『ASKA、アンナカ、覚せい剤』

ASKAが逮捕されたことで一躍有名になった医薬品「アンナカ」。あまりの宣伝効果に、精神科の診察室でも「アンナカはありませんか?」と聞いてくる患者がチラホラ出始めた。はたしてアンナカは、合法で安全な「覚せい薬」なのだろうか? アンナカの一般名は「安息香酸ナトリウムカフェイン」で、これはカフェインに安息香酸ナトリウムをくっつけて水に溶けやすくしたものである。効能はASKAが言うように、眠気や倦怠感を改善する。

「診察室に、答えは無い」後編  精神科医ヤブさんの日記

抗うつ薬の副作用に勃起不全がある。薬の添付文書では100人中1人くらいに起こるとされているが、詳しく聞けばもう少し多いのかもしれない。木下さんもそのうちの1人だった。私としては、もう少し長めに飲んで欲しかったが、性生活は夫婦や恋人にとって人生の大切な一部でもある。悩んだ挙句に、思い切って少し減量してみたところ、見事に勃起力が改善した。それがまた木下さんの自信につながり、ついには仕事に復帰するまでに回復したのだ。うつ病が治ったと喜ぶ木下さんに水をさすわけではないが、「再発予防のため、もうしばらくは薬の内服を続けましょう」と念押しし、それには木下さんもしっかり同意していた。

「診察室に、答えは無い」 精神科医ヤブさんの日記

「ヤブ先生、この前から仕事に戻れましたよ! うつ病も治ったし、母ちゃんの夜の相手もできてます」こう言って笑うのは、50代の木下さん(仮名)。前回受診時に、私はそろそろ仕事に復帰することを勧めていたのだ。目に涙をにじませながら、笑顔で木下さんは私の手をとった。