い抜かれました……
 そんな中でとくに目を引いたのが、ママチャリ持参の女子である。いつも2キロあまりの通勤に使っているという愛車を持参したその女性は、OVA発売当時に行われた公開イベント「ザ・夏祭り」にも参加したという筋金入りのファン。今回のイベントを知って、友人を集めて上映会も開き、友人も一緒に参加することになったのだとか。  さらに、見送り組の女子には「『日刊サイゾー』の記事を見てイベントを知ったので来ました」という人も。  見送り組には、あ~るはもちろん、成原博士や鳥坂先輩に、あさのに小夜子まで、等々各種のコスプレも集結。千葉から、あ~るのコスプレ衣装一式持参でやって来た男性は、「明日はワンフェスなんで、急いで帰ります」と。ファンの熱さにはもはや感涙だ。  そうしたファンの中でも、もっとも熱さを放っていたのは、主催者の一人でもある伊那市創造館の捧剛太館長だ。あ~るの愛車・轟天号を再現すべくロードマンを入手、可能な限りOVA仕様に近づけ、学生服持参でやってきた捧氏が田切に姿を現すと、会場はわあっと沸いた。
実は、伊那はこの作品の聖地でもあったんだね……。と、気づくまでちょっと時間がかかった

飯島町のゆるキャラ・いいちゃんは地元のお祭りが重なり多忙な中駆けつけてくれたぞ
 かくて、イベントは始まった。主催のCycle倶楽部R(伊那市役所自転車部)の牧田豊さんは 「こんなに、馬鹿な人が多いとは……」  と、シャレの効いた挨拶で、会場をどっと沸かせる。飯島町のゆるキャラ・いいちゃん、地元の住民、コスプレ混じりの見送り組に声援を送られながら、自転車参加者は続々と出発していく。途中、パラパラと夕立が降るが、身体の火照った参加者には、よいシャワーだ。どの道を通るのも自由なので、参加者は国道、旧道、さらにはOVAよろしく火山峠を目指して別れ、合流しながら伊那市駅へと向かっていく。  相当、体力の落ちている筆者は、次々と追い抜かれつつ、なんとかゴールを目指す。正直、往路よりも上り坂が少ないので幾分かは楽である。さまざまなルートへ分割した参加者は、伊那市駅周辺で再び合流しながら、ゴールの伊那市駅前を目指す。OVAに従えば、西園寺ツーリストのガラス戸をぶち破って突入しなければならないのだが、80枚もガラス戸は準備できないので、駅前に西園寺ツーリスト伊那市支店の出店が。誰も、突入することなく声援や拍手に迎えられながら、続々と到達。この日のために用意された特製の西園寺ツーリストのスタンプを獲得した。
ガラス戸をぶち破られる危険を回避すべく、西園寺ツーリスト伊那市支店は屋外に設置
閉会式会場は、コスプレ撮影会へ。やばい、あ~るのカメラは危険すぎるぞ!

無事にイベントを終えて捧剛太館長もほっと一息。
しかし、3000円の中古ロードマンはかなりキツかったとか
 とくに大きな事故もなく、参加者は、駅近くの閉会式が行われる広場に移動。ここでは、伝説のおかゆライスを配布するファンが現れたり、コスプレ撮影会も行われるなど、会場は大盛り上がりだ。出店で販売される名物の高遠まんじゅうで、糖分を補給する参加者も多かった。出店ではラムネが販売されていたのも注目ポイントだ。レトロな雰囲気が漂う伊那市には、ラムネがよく似合う。  前夜も、轟天号の整備をしていて睡眠不足気味の捧剛太館長も 「続々と人数が増えて、どうなることやらと思っていましたが、大きな怪我人も出なくてよかった」  と、ホッとした表情。かくて、イベントは「伊那市駅開業100周年万歳!」「Cycle倶楽部R20周年万歳!」「究極超人あ~る万歳!」の万歳三唱を行って終幕。参加者は、Cycle倶楽部Rの牧田氏が「足を使ってお願いしてきた」参加者向けのサービスを提供してくれる市内の飲食店へと、三々五々散っていった。
まずは「うしお」にてローメン分を補給。もちろん、超々大盛りで。名物のトーフ汁がサービスだった
(取材・文=昼間たかし)

おっさんゲーマー集まれ! 最新技術を盛り込んだ、アーケードゲーム業界の今

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「アーケードゲーマー」(ホビージャパン)
 そういえば、久しくゲームセンターに行っていない。かつては学校が終われば毎日のように立ち寄り、格闘ゲームや音ゲーにありったけの100円玉を突っ込みまくっていた筆者だが、ここ数年はとんとご無沙汰である。理由はいろいろあるが、どうもオンラインゲームやカードゲームといった2000年代に入ってからのアーケードゲームのトレンドに手を出すことが億劫だった、というのが大きいだろう。「やっぱりゲームは一人でチクチクと攻略していくべきだ」「顔の見えない奴と対戦なんかできるか!」という、前時代的なこだわりもあったのかもしれない。  同様の保守的なゲームファンが増えているのかどうかは不明だが、「警察白書」によると、1986年には2万6,573軒あったゲームセンターの数も、2010年には7,137軒にまで数を減らしているそうだ。コンシューマゲーム機のスペック向上に伴い、アーケードゲームの優位性が失われてきたことや、オンライン対戦が家庭でも楽しめるようになってきたことで、わざわざゲームセンターに出向かずとも世界中のプレイヤーと対戦できるようになってきたこと。また少子化や不景気による利用者数の減少といった社会的な理由なども考えられるが、だからといってゲームセンターは、いや、アーケードゲームは終わったのか? そうではないはずだ!  そう力強く叫ぶのが、ホビージャパンより発行されたゲーセン情報誌「アーケードゲーマー」だ。最新の技術を盛り込み、かつてないアイデアを投入したアーケードゲームが集う「ゲームの実験場」として、日本のゲーム黎明期より存在し続けているゲームセンターは、今日も新たなゲームの可能性とエキサイティングな体験を我々に提供し続けているのだ。そんな「ゲームセンターの本質」を探るという観点から、今のゲームセンターの魅力を提示している。
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 シューティングゲーム、アクションゲーム、格闘ゲーム、音ゲー、トレーディングカードゲームと次々と新たなトレンドを生み出してきたアーケードゲームシーンだが、本書はそれらに連なる「今のゲームセンター」のトレンドとして、オンラインゲームを大々的にフィーチャー。また、巻頭のオンラインゲーム特集の後は、ゲームセンターの進化の歴史を振り返る大型筐体の特集が組まれている。この記事では、新たな技術を貪欲に取り込み、ゲーマーに新たなエンタテインメントを提供し続けてきたアーケードゲーム業界の熱気を感じることができる。  ここで多くのオールドゲーマーは気づくはずだ。かつて我々は、新たなゲームが登場するたびに嬉々として100円を投入していたではないか、と。『ハングオン』『スペースハリアー』『アフターバーナー』『R-360』『ビートマニア』に『ダライアス』……。『忍者ハヤテ』なんてLDゲームもあったっけ。全部が全部大成功というわけでもなかったし、今ももろ手を挙げて名作というにははばかられる、エッジすぎる迷作も少なくなかった。それでも我々は新作ゲームに挑み続けていたではないか。新たなジャンルのゲームが登場したなら、我先にと台に列をなしたじゃないか。仮にゲームセンターという文化が緩慢な死を迎えつつあるとするならば、その戦犯は新たなゲームに対する好奇心を失った、我々オールドゲーマーだったのではないだろうか。 IMG_8824_.jpg IMG_8825_.jpg  というわけで、書を捨てゲームセンターに行ってみた。そこには、最新技術が惜しみなくつぎ込まれた未知のアーケードゲームが待ち構えていた。ゲームセンターならではの大画面や大音響に圧倒されつつプレーする久々のアーケードゲームは、すっかりおっさんになってしまった筆者にはちょいとばかりテンポが速すぎるような気もしたが、まあ、何回かトライ&エラーを繰り返すことで対応できるようになるだろう。見知らぬプレイヤーとのやりとりも、存外に面白い。対戦後のコメントのやりとりにはニヤリとさせられることも多いし、うまく連携がハマった時の「つながっている感」はオンラインゲームならでは。  こんなふうにアーケードゲームの面白さを再確認させてくれたことだけでも、本書の存在意義は大きい。それもこれも、業界の広告媒体となった大手ゲーム雑誌には出せないゲーム愛あふれる誌面づくりがあればこそ。ただの情報誌として以上に、ゲームファンならいつもそばに置いておきたい一冊である。 (文=有田シュン)

中国で頻発する集中豪雨で、コンドームがバカ売れした理由とは?

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 6月下旬から7月にかけて、九州地方を中心に日本列島は記録的な集中豪雨に見舞われたが、お隣中国でも、北京、武漢、南京、成都、天津など各地を豪雨が襲っている。首都北京で7月21日から降り始めた集中豪雨では、少なくとも77人の死者を出す事態となった。  そんな中、被害地域ではなぜかコンドームが飛ぶように売れていたという。しかし「外出できないため、家にこもってセックスに励んでいたから」という理由ではない。  「コンドームは避妊用具としてだけでなく、防水グッズとして浸透しているんです」と語るのは、広東省ブロック紙の社会部記者だ。 「昨年夏、北京が豪雨に見舞われた際、『靴にコンドームを装着すると水が染みない』という趣旨の書き込みが中国版Twitter『微博』上で拡散し、実行する人が後を絶たなかったことは有名な話。これは後に、コンドームメーカーのデュレックスが行った巧みなPRだったことがわかったのですが、その後もコンドームは防水グッズとして定着しました。さらに今夏の豪雨では、大人の腰の上くらいまで冠水した地域も多く、靴だけではなく、財布や携帯電話やノートパソコンなどにもコンドームを装着する必要があったため、被害地域ではコンドームは品切れが続出していた」  ちなみに同記者によると、中国人が水場でコンドームを利用するのは、今に始まった話ではないという。 「文革期には、英国領だった香港に泳いで密入国する人が後を絶たなかったが、そのときに使われたのがコンドーム。膨らませて浮き代わりにしたり、現金や家族写真を入れて水濡れを防いだりしていた」  その一方では、中国人の性行為時のコンドームの使用率は、2割以下にとどまっているという調査結果もあり、HIVを含む性感染症の蔓延や中絶手術例の増加の一因となっていると指摘する声もある。防水目的に使うのもナイスアイデアだが、コンドームの本来の使い方も学んでもらいたいものだ……。 (文=牧野源)

「言っちゃったほうが得!?」イメージダウンしなかった手島優の年齢詐称“カミングアウト戦略”

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バスト詐称じゃないなら許す!
 7月29日放送のTBS系『サンデー・ジャポン』で巨乳グラビアタレント・手島優が、2歳の“サバ読み”を告白し「みなさん、すみませんでした」と謝罪した。手島はプロフィール上では現在27歳となっているが実は29歳で、8月27日で30歳になるという。  同日のスタジオゲストだった手島は年齢詐称した理由について「前の事務所にいたとき、21歳だったんですけど、グラビアは10代じゃないと、と言われて」と釈明。「私から、『じゃ、2歳ぐらいサバ読ませてください!』って言ったんです。それぐらい芸能界に入りたかったんです!」と訴えたが、こうした年齢詐称は芸能界では決して珍しくないという。 「例えば、年齢別のカテゴリーがあるスポーツの世界や、一般企業の入社時に年齢をごまかしていれば大問題になるが、とくに女性タレントの場合は日常茶飯事。昔は記者がタレントの戸籍を取ったりしていたが、個人情報の保護が手厚い現状では、身分証でも見られない限りバレないはず。ほしのあきのように30歳を超えてもグラドルを続けているタレントもいるぐらいなので、手島は三十路を迎えることでハクをつけるために、あえて年齢詐称をカミングアウトしたのでは」(芸能プロ関係者)  このところ再ブレークしているタレントの岡本夏生は年齢詐称疑惑がささやかれていた02年、自らの写真集発売イベントで集まった報道陣に国民健康保険証を公開し「48歳じゃありません。ちゃんと36歳なんですから」と力説する大胆な行動をとったが、過去にも年齢詐称がバレた女性タレントは枚挙にいとまがない。 「古くは、歌手の野口五郎の妻でタレントの三井ゆりが、人気絶頂だった90年代半ば、一部夕刊紙で4歳若く詐称していることをすっぱ抜かれ、CMを降板する騒ぎになった。01年には、当時人気絶頂だった井川遥が、実際はプロフィールより1歳年上の25歳であることを月刊誌で告白。モデル事務所に所属していた21歳の時に受けたオーディションの応募資格が20歳までの条件だったため、事務所の方針で便宜上公称年齢を若くしたという。ほしのあきも年齢を1歳若く詐称していたが、いつの間にか修正。07年3月には、プロフィールで23歳となっていたタレントの夏川純が自身のHPとマスコミ各社に送った直筆のファクスで実年齢が26歳であることを告白したが、それほど仕事には影響しなかった」(週刊誌記者)  またタレントの久本雅美は、「1960年生まれ」で「46歳」と公表していた年齢が、実際は2歳年上の「48歳」だったことが07年5月に写真誌で報じられるも、メディア各社に送ったファクスで、だますつもりはなく、自身が所属する「WAHAHA本舗」の劇団員をはじめ知人も知っていることを綴り、「今後、益々明るく元気に若く年をとっていきまーす! よろちくびー!」と開き直った。  今回の手島のカミングアウトでも、手島本人のブログには、多くの“励まし”コメントが書き込まれている。年齢詐称で負い目を感じているタレントたちは、さっさとカミングアウトしたほうが、芸能活動にとって何かとプラスになりそうだ。

3つのバイトを掛け持ちし、駅のトイレで寝泊まり……子どもたちを蝕む、貧困の連鎖

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『ルポ 子供の貧困連鎖
教育現場のSOSを追って』
(光文社)
 5年ほど前、「貧困」が新たな社会問題としてクローズアップされはじめた時には「いくら不況とはいえ、GDPが世界第2位の日本でまさか……」と誰もが思ったことだろう。それから数年を経て、日本に貧困問題が存在していることは一般に認知されてきたものの、今のところ抜本的な改善策が講じられていない。それどころか、長引く不況にデフレ、円高が重なり、事態は徐々に悪い方へと進んでいる。  「高齢者に手厚く、若者に厳しい」という日本の支援制度の特徴を反映するように、これまでの貧困問題はとくに20代〜40代の若年層をイメージして語られることが多かった。ニート、フリーター、ネットカフェ難民、ワーキングプア……次々と現れる新しい貧困層の存在に社会は動揺し、彼らを定義するために多くの言葉が生まれた。  しかし、もはや貧困問題は子どもさえ例外ではない。『ルポ 子供の貧困連鎖 教育現場のSOSを追って』(光文社)は、保育園から高校生までの子どもたちが直面する貧困の現場に向き合った1冊だ。  ユニセフによれば、日本における18歳未満の子どもの相対的貧困率は14.9%。先進35カ国中ではワースト9位という、目も当てられない成績だ。7人に1人は貧困状態、つまりクラスに35人の生徒がいれば、そのうちの5人が「貧困児童」というのが実態である。では、そんな子どもたちを抱える教育現場では、どんな事態が起こっているのだろうか? 本書でつまびらかに描かれている内容を一部紹介しよう。  定時制高校に通う陽子は、朝6時〜9時までコンビニ、10時〜15時までファーストフード店、17時〜21時まで学校に行った後、飲食店で深夜バイトという毎日を送っていた。仕事が終わるころには、すでに終電はない。真冬の私鉄沿線の街は寝静まり、深夜3時には駅の明かりも消えている。行き場所のない彼女は、駅前にある多目的トイレに入った。車椅子でも使えるように広く設計されたその場所で眠りにつくためだ。そして、2時間ばかりの浅い眠りについた後、彼女はまたコンビニのバイトへ向かう。「トイレは寒いけど、横になれる場所があるとほっとする。眠れるだけで『幸せ』って感じ」。トイレで眠る彼女が感じた“幸せ”とは、いったいなんなのだろうか?  民主党政権になり、2010年からは子ども手当の支給と、高校無償化が実施された。「チルドレン・ファースト」を公約として掲げていた民主党政権は、この国の将来を担う子どものために財源を使い、子育てにかかる出費は軽減されるものと期待された。しかし、高校を例にとれば、公費負担は授業料のみ。修学旅行積立金、PTA会費といった月1万円ほどの負担は、家計にのしかかる。以前なら授業料とともにPTA会費なども免除になっていた低所得家庭の生徒にとっては、実質的な値上がりだ。本書では、月5万円の奨学金を得ることができても、家賃の支払いと借金返済のために親が使い込んでしまうという事例もレポートされている。  大阪府内のある小学校では、保健室を訪れる児童に対して給食の残りのパンと牛乳を出している。この地域の就学援助利用率は40%に上り、給食以外に満足な食事も摂れない児童は多い。目が悪くなってもメガネを作ることもできず、成長する子どもの体格に合わせた体操服を用意できない家庭もある。保育園では車上生活を送る園児や、親によるネグレクト(育児放棄)や虐待などを受ける園児が後を絶たない。  本書の内容は、一般的な教育を受けて育ってきた読者にとっては、思わず目を背けたくなるものばかりだ。しかし、このような事例は、どこの学校でももはや特別なものではない。むしろ、本書に登場する生徒・児童たちは、まだマシといえるだろう。取材に協力する先生たちは、勤務外の労も厭わず、自分の時間を削りながら子どもたちを支えているからだ。しかし、それはあくまでも教師たちの個人的な熱心さのなせる業。この子どもたちを支える社会的なシステムは存在していない。  いまだに「貧困は自己責任である」という風潮は強い。確かに自己責任の側面もないとは言い切れないが、親のネグレクトや借金問題などによって貧困に直面する子どもたちに限っては、それは当てはまらないだろう。3つのバイトを掛け持ちし、公衆トイレで眠りながら定時制高校に通う少女に「それは、あなた自身の責任です」とは言えない。そして、満足な教育を受けることができない彼らの大部分は、おそらく数年後に、ワーキングプアとして労働市場に送り込まれるのだ。  豊かな日本の裏側で、子どもたちは逃れることのできない連鎖に蝕まれている。 (文=萩原雄太[かもめマシーン]) ●ほさか・わたる 1979年に共同通信社入社。社会部を経て、編集委員室編集委員。著書に『虐待』(岩波書店)『迷宮の少女たち』(共同通信社)などがある。 ●いけたに・たかし 1988年に共同通信社入社。大阪社会部次長などを経て、社会部次長。著書に『死刑でいいですー孤立が生んだ二つの殺人』(共同通信社)がある。

カメラマンは法を犯してもかまわない!? 国家の暗部を暴く男の情念『ニッポンの噓』

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フォトジャーナリストの福島菊次郎さん。ピカドン、学生運動、自衛隊、
軍需産業、三里塚闘争、水俣病、祝島……とカメラで真実を写し出してきた。
 “カメラマンは法を犯してもかまわないんです。問題自体が法を犯しており、それを暴くためならば”。ジャーナリストのあるべき姿を簡潔な言葉で表現してみせたのは、現在90歳となる報道カメラマンの福島菊次郎だ。この言葉はとてつもなく説得力がある。1967年、菊次郎は「撮った写真はすべて検閲を受ける。許可を得た写真のみ雑誌に掲載する」という約束を防衛庁と交わし、自衛隊と兵器産業の内部を3年間にわたって取材撮影する。自衛隊の軍事演習の様子だけでなく、国内の大企業で戦車、潜水艦、ミサイル、戦闘機が製造される過程まで撮影した。菊次郎は予め「撮影禁止場所」を指定してもらい、その区域を重点的に隠し撮り、盗み撮りした。後に写真集『迫る危機 自衛隊と兵器産業を告発する!』(現代書館)として刊行されるこれらのスクープ写真を“武器よさらば”というタイトルで雑誌に掲載する。もちろん事前検閲という約束を反故しての行為だ。雑誌の発売前に防衛庁広報室に呼び出された菊次郎は、雑誌の青焼きを手にした広報課長から「貴様、騙しやがったな」と責められるが、当の本人は平然と言い放つ。「憲法を破って、国民を騙しているのはあなたたちでしょう?」と。写真集が発刊された1970年、菊次郎は暴漢に襲われ、鼻骨骨折。数日後には不審火で自宅を焼かれてしまう。それでも菊次郎はシャッターを押し続ける。ドキュメンタリー映画『ニッポンの噓 報道写真家・福島菊次郎90歳』はカメラを武器にたった1人で日本国を相手に戦い続けている男の記録だ。
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愛犬ロクと共に朝食を摂る福島菊次郎さん。
生活保護を受け取ることを拒否し、男手で
育てた子どもたちからの援助も断って一人
で暮らしている。
 狙撃手が放つ銃弾のように、福島菊次郎がその人生を賭けてシャッターを押してきたモノクロ写真の1枚1枚が見る者の網膜に突き刺さる。菊次郎の最初の被写体となった広島の被爆者である中村杉松さんの太ももには、原爆症の苦しみを一瞬でも忘れたいがために押し付けた刃物の傷跡が幾重にも刻まれている。怒りと苦しみと絶望の年輪だ。『戦場からの報告 三里塚・終わりなきたたかい』(社会評論社)では機動隊と対峙する学生たちが竹槍で武装し、メラメラと殺気が立ち上っている。国内の軍需工場では最新鋭の戦闘機の前で若い作業員たちが自慢げな笑顔を見せている。菊次郎の撮った写真は、戦後日本の平和がいかに“噓っぱち”だったかを訴えている。狙撃手と菊次郎が違うとすれば、狙撃手は安全な場所から標的を狙うのに対し、菊次郎は確実に被写体を自分のものにするために危険を冒して相手に近づくことだろう。福島菊次郎の写真は尋常ならざるほどの至近距離から接写されている。当然だが、これらの写真を撮り上げた菊次郎が費やした気力、体力、精力も生半可なものではなかったはずだ。現在は山口県柳井市のアパートで愛犬ロクと穏やかな自炊生活を送る菊次郎だが、それでもカメラを手にすると表情が豹変する。とても90歳と思えない俊敏な足取りで被写体に迫っていく。  それにしても、福島菊次郎の枯れることにないカメラマンとしての情熱、使命感はどのようにして生まれ、育まれたのか。本作は菊次郎のカメラマンとしてルーツを辿っていく。1921年(大正10年)に山口県で生まれた菊次郎は第二次世界大戦中、広島の輸送部隊に配属されるが、1945年8月1日に宮崎県に移動。このとき菊次郎たちの部隊に命じられたのは、来る本土決戦用の突撃訓練だった。軍事訓練といっても銃も手榴弾も何ひとつない有り様だった。2012年4月に100歳で亡くなった新藤兼人監督の軍隊時代の体験をドキュメンタリー化した『陸に上がった軍艦』(07)で木箱を組み合わせて作った模造戦車に向かって突撃するシーンが再現されていたが、菊次郎も同じような訓練をさせられていたようだ。広島出身の新藤監督も、菊次郎もこのバカげた訓練に従事していたことで、広島での被爆を免れた。命拾いした新藤監督は『原爆の子』(52)から遺作『一枚のハガキ』(11)に至るまで戦争の不条理さを生涯訴え続ける。新藤監督が『原爆の子』を製作していた同時期、菊次郎は戦後の広島で被写体を探してさまよい歩き、おのれの生涯を大きく変えることになる漁師・中村杉松さん一家と知り合う。
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三里塚闘争では成田空港建設反対を訴える地元農民たちを支援する
学生たちが団結。3,500人の機動隊に立ち向かった。(c)福島菊次郎
 広島市江波町で被爆した中村さんは漁に出ることができず、原爆症と貧困に苦しんでいた。奥さんの懸命な看護のお陰で一命を取り留めた中村さんだったが、奥さんは残留放射能を浴び、6人の子を残して亡くなったばかりだった。被写体を探していたはずの菊次郎だったが、中村さんの家に土足同然で上がり込んで、中村さんがもがき苦しむ様子にカメラを向けることができずにいた。シャッターを押すことができないまま、中村さんの家に通い続けていた菊次郎は、ある日、中村さんから懇願される。「仇を討ってほしい。ピカに出会って、このざまだ。ワシの写真を撮って、世界中の人に見せてほしい」。意を決した菊次郎は、10年間にわたって中村さん一家の様子を赤裸々に撮り続けた。1960年に写真集『ピカドン ある原爆被災者の記録』(東京中日新聞)を発表し、菊次郎はプロのフォトジャーナリストとしてデビューを果たす。社会に対する怒りと憎しみの炎、そして生への渇望の中から、カメラマン福島菊次郎は誕生したのだった。  福島菊次郎が手にしたカメラは、持ち主の生き様に感応して特殊な能力を発揮する。権力者がいくら巧みに噓を並べても、真実だけを浮かび上がらせる。菊次郎によると広島の平和記念公園も“平和記念都市”という呼び名も、すべて噓なのだそうだ。それらは日本の戦争責任を欺くための巨大な噓なのだという。そして、菊次郎は福島原発事故でも権力者たちはまた噓をついて国民を欺こうとしていると指摘する。この国の噓を暴け。菊次郎のカメラは、持ち主をまだ休ませようとはしない。
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近代科学の粋を集めた最新鋭戦闘機を製造する工場。
自衛隊および軍需産業の内部を撮った写真は
国内外で大きな波紋を呼んだ。(c)福島菊次郎
 「これが最後の仕事」と称して、菊次郎は2011年9月の反原発集会、さらには福島の被災地へと向かう。90歳となる彼のモノクロ写真は、今なお見る者の網膜に突き刺さる。被災地の瓦礫の山が、広島の記憶と繋がっていく。撮影旅行を終えた菊次郎は山口の自宅へ向かう帰路、途中下車する。自分をこの世界に導いてくれた恩人に逢うためだ。1967年に亡くなった中村杉松さんの墓の前で、菊次郎は嗚咽する。中村さんのお陰でプロのカメラマンになることはできたが、本当に中村さんの“仇”を討つことはできたのかと自問する。  最後にもうひとつ、福島菊次郎が本作で語っている印象的な言葉を紹介したい。「カメラの中立性なんてない。中立的な立ち場でしか撮らないから、いい写真もいいドキュメントもできない。それは、撮る人にとっては楽なわけ。危ないところなんかに入らないし。でも、それでは報道はできない」。  権力者の噓を見破り、それを暴け。そして、みんなに知らせろ。福島菊次郎のメッセージに応えられる人間は、この国にどれだけいるだろうか。 (文=長野辰次) 『ニッポンの噓 報道写真家・福島菊次郎90歳』 監督/長谷川三郎 撮影/山崎裕 プロデューサー/橋本佳子、山崎裕 朗読/大杉蓮 配給/ビターズ・エンド 8月4日(土)より銀座シネパトス、新宿K’s cinema、広島八丁座ほか全国順次ロードショー ※8月4日は銀座シネパトスにて田原総一郎と堤未果とのトークショーあり(12:15の回上映終了後)。 <http://www.bitters.co.jp/nipponnouso> (c)2012『ニッポンの噓 報道写真家・福島菊次郎90歳』製作委員会 ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第181回]“学校”という名の密室ではびこる児童虐待の事実! 子どもたちは教師を訴える『トガニ 幼き瞳の告発』 [第180回]“神様”との出会いと別れ、そして旅からの帰還  ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』 [第179回]親友=お金を貸してくれる、女友達=SEXさせてくれる!? 品性お下劣男の青春『苦役列車』 [第178回]“沢尻エリカ”という名のアトラクションムービー『ヘルタースケルター』が描く無常の世界 [第177回]毒カレー、オウム真理教、光市母子殺害……“悪魔の弁護人”と呼ばれる男の素顔『死刑弁護人』 [第176回]“芸能生活30周年”ニコラス・ケイジの会心作! 被災地に流布する暗号『ハングリー・ラビット』 [第175回]やめろと言われても、今では遅すぎたッ! 妻夫木聡&武井咲主演の過剰なる純愛劇『愛と誠』 [第174回]年間自殺者数3万人を越える現代社会への提言 自殺対策の現状を追った『希望のシグナル』 [第173回]“三島割腹事件”を若松孝二監督が映画化!『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』 [第172回]実在の事件を題材にした“命の授業”『先生を流産させる会』がついに劇場公開! 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カメラマンは法を犯してもかまわない!? 国家の暗部を暴く男の情念『ニッポンの噓』

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フォトジャーナリストの福島菊次郎さん。ピカドン、学生運動、自衛隊、
軍需産業、三里塚闘争、水俣病、祝島……とカメラで真実を写し出してきた。
 “カメラマンは法を犯してもかまわないんです。問題自体が法を犯しており、それを暴くためならば”。ジャーナリストのあるべき姿を簡潔な言葉で表現してみせたのは、現在90歳となる報道カメラマンの福島菊次郎だ。この言葉はとてつもなく説得力がある。1967年、菊次郎は「撮った写真はすべて検閲を受ける。許可を得た写真のみ雑誌に掲載する」という約束を防衛庁と交わし、自衛隊と兵器産業の内部を3年間にわたって取材撮影する。自衛隊の軍事演習の様子だけでなく、国内の大企業で戦車、潜水艦、ミサイル、戦闘機が製造される過程まで撮影した。菊次郎は予め「撮影禁止場所」を指定してもらい、その区域を重点的に隠し撮り、盗み撮りした。後に写真集『迫る危機 自衛隊と兵器産業を告発する!』(現代書館)として刊行されるこれらのスクープ写真を“武器よさらば”というタイトルで雑誌に掲載する。もちろん事前検閲という約束を反故しての行為だ。雑誌の発売前に防衛庁広報室に呼び出された菊次郎は、雑誌の青焼きを手にした広報課長から「貴様、騙しやがったな」と責められるが、当の本人は平然と言い放つ。「憲法を破って、国民を騙しているのはあなたたちでしょう?」と。写真集が発刊された1970年、菊次郎は暴漢に襲われ、鼻骨骨折。数日後には不審火で自宅を焼かれてしまう。それでも菊次郎はシャッターを押し続ける。ドキュメンタリー映画『ニッポンの噓 報道写真家・福島菊次郎90歳』はカメラを武器にたった1人で日本国を相手に戦い続けている男の記録だ。
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愛犬ロクと共に朝食を摂る福島菊次郎さん。
生活保護を受け取ることを拒否し、男手で
育てた子どもたちからの援助も断って一人
で暮らしている。
 狙撃手が放つ銃弾のように、福島菊次郎がその人生を賭けてシャッターを押してきたモノクロ写真の1枚1枚が見る者の網膜に突き刺さる。菊次郎の最初の被写体となった広島の被爆者である中村杉松さんの太ももには、原爆症の苦しみを一瞬でも忘れたいがために押し付けた刃物の傷跡が幾重にも刻まれている。怒りと苦しみと絶望の年輪だ。『戦場からの報告 三里塚・終わりなきたたかい』(社会評論社)では機動隊と対峙する学生たちが竹槍で武装し、メラメラと殺気が立ち上っている。国内の軍需工場では最新鋭の戦闘機の前で若い作業員たちが自慢げな笑顔を見せている。菊次郎の撮った写真は、戦後日本の平和がいかに“噓っぱち”だったかを訴えている。狙撃手と菊次郎が違うとすれば、狙撃手は安全な場所から標的を狙うのに対し、菊次郎は確実に被写体を自分のものにするために危険を冒して相手に近づくことだろう。福島菊次郎の写真は尋常ならざるほどの至近距離から接写されている。当然だが、これらの写真を撮り上げた菊次郎が費やした気力、体力、精力も生半可なものではなかったはずだ。現在は山口県柳井市のアパートで愛犬ロクと穏やかな自炊生活を送る菊次郎だが、それでもカメラを手にすると表情が豹変する。とても90歳と思えない俊敏な足取りで被写体に迫っていく。  それにしても、福島菊次郎の枯れることにないカメラマンとしての情熱、使命感はどのようにして生まれ、育まれたのか。本作は菊次郎のカメラマンとしてルーツを辿っていく。1921年(大正10年)に山口県で生まれた菊次郎は第二次世界大戦中、広島の輸送部隊に配属されるが、1945年8月1日に宮崎県に移動。このとき菊次郎たちの部隊に命じられたのは、来る本土決戦用の突撃訓練だった。軍事訓練といっても銃も手榴弾も何ひとつない有り様だった。2012年4月に100歳で亡くなった新藤兼人監督の軍隊時代の体験をドキュメンタリー化した『陸に上がった軍艦』(07)で木箱を組み合わせて作った模造戦車に向かって突撃するシーンが再現されていたが、菊次郎も同じような訓練をさせられていたようだ。広島出身の新藤監督も、菊次郎もこのバカげた訓練に従事していたことで、広島での被爆を免れた。命拾いした新藤監督は『原爆の子』(52)から遺作『一枚のハガキ』(11)に至るまで戦争の不条理さを生涯訴え続ける。新藤監督が『原爆の子』を製作していた同時期、菊次郎は戦後の広島で被写体を探してさまよい歩き、おのれの生涯を大きく変えることになる漁師・中村杉松さん一家と知り合う。
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三里塚闘争では成田空港建設反対を訴える地元農民たちを支援する
学生たちが団結。3,500人の機動隊に立ち向かった。(c)福島菊次郎
 広島市江波町で被爆した中村さんは漁に出ることができず、原爆症と貧困に苦しんでいた。奥さんの懸命な看護のお陰で一命を取り留めた中村さんだったが、奥さんは残留放射能を浴び、6人の子を残して亡くなったばかりだった。被写体を探していたはずの菊次郎だったが、中村さんの家に土足同然で上がり込んで、中村さんがもがき苦しむ様子にカメラを向けることができずにいた。シャッターを押すことができないまま、中村さんの家に通い続けていた菊次郎は、ある日、中村さんから懇願される。「仇を討ってほしい。ピカに出会って、このざまだ。ワシの写真を撮って、世界中の人に見せてほしい」。意を決した菊次郎は、10年間にわたって中村さん一家の様子を赤裸々に撮り続けた。1960年に写真集『ピカドン ある原爆被災者の記録』(東京中日新聞)を発表し、菊次郎はプロのフォトジャーナリストとしてデビューを果たす。社会に対する怒りと憎しみの炎、そして生への渇望の中から、カメラマン福島菊次郎は誕生したのだった。  福島菊次郎が手にしたカメラは、持ち主の生き様に感応して特殊な能力を発揮する。権力者がいくら巧みに噓を並べても、真実だけを浮かび上がらせる。菊次郎によると広島の平和記念公園も“平和記念都市”という呼び名も、すべて噓なのだそうだ。それらは日本の戦争責任を欺くための巨大な噓なのだという。そして、菊次郎は福島原発事故でも権力者たちはまた噓をついて国民を欺こうとしていると指摘する。この国の噓を暴け。菊次郎のカメラは、持ち主をまだ休ませようとはしない。
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近代科学の粋を集めた最新鋭戦闘機を製造する工場。
自衛隊および軍需産業の内部を撮った写真は
国内外で大きな波紋を呼んだ。(c)福島菊次郎
 「これが最後の仕事」と称して、菊次郎は2011年9月の反原発集会、さらには福島の被災地へと向かう。90歳となる彼のモノクロ写真は、今なお見る者の網膜に突き刺さる。被災地の瓦礫の山が、広島の記憶と繋がっていく。撮影旅行を終えた菊次郎は山口の自宅へ向かう帰路、途中下車する。自分をこの世界に導いてくれた恩人に逢うためだ。1967年に亡くなった中村杉松さんの墓の前で、菊次郎は嗚咽する。中村さんのお陰でプロのカメラマンになることはできたが、本当に中村さんの“仇”を討つことはできたのかと自問する。  最後にもうひとつ、福島菊次郎が本作で語っている印象的な言葉を紹介したい。「カメラの中立性なんてない。中立的な立ち場でしか撮らないから、いい写真もいいドキュメントもできない。それは、撮る人にとっては楽なわけ。危ないところなんかに入らないし。でも、それでは報道はできない」。  権力者の噓を見破り、それを暴け。そして、みんなに知らせろ。福島菊次郎のメッセージに応えられる人間は、この国にどれだけいるだろうか。 (文=長野辰次) 『ニッポンの噓 報道写真家・福島菊次郎90歳』 監督/長谷川三郎 撮影/山崎裕 プロデューサー/橋本佳子、山崎裕 朗読/大杉蓮 配給/ビターズ・エンド 8月4日(土)より銀座シネパトス、新宿K’s cinema、広島八丁座ほか全国順次ロードショー ※8月4日は銀座シネパトスにて田原総一郎と堤未果とのトークショーあり(12:15の回上映終了後)。 <http://www.bitters.co.jp/nipponnouso> (c)2012『ニッポンの噓 報道写真家・福島菊次郎90歳』製作委員会 ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第181回]“学校”という名の密室ではびこる児童虐待の事実! 子どもたちは教師を訴える『トガニ 幼き瞳の告発』 [第180回]“神様”との出会いと別れ、そして旅からの帰還  ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』 [第179回]親友=お金を貸してくれる、女友達=SEXさせてくれる!? 品性お下劣男の青春『苦役列車』 [第178回]“沢尻エリカ”という名のアトラクションムービー『ヘルタースケルター』が描く無常の世界 [第177回]毒カレー、オウム真理教、光市母子殺害……“悪魔の弁護人”と呼ばれる男の素顔『死刑弁護人』 [第176回]“芸能生活30周年”ニコラス・ケイジの会心作! 被災地に流布する暗号『ハングリー・ラビット』 [第175回]やめろと言われても、今では遅すぎたッ! 妻夫木聡&武井咲主演の過剰なる純愛劇『愛と誠』 [第174回]年間自殺者数3万人を越える現代社会への提言 自殺対策の現状を追った『希望のシグナル』 [第173回]“三島割腹事件”を若松孝二監督が映画化!『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』 [第172回]実在の事件を題材にした“命の授業”『先生を流産させる会』がついに劇場公開! [第171回]自由社会に順応できない“脱北者”の過酷な現状 無垢なる季節との決別『ムサン日記 白い犬』 [第170回] 世界興収100億突破のSF大作『ロボット』はあらゆる既成概念を破壊する!! [第169回]“エンタの神さま”ツイ・ハークが大復活! B級映画マニアの心を焦がす『王朝の陰謀』 [第168回]人はお下劣な分だけ、強く優しくなれる!? 結婚を控えた女たちの本音『ブライズメイズ』 [第167回]行きすぎたシステム社会に警鐘を鳴らす“ユナボマー・マニフェスト”の映画化『モンスターズクラブ』 [第166回]祭りの終わりと新ステージの幕開け、3部作完結『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』 [第165回]すばらしき“コーマン野郎”の世界!『コーマン帝国』、愛と欲望の歴史 [第164回]懐かしき香り漂う、新感覚サスペンス 破滅へ突き進む男の悲劇『ドライヴ』 [第163回] 災害に備えた地下シェルターは必要? 心理ホラー『テイク・シェルター』 [第162回] 森田芳光監督の最終列車『僕達急行』人生は出会いと旅立ちのリフレイン! [第161回] 鬼才キム・ギドクの"多重人格ショー"セルフドキュメンタリー『アリラン』 [第160回]映画創成期に散った"殉教者"への聖歌 3D映画『ヒューゴの不思議な発明』 [第159回]これはホラー? それともコメディ? 勘違い女が爆走『ヤング≒アダルト』 [第158回] ピラミッドは古代からのメッセージ!? 歴史ミステリー『ピラミッドの謎』 [第157回] 韓国映画の名匠が明かす"創作の極意"イ・チャンドン監督『ポエトリー』 [第156回] ローカル局で"伝説となった男"の生涯『木村栄文レトロスペクティブ』 [第155回] 米国に半世紀も君臨した"影の大統領" FBI初代長官『J・エドガー』 [第154回]犯罪者たちに学ぶ"人心掌握術"の奨め『アニマル・キングダム』『預言者』 [第153回]"地獄"からの生還者・板尾創路の凄み 古典落語を過激に脚色『月光ノ仮面』 [第152回]早くも2012年ベスト1映画が登場!"代理殺人"を巡る恐怖『哀しき獣』 [第151回]父殺し、自分殺し、そして再生の物語 園子温流ラブストーリー『ヒミズ』 [第150回]米国お笑い横断旅行『宇宙人ポール』人間のちっぽけな悩みはETが解決! 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リーマンショック以上の衝撃に!? LIBOR不正関与の銀行を待ち受ける賠償請求地獄

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※イメージ画像 photo by
Images_of_Money from flickr
 世間がロンドン五輪に浮かれている一方、国際金融界ではロンドン発のスキャンダルに揺れている。  国際的な資金調達金利の基準とされるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)が、複数の銀行によって不正操作されていた、いわゆるLIBOR不正操作問題で、米連邦検察などの欧米当局が、不正に関わった銀行とそのトレーダーを刑事訴追する動きに出た件だ。  この件に関して、英バークレイズにはすでに約350億円もの制裁金が科せられており、さらに英RBSにも近く制裁金が科られる見込みだという。  当局の追及は、それだけには終わらない。モルガン・スタンレーのアナリストによる試算では、不正に関わった欧米の主要金融機関が負担することになる制裁金と訴訟費用の総額は、2014年までに1兆円以上になるとしている。  ところが、「それ以上に大きな負担となる可能性があるのが、投資家からの損害賠償請求」と話すのは、大手紙の経済記者だ。 「事件に関わった銀行はカルテルを結び、金融危機前はLIBORを実際よりも高めに操作して利息を稼ぎ、さらに金融危機以降は低めに操作して自らの資金調達を容易にしていた。一方、彼らが操作した金利に従うしかない投資家や企業は、もらうべき利息をもらえなかったり、過剰な金利を払っていたことになる。当局によって不正に関わったとして特定された銀行は、今後さらに、投資家や企業からの損害賠償請求に直面することとなる。場合によっては、制裁金よりも巨額な賠償金を支払うハメになるのでは。ちょうど日本で過払い金返還請求がブームとなり、サラ金が次々と廃業したように、不正に関わったメガバンクがバタバタと潰れるという事態も予測される。そうなれば、リーマンショックどころの騒ぎではないだろう」  もはやロンドン五輪に浮かれている場合ではない!? (文=牧野源)
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「クラスで上から2~3番目じゃないと、AV女優になれない!?」AV業界、激動の15年史

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『職業としてのAV女優』(幻冬舎新書)
 男性なら誰もが気になる「AV女優」を、職業としての視点から切り取った『職業としてのAV女優』(幻冬舎新書)が、各書店でベストセラーとなっている。業界の低迷で、出演料は3万円以下というケースもありながら、応募倍率は25倍。完全なデフレ状態にもかかわらず、かつては考えられなかったようなクオリティの美女たちがAV女優として活躍している。以前なら、落ちるところまで落ちた“底辺”がAV女優という職業であったものの、今では好奇心や刺激欲しさで自ら志願する女性も増えているというありさま。いったい30年の歴史を持つAVの世界に、何が起こっているのだろうか? 著者の中村淳彦氏を直撃した。 ――中村さんがAVに携わるようになった1996年頃から、AV業界では構造的な変化が起こっていますね。本書にも、AV女優の出演料などとともに、レンタルからセル、そして現在へと続くAV業界の変化が綴られています。これを読むと、現在のようにデフレ化の波を受けるまでは、天国のような状況だったようですね。 中村淳彦氏(以下、中村) エロ業界全体に元気がありましたね。エロ本は今の20倍くらいは発行されていたし、エロ編集者の人数は30倍はいたんじゃないですかね(笑)。AV業界でもレンタル全盛の時代は、メーカーの営業がビデオを持たずにパッケージだけを持って問屋に営業をしていました。問屋もパッケージだけで仕入れを決めるのが当たり前だったから、そこにはユーザーの視点はほぼ皆無。だから中身に関係なく、パッケージが上手なところが売上を伸ばしていました。しかし、98年頃からセルビデオが全盛になる。それまで500円程度のレンタル料で済んでいたのが、およそ10倍の出費になります。当然、ユーザーも中身にこだわるようになっていきますよね。 ――レンタルからセルへと移行していく過程で、最も大きな変化とはなんだったのでしょうか? 中村 これは大きな損失なのですが、ユーザーが“どれだけヌケるか”“どれだけエロいか”の要求をしたために、まずクリエイター系のAV監督が切り捨てられていきました。平野勝之さん、ゴールドマンやV&Rプランニング系ですね。やっぱり、ズリネタにクリエイティブは必要ないんです。それまでは中身なんて関係なかったから、手抜きをしても徹底的に映像作品を作っても、売上には関係なかった。ユルい人も、キツい人も、そこに甘えて成り立っていたんです。だから、AV監督が感情を揺さぶるような素晴らしい作品を作ることもできたわけです。昨年映画になった『監督失格』のようなとんでもない作品が、年に5~6本はありましたね。僕は完全に90年代のAVに影響を受けた“作品派”だったんで、セルビデオが登場した98年あたりから、どんどんAVが嫌になっていきましたが(笑)。 ――女優の変化はありましたか? 中村 分岐点となったのが、レンタル最後のアイドルである小室友里と、セル最初のアイドルである森下くるみ。そこで切り替わりましたね。その後も企画単体女優として長瀬愛や桃井望、堤さやかなどが活躍していきます。それまでの単体女優は疑似(挿入せずセックスをしているように見せかける演技)だったのですが、彼女たちは本番でした。レンタル全盛でパッケージだけで売れる時代は、本番であろうが、なかろうが大きくは売上には関係がなかったんですね。クリエイター系の監督が排除されたあと、疑似しかできない単体女優や、プライドが高く協調性に欠ける女優たちが消えていきました。彼女たちより前の世代の単体女優って、とにかくプライドが高くて、性格に難がある人が多かった。理由は、みんながちやほやするから。AV女優をとにかくお姫様扱いするという風潮があって、その環境が人間を腐らせていましたね。僕は人間がダメになっていくのに加担したくなかったから、アイドルAV女優の取材は避けていました(笑)。 ――この時代に女優の質も、だんだんと変化していったんですね。 中村 長瀬愛や桃井望は徹底的に働いた。朝から晩まで、毎日のように本番の撮影をしていました。また、レンタル・セル・逆輸入・裏本など、AVにはさまざまなジャンルがあったんですが、彼女たちはジャンルを選ばずに出演した。単体女優だと、イメージを保つためにレンタルしか出演しないというような流れが一瞬あったのですが、長瀬愛などは裏ビデオにもバンバン出演して、知名度をどんどん上げていったんですね。それまでの“アイドルが月に1本疑似で出演”みたいなレンタルビデオ時代の概念が、彼女たちの働きと活躍によって一気に吹き飛んだんです。 ――AVのクオリティが圧倒的に上がってきたのも、この頃ですか? 中村 本当にクオリティが上がってきたのは、もっと景気が悪くなってきてから。2003年頃は単体も企画も仕事がまだいっぱいあったんで、ルックスが悪くても、それに見合った活躍できる場があった。04年頃から徐々に売れなくなってきて、メーカーや制作者が試行錯誤をしだして、ダメなものが減っていったんです。不景気や裸に対する意識の変化でAV女優に志願する女の子たちが増えてくれば、供給過剰になる。メーカーや制作側が女の子を厳選できる状況になった。今まで2人に1人を選んでいたものが、15人から1人を選ぶということになって、AV女優クオリティ、それにAVの質が向上したわけです。 ――ここ数年の状況については、いかがでしょうか? 中村 この10年で法人や人材が厳しい競争で入れ替わっているので、今、AV業界には本当に能力が高い人しか残っていません。AV監督たちの能力も、90年代と比べると半端じゃなく上がって、考え尽くされた内容になっています。それでも不況で利益が上がらないんです。個人的にはみんな能力が高いので、もっとお金になる仕事をすればいいのにって思うけど。 ――中村さんの目から見て、今の時代を象徴するAV女優はいますか? 中村 本書にも書きましたが、銀行員からAV女優に転身した女性にはびっくりしました。普通の会社に転職をするように、なんの理由もなく仕事としてAV女優を選んで「いい転職先が見つかった」と言っている。かつてのように育ちや経歴がよくても、話を聞けばアウトサイダーに対する憧れとか、何かに対する反発といった理由があった。今は普通の女の子たちが、普通の仕事としてAV女優を選んでいる。職場環境も整備されて、現場はクリーンで安全になって、彼女たちは自身の承認欲求が満たされ、前向きにやりがいを感じているんです。 ――AV女優にインタビューをした中村さんの著作『名前のない女たち』(宝島社)に登場する女優たちにはそれぞれ、家庭環境や恋愛関係などの物語がありましたが、今では女の子にはそんな物語すら求められない時代なんですね……。一方、ユーザー側の変化は感じますか? 中村 あくまで仮説ですが、新しい人がほとんど入ってくることなく、90年代からずっと同じ人が残っているだけだと思う。時代を下れば、その規模は小さくなっていきます。エロ本のほうが最大公約数が高くて発行部数が多いので、先に淘汰の波が押し寄せてきましたが、それが現在AVにも流れてきています。この先、何か革命的なことを起こして、新しいユーザーを増やしていかなければならないんだけど、AV女優や商品のクオリティを向上させてもダメなようです。全員に危機感はあって頑張っているのだけど、どうしたらいいかがわからない。そんなところではないでしょうか。 ――近年の数少ない成功例として、最近では元芸能人モノのAVが盛んになっていますね。 中村 2006年に、元ギリギリガールズの荒井美恵子の作品が爆発的にヒットした。おそらく超有名芸能人ものは、普通のAVアイドルの20~30倍の商規模がある。元芸能人たちも、少なくとも5,000~6,000万の出演料を手にしていると思う。それとAVの中国進出も、今までになかった流れ。中国では爆発的に海賊版が流通していて、これがもし海賊版でなければ、大手AVメーカーは莫大な利益を手にしているはずですが、海賊版なのでまったくお金になっていない。 ――そのような状況を迎えて、この先AV業界は、いったいどのような場所になっていくのでしょうか? 中村 今後、AV女優は、もっと特別な職業になっていくでしょうね。本書では25倍と試算しましたが、そんなものじゃなくなって、一般人から募集するということもなくなってしまうかもしれない。企画女優は、汁男優みたいな扱いになるんじゃないですか(笑)。少なくとも、クラスで上から2~3番目の顔立ちでDカップ以上のカラダを持っていなければ、AV女優にはなれないと思って間違いありませんね。 (取材・文=萩原雄太[かもめマシーン]) nakamura0007.jpg ●なかむら・あつひこ 1972年、東京都生まれ。編集プロダクション、出版社、フリーライターを経て、現在は高齢者デイサービスセンターを運営しながら、ノンフィクション、ルポルタージュを執筆している。

「いつかやらかすと思っていた」世界遺産クライミングで逮捕の佐藤裕介に余罪が噴出中!

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現場となった那智の滝。
photo by m-louis from flickr
 世界遺産「那智の滝」(和歌山県那智勝浦町)でロッククライミングをして軽犯罪法違反容疑で逮捕されたアルパインクライマーの佐藤裕介に“余罪”の話が噴出している。 「いつか何かやらかすんじゃないかと思った」  日本を代表するクライマーの佐藤に対して侮蔑の表情を浮かべたのは、長野県で山小屋を管理する国立公園の職員だ。 「以前から、マナーの悪さでは有名でしたからね。あるときは仲間と酒を飲んで遅くまで騒ぎ、女性クライマーに全裸を見せつけて反応を楽しんでいた。苦情が来ると禁止区域でテントを張り、注意しても“ここはおまえの土地か”と逆ギレ。あれだけ態度の悪いクライマーは、ほかに知りません」  佐藤に対して嫌悪感を示しているのは、この職員だけではない。山梨県のある神社では高さ12メートルの岩を“神体”として祭っているが、8年前に「佐藤がここを登った」という話が広がり、地元住民の怒りを買っていたのだ。  関係者は直接、佐藤が登ったところは見ていなかったが、あるとき岩に無数の傷と滑り止めチョークの跡が散見され、さらに後日、各方面から「佐藤がここを登ったと聞いた」というクライマーが次々に訪れたというのだ。  神社側は日本フリークライミング協会に通報。クライミングの自粛が呼びかけられたというが、結局、佐藤本人からの説明は一切なく、関係者は佐藤への不快感を持ったままだという。  佐藤の禁止区域でのクライミング目撃談は、ほかにもネットなどで報告がされており、20年以上前に禁止区域に指定された東京・奥多摩町の岩場でも「最近、佐藤が下見に来ていた」などとウワサになっていた。現地でこうした問題に取り組んでいる自然環境保護グループの理事からは「以前から佐藤氏は悪質なクライマーとしてマークしていた」という話が聞かれるほどだ。  佐藤本人が釈放後も雲隠れ状態のため、実際にどれほどの問題行動をしていたかは本人の弁明を待つしかないが、佐藤の悪評には当のクライマーたちからもブーイングが飛んでいる。 「クライミング先進国のアメリカなど、海外では環境保護との折り合いをつけて行われているのに日本は未整備で、クライミング人口だけが増えている危ない状態。良識あるベテランクライマーが率先して啓蒙活動などを行わなければならないのに、佐藤氏の行為でクライミング全体のイメージダウンとなってしまった。正直、責任を取って引退してほしい」(クライミング歴21年・加藤健氏)  佐藤は事件の影響で、スポンサーだったブランド「THE NORTH FACE」から契約解除されたが、内外からの冷たい視線という社会的制裁の風は収まりそうにない。 (文=和田修二)