『ザ・ノンフィクション』尊敬できない先輩VS扱いづらい後輩「ボクらの丁稚物語2022 ~涙の迷い道と別れ道~ 前編」

 日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。2月27日の放送は「ボクらの丁稚物語2022 ~涙の迷い道と別れ道~ 前編」。

あらすじ

 横浜市の家具製作会社「秋山木工」では、住み込みで5年間修行する丁稚奉公制度が採用されている。この間、丁稚たちは酒もタバコも恋愛も禁止、携帯電話は私用で使えず、家族への連絡は手紙だけ。朝は近所の清掃、さらに修行期間中は男性も女性も丸刈りという非常に過酷なものだ。

 しかし秋山木工では、高級ブランドショップやホテルなどに納品されるような、一点ものの超高級家具を作る技術を丁稚生活で身につけることができ、過酷な生活ながら丁稚志望者は後を絶たない。だが、半数は脱落してしまうと番組内では伝えられていた。

 2017年、秋山木工に入社した丁稚3人。京都大学を中退して来た、実家が家具製造会社の内藤、造園会社の跡取りの加藤、糖尿病を抱える佐藤だ。

 19年春、そんな3人に2人の後輩が入ってくる。そのうちの一人、山田はシングルファザーとして自分を育ててくれた父親に恩返ししたいと話すも、流されやすい性格だとも言い、入社前に会社側から習得を求められているそろばん3級も合格できていなかった。そんな後輩・山田を教育するミッションが内藤を中心に、17年組に課せられる。

 山田が入社し1年半後、同期入社のもう一人は退職していた。一人になった山田の下に、新しく後輩の丁稚が入ることになり、山田は自分が苦戦したそろばんについて熱心に説いていた。しかし、そんな中で山田が秋山木工から失踪してしまう。

 山田の直属の先輩である17年組は、山田の失踪においても特に慌てていないようで、先輩職人や秋山社長から、後輩の失踪には先輩の責任もあると諭される。内藤は、山田が何か思うところがあることを察していたが、「実際、面倒くさいというか嫌なんですよね。人と話したりするの」と、素直すぎる思いを番組スタッフに話す。

 一方、失踪から戻ってきた山田は、番組スタッフに対し「何かどうしても上の方々の3人に(17年組)ちょっとどうしても憧れが持てない自分がいて」と不満を話し、番組ナレーションではこの構図を「尊敬できない先輩、扱いづらい後輩」と表現していた。なお、失踪理由については語られなかった。

尊敬できない先輩と生意気な後輩

 番組を見る限りだが、17年組の3人はボーッとした感じで、口数も少なく、はた目にも「頼れる」という言葉が出てこない感じだ。だが、この3人に「悪意」は感じられない。

 一方でその3人の後輩にあたる山田は、そんな先輩にいら立っているのが態度に出ていた。番組の最後、新人指導において内藤と山田の意見は正反対となったが、その時の言葉の使い方も、もう少し気を使ったらいいのに、と思うものだった。

 それまでのいろいろな蓄積があってのことだと思うが、それにしても山田は17年組を下に見ている感じがした。「人を下に見る」は、いかなる理由があれど、それを顔や態度に露骨に出すのは、最大級の失礼にあたると思う。

 秋山木工の丁稚生活は過去にも放送されたが、その際は17年組に久保田という同期がいた。久保田も同期の一人を下に見ている感じがして、山田同様に感じが悪いなあと思ったものだ。久保田はその後、秋山木工を退職する。

 丁稚生活は過酷なので、退職理由は山のようにあったとは思うが、人を下に見る態度を取ると、その相手から憎まれるだけでなく、周囲からも疎まれるようになる。その場に居づらくなった、というのも退職の背景にあるのではないかと思う。

▼前回の放送『ザ・ノンフィクション』「ボクらの丁稚物語 ~泣き虫同期 4年の記録~ 前編」

 番組後半ではそんな後輩、山田が失踪するが、17年組は特に心配した素振りも見せず、至って平常通りの生活を送っているように見えた。そんな3人に対し、先輩の職人たちは後輩の山田にもっと気を配らないと、と諭し、秋山社長も山田の失踪に際し、先輩である3人、そして社長自身に一番責任があると話していた。

 しかし、「かわいげのない後輩が失踪した」という状況で、「心配する」ことが17年組にはなんだかしらじらしく感じられたのではないかと察するし、その気持ちは一個人としてはよく理解できる。

 一方で、秋山社長や先輩職人たちの「部下を心配する、部下の行動に対し自分のマネジメント上の責任を感じる」という気持ちも、社会人として理解できる。

 ただ、「厄介な後輩の失踪」という状況は、実際はせいせいしていたとしても、多少心配した素振りぐらいは見せておいたほうがいいのでは、と思う人が多いだろう。

 そんな中でもまったく平常そうな17年組は“心のまま”とも言え、それは幼さでもあるのだが、大抵の大人が社会にもまれ建前を身につけ、いつの間にかなくしてしまう素直さが残っていて、ちょっとまぶしさも感じた。

 次回は今回の続編。17年組と山田の不協和音が増幅していく中、秋山社長は苦渋の決断を下すことになる。

『ボクたちはみんな大人になれなかった』物語が問いかけるあまりに曖昧な“大人という状態”

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乃木坂46中西アルノ、センター大抜擢に批判も..背景にあるのは「平手友梨奈の幻影」?

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Travis Japan・吉澤閑也は“かわいい”好き!? 七五三掛龍也は「女の子みたいなかわいさ」と力説

 ジャニーズJr.内ユニット・Travis Japan、HiHi Jets、美 少年の3組が週替わりでパーソナリティを務めている『らじらー!サタデー』(NHKラジオ第1)午後10時台。2月26日放送回は、Travis Japanの七五三掛龍也と吉澤閑也が登場した。

 冒頭では、七五三掛がTravis Japanの近況について「歌番組に2つ出させていただきました」と、2月11日放送の『ミュージックステーション 3時間SP』(テレビ朝日系)、同23日放送の『テレ東音楽祭2022春〜思わず歌いたくなる!最強ヒットソング100連発〜』(テレビ東京)へ出演したことを報告。

 吉澤は「いつもと違う風景で踊ったりするのは緊張するし、『いいモノ届けたい』っていう気持ちが大きくなるから、そうなるとどんどんプレッシャーもでかくなるけど、でもとにかく頑張りましたよ!」と感想を述べた。

 なお、『テレ東音楽祭』ではオリジナル曲「BIG BANG BOY」を披露していたTravis Japanだが、七五三掛いわく、これまではなかなかオリジナル曲を歌番組で披露する機会がなかったそうで、今回の番組出演は貴重な経験になった様子。「SixTONESの(京本)大我も見てくれたみたいで。『かっこよかったよ』って言ってくれてうれしかったですよ」とも明かした。

 その後、2人は前週のパーソナリティだった美 少年・那須雄登と藤井直樹からの「“ぶりっこ”をしながらお互いの良いところを“ぶりぶり”褒め合っていただきたい」という指令に応えることに。

 那須によると、七五三掛は「後輩から見てもキュートな印象がある」ものの、吉澤については藤井が「閑也くんは “キュート”をもっと出せるのに、ちょっと恥ずかしがってるのかなって」とコメント。

 これに吉澤は、「藤井くん俺のことナメてるでしょ? 俺、できるっちゃできるよ!」と威勢よく宣言したものの、“ぶりっこ”の定義がわからずあたふた。七五三掛が先に「閑也くん、いつも優しくしてくれてありがとう。にゃんにゃん」と感謝の言葉を伝えると、「ありがとうございます」と照れながらお礼を述べ、「無理だよ。俺、やりたくないもん。辞退していい?」と弱気に。

 七五三掛に「いや、なし」と言われ、最終的には「しめちゃん、いつもストイックでかっこいい姿、尊敬するだっちゃ。ぶりぶりぶり!」と、ぶっきらぼうにメッセージを送り、「『ぶりぶり』って言ってたから、『ぶりぶり』ってつけちゃった。あーあ、藤井くんのせいだ!」と八つ当たりしていた。

 その後、リスナーから吉澤に、「しめちゃんのこと大好きな閑也くんですが、たびたび雑誌などで松倉(海斗)くんのことを『かわいい』と言っていることが気になっています。閑也くん、この際はっきり言ってください!」というメッセージが寄せられた。

 すると吉澤は、「しめの可愛いと、松倉のかわいいは違うんよ」「松倉は、容姿が赤ちゃんみたいなかわいさで、しめは女の子みたいなかわいさなの。そこの違いがある」と力説し、「みんなわかるでしょ? 考えて? ちょっと自分で。答えを求めないで!」と語気を強める場面も。

 この放送にネット上では、「指令をやりたくないって駄々こねる閑也くんほんとかわいい」「『ぶりぶりぶり!』って言ったらぶりっこになると思ってる閑也が面白すぎる」というぶりっこへの反響や、「松倉くんとしめちゃんのかわいさの違いを説明する閑也くん、言いたいことわかるよ!」「しめちゃんと松倉くんに対するかわいいの解釈一致しすぎて、閑也くんと握手したい」という共感の声も寄せられていた。

嵐・相葉雅紀、King&Prince・岸優太らとの『VS魂』企画を「今は無理!」「怖くて」と回顧

 嵐・相葉雅紀がパーソナリティを務めるラジオ『嵐・相葉雅紀のレコメン!アラシリミックス』(文化放送)。2月25日深夜の放送では、自身が司会を務めるバラエティ番組『VS魂』(フジテレビ系)で「無理!」と思った仕事を告白した。

 この日、リスナーから「メキシコ留学中にスカイダイビングをした」との報告を受けたことで、相葉が2005年放送の特別番組『オーストラリア大陸縦断!激闘3000キロ ウルトラストロングゲーム』(日本テレビ系)内で罰ゲームとして、オーストラリアで体験したスカイダイビングを回顧する流れに。

 「オーストラリアで(嵐メンバーと行った)ゲームに負けて、スカイダイビングを飛ぶはめになった」と振り返った相葉は、「自分からは行けない、もう。めちゃくちゃ怖い。バンジー(ジャンプ)も嫌だし」「俺、だからさ、ジェットコースターも仕事じゃなかったら嫌なんですよ」と明かした。

 相葉といえば、今年1月3日に放送された『VS魂 新春3時間スペシャル』(フジテレビ系)にて、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の世界最長ジェットコースター「ザ・フライング・ダイナソー」に乗車。共演者と共に“乗車中にどれだけ目を開けて、カメラを見続けられるか”を競うゲームが行われたが、対戦チームの3人が50秒前後、同じチームのKing&Prince・岸優太が約48秒、ジャニーズWEST・藤井流星が約38秒だったのに対し、相葉はずっと目をつぶっていたため6秒という結果に……。

 これについて、ラジオスタッフから「相葉さん短かった」と指摘されると、相葉は「俺、嫌いっていうか、怖い……」とポツリ。そして「(自分はジェットコースターに)乗れます、好きです。最近は乗ってないけど」と語るスタッフに対し、相葉は「いや、絶対ダメだと思う。ほんと、俺もそう思って、久々に乗ったら怖くて」「(昔は平気だったけど)今はもう無理!」と声を上げていた。

 この放送に、ネット上では「相葉ちゃん、スカイダイビングもバンジーもジェットコースターも『お仕事でしか乗れない』って言ってるけど、これまでも相当な回数挑戦してるよね。プロ意識がすごい」「年々ジェットコースターが怖くなっていくの、わかる!」「ジェットコースターで6秒しか目を開けられない相葉ちゃんがかわいかった」などの声が集まった。

日テレ×YOSHIKIボーイズグループ発掘企画をファン不安視!? フジ『めざまし』楽曲「ほったらかし」で謝罪も

 日本テレビとX JAPANのYOSHIKIがタッグを組み、世界に通用するボーイズグループをデビューさせるオーディションプロジェクト「YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X」を開催することがわかった。2月27日放送の同局バラエティ番組『行列のできる相談所』内で発表された。

 番組では、東野幸治と極楽とんぼ・加藤浩次がロケでYOSHIKIと対面し、YOSHIKI自ら「日本テレビさんからオファーを頂きまして、オーディション番組(をする)」と発表。さらに、「世界っていうのがキーワード」「僕がポップなダンスグループをプロデュースする(可能性もある)」「ヴィジュアル系というよりも、YOSHIKI系みたいな感じ」とオーディションの方向性を説明した。

 すると、東野はYOSHIKIの頭文字を取り「(V系ならぬ)Y系にしましょう」と呼び名を提案。YOSHIKIはこれを受け入れ、「Y系がKY(空気が読めない)にならないように(したい)」と冗談を言って笑いを誘った。

 なお、応募者資格は「ボーイズグループとして活躍を目指す方」であれば、「年齢制限なし、国籍不問、プロ・アマ不問、ジャンルはなんでもOK」とのこと。今後、東野が所長(MC)を務める『行列のできる相談所』と、加藤が司会を務める同局情報番組『スッキリ』のサポートのもと、メンバーの選考が行われるという。

「日テレといえば、NiziUを生み出した『Nizi Project』や、BE:FIRSTを誕生させた『THE FIRST』を『スッキリ』がバックアップし、どちらも大ヒット。この勢いで、次なるプロデューサーに相応しい人を探していたところ、YOSHIKIに白羽の矢が立ったようです」(芸能ライター)

 ネット上では、「YOSHIKIがどんなグループをプロデュースするのか楽しみ」「せっかくYOSHIKIなんだから、世界に通用するバンドを作ってほしいな」と期待を寄せる声がある一方で、「その前にLady's Xは?」「Lady's Xの件があるのに、よくこんな仕事受けたよな。また知らぬ間に頓挫しそう」「YOSHIKIにオファーするのは危険すぎる。自然消滅する気しかしない」「フジテレビの案件もほったらかしなのに、日テレはよくオファーしたな」などと、不安視する声が相次いでいる。

「YOSHIKIといえば、2016年6月に『世界に向けた新たなビジュアル系ガールズバンド、その名もLady's X(レディースエックス)をプロデュースする』と発表。当時、YOSHIKIは『僕の場合、本気でやったら絶対成功させる』と豪語し、情報番組『めざましテレビ』(フジテレビ系)が『We are Lady's X』という企画名で完全密着していましたが、17年5月にYOSHIKIが頸椎(けいつい)人工椎間板置換手術を受けたあたりからうやむやになり、プロジェクト公式サイトもいつの間にか消滅してしまいました」(同)

 また、『めざましテレビ』は19年3月、番組25周年記念企画として人気コーナー「めざましじゃんけん」で同4月から使用される音楽を「YOSHIKIが制作中」と発表。これについて、YOSHIKIは同3月29日放送の特別番組『めざましテレビ×明石家さんま 平成エンタメニュースの主役100人“ムチャ”なお願いしちゃいましたSP』で、「めざましじゃんけん、18秒の作品を1秒1秒真剣に作りたいと思います」「LAに帰る飛行機の中で創作してみたいと思います」などと語っていた。

 しかし、なぜか同4月以降も楽曲は発表されず、19年11月20日にはTwitterで「めざましの楽曲の件も忘れていません!もう8ヶ月も待っていただいて。。ごめんなさい!必ず素敵な曲にします。もうしばらくお待ちを。。」(原文ママ)と謝罪した。

「そもそも08年に『X JAPANの新曲入りのアルバムを発売する』と発表しながら、いまだリリースしていないYOSHIKIだけに、『めざましじゃんけん』の件も多くのファンにとっては『いつものこと』『YOSHIKIらしい』という印象のようです。人の良さからオファーを断れない性格なのかもしれませんが、今回のボーイズグループオーディションは『行列のできる相談所』『スッキリ』という日テレを代表する2番組が絡んでいるだけに、Lady's Xの二の舞いは許されないのでは?」(同)

 今回の『行列のできる相談所』出演では、「まったく新しい概念のグループのオーディションを開催したい」「最強の人たちが集まって、世界に向かっていく」と語り、「Nothing is impossible(不可能なことはない)」と参加者にメッセージを送ったYOSHIKI。エントリー期間は3月1~31日とのことだが、その後のオーディションの経過を見守っていきたい。

千原ジュニア、渡部建に「土下座させる」発言は時代にマッチしていない? 芸人としての「覚悟」に思うこと

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今週の有名人>
「芸人やったら、覚悟決めて来いよ」千原兄弟・千原ジュニア 
『Abema的ニュースショー』(2月20日放送、ABEMA)

 2020年6月に複数女性との不倫が発覚し、芸能活動を自粛していたアンジャッシュ・渡部建が、今年2月15日放送の『白黒アンジャッシュ』(千葉テレビ)で復帰を果たした。その番組内容は、相方である児嶋一哉が渡部に対し、「お前の人間性だと思う。お前は調子に乗っていた。お前の、人を雑に扱うようなことが、女性をあんな扱いするようなことになった」と公開説教し、渡部が謝罪するという形だった。

 児嶋が渡部を叱り、謝らせることで、実際に視聴者がどう感じるかは別として、一応「謝罪した」という形になる。この先の2人がどうなるかはわからないが、とりあえず再スタートラインについたといえるだろう。

 渡部の復帰を受けて、いろいろな芸人がコメントを出しているが、私が引っかかったのは、千原兄弟・千原ジュニアの発言だ。

 芸人として、ひと肌脱ごうと思ったのだろう。2月20日放送『Abema的ニュースショー』(ABEMA)に出演したジュニアは、渡部の同期、もしくは先輩が渡部をボロクソにいじるほうが、渡部にとっていいのではないかと思い、自分がいじり役になると他番組で名乗り出たそうだ。すると、ジュニアと兄・せいじが毎月やっているトークイベント「千原トーク」という舞台に、自身のマネジャーが渡部の出演をオファーしたことを明かした。

 舞台ならスポンサーがいないので、渡部も出演しやすいと思ったのだろうし、復帰の見込みが立っていない渡部にとっては、天の助けかもしれない。しかし、渡部の所属事務所からは「お声がけは本当にうれしいんですけど、今は『白黒アンジャッシュ』だけでやっていきたいと思っていますんで」と、お断りされたらしい。

 これを受けてジュニアは、「俺はね、芸人やったら、覚悟を決めて来いよと(思う)」「せいじと2人、土下座させて、ボロクソやるけどな」と、渡部の意気地のなさを指摘していた。

 同じ芸人として渡部の窮地を救ってやろうという“善意”を無下にされて、腹が立ったのかもしれないが、ビジネスとして考えるなら、渡部の事務所の判断は正しいのではないかと思う。

 確かに舞台であれば、スポンサーがいるわけではないから、渡部を呼んで、それこそ土下座をさせても問題はないだろう。しかし、観客がその様子をネットに書き込む可能性を忘れてはいけない。正しく書いてくれるならまだしも、明らかに間違ったことが書き込まれた場合、テレビなら反論や検証ができる。しかし、舞台のようにクローズドな空間の場合、それは難しいだろう。

 たとえば、渡部が舞台の間にちょっと笑顔を見せたとする。それを悪意的に解釈して、「渡部は終始ヘラヘラしていた」とネット上に書き込まれたりしたら、渡部のイメージはますます下がって、やられ損だ。情報の統制という意味で考えるなら、ここはおとなしくしているほうが賢明ではないか。

 また、ジュニアの「芸人やったら、覚悟を決めて来いよ」発言で考えさせられたのは、現代における「芸人」とはなんだろう、ということだ。渡部へのコメントから解釈するならば、ジュニアの言う芸人とはおそらく、人に笑われたり、土下座させられることを恥と思わない人のことを指すのだろう。

 しかし、その考えは、今の時代とマッチしていないと思うのだ。

 今や芸人は、「人気商売」と呼ばれるほぼすべてのジャンルで活躍しており、芸能界のオールラウンドプレーヤーといえるだろう。ワイドショーのコメンテーターとして出演することは当たり前だし、現在放送中のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』には、おいでやす小田が、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』には、わが家・坪倉由幸やティモンディ・高岸宏行が出演している。

 さらに、出版不況と言われて久しい中でも、ハライチ・岩井勇気のエッセイ集『僕の人生には事件が起きない』(新潮社)はベストセラーを記録。ピース・又吉直樹は小説『火花』(文藝春秋)で第153回芥川龍之介賞を、オードリー・若林正恭の旅エッセイ『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』(KADOKAWA)は第3回斎藤茂太賞を受賞。阿佐ヶ谷姉妹によるエッセイ『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』(幻冬舎)も好評で、昨年、NHKでドラマ化された。

 俳優業や文筆業は、厳しいプロテストをクリアしてその道に入ってきた“本職”がいるが、芸人たちはいつのまにか、彼らと肩を並べるケースも出てきたわけだ。芸人はネタを作り、それを演じるのが仕事だから、もともと文筆や演技と親和性が高いのだろう。一方で今、世間が求めているのはそうした「本職の技」ではない、と見ることもできるのではないか。

 トークバラエティ番組『アメトーーク!』(テレビ朝日系)に「家電芸人」という人気企画がある。その名の通り、芸人がおすすめ、もしくはお気に入りの家電についてプレゼンをするというものだ。本当に家電が欲しいのなら、量販店に行って直接店員に尋ねるほうが効率的だ。にもかかわらず、この企画が人気なのは、視聴者が「よく知っている人」に「マニアックすぎない知識」を「わかりやすく、親しみやすい態度」で授けてほしいと思っていることの表れのように感じる。

 本職の俳優や作家、そして量販店の店員はプロだから、知識も自負も相当あるだろう。けれど、それは聞き手とっては話が難しすぎたり、態度が「上から目線」に感じられるかもしれない。一方で、異業種に“お邪魔する”という意識のある芸人は、基本的に腰が低いように思うし、話芸もある。プロではないからこそ身近に感じられる芸人は、何をやるにも世間にとって「ちょうどいい存在」なのかもしれない。

 ジュニアは若い頃、お笑いに対してストイックな一方で、一般人とのケンカもいとわぬ気性の荒さから「ジャックナイフ」と呼ばれていたそうだ。そういう破天荒さが「芸人らしさ」といわれていた時代もあったが、これだけ芸人が多くのジャンルから求められるようになると、世間にとって「ちょうどいい存在」でいることに加えて、芸人こそ好感度が重要になってくるのではないだろうか。

 笑いさえ取れれば私生活はどうでもいい、というように、笑いと私生活がセパレートしていた時代が過ぎたことは、誰よりも渡部が証明している。もうすでに、好感度の高い芸人のほうが、笑いを取れる方向にシフトしているのではないか。ジュニアが渡部を土下座させたところで、世間がどちらかを身近な存在に感じたり、好感度が上がるとは思えない。

 この点について渡部やその事務所が理解しており、ジュニアのオファーを断ったのならば、たとえ同じ芸人仲間であっても、無理やり前時代的な「芸人らしさ」に巻き込むべきではないだろう。

 ジュニアといえば、落語家・桂三枝に「結婚して上のステージで、今まで見えへんかった笑いを作ったらどうや?」と言われたことが結婚を決めた理由の一つだと、2015年11月7日放送のラジオ番組『千原ジュニアのRPM GO!GO!』(ニッポン放送)で明かしている。

 ジュニアは18歳年下の一般人女性と結婚し、二児の父となった。三枝の言葉の真意はわからないが、私生活から笑いを生む「最初の大御所」となるのはどうだろうか。そういうネタを拝見するのを楽しみにしている。

櫻井翔の「うるさい解説」はいらない? NHK中継の北京五輪閉会式が大好評で…

 北京冬季五輪では、日本テレビ系の五輪番組のメインキャスターに抜擢されていた嵐・櫻井翔。同局で2月21日に放送された『くりぃむしちゅーの!THE☆レジェンド北京五輪SP』にゲスト出演した際には、アスリートからの質問に対する、ある受け答えが話題になったという。

「北京オリンピックのメダリストを招き、語り合う生放送スペシャルとなる同番組には、スノーボード女子ビッグエア銅メダリストの…

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オタ活(推し活)で過去最高に買ったシングルCDの枚数は?【サイゾーウーマン世論調査アンケート】

 好きなアイドルや声優などがCDをリリースした際、“オタ活”の一環として同一CDを大量に購入する人は少なくありません。初回限定盤と通常盤を一通り買って満足するファンもいる一方、10セット、20セット……と積む人も。

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 そこで今回は、「オタ活(推し活)で過去最高に買ったシングルCDの枚数は?」をアンケート調査。下記から1つ選んで回答してください。※購入したのは同一シングルに限定。

菅田将暉『ミスなか』『鎌倉殿』の共通点…視聴者を揺さぶるかわいさと闇のバランス

 俳優・菅田将暉の快進撃が止まらない。

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