森喜朗氏の地元・石川県で「自民党を除名された」女性議員に聞く、女性が“排除される”地方社会

 女性蔑視発言が問題となり、森喜朗元首相が東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の会長を辞任した。しかし、後任の橋本聖子氏が務めていた五輪担当相と男女共同参画担当相を兼務することになった丸川珠代氏が、選択的夫婦別姓に反対するよう地方議員などに呼びかける書状に名前を連ねていたことが明らかになり、さらなる波紋を呼んでいる。

 昨年12月に閣議決定された「第5次男女共同参画基本計画」は、特に伝統主義的な自民党議員による強い反発を受け、「夫婦別姓」の文言が削除された。一方で「選択的夫婦別姓」に賛成する自民党議員もいて、夫婦別姓が賛意を示すことすら許されないほどタブー視されているようには思えない。

 そのような状況の中、森氏の地元である石川県では昨年6月、自民党野々市支部が、野々市市議会本会議に提出された夫婦別姓導入の請願に賛成した、梅野智恵子市議を除名処分とした。

 梅野市議は地元の北國新聞の取材に対して「党の考えに反するという認識はなかった」と答えているが、なぜ除名されるに至ったのか。その背景や経緯、そして女性差別や森氏についても話を聞いた。

ウグイス嬢の経験を経て、無所属で立候補

 梅野市議が賛成した「選択制夫婦別姓の導入など、一日も早い民法改正を求める国への意見採択についての請願」は、2020年の3月、市議会で共産党の岩見博市議が発議したもの。梅野市議は、「地方議会から声を届けるべきだと賛成したかった。なので(賛成を表すために)起立しました」と話す。

 自民党には所属していたが、一人会派「みのりの会」であるため、野々市市議会の自民党系会派で最大会派である「野々市フォーラム」の市議に相談することはなかったという。

 梅野市議の除名を報じた北國新聞の取材に対して、自民党野々市支部長の徳野光春県議は「遅刻、欠席等で党に迷惑をかける行為を続けたことも処分の理由」と述べている。さらに記事は「梅野市議は昨年(※2019年)12月に自民党系会派を離脱している」と締めくくられていた。梅野市議と「野々市フォーラム」との間に、何があったのだろうか? 

 それを探るために、梅野市議の出馬から当選、そして現在までの経緯を振り返る。

 梅野市議は19年4月の統一地方選挙に立候補した。

「20年以上ウグイス嬢をやっていて政治が身近だったこと、そして、自分の住む地域を見た時に女性が政治の場にほとんどいないことに危機感を覚えたことで立候補しました」

 地方議会の選挙では町内会や校区を地盤とし、地盤の推薦を得て立候補することが多い。長年、国会・県議会・市町村議会の自民党議員のウグイス嬢を経験していた梅野市議は、自民党野々市支部とも関わりがあったが、無所属・公認なしで出馬(野々市市では自民党系の議員は無所属・公認なしでの立候補は一般的)。

「野々市市には町会(町内会)代表の議員として出馬するという暗黙のルールがあります。でも、すでに2人現職がいたので、自分が住む町会からは推薦されませんでした」

 町会の推薦や組織団体、党からの応援も得られない中、梅野市議はいわゆる「ドブ板選挙」と呼ばれるような選挙運動を展開した。 

「私は当選するために垣根を越えて野々市市をフルで歩きました。地図を見て、一軒一軒回ってピンポン押して、『立候補させていただきます、梅野と申します』と挨拶しました」

 町会の推薦を得ていない場合でも、同じ自民党系の議員が立候補している町会を避け、空白地帯で選挙運動をするという不文律があるようだ。

「長くウグイス嬢をやっていたので、選挙のノウハウはある。街頭演説は自分でできる。だから、協力してくれた少数の仲間たちで選挙を戦うことができたんです。おかげさまで初当選させていただくことができました」

 梅野市議は定員15人中6位の当選。新人では最も高い得票数となった。無所属・公認なしでの出馬だったが、当選後は自民党系の会派に入った。

 当初は自民党系会派「野々市フォーラム」に所属していた梅野市議だが、会派にいた頃、新人議員をフォローし盛り立てていこうという温かな雰囲気は全く感じられなかったという。冷たく排除するような空気は、徳野県議の「遅刻、欠席等で党に迷惑をかける行為を続けた」という発言にも表れている。

「初めて遅刻したのが、当選してすぐの予算決算常任委員会だったのですが、当時は絶対行かなければならないことを知りませんでした。19年夏の参院選に向けての選挙事務所の当番が、その日のその時間に当たっていて、そちらに行っていました。当番は会派で決めているはずなのですが、議会の事務局からの電話で遅刻に気が付いたんです」

 ほかにも、支持者との電話が長引いて広報委員会に出席できなかったことなどが、「欠席」に含まれているのだろうと梅野市議は言う。怠惰でたびたび遅刻や欠席をしたわけではないとの主張だ。

 会派での「飲み会」も、梅野市議にとっては大きな負担だった。

「飲み会が多いんです。行ったら行ったで『子どもがいるクセに』と言われ、行かなかったら行かなかったで悪く言われます。酔って(地元で事業を営む)父を罵倒されることもあり、思わず泣いてしまったこともあります」

 「このままではつぶされる」と感じた梅野市議は、19年12月に「野々市フォーラム」を離脱。一人会派「みのりの会」を立ち上げるが、引き続き自民党野々市支部には所属して活動することにした。

 一人会派では野々市フォーラムの視察や勉強会に参加できず、会派室も異なるため、ほかの自民党系議員との情報共有もままならない。しかし、それでも梅野市議への排除がやむことはなかった。

「地元国会議員から直接声をかけていただき、東京で官僚の方に講習を受けるため視察に行ったのですが、野々市フォーラムの議員の方々が『一人会派なのに』と国会議員に直接抗議したそうです」

 野々市フォーラムを抜けた翌年の3月、梅野市議は選択的夫婦別姓に賛同。そして3カ月後に、除名の発議がされた自民党野々市支部の総務会が実施される。除名処分は突然のことだった。

「6月に開かれた総務会の最後に、いきなり発議されたのは『梅野議員の処分を求める』。議長がすぐに受理されました。根回しはできていたみたいです。私はいったん退席させられました。ほかの地区代表の自民党議員も女性部長も、党員も、議長以外全会一致の除名ということになったらしく、『処分が決まりましたので』ということで入室許可が下りて議場に入った途端、『以上』で終わりました」

 梅野市議は後になって、総務会を退席している間に、自分が起こしたことになっている真偽不明の問題行動についての資料が配られていたことを知った。資料は自民党県連にまで配布されており、自民党野々市支部のやりすぎを指摘する声もあったが、県連に支部の決定を覆す権限はないため、そのまま除名となった。

 除名後、梅野市議はそれまでの自分をすべて失ったように感じたという。

「一番つらかったのが、一緒に選挙で戦った仲間が離れていったこと。自民党でなくなったら私は何の価値もなくなるのかと思いました」

 また、自民党自体から除名されたことで、党の女性局の勉強会や、党関連のフォーラムにも参加できなくなってしまった。

「今後どう活動していけばいいのだろうとか、勉強会にも出られないとか、悲観的にしか考えられない時期がありました」

 しかし、現在は「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」の事務局長、井田奈穂さんに声をかけられたのをきっかけに、選択的夫婦別姓の勉強会や、稲田朋美議員が設立した「女性議員飛躍の会」に参加。さらにTwitterを通じて、ほかの一人会派の女性議員と交流し、励まされることもあったという。

「いろんな人と自分から積極的につながれば、勉強はさまざまな形でさせていただけるんだなと、最近思うようになりました」

 ところで、除名処分を受ける原因になった選択的夫婦別姓について、梅野市議自身は別姓でもなく、別姓にしたいと思っているわけでもないという。

「私は、生まれ変わっても同姓を選びますよ。夫と一緒の姓になりたかったですし。でも、自分がそうだからって、ほかの人が同じわけではないですよね。育った環境も、みんな違う。苦しみや生きづらさに寄り添い、多様性を尊重することが大切。選択制であり、姓が違うから家族の絆が壊れるわけではありませんし、日本が壊れるわけでもないと思う。すでに親子別姓の家庭は再婚などのさまざまな事情で存在していて、『夫婦別姓だと子どもがかわいそう』との意見は親と姓が違う子どもに対する差別ではないかと危惧します。最近の保守は、少し偏っていると思います。私は、自由で寛容な保守主義が好きです」

 また、女性活躍を推進する議員の立場でも、選択的夫婦別姓の必要性を実感しているという。

「選択的夫婦別姓を望む女性はキャリア志向が強い人も多いですよね。その人たちが仕事や子育てをしやすい環境を整えることが、日本の飛躍につながると思います」

 現在、野々市市議会では議員15人中、女性は2人。少数派である。地方議員になる人は企業の社長や地権者(地主)の男性が多いそうだ。

「地方では地元の有力者と仲良くなって、飲み会などに出席するうちに、『お前出れや』と仲間内で盛り上がったり、『コイツ推そうぜ』と根回しをされたりして、みこしのように担がれて選挙に出ることが多いのです。“地盤で推す”という今の選挙の仕組みが、女性が飛び込める環境ではないということですね。私はウグイスの世界に長年いて、その空気をいつも感じていたから、抵抗なく政治の世界に入れたのだと思います」

 また、立候補することで、自分のプライバシーがさらされ、家族や子どもたちにとっても負担になってしまうのではという懸念が、特に子育て世代の女性の政治参加に高いハードルとなっているとも言う。

 梅野市議は女性目線での施策を増やすためにも、女性議員が増えることを望んでいる。

「私は、野々市に暮らしてまだ15年の“よそ者”なんです。結婚して、子どもを産んで育てている、普通のお母さんなのです。そういう人だって、この街をより良くしたいという思いがあれば、選挙に立候補できる仕組みが必要だと思います。議員にも多様性が必要なのではないでしょうか」

 梅野市議はウグイス嬢時代、森氏が地元石川県に選挙戦の「視察」に来た時の様子を次のように語った。

「私は、森喜朗前会長の選挙カーには乗ったことがないんです。ただ、ほかの候補者の国政選挙や地方議会選挙では視察に来られることもありました。選挙カーの後を、黒塗りの大きな車でついて見てらっしゃいました。ウグイス嬢のアナウンスにも『今しゃべっとったんは誰や』と、有権者の前でも厳しい指導が入ります。『自民党の議員に当選してほしい』という気持ちはウグイス嬢も同じで、声を枯らして走り回っているのに、みんなの前で怒鳴るのはどうかと、いつも疑問を感じていました」

 梅野市議は森氏の政治的功績に敬意を感じる一方で、言動に納得できないこともあったようだ。

 23年には、任期満了に伴う、野々市市議会議員選挙が実施される。2期目が勝負だと言う梅野市議。

 3月9日の定例会では、8日の国際女性デーにちなみ、「野々市市第3次男女共同参画プラン」「災害対策における男女共同参画の推進」「野々市市子どもの権利条例」について質問する予定だ。

梅野智恵子(うめの・ちえこ)
石川県野々市市議会議員。2019年当選。教育福祉常任委員会、予算決算常任委員会、議会改革・活性化特別委員会、広報委員会に所属。子育て・教育・防災などに力を入れる。所属会派は「みのりの会」(一人会派)。

(谷町邦子)

森喜朗氏の地元・石川県で「自民党を除名された」女性議員に聞く、女性が“排除される”地方社会

 女性蔑視発言が問題となり、森喜朗元首相が東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の会長を辞任した。しかし、後任の橋本聖子氏が務めていた五輪担当相と男女共同参画担当相を兼務することになった丸川珠代氏が、選択的夫婦別姓に反対するよう地方議員などに呼びかける書状に名前を連ねていたことが明らかになり、さらなる波紋を呼んでいる。

 昨年12月に閣議決定された「第5次男女共同参画基本計画」は、特に伝統主義的な自民党議員による強い反発を受け、「夫婦別姓」の文言が削除された。一方で「選択的夫婦別姓」に賛成する自民党議員もいて、夫婦別姓が賛意を示すことすら許されないほどタブー視されているようには思えない。

 そのような状況の中、森氏の地元である石川県では昨年6月、自民党野々市支部が、野々市市議会本会議に提出された夫婦別姓導入の請願に賛成した、梅野智恵子市議を除名処分とした。

 梅野市議は地元の北國新聞の取材に対して「党の考えに反するという認識はなかった」と答えているが、なぜ除名されるに至ったのか。その背景や経緯、そして女性差別や森氏についても話を聞いた。

ウグイス嬢の経験を経て、無所属で立候補

 梅野市議が賛成した「選択制夫婦別姓の導入など、一日も早い民法改正を求める国への意見採択についての請願」は、2020年の3月、市議会で共産党の岩見博市議が発議したもの。梅野市議は、「地方議会から声を届けるべきだと賛成したかった。なので(賛成を表すために)起立しました」と話す。

 自民党には所属していたが、一人会派「みのりの会」であるため、野々市市議会の自民党系会派で最大会派である「野々市フォーラム」の市議に相談することはなかったという。

 梅野市議の除名を報じた北國新聞の取材に対して、自民党野々市支部長の徳野光春県議は「遅刻、欠席等で党に迷惑をかける行為を続けたことも処分の理由」と述べている。さらに記事は「梅野市議は昨年(※2019年)12月に自民党系会派を離脱している」と締めくくられていた。梅野市議と「野々市フォーラム」との間に、何があったのだろうか? 

 それを探るために、梅野市議の出馬から当選、そして現在までの経緯を振り返る。

 梅野市議は19年4月の統一地方選挙に立候補した。

「20年以上ウグイス嬢をやっていて政治が身近だったこと、そして、自分の住む地域を見た時に女性が政治の場にほとんどいないことに危機感を覚えたことで立候補しました」

 地方議会の選挙では町内会や校区を地盤とし、地盤の推薦を得て立候補することが多い。長年、国会・県議会・市町村議会の自民党議員のウグイス嬢を経験していた梅野市議は、自民党野々市支部とも関わりがあったが、無所属・公認なしで出馬(野々市市では自民党系の議員は無所属・公認なしでの立候補は一般的)。

「野々市市には町会(町内会)代表の議員として出馬するという暗黙のルールがあります。でも、すでに2人現職がいたので、自分が住む町会からは推薦されませんでした」

 町会の推薦や組織団体、党からの応援も得られない中、梅野市議はいわゆる「ドブ板選挙」と呼ばれるような選挙運動を展開した。 

「私は当選するために垣根を越えて野々市市をフルで歩きました。地図を見て、一軒一軒回ってピンポン押して、『立候補させていただきます、梅野と申します』と挨拶しました」

 町会の推薦を得ていない場合でも、同じ自民党系の議員が立候補している町会を避け、空白地帯で選挙運動をするという不文律があるようだ。

「長くウグイス嬢をやっていたので、選挙のノウハウはある。街頭演説は自分でできる。だから、協力してくれた少数の仲間たちで選挙を戦うことができたんです。おかげさまで初当選させていただくことができました」

 梅野市議は定員15人中6位の当選。新人では最も高い得票数となった。無所属・公認なしでの出馬だったが、当選後は自民党系の会派に入った。

 当初は自民党系会派「野々市フォーラム」に所属していた梅野市議だが、会派にいた頃、新人議員をフォローし盛り立てていこうという温かな雰囲気は全く感じられなかったという。冷たく排除するような空気は、徳野県議の「遅刻、欠席等で党に迷惑をかける行為を続けた」という発言にも表れている。

「初めて遅刻したのが、当選してすぐの予算決算常任委員会だったのですが、当時は絶対行かなければならないことを知りませんでした。19年夏の参院選に向けての選挙事務所の当番が、その日のその時間に当たっていて、そちらに行っていました。当番は会派で決めているはずなのですが、議会の事務局からの電話で遅刻に気が付いたんです」

 ほかにも、支持者との電話が長引いて広報委員会に出席できなかったことなどが、「欠席」に含まれているのだろうと梅野市議は言う。怠惰でたびたび遅刻や欠席をしたわけではないとの主張だ。

 会派での「飲み会」も、梅野市議にとっては大きな負担だった。

「飲み会が多いんです。行ったら行ったで『子どもがいるクセに』と言われ、行かなかったら行かなかったで悪く言われます。酔って(地元で事業を営む)父を罵倒されることもあり、思わず泣いてしまったこともあります」

 「このままではつぶされる」と感じた梅野市議は、19年12月に「野々市フォーラム」を離脱。一人会派「みのりの会」を立ち上げるが、引き続き自民党野々市支部には所属して活動することにした。

 一人会派では野々市フォーラムの視察や勉強会に参加できず、会派室も異なるため、ほかの自民党系議員との情報共有もままならない。しかし、それでも梅野市議への排除がやむことはなかった。

「地元国会議員から直接声をかけていただき、東京で官僚の方に講習を受けるため視察に行ったのですが、野々市フォーラムの議員の方々が『一人会派なのに』と国会議員に直接抗議したそうです」

 野々市フォーラムを抜けた翌年の3月、梅野市議は選択的夫婦別姓に賛同。そして3カ月後に、除名の発議がされた自民党野々市支部の総務会が実施される。除名処分は突然のことだった。

「6月に開かれた総務会の最後に、いきなり発議されたのは『梅野議員の処分を求める』。議長がすぐに受理されました。根回しはできていたみたいです。私はいったん退席させられました。ほかの地区代表の自民党議員も女性部長も、党員も、議長以外全会一致の除名ということになったらしく、『処分が決まりましたので』ということで入室許可が下りて議場に入った途端、『以上』で終わりました」

 梅野市議は後になって、総務会を退席している間に、自分が起こしたことになっている真偽不明の問題行動についての資料が配られていたことを知った。資料は自民党県連にまで配布されており、自民党野々市支部のやりすぎを指摘する声もあったが、県連に支部の決定を覆す権限はないため、そのまま除名となった。

 除名後、梅野市議はそれまでの自分をすべて失ったように感じたという。

「一番つらかったのが、一緒に選挙で戦った仲間が離れていったこと。自民党でなくなったら私は何の価値もなくなるのかと思いました」

 また、自民党自体から除名されたことで、党の女性局の勉強会や、党関連のフォーラムにも参加できなくなってしまった。

「今後どう活動していけばいいのだろうとか、勉強会にも出られないとか、悲観的にしか考えられない時期がありました」

 しかし、現在は「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」の事務局長、井田奈穂さんに声をかけられたのをきっかけに、選択的夫婦別姓の勉強会や、稲田朋美議員が設立した「女性議員飛躍の会」に参加。さらにTwitterを通じて、ほかの一人会派の女性議員と交流し、励まされることもあったという。

「いろんな人と自分から積極的につながれば、勉強はさまざまな形でさせていただけるんだなと、最近思うようになりました」

 ところで、除名処分を受ける原因になった選択的夫婦別姓について、梅野市議自身は別姓でもなく、別姓にしたいと思っているわけでもないという。

「私は、生まれ変わっても同姓を選びますよ。夫と一緒の姓になりたかったですし。でも、自分がそうだからって、ほかの人が同じわけではないですよね。育った環境も、みんな違う。苦しみや生きづらさに寄り添い、多様性を尊重することが大切。選択制であり、姓が違うから家族の絆が壊れるわけではありませんし、日本が壊れるわけでもないと思う。すでに親子別姓の家庭は再婚などのさまざまな事情で存在していて、『夫婦別姓だと子どもがかわいそう』との意見は親と姓が違う子どもに対する差別ではないかと危惧します。最近の保守は、少し偏っていると思います。私は、自由で寛容な保守主義が好きです」

 また、女性活躍を推進する議員の立場でも、選択的夫婦別姓の必要性を実感しているという。

「選択的夫婦別姓を望む女性はキャリア志向が強い人も多いですよね。その人たちが仕事や子育てをしやすい環境を整えることが、日本の飛躍につながると思います」

 現在、野々市市議会では議員15人中、女性は2人。少数派である。地方議員になる人は企業の社長や地権者(地主)の男性が多いそうだ。

「地方では地元の有力者と仲良くなって、飲み会などに出席するうちに、『お前出れや』と仲間内で盛り上がったり、『コイツ推そうぜ』と根回しをされたりして、みこしのように担がれて選挙に出ることが多いのです。“地盤で推す”という今の選挙の仕組みが、女性が飛び込める環境ではないということですね。私はウグイスの世界に長年いて、その空気をいつも感じていたから、抵抗なく政治の世界に入れたのだと思います」

 また、立候補することで、自分のプライバシーがさらされ、家族や子どもたちにとっても負担になってしまうのではという懸念が、特に子育て世代の女性の政治参加に高いハードルとなっているとも言う。

 梅野市議は女性目線での施策を増やすためにも、女性議員が増えることを望んでいる。

「私は、野々市に暮らしてまだ15年の“よそ者”なんです。結婚して、子どもを産んで育てている、普通のお母さんなのです。そういう人だって、この街をより良くしたいという思いがあれば、選挙に立候補できる仕組みが必要だと思います。議員にも多様性が必要なのではないでしょうか」

 梅野市議はウグイス嬢時代、森氏が地元石川県に選挙戦の「視察」に来た時の様子を次のように語った。

「私は、森喜朗前会長の選挙カーには乗ったことがないんです。ただ、ほかの候補者の国政選挙や地方議会選挙では視察に来られることもありました。選挙カーの後を、黒塗りの大きな車でついて見てらっしゃいました。ウグイス嬢のアナウンスにも『今しゃべっとったんは誰や』と、有権者の前でも厳しい指導が入ります。『自民党の議員に当選してほしい』という気持ちはウグイス嬢も同じで、声を枯らして走り回っているのに、みんなの前で怒鳴るのはどうかと、いつも疑問を感じていました」

 梅野市議は森氏の政治的功績に敬意を感じる一方で、言動に納得できないこともあったようだ。

 23年には、任期満了に伴う、野々市市議会議員選挙が実施される。2期目が勝負だと言う梅野市議。

 3月9日の定例会では、8日の国際女性デーにちなみ、「野々市市第3次男女共同参画プラン」「災害対策における男女共同参画の推進」「野々市市子どもの権利条例」について質問する予定だ。

梅野智恵子(うめの・ちえこ)
石川県野々市市議会議員。2019年当選。教育福祉常任委員会、予算決算常任委員会、議会改革・活性化特別委員会、広報委員会に所属。子育て・教育・防災などに力を入れる。所属会派は「みのりの会」(一人会派)。

(谷町邦子)

宮迫博之のこれから……吉本復帰&テレビに戻ってほしい? YouTuberのままでいい?【サイゾーウーマン世論調査】

 今や登録者数135万人を誇る人気YouTuberとなった雨上がり決死隊・宮迫博之。先日も動画に元タレント・島田紳助が電話出演を果たし、大きな話題を呼びましたよね。気になるのは宮迫が復帰を希望している吉本興業との関係。島田は「会社と話するなら、俺全然間に入るし」と仲介役を宣言していましたが、現実はそう簡単にはいかないようで、「フライデー」(講談社)に直撃取材を受けた吉本興業・大崎洋会長は「戻らんでええ」と宮迫を突き放す発言をしていました。

 今回は、そんな宮迫のこれからについて、「吉本復帰&テレビに戻ってほしい? YouTuberのままでいい?」をアンケート調査。下記から1つ選んで回答してください。

月9『監察医 朝顔』HiHi Jets・井上瑞稀の登場に「ジャニーズのゴリ押しやめて!」「演技うまくない」と批判の声

 3月1日に放送された上野樹里主演のドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系)の第16話は、平均視聴率11.1%を記録。ある登場人物に、視聴者の注目が集まったようだ。

 今回は、主人公・万木朝顔(上野)の祖父である嶋田浩之(柄本明)が危篤状態に。朝顔は、浩之から鑑定を依頼されていた亡母・里子(石田ひかり)のものと思われた歯について、その鑑定結果を伝えるために病院を訪れ、目を覚ますのを待っていた。里子の歯ではなかったと結果が出たものの、朝顔は浩之にそれを隠すつもりでいたが、結局、浩之は眠り続けたままで、何も伝えることができなかった。

 一方、出向先の長野県警から神奈川県警に復帰した朝顔の夫・桑原真也(風間俊介)は、10年前に起きた未解決事件と同じ手口の事件が発生し、捜査にあたる……という内容だった。

「今回は、フジテレビ系で現在放送中のドラマ『青のSP―学校内警察・嶋田隆平―』の登場人物である三枝弘樹(山田裕貴)が、“桑原の知人”として登場し、視聴者の注目を集めました。三枝の登場は、事前に予告されていないサプライズだったため、ネット上では『三枝くんが急に出てきてビックリ!』『桑原くんと三枝さんが仲良しな世界線にほっこり』『どっちのドラマも見てるから、共演うれしすぎる』など、好意的な声が続出しました」(芸能ライター)

 そんな中、第16話からレギュラー出演することとなった、ジャニーズJr.内グループ・HiHi Jetsの井上瑞稀は、視聴者から微妙な評価を得ることになったよう。

「桑原の同期で、鑑識係に移動してきた姫宮龍司を演じている井上ですが、彼の実年齢が20歳なのに対し、姫宮は37歳で“奇跡の童顔”という設定なんです。放送前に井上の出演が発表された際、すでにネット上では『設定がむちゃくちゃすぎる』『30代の俳優を使うべきでは?』などと疑問の声がありましたが、放送後も『やっぱり37歳には見えなくて違和感』『どうしても出演させたいなら、普通に“新人”ってことでよかったのでは?』『ジャニーズのゴリ押しやめて!』といった声が相次ぎました」(同)

 設定の違和感だけでなく、「姫宮くん、あんまり演技うまくないね。ほかの役者さんがみんな上手だから目立つ」「今さら新レギュラーいらないでしょ……」などの指摘も。引き続き、視聴率は好調が続いている『朝顔』だが、新レギュラーの投入はどのような影響を及ぼすだろうか?

福原愛、不倫スキャンダルで批判続出も……「ファンは多い」「愛ちゃんが戸惑っている」小倉智昭、宮根誠司がこぞって“擁護”したワケ

 3月4日発売の「女性セブン」(小学館)で不倫疑惑を報じられた卓球女子元日本代表選手・福原愛。その夫である台湾の卓球選手・江宏傑にはモラハラ疑惑が浮上するという“泥沼”の様相を呈しているが、「テレビでは福原を擁護する姿勢が目立ち、ネット上では疑問の声が寄せられている」(芸能ライター)という。

「2016年に江と結婚して以降、生活の拠点を台湾において活動してきた福原ですが、『セブン』によると、彼女は今年に入って設立した会社の手続きなどの関係で帰国し、2月下旬に“エリート会社員”の男性と横浜・中華街でデートをしていたばかりか、高級ホテルや福原の都内自宅で“お泊まり”にも及んでいたとか。一方、『セブン』と同日に発売された『週刊文春』(文藝春秋)は、福原に対する江やその家族のモラハラ疑惑を伝えています」(同)

 夫婦を取り巻くこの2つのスキャンダルは、ネットニュースはもちろん、台湾メディアでも即座に取り上げられ、大騒動に発展したが……。

「日本のテレビでは、『セブン』および『文春』の発売から一夜明けた5日になって、ようやく大々的に報じられるようになった印象。ネット上では福原の不倫疑惑に注目が集まり、批判的な声も多く飛び交っている状況でしたが、5日放送の情報番組『とくダネ!』(フジテレビ系)では、MCの小倉智昭が『愛ちゃんは、日本では本当に小さい時からメディアが取り上げてきましたから、ファンは多い』と語り、福原を『心配』する胸中を吐露。また、同日に放送された『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)のMC・宮根誠司も、『(日本と台湾の)文化の違いで、愛ちゃんが戸惑っているっていうのもあるんでしょうね』と、福原を気遣うような発言をしていました」(スポーツ紙記者)

 このように、テレビでは福原に対する否定的な論調はほとんどみられないため、ネット上では「今まで不倫した芸能人やアスリートは全力で叩いてたくせに、なぜ福原は許される雰囲気なの?」「国民的アスリートだから、テレビが“忖度”してるのか」といった指摘も相次いでいる。

「実際、テレビ局が当初、同報道を取り上げずに“ダンマリ”を決めていたのは、福原本人がコメントを発表するまで待っていたからでしょう。福原は4日に、マネジメント会社・電通スポーツパートナーズの公式サイト上に直筆メッセージを寄せ、騒動を謝罪しつつ、『セブン』に撮られた男性とは『一緒の部屋に宿泊した事実はありません』と、不倫疑惑を否定しています。各局の報道番組はこの内容を軸として、福原を擁護する方針を取ったのでは。やはり、福原は“国民的ヒロイン”のような扱いをされてきた“元五輪選手”ということもあり、熱狂的なファンも多い。へたに叩いてクレームが殺到すると対応が面倒なため、特に影響力の大きいテレビなどは、慎重にならざるを得ないのです」(テレビ局関係者)

 今後、福原と江が離婚に至ったとしても、世間とメディアの温度感の違いはさらに広がりそうだ。