かまいたち時代到来の裏で“半大御所”さまぁ~ずがテレビよりライブ芸人へ 10月改編で

 上り坂の芸人がいれば、席を譲る芸人が出てくるのは必然。番組の改変期には、それが目に見える形で現れる場合が多い。

 9月10日、テレビ朝日が10月期改編説明会を開き、お笑いコンビのかまいたちがMCを務めるゴールデン帯の新バラエティ『ウラ撮れちゃいました』がスタートすることが発表された。

「かまいたちは、この10月期には『超無敵クラス』『千鳥かまいたちアワー』(共に…

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美 少年のステージ衣装にLove-tuneファン「ありがとう」! Aぇ! groupの入浴シーンは「目つきが変態」!?【ジャニーズJr.チャンネル週報】

 ジャニーズ事務所が動画配信サイト・YouTubeに開設した「ジャニーズJr.チャンネル」。現在、関西ジャニーズJr.(火曜)、少年忍者(水曜)Travis Japan(木曜)7 MEN 侍(金曜)美 少年(土曜)HiHi Jets(日曜)がオリジナル動画を投稿中だが、その出来ばえは実にさまざま。そこで、「しょせんジャニオタ向け」と切り捨てるにはもったいない動画と、「ジャニオタでもしんどい」動画をジャニーズウォッチャー・中村チズ子が解説&ツッコミ! 今回は、9月9日~15日公開の動画を注目度順にチェックします!

美 少年のステージ衣装にLove-tuneファン「ありがとう」

 11日に上がったのは「美 少年 『虹の中で』サマステ★ライブ THE FUTURE」。7月~8月にかけて開催された『サマステライブ THE FUTURE』のステージで披露した楽曲「虹の中で」のパフォーマンスを配信している。同曲は、メンバーの浮所飛貴主演映画『胸が鳴るのは君のせい』(今年6月4日公開)の主題歌であるためか、曲中で浮所のアップ&カメラ目線が随所に見られる。“王道アイドル”を目指している美 少年のアイドル力、華やかさに釘付けになってしまう1本だ。

 なお美 少年が着ている衣装は、2018年頃まで活動していたJr.内ユニット・Love-tune(現・7ORDER)用に作られたもののようだ。ネット上のファンの書き込みによれば、森田美勇人がデザインを担当した一着だそうで、コメント欄には「美勇人くんが考案した衣装が今でも残っていて、後輩の美 少年が着用してくれてスゴく嬉しい。ありがとうございます」「眠っていた彼らの思い出の衣装を、大切なライブで着てくれてありがとう」「この思い入れのある衣装をまたキラキラした場所で見れたこと、美 少年の素敵なパフォーマンスを見れたこと、全てに感謝」と、お礼のメッセージが寄せられている。

 もちろん、7ORDERのファンの中には複雑な気持ちも残っているだろうが、「この衣装懐かしい……もう見れないと思ってた。みんなとっても似合ってる。彼らはもう着ることができないから、6人に大切に着てもらえたらうれしいな」「美 少年ファンであり、この衣装を着ていた7人も好きなのでダブルでうれしかった!」と、好意的な感想が多く見受けられた。

 ちなみに、美 少年の通常動画の再生回数は、アップ後およそ1週間で20万台前後が定着しているものの、「虹の中で」は絶好調の55万台(9月17日時点)。今記事で取り上げた動画の中でもトップの高記録を叩き出していた。

 関西Jr.の動画は、プロモーションの「なにわ男子【胸キュン大渋滞】正直めっちゃ恥ずい…!?」(13日)と、通常回の「Aぇ! group【怪しくないトンネルでばらまきクイズ】ニセ心霊スポットで1泊2日~2/4~」(14日)の2本が配信されている。  1本目では、なにわ男子がエスティ ローダーの「ピュア カラー エンヴィ リップ ケア コレクション」とコラボレーション。商品名にかけた「胸キュンコメント選手権」として、7人それぞれがショートムービーの設定を自ら考え、撮影も行っている。

 メンバーと対話しているドキドキ感が味わえるほか、自然と動画内に“笑い”の要素が散りばめられているのも関西Jr.ならでは。例えば、高橋恭平が「タイトルは、あっさり」と発表すると、藤原丈一郎が「ラーメン屋ですか?」と、ツッコミ。一方、妙にリアルな西畑大吾の演技に惹き込まれた視聴者も少なくないだろう。

 2本目は、前週から続くAぇ! groupの心霊ドッキリ企画。メンバーは「心霊スポット1泊2日」と聞かされ、いわくつきの古い屋敷にやって来たが、実はロケ地の設定などはすべてスタッフが考えたもので、“ニセ”の心霊スポットとなっている。

 まだ真実を知らない彼らは、恐る恐る「トンネルでばらまきクイズ」にチャレンジ。以前、梅田スカイビル・空中庭園展望台にて行った「【絶景ばらまきクイズ】ホンマえぐいでぇ~!」(8月16日公開)に続く第2弾となるが、小島健は「遊んでいい場所と、悪い場所のTPOわかってないやん!」と、ブチ切れていた。3ポイント先取で勝利だとわかると、佐野晶哉は「少なくとも(トンネルを)3回は往復せなアカンねや」と落胆。

 なお、問題自体は、「関ジャニ∞のメンバーで唯一のO型は誰?」「Lil かんさい嶋崎斗亜の『ISLAND TV』のプロフィールに記載されている趣味は?」といった関西ジャニーズ縛り。視聴者も一緒に考えることができるため、ジャニーズファンにも親切なクイズとなっていた。ちなみに、優勝者へのご褒美は「ほかのメンバーがトンネルに響く大音量で大好きなところを叫んでくれる」だったが、かなり抽象的な答えばかりで、やっつけ感たっぷりだ(個人的に好きなのは『真夏に真冬ぐらいの靴履いてる』)。

 終盤は、五右衛門風呂に入る映像も。小島がねっとりとした手つきで佐野の体を洗っていた際、正門良規は「ジャニーズJr.のお風呂シーンとは思われへん」とボソリ。「目つきが変態」と言われた変態カメラマンや、変態プロデューサーも“登場”するなど、予測不能なメンバーの言動が楽しめるだろう。再生回数は1本目が46万台、2本目は30万台(17日時点)。

 15日の動画は「少年忍者【エピソード神経衰弱】最近ガチの男泣きしました」で、ヴァサイェガ渉、織山尚大、黒田光輝、長瀬結星、檜山光成、深田竜生の6人が出演している。今回は、エピソードトークとトランプの神経衰弱をかけ合わせた「エピソード神経衰弱」に挑戦。テーマが書かれているカードを2枚めくり、揃わなかった場合でもどちらか好きな方のお題を話すとのこと。

 まずは黒田が「コンサートでやっちゃったこと」を明かす流れになり、King&Princeの前身グループ・Prince(岸優太・神宮寺勇太・岩橋玄樹)のコンサートに出演した時のアクシデントを回顧。小学校6年生の頃、「(客席付近のお立ち台が)グラついてて。降りる時に顔面から落ちて、バコーン行って。周りもお姉さん方だから、『大丈夫? 大丈夫?』って(言われたが)、『大丈夫です、大丈夫です』って笑顔を振りまきながら行ったことが……。でも、めっちゃ痛くて。泣かなかったけど、ここ(鼻)真っ赤になりながらファンの子とハイタッチして」と、苦い思い出を振り返った。

 さまざまなトークが聞けた中、個人的に印象に残ったのは深田の「最近一番泣いたのはいつ」でのエピソード。『サマステライブ THE FUTURE』にて、深田、檜山、安嶋秀生、内村颯太、元木湧の5人でHey!Say!JUMPの「狼青年」をカバーすることになったそうだが、“歌割り”をめぐって意見が割れてしまったとか。

 深田は「やっぱりみんなさ、やりたいところがあるわけじゃん。どこやりたい、カッコいいからここやりたい。やっぱ被るわけよ。最後の歌割り、決める場所がうっちーと湧くんで、両方ともやりたい場所被ってて。湧くんが、めっちゃやりたいっていうの(思いが)あるんだけど、うっちーくんに譲って。『俺はいいよ。全然、ほかで目立つから俺は。ここはもうお前でいいよ』みたいに言った時が、本当にエグい泣いて」と告白。

 檜山も「3人で話し合った。うっちーと湧がいない状態で3人でまず話し合って。そしたら湧が入ってきて、言ったから……」と現場の状況を証言し、「“カッケーな、男やな”みたいに思って男泣き。ちょっと感動しちゃって。俺も泣いて、安嶋くんも泣いて。うっちーくんも泣いて」(深田)「うっちー、泣きながらラーメン食ってるの。めっちゃおもろくて、それが」(檜山)と、青春の1コマについて語っていたのだった。お互いを尊重しつつも、ぶつかり合った結果の涙だったのだろう。

 深田のファンサービスシーン(8分26秒~9分頃)もあっただけに、コメント欄などでは「深田くん、ファンサして照れてる姿が可愛い!」「深田くん、うちわくエピソードありがとう」「湧ちゃんのエピソード熱い! みんなが本気なのが伝わってくる」「湧ちゃんのこと推してるけど、『狼青年』のエピソードを聞いて、あらためて好きでよかったと思った」「歌割りの話し合いで泣くほど真剣な少年忍者に感動」と、深田絡みのコメントが多く上がっていた。再生回数は17日時点で11万台。

 9日配信の動画は「Travis Japan【アポなし旅】仙台から東京へ…1泊2日のドライブ旅~塩原温泉!ホテル編~」。8月19日から始まった宮城県・仙台~東京までのアポなし旅企画の4本目で、今回は栃木県にあるホテルニュー塩原に宿泊している。

 事前に電話で宿泊交渉したところ、食事なし+ホテルで行われるという大衆演劇への出演を条件に、宿泊代を大幅値引きしてもらえることに。なんと、ホテル側はTravis JapanのためにトップクラスのVIPルームを用意しており、部屋に入った一同は「デカい!」「スゴい!」と大興奮。新型コロナウイルス感染対策の意味もあり、7人が泊まる上で密にならないよう、広めの部屋を準備してくれたそうだ。

 さらに、突然の訪問にもかかわらず、ボウリング、卓球、貸し切り風呂も利用可能とのこと。さっそく、館内のボウリング場へ向かうと、総支配人・板倉さんが「趣旨をうかがっております。決められたお小遣いの中でこうやって旅行されてるといったところですけれども。買ったチームにちょっとご褒美をご用意しようかなと。お食事を(無料で提供)」とアナウンスし、ここでもメンバーは大盛り上がり。「誰が勝つかわからない。これがだから、チーム分けが大事になりますので」と告げると、現場に緊張が走った(板倉さん、タレント並みに仕切りがうますぎ)。

 今回は、それぞれが1フレーム投げた上で、スコアをもとに2チーム編成に。トップバッターの松田元太が1投目を終えた際、「あんま7人で行ったことないもんね」(宮近海斗)「ってか、人にこんな見られながらボウリングすることない」(中村海人)「確かに。プレッシャー半端ないな」(七五三掛龍也)と、戸惑いの表情を見せる場面も。転びそうなほど危なっかしい人、ボウリングに慣れていてフォームがバッチリの人……と、各々のスタイルにも注目だ。

 果たして、4人チーム(宮近・中村・七五三掛・川島如恵留)と、3人チーム(松田・松倉海斗・吉澤閑也)のどちらが勝利を手にしたかは、ぜひ動画で確かめてほしい。この後に控える一大イベント・大衆演劇の一件も含めて、特に今回のアポなし旅は、サービス精神旺盛なホテルの協力があってこそ、成立した企画なのだと感じる1本だった(トラジャファンの聖地になりそうな予感)。再生回数は17日時点で46万台。

 10日にアップされたのは「7 MEN 侍 『サムダマ』サマステ★ライブ THE FUTURE」(再生回数は7日時点で22万台)。7月25日~8月5日まで東京・EXシアター六本木で行われた『サマステライブ THE FUTURE』の7 MEN 侍公演から、「サムダマ」のパフォーマンスを公開している。

 これは、バンド演奏も得意とする7 MEN 侍にとって初のオリジナル曲であり、冒頭は矢花黎が「EXシアター! 全員まとめてかかってこい!」とシャウト。こうしたロック魂を感じる“煽り”も、ほかのJr.ユニットとはまた違う魅力の1つだろう。

 なお、15日にはJr.公式エンタメサイト「ISLAND TV」にて、連動企画の「佐々木大光、矢花黎『侍ストーリー(水) XXXVIII』」も配信されている。こちらは、「サムダマ2021ver リズム隊だけで弾いてみた」として、ベースの矢花と、ドラムの佐々木大光が演奏している動画。アレンジの裏話や弾き方のこだわりなど、矢花による解説テロップ付きで、「サムダマはこちらから」と、YouTubeページにアクセスできる仕様になっていた。

 視聴者からは「『サマステ』の『サムダマ』はアレンジが加えられていて、めちゃめちゃカッコイイ。これからも7 MEN 侍についていく!」「7 MEN 侍とともに『サムダマ』もどんどん進化し続けているのが本当にスゴい。7 MEN 侍最高!」「『サマステ』に行けなかったので、映像が見られて本当にうれしい!」「『サムダマ』が生まれた時よりも、歌声も演奏も格段にパワーアップしてる」「まだバンド曲に慣れていないファンに、矢花くんが『ISLAND TV』で解説動画を出してくれたり、7 MEN 侍はいつもファンを置いていかないよね」と、絶賛の声が相次いでいる。

 12日の動画は「HiHi Jets『Make You Wonder』SUMMER PARADISE 2021」(再生回数は17日時点で38万台)。7月30日~8月18日までTOKYO DOME CITY HALLにて行われた『Summer Paradise 2021』に出演していたHiHi Jetsは、「Make You Wonder」の模様を大公開。

 概要欄に「ピアノから始まって、ローラーパフォーマンス、ダンス、歌と盛りだくさんの曲になってます。ぜひぜひ、何度でも観てやってください!」と記載がある通り、冒頭は猪狩蒼弥のピアノ演奏からスタートしている。ほかにも一部メンバーのソロダンス、華麗なスケートさばき……と見どころたっぷりで、“HiHi Jetsのプロモーション用映像”と言っても過言ではないほど。

 ネット上のファンも、「ピアノ、ダンス、ローラーまで入っているし、会場の臨場感が伝わってきた」「まさかのピアノソロからダンスパートまで入れてくれてありがとうございます!」「ピアノソロからのダンスパートも入っていて最高すぎる。画面越しでもHiHi Jetsの熱量に圧倒された」「ガリさんのピアノから始まるのが神だし、カメラワークも素敵!」「ガリさんのピアノ、5人のダンス、ローラー、歌……HiHi Jetsの良さが盛り込まれていて最高」「蒼弥くんのピアノ演奏を見れる日が来るとは……カッコよすぎる!」と、歓喜していた。

30歳前後で人が辞めていく…日本映画界の労働環境とジェンダーギャップの是正のために必要なこと

 コロナ禍でミニシアターの危機やハラスメント問題が可視化された日本の映画業界。こういった問題は昔から脈々と受け継がれていたが、コロナ禍で配信プラットフォームの勢いが加速し、劇場の存続に危機感を感じた映画人が、これを機会に様々な声を上げるようになった。

 そんな背景で、今年の7月に日本映画業界のジェンダーギャップ・労働環境・若手人材不足をリサーチ、議論、提言を行う団体「Japanese Film Project(JFP)」が、映画監督の歌川達人氏、ジャーナリストの伊藤恵里奈氏、SAVE the CINEMAなどの活動でも知られる映画監督の西原孝至氏の3人によって立ち上がった。

Japanese Film Project

 JFPのオフィシャルサイトを見ると、2000-2020年の21年間で劇場公開された「興収10億円以上の実写邦画796本」のうち女性監督作品は延べ25本(3.1%)、21年間で製作された大作映画における女性監督の割合は32人に1人、などという統計がシンプルでわかりやすいグラフで表されている。

 このオフィシャルサイトを見た時の筆者の感想は、「やっとできたか!」というものであった。なぜなら、これまで海外と日本の女性監督の割合を比較しようにも、日本の映画業界のジェンダーギャップについて、業界の団体は何の数字も出していなかったからだ。ジャーナリストとしてJFPの存在は非常にありがたい。

 だが、設立メンバーのひとり、歌川氏によると、JFPの目標は映画業界だけではなく“社会”を変えるものだという。歌川氏に、JFPや日本の映画業界について話を聞いた。

歌川達人
1990年生まれ。北海道出身。映像作家・アーティスト。主にドキュメンタリーのフィールドで活動する。立命館大学映像学部卒業後、フリーランスとしてNHKの番組やCM、映画の現場で働く。短編『時と場の彫刻』がロッテルダム国際映画祭2020、Japan Cuts 2020などで上映。Japanese Film Projectの発起人。

―JFP設立のきっかけは?

 2018年にアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭で、アラブ系の映画人たちが自国の映画に関する情報を分かりやすい数字でプレゼンテーションをしていたのを見て、驚きました。Mapping Arab Docs「DATA IS BEAUTIFUL」というタイトルで紹介されていたのですが、本当にデータ資料が美しく、分かり易くて印象的でした。

 #MeToo以降、映画祭の選考委員や映画人(監督・キャスト・スタッフ)における男女平等を推進する運動や調査が世界中で進んでいて、様々なデータがビジュアルで広く共有されています。ですが、日本ではそういった研究がまだ進んでいません。

 JFPのメンバーのひとりである、ジャーナリストの伊藤恵里奈さんは、現在、南カリフォルニア大学(USC)にてフルブライト奨学生として映画やジェンダー・差別について研究しています。USCがハリウッドで実施したジェンダー調査を参考にしつつ、日本でも研究者の協力を得ながら日本映画業界にマッチした調査研究を実施したい。そして、社会的なムーブメントにつなげたいと思いました。

なぜ、ダイバーシティ&インクルージョンが進まないのか?
―ハリウッドは#MeTooが後押しして、インクルージョン・ライダー(製作に関わる人達の性別や人種比が、その撮影場所の性別や人種比を正しく反映するべきであるという付加条項)を雇用契約に入れるキャストが増え、2024年からはアカデミー作品賞の選考基準として、ダイバーシティの新項目を含めることを発表しました。そういった動きがなぜ、日本にはまだないのでしょうか?

 理由はいくつもあると思いますが、2つの要因が考えられると思います。第一に、映画業界の意思決定層が中年以上の男性で占められていること。2020年頃に経産省が主体となって「映画制作の未来のための検討会」と「映画制作現場ワーキンググループ」が実施されました。その資料をみても、委員や出席者のほとんどが男性です。「・・・映画制作に関わる人材を取り巻く状況等の実態・全体像を把握する目的で・・」と書いてあるにも関わらず、その場に意思決定層の中年男性しかいない。ジェンダーや年齢などの観点で、多様性が乏しい人々だけで議論し意思決定をしていることが問題だと思います。これに関しては、今後JFPで具体的なデータを出して、改善を提言していく予定です。

 第二に、#MeTooのような社会運動に繋がる調査データや情報発信がない。つまり、今まで映画業界がファクト(調査資料)を積み上げてこなかった。「女性の監督やスタッフが少ない」と映画人が発言しても、明確なデータに基づいた検証ではないので、詳細がうやむやになってしまい、そこから先に議論が進んでいかなかったように感じています。女性を含む多様な作り手がいることで、より多様な作品づくりへと繋がっていく。持続可能な映画業界の仕組みを議論する為には、その根拠となるデータが必要だと思います。

 そのために、まずJFPがやろうとしていることは、視認性が高く、分かりやすいデータ資料を共有すること。信頼できるデータがあれば、それを根拠に様々な人が声を上げやすくなり、社会的なムーブメントにも繋がるのではないでしょうか。世論の風向きが変われば、映画を取り巻く環境や大企業も変わらざるを得ないし、行政も問題把握がしやすくなり、どこをどう変える必要があるのかが明確になってくると思います。

―2019年にフランスの映画会社の経営者に取材したときに、そこの会社では「フランス映画業界に変化を起こすために」2020年から制作スタッフの6割を女性にすると言っていました。その根底には女性の雇用を増やすと公的助成金がもらえるという国の制度があると思います。そういった制度なしでは、日本の映画産業がわざわざ既存の構造を崩すとは思えないのですが。

 フランスはジェンダーギャップ改善に積極的ですし、映画に対する助成金も豊富ですよね。他方で、アメリカでは、#MeTooがハリウッド全体に影響を与えたそうです。#MeTooがムーブメントになったのも、ジェンダーギャップに関する様々なデータや証言がSNSで拡散されたことが大きく作用していると聞いています。

 今回、JFPのプレスリリースが7月に発表されたことがきっかけで、大学の研究者やメディアの方々にも興味関心をもってもらえるようになりました。今後は、データを出して終わりではなく、シンポジウムなどを実施し、問題改善に向けた議論を促していければと考えています。

ジェンダーギャップと労働環境の問題は表裏一体
―JFPはジェンダーギャップのほかにも、労働環境についても調査・検証していくそうですね。

 はい。ジェンダーギャップと労働環境の問題は表裏一体だと考えています。上智大学の三浦まり教授から、「そもそもジェンダーギャップが起きていることには理由がある。まずはその原因を明らかにし、それを解消するための施策を提示していくことが必要だ」と学びました。

 日本映画業界の場合、ジェンダーギャップが発生する原因の1つとして、“劣悪な労働環境”があげられると思います。低賃金長時間労働、そして、性的・身体的・言葉のハラスメントなど。

 映画制作の現場は、1日の労働時間がとにかく長い現場が多い。そんな長時間労働だと、家庭をもつ人には厳しいですよね。とりわけ、日本の女性は男性よりも家庭での役割を担う傾向があるので、そもそもそんな社会の風潮が女性の方が働きづらい環境であるとも言えます。社会全体の意思、そしてこういった労働環境が改善されない限り、ジェンダーギャップも縮まらないのではないでしょうか。

―現場で働くスタッフは今の労働環境をどのように捉えているのでしょう?

 JFPでは、子育てしながら助監督を続ける石井千晴さんにお話を伺いました。詳しくはJFPのウェブサイトやnoteをご覧いただきたいのですが、石井さんの現場で働いている実感として、30歳前後、つまり若手のうちに辞めていくスタッフが多いことに気がついたそうです。私も周りをみていて、そう感じます。男女関係なく、低賃金の長時間労働が続くとなると、自分の人生設計を考えざるを得ないですよね。結婚し子供をもつことだって難しい。そうやって、5〜10年かけて育ったスタッフたちが業界を去っていく。けれども雇用する側も、現場レベルでは予算が限られているので、そうせざるを得ない。

 それが悪循環になっていて、人材が育たない。これは日本の映画業界において大きな損失だと思います。本当は職能団体がギルドのような役割を果たして、スタッフやキャストを守らなければいけないと思うのですが……。

―深田晃司監督や白石和彌監督などは、ハラスメント講習やハラスメント誓約書をスタッフやキャストに用意していると聞きますが。

 現場で個々にそういった取り組みをしている監督が増えてきたと伺っています。それ自体はよいことだと思いますが、社会啓発の先に、何があるのかも考えていく必要があると思うんです。具体的な打開策も考え、提示していかなければいけない。

 例えば、漠然とではありますが、ハラスメント講習を受けた制作チームの映画に何かしらのマークをつけるとか、ハラスメント講習を受けていない制作チームは公的助成金に応募できないとか、そういった制度を作ること。自覚なきハラスメントが多いと聞きますので、ハラスメント講座を制度として義務化すること。最低限の基礎知識を社会全体で共有することで、他者に糾弾される方法とは違った形で、ハラスメントを自覚することが出来ると思います。

日本の多すぎる映画数が問題なのでは……?
―ハラスメントが横行し、労働環境に問題があるのは、映画の製作本数が多すぎることもあるのではないでしょうか? 近年、日本の年間制作本数は約600本。それに比べて、フランスも韓国もその半分の300本ぐらいです。国民1人当たりの映画館での年間鑑賞本数は、韓国は4.3回、アメリカは3.4回、フランスは3.2回、日本は1.4回です(2017年統計※)。日本映画は供給過多であるから、1本辺りの製作予算が低く、劣悪な労働環境になってしまうのでは?

 日本の製作本数が多いすぎるという話はよく議論されます。先程も言いましたが、日本にはギルドや組合が決めるルールがない現在、信じられないくらいの低予算で作品が作られている……。大手とインディペンデントの間にいるような商業ベースの会社がスタッフやキャストにギャラをあまり支払わないで低予算映画で作っているという話もよく耳にします。

 とはいえ、製作本数が多いことは作品の多様性を生み出すので、一概に悪いとは言えない。映画が多数製作されるからこそ、そこから育つ才能があると思います。他方で、海外の映画祭に行って出会う若手監督は、大学院をいくつも卒業するなど、社会の富裕層・エリート層が多く、作り手に多様性が欠落していると感じる面も実感としてあります。

―確かに、コッポラファミリーなどハリウッドでは特に、縁故主義が強いですね。フランスの映画業界の人なども高学歴で、ブルジョワ階級出身が多い印象があります。

 作り手の属性が偏ってしまうと、生まれる作品も偏ってきます。そもそも、公的資金に頼らず、運営されるミニシアターがこれだけあるのも日本だけだと聞いています。日本のように、ドキュメンタリーがこれだけ劇場で公開されている国も珍しいんです。

 でも、今はそのミニシアターでの労働環境やハラスメントの問題で告発が相次いでいますよね。これらの問題に映画業界として、取り組むことが急務だと感じています。

 例えば、地方のミニシアターは採算ギリギリのラインで、多様な映画を上映している。これは、国立フィルムアーカイブのような役割を地方で担っていると言えますよね。ミニシアターは多様な映画文化に触れられる機会を提供する公的な役割を担っているので、公的な支援があるべきだと思います。演劇や音楽の施設は、劇場法(劇場、音楽堂等の活性化に関する法律)によって公的支援を受けているのに、なぜミニシアターには公的支援がないのでしょうか? この点についても調査し、制度設計の可能性について、議論していきたいと思います。

 フランスやアメリカの制度が日本人には眩しく見える反面、日本の制度がガラパゴス化しているがゆえに、他の国にはないメリットがあります。日本では世界各国の作品を映画館で観ることができますが、これが当たり前ではない国も意外と多いんです。

―難しい問題ですね。ちなみに、日本では映画の製作において、映画会社とスタッフの間で雇用契約が書面で交わされないこともある、というのは本当ですか?

 実感として、日本の映画業界では契約書が口約束になるという慣習もまだ根強くあります。しかし、これは国際共同制作を考える上では改善すべき課題だと聞きます。雇用契約だけでなく、ジェンダーギャップや労働環境でモラルハザードを起こさないようにしないと、海外からの投資を得ることが難しくなるのではないでしょうか。今後、日本の人口が縮小すると内需も小さくなるので、国際的な視野で映画業界の構造を考えていかないと、下り坂を下っていくだけなのは目に見えていますよね。これもずいぶん前から言われ続けていることではあると思いますが。

―以前、フランスのセールスエージェント(世界中のフィルムマーケットに飛び、作品を各国の配給会社などに売る)に、日本の映画は資金調達が複雑だから、国際共同制作(投資)をするのが難しい。だから韓国映画のほうを売りたいと聞いたことがあります。

 様々な要因があると思いますが、2つの要因が考えられるかもしれないですね。

 1つ目は、日本の公的助成金制度です。少しずつ改善されてきているとは言え、未だに使いづらい。例えば、4月に応募して9月頃に助成金に通ったという通知が来たとします。でも、年度内に予算を消化しないといけない。その翌年の2月頃までには事業を終了し、3月までに報告書を提出しなくてはいけません。そうなると予算を使う期間が4~5カ月と短い上に、この助成金は後払いなので、自分で立て替えなくてはいけないんです。ヨーロッパでは、助成金に通ったという証明をすれば銀行がお金を貸してくれる国があり、助成金を集めやすいと聞いたことがあります。コロナ禍で立ち上がった新しい支援制度で、様々な問題点が露呈しましたが、今後は映画業界の側がしっかり文化行政とコミニュケーションをとって、制度設計を考え、提示していくことも大事だと思います。

 次に、製作委員会方式というのは複数の会社、出版社、制作会社、広告・宣伝会社などが出資する方法です。複数の会社が投資するので投資リスクを分散し、それぞれの会社がおのおのの得意分野で実力を発揮できるメリットがあります。その一方で、責任の所在が曖昧になり、意思決定まで時間がかかってしまう。海外の投資家は入って来づらいかもしれません。

監督以外の、映画を取り巻く環境にも目を向けること
―今後は、映画を上映するプログラマーについても、調査していきたいとおっしゃっていましたね。

 はい。今後は、映画祭の審査員とプログラマーのジェンダーや属性も調べていきたいと考えています。

 USCのスミス教授の研究によると、映画制作陣の属性と、作品に登場するキャラクターの表象には関係性があるそうです。簡単に言うと、白人男性が監督したら白人の男女ばかりが出演してしまう。PFFディレクターの荒木さんがJFPのインタビューでおっしゃっていましたが、「映画祭の審査に関しても、審査をする側の属性で、選ばれる作品も変わってくる」ということを実感したそうです。そういったことも調査で検証していきたい。ジェンダーギャップの話をすると、往々にして、映画監督の属性ばかりに目がいってします。プログラマーや批評家などを含めた、映画を取り巻く環境で働く人々の属性を調べてみたら、何が見えてくるのか。興味があるので調べてみたいと思っています。

 JFPは映画業界に特化した調査を実施しますが、実際には様々な業界が共通の課題(ジェンダーギャップ、労働環境や若手人材育成)を抱えているので、プロジェクトの成果は日本の“普遍的な社会問題”として、広く社会に還元されていくことを目指しています。なので、異業種で働く人達がJFPの試みを見て、「この問題はうちの業界も同じだな」と感じ、SNSなどで声をどんどん上げていってくれたら嬉しいです。その結果、日本社会が抱える課題が明確になって、社会的なムーブメントに繋がるかもしれない。そうなると、行政の制度や大企業も変わらざるを得なくなってくるのではないでしょうか。

【参考】
※Chapter I032Film Exhibition Yearbook | 2018 ―一般社団法人コミュニティシネマセンター

※映画制作の未来のための検討会報告書 2020
https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200717002/20200717002.html

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『関ジャム』欅坂46「サイレントマジョリティー」作曲家が語る歌メロが低音の理由と、路地裏で苦悩する若者たち

 9月12日放送『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)が行ったのは、題して「職業作曲家の仕事術を解説!!」なる特集だった。職業作曲家といったら筒美京平や後藤次利といった大御所が思い浮かびがちだが、この日ゲストとして登場したのは、作詞作曲家・音楽Pの岡嶋かな多、作詞・作曲家の栗原暁、作曲家ユニットのバグベアの3組である。

現代のヒット曲は「コライ…

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クレジットカードの引き落とし額が300万超え! 後からボーナス払い変更可の「ビューカード」が散財生活の救世主に!?

――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 おお、神よ……。あたいの物欲はいつになったら収まるのでしょうか……。この間も、「もうジュエリーはこれっきり!!」と思って、私は聖地・Kataokaジュエリーの店舗へと足を踏みいれたのです。ところがっ!!!!

 お店に入ると、それはそれは可愛いパライバトルマリンのリングがちょこんと座っており、あたしはこのリングを持ち帰らずにはいられなかったってわけ。そのリングの額、なんと73万円………。ああん、バカバカバカ!! 本当にバカ!!!! あたしゃねえ、本来は夏冬のボーナス2回払いで、計45万円のピアスを買いに来ていたのよ。1回分の支払い額は20万ちょっとだと思ったから、「それなら借金に追加してもなんとかなるかあ」と思っていたのよ!!

 それを……っ、73万円一括払いってあんた!! これじゃ、母にあたしがすんごい額の借金してることがバレちゃうじゃないのよ~~~~!!!! そう、皆さま。忘れていないでしょうか。私は一度破産した女なんですよ。

 あれはえーと、4月のことだったかしら。1カ月のカード請求額が250万円を超え、あたしゃ真夜中に母の顔色をうかがいに行ったのです。母は「250万貸して!!!」と叫ぶ娘に怒りまくりつつも、どうにかこうにか250万円の借金を認めてくれたのです。ところが……。

 あれから数カ月でもうあたしゃあ30万円のリングを買い、13万円のバッグを買い、今回73万円のリングを買い……。どうにかこうにか稼ぎまくって250万円のデッドラインを超えないようにしていたんですが、ついに終わりを迎えました……。8月のボーナス払いで引き落とされる額、〆て320万円也。このコラムを書いている7月某日、ああああああああ、来月が怖いよおお~~~~~!!!!!!!!!!

 どうしよう、どうしよう、嗚呼、どうしよう。本当にシャレにならないくらいにヤバいのに、あたしといえば、「ボーナス払いをあとから選択できる」と巷でうわさの「ビューカード」に申し込みにいってましたからね……。マジ馬鹿よ。このコラムをもし母に見つかったら、母に首根っこ掴まれてカードを全部ジョキンジョキンと切られるわ……?

 そうそう、この情報を知らない方のために言いますが、「ビューカード」は、Suica一体型クレジットカードで、会計時に一括払いで決済しても、あとからボーナス払いに変更できるらしいんです。

 つまり、ボーナス払いが選択できないお店でも、とりあえずビューカードで決済すれば、あとからボーナス払いにできちゃうってわけ!!

 って、話を戻すと、あたしゃそのビューカードで死地に足を踏み入れようとしてるんですよね……へへ……。嗚呼、だめよ、N子。だめだめ。ステディにもこの間、約束したばかりなんですよ。

「あたしゃもうカードは使わないよッ!! 欲しいものはお金を貯めて買う!!!!」

 そう宣言したのです。嗚呼、でもでも、可愛いピアスしたいのおおおおおおおお~~~~~~!!!! ピアスホールが完成するまでになんとしてもKataokaさんのピアスが欲しい……。その額、45万円也。どうせ支払いが12月になるんなら、7月に買っても9月に買っても同じことでしょう?

 あああああ、やっちまう……!! たぶんあたしはやっちまう……!!!! 母には「私、本当にお金ないの! だから月10万円の返済でなんとかして~~!!」と言っていますが、あたしの給料は今、ちょこっとだけ余裕があるのよ……へへへ。一生懸命営業したおかげで、あたしゃ今、けっこう小金持ちなわけ。

 だから、だからさ……。やっぱピアス欲しいのよ!!!! そんな私は今、現在。私はビューカードの審査を待っている状況です。無事審査が通れば、間違いなく今後の散財の救世主となってくれるはず! 今後、「ピアス買ったった~~~!!」って記事が出たら、「あいつやりやがったな」って思ってちょうだい。くれぐれも……ステディにはナイショよ……。

大野智の復帰をリークが妨げる?「美 少年」佐藤の匂わせに批判、『モヤさま』前代未聞のチャレンジ……週末芸能ニュース雑話

記者I 2021年4月に女性誌にプライベートをすっぱ抜かれた嵐の大野智ですが、最近、またもや千葉のマザー牧場でのデートを女性誌に撮られました。現在、グループは活動休止中ではありますが、余りにものびのびと過ごしているので「このまま芸能界に戻ってこないのでは」とファンからも心配の声があがっています。

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結婚15周年の記念日に離婚を切り出されたオーストラリア女性、日本人の夫とは家事の分担や仕事のことで行き違い、家庭内別居に

『子どもを連れて、逃げました。』(晶文社)で、子どもを連れて夫と別れたシングルマザーの声を集めた西牟田靖が、子どもと会えなくなってしまった母親の声を聞くシリーズ「わが子から引き離された母たち」。

 おなかを痛めて産んだわが子と生き別れになる――という目に遭った女性たちがいる。離婚後、親権を得る女性が9割となった現代においてもだ。離婚件数が多くなり、むしろ増えているのかもしれない。わずかな再会のとき、母親たちは何を思うのか? そもそもなぜ別れたのか? わが子と再会できているのか? 何を望みにして生きているのか?

第5回 キャサリン・ヘンダーソンさんの話(前編)

「『あなた犯罪者じゃないのに、なぜ2年間も子どもたちに会えないの?』と、私の国の友人たちから言われます」

 そう嘆くのは、高校生の娘と中学生の息子、2人の子どもを持つ、キャサリン・ヘンダーソンさん。彼女の祖国、オーストラリアでは共同親権、共同養育が当たり前、別れた後に子どもに会えなくなる母親は約1%にすぎないという。
https://aifs.gov.au/publications/parenting-arrangements-after-separation

 彼女はなぜ、遠い日本の地で、わが子と生き別れになってしまったのか――。前編では、夫との仲に亀裂が入るまでを聞く。

10代の頃から日本人や日本のカルチャーに親しんでいた

――もともと生まれたのは、どちらですか?

 1970年、オーストラリアのメルボルン生まれ。結婚して移住するまでの間、基本的にずっとそこに住んでいました。私がティーンエイジャーだった80年代、日本人はすでに珍しい存在ではありませんでした。日本から転校してきたヒロコと友達になったり、弟の交換留学で、和歌山から来た男の子が、うちに数週間ホームステイしたり。また、祖母が日本人に生け花を習っていたりもしました。日本のカルチャーもいろいろ入ってきていて、漫画の『AKIRA』を弟がよく読んでいました。

――その後、日本との付き合いは何かありましたか?

 メルボルンで大学に進学して、生理学や生化学を専攻しました。大学では日本語も勉強していて、21歳のとき、ワーキング・ホリデーで日本に7カ月住みました。働いたのは群馬の温泉ホテル。当時は日本語がカタコトでした。

 帰国後、大学院に入り、教師になるために教育学や日本の文化について学びました。大学院を出る頃には、日本語をある程度マスターしていて、その頃、駐在員の家族に英会話をレッスンしていました。

――夫となる男性とは、いつ知り合ったんですか?

 大学院を卒業した後、公立学校で日本語と理科の教師になりました。97年のことです。彼とは、その年に会いました。友人から、「友達に日本人がいるけどどう?」って言われて、紹介されました。そのとき、私、思ったんです。「日本語の勉強になるし、会ってみようか」って。それで実際に会って話してみたら、すぐに仲良くなり、デートをするようになりました。

――どんな人なんですか?

 私より年は2つ下で大阪出身。大学で機械工学を勉強して、いったんは就職しました。しかし、その会社は転勤が1年に3回あり、低いレベルの仕事しかさせてもらえない。そんなひどい会社だったので、辞めたそうです。私と会ったときは、英会話の学校に通って、英語の勉強をしていました。彼が格好いいなって思ったのは、英語が話せなくても自信を持っていたこと。英語が話せないのに、一緒に行ったレストランで、支払い時の店員とのやりとりを私にお任せしなかった。

――彼と結婚するまでは、どのように過ごしていましたか?

 知り合った翌年の98年、一緒に住み始めました。彼はオーストラリアに家族がいないので、お付き合いしていた5年間、私の家族が彼のサポートをしていました。

――5年一緒に住んだ後、なぜ結婚したのですか?

 1年間、彼はシドニー、私はメルボルンで暮らしました。というのも、彼、シドニーで仕事が決まったんです。そこは日本人の人材を探している会社。面接に行ったら採用になりました。一方、私は国際交流基金の奨学金をもらうことが決まっていて、「2カ月休んで日本に行ってもいい」と職場も言ってくれていた。そんな状況なのに、「奨学金はいらないので辞めます。シドニーで彼と一緒に住みます」って言いにくいじゃないですか?

――それで1年、仕事の都合で別居した後、結婚したんですね?

 そうです。彼がシドニーに住み始めた後、「結婚しよう」という話になりました。結婚式は両方の国でしました。2002年7月にオーストラリアのワイナリーで、友達数人とお互いの両親を呼んで、式を挙げました。そして10月には大阪のお寺で結婚式を挙げて、結婚届を出しました。その後、日本で暮らし始めました。彼の会社は東京にも支社があるから、「日本に住みましょう」と私が提案した。すると彼がOKした。

――当然、一緒に日本に移住したんですよね?

 そうです。でも、タイミングがバラバラでした。仕事の関係で私だけ一足先に、03年1月に東京へ引っ越しました。仕事はALT(アシスタント・ランゲージ・ティーチャー)。都内の学校に派遣されて英語を教えていました。彼は4月にシドニーから東京へ転勤してきて、一緒に住み始めた。

家事や子育ての分担意識の違い

――お子さんが生まれたのはいつですか?

 03年12月のクリスマスに2人でオーストラリアへ行ったときに妊娠したみたい。だから娘は、MADE IN オーストラリア(笑)。娘を産んだのは04年9月で、私は34歳でした。小学3~4年生までは日本で、その後、オーストラリアに戻るというプランを当時は考えていた。そうすれば言葉も文化も両方の国のことを学べるから。でも、その考えは実現しなかった。

――彼は、子育てにどのぐらい関わったんですか?

 彼自身、「自分の父親をはじめとする、ほかの日本の男性よりも、ずっと自分はやっていた」と思っていたことでしょう。しかし、私の基準からすると、ずいぶん水準が低い。もちろんイーブンイーブンではなくて、私のほうがたくさんやっていた。

――なぜ、そんなに意識が違うのでしょうか?

 彼の母は専業主婦で、父は週に6日働いていた。彼の父と比較したら、確かに彼はやっている。一方、私の母は小学校の教師として働いていて、両親共働き。だから、イーブンでやるのが当たり前だった。

――具体的には、どんな割り振りだったのですか?

 保育園の送り迎えは日によって違っていた。彼がやっていたのは食べものの買い物、料理、朝に洗濯物を干す。帰宅後は、自分のシャツにアイロンをかけていた。でも、トイレットペーパー、ハンドソープ、シャンプー、歯磨き粉、洗剤がなくなっても補充はしなかった。子どもの予防接種も、私に任せっぱなしだった。

――2人の関係がギクシャクし始めたのは、いつ頃ですか?

 09年に生まれた息子が15年、小学校に入学した。そのぐらいの年齢になれば、いったん子育てが落ち着いて、2人で過ごせる時間が取れると思っていた。でも彼の考え方は違っていて、「会社員を続けながら、自分の会社を作りたい」という考えだった。

 2人とも働いているし、東京には誰も親戚がいない。 それに子どもが2人もいる。だから、彼が新しくビジネスを始める余裕はないと思っていた。だから私は彼に条件を出した。「受け持っている生徒たちの試験が毎年11月にある。始めるなら、せめて試験が終わってからにしてください。会社を作るための準備で人に会いに行ったりして夜遅くなるのなら、あらかじめ説明してください」と。

――彼は条件を守りましたか?

 いいえ。私の生徒たちの試験が行われる11月より2カ月も早い9月に、彼は会社を始めてしまいました。

――彼は約束を破ったんですね。

 しかも、年明けの1月には、夜中の2時になっても帰ってこないのが通常になった。そうしたことが続いて、私は不安で寝られなくなった。

――2人の子どもは、まだ小さいですものね。

 そうなんです。それに私、日本人じゃないから、地震に慣れていない。11年の東日本大震災の揺れは、本当に怖かった。そのとき、あの地震から4年がたっていたけど、「また揺れたらどうしよう」って、ずっと思ってた。だから余計に不安が大きくなった。

――彼に注意はしたんですか?

 1月になって言いました。「出かけるときに、どこに行っているか教えてください」と。すると彼、従ってくれたり、聞き入れてくれるんじゃなくて、むしろ怒って言いました。「キャサリンは、オレのことをコントロールしようとしている」と。そして、その後、彼は私のOKがないまま、ずっと帰ってこなくなった。だから私、不安で寝られなくなってしまったし、仕事にも出られなくなった。なのに、彼は私を無視した。

――彼が経営していたのは、何の会社なんですか?

 ワインの輸入販売、コンピューター関係の相談とか。業務内容はバラバラ。収益は上がっていなかった。確定申告は毎年行っていましたけどね。

――なぜそんなに、彼は新しいビジネスにこだわったんでしょうね?

 彼はそのときミッドライフクライシス(中年の危機)だったのかも。今までの人生は「自分の思い通りにいかなかった」と思い込んでしまった。だから、突然、新しいことを始めた。それが新しいビジネスだった――。私はそう解釈した。だとすれば、しばらく静かに待ってあげたら落ち着いていくと思った。

――彼は落ち着いた?

 いいえ。ますますひどくなった。例えば、一家で車でお出かけしたとき、靴を履かずに靴下のまま運転をしたり、それまで吸っていなかったタバコを41歳になってから吸い始めたりもした。ヘンでしょ?

――確かにヘンですね。それで、その後、関係はどうなったんですか?

 2年間、ずっと関係はよくなかった。彼は毎月、1週間大阪に出張していて、私や子どもたちに秘密で、若い女性と交際しているようでした。LINEのメッセージに証拠が残っていた。

――キャサリンさんの体調はどうでしたか?

 どんどん悪くなっていった。不眠症になってしまって、学校に働きに行っても保健室で寝かされることが普通になった。

――お子さんとの関係はどうだったんですか?

 私たちの親子関係は良いほうだったと思います。だからもし、平等に離婚の調停をしていたら、私が親権者となる可能性が高かった。日本人ではないけども日本語が話せる、学校の教師。日本に長く住んでいる。悪くない母親。すると、彼が子どもたちの親権を得るためには、連れ去りという選択しかなかった。

――彼が離婚したいと言いだした経緯を話してもらえますか?

 15年、16年と2人の関係はよくなかったけど、17年になると少し関係が落ち着いてきていた。ミッドライフクライシスを乗り越えたんじゃないか、という手応えが、そのとき私にはありました。だから私、彼に提案しました。「出張から帰ってきたら、10月の結婚記念日を一緒にお祝いしましょう」と。彼が承諾したので、レストランのコース料理を予約しました。彼の出張の都合で数日遅れの日に。

――それは、どんなお店ですか?

 荻窪のスペイン料理店です。当日、子どもを残して2人きりで、バスで行きました。そのとき、私、結婚15周年を記念した贈り物を用意していたんですよ。

――それは素敵ですね。贈り物は何だったんですか?

 ギフトセットの箱に入った、クリスタルのワイングラスです。ペアで1万円もする高級なグラス。

――2人でごちそうを食べて、記念日を祝ったのですね。それでプレゼントは渡したんですか?

 いいえ。それどころではなくなりました。というのも食事の途中、突然、「離婚したい」と切り出されたんです。私はショックを受けて、固まりました。私が黙っていると、彼は「帰ろう」って言って、席を立ちました。

――コース料理なら、まだ出てきていない料理もあるでしょう?

 そうなんです。私たちの修羅場を見て、レストランのスタッフがパニックになりました。すごく困っていて、「メインディッシュのプレートがこれからです。どうしましょう?」と相談されました。すると、彼はさっさと会計を済ませて、店を出ていきました。

――ひどすぎますね。無理やり、関係を壊そうとしているフシすら感じます。それで、その後の家庭生活はどうなりましたか?

 家庭内別居です。それまでは、2人でダブルベッドに寝ていたけど、レストランで「離婚したい」と言われてから、彼は子ども部屋で布団で寝ていた。その後の11月と12月、本当につらかった。

――その後は?

 年が明けた後、子どもたちを連れて、オーストラリアへ戻りました。

    ***

 これは国をまたいだ別居なのか、それとも一時的な帰国なのか……。

(後編へつづく)

乃木坂46・山下美月、ドラマに引っ張りだこなのも納得!MVで見せていた“0・1秒の超絶演技”

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 乃木坂46の山下美月が 10月にスタートするドラマ『じゃない方の彼女』(テレビ東京系)に出演。主演の濱田岳演じる既婚者・雅也の不倫相手役を務めることがわかった。

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女性の幸せは「不当」なの?/愛情は素晴らしいが、すがって生きるものではない/差別心は「親しみ」の裏返し【サイ女の本棚】

 ここはサイゾーウーマン編集部の一角。ライター保田と編集部員A子が、ブックレビューで取り上げる本について雑談中。いま気になるタイトルは?

◎ブックライター・保田 アラサーのライター。書評「サイジョの本棚」担当。一度本屋に入ったら数時間は出てこない。海外文学からマンガまで読む雑食派。とはいっても、「女性の生き方」にまつわる本がどうしても気になるお年頃。趣味(アイドルオタク)にも本気。

◎編集部・A子 2人の子どもを持つアラフォー。出産前は本屋に足しげく通っていたのに、いまは食洗器・ロボット掃除機・電気圧力鍋を使っても本屋に行く暇がない。気になる本をネットでポチるだけの日々。読書時間が区切りやすい、短編集ばかりに手を出してしまっているのが悩み。

女が連帯し、“不当に”幸せになる『わたしたちに手を出すな』

ライター保田(以下、保田) 私がまずオススメしたいのは小説『わたしたちに手を出すな』です。8月の小田急線刺傷事件に静かに傷つく女性が多いなか、ちょっと無茶な展開でも女性が幸せになる作品を紹介したいなと。

編集A子(以下、A子) 8月6日に起きた、東京・小田急線の車内で男性が乗客を切りつけ、10人が重軽傷を負った事件ですね。「幸せそうな女性を見ると殺してやりたい」「男にチヤホヤされてそうな女性を殺してやりたい」といった供述も注目されました。

保田 容疑者の発言や、その後のネットの反響の一部には、容疑者に共鳴するかのように、「女性は楽をして幸せを得ている」「不当に得たものだから奪われてもいい」という認識が透けて見えるものもあり、こんなにも見える景色が違う場所から言葉を探らなければならないのかという絶望を感じました。『わたしたちに手を出すな』は、現実に起こりえないような展開もある“THEエンタメ”な作品ですが、「女性の幸せは不当である」という世界観に、はっきりと「NO」を突きつけている作品でもあると思います。

A子 あらすじを読みましたが、「夫を亡くした女性リナが、近所の男性に力ずくで性交渉を迫られ、とっさに灰皿で殴ってしまう。『殺してしまった』と思い込み、娘の元に駆け込むが……」って、初めから嫌な予感がしますね……。

保田 その序盤からは想像できないほど、雪だるま式に話が大きくなっていくんです。60歳のリナと孫娘のルシア、ルシアの隣人でリナと同世代の元ポルノ女優ウルフスタインが行きがかり上団結し、マフィアの殺し屋ら男たちから逃げることになる、クライム・ロードムービーのような作品です。

A子 序盤のあらすじや、女性を軸にしたロードムービーという要素が、名作『テルマ&ルイーズ』(1991年)を想起させますね。

保田 『テルマ&ルイーズ』のラストを知っている方なら、私が今こそこの小説を薦めたくなった理由がより伝わるかもしれません。そこかしこに散りばめられた女同士の友情も本作の特徴ですが、もうひとつ、他人からの愛情・関心によって救われようとする登場人物が、ことごとくその期待を裏切られる点も印象的です。リナに迫った男、娘の愛情に期待したリナ、会ったこともない実父へ思いを募らせるルシア……「恋人や家族の愛情は素晴らしいが、すがって生きるものではない」というメッセージが、形を変えて何度も提示されています。

A子 展開を楽しみつつ、精神的な自立を後押しする話でもあるんですね。

保田 原題「A Friends is a Gift you Give Yourself」が示す通り、友情を大事にしつつ、誰かに依存せず生きるウルフスタインたちが痛快で、「実際こうはいかないよ」とは思いつつ、一息で読める1冊です!

保田 小説は直接社会を救うことはできませんが、他者に少しでも何かを伝えたい時に必要になる想像力を養うためにも、必要なものだと思います。というわけで、今回はもう1冊も、小説『短くて恐ろしいフィルの時代』をおススメしたいです。日本では2011年に出版され、8月に文庫版が発売されました。

A子 17年ごろ、本作訳者である岸本佐知子氏がSNSで紹介したことで、話題になった覚えがあります。

保田 国民が1人しか入れないほど小さい「内ホーナー国」と、巨大な「外ホーナー国」を中心に、牧歌的な雰囲気が漂うおとぎ話のような文体でつづられる小説です。登場人物の体は植物や機械などからできていて、造形が独特なので、読者が頭の中で想像する形も色彩も、一人ひとりかなり異なると思います。

A子 同じ作品を読んでも、それぞれ全く違うビジュアルを想像して楽しめるのは読書の醍醐味ですね。その概要を聞くと、かわいらしい話にも聞こえます。

保田 朴訥とした雰囲気のまま、外ホーナー国から内ホーナー国への弾圧が始まり、独裁者フィルを中心に過激化し、独裁国家となる一部始終が描かれます。詩的な世界観の下で、異質な他者は弾圧してよいと結論付ける人々の滑稽さを風刺するというミスマッチさが、この本の魅力を深めています。他人を見下す差別心の萌芽は、「自分に似ている人を親しく思う」という、誰でも持っている自然な心理の裏返しであることが明確に指摘されていてぞっとしました。

A子 抽象化されているからこそ、国を超えて響く強度のある作品になっているんですね。独裁者を歓迎する心理や差別心も、人ごとではなく自身含めて誰の心の内にあるもの――と、言うのは簡単ですが、実際自覚するのは難しい……。

保田 最終的には「創造主」が世界をリセットしてしまうので、『短くて恐ろしい~』で済みますが、国内を見ても世界を見ても、現実では『“短くはない”恐ろしいフィルの時代』が生まれる素地はどこにでもありうると感じます。
(保田夏子)

 マフィアのボスだった夫を亡くし、静かに生きていた老女リナ。言い寄ってきた近所の男性老人を「殺してしまった」と思い込み、娘の元に駆け込んだが冷たく追い返され、途方に暮れていたところを見かねた隣の家の同年代女性・ウルフスタインが手を差し伸べる……。「老女×老女×少女」による逃避行サスペンス。2019年の「アマゾン・ベスト・ブック」に選ばれ、フランスでも「Transfuge」誌の「最優秀翻訳スリラー賞」を受賞。

 『リンカーンとさまよえる霊魂たち』でブッカー賞を受賞したジョージ・ソーンダーズが生みだした、「大量虐殺」を主題にしたおとぎ話。国民が一度に一人しか住めない小さな国と、その国を囲む大国を巡る物語。熱狂的だが何も言っていない演説で民衆に訴える独裁者、その権力に寄生し甘い汁を吸えればよい側近たち、定型句で大衆の興味を煽るマスメディア、問題から目を逸らして団結できない小国……ユーモアと風刺をこめて、現代社会が抱える困難を炙り出す。

黒木華とは「ただの友人」のわけがない? “同マン”ムロツヨシが女優事務所から警戒されるワケ

 9月10日発売の「フライデー」(講談社)が黒木華の密着ショットを掲載した。

 黒木はこの日、映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』の完成報告イベントに出席。終了後、ムロツヨシの住むマンションに向かったという。

「すわ、同棲かと思わせる記事でしたが、黒木は昨年4月にムロが住むマンションに引っ越してきたそう。そのため、ネット上では『いや、つまり自分の家ってこ…

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