「初売り」の目玉商品として、大手百貨店からスーパーまでが趣向を凝らした企画を展開し、毎年大きな賑わいをみせている福袋。
しかし、長年福袋の取材を続け、ホームページ「福袋研究会」を運営するライターの恩田ひさとし氏いわく、百貨店業界は今年、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や店舗の臨時休業によって大打撃を受けている状況だけに、各百貨店が毎年秋に行う福袋の「お披露目会」には、例年ほどの活気はなかったそうだ。
そんな中でも、特に安全に配慮しながら工夫を凝らした商品を展開するのが、福袋販売発祥の店である「松屋銀座」と「東武百貨店 池袋本店」、「西武池袋本店」だという。そこで、サイゾーウーマンでは恩田氏に、この3つの百貨店が販売する“おすすめの福袋”や、“福袋争奪戦を勝ち抜くコツ”についてお聞きした。
コロナ禍の影響で、販売形式がガラッと様変わり!?
恩田氏によると、各百貨店は今年、新型コロナ感染防止対策として、店頭に集まる客を分散させようと、福袋の「販売形式」を工夫しているそう。
「毎年、各百貨店は12月26日に初売りのチラシを配布するのですが、今年は26日から福袋を販売するところもあります。松屋銀座は、12月26日と1月2日の初売りに、だいたい半々ずつの割合で発売するんです。これまで先着順で販売していた人気商品は抽選券を配布して“抽選 ”を行うなど、例年にない動きを見せています」
その一方で、ネット販売に舵を切ったのが、東武百貨店 池袋本店と西武池袋本店だ。
「東武百貨店は、例年店頭販売が9割で、ネット販売は1割ほどでしたが、2021年は事前のネット販売・店頭予約福袋を7割に増やしました 。同じく西武池袋本店も、ネット販売にシフトし、販売数を4割から6割まで引き上げています。そのため、これまで以上にネットでさまざまな商品を購入できるようになりますよ」
ネット販売に注力する百貨店が多いという2021年の福袋。その中で、恩田氏が特におすすめする3つの福袋を紹介していきたい。
■松屋銀座「リタズダイアリー 招福袋」(税込み1万1,000円)
*販売方法:店頭にて抽選、1月2日午前11時~12時に店頭にて抽選券配布。販売個数:限定70袋、総額:約10万円相当
「リタズダイアリー」は、“リタ”という架空の女性のクローゼットをイメージした、松屋オリジナルのレディースセレクトショップ。大人のフェミニンを追求した、話題性の高いジャパニーズブランドを中心に扱っており、このお店の福袋は松屋銀座を代表するアイテムだとか。恩田氏は、「婦人服をよく買う人であれば、“日本で一番いい福袋”という認識を持っているはず」と絶賛する。
「例年であれば、開店1分ほどで完売してしまうほど人気が高い福袋です。始発で行っても買えない場合があるため、なかなかおすすめしにくい福袋なんですが、今回は混雑を避ける目的で“抽選形式”で販売されるので、運次第で手に入れることができるんです。“普段なかなか買えない福袋が手に入る絶好のチャンス”という意味でも、この商品を一番におすすめしたいです」
なお、抽選券は、1月2日午前11時~12時の間に店頭にて配布され、午後1時から松屋銀座8階のイベントスクエア、またはウェブサイトで当選発表が行われるそう。抽選券の配布時間に到着していれば誰でも購入のチャンスを得られるため、朝イチでお店に向かい、寒い中長時間待機列に並ぶ必要がないのは、購入者にとってはありがたい計らいだろう。
■東武百貨店 池袋本店「旬のフルーツのサブスク福袋」(税込み2万210円)
*販売形式:ホームページまたは地下1階 8番地 応募ボックスにて抽選、販売個数:5点、総額:約6万4,800円相当
近年増えてきているという、定額料金を支払うことで、一定期間のサービスが受けられる「サブスクリプション」(以下、サブスク)。これをうまく利用した例」として恩田氏が挙げたのが、1924年創業の果物専門店・フルーツショップ青木が販売するこの福袋。天使音マスクメロン、あまおう、淡雪、横須賀みかんなど、フルーツマイスターが厳選する5,400円(税込)相当の旬のフルーツを、12カ月間、毎月味わうことができるという。
「総額6万4,800円相当のフルーツを、約4万5,000円分安く購入できます。こういった目玉の福袋は、ドンと6万円分の商品を一気に販売するケースが多いんですが、この福袋は、毎月15日以降の希望日に、店頭または配送で受け取るというシステムのため、食べきれずに腐らせてしまう心配もありません。1年間という長いスパンで楽しめる、お得な福袋です」
■西武池袋本店「お得なペアお食事福袋」2,000円コース、5,000円コース
*販売形式:8階(北B2)レストランご案内横の応募ボックスにて 抽選、販売個数:西武池袋本店にある24のレストランで各10組 、計240組分
さらに、恩田氏が「今年ならでは」と注目するのが、西武池袋本店が販売する食事券の福袋。2,000円と5,000円の2種類のコースがあり、チケット1枚で2名分の食事ができるという。
「こういった金券タイプの福袋は、例年、2万5,000円や5万円など、もう少し金額が高く設定されているんです。抽選販売の割には地味な福袋のように感じるかもしれませんが、2,000円コースだったら1人1,000円、5,000円コースだったら1人2,500円と、半分の値段で食事ができるわけですから、西武池袋本店の福袋の中では一押しですね。レア商品が含まれることが多い抽選系の福袋はお得感を感じられる一方で、販売数が少ないケースがほとんど。240組という抽選にしては異例の数を用意しているこの福袋は、(応募数にもよりますが)当選確率が高い可能性があります」
ネット販売が多いだけに、例年よりも多くの人が“福袋争奪戦”に参加することも予想される21年の福袋だが、戦いを勝ち抜くコツはあるのだろうか?
「ポイントは、“抽選形式の場合は、とりあえず応募してみる”こと。そして、外れた場合も、“売り場をすぐに離れない”ことです。当選した人全員が商品を引き換えにくるわけではありませんから」
恩田氏は2016年の暮れ、「プランタン銀座」が閉店セールを行った際、取材に訪れたそうだが、整理券をもらうのに徹夜して列に並ばなければいけないほど人気の福袋でも、商品を受け取りに来ない人が何人かいたとのこと。「店の担当スタッフも『なぜ引き取りに来ないのかわからない……』と困惑していました」と振り返る。
「引き換え時間になっても取りに来ない人がいた場合、再抽選になったり、先着順で販売される可能性もありますから、抽選に漏れても諦めないでください。特に販売個数の多い食品系の福袋は、引き換え時間を過ぎたあたりに店舗に行ってみると、“残り物には福がある”ということわざがあるように、意外な掘り出し物に出会えるかもしれませんよ」
さらに恩田氏は、抽選販売について、「開店するまでずっと同じ場所で待機していなければならなかった先着販売とは違い、その場を離れてほかの売り場の列に並ぶことが可能になるかもしれない」とも語る。
「早朝から列に並ぶという人は、目当ての福袋を購入できるチャンスが例年より広がる場合もあると思います。こまめに情報を収集しながらとにかく現場に足を運んでいろんな売り場を回れば、気になっていたけどいつもは買えなかった福袋がゲットできるでしょう」
恩田氏のアドバイスを参考に、2021年ならではの“福”を手に入れてみてはいかがだろうか。
恩田ひさとし(おんだ・ひさとし)
フリーライター。ホームページ「福袋研究会」管理人。上智大学外国語学部卒業。予備校講師、出版社の編集者を経て執筆業に。教育、スポーツ、メディア、ITなど、幅広い分野で執筆活動を展開中。







