三井住友銀行員が語る「エリート銀行員のトンデモ実態と“癖”」

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) キンチョールだけでは全然ダメ! 絶対ゴキブリを出さない害虫駆除 自殺者量産!? 遺伝子組み換え種“キケンな”企業が日本へ? テルモに続き富士フイルムも オリンパス争奪戦激化 ■特にオススメ記事はこちら! 三井住友銀行員が語る「エリート銀行員のトンデモ実態と“癖”」 - Business Journal(8月14日)
三井住友銀行元頭取・西川善文氏
の著書『ザ・ラストバンカー』(講談社)
 銀行員といえば、社会的に大きな信用がある職業といえよう。バブル崩壊後は、徐々にその信用も、貸し渋りや不正融資といった不祥事にまみれ、廃れてきたとはいえ、まだまだ社会的信用度は高い職業である。とりわけ三大メガバンクの行員といえばなおさらだ。  そんな三大メガバンクの一角を占める三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、行員数では3社中第2位。総資産・時価総額ベースでは、世界第14位(2011年時点)を誇る名門である。そんな三井住友FGの中核である三井住友銀行は、インターネットバンキングを先駆けて行うなど、斬新な経営の展開でも知られる。そんな同行の内情について、現役行員、関係者に赤裸々に語ってもらった。 ビジネスライクな対応がトラブルに  三大メガバンクの顧客への対応は、最も官僚的なのがみずほ銀行、庶民的なのが三菱東京UFJ銀行、ビジネスライクで都会的な対応が三井住友銀行といわれる。 「いろいろ批判はあるが、お客様からみて、きちっと手堅く仕事をこなすのがみずほ。それにサービス業的要素を加えたのが、三菱東京UFJではないか。うちはどういうわけかエリート風を吹かせた人間が多く、そのためかビジネスライクな対応をしているが、時と場合によってはそれがトラブルを引き起こす」(三井住友銀行現役行員・A氏)  A氏によれば、「どうしても地域によってはユニークなお客様、と申しますか、扱いにくいお客様もいらっしゃるので、フレンドリーな応対をしたほうがいいケースもあります」という。  とある“ユニークな客層”が多いことで知られる支店での話だが、この支店での窓口業務担当者は、実は最近ではパート行員の比率が高くなっている。正行員は資産運用相談や投資信託販売、年金保険仲介といった「利益率の高い」仕事に駆り出されるからだ。  そのため新規の預金口座開設など、「番号札で呼び出しを待つような顧客」への対応は、利益性を追求しなくてもいいパート行員の比率が高い。 勘違い“エリート”行員  もっとも、このパート行員の多くは、元銀行員である。パートとはいえメガバンクに勤めていることで、時折、「自分はエリート」と勘違いする者もおり、特に「元地銀行員や元信金職員に、その傾向が強い」(A氏)という。そうした“勘違い”でエリート風を吹かせたパート行員が事件の発端だ。 「顧客が新規で預金口座を開設した際、銀行側の不手際で、ある書類を顧客に手渡すことを失念してしまいました。そのため担当の女性行員がFAXでその顧客に書類を送付したのですが、顧客からは『FAXが白紙で届く』と何度もクレームの電話が入ってくる。その女性行員は、FAXの調子がよくなかったことが原因だと説明しているが、1時間以上も電話でのやり取りが続き、さすがに顧客がキレた。周囲の行員もちょっとマズいなと思ったとき、その女性行員が発した言葉に、一同が凍りついた。 『FAXの不作為でございまして……。弊社としてはなんの落ち度もございませんので。そろそろ閉店の時間となりますので、明日、再度、お送りいたします――』  ユニークな顧客層の多い地域性で、こうした対応は、余計トラブルの原因となります。周囲の予測通り、顧客の怒りは頂点に達したようで『上司に代われ!』と言ってきた。しかし、この代わった上司が、トラブルをさらに大きくしました」(A氏) さらに火に油を注ぐ副支店長  女性行員に代わって電話口に出たのは、これまたエリート風を吹かせることで知られた副支店長だった。電話口では、ビジネスライクな対応をしているが、傍から見ていても、どうもうまくコミュニケーションが取れていない様子がうかがえる。そしてついに副支店長は、次にように言い放ったという。 「大きな声を出さない! 仕方ないでしょう。FAX、機械の調子が悪かったんだから。え? では、何か景品でもお付けしましょうか? 何? 支店長出せ? まあ、支店長に電話されるのはご自由ですが、支店長がお会いになるかどうかはわかりませんよ」  これで、さらに顧客の怒りは激しくなったのだろう。何やら電話越しに言い争っている様子がわかる。それでも副支店長は、この顧客との話をうまく治めようとしたのだろう、こう言って電話を切った。 「それではお客様。私の言動についてお詫びいたします。書類については私の責任でなんとかいたしますので。もう結構です。ただ、やはり支店長をお詫びに行かせることはかないません。ですが“支店長代理”なら、そちらに直接お詫びに伺わせることは可能でございます。副支店長の私とは違い“支店長代理”でございますので。それで治めて頂けませんでしょうか。では……」 支店長代理のランクは課長以下?  世間の多くの人は、銀行員の肩書はよくわからない。支店で一番偉いのが支店長というのはわかるが、では、副支店長と支店長代理では、どちらが偉いのだろうか? 「支店のトップは支店長、副支店長は支店のナンバー2です。支店長代理というのは、中間管理職で、副支店長よりもかなり格下。一般企業でいう課長代理くらいの役職ですね。とはいえ顧客側からみて支店長代理という肩書だと、ちょっと偉い人が対応してくれたと喜ばれるので、多くの銀行ではこの肩書にしている」(A氏)  パート女性行員の些細なミスから生じたトラブルに巻き込まれた顧客からみれば、支店長代理といえば“支店長の代理”、つまり副支店長よりも偉い人が詫びに来たと思ったことだろう。  顧客側は、まんまとアメをしゃぶらされたといったところか。いかにも銀行員らしい“したたかさ”がうかがえる話である。 エリート行員の隠された“癖”  さて、このエリート風を吹かせた対応の副支店長とパート女性行員は、「確たる証拠はないが、もしかしたら男女の関係にあるのかな」(A氏)と周囲が疑うほどの仲のよさだったという。エリート風を吹かしつつ女性を口説くのが、三井住友銀行員なのだろうか?   Bさんは、現在、大手メーカーの総合職、いわゆるバリバリのキャリアウーマンだ。夫と離婚してから、職場の仲間はもちろん、友人にも話しにくい話ができるYahoo!チャットに以前ハマった経験がある。このチャットで出会ったのが、三井住友銀行ではエリート街道まっしぐらのC氏だ。 「Cさんは、とにかく話は知的な内容が多くてスマート。文学から国際金融、政治まで幅広くカバーしていましたね。『チャットでの出会いだからこそ、お互い本音で話そう』とソフトな雰囲気のなかにも、押しが強いというか……。チャットから個人のメールになり、携帯電話で会話するようになるまで、そう時間はかかりませんでした」(Bさん)  互いに携帯電話やメールで連絡を取り合うようになってから1カ月ほどたったとき、ホテルのロビーで会うことに。このホテルを指定したのはC氏。ロビーでお茶を飲み、それからホテル内のステーキハウスで食事をしてお店の外に出ると、BさんはCさんから突然キスされたという。 「キスした後、『あらら、子猫ちゃんみたいになっちゃったね。今日は、これから子猫ちゃんのお世話をしなければならないね』といって、Cさんがあらかじめ予約していた部屋に連れていかれました。こんな経験は、私も初めてでした……」(Bさん) 手回しの良さは、さすがエリート銀行員  初めて対面したその日に関係を持つべく、部屋の用意まで行う手回しの良さは、さすがはエリート銀行員というべきか。  そんなきっかけで結ばれた二人だったが、関係はそう長くは続かなかった。  C氏はスマートで知的な会話が多いものの、いつしかBさんへの要求が耐え難いものとなってきたからだという。 「私が『お風呂に入る』とメールすると、服を着ていない写真を撮って送ってくれとか……。ほかにも、デートの際に下着を外してきてほしいとか、縛りたいとか。ちょっと私の嗜好とは違ったので、いつしか会わなくなり、自然消滅しました」(Bさん)  先述の副支店長同様、エリート風を吹かせて、ちょっとKYなところは、三井住友銀行員に共通の“文化”なのであろうか? (文=杉本和夫) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) キンチョールだけでは全然ダメ! 絶対ゴキブリを出さない害虫駆除 自殺者量産!? 遺伝子組み換え種“キケンな”企業が日本へ? テルモに続き富士フイルムも オリンパス争奪戦激化 「カネ目当ての起業」という批判は“きれいごと”である 働く女性に立ちはだかる現実「責任が大きい仕事は男性に」 酒屋を次々と“コンビニ”に変貌させた「知られざる日本の国策」 スタバ、ドトールと何が違うの?失敗するカフェオーナーの条件

三井住友銀行員が語る「エリート銀行員のトンデモ実態と“癖”」

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三井住友銀行元頭取・西川善文氏
の著書『ザ・ラストバンカー』(講談社)
 銀行員といえば、社会的に大きな信用がある職業といえよう。バブル崩壊後は、徐々にその信用も、貸し渋りや不正融資といった不祥事にまみれ、廃れてきたとはいえ、まだまだ社会的信用度は高い職業である。とりわけ三大メガバンクの行員といえばなおさらだ。  そんな三大メガバンクの一角を占める三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、行員数では3社中第2位。総資産・時価総額ベースでは、世界第14位(2011年時点)を誇る名門である。そんな三井住友FGの中核である三井住友銀行は、インターネットバンキングを先駆けて行うなど、斬新な経営の展開でも知られる。そんな同行の内情について、現役行員、関係者に赤裸々に語ってもらった。 ビジネスライクな対応がトラブルに  三大メガバンクの顧客への対応は、最も官僚的なのがみずほ銀行、庶民的なのが三菱東京UFJ銀行、ビジネスライクで都会的な対応が三井住友銀行といわれる。 「いろいろ批判はあるが、お客様からみて、きちっと手堅く仕事をこなすのがみずほ。それにサービス業的要素を加えたのが、三菱東京UFJではないか。うちはどういうわけかエリート風を吹かせた人間が多く、そのためかビジネスライクな対応をしているが、時と場合によってはそれがトラブルを引き起こす」(三井住友銀行現役行員・A氏)  A氏によれば、「どうしても地域によってはユニークなお客様、と申しますか、扱いにくいお客様もいらっしゃるので、フレンドリーな応対をしたほうがいいケースもあります」という。  とある“ユニークな客層”が多いことで知られる支店での話だが、この支店での窓口業務担当者は、実は最近ではパート行員の比率が高くなっている。正行員は資産運用相談や投資信託販売、年金保険仲介といった「利益率の高い」仕事に駆り出されるからだ。  そのため新規の預金口座開設など、「番号札で呼び出しを待つような顧客」への対応は、利益性を追求しなくてもいいパート行員の比率が高い。 勘違い“エリート”行員  もっとも、このパート行員の多くは、元銀行員である。パートとはいえメガバンクに勤めていることで、時折、「自分はエリート」と勘違いする者もおり、特に「元地銀行員や元信金職員に、その傾向が強い」(A氏)という。そうした“勘違い”でエリート風を吹かせたパート行員が事件の発端だ。 「顧客が新規で預金口座を開設した際、銀行側の不手際で、ある書類を顧客に手渡すことを失念してしまいました。そのため担当の女性行員がFAXでその顧客に書類を送付したのですが、顧客からは『FAXが白紙で届く』と何度もクレームの電話が入ってくる。その女性行員は、FAXの調子がよくなかったことが原因だと説明しているが、1時間以上も電話でのやり取りが続き、さすがに顧客がキレた。周囲の行員もちょっとマズいなと思ったとき、その女性行員が発した言葉に、一同が凍りついた。 『FAXの不作為でございまして……。弊社としてはなんの落ち度もございませんので。そろそろ閉店の時間となりますので、明日、再度、お送りいたします――』  ユニークな顧客層の多い地域性で、こうした対応は、余計トラブルの原因となります。周囲の予測通り、顧客の怒りは頂点に達したようで『上司に代われ!』と言ってきた。しかし、この代わった上司が、トラブルをさらに大きくしました」(A氏) さらに火に油を注ぐ副支店長  女性行員に代わって電話口に出たのは、これまたエリート風を吹かせることで知られた副支店長だった。電話口では、ビジネスライクな対応をしているが、傍から見ていても、どうもうまくコミュニケーションが取れていない様子がうかがえる。そしてついに副支店長は、次にように言い放ったという。 「大きな声を出さない! 仕方ないでしょう。FAX、機械の調子が悪かったんだから。え? では、何か景品でもお付けしましょうか? 何? 支店長出せ? まあ、支店長に電話されるのはご自由ですが、支店長がお会いになるかどうかはわかりませんよ」  これで、さらに顧客の怒りは激しくなったのだろう。何やら電話越しに言い争っている様子がわかる。それでも副支店長は、この顧客との話をうまく治めようとしたのだろう、こう言って電話を切った。 「それではお客様。私の言動についてお詫びいたします。書類については私の責任でなんとかいたしますので。もう結構です。ただ、やはり支店長をお詫びに行かせることはかないません。ですが“支店長代理”なら、そちらに直接お詫びに伺わせることは可能でございます。副支店長の私とは違い“支店長代理”でございますので。それで治めて頂けませんでしょうか。では……」 支店長代理のランクは課長以下?  世間の多くの人は、銀行員の肩書はよくわからない。支店で一番偉いのが支店長というのはわかるが、では、副支店長と支店長代理では、どちらが偉いのだろうか? 「支店のトップは支店長、副支店長は支店のナンバー2です。支店長代理というのは、中間管理職で、副支店長よりもかなり格下。一般企業でいう課長代理くらいの役職ですね。とはいえ顧客側からみて支店長代理という肩書だと、ちょっと偉い人が対応してくれたと喜ばれるので、多くの銀行ではこの肩書にしている」(A氏)  パート女性行員の些細なミスから生じたトラブルに巻き込まれた顧客からみれば、支店長代理といえば“支店長の代理”、つまり副支店長よりも偉い人が詫びに来たと思ったことだろう。  顧客側は、まんまとアメをしゃぶらされたといったところか。いかにも銀行員らしい“したたかさ”がうかがえる話である。 エリート行員の隠された“癖”  さて、このエリート風を吹かせた対応の副支店長とパート女性行員は、「確たる証拠はないが、もしかしたら男女の関係にあるのかな」(A氏)と周囲が疑うほどの仲のよさだったという。エリート風を吹かしつつ女性を口説くのが、三井住友銀行員なのだろうか?   Bさんは、現在、大手メーカーの総合職、いわゆるバリバリのキャリアウーマンだ。夫と離婚してから、職場の仲間はもちろん、友人にも話しにくい話ができるYahoo!チャットに以前ハマった経験がある。このチャットで出会ったのが、三井住友銀行ではエリート街道まっしぐらのC氏だ。 「Cさんは、とにかく話は知的な内容が多くてスマート。文学から国際金融、政治まで幅広くカバーしていましたね。『チャットでの出会いだからこそ、お互い本音で話そう』とソフトな雰囲気のなかにも、押しが強いというか……。チャットから個人のメールになり、携帯電話で会話するようになるまで、そう時間はかかりませんでした」(Bさん)  互いに携帯電話やメールで連絡を取り合うようになってから1カ月ほどたったとき、ホテルのロビーで会うことに。このホテルを指定したのはC氏。ロビーでお茶を飲み、それからホテル内のステーキハウスで食事をしてお店の外に出ると、BさんはCさんから突然キスされたという。 「キスした後、『あらら、子猫ちゃんみたいになっちゃったね。今日は、これから子猫ちゃんのお世話をしなければならないね』といって、Cさんがあらかじめ予約していた部屋に連れていかれました。こんな経験は、私も初めてでした……」(Bさん) 手回しの良さは、さすがエリート銀行員  初めて対面したその日に関係を持つべく、部屋の用意まで行う手回しの良さは、さすがはエリート銀行員というべきか。  そんなきっかけで結ばれた二人だったが、関係はそう長くは続かなかった。  C氏はスマートで知的な会話が多いものの、いつしかBさんへの要求が耐え難いものとなってきたからだという。 「私が『お風呂に入る』とメールすると、服を着ていない写真を撮って送ってくれとか……。ほかにも、デートの際に下着を外してきてほしいとか、縛りたいとか。ちょっと私の嗜好とは違ったので、いつしか会わなくなり、自然消滅しました」(Bさん)  先述の副支店長同様、エリート風を吹かせて、ちょっとKYなところは、三井住友銀行員に共通の“文化”なのであろうか? (文=杉本和夫) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) キンチョールだけでは全然ダメ! 絶対ゴキブリを出さない害虫駆除 自殺者量産!? 遺伝子組み換え種“キケンな”企業が日本へ? テルモに続き富士フイルムも オリンパス争奪戦激化 「カネ目当ての起業」という批判は“きれいごと”である 働く女性に立ちはだかる現実「責任が大きい仕事は男性に」 酒屋を次々と“コンビニ”に変貌させた「知られざる日本の国策」 スタバ、ドトールと何が違うの?失敗するカフェオーナーの条件

新築の9割売れ残り?人気エリアでもマンションが売れないワケ

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富士山から都市まで素晴らしい眺望が広がる
「リヴァリエ」。(「同公式サイト」より)
 東日本大震災から1年と5カ月。不動産業界は「今が住宅の買い時」と、あおり始めている。  復興需要の本格化に起因する建築資材の高騰傾向による価格上昇懸念に、建物部分にかかる消費税率の引き上げ、今後先細りしていく政府による住宅取得優遇策……と、経済誌も「今年よりは、来年、来年よりは再来年と、住宅購入を取り巻く環境は厳しくなる。今夏は住宅購入を決断する、ラストチャンスだ」とあおっている。  しかし、実はそれほど住宅は売れていないというのが、住宅業界の本音だという。住宅ジャーナリスト榊淳司氏に、「マンションが売れていない現実」について語ってもらった!       マンションが売れていないというのが実感です。たしかに、2011年の後半から市場のマインドは徐々に改善してきました。春先は短期間で完売して「販売終了」となる物件が出るなど、そこそこ動いていた気配もありました。しかし、それは全体の1%もなかったはずです。少なくとも、私が全物件をフォローしている港区や文京区では、ほぼ9割以上が竣工までに完売せずに完成在庫になります。  ましてや、郊外エリアや千葉、埼玉、神奈川では、ファミリー物件が竣工後1年以上も完売できないケースがゴロゴロ。「人気が回復」したとされている湾岸エリアなど、竣工後4年以上のタワーマンションでも、いまだ販売中の物件があります。 ――それでも、マンションデベロッパーのマンション供給は止まらない。中には、マンションが供給過多になっているエリアもあるという。特に顕著なのが、神奈川県・川崎市だ。 「川崎駅エリア」は需給環境が悪すぎますね。ここ数年、大規模物件がいくつも出てきたことに加え、周辺エリアには「ヨコハマオールパークス」(京浜急行本線・JR南武支線「八丁畷」駅 全1424戸)や矢向の「ザ・ミレナリータワーズ」(JR南武線「矢向」駅 全756戸)など、市場を顧みない無謀な供給が多すぎました。これまでは川崎といえば、「川崎駅最寄り物件は必ず売れる」と業者の間でも言われてきた鉄板エリアでした。ところが、ここにきて、川崎が売れなくなったという声を聞くようになってきたのです。 ――たとえば、川崎の「リヴァリエ」というタワーマンション(京急大師線「港町」駅徒歩1分・「京急川崎」駅徒歩19分 全455戸)。支線とはいえ、駅から徒歩1分。東京都心のタワーとさほど変わらない仕様で、平均坪単価で180万円台(このエリアの相場観は平均坪単価140~160万円前後のため、高級マンションのカテゴリーに入る)、これまでであれば売れ行き好調のはずの物件だが、販売開始から1年以上たっても、いまだ、販売中なのだ。  前々から「集客はまずまずだけど、契約できない」という話は聞いていましたが、なかなか苦戦しているようです。竣工は13年2月下旬、入居予定時期 は13年3月中旬(いずれも予定)ですが、それまでに完売させるためには二子玉川の「ライズ」並みの大幅な値引きが行われるでしょう。 ――二子玉川の「ライズ」とは、東急田園都市線「二子玉川」駅徒歩6分、駅前再開発プロジェクトの一環として東急電鉄、東急不動産が手がけた高級タワーマンションだ。2年前に竣工済みだが、竣工後は大幅な値引きでやっとほぼ完売となった物件だ。しかし、こうした物件は、臨海地区でも同様だという。  たとえばプロゴルファーの石川遼がCMに登場する「ザ・パークハウス晴海タワーズ」「プラウドタワー東雲」といった目玉物件でさえ、業界関係者からは売れ行き好調といった声が聞こえてきません。さらに、晴海の南側に、ゆりかもめの「市場前」という今はほとんど利用者がいない駅があります。ここは築地市場の移転先とされており、周辺にマンション建設計画が浮上しているのです。このエリアだけでなく、数カ月から半年先には、新たな物件が市場にジャカジャカ供給されていきそうです。政府の政策や業界の意識が変わらない限り、将来的にも明らかな供給過剰になっていくでしょう。 ――「マンション買い時」ではない。これから、ますますマンションは供給過剰が続くというのだ。榊氏の最新刊『磯野家のマイホーム戦略』(WAVE出版)によれば、人口減少社会で、20年後の空き家率は20~30%の間。25%だとしても、08年の空き家率のおよそ2倍。住宅4戸に1戸が空き家になってしまうというのだ。  私が申し上げるのは「今は(新築物件は)買い時ではありません。そして、これからもずっと『買い時』なんて来ません」ということ。かつて家が足りない頃の記憶を引きずっていた、今の40代以降の人々は、多少の無理をしてでも住宅を買いました。その結果、多くの人々が住宅ローンに苦しんでいます。ところが、物心ついた時からずっと不況だった今の30代は、「無理をしてまで家を買う」というマインドが薄く、実際、多くが買っているとは思えません。  建築技術は格段の進歩を遂げ、今の住まいは木造一戸建ても鉄筋コンクリートのマンションも、20~30年くらいなら建て替えが必要なほどの老朽化はしない。つまり日本全体で見て住宅自体が市場で大幅に余ってしまうことが考えられるのです。人口ピラミッドを見ても、これから先、マンションを購入するボリュームゾーンである30代に、ピラミッドの山が生まれることは当分なさそうです。つまり、住まいを必要とする需要はこの先、ずっと先細るわけです。ならば、デフレ期には組んではいけないという住宅ローンをわざわざ組んで、あえて、業者の広告費が上乗せされた新築物件に住もうという人がどれだけいるでしょうか。  東日本大震災後は、人々の意識も大きく変わり始めている。また次なる大地震がいつ発生するかもわからない。こうしたリスクの多い時代に新築の資産を持つ人がどれだけいるだろうか。これまでのように住宅を次々に建設させて景気回復を導く、その負担は庶民の住宅ローンで……といった持ち家政策はすでに破綻している。人々の意識の変化に政府やマンション業界が気づくのはいつだろうか? (構成=松井克明/CFP) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 酒屋を次々と“コンビニ”に変貌させた「知られざる日本の国策」 三井住友銀行員が語る「エリート銀行員のトンデモ実態と“癖”」 スタバ、ドトールと何が違うの?失敗するカフェオーナーの条件 SNS戦国時代に乗り遅れた? mixiの明日はどっちだ 岩瀬大輔「超若手経営陣が率いるヤフーのスゴさ」 JAL・民主党vsANA・自民党の争いが勃発! 野村HDの2トップ追放の黒幕は古賀会長

新築の9割売れ残り?人気エリアでもマンションが売れないワケ

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富士山から都市まで素晴らしい眺望が広がる
「リヴァリエ」。(「同公式サイト」より)
 東日本大震災から1年と5カ月。不動産業界は「今が住宅の買い時」と、あおり始めている。  復興需要の本格化に起因する建築資材の高騰傾向による価格上昇懸念に、建物部分にかかる消費税率の引き上げ、今後先細りしていく政府による住宅取得優遇策……と、経済誌も「今年よりは、来年、来年よりは再来年と、住宅購入を取り巻く環境は厳しくなる。今夏は住宅購入を決断する、ラストチャンスだ」とあおっている。  しかし、実はそれほど住宅は売れていないというのが、住宅業界の本音だという。住宅ジャーナリスト榊淳司氏に、「マンションが売れていない現実」について語ってもらった!       マンションが売れていないというのが実感です。たしかに、2011年の後半から市場のマインドは徐々に改善してきました。春先は短期間で完売して「販売終了」となる物件が出るなど、そこそこ動いていた気配もありました。しかし、それは全体の1%もなかったはずです。少なくとも、私が全物件をフォローしている港区や文京区では、ほぼ9割以上が竣工までに完売せずに完成在庫になります。  ましてや、郊外エリアや千葉、埼玉、神奈川では、ファミリー物件が竣工後1年以上も完売できないケースがゴロゴロ。「人気が回復」したとされている湾岸エリアなど、竣工後4年以上のタワーマンションでも、いまだ販売中の物件があります。 ――それでも、マンションデベロッパーのマンション供給は止まらない。中には、マンションが供給過多になっているエリアもあるという。特に顕著なのが、神奈川県・川崎市だ。 「川崎駅エリア」は需給環境が悪すぎますね。ここ数年、大規模物件がいくつも出てきたことに加え、周辺エリアには「ヨコハマオールパークス」(京浜急行本線・JR南武支線「八丁畷」駅 全1424戸)や矢向の「ザ・ミレナリータワーズ」(JR南武線「矢向」駅 全756戸)など、市場を顧みない無謀な供給が多すぎました。これまでは川崎といえば、「川崎駅最寄り物件は必ず売れる」と業者の間でも言われてきた鉄板エリアでした。ところが、ここにきて、川崎が売れなくなったという声を聞くようになってきたのです。 ――たとえば、川崎の「リヴァリエ」というタワーマンション(京急大師線「港町」駅徒歩1分・「京急川崎」駅徒歩19分 全455戸)。支線とはいえ、駅から徒歩1分。東京都心のタワーとさほど変わらない仕様で、平均坪単価で180万円台(このエリアの相場観は平均坪単価140~160万円前後のため、高級マンションのカテゴリーに入る)、これまでであれば売れ行き好調のはずの物件だが、販売開始から1年以上たっても、いまだ、販売中なのだ。  前々から「集客はまずまずだけど、契約できない」という話は聞いていましたが、なかなか苦戦しているようです。竣工は13年2月下旬、入居予定時期 は13年3月中旬(いずれも予定)ですが、それまでに完売させるためには二子玉川の「ライズ」並みの大幅な値引きが行われるでしょう。 ――二子玉川の「ライズ」とは、東急田園都市線「二子玉川」駅徒歩6分、駅前再開発プロジェクトの一環として東急電鉄、東急不動産が手がけた高級タワーマンションだ。2年前に竣工済みだが、竣工後は大幅な値引きでやっとほぼ完売となった物件だ。しかし、こうした物件は、臨海地区でも同様だという。  たとえばプロゴルファーの石川遼がCMに登場する「ザ・パークハウス晴海タワーズ」「プラウドタワー東雲」といった目玉物件でさえ、業界関係者からは売れ行き好調といった声が聞こえてきません。さらに、晴海の南側に、ゆりかもめの「市場前」という今はほとんど利用者がいない駅があります。ここは築地市場の移転先とされており、周辺にマンション建設計画が浮上しているのです。このエリアだけでなく、数カ月から半年先には、新たな物件が市場にジャカジャカ供給されていきそうです。政府の政策や業界の意識が変わらない限り、将来的にも明らかな供給過剰になっていくでしょう。 ――「マンション買い時」ではない。これから、ますますマンションは供給過剰が続くというのだ。榊氏の最新刊『磯野家のマイホーム戦略』(WAVE出版)によれば、人口減少社会で、20年後の空き家率は20~30%の間。25%だとしても、08年の空き家率のおよそ2倍。住宅4戸に1戸が空き家になってしまうというのだ。  私が申し上げるのは「今は(新築物件は)買い時ではありません。そして、これからもずっと『買い時』なんて来ません」ということ。かつて家が足りない頃の記憶を引きずっていた、今の40代以降の人々は、多少の無理をしてでも住宅を買いました。その結果、多くの人々が住宅ローンに苦しんでいます。ところが、物心ついた時からずっと不況だった今の30代は、「無理をしてまで家を買う」というマインドが薄く、実際、多くが買っているとは思えません。  建築技術は格段の進歩を遂げ、今の住まいは木造一戸建ても鉄筋コンクリートのマンションも、20~30年くらいなら建て替えが必要なほどの老朽化はしない。つまり日本全体で見て住宅自体が市場で大幅に余ってしまうことが考えられるのです。人口ピラミッドを見ても、これから先、マンションを購入するボリュームゾーンである30代に、ピラミッドの山が生まれることは当分なさそうです。つまり、住まいを必要とする需要はこの先、ずっと先細るわけです。ならば、デフレ期には組んではいけないという住宅ローンをわざわざ組んで、あえて、業者の広告費が上乗せされた新築物件に住もうという人がどれだけいるでしょうか。  東日本大震災後は、人々の意識も大きく変わり始めている。また次なる大地震がいつ発生するかもわからない。こうしたリスクの多い時代に新築の資産を持つ人がどれだけいるだろうか。これまでのように住宅を次々に建設させて景気回復を導く、その負担は庶民の住宅ローンで……といった持ち家政策はすでに破綻している。人々の意識の変化に政府やマンション業界が気づくのはいつだろうか? (構成=松井克明/CFP) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 酒屋を次々と“コンビニ”に変貌させた「知られざる日本の国策」 三井住友銀行員が語る「エリート銀行員のトンデモ実態と“癖”」 スタバ、ドトールと何が違うの?失敗するカフェオーナーの条件 SNS戦国時代に乗り遅れた? mixiの明日はどっちだ 岩瀬大輔「超若手経営陣が率いるヤフーのスゴさ」 JAL・民主党vsANA・自民党の争いが勃発! 野村HDの2トップ追放の黒幕は古賀会長

新築の9割売れ残り?人気エリアでもマンションが売れないワケ

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富士山から都市まで素晴らしい眺望が広がる
「リヴァリエ」。(「同公式サイト」より)
 東日本大震災から1年と5カ月。不動産業界は「今が住宅の買い時」と、あおり始めている。  復興需要の本格化に起因する建築資材の高騰傾向による価格上昇懸念に、建物部分にかかる消費税率の引き上げ、今後先細りしていく政府による住宅取得優遇策……と、経済誌も「今年よりは、来年、来年よりは再来年と、住宅購入を取り巻く環境は厳しくなる。今夏は住宅購入を決断する、ラストチャンスだ」とあおっている。  しかし、実はそれほど住宅は売れていないというのが、住宅業界の本音だという。住宅ジャーナリスト榊淳司氏に、「マンションが売れていない現実」について語ってもらった!       マンションが売れていないというのが実感です。たしかに、2011年の後半から市場のマインドは徐々に改善してきました。春先は短期間で完売して「販売終了」となる物件が出るなど、そこそこ動いていた気配もありました。しかし、それは全体の1%もなかったはずです。少なくとも、私が全物件をフォローしている港区や文京区では、ほぼ9割以上が竣工までに完売せずに完成在庫になります。  ましてや、郊外エリアや千葉、埼玉、神奈川では、ファミリー物件が竣工後1年以上も完売できないケースがゴロゴロ。「人気が回復」したとされている湾岸エリアなど、竣工後4年以上のタワーマンションでも、いまだ販売中の物件があります。 ――それでも、マンションデベロッパーのマンション供給は止まらない。中には、マンションが供給過多になっているエリアもあるという。特に顕著なのが、神奈川県・川崎市だ。 「川崎駅エリア」は需給環境が悪すぎますね。ここ数年、大規模物件がいくつも出てきたことに加え、周辺エリアには「ヨコハマオールパークス」(京浜急行本線・JR南武支線「八丁畷」駅 全1424戸)や矢向の「ザ・ミレナリータワーズ」(JR南武線「矢向」駅 全756戸)など、市場を顧みない無謀な供給が多すぎました。これまでは川崎といえば、「川崎駅最寄り物件は必ず売れる」と業者の間でも言われてきた鉄板エリアでした。ところが、ここにきて、川崎が売れなくなったという声を聞くようになってきたのです。 ――たとえば、川崎の「リヴァリエ」というタワーマンション(京急大師線「港町」駅徒歩1分・「京急川崎」駅徒歩19分 全455戸)。支線とはいえ、駅から徒歩1分。東京都心のタワーとさほど変わらない仕様で、平均坪単価で180万円台(このエリアの相場観は平均坪単価140~160万円前後のため、高級マンションのカテゴリーに入る)、これまでであれば売れ行き好調のはずの物件だが、販売開始から1年以上たっても、いまだ、販売中なのだ。  前々から「集客はまずまずだけど、契約できない」という話は聞いていましたが、なかなか苦戦しているようです。竣工は13年2月下旬、入居予定時期 は13年3月中旬(いずれも予定)ですが、それまでに完売させるためには二子玉川の「ライズ」並みの大幅な値引きが行われるでしょう。 ――二子玉川の「ライズ」とは、東急田園都市線「二子玉川」駅徒歩6分、駅前再開発プロジェクトの一環として東急電鉄、東急不動産が手がけた高級タワーマンションだ。2年前に竣工済みだが、竣工後は大幅な値引きでやっとほぼ完売となった物件だ。しかし、こうした物件は、臨海地区でも同様だという。  たとえばプロゴルファーの石川遼がCMに登場する「ザ・パークハウス晴海タワーズ」「プラウドタワー東雲」といった目玉物件でさえ、業界関係者からは売れ行き好調といった声が聞こえてきません。さらに、晴海の南側に、ゆりかもめの「市場前」という今はほとんど利用者がいない駅があります。ここは築地市場の移転先とされており、周辺にマンション建設計画が浮上しているのです。このエリアだけでなく、数カ月から半年先には、新たな物件が市場にジャカジャカ供給されていきそうです。政府の政策や業界の意識が変わらない限り、将来的にも明らかな供給過剰になっていくでしょう。 ――「マンション買い時」ではない。これから、ますますマンションは供給過剰が続くというのだ。榊氏の最新刊『磯野家のマイホーム戦略』(WAVE出版)によれば、人口減少社会で、20年後の空き家率は20~30%の間。25%だとしても、08年の空き家率のおよそ2倍。住宅4戸に1戸が空き家になってしまうというのだ。  私が申し上げるのは「今は(新築物件は)買い時ではありません。そして、これからもずっと『買い時』なんて来ません」ということ。かつて家が足りない頃の記憶を引きずっていた、今の40代以降の人々は、多少の無理をしてでも住宅を買いました。その結果、多くの人々が住宅ローンに苦しんでいます。ところが、物心ついた時からずっと不況だった今の30代は、「無理をしてまで家を買う」というマインドが薄く、実際、多くが買っているとは思えません。  建築技術は格段の進歩を遂げ、今の住まいは木造一戸建ても鉄筋コンクリートのマンションも、20~30年くらいなら建て替えが必要なほどの老朽化はしない。つまり日本全体で見て住宅自体が市場で大幅に余ってしまうことが考えられるのです。人口ピラミッドを見ても、これから先、マンションを購入するボリュームゾーンである30代に、ピラミッドの山が生まれることは当分なさそうです。つまり、住まいを必要とする需要はこの先、ずっと先細るわけです。ならば、デフレ期には組んではいけないという住宅ローンをわざわざ組んで、あえて、業者の広告費が上乗せされた新築物件に住もうという人がどれだけいるでしょうか。  東日本大震災後は、人々の意識も大きく変わり始めている。また次なる大地震がいつ発生するかもわからない。こうしたリスクの多い時代に新築の資産を持つ人がどれだけいるだろうか。これまでのように住宅を次々に建設させて景気回復を導く、その負担は庶民の住宅ローンで……といった持ち家政策はすでに破綻している。人々の意識の変化に政府やマンション業界が気づくのはいつだろうか? (構成=松井克明/CFP) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 酒屋を次々と“コンビニ”に変貌させた「知られざる日本の国策」 三井住友銀行員が語る「エリート銀行員のトンデモ実態と“癖”」 スタバ、ドトールと何が違うの?失敗するカフェオーナーの条件 SNS戦国時代に乗り遅れた? mixiの明日はどっちだ 岩瀬大輔「超若手経営陣が率いるヤフーのスゴさ」 JAL・民主党vsANA・自民党の争いが勃発! 野村HDの2トップ追放の黒幕は古賀会長

新築の9割売れ残り?人気エリアでもマンションが売れないワケ

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 酒屋を次々と“コンビニ”に変貌させた「知られざる日本の国策」 三井住友銀行員が語る「エリート銀行員のトンデモ実態と“癖”」 スタバ、ドトールと何が違うの?失敗するカフェオーナーの条件 ■特にオススメ記事はこちら! 新築の9割売れ残り?人気エリアでもマンションが売れないワケ - Business Journal(8月14日)
富士山から都市まで素晴らしい眺望が広がる
「リヴァリエ」。(「同公式サイト」より)
 東日本大震災から1年と5カ月。不動産業界は「今が住宅の買い時」と、あおり始めている。  復興需要の本格化に起因する建築資材の高騰傾向による価格上昇懸念に、建物部分にかかる消費税率の引き上げ、今後先細りしていく政府による住宅取得優遇策……と、経済誌も「今年よりは、来年、来年よりは再来年と、住宅購入を取り巻く環境は厳しくなる。今夏は住宅購入を決断する、ラストチャンスだ」とあおっている。  しかし、実はそれほど住宅は売れていないというのが、住宅業界の本音だという。住宅ジャーナリスト榊淳司氏に、「マンションが売れていない現実」について語ってもらった!       マンションが売れていないというのが実感です。たしかに、2011年の後半から市場のマインドは徐々に改善してきました。春先は短期間で完売して「販売終了」となる物件が出るなど、そこそこ動いていた気配もありました。しかし、それは全体の1%もなかったはずです。少なくとも、私が全物件をフォローしている港区や文京区では、ほぼ9割以上が竣工までに完売せずに完成在庫になります。  ましてや、郊外エリアや千葉、埼玉、神奈川では、ファミリー物件が竣工後1年以上も完売できないケースがゴロゴロ。「人気が回復」したとされている湾岸エリアなど、竣工後4年以上のタワーマンションでも、いまだ販売中の物件があります。 ――それでも、マンションデベロッパーのマンション供給は止まらない。中には、マンションが供給過多になっているエリアもあるという。特に顕著なのが、神奈川県・川崎市だ。 「川崎駅エリア」は需給環境が悪すぎますね。ここ数年、大規模物件がいくつも出てきたことに加え、周辺エリアには「ヨコハマオールパークス」(京浜急行本線・JR南武支線「八丁畷」駅 全1424戸)や矢向の「ザ・ミレナリータワーズ」(JR南武線「矢向」駅 全756戸)など、市場を顧みない無謀な供給が多すぎました。これまでは川崎といえば、「川崎駅最寄り物件は必ず売れる」と業者の間でも言われてきた鉄板エリアでした。ところが、ここにきて、川崎が売れなくなったという声を聞くようになってきたのです。 ――たとえば、川崎の「リヴァリエ」というタワーマンション(京急大師線「港町」駅徒歩1分・「京急川崎」駅徒歩19分 全455戸)。支線とはいえ、駅から徒歩1分。東京都心のタワーとさほど変わらない仕様で、平均坪単価で180万円台(このエリアの相場観は平均坪単価140~160万円前後のため、高級マンションのカテゴリーに入る)、これまでであれば売れ行き好調のはずの物件だが、販売開始から1年以上たっても、いまだ、販売中なのだ。  前々から「集客はまずまずだけど、契約できない」という話は聞いていましたが、なかなか苦戦しているようです。竣工は13年2月下旬、入居予定時期 は13年3月中旬(いずれも予定)ですが、それまでに完売させるためには二子玉川の「ライズ」並みの大幅な値引きが行われるでしょう。 ――二子玉川の「ライズ」とは、東急田園都市線「二子玉川」駅徒歩6分、駅前再開発プロジェクトの一環として東急電鉄、東急不動産が手がけた高級タワーマンションだ。2年前に竣工済みだが、竣工後は大幅な値引きでやっとほぼ完売となった物件だ。しかし、こうした物件は、臨海地区でも同様だという。  たとえばプロゴルファーの石川遼がCMに登場する「ザ・パークハウス晴海タワーズ」「プラウドタワー東雲」といった目玉物件でさえ、業界関係者からは売れ行き好調といった声が聞こえてきません。さらに、晴海の南側に、ゆりかもめの「市場前」という今はほとんど利用者がいない駅があります。ここは築地市場の移転先とされており、周辺にマンション建設計画が浮上しているのです。このエリアだけでなく、数カ月から半年先には、新たな物件が市場にジャカジャカ供給されていきそうです。政府の政策や業界の意識が変わらない限り、将来的にも明らかな供給過剰になっていくでしょう。 ――「マンション買い時」ではない。これから、ますますマンションは供給過剰が続くというのだ。榊氏の最新刊『磯野家のマイホーム戦略』(WAVE出版)によれば、人口減少社会で、20年後の空き家率は20~30%の間。25%だとしても、08年の空き家率のおよそ2倍。住宅4戸に1戸が空き家になってしまうというのだ。  私が申し上げるのは「今は(新築物件は)買い時ではありません。そして、これからもずっと『買い時』なんて来ません」ということ。かつて家が足りない頃の記憶を引きずっていた、今の40代以降の人々は、多少の無理をしてでも住宅を買いました。その結果、多くの人々が住宅ローンに苦しんでいます。ところが、物心ついた時からずっと不況だった今の30代は、「無理をしてまで家を買う」というマインドが薄く、実際、多くが買っているとは思えません。  建築技術は格段の進歩を遂げ、今の住まいは木造一戸建ても鉄筋コンクリートのマンションも、20~30年くらいなら建て替えが必要なほどの老朽化はしない。つまり日本全体で見て住宅自体が市場で大幅に余ってしまうことが考えられるのです。人口ピラミッドを見ても、これから先、マンションを購入するボリュームゾーンである30代に、ピラミッドの山が生まれることは当分なさそうです。つまり、住まいを必要とする需要はこの先、ずっと先細るわけです。ならば、デフレ期には組んではいけないという住宅ローンをわざわざ組んで、あえて、業者の広告費が上乗せされた新築物件に住もうという人がどれだけいるでしょうか。  東日本大震災後は、人々の意識も大きく変わり始めている。また次なる大地震がいつ発生するかもわからない。こうしたリスクの多い時代に新築の資産を持つ人がどれだけいるだろうか。これまでのように住宅を次々に建設させて景気回復を導く、その負担は庶民の住宅ローンで……といった持ち家政策はすでに破綻している。人々の意識の変化に政府やマンション業界が気づくのはいつだろうか? (構成=松井克明/CFP) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 酒屋を次々と“コンビニ”に変貌させた「知られざる日本の国策」 三井住友銀行員が語る「エリート銀行員のトンデモ実態と“癖”」 スタバ、ドトールと何が違うの?失敗するカフェオーナーの条件 SNS戦国時代に乗り遅れた? mixiの明日はどっちだ 岩瀬大輔「超若手経営陣が率いるヤフーのスゴさ」 JAL・民主党vsANA・自民党の争いが勃発! 野村HDの2トップ追放の黒幕は古賀会長

酒屋を次々と“コンビニ”に変貌させた「知られざる日本の国策」

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 新築の9割売れ残り?人気エリアでもマンションが売れないワケ 三井住友銀行員が語る「エリート銀行員のトンデモ実態と“癖”」 スタバ、ドトールと何が違うの?失敗するカフェオーナーの条件 ■特にオススメ記事はこちら! 酒屋を次々と“コンビニ”に変貌させた「知られざる日本の国策」 - Business Journal(8月14日)
コンビニ最大手のセブンーイレブン。
 一定以上の年齢の人たちは、街の酒店や米屋が、ある日突然コンビニエンスストアに変わっていく様子をたびたび目にしてきたのではないだろうか。一方で、コンビニが増えることに並行して、活気のなくなっていく商店街の姿も見てきたはずだ。戦後の市民の生活と高度成長を支えてきた商店街は、なぜ、かくも急激にプレゼンスを失っていったのか。  そんな問いへの応えが用意されているのが、商店街の変遷と日本の社会状況をテーマに書かれた『商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道』(光文社新書)だ。同書を上梓した新雅史氏自身の実家も、かつては酒店を営んでいたという。そんな新氏に「商店街がコンビニに変わっていった状況、そして商店街とショッピングモール」について話を聞いた。 ――1980年代あたりから酒店などをはじめとする商店がコンビニへ変わっていった印象があります。そこにはどんな要因があったのでしょうか? 新雅史氏(以下、新) さまざまな要因が考えられますが、ここでは1970年代から80年代にかけて日本の安定のイメージが変化したことを挙げておきたいと思います。 ――日本の安定のイメージが変化したとは、具体的にどういうことでしょうか?  いま、日本の安定イメージは、サラリーマンを中心とした雇用者層に偏っています。しかし、高度成長期が終わる頃までは、そうではありませんでした。高度成長期までは、「雇用の安定」に加えて、「自営業の安定」で社会を支えようとする動きがあったのです。  近代化の大きな特徴に、多くの人が職を求めて農村部から都市部へ流れることがあります。その激しい流動化を、製造業や建設業などの第二次産業だけで支えることは無理だった。第二次産業での雇用が見つからなかった人たちは、第三次産業の都市部の自営業者となりました。その多くは商業者だったのです。そして、日本政府は都市小売層を安定させようという意図を持っていました。都市の自営業層を安定させなければ、製造業を筆頭とする生産性の高いセクターとの間に格差が生まれてしまうからです。  こうしたもくろみがあって、さまざまな規制が行われます。例えば、不況時に商工組合に価格や販売方法のカルテルを一定程度認め、大企業に商工組合との交渉を義務付けた中小企業団体法、さらには小売商業特別調整法、商店街振興組合法といった法律などが整備されます。こうして、都市小売層は、ある種の既得権益層となり、安定した層となっていきます。  しかし、1970年代の後半から80年代にかけて日本の安定を支えているのは、サラリーマンを筆頭とする雇用者層ではないかという声が大きくなり始めます。その一番わかりすい例が、日本型福祉社会論です。 ――日本型福祉社会論とは?  終身雇用・年功序列・企業内福利厚生などが、企業の従業員の人生を包み込む。その従業員は、家族の中では家長となり、専業主婦と子どもを支えている。そうしたサラリーマン男性と専業主婦のセットを前提とした福祉モデルのことです。  また、オイルショック後、欧米諸国に比べて、日本はその経済的ダメージから立ち直るのが相対的に早かった。こうした中で日本は、自分たちだけが経済的にうまくいっているという、ある種の自尊心を持つようになります。  では、なぜ日本は先進諸国の中でも経済がうまくいっているのか。当時の為政者たちは、こう考えました。欧米のような福祉国家とは異なり、福利厚生の手厚い日本企業と、サラリーマン=専業主婦体制の家族が、福祉を支えている。そのために、日本は、「ゆりかごから墓場まで」のようなコストの高い福祉国家にならずに済んでいる、というわけです。こうして、企業福祉と家族福祉を基軸とした日本型社会福祉論が80年代に一定の力を持ち、それに沿って、実際の政策も進んでいきます。  それまでは自営業者と雇用者層という「両翼の安定」だったのが、片翼の雇用者層の安定だけがクローズアップされ、安定のイメージが変化しました。そこでは、サラリーマン家庭以外の人々は例外的な層として位置づけられてしまったのです。 ――つまり、サラリーマンだけが日本の安定に寄与しているとなったわけですね。実際には、商店全体では、個人事業主の店が占める割合が、72年では8割でした。しかし、91年には6割に、07年には5割まで低下し、その代わりに法人事業主の商店(大手スーパーやコンビニ)が急激に増えています。そのような裏で、どのように商店がコンビニに変わっていったのでしょうか?  80年に入り、日米構造協議を始めとする規制緩和の波が来ます。すでに、安定のイメージが変化し、既得権益層と見なされた自営業層にも規制緩和が迫られました。  例えば、それまでも酒の販売免許を取得することは大変でしたが、徐々にスーパーなどの大手小売業にも免許が与えられるようになりました。また、当時の商店は、生活ができるラインは保ちつつも、徐々に売り上げが下がっていました。  商店としては、この状況をどうにかしなければならない。酒の免許を生かしてできることは何か。当時、酒というのは夜中に買うことはほとんどできなかった。そこにコンビニチェーン本部が、「酒を扱っているコンビニと扱っていないコンビニでは、平均日商で6.8万円も売上に差があります」というレトリックで酒店にコンビニ化を迫ってきたわけです。平均日商でそれだけ違うとなれば、1カ月では相当違います。酒の免許がまだギリギリ意味があった頃なので、免許を使い、365日24時間営業すれば売り上げも伸びるということでコンビニになっていったのです。またそのほかにも、商店が抱えている問題を、コンビニ化によって解消できたことも大きかった。 大店法という規制が「コンビニ化」に拍車を掛けた ――商店が抱えていた問題とは?  ここでは2つの例を挙げます。ひとつは、商店の店構えが古くなっていたことです。これに対しては、コンビニのフォーマットに乗ることで、フランチャイズ本部が店舗改装をやってくれます。もうひとつが、跡継ぎ問題です。こちらの問題は深刻でした。徐々に商店の売り上げが下がっていては、自分の子どもに跡を継いでもらうことは難しい。そこでコンビニ化によって売り上げを上げることで、跡継ぎ問題をなんとかできるのではないかと考えた。  そういったいくつかの要素が組み合わさり、商店が苦境を乗り越えるひとつの手段として、コンビニになる道を採用していたのが当時の状況ではないでしょうか。さらにいえば、大手小売のスーパー側の論理もあります。 ――スーパー側の論理とは?  73年に大店法(大規模小売店舗法:大規模小売店に出店に際し中小小売業との調整を行う法律。00年に廃止された。)が制定されます。この法律により大型スーパーは簡単に出店できなくなった。そこで大型スーパーを運営する企業は、企業拡大のため、ひとつの突破口としてコンビニを考えた。自らのスーパーは出店できないが、今までは敵対していた商店街の商店を自社系列のコンビニにすれば、企業拡大が望め、自分たちの利益にもなる。そうした商店街側の問題とスーパー側の思惑が合致し、コンビニが増えていきました。 ――日本と海外のコンビニを比べると、日本のコンビニは特殊だと言われます。  それは、日本のコンビニが、商店街を形成している商店の店舗面積を前提にしたフォーマットに沿っているからです。どのコンビニも、零細小売店が持っている土地にコンビニをつくることを前提にしていたため、30坪程度という商店街の1店舗面積をフォーマットとし、そこにいかに多品種の商品を置いていくかということが考えられていったのです。一方、コンビニの発祥地であるアメリカでは、ロードサイドのガソリンスタンドにコンビニが併設されていることが多く、また、そもそも店舗面積がそこまで狭くありません。  もうひとつ日本のコンビニの特色として、コンビニのオーナーにはこれまで商店を経営していた人たちがなっていった。商店経営というのは旧来、夫婦で営む家族経営が多く、その人たちが当時新しいといわれていたコンビニのオーナーになっていった。ある種、「古い革袋に新しいお酒を入れる」ようにコンビニは展開していきました。ただ、負の部分もあります。日本のコンビニは夫婦で経営することを前提としたフォーマットなので、ひとりのオーナーで営業できるようにはつくられていないのです。ひとりで24時間の店を管理することはできません。つまり、「最新の商業フォーマットを備えたコンビニ」とよく喧伝されますが、その一方では古い商業秩序に依存しているんです。 ――コンビニが増えたことでの問題点はありますか?  コンビニは多品種販売で成り立っているので、酒もタバコもなんでもある。ある地域の中にコンビニがひとつあれば、それで買い物が済んでしまう。それに対し、商店街というのは、もともとひとつの品種に対し、ひとつの専門店が連なるものとして構想されました。商店街を形成する店が共倒れしないよう、一品種、一商店という形で競争を平和的に解決してきましたんです。また、そうした形態を取ることで、一つひとつの商店が、特定の品種に対する専門家として地域の消費者に対し、品質の良いものを提供してきた。そして、できるだけ多くの人たちが商業を営む環境を整えてきましたが、コンビニの出現によりそれが崩れました。 ――地域社会にコンビニひとつあればいいのか、という問題もあります。  コンビニと商店街、あるいはショッピングモールと商店街を比べて、どちらが消費者にとって便利なのかという議論がいまだに行われます。しかし、商店街は消費だけに限定された空間でしょうか。私は、東北の被災地に定期的に訪れていますが、商店街がない街では復興が遅いという厳然たる事実があることに気づきました。  例えば、ボランティアは、まず商店街の瓦礫を片付けていきました。しかし、ショッピングモールの瓦礫は、ボランティアの人たちが片付けることはできなかった。ショッピングモールは、企業関係者しか立ち入ることができない空間であり、外部の存在を排除しています。だからこそ、災害が起きると、こうした大きな違いが起きた。商店街は単なる消費スペースではなく、実は外部の者が関わりやすい空間だったのです。  こうして、例えば宮城県石巻市では、ボランティアの人たちが商店街の瓦礫を片付け、そのことによって経営者が商店街に戻り、ボランティアと経営者たちが商店街の再生をめぐって議論を行っています。こうした商店街の多層的な機能は、ショッピングモールやコンビニでは、代替できないように思います。  私としては、商店街にある多層的な機能を利用し、生活保障となるべき地域の拠点として商店街を定位したいと考えています。 (構成=本多カツヒロ) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 新築の9割売れ残り?人気エリアでもマンションが売れないワケ 三井住友銀行員が語る「エリート銀行員のトンデモ実態と“癖”」 スタバ、ドトールと何が違うの?失敗するカフェオーナーの条件 JAL・民主党vsANA・自民党の争いが勃発! 野村HDの2トップ追放の黒幕は古賀会長 SNS戦国時代に乗り遅れた? mixiの明日はどっちだ 気がついたら預金が半減!?銀行の甘い口車にご用心

ワタミに富士通、ローソンストア100… “ブラック企業大賞”授賞式!

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「ブラック企業大賞」HPより
 パワハラ、セクハラ、退職強要、不当解雇、派遣切り、過労死……こうした違法企業は後を絶たない。そんな中、「ブラック企業大賞2012授賞式」が東京都港区内の田町交通ビルで開催された。主催はブラック企業大賞企画委員会。主催者によると、このような授賞式の試みは今回が初という。現地へ向かった。  会場は30~40代とみられる男女を中心に約80人が参加。「ニコニコ生放送」も来ている。主催者によると、全国で約3万人が授賞式の様子をニコ生で視聴しているという。また、最前列の席は、ノミネートされたブラック企業10社の招待席となっていたが、1人も来ていない。  こうした中で受賞式は始まった。まず、主催者の一人で弁護士の佐々木亮氏がブラック企業の定義について「簡単にいえば法があっても法を守らない。法をわざと知らないふりをする。労働者の命、健康、生活を配慮しない。こういう企業をブラック企業と言います」と説明。  その後、主催者側がノミネート企業10社を紹介した。まず居酒屋チェーン和民などを経営する「ワタミ」。2008年6月、同社の新入社員の森美菜氏(当時26)は、連日午前4~6時まで調理業務に就き、休日も朝7時からの早朝研修会やボランティア活動、リポート執筆を課されるなどで、入社から1カ月で時間外労働は約140時間に上り、「体が痛いです。体が辛いです。気持ちが沈みます。早く動けません。どうか助けて下さい。誰か助けて下さい」と手帳に書いた。それから1カ月後に自殺した。  その後、遺族は「長時間の深夜勤務や、残業が続いたことが原因だった」などとして労災の認定を申請。しかし、09年に横須賀労働基準監督署は仕事が原因とは認めず、遺族が神奈川労働局に審査を求めた。  神奈川労働局の審査官は、「残業が1カ月あたり100時間を超え、朝5時までの勤務が1週間続くなどしていた。休日や休憩時間も十分に取れる状況ではなかったうえ、不慣れな調理業務の担当となり、強い心理的負担を受けたことが主な原因となった」として12年2月14日にようやく労災認定がされた。  その後、同社会長の渡邉美樹氏はツイッターで「労務管理ができていなかったとの認識はありません」「ワタミは天地神明に誓ってブラック企業ではありません」などといい、物議をかもしたのは記憶に新しい。
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 次に天気予報の「ウェザーニューズ」。同社の新入社員A氏(25歳)の遺族である兄から次のメッセージが寄せられた。「弟は気象予報士の資格を取得した後、念願のウェザーニューズから内定をもらい、08年4月から社会人としての明るい第一歩を踏み出しました。しかし、弟には大変厳しい現実が待っていました。弟の時間外労働時間は入社わずか2ヶ月目の5月に100時間を超え、6月、7月には200時間を超えました。この頃、弟から私に届いた唯一のメールには『毎日深夜2時とか回るから、ほとんど電話できないんだわ。もし家族が心配していたら、大丈夫だと言っておいて」と書いてありました。そして、この時間外労働時間は8月、9月にも150時間を超え、弟の心身を徐々に壊し始めていきました』  そしてこうつづっている。「自殺する1か月前には長時間労働で疲弊していた弟に対して、上司から『なんで真剣に生きられないのか』『なんでこの会社に来たのか。迷い込んできたのか?』と叱責するメールが届き、弟はそのメールのコピーを持って、怯えながら実家に帰ってきました。家族の顔を見た弟はずいぶん元気づき、とんぼ返りで会社に戻りましたが、悲しくもそれが家族にとって最後の姿になってしまいました。この間、同僚の方が勇気を出して、弟が死ぬことを考えるほど悩んでいることを、必死に会社側に善処を求めて下さいましたが、その声も会社側には聞き入れてもらえず、むしろ、『そうやって甘えているだけ』と突き放されてしまいました。そして皮肉にも、入社から6カ月間にわたる『予選』と称された試用期間の最終日に弟は自殺しました」  その後、10年6月に千葉労働基準監督署が「長時間労働による過労死」と認定。10年10月にはA氏の遺族はウェザーニューズに対して慰謝料など1億700万円の損害賠償を求めて京都地裁に提訴。すると、2カ月後、会社側が和解を申し入れてきた。これに対し遺族側は「これまでの労働時間管理、労務管理を見直し、社員が健康で安心して働ける職場環境を整え、再びかかる事件を発生させないよう具体的手立てを講じることを約束する」などの和解条件を提示。会社側はこの条件を受け入れて和解は成立した。  だがしかし、この和解成立の直後、同社の社員が労働環境に不安を覚え、労働組合を結成したが、会社側からひどい目に遭っているという。「今日はその組合員が会場に来ています」と司会者が説明し、ガタイのいい2人の白人男性が壇上に上がった。そして、そのうちの一人がこう語った。 「11年1月に私たちは労働組合を立ち上げました。過労自殺があった後も、社内ではまったく労働管理が改善されませんでした。その中で会社のCEO(最高経営責任者)から一言だけコメントがありました。それは『出来事は一瞬にして終わる。全て過去のことなので、また明日に向かって仕事をしていこう』というものでした」  さらに「労働組合を結成してから、実は、委員長が解雇されています。私の給料は17%以上、削減されています。今、まだ社内に残っている労働組合員は隔離された状態です。具体的には、400平方メートルのスペースに私たち2人だけが隔離されて、仕事も全て取り上げられています。会社の同僚は、私たちと話をしなくなりました。組合とかかわると会社から報復されるのではないか、と心配しています。さらに今年8月終わりに、私たち2人は異動させられると会社に言われています。ですが、異動先の部署名も仕事の内容もまだ何も決まっていません。きっと今以上に隔離するための戦略なのだと思います」とも語った、  次に、富士通子会社でソフトウェア開発などをてがける「富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ」(富士通SSL)。2002年4月に同社に入社してSE(システムエンジニア)として働いていた新卒男性B氏は、月80時間以上の深夜勤を含む時間外労働をする中でうつ病を発症し、抗うつ剤の過剰摂取で27歳の若さで亡くなった。  次にIT企業の「フォーカスシステムズ」。SEのC氏は入社3年目から急激に忙しくなり、06年4~6月の残業時間は132時間、206時間、161時間と過労死基準を大幅に超過。年間トータルでは1350時間に達し、出勤前の朝食時、両親の見ている前で寝入ってしまうことも増えていった。  そして同年9月16日、いつもどおり家を出た後、突然、衝動的に京都へ向かい、鴨川の川べりでウイスキーの中瓶をラッパ飲みして、急性アルコール中毒で死亡した。瓶は空に近い状態だった。なぜ京都だったのか。遺族である父親によると、C氏は亡くなる1年前に、高校時代の友人と京都旅行に行って、「すごくよかった。お父さんも行った方がいいよ」としきりに勧めていた。「解離性遁走」といって、つらい時に、急に一番いい思い出のところに行きたくなるうつ病の症状がある。C氏はこれに当たるという。  次に、100円ショップ形態のコンビニ「SHOP99」(現ローソンストア100)を経営する「九九プラス」。清水文美(ふみよし)氏は高校卒業後、アルバイト生活を送り、26歳の時の06年に、ハローワークで九九プラスの正社員として店長をする仕事に就職が決まった。長年、正社員として働きたかったので、しっかりがんばろうと決意に燃えていたという。
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 ところが、実際は、権限のない「名ばかり管理職」で残業代なしの過酷な長時間労働を強いられ、何度も上司に店長を降りたいと願い出たが、聞き入れてもらえず、ついには身体が動かなくなった。病院に行くと、重いうつ病、と診断された。  その後、清水氏は首都圏青年ユニオンに加入し、組合が会社と団体交渉をしたが、会社側は「病気と仕事の因果関係はありません」と主張。清水氏は未払い残業代と慰謝料の支払いを会社側に求める裁判を東京地裁に起こし、11年5月31日、原告全面勝訴の判決が下った。判決では裁判長が「店長の職務内容、責任、権限、賃金からみて、管理監督者に当たるとは認められない」と指摘し、「時間外労働や休日労働に対する割増賃金が支払われるべきである」とした。うつ状態についても、「業務と本件発症との間には相当因果関係が認められる」として、会社が安全配慮義務に違反したと断じた。 「会場に清水さんが来ています」と司会者の述べた後、清水氏は壇上に上がり、こう述べた。「私がコンビニの店長として一番大変だったのは、人の手配をすることでした。仕事が終わって家に帰り、寝ようかな、と思っていた時に、家から電話が鳴る。携帯電話も鳴る。『店長、お店に来て下さい。人手が足りません』と。この電話は高校生からのものです。高校生は深夜働けないので、私がすぐにお店に駆けつける。次の日も同じように電話が鳴る。これが常態化して、2週間休みが取れない、という日が続きました。しまいには身体に変調をきたし、レジでお客さんに『ありがとうございました』と言おうとしたが、言葉が出なくなりました」  そして清水氏は次のように話した。 「コンビニですので、商品管理は徹底しています。食中毒などは一切起こしていないと思います。しかし、商品管理の裏で、人がたくさん壊れていっている。そのいい例が私だと思います。私は病気が治らず、今も仕事ができない状態です。同僚も上司も身体を壊していました。こんな人を人とも思わない会社はあってはいけないと私は思います」  ほかに、ファミレスの「すかいらーく」、牛丼すき家の「ゼンショー」、高級布団の訪問販売の「丸八真綿」、福島第一原発事故の「東京電力」、関越自動車道高速バスで居眠り運転事故を起こしたバス会社「陸援隊」と旅行会社「ハーヴェスト・ホールディングス」。  約2時間にわたり、これらの企業を紹介した後、いよいよ各賞が発表された。  まず「業界賞」を、フォーカスシステムズ、富士通SSLの2社が受賞。実行委員会は「IT業界は『デスマーチ』という言葉で表現されるように、慢性的な長時間労働の温床と言われています。そうした現状にあって過労死が正式に認定され、裁判で遺族が勝訴した貴社の事例は、痛ましいながらも貴重と言えます。よって貴社をIT業界を代表するブラック企業と認め、業界全体が改善されるきっかけとなることを願い、『業界賞』を授与します」と読み上げられた。  次に、「ブラックなエピソードがよくぞここまで集まったと、驚かざるを得ません。貴社を『典型的ブラック企業』と認め、ここに『特別賞』を贈呈します」として、ウェザーニューズが同賞を受賞。  次にウェブ投票と会場投票で最も票を集めたワタミが「市民賞」を受賞。  そして「大賞」は、「放射能汚染を引き起こし、復旧作業で20ミリシーベルト以上被曝した労働者は4,000人を超えるなど、原発労働者たちの健康を守る責任を放棄しました。社会正義の観点から看過できない非人道行為であり、人類の歴史においても類を見ない恥ずべき行為です。よってここに『ブラック企業大賞』を授与し、その名を長く記録する」として、東京電力が「大賞」を受賞した。  最後に主催者の一人の全国一般東京東部労組書記長の須田光昭氏は「様々な労組では、今日挙げた10社だけではなくて、もういっぱい、ブラック企業で働く労働者からの相談の電話が切りがないほどかかってきます。そのなかで、そもそも10社を選んで、そこからさらに数社を受賞させることはどうなのか。そういう迷いはありましたが、今日やってよかったと思います。抽象的に論じるのではなく、個別具体的に名前を出して批判しなければ、ブラック企業はなくならないだろうと思います。無数のワタミ、無数の東京電力があるのは間違いないが、一つでも多くブラック企業をなくしていきたい」 (文=佐々木奎一/ジャーナリスト) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) SNS戦国時代に乗り遅れた? mixiの明日はどっちだ 岩瀬大輔「超若手経営陣が率いるヤフーのスゴさ」 気がついたら預金が半減!?銀行の甘い口車にご用心 野村HDの2トップ追放の黒幕は古賀会長 保険会社の「医療保険は必要」にダマされてはいけない? 再浮上した休眠口座活用 立ちはだかるは民主党 不正アクセスで手軽にネットカンニング!

ワタミに富士通、ローソンストア100… “ブラック企業大賞”授賞式!

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) SNS戦国時代に乗り遅れた? mixiの明日はどっちだ 岩瀬大輔「超若手経営陣が率いるヤフーのスゴさ」 気がついたら預金が半減!?銀行の甘い口車にご用心 ■特にオススメ記事はこちら! ワタミに富士通、ローソンストア100… “ブラック企業大賞”授賞式! - Business Journal(8月12日)
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「ブラック企業大賞」HPより
 パワハラ、セクハラ、退職強要、不当解雇、派遣切り、過労死……こうした違法企業は後を絶たない。そんな中、「ブラック企業大賞2012授賞式」が東京都港区内の田町交通ビルで開催された。主催はブラック企業大賞企画委員会。主催者によると、このような授賞式の試みは今回が初という。現地へ向かった。  会場は30~40代とみられる男女を中心に約80人が参加。「ニコニコ生放送」も来ている。主催者によると、全国で約3万人が授賞式の様子をニコ生で視聴しているという。また、最前列の席は、ノミネートされたブラック企業10社の招待席となっていたが、1人も来ていない。  こうした中で受賞式は始まった。まず、主催者の一人で弁護士の佐々木亮氏がブラック企業の定義について「簡単にいえば法があっても法を守らない。法をわざと知らないふりをする。労働者の命、健康、生活を配慮しない。こういう企業をブラック企業と言います」と説明。  その後、主催者側がノミネート企業10社を紹介した。まず居酒屋チェーン和民などを経営する「ワタミ」。2008年6月、同社の新入社員の森美菜氏(当時26)は、連日午前4~6時まで調理業務に就き、休日も朝7時からの早朝研修会やボランティア活動、リポート執筆を課されるなどで、入社から1カ月で時間外労働は約140時間に上り、「体が痛いです。体が辛いです。気持ちが沈みます。早く動けません。どうか助けて下さい。誰か助けて下さい」と手帳に書いた。それから1カ月後に自殺した。  その後、遺族は「長時間の深夜勤務や、残業が続いたことが原因だった」などとして労災の認定を申請。しかし、09年に横須賀労働基準監督署は仕事が原因とは認めず、遺族が神奈川労働局に審査を求めた。  神奈川労働局の審査官は、「残業が1カ月あたり100時間を超え、朝5時までの勤務が1週間続くなどしていた。休日や休憩時間も十分に取れる状況ではなかったうえ、不慣れな調理業務の担当となり、強い心理的負担を受けたことが主な原因となった」として12年2月14日にようやく労災認定がされた。  その後、同社会長の渡邉美樹氏はツイッターで「労務管理ができていなかったとの認識はありません」「ワタミは天地神明に誓ってブラック企業ではありません」などといい、物議をかもしたのは記憶に新しい。
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 ところが、実際は、権限のない「名ばかり管理職」で残業代なしの過酷な長時間労働を強いられ、何度も上司に店長を降りたいと願い出たが、聞き入れてもらえず、ついには身体が動かなくなった。病院に行くと、重いうつ病、と診断された。  その後、清水氏は首都圏青年ユニオンに加入し、組合が会社と団体交渉をしたが、会社側は「病気と仕事の因果関係はありません」と主張。清水氏は未払い残業代と慰謝料の支払いを会社側に求める裁判を東京地裁に起こし、11年5月31日、原告全面勝訴の判決が下った。判決では裁判長が「店長の職務内容、責任、権限、賃金からみて、管理監督者に当たるとは認められない」と指摘し、「時間外労働や休日労働に対する割増賃金が支払われるべきである」とした。うつ状態についても、「業務と本件発症との間には相当因果関係が認められる」として、会社が安全配慮義務に違反したと断じた。 「会場に清水さんが来ています」と司会者の述べた後、清水氏は壇上に上がり、こう述べた。「私がコンビニの店長として一番大変だったのは、人の手配をすることでした。仕事が終わって家に帰り、寝ようかな、と思っていた時に、家から電話が鳴る。携帯電話も鳴る。『店長、お店に来て下さい。人手が足りません』と。この電話は高校生からのものです。高校生は深夜働けないので、私がすぐにお店に駆けつける。次の日も同じように電話が鳴る。これが常態化して、2週間休みが取れない、という日が続きました。しまいには身体に変調をきたし、レジでお客さんに『ありがとうございました』と言おうとしたが、言葉が出なくなりました」  そして清水氏は次のように話した。 「コンビニですので、商品管理は徹底しています。食中毒などは一切起こしていないと思います。しかし、商品管理の裏で、人がたくさん壊れていっている。そのいい例が私だと思います。私は病気が治らず、今も仕事ができない状態です。同僚も上司も身体を壊していました。こんな人を人とも思わない会社はあってはいけないと私は思います」  ほかに、ファミレスの「すかいらーく」、牛丼すき家の「ゼンショー」、高級布団の訪問販売の「丸八真綿」、福島第一原発事故の「東京電力」、関越自動車道高速バスで居眠り運転事故を起こしたバス会社「陸援隊」と旅行会社「ハーヴェスト・ホールディングス」。  約2時間にわたり、これらの企業を紹介した後、いよいよ各賞が発表された。  まず「業界賞」を、フォーカスシステムズ、富士通SSLの2社が受賞。実行委員会は「IT業界は『デスマーチ』という言葉で表現されるように、慢性的な長時間労働の温床と言われています。そうした現状にあって過労死が正式に認定され、裁判で遺族が勝訴した貴社の事例は、痛ましいながらも貴重と言えます。よって貴社をIT業界を代表するブラック企業と認め、業界全体が改善されるきっかけとなることを願い、『業界賞』を授与します」と読み上げられた。  次に、「ブラックなエピソードがよくぞここまで集まったと、驚かざるを得ません。貴社を『典型的ブラック企業』と認め、ここに『特別賞』を贈呈します」として、ウェザーニューズが同賞を受賞。  次にウェブ投票と会場投票で最も票を集めたワタミが「市民賞」を受賞。  そして「大賞」は、「放射能汚染を引き起こし、復旧作業で20ミリシーベルト以上被曝した労働者は4,000人を超えるなど、原発労働者たちの健康を守る責任を放棄しました。社会正義の観点から看過できない非人道行為であり、人類の歴史においても類を見ない恥ずべき行為です。よってここに『ブラック企業大賞』を授与し、その名を長く記録する」として、東京電力が「大賞」を受賞した。  最後に主催者の一人の全国一般東京東部労組書記長の須田光昭氏は「様々な労組では、今日挙げた10社だけではなくて、もういっぱい、ブラック企業で働く労働者からの相談の電話が切りがないほどかかってきます。そのなかで、そもそも10社を選んで、そこからさらに数社を受賞させることはどうなのか。そういう迷いはありましたが、今日やってよかったと思います。抽象的に論じるのではなく、個別具体的に名前を出して批判しなければ、ブラック企業はなくならないだろうと思います。無数のワタミ、無数の東京電力があるのは間違いないが、一つでも多くブラック企業をなくしていきたい」 (文=佐々木奎一/ジャーナリスト) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) SNS戦国時代に乗り遅れた? mixiの明日はどっちだ 岩瀬大輔「超若手経営陣が率いるヤフーのスゴさ」 気がついたら預金が半減!?銀行の甘い口車にご用心 野村HDの2トップ追放の黒幕は古賀会長 保険会社の「医療保険は必要」にダマされてはいけない? 再浮上した休眠口座活用 立ちはだかるは民主党 不正アクセスで手軽にネットカンニング!

有名女子高では4割!?医学部志望女子急増の意外なワケ

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ワタミに富士通、ローソンストア100… “ブラック企業大賞”授賞式! 岩瀬大輔「超若手経営陣が率いるヤフーのスゴさ」 気がついたら預金が半減!?銀行の甘い口車にご用心 ■特にオススメ記事はこちら! 有名女子高では4割!?医学部志望女子急増の意外なワケ - Business Journal(8月9日)
NHKドラマ『梅ちゃん先生』公式サイトより
 夏休み入りとともに、いよいよ受験生も勉強の追い込み時期に入る。  2013年入学の受験戦線で特徴的なのは、今年に増して女子高生の医学部志望熱が高まっていることだという。  旺文社がこの5月に発表した「2012年国公立大入試 志願者動向分析」を見ると、昨年11年を100とした場合、全体で98とやや志願者減となっている中で、国際・国際関係系統が135とダントツの志願者増となっている(東京外国語大学に国際社会学部が創設されたことで人気が出た)のを除くと、昨年より志願者を増やしているのは、  ・薬学系統:111  ・医学系統:106  ・歯学系統:105  ・農・水・獣医系統:104 と理系学部がほとんどで、ほかでは前年度比プラスは家政・生活系(栄養関係も含む)の107のみだ。理科系でこそないが、これも資格系ではある。  センター試験のここ3年の理系受験者は、  ・10年:17.6万人  ・11年:18.5万人  ・12年:19.3万人 にまで増えている。 理工系学部は不人気  予備校関係者によると、こうした医学部を含む理系各学部の志願者増は、以下の理由によるものだという。 「いわゆる理系女子が増加していることが第一。しかし、同じ理系でも企業や研究機関など、男性が多い職場が就職先になる理学部、工学部は敬遠され、就職に有利で女性というハンディが比較的少ない資格系が中心に選択されている。資格系のナンバーワンといえば医学部。女子校も含めて、中高一貫校の親の職業を見ると、25〜30%が医者といわれているから、成績の優秀な女子高生が医学部、あるいは歯学部を選ぶのはごく自然でしょう」  つまり女子の理系受験者増が資格系各学部の志願者増の主因であり、医学部でも同様だというのである。桜蔭、女子学院、豊島岡、あるいは関西の神戸女学院などの有力女子校では、すでに医学部志望者が3割から4割に達するという話もある。男子校の灘、ラ・サールなどと、その点では同じだという。  このように医学部を含め資格系が人気なのは、国家資格あるいはそれに準ずる資格を取得しておけば就職に有利だし、失業率が高止まりし、就職難民が増殖している時代にあっても、まず食いっぱぐれることがないという考えがあってのことだ。就職の面倒見のよい大学が、多くの受験生を集めているのと同じ要因と見てよい。親もそういう進路を勧めるということだ。そう見ると、待遇の悪いことで知られる福祉系こそ人気離散気味だが、同じように待遇では必ずしもいいとはいえない看護系でも99と平均を上回るし、ましてや高給で知られる医師や歯科医師に人気が集まるのも当然ということになる。 「医学部人気はもともと高かったのだが、08年以降医師不足が社会問題化し、国公立大学の医学部の定員が増やされ、受験が軟化したということから、11年入試以降急激に受験生が増えだし、つれて試験も難化していった。しかも先にも触れたように、女子高生の志望者が着実に増えており、それがさらに難化に輪を掛けている。飽和状態になったと見られて一時は受験人気が離散した歯学部や、4年制から6年制に切り替わりコストの割にパフォーマンスが悪いと受験生が大幅に減った薬学部も、国公立系を中心に医学部の難化を避けて志望変えした女子受験生が増えているために、志望者数が増えている」(前出の予備校関係者) 資格としてしばらく持ちそうなのは医師くらい……  大手予備校・河合塾が、12年センター試験の学部系統別動向の男女別数字を出しているが、女子は医学部が前年比110、歯学部が121、医療技術他も105となっている。この調査では、理学部107、工学部109、農学部102と、理系全体に女子志望者が増えている。13年では、そのあたりがさらにどうなるかだが、 「資格系学部、ことに医学部の場合は、今後数年は人気が続くと見て間違いない。薬学部は、ドラッグストアなど、選ばなければまだ数年は就職口があるが、コストパフォーマンスは必ずしもよくない。歯学部は医師過剰がはっきりしていて、すでに私立は定員割れが常態化している。資格として今後しばらく持ちそうなのは、医師くらいですから」 と予備校関係者は口をそろえる。 あの人気テレビドラマも原因?  この女子高生の医学部志望者の増加に関して、面白い話を聞いた。  NHKの朝の連続ドラマ『梅ちゃん先生』が好評なことから、「私もお医者さんになる」と医学部志望に変えた女子高生が増え、それが13年受験の医学部志望者急増につながっているというのだ。  確かに、堀北真希さん主演のこのテレビドラマは、展開が速く、視聴率も7月に入ると23%まで上がっており、朝ドラとしては近年にない人気だ。しかし放映している時間帯は、高校生や受験生が学校や予備校に行っているころだ。本当だろうか? 「ないとは言えませんよ。それに、話としてはとても面白い。けれどもわれわれの調査では、その関係は証明できませんね」と、先の予備校関係者は苦笑する。医療ジャーナリストも、「噂として聞いたことがありますが、確証はありません。ただ、ヨーロッパ各国で医学部生の6~7割が女性、アメリカでも5割を超えている。梅ちゃん人気かどうかわかりませんが、今後とも女性の医学部進学が増えるのは間違いないでしょう」  それはともかく、一言付け加えておきたいのは、梅ちゃんには医者になる動機がしっかりあった。そして地域の人たちに役立ちたいと考え、開業医となった。しかし、受験勉強に終始し、ただ成績がいいから、将来が安泰だからと医者の道を選ぶというのはどうなのかと思う。もちろん男女を問わずの問題だが。  医者志望の子どもを持つ、有名受験校の父母のあいだで交わされるネットでの対話などを見ると、こういう人たちの子どもにだけは診察してほしくないと思うほど、厚顔かつ傲慢極まりないものだから。巨額の国費補助を受けておきながら、勝手気ままに医業を途中で放棄されたのではたまらないということもある。 (文=清丸恵三郎) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ワタミに富士通、ローソンストア100… “ブラック企業大賞”授賞式! 岩瀬大輔「超若手経営陣が率いるヤフーのスゴさ」 気がついたら預金が半減!?銀行の甘い口車にご用心 SNS戦国時代に乗り遅れた? mixiの明日はどっちだ 野村HDの2トップ追放の黒幕は古賀会長 保険会社の「医療保険は必要」にダマされてはいけない? 再浮上した休眠口座活用 立ちはだかるは民主党