新型コロナウイルスが蔓延してから、はや1年。感染拡大防止のための外出自粛や、渡航制限などが設けられ、なかなか旅行できない日々が続いていますよね。しかし、「そろそろ我慢の限界!」という人も多いのでは?
そこで、“Googleマップの妄想旅行案内人”として、『マツコの知らない世界』や『王様のブランチ』(ともにTBS系)などに出演した吉田喜彦さんに、自宅で旅行気分が味わえる「Googleマップのおすすめスポット」をインタビュー。Googleマップだからこそ見られる景色や、知ってて損はない豆知識も教えてもらいました!
――「妄想旅行」を楽しむうえで、知っておいたほうがいいGoogleマップの基礎知識を教えてください。
吉田喜彦さん(以下、吉田) Googleマップというのは、Googleにとっては“技術力のアピール”みたいなもの。ですので、例えばマップの更新頻度は、その優先度があるのか、実はまちまちなんです。例えば、渋谷駅はほぼ毎年のペースで風景が変わりますが、10年以上一切更新されていない場所もあります。
また、山道をたどっていくと、よくわからないところで急にUターンすることも。これはおそらく、撮影者がGoogleから具体的な指示をもらっていないか、理由があって削除されたかのどちらかでしょう。実はそのぐらい、人間の手で作られた“不完全なマップ”なので、そういう前提でGoogleマップを見てみると、おかしなバグを発見しても楽しめるはずです。
――Googleマップと一口に言っても、パソコン版、スマートフォンなどのアプリ版がありますが、「妄想旅行」をするためには何が一番使いやすいですか?
吉田 やはり、機能が充実しているのはパソコンブラウザ版のGoogleマップですね。スマートフォンでGoogleの地図アプリを使う場合、「Googleマップ」「Googleストリートビュー」「Googleアース」と3つに分かれていますが、中でも「Googleストリートビュー」アプリはいまだにバグがあり、挙動が不安定。ですので、“快適な旅”のためには、パソコン版のGoogleマップがおすすめです。
Googleマップ旅行の面白さが凝縮された3カ所
――それでは、吉田さんがおすすめする「Googleマップ旅スポット」を教えてください。
◎岐阜県:白川郷
世界遺産でもある白川郷は、結構隅々まで見られるようになっています。おそらく、現地の方が撮影に協力的なんでしょうね。しかも、「タイムマシン機能」を使うと、“雪の白川郷”と“新緑の白川郷”が見られるんです。
これはパソコン版だけの機能なのですが、画面左上の「時計マーク」をクリックすると、夏と冬の景色を切り替えることが可能。しかし、全ての場所で使えるわけではありません。こうしたよくわからない仕様の“ゆるさ”や、アクシデントを楽しむことが、Googleマップ妄想旅行の醍醐味です(笑)。
ちなみにこの「タイムマシン機能」は、東日本大震災を機に、日本がアイデアを出して世界的に実装されたという逸話があります。景色を“資料”として残しておく、といった意味合いもあるんです。
◎東京都:東京タワー
景色を切り替えて楽しめる場所といえば、東京タワーも欠かせません。これは「タイムマシン機能」とはまた別なのですが、展望フロアのみ、朝と夜の風景がどちらも見られます。この仕様は、世界的にも珍しいものです。
ちなみに、現時点で東京スカイツリーの展望フロアは、Googleマップの公式撮影はされていません。東京タワーはこうしてマップを充実させることで露出を増やし、より多くの人の目に触れる戦略が重要だと考えているのでしょうね。
◎アラブ首長国連邦:ブルジュ・ハリファ
タワーといえば、ドバイにある“世界一高いビル”のブルジュ・ハリファも面白いですよ。ここも、東京タワーと同じく中に入ることができるのですが、なぜか“窓ふき作業員の視点”から景色を眺められます。こんなところから景色を見るなんて、Googleマップじゃないと絶対に無理でしょう(笑)。なお、本当に高さを感じるので、高所恐怖症の方は注意してくださいね!
◎アメリカ:ホワイトハウス
ホワイトハウスの中は、“観光コース”と思われるルートが全て見られるようになっています。ここで注目してほしいのは、壁に飾られている絵画。グレーの丸をクリックすると詳細が表示され、「高画質で表示」を押すと、非常に細かいシワまで観察することができます。
これは「Googleアーツ&カルチャー」というプロジェクトの一環で、美術館や博物館にも同じ仕様が見られます。実際にその場に行っても、ここまで至近で作品を見ることは難しいでしょうから、Googleマップならではの利点だといえるでしょう。
◎エジプト:ピラミッド
Googleマップ上では、ピラミッドに大接近することもできます。しかし、こうして近くで見ると、意外とボロボロなのがわかるので、印象が変わるかもしれません(笑)。とはいえ、現地の人もたくさん写っているので、より旅の雰囲気が味わえるスポットではないでしょうか。
ちなみに、道路にはラクダや馬も歩いていますが、これは日本でいう“浅草の人力車”みたいなもの。周辺を歩くとかなり距離があるので、現地ではラクダに乗ってピラミッド観光を楽しむ人もいるようです。
◎南極大陸
ペンギンが、まるでハトのようにいます! 動物に癒やされたい方は、ぜひじっくり見てほしいですね。それと、南極は意外と雪が積もっていないという発見も。温暖化の影響かもしれませんが、この景色を見ると、イメージが変わるのではないでしょうか。
また、少し離れたところには小屋がありますが、これは「イギリスの南極観測基地」だといわれています。まるで、普通に人が暮らしているような状態にしてあって、ちょっとホラーな雰囲気ですよね。
◎オーストラリア:グレート・バリア・リーフ
動物絡みですと、ここには大きなカメがいます。実際には、こんなに近くで見ることは難しいでしょうから、非常に貴重な写真だといえるでしょう。Googleマップでは、海中の写真がたくさん見られますので、ぜひ海の生物を探してみてほしいですね。なお、水中の撮影は、オーストラリアの非営利団体「Underwat er Earth」と、Googleの共同プロジェクトで行われています。
◎和歌山県:アドベンチャーワールド
さらにもう一つ、Googleマップで動物を見る時におすすめしたいのが、和歌山県のアドベンチャーワールド。園内をぐるっと見て周ることができ、同園で有名なパンダも至近距離で観察できます。現地に行けば、大人は入場料4,800円(税込)かかりますから、無料でこれだけ見られるのは超おトク。とはいえ、南紀白浜空港から近くて交通の便もいいので、ぜひ実際に遊びに行くことをおすすめします(笑)。
また、この機会にぜひ世界中の動物園もGoogleマップで見てみてください。日本との違いに驚かれるかと思います。海外の動物園は、野原に動物が自然に近い状態で放し飼いにされているところが多いですが、日本は室内や檻で管理されている動物園がほとんど。どちらが良いということではなく、文化や考え方の違いが、このような形で反映されているのでしょう。
このように、一瞬で世界中の同じような場所を比較できるのも、Googleマップの魅力です。観光ガイドの本やサイトなどでは、キレイな写真ばかりが載っているかもしれませんが、Googleマップは“リアル”が伝わってきます。それもまた、Googleマップ妄想旅行の楽しさの一つだと思います。
――後編は、「Googleマップのミステリースポット」を紹介!
吉田喜彦(よしだ・よしひこ)
Googleマップトラベラー。大学講師やIT系専門学校教員を経て独立。ネットマーケティングの仕事に携わる傍ら、Googleマップの魅力にハマっていく。現在は、ゲーム制作におけるマップ作りにGoogleマップを役立てるなど、さらに独自の使い方を模索中。ゲーム実況YouTuber/ティックトッカーとしても活動中。
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