「婦人公論」3月23日号(中央公論新社)、特集は「疲れない体になるヒント」です。何かと漢方と社交ダンスを持ち出しがちな「婦人公論」ですが、今号は健康がテーマとあって、その2つが大活躍。漢方は「櫻井大典 『食べる漢方』で毎日おいしく養生を」と「新・心とからだの養生学 『なんとなく不調』を解消! 漢方でセルフケア」の2つの記事で取り上げられ、社交ダンスについては、インタビュー記事「槇村さとる 病のトンネルをくぐり抜け、社交ダンスで大逆転」で語られています。漢方と社交ダンスを嗜んでおけば、いかなる困難も乗り越えられそうに思えてきますが、漢方と社交ダンス以外で気になった中身を見ていきましょう。
<トピックス>
◎由美かおる 呼吸法、アコーディオン、母ゆずりの献立で毎日しなやか
◎瀧島未香 90歳、運動を始めるのに遅すぎることはありません
◎鈴木保奈美×三浦しをん アイデアはいっぱい作ってあっさり捨てる
由美かおるが崇拝する「西野」とは
最初に見ていくのは、御年70歳の女優・由美かおるのインタビュー「呼吸法、アコーディオン、母ゆずりの献立で毎日しなやか」です。ここ30年くらい顔も体形も髪形も変わっていない不思議な存在、由美かおる。本人いわく「15歳からスリーサイズは変わらず」とのこと。その秘訣は、主に「30分ほどの西野流呼吸法」「アコーディオンのレッスン」「バランスのいい食事」の3つだとか。そのおかげで今も「Y字バランス」ができるそうで、ハイネックの全身タイツ(?)に白いベルト(?)という謎の出で立ちの由美が、美しいY字バランスをキメた写真も掲載され、圧倒されます。
全身タイツももちろん気になるのですが、もっと気になったのは「西野流呼吸法」でした。由美によれば「西野バレエ団の主宰である西野皓三先生が創始されたもの」だそう。あの西野(西野亮廣)は関係なかったことに、ひとまず安心。
具体的には「“足芯呼吸”という、樹木が根から水を吸い上げるイメージで行う呼吸が基本」で、「実践すると、全身にエネルギーが巡り、細胞が活性化するのを感じますし、代謝が良くなって、食べても太らない身体になる」という魔法のような呼吸法だそうです。
ますます気になって「西野流呼吸法」を検索してみると、インターネット創生期を彷彿とさせるレトロな公式サイトが出現。西野先生の名言が並ぶ「西野語録」、西野先生の若かりし時代のお写真が拝める「西野アルバム」など、中身は意外と充実しています。
「著書紹介」のページをクリックすると、西野先生と由美はタッグを組み、1986年発売の書籍『由美かおるのダイナフロービクス』(徳間書店)を皮切りに、2019年の『Y字バランス 奇跡のメソッド』(KADOKAWA)まで、西野呼吸法をテーマとした本を9冊出していることが判明。『由美かおるのダイナフロービクス』『Y字バランス 奇跡のメソッド』の表紙ともに、由美はピンクのタイツ(もしかしてレオタードなのか!?)に白いベルトを巻いた格好でY字バランスを披露しています。30年以上、まったくブレていない由美。「婦人公論」のインタビューも含め、彼女の神秘性に触れられた気がしました。
次は「瀧島未香 90歳、運動を始めるのに遅すぎることはありません」を見ていきましょう。
こちらは90歳で日本最高齢フィットネスインストラクター、瀧島未香さんのインタビュー。瀧島さんは65歳で近所のスポーツジムに通い始め、87歳にインストラクターデビュー。現在もオンラインレッスンを開いているそうです。そんな瀧島さんの1日は、朝4時から2時間のウォーキング&ランニングでスタート。午前は家事、午後は1時間の筋トレと1時間ストレッチを行うそうです。なお夜の睡眠時間は4時間で「自然に目が覚めます」「毎朝気分よく起きることができます」とのこと。「健康的な生活」で「毎日楽しくてたまりません」と語っています。超人です。
由美かおる同様、瀧島さんも凄まじい生命力が写真から伝わってきます。瀧島さんが西野流呼吸法をやり出したら、もう無敵なのではないかと感じました。
鈴木保奈美のトレンディー文体にお墨付き
最後に見ていくのは、女優・鈴木保奈美と作家・三浦しをんの対談「アイデアはいっぱい作ってあっさり捨てる」。鈴木が同誌で連載していたエッセイをまとめた単行本『獅子座、A型、丙午。』(中央公論新社)の発売を記念した企画です。サイゾーウーマンの女性誌レビューでは、連載スタート時から「80年代を引きずりまくった文体」(17年04月19日配信の記事より)と注目してきたあのトレンディーなエッセイ……ついに書籍化とのことで、おめでとうございます。
保奈美文体は、売れっ子作家である三浦氏にも好評。「滅多に私、こういうこと言わないのですけど――鈴木さんは小説書くの、向いてると思います」とまで言わせしめています。
「えっ、えっ、そんなの考えたこともないです。(中略)自分には絶対できないと思ってます」と謙遜する鈴木。そこへさらに「うんにゃ、そんなことねえだ」と被せる三浦氏。「うわあ、どうしましょう」とちょっと乗り気になる鈴木。お決まりの古風なやりとりが、一周回ってほほ笑ましい……。80年代をひきずった文体による80年代を描いた小説、書いてほしいです。