IBM恐怖のリストラ、メディアや裁判所も黙る華麗な技術

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日本IBM本社
(「Wikipedia」より)
「ブラック企業アナリスト」として、テレビ番組『さんまのホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)、「週刊SPA!」(扶桑社)などでもお馴染みの新田龍氏。計100社以上の人事/採用戦略に携わり、あらゆる企業の裏の裏まで知り尽くした新田氏が、ほかでは書けない、「あの企業の裏側」を暴く!  IBMという会社をグローバルな目線で見た場合、日本IBMの位置づけは「落ちこぼれ」といっても過言ではない。2001年に1兆7,075億円という過去最高の売上高を達成して以来、11年連続で売上は減少。この10年で、売上高、営業利益、経常利益はちょうど半分になってしまった計算だ。  一方で、米国IBMの11年度の業績は、売上高1069億ドルに、純利益は159億ドル。日本とは逆に、この10年で売上高は約25%アップ、純利益は約2倍という成長を遂げている。この状況下では、日本IBMの存在感も発言力も着実に低下しているのは明らかである。  同社社長は今年5月に交代し、ドイツ人のマーティン・イェッター氏が就任した。外国人がトップになるのは56年ぶりのことであり、本国ドイツで「コストカッター」と呼ばれる辣腕を振るい、業績を立て直してきた実績を持つ人物だ。当然日本においても同様の役割を期待されているとみられ、社員たちは戦々恐々としている。  同社は米国IBMの手法に倣い、業績下位15%の社員を対象にリストラを実行している。ちなみにこのシステムは日本IBMに限らず、外資系企業なら比較的広範にみられる光景、という印象があるかもしれない。同時に、思慮深い方ならこんな疑問をもたれることだろう。 「日系企業も外資系企業も、日本で活動している以上、同じ労働基準法が適用されているはずだ。なのに、なぜ外資系だけ社員を簡単にクビにできるのか?」  それには、こんなウラがあったのである。  そもそも「リストラ」=「クビ」というイメージがあるが、具体的にはいろんな手法がある。  まず「解雇」というやり方が思い浮かぶ。労働契約の終了を、会社側からの一方的な意思によって通告することだが、これは日本の強力な法規制のもと、なかなか簡単に実行できないのが現状だ。ご存じの通り、解雇を行うためには「4要件」という慣例が存在し、そのいずれが欠けても「解雇権の濫用」となり、無効となってしまうためだ。具体的には次のような条件である。 (1)人員整理の必要性    整理解雇を行うには、相当の経営上の必要性が認められなければならない。つまり、経営危機下でなければ認められないということだ。 (2)解雇回避努力義務の履行    正社員の解雇は「最後の手段」であり、その前に役員報酬の削減、新規採用の抑制、希望退職者の募集、配置転換、出向等によって、整理解雇を回避するための相当の経営努力がなされ、「もう解雇以外に手立てがない」と判断される必要があるのだ。 (3)被解雇者選定の合理性  人選基準が合理的で、具体的人選も公平でなければならない。「辞めさせたいヤツ」を名指しすることはできないというわけだ。 (4)手続の妥当性    事前の説明・協議があり、納得を得るための手順を踏んでいなくてはいけない。  すなわち、たとえ社員がヘマをやらかしたとしても、ドラマやマンガのように「お前はクビだ!」なんてとても言えないわけだ。でも、実際にリストラは実行できている。そのカラクリは、「解雇」ではなく「退職勧奨」をしている、という点にあるのだ。 ●「辞めたほうがキミのためだ」と諭す  退職勧奨とは社員に「辞めろ!」と迫るのではなく、「今辞めると、これだけのメリットがあるよ」といって、文字通り「退職を促す」ことをいう。会社からの一方的な処分ではなく、本人の合意があって成立するものであるから、違法性はない。しかも解雇の場合は「被解雇者選定の合理性」をとやかく言われてしまうが、退職勧奨の場合は「適正に下された低評価」をもとに行われるので合法なのだ。  したがって、もともとしかるべき評価制度が設けられていて、その結果として「キミは業績が悪いから、勧奨の対象になっているんだよ」と告げるのは違法ではない、ということなのである。  外資系がよくやる「クビ」というのは、言葉を換えれば「非常に強力な退職勧奨を行う」ということであり、解雇という形式ではなく、社員との交渉によって「なんとしてでも退職の合意を取り付ける」という「合意退職」に持っていくというやり方なのである。  そこには綿密に練られた仕組みと布石があり、仮に裁判に持ち込まれたとしても負けない形になっているのだ。事実、08年のリストラで「退職を執拗に迫られた」として社員が同社を訴えた裁判があったが、先ごろ東京地裁の判断で「違法性はない」と判断された。 ●裁判官も納得?  では、何が裁判官を納得させたのか? 具体的には以下の通りである。 (1)「職種別採用」を行い、「職務給」で運用する  これは、日本式の「総合職採用」を行い、「職能給」で運用するのとは真逆のやり方だ。すなわち、採用時に業務内容を明示し、「この仕事ができる能力を持っている人を採用する」として、業績に応じた待遇と、諸条件なども細かく書面化して説明し、合意を取っておくのだ。その上で「能力が足りなかった」という判断となれば、問題になりにくい。 (2)十分な「退職パッケージ」と「支援プログラム」を準備する  対象者に対してなんのサポートもない状態での退職勧奨は「強要」と判断される可能性があるが、「業績が芳しくないこの状況のままでは問題がある」と説明責任を果たし、「改善するための再教育プログラム」等が存在し、それを受ける機会があれば、企業側として「回避努力」をしたことになるのだ。これは、「割増退職金」や「再就職支援」といった退職支援プログラムを会社側が用意することでも同様の判断となる。 (3)説明責任を果たす  上記(1)(2)といった諸制度、諸条件が揃った上で、対象社員に対して説明がなされれば問題ない。具体的には、 「会社の経営環境」 「当該社員の業績」 「当該業績が、所属部署や他メンバーに与える影響」 「在籍し続ける場合のデメリット」(引き続きプレッシャーが与えられるぞ、など) 「退職する場合のメリット」(今なら充実した退職者支援を受けられるぞ、など) といった情報を伝え、一定の検討期間を設け、意思確認をする、という手続きを踏むことである。  結局は、会社として上記(1)~(3)のような仕組みがあれば、いくら執拗な退職勧奨を行ったとしても、違法とはなりにくいのだ。退職勧奨の場に同席していなかった裁判官にとって、会社からどんな説得が行われたかは知る由がないし、それによって対象社員がどれほどの精神的苦痛を得たかは判断が難しい。  判断材料となるのは「どこまで会社が退職回避策を講じていたか?」という事実次第なのである。それさえあれば、会社側がかなり執拗に退職を迫ったとしても、「がんばって解雇を回避した」し、「正当な退職勧奨の一環」であり、「解雇は根拠のある正当なものだ」と主張できてしまうのである。 ●退職勧奨に臨む社員側の心得とは?  このような退職勧奨を受ける社員側にとって、取れる態度は次の2つだ。 (1)いずれ辞めるのなら、条件が良いうちにサッサと合意して退職願にサインしてしまう (2)「会社のやり方は違法だ!」と徹底的に争う  多くは「外資系など、このようなもの」と割り切って前者の道を選ぶ。しかし残念ながら後者の場合、裁判に金も時間もエネルギーも費やすし、勝ったとしても賠償金は弁護士報酬に消え、会社にいられるのも次のリストラまでのハナシだ。結局、会社の方針に沿った結果になってしまうことになる可能性が高い。「それでもやる!」という場合は、勧奨までの経緯を子細にわたってメモし、その様子をICレコーダーなどで録音して違法性の記録としておくことだ。  裁判では原告が証拠を集めなければならない決まりだから、証拠がなくてはどうにもならない。 ●操作される人事制度、スルーするメディア  限りなくブラックに近いグレーゾーンで人事制度を運用している同社であるが、実際に勤務する社員からは「実際にはかなり恣意的に運用され、『フェアな職務給』という宣伝とはほど遠い」という声も聞こえてくる。 「平均年収は高いイメージがあるが、発表値と実際の数字では2~3割くらいの差がある」 「少数の高待遇の人が平均値を上げている。労働組合調査ではもっと低い」 「昇格させる代わりに評価は低いままで据え置き、給与は変わらず。結局低い評価だけが人事記録に残って、リストラの対象にもなってしまう」 「低評価の人でも、異動や転出をさせるためにあえて高評価をつけることもある」  かなり「操作」をしていることが見て取れるはずだ。  さて、このような実態が内部から漏れ聞こえ、実際に不祥事も頻発している日本IBMであるが、不思議と大手メディアから叩かれることはない。それは、日本の大手メディアにはびこる「スポンサータブー」と無縁ではないのだ。  日本IBMは定期的に広告キャンペーンを展開しており、マスメディアから駅のポスターまで、かなり大がかりに露出する。そして、毎年のように「○○広告賞」などを受賞してさえいるのだ。直近では「Smarter Planet ITシリーズ」の広告が、第16回日経BP広告賞の「最優秀IT広告賞」を受賞。その他の受賞履歴は同社ホームページで確認できる。 「我々は大口スポンサーだ」といえば、ある程度の報道統制は可能なのだ。  同社の真の問題点は、単に「グレーゾーンのリストラをしている」というレベルではない。それによって会社が被る、中長期的な影響こそが問題なのである。言い換えれば、「良い成績を上げている社員ばかりを残すと、環境変化に適応できる人材を切り捨ててしまっている可能性」があるかもしれないのだ。  リストラは米国本社の方針だから仕方ないとしても、それが結果的に同社の成長に寄与しているかどうかは疑問である。実際、長期的には減収減益でもある。それよりも、より顧客に価値を感じさせる提案を行い、相応の対価を得る方向を強化していければよいのではなかろうか。  同社が日本市場におけるシェアを明らかに失いつつある根本理由について、同社自身が社内報においてこのように分析している。私もまったく異論はない。 (1)激しく変化するお客様の購買パターンと競争環境についていけていない (2)営業カバレッジ(影響を及ぼせる範囲。エリアや顧客層など:筆者注)が固定化している (3)サービスの価格競争力が低い  話が少し横道にそれるが、働き者のイメージがある「働きアリ」を巣ごと調べてみたところ、「あまり働かないアリ」が全体の7割もいたという。しかしこの「鈍いアリ」も、食物が底を突き始めたり、巣が危機に陥ったり、「極限状況」になったときに働き始めるらしい。すなわち、反応の度合が異なるアリが共存していることで、「働かないアリ」という形で力を温存することができ、いざというときに対処できるリソースを確保できるというわけなのだ。  効率を追求してギリギリまで現状に適応してしまうと、変化のリスクに対処できないことを自然は知っている。では、日本IBMという会社はどうだろうか? 結果は時の流れが教えてくれることだろう。 (文=新田 龍/株式会社ヴィベアータ代表取締役、ブラック企業アナリスト) ■おすすめ記事 セブン最高益、サークルK減益…コンビニ明暗を分けたものは? 人気放送作家・野呂エイシロウ氏秘伝「やめる技術」とは? EV敗戦 日産のカルロス・ゴーンCEOが戦略を大転換 「OSって何?」のトラック運転手からIT社長に転身する技術 富士ゼロックス「障がい者は用済み」解雇の実態

楽天社員「社内流行語は『大事な点なので日本語で話します』」

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) IBM恐怖のリストラ、メディアや裁判所も黙る華麗な技術 セブン最高益、サークルK減益…コンビニ明暗を分けたものは? 人気放送作家・野呂エイシロウ氏秘伝「やめる技術」とは? ■特にオススメ記事はこちら! 楽天社員「社内流行語は『大事な点なので日本語で話します』」 - Business Journal(1月7日)
楽天本社(「Wikipedia」より)
 日本最大の通販サイト・楽天市場をはじめ、オークションや旅行、金融など幅広く展開し、IT業界のリーディングカンパニーである楽天。海外進出にも積極的で、昨年7月から社内公用語を完全に英語化し、グローバルに展開している。最近では、太陽光パネルや電子書籍「kobo」を手掛けるなど、新たな事業にもチャレンジし続けている。そんな楽天社員A氏に、社内の実態、そして“ミッキー”の素顔を語ってもらった。 ーー入社直後の新人研修は、どのような内容でしょうか? A氏(以下、A) 昔から続く伝統の「楽天カード営業」が、まだ行われているようです。4月上旬から始まる研修1カ月の間に、「一人30件の新規契約を取る」というようなノルマが与えられ、いきなり研修初日に人事部から、「期限は5月のゴールデン・ウィーク明けまでですが、もちろん来週明けまでには達成していますよね?」などと言われたりするみたいですね(笑)。楽天伝統の研修として有名なので、新人はみんな、前もって友人とか親族に頼んでいるようです。 ーーノルマを達成しないと、どうなるんですか? A ここ数年だと400〜500人くらいがワンフロアに全員そろって研修を受けるのですが、研修期間後半になると、ノルマを達成していない人は、その場で毎朝立たされる模様です。最後まで達成しなくても特に罰則はないのですが、人事部から「達成しないとか、そういうことはありえなくないですか?」とか、嫌みを言われるみたいです。 ーー達成すると、何かいいことがあるんですか? A 契約30件につき、金の折り鶴が1つ渡されます(笑)。60枚、90枚……と増えていくと、自分の机の上に、金の鶴がどんどん増えていくんです。聞いた話だと、過去には1000件近く集めた人がいて、その人は大学の後輩とかをフルに使って、やっていたようですね。 ●キツイ楽天市場部門は6割が辞めちゃう? ーー楽天のメイン事業である楽天市場を担当する部門が、やはり一番キツいのでしょうか? A 聞いた話だと、加入店舗の支援や新規開拓を担当する店舗コンサルティングの人は、一人で200店舗くらいを常時担当しています。各店舗にコンサル的なことをしつつ、楽天が腐るほど出しているメルマガなどに掲載する広告の契約を取ってくるノルマもあって、結構大変そうですね。 ーーその部署は、辞める人も多いのでしょうか? A そうですね、肌感覚ですが、ウチの会社は新入社員の3割くらいが3年以内に辞めますが、楽天市場の部署は、その率が6割くらいに上がると思います。実際にウツなどで休職・退職するケースも、この部署に集中しているような気がします。 ーー楽天市場以外にも、太陽光パネルや電子書籍「kobo」など、次々と新規事業が立ち上がっていますが、そうした事業は現場の社員からボトムアップで提案されて、事業化されていくのでしょうか? A そういう感じではないですね……基本的にウチは、ミッキー(三木谷浩史社長)のひらめきや、一部の幹部が考えたことを、トップダウンで一気に人を集めて推し進めるイメージですね。あまり、「現場から何か新しい事業を提案して」というクリエイティブな文化はないように思えます。ウチを辞める人は、そういう体育会系の体質に不満を感じたからという理由の人が、多いのではないでしょうか。ちなみに、ウチからグーグルに転職する人は結構いますが、その逆はないと聞いたことがあります。 ●朝会で「カモン!ミッキー!」 ーー楽天といえば、週1回全社員が出席する朝会が有名ですね。 A 毎週火曜日に、朝8時から開催されます。海外を含めたすべてのオフィスにテレビ中継して、ミッキーの話や各事業の進捗状況の報告など、全社で共有しています。 ーー社長をニックネームで呼ぶんですね……。 A 1年前から、社員全員にニックネームが付くようになりました! 普段はニックネームで呼び合うことはないのですが、対外的には呼び合っていることになっています。名札にも付いているんですよ。朝会も英語なので、ミッキーが登場する時は、司会者が「カモン!ミッキー!」って呼んでいますよ! ーー楽天では英語が公用語になっていますが、実際はどうなんですか? A 部署にもよりますけど、会議などでは基本はすべて英語です。業務関連の会話は、さすがにわかるようになりました。今は社内に外国人も多いので、日常会話も英語が多いですね。 ーー入社試験の時に、英語の試験とかはあるんですか? A 今は、入社前にTOEIC750点以上ないとダメみたいですね。執行役員は850点ないと降格ですね。

●買収先の年配社員は、英語公用語化についていけなくて…

ーー英語ができなくて辞めた人もいるんですか? A ウチは、楽天市場以外はいろいろな会社を買収して成長してきたので、買収先企業出身者で、年齢が上の人たちは、「そんなこと今さらやってられるか」と、辞めていった人も結構いるようです。その中には、買収前は幹部クラスだったような人もいますよ。逆に、新卒で入社した人たちは、やっぱり対応能力があるので、英語が原因で辞めた人は多分いないと思います。 ーー英語によって、業務に支障を来したこととかはありますか? A 大きな問題はないと思いますけど、やはり英語の上達度には個人差があるので、会議中に重要な話が出たときは、1回英語で言った後に、「ここは大事な点なので、日本語で言います」と言ってフォローしたりしています。これ、去年の楽天の流行語大賞ですね(笑)。 ーー給料はどれくらいなんですか? A 給料は、基本給(固定)+インセンティブ(出来高)で構成されていますが、新卒1年目の基本給が月30万円ですし、入社3年目になると、みんな年収600万円はもらっているようです。ですので、ウチの会社は賃金的には恵まれていると思いますよ。 ●強制参加の誕生日パーティーも英語 ーー社長主催の社員誕生日パーティーなどもあるようですね。 A 以前は1カ月に1回でしたが、今は3カ月に1回ペースです。直近3カ月のうちに誕生日の社員が一度に集まるので、何百人とかになりますね。もちろんミッキーや役員も参加して、ホテルの宴会場を貸し切って立食パーティー形式ですね。経費はすべてミッキーのポケットマネーで、プレゼントが当たるゲームもありますよ。 ーー楽しそうですね。 A でも、当日会場で出欠を取られるので実質的に強制ですし、ミッキーは会場を歩き回りながらフランクに社員たちと会話しますが、そこでも英語で話すので、結構緊張します……。 ーーパーティーでも英語なんですか? A そうですね。そもそも、社内でミッキーが日本語で話すところは、一度も見たことありません。この前テレビでミッキーが日本語を話しているのを見て、「おー、日本語を話せるんだ〜」と驚いてしまいました(笑)。 (構成=編集部) ■おすすめ記事 IBM恐怖のリストラ、メディアや裁判所も黙る華麗な技術 セブン最高益、サークルK減益…コンビニ明暗を分けたものは? 人気放送作家・野呂エイシロウ氏秘伝「やめる技術」とは? EV敗戦 日産のカルロス・ゴーンCEOが戦略を大転換 「OSって何?」のトラック運転手からIT社長に転身する技術

大手ホテルチェーンT、相次ぐ不祥事と苦情拒絶の実態

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「Wikipedia」より
 Tホテルチェーンは宿泊オンリー、駅前立地という経営方針で急成長してきたビジネスホテルの最大手だが、何かと物議をかもす事件が相次ぐことでも知られる。  ここ数年だけでも、ホテルの駐車場をつぶしてロビーにするとか、身障者用の客室を会議室や倉庫に改造するという建築基準法を無視した違法行為が発覚。また、ホテルの地下から致死量を超える濃度の硫化水素ガスが発生して被害者を出したりもした。  ホテルの会員カード獲得のノルマを従業員に強要し、従業員の中には架空の人物のカードをつくって、自腹で発行手数料を負担している例もあった。東日本大震災の折には、宿泊客に対して、「地震で生ずる被害は自己責任であり、損害賠償を請求しない」という誓約書に署名させるなどの、とんでもない所業が問題となった。せこい話では、NHK受信料の未払いで訴訟沙汰になったこともある。 ●宿泊料金を二重受領  そんなTホテルチェーンだが、最近また妙なウワサが流れている。  Sさん(48歳、会社経営)はある日、神奈川県内のJR駅前にあるTホテルに宿泊した。数日前に外資系法人の運営するホテル予約サイトで予約を入れ、銀行のデビットカードで決済を済ませておいた。ところが、当日チェックインしたところ、ホテルの従業員は「宿泊料金が未払いなので、この場で支払ってほしい」と言う。Sさんはフロントで言い合いになるのもどうかと思い、仕方なく支払ったが、どうも気に入らない。「予約時と宿泊時で二重払いではないか。予約時に決済した(すでに預金口座から引き落とされていた)お金はどうなっているか」と聞いたが、ホテル側は「それはカード会社のほうへ問い合わせてくれ」との一点張りだった。  その後、忙しさにかまけてその宿泊料金のことをすっかり忘れていたSさんだったが、数週間後に思い出して口座をチェックしたら、返金はされていなかった。そこでデビットカードを発行する銀行に問い合わせた。電話に出た担当者は、宿泊先のホテルから予約確定の連絡が入らないかぎり、返金は実行されないと説明した。普通は予約が入った翌日、少なくとも2〜3日以内に確定の連絡が来るという。 ●態度を急変させた支配人  Sさんは、今度は宿泊したTホテルに電話すると、支配人が電話口に出た。宿泊費が二重払いになっているから返金してくれと伝えたが、相変わらずカード会社と話してくれと言う。「いや、カード会社は、ホテル側の手続きが必要だと言っている。このままでは明らかな二重払いを故意に返金しなかったということで、消費者団体に訴えるしかない」と主張すると、相手の態度がさすがに変わった。担当部署と相談するという。  業界関係者によれば、苦情が多すぎて対応が大変との理由で、Tホテルには苦情の窓口はなく、すべて支配人が処理するという仕組みのようだ。本件についても、支配人が予約管理を行う関連会社に問い合わせてみると言う。  実はTホテルチェーンは、カード決済で1度ならず事件を起こしている。最も大きかったのは、会員カード情報が大量に外部に漏れ、クレジットカード番号が通販ネットで不正に利用されたため、100万円程度の実害が生じたというものだ。  Sさんはこうしたやりとりを根気よく繰り返し、同ホテル社内でどういう判断になったかはわからないが、最初は2カ月後に返金するというホテル側の言い分をつっぱねて、最終的に2日後に返金させることができた。だが、SさんにはTホテルに対する不信感は拭えない。 「私が返金を申し出なかったら、ホテル側は放置したままだったと思う。ネット上でカード予約決済をするのは普通だから、私のような二重払いの客の申し出がなく、返金されないまま眠っていれば莫大な金額になる。いい加減な対応で済ませるわけにいかないのではないか」とSさんは憤慨する。 ●利用客の苦情を無視するという怠慢  ここで提起された問題は2つある。まず決済と処理のタイムラグによって被る利用者の不利益だ。システムとして二重払いの負担を強いているホテル側の態度は、どう考えてもおかしい。考えようでは故意の悪用も不可能ではないだろう。次に、宿泊客が事実をつかんで抗議しても、一向に対応しないホテルスタッフ、および担当部署の怠慢だ。ホテルがサービス業であることを、一体どれだけの従業員が自覚しているのか疑問といわねばなるまい。  Tホテルの創業者兼前社長には、かつて数々の不祥事で火の粉を浴びながら放った、「時速60キロのところを、68キロくらいのスピード違反ならかまわないと思ってやっちゃった」という名言がある。 「この程度なら許されるだろう」という消費者軽視の態度は、問題視されてもおかしくない。 (文=岩崎寿次/ビジネスコラムニスト) ■おすすめ記事 がんばれ楽天社員! 英語の次はコンピュータ言語公用語化? アップル、電子書籍参入の真の狙いとは?…専用リーダー駆逐なるか 世襲否定のユニクロ、2年後に本当のリスクと試練が訪れる!? プロアナウンサーが徹底調査、日常生活の“ひっかかる”日本語 知られざる文壇という“社会”の裏側…“ドン”丸谷才一の死で終焉を迎えるのか

がんばれ楽天社員! 英語の次はコンピュータ言語公用語化?

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三木谷浩史・楽天社長(「Wikipedia」より)
1月9日の日経新聞朝刊から気になるニュースを拾い読み。まじめな1面記事から、会話のネタに使えそうな記事まで、日替わりでピックアップします。 【注目記事】迫真 楽天・三木谷浩史(3) 役員会は日本語禁止  注目は、総合面から「迫真 楽天・三木谷浩史(3) 役員会は日本語禁止」の記事。先日もピックアップした、楽天の三木谷浩史社長を讃える連載企画の3回目。今回は、有名な英語公用語化についてのエピソードを紹介している。  楽天が英語を社内公用語にしていることは広く知られているが、それを決めた2010年に三木谷社長は中国語の勉強を始めた。すでに英語は堪能だったが、「社員が頑張るのだから俺も」と考えてのことだという。  楽天の競争力の源泉は、4万店にも上る楽天市場への出店者に対するEC(電子商取引)コンサルタントのノウハウ。このビジネスモデルを海外に持ち出すために、英語で海外の社員や出店者に伝える人材が必要と考えたことが、英語の公用語にした理由なのだそうだ。  役員会議ではより高いハードルを設定した。英語のフレーズが思い浮かばない時に、少しだけ日本語を使うことも許さなかったのだという。今では楽天の会議の7割が英語で行われているとのこと。英語能力テスト「TOEIC」の平均点は、10年秋の時点では526点だったが、昨年9月には706点にまで高まった。400点台では「英語での業務遂行は難しい」とされているが、そうした社員はほぼいなくなったのだという。  こうして、英語の公用語化をなかば強引に成功させた三木谷社長が次に検討しているのは、なんとプログラム言語Javaの公用語化。ようやく英語をマスターしたと思ったら、新たな課題が……。プログラムを駆使することで仕事の効率を上げるためなのか、プログラムを理解することでコンサル業務をスムーズに行うためなのか、凡人にはなかなか意図が読めませんが、社員のみなさんは大変ですね。 【1面】原発に非常用冷却施設 規制委が新基準原案  1面トップは「原発に非常用冷却施設 規制委が新基準原案」の記事。原子力規制委員会が作成している原子力発電所の新しい安全基準について、その原案が明らかになったとのことで、概要を解説している。  新基準は「あらゆる過酷な事故は起きうる」ことを前提に、想定外の事態に陥っても、放射能漏れを最小限に抑える体制を義務づけている。一昨年の原発事故では、冷却機能の喪失が過酷な事故を引き起こしたことから、原子炉から離れた場所に非常用冷却施設の設置も義務づける。また、格納容器内の圧力を下げるために行われたベント(排気)が、大量の放射性物質の放出に繋がったことから、フィルター付きの排気設備も義務化する。  また、地震や津波への対策も強化。原発ごとに「基準津波」を設定し、防波堤や防水扉を整備して建屋内に水が入らないようにする。さらに、高台に非常用電源やポンプで冷却を続ける設備の設置も求める。  ただ、これらはあくまで基本条件で、一部では施設などが未整備でも稼働を認めることも検討しているのだという。新たに必要な設備は完成までに数年かかり、大型の原発には数百億円規模の投資が必要になることが見込まれているからだそうだ。  米同時テロなどをきっかけに、欧米では規制が強化されたが、日本は遅れたまま。規制委は早ければ月末にも骨格を公表し、一般の意見を募った後、7月には新基準を決めて再稼働の審査に入る。今回の新基準案は、国民を含む、関係する各方面にどのように受け止められるのか。 【文化面】私の履歴書 渡辺淳一(8) 女生徒から手紙  文化面からは「私の履歴書 渡辺淳一 女生徒からの手紙」の記事。「私の履歴書」は、政財界や文化人など、各界の著名人による自伝的コラム。『失楽園』(角川書店刊)、『愛の流刑地』(幻冬舎刊)などの官能的な小説で知られる渡辺淳一の履歴書なだけに、その内容もご期待通り。  今日は、進学した高校が共学となったことで男子生徒が興奮する様子や、女生徒から「今度のあなたの誕生日、わたしが祝ってあげる」という思わせぶりな手紙をもらったというエピソードなどが紹介されている。しかもその手紙をくれた女生徒の写真付き。ちなみに、1月6日には、中学のトイレに書かれた落書きを“教科書”に、性に目覚めたというエピソードが掲載されている。  思えば、先に挙げた渡辺淳一の代表作も、元は日経新聞で連載されていたもの。日本の経済とはほぼ無関係だけど、日経読者は難しい顔してこういうのを読んできたんですよね。 ■おすすめ記事 大手ホテルチェーンT、相次ぐ不祥事と苦情拒絶の実態 アップル、電子書籍参入の真の狙いとは?…専用リーダー駆逐なるか 世襲否定のユニクロ、2年後に本当のリスクと試練が訪れる!? プロアナウンサーが徹底調査、日常生活の“ひっかかる”日本語 知られざる文壇という“社会”の裏側…“ドン”丸谷才一の死で終焉を迎えるのか

早稲田は正論だけど平凡?“飛んでる”慶應は才能重視?

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早稲田大学(「wikipedia」より)
「ロジック(論理)とコア(原義)を重視した授業」 「授業中に、自らの経験や私生活を織り込んだ雑談をし、アンパンマンの主題歌を熱唱」  1980年代後半から、代々木ゼミナール(代ゼミ)で約25年間にわたりトップ英語講師として前線に立ち続けている西谷昇二氏。  基礎クラスから、「早慶英語」などの難関大学志望者向けクラスまでを担当し、授業の動画は1000以上の塾や学校にも配信、過去の総生徒数は延べ20万人にも及ぶという。  このたび、『dreamtime 負けたら終わりじゃない、やめたら終わりだ』(PHP研究所)を上梓した西谷氏に、  「早大と慶應大の求める人材の違い」  「受かる生徒の共通点、落ちる生徒の共通点」  「トップを走り続けるための秘訣」 などについて聞いた。 ーー私立大学のツートップ、早稲田大学と慶應義塾大学の違いを感じることはありますか? 西谷昇二氏(以下、西谷) あります。早稲田はよくいえば、学生の個性を磨くというか型破り的で、バンカラ風が多く、それが早稲田カラーになっている。一方慶應はエリート的で、「社会の組織の中で自分を生かしていこう」という意識が強いですね。 ーー早稲田と慶應の入試問題から、両校が学生に求めるものの違いというのは読み取れますか?
西谷昇二氏
『dreamtime』(PHP研究所)より
西谷 ええ。まず、両校に共通する点は、学部によって問題の志向が異なるという点です。例えば、早稲田の場合、政治経済学部や法学部の問題は、入学後にその学部で必要となるしっかりした論理的思考をキチッと問うています。  また、早稲田と慶應の問題を比較すると、早稲田のほうが体系化され、論理的で、問題のバランスが取れています。慶應はそれを超えているというか、例えば文学部の英語の長文問題は、文学の根本を意識しているようなところがあります。一方、早稲田の文学部の問題はオーソドックスで、正論ですが、平凡といえば平凡。慶應のほうが文学的です。  例えば、「文学者にとって経験値はいらない」というようなところまで行ってしまう。フランスの象徴派、ヴェルレーヌやボードレールなどは「経験は何も教えなかった」と言っています。「持って生まれたものに勝るものはない」という発想ですね。経験を否定しているのではなく、生まれたばかりの赤ん坊の純粋さ=才能に勝るものはない。それをどう経験値でカバーしようとしても、根本的にダメで、文学とはその「根っこの部分」を表現するものではないか? と、そういう部分まで理解しないと答えられないような問いを、慶應の文学部は出題してきます。  しかし、早稲田の文学部はそこまで行かず、「夢があれば人間の現実世界を広げてくれる。その夢を見させてくれるのが文学的装置だ」というような、教科書的な論理ですね。  慶應の問題のほうが「飛んで」いて、本質的で解きにくい。早稲田は入学後に学んでいくための基礎を確認していますが、慶應は才能を見極めているようなところがあります。 ーービジネス社会では、会社トップに早慶出身者が多いように思えますが、西谷さんから見て、なぜだと思われますか? 西谷 伝統の中で磨かれた良さもあるでしょうし、社会のシステムも影響していると思います。芸術、音楽では学歴は関係なく、才能だけが問題となりますが、ビジネスは縦のつながりが大切ですから……。ただ、僕はそうしたところから離れて生きてきたので、よく分かりません。 ●受かる生徒と落ちる生徒 ーー大学に受かる生徒と落ちる生徒の違いは何でしょうか? 西谷 2つありますね。ひとつは精神面。受かる生徒は、2学期になると「絶対受かる」という気持ちが形に表れてきます。「意志(Will)が未来(Will)をつくる」という意味での「Will」ですが、意志未来が単純未来に変わってくるのが9割くらいですね。「なでしこ」と同じで、意志が強くなると成果に結びつきます。  その意志は、不況ですから、東大早慶に入学して大企業に入らないと「良い仕事に就けない」という恐怖もあるでしょうし、「友人が合格したのに、自分が浪人でいるのはイヤだ」というライバル意識もあるかもしれません。しかし、本当は内的動因が「end」=「目的」につながっているかが大切で、強い気持ちを持っているかですね。  それから、技術面があります。まず、自分の現状、偏差値を「見たくない」という人もいますが、自分の現状を分析します。次に敵の分析です。これは2学期ですが、志望大学の入試が何を求めているのか分析する。これを可能にするのが、それまでに培った基礎力です。客観的に見るツールはこちらが用意します。  ビジネスと同じで、その後、5カ月で自分の現状と敵の求めとの差を埋めるために「何をすべきか」計画を立て、あとは階段を上るように一歩一歩進んでいきます。  この2つができてくると、受かるかどうかは見ていてある程度わかります。落ちる生徒は、自分がなく、周囲に振り回され、踊らされる人です。そういう生徒は自信がないのか、大げさなことを周囲に吹聴しますね。11月頃スランプに陥るのもこのタイプです。精神面の充実と技術面が合わさった時、9割程度の確率で合格の可能性が出てきます。それは、「Will」(単純未来)の確率でもある。 ●不純な動機から予備校講師へ ーー西谷先生は、なぜ代ゼミの英語講師になられたのですか? 西谷 大学を6年かかって卒業した後、フリーターをしていて、詩や小説など文学に興味があり、「できたらその方面で仕事をしたいな」と思っていましたが、とりあえず食っていかなければならないので、親のスネをかじりつつ、塾講師のバイトをしていました。吉祥寺のマンツーマンの塾から始め、徐々にステップアップして2度ほど塾を変わり、最後に代ゼミにたどり着きました。29歳の時にある女性と知り合って、とにかく飯を食わなければならないので、代ゼミ一本になりました。つまり、夢があって講師になったというより、「手っ取り早く食っていくため」ということでした。 ーーもともと塾講師になろうと思っていたわけではないのですね。 西谷 全然ない。どっちかというと、先生という職業は嫌いでしたね。その女性と結婚した時に「ダイヤを買ってあげよう」と言ったら「小さいダイヤはいらない」と言われ、「代ゼミに入って人気講師になれば、給料が上がるだろう」と、非常に不純な動機がきっかけでした(笑)。 ーー奥さんは、そこを計算していたのですかね……。 西谷 そうだと思います。こちらも心地よくコントロールされている。 ーー代ゼミに入られて人気が出たのは、いつ頃からですか? 西谷 入ってすぐでした。初年度は代々木本部のほか、立川や大宮でも講師をしていましたが、僕は2年目でトップになりました。それまでに自分の中にたまっていたものが一気に噴き出した感じでした。時代的な背景もありました。当時は予備校文化の黄金期でした。僕も30代で、自分の価値観を生徒たちに伝えだした頃です。30〜40代の時は、時代の空気が合っていましたね。 ●遅れが後に役に立つ ーーなぜ人気が出たと思われますか? 西谷 浪人生の生徒たちは、自分の同級生が東大早稲田、慶應に進学して、自分は随分置いていかれた感じを抱いています。でも、僕自身の20代の経験から「遅れが後に役立つ」というポジティブな価値観を持って、彼らに伝えていましたし、文学など好きなことに打ち込んでいた経験が、生徒のモチベーションに良い影響を与えていたのだと思います。  もう1つは、友人が29歳で死んだことです。彼の死には随分と喪失感を感じていましたし、何かに対する強くて漠然とした怒りもあった。そこで、当面の目標を超えることによって自分が将来やりたい夢に近づき、自分の技術やノウハウで乗り越えることで、人間的にも磨かれた生徒を多くつくることが、友人に対する供養になるんじゃないかと。当時はあまり意識していませんでしたが、今振り返ってみると、そういう情熱が生徒に伝わっていたのかもしれません。  僕は、本当の意味で自分がやりたいことにつながっていないと、モチベーションが湧かないと考える古典的な人間です。自分のやりたいことが将来あって、その自分の将来の1つのステップとして大学受験があるので、生徒にも打たれ強くなってもらわないと困ると考えます。 ーー生徒に人気が出てくると、講師の間でやっかみやねたみはありませんか? 西谷 正直やっかみはたくさんありましたが、基本、忘れてしまいます。代ゼミの1年目、5人の講師で英語を担当したのですが、僕は早慶上智の最上位コースを担当したため、「出る杭は打たれる」で、ほかの講師が、生徒にマイナスの部分をいろいろ吹き込む。「テキストが厚すぎる」とか、西谷は「ICU出身と言っているが、本当は◯◯大だ」とか。それで、200人いた生徒が60〜70人に減っていきました。こっちは恐怖です。年契約の時給で働いていて、プロ野球の選手と同様に11月に翌年の契約を更新します。あまり人気がないと、クビになることもありますから。  噂を信じた生徒もいましたが、残ってくれた生徒もいましたので、そこに対してはきちんとした授業をしようと思いました。精神的にはプレッシャーがかかりましたが、残ってくれた生徒に対して、それまで以上に集中しました。工夫して、朗らかに明るく、誰よりも良い授業をしようと心がけました。そしたら生徒が少しずつ戻ってきましたし、自分自身の技術も磨かれました。    どの世界もそうですが、トップになるより、トップの座を維持していくことのほうが難しい。落ちそうになった時のひとつのポイントは、それをどう受け止め、「自分をどう変えていけるか」です。 ●トップに立ち続ける秘訣 ーー西谷さんは代ゼミで教壇に立たれて以来、25年の間、常にトップの人気を保っておられますが、その秘訣は何でしょうか? 西谷 原点は情熱ですね。トップに立つための情熱を、いかに維持していけるか。誰でもトップに立つと慢心してしまう。まず、一番は体力ですね。今、週20コマの授業を持っていますが、入れようとすれば30は入ります。しかし、週30コマを受け持つと、その1年はよくても、その後、続かなくなります。それで空いた時間で体力をつくっています。以前はジムにも通いましたが、今はもっぱら代ゼミでエレベーターを使わず、階段の上り下りをしていて、1日平均20階分は上っていますね。1年続けると、エベレストを2回ほど登ることになります(笑)。ちょっとした工夫で楽しくなりますね。足腰も強くなって、授業にも役立ちます。階段を上る途中で考え事もできるし、年を取っても頭の回転が良くなる。  それから、旅をしますね。仕事を極端に多くしないのもそのためで、ある程度休みが取れるので、前もって予定を決めて、1年に5〜6回は海外へ行きます。違う空気を吸ってリフレッシュするのは、教えるためにも役立ちます。また、本を書いて自分の体験を振り返る。本のタイトルにもなった「dreamtime」というのはそういうことで、生活をして、旅をして、記録に残す。生活を異なる視点から見ると、活性化します。  特に書くことは大切ですね。書かないと、なんとなく日々の生活が過ぎ去ってしまう。僕の場合、2〜3年に1冊のペースで書くことで、書きながら頭を整理するので、新しい情報が入りやすくなります。 ーーそんな西谷さんが、このたび『dreamtime〜』を上梓されたきっかけはなんでしょうか? 西谷 これまで自己啓発書を3冊書いていますが、どれも執筆時間のゆとりもあまりありませんでした。今回は「自由に書いてもよい」ということで、1年半、じっくりと自分と向き合って書きました。予備校の講師を25年間続けてきた区切りにもなると思いました。    僕は今、56歳ですが、人生はだいたい30年を1ジェネレーションで回ると考えていて、60〜90歳まで、どう生きていくかをそろそろ考えてもいいかなと思いました。  大学を卒業して就職し少したった25〜26歳は、仕事がうまくいっていればそれを膨らませていけばいいと思いますが、人生にある種の違和感を感じることもあるだろうし、いろいろ複雑な時期だと思います。30歳くらいまでに、ある程度、自分のポジションを決めておいたほうがよいのではないでしょうか。そういう意味で僕は今、30年=1ジェネレーションで考えると、25〜26歳の人とかなり共通点があるといえますね。 (構成=編集部) ■おすすめ記事 IBM大量解雇、ついに訴訟へ「明日から出社不要」(上司) “問題児”せんとくん大出世?出生の秘密と多額の経済効果 30周年の好調TDL、米国本家からの独立路線戦略の舞台裏 理不尽なクレーマーを黙らせる3つの方法 スマホ、自由にアプリいじれるガジェット…生誕の地は日本?

IBM大量解雇、ついに訴訟へ「明日から出社不要」(上司)

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日本IBM本社
(「Wikipedia」より)
「ルーマー(噂)は真実だった」  あるIBM社員は、不安を隠さない。  ドイツでコストカッターの異名を取ったマーティン・イェッター氏が日本IBMの社長に就いたとき、大規模なリストラが始まるとの見方が流れた。報道陣に真偽を問われたイェッター社長は、「それはプレスが言っているルーマー(噂)だ」と一蹴したが、その舌の根も乾かぬうちに常軌を逸したクビ切りが始まった。  複数の社員によれば、それは決まって夕方、退社時間の少し前に起こる。上司から突然呼び出され、別室で解雇が通知される。併せて「退社時間までに荷物をまとめて会社を出るように。明日からは出社に及ばず」と告げられる。業務の引き継ぎもなければ、同僚へのあいさつもない。問答無用で社員を叩き出すこうした解雇は、ロックアウトと呼ばれる。  解雇理由は「個人の勤務成績不良」というが、どの解雇通知にも同じ定型文が印刷されているだけ。その内容は 「貴殿は、業績が低い状態が続いており、その間、会社は様々な改善機会の提供やその支援を試みたにもかかわらず業績の改善がなされず、会社は、もはやこの状態を放っておくことができないと判断しました。以上が貴殿を解雇する理由となります」 というもので、一言一句変わらず、個人ごとに業績や努力を検討した形跡はうかがえない。  IBM関係者が語る。 「しかもその際、自ら退職する意思を示せば解雇を退職に切り替え、退職加算金と再就職支援をする、と付け加えるのです。それを選べば、解雇撤回を争う道はほぼ閉ざされますが、切羽詰まったなか、加算金を選ぶ被解雇者が多いようです」 ●解雇撤回を求めた裁判始まる  そうしたなか、JMIU(全日本金属情報機器労働組合)日本アイビーエム支部に所属する3人が、解雇撤回(従業員としての地位確認)を求め会社を訴えた裁判の第1回口頭弁論が、12月21日、東京地裁で開かれた。傍聴席の定員98人の大法廷(103号法廷)が同僚や友人らで埋まるなか、解雇された原告男性が意見陳述に立った。26年間尽くしてきた会社から9月20日にクビを告げられた彼には、小学1年生の息子がいる。  妻が彼に言った。 「小1の息子にとって、働いていないお父さんはありえない」  彼も「ありえないな」と考え、妻子と別居し、実家に越した。息子には「実家のほうが会社に近いから、実家から通うね」と言い含めて。  弁論が終わった後、彼は「解雇されてから、私は悲しい気持ちを封印することで、なんとか生きてきました。それが裁判の準備のなかで封印を解き、気持ちを公にすることにしました。陳述を原稿に起こしている最中も涙がこぼれましたが、満員の傍聴席を見て勇気が湧きました」と振り返り、こう付け加えた。 「解雇を撤回させ、この社会が幸せに満ちていることを息子に伝えたいんです」  彼が意見陳述で明かした「Uの話」には、どよめきも起きた。  上司が親指と人差し指で「U」のかたちをつくって見せ、「これだろ?」と質問。「Uですか。ユニオン、組合のことですね?」と答えると、「活動やっているのか」「これ(U)は良くない」と言葉を重ねた、という。別の上司は「組合に入っていると不利な査定がなされるという事実を知っていますか」と迫った、と彼は述べた。  こうした言動の詳細、さらに今回の解雇との関連は現時点では不明だが、「この解雇は労働契約法第16条(合理性と相当性を欠いた解雇の禁止)に違反するが、組合差別が理由なら、労働組合法に違反する不当労働行為になる」とベテラン労働弁護士は解説する。日本IBMは組合員も対象に含むロックアウト型解雇について組合との団体交渉を誠実に行わなかったとして、東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てられている。 「9月の1カ月だけで200人が切られた」(中堅社員)とも言われるIBMリストラだが、「現在、職場は不気味なほど静かです。予断は許しませんが、裁判に立った3人の勇気が、ひとまず新たな解雇を止めているのだと思います」とJMIUの三木陵一書記長は言う。  IBM解雇は国会でも取り上げられ、2012年11月13日の衆議院予算委員会で野田佳彦首相(当時)は、「もしそういうことがあるならば、それはあってはならないやり方であります」と答弁した。  折しも、電機業界では13万人リストラの真っただ中だが、「ほとんどは希望退職」(業界関係者)。先の弁護士のコメントにもあるように、正社員を簡単には解雇できないからだが、万が一にもIBMの「あってはならないやり方」(野田氏)がまかり通ってしまえば、今年は「派遣切り」ならぬ「正社員切り」の嵐が吹き荒れかねない。 (文=北健一/ジャーナリスト) ■おすすめ記事 “問題児”せんとくん大出世?出生の秘密と多額の経済効果 理不尽なクレーマーを黙らせる3つの方法 30周年の好調TDL、米国本家からの独立路線戦略の舞台裏 スマホ、自由にアプリいじれるガジェット…生誕の地は日本? マンガ賞乱立のカラクリ、主催者のメリットなしでもなぜ盛り上がる?

楽天、本気の打倒アマゾン表明を“盟友”講談社社長が暴露?

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koboを販売する楽天のHPより
 1月7日の日経新聞朝刊から気になるニュースを拾い読み。まじめな1面記事から、会話のネタに使えそうな記事まで、日替わりでピックアップします。 【注目記事】業を起こす 楽天・三木谷浩史(1)  注目は、総合・政治面から「迫真 業を起こす 楽天・三木谷浩史(1)」の記事。キンドル・ファイアの発売で日本市場を震撼させているアマゾンに対抗心を燃やす楽天の三木谷浩史社長の素顔を追っている。  現在楽天市場の取扱高は約1兆2,000億円で、推定7,000億円のアマゾンを抑えてはいる。しかし世界の売上高で見るとアマゾンは楽天の約10倍。そのアマゾンがタブレット「キンドル・ファイア」を引っ提げて国内市場に本格的に攻めてくることに対し、当然三木谷社長も危機感を抱いている。週イチで開かれる「朝会」で、アマゾンの動向を注視せよ、と本部社員全員に対し呼びかけているのだそうだ。  こうした動きを予見してか、三木谷社長は、昨年1月、カナダの電子書籍販売会社、コボを買収している。コボはカナダやフランスの電子書籍市場で首位に立つ有力企業。このコボで国内の電子書籍市場を掌握すべく、コンテンツの提供を依頼したのが講談社だ。  社長の野間省伸とは、05年頃に楽天がTBS買収に動いていた頃からの付き合い。三木谷社長は、講談社の持つTBS株は売ってもらえなかったが、同世代で気が合ったことから交友が始まり、今では酒を酌み交わすほどの仲となっている。野間社長はコンテンツの提供を約束した。  その野間社長は、昨年7月に都内で開かれた国際電子出版EXPOで、三木谷社長にもらったというTシャツを“暴露”している。迷彩柄のシャツの胸に「打倒アマゾン」とプリントされた、ストレートすぎるデザインのTシャツで、客席からはどよめきが起き、この写真が海外にも配信されて注目を集めた。  三木谷社長は、このTシャツのデザインを“シャレ”と笑い飛ばしたが、「日本にとどまるつもりはない」という社内外へのメッセージとも話しており、「打倒アマゾン」に対する“本気”も伺える。社内公用語の英語化も、「来るべき世界戦争」に備えたものであることは間違いない。  97年に楽天がネット通販事業に参入した時、商社やNTTは同事業に苦戦しており「バカげたことを」と笑われた。しかし、それから15年で、同社の取扱高は、百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングスの売上高と並ぶほどに成長。三木谷社長は、「簡単じゃないのは分かっている。米国でもアマゾンに挑む企業はほとんどない。でも、僕らはバカだから『できるんじゃないか』と思っている」と控えめな表現ながら、強い自信をにじませている。  以上、ルポルタージュという名目のヨイショ記事。とはいえ、国内企業の世界進出は景気浮揚のカギでもあるので、三木谷社長、これからも頑張ってください! 【1面】スマホ向け動画、春からTVに配信  1面トップは「スマホ向け動画、春からTVに配信」の記事。この春、NTTドコモ、KDDIが、自社スマートフォンのコンテンツ加入者向けに、ネット経由で映画や音楽を配信する「スマートテレビ」のサービスを開始するとのこと。両社とも既にスマホ向けに月額500円程度で動画や音楽コンテンツを提供しているが、これを自宅のテレビなどで視聴できるようにするのだそうだ。  サービスが本格的に始まれば、衛星放送やCATVといった映像配信サービス市場の競争が活発化し、料金の低下やサービスの向上などにつながる可能性がある。  スマートテレビは徐々に浸透しつつあり、日本の有料多チャンネルサービスの利用世帯のうち、スマートテレビなどネット経由の映像サービス加入者は、3年で3倍に成長。16年までにさらに7倍にも増えると予想されている(総務省調べ)のだそうだ。  ちなみに料金だが、ドコモは現在も配信中のスマホ向けサービス「ビデオストア」(映画・音楽ビデオ合わせて7,000作品)が月額525円、「アニメストア」(アニメ600作品)が同420円で見放題。KDDIは、動画配信「ビデオパス」が月額590円、音楽配信「うたパス」が、月額315円で利用し放題となる。ソフトバンクも同様のサービスを検討しているが、料金は月1,000円前後となる見通しだそうだ。  ただこれらのサービス、現状ではコンテンツの数が少なかったり新作が少なかったりと、物足りなさを指摘する声も多い。低価格や手軽さで利用者を急に増やしても、内容の充実が伴わなければ、いずれ伸び悩むことになる。今後はコンテンツの充実に期待したいところだ。 【金融面】はや耳 保険ショップ急増、生保レディー争奪戦  金融面からは「はや耳 保険ショップ急増、生保レディー争奪戦」の記事を紹介。複数の保険会社の商品を窓口販売する「保険ショップ」の急増により、俗に「生保レディー」と呼ばれる女性営業職の“奪い合い”が勃発しているのだそうだ。  その傾向は数字にも表れている。大手生保9社の昨年9月末の営業職員数は20万強で、前年同月比で1%の減少。この3年ほど減少が続いていて、流出先は保険ショップなのだという。  保険ショップは、保険に興味を持った人が訪れるため、これまでの飛び込み勧誘に比べると「体力的に楽な面がある」(大手生保幹部)のだという。さらに、固定給の割合もおしなべて高いそうで、安定した年収を稼げることも人気の理由なのだとか。保険ショップを運営する大手4社は今後3年で現在の2.5倍の店舗増を目指しており、生保レディーモテモテの状況はいっそう強まるとみられる。  昼休み、生保レディーが突如職場に現れ保険の勧誘をしていく光景も、次第に過去のものとなってしまうのだろうか。 ■おすすめ記事 楽天社員「社内流行語は『大事な点なので日本語で話します』」 マンガ賞乱立のカラクリ、主催者のメリットなしでもなぜ盛り上がる? 中国で“幸せに”生きる日本人・和僑から見える日中のリアル セコムの飛行監視、進化するルンバ…日常に溶け込むロボット技術の現在 巨悪を撃つべき“身勝手”検察特捜部が、中小企業を潰した訳

マンガ賞乱立のカラクリ、主催者のメリットなしでもなぜ盛り上がる?

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このマンガがすごい! 2013
『このマンガがすごい! 2013』(宝島社)
 『俺物語!!』という作品が、2012年末のマンガ賞をにぎわせていた。  12年12月10日発売された『このマンガがすごい!2013』(宝島社)でオンナ編1位、11月発表の「コミックナタリー マンガ秋100」(コミックナタリー)でも1位と、とにかくプッシュされているのだ。  各サイトやブログでもレビューが上がっているから作品の説明は簡単に留めておくが、柔道部の角刈り、こわもての男子高校生が、すごくかわいい女の子から告白されて、付きあって、ルンルン……という、男子の妄想が具現化したみたいなマンガだ。しかも、これの連載誌が、少女マンガの王道雑誌「別冊マーガレット」とくると、昨今のマンガの混沌ぶりも伺えよう。  そもそも、そんなマンガ賞自体、かなりの数が乱立している。上記にあげた、「このマンガ」、「マンガ秋」のほかにも、「マンガ大賞」(有志)、「このマンガを読め!」(「フリースタイル」誌上)、「NEXTブレイク漫画ランキング2012 BEST50」(「オトナファミ」誌上)のほか、小さな賞も含めるとかなりの数がある。  これらの賞は、いったいどういうビジネススキームで運営されているのだろうか。その実態をシンプルに見るならば、本の売り上げだろう。 「このマンガがすごい!」(予想実刷数6〜7万部)や「オトナファミ」(エンターブレイン刊。/書店向け刷数7〜8万部)、「フリースタイル」(フリースタイル刊/予想実刷数5000〜1万部)などが、これにあたる。それなりに、部数も出ているのだ。  このほか、「マンガ大賞」は、日本放送・吉田尚記アナウンサーが中心に作った団体で、「手弁当」で、お祭り好きの人によるボランティアで運営されているというが、インディーズ企画なのにこれはこれで書店などでも大きく扱われているから、すごい。  ただし、「NEXTブレイク漫画ランキング2012BEST50」を特集にした「オトナファミ」9月号は前後の特集号と比較すると、10%程度、書店での売り上げが小さく、必ずしも「おいしいネタ」になるわけではない。同様に「このマンガがすごい!」もそれほど儲かっていないはずだし、さらにいえば、「フリースタイル」などは、実売数から採算が取れているとはとても思えない。当然、ボランティアの「マンガ大賞」は儲からない。それにもかかわらず、これらの賞が、身の丈より必要以上に大きく取り上げられているのには、事情がある。  たとえば、11年の「このマンガがすごい!」オンナ編1位の『花のズボラ飯』は、1万部売れれば御の字の近年のマンガ単行本のなかでは異例といえる、20万部に近い数数をマークしている(推定)。また、オトコ編1位の『ブラックジャック創作秘話』についても、「このマンガがすごい!」が発表となった11年の年末の1カ月の数字を見れば、発売初月の10倍以上の冊数が売れているから、こちらも影響は驚異的だ。  この出版不況下でこれらの賞は、マンガ出版社にとっては、乗っかって盛り上げれば盛り上げるほど儲かる、お得な賞なのだ。  それだけに、12年は集英社が、オトコ編・オンナ編でダブル受賞、11年は秋田書店がダブル受賞となり、「このマンガがすごい!」については、2ちゃんねるなどで、「癒着」がことさら言われる。  これに関しては「たぶん、これはうわさにすぎません。『このマンガがすごい!』は、投票や集計の方法が誌面に明確に載っていますし、宝島社は昔から、『このミステリーがすごい!』など、この手の企画をたくさんやってますから。『このミス』などのブランドイメージもあるでしょうから、本が売れなくて、お金をもらわなければ立ちゆかぬようなら、賞自体はなくなるかもしれませんね。これらの名を冠した新人賞なども運営しているし、ブランドイメージ作りという意識も強いのではないでしょうか。もっともそれは、『このマンガがすごい!』だけじゃなくて、どの賞もいっしょだと思いますよ」(編集部に近いライター)とのこと。  ただ、「上位に入賞した出版社の販売担当者が、『うちは1円も払っていないのに、なぜか上位に入ってて……?』と、取次(本の問屋)の窓口で不審がっていたという話も聞きました。業界にもわりと素直に信じている人もいるみたいですね(笑)」(同)とも話す。  昨今の冷え込んだマンガ市場を鑑みるに、「お金を払えば1位になれるなら……」という出版社があってもまったくおかしくはない。飛び交うさまざまな思惑のなか、今後、これらの賞はどう変わっていくのだろうか。 (文=オオタシンイチ) ■おすすめ記事 楽天社員「社内流行語は『大事な点なので日本語で話します』」 楽天、本気の打倒アマゾン表明を“盟友”講談社社長が暴露? 中国で“幸せに”生きる日本人・和僑から見える日中のリアル セコムの飛行監視、進化するルンバ…日常に溶け込むロボット技術の現在 巨悪を撃つべき“身勝手”検察特捜部が、中小企業を潰した訳

“自信過剰”ゴールドマンサックス社員との合コン実況中継!

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ゴールドマン・サックス証券が入居する
六本木ヒルズ(「Wikipedia」より)
 多い時は年間500以上の合コンをこなし、これまでの合コン回数は3000回以上の合コンプランナーとして、テレビ、雑誌などのメディアに多数出演している安藤京花氏。合コンサークル「カリテクラブ」運営会社のオフィスカリテ代表取締役を務める一方、定額制エステ『サロンドマシェリ』の代表でもある安藤氏が、合コンから垣間見えたアノ有名企業や人気業界の裏側に迫る!   あれはとある夜の20時頃、六本木の西麻布交差点で女友達と信号待ちをしていた。季節は12月で、信号を渡る足が早まるほどの寒さだった。  近くのレストランで食事をしようと友人と相談していたら、ふいに肩をたたかれ「あのー、もしかして今お時間空いてますか?」と、20代後半の高そうなスーツを着こなした男性2人組が話しかけてきた。 「なんで?」と聞き返すと、私たちの前で冷たい地面に土下座をして、こう言った。 「お願いします! 今そこのお店で先輩と取引先のお客さんと飲んでいるのですが、女性の人数が足りなくて、先輩から『ナンパしてこい!』と言われ、お姉さんに声を掛けさせてもらいました。なかなかナンパが成功しなくて困っているんです! 1時間でも30分でもよいので、人助けだと思って来てもらえませんか?」  友人は、「やだー、接待でしょ? それ」と断ったら、 「いえ! 別に、お客さんにお酌をしてほしいわけじゃないんです! 横に座って、笑って話を聞いていてもらえたら十分です! 女性を連れて帰らないと、先輩に何されるかわからないんです、本当に助けてください」 と言われ、「横に座って笑ってあげるのって、接待じゃないんだ……」とポカーンとしてしまいました。  涙目で男性が私たち2人に拝むので、「なんとなく暇だし美味しいものも食べられそうだし」ということで「わかったよ、じゃあ30分だけね」と答えたら、「本当にありがとうございます! 本当にありがとうございます!」と何回もお礼を言われた。 ●できない部下には罰ゲーム  どうやら先輩はこの手のナンパをよく後輩にさせるらしく、できない部下には電柱に登らせ1時間反省をさせるという罰ゲームを強要するらしい。なんとも「おかしい会社だね」と歩きながら会社名を聞くと「GSです、ゴールドマン・サックス証券です。職場が、すぐそこなんです」とのこと。男性2名は先ほどの腰の低い申し訳なさそうな態度から一転して、「俺たちの先輩もお客さんも皆羽振りよくてかっこいいから、きっとお姉さんたちも楽しめますよ!」と自信満々で、その先輩とやらが集まるレストランに案内された。  扉を開けるなり、ものすごい人数に圧倒された。30人はいるだろうその集まりは、もはや食事会ではなくパーティーだった。しかも男性は皆高そうなスーツ、女性は結婚式の2次会のような素敵なドレスを着込んだ美人さんぞろいだったのだ。私たちは口をあんぐりしながら席へ案内されたが、正直ナンパさせるほどの男性たちだから、しょぼいんだろうとナメてたら「あ、こんばんは。すごい綺麗なコたちを連れて来てくれたね~。お前たち偉いぞ、もういいから、あっち行っていいから」と部下はさっさと下げた。そしてその先輩らしき彼らは、高級時計を見ながら「何飲む? あ、君たち仕事は何かな?」と質問攻めしてきた。質問にある程度答えたら、 「いいね~、君たち本当にいいね~、来週の○日空いてる? 合コンするんだけど、よかったら来ないかな? 有名な大手の社長さんたちが来るよ、今まで味わったことがない最高の合コンだよ? 友達も呼んじゃう? 誘っていいよ、だけど可愛い子ね」 と熱心に合コンの誘いをしてきた。  ナンパされ、合コンのお誘いをされ、確かに部下くんの言うとおり「接待」はしないで済んだけど、「金融の仕事って、合コンセッティングがメインなのかな?」と疑わずにはいられない、軽いノリのGS諸君たちとの合コンでした。 <GSの合コン> ライオンの群れに似ている(部下を泳がせて、先輩は連れてきた女性を口説くのみ!)。 (文=安藤京花/合コンプランナー、オフィスカリテ代表取締役) ■おすすめ記事 巨悪を撃つべき“身勝手”検察特捜部が、中小企業を潰した訳 野村社員「部下は監禁・罵倒し、顧客に損さてもノルマは死守」 三井住友銀行員が語る「エリート銀行員のトンデモ実態と“癖”」 安倍政権、金融緩和による円安・株高政策が見落とすワナ 不倫にハマる大手新聞社社長…ホテルのスイートでシャンパン

パナソニックとシャープの経営危機…銀行管理も待ったなし

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) グリー、楽天、ワタミetc.サイゾーが"イジってきた"企業記事 “ずさん”格付け会社が窮地へ?S&P行政処分で発覚… 居酒屋で“○○○○○”を頼む人はお金が貯まらない? ■特にオススメ記事はこちら! パナソニックとシャープの経営危機…銀行管理も待ったなし - Business Journal(12月23日)
パナソニック
どこもテレビがネック。(「パナソニックHP」より)
「社長 島耕作」が社長辞任――。「モーニング」(講談社)の2012年12月6日号で島社長が2期連続の大幅赤字を計上する責任を取って辞意を伝えたことが、ネット上で反響を呼んでいる。  島耕作シリーズは弘兼憲史氏の代表作。大手家電メーカーのモデルが、弘兼氏が勤めていた松下電器産業(現・パナソニック)であることは有名な話だ。作品にもパナソニックの苦境が投影されている。  13年3月をメドに、プラズマディスプレイパネル(PDP)の新たな研究開発を中止する。プラズマテレビといえばパナソニック。パナソニックといえばプラズマテレビだ。国内メーカーで唯一、PDPを作っているパナソニックが基礎技術の研究開発を断念するというのだ。同社は今後、液晶パネルや有機ELパネルに技術者をシフトする。パナソニックがテレビの世界戦争で完全に敗れたことを示す、歴史的な出来事である。  パナソニックの敗戦の原因を探ることにする。3人の経営トップの時代を経て、パナソニック、ここまで落ちた。  2000年に社長に就任した中村邦夫がプラズマTVへの巨額投資へと経営の舵を切った。03年当時、松下電器(現パナソニック)には「プラズマは液晶より画面が明るい」という、一種のプラズマ神話があった。創業者の松下幸之助にはじまり、常にユーザーの声を聞くことで成長してきた会社なのに、薄型テレビの開発ではプラズマのみに注力して液晶TVにはほとんど見向きもしなかった。日立製作所などプラズマ陣営が次々と撤退する中、中村はプラズマにこだわり続け、6000億円超を注ぎ込んだ。  薄型テレビの顧客ニーズを無視した戦略に、社長の器でない人物の社長就任が追い打ちをかけた。大坪文雄は2006年に社長に就任し、会長になった中村のプラズマ拡大路線を引き継いだ。大坪はグローバル企業を統率できる経営者ではなかった。ここにパナソニックの最大の悲劇がある。  09年末には三洋電機株式のTOB(株式公開買い付け)を実施し子会社にした。三洋は既に国際競争力を失い、経営破綻の危機に陥っていたが、パナ-三洋の両社の強みを生かせばシナジー(相乗)効果を出せると盲信した。三洋電機の買収は完全に、戦略上の失敗であった。6700億円を投じ、ガラクタ会社を手に入れたのである。  12年に社長に就任した津賀一宏は、尼崎のプラズマパネル工場を視察して「戦艦大和だ」と呟いた。津賀は中村-大坪路線の完全否定から出発したが、社長に就任するのが1年遅かった。戦艦大和は太平洋戦争の末期、沖縄に特攻出撃して、米航空機動部隊に撃沈された、戦略上は無用の長物だった。戦艦大和に引っかけて津賀は無謀なプラズマ拡大路線を批判したのだ。もう1年早く津賀が社長に就任していれば、13年3月期の7650億円の赤字は半分に抑え込めただろうとアナリストは指摘している。  ここまでがパナソニックに起こった悲劇のおさらいである。  ここからが、今、起こっていること。そして、これから起こることである、 ●資金確保のため、スポンサーは打ち切り。銀行と融資契約  プロゴルファーの石川遼との所属契約を13年1月で終了する。08年1月から5年間の契約を結んでいたが、延長しない。主催する国内男子ツアーのパナソニックオープンも、13年の第6回大会を最後に打ち切る。三洋電機から引き継いだ女子バドミントン部や男子バスケット部も休部。企業スポーツからも足抜きする。  冠イベントや企業スポーツの中止は、銀行の軍門に下ったことを象徴する出来事といえるだろう。かつて豊富な資金力で「松下銀行」と言われたパナソニックは、銀行からの借り入れに頼ることはなかった。  10月末、今期7650億円の最終赤字を計上すると発表して、社債市場で“パナソニックショック”が起きた。取引開始直後から同社債に売り注文が殺到した。株式市場でも同様のことが起きた。11月2日の東京株式市場でパナソニックの株式時価総額が一時、1兆円を割った。1兆円割れはデータをとることができる86年以降では初めて。06年の時価総額のピーク時から7分の1に目減りした。欧米系の格付け会社フィッチ・レーティングスは、パナソニックの会社格付けを「投機的な水準」に引き下げた。  薄型プラズマテレビの不振に三洋電機の戦略的買収の失敗が重なり、有利子負債は08年3月期の3886億円から12年9月末には1兆5616億円と4倍に膨らんだ。かつて2兆円以上持っていた現金・預金は、12年9月末には4713億円にまで減ってしまった。株価は11月6日に376円まで下げた。もちろん年初来の安値。37年9カ月ぶりの歴史的安値だ。会社格付けが投機的な水準に引き下げられたことにより、社債市場からの資金調達が困難になり、「会社存亡の危機」に立たされたのである。  資金を確保するためパナソニックは銀行と総額6000億円の融資枠契約(コミットメントライン)を結んだ。融資枠を設定すると、あらかじめ決めた期間と金額の範囲内で銀行から資金を借りられる。コミットメントラインの内訳は、主力行の三井住友銀行が2500億円、三菱東京UFJ銀行2000億円、三井住友信託銀行1000億円、りそな銀行500億円である。  これからは株式や社債の資本市場に代わって、銀行の間接融資に全面的に頼らなければならない。銀行に頭を下げて資金を借りたことがなかったパナソニックの経営陣には、屈辱以外のなにものでもなかった。  <主力取引銀行の元首脳は「あれだけ銀行なんか関係ないと言っていたパナさんも、ようやく我々のいうことを聞くようになったわけや」と感慨深げに語った>(日本経済新聞12月13日付)と報じられた。  パナソニックは13年3月28日に、中期経営計画を発表する予定になっている。役員(担当)を含む大量の人事異動、収益の改善が見込めない事業の売却や中止。その前にケータイ事業の中止(撤退)も年内に発表する。今年度中にパナソニック東京汐留ビルを売却するか証券化する方針。汐留ビルは03年にパナソニックが完全子会社にした旧松下電工が東京本社ビルとして完成させたものだ。  パナソニックは他の保有不動産売却も含め、2000億円の資金を捻出する。追加のリストラを含めて単体決算ベースで14年3月期の復配、15年同期の繰り延べ税金資産の復活を目指す。中期経営計画は、銀行の意向を盛り込んだ内容にならざるを得ない。「パナソニックのシャープ化」という厳しい見方もできよう。  シャープはさらに深刻だ。13年3月期に過去最悪の最終赤字、4500億円を見込んでおり、窮地に立たされている。12年9月末時点の現金・預金は2211億円。対して有利子負債は1兆1741億円に上る。シャープも、これまでは銀行からの借り入れは微々たるものだったが、社債市場からの資金調達をシャットアウトされた結果、銀行からの融資に頼らざるを得なくなった。  主力行のみずほコーポレート銀行と三菱東京UFJ銀行が9月末、1800億円を緊急融資し、さらに1800億円の融資枠を設定した。りそな銀行とみずほ信託銀行、三菱UFJ信託銀行の3行は融資枠の一部、400億円程度を肩代わりして、銀行団に加わる方向だ。  続いて、シャープの敗戦について書く。 ●鴻海との提携はすでにネックに……  シャープの失敗は町田勝彦・元社長・会長がオンリーワン経営を貫いたことにある。オンリーワンにこだわり続け、液晶テレビの大成功で、「液晶のシャープ」といわれるまでになった。この、望外な成功体験から、世界一の液晶テレビメーカーを目指した。09年に世界最大の液晶パネル工場が稼働した。関連会社を含めた総投資額は1兆円である。だが、11年以降、3~5割の低稼働率が続く。過大な設備投資のツケで経営が急速に悪化。電子機器受託製造サービス(EMS)の世界最大手、台湾の鴻海精密工業の出資を仰ぐこととなる。  シャープのアキレス腱は、液晶の1本足打法にある。堺工場の稼働率を高めるには鴻海の外販力に頼るしかない。しかし、鴻海との交渉が難航し、提携先を次々に模索しているが主導権は常に、相手側に握られている。中小型液晶の生産拠点である亀山第2工場の稼働率を高めなければ経営が破綻すると、足元を見透かされているのだ。  12年9月中間期の決算短信に、企業継続のリスクとして「継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象の存在」が付け加えられた。倒産予備軍になったということだ。フィッチ・レーティングスは11月2日、シャープの長期信用格付けを「トリプルBマイナス」から一気に6段階引き下げ「非常に投機的な水準」を意味する「シングルBマイナス」にしたと発表した。フィッチは、さらに格下げする可能性があるとしている。シャープの格付けに関しては、米系格付け会社のムーディーズ・ジャパンとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は既に「投機的な水準」に引き下げている。  投機的水準にまで格付けが下がると、資金調達に大きな困難が生ずる。事実、企業の信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で一時、シャープの保証料率は45%に達していた。この数字はシャープの信用リスクを引き受ける投資家が見当たらないことを意味する。シャープの社債の流通価格は、額面100円に対して40円台に急落した。シャープの株式や社債を持っている上場企業は、減損処理を迫られることとなった。  シャープは3月、鴻海と資本・業務提携した。郭台銘・鴻海董事長個人による堺工場への出資は実行されたものの、鴻海によるシャープ本体への出資交渉は暗礁に乗り上げたままだ。  鴻海は670億円(1株550円で9.9%)を出資する計画だったが、シャープの株価が急落したため、みすみす損失が出る出資に二の足を踏んだのである。台湾の金融当局も、鴻海のシャープへの出資を認可していない。  シャープは鴻海に代わるスポンサー探しに奔走した。半導体大手のインテルやクアルコム、パソコン大手のヒューレット・パッカードなどに出資とセットで共同開発を持ちかけた。  12月4日、米クアルコムから最大100億円の出資を受け入れることで大筋合意した。消費電力を大幅に抑えた、スマートフォン向け次世代パネルを共同開発する。シャープが高精細で省エネ性能が高いIGZO(イグゾー)の技術を提供する見返りに、クアルコムがシャープを支援することになったが、これとても100億円程度の出資では焼け石に水である。  13年3月に、鴻海との契約交渉の期限を迎える。交渉を延期するのか破談になるのか。金融機関は鴻海の出資を前提として、つなぎ資金を融資してきた。破談となれば難しい選択を迫られることになる。融資を継続するのか、法的整理をするのか。刻々と最終局面が迫ってくる。  一つだけいえることは、シャープがどうなるかを決めるのは銀行である。経営陣には、その資格も力量もない。(敬称略) (文=編集部) ■おすすめ記事 グリー、楽天、ワタミetc.サイゾーが"イジってきた"企業記事 “ずさん”格付け会社が窮地へ?S&P行政処分で発覚… 居酒屋で“○○○○○”を頼む人はお金が貯まらない? ハーバード流宴会術とは?劇的感動でビジネスの成功を呼ぶ 電子図書館がたった12館…遅れる日本の電子書籍サービス