買い物狂い、3,300円でまつげパーマに初挑戦! 1時間半の格闘の末、鏡を見てあぜんとしたワケ


――2年で1,300万円以上溶かし、現在借金は●00万円の“買い物狂い”のライターが、苦しくも楽しい「散財」の日々を綴ります。

 千葉N子美容強化月間と題しまして、全身脱毛に着手したわけですが(連載第66回参照)、一度美容っぽいものに片足を突っ込むと、あれもこれもやりたくなりますね、まさに美容沼。

 そんな私が次に目を止めたのはまつげ。まつげをね、くるんとふっさふさにさせたら素敵なんじゃないかと思い立ったわけですよ。

 とはいえ、まつげエクステはその昔、いや~な思い出がありました。池袋で施術してもらったんですが、目元がすごくかゆくなって、むしり取るようにエクステを取ってしまった過去があるのです。あの頃は髪のエクステにもトライしたけど、やっぱりむずがゆくなっちゃって半月くらいで取ったのよねえ……。そう、私とエクステとの歴史には必ず「かゆくてむしり取る」という結末が待っていたのでした。

 そんなわけで、私はエクステを諦め、まつげパーマを当ててみることに。まつげパーマなら自まつげでやるんだもの。違和感はほぼゼロよね……?

 後日。早速、私は地元のエステ店で施術を受けました。その日は午後に彼とデートの予定。彼が迎えに来てくれるというので、「30分くらいで終わると思うから、連絡するね~」と言って出かけました。思い返せば、なぜまつ毛パーマの施術時間が30分足らずだと思ったのか……。「まつげパーマなんて短い毛をくるっと巻いてジュっと癖づけしてあっという間に終わるっしょ!」と思っていたのです……。

 私が訪れたのは、コポコポと水の音が流れるバリリゾート風のお店でした。まつ毛パーマのお値段3,300円也。施術台に寝るように指示され、目をつぶると、女性店員さんが「それじゃあ始めますね」と声をかけてくれました。ここまではよかったんです、ここまでは……。

 直後、ぎゅうっっと根元から毛を引っ張られ、「痛てて!」となりました。お姉さんが私のまぶたをひっぱりあげるのですが、こっち的には目をつぶっていなきゃいけないような気がします。まぶたに力を入れて目を閉じるのですが、容赦なくグイグイとまぶたを持ち上げられるので、目が開いて店内の様子がぼんやり見えるし、目の端はぶるぶるするしで、これどうしたらいいんですかね状態。目を開けていたほうが楽な気もするけど、目がぎょろぎょろしてたらお姉さんも怖いですよね……?

 そして幾度となく繰り返される「チクチク攻撃」。チクッチクッとされるのですが、まったく何をされているのか見当がつきません。想像するに、毛をつまんで引っ張って巻いている? いやでも1本1本巻いているの? マジっすか……?

 時間は果てしなく流れ、気の遠くなるような「コポコポ音」を聞いているうちに私の思考はどんどん凶暴になっていきました。

 お姉さん、オシャンティな音楽なんて流さなくてもいいから、FMラジオでもかけてちょうだいッ!! それかテレビでもつけてちょうだいッ!! これじゃヒマ地獄だわよ~~~!!!!

 足を微妙に動かしたり、手の指を組み替えたり、指輪を抜いたりつけたり、お姉さんがかけてくれたブランケットの下で何度もモゾモゾ動き回っている間、ぼんやりとばあちゃんの顔が思い浮かびました。そういや、昔からばあちゃんに「あんたは落ち着きがない」って言われていたっけ……。

「じゃ、次反対側行きますね」

 やっとこお姉さんが反対の目に移行。これまでめちゃくちゃ右目をチクチクやっていたんだから、たぶんもうパーマをかけおわったあたりじゃろう……あとは左目を我慢するだけ……。そう思っていると「はい、それではこれからパーマ液を塗っていきます」とお姉さんが発言しました。

 ぬあんだってええええええ!?!?!?!? まだパーマ液すら塗ってなかったのおおおお!?!?!?!?!? それから2度にわたり時間をおかれ、その間私は永遠に流れるコポコポ音を聞きながら、無我の境地にたどり着きました。

 はあはあ……。やっと終わった……。ゴールが見えてきた……。いま、お姉さんは私の目元をぐりぐりタオルで拭いているからきっと終わったんだわ……。

「はい、お疲れ様でした。お鏡で確認お願いします」

 パッと時計を見ると、時刻は午後2時を過ぎていました。ここに来たのが12時20分頃だったから、施術に1時間半はかかっています。その間、彼氏のことをすっかり待たせてしまった……謝らなきゃ。いやでも、彼もきっとお目目がぱっちりしたニュー千葉N子を見てくれたらきっとわかってくれるはず。「すごい変わったね! 可愛いね!」って言ってくれるはず!! そうよ!! 私は生まれ変わったの!!

「…………?」

 次の瞬間、私は鏡の中の自分を見て、目がテンになりました。

「…………」

 なんか、変わったか……?

 確かによーーーく見れば、ちょっとだけ違う。まつげがくるんとなっている。いやでも、そんなことよりも、私は自分のまつげの圧倒的な少なさと短さに衝撃を受けました。こんなんマニアックなクイズ番組の「難関間違い絵探し」で出てくる最後の問題やんけ!!!! まつげがくるんとなってるなんて、本人すら気づかんレベルだわ!!!!

 よろよろと店を出ると、彼氏が車で待っていてくれました。そして私を見るなり、にっこりと微笑みました。

「眉をやったんだね?」

 ちがーーーう!!!!!!!!!!!!!!!!

 そんなわけで、千葉N子の美容強化月間その2は撃沈の結果となりました。Amazonでまつげ美容液をポチったので、これを毎日塗って、来月またリベンジするかもしれません!!

ママ友LINEで「それってモラハラじゃない?」と指摘され……家事をしない夫の愚痴に「私なら耐えられない」、上から目線にイライラ爆発

今や日常生活において、かかせないツールとなっているコミュニケーションアプリ「LINE」。かつては子どもの送迎時に、ママたちが立ち話をしているような光景が見かけられたが、時間に追われ忙しく過ごす共働き世帯が増えた今、ママたちのコミュニケーションの場は、LINEのグループチャットになっているという。そんな、ママたちの「グループチャット」から浮き彫りになった、彼女たちの悩みや、苦悩、気になる話題を覗いてみる。

 コロナ禍におけるリモートワークの定着により、共働きの夫婦が一緒に過ごす時間は明らかに長くなった。これにより夫婦のストレスが増えることもあるようで、「よその夫婦はどうなのか」と気にするママも少なくないのかもしれない。しかし、他人の家庭に口を出すことは、あらぬ波紋を呼ぶこともある。今回は、ママ友から夫を「モラハラ」と言われたと悩む2人のママの声を紹介する。

夫の口癖は「バカ」! ママ友から「モラハラだ」と指摘され……

 6歳になる女児を育児中の由香子さん(仮名)は、語彙が増えてきた娘が、夫の言葉をマネすることに困っているという。

「夫は、すぐにカッとなって、私のことを『バカ』と言うんです。口癖のようで、例えば子どものおもちゃが壊れたと時も、私が夫に『これ、直して』と言っただけで、『バカ。お前がやれよ』と……。最近は、子どもが『バカ』とか『うるせえな』とか、夫のマネするようになったので、叱るようにしています」

 由香子さんは、「夫が実家に帰った時も、義母に向かって『バカなんだから、言うこと聞けよ』と言っていました。私にだけの態度ではないので、夫には多分悪気はないんです」と語る。

「でも、ママ友にこの話をしたら『それってモラハラっていうんだよ』って、真顔で心配されました。確かに、傷つくこともあるけれど、夫は休みの日は子どもを風呂に入れたり、一緒に公園で遊んだりと面倒も見ているし、いいところもたくさんあるんです。『モラハラ』と言われると、『それは違うんじゃ』と思ってしまって……」

 この一件以降、ママ友が由香子さんの夫に目を光らせるようになったのか、LINEで返信に困るメッセージを送って来ることがあるそうだ。

「夫は喫煙者なのですが、最近は吸えないところが増えたため、保育園の運動会が終わった後、灰皿が置いてあるタバコ屋さんの前まで一人で行ったんです。それを仲の良いママ友が見ていたらしく、『パパを公園のそばで見かけたけれど、一緒に帰らないの? 』って、わざわざメッセージを送ってきて。『煙草吸ってたの』というのも気が引けるし、『ちょっと私が急いでいたんだ』と返信してごまかしました」

 このように、自分の夫の行動がほかの家庭から非常識に思われていることに、由香子さんは戸惑いを覚えるそうだ。

「グループチャットで、運動会の親子競技の話題になったんです。パパが子どもと競技に参加する家が多く、うちは夫がそういうのが苦手なため、『私が出るよ』と送ったら、あるママから『パパが出ないの?』と返信が来ました。なんとなく、ママたちの間で夫の話題が出るのが億劫に感じてしまいます」

 ママ友とは、家族ぐるみの付き合いになることが多いが、「夫や夫婦仲についての詮索はやめてほしい」と由香子さんは言う。

「そういえば保育園に入ったばかりの頃、特に仲が良かったママ友と、個別で『〇〇ちゃんのパパは若いよね』というメッセージを送っていました。今思えば、他人の夫が気になるということは、向こうもうちのことを見ているってことなんですよね……」

 保育園や小学校での付き合いは数年にもわたる。ママ友の夫の愚痴がモラハラを感じさせるものであれば、積極的に向き合わなければと思う人もいるだろうが、当のママ友がそれを疎ましく感じてしまうこともあるようだ。由香子さんの話は、ママ友同士の距離感はどうあるべきかを、あらためて考えさせるものだった。

 最近は、手芸や絵を描くことなど、自分の趣味をネットで発表する人が増えた。特に日常生活を描いたエッセイ漫画は、SNSで話題となって拡散されることが多い。なかには普通の主婦から漫画家としてデビューした人もいるなど、エッセイ漫画を描くことは、人気のクリエーター活動ともいえる。

 美香子さん(仮名)は、小学校1年生になる女児と4歳になる男児を育てている専業主婦。ママ友Mさんがエッセイ漫画をSNSで発表しており、よく読んでいるというが、その内容が気になるそうだ。

「Mさんが描いているのは、子どもたちのことをネタにした漫画。『ただの趣味』というのですが、SNSのフォロワー数が多く、熱心なファンもいるようで、収入も得ているそうです」

 しかし、美香子さんにとってMさんの漫画は、決して「面白い」だけのものではないようだ。

「基本的には育児漫画なのですが、『休日は夫が子どもの面倒を見て、ご飯も作ってくれた! 最高の夫!!』とか、いわゆるのろけ話が多いんです。なんでもMさんの夫は、起業して在宅で仕事しているそうで、家事や育児は主に夫が行っているとか。一方で、Mさんは『友達と飲みに行って終電逃しちゃった』みたいな生活をしていると、漫画に描いていました。Mさんは『漫画どうだった? 』とよく聞いてくるので、『面白かった』と返信していますが、本心では、夫が育児に積極的でうらやましいなって気持ちでいっぱいなんです」

 在宅時間が長いコロナ禍において、ほかの家庭が家事や育児を夫婦間でどう分担しているのかは、ママたちにとって気になる事柄なのかもしれない。

「うちは夫がリモートワークのシステムを作るエンジニアをしている関係で、春先からずっと仕事が忙しいんです。在宅できない作業もあるため、夫は出社しています。平日は夫の家事や育児はほぼゼロ。私がやっています」

 夫からは家事について文句を言われることもあるという。

「私がゴミの分別を間違えた時は、『こんなこともできないの』と言われました。あと掃除についても口うるさいですね。『専業主婦って知ってる? ぴかぴかになるまで床も水拭きするんだよ』って。確かに夫の実家に行った時は、窓ガラスもきれいに拭き掃除されていました」

 家事をしない、しかも文句ばかりの夫を持つ美香子さんは、Mさんの漫画を読むと、その境遇の違いに落ち込むという。

「私がママ友とのグループチャットに、『夫が一切家事を手伝ってくれないのに文句が多くてつらい』というメッセージを送ったら、Mさんに『それって、モラハラじゃない? 私だったら耐えられない。主夫と結婚してよかった』って言われたんですよ。Mさんはもともと他人の話をすぐに自分の話にすり替えるところがあるんですが、これにはさすがにあきれましたし、イライラしました。仲の良いママ友に個別で『Mさんって、家事とか育児とか全然やっていないよね』と送ると、『うらやましいけど、いつか子どもがおかしいって気づくよ』って返信が来て、胸がスッキリしましたね」

 「それってモラハラじゃない?」たとえ親切心からでも、よその家庭に対して物を言うのは、相手を傷つけたり苛立たせる可能性もあり、ママ友トラブルの発端にもなりかねない。ママ友の夫の愚痴は、何よりも「聞いてあげること」が大事なのだと思わされた。

山下智久、英語力と俳優としての実力は? 英語発音指導士(R)と映画評論家に「ハリウッドで成功できるか」を問う!

 11月10日、山下智久が先月31日をもってジャニーズ事務所が退所していたと発表され、ネット上に衝撃が走った。以前から、ウィル・スミスが代表を務める芸能事務所「Overbrook Entertainment」と契約を交わすなど、海外志向が強かった山下は、今回海外作品に参加するため、契約満了前に退所したいと希望し、それを事務所が受け入れ、双方合意の上で契約終了になったという。

 未成年との飲酒同席問題によって活動自粛中だっただけに、この電撃退所は一部で物議を醸したが、すでにアクションコメディー映画『マン・フロム・トロント(原題)/Man From Toronto』の撮影に参加するなど、山下自身は前を向いている様子。今後も海外を中心に活動を展開していくとみられるが、そこで気になるのは彼の“英語力”と“役者としての実力”だ。

 日欧共同製作のHuluオリジナルドラマ『THE HEAD』で全編英語セリフを披露したり、主演映画『劇場版 コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』(2018年)では、興行収入が約93億円、同年の邦画No.1を記録するなど、経験と実績は十分の山下だが、果たして彼はハリウッドでも戦えるのか――。

 今回、英検1級、TOEIC(R)980点、TOEICリスニング・セクション30回連続満点の最年少「英語発音指導士(R)」の大学生・加藤博人氏に“英語力”を、一方、著書に『映画評論・入門!観る、読む、書く』(洋泉社)、共著に『映画「東京オリンピック」1964』(復刊ドットコム)などがある映画評論家のモルモット吉田氏に“役者としての実力や適性”をお聞きした。

 長年、英語学習に取り組み、2014〜15年には『大人のKISS英語』(フジテレビ系)という英会話バラエティ番組を担当し、この頃からすでに「海外進出」を視野に入れていたという山下。同番組では、映画『マレフィセント』のPRで来日したハリウッドスター、アンジェリーナジョリーに、山下が英語でインタビューをする機会もあった。「英語発音指導士(R)」の加藤氏いわく、当時の山下の語学力は「ちょっと英語がうまい芸能人」レベルだったという。

「発音自体については、『L』と『R』の発音、複数形と単数形の発音の違いなど、細かいミスが見られました。しかしそれ以上に気になったのが、英語をしゃベるときの山下さんが、ちょっと恥ずかしそうというか、自信がなさそうだった点。声が小さく、こもりがちで、自分を表に出せていないと感じました」

 しかし、今年配信になった『THE HEAD』の本編や関連インタビューを見ると、以前より自分を出せるようになり、「発音自体にも成長が感じられた」と加藤氏。

「14年の頃は、単語と単語の間に間隔が空きすぎているというか、ミスをしないように慎重にしゃべってる印象で、たどたどしく聞こえていましたが、20年は、ナチュラルなしゃべり方に。共演者とも円滑にコミュニケーションを取れていましたね。また一概には言えないものの、14年当時は簡単な単語をつなげて話している印象だったものの、20年には、表現の幅も広がったように思えました」

 そんな成長を遂げた山下のイメージは、「ちょっと英語がうまい芸能人」から「いろんなドラマで活躍しているアジア人俳優」へ進化したそうだ。

「もともと山下さんは14年当時から、英語の発音がうまくなる“素質”を持っていたように思います。というのも、言語にはそれぞれ適した声質というものがあり、山下さんは日本語と英語の声質の使い分けができる方だと感じたんです」

 しかし、山下の英語がネイティブレベルかといえば、それは違うようだ。11月11日放送の『とくダネ!』(同)で、デーブスペクターが、山下の英語について「丁寧は丁寧」とした上で、「向こうに住むようになったら、あっという間に自然に聞こえてくると思う」と、改善の余地があることを匂わせていたが……。

「海外作品におけるアジア人俳優は、発音を崩しているほうがアジア人らしく、味があると評価されるのです。実際に、『THE HEAD』製作総指揮ラン・テレム氏も、山下に『僕が君に変えてほしくないのは英語の話し方だね』と伝えていました。本人はもっと努力して英語力を向上させたいようで、それはそれで良いことだと思うのですが、スクリーンの外ではネイティブのような流暢な発音の英語を、スクリーンの中では演じるアジア人キャラに合わせた発音の英語に変えるなど、切り替えができると一番良いのではないでしょうか」

 また加藤氏いわく、海外作品では、日本人役をフィリピン系アメリカ人が、中国人役を韓国人が演じるといったことが珍しくないとのこと。

「日本人、韓国人、中国人など、国によって、しゃべる英語のアクセントが異なります。中国に至っては、本土と香港でも違いますね。なので、山下さんが今後海外作品に出演するにあたって、さまざまなアクセントがあることを知り、どんな役が来ても柔軟に対応できるアクセントを身につけることが、海外で成功する鍵でしょう。もちろん、各作品にアクセント指導が入るとは思いますが、事前に意識してみてもいいのでは。このようなアクセントの違いを極めれば、『あの中国人役、日本人が演じていたの!?』と観客に驚きを与えられる俳優になれると思いますよ」

 では一方で、山下の俳優としての実力についてはどうだろう。映画評論家・モルモット吉田氏は、まず山下を「言わずもがなスター性がある。画面に出てくると引き立つ力を持っているタイプ」と評価する。

「初期の主演映画『映画 クロサギ』(08年)や『あしたのジョー』(11年)はクールな役柄でしたが、やはり“マスク(顔)”ありきの俳優というイメージが強かった印象です。しかし、10年代後半、『劇場版 コード・ブルー』前後あたりから、加齢によるところもあると思いますが、非常に演技に幅が出てきたと感じるようになりました」

 ただ、ジャニーズ事務所所属ということもあってか、これまでは大衆的なエンタメ作品の主演が続いており、また役柄も限られてきた。そんな中、中国映画『サイバー・ミッション』(19)で山下は、これまでのイメージを覆す、脇役である悪役・モリタケシ役を演じている。

「例えば山下さんは、ドラマ『金田一耕助VS明智小五郎』(フジテレビ系、13年)で、主人公・金田一耕助役を務めていましたが、周りに合わそうとはせず、マイペースに演技をしている印象でした。ただ、彼はスター俳優ですから、周りが彼に合わせていけば問題ないと感じたんです。しかし『サイバー・ミッション』では、脇役なので周囲に合わせる必要があり、かつ悪役という、これまでのイメージにない一面を見ることもできた。彼のようなスター性のある人は、脇に回ったとき逆に引き立つと思いましたし、もっといろんなパターンの芝居を見てみたいですね」

 海外作品で初めて、山下がどういった俳優かがわかったという吉田氏は、「山下さんがいま、ジャニーズを辞めて海外に行くという選択は非常に納得できます。海外作品のほうが、多彩な役を演じるられると思うので」と述べる。ただ、山下はこれまでテレビドラマが中心で、映画の出演本数は少なく、海外での知名度はほぼないという懸念もある。

「確かに、渡辺謙や真田広之のように、日本でキャリアを積み、ある程度年齢重ねてから海外に行くのとは違います。海外では、主演映画での興行的な成功は評価されるにしても、日本のテレビドラマでのキャリアはさほど見られません。しかし、キャリア的にほぼまっさらだからこそ、脇役にハマるともいえる。特に最近のハリウッド作品では、さまざまな人種の俳優を意図的に起用するようになっていますしね。『サイバー・ミッション』で演じたような悪役、冷徹な役をぜひ見てみたいです」

 また吉田氏は、山下の海外進出と同時に、日本国内での活躍も期待しているという。

「山下さんは今後、渡辺さんや真田さんのように、日本と海外を行き来するような形になるのではないかと思います。稲垣吾郎さん、草なぎ剛さん、香取慎吾さんはジャニーズを退所後、これまで出演しなかったような小規模ながら質の高い映画に挑戦していますが、山下さんもそういった作品から声がかかるのではないでしょうか。例えば、実年齢に沿った子持ちの役なんてのも見られるかもしれませんよ」

 そんな順風満帆そうに見える山下の今後だが、不安な点はないのだろうか。吉田氏は、「ポテンシャルはあるとは思いつつ、これまであまり映画に出演しておらず、かつ軽めの役が多かったので、年齢を重ねた時に芝居に重みが出るのか」と指摘する。

「ただ、ジャニーズのタレントは、子どもの頃から演技の仕事をしているので、発声や動きなど演技的な面において、モデル上がりの俳優よりずっと質が高い。山下さんは35歳ですが、この年齢で、あそこまで演技の基礎ができている人はなかなかいませんよ」

 日本で数々の“大ヒット”を経験した山下だが、40代に向かう中、さらに多彩で質の高い作品に出たいという思いを抱いたのかもしれない。今後、果たしていい作品に巡り会えるか、日本から見守っていきたい。

坂口杏里も酒井法子も、薬物を始めたきっかけは男!? 元ポン中が語る「シャブとDV」問題

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

女性の受刑者の7割以上がDV被害経験

 この連載をさせていただくまで、「白書」とかぜんぜん知りませんでした。もともとは「表紙が白いから」って知ってました? そのまんまですね。イギリスの内閣が作る報告書が「ホワイトブック」ちゅうそうです。

 それはどうでもええのですが、11月24日に公表された警察庁の『2020年版犯罪白書』に出ていた「特別調査」が話題ですね。

 この調査で、覚醒剤の使用歴のある女性の懲役(受刑者)の7割以上が「夫や交際相手からDV被害を受けたことがある」と答えたそうです。

 これをマスコミが「女性の覚醒剤使用はDVが背景か」とか書いたもんですから、プチ炎上しているんですね。まあ「超間違い」ではないんですけど、そうゆうもんでもない気がします。ネットにも出ていましたが、オトコにどつかれたくらいでシャブをやるオンナは、まずいてません。

 自分でシャブをやるような、そして、それをオンナにもやらせるようなオトコが暴力を振るうのは当たり前です。そんなヤツと付き合うオンナの側にも問題があるんですよ……。悲しいことに。まあ、たしかに瑠美もつらくなるとシャブに手を出していた時期もあったので偉そうなことは言えへんのですが、問題はそんなに簡単ではない気もします。

 まずはシャブに手を出さないことですが、シャブをやってそうなオトコと付き合わないことも重要ですよ。 

 女性のクスリ問題が、まずオトコ絡みなのは大前提としてありますね。ラリってる動画がさらされて、お騒がせの坂口杏里さんも、なぜか出演したYouTuberの動画で「私が寝てる間に多分やらされたんですね。寝てる間に多分吸わされたんですね。多分何種類かを」と証言しています。

 何を言うてるか、ちょっとわかりにくいのですが、まあ寝ている間に誰かに打たれるのもあるかもしれませんね……って、ないと思いますよ(笑)。

 杏里さんのように寝てる間はわからへんけど、女子の「クスリデビュー」は、まずほとんどがオトコ経由です。瑠美もそうでしたが、のりピーこと酒井法子さんも、最初は「当時の夫に勧められた」と言っていましたね。

 ちゅうても、もうだいぶ前に離婚してるのに、11月12日にまた「元夫」氏が覚醒剤の使用でパクられた(逮捕された)時は、「のりピーの元夫また逮捕」とニュースになりました。

 マスコミが「のりピーの元夫」と呼んだことで、「それって必要?」とネットで叩かれているそうです。「とっくに離婚してるのに、のりピーがかわいそう」とか「『のりピーの』をつけへんとニュースにならんのか」ちゅうことですが、これは、私はそんなにのりピーが気の毒とは思わないです。だって、そんなオトコと結婚してシャブを使てたんですから。

 いったんシャブに手を出してしもたら、それは一生ついて回るちゅうことです。瑠美もオトコに勧められて軽い気持ちで手を出してしまいましたが、今も後悔でいっぱいです。でも、思えば高い授業料でしたが、連載させてもろたり、テレビやラジオで発言させていただけるのも、シャブのおかげ……ですかねえ(苦笑)。

中学受験生の娘を援護射撃したい! 第1志望校の「全ての説明会と学校行事」に通った母の努力は報われたのか?

 “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

 現在、各中高一貫校では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に十分に配慮した形で、生の学校説明会を実施している。ある学校の11月下旬の学校説明会では800人限定という人数制限ではあったが、アッという間に予約が満杯になったと聞いている。実際にライブで聞く説明会はリモートでは得られないものがあるのだろうなと思っている。

 今年はコロナ禍での受験になるので、例年とは違うことがたくさん出てくることが予想されている。そのため保護者は志望校の最新情報を常にチェックしておく必要があることは言うまでもない。

 当たり前ではあるが、学校説明会は(合同説明会を除くと)、その学校で開催されることが普通だ。先述したように多くの学校は予約制。予約を取った上で、学校が指定したその日時に行く必要があるのだが、保護者の中には、これを面倒がる人がいる。

 しかし、筆者に言わせれば、学校開催の説明会に行かないというのは結婚相手を釣書と写真だけで決めてしまうようなもので、大変、危険である。つまり偏差値とウェブ情報だけで志望校を決めるのと同じことに思えてしまうからだ。やはり、どんな学校なのかを実際に確かめていくことを強くお勧めしておきたい。これには有形無形のメリットがあるのだが、今回は実際に起こった“よくある”有形のメリットについてお話しよう。

 洋子さん(仮名)と藍ちゃん(仮名)母娘はV女学園をとても気に入り、小5の段階で、早くも第1志望校にしていたという。一方で、洋子さん自身は他校も含めて、偏差値の上下は考えず、通学できる範囲内の学校説明会には足繁く通っていたそうだ。

「偏差値とか大学合格実績という先入観を捨てて、娘に合う学校をと、いろいろな学校を見て回ったのですが、『やはりV女しかない!』って気持ちは募る一方でした。ただ、娘の成績は思うようには上がらず、模試の判定は、V女にはいま一歩届かないという数字が続いていたんです。そこで、どうしたら娘を援護射撃できるのかを考えて、とにかく、V女が公開している全ての学校行事に娘を連れて行きましたし、学校説明会には私が全部参加して、そこで配られるアンケートには必ず名前を書いて、熱い思いをつづってきたのです」

 V女学園はいわゆる中堅校に属しているのであるが、上位校の併願に選ばれることの多い歴史と伝統がある人気校。決して簡単に入れるような学校ではない。

 実際、近年では上位校で不合格になっている子たちの受け皿にもなっているので、藍ちゃんのように第1志望の子が不利になることもないとはいえないのだ。

 そうこうしているうちに、いよいよ、藍ちゃんの入試本番が始まった。V女学園の入試のチャンスは3回。ところが、藍ちゃんは健闘虚しく、3回とも不合格になってしまったという。

 「V女に恋焦がれている娘を落として、こともあろうにV女を小バカにしていた花音ちゃん(仮名)が合格して、進学することを決めたって知った時には、本当に悲しかったです。花音ちゃんママが『一度も行ったことがない学校に行く羽目になって……』と言っているのを、偶然耳にしちゃって。『それなら、ウチにその権利を譲ってよ! ウチはV女命でやってきたのに!』って涙が止まらなかったです」 と洋子さんは当時の悔しさを振り返ってくれた。

 しかし、その日から数日が過ぎた頃、洋子さんの携帯が鳴ったという。それは、V女学園からの繰り上げ合格の連絡だった。

 V女学園は昔から、第1志望である子をとても大切にしている。学校の教育方針を理解してくれている家庭の息女に来てもらいたいという願いがあるのだ。

 もちろん、定員ありきの選抜試験。成績上位の子たちから合格を出すシステムに違いはないが、何十人もいる補欠合格者から繰り上げ合格を出すのであれば、学校を愛してくれているご家庭を優先しているという。

「その時、先生が私にこう言ってくださったんです。『何度も何度も本校にお越しくださっていたこと、承知しておりましたよ。感謝しております。この度、本校に藍さんをお迎えすることができ、私共は本当にうれしく思っています。心からおめでとうございます』って。私は、もう号泣してしまって……。いやだ、思い出したら、また涙が……」

 洋子さんと藍ちゃんは、何年もV女学園を熱望していただけに、先生の中にはすでに顔見知りの人も複数いたといい、その入学式は「まるで実家に帰って来たみたい」な感覚だったそうだ。

 藍ちゃんは現在、中学3年生。学校が楽しくて仕方ないそうで、V女学園が大切にしているボランティア活動にも励んでいる日々だという。志望校には必ず足を運んで、どのような学校なのかをその目でちゃんと確かめる。そして学校側にその思いを伝える……それもまた中学受験では重要なことといえると思う。

テレ朝『ポツンと一軒家』、視聴率16.1%獲得も「危険」の声……住人の“体調不良”を放送し物議

 11月22日に放送されたバラエティ番組『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)。毎週“高視聴率”が話題となる人気番組で、この日も16.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調をキープしているものの、一部内容が視聴者の間で物議を醸しているという。

 この日の放送では、昨年8月に番組スタッフが訪れた秋田県の一軒家を振り返りつつ、現状を追跡。住人に近況を聞いていた。

「この一軒家の住人は、40代で親から米農家を引き継ぎ、週末は釣り船の船長をしているという人物。以前の取材時には、自家消費用に作っている『ゆめおばこ』という品種の米が取材陣に振る舞われたほか、釣り船に同行し、番組スタッフが62cmの真鯛を釣り上げる様子が放送されました。しかし、その1年3カ月後となった今回、この住人に連絡すると、『いろいろありました』と意味深な返答が。なんでも、脱水症状で2カ月ほど寝込んでしまい、体調不良だったことを明かしたんです」(芸能ライター)

 もともと血圧が高かったという住人は、食事で塩分の摂取を控えていたというが、これにより栄養バランスが崩れてしまったそう。寝込んでいる間に11kgも体重が減り、動けない状況だったものの、ボランティアが田植えを手伝ってくれたおかげで、今年も米を作ることができたなどと報告した。

「この件について、ネット上では『ひとまず、無事でよかった……!』『優しい人たちが周りにいてホッとした』など、安堵の声が続出。中には、『視聴率がいい番組だし、いい啓蒙になったと思う』『高視聴率の番組で、こういう注意喚起してくれるのはありがたい』といった声もあり、住人の“その後”には、かなり注目が集まっていたようです」(同)

 一方で、同番組には以前から、放送内容についてある懸念がネット上に寄せられていた。

「この番組は名前の通り、山奥などに“ポツン”と建っている一軒家を訪れ、その住民に取材するという内容。家の場所だけでなく、住んでいる人のことまでわかってしまうため、『これだけ詳細に場所を明かして、何かあったらどうするの?』『もし泥棒に入られても、すぐに助けが呼べない環境ってことを考えると、放送は危険な気がする』など、情報の悪用を心配する意見が少なくないんです。今回は“過去に寝込んでいた”という話題が主でしたが、高視聴率番組ということもあって、一個人の情報が特定可能な形で公になることに、心配の声が出てしまうのでしょう」(同)

 29日の放送回では、以前の放送でスタッフが訪れた岩手県と愛媛県の一軒家について、その後を追跡する内容を予定。番組サイドには“不測の事態”が起こらないよう、十分な配慮をしてほしいものだ。

テレ朝『ポツンと一軒家』、視聴率16.1%獲得も「危険」の声……住人の“体調不良”を放送し物議

 11月22日に放送されたバラエティ番組『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)。毎週“高視聴率”が話題となる人気番組で、この日も16.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調をキープしているものの、一部内容が視聴者の間で物議を醸しているという。

 この日の放送では、昨年8月に番組スタッフが訪れた秋田県の一軒家を振り返りつつ、現状を追跡。住人に近況を聞いていた。

「この一軒家の住人は、40代で親から米農家を引き継ぎ、週末は釣り船の船長をしているという人物。以前の取材時には、自家消費用に作っている『ゆめおばこ』という品種の米が取材陣に振る舞われたほか、釣り船に同行し、番組スタッフが62cmの真鯛を釣り上げる様子が放送されました。しかし、その1年3カ月後となった今回、この住人に連絡すると、『いろいろありました』と意味深な返答が。なんでも、脱水症状で2カ月ほど寝込んでしまい、体調不良だったことを明かしたんです」(芸能ライター)

 もともと血圧が高かったという住人は、食事で塩分の摂取を控えていたというが、これにより栄養バランスが崩れてしまったそう。寝込んでいる間に11kgも体重が減り、動けない状況だったものの、ボランティアが田植えを手伝ってくれたおかげで、今年も米を作ることができたなどと報告した。

「この件について、ネット上では『ひとまず、無事でよかった……!』『優しい人たちが周りにいてホッとした』など、安堵の声が続出。中には、『視聴率がいい番組だし、いい啓蒙になったと思う』『高視聴率の番組で、こういう注意喚起してくれるのはありがたい』といった声もあり、住人の“その後”には、かなり注目が集まっていたようです」(同)

 一方で、同番組には以前から、放送内容についてある懸念がネット上に寄せられていた。

「この番組は名前の通り、山奥などに“ポツン”と建っている一軒家を訪れ、その住民に取材するという内容。家の場所だけでなく、住んでいる人のことまでわかってしまうため、『これだけ詳細に場所を明かして、何かあったらどうするの?』『もし泥棒に入られても、すぐに助けが呼べない環境ってことを考えると、放送は危険な気がする』など、情報の悪用を心配する意見が少なくないんです。今回は“過去に寝込んでいた”という話題が主でしたが、高視聴率番組ということもあって、一個人の情報が特定可能な形で公になることに、心配の声が出てしまうのでしょう」(同)

 29日の放送回では、以前の放送でスタッフが訪れた岩手県と愛媛県の一軒家について、その後を追跡する内容を予定。番組サイドには“不測の事態”が起こらないよう、十分な配慮をしてほしいものだ。

宇佐美りん『推し、燃ゆ』で描かれる、誰かを「推す」ことの不毛さと偶像を尊ぶアイドルファンのリアル

――本屋にあまた並ぶ新刊の中から、サイゾーウーマン読者の本棚に入れたい書籍・コミックを紹介します。

『推し、燃ゆ』(著:宇佐見りん/河出書房)

【概要】

 2019年『かか』(河出書房)で文藝賞を受賞しデビュー、20年には同作で三島由紀夫賞を史上最年少で受賞した宇佐見りんの第2作。全力で推していた男性アイドルが、ファンを殴って炎上した。たったそれだけで、ひとりのファンの人生が揺らぎ始めるーー。

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「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。まだ詳細は何ひとつわかっていない。何ひとつわかっていないにもかかわらず、それは一晩で急速に炎上した」

 アイドルでも声優でも俳優でも、芸能人の「推し」がいる人には端的に伝わる最低な朝の描写から始まる『推し、燃ゆ』(著: 宇佐見りん/河出書房刊)は、男性アイドルを推しながらじわじわと崩れていく女子高生の日常を、高い解像度で書き起こした中編小説だ。

 アイドルグループ「まざま座」のメンバー・上野真幸を見つめ、ブログに記し、彼を“解釈する”ことに全てをささげていた女子高生・あかり。家族とうまくいかず、学校生活もままならない彼女にとって、上野真幸は人生の支柱だった。そんな大切な推しが、暴力行為で炎上。世間に飛び交う雑な“解釈”が推しの人気をあからさまに削いでいく状況に、あかりはかえって身を持ち崩すほど「推し」にのめり込むようになる。高校を退学し、アルバイトを解雇され、十分な自活能力もないまま家族から追い立てられるように一人暮らしを始める中で、「まざま座」の解散が発表される――。

 『推し、燃ゆ』には、アイドルを「推す」ことで前向きになれるような出会いがあったり、奇跡の采配で「推し」と遭遇したりするような、わかりやすいドラマチックな展開は生まれない。それでも、無為に過ごした休日の夕方、荒れた部屋で「推し」だけが輝く虚無、そんな光景に覚えがある人ならこの物語に魅了されてしまうかもしれない。

 本作の最も特徴的な点は、徹底的に主人公・あかりの視点で淡々と語られる独特の文体だ。彼女の興味の向く事象のみが語られるため、「推し」であるアイドル・上野真幸の容貌やちょっとした癖、彼を取り巻くSNSやメディアの動向は細やかに伝わるのに、あかり本人の容姿は髪型すらわからない。頻発する忘れ物やバイト先の居酒屋での混乱などから、彼女が軽度の発達障害を抱えているかもしれないことがおぼろげに伝わってくるが、病院で診断されたというその病名すらなおざりだ。

 推しを思う時の色彩豊かで感傷的な記述も、「今やるべきこと」と「後でやりたいこと」が絡まり、行動の優先順位がなし崩しになってしまう視野狭窄気味な思考の流れも、どちらにもぴったりと沿う文体が、じわじわと引きつっていくような本作の世界観を巧みに主導する。癖になるリズムのある文章で読者を惹きつけた宇佐見氏のデビュー作『かか』(同)に続き、本作においても、映画でも漫画でもない「小説」を読む楽しみを味わわせてくれる。

 ドライブ感のある文体で浮き彫りになるのは、誰かを「推す」という人によっては理解不能な行為の一端だ。「推す」と一口に言っても多種多様で、あかりのように「推しの存在を愛でること自体が幸せ」というタイプもいれば、あかりの友人のように「触れ合えない地上より触れ合える地下」と認知と接触を求める人もいる。

 「推し」を巡る、SNSを通じた交流の生ぬるい温かさも、嗜虐的なアンチの揶揄も、誰かを推した経験のある人ならたいてい見覚えのある光景だろう。そんな「推しを推す」人々とその周辺の描写を通じて、一方的で不毛な「推す」という行為から生まれる、「正とも負ともつかない莫大なエネルギーが噴き上がる」ような瞬間が、角度を変えて何度もすくい取られている。

 推しに対して、「触れ合いたいとは思わなかった」「有象無象のファンでありたい。拍手の一部になり歓声の一部になり、匿名の書き込みでありがとうって言いたい」と一定の距離を保っていたあかり。「ステージと客席には、そのへだたり分の優しさがある」と思っていた彼女は、一度だけその「へだたり」を越えかけるものの全力で引き返し、その勢いのまま初めて「推し」抜きの自分自身と対峙する。

 全身全霊を傾けていた推しを見つめる力が自らの荒れた心身に向けられた時、彼女が感受した世界は荒涼としたものだ。ヘビーで持て余すような日常生活に、先の見えない未来に、思うままに動かない肉体。不本意でもそれらと死ぬまで一生付き合っていくしかないという現実。それはどんなに絶望に似ていても、しかしやはり希望なのだと私は思う。
(保田夏子)

LiSA、『鬼滅の刃』主題歌「炎」を熱唱も“口パク疑惑”浮上!? 『行列』で「音とズレてる」「編集の問題」と物議

11月22日に放送された『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)。今回、人気アーティスト・LiSAがパフォーマンスをしたのだが、ネット上で“口パク疑惑”が噴出しているという。

 今回は「あの時メンタルズタボロでしたSP」と題して、出演者たちが精神的にダメージを負った出来事について告白。この中で、スペシャルゲストとしてLiSAが登場し、ベストアルバムを製作していた30歳の時、「このまま歌を続けていいのか?」と悩んでいたことを明かした。

「現在33歳のLiSAは、『30代になって、自分がどうやって生きていこうか迷っていた時期だったんですけど』と切り出し、『こんなにも幸せなのに、つらい気持ちっていうんですかね。きっと誰かに話してもわかってもらえないというか』と、30歳当時の苦しい胸の内を告白。しかし、ベストアルバム発売を祝して関係者から送られたメッセージの中に、“天海祐希”からのコメントがあるのを発見したそう。LiSAが感謝のメールを送ると、『(歳を)重ねていくということは、1人の女性として孤独を背負うということですけど、孤独でもその孤独を是非楽しんでください』と返信が届き、その言葉で前に進めたと語っていました」(芸能ライター)

 その後は、大ヒット中の映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌である「炎」をスタジオで披露。しかし、視聴者から「口パクでは?」といった指摘が相次ぐ事態となったのだ。

「ネット上では、『音と口の動きがズレてて、口パクしてるのがわかりやすい』『ダンスをするアイドルと違って、歌うだけなのに口パクはマズいんじゃないの?』など、辛辣な意見も見受けられました。一方で、『これだけ忙しいなら仕方ないんじゃないかな?』『音楽番組でもないのに、本気で歌わないでしょ』と擁護する声も。さらには、『トークシーンでも音声が合ってなかったから、編集の問題じゃない?』『歌ってる間、ずっと音と映像がズレてた。何かのミスだろうね』などと、番組サイドが編集の段階で“音ズレ”を発生させてしまったのではないか、と推測する人も少なくありません」(同)

 確かに、LiSAの歌唱シーン以外でも、音声と映像がズレている部分が見受けられる。しかし、「LiSAには“口パク疑惑”を持たれてしまう理由がある」(同)のだという。

「昨年12月に放送された『2019 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)に出演した際、広瀬香美の楽曲『promise』を本人らとコラボで披露していたのですが、その際に『歌ヘタすぎ!』『音程が悪くて聞いていられない』『無理くりなビブラートだし音程も取れてない』などと、ネット上で苦言が漏れていたんです。今年7月に放送された『音楽の日 2020』(TBS系)で歌唱した時も、特に高音が出ていないとの指摘が相次ぎ、『体調悪いのかな? 喉をいたわってほしい』『なんか声出しにくそうで気になる。無理しないで!』などと、ファンから心配されるほどでした」(同)

 真相はわからないものの、圧倒的な歌唱力で人気のLiSAが口パクだったとしたら、ファンのショックは大きいはず。年末には『NHK紅白歌合戦』の出場も控えているが、ここではどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。

妊娠中に夫が不倫……妻はどうする? 金子恵美『許すチカラ』から考える、「許す・許さない」の境界線【既婚・未婚座談会】

 元衆議院議員で、現在はコメンテーターとして活動する金子恵美が、著書『許すチカラ』(集英社)を上梓した。彼女の夫で元衆議院議員の宮崎謙介は、2015年に「育休宣言」で脚光を浴びるも、翌16年、金子の妊娠中に不倫していたことを「週刊文春」(文藝春秋)に報じられ、議員を辞職。しかし、金子はそんな宮崎と離婚せず、夫婦でテレビ出演をするなど、“有名人の不倫”に厳しいこのご時世において、異例の動きを見せていた。

 しかし、今月27日にニュースサイト「文春オンライン」にて、宮崎の“二度目の不倫”が報じられることに。ネット上では「金子はこの不倫も許すのか?」「1回目で大丈夫だったから、またやったんだろう」といった声も聞こえてくる。

 『許すチカラ』で金子は、「私は夫を許して幸せになれた」と高らかに宣言している。夫婦が、そして女性が幸せに生きるために、「許すチカラ」は本当に必要なのだろうか? 疑問を抱いた女性3名(A:バツイチ&子あり、B:未婚&子あり、C:既婚&子なし)が語り合った。

金子恵美は「夫の不倫」に怒っていなかった?

――『許すチカラ』を読んで、どんな感想を持ちましたか?

C まず思ったのは、そもそも金子は、「夫の不倫」に怒っていないのでは? ということです。出産直後に宮崎から週刊誌に載ると聞かされた時、彼女は真っ先に「金銭問題」を恐れ、「女性問題」だと知ると安堵しているんです。宮崎から洗いざらい話を聞いてからも、「女性として裏切られたという腹立たしさ」より、「政治家としての彼の立場」に思いが向いていた、育休宣言をしておいて真逆の行動を取ったことが「同じ政治家として許せない」という思いだったと書いてある。彼女は最初から、不倫に対して特に怒っていないんですよね。

B この夫婦の場合、不倫よりパートナーにされたら困ることが山ほどあるんでしょうね。だから「不倫ぐらいなら」という気持ちになる、と。

C そうそう。彼女たちは当時、議員という立場があったので、汚職的なことをやったら逮捕されるかもしれないし、致命的。となると、もともとこの夫婦にとって、不倫はそこまで深刻な問題ではなかったのではないでしょうか。それを「私は許せました」って言われても……ねえ? 

A 不倫が「どうしても許せないこと」だったのかというと、どうやらそういうわけではなさそう。「夫の不倫が許せなくて苦しんだけれど、こうしたら許せました!」という話とは、全然違いますよね。

B 私が気になったのは、金子が育った家庭環境の話です。彼女の父親は新潟県で村長をやっていた人で、宮崎の不倫を聞いて、「政治家の女性問題なんて、昔だったらいくらでもあったよ」と言ったとか。そういう考え方の親の元で育っているから、夫の不倫にも寛容だったんじゃないのかと思ったんですよね。親から「別れろ」と言われることもないだろうし。なんか、この1行を読んで、残りのページがどうでもよくなりました(笑)。

A 一方で、後半のページでは、「男性が不倫相手の女性に『妻とは別れる』と言って口説いたことが許せない」みたいに書いてありましたよね。「妻の尊厳はしっかり守ったうえでなければルール違反だ」とか……。いや、不倫している時点でルール違反なんですけど? 奥さんの尊厳を守りながら不倫するって、どういうこと!?

C 「妻とは別れないけど、不倫相手の君とも関係を持つ!」って口説けばOKなんですかね。よくわからん(笑)。

――みなさんは、パートナーに不倫されたことってありますか?

A 私は妊娠中、元夫がキャバ嬢とLINEで親密に連絡を取り合っていることを知りました。当時はもう気が狂いそうに……いや、本当に狂ってしまって、そのキャバ嬢に電話で詰め寄ったんです。「もうすぐ子どもが生まれるのに、どういう関係なんですか!?」って。実際は営業半分、友だち感覚で連絡してたみたいだったんですが、元夫はそれから、携帯電話を会社に置いてくるようになり……ほかにもいろいろ許せないことがあって、子どもが1歳の頃に別れました。

C 携帯を会社に置いてくるって、明らかに何か隠そうとしてるじゃないですか?

A わかりやすいですよね(笑)。で、『許すチカラ』を読むと、宮崎って不倫がバレたあとのフォローがすごくうまいんですよ。記者会見を開いたり、日記に妻への愛情をつづったり、精神誠意反省しているかのように見える。これくらいしてくれたら、私も元夫を許せたのかもしれない。一方で、世間からのバッシングを受けて精神的には不安定で、金子はそんな夫を「守らなければいけない」と思ったという。

B 夫が懴悔と贖罪の日々を送っていることや、社会的制裁を受けていることがはっきりわかるのは、「許す」うえで大きいと思います。ちなみに私は妊娠前後の時期に、相手と価値観の違いなどから別れ話が出るようになり、結局別れて未婚で出産しました。安定期に入り、「無事に生まれるだろうな」とわかってきたところで、彼へのわだかまりが薄れていったので、浮気されていたとしても、多分どうでもよかったと思います。でも、それはあくまでも、自分の子どもが無事に生まれたから言えることであって、出産リスクの大きい状況だったらまた違ったかもしれません。

C 「不倫をしていた」という事実は変わらないし、やったことはしょうがない。問題は、相手が「その後どうするのか」と、自分自身の状況によって、許す・許さないが決まるんですかね。『許すチカラ』では、宮崎が不倫を反省しながら苦しんでいる様子が書かれていましたが、読む前と読んだ後で彼のイメージって変わりました?

B うーん、私はあまり変わらないかも。育休宣言当時、宮崎はいかにも“イケイケの議員”って感じでチャラそうだったけど、男性議員の育休自体はいいことだと感じていました。それが不倫騒動を起こし、「こいつ、何やってんだよ?」とは思ったけど、彼自身にはあまり興味がなかったかも(笑)。当時からずっと、「こういう人たちもいるんだな」ぐらいの印象です。

A 私も育休宣言の時は「いい人だ」と思いました。でも、読んだ後は、「うわー、やっぱりぶっ飛んだ夫婦なんだ!」と(笑)。普通の夫婦、普通の家庭の話じゃないな、と思っちゃいましたね。

――もし自分が金子の立場だったら、宮崎を許しますか?

C 私は、さっさと離婚します(笑)。読んでいて気になったのが、「許す・許さない」という判断だと、夫婦間で上下関係が発生しそうだと思ったんですよね。金子は「夫を許して幸せになれた」と言っていますけど、どうしたって“許してあげた側”の立場が上になるじゃないですか。もし自分が何かしらのミスをして、夫から「許してあげた=立場が上」だと思われていたら、すごく嫌だと感じたんですよね。夫婦なのに対等な関係じゃなくなるのは、ちょっと変だなというか。まあ一番の理由は、不倫するやつはバレてもどうせまたやると思うので、早めにサヨナラしておきたいからですが。

A 私も、基本的に不倫は許せないですね。ただ、金子たちの置かれた状況だと……「許さないとダメ」なのかもしれない、とも思うんです。宮崎が自分の妊娠中に不倫していたことは世間に知れ渡っているので、これで別れると、子どもも「お前のパパ不倫しただろ!?」とか言われちゃいそう。不倫したことを知られてしまっているからこそ、もっと深刻な状況にならないように、丸く収めたいかな。

B 子どもの存在は引っ掛かりますよね。離婚はしないで、騒動を丸く収めるための方法を考えるとか、夫に何かしら手を差し伸べるという選択肢はあり得ると思います。ただ、それが気持ちの上でも「許している」のかと聞かれると、別問題かも。「許す=離婚しない」「許さない=離婚」とは、限らないじゃないですか。

 ただ、あれだけの騒動を起こしたんだから、「この先は私の好きにさせろよ」とは思うかもしれません。離婚する・しないを決めるのは私だし、子どものことにしろ、家庭内のあらゆることもすべからく自分が主導権を握る、みたいな。そこは不安感や悔しさから、夫婦間で上下関係を作り上げてしまいそう。

C 私は子なしかつ、欲しいとも思っていないので「さっさと離婚」を選択しますけど、やっぱり子どもの存在は、かなりネックになるようですね。

B 子どもがいなかったとしても、子どもを望んでいる場合は、いろいろな計算をするじゃないですか。妊活中に夫の不倫がわかったとして、離婚して別の相手を見つけて結婚して子どもを産む……と考えると、結構な時間をロスしそう。だったらとりあえず、表面上は許したことにして、妊娠・出産をして、子どもがある程度育ってきたらまた考えよう、となる人がいてもおかしくはないと思います。

C 確かに、妊娠や出産のタイミングが関わると、自分の“気持ち”だけで動けない部分が出てきそう。結局、不倫を許す・許さない、離婚する・しないは、個人の価値観や子どもの存在など、状況によっても大きく変わるものですよね。許した人が素晴らしいわけでもなければ、許さない人の心が狭いわけでもない。「夫を許せた」は、単なる自己満足って思ったほうがよさそうですね。

――実際、金子もこの本に関連するインタビューで、「許さないことを否定するものではない。 許す人は心が広くて強い女性だと捉えられたくないし、 それを押し付けるものでもないということだけは、 ちゃんと伝えておきたい」と語っていました(10月23日配信マイナビニュース「金子恵美、夫の不倫から4年…許す決断は『間違ってなかった』 真のパートナーに」より)。

A これは金子の言う通り(笑)。彼女が許したからといって、この世の不倫された妻が全員夫を許すわけじゃないので、勘違いしてほしくないですね。

――この本を読んで、「許すチカラ」は必要だと感じましたか?

A ちょっとしたことを「許すチカラ」は、必要だと思います。でも、私は誰かにすごくムカついたり、嫌なことをされたりした時に、「絶対こいつには負けない!」と思って、「許さないチカラ」で頑張るんですよね。だから、なんでもかんでも許さなくていいと思う。

B 「許さないチカラ」が活力になることは、私もあります。個人的には、「許したい」と思っているなら、許せるように頑張ればいい。許せないし、許したいとも思っていないなら、ずっと許さずにいてもいいよね、って感覚です。そこは自分が思うようにするべきところ、というか……。

C むしろ「許したほうがいいよ」「許さないとあなたが損するよ」とか言われるほうが、私は苦痛。相手が死ぬほど後悔して、日常生活に支障が出るくらい苦しんでいるなら許してもいいかもしれないけど、他人の心の中なんて実際にはわからないし。まあ金子は、宮崎が苦しんでいることや償おうとしていることがはっきり見えたから、許す気になったんでしょうが、そういうケースばかりじゃないですし。

B 「許す・許さない」って、実は個人差がめちゃくちゃ大きいのかもしれないですね。そういう繊細な判断に対して、「許す」ことを押し付けるようなタイトルの本が出ることが、今一番許せないかも(笑)。

(後編に続く)