5月28日放送の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて、1986年公開の映画『スタンド・バイ・ミー』が本編ノーカットで放送される。テレビで見たい映画を視聴者から募集する企画「金曜リクエストロードショー」によって選出された映画とあって、放送前からTwitterのトレンドワードに作品名が浮上するなど、注目度はバツグンだ。
原作は、アメリカを代表する作家であるスティーブン・キング氏の同名小説で、オレゴン州の小さな町に住む4人の少年たちの冒険を描いた作品。公開から35年たった今も愛されるこの映画には、23歳の若さで亡くなった名優のリバー・フェニックスや、大人気ドラマシリーズ『24 -TWENTY FOUR-』の主人公、ジャック・バウアーを演じるキーファー・サザーランドも出演しており、若かりし彼らの演技も楽しめるだろう。
4人の少年たちの中でも、スティーブン・キング自身を投影した役だといわれているのが、作家を夢見る少年のゴーディ・ラチャンス。彼を演じた俳優のウィル・ウィトンは、『スタンド・バイ・ミー』出演後、どのような活躍をしているのだろうか?
映画出演で一躍スターとなったものの、その後の活動はテレビドラマが中心となったウィル。2007~19年まで続いた人気ドラマシリーズ『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』に“本人役”で出演したり、20年からは、AI同士のサバイバルを見守るゲーム版リアリティ番組『Rival Peak』でホスト役を務めたりと、現在も芸能活動を続けている。
一方で、先日はウィルが「少年時代に両親から精神的虐待を受けていた」との報道も。今月24日に公開された「Yahoo! Entertainment」のインタビュー記事では、ウィル本人が「両親に無理やり演技をさせられた」「父から信じられないほどの精神的虐待を受けた」と告白。「『スタンド・バイ・ミー』を見ていると、信じられないほどの悲しみが目に浮かぶ」と、当時の苦しさがよみがえるとも明かしていた。
ほかにも、ウィルの知られざるエピソードを紹介するべく、サイゾーウーマンの海外特派員・JULIE氏の連載「ハリウッド版『あの人は今!?』」を再掲。実は“オタク”な一面や、ファンとの心温まる交流などを知れば、『スタンド・バイ・ミー』への理解がより深まるだろう。
(初出:2011年1月17日)
『NARUTO』の声優も! 『スタンド・バイ・ミー』ゴーディーのオタクな人生
――夢中になった映画やドラマに出演していた、あの人。パタっと見なくなったけど、やっぱり気になる~!! そんなアナタのために、サイゾーウーマンの海外特派員・JULIEが、噂のあの人の仕事からプライベートまで、現地で情報をかき集めてきました!
■今回のターゲット
ウィル・ウィトン(『スタンド・バイ・ミー』のゴーディ・ラチャンス役など)
小さな田舎町に住む4人の少年たちが繰り広げる、ひと夏の冒険を描いたノスタルジックな青春映画『スタンド・バイ・ミー』(1986)。多感で繊細な少年たちの心情を見事に描写した同作で、兄を亡くし両親から邪険にされているゴーディを演じたのがウィル・ウィトンです。ゴーディは、映画の原作者スティーブン・キング自身だとされ、感情表現するのが非常に難しい役でしたが、ウィルは見事熱演。親友クリス役を演じたリバー・フェニックスと人気を二分し、ハリウッドの若きスターとして注目を浴びるようになりました。
ウィルは、子役として経験を積んでいたため『スタンド・バイ・ミー』出演時には、ベテラン顔負けの演技力を身につけていました。映画で大ブレイクした後は、共演者のリバーやキーファー・サザーランドのように銀幕の世界で活躍するのだろうと誰もが確信しました。しかし、ウィルが選んだのは、映画ではなくTVの世界。TVドラマやTV映画で、着実に俳優としてのキャリアを積み上げていったのです。
87年にレギュラー出演した人気SFドラマ『新スタートレック』では、『スタンド・バイ・ミー』とは異なる層のファンを獲得。宇宙船エンタープライズDの最年少クルーを演じ、ティーンやSFファンから絶大なる人気を得るようになったのでした。
『スタンド・バイ・ミー』で共演したリバーは、93年にヘロインとコカインの過剰摂取により23歳の若さで急死しています。ウィルは、リバーの死について「薬物やアルコールに漬かっていたことは知っていたから、驚かなかった」と回想。2人は、ウィルが15歳になるまで大親友だったそうで、映画の成功により急に注目され、パパラッチに追いけまわされ苦しむリバーの姿を間近で見ていたそうです。
「でも注目されなければスターで居続けることはできない。リバーはそんな状態に苦しみ、薬物に逃げるようになっていた。僕は嫌気がさすというより、怖くてなってしまい、外に出なくなった。そして、ゲームやインターネットの世界へ逃避するようになったんだ」とウィルは語っていますが、俳優業の傍ら、そのゲームやインターネットの世界で一目置かれる存在へと大成長。
オタクのイベントには時間を許す限り顔を出し、2001年には自身が立ち上げたウェブサイト『WIL WHEATON dot NET』の掲示板でファンやオタクたちと交流を開始。ブログの記事をまとめた自伝書『Dancing Barefoot』はヒットとなり、出版社から契約オファーを受けオタクへの道を綴った『Just a Geek』もリリース。オタク系サイトや雑誌に寄稿するなど著述業としても知名度を上げていったのです。ほかにも、映画やアニメーション、ゲームなどの開発ツール・プロバイダ米NewTek, Inc.で、Video Toaster 4000の開発に携わるほど、技術系オタクを超える活動もしています。
また、DCコミックのアニメ『ティーン・タイタンズ』やアニメ『NARUTO -ナルト-』『黒神』など数多くのアニメにも声優として出演。インターネットで配信されているウェブ・コメディ『LoadingReadyRun』やウェブ・シリーズ『Gorgeous Tiny Chicken Machine Show』などにも登場し、スケッチコメディーの舞台にも立っています。
01年にはインディペンデント映画『The Good Things』で俳優として高く評価され、映画祭で賞を獲得。07年、08年には人気ドラマ『NUMBERS 天才数学者の事件ファイル』『クリミナル・マインド FBI行動分析課』にゲスト出演し、話題となりました。
ウィルの人柄を語る素敵なエピソードがあります。10年8月、テレサという女性ライターが21年前にウィルのファンクラブに申し込んだものの、何らかの手違いで何も送られてこなく「当時8歳だった私はひどく落ち込んだ」という話を、大手SFサイトで記事にしました。
これを読んだウィルは、当時のファンクラブのグッズを探しまくり、早速彼女に郵送。「8歳のテレサへ」という手紙も同封しました。手紙はサイトで公開されたのですが、「こんなに長く待たせてゴメンね。15歳のぼくは仕事と学校で忙しくて、ファンクラブはほかの人がやってくれていたんだ。手違いで入会手続きするのを忘れてしまったんだと思う」「もうずっとファンクラブは活動をしていないけど、メンバーズカードと特典グッズをお送りします。今のぼくは結婚して2人の男の子のパパなんだ。君と一緒で執筆もしているよ」「最後に、もう一度、8歳のテレサへメッセージ。僕が何で知っているのか明かせないけど、君は大人になったら素晴らしいライターになるよ。だからちゃんと学校に通い、自分がされたいと思うように人に優しく接してね」と綴られており、多くの人々の心を打ちました。
ハリウッドA級スターではないけれど、自分の好きな仕事を生き生きとこなしているウィル。彼の生き方を理想としている俳優はとても多いそうです。
JULIE
海外生活20年以上の、海外芸能ジャーナリスト。 ゴシップサイトやタブロイド紙を毎日巡回中。ルーペ・ヴェレスからレディー・ガガまでイケる雑食系。世界各地から情報を取り寄せ、粘着質的にリサーチするのが大好物。