緊急出版でもボロ儲け目論んだ朝日、なぜ橋下徹からフルボッコに?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます!  スマホ版もオープンしましたので、ぜひ、ご利用ください! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 住民とKDDIで訴訟も! 携帯の電磁波はやっぱりトンデモなの!? 大人気「ドリエル」はぼったくり!? 正しい睡眠補助薬のススメ サムスンから技術だけ盗まれ“用なし”クビ日本人が急増中!? ■特にオススメ記事はこちら! 緊急出版でもボロ儲け目論んだ朝日、なぜ橋下徹からフルボッコに? - Business Journal(10月22日)
「週刊朝日」(朝日新聞出版社
/10月26日号)
 大手新聞社の人材の劣化は想像以上に深刻だ。  大誤報といえば、最も劣化の進んでいる日本経済新聞の“専売特許”か、と思っていたら、部数トップの読売新聞も10月11日付朝刊で大誤報をやらかした。そして、今回の「週刊朝日」(朝日新聞出版)の緊急連載中止事件である。  週刊朝日(10月26日号)が発売になったのは10月16日、火曜日である。朝刊の広告を見て「おい、おい、これはなんじゃ?」と思った。  右トップの大見出しに「<緊急連載スタート>ハシシタ/佐野眞一」とあり、袖見出しで「救世主か衆愚の王か/渾身の同時進行ノンフィクション/橋下徹本人も知らない本性をあぶり出すため、血脈をたどった!」とまで宣言していたからだ。 「はしもと」と読む名字は、「橋本」か「橋元」が普通である。現大阪市長の橋下徹氏がテレビ番組で活躍するまでは、世間で「橋下」を「はしもと」と読むと知っていた人は少なかったのではないだろうか。「橋下」は特殊な名字で、文字通り「はしした」とも読むのだ。このことはマスコミの世界の周辺に身を置く者ならたいてい知っているが、大っぴらに「ハシシタ」と白日の下に晒すことはしない。  案の定、橋下大阪市長はこの緊急連載に猛反発、翌17日に報道陣に対し、朝日新聞社や朝日放送など関連メディアから記者会見などで質問されても、グループとしての見解が示されない限り、回答を拒否する意向を表明したのだ。

●連載の目的は、ルーツを暴き出すこと

 その理由として、橋下氏は「(同連載が)政策論争はせずに、僕のルーツを暴き出すことが目的とはっきり言明している」点を挙げ、「血脈主義ないしは身分制に通じる、本当に極めて恐ろしい考え方だ」と非難した。発売になった週刊朝日を読んでみると、タイトルは『ハシシタ 奴の本性』で、ノンフィクション作家の佐野眞一氏と同誌取材班が執筆した記事は、橋下氏の主張通り、橋下氏のルーツが中心テーマになっているのは自明だった。  他人の前歴はもちろん、出自やルーツを知りたいという「劣情」を抱くのは人間の本性である。そして、知り得た「DNA」を元にその人物を推し量りがちになる。週刊誌はこうした人間の「劣情」を満足させるための媒体という側面がある。それは否定できない。しかし、それには節度というものがある。媒体ごとにその度合いに濃淡はあるが、その節度はジャーナリズムを標榜する以上、踏み外してはならない一線である。人間の理性は原則として「劣情」を容認しないからだ。

●ある最高裁の判例

 9月7日のことだ。最高裁が注目すべき初判断を示した。被告が犯人であることを立証するために、同種の前科を証拠にすることは原則として許されないと判示した。「不当な偏見をもたらし、事実誤認を招く恐れがある」からだ。ジャーナリズムの世界に身を置く者なら、「何を今さら。当たり前じゃないか」と思うが、新聞各紙はこの最高裁の初判断を大きく報じている。「不当な偏見や差別は許さない」というのが、ジャーナリズムの重要な理念の一つだからだ。  この視点で、今回の週刊朝日の緊急連載を評価すれば、0点というほかない。橋下氏の政治手法や政治的主張などをメインテーマにして、その流れの中で、出自やルーツを紹介しているならまだしも、緊急連載は真正面から「DNA」を元に人物像を描こうとしており、橋下氏の主張に反論などできようもない。当然のことながら、発行元の朝日新聞出版は19日、連載記事について、同和地区などに関する不適切な記述が複数あったことを理由に、河畠大四・編集長が謝罪コメントを出し、第2回以降の掲載中止を決めるところに追い込まれた。ちなみに、週刊朝日のサイトをみると、表紙の画像も削除されていた。  一体、なぜ、こんなみっともない結末になってしまったのか?  人材の劣化の一言に尽きる。朝日新聞出版では、毎週、社長出席のもとで、部長会が開かれるという。発売日の前週に開いた会議では、雑誌担当の責任者が嬉々として「週刊朝日が10月26日号から、すごい連載を始める。十数回連載して早ければ年内にも単行本として緊急出版し、十数万部は売れる。期待してほしい」という趣旨の報告をしたというのだ。  もし、ジャーナリズムがなんたるかを知り、経験を積み、実績のある記者か編集者あがりの幹部がいたら、異論を差し挟んだかもしれない。しかし、そんな異論は出なかったようだ。編集部内は17日に橋下市長が取材拒否を表明した直後ですら「イケイケ、ドンドン」ムードが充満していたという。しかし、「捕らぬ狸の皮算用」は2日後の19日には“露と消えて”しまったのだ。もっとも、この騒動の結果、10月26日号は19日の金曜日には完売になったというが、連載中止という幕引きとなり、その代償はとてつもなく大きい。

●ますます狭くなる、許容される報道範囲

 ここ10年の名誉毀損裁判で、民事法で許容される報道や論評の範囲はどんどん狭くなっている。報道機関の読売、日経が自ら原告となり、名誉毀損裁判を起こし、その流れを加速させている。そこに、今回の事件である。論評や報道する対象のバックグラウンドとして出自やルーツに言及することすら、難しくなるかもしれない。  読売の大誤報は、週刊朝日発売の5日前の10月11日朝刊1面だ。「iPS心筋を移植」との見出しで、東大医学部付属病院特任研究員で「ハーバード大客員講師」と自称する森口尚史氏らが、あらゆる種類の細胞に変化できるiPS細胞(人工多能性幹細胞)から心筋の細胞をつくり、重症の心不全患者に細胞移植する治療を6人の患者に実施したことがわかった、と報じたのだ。  iPS細胞の開発で、2012年のノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大の山中伸弥教授本人は「臨床実験はこれからだ」と明言している。素人でも、森口氏の話は眉つばと疑ってかかる。それなのに、「ほら話」を真に受け、大誤報をやらかしたわけだ。人材の劣化を象徴する出来事と言わざるを得ない。読売の報道を追いかけるかたちで森口氏について報じていた共同通信も同様だ。

●誤報のお詫びをしない日経新聞

 しかし、読売と共同は誤報の経緯を検証し、週刊朝日もこれから連載記事の経緯を検証するというのが救いだ。人材の劣化で突出している日経新聞は、誤報には頬っ被りを決め込み、お詫びもしない。  例えば、1年余り前の11年8月4日付朝刊の日立製作所、三菱重工業の経営統合の大誤報では、訂正記事すら載せていない。7年半前の05年2月10日付朝刊の三井住友銀行と大和証券グループ本社の経営統合の大誤報では、半年以上たって、事実上誤報を認める記事は載せたものの、大誤報に社長賞を授与するという前代未聞の珍事までを起こしている。  日経は、報道機関の生命線ともいえる、取材源の秘匿の原則さえ放棄している。大阪府枚方市の元市長が、談合事件に関する記事で名誉を傷つけられたとして、日経に損害賠償を求めた訴訟で、日経は大阪地検検事正、次席検事の取材メモを証拠として提出してしまったのだ。しかも取材メモの中身たるや、具体性の乏しい、いわゆる「禅問答」みたいで、世間にお披露目するのが恥ずかしいような、裁判を有利にする証拠となるかどうか極めて疑わしい代物だ。実際、地裁判決は日経の報道について「検察幹部から断片的な発言を引き出し、あたかも事実であるかのように粉飾して報じたとの疑いを受けてもやむを得ない」と非難し、賠償を命じている。  いずれにせよ、大新聞社で劣化が激しいのは、デスク以上の幹部社員と経営陣だ。「世渡り上手」か「ごますり」しか、残っていないと言っても過言ではないだろう。  若い記者たちには優秀な人材がいても、時間の経過とともに劣化するのは必定だ。「朱に交われば赤くなる」し、「悪貨は良貨を駆逐する」のである。 (文=大塚将司/作家・経済評論家) ■おすすめ記事 住民とKDDIで訴訟も! 携帯の電磁波はやっぱりトンデモなの!? 大人気「ドリエル」はぼったくり!? 正しい睡眠補助薬のススメ サムスンから技術だけ盗まれ“用なし”クビ日本人が急増中!? 連鎖するネット心中、なぜ“救う側”のキヨシが自殺に至ったのか? ネット書き込みを6分でキャッチ! 中国サイト監視サービス開始

緊急出版でもボロ儲け目論んだ朝日、なぜ橋下徹からフルボッコに?

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「週刊朝日」(朝日新聞出版社
/10月26日号)
 大手新聞社の人材の劣化は想像以上に深刻だ。  大誤報といえば、最も劣化の進んでいる日本経済新聞の“専売特許”か、と思っていたら、部数トップの読売新聞も10月11日付朝刊で大誤報をやらかした。そして、今回の「週刊朝日」(朝日新聞出版)の緊急連載中止事件である。  週刊朝日(10月26日号)が発売になったのは10月16日、火曜日である。朝刊の広告を見て「おい、おい、これはなんじゃ?」と思った。  右トップの大見出しに「<緊急連載スタート>ハシシタ/佐野眞一」とあり、袖見出しで「救世主か衆愚の王か/渾身の同時進行ノンフィクション/橋下徹本人も知らない本性をあぶり出すため、血脈をたどった!」とまで宣言していたからだ。 「はしもと」と読む名字は、「橋本」か「橋元」が普通である。現大阪市長の橋下徹氏がテレビ番組で活躍するまでは、世間で「橋下」を「はしもと」と読むと知っていた人は少なかったのではないだろうか。「橋下」は特殊な名字で、文字通り「はしした」とも読むのだ。このことはマスコミの世界の周辺に身を置く者ならたいてい知っているが、大っぴらに「ハシシタ」と白日の下に晒すことはしない。  案の定、橋下大阪市長はこの緊急連載に猛反発、翌17日に報道陣に対し、朝日新聞社や朝日放送など関連メディアから記者会見などで質問されても、グループとしての見解が示されない限り、回答を拒否する意向を表明したのだ。

●連載の目的は、ルーツを暴き出すこと

 その理由として、橋下氏は「(同連載が)政策論争はせずに、僕のルーツを暴き出すことが目的とはっきり言明している」点を挙げ、「血脈主義ないしは身分制に通じる、本当に極めて恐ろしい考え方だ」と非難した。発売になった週刊朝日を読んでみると、タイトルは『ハシシタ 奴の本性』で、ノンフィクション作家の佐野眞一氏と同誌取材班が執筆した記事は、橋下氏の主張通り、橋下氏のルーツが中心テーマになっているのは自明だった。  他人の前歴はもちろん、出自やルーツを知りたいという「劣情」を抱くのは人間の本性である。そして、知り得た「DNA」を元にその人物を推し量りがちになる。週刊誌はこうした人間の「劣情」を満足させるための媒体という側面がある。それは否定できない。しかし、それには節度というものがある。媒体ごとにその度合いに濃淡はあるが、その節度はジャーナリズムを標榜する以上、踏み外してはならない一線である。人間の理性は原則として「劣情」を容認しないからだ。

●ある最高裁の判例

 9月7日のことだ。最高裁が注目すべき初判断を示した。被告が犯人であることを立証するために、同種の前科を証拠にすることは原則として許されないと判示した。「不当な偏見をもたらし、事実誤認を招く恐れがある」からだ。ジャーナリズムの世界に身を置く者なら、「何を今さら。当たり前じゃないか」と思うが、新聞各紙はこの最高裁の初判断を大きく報じている。「不当な偏見や差別は許さない」というのが、ジャーナリズムの重要な理念の一つだからだ。  この視点で、今回の週刊朝日の緊急連載を評価すれば、0点というほかない。橋下氏の政治手法や政治的主張などをメインテーマにして、その流れの中で、出自やルーツを紹介しているならまだしも、緊急連載は真正面から「DNA」を元に人物像を描こうとしており、橋下氏の主張に反論などできようもない。当然のことながら、発行元の朝日新聞出版は19日、連載記事について、同和地区などに関する不適切な記述が複数あったことを理由に、河畠大四・編集長が謝罪コメントを出し、第2回以降の掲載中止を決めるところに追い込まれた。ちなみに、週刊朝日のサイトをみると、表紙の画像も削除されていた。  一体、なぜ、こんなみっともない結末になってしまったのか?  人材の劣化の一言に尽きる。朝日新聞出版では、毎週、社長出席のもとで、部長会が開かれるという。発売日の前週に開いた会議では、雑誌担当の責任者が嬉々として「週刊朝日が10月26日号から、すごい連載を始める。十数回連載して早ければ年内にも単行本として緊急出版し、十数万部は売れる。期待してほしい」という趣旨の報告をしたというのだ。  もし、ジャーナリズムがなんたるかを知り、経験を積み、実績のある記者か編集者あがりの幹部がいたら、異論を差し挟んだかもしれない。しかし、そんな異論は出なかったようだ。編集部内は17日に橋下市長が取材拒否を表明した直後ですら「イケイケ、ドンドン」ムードが充満していたという。しかし、「捕らぬ狸の皮算用」は2日後の19日には“露と消えて”しまったのだ。もっとも、この騒動の結果、10月26日号は19日の金曜日には完売になったというが、連載中止という幕引きとなり、その代償はとてつもなく大きい。

●ますます狭くなる、許容される報道範囲

 ここ10年の名誉毀損裁判で、民事法で許容される報道や論評の範囲はどんどん狭くなっている。報道機関の読売、日経が自ら原告となり、名誉毀損裁判を起こし、その流れを加速させている。そこに、今回の事件である。論評や報道する対象のバックグラウンドとして出自やルーツに言及することすら、難しくなるかもしれない。  読売の大誤報は、週刊朝日発売の5日前の10月11日朝刊1面だ。「iPS心筋を移植」との見出しで、東大医学部付属病院特任研究員で「ハーバード大客員講師」と自称する森口尚史氏らが、あらゆる種類の細胞に変化できるiPS細胞(人工多能性幹細胞)から心筋の細胞をつくり、重症の心不全患者に細胞移植する治療を6人の患者に実施したことがわかった、と報じたのだ。  iPS細胞の開発で、2012年のノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大の山中伸弥教授本人は「臨床実験はこれからだ」と明言している。素人でも、森口氏の話は眉つばと疑ってかかる。それなのに、「ほら話」を真に受け、大誤報をやらかしたわけだ。人材の劣化を象徴する出来事と言わざるを得ない。読売の報道を追いかけるかたちで森口氏について報じていた共同通信も同様だ。

●誤報のお詫びをしない日経新聞

 しかし、読売と共同は誤報の経緯を検証し、週刊朝日もこれから連載記事の経緯を検証するというのが救いだ。人材の劣化で突出している日経新聞は、誤報には頬っ被りを決め込み、お詫びもしない。  例えば、1年余り前の11年8月4日付朝刊の日立製作所、三菱重工業の経営統合の大誤報では、訂正記事すら載せていない。7年半前の05年2月10日付朝刊の三井住友銀行と大和証券グループ本社の経営統合の大誤報では、半年以上たって、事実上誤報を認める記事は載せたものの、大誤報に社長賞を授与するという前代未聞の珍事までを起こしている。  日経は、報道機関の生命線ともいえる、取材源の秘匿の原則さえ放棄している。大阪府枚方市の元市長が、談合事件に関する記事で名誉を傷つけられたとして、日経に損害賠償を求めた訴訟で、日経は大阪地検検事正、次席検事の取材メモを証拠として提出してしまったのだ。しかも取材メモの中身たるや、具体性の乏しい、いわゆる「禅問答」みたいで、世間にお披露目するのが恥ずかしいような、裁判を有利にする証拠となるかどうか極めて疑わしい代物だ。実際、地裁判決は日経の報道について「検察幹部から断片的な発言を引き出し、あたかも事実であるかのように粉飾して報じたとの疑いを受けてもやむを得ない」と非難し、賠償を命じている。  いずれにせよ、大新聞社で劣化が激しいのは、デスク以上の幹部社員と経営陣だ。「世渡り上手」か「ごますり」しか、残っていないと言っても過言ではないだろう。  若い記者たちには優秀な人材がいても、時間の経過とともに劣化するのは必定だ。「朱に交われば赤くなる」し、「悪貨は良貨を駆逐する」のである。 (文=大塚将司/作家・経済評論家) ■おすすめ記事 住民とKDDIで訴訟も! 携帯の電磁波はやっぱりトンデモなの!? 大人気「ドリエル」はぼったくり!? 正しい睡眠補助薬のススメ サムスンから技術だけ盗まれ“用なし”クビ日本人が急増中!? 連鎖するネット心中、なぜ“救う側”のキヨシが自殺に至ったのか? ネット書き込みを6分でキャッチ! 中国サイト監視サービス開始

緊急出版でもボロ儲け目論んだ朝日、なぜ橋下徹からフルボッコに?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます!  スマホ版もオープンしましたので、ぜひ、ご利用ください! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 住民とKDDIで訴訟も! 携帯の電磁波はやっぱりトンデモなの!? 大人気「ドリエル」はぼったくり!? 正しい睡眠補助薬のススメ サムスンから技術だけ盗まれ“用なし”クビ日本人が急増中!? ■特にオススメ記事はこちら! 緊急出版でもボロ儲け目論んだ朝日、なぜ橋下徹からフルボッコに? - Business Journal(10月22日)
「週刊朝日」(朝日新聞出版社
/10月26日号)
 大手新聞社の人材の劣化は想像以上に深刻だ。  大誤報といえば、最も劣化の進んでいる日本経済新聞の“専売特許”か、と思っていたら、部数トップの読売新聞も10月11日付朝刊で大誤報をやらかした。そして、今回の「週刊朝日」(朝日新聞出版)の緊急連載中止事件である。  週刊朝日(10月26日号)が発売になったのは10月16日、火曜日である。朝刊の広告を見て「おい、おい、これはなんじゃ?」と思った。  右トップの大見出しに「<緊急連載スタート>ハシシタ/佐野眞一」とあり、袖見出しで「救世主か衆愚の王か/渾身の同時進行ノンフィクション/橋下徹本人も知らない本性をあぶり出すため、血脈をたどった!」とまで宣言していたからだ。 「はしもと」と読む名字は、「橋本」か「橋元」が普通である。現大阪市長の橋下徹氏がテレビ番組で活躍するまでは、世間で「橋下」を「はしもと」と読むと知っていた人は少なかったのではないだろうか。「橋下」は特殊な名字で、文字通り「はしした」とも読むのだ。このことはマスコミの世界の周辺に身を置く者ならたいてい知っているが、大っぴらに「ハシシタ」と白日の下に晒すことはしない。  案の定、橋下大阪市長はこの緊急連載に猛反発、翌17日に報道陣に対し、朝日新聞社や朝日放送など関連メディアから記者会見などで質問されても、グループとしての見解が示されない限り、回答を拒否する意向を表明したのだ。

●連載の目的は、ルーツを暴き出すこと

 その理由として、橋下氏は「(同連載が)政策論争はせずに、僕のルーツを暴き出すことが目的とはっきり言明している」点を挙げ、「血脈主義ないしは身分制に通じる、本当に極めて恐ろしい考え方だ」と非難した。発売になった週刊朝日を読んでみると、タイトルは『ハシシタ 奴の本性』で、ノンフィクション作家の佐野眞一氏と同誌取材班が執筆した記事は、橋下氏の主張通り、橋下氏のルーツが中心テーマになっているのは自明だった。  他人の前歴はもちろん、出自やルーツを知りたいという「劣情」を抱くのは人間の本性である。そして、知り得た「DNA」を元にその人物を推し量りがちになる。週刊誌はこうした人間の「劣情」を満足させるための媒体という側面がある。それは否定できない。しかし、それには節度というものがある。媒体ごとにその度合いに濃淡はあるが、その節度はジャーナリズムを標榜する以上、踏み外してはならない一線である。人間の理性は原則として「劣情」を容認しないからだ。

●ある最高裁の判例

 9月7日のことだ。最高裁が注目すべき初判断を示した。被告が犯人であることを立証するために、同種の前科を証拠にすることは原則として許されないと判示した。「不当な偏見をもたらし、事実誤認を招く恐れがある」からだ。ジャーナリズムの世界に身を置く者なら、「何を今さら。当たり前じゃないか」と思うが、新聞各紙はこの最高裁の初判断を大きく報じている。「不当な偏見や差別は許さない」というのが、ジャーナリズムの重要な理念の一つだからだ。  この視点で、今回の週刊朝日の緊急連載を評価すれば、0点というほかない。橋下氏の政治手法や政治的主張などをメインテーマにして、その流れの中で、出自やルーツを紹介しているならまだしも、緊急連載は真正面から「DNA」を元に人物像を描こうとしており、橋下氏の主張に反論などできようもない。当然のことながら、発行元の朝日新聞出版は19日、連載記事について、同和地区などに関する不適切な記述が複数あったことを理由に、河畠大四・編集長が謝罪コメントを出し、第2回以降の掲載中止を決めるところに追い込まれた。ちなみに、週刊朝日のサイトをみると、表紙の画像も削除されていた。  一体、なぜ、こんなみっともない結末になってしまったのか?  人材の劣化の一言に尽きる。朝日新聞出版では、毎週、社長出席のもとで、部長会が開かれるという。発売日の前週に開いた会議では、雑誌担当の責任者が嬉々として「週刊朝日が10月26日号から、すごい連載を始める。十数回連載して早ければ年内にも単行本として緊急出版し、十数万部は売れる。期待してほしい」という趣旨の報告をしたというのだ。  もし、ジャーナリズムがなんたるかを知り、経験を積み、実績のある記者か編集者あがりの幹部がいたら、異論を差し挟んだかもしれない。しかし、そんな異論は出なかったようだ。編集部内は17日に橋下市長が取材拒否を表明した直後ですら「イケイケ、ドンドン」ムードが充満していたという。しかし、「捕らぬ狸の皮算用」は2日後の19日には“露と消えて”しまったのだ。もっとも、この騒動の結果、10月26日号は19日の金曜日には完売になったというが、連載中止という幕引きとなり、その代償はとてつもなく大きい。

●ますます狭くなる、許容される報道範囲

 ここ10年の名誉毀損裁判で、民事法で許容される報道や論評の範囲はどんどん狭くなっている。報道機関の読売、日経が自ら原告となり、名誉毀損裁判を起こし、その流れを加速させている。そこに、今回の事件である。論評や報道する対象のバックグラウンドとして出自やルーツに言及することすら、難しくなるかもしれない。  読売の大誤報は、週刊朝日発売の5日前の10月11日朝刊1面だ。「iPS心筋を移植」との見出しで、東大医学部付属病院特任研究員で「ハーバード大客員講師」と自称する森口尚史氏らが、あらゆる種類の細胞に変化できるiPS細胞(人工多能性幹細胞)から心筋の細胞をつくり、重症の心不全患者に細胞移植する治療を6人の患者に実施したことがわかった、と報じたのだ。  iPS細胞の開発で、2012年のノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大の山中伸弥教授本人は「臨床実験はこれからだ」と明言している。素人でも、森口氏の話は眉つばと疑ってかかる。それなのに、「ほら話」を真に受け、大誤報をやらかしたわけだ。人材の劣化を象徴する出来事と言わざるを得ない。読売の報道を追いかけるかたちで森口氏について報じていた共同通信も同様だ。

●誤報のお詫びをしない日経新聞

 しかし、読売と共同は誤報の経緯を検証し、週刊朝日もこれから連載記事の経緯を検証するというのが救いだ。人材の劣化で突出している日経新聞は、誤報には頬っ被りを決め込み、お詫びもしない。  例えば、1年余り前の11年8月4日付朝刊の日立製作所、三菱重工業の経営統合の大誤報では、訂正記事すら載せていない。7年半前の05年2月10日付朝刊の三井住友銀行と大和証券グループ本社の経営統合の大誤報では、半年以上たって、事実上誤報を認める記事は載せたものの、大誤報に社長賞を授与するという前代未聞の珍事までを起こしている。  日経は、報道機関の生命線ともいえる、取材源の秘匿の原則さえ放棄している。大阪府枚方市の元市長が、談合事件に関する記事で名誉を傷つけられたとして、日経に損害賠償を求めた訴訟で、日経は大阪地検検事正、次席検事の取材メモを証拠として提出してしまったのだ。しかも取材メモの中身たるや、具体性の乏しい、いわゆる「禅問答」みたいで、世間にお披露目するのが恥ずかしいような、裁判を有利にする証拠となるかどうか極めて疑わしい代物だ。実際、地裁判決は日経の報道について「検察幹部から断片的な発言を引き出し、あたかも事実であるかのように粉飾して報じたとの疑いを受けてもやむを得ない」と非難し、賠償を命じている。  いずれにせよ、大新聞社で劣化が激しいのは、デスク以上の幹部社員と経営陣だ。「世渡り上手」か「ごますり」しか、残っていないと言っても過言ではないだろう。  若い記者たちには優秀な人材がいても、時間の経過とともに劣化するのは必定だ。「朱に交われば赤くなる」し、「悪貨は良貨を駆逐する」のである。 (文=大塚将司/作家・経済評論家) ■おすすめ記事 住民とKDDIで訴訟も! 携帯の電磁波はやっぱりトンデモなの!? 大人気「ドリエル」はぼったくり!? 正しい睡眠補助薬のススメ サムスンから技術だけ盗まれ“用なし”クビ日本人が急増中!? 連鎖するネット心中、なぜ“救う側”のキヨシが自殺に至ったのか? ネット書き込みを6分でキャッチ! 中国サイト監視サービス開始

緊急出版でもボロ儲け目論んだ朝日、なぜ橋下徹からフルボッコに?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます!  スマホ版もオープンしましたので、ぜひ、ご利用ください! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 住民とKDDIで訴訟も! 携帯の電磁波はやっぱりトンデモなの!? 大人気「ドリエル」はぼったくり!? 正しい睡眠補助薬のススメ サムスンから技術だけ盗まれ“用なし”クビ日本人が急増中!? ■特にオススメ記事はこちら! 緊急出版でもボロ儲け目論んだ朝日、なぜ橋下徹からフルボッコに? - Business Journal(10月22日)
「週刊朝日」(朝日新聞出版社
/10月26日号)
 大手新聞社の人材の劣化は想像以上に深刻だ。  大誤報といえば、最も劣化の進んでいる日本経済新聞の“専売特許”か、と思っていたら、部数トップの読売新聞も10月11日付朝刊で大誤報をやらかした。そして、今回の「週刊朝日」(朝日新聞出版)の緊急連載中止事件である。  週刊朝日(10月26日号)が発売になったのは10月16日、火曜日である。朝刊の広告を見て「おい、おい、これはなんじゃ?」と思った。  右トップの大見出しに「<緊急連載スタート>ハシシタ/佐野眞一」とあり、袖見出しで「救世主か衆愚の王か/渾身の同時進行ノンフィクション/橋下徹本人も知らない本性をあぶり出すため、血脈をたどった!」とまで宣言していたからだ。 「はしもと」と読む名字は、「橋本」か「橋元」が普通である。現大阪市長の橋下徹氏がテレビ番組で活躍するまでは、世間で「橋下」を「はしもと」と読むと知っていた人は少なかったのではないだろうか。「橋下」は特殊な名字で、文字通り「はしした」とも読むのだ。このことはマスコミの世界の周辺に身を置く者ならたいてい知っているが、大っぴらに「ハシシタ」と白日の下に晒すことはしない。  案の定、橋下大阪市長はこの緊急連載に猛反発、翌17日に報道陣に対し、朝日新聞社や朝日放送など関連メディアから記者会見などで質問されても、グループとしての見解が示されない限り、回答を拒否する意向を表明したのだ。

●連載の目的は、ルーツを暴き出すこと

 その理由として、橋下氏は「(同連載が)政策論争はせずに、僕のルーツを暴き出すことが目的とはっきり言明している」点を挙げ、「血脈主義ないしは身分制に通じる、本当に極めて恐ろしい考え方だ」と非難した。発売になった週刊朝日を読んでみると、タイトルは『ハシシタ 奴の本性』で、ノンフィクション作家の佐野眞一氏と同誌取材班が執筆した記事は、橋下氏の主張通り、橋下氏のルーツが中心テーマになっているのは自明だった。  他人の前歴はもちろん、出自やルーツを知りたいという「劣情」を抱くのは人間の本性である。そして、知り得た「DNA」を元にその人物を推し量りがちになる。週刊誌はこうした人間の「劣情」を満足させるための媒体という側面がある。それは否定できない。しかし、それには節度というものがある。媒体ごとにその度合いに濃淡はあるが、その節度はジャーナリズムを標榜する以上、踏み外してはならない一線である。人間の理性は原則として「劣情」を容認しないからだ。

●ある最高裁の判例

 9月7日のことだ。最高裁が注目すべき初判断を示した。被告が犯人であることを立証するために、同種の前科を証拠にすることは原則として許されないと判示した。「不当な偏見をもたらし、事実誤認を招く恐れがある」からだ。ジャーナリズムの世界に身を置く者なら、「何を今さら。当たり前じゃないか」と思うが、新聞各紙はこの最高裁の初判断を大きく報じている。「不当な偏見や差別は許さない」というのが、ジャーナリズムの重要な理念の一つだからだ。  この視点で、今回の週刊朝日の緊急連載を評価すれば、0点というほかない。橋下氏の政治手法や政治的主張などをメインテーマにして、その流れの中で、出自やルーツを紹介しているならまだしも、緊急連載は真正面から「DNA」を元に人物像を描こうとしており、橋下氏の主張に反論などできようもない。当然のことながら、発行元の朝日新聞出版は19日、連載記事について、同和地区などに関する不適切な記述が複数あったことを理由に、河畠大四・編集長が謝罪コメントを出し、第2回以降の掲載中止を決めるところに追い込まれた。ちなみに、週刊朝日のサイトをみると、表紙の画像も削除されていた。  一体、なぜ、こんなみっともない結末になってしまったのか?  人材の劣化の一言に尽きる。朝日新聞出版では、毎週、社長出席のもとで、部長会が開かれるという。発売日の前週に開いた会議では、雑誌担当の責任者が嬉々として「週刊朝日が10月26日号から、すごい連載を始める。十数回連載して早ければ年内にも単行本として緊急出版し、十数万部は売れる。期待してほしい」という趣旨の報告をしたというのだ。  もし、ジャーナリズムがなんたるかを知り、経験を積み、実績のある記者か編集者あがりの幹部がいたら、異論を差し挟んだかもしれない。しかし、そんな異論は出なかったようだ。編集部内は17日に橋下市長が取材拒否を表明した直後ですら「イケイケ、ドンドン」ムードが充満していたという。しかし、「捕らぬ狸の皮算用」は2日後の19日には“露と消えて”しまったのだ。もっとも、この騒動の結果、10月26日号は19日の金曜日には完売になったというが、連載中止という幕引きとなり、その代償はとてつもなく大きい。

●ますます狭くなる、許容される報道範囲

 ここ10年の名誉毀損裁判で、民事法で許容される報道や論評の範囲はどんどん狭くなっている。報道機関の読売、日経が自ら原告となり、名誉毀損裁判を起こし、その流れを加速させている。そこに、今回の事件である。論評や報道する対象のバックグラウンドとして出自やルーツに言及することすら、難しくなるかもしれない。  読売の大誤報は、週刊朝日発売の5日前の10月11日朝刊1面だ。「iPS心筋を移植」との見出しで、東大医学部付属病院特任研究員で「ハーバード大客員講師」と自称する森口尚史氏らが、あらゆる種類の細胞に変化できるiPS細胞(人工多能性幹細胞)から心筋の細胞をつくり、重症の心不全患者に細胞移植する治療を6人の患者に実施したことがわかった、と報じたのだ。  iPS細胞の開発で、2012年のノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大の山中伸弥教授本人は「臨床実験はこれからだ」と明言している。素人でも、森口氏の話は眉つばと疑ってかかる。それなのに、「ほら話」を真に受け、大誤報をやらかしたわけだ。人材の劣化を象徴する出来事と言わざるを得ない。読売の報道を追いかけるかたちで森口氏について報じていた共同通信も同様だ。

●誤報のお詫びをしない日経新聞

 しかし、読売と共同は誤報の経緯を検証し、週刊朝日もこれから連載記事の経緯を検証するというのが救いだ。人材の劣化で突出している日経新聞は、誤報には頬っ被りを決め込み、お詫びもしない。  例えば、1年余り前の11年8月4日付朝刊の日立製作所、三菱重工業の経営統合の大誤報では、訂正記事すら載せていない。7年半前の05年2月10日付朝刊の三井住友銀行と大和証券グループ本社の経営統合の大誤報では、半年以上たって、事実上誤報を認める記事は載せたものの、大誤報に社長賞を授与するという前代未聞の珍事までを起こしている。  日経は、報道機関の生命線ともいえる、取材源の秘匿の原則さえ放棄している。大阪府枚方市の元市長が、談合事件に関する記事で名誉を傷つけられたとして、日経に損害賠償を求めた訴訟で、日経は大阪地検検事正、次席検事の取材メモを証拠として提出してしまったのだ。しかも取材メモの中身たるや、具体性の乏しい、いわゆる「禅問答」みたいで、世間にお披露目するのが恥ずかしいような、裁判を有利にする証拠となるかどうか極めて疑わしい代物だ。実際、地裁判決は日経の報道について「検察幹部から断片的な発言を引き出し、あたかも事実であるかのように粉飾して報じたとの疑いを受けてもやむを得ない」と非難し、賠償を命じている。  いずれにせよ、大新聞社で劣化が激しいのは、デスク以上の幹部社員と経営陣だ。「世渡り上手」か「ごますり」しか、残っていないと言っても過言ではないだろう。  若い記者たちには優秀な人材がいても、時間の経過とともに劣化するのは必定だ。「朱に交われば赤くなる」し、「悪貨は良貨を駆逐する」のである。 (文=大塚将司/作家・経済評論家) ■おすすめ記事 住民とKDDIで訴訟も! 携帯の電磁波はやっぱりトンデモなの!? 大人気「ドリエル」はぼったくり!? 正しい睡眠補助薬のススメ サムスンから技術だけ盗まれ“用なし”クビ日本人が急増中!? 連鎖するネット心中、なぜ“救う側”のキヨシが自殺に至ったのか? ネット書き込みを6分でキャッチ! 中国サイト監視サービス開始

トヨタの下請けいじめ、ヨイショ番組…すべては章男社長の面子のため

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます!  スマホ版もオープンしましたので、ぜひ、ご利用ください! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 「月給7925円」過酷すぎる地下アイドルビジネスの実態 「日本企業はムキになっている」技術盗用した中国の言い分 発生確率が10億年に1回の原発大規模事故は、なぜ起こった? ■特にオススメ記事はこちら! トヨタの下請けいじめ、ヨイショ番組…すべては章男社長の面子のため - Business Journal(10月19日)
現在、豊田章男氏が社長を務めるトヨタのHPより
※前回記事はこちら 『トヨタ、周囲をイエスマンで固める「章男社長ぼんぼん経営」の実態』  最近、トヨタ自動車の下請け企業が困り果てている。豊田章男氏が社長になって業績が急回復したことを印象付けるため、部品メーカーに「円高協力金」という名の無理な値引き要請をしているのだ。トヨタの下請け企業には長年トヨタと付き合い、売上高が数百億円の大きな会社も多いが、こうした譜代の下請けメーカーの業績が悪化し始め苦しんでいる。  実は、この構図こそが、これまでのトヨタおよびトヨタ系列になかったものだ。現場を知らない左翼系の記者や評論家は「トヨタの下請けいじめ」と気安く書いてきたが、これまでのトヨタの経営方針は下請けとの共存共栄が大原則であった。  例えば、10円のコストダウンをすれば、5円ずつをトヨタと下請けで分かち合うシステムだった。そのコスト削減のための指導プロセスの厳しさゆえに、「トヨタが下請けをいじめている」といわれたが、これはいわば「愛の鞭」であって、トヨタの「特訓」についてくることができたメーカーは筋肉質になり、他メーカーからの仕事も増えて業績が向上した。  しかし、今は、指導プロセスがない一律の値引き要請である。しかも章男氏のメンツのために、である。これでは「収奪経営」といわれても仕方ない。すでにトヨタ系列の結束は綻び始めている。 ●トヨタ東北にしわ寄せ  こんなこともあった。東日本大震災直後、日産自動車のカルロス・ゴーン社長がエンジン生産の福島いわき工場を従業員激励のために訪れ、それをテレビが取り上げたが、それに嫉妬したのが章男氏だ。 「章男社長も東北工場に行っていましたが、自分が取り上げられないことに腹を立て、後で広報部員に自分が東北で陣頭指揮している写真を配らせました」(在名古屋の経済記者) 「自分がヒーローになりたい病」なのである。  以来、トヨタでは言いなりになるテレビ局と御用記者を使って、トヨタが東北復興の中心にいるような番組づくりに協力してきた。実際には「コストの高い東北で無理に生産を増やそうとしているので、その結果、下請けへの値引き要請が強まったり、外国産部品の比率が高まったりしています。トヨタの東北工場は、本当は重荷となって、あちこちにしわ寄せが行っているのが実態です」(部品メーカー役員)。  最近でも御曹司の暴走により自動車業界各社が迷惑を被った「事件」がある。3連休の初日の10月6日、日本自動車工業会(自工会、豊田章男会長)が中心となって「お台場学園祭」という催しを、東京・お台場の日本科学未来館などで開催した。今年は2年に1度の東京モーターショーの裏年であり、代替イベントとしてクルマ離れが進む若者に少しでも振り向いてもらおうと企画したのだが、これも章男氏の暴走から生まれたものである。 ●自動車工業会でも我田引水  ある業界関係者は、 「自工会の年間スケジュールにも入っておらず、予算すら取っていなかったのに、5月下旬に章男氏が自工会会長に就任してから、急遽やることが決まりました。実行委員会ができていますが、それは形だけで、結局、豊田章男さんが自分の趣味でトヨタのスタッフを使って開いたイベントです」 と指摘する。  実際、主催する「お台場学園祭2012実行委員会」は委員長が自工会で、表面的には委員会で合議する形を取っているが、実質的な運営はトヨタの宣伝子会社トヨタマーケティングジャパン(TMJ)とその意向を受けた電通に丸投げだった。TMJは、章男氏の肝いりプロジェクトとして宣伝部を解体、新設した会社だ。宣伝は章男氏の「直轄領」なのである。  予算化されていない突然の出費など、対応に四苦八苦したメーカーもあった。「業界団体のトップとして業界全体への配慮が欠け、トヨタの我田引水ではないか」(前出関係者)といった指摘もあった。  経営者に限らず、政治家にも3代目が多い、自民党の安倍晋三新総裁は岸信介元首相の孫で、麻生太郎元首相も吉田茂元首相の孫だ。ほかにも3代続けて政治家は多い。  3代目が悪いというわけではない。封建時代と同じように、重責を担う役職を能力に関係なく世襲していくシステムに問題がある。日本社会全体がなんとなく変な雰囲気で、活力を失い始めていることと無縁ではないだろう。消費者や有権者は、「世襲」という問題にもっと関心をもつべきではないか。 (文=井上久男/ジャーナリスト) ※前回記事はこちら 『トヨタ、周囲をイエスマンで固める「章男社長ぼんぼん経営」の実態』 ■おすすめ記事 「月給7925円」過酷すぎる地下アイドルビジネスの実態 「日本企業はムキになっている」技術盗用した中国の言い分 発生確率が10億年に1回の原発大規模事故は、なぜ起こった? 社用車で演歌を唸り、ホテルのスイートを定宿にする巨大新聞社長 社会のことは東大任せ!?なぜ京大出身の社長や官僚は少ない?

「月給7925円」過酷すぎる地下アイドルビジネスの実態

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます!  スマホ版もオープンしましたので、ぜひ、ご利用ください! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 「日本企業はムキになっている」技術盗用した中国の言い分 発生確率が10億年に1回の原発大規模事故は、なぜ起こった? 社用車で演歌を唸り、ホテルのスイートを定宿にする巨大新聞社長 ■特にオススメ記事はこちら! 「月給7925円」過酷すぎる地下アイドルビジネスの実態 - Business Journal(10月21日)
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休日の昼下がり観るには気合がいります。
(「ザ・ノンフィクションHP」より)
――『カンブリア宮殿』『ガイアの夜明け』(共にテレビ東京)『情熱大陸』(TBS)などの経済ドキュメンタリー番組を日夜ウォッチし続けている映画監督・松江哲明氏が、ドキュメンタリー作家の視点で裏読みレビュー! <今回の番組:10月7日放送『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)>  テーマ:地下アイドルビジネス 「生きてーる、生きてぇいるー」のテーマ曲が流れ、『ザ・ノンフィクション』のタイトルがイン。そして次に現れるのが番組のファーストカット。番組制作者が何を最初に持ってきて、視聴者の心を掴むのかが気になる。  が、そこに現れたのは給料明細の「7925」という数字だった。  これはひなたさゆり(19)の月給だ。  彼女は地下アイドル。ナレーターの泉谷しげるでさえ、素人向けの撮影会でポーズを取る彼女に対し「これってアイドルの仕事か?」とぼやくが、彼女の収入はこれが主だと思われる。アイドルグループに所属していたが、最近健康上の理由により脱退させられた。彼女はストレスや疲労による過呼吸を煩っている。そんな状況だから家賃はおろか電気や水道の支払いも遅れているらしい。  僕は驚きを隠せない。金額の低さではない。ほとんどのアイドルが生活が成り立たないのは知っている。驚いたのはこうして日曜の昼に堂々と放送されていることに、だ。 『ザ・ノンフィクション』の視聴者層は、中年男性と想定していることは間違いない。きっと多くの視聴者は「けしからん」とか「アイドルなんざ甘っちょろい」と思って見たのだろう。しかし、『アイドルすかんぴん2』はそんな予想を超えていた。  そういえば最近の『ザ・ノンフィクション』ではアイドルを扱った番組が多い。例えば5月に放送された『アイドルの家』も凄かった。あるアイドルの父はアル中で母親は弟を連れて家を出る。残された彼女は家事をしながら父を支えるが、彼はジョン・レノンとオノヨーコの「WAR IS OVER」Tシャツを着ながら酒をあおるのであった。  悪い冗談のような現実がカメラの前に曝されていた。 アイドルという言葉の意味が変化して来ているのは事実だろう。テレビに出る人気者、美男美女、そういった見栄えだけでは括れない。番組では地下アイドル、さらには海賊アイドルという言葉も登場していた。現実はさらに細分化されているのだろう。  鈴木真麗奈(18)が所属するfortuneもそんなグループの一つ。海賊アイドルの3人組。マリン服が海賊をイメージしているらしい。歌は……まぁ普通なのかさえ僕には分からない。ライブハウスの入りは10人にも満たなかった。事務所に渡されたギャラは1000円。彼女たちに入る金額はごくわずかだろう。  そんな状態だからメンバーの内の一人はガールズバーでバイトをし、遅刻を繰り返す。もう一人も同様。やる気の感じられない二人はとある学園祭では物販にも立たず、ナンパされた男からもらったパンを「お財布ないって言ったらくれたの」とケータイ片手に地べたに座りながら食べ、さも忙しそうに「イッキ食いしてる」と言い訳をする。はり倒したくなる言動だが、こんな彼女たちにファンが付くはずもない。50万という地下アイドルとしては破格の予算が組まれたfortuneだが、あっけなく解散。その事実を知って号泣する彼女たちだが、泉谷しげるは冷たく「また一つアイドルグループが消えていく」と言い放つ。  しかし、ひなささゆりの場合はグループにさえ入れない。ライブの盛り上げ役として会場から見ていた彼女は、その最中にサプライズとして新メンバーが加わったことを知らされる。もう自分が入る余地はない。アイドルは10代で芽が出なければ可能性はないと言える。  目の前で突きつけられた現実に、またも彼女は過呼吸になる。事務所の社長は慣れたもので、余裕で彼女を抱え、運ぶ。そして後日、陰に引退を勧めるが、ひなたはそれを拒否。 「人を楽しませたい」と語る彼女に対し、スタッフは「別にアイドルじゃなくても」と言い返す。長く取材を重ねていろんな面を見て来たのだろう。僕には「もう十分じゃないか」という風にも聞こえた。しかしひなたは「私はアイドルがいい」と微笑み、言い切る。金のない彼女はコンビニから貰ったおでんの汁をすすり、美味しそうに飲み干す。  これはもはや宗教だ。信じるものに対し、疑いがない。そして彼女にとって失敗は罪なのだ。  だからほかに選択肢がない。光熱費が払えない金額でも、自分はアイドルなんだと信じている。きっと彼女は「夢は追うもの」という信念があるに違いない。さらに「叶うもの」と付け加えられるのだろう。しかし、現実は給料明細が教えてくれる。数字は具体だ。残酷ではあるが、結果も教えてくれる。そこから得る物は大きいはずなのに、彼女はまだそこに目を向けない。  しかし、不思議なことにひなたは確かにアイドルだった。おでんの汁を「温かい」と言って大切そうに飲む姿は美しかったから。真麗奈も解散ライブ後に「次のオーディションがある」と言って渋谷の町を走る姿は素敵だった。 その姿が誰かの勇気になったことは間違いない。 (文=松江哲明/映画監督) ■おすすめ記事 「日本企業はムキになっている」技術盗用した中国の言い分 発生確率が10億年に1回の原発大規模事故は、なぜ起こった? 社用車で演歌を唸り、ホテルのスイートを定宿にする巨大新聞社長 社会のことは東大任せ!?なぜ京大出身の社長や官僚は少ない? トヨタの下請けいじめ、ヨイショ番組…すべては章男社長の面子のため

「月給7925円」過酷すぎる地下アイドルビジネスの実態

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休日の昼下がり観るには気合がいります。
(「ザ・ノンフィクションHP」より)
――『カンブリア宮殿』『ガイアの夜明け』(共にテレビ東京)『情熱大陸』(TBS)などの経済ドキュメンタリー番組を日夜ウォッチし続けている映画監督・松江哲明氏が、ドキュメンタリー作家の視点で裏読みレビュー! <今回の番組:10月7日放送『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)>  テーマ:地下アイドルビジネス 「生きてーる、生きてぇいるー」のテーマ曲が流れ、『ザ・ノンフィクション』のタイトルがイン。そして次に現れるのが番組のファーストカット。番組制作者が何を最初に持ってきて、視聴者の心を掴むのかが気になる。  が、そこに現れたのは給料明細の「7925」という数字だった。  これはひなたさゆり(19)の月給だ。  彼女は地下アイドル。ナレーターの泉谷しげるでさえ、素人向けの撮影会でポーズを取る彼女に対し「これってアイドルの仕事か?」とぼやくが、彼女の収入はこれが主だと思われる。アイドルグループに所属していたが、最近健康上の理由により脱退させられた。彼女はストレスや疲労による過呼吸を煩っている。そんな状況だから家賃はおろか電気や水道の支払いも遅れているらしい。  僕は驚きを隠せない。金額の低さではない。ほとんどのアイドルが生活が成り立たないのは知っている。驚いたのはこうして日曜の昼に堂々と放送されていることに、だ。 『ザ・ノンフィクション』の視聴者層は、中年男性と想定していることは間違いない。きっと多くの視聴者は「けしからん」とか「アイドルなんざ甘っちょろい」と思って見たのだろう。しかし、『アイドルすかんぴん2』はそんな予想を超えていた。  そういえば最近の『ザ・ノンフィクション』ではアイドルを扱った番組が多い。例えば5月に放送された『アイドルの家』も凄かった。あるアイドルの父はアル中で母親は弟を連れて家を出る。残された彼女は家事をしながら父を支えるが、彼はジョン・レノンとオノヨーコの「WAR IS OVER」Tシャツを着ながら酒をあおるのであった。  悪い冗談のような現実がカメラの前に曝されていた。 アイドルという言葉の意味が変化して来ているのは事実だろう。テレビに出る人気者、美男美女、そういった見栄えだけでは括れない。番組では地下アイドル、さらには海賊アイドルという言葉も登場していた。現実はさらに細分化されているのだろう。  鈴木真麗奈(18)が所属するfortuneもそんなグループの一つ。海賊アイドルの3人組。マリン服が海賊をイメージしているらしい。歌は……まぁ普通なのかさえ僕には分からない。ライブハウスの入りは10人にも満たなかった。事務所に渡されたギャラは1000円。彼女たちに入る金額はごくわずかだろう。  そんな状態だからメンバーの内の一人はガールズバーでバイトをし、遅刻を繰り返す。もう一人も同様。やる気の感じられない二人はとある学園祭では物販にも立たず、ナンパされた男からもらったパンを「お財布ないって言ったらくれたの」とケータイ片手に地べたに座りながら食べ、さも忙しそうに「イッキ食いしてる」と言い訳をする。はり倒したくなる言動だが、こんな彼女たちにファンが付くはずもない。50万という地下アイドルとしては破格の予算が組まれたfortuneだが、あっけなく解散。その事実を知って号泣する彼女たちだが、泉谷しげるは冷たく「また一つアイドルグループが消えていく」と言い放つ。  しかし、ひなささゆりの場合はグループにさえ入れない。ライブの盛り上げ役として会場から見ていた彼女は、その最中にサプライズとして新メンバーが加わったことを知らされる。もう自分が入る余地はない。アイドルは10代で芽が出なければ可能性はないと言える。  目の前で突きつけられた現実に、またも彼女は過呼吸になる。事務所の社長は慣れたもので、余裕で彼女を抱え、運ぶ。そして後日、陰に引退を勧めるが、ひなたはそれを拒否。 「人を楽しませたい」と語る彼女に対し、スタッフは「別にアイドルじゃなくても」と言い返す。長く取材を重ねていろんな面を見て来たのだろう。僕には「もう十分じゃないか」という風にも聞こえた。しかしひなたは「私はアイドルがいい」と微笑み、言い切る。金のない彼女はコンビニから貰ったおでんの汁をすすり、美味しそうに飲み干す。  これはもはや宗教だ。信じるものに対し、疑いがない。そして彼女にとって失敗は罪なのだ。  だからほかに選択肢がない。光熱費が払えない金額でも、自分はアイドルなんだと信じている。きっと彼女は「夢は追うもの」という信念があるに違いない。さらに「叶うもの」と付け加えられるのだろう。しかし、現実は給料明細が教えてくれる。数字は具体だ。残酷ではあるが、結果も教えてくれる。そこから得る物は大きいはずなのに、彼女はまだそこに目を向けない。  しかし、不思議なことにひなたは確かにアイドルだった。おでんの汁を「温かい」と言って大切そうに飲む姿は美しかったから。真麗奈も解散ライブ後に「次のオーディションがある」と言って渋谷の町を走る姿は素敵だった。 その姿が誰かの勇気になったことは間違いない。 (文=松江哲明/映画監督) ■おすすめ記事 「日本企業はムキになっている」技術盗用した中国の言い分 発生確率が10億年に1回の原発大規模事故は、なぜ起こった? 社用車で演歌を唸り、ホテルのスイートを定宿にする巨大新聞社長 社会のことは東大任せ!?なぜ京大出身の社長や官僚は少ない? トヨタの下請けいじめ、ヨイショ番組…すべては章男社長の面子のため

「月給7925円」過酷すぎる地下アイドルビジネスの実態

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(「ザ・ノンフィクションHP」より)
――『カンブリア宮殿』『ガイアの夜明け』(共にテレビ東京)『情熱大陸』(TBS)などの経済ドキュメンタリー番組を日夜ウォッチし続けている映画監督・松江哲明氏が、ドキュメンタリー作家の視点で裏読みレビュー! <今回の番組:10月7日放送『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)>  テーマ:地下アイドルビジネス 「生きてーる、生きてぇいるー」のテーマ曲が流れ、『ザ・ノンフィクション』のタイトルがイン。そして次に現れるのが番組のファーストカット。番組制作者が何を最初に持ってきて、視聴者の心を掴むのかが気になる。  が、そこに現れたのは給料明細の「7925」という数字だった。  これはひなたさゆり(19)の月給だ。  彼女は地下アイドル。ナレーターの泉谷しげるでさえ、素人向けの撮影会でポーズを取る彼女に対し「これってアイドルの仕事か?」とぼやくが、彼女の収入はこれが主だと思われる。アイドルグループに所属していたが、最近健康上の理由により脱退させられた。彼女はストレスや疲労による過呼吸を煩っている。そんな状況だから家賃はおろか電気や水道の支払いも遅れているらしい。  僕は驚きを隠せない。金額の低さではない。ほとんどのアイドルが生活が成り立たないのは知っている。驚いたのはこうして日曜の昼に堂々と放送されていることに、だ。 『ザ・ノンフィクション』の視聴者層は、中年男性と想定していることは間違いない。きっと多くの視聴者は「けしからん」とか「アイドルなんざ甘っちょろい」と思って見たのだろう。しかし、『アイドルすかんぴん2』はそんな予想を超えていた。  そういえば最近の『ザ・ノンフィクション』ではアイドルを扱った番組が多い。例えば5月に放送された『アイドルの家』も凄かった。あるアイドルの父はアル中で母親は弟を連れて家を出る。残された彼女は家事をしながら父を支えるが、彼はジョン・レノンとオノヨーコの「WAR IS OVER」Tシャツを着ながら酒をあおるのであった。  悪い冗談のような現実がカメラの前に曝されていた。 アイドルという言葉の意味が変化して来ているのは事実だろう。テレビに出る人気者、美男美女、そういった見栄えだけでは括れない。番組では地下アイドル、さらには海賊アイドルという言葉も登場していた。現実はさらに細分化されているのだろう。  鈴木真麗奈(18)が所属するfortuneもそんなグループの一つ。海賊アイドルの3人組。マリン服が海賊をイメージしているらしい。歌は……まぁ普通なのかさえ僕には分からない。ライブハウスの入りは10人にも満たなかった。事務所に渡されたギャラは1000円。彼女たちに入る金額はごくわずかだろう。  そんな状態だからメンバーの内の一人はガールズバーでバイトをし、遅刻を繰り返す。もう一人も同様。やる気の感じられない二人はとある学園祭では物販にも立たず、ナンパされた男からもらったパンを「お財布ないって言ったらくれたの」とケータイ片手に地べたに座りながら食べ、さも忙しそうに「イッキ食いしてる」と言い訳をする。はり倒したくなる言動だが、こんな彼女たちにファンが付くはずもない。50万という地下アイドルとしては破格の予算が組まれたfortuneだが、あっけなく解散。その事実を知って号泣する彼女たちだが、泉谷しげるは冷たく「また一つアイドルグループが消えていく」と言い放つ。  しかし、ひなささゆりの場合はグループにさえ入れない。ライブの盛り上げ役として会場から見ていた彼女は、その最中にサプライズとして新メンバーが加わったことを知らされる。もう自分が入る余地はない。アイドルは10代で芽が出なければ可能性はないと言える。  目の前で突きつけられた現実に、またも彼女は過呼吸になる。事務所の社長は慣れたもので、余裕で彼女を抱え、運ぶ。そして後日、陰に引退を勧めるが、ひなたはそれを拒否。 「人を楽しませたい」と語る彼女に対し、スタッフは「別にアイドルじゃなくても」と言い返す。長く取材を重ねていろんな面を見て来たのだろう。僕には「もう十分じゃないか」という風にも聞こえた。しかしひなたは「私はアイドルがいい」と微笑み、言い切る。金のない彼女はコンビニから貰ったおでんの汁をすすり、美味しそうに飲み干す。  これはもはや宗教だ。信じるものに対し、疑いがない。そして彼女にとって失敗は罪なのだ。  だからほかに選択肢がない。光熱費が払えない金額でも、自分はアイドルなんだと信じている。きっと彼女は「夢は追うもの」という信念があるに違いない。さらに「叶うもの」と付け加えられるのだろう。しかし、現実は給料明細が教えてくれる。数字は具体だ。残酷ではあるが、結果も教えてくれる。そこから得る物は大きいはずなのに、彼女はまだそこに目を向けない。  しかし、不思議なことにひなたは確かにアイドルだった。おでんの汁を「温かい」と言って大切そうに飲む姿は美しかったから。真麗奈も解散ライブ後に「次のオーディションがある」と言って渋谷の町を走る姿は素敵だった。 その姿が誰かの勇気になったことは間違いない。 (文=松江哲明/映画監督) ■おすすめ記事 「日本企業はムキになっている」技術盗用した中国の言い分 発生確率が10億年に1回の原発大規模事故は、なぜ起こった? 社用車で演歌を唸り、ホテルのスイートを定宿にする巨大新聞社長 社会のことは東大任せ!?なぜ京大出身の社長や官僚は少ない? トヨタの下請けいじめ、ヨイショ番組…すべては章男社長の面子のため

上戸彩結婚に焦った事務所が、武井咲らのごり押しに大成功!?

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「週刊新潮」(新潮社/10月4日号)より
 日々忙しいビジネスマン&ウーマンに代わり、世に溢れるメディアの中から、知れば“絶対に”人に話したくなる報道や記事を紹介。日常でなんとなく耳にするあのニュース・情報の裏側や、テレビなどでは報じられないタブーに迫ります! 【今回ピックアップする記事】 『事務所も出し抜かれていた「CM女王 上戸彩」結婚を巡る神経戦』 (「週刊新潮」<新潮社/10月4日号>)  先日、上戸彩(27)とEXILEリーダーのHIRO(43)が入籍しましたね。あのニュースを聞いて、読者の方たちはどう思われましたか? 今流行の“年の差婚”で、羨ましいと思った人も多かったのではないかと思います。しかし、個人的には羨ましいと思う前に「よく、結婚できたなー」っていうのが第一印象でした。いや、年齢が離れているとか、HIROに浮気癖があるとか、そんなことではなく事務所的にって話で。  今回は、上戸が結婚できた周辺事情を「週刊新潮」(新潮社)が伝えています。  まず、夫であるHIROの事情から。EXILEのパフォーマーでありリーダーでもある彼は、同時にEXILE所属事務所LDH(Love Dream Happinessの略)の社長です。今年の元日にふたりは、スポーツ紙に『結婚へ』と報じられていましたが、なぜここまでずれ込んでしまったかというと、実はメンバーの中で独立騒動が勃発していたためだそう。彼は上戸との結婚を機に社長業に専念しようとしていたそうです。ですが、この騒動で次期リーダーも決められない内部分裂状態になってしまい、上戸とゴールインどころじゃなくなったそうです。(ちなみに、誰が火種かまでは明らかになっていません)  そして上戸にも事情がありました。それは彼女がCM女王だったということです。  国民的美少女が売りのオスカープロモーションにとって、結婚して主婦となった上戸の価値は半減してしまいます。彼女の現在の契約CM本数は15社17本。1本の単価は5,000万円~7,000万円といわれていますから、売上げは少なく見積もって8億5,000万円。そんな、ドル箱の上戸を事務所(オスカープロモーション)は、どう考えても簡単に結婚させるわけにはいきません。頭を抱える事務所ですが、結婚へ向けて強行する上戸に対し取った戦略はというと......。 ●後継者をゴリ推しで育てた?  それは上戸の現在までの功績を楯に、彼女の後継者をゴリ推しで育てることでした。うっすら気付いている方もいると思いますけど、武井咲、剛力彩芽、忽那汐里が、いきなりドラマ、CMに引っ張りだこになった理由がここにあったんです。この3人は、番組改編でもドラマ出演が途切れることなく続いています。そしてCMも、武井咲が14本で1本の単価が3,000万円、剛力彩芽が8本で単価2,000万円、忽那汐里は7本で単価1,000万円と、立派に上戸の穴埋めが出来ています(これから、もっと単価も上がるでしょう)。  つまり、この3人の頑張り(事務所の頑張り)があり、かつHIROサイドの騒動が一応の決着をみたのか、上戸は晴れて結婚できることになったのだそうです。この3人は、上戸の後釜としてゴリ推しされている印象がありますが、上戸自身も自分の願望をゴリ推しするために彼女らを利用したのかもしれませんね。 (文=アラキコウジ/ネタックス) ー参照元ー 10月4日号週刊新潮:事務所も出し抜かれていた「上戸彩」結婚を巡る神経戦 ■おすすめ記事 社用車で演歌を唸り、ホテルのスイートを定宿にする巨大新聞社長 「日本企業はムキになっている」技術盗用した中国の言い分 「危険ゆえ利用NG」(裁判所)だった原発は、なぜつくられた? 社会のことは東大任せ!?なぜ京大出身の社長や官僚は少ない? トヨタの下請けいじめ、ヨイショ番組…すべては章男社長の面子のため

既婚者の6割が相手のメールを盗み見を経験 悪質なら逮捕も

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます!  スマホ版もオープンしましたので、ぜひ、ご利用ください! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 社会のことは東大任せ!?なぜ京大出身の社長や官僚は少ない? トヨタの下請けいじめ、ヨイショ番組…すべては章男社長の面子のため 住民の命より雪まつり!? 全国紙の「北海道計画停電」報道 ■特にオススメ記事はこちら! 既婚者の6割が相手のメールを盗み見を経験 悪質なら逮捕も - Business Journal(10月19日)
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メールは覗いても相手の心は覗けない?
(「Thinkstock」より)
 9月14日、元交際相手の40代男性会社員のIDとパスワードを勝手に使って、男性のメールを盗み見したり、通販サイトに不正アクセスしていた42歳の無職女が書類送検された。なお、容疑は不正アクセス禁止法違反(他人の識別符号の不正保管)であり、他人のIDやパスワードを不正に保管していたというものだった。同容疑(不正保管)での立件は全国初である。  この女は別れた男性への恨みから犯行に及んだということだ。このほかにも、リアル世界と同様、ネットという舞台でも男女の愛憎劇は繰り広げられている。  2006年7月には、夫の携帯メールを妻が勝手に転送設定して盗み見。そこから得た情報をもとに夫の知人女性のメールサーバにアクセスしていたという事件が発生している。妻は不正アクセス禁止法違反などの疑いで書類送検された。もっとも、この場合に問題となっているのは、夫の知人女性のメールサーバに不正アクセスしたという点であり、夫婦間のメール盗み見行為自体は立件対象とされていなかった。  盗み見に対する世間の罪の意識は低い。第一生命経済研究所のレポートによると、「恋人や配偶者の電子メール履歴のチェック経験」がある人は、31.3%にものぼる(調査対象は16〜29歳の男女)。特に既婚者では割合が高く、実に63.8%の人がチェック経験あり、としている(一方、未婚者は20.0%にとどまっている)。男女別で見ると、男性が15.5%であるのに対して、女性は37.7%と高い。また、年齢が上がれば上がるほど、チェック経験ありの割合も増えている。  これらメール履歴チェックをしている人たちの中には、転送設定などでメールを常時監視している人もいるのではないだろうか。夫婦間で携帯メールなどを盗み見しても、一般的には逮捕されるというわけではないようだが、悪質なケースはその限りではない。本人は軽い気持ちで盗み見していたり、イタズラ感覚だったとしても、法的に責任を問われる可能性があるということを、忘れないようにしておいた方がいいだろう。  男女関係がこじれると、「ネットストーカー」を生んでしまう場合もある。ネット上のストーキングとしては、掲示板で執拗にからんだり、メールを恒常的にしつこく送り続けるなどの行為が見られる。  最大の落とし穴は、個人が運営するウェブサイトやブログの閲覧者が、ネットストーカーになるケースだ。個人ウェブサイトには、自己紹介が書かれているところが少なくない。中には、居住地のヒントや職業、それから顔写真を掲載しているところもある。それらは、閲覧者の善意を信じて、軽い気持ちで載せているのだろうが、ひとつ間違うと、ネットストーカーを呼び寄せる「エサ」にもなりかねない。  たとえばある女性は、自分のウェブサイトで写真や日記を公開していた。するとその内、閲覧者から交際を申し込むメールが送られてきたという。しつこいので「もうメールしないで」と返事をしたところ、逆恨みから相手はネットストーカー化してしまった。その後は、「殺す」「死ね」と書かれたメールが送られてくるようになったという。  こういったネットストーキングがエスカレートすると、ストーキング対象者の住所や電話番号などを調べ上げ、いたずら電話や待ち伏せ行為などに走る可能性もある。ネットストーカーがリアルストーカーになってしまうのだ。男女間のトラブルには気をつけたいものである。 (文=宮島理) ■おすすめ記事 社会のことは東大任せ!?なぜ京大出身の社長や官僚は少ない? トヨタの下請けいじめ、ヨイショ番組…すべては章男社長の面子のため 住民の命より雪まつり!? 全国紙の「北海道計画停電」報道 「注文から7秒」王将の餃子が速攻で出てくる仕組みとは? 「5期連続赤字で経営不振」ソフトバンクの買収はやっぱり危険?